説明

遊技媒体管理システム

【課題】遊技店に多大の金銭的な負荷をもたらすことなく、遊技媒体の預け入れ、及び、引き出しに関する遊技客の利便性を高めることを課題とする。
【解決手段】従来のメダル預入・貸出機の機能の一部であるメダル預入機能のみを有するメダル預入機120と、このメダル預入・貸出機のもう一方の機能であるメダル払出機能を従来のメダル貸し機に併合したメダル貸出・払出機130及び140とをネットワーク150を介して接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技客により獲得された遊技媒体を貯遊技媒体として預かるとともに、当該遊技客に対して貯遊技媒体を払い出す遊技媒体管理システムに関し、特に、遊技店に多大の金銭的負荷をもたらすことなく、遊技媒体の預け入れ及び引き出しに関する遊技客の利便性を高めることができる遊技媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームセンター等の遊技店では、遊技客が遊技に使用するメダルを遊技店から借り受けた後に、このメダルをゲーム機に投入することで遊技を行うことになる。このため、遊技店内には、通常、紙幣や硬貨を受け付けて一定量のメダルを払い出すメダル貸し機が設けられている。
【0003】
また、遊技客がゲーム機での遊技を通じて獲得したメダルを次回以降の来店時に利用できるようにするために、遊技店内には、貯メダルの管理と貯メダルの払い出しを行うメダル預入・払出機が設けられている。例えば、特許文献1には、メダルの預かり及び払出が可能な装置を遊技店内に設ける構成が開示されている。
【0004】
この特許文献1に代表されるように、従来は、貯メダルの受け付けと貯メダルの払い出しを一台で行うメダル預入・払出機を遊技店内に設け、遊技客が遊技を終えたならば、その獲得メダルを貯メダルとしてメダル預入・払出機に預け入れ、後日遊技店に来店した際に、メダル預入・払出機から貯メダルを引き出して再遊技を行うのが通常であった。
【0005】
【特許文献1】特開2007−75153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる特許文献1に代表される従来のメダル預入・払出機は、メダルの受け入れとメダルの引き出しを一台の装置で賄うこととなるため、遊技客が遊技店に来店後直ちに貯メダルを引き出して遊技したい場合であっても、このメダル預入・払出機を用いてメダルの預け入れを行っている他の遊技客が存在する場合には、当該遊技客は、他の遊技客による預け入れ操作が完了するまで待たねばならない。
【0007】
ここで、遊技客は、遊技店への来店後速やかに遊技を行いたいのが通常であるため、メダル預入・払出機が利用中であれば、遊技客が貯メダルを保有する場合であっても、この貯メダルを利用するのではなく、現金で新たにメダルを借り受ける結果となる。加えて、遊技客によっては、メダル預入・払出機が利用中であることを理由に、遊技をすることなく遊技店を立ち去るケースも生じ得る。
【0008】
このように、遊技客が折角の貯メダルを迅速に引き出せない状況が多発すると、遊技客の利便性を大きく損なう結果となり、遊技客の遊技店への来店意欲を損ない、最終的には遊技店の収益が低下するという重要な問題が生ずる。
【0009】
このため、各遊技店では、より多くのメダル預入・払出機を店内に配設して遊技客の利便性を高めざるを得ないが、メダルの預け入れと引き出しの両者を行うメダル預入・払出機は高価な装置であるので、多くの台数のメダル預入・払出機を配設できない遊技店が多いのが実情である。
【0010】
以上のことから、ゲームセンター等の遊技店において、遊技店に多大の金銭的負荷をもたらすことなく、メダルの預け入れ及び引き出しに関する遊技客の利便性を高めることができるメダル預入・払出システムをいかに実現するかが重要な課題となっている。かかる課題は、貯メダルのみならず貯玉等の各種貯遊技媒体に関しても同様に生ずる課題である。
【0011】
本発明は、上述した従来技術による課題を解消するためになされたものであり、遊技店に多大の金銭的負荷をもたらすことなく、遊技媒体の預け入れ及び引き出しに関する遊技客の利便性を高めることができる遊技媒体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、遊技客により獲得された遊技媒体を貯遊技媒体として預かるとともに、当該遊技客に対して貯遊技媒体を払い出す遊技媒体管理システムであって、遊技客を一意に識別する識別情報ごとに該遊技客の貯遊技媒体数を管理するとともに、遊技客による遊技媒体の預入操作に応答して貯遊技媒体数を加算更新する遊技媒体預入機と、遊技客による遊技媒体の貸出操作に応答して遊技媒体の貸出処理を行うとともに、遊技客による貯遊技媒体の引出操作に応答して貯遊技媒体の払出処理を行う遊技媒体貸出・払出機とを通信可能に接続したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記遊技媒体預入機は、遊技客を一意に特定する識別情報を読み取る識別情報読取手段と、所定の遊技媒体預入口に投入された遊技媒体の遊技媒体数を計数処理する計数処理手段と、前記識別情報と貯遊技媒体数を対応付けて記憶する貯遊技媒体管理テーブルと、前記識別情報読取手段により識別情報が読み取られ、前記計数処理手段により遊技媒体数が計数され、かつ、遊技客による遊技媒体の預入操作がなされた場合、並びに、前記遊技媒体貸出・払出機から貯遊技媒体数の減算要求を受け付けた場合に、前記貯遊技媒体管理テーブルで管理された貯遊技媒体数を更新処理する更新処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記遊技媒体貸出・払出機は、各遊技客を一意に特定する識別情報を読み取る識別情報読取手段と、前記識別情報読取手段により識別情報が読み取られ、かつ、遊技客から所定数の貯遊技媒体の払出操作を受け付けた場合に、前記遊技媒体預入機に対して貯遊技媒体数の減算要求を行なうとともに該当する遊技