説明

遊技媒体貸出機

【課題】 遊技媒体貸出機に関する情報を表示する液晶操作部を備えた遊技媒体貸出機において、飲料水の入った飲料容器や、小物類等を供給部上端に載置しても、液晶操作部に表示される情報を視認可能で、且つ、確実に載置可能とする遊技媒体貸出機を提供することを目的とする。
【解決手段】 遊技媒体貸出機には、該遊技媒体貸出機の前面側に備え、前記遊技台に遊技媒体を払い出す供給部と、供給部の上方に備え遊技媒体貸出機の情報等を表示する表示部と、供給部の上端にて可動可能で、且つ、表示部の直下には、その底面を平坦にした載置面を有する載置部と、を備え、載置部には、該載置部の中心から偏心した位置に回動支軸を形成し、載置部は、供給部の上端にて回動支軸を中心に回動することで左右方向に可動可能とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台に隣設し、貨幣類の投入によって所定枚数の遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技店(パチンコ店、パチスロ店等)においては、遊技台(パチンコ台、スロットマシン)を横方向直線的に配列し、遊技台一台毎に遊技客に遊技媒体(パチンコ玉、メダル等)を供給する遊技媒体貸出機が連列されている。遊技媒体貸出機は、内部に遊技媒体払出機を備え、遊技客が遊技媒体貸出機の上部に位置する貨幣投入機に貨幣を投入し、前記貨幣投入機にて投入された貨幣の真偽を識別し、正規の貨幣と判断された場合に、前記遊技媒体払出装置より所定枚数の遊技媒体を遊技客に払い出す。
【0003】
また、昨今の遊技店には、ペットボトル、飲料缶等の飲料水を持って遊技店に入店し、該飲料水を飲みながら遊技を興じる遊技客が増大している。また、タバコを吸いながら、更には携帯電話を掛けながら遊技を楽しむ遊技客も多く見かける。このような場合、飲料水の入った飲料容器(ペットボトル、飲料缶、紙コップ等)や、小物類(タバコ、ライター、携帯電話等)の載置場所としては、遊技台、及び遊技媒体貸出機を載置する載置板の空きスペース等に置かれていた。
【0004】
しかしながら、上記のように載置板に飲料容器、小物類等を載置すると、遊技客の手などが当たって倒したり、載置板から落下させてしまう事態が生じていた。また、飲料容器を初め、タバコ、携帯電話といった小物類は遊技客によってその載置場所がまちまちであることから、乱雑で汚らしい感じを与え、遊技客が遊技店に入店した際に不快感を生じさせるものであった。そこで、前述するような不都合を解消するために特許文献1が開示されている。
【0005】
特許文献1に記載されている台間メダル貸機(遊技媒体貸出機)は、前記台間メダル貸機の前面に取付けられたメダル供給装置の上端部に、その底面を平坦にした載置スペースを形成したものであり、該メダル供給装置の上端部の空スペースに飲料水の入った飲料容器や、小物類を載置できるようにした。
【0006】
また、昨今の遊技媒体貸出機においては、その前面側に液晶操作部を備えたものが特許文献2として開示されている。特許文献2に開示されている遊技媒体貸出機は、その前面側を制御部パネルと、補給パネルと、前面パネルとから構成され、該前面パネルの前面側上部には、その裏面側に遊技媒体貸出機に関する情報等を表示する液晶操作部を配置した液晶保護パネルと、前面側下部に所定枚数の遊技媒体を遊技機(遊技台)の受皿に払い出す供給部(メダル供給装置)と、から構成されている。前記液晶保護パネルは、その正面を遊技客側に向けた扇形状であり、すなわち液晶保護パネルの右側が突設した形状としているため、遊技媒体貸出機の左側に位置する遊技客以外からは見え難い構造としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−229687
【特許文献2】特開2009−240417
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述する特許文献2で開示した遊技媒体貸出機の供給部上端に、その底面を平坦にした載置スペースを形成した場合、飲料水の入った飲料容器(ペットボトル、缶、紙コップ等)や、小物類(タバコ、ライター、携帯電話等)を載置した際、該供給部の上部(前面パネルの前面側上部)に配置した液晶操作部の前面側を、載置した飲料容器、小物類等で遮ってしまい、遊技客は前記液晶操作部に表示される情報を容易に視認することができなかった。
