説明

遊技機

【課題】 始動入賞口への遊技球の入賞確率や、飾り枠の下辺部上面での遊技球の動きに変化を持たせることができるとともに、始動入賞口への入賞に対する期待感を向上させることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 可変表示装置14の周囲に設けられた飾り枠13の下辺部13aにおける始動入賞口15の上方位置に可動自在に配置され、遊技球を始動入賞口に向けて誘導する遊技球誘導面25aが上面に形成された遊技球誘導部材25は、飾り枠13の下辺部13a上面26aを移動してきた遊技球が遊技球誘導面25aに乗り移る確率が高い第1の位置と、遊技球誘導面25aに乗り移る確率が前記第1の位置よりも低い第2の位置と、の間で可動自在に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示領域を形成する表示領域形成部材と、前記可変表示装置の下方に配置され、遊技球の通過により前記可変表示装置を変動表示させる始動領域と、を有する遊技盤を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として代表されるパチンコ機にあっては、一般的に可変表示装置の下方に配置された始動入賞口に打球が入賞することで前記可変表示部の表示状態が変化し、該可変表示装置の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者にとって有利となる特定遊技状態が発生するようになっている。
【0003】
この種のパチンコ機において、可変表示装置の可変表示部の周囲を囲むように設けられた飾り枠の下辺部に、電気的駆動手段により上下動する可動球受板が設けられ、該可動球受板が下降した状態で該可動球受板の前側部分の上面にパチンコ球が乗るとそのままの状態で保持され、この状態から可動球受板が上昇することで該可動球受板の前側部分の上面に沿ってパチンコ球が流下して始動入賞口へ入賞するようになっているもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−304302号公報(第3頁、第6−7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1にあっては、飾り枠の下辺部に設けられた可動球受板を上下動させてその前側部分の上面を前傾または後傾とすることによりパチンコ球が始動入賞口へ入賞しやすい状態と入賞しにくい状態とを交互に発生させるようになっているが、可動球受板の前側部分の上面が前傾または後傾のいずれの状態であっても、飾り枠の下辺部を流下するパチンコ球が可動球受板の前側部分の上面に乗り移るという動き(流れ)は常に同じで単調であったため、パチンコ機特有の興趣であるパチンコ球の動きの変化に欠けるといった問題があった。
【0006】
また、可動球受板の前側部分の上面でパチンコ球を受けたときの可動球受板の状態により、当該パチンコ球が始動入賞口に入賞するか否かの予測ができてしまうため、始動入賞口への遊技球の入賞に対する期待感が著しく損なわれてしまうといった問題を有していた。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、始動領域へ遊技球が誘導される確率や、表示領域形成部材の横辺部上面での遊技球の動きに変化を持たせることができるとともに、遊技球が始動領域を通過することに対する期待感を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
表示状態を変化させることが可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示領域を形成する表示領域形成部材と、前記可変表示装置の下方に配置され、遊技球の通過により前記可変表示装置を変動表示させる始動領域と、を有する遊技盤を備える遊技機において、
前記表示領域形成部材の左右方向に延びる横辺部における前記始動領域の上流位置に可動自在に配置され、遊技球を前記始動領域に向けて誘導する遊技球誘導面が上面に形成された遊技球誘導部材と、
前記遊技球誘導部材を可動させるための駆動手段と、
を備え、
前記遊技球誘導部材は、前記横辺部上面を移動してきた遊技球が前記遊技球誘導面に乗り移る確率が高い第1の位置と、該第1の位置よりも前記遊技球誘導面に乗り移る確率が低い第2の位置と、の間で可動自在に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技球誘導部材が第1の位置にあるときと第2の位置にあるときとで、遊技球誘導面上の遊技球が始動領域に誘導される確率だけでなく、表示領域形成部材の横辺部上面を移動してきた遊技球の動きが変わることで、表示領域形成部材の横辺部上面を移動する遊技球の動きが単調となるのを回避できるばかりか、遊技者は遊技球が遊技球誘導面に乗り移ることを期待するとともに、遊技球誘導面に遊技球が乗り移ってからも当該遊技球が始動領域に誘導されるか否かがわからないため、遊技球が始動領域を通過することに対する期待感を持続させることができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記遊技球誘導面の所定箇所に、該遊技球誘導面の下方に形成される遊技球誘導路に落下させるための落下領域が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技球誘導面にて誘導された遊技球が遊技球誘導路に落下することで、遊技球の動きにより変化を持たせることができる。
【0010】
本発明の請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機であって、
前記遊技球誘導路は、前記遊技球誘導面から前記落下領域より落下した遊技球が前記始動領域に誘導される確率が高い第1の遊技球誘導路と、前記第1の遊技球誘導路よりも前記始動領域に誘導される確率が低い第2の遊技球誘導路と、から構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技球が第1の遊技球誘導路または第2の遊技球誘導路のいずれに落下するかで、遊技球が始動領域を通過する確率が変わるため、遊技者の興味をより長く引きつけておくことができる。
