説明

遊具用静電気除去部材に使用するアース部材

【課題】合成樹脂で形成された滑降路を有する遊具に容易に着脱することができるとともに、滑り台の支柱を介さずにアース線を保護しながら短距離で接地させることができるアース部材を提供する。
【解決手段】地表から立設された支持支柱211は、湾曲支柱210の中央付近に連接されている。一端において地中のアース棒214に接続されたアース線212は、湾曲支柱210と支持支柱211の内部に挿通されており、六角ボルト213により支持支柱211の導入穴で固定されている。湾曲支柱210の両端部には、取付プレート215が湾曲支柱210と一体形成されている。各取付プレート215は、アーチ部121の裏面121bに最下端の各ボタンボルト9により固定されている。湾曲支柱210の両端部から導出されたアース線212の端部は本体部5に導通するようにボタンボルト9により固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊具用の合成樹脂で形成された滑降路に取り付けられる本体部とともに遊具用静電気除去部材を構成するアース部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊園地や公園などに設置される大型遊具として、ジャングルジム、丸太登り、アーチネット、滑り台などや、これらを複合した総合遊具などが知られている。これらの大型遊具は、その用途や目的に応じて金属、木材及び合成樹脂などの各種材料を使用しつつ、安全性や耐久性などの仕様条件を満たすように設計及び製造されている。特に、滑り台の滑降路は、摩擦抵抗が小さいのみならず軽量で成形容易であるなどの理由から、ポリエチレン、アクリル樹脂及びポリカーボネート強化プラスチック(FRP;FIBER REINFORCED PLASTICS)などの合成樹脂で製造等されることが多くなっている。
【0003】
ところが、滑り台の滑降路を導電性が乏しい合成樹脂で形成すると、滑降路を滑り降りたときの摩擦で生じる静電気を利用者から逃がすことができず、利用者の人体や衣類が帯電することになる。例えば利用者が帯電した状態で金属等の通電物に接触したりすると、静電気の放電現象が発生して利用者に身体的及び精神的にショックを与えてしまう。特に、滑り台の利用者の大部分を占める小さな子供にとっては、静電気の放電による影響が極めて大きく、微量の放電であっても滑り台を怖がったり泣き出したりしてしまう子供が多いことから、滑り台での静電気の帯電防止を求める社会的ニーズが強い。更に、近年では、遊具の大型化に伴って滑り台の滑降路がより長くかつ複雑になっていることから、滑り台の利用時における利用者と滑降路との摩擦(ひいては、静電気の帯電電位)がますます大きくなり、滑り台での静電気の放電ショックが看過できないものとなっている。
【0004】
そこで、従来、合成樹脂製の滑降路で発生する静電気を除去する滑り台に関する技術が、各種提案されている。具体的には、非導電性の樹脂材料で形成した滑降路の内面において、利用者が摺接する部分に受電層を形成し、受電層直下の滑降路底面に穿設した小孔を通じてアース線を受電層と滑り台の支柱の間に架け渡し、利用者に滞留した静電気を受電層からアース線及び支柱を通じて放逐する滑り台が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、滑り台を構成する組み立て式ユニットの側面の結合部分を滑り台の支柱で支える構造の滑り台において、滑降面に露出した金属部材を結合部分に嵌め込んで、利用者に滞留した静電気を金属部材から支柱を通じて地中に放逐するようにした滑り台が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】実公平3−34222号公報
【特許文献2】特開平9−253340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、小孔を通じてアース線を受電層と滑り台の支柱の間に架けわたすためには滑降路を加工する必要がある。更に、アース線を架け渡すと、アース線が不安定な状態で露出されているため切断するおそれがある。また更に、アース線を滑り台の支柱に接続すると受電層から滑り台の支柱までアース線を引き回す必要があり、長距離にわたって引き回されたアース線が切断するおそれがある。
【0008】
特許文献2に記載の発明では、滑り台の支柱に静電気を逃がす構造とするために滑り台を予め加工しておく必要があり、既に設置された滑り台には適用することができない。更に、滑り台の支柱と金属部材とを離して配置することができない。そのため、特許文献2に記載の発明では、適用可能な滑り台の構造に制限があるとともに、滑り台の製造コストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、合成樹脂で形成された滑降路を有する遊具に容易に着脱することができるとともに、滑り台の支柱を介さずにアース線を保護しながら短距離で接地させることができるアース部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明に係る遊具用静電気除去部材は、遊具用の合成樹脂で形成された滑降路がもつ第1の取付孔に連通する第2の取付孔をもち第1の取付孔及び第2の取付孔に挿通された取付金具で滑降路に取り付けられる本体部とともに遊具用静電気除去部材を構成し、滑降路を滑降する人体の静電気を本体部から受け取るアース部材であって、少なくとも2つの開口をもつ中空の支柱と、一の開口からフランジ状に延設されて取付金具を挿通可能に形成された第3の取付孔をもつアース取付部材と、支柱の内部に挿通されて2つの開口から導出されたアース線とを備える。
