説明

遊技機の製造方法

【課題】規格に適合する遊技盤5にだけ釘を打ち込む。
【解決手段】ルーター工程1では意匠盤面を有する遊技盤5に遊技機能部品取付用の開口を切削加工し、反り検査工程2ではルーター工程1から排出された遊技盤5の反りを電気的に検出しその検出した反りが予め設定された許容範囲内であれば反りが小さくその遊技盤5が良品であると判定し反りが予め設定された許容範囲外であれば反りが大きくその遊技盤5は不良品であると判定し、排出工程3では反り検査工程2による遊技盤5が良品であるとの判定結果により当該良品としての遊技盤5を釘打工程4に供給し反り検査工程2による遊技盤5が不良品であるとの判定結果により当該不良品としての遊技盤5を反り検査工程2又は反り検査工程2と釘打工程4との間より取り出し、釘打工程4では排出工程3から供給された良品としての遊技盤5に釘をその遊技盤5の機種に応じて打ち込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機等の遊技機製造に際し、規格に適合する遊技盤に釘を打ち込む遊技機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機メーカーでは、ベニヤ板のような遊技基板の片側表面に意匠盤面としての化粧シートを結合する化粧シート貼工程、事後工程での作業の位置決めとなる基準用孔やガイドレールの取付用孔を切削加工する多軸穴あけ工程、釘や遊技機能部品取付用の下穴を押しあけるゲージプレス工程、遊技機能部品取付用の開口を切削加工するルーター工程、遊技釘や障害釘と呼ばれている釘を打ち込む釘打工程、ガイドレールや遊技機能部品を取り付ける組立工程、遊技機能部品が正常に動作するかを検査する検査工程等を順に経て遊技盤(ゲージ盤)を製造している。ところで、反り、外形、厚さ等が規格に収まっている良品の遊技基板のみを初期工程に供給して、不良品の発生を抑えることが考えられる。しかし、ルーター工程で比較的大きな開口が化粧シートと遊技基板とからなる遊技盤に多数形成されることから、遊技盤での内部応力が変化し、遊技盤に規格外の反りを生じることがあり、この反りの発生した遊技盤に釘を打ち込んでも不良品となってしまう不都合がある。
【特許文献1】特開平6−246578号公報
【特許文献2】特開平7−136890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明が解決しようとする問題点は、ルーター工程後において遊技盤に規格外の反りを生じることがあり、この反りの発生した遊技盤に釘を打ち込んでも不良品となってしまうという点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る遊技機の製造方法は、意匠盤面を有する遊技盤に遊技機能部品取付用の開口を切削加工するルーター工程と遊技盤に釘をその遊技盤の機種に応じて打ち込む釘打工程との間に、反り検査工程と排出工程とを備え、反り検査工程では、ルーター工程から排出された遊技盤の反りを電気的に検出し、その検出した反りが予め設定された許容範囲内であれば、反りが小さくその遊技盤が良品であると判定し、反りが予め設定された許容範囲外であれば、反りが大きくその遊技盤は不良品であると判定し、排出工程では、反り検査工程による遊技盤が良品であるとの判定結果により当該良品としての遊技盤を釘打工程に供給し、反り検査工程による遊技盤が不良品であるとの判定結果により当該不良品としての遊技盤を反り検査工程又は反り検査工程と釘打工程との間より取り出すことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る遊技機の製造方法は、ルーター工程から釘打工程に供給される遊技盤の反りを全数検査し、規格外の反りが発生した遊技盤への釘打ちを廃止し、良品の遊技盤のみに釘打ちを実行することにより、釘打工程及びそれ以降の工程での反りによる不良品の発生を防止して、生産効率を向上できるという利点がある。