説明

遊戯装置付きペット展示用ケース

【課題】ケース内空間にペットをストレスなく収容することができ、しかも、ペットの個性が発揮されるよう展示することにより、自分にあった性格のペットを見つけることができ、客の購買意欲を高めることができる遊戯装置付きペット展示用ケースの提供を目的とする。
【解決手段】
ペットをケース内空間12Aに収容して展示する展示ケース12を備え、上記展示ケース12の下側に、地面に設置する設置部を備え、上記展示ケース12の側面を、外側から上記ケース内空間12Aを視認可能な透明パネルで形成し、上記ケース内空間12Aに、ぺット遊戯装置としてペットが昇降可能なタワー型のペット遊戯用タワー31を構成し、上記ペット遊戯用タワー31を、上記ケース内空間12Aに起立状態で配した支柱32と、該支柱32に対して着脱自在に取り付けられ、ペットを支持する支持棚33とで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、猫などのペット(愛玩動物)を販売等の目的で展示するためのペット展示用ケースに関し、詳しくは、客がペットを購入時にペットの性格などを判断でき、特に猫などの昇降動作することが得意なペットにとってストレスが溜まらないよう展示することができる遊戯装置付きペット展示用ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
ペットを販売等の目的で展示するためのペット展示用ケースは、従来より様々なものが存在し、例えば、特許文献1に開示の「動物用飼育装置」もその一つである。
【0003】
上記特許文献1に開示の「動物用飼育装置」は、床部と、該床部を取り囲む本体とで全体をペットを収容可能な箱型形状で構成している。
【0004】
しかし、動物用飼育装置に収容されたペットは、狭い空間に格納された状態が続くため、ペットは退屈し、寝ている状態が多くなる。
この場合、ペットにとってストレスがかかり、健康上好ましくない。
【0005】
また、ペットを購入しようと訪れた客は、寝ている状態のペットをみるだけでは、ペットごとの固有の性格が把握し難く、ペットの購買意欲が減衰するおそれもある。
【0006】
最近では、平面的に広い展示空間を確保し、その展示空間にペットを開放した状態に展示するペット展示販売ブースも存在するが、このような構成のペット展示販売ブースは、場所をとり、特に、本能的に木に登ったりするという昇降動作が好きな猫などのペットにとっては、必ずしも適した環境でないといわざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3134097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、ペットにストレスを溜めることなく、ケース内空間にペットを収容することができ、しかも、ペットの個性が発揮されるよう展示することにより、自分にあった性格のペットを容易に見つけることができ、客の購買意欲を高めることができる遊戯装置付きペット展示用ケースの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ペットを内部のケース内空間に収容して展示する展示ケースを備え、上記展示ケースの下側に、地面に設置する設置部を備え、上記展示ケースの側面の少なくとも一面を、外側から上記ケース内空間を視認可能な透明パネルで形成し、上記ケース内空間に、ペットが遊戯する遊戯装置としてペットが昇降して遊戯するタワー型のペット遊戯用タワーを構成し、上記ペット遊戯用タワーを、上記ケース内空間に起立状態で配した支柱と、該支柱に対して着脱自在に取り付けられ、ペットを支持する支持棚とで構成した遊戯装置付きペット展示用ケースであることを特徴とする。
【0010】
上記構成により、ケース内空間のペットは、ペット遊戯用タワーに備えた支持棚を昇り降りすることで、活発に遊戯することができる。また、支柱の高い位置に取り付けた支持棚に載れば、本能的にリラックスすることができる高い所で休息することができる。
【0011】
いずれの場合も展示ケースに収容された状態であっても、ペットにストレスが溜まることなく、猫などのペットにとって健康で快適な状態を保つことができる。
【0012】
さらにまた、ペットを購入の際に、客は、ペット遊戯用タワーで活発に遊戯し、リラックスしたペットの様子を視認することを通じて、購買意欲が刺激され、それぞれのペットの性格を把握し易くなり、自分にあった性格のペットを正確に捜し出すことができる。
【0013】
ペット遊戯用タワーは、ペットが昇降動作が可能であるため、ペットをケース内空間に収容した状態であってもペットの運動量を確保することができ、運動不測に陥るおそれがなく健康な状態を保つことができる。
【0014】
遊戯装置付きペット展示用ケースの設置部は、据付けタイプではなく、地面に設置する構成であるため、それ自体を持ち運ぶなどして容易に移動することができる。よって、据付工事などの大掛かりな工事を要することなく、一時的なペット展示ブースの構築にも対応することができ、また、レイアウト変更なども容易に行うことができる。
【0015】
上記ペットは、例えば、猫、猿、リスなどの昇降動作を得意とする動物を挙げることができるが、この種類の動物に限定しない。
【0016】
また、上記支持棚は、ペットが載上するペット載上面が板状の棚に限らず、ハンモック型の棚であってもよく、ネット状のペット載上面であってよい。さらには、支持棚の下側からでもペットを視認できるよう透明なペット載上面で形成してもよい。
【0017】
この発明の態様として、上記展示ケースの側面全体を、上記透明パネルで形成することができる。
【0018】
上記構成によれば、上記透明パネルで形成した展示ケースを通じて、上記展示ケースの周方向のいずれの方向からでもケース内空間を視認することができる。このため、遊戯装置付きペット展示用ケースは、壁際に設置するに限らず、フロアーの中央部分に設置する展示形態も可能となり、このような展示形態で設置した場合、ペットの様子を周方向のいずれも方向からでも伺うことができ、優れた展示効果を発揮することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、上記設置部に、移動手段を備えることができる。
【0020】