【0011】
「合成樹脂で形成された滑降路を有する遊具」は、少なくとも滑降路が合成樹脂で形成された遊具(例えば、滑り台)を意味し、遊具の全体が合成樹脂で形成されたものも含む。「滑降路」は、遊具の滑降開始位置から滑降終了位置までを構成する部材を意味し、利用者の臀部や腿部などが摺接する滑降面のみならず、利用者の掌が摺接する手摺や滑降開始位置及び滑降終了位置などに設けられたアーチなど滑降路の外縁形状を規定する枠状部を含む。「合成樹脂」は、電気抵抗が高く電気を通しにくい電気的特性を有する不導体(絶縁体)の樹脂材料であればよく、ポリエチレン、FRP、アクリル樹脂及びポリカーボネートなどを含む。
【0012】
「取付金具」は、半導電性保護部を貫通するように形成された取付孔に挿脱されて、導電性芯部と半導電性保護部を主要素とする本体部を滑降路に着脱する金具であり、取付孔に嵌挿された状態で導電性芯部と連結される構造(すなわち、導電性芯部と電気的に導通可能な構造)を有していればよい。例えば、導電性芯部に形成される孔部に嵌入されるリベット、ボルト、ピンなどのほか、導電性芯部に溶着又は接着される部材であってもよく、導電性芯部に形成される切欠や突起に係合される部材であってもよい。ただし、「取付金具」は、少なくとも金属製の導体であることを要し、アース部材が電気的に導通可能となるように接続されることを要する。
【0013】
上記解決手段によれば、アース部材を合成樹脂で形成された滑降路を有する遊具に容易に着脱することができる。アース部材を滑降路に取り付ける場合には、アース部材のアース取付孔、本体部の第2の取付孔、及び、滑降路の第1の取付孔に取付金具を嵌挿するだけでよく、本体部を滑降路から取り外す場合には、アース部材、本体部、及び、滑降路に接続された取付金具を抜脱するだけでよい。そのため、作業者に多大な手間を生じることなく、かつ製造コストを抑制しつつ、合成樹脂で形成された滑降路を有する遊具にアース部材を容易に着脱することができる。
【0014】
更に、上記解決手段によれば、滑り台の支柱を介さずにアース線を保護しながら短距離で接地させることができる。地表に立設された支柱内にアース線を配設することにより、遊具の支柱を使わずに静電気を逃がすことができる。独自の支柱を備え、遊具の支柱を使わないため、遊具の支柱までアース線を取り回す部材を不要とすることができる。アース線は、支柱内に配設されているため、外的な要因によるアース線の切断を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アース部材を合成樹脂で形成された滑降路を有する遊具に容易に着脱することができるとともに、滑り台の支柱を介さずにアース線を保護しながら短距離で接地させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、第1の実施形態に係る総合遊具100の模式的正面図である。総合遊具100は、各種滑り台及びアーチネット登りのほか、図示しない半割り丸太登りなどの複数の遊具が組み合わされた大型複合遊具である。本実施形態では、遊具用静電気除去部材としての除電ユニット1がポリエチレン製のパイプスライダー107に取り付けられた総合遊具100について説明する。
【0017】
図1に示すように総合遊具100は、地表に対して垂直に立設された複数の支柱101を有している。支柱101の適当な高さ位置には、床板102、屋根103、装飾パネル104及び手摺105などが適宜取り付けられている。更に、床板102や装飾パネル104を介して各種遊具が適宜取り付けられている。なお、総合遊具100を構成する各種遊具は、床板102や装飾パネル104を介することなく、複数の支柱101に直接取り付けられていてもよい。
【0018】
具体的には、アーチネット登りを構成するビニロンネット106は、床板102の一側面側から地表にかけて側面視で緩やかな円弧を描くように設置されている。
【0019】
滑り台を構成する内部密閉型のパイプスライダー107は、装飾パネル104に接合された上端のスライダー入口112から地表付近に配設された下端のスライダー出口113に向けて傾斜するように設置されている。パイプスライダー107は、スライダー入口112付近及びスライダー出口113付近において、それぞれ、地表から立設されたスライダー支柱109及び110により下方から支持されている。スライダー支柱109、110により、パイプスライダー107の全長の増大に伴う耐久性の低下及びこれに伴う破損やひび割れを防ぐことができ、更に、パイプスライダー107が地表に接触して内部に地表から砂や雨水などが流入することを防ぐことができる。
【0020】
パイプスライダー107のスライダー出口113付近には遊具用静電気除去部材として一対の除電ユニット1が取り付けられている。
【0021】
図2は、パイプスライダー107の斜視図である。図2に示すようにパイプスライダー107は、滑降開始位置となるスライダー入口112から滑降終了位置となるスライダー出口113まで順に連設されたパイプ体120a〜eにより構成されている。
