説明

遊技機の遊技領域構造

【課題】遊技の興趣を高めることができると共に、遊技機の正面側に大きなスペースを形成して、各種部品の配置の自由度を高めることができる遊技機の遊技領域構造を提供すること。
【解決手段】遊技機の遊技領域構造1は、遊技領域Aの正面側に、正面遊技部31及び演出部32を形成してなると共に、遊技領域Aの右側方に、奥行方向Dに伸びる奥行遊技部41を形成してなる。奥行遊技部41には、遊技球Bが入賞する入賞口412、413と、遊技球Bの流下方向を変化させるための球流下障害物としての釘414とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機において遊技球を用いて遊技を行うための遊技領域の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技機の正面側に向けられて遊技領域が形成された遊技盤へ遊技球を発射させて遊技を行う。
また、遊技領域においては、一般的に、中央部分に液晶表示装置、可動演出装置等を設け、左側部分や中央下側部分に釘、入賞口等を設けている。最近の傾向として、例えば特許文献1の遊技機のように、特別な遊技状態になったときに、遊技者が遊技球を発射させて遊技を行うための遊技領域を右側部分に別途設け、その右側部分にも、その遊技に対応する釘、入賞口等を設けることにより、右側部分における遊技の興趣を高めるように構成したものが提案されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2の遊技機においては、遊技盤の右側領域に、右ワープ通路から入った遊技球をステージ又は特別通路に振り分ける三次元的通路を形成している。この三次元的通路において、遊技球は、左右に蛇行しながら盤面奥行き方向へ進路変更する。そして、三次元的通路において遊技球の挙動が複雑となることによって、視覚的な興趣が高められ、球振り分け過程の演出性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−125150号公報
【特許文献2】特開2007−260086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の遊技機においては、遊技領域の中央部分に比較的大型の液晶表示装置を配設しつつ、遊技領域の右側部分にも遊技球が転動する遊技スペースを形成しなくてはならない。そのため、その遊技領域の右側部分の遊技スペースは必然的に狭くなってしまい、結果として釘や入賞口等の配置にも制限が発生し、遊技の興趣を高めるためには十分ではない。
また、特許文献2の遊技機においては、三次元的通路に進入した遊技球は左右に蛇行して奥行き方向への進路が変更されるのみであり、遊技の興趣を高めるためには十分ではない。また、三次元的通路が、遊技盤の右側領域の多くの部分を占めるため、遊技機の正面側に大きなスペースを形成することができない。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、遊技の興趣を高めることができると共に、遊技機の正面側に大きなスペースを形成して、各種部品の配置の自由度を高めることができる遊技機の遊技領域構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技機の遊技領域に、その奥行方向に伸びる奥行遊技部が形成してあり、
該奥行遊技部には、遊技球が入賞する入賞口と、遊技球の流下方向を変化させるための球流下障害物とが設けてあることを特徴とする遊技機の遊技領域構造にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技機の遊技領域構造においては、遊技機の遊技領域に、その奥行方向に伸びる奥行遊技部を形成している。そして、奥行遊技部には、入賞口と球流下障害物とを設けている。
これにより、従来は遊技機の遊技領域においてその正面側にのみあった遊技部(いわゆる球流下領域)を、遊技機の奥行方向にも形成することができる。そして、遊技者は、遊技機の正面側でなく、遊技機の奥行方向において、遊技球が球流下障害物に衝突して入賞口に入賞するかどうかの緊張感を味わうことができ、遊技の興趣を高めることができる。また、奥行遊技部を設けることにより、遊技機の正面側に、より大きなスペースを形成することができ、各種部品の配置の自由度を高めることができる。
【0009】
それ故、本発明の遊技機の遊技領域構造によれば、遊技の興趣を高めることができると共に、遊技機の正面側に大きなスペースを形成して、各種部品の配置の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1にかかる、遊技機の遊技領域構造を示す斜視説明図。
【図2】実施例1にかかる、遊技機の遊技領域構造を示す正面説明図。
【図3】実施例1にかかる、遊技機の遊技領域構造を示す断面説明図。
