説明

遊技機

【課題】信号線の数を削減することができると共に不正行為の発見を容易に行うことができる遊技機を提供する。
【解決手段】主基板10と副基板20との間での信号送信をICバス方式により行う。主基板10及び副基板20にはそれぞれ、双方向バスバッファ110が設けられる。この双方向バスバッファ110は、ICバスを構成する二つの双方向シリアルライン(SDA、SCL)をそれぞれ二つの片方向シリアルラインに分岐させるためのものである。主基板10に設けられた双方向バスバッファ110と副基板20に設けられた双方向バスバッファ110との間を、それらによって分岐された片方向シリアルラインの信号伝送方向が互いに一致するようにして、四つのシリアル線で接続している。これにより、主基板10と副基板20との間の接続は四つのシリアル線で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機等の遊技機に関し、特に、遊技機内の基板間における配線の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技機、回胴式遊技機等の遊技機は、主基板と、複数の副基板と、サブ制御基板と、画像表示部と、電飾表示部と、スピーカ部とを備えている。主基板は、主に遊技内容の制御や遊技媒体の払出の制御を行うものである。副基板は、主基板が行う制御を補助するためのものである。かかる副基板は、主基板とは異なる基板に形成されているが、機能上は主基板に属する基板である。具体的に、副基板は、遊技者による操作内容を検出し、その検出した信号を主基板に送信したり、遊技媒体の払出のためのモータの駆動を制御したりする。また、サブ制御基板は、主に遊技の演出を行うものである。すなわち、サブ制御基板は、主基板からの信号に基づいて遊技の演出内容を決定し、その決定した遊技の演出内容にしたがって画像表示部、電飾表示部及びスピーカ部を制御する。
【0003】
従来は、主基板と副基板との間、主基板とサブ制御基板との間の信号送信は、パラレル通信方式により行われている(例えば、特許文献1参照。)。また、この特許文献1では、サブ制御基板とサブ制御基板によって制御される周辺基板との間では、ICバス(Inter-Integrated Circuit Bus)を用いたシリアル通信方式により信号送信を行うことが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−164560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は、主基板と副基板との間、主基板とサブ制御基板との間の信号送信をパラレル通信方式で行っているため、副基板等の数が多い場合には、主基板と各副基板あるいはサブ制御基板との間を接続するための信号線の数が多くなり、遊技機の筐体内部が煩雑になってしまう。信号線の数が多くなれば、当然、製造コストがかさむという問題が生じる。一方、遊技機の筐体内部が煩雑になると、筐体内の視認性が悪くなるため、例えば、主基板に対して不正な配線が行われたり、主基板に不正手段が取り付けられたりした場合に、その発見が容易にできないという問題が生じる。
【0006】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、信号線の数を削減することができると共に不正行為の発見を容易に行うことができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明は、複数の集積回路素子を備えており少なくとも遊技内容の制御を行う主基板と、前記主基板とは別の基板を構成し、前記主基板が行う制御を補助するための副基板とを有し、前記主基板内の前記複数の集積回路素子間では、それらの集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する双方向シリアルバス方式により情報の伝送を行う遊技機であって、前記主基板及び前記副基板にはそれぞれ、前記双方向シリアルバス方式の伝送線を構成すると共に情報の双方向への逐次伝送を行う双方向シリアルラインを、片方向の逐次伝送を行う片方向シリアルラインに分岐させるためのバスバッファが備えられており、前記バスバッファの間を、情報の伝送方向が互いに一致するように片方向シリアルラインで接続したことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の遊技機は、前記副基板が複数の集積回路素子を備えており、前記副基板内の前記複数の集積回路素子間では、それらの集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する双方向シリアルバス方式により情報の伝送を行うことを特徴とするものである。
【0009】
更に、本発明の遊技機は、前記主基板が、遊技媒体を払出す制御を行う払出制御手段を更に備えていることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の遊技機は、前記副基板が複数備えられており、前記複数の副基板がそれぞれ、前記主基板との間で前記片方向シリアルラインにより接続されていることを特徴とするものである。
【0011】