【0022】
パイプ体120(以下、パイプ体120a〜e及び他のパイプ体を区別せずに説明する場合はパイプ体120と表記する。)は、ポリエチレン製の湾曲した大型円筒体であり、共通の肉厚及び断面形状を有している。本実施形態のパイプ体120は、直径600mm程度の略真円の環状断面を有し、利用者の荷重に耐える10mm程度の肉厚を有している。各パイプ体120は、断面の形状及び大きさを維持しつつ、外周方向に湾曲するように形成されている。本実施形態の各パイプ体120の断面中心を通る蛇行した中心線に沿った全長(中心線長さ)は600mm〜800mm程度である。パイプ体120a〜120dの図示されていない両端部の開口、及び、パイプ体120eの上端部の開口は各パイプ体120の中心線に直交する真円形状となるように形成されている。各パイプ体120の両端部の開口の外縁には、外周方向に突出したフランジが形成されている。各フランジには外縁に沿って所定間隔離れた位置に複数のボルト孔が穿設されている。なお、本実施形態で示す数値は一例であり、これに限られるものではない。
【0023】
パイプ体120aの上端開口は、立設された装飾パネル104の略中央位置を水平方向に貫通した開口部104aに連通するように取り付けられている。隣接するパイプ体120は、フランジを重ね合わせて開口及びボルト孔が連通するように位置決めされ、当該ボルト孔に挿通されたボルト及びナットで接合されている。パイプ体120a〜eが連設されて一体の長尺円筒状をなすことにより、パイプスライダー107内周面には利用者が滑降可能な連続的な滑降面114が形成されている。断面形状及び肉厚が共通のパイプ体120が互いの開口を一致させて接合されているため、パイプ体120の接合位置での段差が抑制され、パイプスライダー107内の滑降面114が滑らかとなる。
【0024】
パイプスライダー107内には滑降する利用者からみて略右下方向に蛇行する滑降路が形成されている。本実施形態のパイプスライダー107には全長およそ3500mmの滑降路が形成されている。なお、パイプスライダー107の滑降路の全長は、パイプ体120の連設数を増やすことにより任意に増減させることができる。湾曲の度合いが異なる種々のパイプ体120を連設することにより、滑降方向における滑降面114の傾斜程度に強弱をもたせたり、滑降方向を適宜左右にカーブさせたりすることができ、滑降路全体に様々な変化をもたせることができる。
【0025】
下方に配設されたパイプ体120d及び120eは、上方に配設されたパイプ体120a〜cに比べて地表に対する傾斜角が小さくなるように形成されている。パイプスライダー107内を滑り降りる利用者は、スライダー出口113に至るまでに傾斜角の小さいパイプ体120d及び120eで減速して自然に停止するため、利用者が滑降する勢いで地表に飛び出して怪我することを防止できる。
【0026】
図3は、除電ユニット1が取り付けられたスライダー出口113付近におけるパイプスライダー107の部分側面図である。図3に示すようにパイプ体120eの下端部開口をなすスライダー出口113は、側面視で地表面に対して略45度傾斜した平面内に規定されている。図4は、除電ユニット1が取り付けられたパイプスライダー107のスライダー出口113を正面視した部分正面図である。図4に示すようにスライダー出口113は、正面視で上下方向(縦方向)を長手とする楕円形状をなし、斜め上方に開いている。楕円形状をなすスライダー出口113は、真円状をなすパイプ体120eの上端開口及びパイプ体120a〜dの両端開口より大きな面積をもつため、滑降を終えた利用者はスライダー出口113を通じて地表に出やすくなり、パイプ体120eの内周面に頭部をぶつけて怪我をすることが防止される。
【0027】
図4に示すように、スライダー出口113の外縁には外周方向に所定量突出したフランジ状のアーチ部121が形成されている。アーチ部121のスライダー出口113側表面は、スライダー出口113を規定する平面に沿って略平面状に形成されている。以下、本実施形態のスライダー出口113側表面をフランジ面121aと称する。アーチ部121には、フランジ面121aから裏面121bまで貫通する6つのボルト孔122が形成されている。ボルト孔122は、左右対称に3つずつ、フランジ面121aの楕円形状に沿って配設されている。アーチ部121は、スライダー出口113の輪郭を形成するのみならず、利用者がパイプ体120e内から地表側に身を乗り出す動作を補助する手摺としても機能する。
【0028】
図4に示ようにパイプ体120eにはスライダー出口113を正面視したときに左右対称となるように2つの除電ユニット1が取り付けられている。図3に示すように各除電ユニット1は、本体部5、3つのボタンボルト9、アース部150により構成され、アーチ部121の裏面121bからパイプ体120eの下部及びスライダー支柱110を通って地中まで延設されている。
【0029】
