説明

遊技システムおよび各台装置

【課題】遊技客が所有する携帯端末によって遊技媒体数や有価価値を関連付ける際、遊技客の利便性を損ねることなく、他人の携帯端末による有価価値の盗難防止を図ることを実現すること。
【解決手段】遊技に関わる有価価値情報を管理する管理装置と遊技台に設けられる遊技媒体貸出処理を行う各台装置を有する遊技システムであって、携帯端末の識別子である携帯識別子へ関連付けて遊技媒体数および/または有価価値を記憶し、携帯識別子を遊技台に設けられる取得し、取得された携帯識別子へ関連付けられた遊技媒体数および有価価値の少なくとも一つが所定数以上である場合に、当該携帯識別子を登録し、携帯識別子を含んだ所定の指示を受け付けた場合に、当該携帯識別子と登録された携帯識別子とが一致するか否かを判定するように遊技システムおよび各台装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技に関わる有価価値情報を管理する管理装置と遊技台に設けられる遊技媒体貸出処理を行う各台装置を有する遊技システムおよび各台装置に関し、特に、遊技客が所有する携帯端末によって遊技媒体数や有価価値を関連付ける際、遊技客の利便性を損ねることなく、他人の携帯端末による有価価値の盗難防止を図ることができる遊技システムおよび各台装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機やパチスロ機といった遊技台が設置されるパチンコ店等の遊技店では、遊技店の会員を募集して集客力の強化を図っている。そして、各遊技店では、会員登録を行った会員に対して会員カードを発行し、会員に対して会員サービスを提供している。
【0003】
また、携帯電話などの携帯端末の普及に伴い、会員カードの代わりに遊技客が所有する携帯端末を使用する会員(以下、「携帯会員」と記載する)も増えており、携帯会員は自身の所有する携帯端末によって遊技店が提供する会員サービスを受けることができる。
【0004】
たとえば、特許文献1には、計数された遊技媒体数(以下、「計数値」と記載する)を島端計数機にタッチされた携帯端末へ関連付ける島端計数機が開示されている。ここで、特許文献1の島端計数機は、いわゆる遊技島の島端に設置されており、遊技を終了した遊技客が獲得した遊技媒体を持ち込んで計数する装置である。
【0005】
また、特許文献1の島端計数機では、携帯会員に対して、遊技媒体を計数する前後に携帯端末をタッチさせ、前後に読み込んだ携帯端末の識別子が一致したら、計数値をかかる携帯端末へ関連付けることとしていた。これにより、特許文献1の島端計数機では、計数された計数値が、他の携帯端末装置を保持する他人によって盗難されることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−282662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1が盗難防止の対象としているのは、島端計数機のみであるという問題があった。すなわち、近年普及してきている各台計数機は、盗難防止の対象として考慮されていなかった。また、特許文献1の島端計数機では、ビジター客(非会員)の携帯端末を用いた運用にも対応できていない。
【0008】
ここで、各台計数機とは、遊技客が遊技台で獲得した遊技媒体を、遊技台ごとに設けられる各台装置で計数することができる各台計数機能をもち、携帯端末をタッチすることで、計数値を携帯端末へ関連付けることができる各台装置のことを指す。
【0009】
かかる各台計数機では、遊技客が獲得した遊技媒体を自席に座ったまま計数し、携帯端末へ関連付けることができる。したがって、遊技客にとって、各台計数機は、利便性がよかった。
【0010】
しかし、遊技客が獲得した遊技媒体をかかる各台計数機によって計数された状態で、遊技客が席を離れた際には、他人の所有する携帯端末によって、簡単に計数値が盗難されてしまう。このような場合、遊技客は離席する際に、かかる各台計数機に計数値を放置しないために、携帯端末をタッチして計数値を携帯端末へ関連付けておく必要がある。
【0011】
また、かかる遊技客は、自席に戻ってきた際にも、離席する際と同様に、携帯端末をタッチすることによって携帯端末へ関連付けられた計数値を、かかる各台計数機へ読み込ませる必要がある。したがって、盗難防止の観点から、かかる遊技客は離席する度、さらには自席に戻る度に、かかる各台計数機へ携帯端末をタッチする必要があり、非常に煩わしく感じられてしまう。
【0012】
これらのことから、遊技台ごとに設けられる各台装置で、遊技店の遊技客が所有する携帯端末によって遊技媒体数や有価価値を関連付ける際、遊技客の利便性を損ねることなく、他人の携帯端末による有価価値の盗難防止を図ることができる遊技システムおよび各台装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0013】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、遊技台ごとに設けられる各台装置で、遊技店の遊技客が所有する携帯端末によって遊技媒体数や有価価値を関連付ける際、遊技客の利便性を損ねることなく、他人の携帯端末による有価価値の盗難防止を図ることができる遊技システムおよび各台装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技に関わる有価価値情報を管理する管理装置と遊技台に設けられる遊技媒体貸出処理を行う各台装置を有する遊技システムであって、前記管理装置は、携帯端末の識別子である携帯識別子へ関連付けて遊技媒体数および/または有価価値を記憶する記憶手段を備え、遊技台に設けられる各台装置は、前記携帯識別子を