上記構成により、移動手段により遊戯装置付きペット展示用ケース自体を移動することができるため、持ち上げるなどしなくても容易に移動することができる。
【0021】
上記移動手段とは、キャスタ(車輪)など遊戯装置付きペット展示用ケース自体を移動できる部材であれば、特に限定しない。
【0022】
またこの発明の態様として、上記支柱を、上記展示ケースの上面と床面との間に架設することができる。
【0023】
上記構成により、上記支柱を上記展示ケースの上面と床面との間でしっかりと固定することができる。よって、ペットが昇降動作したり、支持棚の上に載った場合でも、がたつかず、ペットにとって快適であり、安全性を確保することができる。
【0024】
さらに、運搬の際に遊戯装置付きペット展示用ケース自体を傾けるなどしても支柱が撓んだりすることがないため、ケース内空間にペットを収容した状態のままでも、移動させることができる。
【0025】
またこの発明の態様として、上記支持棚を、支持棚本体部と、該支持棚本体部を上記支柱に取り付ける支持棚取付け部とで構成し、上記支持棚取付け部の上記支柱に対する取り付けを許容する支持棚被取付け部を、上記支柱に構成することができる。
【0026】
上記構成により、支持棚取付け部を支持棚被取付け部に取り付けることにより、支持棚を支柱に対して所望の高さで取り付けることができる。
【0027】
よって、支持棚を、ペットの成長、種類などに応じて任意の高さ、取り付け枚数に変更することで、ペットが飽きることがなく、快適に使用することができる。
【0028】
さらに、ペットが活発に遊戯する様子を客に視認させることが可能となり、客の購買意欲を引き出すことができる。
【0029】
またこの発明の態様として、上記支持棚取付け部に、上記支柱に係合する係合部を備え、上記支持棚被取付け部に、上記係合部と係合可能な被係合部を備え、上記支持棚被取付け部を、上記支柱の長手方向に配設した複数の上記被係合部で構成することができる。
【0030】
上記支持棚取付け部に備えた上記係合部を、上記支持棚被取付け部に備えた上記被係合部に係合することにより、支柱に対して支持棚をしっかりと取り付けることができるとともに、係合部と被係合部とを係脱するだけで支柱に対して支持棚を容易に着脱することができる。
【0031】
さらに、上記支持棚被取付け部に配設した複数の上記被係合部のうち、いずれかの被係合部に選択的に係合することにより、支持棚を、支柱に対して任意の高さで取り付けることができる。
【0032】
またこの発明の態様として、上記展示ケースの側面に、開口部を形成するとともに、該開口部を開閉する扉を備え、上記支持棚被取付け部を、上記支柱の周方向における、上記開口部と対向する側と反対側部分を除く部分に形成することができる。
【0033】
通常、支持棚は、上述したように上記展示ケースの側面に、開口部を形成することにより、開口部から手を差込むなどして支柱に対して着脱したり、出し入れすることができる。
【0034】
その際に、上記支柱の周方向における、上記開口部と対向する側と反対側部分に支持棚を取り付けようとした場合、開口部から上記反対側部分の間は、距離を有し、また、支柱自体が邪魔になるため、支柱の上記反対側部分に対して支持部材を着脱することは困難であり、非常に手間を要する。
【0035】
よって、上述したように、上記支持棚被取付け部を、上記支柱の周方向における、上記開口部と対向する側と反対側部分を除く部分に形成することにより、支持棚を支柱に対してスムーズ、且つ、容易に着脱することができる。
【0036】
さらに、支持棚を支柱に対して着脱する際に、開口部を通じてペットが外側へ逃げないようにペットに注意を注ぐことができ、ペットをケース内空間に収容した状態のままでも支柱に対して支持棚を着脱等することができる。
【0037】
さらにまた、支持棚を支柱に対して取り付ける際に、無理な体勢を取る必要もないため、支持棚を誤って落下してしまうなどして、ペットにストレスを与えることや展示ケースを破損することなく安全に支持棚を着脱することができる。
【0038】
またこの発明の態様として、上記支柱の外周面に沿って押し当て可能な押当部を、上記支持棚の基端部に構成することができる。
【0039】
上記構成により、支持棚を支柱に取り付けたとき、上記支持棚本体部の基端部に構成した上記押当部が、上記支柱の外周面に沿って押し当たることにより、支持棚は、支柱に対して点接触状ではなく、線接触状、或いは、面接触状に取り付けることができる。
【0040】
よって、支持棚は、支柱に取り付いたとき、片持ち支持構造であり、ペットを載置したとき、モーメント荷重を受けるが、がたつくことなく安定してペットを支持置することができる。
【0041】
またこの発明の態様として、上記ペット遊戯用タワーを、上記ケース内空間の平面視隅角部分に備えることができる。
【0042】
上記構成により、支持棚を、上記ケース内空間の平面視隅角部分に備えた支柱に対して取り付けることができる。
支持棚を、上記ケース内空間の平面視隅角部分に位置させることができるため、上記ペット遊戯用タワーを、ケース内空間の平面視中央部分に備えた場合と比較して、展示ケースの外側から、より近くでペットを視認することができる。
【0043】
さらに、上記ペット遊戯用タワーを、ケース内空間の例えば、平面視中央部分に備えるに加えて、上述したように、平面視隅角部分に備えた場合、支持棚を、平面視中央部分、隅角部分のいずれの側の支柱に対しても取り付けが可能となる。
【0044】
よって、支持棚を取り付ける選択枝が増えるため、よりバラエティーに富んだ遊戯装置付きペット展示用ケースを構築することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明では、設置スペースをとらずに、ケース内空間に収容したペットにストレスが溜まることなく、ペットの個性が発揮されるよう展示することにより、客の購買意欲を高めることができるとともに、客がペットごとの個性を把握して自分にあったペットを正確に探し出すことができる遊戯装置付きペット展示用ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第一実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの外観図。
【図2】第一実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの正面図。
