説明

遊技機

【課題】 木目細やかな制御を行なうことにより、遊技者への不利益の発生を防止することができる遊技機を提供する。
【解決手段】 RT状態中に、設定されたRTゲーム回数から実行済みのゲーム回数を差し引いた残ゲーム回数を導出し、当該残ゲーム回数をRTBゲーム回数に変更すると共に、RT状態中に内部抽選により所定の小役が当選した場合に、残ゲーム回数の変更を実行するか否かを決定する解除抽選を実行し、当該解除抽選による決定に基づいて残ゲーム回数の変更を実行する一方、残ゲーム回数が前記RTBゲーム回数未満である場合に、前記解除抽選の実行を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル、コイン、遊技球等を遊技媒体として使用するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機、特にパチスロ機では、所定数の遊技媒体を投入し、始動レバーを操作することで、当該遊技に対する役の当落抽選が実行されると共に、周面に複数の図柄が表示された複数列(一般的には3列)の図柄変動リール(表示装置)が回転することにより、所謂、図柄の変動表示を開始するようになっている。
【0003】
上述した始動レバーの操作によって回転を開始した図柄変動リールは、それぞれに対応して設けられた停止ボタンを遊技者が操作することで、ほぼ遊技者の意図する時期に停止される。
【0004】
ここで、前記始動レバーの操作時に、内部抽選が実行され当たり/外れが決められており、遊技者が停止ボタンにより各図柄変動リールの停止操作を行い、当該内部抽選に当選している場合に、当該当選に対応する図柄が揃った時点で入賞となり、権利行使がなされる。
【0005】
また、内部抽選の結果が外れの場合には、図柄変動リールは当選役に対応する図柄の組み合わせを表示しないように所謂すべり制御が実行されて停止される。
【0006】
なお、仮に内部抽選の結果が当たりであっても、図柄変動リールが当選役に対応する図柄で停止表示さなかった場合は、入賞とならず、上記権利行使はなされない。
【0007】
当たりには小役と大役とがあり、小役当選の権利行使は、予め設定された遊技媒体の配当が実行される。また、小役には再遊技(リプレイ)を含んでおり、リプレイの際には、当該遊技のために投入した遊技媒体と同等の配当がなされたものとみなして、新たに遊技媒体を投入することなく再遊技の権利が与えられる。
【0008】
一方、大役当選の権利行使は、当該役に対して予め設定された遊技媒体の配当が実行された後、上記通常遊技状態から所謂ボーナスゲーム(レギュラーボーナスとビッグボーナスとがある)と称される、所定回数の特別遊技状態に移行する。このボーナスゲームの内、第1の大役であるレギュラーボーナスでは、所定回数小役(リプレイ図柄を含む)の当選確率が飛躍的に高まる遊技状態となり、遊技者は、短期間で多くの遊技媒体を獲得することができる。また、第2の大役であるビッグボーナスでは、複数回(通常は最大30回)小役獲得遊技中に、前記レギュラーボーナスが複数回(通常は最大3回)組み合わされて構成される特別遊技により、遊技者はレギュラーボーナスよりも多量の遊技媒体を獲得することができる。
【0009】
すなわち、ビッグボーナスゲームは、レギュラーボーナスの実行回数が上限回数(3回)に到達すると、小役獲得遊技回数が上限回数(30回)に到達していなくても終了している。
【0010】
この種の遊技機では、内部抽選により大役が当選した場合に、所定条件が満たされるまでは当該大役の入賞を回避すると共に、内部抽選により当選した大役を順次ストックしておき、所定条件が満たされる毎に順次放出されて入賞可能となるように制御される、所謂ストック機がある。
【0011】
従来、通常モードのゲームでBB(ビッグボーナス)に当選すると、RTモード終了ゲーム数抽選部によりRTモードでのゲーム数を抽選して決定し、次回のゲームから決定されたゲーム数のRTモードに移行し、RTモードの終了後に内部当選しているBBを入賞させることができるようにする遊技機(ストック機)において、RTモード中にRTモードを終了させるか否かの抽選を行い、終了させることが決定された場合にRTモードを直ちに終了させるようにすることが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−299778公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、近年、予め設定されたゲーム回数だけRTゲームを消化するとRTモードを終了するようにすると共に、さらにゲーム性の幅を広げるために、RTモード中に内部抽選により所定小役に当選した場合に直ちにRTゲームを終了させずに、前記予め設定されたゲーム回数とは異なる所定数のRTゲームを消化した後にRTモードを終了させる技術も提案されている。これにより、所定小役に当選すると、まもなくRTモードが終了となる。