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記携帯識別子へ関連付けられた前記遊技媒体数および前記有価価値の少なくとも一つが所定数以上である場合に、当該携帯識別子を登録する登録手段と、前記携帯識別子を含んだ所定の指示を受け付けた場合に、当該携帯識別子と前記登録手段によって登録された前記携帯識別子とが一致するか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記取得手段によって取得された前記携帯識別子と前記登録手段によって登録された前記携帯識別子とが一致すると判定された場合に、前記遊技媒体数および/または前記有価価値を所定の記録媒体の識別子へ関連付ける関連付け手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記関連付け手段は、前記遊技媒体数および/または前記有価価値を前記取得手段によって取得された前記携帯識別子へ関連付けることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記登録手段は、前記取得手段によって取得された前記携帯識別子へ関連付けられた前記遊技媒体数および前記有価価値が利用により前記所定数未満になった場合に、登録されていた当該携帯識別子を削除することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、遊技台に設けられる各台装置は、携帯端末の識別子である携帯識別子へ関連付けて遊技媒体数および/または有価価値を記憶する記憶手段と、前記携帯識別子を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記携帯識別子へ関連付けられた前記遊技媒体数および前記有価価値の少なくとも一つが所定数以上である場合に、当該携帯識別子を登録する登録手段と、前記携帯識別子を含んだ所定の指示を受け付けた場合に、当該携帯識別子と前記登録手段によって登録された前記携帯識別子とが一致するか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、遊技に関わる有価価値情報を管理する管理装置と遊技台に設けられる遊技媒体貸出処理を行う各台装置を有する遊技システムであって、携帯端末の識別子である携帯識別子へ関連付けて遊技媒体数および/または有価価値を管理装置が記憶し、携帯識別子を遊技台に設けられる各台装置が取得し、取得された携帯識別子へ関連付けられた遊技媒体数および有価価値の少なくとも一つが所定数以上である場合に、当該携帯識別子を各台装置が登録し、携帯識別子を含んだ所定の指示を受け付けた場合に、当該携帯識別子と登録された携帯識別子とが一致するか否かを各台装置が判定することとしたので、遊技台ごとに設けられる各台装置で、遊技客が所有する携帯端末によって遊技媒体数や有価価値を関連付ける際、遊技客の利便性を損ねることなく、他人の携帯端末による有価価値の盗難防止を図ることができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、取得された携帯識別子と登録された携帯識別子とが一致すると判定された場合に、遊技媒体数および/または有価価値を所定の記録媒体の識別子へ関連付けることとしたので、他人の携帯端末による有価価値の盗難防止を図るとともにカードや携帯端末に計数値を関連付けることができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、遊技媒体数および/または有価価値を取得された携帯識別子へ関連付けることとしたので、遊技店は、持玉を関連付ける一般カード等を作成するコストを抑止することができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、取得された携帯識別子へ関連付けられた遊技媒体数および有価価値が利用により所定数未満になった場合に、登録されていた当該携帯識別子を削除することとしたので、遊技客が持玉や有価価値を使い切り、遊技を終えた後、他の遊技客が携帯端末によって持玉等をチャージする場合であっても、遊技客の利便性を損ねることなく携帯端末に計数値を関連付けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明に係る遊技システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る遊技システムが適用される遊技店内の構成図である。
【図3】図3は、本実施例に係る遊技システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、各台装置の外観図である。
【図5】図5は、会員情報の一例を示す図である。
【図6】図6は、カード情報の一例を示す図である。
【図7】図7は、持玉情報の一例を示す図である。
【図8】図8は、各台装置および管理装置が実行するロック要求処理手順概要を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、各台装置および管理装置が実行するチャージ要求処理手順概要を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る遊技システムの概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る遊技システムについての実施例を図2〜図9を用いて説明することとする。
【0025】
まず、本発明に係る遊技システムの概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技システムの概要を示す図である。
【0026】