図4に示すように2つの本体部5は、長尺棒状の外観をなし、アーチ部121の上端部及び下端部を通る仮想的な中心線を挟んで線対称となるようにフランジ面121aに取り付けられている。各本体部5は、フランジ面121aを規定する平面に沿って、アーチ部121の円周に長手方向を一致させるようにブーメラン型に湾曲形成されている。本実施形態では、本体部5の長手方向における両端部間の直線長さが500mmとなるように形成されている。各本体部5の曲率は、アーチ部121がなす楕円形状の曲率(R=600)と略一致している。各本体部5の幅は、フランジ面121aの外周方向におけるフランジ幅(31.5mm)と略一致しており、フランジ面121aを正面視したとき各本体部5がアーチ部121からはみ出さないような形状をもつ。これにより、外観上の美観が保たれるだけでなく、滑降終了位置となるスライダー出口113にて滑降者が怪我等することなく、静電除去を図ることが可能となる。なお、2つの本体部5をあわせた全長は、アーチ部121の全周の少なくとも1/2を占める。
【0030】
図5は、図3のA−A線における矢視方向断面図である。図6は、図4のB−B線における矢視方向断面図である。図4に示す本体部5は、図5に示す導芯2、除電ラバー3、ポップナット11と、図6に示すキャップ4及び皿ビス13により構成されている。
【0031】
図5に示す導芯2は、耐食性や耐久性に優れたアルミニウム製の細長筒状体であり、体積抵抗率が小さく電気を通しやすい電気的特性を有している。本体部5の形状は導芯2の形状によってほぼ定められるため、本体部5を取り付ける部位の範囲や形状などに応じて、あらかじめ導芯2が最適に加工形成されている。本実施形態の導芯2は、フランジ面121aに取り付けるのに適するように加工形成されている。具体的には、導芯2は図4に示す本体部5に沿う長尺棒状の外観をなし、アーチ部121がなす楕円の円周に長手方向を一致させるようにブーメラン型に湾曲形成されている。本実施形態では、導芯2の長手方向における両端部間の直線長さは、本体部5の両端部間の直線長さ(500mm)よりも若干小さくなるように形成されている。導芯2の幅は、フランジ面121aの外周方向におけるフランジ幅(31.5mm)よりも若干小さくなるように形成されている。導芯2の曲率は本体部5の曲率(R=600)に一致するように形成されている。
【0032】
図5に示すように導芯2は四角形状の断面をもち、断面の角部分が円みを帯びるように曲げ加工されている。具体的には導芯2は、一体的に筒状体をなすように形成された平板状の4つの壁部7a〜7dにより構成されている。断面形状でみたとき下方に位置する壁部7aは、フランジ面121aに沿って配設されている。壁部7bは、フランジ面6aの外周方向内側における壁部7aの一端縁から上方に延設されている。壁部7cは、一端縁において壁部7bの上縁部につながり、壁部7bの上端縁から壁部7aに略平行に延設されている。フランジ面121aの外周方向に沿った壁部7cの幅は、壁部7aよりも狭くなるように形成されている。壁部7dは、壁部7cの他端縁から壁部7aの他端縁まで緩やかに下降するように延設されている。なお、ここで上下方向は便宜上規定したものである。壁部7aは、フランジ面121aに面する略平面状の設置面6をもつ。壁部7aには設置面6aから内面まで貫通した孔部2aが形成されている。孔部2aは、図4に示す122に重なる位置に6箇所形成されている。
【0033】
図5に示す除電ラバー3は、各種導電剤を合成ゴムに配合した静電防止材であり、絶縁体と導体の中間にあたる半導電性の電気的特性を有し、10〜10Ωcmの体積抵抗率を示す。なお、除電ラバー3の体積低効率は10Ωcmであることが好ましい。除電ラバー3は、肉厚1mm程度の薄膜筒状体であり、導芯2の外周面を被覆している。具体的には、除電ラバー3は四角形状の断面をもち、導芯2の外周断面と略一致する内周断面を有する。除電ラバー3の断面の角部分は、導芯2に沿って円みを帯びている。図6に示すように除電ラバー3は、長手方向において導芯2と略一致する長さを有し、導芯2の両端部まで導芯2を被覆している。製造時には導芯2を除電ラバー3に内挿することにより、除電ラバー3の内面を導芯2外周面に密接に面接触させることができる。図5に示すように除電ラバー3は、導芯2の設置面6を略平面状に被覆している。除電ラバー3には、導芯2の孔部2aに連通した孔部3aが6箇所に形成されている。
【0034】
図5に示すように、導芯2の孔部2aと除電ラバー3の孔部3aには、雌ネジが切られた鉄製のポップナット11が予め挿入されて、マンドレル等を用いて導芯2に締結されている。
【0035】
図4に示すように、本体部5の両端部には除電ラバー3と同一材料で形成されたキャップ4が取り付けられている。図6に示すように、キャップ4は除電ラバー3及び導芯2の開口を封止して導芯2の両端縁部を被覆する。キャップ4には、導芯2及び除電ラバー3の端縁部を挿嵌可能となるように、導芯2の長手方向に沿った凹陥部4aが形成されている。導芯2及び除電ラバー3の端縁部は、凹陥部4aに嵌め込まれて保持されるとともに、少なくとも導芯2の端縁部が露出しないように被覆されている。
【0036】
凹陥部4aは、設置面6を被覆する除電ラバー3がフランジ面121a側に開放されるように形成された段差部4bを有する。段差部4bにおけるフランジ面121aからの深さは、導芯2及び除電ラバー3の端縁部がキャップ4に嵌め込まれたときに、設置面6を被覆する除電ラバー3の表面がキャップ4のフランジ面121a側下面に段差なく滑らかに連続的に配置できる程度である。
【0037】