【0009】
本発明は上記問題を鑑みて、遊技媒体貸出機に関する情報等を表示する液晶操作部を備えた遊技媒体貸出機において、飲料水の入った飲料容器や、小物類等を供給部上端に載置しても、液晶操作部に表示される情報を視認可能で、且つ、確実に載置可能とする遊技媒体貸出機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題を解決するために、本発明の請求項1は、遊技台に隣設し、貨幣類の投入によって所定枚数の遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機において、遊技媒体貸出機には、該遊技媒体貸出機の前面側に備え、遊技台に遊技媒体を払い出す供給部と、供給部の上方に備え遊技媒体貸出機の情報等を表示する表示部と、供給部の上端にて可動可能で、且つ、表示部の直下には、その底面を平坦にした載置面を有する載置部と、を備え、載置部には、該載置部の中心から偏心した位置に回動支軸を形成し、載置部は、供給部の上端にて回動支軸を中心に回動することで左右方向に可動可能とすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2は、載置部は、載置面を有するホルダー部と、供給部の上端に嵌合する載置基部と、から構成され、ホルダー部には、ホルダー部の中心から偏心した位置に形成された回動支軸と、ホルダー部の可動を規制する可動軸と、を形成し、載置基部には、回動支軸を挿通する支軸孔と、湾曲状に開口し、可動軸を案内する案内溝と、バネ軸と、を形成し、支持孔に回動支軸を挿通し、且つ、可動軸を案内溝に挿通し、案内溝に挿通した可動軸と、バネ軸と、を弾性部材によって連結したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3は、ホルダー部は、載置基部に対して、回動支軸を中心に収納方向、及び回動方向へ可動すると共に、案内溝に挿通した可動軸と、バネ軸と、を連結する弾性部材によって、夫々の方向へ付勢されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4は、前記載置基部には立設する支持片を備え、ホルダー部が、載置基部に対し回動支軸を中心に回動方向へ可動した際、支持片とホルダー部の側部との間に、その底面が平坦である載置スペースを形成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5は、 ホルダー部には、その外周に嵌合する可動保持壁を備えるとともに、載置部には、一端から他端にかけて斜め上方に傾斜状に開口する上昇案内溝を形成し、可動保持壁と上昇案内溝とは該可動保持壁と連結する可動軸によって挿通され、ホルダー部が載置基部に対し回動支軸を中心に回動することで左右方向へ可動する動作と連動して、可動軸が上昇案内溝の下端側から上端側へ移送され、可動保持壁は可動軸の移送されることにより、ホルダー部から上方向へ上昇可動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の遊技媒体貸出機によれば、該供給部の上端にて可動可能な載置部を備え、その中心から偏心した位置に形成した回動支軸を中心に回動することによって左右方向に可動可能とすることで、前記載置部に飲料容器や小物類等を載置しても、該載置部を可動することで、表示部に表示される遊技媒体貸出機の情報を視認することが可能となり、容易な構造で表示部を視認可能な移動量を確保することができる。
【0016】
また、ホルダー部は、可動軸と、バネ軸と、を連結する弾性部材によって収納方向、及び回動方向へ夫々付勢されることによって、ホルダー部が可動途中で止まることが無く、また、遊技客が無理に力を入れることが無くホルダー部を可動することが可能となる。
【0017】
また、ホルダー部を回動方向に可動させた際に、載置面を有するホルダー部とは別に載置スペースを形成することで、前記ホルダー部の載置面に飲料容器等を載置していても、更に、他の小物類を載置することが可能となる。よって、遊技客の複数の所持物を一括載置可能とし、載置場所がまちまちで遊技台周辺が乱雑だった問題を解消することができる。