図1に示すように、本発明に係る遊技システムでは、遊技客がパチンコ機ごとに設けられる各台計数機能付きの各台装置へ携帯端末をタッチすることで、各台装置で計数されたパチンコ玉の計数値(以下、「持玉数」と記載する)を携帯端末へ関連付ける(以下、「チャージ」と記載する)ことができる。
【0027】
その際、本発明に係る遊技システムでは、事前に取得しておいた、かかる遊技客の携帯端末の識別子(以下、「IDm」と記載する)とチャージの際に取得したIDmとを比較して一致すると判定した場合にのみ、かかる携帯端末に対する計数値のチャージを許可することとした。
【0028】
具体的には、本発明に係る遊技システムでは、遊技客が既に持玉数がチャージされている携帯端末を持参して遊技を開始する場合、チャージされた持玉数を各台装置に認識させるために、まず、遊技客が携帯端末を各台装置へタッチする(図1の(1)参照)。
【0029】
これにより、各台装置は携帯端末のIDm(ここでは001)を読み取り、持玉数が管理されている図示しない管理装置へIDm(001)を送信する。そして、管理装置からかかるIDm(001)に関連付けられている持玉数(ここでは2000玉)を取得する(図1の(2)参照)。
【0030】
その際、管理装置では、受信したIDm(001)をロック携帯端末として登録することによって(図1の(3)参照)、その他の携帯端末からのチャージ要求等の受け付けを禁止することとする。
【0031】
ここで、かかる遊技客以外の他人の所有する携帯端末のIDmが、たとえば002の場合、ロック携帯端末として登録されたIDm(001)とは異なる。したがって、本発明に係る遊技システムでは、IDmが002の携帯端末がタッチされ、持玉数のチャージ要求を受け付けた場合に(図1の(4)参照)、かかる携帯端末にはチャージすることができない。
【0032】
このように、本発明に係る遊技システムでは、ロック携帯端末として登録された携帯端末以外の携帯端末による持玉数の盗難を防止することができる。また、遊技客が獲得したパチンコ玉を各台装置によって計数された状態で、遊技客が席を離れる度および自席に戻ってくる度に、携帯端末をタッチする必要がなくなり、利便性の向上を図ることができる。なお、図1では、持玉数をチャージする場合について説明したが、遊技客によって各台装置に挿入された各種貨幣の残額(以下、単に「残額」と記載する)を携帯端末へチャージしてもよい。
【0033】
以下では、図1を用いて説明した本発明に係る遊技システムについての実施例を詳細に説明する。まず、本実施例に係る遊技システムが適用される遊技店内の構成について図2を用いて説明する。
【0034】
図2は、本実施例に係る遊技システムが適用される遊技店内の構成図である。同図に示すように、遊技店に設置された管理装置20には、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、島コントローラ40と、島端計数機50と、精算機60と、景品管理装置70と、携帯端末処理機80とが接続されている。
【0035】
また、島コントローラ40の配下には、複数組の各台装置10およびパチンコ機30が接続されている。なお、同図には、2台の島コントローラ40のみを示しているが、管理装置20には所定数の島コントローラ40が接続されるものとする。また、各台装置10は、島コントローラ40と各パチンコ機30との間に介在し、一つの島コントローラ40に対して、所定数の各台装置10が接続されるものとする。
【0036】
管理装置20は、会員情報22a、カード情報22bおよび持玉情報22cを記憶部22に記憶しており、IDmまたはカードへ関連付けられた持玉に関する情報等を管理している。
【0037】
島コントローラ40は、遊技島に設けられた一群のパチンコ機30および各台装置10を束ねる中継装置である。パチンコ機30は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行う装置である。
【0038】
島端計数機50は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数し、計数値を携帯端末またはカードへ関連付ける、若しくは、レシートへ計数値を印字し、発行する。
【0039】
精算機60は、各台装置10へ挿入された各種貨幣の残額が会員カードまたは一般カードへ関連付けられている場合に、残額が関連付けられているカードが挿入されると、残額に相当する現金の払出を行う。また、精算機60は、各台装置10へ挿入された各種貨幣の残額が携帯端末へ関連付けられている場合に、携帯端末のタッチを受け付けると、残額に相当する現金の払出を行う。
【0040】
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、図示しない交換玉数管理情報を用いて獲得玉と景品との交換を管理する。なお、交換玉数管理情報は、景品毎にその景品との交換に要する交換玉数を対応付けた情報である。
【0041】
ここで、携帯会員は、景品交換カウンタへ携帯端末を持参し、景品管理装置70または景品管理装置70に併設された携帯端末処理機80に携帯端末をタッチすることで、IDmへ関連付けられた持玉数や計数値に応じた景品を受け取ることができる。
【0042】
その際、景品交換カウンタ内の従業員が、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下する。交換ボタンの押下を受け付けた景品管理装置70は、指定された景品に相当する交換玉数を計数値から減算する交換制御を実行する。その後、従業員が手作業によって遊技客に指定された景品を渡すこととなる。つぎに、本実施例に係る遊技システムの構成について図3を用いて説明する。
【0043】
