説明

遊技機製造ライン

【課題】複数列設けた搬送ラインで搬送される搬送対象品を少数の搬送ラインに纏めて効率的に搬送し得る遊技機製造ラインを提供する。
【解決手段】遊技機として完成されるべき搬送対象品40を搬送する第1〜第3出荷ライン10,12,14と、搬送対象品40を所要の作業工程へ向けて搬送する第4出荷ライン16と、第1〜第3出荷ライン10,12,14の各下流端に選択的に接続して搬送対象品40を受取り可能な第1〜第3受取り位置、および第4出荷ライン16の上流端に接続して第1〜第3受取り位置で受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出し可能な送出し位置の間を移動し得る第1の回転式搬送装置18とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機製造ラインに関し、更に詳しくは、所要の作業が完了した搬送対象品を複数の第1搬送ラインにより搬送するよう構成された遊技機製造ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機の生産効率の向上を図るため、工場に設けられた遊技機製造ラインに関し種々の改良がなされている。例えば、特許文献1に記載された遊技機製造ラインでは、各種の加工や点検作業が行なわれる作業対象品(例えば遊技機の完成品や遊技盤等)を所定方向に搬送する搬送ラインを複数列配置すると共に、各搬送ライン毎に作業エリアを設けるよう構成されている。このように、搬送ラインを複数列(例えば2列)設けることにより、遊技機の動作チェック等のように比較的作業時間を要する作業であっても、単位時間当りの作業数を増大することで、生産効率の向上を図り得るようになっている。
【特許文献1】特開平10−109747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記作業エリアでの作業工程が終了すると、その作業完了品は搬送ラインを介して次の作業工程(例えば、出荷工程等)へ搬送される。ここで、前記作業エリアにおいて比較的作業時間を要する作業が行なわれる場合には、1つの作業エリアから搬送される作業完了品の間隔が長くなる。このため、次の作業工程が比較的作業時間を必要としない作業の場合には、前述のように搬送ラインを複数列設けた状態のままで搬送すると、次の作業工程への搬送効率が低下する問題を招来する。また、搬送ラインを複数列設けることで、製造ラインの不必要な大型化を招来し、設置スペース上の問題も生ずる。そこで、このような問題を回避するため、作業エリアでの作業終了後に、一列の搬送ラインに作業完了品を纏めて、次の作業工程へ搬送することが行なわれる。しかしながら、このような作業完了品の纏め作業は、作業者が手作業により行なっているため、作業効率に優れるとは言い難く、効率的でないのが現状であった。
そこで、本発明は、複数列設けた搬送ラインで搬送される搬送対象品を少数の搬送ラインに纏めて効率的に搬送し得る遊技機製造ラインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る遊技機製造ラインは、
遊技機として完成されるべき搬送対象品(40)を搬送する複数の第1搬送ライン(10,12,14)を有する遊技機製造ラインにおいて、
前記搬送対象品(40)を所要の作業工程へ向けて搬送する第2搬送ライン(16)と、
前記複数の第1搬送ライン(10,12,14)の各下流端に選択的に接続して搬送対象品(40)を受取り可能な受取り位置、および前記第2搬送ライン(16)の上流端に接続して受取り位置で受取った搬送対象品(40)を第2搬送ライン(16)へ送出し可能な送出し位置の間を移動し得る選択搬送手段(18)とからなることを特徴とする。
【0005】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係る遊技機製造ラインは、
遊技機として完成されるべき搬送対象品(40)を搬送する複数の第1搬送ライン(10,12,14)を有する遊技機製造ラインにおいて、
前記搬送対象品(40)を所要の作業工程へ向けて搬送する第2搬送ライン(16)と、
前記複数の第1搬送ライン(10,12,14)の各下流端に選択的に接続して搬送対象品(40)を受取り可能な受取り位置、および前記第2搬送ライン(16)の上流端に接続して受取り位置で受取った搬送対象品(40)を第2搬送ライン(16)へ送出し可能な送出し位置の間で移動し得る選択搬送手段(18)と、
前記各第1搬送ライン(10,12,14)、第2搬送ライン(16)および選択搬送手段(18)の夫々の作動および作動停止を制御する制御手段(30)と、
前記各第1搬送ライン(10,12,14)の下流端に到来した搬送対象品(40)に付与されている識別情報を読取る第1読取手段(22,24,26)と、
前記第2搬送ライン(16)または選択搬送手段(18)に到来した搬送対象品(40)に付与されている識別情報を読取る第2読取手段(28)と、
前記第2読取手段(28)が読取った識別情報を記憶する記憶手段(32)と、
前記記憶手段(32)が記憶している識別情報を、前記各第1読取手段(22,24,26)が読取った識別情報の夫々と照合する判定手段(34)とを備え、
前記判定手段(34)での照合の結果、前記各第1読取手段(22,24,26)が読取った識別情報の何れかが前記記憶手段(32)が記憶している識別情報と一致する場合には、一致判定された第1読取手段(22,24,26)を設けた第1搬送ライン(10,12,14)に対応する受取り位置へ選択搬送手段(18)を移動させて該第1搬送ライン(10,12,14)から搬送対象品(40)を受取り、次いで選択搬送手段(18)を送出し位置へ移動して搬送対象品(40)を第2搬送ライン(16)へ送出し、
前記判定手段(34)での照合の結果、前記各第1読取手段(22,24,26)が読取った全ての識別情報の何れもが前記記憶手段(32)が記憶している識別情報と一致しない場合には、識別情報を読取っている第1読取手段(22,24,26)を設けた第1搬送ライン(10,12,14)の何れかに対応する受取り位置へ選択搬送手段(18)を移動させて該第1搬送ライン(10,12,14)から搬送対象品(40)を受取り、次いで選択搬送手段(18)を送出し位置へ移動して搬送対象品(40)を第2搬送ライン(16)へ送出すよう、前記制御手段(30)が前記各第1搬送ライン(10,12,14)、第2搬送ライン(16)および選択搬送手段(18)の夫々を作動制御すると共に、
前記第2読取手段(28)が新たに識別情報を読取ったときには、前記記憶手段(32)が記憶する識別情報を更新するようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、前記記憶手段(32)が記憶している識別情報と一致する識別情報を読取った第1読取手段(22,24,26)が複数ある場合には、前記選択搬送手段(18)の移動距離が最短となる第1搬送ライン(10,12,14)に対応する受取り位置へ選択搬送手段(18)を移動させるようにしてもよい。
【0007】
更に、前記選択搬送手段(18)として、回転式の搬送手段を用いることも可能である。
【0008】
そして、前記搬送対象品(40)として遊技盤を用いることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係る遊技機製造ラインによれば、各第1搬送ラインに対応する受取り位置に選択搬送手段を選択的に移動させ得るよう構成したことで、何れの第1搬送ラインで搬送される搬送対象品であっても選択搬送手段に受取り得ると共に、該選択搬送手段を第2搬送ラインに対応する送出し位置へ移動させ得るよう構成したことで、受取った搬送対象品を第2搬送ラインへ送出すことができる。すなわち、複数設けた第1搬送ラインにより搬送される搬送対象品を、第2搬送ラインに纏めることができるから、搬送効率の向上を図り得る。また、各第1搬送ラインの搬送対象品を、第2搬送ラインに自動的に纏め得るから、作業者が手作業により行なう場合に較べて、作業効率を向上し得ると共に、作業ミスを低減することができる。更に、第2搬送ラインに纏めることで、製造ライン全体の大型化を防止できるから、スペース的な問題を解消し得る利点がある。