【0013】
しかしながら、このような技術によれば、RTモード中に内部抽選により所定小役に当選するタイミングによっては、遊技者に有利となるはずの機能が不利に働いてしまうことがある、という問題点があった。
【0014】
すなわち、内部抽選により所定小役に当選してから所定数(例えば10ゲーム)のRTゲームを消化した後にRTモードを終了させる場合、予め設定されたゲーム回数だけRTゲームを消化するまで残り5ゲームであった場合には、かえってRTモードを終了するまでのゲーム数が多くなってしまう。
【0015】
また、RTモードが終了する最後の短い回数(例えば5回)の遊技において複数回の遊技に跨って連続演出を実行し、RTモードの終了が近いことを報知するようなものもあり、当該連続演出の途中で上記機能によりRTモードが終了するまでのゲーム数が変更されてしまうと、連続演出が成り立たなくなってしまう、という問題点もあった。
【0016】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、木目細やかな制御を行うことにより、遊技者への不利益の発生を防止することができる遊技機を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1記載の発明は、遊技者の始動開始操作に基づいて複数の役の抽選を行い、当該抽選により当選した役を順次貯留する一方、所定の遊技回数の遊技が実行された場合に、順次貯留された前記役の権利行使を可能とする遊技機であって、前記所定の遊技回数の遊技の実行中に当該所定の遊技回数から実行済みの遊技回数を差し引いた残遊技回数を導出する導出手段と、前記残遊技回数を予め設定された特定回数に変更する変更手段と、前記所定の遊技回数の遊技の実行中に前記抽選により所定の役が当選した場合に、前記変更手段による前記残遊技回数の変更を実行するか否かを決定する変更抽選を実行し、当該変更抽選による決定に基づいて前記変更手段を制御する変更制御手段と、前記導出手段により導出された前記残遊技回数が前記特定回数未満である場合に、前記変更制御手段による前記変更抽選の実行を禁止する禁止手段と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項1記載の発明によれば、遊技者の始動開始操作に基づいて複数の役の抽選を行い、当該抽選により当選した役を順次貯留する一方、所定の遊技回数の遊技が実行された場合に、順次貯留された前記役の権利行使を可能とするに際し、前記所定の遊技回数の遊技の実行中に当該所定の遊技回数から実行済みの遊技回数を差し引いた残遊技回数が導出手段により導出され、前記残遊技回数が予め設定された特定回数に変更されると共に、前記所定の遊技回数の遊技の実行中に前記抽選により所定の役が当選した場合に、変更制御手段により前記変更手段による前記残遊技回数の変更を実行するか否か決定する変更抽選が実行され、当該変更抽選による決定に基づいて前記変更手段が制御される。これにより、遊技者は、役の権利行使が可能となるまで単に遊技数を消化するだけでなく、所定の役への当選及び当該当選による所定の遊技回数の変更を期待するようになり、さらに遊技趣向性が向上する。
【0019】
ここで、請求項1記載の発明によれば、前記導出手段により導出された前記残遊技回数が前記特定回数未満である場合に、前記変更制御手段による前記変更抽選の実行を禁止するようにしているので、残遊技回数が特定回数未満である場合には残遊技回数は変更されず、変更手段による残遊技回数の変更によって役の権利行使が可能となるまでの遊技回数が増加してしまうことがない。よって、木目細やかな制御を行うことにより、遊技者への不利益の発生を防止することができる。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記変更手段は、前記特定回数として予め設定された複数の回数から所定の選択確率で選択された何れかの回数を適用し、前記禁止手段は、前記変更抽選の実行を禁止する前記特定回数として、前記予め設定された複数の回数のうち最大の回数を適用することを特徴としている。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、特定回数として複数の回数が予め設定されている場合であっても、木目細やかな制御を行なうことにより、遊技者への不利益の発生を防止することができる。