媒体数の払出依頼を行う払出依頼手段と、受け付けた貨幣分以内の遊技媒体数若しくは前記払出依頼手段から払出依頼された遊技媒体数の払出処理を行う遊技媒体払出手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記貯遊技媒体管理テーブルは、前記識別情報、貯遊技媒体数及び最終更新日を対応付けて記憶し、前記遊技媒体預入機は、前記貯遊技媒体管理テーブルに登録された貯遊技媒体数のうち最終更新日から所定の期間経過したものを時効消滅させる時効消滅処理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記貯遊技媒体管理テーブルは、前記識別情報、貯遊技媒体数、最終更新日及び時効消滅分の貯遊技媒体数を対応付けて記憶し、前記遊技媒体預入機は、前記貯遊技媒体管理テーブルに登録された貯遊技媒体数のうち最終更新日から所定の期間経過したものを初期化しつつ時効消滅分の貯遊技媒体数に移行させる時効消滅処理手段と、前記遊技媒体貸出・払出機が投入貨幣分の遊技媒体数を払い出す際に、前記時効消滅分の貯遊技媒体数に応じた割増率を決定する割増率決定手段とをさらに備え、前記遊技媒体払出手段は、受け付けた貨幣分の遊技媒体数を払い出す際に、前記割増率決定手段により決定された割増率で割り増した遊技媒体数を払い出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技客を一意に識別する識別情報ごとに該遊技客の貯遊技媒体数を管理するとともに、遊技客による遊技媒体の預入操作に応答して貯遊技媒体数を加算更新する遊技媒体預入機と、遊技客による遊技媒体の貸出操作に応答して遊技媒体の貸出処理を行うとともに、遊技客による貯遊技媒体の引出操作に応答して貯遊技媒体の払出処理を行う遊技媒体貸出・払出機とを通信可能に接続するよう構成したので、貯遊技媒体の引き出しを行う装置部分を従来の遊技媒体貸出機と一体化し、もって他の遊技客が遊技媒体の預入を行っている場合であっても、迅速かつ効率的に貯遊技媒体の引き出しを行うことが可能となり、遊技客の利便性を高めることができる。
【0018】
また、本発明によれば、遊技客を一意に特定する識別情報と貯遊技媒体数を対応付けて記憶する貯遊技媒体管理テーブルを遊技媒体預入機に設けておき、識別情報が読み取られ、遊技媒体数が計数され、かつ、遊技客による遊技媒体の預入操作がなされた場合、並びに、前記遊技媒体貸出・払出機から貯遊技媒体数の減算要求を受け付けた場合に、貯遊技媒体管理テーブルで管理された貯遊技媒体数を更新処理するよう構成したので、遊技媒体の払い出しを行う部分を遊技媒体預入機から切り離し、遊技媒体預入機を利用する他の遊技客が存在する場合であっても、来店した遊技客が迅速に貯遊技媒体の引き出しを行うことができる。
【0019】
また、本発明によれば、遊技媒体貸出・払出機において、各遊技客を一意に特定する識別情報が読み取られ、かつ、遊技客から所定数の貯遊技媒体の払出操作を受け付けた場合に、遊技媒体預入機に対して貯遊技媒体数の減算要求を行なうとともに該当する遊技媒体数の払出依頼を行い、受け付けた貨幣分以内の遊技媒体数若しくは払出依頼された遊技媒体数の払出処理を行うよう構成したので、遊技媒体の払い出しを行う部分を遊技媒体預入機から切り離し、遊技媒体預入機を利用する他の遊技客が存在する場合であっても、来店した遊技客が迅速に貯遊技媒体の引き出しを行うことができる。
【0020】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理テーブルは、識別情報、貯遊技媒体数及び最終更新日を対応付けて記憶し、遊技媒体預入機は、貯遊技媒体管理テーブルに登録された貯遊技媒体数のうち最終更新日から所定の期間経過したものを時効消滅させるよう構成したので、遊技客による貯遊技媒体を用いた遊技に制限を課し、もって遊技店の収益向上を図ることができる。
【0021】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理テーブルには、識別情報、貯遊技媒体数、最終更新日及び時効消滅分の貯遊技媒体数を対応付けて記憶しておき、この貯遊技媒体管理テーブルに登録された貯遊技媒体数のうち最終更新日から所定の期間経過したものを初期化しつつ時効消滅分の貯遊技媒体数に移行させ、受け付けた貨幣分の遊技媒体数を払い出す際に、この時効消滅分の貯遊技媒体数に応じた割増率で割り増した遊技媒体数を払い出すよう構成したので、遊技客の貯遊技媒体数が時効消滅した場合であっても次回の現金による遊技媒体貸出時に優遇を受けることができるため、遊技客の来店意欲を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体管理システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、メダルを遊技媒体とした遊技を提供するゲームセンターに本発明を適用した場合について説明することとする。
【実施例1】
【0023】
<システム構成>
まず、本実施例1に係るメダル管理システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例1に係るメダル管理システムのシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、ゲームセンター100内には、メダルを用いた遊技を提供するゲーム機110a及び110b(以下「ゲーム機110」と総称する)が配設されるとともに、ゲーム機110aの設置エリアの近傍にメダル貸出・払出機130が配設され、ゲーム機110bの設置エリアの近傍にメダル貸出・払出機140が配設されている。また、ゲームセンター100の出入り口付近に設けられるカウンター近傍には、メダル預入機120が配設されている。そして、これらのメダル貸出・払出機130、メダル貸出・払出機140及びメダル預入機120は、ネットワーク150を介して互いに接続されている。
【0024】