【図3】第一実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの背面図。
【図4】第一実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの右側面図。
【図5】第一実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの構成説明図。
【図6】図4中のC−C線断面図。
【図7】支柱に対する支持棚の取り付け構造の説明図。
【図8】遊戯装置付きペット展示用ケースの作用説明図。
【図9】遊戯装置付きペット展示用ケースの他の外観図。
【図10】第二実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの外観図。
【図11】第二実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの図5(a)に相当する断面図。
【図12】第三実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの説明図。
【図13】第四実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの説明図。
【図14】第四実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケースの説明図。
【図15】比較例として示した遊戯装置付きペット展示用ケースの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
(第一実施形態)
第一実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11は、図1〜図6に示すように構成している。
なお、図1から図4は、それぞれ第一実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11の外観図、正面図、背面図、一部断面で示した右側面図を示している。図5(a),(b)は、それぞれ図2中のA−A線断面図、B−B線断面図を示し、図5(c)は、図5(b)中の領域Xの拡大図を示す。図6は、図4中のC−C線断面図を示している。
【0048】
本実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11は、図1に示すように、全体を縦長の直方体形状で構成し、ペットを内部のケース内空間12Aに収容する展示ケース12を備えている。ケース内空間12Aには、上記ペット遊戯装置として、ペットが昇降して遊戯可能なタワー型のペット遊戯用タワー31を備えている。
【0049】
遊戯装置付きペット展示用ケース11の下側には、上記展示ケース12を支持する基台51を備えている。
【0050】
上記展示ケース12は、直方体の箱型形状であり、平面視略正方形で構成している。展示ケース12は、外枠15をアルミフレームで構成するとともに、底面を除く各ケース面16、詳しくは、ケース正面部16F、ケース背面部16B、ケース右側面部16R、ケース左側面部16L、及び、ケース平面部16Uの略全体を無色透明な強化ガラス板で構成している。
【0051】
ケース背面部16Bは、図3に示すように、上下方向の中間部分に板状のアルミプレート42を横架し、該アルミプレート42の上半分と下半分とのそれぞれにケース開口部17(上側ケース開口部17U、下側ケース開口部17D)を形成している。
【0052】
ケース開口部17には、ケース背面部16Bを正面視したとき、ケース開口部17の右半分と左半分とをそれぞれ閉塞するよう合計4枚のガラス製のケース扉18を備えている。
【0053】
詳しくは、ケース扉18は、上側ケース開口部17Uの右半分と左半分とのそれぞれを閉塞する上側右半分ケース扉18URと上側左半分ケース扉18ULとで構成するとともに、下側ケース開口部17Dの右半分と左半分とを閉塞する下側右半分ケース扉18DRと下側左半分ケース扉18DLとで構成している。
これらケース扉18は、観音開きが可能にケース開口部17の端部にヒンジ23を介して枢着している。
【0054】
ケース扉18には、鍵付きのロック機構30を備え、該ロック機構30により、不測にケース扉18が開かないよう構成している。
【0055】
また、ケース背面部16Bを正面視したとき、下側右半分ケース扉18には、ケース内空間12Aのペットに水を供給する吸水器24を着脱自在に備えている。
【0056】
また、ケース平面部16Uの下側には、奥行き方向の中間部に横架した補強フレーム25を備えている。補強フレーム25は、四角柱状の鋼材の表面にメッキを施して構成している。
【0057】
ケース平面部16Uを構成する強化ガラス板の中央部には、正面視円形をした通気孔26を合計14つ形成している。これら通気孔26は、補強フレーム25の幅方向に対して各側に7つずつ円弧状に等分配している。
【0058】
ケース内空間12Aの底面部は、毛足の短い柔軟で肌触りのいい短毛生地シート27を取り外し可能に敷設している。
上記ペット遊戯用タワー31は、ケース内空間12Aの中央部に、起立状態で配した支柱32と、該支柱32に対して着脱自在に取り付けられ、ペットを支持する複数枚の支持棚33とで構成している。
【0059】
上記支柱32は、上記展示ケース12の上面と床面との間に架設し、上記支柱32の上端部を、上記補強フレーム25に溶接し、支柱32の下端部は、床面部40に溶接している(図6参照)。
【0060】
上記支柱32は、図5(a),(b),(c)に示すように、断面視正方形状をした中空(筒)状の四角柱であり、該四角柱の鋼材表面にメッキを施して構成している。
【0061】
上記支柱32は、平面視すると、該支柱32の4つの各支柱側面32A,32B,32C,32Dが、上記展示ケース12のケース正面部16F、ケース左側面部16L、ケース背面部16B、ケース右側面部16Rと対向する状態から45度回動させた形態、換言すると、該支柱32の4つの各支柱側面32A,32B,32C,32Dのそれぞれが、平面視正方形をした上記展示ケース12の4つの隅角部15A,15B,15C,15Dのそれぞれと対向する形態で、上記展示ケース12の上面と床面との間に架設している。
【0062】