【0022】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記役が遊技者に有利な遊技状態で遊技を実行可能な第1の大役及び複数回の当該第1の大役の権利行使が可能な第2の大役を含むことを特徴としている。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、遊技者にとって有利な遊技状態となるまでの遊技回数が増加することを防止できるので、遊技者への不利益の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明した如く本発明は、木目細やかな制御を行うことにより、遊技者に不利益を及ぼすことを防止することができる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1に示される如く、パチスロ機300は、本体302と、本体302の正面に設けられた開閉カバーとしての操作兼装飾部303とを備えて構成されている。
【0026】
操作兼装飾部303は、上から装飾部304、操作部306、払出部310とに分類することができる。
【0027】
装飾部304は、内部でバックライト部(図示省略)が点灯することで、印刷された絵や文字が透過照明される表示パネル部312が取り付けられている。また、装飾部304の一部として、前記装飾部304の上部には、立体的な装飾ランプ304Aも左右方向に設けられている。また、装飾ランプ304近傍には、演出用の音声等を再生するためのスピーカ305R、305Lが設けられている。
【0028】
装飾部304の表示パネル部312は、演出用の動画像を表示するための液晶表示装置313と、回胴表示図柄を表示するための表示窓314とを備えている。表示窓314は、前記表示パネル部312と一体成型される透明領域で構成されている。
【0029】
この表示窓314の内部には、3個の回胴リール350A、350B、350Cを主要部として構成された図柄変動部316が配設されている。
【0030】
また、表示窓314の下部には、このパチスロ機300の遊技媒体であるメダルの払出枚数を表示する7セグメント表示部315A、ジャックゲーム残回数や遊技状態の設定(6段階)表示等を行なう表示部315B、クレジット枚数を表示する7セグメント表示部315Cが設けられている。
【0031】
操作部306は、その上部が手前に突き出ており、この突き出し部分の上面(テーブル306A)の右端部にはメダル投入部320が設けられ、また、上面左端部からは順にクレジットの払い戻しをする際に押下操作される精算ボタン103、1枚ベット(投入)ボタン352A、マックスベット(最大投入)ボタン352Bが設けられている。また、突き出し部分の前面左端部からは、順に始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356C等が設けられている。
【0032】
払出部310は、メダル排出口326と、このメダル排出口326から排出されるメダルを受取る受け皿328とを備えている。
【0033】
3個のリール350A、350B、350Cは、回転することで図柄が順次前記表示窓314から見えるようになり、表示窓314の横並びの中央の行に停止した図柄が基本停止図柄ライン(有効ライン)となる。なお、この基本停止図柄は、1枚のメダルをベット(投入)した場合であり、最大1回のゲームで3枚のメダルをベットすることができ、この場合は、上行と下行に沿って停止している図柄、並びに2本の対角線上に停止している図柄が順次メダルの投資数に応じて組み合わせ停止図柄ライン(有効ライン)として採用されるようになっている。
【0034】
前記停止ボタン356A、356B、356Cは、図柄変動部316下部に設けられており、各リール350A、350B、350Cに対応している。すなわち、対応するそれぞれのリール350A、350B、350Cの回転を遊技者による停止ボタン356A、356B、356Cの操作で停止させることができる。
【0035】
また、この停止ボタン356A、356B、356Cの左側に設けられた始動レバー354を操作(傾倒)することで、各リール350A、350B、350Cが回転を開始するようになっている。なお、この回転は、通常は3個のリール350A、350B、350Cが同時に回転を開始するようになっている。