【0018】
さらに、ホルダー部の外周に嵌合する可動保持壁が、該ホルダー部の左右方向へ可動する動作と連動して上方向へ上昇可動することで、前記ホルダー部に載置した飲料容器が、該ホルダー部が可動動作中、又は可動動作後においても飲料容器を確実に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】遊技媒体貸出機を設置した遊技島を示す正面図である。
【図2】遊技媒体貸出機を示す外観斜視図である。
【図3】遊技媒体貸出機の供給部周辺を示す部分拡大図であり、(a)は載置部が収納時の部分拡大斜視図、(b)は収納時の平面図、(c)は載置部が回動時の部分拡大斜視図、(d)は回動時の平面図である。
【図4】載置部の構成を示す分解斜視図である。
【図5】載置部の回動動作を示す底面図であり、(a)は収納時の状態を示す底面図、(b)は回動途中の状態を示す底面図、(c)は回動時の状態を示す底面図である。
【図6】遊技媒体貸出機の供給部周辺を示す部分拡大図であり、(a)は収納時の部分拡大斜視図、(b)、(c)は回動時の部分拡大斜視図である。
【図7】遊技媒体貸出機の供給部周辺を示す部分拡大図であり、(a)は第2実施例である載置部が収納時の部分拡大斜視図、(b)は収納時において載置部の背面図、(c)は第2実施例である載置部が回動時の部分拡大斜視図、(d)は回動時において載置部の背面図である。
【図8】第2実施例である載置部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は遊技媒体貸出機3を設置した遊技島Yを示す正面図である。
遊技店に設置された遊技島Yには、横方向直線的に複数の遊技台1(スロットマシン)が配設されており、遊技台1一台毎に遊技客に遊技媒体(メダル等)を供給する遊技媒体貸出機3(メダル貸機)が隣設されている。また、遊技媒体貸出機3の上方側には、遊技客が貨幣を投入する貨幣投入機21が設けられている。前記貨幣投入機21の内部には紙幣識別機(図示せず)が設けられ、遊技客が投入する貨幣の真偽を識別する。遊技客が貨幣を貨幣投入機21に投入することで、前記貨幣投入機21の内部に設けた紙幣識別機にて、遊技客が投入した前記貨幣の真偽を識別し、正規の貨幣と判断された場合に、該遊技媒体貸出機3の内部に備えた遊技媒体払出機(図示せず)より所定枚数の遊技媒体を遊技台1の受皿1aに払い出す。
【0022】
図2は本発明である遊技媒体貸出機3の外観斜視図である。
遊技媒体貸出機3は、前面側が開口した縦長箱状の本体部3aと、前記本体部3aの前面側上部に位置し、前記本体部3aと前面側より着脱可能な制御部パネル5と、遊技媒体を補給する際に開閉する補給パネル7と、前記本体部3aの前面側下部に位置し、前記補給パネル7と蝶板にてネジ止めされ、前記本体部3aと着脱自在の構成からなる供給部パネル9とから構成されている。
【0023】
前記制御部パネル5は、前記本体部3aに備えた制御部(図示せず)の前面側に位置し、遊技媒体貸出機3の状態を表示する表示ランプ5aと、遊技客が操作する各種スイッチ5bと、遊技客が会員カード、ICコイン等の媒体を挿入する、ICカード挿入口5c、ICコイン投入口5dと、ICコイン払出口5eと、が設けられている。また、前記補給パネル7は、遊技店店員が遊技媒体貸出機3へ遊技媒体を補給する際に開閉するものであり、前記補給パネル7には遊技客が不正に開閉できないように施錠鍵7aが設けられている。
【0024】
前記供給部パネル9は、該供給部パネル9の前面側上部に形成された液晶保護部9aと、前面側下部に所定枚数の遊技媒体を遊技台1の受皿1aに払い出す供給部11と、が設けられている。液晶保護部9aには、その裏面側に遊技媒体貸出機3に関する情報等を表示する表示部として液晶操作部9bが配置されている。そして、液晶操作部9bは前面側より液晶保護部9aの開口9cを介して視認及び操作を可能としている。
【0025】