支柱32の各側面には、該側面の幅方向の中間部分に、支柱32に対して支持棚33を取り付ける支持棚被取付け部39を構成している。
支持棚被取付け部39は、上記支柱32の長手方向に沿って一列に形成した複数の被係合孔28であり、被係合孔28は、支持棚33の係合を許容するよう上下方向へ長い長孔状に形成している(図1、図2参照)。
支柱32の支柱側面に形成した上記被係合孔28は、支柱32の他の支柱側面に形成したものと同一ピッチで形成するとともに、同一高さで形成している。
【0063】
一方、支持棚33は、複数枚(例えば、少なくとも7枚)備え、それぞれ支持棚本体部34と、該支持棚本体部34を上記支柱32により取り付ける上記支持棚取付け部35とで構成している。
【0064】
支持棚本体部34は、図5(a)に示すように、平面視すると、支柱32の外周を4等分配する略90度の扇形形状で合成樹脂により形成している。図7(b)に示すように、支持棚本体部34の上面には、毛足の短い柔軟で肌触りのいい短毛生地シート34Aを粘着剤で取り外し可能に添着している。
【0065】
支持棚本体部34の基端部は、図7(a),(b)に示すように、支柱32の側面に押し当て可能な水平押当部34aを構成している。
なお、図7(a),(b)は、支柱32に対する支持棚33の取り付け構造を示し、詳しくは、図7(a)は、支持棚本体部34を仮想線で示した支持棚33を、支柱32に対して取り付ける直前の様子を示す斜視図であり、図7(b)は、支持棚33を、支柱32に対して取り付けた様子を示す断面図である。
【0066】
上記支持棚取付け部35は、1枚の棚受けブラケット37と、該棚受けブラケット37の両側に有する2枚の棚受け補強ブラケット38とで構成し、支持棚本体部の下面であって、扇形の周方向の略中間部分に、支持本体部対して垂直に取り付けている。
【0067】
上記棚受けブラケット37の下端部は、水平な上端部に対して、長手方向の先端側よりも基端側の上下方向長さが長くなる曲線形状で形成している。上記棚受けブラケット37の基端部は、水平な上端部に対して直角に垂下した端面形状で支柱32の側面に押し当て可能な垂直押当部35aを形成するとともに、支柱32に穿孔した複数の上記被係合孔28のピッチ分の長さを少なくとも有して形成している。
【0068】
上記棚受けブラケット37の基端部には、2つの係合突片29を形成し、それぞれ上記被係合孔28のピッチ分だけ間隔を隔てて上下各側に形成している。係合突片29は、基端部後方に向けて突出した後、被係合孔28に係合可能に先端部分を下方へ垂下した形状で形成している。
【0069】
棚受け補強ブラケット38は、上記棚受けブラケット37の両側に備え、該棚受けブラケット37の一方の面に接触する棚受けブラケット取付け片38aと、支持棚本体部34の下面に接触し、支持棚本体部34を下側から支持する支持本体取付け片38bとで断面視L字形状で形成している。
【0070】
また、上記基台51は、図1、図6に示すように、内部に物品収容空間51Aを有した直方体の箱型形状で構成し、該基台51の前面部には、基台開口部53Aを形成し、基台開口部53Aの縁部には、基台開口部53Aを開閉自在とする基台扉53を枢着している。
【0071】
物品収容空間51Aには、例えば、支柱32に取り付けないで余ったストック用の支持棚33や、支持棚本体部34の上面に添着した短毛生地シート34Aや床面に敷設した短毛生地シート27と交換可能な短毛生地シート34A,27、さらには、その他のペット用品等を収容しておくことができる。
【0072】
基台51の下部には、4つのブレーキ付きキャスタ54を備え、遊戯装置付きペット展示用ケース11自体を可動自在に構成している。
【0073】
上述した遊戯装置付きペット展示用ケース11は、以下のような様々な作用、効果を奏することができる。
上記構成によれば、展示ケース12にペットとして例えば、猫を収容した場合、ケース内空間12Aの猫は、ペット遊戯用タワー31に備えた支持棚33を昇り降りすることで、活発に遊戯することができる。また、支柱32に取り付けた支持棚33に載り、猫にとって本能的にリラックスすることができる床面よりも高い位置で休憩することができる。
【0074】
このように遊戯装置付きペット展示用ケース11は、猫を展示ケース12に収容された状態に留めるが、猫が運動不足にならず、ストレスが溜まることのない健康で快適なケース内空間12Aを構築できる。
【0075】
さらにまた、遊戯装置付きペット展示用ケース11は、ペットを購入の際に、ペット遊戯用タワー31で活発に遊戯し、リラックスしたペットの様子を視認することを通じて、客の購買意欲を刺激することができる。また、客は、ペットを選ぶ上で重要なポイントとなるペットの性格も正確に把握することができるようになる。
【0076】
遊戯装置付きペット展示用ケース11は、平面的に広い設置スペースを要さずにコンパクトに設置することができつつ、ペット遊戯用タワー31によりペットに昇降動作をさせることが可能となるため、ペットが運動不足に陥ることを回避することができる。
【0077】
なお、ペットが運動するなどして発生した熱により、ケース内空間12Aの温度が上昇しようとしても、熱は、ケース平面部16Uに形成した通気孔26(図5(b)参照)を通じて外部へ放出できるため、ケース内空間12Aに熱が篭ることがない。
【0078】
遊戯装置付きペット展示用ケース11は、据付けタイプではなく、それ自体単独でキャスタ54により、地面に設置可能な構成であるため、据付のための大掛かりな工事を要することなく設置することができる。さらに、キャスタ54により、スムーズに移動することができる。
よって、一時的なペット展示ブースの構築にも用いるに好適であり、また、レイアウト変更なども容易に行うことができる。
【0079】
また、遊戯装置付きペット展示用ケース11は、無色透明の強化ガラス板でケース面16を形成した展示ケース12を通じて、上記展示ケース12の周方向のいずれの方向からでもケース内空間12Aを視認することができる。このため、遊戯装置付きペット展示用ケース11は、壁際に設置するに限らず、フロアーの中央部分に設置する展示形態も可能となる。
【0080】
このような展示形態で設置した場合、ペットの様子を周方向(ケース前面部、ケース右側面部16R、ケース左側面部16L、ケース背面部16B)のいずれの方向からでも伺うことができ、優れた展示効果を得ることができる。
【0081】