導芯2の各端縁部付近には、壁部7aを貫通した係止孔2bが形成されている。除電ラバー3には、係止孔2bに連通する係止孔3bが形成されている。段差部4bには、フランジ面121aに向かって開口したネジ孔4cが形成されている。ネジ孔4cは、キャップ4に導芯2及び除電ラバー3の端縁部が嵌め込まれたときに、係止孔2b及び係止孔3bに連通する位置に形成されている。ネジ孔4cには、あらかじめ雌ネジが切られたインサートナット12が埋設されている。係止孔2b、係止孔3b及びネジ孔4cが連通した状態で、係止孔2b及び係止孔3bから突出しない程度の頭部を有する皿ビス13をインサートナット12に締結する。インサートナット12の頭部が係止孔2b及び係止孔3b内に閉じ込められることにより、キャップ4の挿脱方向への移動が規制され、導芯2及び除電ラバー3の端縁部からキャップ4が落下することが防止される。
【0038】
図5に示すように、本体部5は、設置面6を被覆する除電ラバー3を介してフランジ面121aに面接触し、導芯2の孔部2a及び除電ラバー3の孔部3aがアーチ部121のボルト孔122に連通するように載置されている。アーチ部121の裏面121b側からボルト孔122、導芯2の孔部2a及び除電ラバー3の孔部3aに六角穴付きのボタンボルト9が挿入されている。ボタンボルト9の胴部9bがポップナット11で係止されることにより、本体部5がフランジ面121aに密着固定されている。ボタンボルト9の頭部9aとアーチ部121の裏面121bの間にはワッシャー10が介在している。図3に示すように、各本体部5は3つのボタンボルト9によりアーチ部121に固定されている。
【0039】
本体部5をアーチ部121に取り付ける際には、図5に示すようにボタンボルト9をアーチ部121の裏面121b側から挿入し、ボルト孔122、導芯2の孔部2a及び除電ラバー3の孔部3aを通じてポップナット11に係止させる。本体部5をアーチ部121から取り外す場合は、ボタンボルト9のポップナット11による係止を解除して、当該ボタンボルト9を導芯2の孔部2a、除電ラバー3の孔部3a及びボルト孔122から抜脱する。
【0040】
図3に示すようにアース部150は、可撓性を有する合成ゴム製の中空チューブ160と、中空チューブ160内を通るように配設されたコード153と、コード153の一端に接続された端子部151と、コード153の他端に接続されたアース棒152により構成されている。
【0041】
図3に示すように端子部151は、各本体部5を固定する3本のボタンボルト9のうち、最も下方に位置するボタンボルト9に接続されている。端子部151は、複数のボタンボルト9のうちの少なくとも1本に接続されていればよい。中空チューブ160は、端子部151が接続されたボタンボルト9付近からアーチ部121の裏面121b及びパイプ体120eの下部に沿ってスライダー支柱110付近まで延設されており、パイプ体120eに貼着又は接着されることにより固定されている。本実施形態では、1つの中空チューブ160を2つの除電ユニット1で共用している。図7は、図3のC−C線における矢視方向断面図である。図7に示すようにスライダー支柱110には、中空チューブ160に近接する部位に貫通孔111が形成されており、貫通孔111がスライダー支柱110の中空内部を経由して地表まで連通している。アース棒152はスライダー支柱110の下方において地中に埋設されている。
【0042】
以上説明したように、除電ユニット1の本体部5は、パイプスライダー107を滑降する人体に帯電する静電気を除去するために、図5及び図6に示すように異なる導電性を有する導芯2と除電ラバー3による二層構造及び、導芯2とキャップ4による二層構造を有している。静電気が帯電している利用者が除電ラバー3に接触すると、静電気が除電ラバー3から導芯2に逃がされ、更に導芯2からボタンボルト9を介してアース部150に逃がされて最終的に地中に放逐される。
【0043】
次に、総合遊具100の具体的な使用態様を説明する。図8は、パイプスライダー107を利用者が滑降する様子を示す総合遊具100の部分断面図である。利用者は、図2に示すスライダー入口112からパイプスライダー107に進入して滑降を開始する。図8に示すようにパイプスライダー107はスライダー出口113の近傍にて傾斜角度が徐々に小さくなるため、利用者はスライダー出口113に至るまでに自然に停止する。スライダー出口113付近に到達した利用者は、パイプスライダー107の内周面に頭部を強打しないように、中腰の姿勢でスライダー出口113まで前進して地表に戻る。中腰の姿勢は不安定で前進しにくいため、利用者はスライダー出口113に設けられたアーチ部121を把持して腕の力で姿勢をサポートする動作を行なう。
【0044】
アーチ部121の左右位置には、利用者が把持しやすいフランジ面121aに沿って、一対の除電ユニット1の本体部5が配置されている。一対の本体部5は、アーチ部121の全周の少なくとも1/2を占める長尺体であるため、パイプスライダー107を滑り終えた利用者は、必然的かつ無意識に除電ユニット1に接触する。利用者が接触しやすい位置に除電ユニット1を配置することにより、利用者に帯電した静電気を確実かつ容易に除去することができる。
【0045】
図6に示すように本体部5を構成する金属製の導芯2が、樹脂製の除電ラバー3及びキャップ4より被覆されて外部に露出していないため、利用者が導芯2に当接して怪我をしたり放電現象が発生したりする不具合を防止することができる。本体部5は、図5に示すように設置面6を保護する除電ラバー3を介してアーチ部121に面接触しているため隙間の発生が抑制されている。なお、導芯2を折り曲げ形成する際には、隙間が設置面6内に収まるようにすることが好ましい。更に、本体部5を構成する導芯2、除電ラバー3、キャップ4の外周形状は図5及び図6に示すように円みを帯びている。本体部5が隙間を低減する構造を有し、丸みを帯びた形状をもつことにより、利用者が手を挟めたり傷つけたりする危険が低減する。
