説明

遊器具または占い具

【課題】遊器具または占い具で有っても、信憑性の向上を図ると共に周囲に迷惑を掛けないようにする、及び簡単な構成でありながら正確性を向上させる。
【解決手段】蓮状の盆座2と、所要の表示がなされたサイコロ3と、擬宝珠状の天蓋4とからなり、前記蓮状の盆座2は、上面に凹部を刳り抜いて形成することにより周囲に所要厚みの立ち上がり壁部を形成し、前記擬宝珠状の天蓋4は、前記立ち上がり壁の内側に嵌る外径で、前記サイコロ3が転動できるように内部を中空に形成した構成とすることにより、簡単に持ち運びができるばかりでなく、どのような場所であっても使用でき、しかも、サイコロ3を手で触れることができないので正確な出目が期待でき、ゲームにしても占いにしても信憑性のある結果が期待できると共に、全ての構成部材が木製であるため強く振っても防音効果があり、周囲に迷惑を掛けないで楽しむことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイコロを使用した遊器具または占い具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のサイコロ(ダイス)を使用した遊器具や占い具が発明または考案として複数のものが公知になっている。例えば、第1の公知例として、サイコロの出目に応じた答えの番号を示す早見表を付した枚葉と、この早見表の答えの番号に応じた占いの答えを表示を付した複数枚の枚葉を有し、又重合された多数枚の枚葉ブロックを貫いて欠き込み部を設け、この欠き込み部に手帳と一体のホルダーを介してサイコロを保有させた構成のサイコロ付き占い手帳がある(特許文献1参照)。
【0003】
このサイコロ付き占い手帳は、占い手帳を開き、該手帳に保有させたホルダーからサイコロを取り出し、サイコロを振って出目を確認し、同じ手帳をめくって早見表と答えの表示を参照することにより、太鼓路の出目に応じた答えの番号と、この答えの番号に応じた占いの答え(運勢)を容易に知ることができ、個人が日常携帯し活用する手帳によってその人固有の日々の占いが簡便に行え、サイコロ易占いを随時手軽に楽しめ、サイコロ易占いの普及を促進する。又手帳の枚葉ブロックに欠き込みを形成し、これにサイコロホルダーを保有させる構成により、サイコロを違和感なく手帳に保有させつつ携帯することができ、手帳携行時にサイコロを紛失するような問題等も惹起されず、サイコロを常に手帳と一体に所持して所望するときに簡便に占いを行うことが可能であるというものである。
【0004】
また、第2の公知例として、全体として掌中に握って適当な大きさで、透明若しくは半透明な材質にて成る中空な容器を形成し、その中に各面にそれぞれ異なる数又は標識を有した正多面体ダイスを内在させて成る正多面体ダイスを内在させた室内用ゲーム具というものである(特許文献2参照)。
【0005】
この室内用ゲーム具によれば、所謂「さいころ」を直接掌で持って扱うことができないから「いかさま」を完全に防止することができる。また、転がすことなしに手に持った侭で上下又は左右に振るだけでも「さいころ」として扱うことが可能であるから、転がす場所が不要となるし、球状体自体がその侭「さいころ」の保管容器ともなり得るというものである。
【0006】
さらに、第3の公知例として、正六面体からなるサイコロ部材を使用するダイスカップ遊具であって、筒状の密閉容器本体の平面部一端側には、少なくとも1箇所の透明部を有し、またこの一端側の中央にはバネ部材を介して摺動可能な棒状体が貫通して設けられ、この一端側の内側には、正六面体からなる固定部材が固着されると共に、前記棒状体が挿通自在に貫通し、且つ固定部材の他の四面の少なくとも1面の中央には磁石部材が挿入されており、この磁石部材に対向してサイコロ部材を保持するサイコロ保持部材が前記棒状体と接続して摺動可能に配設され、少なくとも1個のサイコロ部材を受け入れ可能とすると共に、該サイコロ部材の六面に配設された金属片と、前記固定部材の磁石部材とがサイコロ保持部材を介して磁気接続し、前記透明部を介してサイコロ部材の標記を視認可能とすることの構成を有する密閉型ダイスカップ遊具である(特許文献3参照)。
【0007】
この密閉型ダイスカップ遊具は、密閉された容器内に投入したサイコロ部材を、磁石部材によって引き付けて保持することで、確実にサイコロ部材の標記を視認できる。しかも、サイコロ数字を使用する遊具として利用できるだけでなく、占い標記による占いにも利用できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8ー25843号公報
【特許文献2】特開2004−41660号公報
【特許文献3】実用新案登録第3155851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前記公知例1においては、手帳の一部を切り欠いてホルダーを取り付け、該ホルダーにサイコロを収納して何時でも何処でも使用できるように手帳と一緒に持ち運ぶものであって、使用時にサイコロはホルダーから出して手で振って、その出目の数と答えを書いた早見表を見て占いをするというものであるが、手で振ってサイコロを転がしたときに、狭い場所だと転がりが足りなかったり周囲の物にぶつかって転がりが抑制されたりするので、或る程度の広さが要求されるし、サイコロを手で持って振るというのはサイコロの転がり方が見えているので、振り方のテクニックにより或る程度の出目をコントロールできる場合もあるので、占い具としての信憑性が薄くなるという問題点を有する。