更に、本発明の遊技機は、前記片方向シリアルラインが、前記主基板から前記副基板に情報を伝送する第一シリアルラインと、前記第一シリアルラインに伝送される情報の同期を得るためのクロック信号を伝送する第二シリアルラインと、前記副基板から前記主基板に情報を伝送する第三シリアルラインと、前記第三シリアルラインに伝送される情報の同期を得るためのクロック信号を伝送する第四シリアルラインとを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遊技機では、主基板及び副基板にはそれぞれ、双方向シリアルバス方式の伝送線を構成すると共に情報の双方向への逐次伝送を行う双方向シリアルラインを、片方向の逐次伝送を行う片方向シリアルラインに分岐させるためのバスバッファが備えられており、これらのバスバッファの間を、情報の伝送方向が互いに一致するように片方向シリアルラインで接続している。このため、遊技内容の制御を行う主基板と、この主基板が行う制御を補助するための副基板との間の接続をシリアル線で行うことができるので、信号線の数を大幅に減らすことができる。したがって、製造コストを削減することができると共に、ごみを出さない、作らないといった社会的要請に大きく貢献することができる。また、信号線の数を減らすことができるため、遊技機の配線構造を非常に簡素化することができるので、筐体内の視認性を高めることができる。この結果、たとえ主基板に対して不正な配線が行われたり、主基板に不正な手段が取り付けられたりしたとしても、かかる不正な行為の発見を容易に行うことができるので、不正行為の抑制を図ることができる。
【0013】
また、副基板が複数の集積回路素子を備えており、副基板内の複数の集積回路素子間では、それらの集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する双方向シリアルバス方式により情報の伝送を行うことにより、主基板と副基板との間の信号の伝送効率をより高めることができる。
【0014】
更に、主基板が、遊技媒体を払出す制御を行う払出制御手段を備えていることにより、本発明をスロットマシン等の回胴式遊技機に好適に適用することが可能である。
【0015】
また、副基板が複数備えられており、複数の副基板がそれぞれ、主基板との間で片方向シリアルラインにより接続されていることにより、遊技機の製造コストをさらに下げることが可能となる。
【0016】
更に、片方向シリアルラインが、主基板から副基板に情報を伝送する第一シリアルラインと、第一シリアルラインに伝送される情報の同期を得るためのクロック信号を伝送する第二シリアルラインと、副基板から主基板に情報を伝送する第三シリアルラインと、第三シリアルラインに伝送される情報の同期を得るためのクロック信号を伝送する第四シリアルラインとを備えることにより、主基板と副基板との間の信号線の数を大幅に減らしつつ確実な情報の伝送を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
【0018】
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、主基板10と、五つ副基板20A,20B,20C,20D,20Eと、第一回胴リール31aと、第二回胴リール31bと、第三回胴リール31cと、第一回胴リール駆動手段32a,第二回胴リール駆動手段32b,第三回胴リール駆動手段32cと、表示窓33と、メダル投入口34と、メダル放出口35と、メダル受皿36と、投入メダルセンサ41と、MAXベットボタン42と、一枚投入ボタン43と、スタートレバー44と、第一停止ボタン45aと、第二停止ボタン45bと、第三停止ボタン45cと、清算ボタン46と、ドアセンサ47と、払出メダルセンサ51と、払出用モータ52と、サブ制御基板60と、画像表示部71と、電飾表示部72と、スピーカ部73とを備える。
【0019】
主基板10は、主に遊技内容の制御やメダル(遊技媒体)の払出の制御を行うものである。主基板10には、CPU等、複数の集積回路素子が実装されている。そして、主基板10内の複数の集積回路素子の間では、双方向シリアルバス方式により情報の伝送が行われる。ここで、双方向シリアルバス方式とは、集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する方式である。特に、本実施形態では、双方向シリアルバス方式として、ICバス(Inter-Integrated Circuit Bus)方式を採用している。
【0020】
副基板20A,20B,20C,20D,20Eは、主基板10が行う制御を補助するためのものである。すなわち、副基板20A,20B,20C,20D,20Eは、主基板10とは別の基板に形成されているが、機能上は主基板10に属する基板である。例えば、各副基板20A,20B,20C,20D,20Eは、主基板10が遊技内容の制御やメダルの払出の制御を行う際に必要な信号を主基板10に送信したり主基板10から受信したりする。具体的に、これらの副基板の内容は、リール基板20A、操作部中継基板20B、中部基板20C、電源基板20D、払出基板(払出制御手段)20Eである。これらの副基板20A,20B,20C,20D,20Eには、複数の集積回路素子が実装されている。そして、それぞれの副基板20A,20B,20C,20D,20E内の複数の集積回路素子の間では、双方向シリアルバス方式により情報の伝送が行われる。この場合も、本実施形態では、双方向シリアルバス方式として、ICバス方式を採用している。
【0021】
一方、サブ制御基板60は、主に遊技の演出に関する制御を行うものである。このサブ制御基板60は、遊技の演出に関する制御を行うという点で、主基板10とは機能上、独立したものであり、したがって副基板20A,20B,20C,20D,20Eともその役割が全く異なる。サブ制御基板60は、主基板10からの信号に基づいて画像表示部71、電飾表示部72、スピーカ部73を制御する。
【0022】
リール基板20Aは、主基板10からの信号に基づいて、第一回胴リール駆動手段32a,第二回胴リール駆動手段32b,第三回胴リール駆動手段32cを制御するものである。第一回胴リール駆動手段32aは、第一回胴リール31aを駆動し、第二回胴リール駆動手段32bは、第二回胴リール31bを駆動し、そして、第三回胴リール駆動手段32cは、第三回胴リール31cを駆動する。ここで、各リール駆動手段32a,32b,32cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。第一回胴リール31a、第二回胴リール31b、第三回胴リール31cは、図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側に配設されている。各回胴リール31a,31b,31cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。