【0046】
利用者が接触する除電ラバー3及びキャップ4は半導電性の電気特性をもっているため、放電現象を起こさずに利用者から円滑に静電気が取り除くことができる。利用者から取り除かれた静電気は図5の除電ラバー3から導芯2及び図3のアース部150を通じて迅速に地中に放逐される。このように、除電ユニット1は、利用者に帯電する静電気を安全かつ迅速に取り除くことができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の除電ユニット1を使用すれば、本体部5をパイプスライダー107(詳細には、アーチ部121のフランジ面121a)に取り付ける場合には、アース部150と接続されたボタンボルト9を孔部2a、3a(詳細には、ポップナット11)に嵌挿するだけでよく、本体部5をパイプスライダー107から取り外す場合には、アース部150と接続されたボタンボルト9を孔部2a、3aから抜脱するだけでよい。そのため、作業者に多大な手間を生じることなく、かつ製造コストを抑制しつつ、合成樹脂(ここでは、ポリエチレン)で形成されたパイプスライダー107を有する総合遊具100に除電ユニット1を着脱することができる。
【0048】
更に、本体部5は、導芯2が外周側から除電ラバー3(及びキャップ4)によって被包された二層構造をなす。本体部5は、金属製の導芯2が外部に露出しないため、利用者は樹脂製の除電ラバー3(及びキャップ4)のみに接触可能となる。利用者が金属製の導芯2に接触しないため利用者の怪我や放電現象が発生することを防止できる。利用者は弾力性を有する樹脂製の除電ラバー3(又はキャップ4)に接触するため、安全かつ緩やかに静電気を除去することができる。
【0049】
また、導芯2は、その内部が中空をなす筒状体であるため、除電ユニット1を軽量化することができる。更に、導芯2は、除電ラバー3でその外周面が被覆されるとともに、キャップ4でその両端部が被覆されるため、従来のコーティング等と比べて簡易な作業工程で導芯2が外部に露出しない除電ユニット1を製造することができる。
【0050】
また、本体部5に略平面状の設置面6が形成されているので、この設置面6をパイプスライダー107に面接触させることで、本体部5を確実に固定することができる。更に、孔部2a、3aは、パイプスライダー107に形成される複数のボルト孔122のいずれかと対応するように予め形成されているので、本体部5をパイプスライダー107に取り付ける際にボタンボルト9を取り付けるためのボルト孔122をパイプスライダー107にその都度穿設する必要がなく、本体部5の取り付け作業を迅速かつ正確に行うことができる。
【0051】
また、パイプスライダー107が有するアーチ部121のフランジ面121aに沿って、本体部5は予め湾曲形成されているので、利用者が滑り降りるのに邪魔にならないアーチ部121のフランジ面121aに、本体部5を正確に取り付けることができる。また、本体部の設置面6は、アーチ部121のフランジ面121aに沿って取り付け可能であるため、本体部5を取り付けても総合遊具100の意匠性を損なうことなく確実に固定することができる。
【0052】
次に、図9及び図10を参照して本発明の第2の実施形態に係る総合遊具200について説明する。第2の実施形態の総合遊具200は図1と同様の構造を有しているが、図9のパイプ体120e側面付近における部分拡大図に示すように、第1の実施形態の除電ユニット1とは異なる構造を有する除電ユニット201を備えている。
【0053】
図9に示すように、本実施形態の除電ユニット201は、本体部5、3つのボタンボルト9、及び、アース部150で構成されている。本実施形態では、2つの除電ユニット201が1つのアース部150を共用している。図10の正面図に示すようにアース部202は、湾曲支柱210、支持支柱211、アース線212、六角ボルト213、アース棒214、及び、取付プレート215により構成されている。
【0054】
湾曲支柱210は、長尺円筒形状をなし、長手方向が図9のパイプ体120e断面直径よりも大きな円弧の一部をなすように湾曲形成されている。湾曲支柱210の両端部には、直線状の部位が屈曲形成されている。湾曲支柱210の直線状の部位は、湾曲支柱210の湾曲方向に沿う平面に直交している。図10に示すように湾曲支柱210は湾曲凸方向を下に向けた状態で配設されている。2本の支持支柱211は、長尺円筒形状をなし、湾曲支柱210の長手方向中央付近から下方に向けて延設され、下端付近において梁状の板材により水平方向に結合されている。2本の支持支柱211内部の空洞は湾曲支柱210内部の空洞に連接されている。一方の支持支柱211下端付近には図示しない導入孔が形成されている。導入孔は六角ボルト213を係止可能に形成されている。アース線212は、一端においてアース棒214の上端部に接続され、支持支柱211の導入孔から支持支柱211内に挿通され、支持支柱211と湾曲支柱210の接続部付近において分岐し、湾曲支柱210の両端部開口から外部まで延びている。アース線212は、導入孔において六角ボルト213により支持支柱211に固定されている。湾曲支柱210の両端部には、フランジ状に広がり外縁形状が四角をなす板材で形成された取付プレート215が、湾曲支柱210と一体形成されている。各取付プレート215には、厚み方向に貫通したアース取付孔216が形成されている。
