説明

連続苗用テープ製造装置、連続苗用テープの製造方法、連続苗用テープ、および植付け機

【課題】ラッキョウ、ニンニク、玉葱などの比較的大きな植付け苗を対象とした連続苗用テープを高品質かつ安定的に製造することができる連続苗用テープ製造装置などを提供する。
【解決手段】一対のテープ(T1,T2)を貼り合わせることで多数の苗収容部T0を備えた連続苗用テープを製造する装置であって、第一テープT1を長手方向に複数回湾曲又は折り曲げることで、第一テープT1に多数の凸部を所定間隔を設けて形成する凸部形成手段と、この凸部形成手段によって凸部が形成された第一テープT1に沿って、凸部の左右を橋渡しするように第一テープT1の裏側からほぼ平坦な第二テープT2を貼り合わせることで、凸状の苗収容部T0を形成する、テープ貼り合わせ手段と、を備えた連続苗用テープ製造装置Aとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッキョウ・ニンニク・玉葱等の苗(植付け苗)を連続的に収容保持できる連続苗用テープを製造するための連続苗用テープ製造装置、連続苗用テープの製造方法、連続苗用テープ、および植付け機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ラッキョウ等の植付け苗は、予め作溝装置等によって植付け溝を形成し、この植付け溝に一個ずつ手作業で植付けていた。このため、植付け角度や植付け深さ、植付け間隔が一定せず、製品品質がばらついてしまうことがあった。また、手作業による植付けには多くの人手が必要であるばかりか、炎天下での植付け作業は苛酷であり作業者に大きな負担となっていた。このような状況は、全国的に高齢化が進む生産農家にとって切実な問題となっている。
【0003】
ここで、下記特許文献1には、植付け苗が苗収容部に収容されている苗収容済みの連続苗用テープが開示されている。そして、このテープにより移植を完全に自動化しうることができ、移植作業を半自動もしくは完全自動化で行うことによって、植物を広い面積に対しても少ない労働力および材料で合理的に据え付けることができるとある。
【0004】
この特許文献1に記載されている苗収容済みの連続苗用テープの製造方法は、ライン状の製造装置を用いて、接着剤テープが所定間隔で設けられたテープ材料の上に、小滴状の接着剤を所定間隔で施して種子を載置した後、このテープ材料の上に別のテープ材料を載せて種子を挟み込み(包囲し)、これらをローラでプレスした後に加熱乾燥させるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−166332号公報(図1、5頁目左下、9頁右下、図7、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された苗収容済みの連続苗用テープの製造方法は、種子を挟み込んだ二枚のテープ材料をローラーでプレスして圧着するため、ラッキョウ・ニンニク・玉葱等の、比較的大きな植付け苗を用いる場合に問題があった。具体的には、苗収容済みの連続苗用テープの生産性が悪くなったり、場合によっては、これらの植付け苗を潰してしまうことすらあった。
【0007】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、ラッキョウ、ニンニク、玉葱などの比較的大きな植付け苗を収容した高品質な苗収容済みの連続苗用テープを提供することができる連続苗用テープ、およびこのような連続苗用テープを高品質かつ安定的に製造することができる連続苗用テープ製造装置などを提供することを第一の目的とする。
また、上記連続苗用テープを用いることで、植付け姿勢の安定化、植付け間隔の一定化、及び植付け速度の向上を図るとともに、植付け作業時の人員削減などの作業効率を格段に向上させることができる植付け機を提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第一の課題を解決するために、本発明の連続苗用テープ製造装置は、一対のテープを貼り合わせることで多数の苗収容部を備えた連続苗用テープを製造する装置であって、第一テープを長手方向に複数回湾曲又は折り曲げることで、第一テープに多数の凸部を所定間隔を設けて形成する凸部形成手段と、この凸部形成手段によって凸部が形成された第一テープに沿って、凸部の左右を橋渡しするように第一テープの裏側からほぼ平坦な第二テープを貼り合わせることで、凸状の苗収容部を形成する、テープ貼り合わせ手段と、を備えた構成とした。
【0009】
この連続苗用テープ製造装置は、凸部が形成された第一テープに沿って、凸部の左右を橋渡しするように第一テープの裏側からほぼ平坦な第二テープを貼り合わせることで、多数の凸状の苗収容部を形成することができ、苗を挟み込んだ一対のテープをローラーで圧着等する必要などないため生産性を犠牲にしにくい。また、植付け苗を潰してしまうこともない。