ゲーム機110は、遊技媒体であるメダルを用いて遊技を行うゲーム機であり、遊技において入賞が発生すると所定枚数のメダルを払い出す。遊技客は、ゲームセンター100に来店したならば、メダル貸出・払出機130又は140に現金を投入してメダルを借り受け、借り受けたメダルを利用してゲーム機110で遊技を行う。このようにして、遊技客が遊技を行った結果、多くのメダルを獲得したならば、獲得したメダルをメダル預入機120に投入して貯メダルする。これにより、遊技客は後日来店時に貯メダルを用いて遊技を行うことができる。具体的には、遊技客は、後日来店時にメダル貸出・払出機130又は140にて所定の払出操作を行って貯メダルを引き落とすことになる。
【0025】
メダル預入機120は、遊技客により獲得されたメダルを貯メダルとして預かる装置であり、具体的には、遊技客から指紋データを読み取り、メダル数を計数した後に、所定のメダル預入操作を受け付けたならば、後述する貯メダル管理テーブル126上で管理する貯メダル数を更新する。また、メダル貸出・払出機130及び140から貯メダルの減算依頼を受け付けた場合にも、後述する貯メダル管理テーブル126上で管理する貯メダル数を更新する。なお、かかるメダル預入機120は、通常ゲームセンター100内に一台(カウンター近傍)しか設けられず、メダル貸出・払出機130及び140と比較してセキュリティの確保が容易であるため、このメダル預入機120上に貯メダル管理テーブル126が設けられている。
【0026】
メダル貸出・払出機130及び140は、遊技客に対して現金によるメダル貸しを行うとともに、事前に預け入れられた貯メダルの払い出しを行う装置である。具体的には、遊技客が、このメダル貸出・払出機130及び140に現金を投入して所定のメダル貸し操作を行った場合には、従来のメダル貸し機と同様に投入金額分若しくは投入金額以内で選択された金額分のメダルを払い出す。一方、遊技客が、このメダル貸出・払出機130及び140上で貯メダルの払出操作を行った場合には、預け入れられた貯メダル数のうち所定枚数の貯メダルが払い出される。
【0027】
また、本実施例1では、メダル預入機120が貯メダルの一括管理を行っており、遊技客がメダルの預け入れを行う場合には、このメダル預入機120上で貯メダルの加算更新を行い、メダル貸出・払出機130から貯メダル数の減算依頼を受け付けた場合には、貯メダルの減算更新を行うことになる。
【0028】
ここで、本実施例1では、メダルの預け入れと払い出しの両方を行う従来のメダル預入・払出機を設けるのではなく、かかるメダル預入・払出機が有するメダル預入機能とメダル払出機能を分離し、このメダル預入機能のみを有するメダル預入機120と、メダル払出機能を従来のメダル貸し機に追加したメダル貸出・払出機130及び140とを設けた点に一つの特徴がある。このように構成した理由は、比較的利用頻度の低いメダル預け入れと利用頻度の高いメダル払い出しとを一体化した従来のメダル預入・払出機では、迅速なメダルの払い出しを希望する遊技客がメダルの預け入れを待つケースが頻発し、結果的に遊技客の利便性を阻害する大きな要因となっているためである。
【0029】
<メダル預入機120の構成>
次に、図1に示したメダル預入機120の構成について説明する。図2は、図1に示したメダル預入機120の外観構成を示す図であり、図3は、図2に示したメダル預入機120の内部構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、このメダル預入機120の前面には、液晶パネル121と、メダル預入口122と、指紋読取部123とが設けられている。液晶パネル121は、タッチパネル式の表示デバイスであり、メダルを預け入れる際の操作手順、貯メダル枚数、貯メダル完了等が表示される。
【0031】
メダル預入口122は、貯メダルの対象となるメダルを投入するために設けられた投入口である。このメダル預入口122に投入されたメダルのメダル枚数は、後述するメダル計数処理部124において計数される。
【0032】
指紋読取部123は、遊技客を一意に特定する生体情報である指紋データを読み取る読取部である。本実施例1では、各遊技客の貯メダル枚数と指紋データを対応付けてメダル預入機120の貯メダル管理テーブル126a上で管理し、貯メダルの預け入れを行う場合には、指紋読取部123で読み取られた指紋データをキーとして貯メダル管理テーブル126aを検索し、検索された貯メダル枚数に加算対象となるメダル枚数を加算することとしている。一方、遊技客が貯メダルを引き出す場合には、メダル貸出・払出機130に設けられた指紋読取部で指紋を読み取るとともに、読み取った指紋データをメダル預入機120に送信して貯メダルの減算依頼を行い、この指紋データに対応する貯メダル枚数から該当するメダル枚数を減算処理することになる。このように、本実施例1では、指紋データと貯メダル数を紐付けて管理する場合を説明することとするが、本発明はこれに限定されるものではなく、掌紋等の他の生体情報を用いることができる。また、会員カードを発行して会員カードのカードIDと貯メダル数を紐付けるよう構成することもでき、この場合は、指紋読取部123の代わりにカードリーダを設ければ良い。
【0033】
次に、このメダル預入機120の内部構成について説明する。図3に示すように、このメダル預入機120は、液晶パネル121と、指紋読取部123と、メダル計数処理部124と、インターフェース部(I/F部)125と、記憶部126と、制御部127とを有する。なお、液晶パネル121及び指紋読取部123については、図2に示したものと同一のものである。
【0034】
メダル計数処理部124は、メダル預入口122に投入されたメダルの枚数を計数処理して制御部127に通知する処理部である。I/F部125は、ゲームセンター100内に配設されたメダル貸出・払出機130及び140との間の通信をネットワーク150を介して行うためのインターフェース部である。ここでは、そのインターフェース仕様は如何なるものであっても良い。記憶部126は、遊技客の指紋データと貯メダル枚数を対応付けた貯メダル管理テーブル126aを記憶するための記憶デバイスである。図4に示すように、この貯メダル管理テーブル126aには、指紋データ、貯メダル数、ID及び最終預入日が対応付けられている。