【0055】
ただし、例えば、端子部151に接続されたコード153を支持支柱に接合させれば、アース線212は、必ずしも支持支柱211の導入孔から支持支柱211内に挿通される必要はない。なぜなら、この場合、支持支柱211自体がアースとして機能するからである。なお、支持支柱211が鉄製である場合には防錆塗装等が施されているのが一般的であるが、このとき、少なくともコード153が接合される部分は、防錆等の観点から例えばステンレス等で構成されることが好ましい。
【0056】
図9に示すように各取付プレート215は、アーチ部121の裏面121bに最下端の各ボルト9により固定されている。湾曲支柱210の両端部から導出されたアース線212の端部はボルト9により導通するように固定されている。アース部202は、地面に固定された支持支柱211によって固定支持されている。アース棒214は、地中に埋設されている。
【0057】
パイプスライダー107を滑降した利用者が除電ユニット201の本体部5に接触すると、利用者に帯電した静電気が本体部5に逃げる。本体部5に逃げた静電気は、ボルト9、アース線212、アース棒214を順に伝導して地中に放逐される。
【0058】
本実施形態のアース部202によれば、地表に立設された支持支柱211内にアース線212を配設することにより、総合遊具200の支柱110を使わずに静電気を放逐することができる。アース部202は、独自の支持支柱211を備え、遊具の支柱110を使わないため、総合遊具200の支柱110までアース線212を取り回す部材を不要とすることができる。本実施形態のアース線212は、湾曲支柱210及び支持支柱211内に配設されているため、外的な要因によるアース線212の切断を防ぐことができる。
【0059】
なお、アース部202は上述した態様に限定されるものではなく、例えば図11に示すようなアース部220であってもよい。アース部302を構成する湾曲支柱210及び支持支柱211は、導電性の金属材料で形成されている。図11のアース部220は、アース線212が湾曲支柱210及び支持支柱211内に挿通されておらず、六角ボルト213により支持支柱211に導通されているのみである。図9に示すボタンボルト9にはアース線212が接続されておらず、取付プレート216がボタンボルト9に導通している。
【0060】
パイプスライダー107を滑降した利用者が除電ユニット201の本体部5に接触すると、利用者に帯電した静電気が本体部5に逃げる。本体部5に逃げた静電気は、ボルト9、取付プレート215、湾曲支柱210、支持支柱211、六角ボルト213、アース線212、アース棒214を順に伝導して地中に放逐される。
【0061】
本実施形態のアース部220によれば、地表に立設された金属製の支持支柱211内にアース線212を接続することにより、総合遊具200の支柱110を使わずに静電気を放逐することができる。アース部220は、独自の支持支柱211を備え、遊具の支柱110を使わないため、総合遊具200の支柱110までアース線212を取り回す部材を不要とすることができる。アース部220によれば、アース線212を湾曲支柱210及び支持支柱211内に挿通させないため、アース線212を取り回す距離を短くすることができる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の除電ユニット201を使用すれば、本体部5をパイプスライダー107(詳細には、アーチ部121のフランジ面121a)に取り付ける場合には、アース部150と接続されたボタンボルト9を孔部2a、3a(詳細には、ポップナット11)に嵌挿するだけでよく、本体部5をパイプスライダー107から取り外す場合には、アース部202と接続されたボタンボルト9を孔部2a、3aから抜脱するだけでよい。そのため、作業者に多大な手間を生じることなく、かつ製造コストを抑制しつつ、合成樹脂(ここでは、ポリエチレン)で形成されたパイプスライダー107を有する総合遊具200に除電ユニット201を着脱することができる。
【0063】
ところで、上記の実施形態において、除電ユニット1及び除電ユニット201が本発明の「遊具用静電気除去部材」に相当する。導芯2が、本発明の「導電性芯部」に相当する。除電ラバー3及びキャップ4が、本発明の「半導電性保護部」に相当する。除電ラバー3の孔部3aが、本発明の「取付孔」に相当する。ボタンボルト9が、本発明の「取付金具」に相当する。導芯2の壁部7a〜7dが、本発明の「壁部」に相当する。導芯2の孔部2aが、本発明の「導電孔」に相当する。ポップナット11、及び、ポップナット11とボタンボルト9の組み合わせが、本発明の「係止手段」に相当する。アース部150及びアース部202が、本発明の「アース部材」に相当する。除電ラバー3が、本発明の「壁部保護部」に相当する。キャップ4が、本発明の「キャップ部」に相当する。設置面6が、本発明の「設置面」に相当する。フランジ面121aが、本発明の「第1の面」に相当する。複数のボルト孔122が、本発明の遊具用静電気除去部材が取り付けられる「第1の面に開口した孔部」に相当する。アーチ部121が、本発明の「枠状部」に相当する。