【図4】実施例2にかかる、遊技機の遊技領域構造を示す斜視説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述した本発明の遊技機の遊技領域構造における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記遊技領域の正面側には、遊技の演出を行うための演出部が形成してあり、上記奥行遊技部は、上記遊技機を正面視した際に上記演出部に対する外方に位置することが好ましい(請求項2)。
この場合には、奥行遊技部に入賞口及び球流下障害物を設けた構成により、遊技領域の正面側におけるスペースを拡大することができる。そして、この拡大したスペースを利用して演出部の形成領域を拡大することができる。演出部には、大型の液晶表示装置、可動演出装置、装飾演出装置等を配置することができる。また、奥行遊技部及び演出部は、遊技者から見て視認し易い位置に形成することができる。
上記演出部に対する外方とは、演出部に対して、右側、左側、上方、下方等の外方のことをいう。
【0012】
また、上記奥行遊技部は、上記遊技領域における一側方に形成してあることが好ましい(請求項3)。
この場合には、奥行遊技部を遊技領域における一側方に偏って形成し、遊技領域中央の広範囲に亘って演出部を形成することができる。
上記遊技領域における一側方とは、遊技領域における右側又は左側の側方のことをいう。
【0013】
また、上記奥行遊技部は、上記遊技機における幅方向の流下幅が、遊技球を1球分以上2球分未満の寸法に形成してあることが好ましい(請求項4)。
この場合には、奥行遊技部の幅方向の流下幅を最小限に形成し、遊技領域の正面側において、球流下領域である正面遊技部、演出部等を形成するスペースを極力拡大することができる。なお、奥行遊技部の幅方向とは、遊技機の左右方向のことをいう。
【0014】
また、上記奥行遊技部は、上記遊技領域における右側方に形成してあり、上記遊技領域における左側部分には、遊技球が入賞する入賞口と、遊技球の流下方向を変化させるための球流下障害物とを設けた正面遊技部が形成してあり、該正面遊技部において行われる遊技状態の変化に応じて、該正面遊技部における遊技から上記奥行遊技部における遊技へ移行するよう構成することが好ましい(請求項5)。
この場合には、正面遊技部へ遊技球を発射させて遊技を行い、正面遊技部における特定の遊技状態の変化を受けて、奥行遊技部へ遊技を移行させる。そのため、遊技の興趣をより一層高めることができる。
【実施例】
【0015】
以下に、本発明の遊技機の遊技領域構造にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例の遊技機の遊技領域構造1は、図1に示すごとく、遊技機の遊技領域Aに、その奥行方向Dに伸びる奥行遊技部41を形成してなり、奥行遊技部41には、遊技球Bが入賞する入賞口412、413と、遊技球Bの流下方向を変化させるための球流下障害物としての釘414とを設けてなる。
【0016】
以下に、本例の遊技機の遊技領域構造1につき、図1〜図3を参照して説明する。
以下の図1、図3において、遊技機の前方側(遊技者側)を符号Fによって示す。
図1、図2に示すごとく、本例の遊技機は、パチンコ遊技機である。遊技機は、本体枠に対して、ベニヤ板等から形成した遊技盤3を配設してなる。そして、遊技盤3上に遊技領域Aが形成されている。本例の奥行遊技部41は、遊技盤3上の遊技領域A内に形成されている。また、本例の遊技領域Aは、後述する正面遊技部31、演出部32と、奥行遊技部41とによって構成されている。
【0017】
遊技領域Aの中央部から右側部分にかけての大半の領域には、遊技の演出を行うための演出部32が形成してある。演出部32には、画像表示装置(液晶表示装置等)321、可動演出装置、装飾演出装置等が配置されている。演出部32とは、遊技球Bが流入せず、遊技を演出するだけの部分のことをいう。
遊技領域Aの左側部分には、遊技球Bが流下する正面遊技部31が形成してある。正面遊技部31においては、入賞口としての第1始動入賞口311や第1大入賞口312、球流下障害物としての釘313や風車314、アウト口315等が設けられている。演出部32と正面遊技部31との境界には、区画部材4が設けられている。
奥行遊技部41は、遊技機を正面視した際に、遊技領域Aにおいて演出部32に対する外方であって一側方である右側方に遊技領域Aの上下に亘って形成してある。
【0018】
図3は、図1において二点鎖線で示すラインXの断面を上方から見た状態で示す。
同図に示すごとく、奥行遊技部41は、遊技機における幅方向(左右方向)の流下幅Wが、遊技球Bの1球分以上2球分未満の寸法に形成してある。奥行遊技部41は、演出部32に対向する内周側にカバーとなる透明部材42を配置して、遊技球Bが1球分以上2球分未満の流下幅Wに形成されている。
遊技盤3の前方には、本体枠に対して開閉するガラス扉のガラス板2が位置する。
【0019】