【0036】
さらに、この始動レバー354による操作タイミングは、後述する内部抽選のタイミングとなっており、当該始動レバー354の操作によって、当たり(役当選)/外れが決定するようになっている。
【0037】
図2には、上記パチスロ機300の動作を制御するための制御ブロック図が概略的に示されている。
【0038】
パチスロ機300の制御系は、主制御部100を中心に構成されており、この主制御部100には、メダル投入部320から投入されたメダルを識別し、メダルの投入数や種類(不正又は純正)等を出力するメダルセレクタ102が接続されると共に、始動レバー354、上述したリール350A、350B、350Cのそれぞれに対応する停止ボタン356A、356B、356C、MAXベットボタン352B、1枚ベットボタン352A並びに遊技を中止する際に遊技機内部に貯留(クレジット)したメダルを戻すための精算ボタン103が、それぞれ操作状態を検出する不図示のセンサ等を介して接続されている。
【0039】
また、主制御部100は、CPUを含んで構成される主制御回路110を備えており、主制御回路110には、主として遊技の進行状況等を一時的に記憶するRAM128と、各種プログラム等が記憶されたROM130と、が接続されると共に、主制御回路110の動作の基準となるクロックパルスを生成するクロックパルス発生回路124が分周器126を介して接続されている。
【0040】
また、主制御回路110には、乱数発生器120及び乱数サンプリング回路122が接続されている。主制御回路110は、分周器126を介して入力されたクロックパルスに同期して乱数発生器120を制御して順次乱数を発生させ、乱数サンプリング回路122では、当該乱数発生器120により発生された乱数を取得してサンプリングする。
【0041】
遊技機300では、始動レバー354による操作タイミングで大役、小役等の当落を決定する内部抽選が主制御部100により行われるようになっており、主制御回路110では、始動レバー354が操作されると上記乱数サンプリング回路122に対して、乱数の取得、サンプリング及び出力を指示し、これにより乱数サンプリング回路122から入力された乱数に応じて抽選結果を導出する。
【0042】
なお、内部抽選が当たり(役当選)の場合は、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作により当たり図柄が揃うと、遊技者は各図柄に応じた数のメダルを獲得できるほか、揃った図柄に応じて遊技者に有利な遊技状態となる。
【0043】
ここで、役には小役と大役とがある。このうち、大役にはビッグボーナス(以下、適宜「BB」という)及びレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」という)があり、それぞれに対応する遊技においては遊技者に対する有利さの度合いが異なる。RBに対応する遊技(以下、適宜「RBゲーム」という)は複数回の小役ゲームにより構成されており、BBに対応する遊技(以下、適宜「BBゲーム」という)は、その遊技状態中に、複数回のRBゲームを含んで構成されている。このため、当然、小役ゲームよりもRBゲームの方が、RBゲームよりもBBゲームの方が遊技者にとってより有利な遊技状態となる。
【0044】
また、主制御部100には、モータ駆動回路132が接続されており、当該モータ駆動回路132には、左(L)、中(C)、右(R)用の各リールモータ106A、106B、106Cを介してそれぞれ左、中、右の各リール350A、350B、350Cが接続されている。
【0045】
さらに、主制御部100には、3個のリール350A、350B、350Cの回転位置を検出するためのリール位置検出回路134が接続されており、主制御部100では、各リール350A、350B、350Cの位置を常時把握することができるようになっている。
【0046】
また、遊技機300では、上記始動レバー354による操作タイミングで図柄変動部316による図柄変動を開始するようになっており、主制御部100は、始動レバー354が操作されると、モータ駆動回路132を介したリールモータ106A、106B、106Cの駆動をそれぞれ開始し、3個のリール350A、350B、350Cをそれぞれ回転させると共に、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる操作に基づいて、3個のリール350A、350B、350Cの回転を停止させる。