また、液晶保護部9aは、本実施例では図1に示すように、遊技台1の右側に遊技媒体貸出機3を配置しているため、液晶保護部9aの開口9cの正面を遊技客側に向けた扇形状であり、すなわち液晶保護部9aの右側が突設した形状としているため、遊技媒体貸出機3の左側に位置する遊技客以外からは見え難い構造としている。さらに、供給部パネル9は、補給パネル7と蝶板にてネジ止めされ一体化されており、供給部パネル9を着脱する際、補給パネル7も着脱することができる。
【0026】
前記液晶保護部9aの裏面側に配置された液晶操作部9bはタッチパネル型液晶であり、遊技媒体貸出機3の情報等の表示を行うとともに、遊技客が会員カード等の媒体を挿入した際、暗証番号を入力するため操作するものである。本実施例において、液晶操作部9bはタッチパネル型液晶としたが、遊技媒体貸出機3の情報等を表示するのみの表示部としてもよい。
【0027】
供給部11は、遊技媒体貸出機3の内部に備えた遊技媒体払出機から払い出される遊技媒体を遊技台1の受皿1aに供給するものであり、供給部パネル9に取り付けられた供給基部11aと、該供給基部11aに水平方向に回転可能に支持され、所定位置で固定する供給シュート11bと、から構成される。供給シュート11bは前記供給基部11aに水平方向に回転可能に支持されているため、例えば、遊技台1のメンテナンス時等に退避するとともに、遊技台1の受皿1a へ湾曲しながら傾斜して臨むように成形されている。また、前記供給基部11aの上端には後述する載置部13が設けられている。
【0028】
図3は遊技媒体貸出機3の供給部11周辺を示す部分拡大図であり、(a)は載置部13が収納時の部分拡大斜視図、(b)は収納時の平面図、(c)は載置部13が回動時の部分拡大斜視図、(d)は回動時の平面図である。 載置部13は、供給部11の上端且つ液晶保護部9aの下方に位置し、供給基部11aの上端と嵌合する載置基部15と、図3(a)〜(d)に示すように該載置基部15の上端に備え、左右方向に回動自在に可動するホルダー部17と、から構成され、前記ホルダー部17は、略円筒形状で上方が開口した凹み形状を有し、その底面が平坦である載置面17aが形成されている。また、載置基部15は供給部11の上端に着脱自在に嵌合されており、前記ホルダー部17と共に、必要に応じて取り外すことが可能である。
【0029】
前記載置面17aには、飲料水の入った飲料容器や、小物類等を載置することが可能であり、前記飲料容器や小物類等を載置した際に、載置面17aの外周に形成された保持壁17bにて、飲料容器や小物類等を安定的に保持することができる。また、前記ホルダー部17には前記載置面17aまで凹んだ2箇所の開口部17cを有し、載置面17aを掃除する際に、該載置面17aに溜まった埃を落とすゴミ落しとして使用できる他、円筒形状ではない飲料容器(例えば、紙パック製品など)、タバコ、携帯電話といった小物類等を、2箇所に形成された開口部17cにわたって載置することが可能である。
【0030】
図4は載置部13の構成を示す分解斜視図である。また、図5は載置部13の回動動作を示す底面図であり、(a)は収納時の状態を示す底面図、(b)は回動途中の状態を示す底面図、(c)は回動時の状態を示す底面図である。 前述より載置部13は、載置基部15と、ホルダー部17と、で構成されており、図4に示すように、ホルダー部17の底面側には、該ホルダー部17の中心から偏心した位置に形成された回動支軸17dと、同様に該ホルダー部17の中心から偏心した位置であり該回動支軸17dと同円周上に形成され、該ホルダー部17の可動を規制する可動軸17eと、が下方に向けて夫々形成され、載置基部15には、湾曲状に開口し、前記可動軸17eを案内する案内溝15aと、円筒状の支軸孔15bと、バネ軸15cと、が夫々形成されている。
【0031】
ホルダー部17に形成された回動支軸17dを、載置基部15に形成された支軸孔15bに挿通すると共に、前記ホルダー部17の可動軸17eを、前記載置基部15の案内溝15aに挿通する。前記支軸孔15bに挿通した回動支軸17dを前記載置基部15の底面側よりネジ13bにてネジ止めし、前記案内溝15aに挿通した可動軸17eと、バネ軸15cと、を弾性部材としてねじりコイルバネ13aで夫々嵌合させて連結し、ネジ13bにて夫々ネジ止めすることで、載置部13を構成する。ねじりコイルバネ13aは、その両端をリング状に形成され、一端側を可動軸17eの外周に回転可能に嵌合し、他端側をバネ軸15cの外周に回転可能に嵌合する。よって、ねじりコイルバネ13aは、載置基部15に形成されたバネ軸15cを中心に左右に揺動可能に支持され、その弾性力により、前記ホルダー部17が収納時の状態から回動時の状態となるのを付勢し、且つ、回動時の状態から収納時の状態となるのを付勢するように配置されている。