さらに、苗収容部を形成する際には苗が不要であり、事後的に植付け苗を収容することができるため、作業の自由度が高い。苗収容部を形成した後、巻き取りリールなどに巻き取る前の段階で苗収容部に植付け苗を収容してもよいし、巻き取りリールなどに巻き取った後、別工程で苗収容部に植付け苗を収容してもよい。加えて、事後的な植付け苗の交換作業も容易である。
【0010】
凸部形成手段は、外周壁全周に亘って凸部形成用の凹型切欠部が所定間隔を設けて多数成型され、第一テープが巻き掛けられる回転成形円盤と、この回転成形円盤に隣接して配設され、回転成形円盤に設けられた多数の凹型切欠部に複数の押込片が順次係合する押込ピニオンと、を備えており、回転成形円盤に巻き掛けられた第一テープを、回転成形円盤と押込ピニオンの間に挟み込んで、押込ピニオンの押込片により回転成形円盤の凹型切欠部に押し込んだ状態から、回転成形円盤と押込ピニオンを同期回転させることにより、回転成形円盤の回転方向に沿って第一テープを順送しながら、第一テープに多数の凸部を所定間隔を設けて順次形成するように構成された、連続苗用テープ製造装置とすることができる。
【0011】
この連続苗用テープ製造装置は、凸部形成手段が回転成形円盤と押込ピニオンを備えた構成であるため、従来のライン状の製造装置よりも小型化が図れる。
【0012】
このとき、回転成形円盤の凹型切欠部には、少なくともその切欠底付近に、吸引手段と連通した吸着穴が設けられており、押込ピニオンの押込片によって回転成形円盤の凹型切欠部に押し込まれた第一テープが、吸着穴からの吸引によって回転成形円盤の凹型切欠部に吸着されるように構成した、連続苗用テープ製造装置とすることが好ましい。吸着穴は、少なくとも、押込ピニオンの押込片により回転成形円盤の凹型切欠部に第一テープが押し込まれた際に、吸引手段と連通して吸引できればよい。
【0013】
この連続苗用テープ製造装置は、吸着穴からの吸引によって、回転成形円盤の凹型切欠部に第一テープが吸着されるため、第一テープに形成される凸部の形状や大きさが揃いやすくなり、植付け苗を収容しやすい苗収容部を形成することができる。
【0014】
またこのとき、回転成形円盤の凹型切欠部は、上面開口部が略U字形状であり、且つ下面開口部が上面開口部より幅狭の幅狭略U字形状である、連続苗用テープ製造装置とすることも好ましい。このとき、回転成形円盤の凹型切欠部は、回転成形円盤の上面側から下面側に向かって断面形状が略U字形状から幅狭略U字形状に徐々に変化するように構成することができる。
【0015】
この連続苗用テープ製造装置は、凹型切欠部の上面開口部が略U字形状であり、且つ下面開口部が上面開口部より幅狭の幅狭略U字形状であるため、得られる連続苗用テープの苗収容部の下部(底部)が上部よりも幅狭となり、植付け苗を安定した状態で苗収容部に収容することができる。
【0016】
また、回転成形円盤の凹型切欠部は、上面開口部が略U字形状であり、且つ下面開口部が略V字形状であり、略U字形状の上面開口部の開口縁と略V字形状の下面開口部の開口縁との長さが概ね等しくなるように構成されている、連続苗用テープ製造装置とすることも好ましい。このとき、回転成形円盤の凹型切欠部は、回転成形円盤の上面側から下面側に向かって断面形状が略U字形状から略V字形状に徐々に変化するように構成することができる。
【0017】
この連続苗用テープ製造装置は、凹型切欠部の上面開口部が略U字形状であり、且つ下面開口部が略V字形状であるため、得られる連続苗用テープの苗収容部の下部(底部)がV字形状の幅狭となり、植付け苗を安定した状態で苗収容部に収容することができる。
また、略U字形状の上面開口部の開口縁と略V字形状の下面開口部の開口縁との長さが概ね等しくなるように構成されていることによって、凸部が形成された第一テープが上下何れかの方向に蛇行しにくくなり、巻き掛け状態にある第一テープが回転成形円盤から外れたり、第二テープを貼り合わせにくくなったりする心配が殆どない。
【0018】
テープ貼り合わせ手段は、回転成形円盤の回転方向に沿って順送されている第一テープに順次形成された凸部の左右の平坦部に、第一テープの裏側から接着剤を付着させるディスペンサと、このディスペンサよりも後工程の位置で回転成形円盤の外周壁と僅かな隙間をおいて配設され、接着剤の付着した第一テープに第二テープを重ね合わせた状態で回転成形円盤との僅かな隙間に巻き込むと共に加熱により接着剤を乾燥又は硬化させる、円柱状の巻込円柱ヒーターと、を備え、巻込円柱ヒーターは、回転成形円盤の外周壁に沿って複数個設けられている、連続苗用テープ製造装置とすることもできる。
【0019】
この連続苗用テープ製造装置は、上記巻込円柱ヒーターを回転成形円盤の外周壁に沿って複数個設けてあることにより、オーブンや乾燥炉等の大型乾燥設備が不要になるため、更に小型化が図れる。
【0020】