【0035】
制御部127は、液晶パネル121の表示制御、指紋読取部123に対する読取制御、メダル計数処理部124の計数制御等のメダル預入機120の全体制御を行う制御部であり、メダル預入処理部127aと貯メダル数管理部127bを有する。
【0036】
メダル預入処理部127aは、指紋データの読み取り及びメダル計数を終了し、所定のメダル預入操作がなされた場合に、指紋データをキーとして貯メダル管理テーブル126aを検索し、検索した貯メダル枚数にメダル枚数を加算する処理を行う。なお、指紋データが貯メダル管理テーブル126a上に存在しない場合には、新たなIDを発行して指紋データ及びメダル数を新規登録する。
【0037】
貯メダル数管理部127bは、貯メダル管理テーブル126aを用いて遊技客毎の貯メダル数を管理する管理部である。この貯メダル数管理部127bは、メダル貸出・払出機130から貯メダルの減算要求を受け付けた場合に、貯メダル管理テーブル126aの該当する貯メダル数から指示されたメダル枚数を減算する。なお、貯メダルの加算処理については、上記メダル預入処理部127aが担当する。
【0038】
また、この貯メダル数管理部127bは、ゲームセンター100の閉店後の所定時刻に、現時点の年月日から所定の時効消滅期間(例えば1年)を減算した基準日と上記貯メダル管理テーブル127b上の各最終預入日とをそれぞれ比較し、この時効消滅期間を経過した貯メダル数は「0」に置換する処理を定期的に行う。貯メダルの使用を無制限に認めるとゲームセンター100の収益に悪影響を及ぼすため、一定の時効消滅期間を経過した貯メダルを無効化するためである。
【0039】
<メダル貸出・払出機130の構成>
次に、図1に示したメダル貸出・払出機130の構成について説明する。図5は、図1に示したメダル貸出・払出機130の外観構成を示す図であり、図6は、図5に示したメダル貸出・払出機130の内部構成を示すブロック図である。
【0040】
図5に示すように、このメダル貸出・払出機130の前面には、液晶パネル131と、硬貨投入口132と、紙幣投入口133と、釣銭払出口134と、指紋読取部135と、メダル払出口136とが設けられている。液晶パネル131は、メダル預入機120の液晶パネル121と同様のタッチパネル式の表示デバイスであり、現金によるメダルの貸し出し又は貯メダルの払い出しの選択画面の表示やその後の操作手順の表示等を行う。
【0041】
硬貨投入口132は硬貨を投入するための投入口であり、紙幣投入口133は紙幣を投入するための投入口であり、釣銭払出口134は投入金額からメダル貸し分の金額を差し引いた釣銭を払い出すための投出口である。これらの硬貨投入口132、紙幣投入口133及び釣銭払出口134は、現金によりメダルを貸し出す際に利用される。
【0042】
指紋読取部135は、メダル預入機120の指紋読取部123と同一のものであり、この指紋読取部135は、貯メダルの払い出しを行う際に利用される。メダル払出口136は、現金により貸し出されるメダル又は貯メダルのうち払い出されるメダルが投出される投出口である。
【0043】
次に、このメダル貸出・払出機130の内部構成について説明する。図6に示すように、このメダル貸出・払出機130は、液晶パネル131と、指紋読取部135と、貨幣処理部201と、メダル投出制御部202と、インターフェース部(I/F部)203と、記憶部204と、制御部205とを有する。この液晶パネル131及び指紋読取部135は、すでに説明したのでその説明は省略する。
【0044】
貨幣処理部201は、貨幣の入出金に係る処理を行う処理部である。具体的には、硬貨投入口132から投入された硬貨及び紙幣投入口133から投入された紙幣の真偽判定を行った後に入金額の合計額を算出して制御部205に通知するとともに、入金された貨幣を図示しない貨幣収納部に収納し、必要に応じて貨幣収納部から搬送した紙幣又は硬貨を釣銭として釣銭払出口134に排出する処理を行う。
【0045】
メダル投出制御部202は、図示しないメダルホッパに貯留するメダルの一部をメダル払出口136に投出制御する制御部である。具体的には、所定枚数以上のメダルを払い出す場合、メダル投出に先立ってカップ状の容器をメダル払出口136内に自動設置した後に、メダルを容器上に投出することになる。なお、ここではカップ上の容器を自動設置する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
I/F部203は、メダル預入機120のI/F部125と同様のものであり、メダル預入機120及びメダル貸出・払出機140との間の通信をネットワーク150を介して行うためのインターフェース部である。記憶部204は、バックアップデータやログデータ等を記憶するハードディスク装置等の記憶デバイスである。
【0047】
制御部205は、メダル貸出・払出機130の全体制御を行う制御部であり、メダル貸出処理部205a及びメダル払出処理部205bを有する。メダル貸出処理部205aは、現金を用いたメダル貸出処理を担う処理部であり、具体的には、液晶パネル131から選択金額を受け付け、貨幣処理部201から入金金額を受け付けたならば、貨幣処理部201に対して釣銭額を通知するとともに、メダル投出制御部202に対して投出すべきメダル枚数を通知する。
【0048】
メダル払出処理部205bは、貯メダルの払い出しに関する処理を担う処理部であり、指紋データ及び払出枚数が入力され、所定の貯メダル払出操作を受け付けたならば、メダル預入機120に対して貯メダルの減算要求を行う。この減算要求には、少なくとも指紋データ及び減算対象となるメダル枚数が含まれる。メダル払出処理部205bは、かかる減算完了後にメダル投出制御部202に対してメダル投出指示を行う。
【0049】
なお、ここでは説明の便宜上、メダル貸出・払出機130の構成について説明したが、メダル貸出・払出機140についても同様の構成となる。