さらに、ケース平面部16Uも透明であるため、例えば、設置空間の天井に備えた照明の光をケース平面部16Uを通じて積極的にケース内空間12Aに取り入れることができるができる。
【0082】
よって、ケース内空間12Aに照明を設置する必要がなく、ケース内空間12Aのペットが視認し易く、明るい状態に保つことができる。さらに、ケース内空間12Aの外観を損なうことがなく、また、ペットを近い距離から照明で照らす必要がないため、ペットにストレスを与えることもない。
【0083】
また、上記支柱32は、上記展示ケース12の上面に有する補強フレーム25と床面部40との間に架設している。
【0084】
上記構成により、上記支柱32を上記展示ケース12の上面と床面との間でしっかりと固定することができる。よって、ペットが昇降動作したり、支持棚33の上に載った場合でも、がたつかず、ペットにとって安全であり、快適性も確保することができる。
【0085】
さらに、運搬の際に遊戯装置付きペット展示用ケース11自体を傾けるなどしても支柱32が撓んだりすることがないため、ケース内空間12Aにペットを収容した状態のままでも、移動させることができる。
【0086】
続いて、上記ペット遊戯用タワー31は、上述したように支柱32に対して支持棚33が着脱自在であるが、支持棚33を支柱32に対して取り付ける手順、方法について説明する。
まず、支柱32に有する4つの側面のうち、いずれの側面に、支持棚33を取り付けるかに応じて支持棚33の支柱32の周方向に対する取り付け位置を決定することができる(図5(a)参照)。
【0087】
また、支柱32の長さ方向のうち、いずれの位置に、支持棚33を取り付けるかに応じて支持棚33の支柱32に対する取り付け高さを決定することができる。
詳しくは、図7(a)に示すように、支持棚取付け部35に有する2つの係合突片29のそれぞれを、支柱32に形成した複数の被係合孔28のうち、上下方向で隣り合ういずれか2つの被係合孔28のそれぞれに差込んで、係合突片29と被係合孔28とを係合させるだけで、支持棚33をしっかりと支柱32に取り付けることができる。
【0088】
このように、上下2つの係合突片29の双方をそれぞれ被係合孔28に係合させることにより、支持棚33のがたつきを防止するとともに、不測に支持棚33が支柱32に対して外れることがないよう取り付けることができる。
【0089】
さらに、係合突片29と被係合孔28とを係合した状態において、図7(b)に示すように、支持棚本体部34の水平押当部34aが支柱32の外周に押し当たることで、特に、支柱32の軸回り方向において支持棚33が、がたつくことを阻止することができる。
【0090】
また、上記棚受けブラケット37の垂直押当部35aが支柱32に押し当たることで、特に、支持本体部34に加わった荷重をしっかりと受け止めることができ、支持棚33の耐荷重を格段に向上させることができるとともに、支持棚33に対してペットが載り降りしてもがたつくことを阻止することができる(図7(b)参照)。
【0091】
さらにまた、支持本体取付け片38bにより(図7(a)参照)、支持本体部34を下側から面状に支持することができるため、支持本体部34の平面視幅方向の両側に加わる荷重に対してがたつくことがなく、しっかりと支持することができる。
【0092】
支持棚33を支柱32から意図的に取り外す際には、支持棚33を少し持ち上げて手前側に引けば、係合突片29と被係合孔28との係合を容易に解除することができる(図示せず)。
【0093】
ところで、支柱32に対する支持棚33の取り付けは、上記展示ケース12のケース背面部16Bに有するケース扉18を開け、ケース開口部17を通じてケース内空間12Aに手を差し込み、支柱32に対して支持棚33を着脱する。
【0094】
ここで、遊戯装置付きペット展示用ケース11の比較例として、図15に示すように、支柱32を、その4つの支柱側面32A,32B,32C,32Dのそれぞれが、上記展示ケース12のケース前面部16F、ケース左側面部16L、ケース背面部16B、ケース右側面部16Rと対向するよう、天井と床面との間に架設した構成の遊戯装置付きペット展示用ケース100を想定する。
【0095】
なお、図15は、支柱32を、該支柱32の各支柱側面が、展示ケース12の各ケース側面部と対向するよう、天井と床面との間に架設した構成について示した断面図である。
【0096】
この場合、例えば、支柱32の4つの支柱側面のうち、ケース前面部16Fと対向する支柱側面32Aに形成した被係合孔28(前面側被係合孔28F)に支持棚33を取り付けようとすれば、まず、支持棚33を把持した状態で、該支持棚33を、ケース背面部16Bのケース開口部17を通じてケース内空間12Aに差し込む。さらに、支持棚33の係合突片29と、前面側被係合孔28とを係合させる必要があるが、このような支持棚33の取り付け作業は、非常に労力を要し、困難である。
【0097】
詳しくは、このような前面側被係合孔28への支持棚33の取り付け作業は、ケース背面部16Bに有するケース開口部17から遠く、また、取り付け位置と手を差込むケース開口部17との間に支柱32が存在することになる。
【0098】
よって、支持棚33を、遊戯装置付きペット展示用ケース11の背面側からケース開口部17を通じてケース内空間12Aへ挿入し、支柱32を回避するよう回りこませながら支柱32とケース前面部との間に移動させる必要がある(図15(a)中の仮想線で示した人H参照)。
【0099】
さらに、その後、人Hの立ち位置に対して支柱32の反対側に位置する前面側被係合孔28Fに支持棚33を取り付ける必要があり、労力、取り付け時間を要する。さらに、取り付けに手間取っている間にペットがケース開口部17を通じて外へ逃げ出すおそれもある。
【0100】
このため、このような事態を回避するために、いちいちペットを出して別の場所に格納しておくなどの手間を要する。その他にも、支持棚33の取り付けが手間取ることにより、該支持棚33がケース面16やペットに接触するおそれがあり、危険である。
【0101】
これに対して、図8に示すように、第一実施形態の遊戯装置付きペット展示用ケース11では、上記支柱32を、上述したように、4つの各支柱側面32A,32B,32C,32Dのそれぞれが、平面視正方形をした上記展示ケース12の4つの隅角部15A,15B,15C,15Dのそれぞれと対向する形態で、上記展示ケース12の上面と床面との間に架設している(図5(a),(b),(c)参照)。
