説明

遊戯盤

【課題】問題表示欄の文字や記号の組合せを手間をかけずに変更でき、かつ、無駄なく有効活用できる遊戯盤を提供すること。
【解決手段】複数のマス目が設けられた方形表示部と、該方形表示部の上縁に隣接した列表示部と、前記方形表示部の側縁に隣接した行表示部とを有する盤状体と、前記列表示部に設けられる列文字等表示板と、前記行表示部に設けられる行文字等表示板と、前記列表示部において前記列文字等表示板を前記盤状体に支持する第一支持手段と、前記行表示部において前記行文字等表示板を前記盤状体に支持する第二支持手段とを含む遊戯盤に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マス目を用いた遊戯盤に関し、ゲームや教学に利用できる遊戯盤に関する。
【背景技術】
【0002】
マス目を用いた遊戯盤としては、文字や記号が記された表示欄がマス目の上端と左端に並設されているもので、各マス目に割り当てられた表示欄の文字や記号を組み合わせて、位置決めのゲームをしたり(例えば、特許文献1を参照)、演算の練習をする遊戯盤(例えば、特許文献2を参照)がある。
【特許文献1】実開昭61−159972号公報
【特許文献2】実用新案登録第3094881号公報
【0003】
これら従来の遊戯盤は、表示欄の文字や記号が遊戯盤に直接印刷されており、表示欄の文字や記号の組合せが固定されるため、新しい組合せを楽しむには遊戯盤自体を新たに作成しなければならず、無駄が多いという問題点を有している。
【0004】
また、表示欄の文字や記号の組み合わせを変更できるよう、直接印刷するのでなく、表示欄を文字や記号の書き込みおよび修正が可能な態様で構成することも考えられるが、かかる構成は、組合せを新しくする度に修正と書き込みの労力を要し、手間がかかるという問題点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、表示欄の文字や記号の組合せを手間をかけずに変更でき、かつ、無駄なく有効活用できる遊戯盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達するため本発明における遊戯盤は、複数のマス目が設けられた方形表示部と、該方形表示部の上縁に隣接した列表示部と、前記方形表示部の側縁に隣接した行表示部とを有する盤状体と、前記列表示部に設けられる列文字等表示板と、前記行表示部に設けられる行文字等表示板と、前記列表示部において前記列文字等表示板を前記盤状体に支持する第一支持手段と、前記行表示部において前記表文字等表示板を前記盤状体に支持する第二支持手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
実施例において、前記第一支持手段は前記列文字等表示板に設けられたフックを有し、前記第二支持手段は前記行文字等表示板に設けられたフックを有する。
【0008】
他の実施例において、前記第一支持手段は、前記列文字等表示板に設けられた掛止孔と該掛止孔に対応して前記列表示部に設けられた掛止突起とを有し、
前記第二指示手段は、前記行文字等表示板に設けられた掛止孔と該掛止孔に対応して前記行表示部に設けられた掛止突起とを有する。
【0009】
他の実施例において、前記第一支持手段は、前記列表示部に設けられ、かつ、前記列文字等表示板が支持される内周縁に溝部を有する枠体を有し、前記第二支持手段は、前記行表示部に設けられ、かつ、前記行文字等表示板が支持される内周縁に溝部を有する枠対を有する。
【0010】
他の実施例において、前記第一支持手段は、前記列表示部に設けられ、かつ、一端部に開口が設けられたカバー体を有し、前記第二支持手段は、前記行表示部に設けられ、かつ、一端部に開口が設けられたカバー体を有する。
【0011】
実施例において、前記列文字等表示板および前記行文字等表示板は、前記方形表示部のマス目に対応して複数の区画に区切られており、前記列文字等表示板および前記行文字等表示板のそれぞれの前記区画には文字が予め印刷されている。
【0012】
他の実施例において、前記列文字等表示板および前記行文字等表示板は、前記方形表示部のマス目に対応して複数の区画に区切られており、前記列文字等表示板および前記行文字等表示板のそれぞれの前記区画には着脱自在な文字カードが設けられている。
【0013】
実施例において、前記列文字等表示板には、漢字の旁が表示され、前記行文字等表示板には、漢字の偏が表示されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、列文字等表示板および行文字等表示板を盤状体とは別体に設けたので、手間をかけずに表示欄の文字や記号の組合せを変更でき、かつ、列文字等表示板および行文字等表示板のみ取換えればよいので遊戯盤を無駄なく有効活用できる。
【0015】
また、複数の文字を同一の表示板である列文字等表示板ないし行文字等表示板に表示させたので、表示欄を一度に刷新することができる。
【0016】
列文字等表示板および行文字等表示板における文字の表示に、文字カードを用いることにより、文字や記号の組合せパターンを容易に多様化することができる。