【0050】
<現金によるメダル貸出処理手順>
次に、図1に示したメダル貸出・払出機130における現金によるメダル貸し時の処理手順について説明する。図7は、図1に示したメダル貸出・払出機130における現金によるメダル貸し時の処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
同図に示すように、このメダル貸出・払出機130は、現金の受け付け待ちの状態にあり(ステップS101否定)、現金を受け付けたならば(ステップS101肯定)、液晶パネル131上に複数の選択ボタン(例えば、1000円、2000円、3000円等)を表示して該選択ボタンを有効化し(ステップS102)、選択ボタンの操作待ちの状態となる(ステップS103否定)。
【0052】
そして、遊技客により、この液晶パネル131のいずれかの選択ボタンが押下操作されたならば(ステップS103肯定)、入金貨幣額が選択ボタンの金額以上であるか否かを判定し(ステップS104)、入金貨幣額が選択ボタンの金額未満であれば(ステップS104否定)、ステップS103に移行する。
【0053】
これに対して、入金貨幣額が選択ボタンの金額以上である場合には(ステップS104肯定)、金額選択ボタン分のメダル枚数を投出するとともに(ステップS105)、入金貨幣額と選択ボタンの金額の差額を釣銭として釣銭払出口134から払い出す(ステップS106)。
【0054】
上記一連の処理を行うことにより、従来のメダル貸し機と同様に、現金分のメダル数を貸し出すことが可能となる。なお、ここでは処理の中止についての説明を省略したが、入金途中で図示しない中止ボタンが押下されたならば、入金分の貨幣を返却して処理を終了することになる。
【0055】
<メダル預入処理手順>
次に、図1に示したメダル預入機120を用いたメダル預入処理手順について説明する。図8は、図1に示したメダル預入機120を用いたメダル預入処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、メダル預入機120の液晶パネル121上で所定のメダル預入操作が行われたならば(ステップS201)、この液晶パネル121に「指を指紋読取部123に置いて下さい」という操作ガイドを表示する。
【0056】
この操作ガイドに応答して、遊技客が指紋読取部123に指を置いたならば、指紋データの読み取りを行い(ステップS202)、その後液晶パネル121に「メダルを投入して下さい」という操作ガイドを表示する。
【0057】
この操作ガイドに応答して、遊技客がメダル預入口122にメダルを投入したならば(ステップS203肯定)、投入されたメダル数の計数処理を行い(ステップS204)、計数結果を液晶パネル121に表示し、貯メダル操作指示待ちとなる(ステップS205否定)。
【0058】
ここで、貯メダル操作指示、例えば液晶パネル121上に表示された「貯メダル実行ボタン」を押下する操作指示がされたならば(ステップS205肯定)、貯メダル管理テーブル126aを更新し(ステップS206)、液晶パネル121に「貯メダル完了」、「ID」及び「貯メダル数」を表示して処理を終了する。
【0059】
なお、貯メダル管理テーブル126aの更新処理には2通りある。すなわち、指紋データが登録されていれば貯メダル数を加算更新し、指紋データが登録されていなければ該指紋データと貯メダル数を新規登録する。
【0060】
<貯メダル払出処理手順>
次に、図1に示したメダル貸出・払出機130を用いた貯メダルの払い出し手順について説明する。図9は、図1に示したメダル貸出・払出機130を用いた貯メダルの払い出し手順を示すフローチャートである。
【0061】
同図に示すように、このメダル貸出・払出機130の液晶パネル131上での「貯メダル払出」の選択操作を受け付けたならば(ステップS301)、この液晶パネル131に「指を指紋読取部135に置いて下さい」という操作ガイドを表示する。この操作ガイドに応答して、遊技客が指紋読取部135に指を置いたならば、指紋データの読み取りを行い(ステップS302)、指紋データの照合処理を行う(ステップS303)。具体的には、かかる指紋データをメダル預入機120に送信し、メダル預入機の貯メダル管理テーブル126aに該指紋データが登録済みであるか否かを調べることになる。
【0062】
その結果、読み取られた指紋データと同一のものが貯メダル管理テーブル126aに存在しない場合には(ステップS304否定)、貯メダルが存在しないのであるから、エラー表示を行って(ステップS311)、ステップS301に移行する。
【0063】
これに対して、読み取られた指紋データと同一のものが貯メダル管理テーブル126aに存在する場合には(ステップS304肯定)、メダル預入機120からこの指紋データに対応づけられた貯メダル数を受信して液晶パネル131上に表示し(ステップS305)、この貯メダル数のうちの払出枚数の入力を受け付ける(ステップS306)。
【0064】
そして、入力された払出枚数が貯メダル数以内であれば(ステップS307肯定)、指紋データ及び払出枚数を含む貯メダルの減算要求をメダル預入機120に対して行って、該メダル預入機120上で貯メダル管理テーブル126a上の貯メダル数から払出枚数を減算して該テーブルを更新した後(ステップS308)、この払出枚数分のメダルを投出するメダル払出処理を行い(ステップS309)、液晶パネル131上に「払出完了」を表示する(ステップS310)。
【0065】
<貯メダルの時効消滅処理手順>
次に、図1に示したメダル預入機120における貯メダルの時効消滅処理手順について説明する。図10は、図1に示したメダル預入機120における貯メダルの時効消滅処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
