説明

遊技場用システム

【課題】来店ポイントサービスとワゴンサービスとを融合させ、ワゴンサービス会社がワゴンサービスの対価を確実に得ることが可能な遊技場用システムを提供する。
【解決手段】遊技客が会員カードをレシート発行機に挿入すると、レシート発行機は、来店ポイント数及び来店ポイントの対価として利用できるサービス(商品)の種類などを液晶表示部表示し、遊技客の操作入力に応じて、サービスの内容及び当該サービスの対価となる来店ポイント数及び遊技媒体数が記録された引換レシート30を発行する。ワゴンサービス会社の担当者は、この引換レシート30をPOS端末にて特殊景品と交換することにより、提供したサービスに対する売上を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技客に付与されたポイントと引き換えに所定のサービスを実施する遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技場においては、例えば特許文献1に開示されているように遊技客に対して来店ポイントを付与し、その来店ポイントに応じて各種のサービスを提供する来店ポイントサービスが行われている。その来店ポイントサービスの一例として例えば特許文献2に開示されているようにワゴンサービスカウンタでの飲食物等の提供があり、遊技客の需要も多く、よく利用されているというのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−275300号公報
【特許文献2】特開2007−190056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ワゴンサービスカウンタでのワゴンサービスは、遊技場が直接運営するのではなく、ワゴンサービス会社が遊技場に所謂場代を支払って実施している場合が多い。このような運用形態では、ワゴンサービスの担当者が遊技媒体(パチンコ玉やメダル)と引き換えに飲食物を遊技客に提供し、その遊技媒体を遊技客と同様に特殊景品と交換することで売上を獲得するという仕組みになっている。
【0005】
しかしながら、特許文献1又は2のような構成では、遊技客が遊技場から付与された来店ポイントによりワゴンサービスを受ける場合、ワゴンサービス会社がワゴンサービスの対価となる遊技媒体を獲得できないという問題があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、来店ポイントサービスとワゴンサービスとを融合させ、ワゴンサービス会社がワゴンサービスの対価を確実に得ることが可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明は、遊技客が遊技機での遊技により獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された遊技媒体数を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、前記記録媒体に記録された遊技媒体数、及び景品毎に設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出する景品数算出手段と、を備えた遊技店における遊技場用システムにおいて、遊技客を特定する遊技客特定手段と、前記遊技客特定手段が特定した遊技客に対してポイントを付与するポイント付与手段と、前記ポイント付与手段が付与したポイントと引き換えに、所定のサービスの対価に相当する遊技媒体数を記録した引換媒体を発行する引換媒体発行手段と、を備え、前記景品数算出手段は、前記引換媒体発行手段により発行された前記引換媒体に記録されている遊技媒体数を読み取り、その遊技媒体数と交換可能な特定景品数を算出して表示することが可能に構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、遊技客は、所定のサービスを利用したいときは、付与されたポイントと引き換えに引換媒体発行手段で引換媒体を発行し、この引換媒体を例えばワゴンサービスカウンタへ持参することにより、引換媒体に記録されたポイントに相当する例えば飲食物などのサービスを受ける。サービスを提供する例えばワゴンサービス会社などは、引換媒体に記録されている遊技媒体数に応じて景品数算出手段にて算出された特定景品を受け取ることにより、提供したサービスに対応する売上を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による遊技場用システムの構成を概略的に示す図
【図2】遊技機端末を示す図で、(a)は正面図、(b)は機能ブロック図
【図3】レシート発行機を示す図で、(a)は正面図、(b)は機能ブロック図
【図4】管理装置が記憶する特殊景品交換単価設定及びポイント設定を示す図
【図5】通常レシート及びワゴンレシートを示す図