【0023】
また、回胴リール31a,31b,31cに対応する位置には、透明な表示窓33が設けられている。遊技者は、第一回胴リール31a,第二回胴リール31b,第三回胴リール31cの停止時において表示窓33からそれぞれの回胴リール31a,31b,31cに付された三つの図柄を目視することができる。
【0024】
操作部中継基板20Bは、所定の操作部から送られた信号を主基板10に送信したり、主基板10から送られた信号を所定の操作部に送信したりするものである。ここで、操作部には、例えば、投入メダルセンサ41、MAXベットボタン42、一枚投入ボタン43、スタートレバー44、第一停止ボタン45a、第二停止ボタン45b、第三停止ボタン45c、清算ボタン46、ドアセンサ47等が該当する。
【0025】
投入メダルセンサ41は、遊技者がメダルを投入するメダル投入口34の内部に設けられており、メダルがメダル投入口34に投入されたことを検出するものである。投入メダルセンサ41からの検出信号は操作部中継基板20Bを介して主基板10に送られる。
【0026】
MAXベットボタン42及び一枚投入ボタン43は、メダルを賭けてゲーム(遊技)を行う旨を指示するための遊技指示手段である。MAXベットボタン42は、メダルを三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンであり、また、一枚投入ボタン43は、メダルを一枚、二枚又は三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン43を一回押すことにより、メダルを一枚賭けてゲームを行うことが選択され、一枚投入ボタン43を二回押すことにより、メダルを二枚賭けてゲームを行うことが選択され、そして、一枚投入ボタン43を三回押すことにより、メダルを三枚賭けてゲームを行うことが選択される。すなわち、一枚投入ボタン43を三回押すことは、MAXベットボタン42を一回押すことと同じである。MAXベットボタン42が押されると、MAXベットボタン42が押された旨の信号が操作部中継基板20Bを介して主基板10に送られる。また、一枚投入ボタン43が押されると、一枚投入ボタン43が押された旨の信号が操作部中継基板20Bを介して主基板10に送られる。
【0027】
本実施形態では、三つの回胴リール31a,31b,31cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが六つ設定されている。すなわち、表示窓33の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓33の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓33の左下から右上に向かって延びるラインと、表示窓33の左部の真ん中から中央部の真ん中に向かって延び、その中央部の真ん中から右下に向かって延びるラインとである。メダルを何枚賭けるかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。メダルを一枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓33の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。メダルを二枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓33の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、メダルを三枚賭けてゲームを行う場合には、六つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール31a,31b,31cが停止したときに、六つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、所定数のメダルが払い出される。
【0028】
スタートレバー44は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。スタートレバー44が操作されると、スタートレバー44が操作された旨の信号(ゲーム開始信号)が操作部中継基板20Bを介して主基板10に送られる。主基板10は、ゲーム開始信号を受け取ると、三つの回胴リール31a,31b,31cの回転動作を開始する。
【0029】
第一停止ボタン45aは第一回胴リール31aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン45bは第二回胴リール31bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン45cは第三回胴リール31cの回転動作の停止を指示するためのものである。第一停止ボタン45aが押されると、第一停止ボタン45aが押された旨の信号が操作部中継基板20Bを介して主基板10に送られる。第二停止ボタン45bが押されると、第二停止ボタン45bが押された旨の信号が操作部中継基板20Bを介して主基板10に送られる。第三停止ボタン45cが押されると、第三停止ボタン45cが押された旨の信号が操作部中継基板20Bを介して主基板10に送られる。主基板10は、各停止ボタン45a,45b,45cが押された旨の信号を受け取ると、当該停止ボタンに対応する回胴リールの回転動作を停止する。こうして、三つの回胴リール31a,31b,31cが停止したときに、それらの回胴リール31a,31b,31cに付されている図柄が有効な入賞ライン上において特定の組合せとなると、役が成立し、例えば所定枚数のメダルが払い出されることになる。