【0047】
ここで、主制御部100では、上記停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる際、内部抽選の結果に応じて、所定コマ数の滑り制御を実行するようになっている。
【0048】
すなわち、内部抽選が外れのとき、当りの場合のみ停止する図柄の停止タイミングで停止ボタン356A、356B、356Cが操作された場合、意図的にこの図柄での停止を回避するため、停止位置をずらし(蹴飛ばし)、外れ図柄配列で停止するように制御する。
【0049】
また、内部抽選が当りのとき、遊技者が操作した停止タイミングでは当り図柄が停止しない場合でも、所定図柄数内であれば、意図的にこの当たり図柄が揃って停止するように停止位置をずらす(引き込み)制御を行う。
【0050】
上記蹴飛ばし、引き込みを行うことで、内部抽選の結果と遊技の結果との統一性を持たせることができると共に、若干停止操作タイミングがずれても当り図柄を揃えることが可能となることで、遊技者の取りこぼしを可能な範囲で防いでいる。
【0051】
また、主制御部100には、遊技機300内部に設けられたホッパー138を作動させるためのホッパー駆動回路136が接続されている。ホッパー138にはメダルが貯留されており、主制御部100では、リール位置検出回路134からの出力により特定された停止図柄に応じて、ホッパー駆動回路136を介したホッパー138からのメダルの払い出しが実行される。
【0052】
さらに、ホッパー138近傍には、ホッパー138から払出されるメダルを検出するメダル検出センサ140が配設されており、払出完了信号回路142を介して主制御部100に接続されている。払出完了信号回路142では、メダル検出センサ140からの検出信号に基づいて払出が完了したか否かが判定され、払出が完了したと判定された時点で払出完了信号が生成されて主制御部100に入力される。
【0053】
主制御部100では、払出完了信号回路142から払出完了信号が入力されるとホッパー駆動回路136を介してホッパー138によるメダルの払出しを終了する。
【0054】
さらに、主制御部100には、ランプ駆動回路144が接続されており、当該ランプ駆動回路144を介して前述した7セグメント表示部315A、表示部315B、7セグメント表示部315C及び有効化ライン等の表示ランプ146の点灯及び消灯を制御する。
【0055】
一方、主制御部100には、副制御部150が接続されており、主制御部100は副制御部150に対して、随時制御状態を示すコマンド信号を入力する。なお、本実施の形態では、主制御部100と副制御部150との間の通信としては、主制御部100から副制御部150に対する一方的な通信だけが実行され、副制御部150から主制御部100に対する通信は一切行うことができない構成となっている。
【0056】
副制御部150には、液晶制御回路152が接続されており、液晶制御回路152では、演出のために設けられた液晶表示装置(LCD)313の表示状態を制御する。
【0057】
また、副制御部150には、ランプ駆動回路182が接続されており、当該ランプ駆動回路182を介して装飾ランプ304Aに内蔵されているランプ112等の点灯を制御する。
【0058】
さらに、副制御部150には、スピーカ駆動回路180が接続され、スピーカ305L、305Rからの音声(効果音)出力を制御する。
【0059】
副制御部150では、主制御部100の遊技機300の制御状態に応じて、LCD313、スピーカ305及びバックライト184や装飾ランプ304Aに内蔵されたランプ112等による報知演出を実行する。
【0060】
図3は、本実施の形態に係る主制御部100における通常遊技制御のための制御系を機能的に示したブロック図である。
【0061】
主制御部100は、抽選部180を含んで構成されており、当該抽選部180には、始動レバー354が操作されたことを示す操作信号が入力されるようになっている。抽選部180は、所定数のメダルの投入(ベット)がなされた後の始動レバー354の操作をトリガとして、内部抽選を実行するようになっている。
【0062】
抽選部180では、始動レバー354の操作に同期して乱数値を取得し、当該乱数値をテーブル選択部182を経由して当選役・図柄決定部184へ送出する。
【0063】
テーブル選択部182には、抽選部180により取得され得る数値に対応する役・図柄を示す情報がパチスロ機300の遊技状態毎に記憶されたテーブルが格納されている。なお、パチスロ機300の遊技状態としては、例えば、通常遊技、BB内部当選中、RB内部当選中、BB作動時の通常遊技、BB作動時のRB内部当選中、RB遊技等があげられる。