【0010】
そして、本願の別の発明である請求項2に係る遊技機製造ラインによれば、各第1搬送ラインに対応する受取り位置に選択搬送手段を選択的に移動させ得るよう構成したことで、何れの第1搬送ラインで搬送される搬送対象品であっても選択搬送手段に受取り得ると共に、該選択搬送手段を第2搬送ラインに対応する送出し位置へ移動させ得るよう構成したことで、受取った搬送対象品を第2搬送ラインへ送出すことができる。すなわち、複数設けた第1搬送ラインにより搬送される搬送対象品を、第2搬送ラインに纏めることができるから、搬送効率の向上を図り得る。また、各第1搬送ラインの搬送対象品を、第2搬送ラインに自動的に纏め得るから、作業者が手作業により行なう場合に較べて作業効率を向上し得る。更に、第2搬送ラインに纏めることで、製造ライン全体の大型化を防止できるから、スペース的な問題を解消し得る利点がある。更にまた、搬送対象品に付与した識別情報を、第1搬送ラインに設けた第1読取手段と、選択搬送手段または第2搬送ラインに設けた第2読取手段とにより読取るようにしたことで、該識別情報に基づいて搬送対象品の仕分け作業も自動で行なうことができる。すなわち、手作業により仕分け作業をする場合に較べ、作業効率の大幅な向上を図り得ると共に、作業ミスを低減し得る利点がある。
【0011】
また、請求項3に係る遊技機製造ラインによれば、選択搬送手段を、その移動距離が最短となる第1搬送ラインに対応する受取り位置へ移動したもとで、搬送対象品を受取るようにしたことで、搬送対象品を第1搬送ラインから第2搬送ラインへ効率的に搬送することができる。更に、請求項4に係る遊技機製造ラインによれば、選択搬送手段として回転式の搬送手段を用いることで、選択搬送手段として上下移動や左右方向へ移動する搬送手段を用いた場合に較べて、各第1搬送ラインに対応する受取り位置および第2搬送ラインに対応する送出し位置の夫々へ、該選択搬送手段を効率的に移動することができる。そして、請求項5に係る遊技機製造ラインによれば、仕分け作業の対象となり得る遊技盤を効率的に搬送処理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機製造ラインにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。ここで、実施例では、パチンコ機の製造ラインに関し、検査工程において各種部品を組付けた遊技盤を遊技に供する姿勢(すなわち遊技盤を立てた姿勢)に保持したもとで動作チェック等の検査作業を所要の作業エリアSA1〜SA3(図1参照)で行ない、この作業エリアSA1〜SA3での作業が終了した遊技盤を、出荷工程(次の作業工程)へ搬送する搬出工程を例にして説明する。また、実施例に係る製造ラインでは、前記作業エリアSA1〜SA3を3箇所設け、作業エリアSA1〜SA3毎にスペック(例えば大当り確率等)の異なる遊技機に用いられる遊技盤に対する検査作業を行なうようになっている。なお、以下の説明においては、作業エリアSA1〜SA3での作業が終了して出荷工程へ搬送される遊技盤を搬送対象品と指称する。
【実施例】
【0013】
図1は、実施例に係る遊技機製造ラインにおける搬出工程を概略で示す説明図である。搬出工程は、搬送対象品40を搬送する第1〜第3出荷ライン(第1搬送ライン)10,12,14が、前記作業エリアSA1〜SA3毎に対応的に設けられると共に、該第1〜第3出荷ライン10,12,14の下流側に搬送対象品40を出荷工程へ向けて搬送する第4出荷ライン(第2搬送ライン)16が別に設けられており、第1〜第3出荷ライン10,12,14の下流端および第4出荷ライン16の上流端を、第1の回転式搬送装置(回転式の搬送手段)18で接続するよう構成されている。すなわち、作業エリアSA1〜SA3から対応する第1〜第3出荷ライン10,12,14を介して順次運び出された搬送対象品40は、前記第1の回転式搬送装置18を介して第4出荷ライン16に纏めた後に出荷工程へ搬送されるようになっている。なお、実施例では、前記第1〜第4出荷ライン10,12,14,16および第1の回転式搬送装置18として、ローラーコンベアタイプのものを用いている。また、前記第1〜第4出荷ライン10,12,14,16および第1の回転式搬送装置18の上方位置には、立ち姿勢で搬送される搬送対象品40の上部を支持する支持手段(図示せず)が設けられており、該搬送対象品40の転倒を防止するようになっている。
【0014】
ここで、前記第1出荷ライン10は、その下流端が前記第1の回転式搬送装置18の左端部に接続するよう直線的に形成されている(図1参照)。これに対し、前記第2出荷ライン12は、図1において前記第1出荷ライン10の上方位置に略平行に延在し、かつ前記第1の回転式搬送装置18の上端部に接続するよう略L字状に形成されると共に、前記第3出荷ライン14は、図1において第1出荷ライン10の下方位置に略平行に延在し、かつ第1の回転式搬送装置18の下端部に接続するよう略L字状に形成されている。すなわち、前記第1〜第3出荷ライン10,12,14の夫々は、前記第1の回転式搬送装置18に対して異なる位置で接続するようになっている。そして、制御手段30(図2参照)の制御に基づいて前記第1〜第3出荷ライン10,12,14の夫々を個別に作動させることで、搬送対象品40を、対応する作業エリアSA1〜SA3から第1の回転式搬送装置18へ向けて搬送するようになっている。なお、前記第2および第3出荷ライン12,14には、その折曲位置に第2の回転式搬送装置20が夫々配置されており、前記制御手段30の制御に基づいて該第2の回転式搬送装置20を適宜回転することで、搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ向けて搬送し得るようになっている。
【0015】
また、前記第1〜第3出荷ライン10,12,14の下流端部近傍(第1の回転式搬送装置18の近傍)には、搬送対象品40に付与されている識別情報(後述する第1および第2順位情報)を読取る第1〜第3読取センサ(第1読取手段)22,24,26が夫々対応して設けられている。そして、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が搬送対象品40の識別情報を読取ると、その読取った識別情報(以下読取情報という)を、前記制御手段30の判定手段34へ出力するようになっている。なお、以下の説明において、前記第1読取センサ22が搬送対象品40の識別情報を読取る位置を第1読取位置と指称し、第2読取センサ24が搬送対象品40の識別情報を読取る位置を第2読取位置と指称すると共に、第3読取センサ26が搬送対象品40の識別情報を読取る位置を第3読取位置と指称する。また、前記第1〜第3読取センサ22,24,26で搬送対象品40の識別情報を読取ると、前記制御手段30は、識別情報を読取った読取センサ22,24,26に対応する出荷ライン10,12,14を停止させるよう制御している。すなわち、前記各出荷ライン10,12,14で搬送される搬送対象品40は、前記第1〜第3読取位置で一時的に待機するようになっている。
【0016】
図1に示すように、前記第4出荷ライン16は、その上流端が前記第1の回転式搬送装置18の右端部に接続するよう直線的に形成されて、前記制御手段30の制御に基づいて作動および作動停止が制御される。すなわち、前記第1出荷ライン10と第4出荷ライン16とは同一直線上に延在している。また、前記第4出荷ライン16の上流端近傍(第1の回転式搬送装置18の近傍)には、搬送対象品40に付与されている前記識別情報(第1および第2順位情報)を読取る第4読取センサ(第2読取手段)28が設けられており、該第4読取センサ28が読取った識別情報(第1および第2順位情報)を、前記制御手段30の記憶手段32(図2参照)に出力して記憶情報として記憶させるよう構成される。すなわち、前記記憶手段32は、前記第4出荷ライン16により出荷工程へ向けて搬送された搬送対象品40の最新の識別情報(第1および第2順位情報)を記憶している。
【0017】