【0010】
また、前記公知例2においては、掌中に握れる大きさで、透明若しくは半透明な材質で形成した中空な容器の中に正多面体ダイスを内在させて、ダイスを直接掌で持って扱うことができないようにして「いかさま」を完全に防止できるというものであって、容器は球面体であって、その球面体の半分が透明で後の半分が半透明に形成したものであり、内部のダイスが透視できるようにしたものであるが、容器が球面体であるため、ダイスが転がり易いので掌で持っている限り出目が変わる虞があり、単なる遊び程度ならば使用できるが、占い具として使用するには信憑性に欠けるという問題点を有している。また、容器が透明ということであれば、その材料がガラスかプラスチックに限られるのであり、ダイスも硬質な材料で形成されているのであるから、掌で持って振ったときに容器とダイスのぶつかり音が大きく騒音になって、周囲に迷惑を掛けるという問題点も有する。
【0011】
さらに、前記公知例3においては、要するに、平面部に透明部を有する筒状の密閉容器本体と、この平面部の内側に固着された正六面体の固定部材と、平面部の中央に固定部材を貫通しバネ部材を介して摺動可能に設けられた棒状体と、固定部材の1つの面の中央に設けられた磁石部材と、磁石部材に対向して設け前記棒状体と接続して摺動可能に配設されたサイコロ保持部材と、サイコロ部材の六面に配設された金属片と、からなるとしているが、実際にはサイコロ保持部材を支持する支持体と、該支持体及びサイコロ保持部材とが下方に移動してサイコロ部材を自由に転がせる空間を底部側に形成するための仕切板とが不可欠なものであって、全体が嵩張ると共に構造が複雑であり、また、容器を振ってサイコロを転がした後に必ず容器を逆さにしてサイコロ保持部材内にサイコロを落とし込まなければならないのであるが、落とし込んだ瞬間にサイコロは磁石部材による吸着保持が優先するから、サイコロの表示面が必ず水平に吸着保持されるとは限らないのであり、その操作を誤ると失敗するしその取り扱いも厄介であり、遊ぶにしても占いにしても出目で判断するのであるから正確性に欠けるという問題点を有している。
【0012】
従って、前記公知技術においては、遊器具または占い具で有っても、信憑性の向上を図ると共に周囲に迷惑を掛けないようにすること、及び簡単な構成でありながら正確性を向上させることに解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記課題を解決する具体的手段として、蓮状の盆座と、所要の表示がなされたサイコロと、擬宝珠状の天蓋とからなり、前記蓮状の盆座は、上面に凹部を刳り抜いて形成することにより周囲に所要厚みの立ち上がり壁部を形成し、前記擬宝珠状の天蓋は、前記立ち上がり壁の内側に嵌る外径で、前記サイコロが転動できるように内部を中空に形成したことを特徴とする遊器具または占い具を提供するものである。
【0014】
本発明において、前記蓮状の盆座と、所要の表示がなされたサイコロと、擬宝珠状の天蓋は、木製であること;及び前記サイコロは、球面体を六面に均等にカットし、各カット面の隣接部には転動し易いように円弧状部が均等に残存していること;を付加的な要件として含むものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る遊戯具または占い具によれば、蓮状の盆座と、所要の表示がなされたサイコロと、擬宝珠状の天蓋とからなるものであるから、簡単に持ち運びができるばかりでなく、どのような場所であっても使用でき、しかも、サイコロを手で触れることができないので正確な出目が期待でき、ゲームにしても占いにしても信憑性のある結果が期待できると共に、全ての構成部材が木製であるため強く振っても防音効果があり、周囲に迷惑を掛けないで楽しむことができるという優れた効果を奏する。さらに、蓮状の盆座と擬宝珠状の天蓋からなる特有な形状であり意匠的に室内の装飾品などの置物としても利用できるという優れた効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る好ましい実施の形態に係る遊器具または占い具を分離して示した斜視図である。
【図2】同実施の形態に係る遊器具または占い具の使用状態を示す断面図である。
【図3】同実施の形態に使用されるサイコロを拡大して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。図1において、好ましい形態の遊器具または占い具1は、盆座2と複数のサイコロ3と擬宝珠状の天蓋4とから構成されるものである。
【0018】
前記盆座2は、木製であって全体として円盤状を呈するもので、上面に浅い凹部5を刳り抜いて形成することにより周囲に所要厚みの立ち上がり壁部6を形成したものである。そして、立ち上がり壁部6の上面は僅かに内側へ傾斜する傾斜面6aに形成し、全体が蓮盆のイメージに形成したものであり、蓮状の盆座または蓮座ということができる。
【0019】
