説明

連続したデジタル情報ストリーム中の知覚される不連続性を低減する方法および装置

本発明は、多層記録担体104の第1の層L0から第2の層L1への遷移中に生じる、第1の層L0および第2の層L1から読み出される連続したデジタル情報ストリーム中の知覚される不連続性を、低減する方法および装置に関する。この方法は、多層記録担体104上に記録されるべきデジタル情報ストリームをモニタリングする工程S1と、デジタル情報ストリーム中の、知覚される不連続性の影響が低くされている点に対応する時点tを特定する工程S2と、多層記録担体104の第1の層L0上への記録から、第2の層L1上への記録への遷移が、特定された時点tにおいて生じるように、デジタル情報ストリームを記録する工程S3とを含む。本発明は、たとえば比較的小さなデータバッファを有する読出装置において生じる、知覚される不連続性を最小限に抑える有効な方法を提供する。本発明はさらに、データバッファのサイズを小さくする可能性、および多層記録担体の読出用に構成された装置での読出中に使用される能動部品に課せられる、時間条件を緩和する可能性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層記録担体の第1の層および第2の層に、その多層記録担体からデジタル情報ストリームを読み出す際に知覚される不連続性が低減されるようにして、デジタル情報ストリームを記録する方法に関するものである。本発明はまた、かかる方法を実行するように構成された装置にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)は、新世代の光ディスクストレージ技術である。DVDは、本質的にCDよりも大容量かつ高速のものであり、映画のようなビデオ、CDよりも高品質のオーディオ、静止画像、およびコンピュータデータを保持することができる。DVDは、単一のデジタルフォーマットを有する、ホームエンターテイメント、コンピュータおよびビジネス情報を包含することを意図している。DVDは、レーザーディスクに取って代わっており、またビデオテープおよびビデオゲームカートリッジに取って代わろうとする最中にあり、また徐々にオーディオCDおよびCD−ROMにも取って代わるかもしれない。そのような光記憶媒体のデータ容量をさらに高めるために、媒体の片側からアクセス可能な情報層の数を増大させること、すなわち多層記録担体を作製することが可能である。両面ディスクと比較した二層ディスクの1つの明らかな利点は、両面ディスクは他の情報層にアクセスするためにユーザがディスクを裏返すことを必要とする一方、二層ディスクの両方の情報層は、ディスクの同じ側からアクセス可能な点である。
【0003】
二層ディスクのような多層記録担体の読出しに適合させられた装置での、かかる多層記録担体の読出中においては、1つの情報層から別の情報層への遷移は、いくらかの時間を必要とする。多層記録担体に記録されるべきデジタル情報が、たとえばデジタルビデオおよび/またはオーディオであり、かつそのビデオおよび/またはオーディオが、より短い複数のエピソード、チャプター、または歌曲等からなる場合には、多層記録担体の第1の層から第2の層への遷移点を、それらのより短いエピソード、チャプターおよび歌曲同士の間に配することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デジタルビデオおよび/またはオーディオ情報が、映画、比較的長い楽曲、またはストリーム状のビデオならびに/もしくはオーディオ情報の連続的な記録といったような、連続したデジタル情報ストリームの形態である場合には、第1の層から第2の層へと遷移するのに要する時間は、読出中におけるビデオおよび/またはオーディオのフリーズを結果としてもたらすかもしれず、これによりユーザにより知覚される視聴体験に影響が及ぶ。
【0005】
この問題に対する1つの解決法は、読出装置内に十分に大きなデータバッファを導入し、それによりフリーズのない読出しを提供することである。しかしながら、コスト低減のため、既製のDVDプレーヤーやインストール済みのDVDプレーヤー(従来型の機器)といったような多くの読出装置は、小さなバッファサイズしか有していない傾向がある。
【0006】
したがって、本発明の1つの目的は、多層記録担体の第1の層および第2の層に、その多層記録担体から記録された連続したデジタル情報ストリームを読み出す際に知覚される不連続性が低減されるようにして、デジタル情報ストリームを記録する改善された方法および装置を提供し、それにより大きなデータバッファの必要性を軽減し、従来技術の欠点を実質的に克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、多層記録担体の第1の層および第2の層に、デジタル情報ストリームを記録する方法であって、その多層記録担体上に記録されるべきデジタル情報ストリームをモニタリングする工程と、デジタル情報ストリーム中の、知覚される不連続性の影響が低くされている点に対応する時点を特定する工程と、その多層記録担体の第1の層上への記録から、第2の層上への記録への遷移が、上記の特定された時点において生じるように、デジタル情報ストリームを記録する工程とを含むことを特徴とする方法を、提供することによって達成される。従属する請求項2から7は、本発明に係る有利な実施形態を規定している。