【0011】
本発明の請求項4に記載の遊技機は、請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記落下領域は複数形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、いずれの落下領域から遊技球が落下するかが解らないため、遊技の興趣が向上する。
【0012】
本発明の請求項5に記載の遊技機は、請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記複数の落下領域は、前記第1の遊技球誘導路及び前記第2の遊技球誘導路各々の上方に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者は第1の遊技球誘導路に落下する確率が高い落下領域から落下することを期待するため、遊技者の興味を十分に引きつけておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1には、本実施例に用いた遊技機であるパチンコ機1の正面図が示されており、該パチンコ機1は、図示しない基枠に対して開閉自在に設けられた前面枠2と、前面枠2の前面側上部に開閉自在に設けられたガラス扉枠3並びに前面板4と、から主に構成され、前面板4の前面には打球供給皿5が設けられているとともに、打球供給皿5よりも下方の前記前面枠2の下部位置には、打球供給皿5から溢れた遊技球としてのパチンコ球を貯留する余剰球受皿6と、打球を発射する打球操作ハンドル7とが設けられている。
【0015】
ガラス扉枠3の後面側には、図2に示すような遊技盤10が前面板4に着脱可能に取り付けられている。遊技盤10の前面には遊技領域11が設けられており、この遊技領域11の中央付近には、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報(特別図柄)が可変表示される表示領域を形成する可変表示部12を前面に備える液晶表示器と、該可変表示部12の周囲を囲むように設けられた表示領域形成部材としての飾り枠13と、からなる可変表示装置14が設けられている。また遊技盤10には、複数の入賞口や通過ゲート、始動領域を形成する始動入賞口15と可動片16とから構成された可変始動入賞球装置17、大当り状態において開成する開閉板18を備える可変入賞球装置19が設けられているとともに、遊技領域11の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口20が形成されている。
【0016】
打球操作ハンドル7の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打球は、打球レール21を通って遊技領域11に入り、その後、遊技領域11を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて前記遊技領域11に達しなかったパチンコ球は図示しない環流経路(図示略)を通じて余剰玉受皿6に環流されるようになっている。
【0017】
始動入賞口15にパチンコ玉が入賞すると、該入賞したパチンコ球が検出され、該検出に基づいて可変表示部12において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始する。そして、その後、例えば左、中、右の特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777や444)となった場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置19に設けられた開閉板18が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置19の大入賞口内に進入した打球が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って前記第2の状態から前記第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
【0018】
また、前記可変表示部12で可変表示された左、中、右の特別図柄が所定の確率変動図柄に一致した大当り図柄の組合せ(たとえば777や333)で停止表示される特別の表示態様となったときには、前記繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを、前記確率変動図柄以外(たとえば444や888)の「通常の大当り」と区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当りの発生に伴って大当り信号が外部に出力される。
【0019】
これら確率変動状態においては、確率変動状態であることが遊技効果ランプ等の点灯態様が確率変動状態に対応した態様に変更されることで報知されるとともに、次の大当りが発生するまでの間において、前記可変始動入賞球装置17に設けられた可動片16が遊技者にとって有利な第1の状態となる頻度が、前記可変表示部12に表示される普通図柄(図示略)の可変表示開始から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(例えば前記可変表示から停止表示までの時間が通常遊技状態において30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片16が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(通常遊技状態では0.5秒が3秒に延長)されることで、前記可変表示部12での可変表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、これら確率変動状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。
【0020】