【0030】
清算ボタン46は、現在のクレジット数に対応する数のメダルを放出することを指示するためのものである。清算ボタン46が押されると、清算ボタン46が押された旨の信号が操作部中継基板20Bを介して主基板10に送られる。主基板10は、清算ボタン46が押された旨の信号を受け取ると、電源基板20Dを介して払出基板20Eに所定の信号を送り、現在のクレジット数に対応する数のメダルをメダル放出口35から放出させる。また、メダル受皿36は、メダル放出口35から放出されるメダルを蓄積するための皿である。
【0031】
ドアセンサ47は、回胴式遊技機のドア部が開放状態にあることを検出するためのものである。ドアセンサ47はドア部が開放状態にあることを検出すると、ドア部が開放状態にある旨の信号を、操作部中継基板20Bを介して主基板10に送信する。主基板10は、かかるドアセンサ47からの信号に基づいてドア部が開放状態にあることを認識する。
【0032】
中部基板20Cには、払出数表示部21c、クレジット数表示部22cが設けられている。払出数表示部21cは、ゲームにおいて所定の役が成立したときに、その成立した役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。クレジット数表示部22cは、メダルのクレジット数を所定の範囲内で表示するものである。例えば、最大50枚までクレジット数を表示することができる。本実施形態では、払出数表示部21c及びクレジット数表示部22cとして、例えば、複数のLEDからなる表示装置を用いる。主基板10は、所定の信号を中部基板20Cに送信することにより、払出数表示部21c、クレジット数表示部22cを制御する。
【0033】
電源基板20Dは、外部の商用電源からの電力を主基板10等に供給するためのものである。払出基板20Eは、主基板10からの信号に基づいてメダルの払出を制御するためのものである。本実施形態では、払出基板20Eは、電源基板20Dに接続されており、したがって、電源基板20Dを介して主基板10と信号送信を行うことにしている。
【0034】
払出用モータ52は、メダル払出装置(不図示)を駆動するためのものである。具体的には、払出基板20Eが払出用モータ52にモータ駆動信号を送ると、払出用モータ52がメダル払出装置を駆動し、メダルが払い出されることになる。また、払出メダルセンサ51は、払い出されたメダルを検出するためのものである。払出メダルセンサ51は、メダルが一枚払い出される度に所定の信号を払出基板10に送出する。そして、払出基板10は、払出メダルセンサ51からの信号を、電源基板20Dを介して主基板10に送信する。これにより、主基板10は、メダルが何枚放出されたのかを認識することができる。
【0035】
画像表示部71は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技の演出を行うものである。画像表示部71としては、例えば液晶表示装置が用いられる。この画像表示部71の制御は、主基板10からの信号に基づいてサブ制御装置60により行われる。
【0036】
電飾表示部72は、多数のランプやLED等からなり、各種の遊技状態を報知したり、遊技の演出を行ったりする。この電飾表示部72の制御は、主基板10からの信号に基づいてサブ制御基板60により行われる。また、スピーカ部73は、音により遊技の演出を行うものである。スピーカ部73の制御は、主基板10からの信号に基づいてサブ制御基板60により行われる。
【0037】
本実施形態では、主基板10及び五つの副基板20A,20B,20C,20D,20Eの各基板内においては、複数の集積回路素子の間の信号送信がICバス方式により行われることから、主基板10及び五つの副基板20A,20B,20C,20D,20Eのうち、通信が行われる基板の間、すなわち、主基板10と各副基板20A,20B,20C,20Dとの間、及び副基板20Dと副基板20Eとの間での信号送信をシリアル通信方式により行うことにしている。このため、主基板10と各副基板20A,20B,20C,20Dとの間、副基板20Dと副基板20Eとの間をシリアル配線により接続する。特に、本実施形態では、かかるシリアル配線として、フィリップス社によって開発されたICバスを用い、上記の各基板の間ではICバス方式により信号の送信を行うことにする。
【0038】
Cバスは、一般に、二本のワイヤー(信号伝送線)からなる簡単な構造の双方向性バスである。すなわち、ICバスは、シリアル・データ・ライン(SDA)とシリアル・クロック・ライン(SCL)という二本のバス・ラインのみで構成される。このバス・ラインには、回路基板や集積回路素子(IC)等の複数のデバイスの並設が可能である。また、ICバスに接続されている各デバイスはそれぞれ固有のアドレスを持つので、その固有アドレスを用いることにより、ソフトウエアによる各デバイスのアドレス指定が可能である。更に、かかるICバスには、IC間相互の制御を効率よく行うことができ、ハードウエアの効率を最大限に引き上げ、回路の簡素化を図ることができるといった、さまざまな利点がある。
【0039】
ところで、回胴式遊技機やパチンコ遊技機等の遊技機については、不正行為を防止するという観点から、主基板の入出力ポートは、ソフト的にもハード的にも、信号の入出力方向が変えられるようなものではないことが望ましい。すなわち、主基板と副基板との間を接続する際に、入力線にも出力線にもなるような信号線を用いると、主基板に不正信号が入り易いという問題があるからである。したがって、単にICバスを用いて主基板と副基板との間の接続を行うのでは、ICバスが双方向性バスであることから、上記の不正防止の要求が満たされないことになってしまう。このため、本実施形態では、主基板10と各副基板20A,20B,20C,20Dとの間、副基板20Dと副基板20Eとの間の信号送信を行う場合に、以下に説明するように、基板間における各信号線の信号伝送方向が一方向となるように工夫を凝らしている。
【0040】