本発明に係る遊技機の製造方法にあって、反り検査工程には、ルーター工程から排出された遊技機能部品取付用の開口を有する遊技盤を釘打工程に搬送するコンベアに、検査位置に到着した遊技盤をコンベアより機械的に浮上支持し、その遊技盤の異なる機種に共通する開口が存在しない未加工部分に対応して位置するセンサーで遊技盤の反りを電気的に検出した後に、遊技盤をコンベアに機械的に受け渡す一方、センサーで検出した遊技盤の反りを処理部で電気的に良否判定する反り検査装置が設けられれば、ルーター工程から遊技機能部品取付用の開口を有する遊技盤を釘打工程に搬送する過程において、自動的に全数検査することができるという利点がある。本発明に係る遊技機の製造方法にあって、排出工程には、反り検査工程による遊技盤が不良品であるとの判定結果によりコンベアを搬送方向と交差する方向に後退させてその間より不良と認定された遊技盤を落下させる排出装置が設けられれば、ルーター工程から遊技機能部品取付用の開口を有する遊技盤を釘打工程に搬送するコンベアの構造を、搬送方向と交差する方向に前進・後退させるように変更することによって、不良品の遊技盤をルーター工程から遊技機能部品取付用の開口を有する遊技盤を釘打工程に搬送する過程でコンベアから外部に適切に排出することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1〜図4は一実施形態を示している。図1において、先ず、ルーター工程1では、化粧シート貼工程、多軸穴あけ工程、ゲージプレス工程の各工程を経て遊技基板に意匠盤面としての化粧シートが結合された遊技盤5に、遊技機能部品取付用の開口を切削加工する。次に、反り検査工程2において、遊技盤5の反りを電気的に検出し、その検出した反りが予め設定された許容範囲内であれば、反りが小さくその遊技盤5が良品であると判定し、逆に、反りが予め設定された許容範囲外であれば、反りが大きくその遊技盤5は不良品であると判定する。そして、排出工程3において、上記検査工程で不良品と判定された遊技盤5を反り検査工程2又は反り検査工程2と釘打工程4との間より取り出す。釘打工程4においては、反り検査工程2で良品と判定された遊技盤5に遊技釘や障害釘と呼ばれている多数の釘をその遊技盤5の機種に応じて打ち込む。即ち、釘打工程4に先駆けて遊技盤5の反りを検査し、規格外の反りが発生した遊技盤5への釘打ちを廃止し、良品の遊技盤5のみに釘打ちを実行することにより、釘打工程4及びそれ以降の工程での不良品の発生を防止して、生産効率を向上できる。
【0007】
図2において、前記反り検査工程2、排出工程3、釘打工程4の各工程に用いる装置について説明する。ルーター工程1を経た遊技盤5は、ベニヤ板のような遊技基板5aの片側表面に意匠盤面を構成する化粧シート5bを接着した形態で、センター役物、入賞口、サイドランプ、ストップランプ、賞球数ランプ、変動入賞口、アウト口等の各種遊技機能部品を取り付けるための開口5c、及び各工程での作業の位置決めとなる基準用孔5dを備え、コンベア6で搬送方向Xに搬送される。このコンベア6は、搬送方向Xと直交する方向に所定間隔を以て相対峙された一対のコンベアフレーム6aに複数のローラー6bを搬送方向Xに並列配置して回転可能に取り付け、各ローラー6bを全部又は搬送方向Xに飛び飛びに電気的に駆動して遊技盤5を搬送し、各コンベアフレーム6aの上に遊技盤5を搬送方向Xに誘導するガイドレール6cを備えている。
【0008】
反り検査工程2での反り検査装置11は、コンベアフレーム6aの下部に敷設結合された下側固定板11aと、この下側固定板11aに支柱11bでローラー6bの上側搬送部より上方に離隔して当該上側搬送部と略平行となるように固定支持された上側固定板11cと、この上側固定板11cにエアーシンリンダーのピストンロッドの移動量を磁電変換して出力するマグネットスケールのような反り検査を行う複数のセンサー11dと、を有する。
【0009】