【0008】
この方法は、本発明に従って第1の層と第2の層との間の遷移時点を選択することにより、たとえば比較的小さなデータバッファを有する読出装置での読出中において生じるような、知覚される不連続性を最小限に抑える、より効率的かつ可能な方法である。かかる読出装置内の電子部品および機械部品(たとえばドライブやコントローラの構成要素)は、高いタイミング条件を有する傾向があり、たとえば層間の遷移を十分高速に行えなくてはならないという条件を有する。本発明では、知覚される不連続性が最小限に抑えられるように層間ジャンプが配置されるので、本発明は、これらのタイミング条件を緩和する可能性を提供する。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、上記の連続したデジタル情報ストリームが、デジタルオーディオおよびデジタルビデオ情報の少なくとも一方を含むものとされ、上記の特定する工程は、デジタル情報ストリーム中のオーディオビットレートおよびビデオビットレートの少なくとも一方が、予め決められた閾値未満となる時点を特定することにより実行される。典型的には、ビデオおよびオーディオのビットレートはそれぞれ、ビデオフレーム中の動きの量、および/または音声の量(周波数ならびに振幅)を説明する。ビットレートが予め決められた閾値未満となったか否か、およびそれがいつ生じたかをモニタリングし、そのビットレートが閾値未満となった時点に基づいて遷移時点を決定することにより、読出中に生じる知覚される不連続性が、最小限に抑えられる。多くの動きおよび/または音声に対応する高いビットレートにおけるフリーズと比較して、最小限のビットレートにおけるビデオまたはオーディオの一時的なフリーズは、ユーザにとって、ずっと認識しにくいまたは邪魔にならないものである。
【0010】
本発明の別の実施形態では、上記の特定する工程は、デジタル情報ストリーム中に含まれる強度量が、予め決められた閾値未満となる時点を特定することにより、実行される。大量の暗色(たとえば、連続したデジタル情報ストリーム中に存在する、大量の低いRGBカラーコード数)は、動きを見えにくくさせ得る。遷移時点をそのようなイメージ中に決定することは、ビデオの一時的なフリーズを強力に隠蔽する。
【0011】
本発明の別の実施形態では、上記の予め決められた閾値は、オーディオおよびビデオのビットレートおよび強度の、重み付け結合とされる。この形態は、遷移時点を決定する際に、デジタル情報ストリームのいくつかの特性を考慮に入れることを可能とする。さらに、たとえば多層記録担体に記録を行う際に、装置のユーザによって、閾値の基準を選択する際の好みを指定することが可能となる。たとえば、音楽のコンサートを記録する際には、低いオーディオビットレートが最も重要な基準となるかもしれない。
【0012】
好ましくは、上記の閾値は、時間と共に変化する閾値とされる。たとえば、連続したストリーム状のビデオおよび/またはオーディオ情報が多層記録担体上に記録される場合においては、情報の連続的な記録が、その多層記録担体の第1の層上に保存可能である最大情報量に近づくにつれて、閾値を上げていくことが可能である。しかしながら、多層記録担体の第1の層が満杯のとき(すなわち、最大量の情報が記録されたとき)に、ビットレートおよび/または強度がまだ閾値未満となっていなかった場合には、遷移時点はこの時点に決定される。
【0013】
さらに、予め決められた閾値は、記録されるべき連続したデジタル情報ストリームのタイプに応じて、設定されてもよい。たとえば、連続したデジタル情報ストリームが、通常のビデオと、高周波分布を有するオーディオ情報といったようなより複雑なオーディオコンテンツとを含んでいる場合には、オーディオコンテンツに対してより多くの配慮が払われるように、閾値を設定することが好ましい。さらに、予め決められた閾値は、工場で予め設定されてもよいし、ユーザインターフェースを用いてユーザによって設定されてもよい。
【0014】
本発明にかかる方法は、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)に記録を行う際に好適に使用される。しかしながら、本発明は、ブルーレイディスク(BD)またはHD−DVDといったような、任意のタイプの記録可能型および/または書換可能型の多層光記憶媒体上に情報を記録する際に、広く用いることができる点を理解されたい。現状では、4層および8層のBD媒体が検討されている。
【0015】
本発明の別の側面によれば、上記の目的はまた、多層記録担体上にデジタル情報ストリームを記録する装置であって、その多層記録担体上に記録されるべきデジタル情報ストリームをモニタリングする手段と、デジタル情報ストリーム中の、知覚される不連続性の影響が低くされている点に対応する時点を特定する手段と、その多層記録担体の第1の層上への記録から、第2の層上への記録への遷移が、上記の特定された時点において生じるように、デジタル情報ストリームを記録する手段とを含むことを特徴とする装置によっても達成される。従属する請求項9から12は、本発明に係る有利な実施形態を規定している。
【0016】