次に、主基板10と各副基板20A,20B,20C,20Dとの間の接続方法を詳しく説明する。図3は主基板10と副基板20との間の信号送信を行う場合にそれらの基板間における配線の接続方法を説明するための図である。図3において、符号「20」は副基板を代表的に示すために用いられる。尚、ここでは、主基板10と副基板20との間の接続方法のみを説明するが、副基板20Dと副基板20Eとの間の接続についても同じ方法を適用することができる。
【0041】
図3に示すように、主基板10及び副基板20の各々の入出力ポートには、双方向バスバッファ(P82B96)110を設けている。本実施形態では、かかる双方向バスバッファ110を、ICバスを構成する二つの双方向シリアルライン(SDA、SCL)をそれぞれ二つの片方向シリアルラインに分岐させるために用いる。
【0042】
いま、この双方向バスバッファ110について説明する。図4(a)は双方向バスバッファ110の構成を説明するための図、図4(b)はその双方向バスバッファ110に含まれるバッファの特性を説明するための図である。双方向バスバッファ110は、図4(a)に示すように、四つのバッファ111,112,113,114を有するICである。各バッファ111,112,113,114は、信号の方向性を規定する役割を果たすICである。すなわち、各バッファは、図4(b)に示すように、同図の左側から入力した信号を右側に送出するが、逆に、同図の右側から入力した信号を左側に送出することはない。この意味で、図4(b)においてバッファの左側を入力側、その右側が出力側と称している。双方向バスバッファ110においては、図4(a)に示すように、バッファ111の入力側とバッファ112の出力側とが接続され、バッファ113の入力側とバッファ114の出力側とが接続されている。そして、バッファ111の入力側(バッファ112の出力側)、バッファ111の出力側、バッファ112の入力側、バッファ113の入力側(バッファ114の出力側)、バッファ113の出力側、バッファ114の入力側にそれぞれ、入出力端子121,122,123,124,125,126が形成されている。このため、かかる双方向バスバッファ110を用いると、入出力端子121(又は124)から入力した信号は、入出力端子122(又は125)から外部に送出され、入出力端子123(又は126)から入力した信号は、入出力端子121(又は123)から外部に送出される。したがって、双方向バスバッファ110は、双方向シリアルバス方式の伝送線を構成すると共に信号の双方向への逐次伝送を行う双方向シリアルラインを、片方向の逐次伝送を行う片方向シリアルラインに分岐させる役割を果たすことができる。
【0043】
本実施形態では、このような双方向バスバッファ110を用いることにより、主基板10と副基板20との間を接続する各信号線の信号伝送方向が一方向となるようにしている。すなわち、主基板10に設けられた双方向バスバッファ110と副基板20に設けられた双方向バスバッファ110との間を、信号の伝送方向が互いに一致するように片方向シリアルラインで接続する。この点を詳しく説明する。図3に示すように、主基板10に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子121,124にそれぞれ、主基板10内のSDA,SCLを接続する。同様に、副基板20に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子121,124にそれぞれ、副基板20内のSDA,SCLを接続する。そして、主基板10に設けられた双方向バスバッファ110と副基板20に設けられた双方向バスバッファ110との間を、それらの双方向バスバッファ110,110によって分岐された片方向シリアルラインの信号伝送方向が互いに一致するようにして、四つのシリアル線で接続する。具体的には、主基板10に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子122と副基板20に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子123との間、主基板10に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子123と副基板20に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子122との間、主基板10に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子125と副基板20に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子126との間、主基板10に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子126と副基板20に設けられた双方向バスバッファ110の入出力端子125との間をそれぞれ、シリアル線を用いて接続する。これにより、主基板10と副基板20との間は四つのシリアル線により接続される。
【0044】
ここで、かかる四つのシリアル線(片方向シリアルライン)の各々を、図3に示すように、上側から順に、SDA_OUT(第一シリアルライン)、SDA_IN(第三シリアルライン)、SCL_OUT(第二シリアルライン)、SCL_IN(第四シリアルライン)と称することにする。例えば、シリアル信号を主基板10から副基板20に伝送する場合、データ信号はSDA_OUTを介して副基板20に送信され、SDA_OUTに伝送されるデータ信号の同期を得るためのクロック信号はSCL_OUTを介して副基板20に送信される。一方、シリアル信号を副基板20から主基板10に伝送する場合、データ信号はSDA_INを介して主基板10に送信され、SDA_INに伝送されるデータ信号の同期を得るためのクロック信号はSCL_INを介して主基板10に送信される。このように、本実施形態では、主基板10と副基板20との間を接続する四つのシリアル線の各々における信号の伝送方向を一方向とすることができる。