ここで、前記搬送対象品40に付与される識別情報としては、搬送対象品40の出荷先ホールを示す出荷先情報(以下、第1順位情報という)と、搬送対象品40のスペックを示すスペック情報(以下、第2順位情報という)とからなり、これら第1および第2順位情報を、前記第1〜第3読取センサ22,24,26で読取るようになっている。なお、前記識別情報(第1および第2順位情報)は、2次元コード等の各種コードやICタグ、その他従来公知の手段を利用して付与される。
【0018】
また、前記第1の回転式搬送装置18は、制御手段30(図2参照)により回転および作動制御され、第1出荷ライン10により搬送されて第1読取位置にある搬送対象品40を受取り可能な第1受取り位置(受取り位置)と、第2出荷ライン12により搬送されて第2読取位置にある搬送対象品40を受取り可能な第2受取り位置(受取り位置)と、第3出荷ライン14により搬送されて第3読取位置にある搬送対象品40を受取り可能な第3受取り位置(受取り位置)と、これら第1〜第3受取り位置で受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出し可能な送出し位置との間で回転(移動)し得るよう構成され、前記制御手段30の制御に基づいて、第1〜第3受取り位置および送出し位置へ回転するようになっている。なお、前記第1の回転式搬送装置18は、図1において時計回りおよび反時計回りの任意方向に回転し得ると共に、各ローラー部を正逆回転し得るよう構成されている。すなわち、前記第1の回転式搬送装置18を時計回りまたは反時計回りに回転することで、前記第1〜第3受取り位置および送出し位置の夫々に変位する。また、実施例では、第1受取り位置と送出し位置、および第2受取り位置と第3受取り位置では、前記第1の回転式搬送装置18は同一姿勢となっている(図3(a),(b)参照)。従って、前記第1の回転式搬送装置18は、第1受取り位置および送出し位置では前記第1出荷ライン10の第1読取位置から受取った搬送対象品40を、そのままの姿勢で第4出荷ライン16へ送出し得ると共に、第2受取り位置および第3受取り位置では、そのローラー部の回転方向を反転することで、第2出荷ライン12の第2読取位置にある搬送対象品40または第3出荷ライン14の第3読取位置にある搬送対象品40を受取り得るようになっている。
【0019】
このように、第1〜第3出荷ライン10,12,14に対応する第1〜第3受取り位置に、前記第1の回転式搬送装置18を選択的に回転し得るよう構成したことで、何れの出荷ライン10,12,14で搬送される搬送対象品40であっても第1の回転式搬送装置18が受取り得る。また、第1の回転式搬送装置18を第4出荷ライン16に対応する送出し位置へ回転し得るよう構成したことで、第1〜第3受取り位置で受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出すことができる。すなわち、複数設けた第1〜第3出荷ライン10,12,14により搬送される搬送対象品40を、第4出荷ライン16に自動的に纏め得るから、作業者が手作業により纏める場合に較べて、作業効率を向上して搬送効率の向上を図り得ると共に、作業ミスを低減することが可能となる。
【0020】
ここで、前記第1〜第3出荷ライン10,12,14により搬送される搬送対象品40を前記第4出荷ライン16へ纏めるに際しては、前記判定手段34が、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った読取情報の第1順位情報および第2順位情報の夫々を、前記記憶手段32が記憶している記憶情報の対応する第1順位情報および第2順位情報と照合して、その照合結果に基づいて前記制御手段30が第1の回転式搬送装置18を前記第1〜第3受取り位置の何れかへ回転させて、搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動させた後に第1の回転式搬送装置18を送出し位置へ回転して第4出荷ライン16へ送出すようになっている。
【0021】
具体的には、前記判定手段34は、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った読取情報の第1順位情報を、記憶手段32が記憶している記憶情報の第1順位情報と照合し、何れかの読取情報の第1順位情報が記憶情報の第1順位情報と一致する場合には、この一致する読取情報の第2順位情報を記憶情報の第2順位情報と更に照合する。そして、前記判定手段34での照合の結果、第2順位情報も一致する場合には、一致判定された第1および第2順位情報を読取っている読取センサ22,24,26を設けた出荷ライン10,12,14に対応する第1〜第3受取り位置へ第1の回転式搬送装置18を回転させるようになっている。
【0022】
そして、第1の回転式搬送装置18が第1〜第3受取り位置の何れかに回転すると、対応する出荷ライン10,12,14を作動して搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18に移動し、次いで第1の回転式搬送装置18を送出し位置へ回転して受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出すよう、各出荷ライン10,12,14、第4出荷ライン16および第1の回転式搬送装置18の夫々を制御手段30が作動制御する。ここで、前記記憶手段32が記憶している記憶情報の第1および第2順位情報と一致する第1および第2順位情報を有する読取情報が複数ある場合には、一致判定された読取情報に対応する読取センサ22,24,26を設けた出荷ライン10,12,14の内、回転距離が最も短くなる出荷ライン10,12,14に対応する受取り位置へ前記第1の回転式搬送装置18を回転させるよう制御手段30が制御している。
【0023】
具体的には、実施例では、第1の回転式搬送装置18が受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出した後は、該第1の回転式搬送装置18は前記第1受取り位置と同一姿勢となる送出し位置にある。従って、第1の回転式搬送装置18を回転させる必要のない第1読取位置(第1出荷ライン10)に待機している搬送対象品40を、優先的に第4出荷ライン16へ搬送するよう制御される。また、実施例では、送出し位置に対して第2受取り位置と第3受取り位置との回転距離が同じ場合に、第2読取位置および第3読取位置での読取情報の何れもが記憶情報と一致するときには、予め設定されている出荷ライン(例えば第2出荷ライン12)に対応する受取り位置へ第1の回転式搬送装置18を回転させるようになっている。なお、実施例では、前記記憶手段32が記憶している識別情報と一致する識別情報を読取った読取センサ22,24,26が複数ある場合には、回転距離が最短となる出荷ライン10,12,14に対応する受取り位置へ前記第1の回転式搬送装置18を回転させるようにしたが、先に搬送対象品40の識別情報を読み取った読取センサ22,24,26を設けた出荷ライン10,12,14に対応する受取り位置へ第1の回転式搬送装置18を回転するようにすることも可能である。
【0024】
このように、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った読取情報の第1および第2順位情報の夫々を、記憶手段32が記憶している記憶情報の対応する順位情報と照合することにより、第4出荷ライン16を介して先に出荷工程へ搬送した搬送対象品40の識別情報(第1および第2順位情報)と一致する識別情報を有する搬送対象品40を第1〜第3出荷ライン10,12,14から受取り、その受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16で搬送することができる。すなわち、第1〜第3出荷ライン10,12,14で搬送される搬送対象品40を、第1および第2順位情報が一致するグループに自動的に分類して第4出荷ライン16により出荷工程へ搬送することができ、手作業により仕分け作業をする場合に較べ、作業効率を向上し得ると共に、作業ミスを低減することができる。また、搬送対象品40をグループ化して出荷工程へ搬送することで、出荷工程での作業を簡略化し得る利点もある。
【0025】