これら確率変動状態中において発生した大当りが、再度、確率変動図柄による「確変大当り」である場合には、該大当り状態の終了後に再度確率変動状態となり、これら確率変動状態が該確率変動状態中において発生した大当りが「確変大当り」である場合に継続されることで大当り状態が連続して発生する連荘状態となる。
【0021】
また、確率変動状態中において発生した大当りが、前記確率変動図柄以外の「通常の大当り」であった場合には、該大当り状態の終了後には、前記確率変動状態とならずに、前記可変表示部12が可変表示動作を所定回数(例えば100回)行うまでの間、前記始動入賞口15に設けられた可動片16が、遊技者にとって有利な第1の状態に変化する頻度が向上する時短状態(普通有利状態)が発生する。
【0022】
これら時短状態における遊技者にとって有利な第1の状態である可動片16が開成状態となる頻度の向上は、前記確率変動中における可動片16の開成頻度の向上とほぼ同様に、前記可変表示部12に表示される普通図柄(図示略)の可変表示から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(例えば前記可変表示から停止表示までの時間が通常遊技状態において30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片16が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(通常遊技状態では0.5秒が3秒に延長)されることで、前記可変表示部12での可変表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、これら時短状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。
【0023】
これら本実施例に用いたパチンコ機1の構成を簡単に説明すると、該パチンコ機1には、前記可変表示部12の表示制御を行う表示制御基板(図示略)と、前記打球操作ハンドル7の操作に基づき打球供給皿5に払い出されたパチンコ玉を遊技領域11に発射する打球発射装置(図示略)の制御を行う発射制御基板(図示略)と、図示しない玉タンクに供給されたパチンコ玉の払出を実施する玉払出装置(図示略)に接続され、後述の遊技制御基板(図示略)から出力される賞球信号より入出力される各種信号に基づきパチンコ玉の払出制御を行うとともに、前記玉払出装置(図示略)から払い出された賞球数の情報を出力する賞球制御基板(図示略)と、遊技効果ランプ等の制御を実施するランプ制御基板(図示略)と、スピーカから出力される音声の制御を行う音声制御基板(図示略)と、前記大当り状態や前記時短状態や前記大当り状態或いは確率変動状態或いは時短状態のいずれかである非通常遊技状態を示す情報と、前記可変表示部12における可変表示回数を特定可能な情報や、打玉が前記可変始動入賞球装置17に入賞したことを示す特別始動領域通過情報、並びに各入賞口への入賞情報を、所定の信号形態にて出力する情報出力基板(図示略)と、これら各部の制御を実施する遊技制御基板(図示略)と、が設けられている。
【0024】
次に、前述した可変表示装置14の詳細な構造を、図2〜図7に基づいて説明する。なお、以下の説明においてはパチンコ機1の前面を正面から見た状態として説明する。可変表示装置14は、前述したように、可変表示部12を前面に備える液晶表示器と、該可変表示部12の周囲を囲むように形成された飾り枠13と、から主に構成されており、遊技盤10の略中央部に形成された開口(図示略)に嵌合された状態で装着されている。液晶表示器は前記表示制御基板(図示略)を介して前記遊技制御基板に接続されており、前述したような表示制御が行われるようになっている。
【0025】
本実施例における飾り枠13は、その前端が可変表示部12の表示面よりも前方に突出するように形成された合成樹脂材製の枠状部材からなり、特に該飾り枠13における左右方向に延びる下辺部13a(横辺部)は、その上面(内周面)にてパチンコ球が移動する移動通路となるステージとして形成されている。また、飾り枠13の右辺部13cは、可変表示部12の右側方に配置される後述する演出用構造物50(本実施例では手をモチーフにしているもの)を囲むように湾曲形成されている。なお、演出用構造物50の構造に関しては後述することとする。
【0026】
下辺部13aにおける前記始動入賞口15の上方位置、すなわち、下辺部13aにおける左右方向略中央位置には、上面に載置されるパチンコ球を下方に配置された始動入賞口15に向けて誘導する遊技球誘導面としての球誘導面25a(ステージ)が上面に形成された遊技球誘導部材としての昇降部材25が昇降(上下動)自在に設けられているとともに、該昇降部材25の左右側には、パチンコ球が移動自在な通路状に形成された前後2列の第1ステージ26a、26b並びに第2ステージ27a、27bが、それぞれ左右方向に延びるように形成されている。
【0027】
これら第1ステージ26a、26b並びに第2ステージ27a、27bは、それぞれ中央の昇降部材25を挟んで左右側に配置され、各ステージの上面は上向きに開口する円弧状に形成されており、後側、すなわち、可変表示部12側に配置された第1ステージ26a、26bは、その上面が前側の第2ステージ27a、27bの上面よりも高位置となるように形成され、第1ステージ26a、26bの上面と第2ステージ27a、27bの上面との間に所定高さの段差が形成されている。また、各ステージの上面には、前方に向けて傾斜する凹部が形成されており、ステージ上のパチンコ球が前方に落下しやすいようになっている。
【0028】
第1ステージ26a、26b並びに第2ステージ27a、27bのうち、左側の第1ステージ26aに関しては、飾り枠13の左辺部13bの内部に形成された上下方向を向くワープ通路28の下流側端部に形成された出口28bに連設されており、飾り枠13における左辺部13bの上部に形成されたワープ通路28の入口28aから流入してワープ通路28内を流下し、出口28bから流出したパチンコ球は第1ステージ26a上に流入するようになっている。つまり、ワープ通路28は、飾り枠13の外部を流下するパチンコ球を該飾り枠13内の第1ステージ26aに誘導する通路である。
【0029】