【0045】
また、かかる双方向バスバッファ110は、各基板10,20A,20B,20C,20D,20Eにおいて、当該基板が通信を行う一又は複数の他の基板に対応して設けられる。図1の例では、主基板10は四つの副基板20A,20B,20C,20Dと通信を行うので、主基板10には四つの双方向バスバッファ110が設けられる。各副基板20A,20B,20Cは主基板10とのみ通信を行うので、各副基板20A,20B,20Cには一つの双方向バスバッファ110が設けられる。副基板20Dは主基板10及び副基板20Eと通信を行うので、副基板20Dには二つの双方向バスバッファ110が設けられる。そして、副基板20Eは副基板20Dとのみ通信を行うので、副基板20Eには一つの双方向バスバッファ110が設けられる。
【0046】
尚、一般に、双方向バスバッファ110は、上述したような目的で使用されるものではない。図5は双方向バスバッファ110の一般的な使用方法を説明するための図である。一般に、双方向バスバッファ110は、接続する基板間の距離を長くする必要がある場合に使用される。このとき、図5に示すように、双方向バスバッファ110を各基板に設け、それらの双方向バスバッファ110,110の間を接続する信号線をツイストケーブルとする。これにより、長距離通信を行う場合であってもノイズに強くすることができる。このように、双方向バスバッファ110は、本来的には長距離通信を行う際に用いられるものであり、この点で、本実施形態の回胴式遊技機における双方向バスバッファの使用の目的・方法は特別なものであるといえる。
【0047】
また、本実施形態では、主基板10とサブ制御基板60との間では、パラレル通信方式により信号送信を行うことにしている。
【0048】
次に、主基板10及び副基板20の具体的な回路構成を説明する。図6は主基板10及び副基板20の具体的な回路構成の一例を説明するための図である。ここでは、説明を簡単にするため、図6においては、副基板として操作部中継基板20B及び中部基板20Cの二つだけを示している。以下では、主に、主基板10と操作部中継基板20B及び中部基板20Cとの間での信号送信を説明する。
【0049】
主基板10は、図6に示すように、CPU11と、バスコントローラ(シリアル−パラレル変換手段)12と、四つの双方向バスバッファとを有する。ここで、図6では、二つの双方向バスバッファ110a,110aのみを示している。CPU11は、例えば所定の操作部が操作されたときに、所定の信号を生成して所定の副基板20に送信することにより遊技内容の制御やメダルの払出の制御を行う。ここで、CPU11が生成する信号はパラレル信号である。バスコントローラ12は、CPU11が生成したパラレル信号をシリアル信号に変換して、双方向バスバッファ110a,110aに出力する共に、各副基板20から送られたシリアル信号をパラレル信号に変換して、CPU11に出力するものである。ここで、バスコントローラ12としては、ICバス対応のICが用いられる。バスコントローラ12と双方向バスバッファ110a,110aとの間は、ICバス・ライン(SDAとSCL)により接続されている。双方向バスバッファ110aは、操作部中継基板20Bとの通信に用いられるものであり、双方向バスバッファ110aは、中部基板20Cとの通信に用いられるものである。
【0050】
操作部中継基板20Bは、図6に示すように、二つの入出力エキスパンダ25b,26bと、一つの双方向バスバッファ110bとを有する。入出力エキスパンダ25b,26bと双方向バスバッファ110bとの間は、ICバス・ライン(SDAとSCL)により接続されている。入出力エキスパンダ25b,26bは、信号の入出力数を増すための専用のICである。ここでは、入出力エキスパンダ25b,26bとしてそれぞれ、8ビットの信号を入出力させることができるものを用いている。したがって、二つの入出力エキスパンダ25b,26bを設けたことにより、操作部中継基板20Bには合計16ビットの信号を入出力させることができる。具体的に、二つの入出力エキスパンダ25b,26bには、各操作部からの信号、すなわち、投入メダルセンサ41、MAXベットボタン42、一枚投入ボタン43、スタートレバー44、第一停止ボタン45a、第二停止ボタン45b、第三停止ボタン45c、清算ボタン46、ドアセンサ47からの各信号が入力する。ここで、図6では、各操作部の図示を省略している。また、各入出力エキスパンダ25b,26bは、入力した各信号をシリアル信号に変換して、双方向バスバッファ110bに出力する。各入出力エキスパンダ25b,26bと双方向バスバッファ110bとの間は、SDAとSCLにより接続されている。双方向バスバッファ110bは、主基板10との通信に用いられるものである。この双方向バスバッファ10bと主基板10の双方向バスバッファ110aとの間は、上述した方法により、四つのシリアル線を用いて接続されている。
【0051】
中部基板20Cは、図6に示すように、払出数表示部21cと、クレジット数表示部22cと、二つの入出力エキスパンダ25c,26cと、一つの双方向バスバッファ110cとを有する。ここで、図6では、払出数表示部21cとクレジット数表示部22cとを一つのブロックで示している。入出力エキスパンダ25c,26cは、上述した操作部中継基板20Bにおけるものと同様である。具体的に、払出数表示部21c及びクレジット数表示部22cには、二つの入出力エキスパンダ25c,26cからの各信号が入力する。各入出力エキスパンダ25c,26cと双方向バスバッファ110cとの間は、ICバス・ライン(SDAとSCL)により接続されている。双方向バスバッファ110cは、主基板10との通信に用いられるものである。この双方向バスバッファ10cと主基板10の双方向バスバッファ110aとの間は、上述した方法により、四つのシリアル線を用いて接続されている。各入出力エキスパンダ25c,26cは、主基板10から双方向バスバッファ110cを介して送られたシリアル信号をパラレル信号に変換して、払出数表示部21c及びクレジット数表示部22cに出力する。