【0064】
テーブル選択部182では、遊技状態制御部186から現在の遊技状態を示す情報を得て、上記遊技状態毎に設けられたテーブルから役・図柄を決定すべきテーブルを選択する。このテーブル選択部182で選択されたテーブルに基づいて、当選役・図柄決定部184は、当選役(小役(リプレイを含む)、大役(RB、BB))及び当選図柄を決定し、決定した当選役及び当選図柄を遊技状態制御部186に入力する。
【0065】
遊技状態制御部186には、パチスロ機300の遊技状態に応じた各種プログラムを示すデータが記憶された遊技プログラムメモリ188が接続されている。遊技状態制御部186は、主として遊技実行制御部186Aにより遊技プログラムメモリ188から遊技状態に応じた遊技プログラムデータを適宜読み出して実行することにより、遊技状態を制御するようになっている。
【0066】
なお、遊技プログラムメモリ188には、通常遊技プログラムを示すデータ及び大役遊技プログラムを示すデータがそれぞれ記憶されており、例えば、通常遊技状態の場合は、遊技プログラムメモリ188から通常遊技プログラムデータが読み出され、大役遊技状態の場合はBB、RBの内部当選状態、BB、RBの各遊技状態に応じて、大役遊技プログラムデータが読み出され、それぞれのプログラムデータに基づいて処理が実行される。
【0067】
一方、主制御部100は、リール駆動制御部194を含んで構成されており、始動レバー354の始動操作に基づき、前回の遊技の終了後、4.1秒を経過した後、モータ駆動部132を介してリールモータ106A、106B、106Cを駆動させてリール350A、350B、350Cの回転を開始する。
【0068】
また、リール駆動制御部194は、停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる停止制御を行う。
【0069】
また、リール350A、350B、350Cには、それぞれ位置検出センサ198A、198B、198Cが取り付けられており、リール位置検出回路134を介してリール駆動制御部194に接続されている。リール駆動制御部194では、リール350A、350B、350Cのそれぞれの回転位置を認識し、前記滑り制御を加味した状態でリール350A、350B、350Cを停止させると共に、停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列を遊技状態制御部186へ送出する。
【0070】
この停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列により、遊技状態制御部186では、何らかの役に入賞したか否かが確認され、入賞であれば所定の配当が行われると共に、リプレイであればリプレイ制御が実行され、大役であれば払出制御部150に所定の配当が行われた後、遊技実行制御部186Aにより大役遊技プログラムが遊技プログラムメモリ188から読み出されて実行される。
【0071】
なお、大役プログラムには、レギュラーボーナスゲームプログラム及びビッグボーナスゲームプログラムが、それぞれ別個に記憶されており、当選した大役に基づいて選択的に読み出されるようになっている。
【0072】
レギュラーボーナスプログラムでは、権利行使として小役の抽選確率が通常遊技中の抽選確率よりも高い状態で最高12回の遊技(最大遊技回数)を実行可能である。この12回の遊技の間で何らかの小役に最高8回当選(最大当選回数)すると、レギュラーボーナスゲームは終了する。
【0073】
一方、ビッグボーナスプログラムでは、権利行使としてレギュラーボーナスゲームが高確率で実行可能であり、当該レギュラーボーナスゲームの実行回数が予め設定された上限回数に到達した時点で、ビッグボーナスゲームは終了する。
【0074】
また、遊技状態制御部186には、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192が接続されており、上述した内部抽選の当選結果に応じた役の内部当選状態をフラグの状態を変化させることによって管理している。
【0075】
各フラグは、内部抽選により当選することにより成立し、一般に、小役のフラグの状態は1回の遊技で消滅(フラグ不成立)するが、大役のフラグの状態はその後各リール350A、350B、350Cが停止して表示窓314に大役図柄が所定の配列で表示されることにより大役に入賞するまで維持される。