【0032】
図5(a)、(b)、(c)に示すように、ホルダー部17は、支軸孔15bに挿通した回動支軸17dを前記載置基部15の底面側よりネジ13bにてネジ止めすることで、回動支軸17dを中心に回動可能となり、併せて、湾曲状の案内溝15aに挿通した可動軸17eが該案内溝15aに沿って矢印方向a(収納方向)、及び、矢印方向b(回動方向)と可動するため、前記ホルダー部17は、載置基部15の上端にて収納時、及び回動時と可動動作することができる。
【0033】
また、図5(b)に示すように、ホルダー部17が回動支軸17dを中心に回動すると、湾曲状の案内溝15aに挿通した可動軸17eが図中上方向へ移送し、該可動軸17eがバネ軸15cに最も近づいたとき(可動軸17eが案内溝15aの略中間位置に移送した場合)に最大たわみ角となり、そこから可動軸17eが左右いずれかの方向にずれることで、ホルダー部17が収納時の状態(図中矢印方向a)又は回動時の状態(図中矢印方向b)となるように付勢するようになっている。よって、ねじりコイルバネ13aによって、夫々の方向へ付勢することで、ホルダー部17が回動途中で止まることなく、確実に収納時の位置、及び、回動時の位置まで回動動作することができる。
【0034】
また、図3(c)、(d)に示すように、載置基部15の上面側部には、上方に立設する保持片15dが側面側に形成されており、ホルダー部17を回動動作させた際に、該保持片15dと該ホルダー部17の側部17fとが略平行となり、且つ、底面が平坦である載置スペース19を形成する。前記載置スペース19を形成することで、ホルダー部17の載置面17aに飲料水の入った飲料容器や、小物類等を載置した場合であっても、載置スペース19にタバコの箱、携帯電話といった小物類等を載置基部15に形成された保持片15dとホルダー部17の側部17fとで挟み込むよう保持され載置することができる。よって、遊技客はより多くの所持物を供給部11の上端に設けた載置部13に載置することができる。
【0035】
次に図6を用いて、作用を説明する。図6は、遊技媒体貸出機3の供給部11周辺を示す部分拡大図であり、(a)は収納時の部分拡大斜視図、(b)、(c)は回動時の部分拡大斜視図である。 図6(a)に示すように、遊技客は遊技台1を遊技する際、持ち込んだ飲料水の入った飲料容器(図中ではペットボトルP)を供給部11の上端に備えた載置部13に載置する。該載置部13のホルダー部17が収納時の際には、載置したペットボトルPは遊技客側に向けた扇形状の液晶保護部9aに当接することがなく、該ホルダー部17の載置面17aにペットボトルPを載置することが可能であり、且つ、前方側へ倒れないように保持壁17bにて保持され、安定的に載置することができる。
【0036】
ホルダー部17が収納時の際にペットボトルPを載置すると、前記液晶保護部9aの裏面側に配置された液晶操作部9bの前面側を遮る状態で載置することとなり、遊技客は該液晶操作部9bに表示された遊技媒体貸出機3の情報を視認すること、又は、遊技客がICカード等の媒体を挿入した際に暗証番号を入力するなどの操作すること、等を行うことができない。その場合、図6(b)に示すように、ペットボトルPを載置した状態にてホルダー部17を、該ホルダー部の中心から偏心した位置に形成した回動支軸17dを中心に回動することで、前記ペットボトルPは扇形状の液晶保護部9aを接触することなく避けるように横方向(図中右方向)に移動する。よって、載置したペットボトルPは液晶操作部9bの前面側を遮らなくなり、遊技客は該液晶操作部9bに表示された情報等を視認すること、又は、暗証番号を入力するなどの操作すること、等が可能となり、容易な構造で液晶操作部9bの視認・操作可能な移動量を確保することができる。
【0037】