昇降部材25は、特に図3の拡大図に示されるように、上板30aと、該上板30aの左右端辺から下方に向けて垂設される左右側板30b並びに前板30cとから形成されており、互いに左右に離間配置された第1ステージ26a並びに第2ステージ27aと第1ステージ26b並びに第2ステージ27bとの対向端部間に形成された凹部内に昇降自在に設けられている。
【0030】
上板30aの上面に形成される球誘導面25aは、左右方向の中央位置から左右端に向けて上方に向けて傾斜する円弧面25bと、前方に向けて下方に傾斜する凹面25cと、から構成されており、複数個のパチンコ球が載置可能な左右幅を有している。凹面25cの前部には、球誘導面25a上のパチンコ球を該昇降部材25の下方に設けられる前後方向を向く3本の球誘導路31a〜31cのいずれかの誘導路上に落下させるための落下穴としての左右方向を向く長穴32が形成されている。長穴32は、3個のパチンコ球を同時に落下可能な左右幅を有しており、その下方に位置する3本の球誘導路31a〜31cにかかるように形成されている。
【0031】
また、前板30cは、昇降部材25が後述する下限位置に位置したときに、上向き略半円筒状に形成された球誘導路31a〜31cの前端部に位置し、各球誘導路31a〜31cを流下してきたパチンコ球が通過する3つの通過ゲートが構成されるようにアーチ状に形成されている。
【0032】
このように構成される昇降部材25は、前述したように、第1ステージ26a並びに第2ステージ27aと、第1ステージ26b並びに第2ステージ27bとの対向端部間に形成された凹部内に摺動自在に嵌装され、その左右の側板30bの外面と対向する前記第1ステージ26a、26b並びに第2ステージ27a、27bの垂直面(内面)により、球誘導面25aが前後左右方向に傾くことがないように、上下方向に案内されるようになっている。
【0033】
昇降部材25は、その後方に配置される駆動モータ35の駆動により昇降するようになっている。具体的に説明すると、駆動モータ35の駆動軸35aの先端には、周縁側に偏心軸35bが突設された円盤部材35cが固着されており、駆動軸35aの回転により偏心軸35bが駆動軸35aを中心として偏心回転するようになっている。該偏心軸35bは、図3に示されるように、駆動軸35aよりも下方に位置する状態において、昇降部材25の後面側に取り付けられるリンク部材36に形成された下向きに開口する半円形の摺接面36aと離間し、図4に示されるように、駆動軸35aよりも上方に位置する状態において、前記リンク部材36の摺接面36aに摺接し、昇降部材25を上昇及び下降させるようになっている。
【0034】
このように、駆動モータ35を駆動することで、偏心軸35bが駆動軸35a回りに回転することにより該回転がリンク部材36を介して昇降部材25に伝達され、昇降部材25が上昇または下降するようになっている。
【0035】
より詳しくは、昇降部材25は、駆動モータ35が駆動して偏心軸35bが駆動軸35a周りを回転することにより、図3に示されるように、球誘導面25aの左右端部が、前記第1ステージ26a、26bそれぞれの上面の内側端部と同じ高さ位置となる下降位置と、図4に示されるように、球誘導面25aの左右端部が、前記第1ステージ26a、26bそれぞれの上面の内側端部よりも高い位置となる上昇位置と、の間で昇降するように設けられている。なお、前述したように、第2ステージ27a、27bは第1ステージ26a、26bよりも低い位置に配設されているため、昇降部材25が前記下降位置に位置したとき、球誘導面25aの左右端部と該第2ステージ27a、27bそれぞれの上面の内側端部との間に段差が生じることになる。
【0036】
すなわち、遊技球誘導部材としての昇降部材25は、飾り枠13の下辺部13aに形成された第1ステージ26a、26bを移動してきたパチンコ球が球誘導面25aに乗り上がる(乗り移る)確率が高い第1の位置としての下降位置と、該下降位置よりも球誘導面25aに乗り上がる(乗り移る)確率が低い第2の位置としての上昇位置と、の間で可動(昇降)自在に設けられている。
【0037】
なお、本実施例においては、駆動モータ35の偏心軸35bが駆動軸35aの周りを1回転すると、昇降部材25は上下に1周期の昇降動作を行うようになっている。具体的には、本実施例における駆動モータ35はステッピングモータが使用されており、該駆動モータ35の1回転あたりのステップ数が480ステップであり、該駆動モータ35の1ステップの時間が0.008秒とされていることから、駆動モータ35の駆動軸35aが1回転するのに要する時間、すなわち、昇降部材25が上下に1周期の動作に要する時間は約3.840秒とされている。
【0038】
また、本実施例における昇降部材25は、駆動モータ35が常時駆動されていることから前記3.840秒をかけて上昇位置と下降位置との間で昇降するようになっているが、昇降部材25の昇降は常時行われていなくてもよく、例えば昇降動作と下降動作を所定時間おきに間欠的に行うようにしてもよい。この場合、上昇位置及び下降位置において所定時間停止することになる。また、上昇動作または下降動作自体を連続的でなく間欠的(例えば2秒ごとに10ステップずつ)に上昇または下降するようにしてもよい。
【0039】
次に、球誘導路31a〜31cは、前述したように前記長穴32の下方位置にそれぞれ前後方向を向いた状態で、左右方向に向けて並設されており、各誘導路面は前方に向けて若干下方に傾斜するように形成されている。これら球誘導路31a〜31cのうち、中央の球誘導路31aは、飾り枠13の下辺部13aにおける左右方向の略中央位置、すなわち、該飾り枠13の下方に配置される始動入賞口15の鉛直上方位置に配置されており、長穴32から球誘導路31a上に落下したパチンコ球が始動入賞口15の鉛直上方で落下するように誘導する。また、該球誘導路31aの左右に配設される球誘導路31b、31cは、落下したパチンコ球が始動入賞口15の左右側方の上方から落下するように誘導するようになっている。
【0040】