図3は、本実施例に係る遊技システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技システムは、各台装置10と、管理装置20とを含んでいる。なお、図3では、各台装置10および管理装置20の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
【0044】
図3に示すように、各台装置10は、通信I/F(インターフェース)11と、携帯読取部12と、表示操作部13と、記憶部14と、制御部15とを備えている。また、制御部15は、携帯識別子取得部15aと、携帯ロック要求部15bと、持玉情報受信部15cと、チャージ要求部15dとをさらに備えており、記憶部14は、持玉情報14aとを記憶する。
【0045】
通信I/F11は、管理装置20やパチンコ機30との間で通信データの送受信を行う通信デバイスで構成されている。たとえば、通信I/F11は、携帯読取部12で読み取ったIDmとともにロック携帯端末としてカード情報22bへ登録する要求指示を管理装置20へ送信する。
【0046】
携帯読取部12は、遊技客の所有する携帯端末をロック携帯端末として登録する際、かかる携帯端末がタッチされた場合に、携帯端末の識別子であるIDmを読み取り、読み取ったIDmを携帯識別子取得部15aへ渡す。
【0047】
また、携帯読取部12は、持玉数や残額を携帯端末へチャージする際に、タッチされたIDmを読み取り、チャージ要求部15dへ渡す。
【0048】
なお、本実施例では、携帯端末の識別子であるIDmを用いる場合について示すが、携帯端末を一意に識別することができる情報、たとえば、電話番号やメールアドレスを用いることとしてもよい。
【0049】
表示操作部13は、持玉数、残額および各種操作指示を表示する表示部と、チャージ要求操作、カード返却操作、パチンコ玉の払出指示操作といった各種操作を受け付ける操作部とを備えている。たとえば、表示操作部13の表示部には、持玉数や残額を携帯端末へチャージする際、携帯端末をタッチするよう促す表示を行うディスプレイを備えている。
【0050】
また、表示操作部13の操作部には、チャージ要求操作を受け付けるチャージボタンおよび持玉数によってパチンコ玉の払出指示を行う持玉払出ボタン等を備えている。さらに、表示操作部13では、パチンコ玉の払出指示操作を受け付けるとともに、払出が行われたパチンコ玉の数が減算された持玉数の残数等を表示する。
【0051】
ここで、各台装置10の概要構成を説明するために、図4を用いて各台装置10の外観について説明しておく。図4は、各台装置10の外観図である。なお、同図には、各台装置10が併設されたパチンコ機30を破線で示している。
【0052】
図4に示すように、各台装置10は、各台装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部31と、パチンコ玉の払出のための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部32とを備えている。
【0053】
また、各台装置10は、チャージ要求操作や持玉払出操作を受け付けたり、遊技客が所有する持玉数や残額を表示したりする表示操作部13を備えている。なお、表示操作部13での表示や操作を行う構成部品を限定する必要はない。したがって、指やポインティングデバイスなどの押圧感知により入力を受け付け、かつ表示出力も兼ねるタッチパネル式の液晶ディスプレイなどを用いることとしてもよいし、簡素な表示出力を行う7セグメントLEDなどを表示部品として用いることとしてもよい。
【0054】
また、各台装置10は、パチンコ玉を払い出すノズルを備えた持玉払出部34と、持玉数や貯玉数が関連付けられたカード(会員カードまたは一般カード)の受け付け、会員カードの返却、一般カードの発行を行うカードR/W部35とを備えている。なお、カードR/W部35の内部には、数枚の一般カードが収納されているものとする。
【0055】
さらに、各台装置10は、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部12を備えている。ここで、携帯読取部12と携帯端末との通信手段は特に限定する必要はなく、たとえば非接触ICチップを用いることとしてもよいし、赤外線通信を用いることとしてもよい。
【0056】
また、各台装置10は、獲得玉を計数する玉計数部36と、獲得玉を貯留する玉貯留部37とを備えており、同図に示すパチンコ機30の下皿38から獲得玉を玉貯留部37へ誘導し、玉計数部36で獲得玉の数量を計数する各台計数機能を有する。なお、遊技客の携帯端末のIDmへ関連付けられた持玉数がある場合には、玉計数部36で計数された計数値をかかる持玉数へ加算する。
【0057】
そして、各台装置10は、表示操作部13に設けられる図示しない持玉払出ボタンが押下された場合には、遊技客の携帯端末のIDmへ関連付けられた持玉数から払出数を減算して、パチンコ機30からパチンコ玉を投出する。なお、持玉払出部34はなくてもよく、その場合は、貯玉と同様にパチンコ機30から持玉を投出するようにしてもよい。
【0058】
ここで、貯玉とは、遊技店の会員は、会員が獲得したパチンコ玉を遊技店に遊技媒体価値として預け入れることができるサービスのことである。そして、会員は、預け入れた当日や翌日以降も、貯玉によってパチンコ玉を払出すことができる。この場合、表示操作部13に設けられる図示しない貯玉払出ボタンが押下され、会員の所有する貯玉から払出数を減算して、パチンコ機30からパチンコ玉が投出される。
【0059】
また、パチンコ機30の上皿39には、各台装置10の制御部15と電気的に接続されている玉貸ボタンが設けられており、この玉貸ボタンが押下された場合は、紙幣挿入部32へ挿入された各種紙幣の残額あるいはカードR/W部35に挿入されたカードまたは携帯端末へ関連付けられた残額から所定額を減算し、所定額に応じた数のパチンコ玉をパチンコ機30から投出する。