【0017】
さらに、列文字等表示板に漢字の旁を、行文字等表示板に漢字の偏を表示させることにより、マス目を用いたゲームを楽しみながら漢字を学習することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1ないし図3は、本発明の第一実施例であり、漢字を学習できる遊戯盤10を示す。遊戯盤10は、盤状体12と、列文字等表示板14、該列文字等表示板14を前記盤状体12に支持する第一支持手段16と、行文字等表示板18と、該行文字等表示板18を前記盤状体12に支持する第二支持手段20とからなる。
【0020】
盤状体12は、その表面に方形表示部22と列表示部24と行表示部26とを有している。
【0021】
前記方形表示部22には、複数のマス目が設けられている。該マス目は、盤状体122に罫線を印刷することで区画形成してもよいし、盤状体122の表面に突起ないし窪みを設けることで形成してもよい。
【0022】
前記列表示部24は、各マス目の列に文字を割り当てるべく、前記方形表示部22の上端に配設され、前記列文字等表示板14および該列文字等表示板14を支持する第一支持手段16が設置される。
【0023】
同様に前記行表示部26は、各マス目の行に文字を割り当てるべく、前記方形表示部22の左端に配設され、前記行文字等表示板18および該行文字等表示板18を支持する第二支持手段20が設置される。
【0024】
前記列文字等表示板14および前記行文字等表示板18は、図3に示されるようにマス目に対応した大きさで区画されており、各区画部の表面には文字カード28が着脱自在に取付けられている。本実施例の遊戯盤10は、漢字学習用であるから、例えば列文字等表示板14には、「旁(つくり)」がそれぞれ記載された文字カード28が、行文字等表示板18には、「偏(へん)」がそれぞれ記載された文字カード28が取付けられる。文字カード28に記される文字は、漢字の構成要素であればよく、本実施例にかえて、「冠(かんむり)」や「脚(あし)」等を選択することも可能である。
【0025】
文字カード28の表示板への取付けは、文字カード28の裏面にマグネットや吸着盤、シールを貼り付ける等の手段を用いてなされる。また、本実施例では各文字等表示板に文字カード28を介在させて文字を表示させているが、文字を各文字等表示板の区画部に直接印刷して表示させ、かかる各文字等表示板を複数種類用意しておく構成とすることも可能である。
【0026】
第一支持手段16および第二支持手段20は、コ字形の枠体30からなり、それぞれ列表示部24および行表示部26において盤状体12に固定されている。該枠体30の内周面には溝16a、20aが切られており、該溝に列文字等表示板14および行文字等表示板18をそれぞれ嵌入させることで、前記各文字等表示板を盤状体12に支持させる。
【0027】
前記枠体30は、各文字等表示板をそれぞれの位置に支持するものであればよく、形状は適宜変更することが可能である。
【0028】
以上のように本発明における第一実施例の遊戯盤10は構成される。ここで、当該遊戯盤10を用いた遊び方の例を説明する。
【0029】
まず、ダイスを2回振り、どのマス目について解答するのか対象となるマスの位置決めを行う。例えば、ダイスの目が2と5である場合には、第2列第5行のマス目が解答の対象となる。
【0030】
プレーヤは、当該マス目の列および行に割り当てられた文字の組み合わせからなる漢字が存在するか否かを解答し、正解すれば点数を獲得することができる。この際、正確な漢字を視覚的に記憶し、誤った漢字を記憶することのないよう、解答がなされたマス目には、組み合わせが存在する場合にはその漢字カード32を、組み合わせが存在しない場合には、×を記したカードを表示してマス目を埋める。上記例の場合、第2列第5行のマス目で組み合わされる文字は「招」であり、存在する漢字であるから、「招」が記された漢字カード32がマス目に埋められる。このようにプレーを順に繰り返し、最終的に得点が高かった者が勝ちとなる。
【0031】
プレーヤは何人でも参加可能である。また、ダイスの面は、少なくともマス目の数は満たすように4面体、6面体、8面体等選ぶことが可能である。
【実施例2】
【0032】
図4および図5は、本発明の第二実施例である遊戯盤34を示す。本実施例は、第一支持手段16および第二支持手段20の形態が上記第一実施例と異なる。具体的には、列文字等表示板14および行文字等表示板18の上端部にJ字状のフック36を設け、前記支持手段としている。図5に示すように、フック36を盤状体12の縁部に引掛けることにより、列文字等表示板14および行文字等表示板18を盤状体12に支持させる。
【実施例3】
【0033】
図6ないし図8は、本発明の第三実施例である遊戯盤38を示す。本実施例は、第一支持手段16および第二支持手段20が、掛止孔40と掛止突起42とからなる点で上記第一実施例と異なる。図6に示すように、列文字等表示板14および行文字等表示板18に掛止孔40がそれぞれ設けられており、さらに、これら掛止孔40に対応して掛止突起42が盤状体12に設けられている。