従って、パチンコ球が長穴32から球誘導路31a上に落下して該球誘導路31aにより誘導されて前端から落下した場合は、その鉛直下方に位置する始動入賞口15に高確率で入賞する(例えば入賞確率90%)。一方、パチンコ球が長穴32から球誘導路31bまたは31c上に落下して該球誘導路31b、31cにより誘導されて前端から落下した場合は、始動入賞口15に入賞することもあるが、球誘導路31aにより誘導された場合と比べて入賞する確率は極めて低くなる(例えば入賞確率10%)。
【0041】
すなわち、該球誘導路31aは、長穴32より落下したパチンコ球が始動入賞口15に入賞する確率が高い第1の遊技球誘導路を構成しており、また、球誘導路31b、31cは、中央の球誘導路31aよりも長穴32より落下したパチンコ球が始動入賞口15に入賞する確率が低い第2の遊技球誘導路を構成している。
【0042】
このように、本実施例における球誘導面25aは、該球誘導面25aに乗り上がったパチンコ球を始動入賞口15に向けて誘導するが、長穴32からいずれの球誘導路31a〜31c上に落下するかが振り分けられ、その落下状況によって入賞確率が異なるようになっているため、遊技者は入賞確率が高くなる球誘導路31a上に落下することを期待するようになる。
【0043】
次に、このように構成された飾り枠13の下辺部13aにおけるパチンコ球の動きを、図3及び図4に基づいて説明する。
【0044】
まず、例えば遊技領域11内に打ち出され、入口28aからワープ通路28内に流入してワープ通路28内を流下し、下端の出口28bから流出したパチンコ球は、ワープ通路28内を落下してきた勢いにより第1ステージ26a上における出口28b側から昇降部材25側に向けて転動する。
【0045】
このとき、図3に示されるように、昇降部材25が前記下降位置にある場合は、球誘導面25aの左側端部と第1ステージ26aの上面の内側端部とが同高さ位置となって、両者間に段差が生じていないため、ほとんどのパチンコ球は第1ステージ26aから球誘導面25a上に乗り上がる(乗り移る)ことになる。
【0046】
なお、出口28bから流出したパチンコ球のうち勢いがないものは、第1ステージ26a上において失速して前方の第2ステージ27a上に落下する。また、勢いが強すぎるものは、球誘導面25a上に乗り上がった後、凹面25cにより前方に向けて誘導されることなく通過して反対側の第1ステージ26bまで移動して、第2ステージ27b上に落下されることになる。
【0047】
上向き円弧状の第1ステージ26a上を乗り上がる際に若干失速して、球誘導面25a上に上手く乗り上がったパチンコ球は、凹面25cにより前方に誘導されて長穴32からその下方に並設されたいずれかの球誘導路31a〜31c上に落下される。つまり、昇降部材25が下降位置にあるときにおいて出口28bから流出されたほとんどのパチンコ球(例えば約80%)は球誘導面25a上に乗り上がって、始動入賞口15が配置される前方に向けて誘導される。
【0048】
次いで、中央の球誘導路31aに落下した場合は、その前端下方に配設された始動入賞口15に高確率(例えば入賞確率は約90%)で入賞するとともに、左右いずれかの球誘導路31b、31cに落下した場合は、中央の球誘導路31aにより誘導された場合に比べて始動入賞口15に入賞する確率が低くなる(例えば入賞確率は約10%)。
【0049】
また、図4に示されるように、昇降部材25が前記上昇位置にある場合は、球誘導面25aの左側端部と第1ステージ26aの上面の内側端部との間に段差が所定高さの段差が生じるため、ほとんどのパチンコ球は第1ステージ26aから球誘導面25a上に乗り上がることなく(例えば乗り上がる確率は1%)、該段差(側板30b)に衝突して第1ステージ26a上に戻され、ステージ上にて失速して前方の第2ステージ27a上に落下することになるため、始動入賞口15への入賞確率は、昇降部材25が下降位置にあるときよりも極めて低くなる。
【0050】
以上説明してきたように、本発明の遊技機としてのパチンコ機1にあっては、昇降部材25が下降位置にあるときと上昇位置にあるときとで、球誘導面25a上のパチンコ球が始動入賞口15に入賞する入賞確率が変化するばかりか、飾り枠13の下辺部13aに形成された第1ステージ26a上面を転動してきたパチンコ球の動きが変わることで、第1ステージ26a上面を転動するパチンコ球の動きが単調となるのを回避できる。
【0051】
具体的には、図3に示されるように、昇降部材25が下降位置にあるときは、第1ステージ26a上面を転動してきたパチンコ球は、第1ステージ26a上で失速して落下したり、球誘導面25a上に乗り上がったり、球誘導面25aを通過して反対側の第1ステージ26b側まで移動してしまったりすることになる。一方、図4に示されるように、昇降部材25が上昇位置にあるときは、第1ステージ26a上面を転動してきたほとんどのパチンコ球は、第1ステージ26aから球誘導面25a上に乗り上がることなく、球誘導面25aと第1ステージ26aの上面との間で形成された段差(側板30b)に衝突して第1ステージ26aに戻され、最終的に失速して第2ステージ27a上に落下することになる。このように、下辺部13aの上面である第1ステージ26a、26b並びに第2ステージ27a、27b、球誘導面25a上でのパチンコ球の動きが、昇降部材25が上昇位置にあるときと下降位置にあるときとで変わるため(図3、図4中におけるパチンコ球の流れを示す矢印参照)、ステージ上でのパチンコ球の動きに変化を生じさせることができる。また、遊技者は、パチンコ球が球誘導面25aに乗り上がることを期待して昇降部材25の昇降動作を注視するようになるとともに、球誘導面25aにパチンコ球が乗り上がってからも、当該パチンコ球が始動入賞口15に入賞するか否かがわからないため、始動入賞口15への入賞に対する期待感を、球誘導面25aにパチンコ球が乗り上がってからも持続させることができる。
【0052】
また、本実施例における昇降部材25の上板30aには、球誘導面25aの所定箇所に、該球誘導面25aの下方に形成される球誘導路31a〜31cに落下させるための長穴32が形成されていることで、球誘導面25aにて誘導されたパチンコ球が球誘導路31a〜31cに落下することで、パチンコ球の動きにより変化を持たせることができる。
【0053】