【0060】
なお、本実施例では、各台計数機能と玉貸機能とを兼ね備えた1台の各台装置10に対して本発明を適用した場合について説明したが、各台計数機能を有する第1の各台装置(計数サンド)と、玉貸機能を有する第2の各台装置(CRユニット)とを併設するシステム(ダブルサンド方式)に対して本発明を適用することとしてもよい。
【0061】
また、本実施例では、各台装置10によって遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する各台計数機能付きの各台装置について説明するが、各台計数機能のない各台装置10であってもよい。この場合、島端計数機50で計数された計数値を携帯端末へチャージした遊技客は、各台計数機能のない各台装置10において計数値を使用してパチンコ玉の払出しをすることができる。
【0062】
図3の説明に戻り、各台装置10についての説明をつづける。制御部15は、各台装置10の全体制御を行う制御部である。携帯識別子取得部15aは、携帯読取部12で読み取られたIDmを取得し、携帯ロック要求部15bへ渡す処理を行う処理部である。
【0063】
携帯ロック要求部15bは、携帯識別子取得部15aからIDmを受け付けると、受け付けたIDmと各台装置10の識別子である台番号とを管理装置20へ送信することによって、かかるIDmをロック携帯端末としての登録を要求する処理を行う処理部である。
【0064】
持玉情報受信部15cは、携帯ロック要求部15bが管理装置20へ送信したIDmへ関連付けられる持玉数や残額を管理装置20から受信して、記憶部14の持玉情報14aへ登録する処理を行う処理部である。
【0065】
チャージ要求部15dは、チャージボタン押下によるチャージ要求操作を表示操作部13から受け付けると、携帯読取部12から受け付けたIDmを管理装置20へ送信することによって携帯端末へのチャージ要求をする処理を行う処理部である。
【0066】
つぎに、管理装置20の構成について説明する。管理装置20は、通信I/F21と、記憶部22と、制御部23とを備えている。また、制御部23は、携帯ロック処理部23aと、チャージ処理部23bと、ロック解除処理部23cとをさらに備えており、記憶部22は、会員情報22aと、カード情報22bと、持玉情報22cとを記憶する。
【0067】
通信I/F21は、LANカード等の通信デバイスで構成されており、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、各台装置10や遊技店内に設置された各種機器との間のデータ送受信を行う。
【0068】
記憶部22は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部22は、携帯会員を識別する会員IDへ関連付けて携帯会員が所有する携帯端末のIDmを会員情報22aとして記憶する。
【0069】
また、記憶部22は、台番号へ関連付けて持玉数や残額をカード情報22bとして記憶し、IDmへ関連付けて持玉数や残額を持玉情報22cとして記憶する。なお、会員情報22a、カード情報22bおよび持玉情報22cの詳細については後述することとする。
【0070】
携帯ロック処理部23aは、携帯ロック要求部15bから受信したIDmに基づいて会員情報22aを検索し、かかるIDmが遊技店の会員の所有する携帯端末の識別子であるか否かを認証する処理を行う処理部である。携帯ロック処理部23aは、かかるIDmと会員情報22aのIDmとが一致した場合に、遊技店の会員であると認証する。
【0071】
さらに、携帯ロック処理部23aは、会員であると認証された場合、かかるIDmへ関連付けられた持玉情報22cの持玉数または残額を所有していた場合、かかるIDmをロック携帯端末として登録する処理を併せて行う。これにより、管理装置20では、ロック携帯端末として登録されたIDm以外の識別子をもつ携帯端末からのチャージ要求等の受け付けを許諾しないこととなる。ここでは、持玉情報22cの持玉数または残額を所有していた場合に、ロック携帯端末として登録したが、持玉数および残額が所定数以上である場合に、ロック携帯端末として登録することとしてもよい。また、会員だけが登録できるのではなく、ビジター客の携帯端末であっても登録できるようにしても何ら問題はない。
【0072】
また、携帯ロック処理部23aは、携帯ロック要求部15bから受信したIDmに基づいて持玉情報22cを検索し、持玉情報受信部15cへ持玉情報22cを送信する処理を併せて行う。
【0073】
チャージ処理部23bは、チャージ要求部15dから受信したIDmとロック携帯端末として登録されたIDmとが一致するか否かを判定する処理を行う処理部である。チャージ処理部23bは、かかる2つのIDmが一致しないと判定した場合には、登録されたIDm以外の識別子をもつ携帯端末からのチャージ要求を受け付けない旨を各台装置10へ通知する。
【0074】
また、チャージ処理部23bは、かかる2つのIDmが一致したと判定した場合には、チャージ要求部15dから受信したIDmへ関連付けてカード情報22bの持玉数および残額を持玉情報22cへ登録する。
【0075】
さらに、チャージ処理部23bは、持玉数および残額を持玉情報22cへ登録したならば、ロック携帯端末としての登録を解除する指示すなわちロック解除指示をロック解除処理部23cへ渡す処理を併せて行う。
【0076】
ロック解除処理部23cは、チャージ処理部23bからロック解除指示を受け付けたならば、ロック携帯端末としてカード情報22bへ登録されたIDmを削除することによってロックを解除する処理を行う処理部である。