同図に示すように、ゲームセンター100の閉店後の所定の時刻(例えば、23時)になったことをタイマーで検知したならば(ステップS401肯定)、貯メダル管理テーブル126aの最初のIDの最終預入日を参照して有効期限(例えば1年)を途過しているか否かをチェックする(ステップS402)。例えば、現在年月日が「2008年3月10日」であり、有効期限が「1年」である場合には、最終預入日が「2007年3月10日」以前であるものを有効期限の途過対象として抽出することになる。
【0067】
そして、有効期限を途過していない場合には(ステップS403否定)、IDをインクリメントした後にステップS402に移行し(ステップS406)、有効期限を途過した場合には(ステップS403肯定)、貯メダル数を「0」に初期化するとともに、最終預入日についても初期化する(ステップS404)。そして、未処理IDが存在する場合には(ステップS405肯定)、IDをインクリメントして(ステップS406)ステップS402に移行し、全てのIDに対して処理を終えたならば(ステップS405否定)処理を終了する。
【0068】
上述してきたように、本実施例1では、従来のメダル預入・貸出機の機能の一部であるメダル預入機能のみを有するメダル預入機120と、このメダル預入・貸出機のもう一方の機能であるメダル払出機能を従来のメダル貸し機に併合したメダル貸出・払出機130及び140とをネットワーク150を介して接続するよう構成したので、来店後直ちに遊技を行いたい遊技客が、メダル預入を行う他の遊技客を待たねばならない状況を低減し、もって遊技客の利便性を高めることができる。かかるメダル預入機120は、その機能が限定されているために低コスト化することができ、また従来から存在するメダル貸し機を変更するだけでメダル貸出・払出機130を形成することができるため、かかるシステムを導入する際のゲームセンター100の金銭的負担も低減することができる。
【実施例2】
【0069】
ところで、上記実施例1では、時効消滅期間の経過後に貯メダル数を初期化(0クリア)することとしたが、これでは来店頻度の比較的少ない遊技客にとって魅力のあるゲームセンターであるとは言えず、かかる遊技店への来店意欲が低下してしまう。その反面で、貯メダルの時効消滅期間を設けないこととすると、遊技客はいつまでも貯メダルを用いて遊技できることになり、ゲームセンターの収益に多大の影響をもたらしてしまう。
【0070】
そこで本実施例2では、遊技客及びゲームセンターの両面のニーズを調整し、遊技客にとって魅力があり、かつ、ゲームセンターへの収益にも貢献することができるメダル管理システムについて説明することとする。なお、本実施例2に係るメダル管理システムのシステム構成については、図1のものと同様となる。
【0071】
<メダル預入機の構成>
図11は、本実施例2に係るメダル預入機300の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このメダル預入機300は、図3に示したメダル預入機120とほぼ同様のものであり、記憶部126に記憶した貯メダル管理テーブル310の構造と貯メダル管理部127bの機能が異なる。
【0072】
図12に示すように、この貯メダル管理テーブル310は、ID、指紋データ、貯メダル数、最終預入日及び消滅時効メダル数を対応付けて管理するテーブルであり、図4の貯メダル管理テーブル126aに「消滅時効メダル数」を付加した構成となる。
【0073】
貯メダル数管理部127bは、実施例1と同様に、有効期間を経過したIDに対応する貯メダル数を時効消滅対象として0クリアするわけであるが、時効消滅させたメダル数を時効消滅メダル数の欄に書き込む処理を行う。したがって、この貯メダル管理テーブル310を参照すれば、遊技客の貯メダルが時効消滅しているか否かのみならず、時効消滅した場合のメダル数を把握することができる。
【0074】
このように、貯メダル管理テーブル310に時効消滅メダル数を記憶させた理由は、現金でのメダル貸し時に、時効消滅された遊技客を通常の遊技客より優遇し、これにより貯メダルへのインセンティブ並びに時効消滅された遊技客の来店意欲を高めるためである。
【0075】
<メダル貸出・払出機の構成>
図13は、本実施例2に係るメダル貸出・払出機320の構成を示すブロック図である。同図に示すように、このメダル貸出・払出機320は、図6のものとほぼ同様の構成となるが、記憶部204に割増テーブル330を記憶するとともに、メダル貸出処理部205aの機能が多少異なる。
【0076】
割増テーブル330は、時効消滅メダル数が0枚である場合には割り増しを行わず(0%)、1〜500枚である場合には20%の割り増しを行い、501〜1000枚である場合には50%の割り増しを行い、1001枚以上である場合には100%の割り増しを行う場合を示している。
【0077】
メダル貸出処理部205aは、メダル預入機120から時効消滅メダル数を受信したならば、この時効消滅メダル数に対応する割増率を割増テーブル330から特定し、特定した割増率分のメダル数を割り増してメダル貸出を行うことになる。
【0078】
<現金でのメダル貸し時の処理手順>
次に、本実施例2に係る現金でのメダル貸し時の処理手順について説明する。図14は、本実施例2に係る現金でのメダル貸し時の処理手順を示すフローチャートである。
【0079】
同図に示すように、メダル貸出・払出機320は、現金の受け付け待ちの状態にあり(ステップS501否定)、現金を受け付けたならば(ステップS501肯定)、液晶パネル131上に複数の選択ボタン(例えば、1000円、2000円、3000円等)を表示して該選択ボタンを有効化し(ステップS502)、選択ボタンの操作待ちの状態となる(ステップS503否定)。
【0080】
そして、遊技客により、この液晶パネル131のいずれかの選択ボタンが押下操作されたならば(ステップS503肯定)、入金貨幣額が選択ボタンの金額以上であるか否かを判定し(ステップS504)、入金貨幣額が選択ボタンの金額未満であれば(ステップS504否定)、ステップS503に移行する。
【0081】
これに対して、入金貨幣額が選択ボタンの金額以上である場合には(ステップS504肯定)、液晶パネル131上に指紋入力を促す入力案内(メッセージ)を表示する(ステップS505)。