また、前記判定手段34での照合の結果、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った何れかの読取情報の第1順位情報が、記憶手段32が記憶している記憶情報の第1順位情報と一致し、この一致する読取情報の第2順位情報が記憶情報の第2順位情報とは一致しない場合には、一致判定された第1順位情報を読取っている読取センサ22,24,26を設けた出荷ライン10,12,14に対応する第1〜第3受取り位置へ第1の回転式搬送装置18を回転させるようになっている。そして、前述と同様に、第1の回転式搬送装置18が受取り位置へ回転すると、対応する出荷ライン10,12,14を作動して搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18に移動し、次いで第1の回転式搬送装置18を送出し位置へ回転して受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出すよう、各出荷ライン10,12,14、第4出荷ライン16および第1の回転式搬送装置18の夫々を制御手段30が作動制御する。ここで、前記記憶手段32が記憶している記憶情報の第1順位情報のみが一致する読取情報が複数ある場合には、一致判定された読取情報に対応する読取センサ22,24,26を設けた出荷ライン10,12,14の内、回転距離が最短となる出荷ライン10,12,14に対応する受取り位置へ前記第1の回転式搬送装置18を回転させるよう前記制御手段30が制御している。なお、この場合の具体的な動作は、段落番号[0023]で述べた通りである。
【0026】
このように、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った読取情報に、記憶手段32が記憶している記憶情報の第2順位情報と一致するものがない場合であっても、第1順位情報のみが一致する搬送対象品40毎にグループ化することができる。すなわち、前述と同様に、第1〜第3出荷ライン10,12,14で搬送される搬送対象品40を、第1順位情報のみが一致するグループに自動的に分類して第4出荷ライン16により出荷工程へ搬送することができ、手作業により仕分け作業をする場合に較べ、作業効率を向上し得ると共に、作業ミスを低減することができる。また、搬送対象品40をグループ化して出荷工程へ搬送することで、出荷工程での作業を簡略化し得る利点もある。
【0027】
更にまた、前記判定手段34での照合の結果、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った読取情報の第1および第2順位情報に、記憶手段32が記憶している記憶情報の第1および第2順位情報と一致するものが1つもない場合には、搬送対象品40の識別情報を読取っている何れかの読取センサ22,24,26に対応する受取り位置へ第1の回転式搬送装置18を回転させると共に、対応する出荷ライン10,12,14を作動して搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18に移動し、次いで第1の回転式搬送装置18を送出し位置へ回転して搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出すよう、各出荷ライン10,12,14、第4出荷ライン16および第1の回転式搬送装置18の夫々を制御手段30が作動制御する。なお、前記第1の回転式搬送装置18を第1〜第3受取り位置へ回転するに際しては、その回転距離が最も短くなるよう制御手段30が制御している。なお、この場合の具体的な動作は、段落番号[0023]で述べた通りである。
【0028】
このように、先に第4出荷ライン16を介して出荷工程へ搬送した搬送対象品40と同じ搬送対象品40が第1〜第3読取位置の何れにも待機していない場合には、何れかの読取位置に待機する搬送対象品40を出荷工程へ向けて搬送することで、搬送作業が滞るのを防止し得る。また、搬送対象品40が第4出荷ライン16へ搬送されると、この搬送対象品40の識別情報(第1および第2順位情報)を前記第4読取センサ28が読取り、その読取情報が記憶手段32に記憶情報として記憶(更新)されるから、各出荷ライン10,12,14の搬送対象品40を、この新たな記憶情報に基づいて仕分けすることができる。
【0029】
次に、前述した第1〜第4出荷ライン10,12,14,16および第1の回転式搬送装置18の制御態様の一例につき、図4および図5を用いて説明する。
【0030】
作業エリアSA1〜SA3での動作チェック等の各種の検査作業が終了すると、対応する第1〜第3出荷ライン10,12,14を介して搬送対象品40が搬送され、図4に示す搬出処理に基づいて各出荷ライン10,12,14の搬送対象品40が第4出荷ライン16に搬送される。図4に示す搬出処理では、先ず第1出荷ライン10に設けた第1読取位置まで搬送対象品40が到来したか否かを判定する(ステップS101)。すなわち、第1読取位置に設けた第1読取センサ22が搬送対象品40を検出した場合にはステップS102に進み、該第1読取センサ22が検出していない場合にはステップS103へ進む。ステップS102では、前記第1読取センサ22が、前記第1読取位置に到来した搬送対象品40に付与されている識別情報(第1および第2順位情報)を読取ると共に、第1出荷ライン10を停止させて搬送対象品40を第1読取位置に待機させる。
【0031】
ステップS103に進むと、前述と同様に第2出荷ライン12に設けた第2読取位置に搬送対象品40が到来したか否かを判定する。すなわち、第2読取位置に設けた第2読取センサ24が搬送対象品40を検出した場合には、ステップS104に進み、該第2読取センサ24が検出していない場合にはステップS105へ進む。ステップS104では、第2読取センサ24が、前記第2読取位置に到来した搬送対象品40に付与されている識別情報(第1および第2順位情報)を読取ると共に、第2出荷ライン12を停止させて搬送対象品40を第2読取位置に待機させる。また、ステップS105に進むと、第3出荷ライン14に設けた第3読取位置に搬送対象品40が到来したか否かを判定する。すなわち、第3読取位置に設けた第3読取センサ26が搬送対象品40を検出した場合には、ステップS106に進み、該第3読取センサ26が検出していない場合にはステップS107へ進む。ステップS106に進むと、第3読取センサ26が、前記第3読取位置に到来した搬送対象品40に付与されている識別情報(第1および第2順位情報)を読取ると共に、第3出荷ライン14を停止させて搬送対象品40を第3読取位置に待機させる。
【0032】
次いで、ステップS107に進むと、前記記憶手段32が識別情報を記憶しているか否かを判定する。ここで、製造ラインの稼働開始時のように、記憶手段32がまだ識別情報を記憶していない場合には、ステップS110に進んで、搬送対象品40の識別情報を読取っている第1〜第3読取センサ22,24,26に対応する出荷ライン10,12,14(すなわち、読取位置に搬送対象品40が待機している出荷ライン10,12,14)の何れかを指定搬送ライン情報として記憶手段32に記憶させた後に、後述する搬出実行処理(図5参照)を行なって(ステップS114)、搬出処理が終了する。
【0033】
一方、ステップS107において、前記記憶手段32が識別情報を記憶している場合には、該記憶手段32の記憶情報を取得し(ステップS108)、この記憶情報の第1順位情報と、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った読取情報の第1順位情報とを照合する(ステップS109)。この照合の結果、何れの読取情報の第1順位情報も記憶情報の第1順位情報と一致しない場合には、前記ステップS110に進んで、搬送対象品40の識別情報を読取っている第1〜第3読取センサ22,24,26に対応する出荷ライン10,12,14(すなわち、読取位置に搬送対象品40が待機している出荷ライン10,12,14)の何れかを指定搬送ライン情報として記憶手段32に記憶させた後に、搬出実行処理(図5参照)が行なわれて(ステップS114)、搬出処理が終了する。
【0034】