また、前記第一の課題は、一対のテープを貼り合わせることで多数の苗収容部を備えた連続苗用テープを製造する方法であって、第一テープを長手方向に複数回湾曲又は折り曲げることで、第一テープに多数の凸部を所定間隔を設けて形成する凸部形成工程と、この凸部形成工程で凸部が形成された第一テープに沿って、凸部の左右を橋渡しするように第一テープの裏側からほぼ平坦な第二テープを貼り合わせることで、凸状の苗収容部を形成するテープ貼り合わせ工程と、からなる、連続苗用テープの製造方法によっても解決される。
【0021】
上記連続苗用テープ製造装置又は上記連続苗用テープの製造方法によって得られた連続苗用テープとしては、第一テープ及び第二テープが、土壌中で分解又は溶解する素材からなり、でんぷん糊を用いて貼り合わされている連続苗用テープとすることができる。土壌中で分解又は溶解する素材としては、紙を用いることが好ましい。なかでも、紙マルチをテープ状に加工した紙マルチテープを用いることが好ましい。
【0022】
この連続苗用テープは、ラッキョウ、ニンニク、玉葱などの比較的大きな植付け苗を対象とした連続苗用テープであり、苗収容部の形成時には苗が不要であるため苗を挟み込んだ一対のテープをローラーで圧着等して苗が潰れることがなく、高品質な苗収容済みの連続苗用テープを提供することができる。また、リールに巻き取った際に、苗収容部先端(第一テープの凸部先端)が平坦な第二テープに対面するため、引っかかりが少なくなり、リールに緩みなく巻き付けやすい。さらに、第一テープ及び第二テープが、土壌中で分解又は溶解する素材からなり、でんぷん糊を用いて貼り合わされているため、苗を植付けた後、土壌環境を汚染しにくい。
【0023】
一方、前記第二の課題を解決するため、本発明の植付け機は、トラクタ等の牽引車両に取り付けられて、上記連続苗用テープの苗収容部に植付け苗を収容した苗収容済みの連続苗用テープを植付ける植付け機であって、苗収容済みの連続苗用テープを巻き付けた連続苗リールを概ね鉛直面で回転自在に支持する連続苗リール取り付け手段と、連続苗リールから巻き出された苗収容済みの連続苗用テープが投入載置される略V字型の植付け溝を圃場に作溝する作溝手段と、連続苗リールから巻き出された苗収容済みの連続苗用テープを、作溝手段により作溝された略V字型の植付け溝付近まで案内するための案内溝を有するテープガイド手段と、を備えた構成とした。
【0024】
この植付け機は、植付け姿勢の安定化、植付け間隔の一定化、植付け速度の向上を図ることができるとともに、植付け作業時の人員削減などの作業効率を格段に向上させることができる。
【0025】
このとき、テープガイド手段の案内溝は、連続苗リール側から植付け溝側に向けて徐々に幅が狭くなり、案内溝の植付け溝側の幅は、連続苗用テープの幅よりも狭く、且つその厚みよりも広く構成されている、植付け機とすることが好ましい。
【0026】
苗収容済みの連続苗用テープは、植付け苗の根が下方を向いた縦型の状態でV字型の植付け溝に投入載置する必要がある。この植付け機は、横に寝た状態で連続苗リールから巻き出された苗収容済みの連続苗用テープがV字型の植付け溝側で縦型に起立しやすくなり、植付け溝に苗を安定的に植付けることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、ラッキョウ、ニンニク、玉葱などの比較的大きな植付け苗を収容した高品質な苗収容済みの連続苗用テープを提供することができる連続苗用テープ、およびこのような連続苗用テープを高品質かつ安定的に製造することができる連続苗用テープ製造装置などを提供することができる。
また、上記連続苗用テープを用いることで、植付け姿勢の安定化、植付け間隔の一定化、植付け速度の向上を図ることができるとともに、植付け作業時の人員削減などの作業効率を格段に向上させることができる植付け機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第一実施形態の連続苗用テープ製造装置を示す平面図である。
【図2】図1のP部拡大平面図である。
【図3】図1の回転成形円盤に成型された凹型切欠部を含む部分の拡大図である。
【図4】図1の連続苗用テープ製造装置で製造された第一実施形態の連続苗用テープの一部分解斜視図である。
【図5】第二実施形態の連続苗用テープ製造装置の回転成形円盤に成型された凹型切欠部を含む部分の拡大図である。
【図6】図5の連続苗用テープ製造装置で製造された第二実施形態の連続苗用テープの一部分解斜視図である。
【図7】第三実施形態の連続苗用テープ製造装置の回転成形円盤に成型された凹型切欠部を含む部分の拡大図である。
【図8】図7の連続苗用テープ製造装置で製造された第三実施形態の連続苗用テープの一部分解斜視図である。
【図9】植付け機の側面図である。
【図10】植付け機の部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図を用いて本発明を説明する。図1〜3は第一実施形態の連続苗用テープ製造装置を説明するための図であり、図4は第一実施形態の連続苗用テープの分解斜視図である。また、図5は第二実施形態の連続苗用テープ製造装置を説明するための図であり、図6は第二実施形態の連続苗用テープの分解斜視図である。また、図7は第三実施形態の連続苗用テープ製造装置を説明するための図であり、図8は第三実施形態の連続苗用テープの分解斜視図である。一方、図9及び図10は、植付け機を説明するための図である。