【図6】引換レシートを示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による遊技場用システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用システム1の全体構成を概略的に示している。遊技場内には、複数台の遊技機2が設置されており、各遊技機2に対応して貸出装置3及び遊技機端末4が設置されている。これら遊技機2、貸出装置3及び遊技機端末4は、LANを介して管理装置5に接続されている。尚、各遊技機2及び貸出装置3は、図示しない中継端末を介してLANに接続する構成であってもよい。また、遊技場内には、数百台の遊技機2が設置されている。
【0011】
遊技機2は、所謂デジパチとして周知のパチンコ機、或いは所謂スロットマシンとして周知のパチスロ機などである。遊技機2としてのパチンコ機は、遊技客がパチンコ玉(遊技媒体)を盤面に発射してそのパチンコ玉が入賞口に入賞すると、その入賞に応じた数のパチンコ玉の払出し、或いは大当たり抽選などを行う。この大当たり抽選では、所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口が開放され、遊技客は払出されたパチンコ玉を獲得する。このため、大当たりの回数が多いほど、また、確率変動や時短状態が多いほど、遊技客は多くの出玉を獲得することができる。
【0012】
遊技機2としてのパチスロ機は、遊技客がメダル(遊技媒体に相当)を投入してスタートレバーを操作すると、内部抽選を実行した後、例えば左リール、中リール、右リールの3つのリールを回転始動する。この状態で遊技客がストップボタンを操作すると、内部抽選の結果に応じて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リールを内部当選役の種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。このとき、有効ライン上に当選図柄が停止表示されると入賞となり、例えば所謂小役が入賞した場合には対応する枚数のメダルの払出し、或いはボーナス役が入賞した場合には、メダルを大量に獲得することができるボーナス状態が発生する。
【0013】
貸出装置3は、貨幣を投入する貨幣投入口を備えた所謂CRユニットとして構成されている。貸出装置3は、CPUからなる制御部、RAM及びROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部などを備えており、貨幣が投入された状態で遊技客により貸出釦が操作されると、払出単位の遊技媒体を遊技機2に払出す。このとき、払出した遊技媒体の数に応じた信号を管理装置5に出力する。尚、貸出装置3の上部には動作状態を示す動作ランプが設けられており、不具合が生じた場合などに点灯し、例えば遊技場の従業員に報知する。
【0014】
遊技機端末4(遊技客特定手段に相当)は、図2(a)に示すように、対応する遊技機2に関する稼動情報としての遊技データや種々の情報を表示するための液晶表示部9、当該遊技機2の稼動状態やエラー状態などを表示するための状態表示ランプ10、遊技場が発行した会員カード11を挿入するカード挿入口12、挿入された会員カード11を排出するカード排出ボタン13を備えている。尚、液晶表示部9の画面上には、タッチパネルスイッチ14が設けられている。
【0015】
遊技機端末4は、図2(b)に示すように、CPU、RAM及びROMなどからなる制御部15、及び信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部16などを備えている。制御部15は、ROM等に記憶されている制御プログラムによって遊技機端末4の全体を制御するとともに、液晶表示部9、状態表示ランプ10、カード挿入口12に対応して設けられているカードリーダ17、カード排出ボタン13を接続されている。遊技機端末4は、遊技客が会員カード11をカード挿入口12に挿入すると、カードリーダ17にて会員カード11に記録されている情報を読み取り、遊技客を特定する。また、遊技機端末4からは、ワゴンサービスの注文(担当者の呼出)を行うこともできる。
【0016】
このような遊技機側の装置(遊技機2、貸出装置3、遊技機端末4など)からは、遊技の進行に応じて、投入媒体数(打ち込んだパチンコ玉や投入したメダルの数)を特定可能なアウト信号、払出媒体数(払出されたパチンコ玉やメダルの数)を特定可能なセーフ信号、ボーナス状態を特定可能なボーナス信号(ボーナス状態中にレベル出力)などの各種の遊技信号、及び特定した遊技客に関する会員情報などが出力される。これら各遊技信号は、図1に示すように、LANを介して管理装置5に出力される。
【0017】