サイコロ3は、遊器具として使用する場合には、図示するまでもなく通常市販されている所要の表示がなされたサイコロを使用しても良いが、占い具として使用する場合には、好ましくは、図2に示したように、木製のサイコロ3を使用する。この木製のサイコロ3は、転がり易くするために、木材を球状に形成し、サイコロとして上・下、左・右、正面・背面の六面を均等な大きさでカットし、しかも、各カット面の隣接部には転動し易いように球面の円弧状部3aが均等に残存するようにカットするのである。
【0020】
そして、占いの場合には、サイコロ3の六面に対する表示は、大きい丸印「○」7と、中くらいの丸印8と、小さい丸印9の三段階に分けた丸印をそれぞれ2個ずつ表示をしたものを使用する。この場合に、複数(2個)のサイコロ3を使用するのであるから、一方のサイコロは「陽」として鮮やかな赤または金色等で三段階の丸印を印刷したものを使用し、他方のサイコロは「陰」として黒色の三段階の丸印を印刷したものを使用する。
【0021】
擬宝珠状の天蓋4は木製であって、その外径は前記盆座2の立ち上がり壁6の内側、即ち凹部5に嵌る大きさであり、その内部を下面側から刳り抜いてドーム状の空間部10を形成し、前記サイコロ3が天蓋4の内部で自由に転動する大きさの中空に形成したものである。この場合に、空間部10の周囲壁は適度の厚みがあって、適度の防音機能を有するものである。
【0022】
このように形成された遊器具または占い具1は、基本的にはサイコロ3を盆座2の凹部5に入れ、擬宝珠状の天蓋4を盆座2の凹部5に嵌めるようにして被せて、両手で盆座2と天蓋4とを押さえた状態で適度に振ってからそのまま盆座2を平坦な位置に据え置くようにして置く。そして、天蓋4を持ち上げて盆座2上のサイコロ3の出目を読んで遊んだり占ったりするのである。
【0023】
このように盆座2にサイコロ3を入れ擬宝珠状の天蓋4を被せて振ることで、内部のサイコロ3が転がっているのは音で確認できるが目視できないし、また、サイコロ3に触れることができないのであるから、故意に出目を操作することはできないのであり、サイコロ3が転がり易いように形成されているので操作に失敗することもなく、常に自然な状態でサイコロ3の出目に基づいてゲームをしたり運勢占いの判断がなされるので、信憑性が著しく向上するのである。
【0024】
そして、特に、占い具として使用する場合には、複数のサイコロ3を一緒に入れて占っても良いが、好ましくは、陰・陽の2種類のサイコロ3を同時に盆座2に入れるのではなく、1種類ずつ、例えば、先に陽のサイコロ3を盆座2入れて天蓋4を被せ、両手で持ち上げて意図する良い方向の事項を念じながら数回振って、サイコロ3の出目を見る。その出目の結果が大・中・小のいずれであっても、良い方向に前進することを確認でき、精神的に気持ちが高揚して良い日々が送れるようになるのである。
【0025】
また、反対に、陰のサイコロ3を使用する場合でも同様であって、心配事の事項について解消するように念じながら数回振って、サイコロ3の出目を見る。その出目の結果が大・中・小のいずれであっても、解消の度合いが多いか少ないかを認識でき、精神的にそれ程落ち込まないでその日が送れるようになるのである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明に係る遊器具または占い具は、簡単に持ち運びができるばかりでなく、どのような場所であっても使用でき、しかも、サイコロを手で触れることができないので正確な出目が期待でき、ゲームにしても占いにしても信憑性のある結果が期待できると共に、全ての構成部材が木製であるため強く振っても防音効果があり、周囲に迷惑を掛けないで楽しむことができ、さらに、蓮状の盆座と擬宝珠状の天蓋からなる特有な形状であり意匠的に室内の装飾品などの置物としても広く利用できるのである。
【符号の説明】
【0027】
1 遊器具または占い具
2 盆座
3 サイコロ
3a 球面の円弧状部
4 擬宝珠状の天蓋
5 凹部
6 立ち上がり壁部
6a 傾斜した上面
7 大の丸印
8 中の丸印
9 小の丸印
10 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓮状の盆座と、所要の表示がなされたサイコロと、擬宝珠状の天蓋とからなり、
前記蓮状の盆座は、上面に凹部を刳り抜いて形成することにより周囲に所要厚みの立ち上がり壁部を形成し、
前記擬宝珠状の天蓋は、前記立ち上がり壁の内側に嵌る外径で、前記サイコロが転動できるように内部を中空に形成したこと
を特徴とする遊器具または占い具。
【請求項2】
前記蓮状の盆座と、サイコロと、擬宝珠状の天蓋は、木製であること
を特徴とする請求項1に記載の遊器具または占い具。
【請求項3】
前記サイコロは、球面体を六面に均等にカットし、各カット面の隣接部には転動し易いように円弧状部が均等に残存していること
を特徴とする請求項1または2に記載の遊器具または占い具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−217790(P2011−217790A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86890(P2010−86890)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(596121334)