また、前記ステップS109での照合の結果、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った読取情報の第1順位情報の何れかが、記憶情報の第1順位情報と一致する場合には、ステップS111に進んで、この第1順位情報が一致する読取情報の第2順位情報を、記憶情報の第2順位情報と照合する。この照合の結果、第2順位情報が一致するものがある場合には、第1および第2順位情報が記憶情報と一致する読取情報を読取っている読取センサ22,24,26に対応する出荷ライン10,12,14を指定搬送ラインとして記憶手段32に記憶させ(ステップS112)、その後搬出実行処理(図5参照)が行なわれる(ステップS114)。一方、ステップS111での照合結果、第2順位情報が一致するものがない場合には、第1順位情報が記憶情報と一致する読取情報を読取っている読取センサ22,24,26に対応する出荷ライン10,12,14を指定搬送ラインとして記憶手段32に記憶させて(ステップS113)、その後に搬出実行処理(図5参照)が行なわれる(ステップS114)。
【0035】
前記搬出実行処理では、図5に示すように、先ず前記記憶手段32に記憶させた指定搬送ライン情報に基づいて第1〜第3出荷ライン10,12,14に対応する第1〜第3受取り位置の何れかに前記第1の回転式搬送装置18を回転させる(ステップS201)。ステップS202に進むと、第1の回転式搬送装置18を回転させた受取り位置に対応する出荷ライン10,12,14を作動させて、読取位置に待機させている搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動させ、その後記憶手段32が記憶している指定搬送ライン情報を消去する(ステップS203)。
【0036】
次いで、前記第1の回転式搬送装置18を送出し位置へ回転し(ステップS204)、受取り位置で受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出す(ステップS205)。前記第1の回転式搬送装置18から第4出荷ライン16へ搬送対象品40を送出すと、前記記憶手段32が記憶している記憶情報を消去し(ステップS206)、第4出荷ライン16に設けた第4読取センサ28が新たに読取った読取情報を、該記憶手段32に記憶情報として記憶させる(ステップS207)。次いで、前記第4出荷ライン16を作動して搬送対象品40を所定の出荷工程へ向けて搬送して(ステップS208)、搬出実行処理が終了する。
【0037】
このように、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った読取情報の第1順位情報および第2順位情報を、記憶情報の第1順位情報および第2順位情報の夫々と照合することで、第1〜第3出荷ライン10,12,14により搬送される搬送対象品40と、第4出荷ライン16により出荷工程へ先に搬送された搬送対象品40との間で、第1順位情報および第2順位情報の夫々が一致するものと、第1順位情報のみが一致するものと、何れの順位情報も一致しないものとに自動的に分類して仕分けすることができる。すなわち、手作業により仕分け作業をする場合に較べ、作業効率の大幅な向上を図り得ると共に、作業ミスを低減し得る利点がある。そして、第1および第2順位情報が一致する搬送対象品40を優先して第4出荷ライン16へ搬送し得る。また、出荷工程には搬送対象品40に付与した識別情報の少なくとも第1順位情報(すなわち出荷先ホール)が一致するグループ毎に搬送し得るから、該出荷工程での作業負担の軽減を図ることが可能となる。また、第1〜第3出荷ライン10,12,14で搬送される搬送対象品40を自動的に第4出荷ライン16へ纏めることができるから、作業者が手作業により行なう場合に較べて作業効率を向上し得る。
【0038】
次に、第1〜第3出荷ライン10,12,14から第4出荷ライン16への搬送対象品40の搬送について、図6〜図18に示す具体例を挙げて説明する。なお、図6〜図18に示す具体例では、第1出荷ライン10はスペックA(第2順位情報)に係る搬送対象品40を搬送し、第2出荷ライン12はスペックB(第2順位情報)に係る搬送対象品40を搬送し、第3出荷ライン14はスペックC(第2順位情報)に係る搬送対象品40を搬送するようになっている。また、前記第1〜第3出荷ライン10,12,14で搬送される搬送対象品40を、甲ホールおよび乙ホール(第1順位情報)へ出荷する場合を例示している。
【0039】
なお、図6に示すように、第1出荷ライン10には、下流側に甲ホールへ出荷されるスペックAの搬送対象品40が2つ位置して、その上流側に乙ホールへ出荷されるスペックAの搬送対象品40が位置すると共に、第2出荷ライン12には、下流側に甲ホールへ出荷されるスペックBの搬送対象品40が1つ位置すると共に、その上流側に乙ホールへ出荷されるスペックBの搬送対象品40が位置している。また、第3出荷ライン14には、乙ホールへ出荷されるスペックCの搬送対象品40のみが位置する状態から搬出工程を開始するものとする。ここで、前記第1の回転式搬送装置18は、前回行なわれた搬送対象品40の出荷工程への搬送により、前記送出し位置に保持されている。なお、搬送対象品40の搬送状態の理解を容易にするため、図6〜図18においては各搬送対象品40に第1順位情報を示す「甲」、「乙」を付すと共に、第2順位情報を示す「A」〜「C」を付してある。
【0040】
記憶手段32が記憶情報を記憶していない図6に示す状態では、第1〜第3出荷ライン10,12,14の内、前記第1の回転式搬送装置18の回転距離が最短となる(第1の回転式搬送装置18を回転させる必要のない)出荷ライン10の搬送対象品40を第4出荷ライン16に出荷する。ここで、前記第1受取り位置および送出し位置では、前記第1の回転式搬送装置18が同一の姿勢を保持するから、該第1の回転式搬送装置18を回転する必要のない第1出荷ライン10を作動して第1読取位置にある搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18に移動させる(図7参照)。なお、前記第1読取位置の第1読取センサ22が、次の搬送対象品40の識別情報〔第1順位情報(甲ホール)および第2順位情報(スペックA)〕を読取ると第1出荷ライン10が停止される。ここで、前記第1受取り位置および送出し位置において第1の回転式搬送装置18は同一姿勢であるから、受取った搬送対象品40をそのまま第4出荷ライン16へ送出す(図8参照)。このとき、前記第4出荷ライン16に設けた第4読取センサ28が搬送対象品40の識別情報を読取り、該搬送対象品40の識別情報〔第1順位情報(甲ホール)および第2順位情報(スペックA)〕が記憶手段32に記憶される。
【0041】
次に、前記判定手段34が、前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った搬送対象品40の読取情報(第1および第2順位情報)の夫々を、前記記憶手段32の記憶情報(第1および第2順位情報)と照合する。このとき、第1読取センサ22が読取った読取情報と、記憶手段32が記憶している記憶情報とは、何れも第1順位情報が「甲ホール」で、かつ第2順位情報が「スペックA」で一致する。従って、前記第1読取センサ22を設けた第1出荷ライン10を作動して、前記第1読取位置に待機している搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動する(図9参照)。そして、前述と同様に、前記第1読取センサ22が次の搬送対象品40の識別情報〔第1順位情報(乙ホール)および第2順位情報(スペックA)〕を読取ると第1出荷ライン10を停止させて第1読取位置に次の搬送対象品40を待機させ、前記第1の回転式搬送装置18が受取った搬送対象品40をそのまま第4出荷ライン16へ送出す(図10参照)。そして、前記第4読取センサ28が新たに読取った識別情報〔第1順位情報(甲ホール)および第2順位情報(スペックA)〕に、前記記憶手段32の記憶情報を更新する。
【0042】
そして、前記判定手段34が改めて前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った搬送対象品40の読取情報(第1および第2順位情報)の夫々を、前記記憶手段32の記憶情報(第1および第2順位情報)と照合する。このとき、記憶情報における第1順位情報(甲ホール)および第2順位情報(スペックA)の何れもが一致する読取情報はないから、第1順位情報(甲ホール)のみが一致する読取情報を読取っている第2読取センサ24を設けた第2出荷ライン12から搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動する。