まず最初に図1〜3を用いて、第一実施形態の連続苗用テープ製造装置を説明する。なお、図3において、(a)図は回転成形円盤に成形された凹型切欠部を含む部分の上面図(平面図)、(b)図は同正面図、(c)図は同下面図を示す。(a)図には凹型切欠部の上面開口部が図示され、(c)図には、凹型切欠部の下面開口部が図示されている。
【0030】
[連続苗用テープ製造装置]
本発明の連続苗用テープ製造装置Aは、一対のテープ(第一テープT1と第二テープT2)を貼り合わせることで多数の苗収容部T0を備えた連続苗用テープTを製造する装置であり、凸部形成手段とテープ貼り合わせ手段を備える。詳細には、凸部形成手段として回転成形円盤2と押込ピニオン3を備え、テープ貼り合わせ手段としてディスペンサ4と巻込円柱ヒーター5を備える。以下、これらの構成要素について詳説する。また、以下の実施形態はあくまで本発明を例示説明するものであって、本発明は、これらの具体的な実施形態に限定されるものではない。
【0031】
1.凸部形成手段
凸部形成手段は、第一テープT1を長手方向に複数回湾曲又は折り曲げることで、第一テープT1に多数の凸部T11を所定間隔を設けて形成する手段である。本実施形態において、凸部形成手段は、図1に示すように、第一リール61から巻き出された第一テープT1に多数の凸部T11(図2参照)を形成する。以下、凸部形成手段を構成する回転成形円盤2と押込ピニオン3について詳説する。
【0032】
(a) 回転成形円盤
回転成形円盤2は、後述する押込ピニオン3と協動して、第一テープT1に多数の凸部T11を所定間隔を設けて順次形成するものである。図1及び図2に示すように、回転成形円盤2には、その外周壁全周に亘って凸部形成用の凹型切欠部21が所定間隔を設けて多数成型されている。
本実施形態では、図1に示すように24個の凹型切欠部21が成型されており、図3の(a)〜(c)に示すようにその上面開口部23及び下面開口部24が平面視U字形状であって、且つ、回転成形円盤2の厚み方向の何れの断面形状もほぼ同一のU字形状となっている。
【0033】
この回転成形円盤2は、基台1に支持されており、図示しない動力装置によって連続回転又は凹型切欠部21のピッチに合うように間欠回転する。第一リール61から巻き出された第一テープT1は、一対の張力制御ローラの間を通った後、この回転成形円盤2に巻き掛けられている。
【0034】
また、回転成形円盤2の各凹型切欠部21には、図2に示すように、その切欠底に一つの吸着穴22がそれぞれ設けられている。これら吸着穴22の反対側は、回転成形円盤2の回転中心方向に向かってその内部を貫通し、回転成形円盤2の中央部付近で上面にそれぞれ開けられた上面吸引口25となっている。本実施形態では、図1に示すように、凹型切欠部21の数と同じ24個の上面吸引口25が成形されている。
【0035】
そして、図2に示すように、隣接する複数の上面吸引口25を被うように、回転成形円盤2の表面と僅かな隙間をおいて、回転成形円盤2の直上に吸引ブロック26が配設されている。この吸引ブロック26の下面側(回転成形円盤2の上面と対面する側)には、隣接する複数の上面吸引口25を囲うように回転成形円盤2側に開口した略円弧状の吸引空間27が成型されている。また、吸引ブロック26の上面には吸引空間27まで貫通した吸引装置連結孔28が設けられており、この吸引装置連結孔28には、図示しない吸引装置が連結されている。
【0036】
吸引ブロック26は基台1から伸びる図示しない取り付けアームによって基台1に対して固定されており、回転成形円盤2の回転運動とは連動しないようになっている。以上の構成によって、回転成形円盤2が回転すると、多数の上面吸引口25のうち、吸引ブロック26の吸引空間27に囲まれるものが順次入れ替わり、それに対応して、各凹型切欠部21に設けた吸着穴22が吸引手段と順次連通して吸引を開始するように構成されている。
本実施形態では、第一テープT1に多数の凸部T11を所定間隔を設けて形成する凸部形成工程と、凸部T11が形成された第一テープT1に沿って、その裏側T13からほぼ平坦な第二テープT2を貼り合わせるテープ貼り合わせ工程の初期段階において、対応する吸着穴22が吸引可能になるように、吸引ブロック26の位置や大きさ、および吸引空間27の形状等を設計してある。
【0037】
(b) 押込ピニオン
押込ピニオン3は、先述した回転成形円盤2と協動して、第一テープT1に多数の凸部T11を所定間隔を設けて順次形成するものである。図1及び図2に示すように、押込ピニオン3は、細い竿部と膨らんだ先端部からなる複数(本実施形態では3個)の押込片31で構成されている。
【0038】