区画部材4は、遊技盤3から奥行方向Dに形成した立壁部45と、立壁部45に対する奥側において遊技盤3と平行に設けた平行部46とによって形成されている。画像表示装置321、可動演出装置、装飾演出装置等は、区画部材4の平行部46に設けることができ、立壁部45に設けることもできる。
奥行遊技部41においては、遊技球Bが通過するゲート411、入賞口としての第2始動入賞口412や第2大入賞口413が設けられており、また、球流下障害物としての釘414が設けられている。球流下障害物は、釘414とする以外にも、奥行遊技部41を構成する部材である台板410又は透明部材42の一部から複数突出させたボス等によって形成することもできる。
【0020】
奥行遊技部41を遊技領域Aにおける一側方に偏って形成したことにより、遊技領域Aの中央の広範囲に亘って、大型の画像表示装置321、可動演出装置、装飾演出装置等を配置することができる。
また、奥行遊技部41を遊技領域Aの右側方に上下に亘って形成したことにより、発射機(図示略)から発射された遊技球Bを、その発射方向(時計回りの方向)に沿った方向へとそのまま流下させることができるので、遊技球Bの流下にスピード感を出すことができる。
また、本例の遊技機は、正面遊技部31において行われる特定の遊技状態の変化に応じて、正面遊技部31における遊技から奥行遊技部41における遊技へ移行するよう構成されている。
【0021】
図1、図3に示すごとく、本例の遊技領域Aは、遊技盤3上に設けられたレール33に対する内周側に形成されている。奥行遊技部41は、レール33の右側部分の内側において、レール33の配設位置よりも奥側に向けて形成されている。
奥行遊技部41における球流入口40は、遊技領域Aにおける上方位置に形成されており、球流入口40に入った遊技球Bは、奥行遊技部41において、複数の釘414に当たって、奥行方向Dの位置を任意に変更しながら下方へ流下する。
【0022】
遊技機におけるパチンコ遊技は、例えば、次のようにして行うことができ、正面遊技部31における遊技から奥行遊技部41における遊技へ移行することができる。
パチンコ遊技を開始するときには、遊技者は、正面遊技部31における第1始動入賞口311を狙って遊技球Bを発射させる。そして、第1始動入賞口311に遊技球Bが入ったときには、画像表示装置321に表示された図柄等によって大当たり又は外れの抽選が行われる。このとき、大当たりが出たときには、大当たりのラウンド遊技が開始される。第1大入賞口312の扉が、所定時間又は所定数の遊技球Bが入球するまで開放することを、1回のラウンド遊技として、所定回数のラウンド遊技が行われる。そして、第1大入賞口312への遊技球1個の入球毎に所定数の賞球が払い出されるため、遊技者は多くの遊技球Bを獲得することができる。
【0023】
次いで、大当たりのラウンド遊技終了後、画像表示装置321又は適宜箇所で右打ちの表示(奥行遊技部41へ打ち込むことを促す表示)が出される。そして、遊技者は、奥行遊技部41の球流入口40を狙って遊技球Bを発射させる。遊技球Bが球流入口40に入り、ゲート411を通過したときには、当たり又は外れの抽選が行われる。このとき、当たりが出たときには、奥行遊技部41における第2始動入賞口412(チューリップ等)が所定時間開放され、遊技球Bの入球が可能な状態となる。
【0024】
そして、第2始動入賞口412へ遊技球Bが入ると、画像表示装置321に表示された図柄等によって大当たりか外れかの抽選が行われる。このとき、特別な図柄で大当たりが発生したときには、特別な大当たりのラウンド遊技が開始され、今度は、第1大入賞口312ではなく第2大入賞口413が、所定時間又は所定数の遊技球が入賞するまで開放する動作を、所定回数繰り返すこととなる。このとき、第2大入賞口413の開放回数が、前述の大当たり時における第1大入賞口312の開放回数よりも多くなるように構成されている。例えば、第1大入賞口312は7回開放し、第2大入賞口413は15回開放する。
【0025】
また、第1大入賞口312に向けて流下する遊技球Bの流下時間よりも、第2大入賞口413に向けて流下する遊技球Bの流下時間の方が、短時間になるような構成になっている。これは、第2大入賞口413が配置された奥行遊技部41が遊技領域Aの右側方に形成されていることによって、奥行遊技部41に向けて発射された遊技球Bは発射方向(時計回りの方向)に逆らわず、ある程度のスピードを保った状態で流下するためである。よって、第1大入賞口312よりも第2大入賞口413での1ラウンド遊技の方が、短時間で終了することになる。
【0026】
これにより、短時間で大量の遊技球が賞球として払い出されるため、遊技者は大当たりによる優越感をより味わうことができる。