【0052】
次に、本実施形態の回胴式遊技機において、主基板10と操作部中継基板20B及び中部基板20Cとの間での信号送信の処理手順について説明する。ここでは、特に、メダルの投入時に行われる信号送信の処理を説明する。
【0053】
遊技者がメダル投入口34からメダルを投入すると、投入メダルセンサ41は、メダルが投入された旨の信号を操作部中継基板20Bの入出力エキスパンダ25b,26bに送出する。図6に示すように、入出力エキスパンダ25b,26bは、その投入メダルセンサ41から送られた信号をシリアル信号に変換して、双方向バスバッファ110bに出力する。そのシリアル信号は、双方向バスバッファ110bと主基板10の双方向バスバッファ110aとの間を接続する所定の信号線(図6におけるSDA_IN、SCL_IN)を介して、双方向バスバッファ110aに送られる。そして、そのシリアル信号は、その双方向バスバッファ110aからバスコントローラ12に送られる。その後、バスコントローラ12は、その送られたシリアル信号をパラレル信号に変換し、CPU11に送出する。
【0054】
こうして、CPU11は、かかるパラレル信号を受け取ると、その信号の内容、すなわち、メダルが投入されたことを認識する。この場合、CPU11は、現在のクレジット数に1だけ加算し、その加算した数をクレジット数表示部22cに表示させるための信号(パラレル信号)を生成することになる。そして、CPU11がその生成したパラレル信号をバスコントローラ12に送ると、バスコントローラ12は、そのパラレル信号をシリアル信号に変換して、双方向バスバッファ110aに出力する。そのシリアル信号は、双方向バスバッファ110aと中部基板20Cの双方向バスバッファ110cとの間を接続する所定の信号線(図6におけるSDA_OUT、SCL_OUT)を介して、双方向バスバッファ110cに送られる。そして、そのシリアル信号は、その双方向バスバッファ110cから入出力エキスパンダ25c,26cに送られる。入出力エキスパンダ25c,26cは、そのシリアル信号をパラレル信号に変換し、その変換されたパラレル信号をクレジット数表示部22cに送る。これにより、クレジット数表示部22cには、現在のクレジット数に1だけ加算した数が、新たなクレジット数として表示される。
【0055】
本実施形態の回胴式遊技機では、主基板及び副基板の各基板内に、ICバスを構成する二つの双方向シリアルラインをそれぞれ二つの片方向シリアルラインに分岐させるための双方向バスバッファを設け、通信が行われる基板同士については、それらに設けられた双方向バスバッファの間を、片方向シリアルラインの信号伝送方向が互いに一致するようにして、四つのシリアル線で接続している。このため、通信が行われる基板同士の間の接続を四つのシリアル線で行うことができるので、信号線の数を大幅に減らすことができる。したがって、製造コストを削減することができると共に、ごみを出さない、作らないといった社会的要請に大きく貢献することができる。また、信号線の数を減らすことができるため、遊技機の配線構造を非常に簡素化することができるので、筐体内の視認性を高めることができる。この結果、たとえ主基板に対して不正な配線が行われたり、主基板に不正な手段が取り付けられたりしたとしても、かかる不正な行為の発見を容易に行うことができるので、不正行為の抑制を図ることができる。更に、ICバス方式により通信制御されるデバイスは固有のアドレスを有するため、基板間の接続がかかる固有のアドレスの指定によって行われるので、パラレル通信方式により基板の間の通信を行う場合に比べて、はるかにセキュリティを高めることができる。
【0056】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0057】
例えば、上記の実施形態において、主基板と副基板との間だけでなく、副基板と副基板との間の信号送信を本発明の配線接続構造により行うようにしてもよく、さらに、サブ制御基板とサブ制御基板によって制御される周辺基板との間の信号送信も本発明の配線接続構造により行うようにしてもよい。
【0058】
また、上記の実施形態では、本発明を、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、パロット機、パチロット機等と称される、遊技媒体としてパチンコ球を使用したスロットマシン遊技機に適用してもよい。更に、本発明をパチンコ遊技機に適用してもよい。
【0059】
更に、本実施形態では、図6に示すように、主基板10側に二つの双方向バスバッファ110a,110aを設け、主基板10の双方向バスバッファ110aと副基板20Bの双方向バスバッファ110bとの間、主基板10の双方向バスバッファ110aと副基板20Cの双方向バスバッファ110cとの間をそれぞれ、片方向シリアルライン(SDA_OUT,SDA_IN,SCL_OUT,SCL_IN)を介して接続した場合について説明したが、片方向シリアルラインはバス・ラインであり、接続デバイス毎に必ずしも専用の双方向バスバッファを使用する必要はない。例えば、主基板10には一つの双方向バスバッファ110aのみを設け、主基板10の双方向バスバッファ110aの片方向シリアルライン端子(図3に示す端子122,123,125,126)に片方向シリアルラインを接続し、その片方向シリアルラインを分岐させて、副基板20Bの双方向バスバッファ110bの片方向シリアルライン端子と副基板20Cの双方向シリアルバッファ110cの片方向シリアルライン端子とに接続することにより、主基板10、副基板20B、副基板20Cとの間のバス接続が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明したように、本発明の遊技機では、主基板及び副基板にはそれぞれ、双方向シリアルバス方式の伝送線を構成すると共に情報の双方向への逐次伝送を行う双方向シリアルラインを、片方向の逐次伝送を行う片方向シリアルラインに分岐させるためのバスバッファが備えられており、これらのバスバッファの間を、情報の伝送方向が互いに一致するように片方向シリアルラインで接続している。