【0102】
上記構成により、支柱32の4つの支柱側面のうち、いずれの支柱側面に対して支持棚33を取り付ける場合においても支柱32に対して容易に取り付けることができる。
【0103】
例えば、図8に示すように、ケース前面部16Fの幅方向の一方の側に有する隅角部15Dと対向する支柱側面32Dに支持棚33を取り付ける場合でも、人Hは、支持棚33を、遊戯装置付きペット展示用ケース11の背面側からケース開口部17を通じてケース内空間12Aへ挿入し、ケース開口部17から少し手を伸ばすだけで支柱32を回避することができ、支柱側面32Dに有する支持棚被取付け部39に支持棚33を取り付けることができる(図8中の仮想線で示した人H参照)。
【0104】
支持棚33の係合突片29と、支持棚33の被係合孔28との係合も、支持棚33を支柱32を挟んで人の立ち位置と反対側に取り回したり、腕を必要以上に伸ばす必要がないため、楽な姿勢でスムーズ、且つ、労力を要さずに取り付けができる。
【0105】
以上により、遊戯装置付きペット展示用ケース11は、ペットの成長、種類などに応じて支持棚33の取り付け位置、取り付け枚数を任意に変更することができ、ペットが飽きることがなく、快適に使用することができる。
【0106】
遊戯装置付きペット展示用ケース11は、例えば、図1に示すように、支柱32の周方向において段階的に高低差が生じるように螺旋状に支持棚33を取り付けることができる。
【0107】
図1のような支持棚33の取り付け形態の場合、支持棚33間の無理な移動を強要することなく螺旋階段を昇り降りするようにスムーズに昇降動作が可能であるため、ペットに対して怪我等のおそれがなく安全で豊富な運動を可能とすることができる。
【0108】
さらに、最も上側に取り付けた支持棚33は、2つを並べることで、広い載上面を構成することができる(図1参照)。このように、本能的にリラックスできる高い位置に広い載上面を構成することで、ペットは、広い載上面に載り、快適に寛ぐことができる。
【0109】
さらに、ペット遊戯用タワー31は、図1に示した支持棚33の取り付け形態に限らず、様々な取り付け形態で取り付けることができる。
【0110】
例えば、図9に示すように、3枚の支持棚33を一組として同一高さで取り付け、広い載上面を支柱32の上下方向に複数構成してもよい。支柱32の上下方向の各部位に3枚の支持棚33を取り付けることにより、周方向においてペットが昇降するための、支持棚33が存在しない箇所を確保できる。
【0111】
さらに、図9に示すように、周方向において支持棚33を取り付けていない箇所を、支柱32の取り付け高さが高くなるに連れ、それぞれ1つづつズラした取り付け形態とすることで、ペットは、テンポよく昇降動作をすることができる。
【0112】
以下では、他の実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11A,11B,11C,11Dについて説明する。
但し、以下で説明する遊戯装置付きペット展示用ケース11A,11B,11C,11Dの構成のうち、上述した第一実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0113】
(第二実施形態)
第二実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11Aは、図10、図11に示すように、ケース内空間12Aに、第一実施形態で説明したペット遊戯用タワー31(31A)に加え、ケース内空間12Aの隅角部にもペット遊戯用タワー31(31B)を備えている。
なお、以下の説明において、第一実施形態で説明したペット遊戯用タワー31は、ケース内空間12Aの中央部に設置しているため、中央側ペット遊戯用タワー31Aに設定し、中央側ペット遊戯用タワー31Aの支柱32を中央側支柱32Aに設定する。また、図10は、第二実施形態のペット展示用ケース11Aの外観図である。図11(a)は、図5(a)に相当する第二実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11Aの断面図であり、図11(b)は、図11(a)の領域Zの拡大図である。
【0114】
詳しくは、遊戯装置付きペット展示用ケース11Aは、平面視正方形状をしたケース内空間12Aの4つの隅角部に、コーナー側ペット遊戯用タワー31Bを備えている。コーナー側ペット遊戯用タワー31Bは、中央側ペット遊戯用タワー31Aに備えた支持棚33と同様の構成の支持棚33と、該支持棚33を着脱自在なコーナー側支柱32Bとで構成している。
【0115】
コーナー側支柱32Bは、展示ケース12の外周に配した外枠15の一部を構成する柱として構成し、ケース内空間12Aの4つの隅角部のそれぞれに相当する部位に起立状態に構成している。コーナー側支柱32Bは、断面視略三角形状で形成し、断面視三角形状のコーナー側支柱32Bが有する3つの側面部のうち、ケース内空間12Aの側と対向する内側支柱側面32Biには、支持棚33を取り付け可能な支持棚被取付け部39Bを形成している。
【0116】
支持棚被取付け部39は、第一実施形態の支持棚被取付け部39と同様に、上記支柱32の長手方向に一列に配設した複数の上記被係合孔28で構成し、被係合孔28は、上下方向において対応するそれぞれの形成高さ、ピッチが中央側支柱32Aの支持棚被取付け部39と一致するよう構成している。
【0117】
上記遊戯装置付きペット展示用ケース11は、上記構成により、以下の作用、効果を奏することができる。
支持棚33は、上記中央側ペット遊戯用タワー31Aの中央側支柱32Aに加えて、コーナー側ペット遊戯用タワー31Bのコーナー側支柱32Bに対しても着脱することができる。
【0118】
これにより、支持棚33を取り付ける選択枝が増え、例えば、ペットは、中央側支柱32Aに取り付けた支持棚33と、コーナー側支柱32Bに取り付けた支持棚33との間でも移動が可能となり、よりバラエティーに富んだ、ペットに飽きのこない遊戯装置付きペット展示用ケースを構築することができる。
【0119】
さらに、支持棚33を、コーナー側支柱32Bに取り付ければ、上記ケース内空間12Aの平面視隅角部分にペットを位置させることができるため、展示ケース12の外側からでも、真近でペットを視認することができる。