【0043】
前記第1の回転式搬送装置18を第2受取り位置へ回転すると、前記第2出荷ライン12を作動して第2読取位置に待機している搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動する(図11参照)。なお、前記第2読取センサ24が次の搬送対象品40の識別情報〔第1順位情報(乙ホール)および第2順位情報(スペックB)〕を読取ると、前記第2出荷ライン12を停止して第2読取位置に次の搬送対象品40を待機させる。その後、第1の回転式搬送装置18を送出し位置に回転させて、第2受取り位置で受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出すと共に(図12参照)、前記第4読取センサ28が新たに読取った識別情報〔第1順位情報(甲ホール)および第2順位情報(スペックB)〕に、前記記憶手段32の記憶情報を夫々更新する。
【0044】
前記記憶手段32の記憶情報の更新がなされると、前記判定手段34が、改めて前記第1〜第3読取センサ22,24,26が読取った搬送対象品40の読取情報(第1および第2順位情報)の夫々を、前記記憶手段32の記憶情報(第1および第2順位情報)と照合する。このとき、記憶情報における第1順位情報(甲ホール)および第2順位情報(スペックB)が何れも一致する読取情報はなく、かつ第1順位情報(甲ホール)のみが一致する読取情報もない。ここで、前述のように、前記第1受取り位置および送出し位置において、前記第1の回転式搬送装置18は同一姿勢となっているから、該第1の回転式搬送装置18の回転距離が最短となる(第1の回転式搬送装置18を回転させる必要のない)第1出荷ライン10を作動して、第1読取位置の搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18に移動する(図13参照)。そして、第1の回転式搬送装置18は、第1受取り位置で受取った搬送対象品40をそのまま第4出荷ライン16へ送出す(図14参照)。また、第4出荷ライン16に設けた第4読取センサ28が新たに読取った識別情報〔第1順位情報(乙ホール)および第2順位情報(スペックA)〕に、前記記憶手段32の記憶情報を夫々更新する。
【0045】
以下前述と同様に、前記判定手段34が、前記第2および第3読取センサ24,26が読取った搬送対象品40の読取情報(第1および第2順位情報)の夫々を、前記記憶手段32の記憶情報(第1および第2順位情報)と照合する。このとき、記憶情報における第1順位情報(乙ホール)および第2順位情報(スペックA)の夫々が一致する読取情報はないから、第1順位情報(乙ホール)が一致する読取情報を読取っている第2読取センサ24を設けた第2出荷ライン12または第3読取センサ26を設けた第3出荷ライン14から搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動する。なお、前述と同様に、実施例では、第1受取り位置から第2受取り位置への第1の回転式搬送装置18の回転距離と、第1受取り位置から第3受取り位置への第1の回転式搬送装置18の回転距離とは同じなので、第2出荷ライン12または第3出荷ライン14から搬送対象品40を移動するよう決定される(この具体例では、第2出荷ライン12から搬送対象品40を搬送する例を示す)。
【0046】
そして、前記第1の回転式搬送装置18を第2受取り位置へ回転して、第2読取位置にある搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動する(図15参照)。その後第1の回転式搬送装置18を送出し位置へ回転し、第2受取り位置で受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出すと共に(図16参照)、第4出荷ライン16に設けた第4読取センサ28が新たに読取った識別情報〔第1順位情報(乙ホール)および第2順位情報(スペックB)〕に、前記記憶手段32の記憶情報を夫々更新する。
【0047】
その後、前記判定手段34は、前記第3読取センサ26のみが搬送対象品40の読取情報(第1および第2順位情報)を読取っているから、第3読取センサ26を設けた第3出荷ライン14から搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動する(図17参照)。すなわち、前記第1の回転式搬送装置18を第3受取り位置へ回転して、第3読取位置にある搬送対象品40を第1の回転式搬送装置18へ移動する。その後第1の回転式搬送装置18を送出し位置へ回転し、第3受取り位置で受取った搬送対象品40を第4出荷ライン16へ送出すと共に(図18参照)、第4出荷ライン16に設けた第4読取センサ28が新たに読取った識別情報〔第1順位情報(乙ホール)および第2順位情報(スペックC)〕に、前記記憶手段32の記憶情報を夫々更新する。
【0048】
このように、図6〜図18に示す具体例では、前記第4出荷ライン16により出荷工程へ搬送される搬送対象品40は、第1順位情報に基づいて出荷先が「甲ホール」となる搬送対象品40と、出荷先が「乙ホール」となる搬送対象品40とが夫々グループ化して出荷工程へ搬送されると共に、更にグループ(例えば出荷先が「甲ホール」)内の搬送対象品40を第2順位情報(例えば「スペックA」)に基づいて細かく仕分けすることができる。
【0049】
〔変更例〕
なお、本発明に係る遊技機製造ラインとしては、実施例のものに限られるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、実施例では、第1搬送ラインとして第1〜第3出荷ラインの3つの搬送ラインを設けるようにしたが、第1搬送ラインを2つまたは4つ以上設けることも可能である。また、第1搬送ラインの配置に関しても、実施例に示す配置に限定されるものではなく、選択搬送装置を中心に放射状に配置したり、上下に位置するよう配置することもできる。更に、実施例では、第2搬送ラインとして1つの出荷ライン(すなわち第4出荷ライン)のみを設けたが、第1搬送ラインの設置数より少なくなるよう第2搬送ラインの設置数を設定すれば、第1搬送ラインからの搬送対象品を第2搬送ラインにまとめることができ、作業者が手作業により行なう場合に較べて、作業効率の向上や、作業ミスの低減、製造ライン全体の大型化を防止等の効果が得られる。また、前記第1搬送ラインおよび第2搬送ラインとしては、実施例に示すローラーコンベアタイプのものに限られるものではなく、搬送対象品の搬送および搬送停止を行ない得るものであれば、従来公知の各種搬送手段を採用し得る。なお、実施例では、前記第1搬送ラインで搬送する搬送対象品に付与されている識別情報として、出荷先情報と機種情報とを設けたが、これに限らず、任意の情報を含めることができ、また識別情報に含まれる順位情報の数としても1以上であれば任意数の順位情報を設けることができる。
【0050】
更に、実施例では、複数の第1搬送ラインから搬送対象品を受取り、受取った搬送対象品を第2搬送ラインへ送出す選択搬送手段として回転式の搬送手段を用いたが、これに限定されるものではなく、選択搬送手段を平行移動し得るよう構成することも可能である。例えば、複数の第1搬送ラインの下流端(すなわち読取位置)を上下に離間して配置した場合には、上下方向に移動可能な選択搬送手段とすることで、各第1搬送ラインの各下流端に選択的に接続して搬送対象品を受取り可能な受取り位置、および第2搬送ラインの上流端に接続して受取り位置で受取った搬送対象品を第2搬送ラインへ送出し可能な送出し位置に、該選択搬送手段を移動させることができる。同様に、複数の第1搬送ラインの下流端(すなわち読取位置)を左右に離間して配置した場合には、左右方向に移動可能な選択搬送手段をすることで、各第1搬送ラインに対応する受取り位置および第2搬送ラインに対応する送出し位置に選択搬送手段を移動することができ、実施例と同様の作用効果を得ることができる。なお、実施例に示すように、選択搬送手段として回転式の搬送手段を用いることで、上下移動や左右方向へ移動する搬送手段を用いた場合に較べて、各第1搬送ラインに対応する受取り位置および第2搬送ラインに対応する送出し位置の夫々へ、該選択搬送手段を効率的に移動し得る利点がある。