【0077】
また、ロック解除処理部23cは、カード情報22bの持玉数0玉および残額0円となった場合に、ロック携帯端末として登録されていた携帯端末に対して、ロック解除処理を行う。ここでは、持玉数0玉および残額0円となった場合に、ロック解除処理を行うこととしたが、持玉数および残額が所定数未満となった場合に、ロック解除処理を行ってもよい。
【0078】
つぎに、会員情報22a、カード情報22bおよび持玉情報22cの詳細について図5〜7を用いて説明する。図5は、会員情報22aの一例を示す図である。
【0079】
図5に示すように、会員情報22aは、「会員ID」項目と、「IDm」項目とを含んでいる。「会員ID」項目は、遊技店の会員を一意に識別することができる識別子である。「IDm」項目は、携帯会員が所有する携帯端末の識別子であり、会員IDへ関連付けられている。なお、会員IDとIDmとが同じであってもよい。
【0080】
また、会員カードを所有する会員の場合は、会員IDへ関連付けて会員カードの識別子であるカードIDを記憶することとしてもよいし、会員IDとカードIDとが同じであってもよい。
【0081】
なお、管理装置20の携帯ロック処理部23aでは、会員認証の際、各台装置10から受信したIDmと会員情報22aのIDmとが一致した場合、会員であると認証することとした。しかし、セキュリティ性を強化する上で、会員情報22aに「暗証番号」項目を含むこととし、会員の登録を行った際に、予め会員によって暗証番号を設定しておいてもよい。
【0082】
そして、表示操作部13で携帯会員による暗証番号を受け付け、受け付けた暗証番号をIDmとともに管理装置20へ送信し、管理装置20では、会員情報22aのIDmと暗証番号とが一致した場合、遊技店の会員であると認証することとしてもよい。
【0083】
つづいて、カード情報22bの詳細について図6を用いて説明する。図6は、カード情報22bの一例を示す図である。
【0084】
図6に示すように、カード情報22bは、各台装置10の識別子である「台番号」項目と、台番号へ関連付けられて「カードID」項目と、「IDm」項目と、「携帯端末ロック」項目と、「持玉数」項目と、「残額」項目とを含んでいる。
【0085】
「カードID」項目は、台番号に対応するカードIDであり、「IDm」項目は、ロック携帯端末として登録されるIDmであり、ロック携帯端末として登録された際に、「携帯端末ロック」項目を「あり」とする。「持玉数」項目および「残額」項目は、台番号に対応する各台装置10へ関連付けられている持玉数および残額である。
【0086】
なお、各台装置10のカードR/W部35の内部には、数枚の一般カードが収納されており、カード返却ボタンが押下された場合に、遊技客が遊技中に獲得した持玉数や紙幣挿入部32へ挿入された各種紙幣の残額は、かかる一般カードへ関連付けられる。
【0087】
したがって、「カードID」項目は、各台装置10へセットされている一般カードのカードIDとなる。また、各台装置10へ会員カードが挿入されている場合には、会員カードのカードIDとなる。
【0088】
具体的には、図6の1行目には、台番号001の各台装置10にセットされたカードID0011の一般カードへ持玉数2000玉、残額3000円が関連付けられており、さらに、ロック携帯端末としてIDm1001の携帯端末が登録されていることを示す。
【0089】
また、図6の2行目には、台番号002の各台装置10にセットされたカードID0021の一般カードへ持玉数3000玉、残額5000円が関連付けられていることを示す。
【0090】
つづいて、持玉情報22cの詳細について図7を用いて説明する。図7は、持玉情報22cの一例を示す図である。
【0091】
図7に示すように、持玉情報22cは、「IDm」項目と、「持玉数」項目と、「残額」項目とを含んでいる。遊技客が所有する携帯端末の識別子であり、「持玉数」項目および「残額」項目は、IDmへ関連付けてチャージされた持玉数および残額である。
【0092】
たとえば、図6の1行目に示したような台番号001の各台装置10において、ロック携帯端末として登録されているIDm1001の携帯端末がタッチされてチャージボタンが押下された場合について説明する。
【0093】
この場合、図7の1行目に示したように、カード情報22bに記憶されている持玉数および残額をかかるIDmへ関連付けて持玉情報22cへチャージ処理部23bによって登録されたことを示す。
【0094】
なお、持玉数および残額を「IDm」項目へ関連付けることとしたが、会員カードを所有する会員によってチャージ要求された場合には、会員カードのカードIDへ関連付けることとしてもよい。
【0095】
つぎに、本実施例に係る遊技システムが実行する処理について図8〜9を用いて説明する。図8は、各台装置10および管理装置20が実行するロック要求処理手順概要を示すシーケンス図であり、図9は、各台装置10および管理装置20が実行するチャージ要求処理手順概要を示すシーケンス図である。
【0096】
まず、図8に示すように、各台装置10に備える携帯読取部12では、遊技客の所有する携帯端末がタッチされたことによって、携帯端末を受け付けたならば(ステップS101)、かかる携帯端末のIDmを読み取る(ステップS102)。
【0097】
そして、携帯ロック要求部15bは、IDmと各台装置10の識別子である台番号とを管理装置20へ送信することによって、かかるIDmへ関連付けられた持玉数および残額の取得指示とともに、かかるIDmをロック携帯端末としての登録を要求する(ステップS103)。
【0098】