【0034】
各掛止孔40は、図7の拡大図に示されるように端部がテーパ状に形成されて孔の幅が狭くなっており、掛止突起42を掛止孔40に貫入させた後に該テーパ状部44に係らせることにより、列文字等表示板14および行文字等表示板18を確実に盤状体12へ支持させることができる。
【実施例4】
【0035】
図9および図10は、本発明の第四実施例である遊戯盤46を示す。本実施例は、第一支持手段16および第二指示手段が、透明のカバー体48でなる点で上記第一実施例と異なる。当該カバー体48は、図10に示すように、一端部に開口部50を確保して、盤状体12に取り付けられている。図面における破線は、カバー体を盤状体12に固定するための糊代を示す。
【0036】
以上、本発明の遊戯盤について、その実施例に基づき説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更できるものである。例えば、上記実施例は全て漢字を学習できる遊戯盤に関するものを説明したが、漢字の代わりに、数字を記して加減乗除を行う計算盤としたり、絵柄や図形を上下ないし左右に分割したものを記して絵合わせ盤とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第一実施例を示す分解斜視図。
【図2】図1に示した第一実施例を示す斜視図。
【図3】図1に示した第一実施例の列文字等表示板および行文字等表示板を示す分解斜視図。
【図4】本発明の第二実施例を示す分解斜視図。
【図5】図4に示した第二実施例を示す斜視図。
【図6】本発明の第三実施例を示す分解斜視図。
【図7】図6に示した第三実施例における行文字等表示板の部分拡大図。
【図8】図6に示した第三実施例を示す斜視図。
【図9】本発明の第四実施例を示す分解斜視図。
【図10】図9に示した第四実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0038】
10 遊戯盤
12 盤上体
14 列文字等表示板
16 第一支持手段
18 行文字等表示板
20 第二支持手段
16a、20a 溝
22 方形表示部
24 列表示部
26 行表示部
28 文字カード
30 枠体
32 漢字カード
34 遊戯盤
36 フック
38 遊戯盤
40 掛止孔
42 掛止突起
44 テーパ状部
46 遊戯盤
48 カバー体
50 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマス目が設けられた方形表示部と、該方形表示部の上縁に隣接した列表示部と、前記方形表示部の側縁に隣接した行表示部とを有する盤状体と、
前記列表示部に設けられる列文字等表示板と、
前記行表示部に設けられる行文字等表示板と、
前記列表示部において前記列文字等表示板を前記盤状体に支持する第一支持手段と、
前記行表示部において前記行文字等表示板を前記盤状体に支持する第二支持手段とを含む遊戯盤。
【請求項2】
前記第一支持手段は、前記列表示部に設けられ、かつ、前記列文字等表示板が支持される内周縁に溝部を有する枠体を有し、
前記第二支持手段は、前記行表示部に設けられ、かつ、前記行文字等表示板が支持される内周縁に溝部を有する枠対を有する、請求項1に記載の遊戯盤。
【請求項3】
前記列文字等表示板には、漢字の旁が表示され、前記行文字等表示板には、漢字の偏が表示されている、請求項1に記載の遊戯盤。
【請求項4】
前記列文字等表示板および前記行文字等表示板は、前記方形表示部のマス目に対応して複数の区画に区切られており、前記列文字等表示板および前記行文字等表示板のそれぞれの前記区画には着脱自在な文字カードが設けられている、請求項1に記載の遊戯盤。
【請求項5】
前記第一支持手段は、前記列文字等表示板に設けられたフックを有し、
前記第二支持手段は、前記行文字等表示板に設けられたフックを有する、請求項1に記載の遊戯盤。
【請求項6】
前記第一支持手段は、前記列文字等表示板に設けられた掛止孔と、該掛止孔に対応して前記列表示部に設けられた掛止突起とを有し、
前記第二指示手段は、前記行文字等表示板に設けられた掛止孔と、該掛止孔に対応して前記行表示部に設けられた掛止突起とを有する、請求項1に記載の遊戯盤。
【請求項7】
前記第一支持手段は、前記列表示部に設けられ、かつ、一端部に開口が設けられたカバー体を有し、
前記第二支持手段は、前記行表示部に設けられ、かつ、一端部に開口が設けられたカバー体を有する、請求項1に記載の遊戯盤。
【請求項8】
前記列文字等表示板および前記行文字等表示板は、前記方形表示部のマス目に対応して複数の区画に区切られており、前記列文字等表示板および前記行文字等表示板のそれぞれの前記区画には文字が予め印刷されている、請求項1に記載の遊戯盤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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