本発明の第1の側面に関連して上記で説明したように、データバッファのサイズを小さくし、そのような装置での読出中に使用される能動部品に課せられる時間条件を緩和することができ、それにより、装置を設計および製造する際の費用および複雑さを抑制することができる。さらに、本発明のこの第2の側面は、本発明の第1の側面に関連して上記で説明したのと同様の利点を提供する。
【0017】
ここで、本願でいう「連続したデジタル情報ストリーム」との表現は、映画、比較的長い楽曲、またはストリーム状のビデオならびに/もしくはオーディオ情報の連続的な記録といったような、デジタル情報ストリームを意味するものであると理解されたい。当業者であれば理解できるように、本発明に従う「手段」は、たとえば、適切にプログラミングされたマイクロプロセッサのような制御ユニット内に実装されてもよく、かつ/またはいくつかの別個の要素を含むハードウェアによって実装されてもよい。いくつかの「手段」を列挙した請求項では、これらの「手段」のいくつかが、1つの同一のハードウェア要素によって実現されてもよい。
【0018】
本発明のさらなる特徴および利点は、特許請求の範囲および以下の説明を検討すれば明らかとなる。本発明の種々の特徴を組み合わせて、以下で説明されているもの以外の実施形態も創出できることが、当業者には理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の上記およびその他の特徴を、現在好ましい本発明の実施形態を示した添付の図面を参照しながら、より詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る、多層記録担体104(たとえば二層DVD+R)にデジタル情報ストリームを記録する装置100を示している。この例示的な実施形態では、ソース106が、デジタルビデオおよび/またはデジタルオーディオデータといったような、連続したデジタル情報ストリームを生成する。このソース106は、たとえば、カムコーダ、マイクロフォン、またはデジタル情報が保存されたハードドライブを、最低限含んでいてもよい。当業者においては、他のタイプのソース106も使用可能であることが理解できよう。装置100はさらに、記録ユニット103、たとえばDVD上にデータを書き込むためのレーザーユニットを含んでいる。制御ユニット101およびメモリ102が、この記録ユニット103を制御する。オプションとして、装置100の制御および調整のために、ユーザインターフェース105が含まれていてもよい。当業者には理解されるように、この本発明に従う装置は、たとえば多層記録担体104上にデジタル情報コンテンツを記録するための一体型装置を有するカムコーダといったように、ソース106と一体的に実装されてもよい。
【0021】
制御ユニット101は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラミング可能なデジタル信号プロセッサ、またはその他のプログラミング可能な装置を含んでいてもよい。制御ユニット101は、上記に加えてまたは上記に代えて、特定用途IC(ASIC)、プログラミング可能なゲートアレイ、プログラミング可能なアレイ論理回路、プログラミング可能な論理回路装置、またはデジタル信号プロセッサを含んでいてもよい。制御ユニット101が、上記で述べたマイクロプロセッサやマイクロコントローラといったようなプログラミング可能な装置を含む場合には、制御ユニット101はさらに、そのプログラミング可能な装置の動作を制御する、コンピュータにより実行可能なコードを含んでいてもよい。以下、制御ユニット101の機能を、より詳細に説明する。
【0022】
二層DVD規格によれば、オポジットトラックパス(OTP)ディスク、およびパラレルトラックパス(PTP)ディスクという、2つの異なるフォーマットが規定されている。図2は、完全に書込みがなされたOTP型の二層DVD+Rディスクを図示しており、このディスクは、第1の層L0と第2の層L1とを有し、8.5ギガバイトのフルデータ量がディスク上に記録されている。層L0の螺旋トラックの方向は、内側から外側の方向(すなわちリードインから中間領域0への方向)であり、層L1の螺旋トラックの方向は、外側から内側の方向(すなわち中間領域1からリードアウトへの方向)である。リードイン、リードアウトおよび中間領域のセクションは、そのDVDが仕上がり済みである場合に、その層上にどのようなデータが記憶されているかといったような情報を保存するために使用される。第1の層L0から第2の層L1への遷移時点が、本発明に従って選択されると、たとえばDVDリーダーが第1の層L0から第2の層L1に遷移している際に生じる、知覚される不連続性が低減される。
【0023】
本発明の1つの好ましい実施形態の方法の各ステップが、図3に示されている。以下では、二層DVDが、層L0とL1とのそれぞれに、1時間分の高品質(HQ)オーディオおよびビデオデータを保存する性能を有するものである例を通じて、これらのステップを説明する。この例では、記録されるべき連続したデジタル情報ストリームは、1時間40分の長さを有する、オーディオデータとビデオデータとの混在データを含むものとする。したがって、第1の層L0から第2の層L1への遷移点を、記録されるべきデジタル情報ストリーム内の40分と60分との間のいずれかの位置に配置して、すべての情報を1つの二層DVD上に入れ込むことが可能である。
【0024】