さらに、球誘導路31a〜31cは、球誘導面25aから長穴32より落下したパチンコ球が始動入賞口15に入賞する確率が高い第1の遊技球誘導路としての中央の球誘導路31aと、該球誘導路31aよりも始動入賞口15に入賞する確率が低い第2の遊技球誘導路としての球誘導路31b、31cと、から構成されていることで、パチンコ球が球誘導路31aまたは球誘導路31b、31cのいずれに落下するかで入賞確率が変わるため、遊技者の興味をより長く引きつけておくことができる。
【0054】
次に、前述した演出用構造物50の構造及び動きに関して、図5〜図7に基づいて簡単に説明する。
【0055】
本実施例における演出用構造物50は、人の手指をモチーフとして形成された構造物であり、親指51、人差し指52、中指53、薬指54、小指55の5本の可動部にて構成されており、通常時においてはいわゆるじゃんけんの「グー」の状態にて停止されている。そして、後述するパーモータ56が駆動することにより「パー」の状態に可動するとともに、チョキモータ57が駆動することにより「チョキ」の状態に可動するようになっている。
【0056】
図6(a)は親指、薬指、小指を閉じた状態を示す図であり、図6(b)は親指、薬指、小指を開いた状態を示す図であり、図7(a)は人差し指、中指を閉じた状態を示す図であり、図7(b)は人差し指、中指を開いた状態を示す図である。図6に示されるように、パーモータ56が駆動すると、該パーモータ56の駆動軸に直結されたギアAが回転するとともに、該ギアAに噛合されたギアB及びギアCが回転する。ギアBが回転すると、該ギアBに結合された薬指小指カム58が上下動し、薬指54並びに小指55が開閉動作を行う。また、ギアCが回転すると、親指リンク59を介して結合された親指カム60が上下に移動し、親指51が開閉動作を行うようになっている。また、図6(b)に示されるように、透過型フォトセンサ61の発光部から投光された光が、薬指小指カム58により遮断されると、薬指小指カム58の位置が特定されて、親指51、薬指54、小指55の位置が特定されるようになっている。
【0057】
また、図7に示されるように、チョキモータ57が駆動すると、該チョキモータ57の駆動軸に直結されたギアDが回転するとともに、該ギアDに噛合されたギアEが回転する。ギアEが回転すると、該ギアEに結合された人差し指中指カム62が上下動し、人差し指52並びに中指53が開閉動作を行う。また、図7(b)に示されるように、透過型フォトセンサ63の発光部から投光された光が、人差し指中指カム62により遮断されると、人差し指中指カム62の位置が特定されて、人差し指52、中指53の位置が特定されるようになっている。
【0058】
これらパーモータ56並びにチョキモータ57は、図示しない表示制御基板からの演出用駆動制御信号の出力に基づいて駆動されるようになっている。このように構成される演出用構造物50は、例えば可変表示部12にてリーチ状態が成立したとき等において、可変表示部12に演出用キャラクタ等を表示させ、該表示させた演出用キャラクタとじゃんけんをする演出を行い、該演出結果に応じて、前記可変表示部12の表示結果として前記特定遊技状態(大当り状態)の発生の契機となる特定表示結果が導出される確率が異なるようにすることで、遊技者に大当りの発生を期待させる演出等を行うことができる。
【0059】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0060】
例えば、前記実施例においては、昇降部材25の球誘導面25aからその下方に形成される球誘導路31a〜31cに落下させるための落下領域は、左右方向に延びる1つの長穴32にて形成されていたが、このような落下領域の形状や数量等は限定されるものではなく、例えばパチンコ球が落下可能であれば、穴ではなく切欠部等にて落下領域が形成されていてもよいし、また、図8に示される昇降部材25’のように、例えば第1の遊技球誘導路としての球誘導路31a及び第2の遊技球誘導路としての球誘導路31b、31cそれぞれの直上に形成される複数の穴32a〜32cにより構成されていてもよい。
【0061】
このようにすることで、遊技者は始動入賞口15に入賞する確率が高い球誘導路31aに落下する確率が高い穴32aから落下することを期待するため、遊技者の興味を十分に引きつけておくことができる。
【0062】
また、これら穴32a〜32cを、球誘導面25a上に凹設した円形凹部40内に形成するようにすれば、パチンコ球が球誘導面25aから円形凹部40内に落下したパチンコ球は該円形凹部40の周縁に沿って周回した後にいずれかの穴32a〜32cから下方に落下することになるため、球誘導面25a上におけるパチンコ球の動きに変化を持たせることができるばかりか、穴32aに落下することへの期待感を効果的に向上させることができる。
【0063】
また、前記実施例において、飾り枠13の下辺部13aにおける始動入賞口15の上方位置に可動自在に配置され、パチンコ球を始動入賞口15に向けて誘導する球誘導面25aが上面に形成された遊技球誘導部材としての昇降部材25は、第1ステージ26a上を転動してきたパチンコ球が球誘導面25aに乗り上がる確率が高い第1の位置である下降位置と、該下降位置よりも球誘導面25aに乗り上がる確率が低い第2の位置である上昇位置、の間で上下に昇降自在に設けられているものであったが、本発明にあっては、遊技球誘導部材は前記第1の位置と前記第2の位置との間で可動自在に設けられていれば、その可動は上下動(昇降)に限定されるものではなく、例えば図9に示される遊技球誘導部材41のように、1点を支点として左右方向に移動(揺動)するものであってもよいし、あるいは図10に示される遊技球誘導部材50のように、前後方向に移動自在に設けられていてもよい。
【0064】
これら変形例を具体的に説明すると、まず、図9に示される遊技球誘導部材41は、上面に上向き円弧状の球誘導面42aを形成する湾曲板42と、該湾曲板42の後端に取り付けられ、上端が前後方向を向く軸部材44により軸支された取付片43とからなり、この軸部材44を中心として湾曲板42が左右方向に揺動するようになっている。また、湾曲板42における左右方向の中央位置には落下穴45が形成されている。
【0065】