【0064】
なお、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
【0065】
例えば、本実施形態では、合成樹脂で形成された滑降路として、滑降方向に直交する断面が真円状をなす内部密閉型の滑り台であるパイプスライダー107を例示したが、滑降方向に直交する断面がU字型又は上方に開口したコの字型などをなす上方開放型の滑り台であってもよい。
【0066】
また、除電ユニット1及び除電ユニット201の形状、大きさ及び取付位置などは、滑降路に応じて適宜変更可能なことはいうまでもなく、一の滑降路に取り付けられる数量も任意である。例えば、滑降路が上方開放型の滑り台である場合には、直線状の除電ユニット1を手摺部分に設けるようにしてもよい。
【0067】
また、導芯2は、アルミニウムで構成されたものに限定されず、導体の電気的特性(例えば、10〜10Ωcmの体積抵抗率)を有する金属材料であればよく、例えば、鉄や構成されてもよい。除電ラバー3は、各種導電剤を合成ゴムに配合した静電防止材に限定されず、半導電性の電気的特性(例えば、10〜10Ωcm(より好適には、10Ωcm)の体積抵抗率)を有する樹脂材料であればよい。
【0068】
また、本体部5をパイプスライダー107に取り付けるための取付金具は、ボタンボルト9に限定されず、除電ラバー3の孔部3aに嵌挿された状態で導芯2と連結される構造(すなわち、導芯2と電気的に導通可能な構造)を有していればよい。例えば、導芯2に形成される孔部2aに嵌入されるリベット、ボルト、ピンなどのほか、導芯2に溶着又は接着される部材であったり、導芯2に形成される切欠や突起に係合される部材であってもよい。ただし、取付金具は、少なくとも金属製の導体であることを要し、アース部150及びアース部202が電気的に導通可能となるように接続されることを要する。係止手段はポップナット11に限られるものではない。例えば、種々の形状を有するナットであってもよく、導体孔内に形成されたネジ溝であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係る総合遊具の模式的正面図である。
【図2】図1のパイプスライダー付近における総合遊具の拡大斜視図である。
【図3】図1のスライダー出口付近における総合遊具の部分側面図である。
【図4】図1のスライダー出口を正面視した総合遊具の部分正面図である。
【図5】図3のA−A線における矢視方向断面図である。
【図6】図4のB−B線における矢視方向断面図である。
【図7】図3のC−C線における矢視方向断面図である。
【図8】具体的な使用態様を例示する総合遊具の部分断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る総合遊具の部分側面図である。
【図10】図9のアース部の正面図である。
【図11】図9のアース部の正面図(変形例)である。
【符号の説明】
【0070】
1 除電ユニット
2 導芯
2a 孔部
2b 係止孔
3 除電ラバー
3a 孔部
3b 係止孔
4 キャップ
4a 凹陥部
4b 段差部
4c ネジ孔
5 本体部
6 設置面
7a〜7d 壁部
9 ボタンボルト
9a 頭部
9b 胴部
10 ワッシャー
11 ポップナット
12 インサートナット
13 皿ビス
100 総合遊具
101 支柱
102 床板
103 屋根
104 装飾パネル
104a 開口部
105 手摺
106 ビニロンネット106
107 パイプスライダー
109、110 スライダー支柱
111 貫通孔
112 スライダー入口
113 スライダー出口
114 滑降面
120a〜120e パイプ体
121 アーチ部
121a フランジ面
121b 裏面
122 ボルト孔
150 アース部
151 端子部
152 アース棒
153 コード
160 中空チューブ
200 総合遊具
201 除電ユニット
202 アース部
210 湾曲支柱
211 支持支柱
212 アース線
213 六角ボルト
214 アース棒
215 取付プレート
216 アース取付孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊具用の合成樹脂で形成された滑降路がもつ第1の取付孔に連通する第2の取付孔をもち当該第1の取付孔及び第2の取付孔に挿通された取付金具で当該滑降路に取り付けられて本体部とともに遊具用静電気除去部材を構成し、当該滑降路を滑降する人体の静電気を本体部から受け取るアース部材であって、
少なくとも2つの開口をもつ中空の支柱と、
一の当該開口からフランジ状に延設されて前記取付金具を挿通可能に形成された第3の取付孔をもつアース取付部材と、
当該支柱の内部に挿通されて2つの当該開口から導出されたアース線と、
を備えるアース部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−88569(P2010−88569A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259810(P2008−259810)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(500535378)株式会社ジャクエツ環境事業 (6)
【Fターム(参考)】