この押込ピニオン3は、回転成形円盤2に隣接した位置で基台1に軸支されており、回転成形円盤2が回転すると、押込ピニオン3がこれと同期回転し、複数の押込片31が回転成形円盤2の多数の凹型切欠部21に順次係合するように構成されている。押込ピニオン3に動力装置を連結して回転成形円盤2と同期するように制御してもよい。押込ピニオン3は、押込片31の先端が回転成形円盤2に設けられた凹型切欠部21の切欠底近くまで届くように、その形状や大きさ、および軸支位置が決定されている。
【0039】
(c)回転成形円盤と押込ピニオンの協動
第一テープT1を、回転成形円盤2と押込ピニオン3の間に挟み込んだ状態で回転成形円盤2に巻き掛けて、第一テープT1を押込ピニオン3の押込片31により回転成形円盤2の凹型切欠部21に押し込んだ状態とする(図2参照)。凹型切欠部21に押し込まれた第一テープT1は、吸着穴22からの吸引によって凹型切欠部21に吸着される。そして、この状態から、回転成形円盤2を回転させると押込ピニオン3が同期回転し、第一テープT1に多数の凸部T11が所定間隔を設けて順次形成される。このとき、回転成形円盤2の回転方向に沿って第一テープT1が順送されることになる。このような協動により、第一テープT1に多数の凸部T11が所定間隔を設けて形成される。第一テープT1には、図2及び図4に示すように、多数の凸部T11が平坦部T12を挟んで連続的に形成される。換言すれば、凸部T11同士の間には平坦部T12が存在しており、また、凸部T11の左右には平坦部T12が存在していることになる。
【0040】
2.テープ貼り合わせ手段
テープ貼り合わせ手段は、前述した凸部形成手段によって凸部T11が形成された第一テープT1に沿って、凸部T11の左右(左右の平坦部T12)を橋渡しするように第一テープT1の裏側T13からほぼ平坦な第二テープT2を貼り合わせる手段である。これによって、多数の凸状の苗収容部T0が形成される。本実施形態においては、第二リール62から巻き出された第二テープT2を、凸部T11が形成された第一テープT1に貼り合わせる。以下、テープ貼り合わせ手段を構成するディスペンサ4と巻込円柱ヒーター5について詳説する。
【0041】
(a) ディスペンサ
ディスペンサ4は、第一テープT1に順次形成された凸部T11の左右の平坦部T12に、第一テープT1の裏側T13から接着剤42を付着させる手段である。第一テープT1は、回転成形円盤2の回転に伴って順送されているため、ディスペンサ4を固定しておくことができる。具体的には、ディスペンサ4の接着剤吐出口が、回転成形円盤2の外周壁近傍に位置するようにすればよい。
本実施形態では接着剤42としてのでんぷん糊を、順送されている第一テープT1の平坦部T12裏側にディスペンサ4で付着させており、ディスペンサ4の接着剤吐出口が第一テープT1の平坦部T12に位置しているときにのみ接着剤42が吐出されるよう、間欠的な吐出制御を行っている。
【0042】
(b)巻込円柱ヒーター
巻込円柱ヒーター5は、温度制御可能な加熱ヒーターを内蔵しており、前述したディスペンサ4よりも後工程の位置で回転成形円盤2の外周壁と僅かな隙間をおいて配設されている。そして、図2に示すように、接着剤42の付着した第一テープT1に第二テープT2を重ね合わせた状態で回転成形円盤2との僅かな隙間に巻き込むと共に加熱により接着剤42を乾燥又は硬化させる。
【0043】
本実施形態においては、でんぷん糊を十分乾燥させる目的、および省スペース化を図る目的で、図1に示すように、複数個(本実施例では20個)の巻込円柱ヒーター5を回転成形円盤2の外周壁に沿うように円弧状に並べてある。
【0044】
接着剤42が塗布され、巻込円柱ヒーター5による乾燥工程が終了した連続苗用テープTは、二つの案内ロールを経ながら、基台1の表面と僅かな間隔をおいて基台1上を移動し、巻き取りリールRに巻き取られる。このとき、巻き取りリールRに巻き取る前の段階で植付け苗Sを苗収容部T0に投入して苗収容済みの連続苗用テープとすることができるし、巻き取りリールRに連続苗用テープTを巻き取った後、別工程で植付け苗Sを投入して、苗収容済みの連続苗用テープとすることもできる。
【0045】
[連続苗用テープ]
次に、図4を用いて、上述した連続苗用テープ製造装置Aによって得られた本実施形態の連続苗用テープTについて説明する。なお、図4では、第一テープに第二テープを貼り合わせる接着剤を省略してある。
【0046】
本実施形態の連続苗用テープTは、長手方向に複数回湾曲又は折り曲げることで所定間隔を設けて(平坦部を挟んで)多数の凸部T11が形成された第一テープT1と、この第一テープT1に貼り合わせた、平坦な第二テープT2で構成されている。
【0047】
第一テープT1に形成された凸部T11と、この凸部T11の左右(左右の平坦部)を橋渡しするように貼り付けられた平坦な第二テープT2で囲まれた凸状空間が植付け苗を収容する苗収容部T0となる。この苗収容部T0は上下が開口した筒状である。
【0048】