このように構成された遊技球誘導部材41にあっては、図9(a)に示されるような状態となると、左右の第1ステージ26a、26bの内側端部と湾曲板42の左右端部との間に段差が生じないことから、この水平位置が左右の第1ステージ26a、26b上のパチンコ球が乗り上がる(乗り移る)確率が高い第1の位置となる。なお、球誘導面42a上に乗り上がったパチンコ球は中央に形成された落下穴45から、始動入賞口15への入賞確率が高い球誘導部31a上に落下されることになる。
【0066】
また、図9(b)(c)に示されるような状態となると、一方が湾曲板42の下面により第1ステージ26aまたは26bからのパチンコ球の乗り上がりがブロックされるとともに、反対側においては湾曲板42との間に隙間が生じることから、この揺動位置が左右の第1ステージ26a、26b上のパチンコ球が乗り上がる確率が、前記第1の位置よりも極めて低い第2の位置となる。このように構成された遊技球誘導部材41にあっても、前述の昇降部材25と同様の作用・効果を奏することになる。
【0067】
図10に示される遊技球誘導部材70は、上面に球誘導面71bが形成された上板71aと、該上板71の左右端辺から垂設された側板71cとからなり、この左右の側板71cの下端が前後方向を向く凹条73内に摺動自在に嵌挿されており、前後移動自在に案内されている。
【0068】
このように構成された遊技球誘導部材70にあっては、図10(a)に示されるように後方に位置すると、左右の第1ステージ26a、26bの内側端部と上板71の左右端部との間に段差が生じないことから、この後方位置は左右の第1ステージ26a、26b上のパチンコ球が乗り上がる確率が高い第1の位置となる。なお、上板71b上に乗り上がったパチンコ球は球誘導面71bにより前端中央に案内され、始動入賞口15への入賞確率が高い球誘導部31a上に落下されることになる。
【0069】
また、図10(b)に示されるように前方に位置すると、左右の第1ステージ26a、26b間に遊技球誘導部材70がないことから、左右の第1ステージ26a、26b上のパチンコ球はそのまま端部から球誘導路31a〜31c上に落下する。なお、球誘導路31aの後部には隆起部72が設けられているため、ほとんどのパチンコ球は球誘導路31bもしくは31cにより誘導されることになる。すなわち、この前方位置は球誘導面71bが形成される上板71a上に乗り上がる確率が前記第1の位置よりも極めて低い第2の位置となる。このように構成された遊技球誘導部材70にあっても、前述の昇降部材25と同様の作用・効果を奏することになる。
【0070】
このように本発明においては、遊技球誘導部材は、第1の位置と第2の位置との間で可動自在に設けられていれば、その可動は前記実施例の昇降部材25のように上下に可動するものや、前記変形例のように揺動するもの、前後方向に水平移動するものに限定されるものではなく、例えば前後または左右に移動しながら上昇または下降するようになっていてもよく、これら全ての動きが可動自在に含まれる。
【0071】
また、本発明の遊技球誘導部材は、第1の位置である下降位置においてパチンコ球が乗り上がる確率が約90%であり、第2の位置である上昇位置で約5%であったが、これら確率は、第1の位置にあるときにおける乗り上がる確率よりも第2の位置にあるとき確率の方が低ければ任意に変更可能であり、例えば下降位置にあるときにおける乗り上がる確率が100%で、上昇位置にあるときにおける乗り上がる確率が0%であってもよい。
【0072】
また、遊技球誘導面としての球誘導面25aは、該球誘導面25a上に載置されたパチンコ球が始動入賞口15に向けて誘導されるようになっていれば、前記実施例のように誘導されたパチンコ球が100%の確率で始動入賞口15に入賞されるようになっていなくてもよいし、100%の確率で入賞するようにしてもよい。
【0073】
また、遊技球誘導部材は、第1の位置と第2の位置との間で可動自在とされていれば、例えば第1の位置と第2の位置との間の所定位置において一時停止するようにしてもよい。
【0074】
また、前記実施例においては、略四角枠状に形成された表示領域形成部材としての飾り枠13の下辺部13aの一部に遊技球誘導部材としての昇降部材25及びパチンコ球が移動自在な移動通路としての第1ステージ26a、26b、第2ステージ27a、27bが設けられていたが、これら昇降部材25や第1ステージ26a、26b、第2ステージ27a、27bは、飾り枠13における左右方向に延びる横辺部に設けられれば、該横辺部は飾り枠13の下部位置に形成される下辺部13aに限定されるものではなく、例えば飾り枠13の上下方向の略中央位置等に形成される横辺部等に設けられていてもよい。
【0075】
また、飾り枠13における左右方向に延びる横辺部は、前記実施例においては遊技球誘導部材としての昇降部材25の左右側に配設され、該横辺部(下辺部13a)それぞれの上面に第1ステージ26a、26b並びに第2ステージ27a、27bが形成されていたが、該横辺部は、昇降部材25の左側または右側のみに配設されていてもよい。つまり、配設位置を限定しない。
【0076】
また、前記実施例においては、駆動手段として駆動モータ35並びにリンク部材36にて構成されていたが、例えば電磁ソレノイド等により昇降させるようにしてもよい。
【0077】
また、前記実施例においては、始動領域は、パチンコ球の入賞により可変表示部12を可変表示させる始動入賞口15にて形成されていたが、パチンコ球の通過により可変表示部12を変動表示させるものであれば、例えば通過ゲート等により形成されていてもよい。
【0078】
また、前記実施例においては、可変表示装置として液晶表示器が適用されていたが、表示状態を変化させることが可能な表示装置であれば、例えばCRT、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス、ドットマトリックス表示や7セグメント表示器を利用したもの等、画像表示式のものであってもよいし、周面に図柄等が配列された回転ドラム等の機械式のものであってもよい。
【0079】
また、前記実施例においては、特別図柄(数字)を変動表示させることで表示状態を変化させる可変表示装置14が適用されていたが、表示状態を変化させることが可能であれば、数字や文字等の識別情報を変動表示させるものだけではなく、図形や模様等を変化させることが可能であるもの等も含む。