そして、第2大入賞口413での特別な大当たりのラウンド遊技が終了した後は、そのまま、奥行遊技部41の球流入口40を狙って遊技球Bを発射させる。そして、前述の段階を経て、再度特別な図柄で大当たりが発生した場合は、第2大入賞口413が開放される。なお、特別な図柄以外で大当たりとなった場合は、第1大入賞口312が開放されるため、正面遊技部31での遊技に戻ることになる。そして、奥行遊技部41へ遊技球Bを発射させる遊技が終了し、通常遊技(最初の遊技)へと移行する。
こうして、正面遊技部31と奥行遊技部41とによるパチンコ遊技が行われる。
【0027】
本例の遊技機の遊技領域構造1においては、遊技機の遊技領域Aに、正面遊技部31を形成する以外にも、奥行方向Dに伸びる奥行遊技部41を形成している。そして、奥行遊技部41には、入賞口412、413と球流下障害物としての釘414とを設けている。
これにより、従来は遊技機の正面側のみにあった遊技領域Aを、遊技機の奥行方向Dにも形成することができる。そして、遊技者は、遊技機の正面側のみならず、遊技機の奥行方向Dにおいても、遊技球Bが釘414に衝突して入賞口412、413に入賞するかどうかの緊張感を味わうことができ、遊技の興趣を高めることができる。また、奥行遊技部41を設けることにより、遊技機の正面側に、より大きな演出部32を形成することができ、大型の画像表示装置321、可動演出装置等を配設する自由度を高めることができる。
【0028】
それ故、本例の遊技機の遊技領域構造1によれば、遊技の興趣を高めることができると共に、遊技機の正面側に大きなスペースを形成して、各種部品の配置の自由度を高めることができる。
【0029】
また、正面遊技部31における遊技と、奥行遊技部41における遊技とは、遊技機に配設した切替えボタン等によって、遊技者が任意に選択して切り替えることもできる。
また、遊技領域Aにおいて、遊技球Bが流下する領域は奥行遊技部41のみとし、他の領域はすべて演出部32とすることもできる。
また、奥行遊技部41は、区画部材4(又は遊技盤3、本体枠)に対して着脱可能に配設することができる。この場合には、奥行遊技部41のメンテナンスを容易にすることができる。
【0030】
また、奥行遊技部41は、遊技領域Aにおける右側方に形成する以外にも、左側方にも形成することができる。
また、区画部材4において、演出部32と正面遊技部31との境界となる立壁部45の内側面には、画像表示装置を設けることができる。この場合には、遊技領域Aの正面側を形成する演出部32に大型の可動演出装置等を配設することができる。また、立壁部45に奥行遊技部41と同じような球流下領域を設けることもできる。
奥行遊技部41は、奥行方向Dに略平行に形成することができ、これ以外にも奥行方向Dに傾斜して形成することもできる。その場合は、遊技領域Aの中央寄りに傾斜させると、奥行遊技部41が視認しやすくなる。また、奥行遊技部41は、奥行方向Dに湾曲又は屈曲して形成することもできる。
【0031】
また、奥行遊技部41は、必ずしも右側方(又は左側方)の上下に亘って形成する必要はなく、下方部分のみに形成することもできる。この場合には、上方部分には、各種部品を配設することができる。
また、奥行遊技部41は、遊技盤3に設けたレール33に沿って円弧形状に形成することができ、一部分を上下に直線状に形成することもできる。
また、演出部32として構成された画像表示装置321、可動演出装置、装飾演出装置等の一部の領域に、遊技球Bが流下する領域を併せて形成することもできる。
【0032】
(実施例2)
本例は、図4に示すごとく、奥行遊技部41の全体を入賞装置41として構成した遊技機についての例である。
本例においても、遊技領域Aを形成する遊技盤3の左側部分には、正面遊技部31が形成してあり、遊技盤3の右側方には、奥行遊技部41が奥行方向Dに形成してある。
本例の奥行遊技部41の球流入口40は、遊技領域Aにおける上方位置に形成してあり、この球流入口40には、正面遊技部31において特定の入賞が行われたときに開くシャッター43が設けてある。奥行遊技部41の全体が一つの入賞装置41であるため、シャッター43が開いて遊技球Bが球流入口40へ入ったときには、入賞装置41への入賞が確定する。
【0033】
本例の奥行遊技部41においては、球流下障害物としての釘414の他、入賞口としての特別入賞口415や一般入賞口416が設けてある。
本例においても、遊技機におけるパチンコ遊技は、例えば、次のようにして行うことができ、正面遊技部31における遊技から奥行遊技部41における遊技へ移行することができる。
【0034】
パチンコ遊技を開始するときには、遊技者は、正面遊技部31における始動入賞口316を狙って遊技球Bを発射させる。このとき、シャッター43は奥行遊技部41の球流入口40を閉じている。そして、始動入賞口316に遊技球Bが入ったときには、シャッター43が所定回数開き、奥行遊技部41への入球が可能な状態になる。そして、遊技者は、開放状態の球流入口40を狙って遊技球Bを発射させる。なお、奥行遊技部41とレール33の間には球通路35が形成されており、球流入口40へ入らなかった遊技球Bは球通路35へ導かれるか、正面遊技部31へ流下する。