図3のa,b図にも示すように、この実施形態の場合、各センサー11dは、上側固定板11cの対角線L1,L2と中心点イを中心とする円L3との4つの交点ロ,ハ,ニ,ホのように、遊技盤5の孔や開口等の形成されていない遊技盤5の異なる機種で共通する未加工部分に対応するように、上側固定板11cに設けられ、各測定子11eとしてのピストンロッドを4つの交点ロ〜ホで上側固定板11cの下面に貫通している。上側固定板11cは測定基準となる3つの上側支持ピン11f、複数の位置決め突起11g、横プッシャー11h及び縦プッシャー11jを備えている。各上側支持ピン11fは、円L3と同心で円L3よりも小さい半径の円L4と対角線L1,L2との2つの交点ヘ,ト、これらの交点ヘ,トの中心点イを境とする反対側で対角線L1,L2による挟角の2等分線L5と円L4との交点チのそれぞれに設けられ、各測定基準面としての下面をローラー6bの上側搬送部と平行に形成している。位置決め突起11gは、搬送方向Xの前側に位置して、上側固定板11cの前縁部で上側固定板11cの中心点イより左右に等距離に離隔した位置と、搬送方向Xの一側に位置する上側固定板11cの一側縁部で前縁部に近接した位置との合計3ケ所において、上側固定板11cの下面に突出している。横プッシャー11hは、エアーシンリンダーにより形成され、ピストンロッドの先端に取り付けられた押圧子11iを搬送方向Xの一側の位置決め突起11gと対向するように、上側固定板11cの下面に設けられている。縦プッシャー11jは、エアーシンリンダーにより形成され、ピストンロッドの先端に取り付けられた押圧子11kを搬送方向Xの前側の左右の位置決め突起11g間の中心に位置するように、上側固定板11cの下面に設けられている。下側固定板11aには搬送ストッパー11mを上側固定板11cの前縁部側の位置決め突起11gよりも搬送方向Xの上流側に位置するように配置してある。搬送ストッパー11mは下側固定板11aに取り付けられた図外のエアーシリンダーで1組のローラー6b間の隙間を経て上側搬送部よりも上位と下位とに昇降動作する。
【0010】
又、図3のb図において、下側固定板11aとコンベア6との間に配置されたリフトベース11nは、下側固定板11aの下面に設置されたダブルシリンダー11pにより2段階的な上昇と停止とを行う一方、ダブルシリンダー11pの昇降動作の際に、水平方向にふらつかないよう下側固定板11aに設けられた図外のガイド機構に摺接係合している。リフトベース11nには下側支持ピン11qを上側固定板11cの上側支持ピン11fと上下で同軸状となるように立設してある。各下側支持ピン11qの上面は上側支持ピン11fの下面と平行な支持面を形成している。各下側支持ピン11qは、リフトベース11nが下降限度位置に停止中においては、ローラー6b上を搬送される遊技盤5に干渉しないようにローラー6bの上側搬送部よりも下方に位置し、リフトベース11nの上昇動作でローラー6b間の隙間を通って遊技盤5をローラー6bより持ち上げて上側支持ピン11fとで挟むように支持する。
【0011】
この反り検査装置11においては、1つの遊技盤5がコンベア6で搬送されて上側固定板11cと下側固定板11aとの間に到着し、遊技盤5の前縁がローラー6b間より上方に突出した搬送ストッパー11mに当接した後に、コンベア6の搬送動作が中断する。このコンベア6の搬送動作が中断してから、後述するコンベア6の搬送動作の再開で遊技盤5が次の工程側に搬送され始めるまでの間に、搬送ストッパー11mは遊技盤5の搬送を邪魔しないようローラー6bの上側搬送部より下位に下降する。そして、ダブルシリンダー11pが第1段目に伸長駆動し、下側支持ピン11qがリフトベース11nと一緒に下降限度位置から上昇して遊技盤5をコンベア6のガイドレール6cより上方に持ち上げた後に、前記ダブルシリンダー11pの第1段目の伸長駆動が停止して、リフトベース11nを第1上昇停止位置に停止する。この第1上昇停止位置では、図3のc図に示すように、遊技盤5の側面が位置決め突起11gと横プッシャー11hと縦プッシャー11jとの間に位置すると共に、遊技盤5の上面が上側支持ピン11fに未接触な状態である。その後、横プッシャー11hの押圧子11i及び縦プッシャー11jの押圧子11kが遊技盤5を位置決め突起11g側に押すことにより、遊技盤5が位置決め突起11gを基準として位置決めされ、この位置決めの結果、遊技盤5の中心が上側固定板11cの中心点イとほぼ同軸状に配置される。