ペットボトルPを載置したホルダー部17は、載置基部15の背面側よりネジ13bにてねじ止めされているため、飲料水が入った重いペットボトルPを該ホルダー部17の載置面17aに載置した状態で回動しても、ホルダー部17は下方に傾くこと無く安定的にペットボトルPを載置することが可能である。また、可動軸17eと、バネ軸15cと、を連結したねじりコイルバネ13aの付勢力により、ホルダー部17が回動途中で止まることなく、また、遊技客は無理に力を入れることなく、前記ホルダー部17を回動することが可能である。
【0038】
また、ホルダー部17を回動させた際に形成される載置スペース19に遊技客が所持するタバコの箱、携帯電話といった小物類等を載置することが可能となり、図6(c)に示すように、ペットボトルPと共に、タバコの箱、携帯電話といった小物類等(図中ではタバコの箱H)を載置部13に載置することができる。遊技客が所持しているペットボトルP、及びタバコの箱Hを載置部13に一括載置可能とすることで、従来、遊技客によってその載置場所がまちまちで遊技台1の周辺が乱雑だった問題を解消することができ、遊技客が遊技店に入店した際、不快感を与えることがなくなる。
【0039】
また、第2実施例として、図7、8に示すように、前述するホルダー部17の回動動作と連動して、該ホルダー部17に載置した飲料容器を倒れないよう確実に保持する機構を備えることも可能である。 図7は遊技媒体貸出機3の供給部11周辺を示す部分拡大図であり、(a)は第2実施例である載置部23が収納時の部分拡大斜視図、(b)は収納時において載置部23の背面図、(c)は第2実施例である載置部23が回動時の部分拡大斜視図、(d)は回動時において載置部23の背面図である。また、図8は第2実施例である載置部23の分解斜視図である。
【0040】
図8に示すように、第2実施例における載置部23は、載置基部25と、ホルダー部27と、から構成され、前記載置基部25には、案内溝25aと、支軸孔25bと、が形成され、前記ホルダー部27には、載置面27aと、保持壁27b、回動支軸27cと、可動軸27dと、が形成され、前述した載置部13と同様に、前記載置基部25の上端を前記ホルダー部27が左右方向に回動自在に可動する構成となる。また、前記載置基部25には、一端から他端にかけて斜め上方に傾斜状に開口した上昇案内溝25cが形成されている。また、ホルダー部27には、遊技客が該ホルダー部27を回動操作するつまみ27eが形成されている。
【0041】
前記ホルダー部27には、円筒形状でその上下が開口した可動保持壁29が、前記ホルダー部27の保持壁27bの外周を覆うように嵌合されており、載置基部25の背面側から可動軸29aを、上昇案内溝25cを介して該可動保持壁29に形成された連結孔29bと連結することによって、前記上昇案内溝25cに挿通状態となる。前述する構成により、前記ホルダー部27が前記載置基部25の上端を、該載置基部25に対し前記回動支軸27cを中心に回動することで左右方向へ可動すると、その可動動作と連動して、図7(b)、(d)に示すように、可動保持壁29と連結した可動軸29aが上昇案内溝25cに沿って、該上昇案内溝25cの下端側から上端側へ移送する。前記可動軸29aが前記上昇案内溝25cに沿って移送することで、該可動軸29aと連結孔29bにて連結された可動保持壁29は、ホルダー部27から上方向へ上昇する。
【0042】
よって、図7(a)〜(d)に示すように、ホルダー部27が収納時においては、載置面27aの外周に形成された保持壁27bと、該保持壁27bの外周に嵌合した可動保持壁29とは同等の高さであり、ホルダー部27が回動時においては、可動保持壁29は図7(c)、(d)に示すように前記ホルダー
部27の回動動作と連動して保持壁27bよりも上方向へ上昇する。ホルダー部27が回動時に、可動保持壁29を上昇させることで、載置面27aに飲料容器等を載置して回動動作中、或いは、回動動作後においても、飲料容器を確実に保持することが可能となるため、該飲料容器を倒して遊技台1周辺が乱雑になることを防止することができる。また、ホルダー部27を回動させた際にできる空スペースを載置スペースとし、タバコ、携帯等の小物類を載置してもよい。
【0043】