管理装置5は、CPUからなる制御部、HDD(ハードディスク装置)、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部、モニタ及び図示しないプリンタなどからなる出力部を備えている。管理装置5は、遊技場内の例えば事務所などに設置され、LANを介して遊技機2側の装置と接続されており、遊技機2及び貸出装置3との間で情報を送受信し、受信した遊技信号に基づいて、周知の出玉率などの遊技情報を集計及び管理する。
【0018】
計数機6(計数手段に相当)は、図1に示すように、複数の遊技機2が設置されている遊技機島毎に設けられた所謂島端計数機であり、遊技場内に複数設置されている。計数機6は、遊技客が遊技により獲得した獲得玉を受入する受入口6a、計数情報等の各種情報を表示すると共に従業員からの入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部6b、計数した遊技媒体数を特定可能な情報が印字されたレシート(記憶媒体、ワゴン用記録媒体に相当)を発行するレシート発行口6c、従業員が所持するリモコン18からの操作信号を受光するリモコン受光部6d等を備えて構成されている。
【0019】
この計数機6は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM、ROMからなる記憶部(ワゴン情報記憶手段に相当)、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部を備えている。計数機6は、例えばROMなどに記憶されている制御プログラムにしたがって動作し、遊技客が獲得した獲得媒体が受入口6aから受入れられると、受入口6aの奥に設けられている図示しない計数センサにより受入れた遊技媒体を計数し、計数を終了すると、獲得媒体数及び精算ボタンを液晶表示部6bに表示し、精算ボタンが押下された場合にレシート発行口6cからレシートを発行する。
【0020】
また、計数機6は、遊技場の従業員が携帯するリモコン18から各種の操作が入力可能に構成されている。リモコン18には、7セグ表示部及び複数のボタンが設けられており、従業員は任意の操作を計数機6に対して入力する。ボタンとしては、数値入力用のテンキーや、ワゴンサービスの担当者の遊技媒体を計数する時に押下する「ワゴン計数」ボタンなどが設けられている。従業員は、ワゴンサービス担当者の遊技媒体を計数するときには、「ワゴン計数」ボタンを押下することにより、ワゴンサービスにより獲得した遊技媒体であることを示すワゴン情報をワゴン計数信号として計数機6に送信する。このとき、リモコン18の7セグ表示部には、押下されたボタンの種類などの操作内容に関する情報が表示される。尚、ここでいうリモコン18は、従業員が通常の業務に利用するために携帯しているものを想定している。
【0021】
POS端末7(景品数算出手段に相当)は、遊技場内の景品交換カウンタに設置され、遊技場の従業員により操作される。POS端末7は、例えば遊技客が提出したレシートから計数値や景品情報を示すバーコードを図示しないスキャナで読み取り、対応する数の景品(例えば、特殊景品)の数を算出する。POS端末7は、表面にタッチパネルスイッチを有した液晶パネルより構成される表示部7a、及び各種の操作キーを有した操作パネル7bが備えられている。POS端末7の操作パネル7bには、複数種類の景品(例えば、タバコやチョコレートなど数十玉で交換可能な景品)を選択するための複数の景品ボタン、或いは、他の一般景品(数玉で交換可能な景品)を選択するための端玉ボタン、交換する景品を確定する交換ボタンなどが設けられている。
【0022】
レシート発行機8(遊技客特定手段、引換媒体発行手段に相当)は、例えばワゴンサービスカウンタの付近など遊技場内の所定位置に設置されている。レシート発行機8は、図3(a)に示すように、サービス内容や景品の種類など様々な情報を表示するための液晶表示部20、会員カード11を挿入するカード挿入口21、レシート(引換媒体に相当)を発行するレシート発行口22、操作を入力する操作部23などを備えている。尚、操作部23は、例えば機械式のスイッチで構成してもよいし、タッチパネルスイッチなどで構成してもよい。
【0023】
レシート発行機8は、図3(b)に示すように、CPU、RAM及びROMなどからなる制御部24、及び信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部25などを備えている。制御部24は、ROM等に記憶されている制御プログラムによってレシート発行機8の全体を制御するとともに、液晶表示部20、カード挿入口21に対応して設けられているカードリーダ26、レシート発行口22に対応して設けられているプリンタ27、操作部23などと接続されている。レシート発行機8は、遊技客が会員カード11をカード挿入口21に挿入すると、カードリーダ26にて会員カード11に記録されている情報を読み取り、遊技客を特定するとともに、後述する引換レシートの発行処理を実行する。