【0012】
引き続き、ダブルシリンダー11pが第2段目に伸長駆動して下側支持ピン11qを第1上昇停止位置から再び上昇して遊技盤5をさらに持ち上げた後に、前記ダブルシリンダー11pの第2段目の伸長駆動が停止して、リフトベース11nを第2上昇停止位置に停止する。この第2上昇停止位置では、図3のd図に示すように、遊技盤5が上側支持ピン11fと下側支持ピン11qとで挟むように3点で支持される。そして、各センサー11dの測定子11eが下降動作して遊技盤5の上面に接触し、各センサーが下降量に相当する電気信号を図2に示すコンピューターを内蔵する電気的な処理部11rに出力した後に、測定子11eが上昇動作して元の位置に復帰すると共に、横プッシャー11hの押圧子11i及び縦プッシャー11jの押圧子11kが元の位置に復帰した後に、ダブルシリンダー11pが第1上昇停止位置での一時停止を行うことなく縮小駆動し、下側支持ピン11qがリフトベース11nと一緒に第2上昇停止位置から下降限度位置に停止する。この下降途中において、遊技盤5がコンベア6のガイドレール6cの間よりローラー6b上に搭載される。そして、コンベア6が搬送動作を再開して遊技盤5を次の工程に向けて図2に示す搬送方向Xに搬送する。
【0013】
一方、処理部11rは各センサー11dからの出力を各測定点ロ〜ホでの基準面との差に変換し、即ち、測定子11eの先端が上側支持ピン11fの基準面である下面と同一平面内に位置する移動量をゼロ点(基準)とし、各測定点ロ〜ホにおけるゼロ点から遊技盤5の反りによる変位量を演算し、各演算結果である前記差が予め設定された許容範囲外であれば、反りが大きくて使用に差し支えることを意味するので、当該遊技盤5を不良品と判定して、その遊技盤5をコンベア6の外に除去するための不良信号を発生し、逆に、前記各演算結果である差が予め設定された許容範囲内であれば、反りが小さくて使用をしても差し支えないことを意味するので、当該遊技盤5を良品と判定して、前記不良信号は発生しない。
【0014】
要するに、この反り検査装置11によれば、コンベア6で搬送された遊技盤5が下側固定板11aの真上に到着した際に、上昇限度位置の搬送ストッパー11mで遊技盤5を当接停止した後に、コンベア6の搬送動作を停止し、リフトベース11nを上昇動作して下側支持ピン11qで遊技盤5をコンベア6より浮上支持して上側支持ピン11fとで挟むように3点支持して、処理部11rで4点配置のセンサー11dからの出力を各測定点ロ〜ホでの基準面との差に変換して遊技盤5の反りとして検出した後に、リフトベース11nを下側支持ピン11qがコンベア6の上側搬送部より下位となるように下降動作して、その下降途中で遊技盤5をコンベア6に受け渡すことで、遊技盤5の反りを自動的に全数検査できる。又、センサー11dを浮上支持された遊技盤5の異なる機種に共通する未加工部分に対応して位置する交点ロ〜ホの4点に配置したことにより、センサー11dの個数を最も少なくして検出精度を向上することができる。その理由は、遊技盤5の遊技基板5aがベニヤ板の場合、ベニヤ板はそれを構成する上層の木の繊維と下層の木の繊維とが直交された状態で多段に重ね合わせてあり、遊技盤5の4辺の中央よりも各コーナー部に顕著に出易いからである。
【0015】
再び、図2に戻り、排出工程3での排出装置12は、コンベア6の下流側に連続するように配置された一対の搬送機構12aを備えている。搬送機構12aは、固定ベース12bを搬送方向Xと直交する方向に所定間隔を以て相対峙して配置し、各固定ベース12bに取り付けられたエアーシリンダーのようなアクチュエーター12cにより搬送方向Xと直交する方向に前進後退する可動板12dの内側面に複数のローラー12eを搬送方向Xに一列状に配置して回転可能に取り付け、各ローラー12eに図外のモーターの動力をゴムベルト12e−1(図4のa図参照)のような無端状部材で伝達し、各ローラー12eを電気的に駆動することで、反り検査装置11を経てコンベア6より搬出された遊技盤5を搬送方向Xに搬送する。各ローラー12eより上方に突出する可動板12dの内側面はローラー12eで搬送される遊技盤5を搬送方向Xに誘導するガイド部になっている。又、固定ベース12bは基板ストッパー12fと受渡機構12hとを備えている。