【0120】
なお、第二実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11Aは、中央側ペット遊戯用タワー31Aとコーナー側ペット遊戯用タワー31Bとの双方を備えた構成に限らず、中央側ペット遊戯用タワー31Aを備えずに、コーナー側ペット遊戯用タワー31Bのみを備えた構成であってもよい。
【0121】
(第三実施形態)
第三実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11Bは、図12(a)に示すように、支柱を、円筒状をした円筒状支柱32Bで構成している。
【0122】
上記円筒状支柱32Bは、その外周面を4等分配する各部分に、上記支持棚被取付け部39として、上下方向に複数の上記被係合部28を配設している。
【0123】
一方、支持棚33の水平押当部34aは、上記円筒状支柱32Bの外周面と同じ曲率を有する弧状に形成している。
【0124】
これにより、支持棚33に有する係合突片29を、円筒状支柱32Bに形成した所定の被係合孔28に係合させると、円筒状支柱32Bの外周面に支持棚33の水平押当部34a、及び、垂直押当部35aがぴたりと押し当たり、支持棚33を円筒状支柱32Bに対して安定した状態に取り付けることができる。
【0125】
また、上記円筒状支柱32Bによれば、外周面に角部が存在しないため、その外周面のいずれの部分においても支持棚被取付け部39を形成することができ、該支持棚被取付け部39を形成した部分に応じて周方向のいずれの部分においても支持棚33を取り付けることができる。
【0126】
なお、上記支持棚被取付け部39は、上記円筒状支柱32Bの外周面を4等分配する各部分に形成するに限らず、4等分配以外の数で形成してもよい。
【0127】
さらにまた、支柱は、上述したように中空状の四角柱状の支柱32や、円筒状支柱32Bに限らず、例えば、断面視長方形状、三角形、5角形などの断面視多角形で構成してもよく、さらに、断面視楕円形状など様々な断面形状で構成することができる。
【0128】
(第四実施形態)
第四実施形態における遊戯装置付きペット展示用ケース11Cは、図12(b)に示すように、支柱32Cの各支柱側面に、上記支持棚被取付け部39として、複数の被係合孔28を所定の幅を隔てて長手方向に沿って2列になるよう配設している。
【0129】
一方、支持棚33には、上記支持棚取付け部35として、2枚の棚受けブラケット37と2枚の棚受け補強ブラケット38とを備えている。これら2枚の棚受けブラケット37は、支柱32Cの側面において2列に配設した複数の被係合孔28の幅と同じ幅で配置している。
【0130】
2枚の補強ブラケット38は、互いに幅方向において対向する2枚の棚受けブラケット37の外側側面にそれぞれ固着している。
上記構成により、支柱32Cに対して支持棚33を取り付ける際には、支持棚33に有する4つの係合突片29を、支柱32Cに形成した複数の被係合孔28のうち、上下方向、及び、幅方向において隣合う合計4つの被係合孔28に係合することができる。
【0131】
このように、4つの係合突片29と被係合孔28とを係合できるため、支持棚33を支柱32Cに対してより強固に取り付けることができる。
【0132】
なお、遊戯装置付きペット展示用ケースは、上述したように、上下方向に複数の被係合孔28を一列、又は、2列に配設した構成に限らず、その他にも3列以上で構成することができる。また、支持棚33に有する係合突片29は、図示しないが、被係合孔28に係合可能に、3つ、或いは、5つ以上の数を備えて構成してもよい。
【0133】
(第五実施形態)
遊戯装置付きペット展示用ケース11Dは、図13、及び、図14(a),(b),(c)に示すように、上述した棚型の支持棚33とは異なり、ハンモック型の支持棚33(ハンモック型支持棚33H)を備えている。
なお、図13は、ハンモック型支持棚33Hを、支柱32に対して取り付ける直前の様子を示す斜視図であり、図14(a),(b),(c)は、それぞれ図13中のA−A線端面図、支柱32を省略して示した図13中のB−B線矢視図、図13中のC−C線断面図である。
【0134】
ハンモック型支持棚33Hは、支持骨材71と支持クッションカバー81とで構成している。支持骨材71は、一本の円柱状の中空パイプを曲げ加工して構成した支持フレーム72と、支柱32へ取り付ける支柱取付け板75とで構成している。
【0135】
支持フレーム72は、支柱本体フレーム部73と基端フレーム部74とで構成し、支柱本体フレーム部73は、棚型(板状)の支持棚33の平面視形状と略同じ平面視扇型の外周形状で形成している。
【0136】
基端フレーム部74は、支柱本体フレーム部73の基端側において支柱本体フレーム部73に対して略Uの字形状に垂下した形成している。
【0137】
上記支柱取付け板75は、基端フレーム部74に溶着した面と反対側の面から突出した係合突片29を上下各側に備えている。
【0138】
支柱取付け板75における、係合突片29と被係合孔28とを係合したとき、支柱側面に押し当たる面を、押当部として形成している。
【0139】
一方、上記支持クッションカバー81は、毛足の短い柔軟なパイル生地で表面全体を形成し、支柱本体フレーム部73を被覆可能に、該支柱本体フレーム部73の平面視形状である扇型形状になるよう一方に対して他方が幅広な筒状に形成している。
【0140】
筒状の軸方向の一方の側には、支柱本体フレーム部73の外周側部分(弧部分)を挿通可能な大きさの開口部81A(大開口部81A)を有して形成している。
【0141】
さらに、大開口部81Aの開口縁部には、図14に示すように、スライドファスナ82を形成し、大開口部81Aは、スライダ82cのスライド操作によりスライドファスナ82を構成するファスナ係合片82aとファスナ被係合片82bとを係脱することで開閉することができる。
【0142】
支持骨材71に対する支持クッションカバー81の取り付けは、支持骨材71を基端フレーム部74側から支持クッションカバー81の大開口部81Aに挿入し、徐々に支持クッションカバー81で支柱本体フレーム部73を覆うようにクッションカバーを支柱本体フレーム部73側にスライドさせる。
【0143】