【0051】
なお、搬送ラインの制御態様に関しては、実施例のものに限定されるものではなく、各第1搬送ラインの第1読取手段が読取った識別情報と、記憶手段が記憶している識別情報とを判定手段が照合した際に、優先順位の最も高い順位情報が一致する場合には、それより下位の順位情報を、優先順位に従って上位から順次記憶手段が記憶している対応する順位情報と一致するか否かを照合し、より上位の順位情報が一致する識別情報を読取っている第1読取手段を設けた第1搬送ラインに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させ、優先順位の最も高い順位情報が異なる場合には、識別情報を読取っている第1読取手段を設けた第1搬送ラインの何れかに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させるようにすることができる。このように、優先順位の異なる順位情報に基づいて選択搬送手段を作動することで、実施例と同様に、優先順位の高いもの毎に搬送対象品をより細かくグループ化して仕分けすることができる。
【0052】
また、識別情報として1種類の情報のみを用いる場合であれば、判定手段での照合の結果、各第1搬送ラインに設けた第1読取手段が読取った識別情報の何れかが記憶手段が記憶している識別情報と一致する場合には、一致判定された第1読取手段を設けた第1搬送ラインに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させて該第1搬送ラインから搬送対象品を受取り、次いで選択搬送手段を送出し位置へ移動して搬送対象品を第2搬送ラインへ送出し、判定手段での照合の結果、各第1読取手段が読取った全ての識別情報の何れもが記憶手段が記憶している識別情報と一致しない場合には、識別情報を読取っている第1読取手段を設けた第1搬送ラインの何れかに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させて該第1搬送ラインから搬送対象品を受取り、次いで選択搬送手段を送出し位置へ移動して搬送対象品を第2搬送ラインへ送出すようにするだけでも、識別情報毎にグループ化して仕分けすることが可能である。
【0053】
また、搬送対象品としては、実施例のような各種部材が取付けられた遊技盤に限定されるものではなく、例えば遊技機としての完成品やその他遊技機製造に係る部材であれば、何れのものであっても採用することができる。殊に、出荷工程等で仕分け作業の対象となり得る遊技盤や完成した遊技機の場合には、搬送対象品を効率的に仕分けして搬送処理し得る利点がある。更に、遊技機としてはパチンコ機に限定されるものではなく、スロットマシン機やアレンジボール機、その他各種遊技機に関して本発明を採用することができる。なお、本発明は、検査作業を行なった搬送対象品を出荷工程へ向けて搬送する場合に限らず、遊技機製造ラインにおける搬送対象品の各種の搬送工程に適用することが可能である。
【0054】
〔付記〕
なお、本発明に係る遊技機製造ラインに関しては、以下に示す具体的構成に限定することも可能である。
(A) 請求項2記載の遊技機製造ラインに関し、前記搬送対象品(40)に付与されている識別情報は、優先順位の異なる複数の順位情報からなり、該順位情報に基づいて前記判定手段(34)が照合を行なうようにする。
このように、搬送対象品に付与されている識別情報として、優先順位の異なる複数の順位情報を設けることで、該優先順位に基づいて搬送対象品を仕分けすることができる。
なお、前記(A)に係る遊技機製造ラインに対しては、請求項4および請求項5に係る構成を付加することも可能である。
(B) 前記(A)に記載の遊技機製造ラインに関し、前記各第1読取手段(22,24,26)が読取った識別情報と、前記記憶手段(32)が記憶している識別情報とを前記判定手段(34)が照合した際に、
優先順位の最も高い順位情報が一致する場合には、それより下位の順位情報を、優先順位に従って上位から順次記憶手段(32)が記憶している対応する順位情報と一致するか否かを照合し、より上位の順位情報が一致する識別情報を読取っている第1読取手段(22,24,26)を設けた第1搬送ライン(10,12,14)に対応する受取り位置へ選択搬送手段(18)を移動させ、
優先順位の最も高い順位情報が異なる場合には、識別情報を読取っている第1読取手段(22,24,26)を設けた第1搬送ライン(10,12,14)の何れかに対応する受取り位置へ選択搬送手段(18)を移動させるようにする。
このように、優先順位の異なる順位情報に基づいて選択搬送手段を作動することで、優先順位の高いもの毎に搬送対象品をより細かくグループ化して仕分けすることができる。
なお、前記(B)に係る遊技機製造ラインに対しては、請求項4および請求項5に係る構成を付加することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例に係る遊技機製造ラインの搬出工程を概略で示す平面図である。
【図2】実施例に係る遊技機製造ラインの制御体系を示すブロック図である。
【図3】実施例に係る第1の回転式搬送装置を示す拡大図であって、(a)は第1受取り位置および送出し位置にある状態を示し、(b)は第2受取り位置および第3受取り位置にある状態を示す。
【図4】実施例に係る遊技機製造ラインの搬出処理を示すフローチャート図である。
【図5】実施例に係る遊技機製造ラインの搬出実行処理を示すフローチャート図である。
【図6】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図である。
【図7】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1出荷ラインの第1読取位置から第1の回転式搬送装置へ搬送対象品を移動した状態を示す。
【図8】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1の回転式搬送装置が受取った搬送対象品を第4出荷ラインへ送出した状態を示す。
【図9】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1出荷ラインの第1読取位置から第1の回転式搬送装置へ搬送対象品を移動した状態を示す。
【図10】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1の回転式搬送装置が受取った搬送対象品を第4出荷ラインへ送出した状態を示す。
【図11】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第2出荷ラインの第2読取位置から第1の回転式搬送装置へ搬送対象品を移動した状態を示す。
【図12】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1の回転式搬送装置が受取った搬送対象品を第4出荷ラインへ送出した状態を示す。
【図13】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1出荷ラインの第1読取位置から第1の回転式搬送装置へ搬送対象品を移動した状態を示す。
【図14】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1の回転式搬送装置が受取った搬送対象品を第4出荷ラインへ送出した状態を示す。
【図15】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第2出荷ラインの第2読取位置から第1の回転式搬送装置へ搬送対象品を移動した状態を示す。
【図16】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1の回転式搬送装置が受取った搬送対象品を第4出荷ラインへ送出した状態を示す。
【図17】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第3出荷ラインの第3読取位置から第1の回転式搬送装置へ搬送対象品を移動した状態を示す。