二層DVDの読出中において読出装置(たとえばDVDプレーヤー)が第1の層L0から第2の層L1へと遷移する際に生じる、知覚される不連続性(すなわちビデオおよび/またはオーディオのフリーズ)を低減するには、記録された連続したデジタル情報ストリームを視聴しているユーザがビデオおよび/またはオーディオのフリーズによって顕著には困惑させられないように、遷移が生じ得る時点tを特定することが必要である。データストリームは、制御ユニット101により受け取られ、さらに記録ユニット103へと供給される。
【0025】
この例示的な実施形態における連続したデジタル情報ストリームは、この例ではカムコーダであるリアルタイムソース106によって供給されるので、記録手段103は、第1の層L0上への情報ストリームの記録をただちに開始する。予め規定された記録時間(たとえば40分)の後、制御ユニット101は、ステップS1において、情報ストリームのモニタリングを開始し、オーディオビットレート、ビデオビットレート、およびビデオの1フレームに関する強度を計算する。本発明によれば、ビデオフレームは、イメージフレーム、およびそのイメージフレームに対応するオーディオとして規定されている。ビデオが白黒である場合(この場合のイメージは1つのみのチャネルからなる)には、イメージフレームの強度は、そのイメージ内の暗色の量を測定することにより計算される。しかしながら、ビデオがカラーである場合には、3つの異なるチャネル(赤色、緑色および青色;RGB)すべてが測定されなくてはならない。当業者には知られているように、ビデオは、様々な異なるフォーマット(たとえばY/Cr/Cb)でのコード化が可能であり、その場合、上記の強度はそのフォーマットに対応するように計算される。
【0026】
ステップS2において、制御ユニット101は、そのイメージフレームの強度およびビットレートを、予め決められた閾値と比較する。この予め決められた閾値は、製造時にメモリ102内に予めプログラミングされていてもよいし、あるいはユーザインターフェース105を介してユーザによりプログラミングされてもよい。図4には、ビットレートおよび強度と、予め決められた閾値400、401および402との比較が見て取れる。閾値400、401および402は、ビデオビットレート、オーディオビットレートおよび強度にそれぞれ対応する。そのイメージフレームの強度およびビットレートが予め決められた閾値未満でない場合には、モニタリングのステップS1が再実行される。一方、図4の時点tのように、ビットレートおよびそのイメージフレームの強度の両方が、閾値400、401および402未満である場合には、処理はステップS3へと進む。ステップS3においては、情報ストリームの残りの分を第2の層L1上に記録するように、記録手段103が即座に準備される。しかしながら、層L0の終端に到達し、かつビットレートおよびそのイメージフレームの強度のいずれもが、いまだ閾値400、401および402未満となっていない場合には、情報ストリームの残りの分を第2の層L1上に記録するように、記録手段103が準備される。当業者には理解されるように、上記のビットレートおよび強度のうちの1つまたは2つを、予め決められた閾値と比較することも可能である。
【0027】
あるいは、記録が第1の層L0の終端に到達するにつれて、上記の予め決められた閾値が緩和されてもよい(すなわち、閾値が増大させられてもよい)。たとえば、層L0の終端が近づくにつれて、ビデオビットレートの基準が徐々に緩和されてもよい。たとえば、前もって決められた最低ビットレートまたはプログラミングされた閾値が1.8Mb/sである場合、たとえば52分の時点から開始して、新たな閾値が観測され層間の遷移が可能となるまで、この閾値が17kb/s(=1分につき1Mb/s)だけ増分させられ得る。
【0028】
別の例では、予め決められた閾値は、以下のように時間(t)の関数として決定されてもよい。
【数1】

ここで、
BRlow=前もって決められた最低ビットレートすなわち予め決められた閾値(この例では1.8Mb/s)
BRmax=符号化規格の最大ビットレート(DVD MPEG2規格の場合、9.8Mb/s)
max=1つの層の最大記録時間(この例では、HQモードで1時間)
opt=記録されるべきビデオの合計時間を、層の数で割った値(この例では50分)
start=ビットレートの基準の緩和が開始される、topt後の経過時間(この例では2分)
である。
【0029】
ここで、複数の予め決められた閾値のうち選択されたものが緩和され、その他の予め決められた閾値が固定レベルに保たれてもよい点を理解されたい。さらに、すべての予め決められた閾値が、同じレートで緩和されなくてもよい。
【0030】
当業者においては、本発明は、上記で説明した好ましい実施形態に何ら限定されるものではないことが分かるだろう。そうではなく、特許請求の範囲内において、多くの変更形態およびバリエーションが可能である。たとえば、本発明は、二層DVD+Rディスクから、任意の記録可能型および/または書換可能型の多層光記憶媒体に拡張することができる。さらに、本発明は、通常のコンピュータ環境内、および携帯型記録装置のようなスタンドアロン装置内のいずれでもよい、様々なタイプの記録装置において有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に従う、多層記録担体上にデジタルストリーム情報を記録する装置を示した図