このため、遊技内容の制御を行う主基板と、この主基板が行う制御を補助するための副基板との間の接続をシリアル線で行うことができるので、信号線の数を大幅に減らすことができる。したがって、製造コストを削減することができると共に、ごみを出さない、作らないといった社会的要請に大きく貢献することができる。また、信号線の数を減らすことができるため、遊技機の配線構造を非常に簡素化することができるので、筐体内の視認性を高めることができる。この結果、たとえ主基板に対して不正な配線が行われたり、主基板に不正な手段が取り付けられたりしたとしても、かかる不正な行為の発見を容易に行うことができるので、不正行為の抑制を図ることができる。したがって、本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機等の遊技機に適用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図である。
【図2】その遊技機の概略ブロック図である。
【図3】主基板と副基板との間の信号送信を行う場合にそれらの基板間における配線の接続方法を説明するための図である。
【図4】(a)は双方向バスバッファの構成を説明するための図、(b)はその双方向バスバッファに含まれるバッファの特性を説明するための図である。
【図5】双方向バスバッファの一般的な使用方法を説明するための図である。
【図6】主基板及び副基板の具体的な回路構成の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0062】
10 主基板
11 CPU
12 バスコントローラ
20A リール基板
20B 操作部中継基板
25b,26b 入出力エキスパンダ
20C 中部基板
21c 払出数表示部
22c クレジット数表示部
25c,26c 入出力エキスパンダ
20D 電源基板
20E 払出基板
31a 第一回胴リール
31b 第二回胴リール
31c 第三回胴リール
32a 第一回胴リール駆動手段
32b 第二回胴リール駆動手段
32c 第三回胴リール駆動手段
33 表示窓
34 メダル投入口
35 メダル放出口
36 メダル受皿
41 投入メダルセンサ
42 MAXベットボタン
43 一枚投入ボタン
44 スタートレバー
45a 第一停止ボタン
45b 第二停止ボタン
45c 第三停止ボタン
46 清算ボタン
47 ドアセンサ
51 払出メダルセンサ
52 払出用モータ
60 サブ制御基板
71 画像表示部
72 電飾表示部
73 スピーカ部
110,110a,110a,110b,110c 双方向バスバッファ
111,112,113,114 バッファ
121,122,123,124,125,126 入出力端子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集積回路素子を備えており少なくとも遊技内容の制御を行う主基板と、前記主基板とは別の基板を構成し、前記主基板が行う制御を補助するための副基板とを有し、前記主基板内の前記複数の集積回路素子間では、それらの集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する双方向シリアルバス方式により情報の伝送を行う遊技機であって、
前記主基板及び前記副基板にはそれぞれ、前記双方向シリアルバス方式の伝送線を構成すると共に情報の双方向への逐次伝送を行う双方向シリアルラインを、片方向の逐次伝送を行う片方向シリアルラインに分岐させるためのバスバッファが備えられており、前記バスバッファの間を、情報の伝送方向が互いに一致するように片方向シリアルラインで接続したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記副基板は複数の集積回路素子を備えており、前記副基板内の前記複数の集積回路素子間では、それらの集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する双方向シリアルバス方式により情報の伝送を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記主基板は、遊技媒体を払出す制御を行う払出制御手段を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記副基板は複数備えられており、前記複数の副基板はそれぞれ、前記主基板との間で前記片方向シリアルラインにより接続されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の遊技機。
【請求項5】
前記片方向シリアルラインは、前記主基板から前記副基板に情報を伝送する第一シリアルラインと、前記第一シリアルラインに伝送される情報の同期を得るためのクロック信号を伝送する第二シリアルラインと、前記副基板から前記主基板に情報を伝送する第三シリアルラインと、前記第三シリアルラインに伝送される情報の同期を得るためのクロック信号を伝送する第四シリアルラインとを備えることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の遊技機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−15036(P2006−15036A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197596(P2004−197596)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)