また、この連続苗用テープTは、第一テープT1側のみが凸状に突起し、一方で第二テープT2側はほぼ平坦である。これによって、巻き取りリールRに巻き取った際に、苗収容部T0(凸状に突起)の先端が平坦な第二テープT2に対面するため、苗収容部の引っかかりが少なくなり、巻き取りリールRに緩みなく巻き付けやすいのである。
【0049】
[第二実施形態の連続苗用テープ製造装置]
以下、図5及び図6を用いて、第二実施形態の連続苗用テープ製造装置A’を説明する。なお、以降の実施形態において、前述した第一実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、原則として、その説明を省略する。
【0050】
本第二実施形態の連続苗用テープ製造装置は、図5に示すように、回転成形円盤2’の凹型切欠部21’の形状が、前述した第一実施例のものとは大きく異なる。即ち、凹型切欠部21’の形状が、図5の(a)及び(c)に示すように、その上面開口部23’が略U字形状で、且つ、その下面開口部24’が上面開口部23’より幅狭の幅狭略U字形状である。これによって、植付け苗を安定した状態で苗収容部に収容することができる連続苗用テープを製造可能である。
本第二実施形態では、回転成形円盤2’の上面側から下面側(底面側)に向かって凹型切欠部の断面形状が略U字形状から徐々に幅狭略U字形状になるように構成されている。
【0051】
また、本実施形態では、凹型切欠部21’の切欠底29(図5(b)において便宜上点線で表示)は概ね直線状になるところ、この直線状の切欠底29が回転成形円盤2’の厚み方向に概ね沿うように構成されている。換言すれば、略U字形状の上面開口部の底と幅狭略U字形状の下面開口部の底が平面視(上面視)で概ね重なるように構成されている(図5(a)参照)。これによって、凸部T11’が形成された第一テープT1が上下何れかの方向に蛇行しにくくなり、巻き掛け状態にある第一テープT1が回転成形円盤2’から外れたり、第二テープT2を貼り合わせにくくなったりする心配が殆どなくなる。
【0052】
[第二実施形態の連続苗用テープ]
次に図6を用いて、上記第二実施形態の連続苗用テープ製造装置によって得られた第二実施形態の連続苗用テープを説明する。
本第二実施形態の連続苗用テープT’は、図6に示すように、長手方向に複数回湾曲又は折り曲げられて多数の凸部T11’が所定間隔を設けて形成された第一テープT1と、この第一テープT1に沿って、凸部T11’の左右を橋渡しするように第一テープT1の裏側から貼り合わせられたほぼ平坦な第二テープT2と、からなり、多数の凸部T11’に対応して多数の凸状の苗収容部T0’が形成された連続苗用テープT’であって、苗収容部T0’は、平面視(上面視)が略U字形状で、且つ、下面視が平面視(上面視)よりも幅狭の幅狭略U字形状の構成である。
即ち、苗収容部T0’の形状が、平面視が略U字形状で、且つ、下面視が平面視よりも幅狭の幅狭略U字形状になっていることを特徴とする。換言すれば、上方に向かって拡径するような苗収容部T0’の形状になっている。このような構成により、前述した通り、植付け苗を苗収容部T0’に収容しやすくなっている。植え付け苗は図6の苗収容部T0’に、根側を下にした状態で収容される。
【0053】
[第三実施形態の連続苗用テープ製造装置]
以下、図7及び図8を用いて、第三実施形態の連続苗用テープ製造装置A”を説明する。
【0054】
本第三実施形態の連続苗用テープ製造装置は、図7に示すように、回転成形円盤2”の凹型切欠部21”の形状が、前述した第一実施例のものとは大きく異なる。即ち、凹型切欠部21”の形状が、図7の(a)に示すように、その上面開口部23”が略U字形状で、且つ、図7の(c)に示すように、その下面開口部24”が略V字形状である。これによって、植付け苗を安定した状態で苗収容部に収容することができる連続苗用テープを製造可能である。本第三実施形態の連続苗用テープ製造装置を使用する場合、第一テープT1に形成される凸部T11”の下側を、V字形状に形付けしやすくなるように、少なくとも第一テープT1は紙テープを用いることが好ましい。
本第三実施形態では、回転成形円盤2”の上面側から底面側に向かって凹型切欠部の断面形状が略U字形状から徐々に略V字形状になるように構成されている。また上面開口部23”と下面開口部24”は、回転成形円盤2”の外周側におけるそれぞれの開口幅が概ね等しくなるように構成されている。
【0055】
また、略U字形状の上面開口部23”の開口縁と略V字形状の下面開口部24”の開口縁との長さが概ね等しくなるように構成されている。図7では、(a)図の太線部と(c)図の太線部の長さが概ね等しくなっている。これによって、凸部T11”が形成された第一テープT1の蛇行を防止することができる。
【0056】
[第三実施形態の連続苗用テープ]
次に図8を用いて、上記第三実施形態の連続苗用テープ製造装置によって得られた第三実施形態の連続苗用テープを説明する。