支柱本体フレーム部73の略全体を支持クッションカバー81で覆ったとき、スライドファスナ82のファスナ係合片82aとファスナ被係合片82bとを係合する。これにより、大開口部81Aが閉塞するため、支持骨材71から支持クッションカバー81が不測に外れることなく、しっかりと、且つ、容易に装着することができる。
【0144】
支持クッションカバー81の上にペットが載っても、しっかりと支持することができ、ペットにとって快適な載上面を構成することができる。
【0145】
上述した実施形態と、この発明の構成との対応において、
基台51の底面部は、設置部に対応し、
ケース面16は、上記展示ケースの側面に対応し、
強化ガラス板は、透明パネルに対応し、
ペット遊戯用タワー31(中央側ペット遊戯用タワー31A、及び、コーナー側ペット遊戯用タワー31B)は、ペット遊戯用タワーに対応し、
キャスタ54は、移動手段に対応し、
被係合部28は、被係合部に対応し、
係合突片29は、係合部に対応し、
ケース開口部17は、開口部に対応し、
ケース扉18は、扉に対応し、
ケース正面部16Fは、上記支柱の周方向における、上記開口部と対向する側と反対側部分に対応し、
水平押当部34a、及び、垂直押当部35aは、上記支柱の外周面に沿って押し当て可能な押当部に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0146】
例えば、基台51の底面部には、キャスタ54を備えずに、基台51の底面部が、直接、又は、ゴムシートなどを介して間接的に床面に設置する構成であってもよい。
【0147】
また、図示しないが、天井と床面との間に架設された支柱32,32A,32Cは、天井と床面との間で軸回りに回動自在に構成してもよい。
【0148】
上記構成による支柱32,32A,32Cに対する支持棚33,33Hの取り付けは、まず、支柱32,32A,32Cを、該支柱32,32A,32Cの周方向における支持棚33,33Hを取り付けようとする支持棚被取付け部39がケース背面部16Bと対向するまで、回動させる。
【0149】
そして、ケース背面部16Bに有するケース開口部17を通じてケース背面部16Bの真正面に位置する支持棚被取付け部39に対して支持棚33,33Hを取り付けることができる。
【0150】
そして、支柱32,32A,32Cを再度、回動させ、元の位置に戻せば、支持棚33,33Hの支柱32,32A,32Cに対する取り付けが完了する。
【0151】
上記構成によれば、ケース内空間Aに手を差込んで、支柱32,32A,32Cを回避するよう支持棚33,33Hを取り回すなどの動作を要さずに、支柱32,32A,32Cに対して支持棚33,33Hを容易に取り付けることができる。
【0152】
なお、支柱32,32A,32Cは、手動により、或いは、モータなどの駆動源により回動するいずれの構成であってもよい。さらにまた、所定角度回動後に支柱32,32A,32Cを周方向に位置決めする位置決めボルトなどの位置決め手段を備えてもよい。
【符号の説明】
【0153】
11,11A,11B,11C,11D…遊戯装置付きペット展示用ケース
12…展示ケース
12A…ケース内空間
16…上記展示ケースの側面
17…ケース開口部
18…ケース扉
28…被係合孔
29…係合突片
31…ペット遊戯用タワー
31B…コーナー側ペット遊戯用タワー
32,32A,32C…支柱
32B…コーナー側支柱
33…支持棚
33H…ハンモック型支持棚
34…支持棚本体部
34a…水平押当部
35…支持棚取付け部
35a…垂直押当部
51…基台
54…キャスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットを内部のケース内空間に収容して展示する展示ケースを備え、
上記展示ケースの下側に、地面に設置する設置部を備え、
上記展示ケースの側面の少なくとも一面を、外側から上記ケース内空間を視認可能な透明パネルで形成し、
上記ケース内空間に、ペットが遊戯する遊戯装置としてペットが昇降して遊戯するタワー型のペット遊戯用タワーを構成し、
上記ペット遊戯用タワーを、上記ケース内空間に起立状態で配した支柱と、該支柱に対して着脱自在に取り付けられ、ペットを支持する支持棚とで構成した
遊戯装置付きペット展示用ケース。
【請求項2】
上記展示ケースの側面全体を、上記透明パネルで形成した
請求項1に記載の遊戯装置付きペット展示用ケース。
【請求項3】
上記設置部に、移動手段を備えた
請求項1、又は、2に記載の遊戯装置付きペット展示用ケース。
【請求項4】
上記支柱を、上記展示ケースの上面と床面との間に架設した
請求項1から3のいずれかに記載の遊戯装置付きペット展示用ケース。
【請求項5】
上記支持棚を、支持棚本体部と、該支持棚本体部を上記支柱に取り付ける支持棚取付け部とで構成し、
上記支持棚取付け部の上記支柱に対する取り付けを許容する支持棚被取付け部を、上記支柱に構成した
請求項1から4のいずれかに記載の遊戯装置付きペット展示用ケース。
【請求項6】
上記支持棚取付け部に、上記支柱に係合する係合部を備え、
上記支持棚被取付け部に、上記係合部と係合可能な被係合部を備え、
上記支持棚被取付け部を、上記支柱の長手方向に配設した複数の上記被係合部で構成した
請求項1から5のいずれかに記載の遊戯装置付きペット展示用ケース。
【請求項7】
上記展示ケースの側面に、開口部を形成するとともに、該開口部を開閉する扉を備え、
上記支持棚被取付け部を、上記支柱の周方向における、上記開口部と対向する側と反対側部分を除く部分に形成した
請求項1から6のいずれかに記載の遊戯装置付きペット展示用ケース。
【請求項8】
上記支柱の外周面に沿って押し当て可能な押当部を、上記支持棚の基端部に構成した
請求項1から7のいずれかに記載の遊戯装置付きペット展示用ケース。
【請求項9】
上記ペット遊戯用タワーを、上記ケース内空間の平面視隅角部分に備えた
請求項1から8のいずれかに記載の遊戯装置付きペット展示用ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−24742(P2011−24742A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172641(P2009−172641)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000137188)株式会社ボンビ (30)
【Fターム(参考)】