【0080】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0081】
本発明の請求項1は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(14)と、該可変表示装置の表示領域(可変表示部12)を形成する表示領域形成部材(飾り枠13)と、前記可変表示装置の下方に配置され、遊技球(パチンコ球)の通過(入賞)により前記可変表示装置を変動表示させる始動領域(始動入賞口15)と、を有する遊技盤(10)を備える遊技機(パチンコ機1)において、前記表示領域形成部材の左右方向に延びる横辺部(下辺部13a)における前記始動領域の上流(上方)位置に可動自在に配置され、遊技球を前記始動領域に向けて誘導する遊技球誘導面(球誘導面25a/42a/71b)が上面に形成された遊技球誘導部材(昇降部材25、遊技球誘導部材41、70)と、前記遊技球誘導部材を可動させるための駆動手段(駆動モータ35、リンク部材36)と、を備え、前記遊技球誘導部材は、前記横辺部上面(第1ステージ26a、26b上面)を移動(転動)してきた遊技球が前記遊技球誘導面に乗り移る確率が高い第1の位置(下降位置/水平位置/後方位置)と、該第1の位置よりも前記遊技球誘導面に乗り移る確率が低い第2の位置(上昇位置/揺動位置/前方位置)と、の間で可動自在に設けられている。
【0082】
本発明の請求項2は、前記遊技球誘導面(球誘導面25a)の所定箇所に、該遊技球誘導面の下方に形成される遊技球誘導路(球誘導路31a〜31c)に落下させるための落下領域(長穴32/穴32a〜32c)が形成されている。
【0083】
本発明の請求項3は、前記遊技球誘導路(球誘導路31a〜31c)は、前記遊技球誘導面(球誘導面25a)から前記落下領域(長穴32/穴32a〜32c)より落下した遊技球(パチンコ球)が前記始動領域(始動入賞口15)に誘導される確率が高い第1の遊技球誘導路(球誘導路31a)と、前記第1の遊技球誘導路よりも前記始動領域に誘導される確率が低い第2の遊技球誘導路(球誘導路31b、31c)と、から構成されている。
【0084】
本発明の請求項4は、前記落下領域(穴32a〜32c)は複数形成されている。
【0085】
本発明の請求項5は、前記複数の落下領域(穴32a〜32c)は、前記第1の遊技球誘導路(球誘導路31a)及び前記第2の遊技球誘導路(球誘導路32b、32c)各々の上方に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施例としてのパチンコ機を示す正面図である。
【図2】図1のパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図3】昇降部材が下降位置にあるときの可変表示装置の状態を示す斜視図である。
【図4】昇降部材が上昇位置にあるときの可変表示装置の状態を示す斜視図である。
【図5】可変表示装置に配置された演出用構造物を示す正面図である。
【図6】演出用構造物の一部の内部構造を示す分解斜視図である。
【図7】同じく演出用構造物の一部の内部構造を示す分解斜視図である。
【図8】遊技球誘導部材の落下穴の変形例を示す要部斜視図である。
【図9】同じく遊技球誘導部材の変形例を示す要部斜視図である。
【図10】同じく遊技球誘導部材の変形例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0087】
1 パチンコ機
10 遊技盤
12 可変表示部
13 飾り枠
13a 下辺部
14 可変表示装置
15 始動入賞口
25 昇降部材
25a 球誘導面
26a、26b 第1ステージ
27a、27b 第2ステージ
31a〜31c 球誘導路
32 長穴
41、70 遊技球誘導部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示状態を変化させることが可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示領域を形成する表示領域形成部材と、前記可変表示装置の下方に配置され、遊技球の通過により前記可変表示装置を変動表示させる始動領域と、を有する遊技盤を備える遊技機において、
前記表示領域形成部材の左右方向に延びる横辺部における前記始動領域の上流位置に可動自在に配置され、遊技球を前記始動領域に向けて誘導する遊技球誘導面が上面に形成された遊技球誘導部材と、
前記遊技球誘導部材を可動させるための駆動手段と、
を備え、
前記遊技球誘導部材は、前記横辺部上面を移動してきた遊技球が前記遊技球誘導面に乗り移る確率が高い第1の位置と、該第1の位置よりも前記遊技球誘導面に乗り移る確率が低い第2の位置と、の間で可動自在に設けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技球誘導面の所定箇所に、該遊技球誘導面の下方に形成される遊技球誘導路に落下させるための落下領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技球誘導路は、前記遊技球誘導面から前記落下領域より落下した遊技球が前記始動領域に誘導される確率が高い第1の遊技球誘導路と、前記第1の遊技球誘導路よりも前記始動領域に誘導される確率が低い第2の遊技球誘導路と、から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記落下領域は複数形成されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記複数の落下領域は、前記第1の遊技球誘導路及び前記第2の遊技球誘導路各々の上方に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−514(P2006−514A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181797(P2004−181797)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】