【0082】
そして、遊技客が指紋読取部135に指を載置したならば(ステップS506肯定)、この指の指紋データを読み取ってメダル預入機300に送信して該指紋データが貯メダル管理テーブル310に登録されているか否かを調べ、登録されているIDに対応する時効消滅メダル枚数を抽出してメダル貸出・払出機320に返送する(ステップS507)。
【0083】
そして、メダル貸出・払出機320は、受信した時効消滅メダル枚数が0か否かを調べ(ステップS508)、0ではない場合には(ステップS508肯定)、割増テーブル330を参照して割増率を特定する(ステップS509)。例えば、図12のID「0003」のように時効消滅メダル枚数が「823枚」である場合には、図14の割増テーブル330を参照して50%の割増率が特定されることになる。なお、時効消滅メダル数が0である場合には(ステップS508否定)、割増率は0%となる。
【0084】
その後、金額選択ボタン分のメダル枚数に割増率を加算したメダル枚数を投出するとともに(ステップS510)、入金貨幣額と選択ボタンの金額の差額を釣銭として釣銭払出口134から払い出す(ステップS511)。例えば、先ほどの例のように割増率が50%である場合には、本来の投出枚数の1.5倍分のメダルを投出することになる。
【0085】
<貯メダルの時効消滅処理手順>
次に、図11に示したメダル預入機300における貯メダルの時効消滅処理手順について説明する。図16は、図11に示したメダル預入機30における貯メダルの時効消滅処理手順を示すフローチャートである。
【0086】
同図に示すように、ゲームセンター100の閉店後の所定の時刻(例えば、23時)になったことをタイマーで検知したならば(ステップS601肯定)、貯メダル管理テーブル340の最初のIDの最終預入日を参照して有効期限(例えば1年)を途過しているか否かをチェックする(ステップS602)。
【0087】
そして、有効期限を途過していない場合には(ステップS603否定)、そのままIDをインクリメントして(ステップS607)ステップS602に移行する。一方、有効期限を途過した場合には(ステップS603肯定)、このIDの貯メダル数を時効消滅メダル数に加算した後(ステップS604)、貯メダル数及び最終預入日を「0」に初期化する(ステップS605)。その後、未処理IDが存在する場合には(ステップS606肯定)、IDをインクリメントして(ステップS607)ステップS602に移行し、未処理IDが存在せず、全てのIDに対して処理を終えたならば(ステップS606否定)、上記一連の処理を終了する。
【0088】
上述してきたように、本実施例2では、時効消滅メダル数を単純に廃棄するのではなく、この時効消滅メダル数をIDに対応付けて記憶しておき、現金によるメダル貸し時に時効消滅メダル数に応じてメダル枚数を割り増すよう構成したので、来店頻度が低く貯メダルを時効消滅させてしまった遊技客は、現金によるメダル貸し時に優遇を受けることができるため、該遊技客による貯メダルのインセンティブを高め、遊技店への集客効果を高めることができる。
【0089】
なお、上記実施例2では、「時効消滅メダル数に応じてメダル枚数を割り増す」場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の優遇処置を併用することもできる。例えば、貯メダル枚数が5000枚に達すると、この貯メダル枚数を「一日パスポート権」に変更し、この一日パスポート権を有する遊技客が、後日来店日に無料でメダル貸しを受けるよう構成することができる。具体的には、図12の貯メダル管理テーブル340上に「一日パスポート権」の欄を付与し、閉店後の時効消滅処理時に、貯メダル数が5000枚以上であるか否かを調べ、5000枚以上である場合は、貯メダル数から5000枚を減算しつつ、一日パスポート権に「1」のフラグを立てることにより実現することができる。
【0090】
このような「一日パスポート権」を利用すると、遊技客に対しては「一日中メダルを使うことができる」というメリットを与え、ゲームセンター100に対しては「いつまでも貯メダルを用いた遊技を許容せずに区切りを付け、もって収益効果の向上を図れる」というメリットを与えることが可能となる。パチンコ店等と異なり、ゲームセンターの場合には、原則として多量のメダルを一般景品や特殊景品に交換することができないため、かかる一日パスポート権のもたらす効果は大きい。なお、遊技客が一日パスポート権を利用してメダルを獲得したとしても、このメダルを貯メダル対象外とすることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明に係る遊技媒体管理システムは、遊技客により獲得された遊技媒体を貯遊技媒体として預かるとともに、当該遊技客に対して貯遊技媒体を払い出す場合に適しており、特に、遊技店に多大の金銭的負荷をもたらすことなく、遊技媒体の預け入れ及び引き出しに関する遊技客の利便性を高める場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、本実施例1に係るメダル管理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示したメダル預入機の外観構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示したメダル預入機の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3に示した貯メダル管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】図5は、図1に示したメダル貸出・払出機の外観構成を示す図である。