【図2】二層記録担体を示した図
【図3】本発明の各ステップを示したフローチャート
【図4】本発明に従い、予め決められた閾値が、ビデオビットレート、オーディオビットレート、および強度とそれぞれ比較される、3つのグラフを示した図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層記録担体の第1の層および第2の層に、デジタル情報ストリームを記録する方法であって、
− 前記多層記録担体上に記録されるべき前記デジタル情報ストリームをモニタリングする工程と、
− 前記デジタル情報ストリーム中の、知覚される不連続性の影響が低くされている点に対応する時点を特定する工程と、
− 前記多層記録担体の前記第1の層上への記録から、前記第2の層上への記録への遷移が、特定された前記時点において生じるように、前記デジタル情報ストリームを記録する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デジタル情報ストリームが、デジタルオーディオおよびデジタルビデオ情報の少なくとも一方を含んでおり、
前記特定する工程は、前記デジタル情報ストリーム中のオーディオビットレートおよびビデオビットレートの少なくとも一方が、予め決められた閾値未満となる時点を特定することにより、実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記デジタル情報ストリームが、デジタルオーディオおよびデジタルビデオ情報の少なくとも一方を含んでおり、
前記特定する工程は、前記デジタル情報ストリーム中に含まれる強度量が、予め決められた閾値未満となる時点を特定することにより、実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記予め決められた閾値が、前記デジタル情報ストリーム中の前記オーディオビットレートと、前記ビデオビットレートと、前記強度量とのうち、少なくとも2つの重み付け結合によって決められることを特徴とする請求項2または3記載の方法。
【請求項5】
前記予め決められた閾値が、時間と共に変化する閾値であることを特徴とする請求項2、3または4記載の方法。
【請求項6】
前記時間と共に変化する閾値の値が、前記多層記録担体の前記第1の層に記録された前記デジタル情報ストリームの量に依存することを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記予め決められた閾値が、記録されるべき前記デジタル情報ストリームにより表される情報のタイプに応じて設定されることを特徴とする請求項2、3または4記載の方法。
【請求項8】
多層記録担体上にデジタル情報ストリームを記録する装置であって、
− 前記多層記録担体上に記録されるべき前記デジタル情報ストリームをモニタリングする手段と、
− 前記デジタル情報ストリーム中の、知覚される不連続性の影響が低くされている点に対応する時点を特定する手段と、
− 前記多層記録担体の第1の層上への記録から、第2の層上への記録への遷移が、特定された前記時点において生じるように、前記デジタル情報ストリームを記録する手段とを含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
前記デジタル情報ストリームが、デジタルオーディオおよびデジタルビデオ情報の少なくとも一方を含んでおり、
前記特定する手段は、前記デジタル情報ストリーム中のオーディオビットレート、またはビデオビットレート、または前記デジタル情報ストリーム中に含まれる強度量の少なくとも1つを、閾値と比較するように構成されていることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記特定する手段は、前記デジタル情報ストリーム中の前記オーディオビットレート、または前記ビデオビットレート、または前記デジタル情報ストリーム中に含まれる前記強度量の少なくとも1つを、時間と共に変化する閾値と比較するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記特定する手段は、前記時間と共に変化する閾値の値を、前記多層記録担体の前記第1の層に記録された前記デジタル情報ストリームの量に応じて設定するように構成されていることを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記閾値をユーザに設定させる手段をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−523295(P2009−523295A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549958(P2008−549958)
【出願日】平成19年1月8日(2007.1.8)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050053
【国際公開番号】WO2007/080536
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レーザーディスク
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】