【0016】
基板ストッパー12fは、前述の反り検査装置11が遊技盤5の不良未検出中は、固定ベース12bに取り付けられたエアーシリンダーのようなアクチュエーター12gにより搬送機構12aによる遊技盤5の搬送路上より退避するように後退限度位置に停止していて、遊技盤5の搬送を継続させ、反り検査装置11が遊技盤5の不良を検出し、不良として検出された遊技盤5が搬送機構12aに移送された際に、アクチュエーター12gにより後退限度位置より前進して遊技盤5の搬送路上に突出するように前進限度位置に停止することで、遊技盤5の搬送を強制的に停止する。
【0017】
受渡機構12hは、可動板12dの後退で搬送機構12aの間より落下する遊技盤5の落下姿勢を搬送機構12aでの搬送姿勢と同様な水平面状に矯正するものであって、固定ベース12bに取り付けられたエアーシリンダーのようなアクチュエーター12iにより搬送機構12aの可動板12dと同方向に前進後退可能に設けられた受体12jと、受体12jの近傍でアクチェーター12iのケーシングのような静止部に取り付けられた突当棒12kとを備え、反り検査装置11が遊技盤5の不良未検出中は、受体12jが搬送機構12aの1組のローラー12e間で可動体に形成された切欠部12mより後退限度位置に停止しており、反り検査装置11が遊技盤5の不良を検出し、不良として検出された遊技盤5が搬送機構12aに移送された際に、受体12jが搬送機構12aの切欠部12mを経由して前進限度位置に停止することで、受体12jの水平片が搬送機構12aのローラー12e上に位置する遊技盤5の下に潜り込み、受体12jの垂直片が遊技盤5の前後側面に近接対向する。そして、搬送機構12aの可動板12dが後退し、ローラー12eの間より落下する遊技盤5が受体12jの水平片の上に搭載された後に、受体12jが後退限度位置に停止することで、前後方向に相対峙する受体12jの水平片の間隔が遊技盤5の横幅より大きい寸法に設定されて、当該前後方向に相対峙する受体12jの間より遊技盤5が落下する。突当棒12kの先端は、搬送機構12aの前進限度位置に停止した可動板12dの切欠部12mにおいて、遊技盤5の前後側面に近接対向するように、可動板12dの内側面と略面一に位置していて、搬送機構12aで搬送される遊技盤5と干渉しないようになっている。又、突当棒12kの先端は、搬送機構12aの後退限度位置への停止で可動板12dの切欠部12mより内側に突出して、受体12jが後退限度位置に停止する際に、遊技盤5が受体12jに共連れされるのを防止して、遊技盤5を受体12jより傾くことなく水平面状に落下させる。
【0018】
この排出装置12においては、搬送機構12aの可動板12dが前進限度位置に停止していて、搬送機構12aが遊技盤5をコンベア6より引き継いで搬送し得る状態において、反り検出装置11が不良検出信号を出力し、その不良検出信号を出力する元になった不良品としての遊技盤5がコンベア6より図4のa図に示すように搬送機構12aに移送到達すると、搬送路上に突出した基板ストッパー12fが遊技盤5の搬送を規制する。次に、図4のb図に示すように、受渡機構12hの受体12jが前進してローラー12eの上の遊技盤5の前後方向より下に潜り込む。その後、図4のc図に示すように、可動板12dが後退し、ローラー12eが遊技盤5より逃げて、遊技盤5が受体12jで支持される。引き続き、受体12jが後退する。この後退時において、突当棒12kが遊技盤5の前後方向の側面に対応しているので、遊技盤5が受体12jと共連れしようとしても、遊技盤5が突当棒12kに当接して当該遊技盤5の共連れを阻止し、遊技盤5が水平面状を維持して受体12jより落下する。この後、搬送機構12aの可動板12dが後退限度位置から前進限度位置に停止し、コンベア6からの遊技盤5を搬送方向Xに向けて搬送する通常状態に復帰する。この通常状態は、基板ストッパー12fが後退限度位置に停止して遊技盤5の搬送路上より退避した態様である。