本実施例において、載置部13は、供給基部11aの上端と嵌合する載置基部15と、該載置基部15の上端に回動自在に可動するホルダー部17と、から構成されたとしたが、供給基部11aの上端側に、前記載置基部15に形成された案内溝15a、支軸孔15b、バネ軸15c、保持片15d等を形成し、ホルダー部17とネジ止めすることで該ホルダー部を供給基部11aの上端を回動自在に可動する構成としてもよい。
【0044】
本実施例において、遊技媒体貸出機3は、遊技台としてスロットマシンに隣設し、遊技媒体としてメダル等を供給するメダル貸機としたが、パチンコ台に隣設し、遊技媒体としてパチンコ玉を供給する玉貸機としても転用可能とする。
【符号の説明】
【0045】
1 遊技台
3 遊技媒体貸出機
5 制御部パネル
7 補給パネル
9 供給部パネル
9a 液晶保護部
9b 液晶操作部(表示部)
11 供給部
13 載置部
13a ねじりコイルバネ(弾性部材)
15 載置基部
15a 案内溝
15b 支持孔
15c バネ軸
15d 保持片
17 ホルダー部
17a 載置面
17b 保持壁
17c 開口部
17d 回動支軸
17e 可動軸
17f 側部
19 載置スペース
23 載置部
25 載置基部
27 ホルダー部
29 可動保持壁
Y 遊技島P ペットボトルH タバコの箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台に隣設し、貨幣類の投入によって所定枚数の遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機において、
前記遊技媒体貸出機には、
該遊技媒体貸出機の前面側に備え、前記遊技台に遊技媒体を払い出す供給部と、
前記供給部の上方に備え前記遊技媒体貸出機の情報等を表示する表示部と、
前記供給部の上端にて可動可能で、且つ、前記表示部の直下には、
その底面を平坦にした載置面を有する載置部と、を備え、
前記載置部には、該載置部の中心から偏心した位置に回動支軸を形成し、
前記載置部は、前記供給部の上端にて前記回動支軸を中心に回動することで
左右方向に可動可能とすることを特徴とする遊技媒体貸出機
【請求項2】
前記載置部は、
載置面を有するホルダー部と、
前記供給部の上端に嵌合する載置基部と、から構成され、
前記ホルダー部には、
前記ホルダー部の中心から偏心した位置に形成された回動支軸と、
前記ホルダー部の可動を規制する可動軸と、を形成し、
前記載置基部には、
前記回動支軸を挿通する支軸孔と、
湾曲状に開口し、前記可動軸を案内する案内溝と、
バネ軸と、を形成し、
前記支持孔に前記回動支軸を挿通し、且つ、前記可動軸を前記案内溝に挿通し、
前記案内溝に挿通した前記可動軸と、前記バネ軸と、を弾性部材によって連結したことを特徴とする請求項1記載の遊技媒体貸出機。
【請求項3】
前記ホルダー部は、
前記載置基部に対して、前記回動支軸を中心に収納方向、及び回動方向へ可動すると共に、
前記案内溝に挿通した可動軸と、バネ軸と、を連結する弾性部材によって、
夫々の方向へ付勢されることを特徴とする請求項2記載の遊技媒体貸出機。
【請求項4】
前記載置基部には立設する支持片を備え、
前記ホルダー部が、前記載置基部に対し前記回動支軸を中心に回動方向へ可動した際、
前記支持片と前記ホルダー部の側部との間に、その底面が平坦である載置スペースを形成することを特徴とする請求項1〜3記載の遊技媒体貸出機。
【請求項5】
前記ホルダー部には、その外周に嵌合する可動保持壁を備えるとともに、
前記載置部には、一端から他端にかけて斜め上方に傾斜状に開口する上昇案内溝を形成し、
前記可動保持壁と前記上昇案内溝とは該可動保持壁と連結する可動軸によって挿通され、
前記ホルダー部が前記載置基部に対し前記回動支軸を中心に回動することで左右方向へ可動する動作と連動して、
前記可動軸が前記上昇案内溝の下端側から上端側へ移送され、
前記可動保持壁は前記可動軸の移送されることにより、前記ホルダー部から上方向へ上昇可動することを特徴とする請求項1〜4記載の遊技媒体貸出機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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