【0024】
このような構成の遊技場用システム1が設置された遊技場において、ワゴンサービスの担当者は、ドリンク類、軽食類或いはタバコなどの商品が準備されているワゴンサービスカウンタにて待機し、或いは遊技客のところまで出向いて注文をとり、その注文に応じて遊技媒体を対価として商品(サービス)を提供している。この場合、遊技客はワゴンサービスカウンタに直接赴く、注文を取りにきたワゴンサービスの担当者に注文する、或いは遊技機端末4からワゴンサービスカウンタ端末19に注文信号を送信することにより、ワゴンサービスを受けることができる。このワゴンサービスカウンタ端末19は、遊技機端末4からの注文信号を受信すると、図示しないモニタなどに注文内容を表示する。
【0025】
さて、遊技により獲得した遊技媒体を計数機6にて計数し、ワゴンサービスの担当者はワゴンサービスの対価として徴収した遊技媒体を計数機6にて計数する。このとき、計数機6は、遊技により獲得した遊技媒体であるか、ワゴンサービスにより獲得した遊技媒体であるかによって、レシートに記録する内容を変更する。
図4(a)は、管理装置5により設定及び記憶される特殊景品交換単価設定を示している。この特殊景品交換単価設定には、以下の項目が設定されている。
遊技玉=パチンコ機に対する交換単価
遊技メダル=パチスロ機に対する交換単価
【0026】
また、特殊景品交換単価設定には、これら「遊技玉」及び「遊技メダル」に対して、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体に対する交換単価である「通常」と、ワゴンサービスによる獲得した遊技媒体に対する交換単価である「ワゴン」が設定されている。本実施形態では、遊技客が獲得した遊技媒体に対しては、パチンコ機では1玉が4円(「遊技玉」の「通常」)、パチスロ機であれば1メダルが20円(「遊技メダル」の「通常」)に設定されている。一方、ワゴンサービスにより獲得された遊技媒体に対しては、パチンコ機では1玉が3円(「遊技玉」の「ワゴン」)、パチスロ機であれば1メダルが15円(「遊技メダル」の「ワゴン」)に設定されている。つまり、ワゴンサービスにより獲得された遊技媒体に対する交換単価であるワゴン単価と、通常の遊技により獲得された遊技媒体に対する交換単価である通常単価との間には、ワゴン単価=0.75×通常単価の関係がある。尚、この特殊景品交換単価設定は、計数機6及びPOS端末7にも記憶されている。
【0027】
遊技客が通常の遊技により獲得した遊技媒体を計数する場合、上記した「通常」の交換単価によって景品数が算出される。このとき、計数機6は、図5(a)に示す通常レシート28を発行する。この通常レシート28には、遊技場名M1(パーラー○○○)、発行時刻M2(2009年8月20日 15:30)、遊技客が獲得した遊技媒体数M3(10000個)、景品数(400個)、これらの情報がまとめて記号化されたバーコードM5が印字(記録)されている。尚、景品数M4は、特殊景品1個が100円に設定されている場合の個数である。
【0028】
一方、ワゴンサービスの担当者がワゴンサービスにより獲得した遊技媒体、即ち、商品の対価として遊技客から受け取った遊技媒体を計数する場合、遊技場の従業員は、リモコン18を用いて、ワゴンサービスにより獲得された遊技媒体であることを示すワゴン情報を計数機6に入力する。ワゴン情報が入力された計数機6は、上記した通常レシート28の代わりに、図5(b)に示すように、ワゴンサービスにより獲得された遊技媒体数を記録したワゴンレシート29を発行する。このワゴンレシート29には、通常レシート28と同様に、遊技場名M1、発行時刻M2、遊技客が獲得した遊技媒体数M3(10000玉)、景品数(300玉)、これらの情報がまとめて記号化されたバーコードM5が記録されている。さらに、ワゴンレシート29にはワゴンサービスに対して発行されたレシートであることを示すワゴンマークM6(図5(b)では「◆ワゴン◆」)が記録されており、目視によりワゴンサービス用に発行されたレシートであることを認識できる。
【0029】
これら通常レシート28又はワゴンレシート29は、いずれもPOS端末7において特殊景品と交換可能である。このとき、ワゴンサービスの担当者は、ワゴンレシート29をPOS端末7にて特殊景品と交換することにより、ワゴンサービスによる売上金を得ることができる。POS端末7は、ワゴンレシート29と特殊景品との交換を、図4(a)に示す特殊景品交換単価設定に設定された交換単価に基づいて行う。具体的には、図5(a)及び(b)に示す通常レシート28或いはワゴンレシート29のようにパチンコ玉を10000玉交換する場合、遊技客、ワゴンサービスの担当者、遊技場がそれぞれ獲得する特殊景品(又は金額)は、以下のようになる。
【0030】
遊技客 :10000玉×4円=40000円分の特殊景品を獲得