一方、管理装置20の携帯ロック処理部23aは、受信したIDmに基づいて会員情報22aを検索し、かかるIDmが会員情報22aに記憶されていた場合には、遊技店の会員であると認証する(ステップS104)。ここでは、携帯ロック処理部23aによって会員であると認証された場合について説明する。また、会員認証は行っているが、ロック処理をビジター客にも認めるといった運用を行うのであれば、特に会員認証を行う必要もなく、その後の処理も変わることはない。
【0099】
つづいて、携帯ロック処理部23aは、IDmに基づいて持玉情報22cの持玉数および残額を取得し(ステップS105)、いずれかを所有していた場合に、受信した台番号へ関連付けて持玉数および残額をカード情報22bへ登録する。
【0100】
さらに、携帯ロック処理部23aでは、受信したIDmをロック携帯端末としてカード情報22bへ登録し(ステップS106)、持玉数および残額を各台装置10へ送信する(ステップS107)。
【0101】
一方、各台装置10の持玉情報受信部15cでは、受信した持玉数および残額を各台装置10の持玉情報14aへ登録するとともに、表示操作部13へ表示して(ステップS108)、各台装置10および管理装置20が実行する一連のロック要求処理を終了する。
【0102】
つぎに、遊技客が所有する携帯端末へ持玉数および残額のチャージ要求をする場合に、遊技システムが実行するチャージ要求処理について図9を用いて説明する。図9は、各台装置10および管理装置20が実行するチャージ要求処理手順概要を示すシーケンス図である。
【0103】
図9に示すように、チャージ要求部15dでは、チャージボタン押下によるチャージ要求操作を表示操作部13から受け付け(ステップS201)、携帯読取部12は、携帯端末がタッチされたことによって、携帯端末を受け付ける(ステップS202)。
【0104】
そして、携帯読取部12では、受け付けた携帯端末のIDmを読み取り(ステップS203)、読み取ったIDmを管理装置20へ送信することによって携帯端末へのチャージ要求をする(ステップS204)。
【0105】
一方、管理装置20のチャージ処理部23bは、チャージ要求部15dから受信したIDmとロック携帯端末として登録されたIDmとが一致するか否かを判定する(ステップS205)。
【0106】
チャージ処理部23bは、かかる2つのIDmが一致しないと判定した場合には、登録されたIDm以外の識別子をもつ携帯端末からのチャージ要求を受け付けない旨を各台装置10へ通知して処理を終了する。
【0107】
また、チャージ処理部23bは、かかる2つのIDmが一致したと判定した場合には、チャージ要求部15dから受信したIDmへ関連付けてカード情報22bの持玉数および残額を持玉情報22cへ登録することによって(ステップS206)、携帯端末へ関連付けて持玉情報がチャージされたこととなる。
【0108】
さらに、ロック解除処理部23cは、ロック携帯端末としてカード情報22bへ登録されたIDmを削除して、携帯端末ロックの識別を「あり」から「なし」へ変更することによってロックを解除する(ステップS207)。そして、チャージ処理部23bは、チャージ処理が正常に完了した旨を、各台装置10のチャージ要求部15dへ通知する。
【0109】
一方、チャージ要求部15dは、チャージ処理部23bからチャージ完了通知を受信したならば、その旨を表示操作部13へ表示して(ステップS208)、各台装置10および管理装置20が実行する一連のチャージ要求処理を終了する。なお、各台装置10では、チャージ完了の旨を表示することとしたが、表示操作部13に完了ランプを設け点滅させてもよいし、完了を通知する音を鳴らすこととしてもよい。
【0110】
このように、本実施例に係る遊技システムおよび各台装置では、各台装置10に遊技客の所有する携帯端末がタッチされた場合、携帯端末のIDmへ関連付けられた持玉数および残額を取得するとともに、かかるIDmをロック携帯端末として登録しておく。そして、本実施例に係る遊技システムおよび各台装置では、チャージボタン押下および携帯端末をタッチされたことによるチャージ要求操作を受け付けた場合、受け付けた携帯端末のIDmとロック携帯端末として登録されたIDmとが一致するか否かを判定する。ここで、本実施例に係る遊技システムおよび各台装置は、一致しないと判定された場合に、受け付けた携帯端末へは持玉情報をチャージしないこととした。
【0111】
これにより、本実施例に係る遊技システムおよび各台装置によれば、遊技客が所有する携帯端末によって遊技媒体数や有価価値を関連付ける際、遊技客の利便性を損ねることなく、他人の携帯端末による有価価値の盗難防止を図ることができる。
【0112】
なお、上述した実施例では、チャージボタン押下によるチャージ要求操作によって携帯端末へ持玉数および残額を関連付けてチャージすることとした。しかし、各台装置10では、カード返却ボタン押下によって持玉数および残額を、カードR/W部35の内部に収納されている一般カードへ関連付けて排出してもよい。この場合、管理装置20が一般カードのカードIDとともに持玉数および残額を持玉情報22cへ登録してもよいし、また、各台装置10が排出する一般カードへ持玉数および残額を関連付けてもよい。
【0113】
また、上述した実施例では、携帯端末をタッチした際に、持玉数または残額を所有する場合、ロック携帯端末として登録した。しかし、遊技客によって各台装置10へ貨幣が挿入された際、または、各台装置10によって持玉が計数された際に、各台装置10では、携帯端末のタッチを促し、携帯端末がタッチされたならば、かかる携帯端末をロック携帯端末として登録するよう要求してもよい。
【0114】
また、上述した実施例では、カード情報22bの持玉数0玉および残額0円となった場合に、ロック携帯端末として登録されていた携帯端末に対して、ロック解除処理部23cがロック解除処理を行うこととした。
【0115】