本第三実施形態の連続苗用テープT”は、図8に示すように、苗収容部T0”の形状が、平面視U字形状でかつ下面視V字形状になっている。換言すれば、前記第一実施形態の連続苗用テープにおいて、苗収容部T0の下側を、左右から押しつぶして先細形状にしたような苗収容部T0”の形状になっている。このような構成により、前述した通り、植付け苗を苗収容部TO”に収容しやすくなっている。植え付け苗は図8の苗収容部T0”に、根側を下にした状態で収容される。
【0057】
[植付け機]
最後に、図9及び図10を用いて、植付け機Bを説明する。この植付け機Bは、トラクタ等の牽引車両に取り付けられて、前述した連続苗用テープTの苗収容部T0に植付け苗Sを収容した苗収容済みの連続苗用テープTsを植付けるものであり、連続苗リール取り付け手段7、作溝手段8、及びテープガイド手段9を備えている。以下、これらの構成要素について説明する。なお、図10においては、説明の都合上、図中上下二個の連続苗リールRsのうち、上側のリールRsを表示していない(テープガイド手段9上の、苗収容済みの連続苗用テープTsは表示)。
【0058】
1.連続苗リール取り付け手段
連続苗リール取り付け手段7は、苗収容済みの連続苗用テープTsを巻き付けた連続苗リールRsを、概ね進行方向に沿った鉛直面で回転自在に支持するものである。
本実施形態では、植付け機Bの進行方向と概ね平行な方向に苗収容済みの連続苗用テープTsが巻き出されるように、左右水平の回転軸74で二個の連続苗リールRsを支持してある。具体的には、農業用トラクタの後部にスクエア状の取り付けフレーム71を地面とほぼ水平に設け、この取り付けフレーム71の左右それぞれ中央から支持柱72を立設し、左右の支持柱72の先端に設けた軸受73に連続苗リールRsを軸支する回転軸74を架設した構成としてある。
【0059】
2.作溝手段
作溝手段8は、前述した連続苗リールRsから巻き出された苗収容済みの連続苗用テープTsが投入載置される略V字型の植付け溝Mを圃場に作溝するものである。
本実施形態では、取り付けフレーム71の後端部から延設した延長フレーム81に作溝手段としての作溝器82を垂設してある。この作溝器82は、植付け機の進行側縁部が鋭角で、側面視が船底状である。そして、土壌に潜り込んだ部分が牽引車両の進行に伴って地面を掘り起こすことで略V字型の植付け溝Mを圃場に作溝する。
【0060】
3.テープガイド手段
テープガイド手段9は、前述した連続苗リールRsから巻き出された苗収容済みの連続苗用テープTsを、作溝手段8により作溝された略V字型の植付け溝M付近まで案内する案内溝91を備える。
本実施形態では、上方に向かって開口した凹状に金属板材を折曲形成して、凹状の案内溝91を備えたテープガイド手段9としてある。このテープガイド手段9は、農業用トラクタの後端から延設した連結部材92に取り付けてある。
【0061】
また、図10に示すように、連続苗リールRs側から植付け溝側に向けて徐々に案内溝91の幅が狭くなるようにテープガイド手段9が構成されている。案内溝91の植付け溝側の幅は、連続苗用テープの幅よりも狭く、且つその厚みよりも広く構成されている。
これによって、横に寝た状態で連続苗リールRsから巻き出された苗収容済みの連続苗用テープTsが略V字型の植付け溝側で縦型に起立(テープの幅方向が上下方向、厚み方向が左右方向を向く)しやすくなり、植付け溝に苗を安定的に植付けることができる。
【0062】
4.植付け方法
これらの構成からなる植付け機Bは、トラクタ等の牽引車両に取り付けられる。図9に示すように、連続苗リールRsから巻き出した苗収容済みの連続苗用テープTsの端部を杭Xなどによって、予め作溝された植付け溝Mに、植付け苗Sの根が下を向いた縦型に固定しておく。牽引車両は圃場を牽引進行しながら耕転部で圃場面を耕起し、耕起された圃場面に前記植付け機Bで植付け苗Sを定植(植付け溝Mに、苗収容済みの連続苗用テープTsを連続的に投入載置)するのである。
【0063】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【符号の説明】
【0064】
A 連続苗用テープ製造装置
1 基台
2 回転成形円盤
21 凹型切欠部
22 吸着穴
23 上面開口部
24 下面開口部
3 押込ピニオン
31 押込片

4 ディスペンサ
42 接着剤
5 巻込円柱ヒーター
61 第一リール
62 第二リール

R 巻き取りリール
Rs 連続苗リール

T1 第一テープ
T11 凸部
T12 平坦部
T13 裏側
T2 第二テープ

T 連続苗用テープ
T0 苗収容部
Ts 苗収容済みの連続苗用テープ

B 植付け機
7 連続苗リール取り付け手段
8 作溝手段
9 テープガイド手段

S 植付け苗
M 植付け溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のテープを貼り合わせることで多数の苗収容部を備えた連続苗用テープを製造する装置であって、
第一テープを長手方向に複数回湾曲又は折り曲げることで、前記第一テープに多数の凸部を所定間隔を設けて形成する凸部形成手段と、