【0035】
次いで、球流入口40へ遊技球Bが入ったときには、奥行遊技部41による入賞装置41への入賞が確定する。そして、遊技球Bは、球流下障害物としての釘414に衝突しながら下方へ流下する。この遊技球Bが、奥行遊技部41の下方に配設された特別入賞口415へ入ったときには大当たりとなる。そして、画像表示装置321に表示された図柄等が変動し、大当たりのラウンド遊技の回数が決定する。一方、この遊技球Bが特別入賞口415へ入らなかったときは一般入賞口416へ入球する。
【0036】
そして、大当たりのラウンド遊技が開始されると、1回のラウンド遊技毎に、シャッター43が所定時間又は所定数の遊技球が入賞するまで開放する。シャッター43の開放中に入賞装置41に入賞した遊技球Bのうちの1球が再度特別入賞口415に入賞すると次のラウンド遊技への継続が確定し、当該ラウンド遊技のシャッター43の開放終了後、次のラウンド遊技のためのシャッター43の開放動作が行われる。以降、同様な遊技により所定回数のラウンド遊技が繰り返される。
【0037】
一方、ラウンド遊技中に奥行遊技部41に入賞した遊技球Bが、特別入賞口415に入らなかったときには、次のラウンド遊技が行われず(シャッター43の開放動作が行われず)、大当たりのラウンド遊技が終了することとなり、再び正面遊技部31における遊技へ移行する。なお、奥行遊技部41内に、大当たりのラウンド遊技中に限り、特別入賞口415に向けて遊技球Bを誘導する誘導部材が出現して、大当たりのラウンド遊技が最後まで継続するようにしてもよい。
こうして、正面遊技部31と奥行遊技部41とによるパチンコ遊技が行われる。
【0038】
なお、特別入賞口415への遊技球Bの入球を左右する遊技部材として、電気的駆動源で可動する振分け装置等を特別入賞口415の上流側に設け、この振分け装置等により遊技球Bの流下方向に適宜変化を与えるようにすることができる。また、振分け装置に上記誘導部材としての機能を併せ持たせることもできる。
本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 遊技領域構造
3 遊技盤
31 正面遊技部
311 第1始動入賞口(入賞口)
312 第1大入賞口(入賞口)
313 釘(球流下障害物)
32 演出部
321 画像表示装置
4 区画部材
40 球流入口
41 奥行遊技部
411 ゲート
412 第2始動入賞口(入賞口)
413 第2大入賞口(入賞口)
414 釘(球流下障害物)
A 遊技領域
B 遊技球
D 奥行方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の遊技領域に、その奥行方向に伸びる奥行遊技部が形成してあり、
該奥行遊技部には、遊技球が入賞する入賞口と、遊技球の流下方向を変化させるための球流下障害物とが設けてあることを特徴とする遊技機の遊技領域構造。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機の遊技領域構造において、上記遊技領域の正面側には、遊技の演出を行うための演出部が形成してあり、
上記奥行遊技部は、上記遊技機を正面視した際に上記演出部に対する外方に位置することを特徴とする遊技機の遊技領域構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技機の遊技領域構造において、上記奥行遊技部は、上記遊技領域における一側方に形成してあることを特徴とする遊技機の遊技領域構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技機の遊技領域構造において、上記奥行遊技部は、上記遊技機における幅方向の流下幅が、遊技球を1球分以上2球分未満の寸法に形成してあることを特徴とする遊技機の遊技領域構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機の遊技領域構造において、上記奥行遊技部は、上記遊技領域における右側方に形成してあり、
上記遊技領域における左側部分には、遊技球が入賞する入賞口と、遊技球の流下方向を変化させるための球流下障害物とを設けた正面遊技部が形成してあり、
該正面遊技部において行われる遊技状態の変化に応じて、該正面遊技部における遊技から上記奥行遊技部における遊技へ移行するよう構成されていることを特徴とする遊技機の遊技領域構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−75783(P2012−75783A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225805(P2010−225805)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(500077959)株式会社MRD (150)
【Fターム(参考)】