【図6】図6は、図5に示したメダル貸出・払出機の内部構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、図1に示したメダル貸出・払出機における現金によるメダル貸し時の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図1に示したメダル預入機を用いたメダル預入処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図1に示したメダル貸出・払出機を用いた貯メダルの払い出し手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、図1に示したメダル預入機における貯メダルの時効消滅処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本実施例2に係るメダル預入機の構成を示す機能ブロック図である。
【図12】図12は、図11に示した貯メダル管理テーブルの一例を示す図である。
【図13】図13は、本実施例2に係るメダル貸出・払出機の構成を示す機能ブロック図である。
【図14】図14は、図13に示した割増テーブルの一例を示す図である。
【図15】図15は、本実施例2に係る現金でのメダル貸し時の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】図16は、本実施例2に係る貯メダルの時効消滅処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
100 ゲームセンター
110a,110b,110 ゲーム機
120 メダル預入機
121 液晶パネル
122 メダル預入口
123 指紋読取部
124 メダル計数処理部
125 インターフェース部(I/F部)
126 記憶部
126a 貯メダル管理テーブル
127 制御部
127a メダル預入処理部
127b 貯メダル数管理部
130,140 メダル貸出・払出機
131 液晶パネル
132 硬貨投入口
133 紙幣投入口
134 釣銭払出口
135 指紋読取部
136 メダル払出口
150 ネットワーク
201 貨幣処理部
202 メダル投出制御部
203 インターフェース部(I/F部)
204 記憶部
205 制御部
205a メダル貸出処理部
205b メダル払出処理部
300 メダル預入機
310 貯メダル管理テーブル
320 メダル貸出・払出機
330 割増テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客により獲得された遊技媒体を貯遊技媒体として預かるとともに、当該遊技客に対して貯遊技媒体を払い出す遊技媒体管理システムであって、
遊技客を一意に識別する識別情報ごとに該遊技客の貯遊技媒体数を管理するとともに、遊技客による遊技媒体の預入操作に応答して貯遊技媒体数を加算更新する遊技媒体預入機と、
遊技客による遊技媒体の貸出操作に応答して遊技媒体の貸出処理を行うとともに、遊技客による貯遊技媒体の引出操作に応答して貯遊技媒体の払出処理を行う遊技媒体貸出・払出機と
を通信可能に接続したことを特徴とする遊技媒体管理システム。
【請求項2】
前記遊技媒体預入機は、
遊技客を一意に特定する識別情報を読み取る識別情報読取手段と、所定の遊技媒体預入口に投入された遊技媒体の遊技媒体数を計数処理する計数処理手段と、前記識別情報と貯遊技媒体数を対応付けて記憶する貯遊技媒体管理テーブルと、前記識別情報読取手段により識別情報が読み取られ、前記計数処理手段により遊技媒体数が計数され、かつ、遊技客による遊技媒体の預入操作がなされた場合、並びに、前記遊技媒体貸出・払出機から貯遊技媒体数の減算要求を受け付けた場合に、前記貯遊技媒体管理テーブルで管理された貯遊技媒体数を更新処理する更新処理手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項3】
前記遊技媒体貸出・払出機は、
各遊技客を一意に特定する識別情報を読み取る識別情報読取手段と、前記識別情報読取手段により識別情報が読み取られ、かつ、遊技客から所定数の貯遊技媒体の払出操作を受け付けた場合に、前記遊技媒体預入機に対して貯遊技媒体数の減算要求を行なうとともに該当する遊技媒体数の払出依頼を行う払出依頼手段と、受け付けた貨幣分以内の遊技媒体数若しくは前記払出依頼手段から払出依頼された遊技媒体数の払出処理を行う遊技媒体払出手段とを備えた
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項4】
前記貯遊技媒体管理テーブルは、前記識別情報、貯遊技媒体数及び最終更新日を対応付けて記憶し、前記遊技媒体預入機は、前記貯遊技媒体管理テーブルに登録された貯遊技媒体数のうち最終更新日から所定の期間経過したものを時効消滅させる時効消滅処理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項5】
前記貯遊技媒体管理テーブルは、前記識別情報、貯遊技媒体数、最終更新日及び時効消滅分の貯遊技媒体数を対応付けて記憶し、前記遊技媒体預入機は、前記貯遊技媒体管理テーブルに登録された貯遊技媒体数のうち最終更新日から所定の期間経過したものを初期化しつつ時効消滅分の貯遊技媒体数に移行させる時効消滅処理手段と、前記遊技媒体貸出・払出機が投入貨幣分の遊技媒体数を払い出す際に、前記時効消滅分の貯遊技媒体数に応じた割増率を決定する割増率決定手段とをさらに備え、前記遊技媒体払出手段は、受け付けた貨幣分の遊技媒体数を払い出す際に、前記割増率決定手段により決定された割増率で割り増した遊技媒体数を払い出すことを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技媒体管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−273578(P2009−273578A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126220(P2008−126220)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】