この凸部形成手段によって凸部が形成された前記第一テープに沿って、凸部の左右を橋渡しするように前記第一テープの裏側からほぼ平坦な第二テープを貼り合わせることで、凸状の苗収容部を形成する、テープ貼り合わせ手段と、を備える、
連続苗用テープ製造装置。
【請求項2】
凸部形成手段は、
外周壁全周に亘って凸部形成用の凹型切欠部が所定間隔を設けて多数成型され、第一テープが巻き掛けられる回転成形円盤と、
この回転成形円盤に隣接して配設され多数の前記凹型切欠部に複数の押込片が順次係合する押込ピニオンと、を備えており、
回転成形円盤に巻き掛けられた第一テープを、回転成形円盤と押込ピニオンの間に挟み込んで、押込ピニオンの押込片により回転成形円盤の凹型切欠部に押し込んだ状態から、回転成形円盤と押込ピニオンを同期回転させることにより、
回転成形円盤の回転方向に沿って第一テープを順送しながら、第一テープに多数の凸部を所定間隔を設けて順次形成する、
請求項1記載の連続苗用テープ製造装置。
【請求項3】
回転成形円盤の凹型切欠部には、少なくともその切欠底付近に、吸引手段と連通した吸着穴が設けられており、
押込ピニオンの押込片によって回転成形円盤の凹型切欠部に押し込まれた第一テープが、前記吸着穴からの吸引によって回転成形円盤の凹型切欠部に吸着されるように構成した、
請求項2記載の連続苗用テープ製造装置。
【請求項4】
回転成形円盤の凹型切欠部は、
上面開口部が略U字形状であり、且つ下面開口部が前記上面開口部より幅狭の幅狭略U字形状である、
請求項2又は3記載の連続苗用テープ製造装置。
【請求項5】
回転成形円盤の凹型切欠部は、
上面開口部が略U字形状であり、且つ下面開口部が略V字形状であり、
略U字形状の上面開口部の開口縁と略V字形状の下面開口部の開口縁との長さが概ね等しくなるように構成されている、
請求項2又は3記載の連続苗用テープ製造装置。
【請求項6】
テープ貼り合わせ手段は、
回転成形円盤の回転方向に沿って順送されている第一テープに順次形成された凸部の左右の平坦部に、第一テープの裏側から接着剤を付着させるディスペンサと、
このディスペンサよりも後工程の位置で回転成形円盤の外周壁と僅かな隙間をおいて配設され、接着剤の付着した第一テープに第二テープを重ね合わせた状態で回転成形円盤との前記僅かな隙間に巻き込むと共に加熱により接着剤を乾燥又は硬化させる、円柱状の巻込円柱ヒーターと、を備え、
前記巻込円柱ヒーターは、
回転成形円盤の外周壁に沿って複数個設けられている、
請求項1〜5いずれか記載の、連続苗用テープ製造装置。
【請求項7】
一対のテープを貼り合わせることで多数の苗収容部を備えた連続苗用テープを製造する方法であって、
第一テープを長手方向に複数回湾曲又は折り曲げることで、前記第一テープに多数の凸部を所定間隔を設けて形成する凸部形成工程と、
この凸部形成工程で凸部が形成された前記第一テープに沿って、凸部の左右を橋渡しするように第一テープの裏側からほぼ平坦な第二テープを貼り合わせることで、凸状の苗収容部を形成するテープ貼り合わせ工程と、からなる、
連続苗用テープの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜6何れか記載の連続苗用テープ製造装置又は請求項7記載の連続苗用テープの製造方法によって得られた、連続苗用テープであって、
第一テープ及び第二テープが、土壌中で分解又は溶解する素材からなり、でんぷん糊を用いて貼り合わされている、
連続苗用テープ。
【請求項9】
トラクタ等の牽引車両に取り付けられて、請求項8記載の連続苗用テープの苗収容部に植付け苗を収容した苗収容済みの連続苗用テープを植付ける、植付け機であって、
苗収容済みの連続苗用テープを巻き付けた連続苗リールを概ね鉛直面で回転自在に支持する連続苗リール取り付け手段と、
前記連続苗リールから巻き出された苗収容済みの連続苗用テープが投入載置される略V字型の植付け溝を圃場に作溝する作溝手段と、
前記連続苗リールから巻き出された苗収容済みの連続苗用テープを、前記作溝手段により作溝された略V字型の植付け溝付近まで案内するための案内溝を有するテープガイド手段と、を備えてなる、
植付け機。
【請求項10】
テープガイド手段の案内溝は、
連続苗リール側から植付け溝側に向けて徐々に幅が狭くなり、
案内溝の植付け溝側の幅は、連続苗用テープの幅よりも狭く、且つその厚みよりも広く構成されている、
請求項9記載の、植付け機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−41538(P2011−41538A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192955(P2009−192955)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(506023194)有限会社原田精工 (2)
【Fターム(参考)】