【0019】
要するに、この排出装置12によれば、不良と認定された遊技盤5がコンベア6から搬送機構12aに移送されて基板ストッパー12fに受け止められて停止すると、受渡機構12hの受体12jが遊技盤5の下に潜り込む。そして、搬送機構12aの可動板12dが後退すると、遊技盤5が搬送機構12aのローラー12eの前後方向の間より落下して受体12jに受け止められる。その後、受体12jが後退して遊技盤5が受体12jの前後方向の間より落下する際、受渡機構12hの突当棒12kが遊技盤5の受体12jとの共連れを防止して遊技盤5を水平状に落下させることができる。
【0020】
この落下する遊技盤5は、搬送機構12aの下方に設けられた図外のリフト機構で積み重ねられてブロックに形成するか、又は、搬送機構12aの下方に設けられた図外のシューターで斜め下方に滑落させることが可能である。
【0021】
更に、図2おいて、釘打工程4での釘打装置13は、搬送方向Xと直交する前後方向に所定間隔を以て相対峙された一対のチェーンコンベア13aと、チェーンコンベア13aの側部に配置された釘打機13bとを有し、チェーンコンベア13aで排出装置12を経由した良品の遊技盤5を搬送方向Xに搬送し、当該遊技盤5が釘打機13bのテーブル13cと対応する位置に到達すると、その遊技盤5の搬送を図外の基板ストッパーで規制し、この搬送停止された遊技盤5を図外の搬入ローディング機構でテーブル13cに移送搭載する。この遊技盤5は、基準用孔5dがテーブル13cに設けられた位置決めピン13dに外接嵌合して、テーブル13cに位置決め搭載される。この遊技盤5が位置決め搭載されたことを検出する図外の遊技盤センサー、又は、当該遊技盤センサーに代えて作業者の操作でオン動作される図外のマニュアルスイッチの何れかが、遊技盤種別信号と釘打開始信号とを、コンピューターが内蔵された図外の制御部に出力することにより、コンピューターが制御部の記憶装置に予め記憶された当該遊技盤5の機種に対応する釘打データーより釘の打込位置と順序とを抽出し、それらの打込位置と順序とに従ってテーブル13cを平面内での縦横としてのX方向とY方向とに移動して、遊技盤5の所定位置を、その上方のセットプレート13eに取り付けられた図外の釘ホルダー機構及び図外のハンマー機構の下方に位置決め停止する。そして、パーツフィーダーのような釘供給部13fから釘ホルダー機構に供給された図外の釘を、ハンマー機構で遊技盤5に打ち込むことで、1枚の遊技盤5に打つべき多数の釘を、遊技盤5に1本づつ自動的に打ち込む。次に、所定数の釘の打ち込みが完了すると、図外の搬出ローディング機構で釘が打ち込まれた遊技盤5をテーブル13cより取り外して、チェーンコンベア13a又は図外の搬出用コンベアに移送搭載して次の工程に搬送する。
【0022】
この釘打機13bでは、セットプレート13eを静止し、テーブル13cを駆動する場合を図示して説明したが、テーブル13cを静止し、セットプレート13eを駆動して、釘ホルダー機構とハンマー機構との組をXY方向に移動するか、又は、テーブル13cをX方向に移動し、セットプレート13eで釘ホルダー機構とハンマー機構との組をY方向に移動しても、同様に実施できる。この場合、釘供給部13fをセットプレート13eに組付けて釘ホルダー機構とハンマー機構とからなる組と同様に移動すれば、釘ホルダー機構への釘供給動作が円滑になる。
【0023】