【図18】実施例に係る第1〜第3出荷ラインから第4出荷ラインへの搬送対象品の搬送態様を概略で示す説明図であって、第1の回転式搬送装置が受取った搬送対象品を第4出荷ラインへ送出した状態を示す。
【符号の説明】
【0056】
10 第1出荷ライン(第1搬送ライン)
12 第2出荷ライン(第1搬送ライン)
14 第3出荷ライン(第1搬送ライン)
16 第4出荷ライン(第2搬送ライン)
18 第1の回転式搬送装置(選択搬送手段)
22 第1読取センサ(第1読取手段)
24 第2読取センサ(第1読取手段)
26 第3読取センサ(第1読取手段)
28 第4読取センサ(第2読取手段)
30 制御手段
32 記憶手段
34 判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機として完成されるべき搬送対象品を搬送する複数の第1搬送ラインを有する遊技機製造ラインにおいて、
前記搬送対象品を所要の作業工程へ向けて搬送する第2搬送ラインと、
前記複数の第1搬送ラインの各下流端に選択的に接続して搬送対象品を受取り可能な受取り位置、および前記第2搬送ラインの上流端に接続して受取り位置で受取った搬送対象品を第2搬送ラインへ送出し可能な送出し位置の間を移動し得る選択搬送手段とからなる
ことを特徴とする遊技機製造ライン。
【請求項2】
遊技機として完成されるべき搬送対象品を搬送する複数の第1搬送ラインを有する遊技機製造ラインにおいて、
前記搬送対象品を所要の作業工程へ向けて搬送する第2搬送ラインと、
前記複数の第1搬送ラインの各下流端に選択的に接続して搬送対象品を受取り可能な受取り位置、および前記第2搬送ラインの上流端に接続して受取り位置で受取った搬送対象品を第2搬送ラインへ送出し可能な送出し位置の間で移動し得る選択搬送手段と、
前記各第1搬送ライン、第2搬送ラインおよび選択搬送手段の夫々の作動および作動停止を制御する制御手段と、
前記各第1搬送ラインの下流端に到来した搬送対象品に付与されている識別情報を読取る第1読取手段と、
前記第2搬送ラインまたは選択搬送手段に到来した搬送対象品に付与されている識別情報を読取る第2読取手段と、
前記第2読取手段が読取った識別情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶している識別情報を、前記各第1読取手段が読取った識別情報の夫々と照合する判定手段とを備え、
前記判定手段での照合の結果、前記各第1読取手段が読取った識別情報の何れかが前記記憶手段が記憶している識別情報と一致する場合には、一致判定された第1読取手段を設けた第1搬送ラインに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させて該第1搬送ラインから搬送対象品を受取り、次いで選択搬送手段を送出し位置へ移動して搬送対象品を第2搬送ラインへ送出し、
前記判定手段での照合の結果、前記各第1読取手段が読取った全ての識別情報の何れもが前記記憶手段が記憶している識別情報と一致しない場合には、識別情報を読取っている第1読取手段を設けた第1搬送ラインの何れかに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させて該第1搬送ラインから搬送対象品を受取り、次いで選択搬送手段を送出し位置へ移動して搬送対象品を第2搬送ラインへ送出すよう、前記制御手段が前記各第1搬送ライン、第2搬送ラインおよび選択搬送手段の夫々を作動制御すると共に、
前記第2読取手段が新たに識別情報を読取ったときには、前記記憶手段が記憶する識別情報を更新するようにした
ことを特徴とする遊技機製造ライン。
【請求項3】
前記記憶手段が記憶している識別情報と一致する識別情報を読取った第1読取手段が複数ある場合には、前記選択搬送手段の移動距離が最短となる第1搬送ラインに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させるようにした請求項2記載の遊技機製造ライン。
【請求項4】
前記選択搬送手段として、回転式の搬送手段を用いた請求項1〜3の何れかに記載の遊技機製造ライン。
【請求項5】
前記搬送対象品は遊技盤である請求項1〜4の何れかに記載の遊技機製造ライン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機として完成されるべき搬送対象品を搬送する複数の第1搬送ラインを有する遊技機製造ラインにおいて、
前記搬送対象品を所要の作業工程へ向けて搬送する第2搬送ラインと、
前記複数の第1搬送ラインの各下流端に選択的に接続して搬送対象品を受取り可能な受取り位置、および前記第2搬送ラインの上流端に接続して受取り位置で受取った搬送対象品を第2搬送ラインへ送出し可能な送出し位置の間を移動し得る選択搬送手段とからなる
ことを特徴とする遊技機製造ライン。
【請求項2】
遊技機として完成されるべき搬送対象品を搬送する複数の第1搬送ラインを有する遊技機製造ラインにおいて、
前記搬送対象品を所要の作業工程へ向けて搬送する第2搬送ラインと、
前記複数の第1搬送ラインの各下流端に選択的に接続して搬送対象品を受取り可能な受取り位置、および前記第2搬送ラインの上流端に接続して受取り位置で受取った搬送対象品を第2搬送ラインへ送出し可能な送出し位置の間で移動し得る選択搬送手段と、
前記各第1搬送ライン、第2搬送ラインおよび選択搬送手段の夫々の作動および作動停止を制御する制御手段と、
前記各第1搬送ラインの下流端に到来した搬送対象品に付与されている識別情報を読取る第1読取手段と、
前記第2搬送ラインまたは選択搬送手段に到来した搬送対象品に付与されている識別情報を読取る第2読取手段と、
前記第2読取手段が読取った識別情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶している識別情報を、前記各第1読取手段が読取った識別情報の夫々と照合する判定手段とを備え、
前記判定手段での照合の結果、前記各第1読取手段が読取った識別情報の何れかが前記記憶手段が記憶している識別情報と一致する場合には、一致判定された第1読取手段を設けた第1搬送ラインに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させて該第1搬送ラインから搬送対象品を受取り、次いで選択搬送手段を送出し位置へ移動して搬送対象品を第2搬送ラインへ送出し、
前記判定手段での照合の結果、前記各第1読取手段が読取った全ての識別情報の何れもが前記記憶手段が記憶している識別情報と一致しない場合には、識別情報を読取っている第1読取手段を設けた第1搬送ラインの何れかに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させて該第1搬送ラインから搬送対象品を受取り、次いで選択搬送手段を送出し位置へ移動して搬送対象品を第2搬送ラインへ送出すよう、前記制御手段が前記各第1搬送ライン、第2搬送ラインおよび選択搬送手段の夫々を作動制御すると共に、
前記第2読取手段が新たに識別情報を読取ったときには、前記記憶手段が記憶する識別情報を更新するようにした
ことを特徴とする遊技機製造ライン。
【請求項3】
前記記憶手段が記憶している識別情報と一致する識別情報を読取った第1読取手段が複数ある場合には、前記選択搬送手段の移動距離が最短となる第1搬送ラインに対応する受取り位置へ選択搬送手段を移動させるようにした請求項2記載の遊技機製造ライン。
【請求項4】
前記搬送対象品は遊技盤である請求項1〜の何れかに記載の遊技機製造ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−192082(P2006−192082A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6845(P2005−6845)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【特許番号】特許第3793897号(P3793897)
【特許公報発行日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】