ワゴンサービス会社:10000玉×3円=30000円分の特殊景品を獲得
遊技場 :10000玉×1円=10000円分を場代として徴収
このように、計数機6及びPOS端末7においてワゴンサービス用の交換単価に基づいてワゴンレシート29を特殊景品と交換することにより、通常と何ら変わらない操作で、ワゴンサービス業者は場代を除く売上金を獲得でき、遊技場は場代を徴収することが可能になる。即ち、ワゴンサービス業者も遊技場も別途場代の徴収や決済をする必要がない。尚、バーコードM5にも通常レシート28であるかワゴンレシート29であるかの情報が記録されているので、遊技場の従業員は、POS端末7の操作時(景品交換時)に特別な操作をする必要はない。尚、特殊景品は周知の買取所で買い取ってもらうことにより現金化することができる。
【0031】
このように、遊技場用システム1は、通常の景品交換処理とワゴンサービス用の景品交換処理とを行っている。
また、この遊技場では、遊技客に来店回数に応じたポイントを付与するポイントサービスを実施している。図4(b)は、管理装置5により設定及び記憶されるポイント設定を示している。このポイント設定には、遊技場への来店に伴って遊技客に付与されるポイントが設定されており、本実施形態では、来店1回に付き1ポイント(1pt)の来店ポイントが付与され、来店ポイントは1ptがパチンコ玉25玉或いはメダル5枚に相当する。来店ポイントは、当日において初めて遊技機端末4又はレシート発行機8のカード挿入口へ会員カード11が挿入されたときに付与される。従って、来店したにもかかわらず何れのカード挿入口へも会員カード11を挿入しなかった場合には来店ポイントが付与されない。この来店ポイントは、遊技客毎に集計・管理されており、以下に説明するように、ワゴンサービスの対価として利用することができる。
【0032】
遊技客が会員カード11をレシート発行機8に挿入すると、レシート発行機8の例えば液晶表示部20に現在までの来店ポイント数、来店ポイントの対価として利用できるサービスの種類(例えば飲食物のメニュー)などが表示される。遊技客は、操作部23から所望のサービスを選択することにより、図6に示す引換レシート30を受け取る。この引換レシート30には、通常レシート28等と同様に遊技場名M1及び発行時刻M2が記録されており、それに加えて、サービス内容M7(商品名。「アイスコーヒー」)、当該サービスの対価となるポイント数及び遊技媒体数M8(「3pt」、「玉75個」)が記録されている。レシート発行機8が引換レシート30を発行したときは、管理装置5に記憶されている来店ポイント数が引換レシート30に記録された数だけ減算される。尚、本実施形態では、引換レシート30の交換単価はワゴンレシート29の交換単価と同じに設定されている。遊技客は、この引換レシート30をワゴンサービスカウンタにて担当者に渡すことにより、来店ポイントにより所望のサービス(図6の例ではアイスコーヒーの提供)を受けることができる。
【0033】
ワゴンサービスの担当者は、例えば一日の営業が終了した時などに引換レシート30をPOS端末7にて特殊景品と交換することができる。つまり、ワゴンサービスの担当者は、ワゴンレシート29と同様に、引換レシート30によっても提供したサービスに対する売上を得ることができる。また、遊技場側は、通常レシート28を交換するときと同様の操作をするだけで、ワゴンサービス会社への売上の支払いと、ワゴンサービス会社からの場代の徴収とを行うことができる。
【0034】
以上説明した本実施形態の遊技場用システム1によれば、次のような効果を奏する。
遊技客は、来店ポイントと引換にワゴンサービスを利用したい場合、レシート発行機8にて付与された来店ポイントと引き換えに引換レシート30を発行し、この引換レシート30に記録されたポイント数に相当する例えばアイスコーヒーなどの商品を受け取る。一方、商品を提供するワゴンサービスの担当者は、POS端末7にてこの引換レシート30に記録されている遊技媒体数に相当する特殊景品を受け取ることにより提供したサービスに対する売上を確実に得ることができる。
【0035】
遊技客、ワゴンサービス会社、遊技店は、特別な操作を行うことなく景品交換を実施できる。これにより、来店ポイントサービスとワゴンサービスとの融合を促進することができる。
【0036】
遊技場用システム1では、計数機6は、リモコン18によりワゴン情報が入力された場合、通常レシート28の代わりにワゴンレシート29を発行する。このワゴンレシート29にはワゴンサービスにより獲得した遊技媒体数などのワゴン情報が記録されており、ワゴンサービスの担当者は、ワゴンレシート29を用いて通常の景品交換を行うだけで、ワゴンサービスの売上に相当する数の特殊景品の獲得、及び遊技場への場代の支払いを同時に処理することができる。このため、遊技場側は、ワゴンサービス専用の機器を設けることなく、従来の遊技場用システムのプログラムを変更するだけで場代を徴収することが可能になる。したがって、ワゴンサービス会社と遊技場との間で特別な決済処理を行う必要もなく、非常に簡便に場代を徴収することができる。