しかし、ロック携帯端末として登録していた携帯端末を所有する遊技客が、持玉数0玉および残額0円となったことにより遊技を終了し、パチンコ機30から離席した場合に、別の携帯端末がタッチされても、先に遊技をしていた遊技客の不利益を被ることはない。
【0116】
したがって、カード情報22bの持玉数0玉および残額0円となり、かつ、ロック携帯端末として登録されていた携帯端末以外の携帯端末がタッチされた場合に、ロック解除処理部23cがロック解除処理を行うこととしてもよい。
【0117】
また、ロック携帯端末として登録していた携帯端末によって、登録要求を行った各台装置10とは異なる各台装置10でタッチされた場合に、ロック解除処理部23cがロック解除処理を行うこととしてもよい。
【0118】
また、ロック携帯端末として登録していた携帯端末によって、登録要求を行った各台装置10とは異なる各台装置10でタッチされた場合に、カード情報22bのかかる携帯端末のIDm、持玉数および残額を、異なる各台装置10の台番号へ関連付けるよう移行させてもよい。
【0119】
また、ロック携帯端末として登録していた携帯端末によって、登録要求を行った各台装置10とは異なる各台装置10でタッチされた場合に、登録要求を行った各台装置10とは異なる各台装置10で、既に他の各台装置10でロック携帯端末として登録されている携帯端末を使用しての遊技ができないようにしてもよい。
【0120】
また、上述した実施例では、パチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合、または、パチスロ遊技のみを対象とした場合にも同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上のように、本発明に係る遊技システムおよび各台装置は、遊技客が所有する携帯端末によって遊技媒体数や有価価値を関連付ける場合に有用であり、特に、遊技客の利便性を損ねることなく、他人の携帯端末による有価価値の盗難防止を図る場合に適している。
【符号の説明】
【0122】
10 各台装置
11 通信I/F
12 携帯読取部
13 表示操作部
14 記憶部
14a 持玉情報
15 制御部
15a 携帯識別子取得部
15b 携帯ロック要求部
15c 持玉情報受信部
15d チャージ要求部
20 管理装置
21 通信I/F
22 記憶部
22a 会員情報
22b カード情報
22c 持玉情報
23 制御部
23a 携帯ロック処理部
23b チャージ処理部
23c ロック解除処理部
30 パチンコ機
31 状態表示部
32 紙幣挿入部
34 持玉払出部
35 カードR/W部
36 玉計数部
37 玉貯留部
38 下皿
39 上皿
40 島コントローラ
50 島端計数機
60 精算機
70 景品管理装置
80 携帯端末処理機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関わる有価価値情報を管理する管理装置と遊技台に設けられる遊技媒体貸出処理を行う各台装置を有する遊技システムであって、
携帯端末の識別子である携帯識別子へ関連付けて遊技媒体数および/または有価価値を記憶する記憶手段と、
前記携帯識別子を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記携帯識別子へ関連付けられた前記遊技媒体数および前記有価価値の少なくとも一つが所定数以上である場合に、当該携帯識別子を登録する登録手段と、
前記携帯識別子を含んだ所定の指示を受け付けた場合に、当該携帯識別子と前記登録手段によって登録された前記携帯識別子とが一致するか否かを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記取得手段によって取得された前記携帯識別子と前記登録手段によって登録された前記携帯識別子とが一致すると判定された場合に、前記遊技媒体数および/または前記有価価値を所定の記録媒体の識別子へ関連付ける関連付け手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記関連付け手段は、
前記遊技媒体数および/または前記有価価値を前記取得手段によって取得された前記携帯識別子へ関連付けることを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記登録手段は、
前記取得手段によって取得された前記携帯識別子へ関連付けられた前記遊技媒体数および前記有価価値が利用により前記所定数未満になった場合に、登録されていた当該携帯識別子を削除することを特徴とする請求項1、2または3に記載の遊技システム。
【請求項5】
遊技台に設けられる各台装置は、
携帯端末の識別子である携帯識別子へ関連付けて遊技媒体数および/または有価価値を記憶する記憶手段と、
前記携帯識別子を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記携帯識別子へ関連付けられた前記遊技媒体数および前記有価価値の少なくとも一つが所定数以上である場合に、当該携帯識別子を登録する登録手段と、
前記携帯識別子を含んだ所定の指示を受け付けた場合に、当該携帯識別子と前記登録手段によって登録された前記携帯識別子とが一致するか否かを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする各台装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−194077(P2011−194077A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65197(P2010−65197)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】