前記反り検査装置11としては、図5及び図6に示すように、木材、合成樹脂が測定範囲に存在すると反応する近接センサーや光電センサー、又は、リミットスイッチ等のようなセンサー15を、上側固定板11cとリフトベース11nの両方に上下で相対峙させて複数設け、図5に示すように、上側支持ピン11fと下側支持ピン11qとで支持した状態において、上下のセンサー15がオン又はオフの何れか一方の同じ動作状態であれば、当該遊技盤5に反りが無いと判断し、図6に示すように、上下のセンサー15がオン・オフの相反する動作状態であれば、当該遊技盤5に反りが有ると判断する両面検査も可能である。この場合、上下のセンサー15のオン・オフ動作が同じ状態か相反する状態かで反りの有無を検出するので、基準点からの変位量、その変位量と基準点との差、その差が許容範囲に含まれるか等を電気的に処理する必要がなく、装置を簡素化できる。
【0024】
又、反り検査装置11としては、図7に示すように、上側固定板11c又はリフトベース11nのいずれかの中心点イの上方に軸16を同軸に離隔して設け、この軸16より側方に突出するアーム17の先端にセンサー11d又はセンサー15を装着し、当該軸16を電気的に回転駆動することにより、センサー11d又はセンサー15を遊技盤5に対して回転すれば、1個のセンサー11d又は1個のセンサー15で反りを検出することができる。
【0025】
又、センサー11dはレーザーやLED等のような光を利用した非接触タイプでも同様に適用できる。
【0026】
又、前記実施形態では、遊技盤5の反りを電気的に検出したが、遊技盤5を釘打工程4に供給する際、人為的に、遊技盤5に反りが有るか無いかを検出し、規格外の反りが出た不良品の遊技盤5を釘打工程4に供給せず、規格内の良品としての遊技盤5のみを釘打工程4に供給しても同様に適用できる。
【0027】
更に、前記実施形態では、反り検出の結果に応じて、不良品の遊技盤5を釘打工程4への搬送過程より自動的に排出したが、電気的な反り検出の結果の不良信号で発光、音声、画像、音等のような警報を発生し、その警報で不良品を人為的に排出することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態を示す構成図。
【図2】同実施形態の装置を示す斜視図。
【図3】同実施形態の反り検査装置の作用説明図。
【図4】同実施形態の排出装置の作用説明図。
【図5】第2実施形態の反り検査装置を示す模式図。
【図6】同実施形態の反り検査装置の異なる動作説明図。
【図7】第3実施形態の反り検査装置を示す構成図。
【符号の説明】
【0029】
1 ルーター工程
2 反り検査工程
3 排出工程
4 釘打工程
5 遊技盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠盤面を有する遊技盤に遊技機能部品取付用の開口を切削加工するルーター工程と遊技盤に釘をその遊技盤の機種に応じて打ち込む釘打工程との間に、反り検査工程と排出工程とを備え、反り検査工程では、ルーター工程から排出された遊技盤の反りを電気的に検出し、その検出した反りが予め設定された許容範囲内であれば、反りが小さくその遊技盤が良品であると判定し、反りが予め設定された許容範囲外であれば、反りが大きくその遊技盤は不良品であると判定し、排出工程では、反り検査工程による遊技盤が良品であるとの判定結果により当該良品としての遊技盤を釘打工程に供給し、反り検査工程による遊技盤が不良品であるとの判定結果により当該不良品としての遊技盤を反り検査工程又は反り検査工程と釘打工程との間より取り出すことを特徴とする遊技機の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2004−290707(P2004−290707A)
【公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215919(P2004−215919)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【分割の表示】特願平8−327227の分割
【原出願日】平成8年12月6日(1996.12.6)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】