【0037】
特殊景品交換単価設定を1玉或いは1メダルに対して設定しているので、ワゴンサービスの売上に応じて、即ち、ワゴンサービスの利用状況に応じて場代として徴収する金額が増減する。これにより、ワゴンサービスが利用されないにも関わらず場代だけが徴収されるなどの不合理さをワゴンサービス会社が感じることがなくなり、合理的に場代を徴収することができる。
【0038】
ワゴンレシート29にはワゴンサービスに対して発行されたレシートであることを示すワゴンマークM6が記録され、引換レシート30には来店ポイントに対して発行されたレシートであることを示すサービス内容M7と当該サービスの対価となるポイント数及び遊技媒体数M8とが記録される。これにより、POS端末7の係員は、目視によりワゴンサービス用に発行されたレシートであること、或いは、来店ポイントに対して発行されたレシートであることを容易に認識できる。この場合、バーコードM5にも同様の情報を記録しているので、POS端末7の操作時に通常と異なる作業が必要になることもない。
【0039】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張できる。
レシート発行機8を遊技機2毎に対応して設けるようにしてもよい。この場合、遊技機端末4や貸出装置3と一体的に設けるようにしてもよい。
【0040】
ワゴンサービスカウンタ端末19に入力された注文データを管理装置5へ送信し、管理装置側でも注文データを管理することが可能である。さらに、管理装置5側で注文データを管理する場合には、その注文データとワゴンレシート29による景品交換データとに基づいて、注文を受けた商品の対価である遊技媒体数と、ワゴンレシート29によって景品交換された遊技媒体数とを照合することが可能となり、ワゴンサービス会社が確実且つ適正に景品交換を行っているかどうかの確認をすることができる。
【0041】
特殊景品の交換単価として、図4(a)に示すように遊技玉及び遊技メダルそれぞれの単価を設定するようにしたが、単価の設定に代えて、図4(c)に示すように特殊景品1個(1000円相当)の交換遊技玉数及び遊技メダル数を設定するようにしてもよい。
一実施形態で示した交換単価などの数値は例示であり、これに限定されない。
遊技客に付与するポイントとして「来店ポイント」を例示したが、これに限定されない。
ポイントを付与する条件としては、様々な条件を設定することが可能である。例えば、設定された金額を使用したとき、設定された時間遊技したとき、設定された回数の大当たりを発生させたとき等の条件が考えられる。
【符号の説明】
【0042】
図面中、1は遊技場用システム、2は遊技機、4は遊技機端末(遊技客特定手段)、5は管理装置(ポイント付与手段)、6は計数機(計数手段)、7はPOS端末(景品数算出手段)、8はレシート発行機(遊技客特定手段、引換媒体発行手段)、28は通常レシート(記録媒体)、29はワゴンレシート(記録媒体)、30は引換レシート(引換媒体)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客が遊技機での遊技により獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された遊技媒体数を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、
前記記録媒体に記録された遊技媒体数、及び景品毎に設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出する景品数算出手段と、を備えた遊技店における遊技場用システムにおいて、
遊技客を特定する遊技客特定手段と、
前記遊技客特定手段が特定した遊技客に対してポイントを付与するポイント付与手段と、
前記ポイント付与手段が付与したポイントと引き換えに、所定のサービスの対価に相当する遊技媒体数を記録した引換媒体を発行する引換媒体発行手段と、を備え、
前記景品数算出手段は、前記引換媒体発行手段により発行された前記引換媒体に記録されている遊技媒体数を読み取り、その遊技媒体数と交換可能な特定景品数を算出して表示することが可能に構成されたことを特徴とする遊技場用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−183040(P2011−183040A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53046(P2010−53046)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】