【0076】
なお、フラグメモリ192は、上述したリール駆動制御部194に接続されており、当該フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態は、リール駆動制御部194による停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づく停止制御の際の引き込みまたは蹴飛ばしの滑り制御のパラメータとして適用される。
【0077】
また、遊技実行制御部186Aでは、内部抽選により当選した大役にすぐに入賞可能とするのではなく、所定条件を満たすまでは大役に入賞できないようにして、大役の内部当選時期と大役の放出時期とを異ならせるようにしている。
【0078】
これに伴ない、フラグ管理制御部190では、遊技中に内部当選した大役を順次貯留(ストック)していく。
【0079】
このため、フラグメモリ192には、ストック情報として内部当選した大役の個数がBB、RB毎に互いに異なる領域に記憶されるようになっている。フラグ管理制御部190では、内部抽選によって大役(RB、BB)に当選した場合には、当選した大役の個数を1個追加すると共に、遊技状態に応じて大役に入賞した場合は入賞した大役の個数を1個減らすようにストック情報が適時更新記憶されると共に、当該ストック情報に基づいて、次に放出する大役の種類が選択される。
【0080】
ここで、遊技実行制御部186Aでは、上述したように大役の内部当選時期と大役の放出時期とを異ならせるために、大役内部中(大役に内部当選している状態)の一般遊技において、特定の小役(リプレイ)が高確率で当選するリプレイタイム(RT)を予め設定された期間だけ設定するようにしており、大役内部中のRT設定一般遊技(以下では、「RTA状態」、「RTB状態」ともいう)では、後述するリール駆動制御部194によって上記大役が入賞できないような停止制御が行われるようになっている。一方、大役内部中のRT非設定一般遊技(RTが終了している状態)の場合には、大役に入賞可能な停止制御が実行される。
【0081】
また、本実施の形態では、大役内部中のRT設定一般遊技において、リプレイに当選した場合、リプレイに入賞可能な停止制御とリプレイに入賞不可能な停止制御とを所定の選択確率で選択して実行するようにしている。これにより、内部当選では高確率でリプレイが当選するが、実際にリプレイに入賞する確率はRT非設定時と同じになるようにしている。
【0082】
なお、大役内部中のRT設定一般遊技において当選したリプレイに入賞可能に制御するか否かについては、ゲーム性及び出玉率に応じて適宜設定されるものであるが、リプレイに当選しても入賞させないように停止制御を実行し、遊技者にはRT中か否かがわからないようにするのが一般的である。
【0083】
また、遊技実行制御部186Aにより遊技状態がRTA状態に設定される期間は、大役を放出する毎に異なり、当該期間はRTA状態での遊技回数(RTゲーム回数)として設定される。
【0084】
同図に示されるように、遊技状態制御部186には上記RTゲームの回数の設定を行うRTパラメータ設定部186Bが設けられており、当該RTパラメータ設定部186Bは遊技実行制御部186Aに接続されている。
【0085】
遊技実行制御部186Aでは、遊技状態を示す情報及びゲーム回数設定指示のRTパラメータ設定部186Bに対する出力が実行される。遊技状態を示す情報は、遊技状態の設定を行う毎に、ゲーム回数設定指示は、大役がストックされていない状態で大役に内部当選した場合、又は直前の大役に入賞してボーナスゲームに移行する際に大役のストックがある場合に、それぞれ出力される。
【0086】
ところで、本実施の形態では、RTA状態での内部当選役が所定の小役となり、かつRTA状態の残り期間に相当する残ゲーム回数が所定回数以上であった場合に、当該RTA状態の設定を解除するか否かの抽選(以下、RTA解除抽選という)を行ない、当該抽選によって当選した場合には、遊技状態を、遊技状態が上記RTA状態とされるよりも短期間だけ、上記RTA状態と同様内部抽選によって高確率でリプレイ小役が当選する状態(以下、RTB状態という)に設定するようにしている。
【0087】
また、本実施の形態では、RTA解除抽選及び遊技状態がRTB状態に設定される期間の設定は、RTパラメータ設定部186Bによって行われる。
【0088】
図4には、本実施の形態に係るRTゲーム回数の設定及びRTA状態の設定解除に関する機能ブロック図が示されている。同図に示されるように、遊技実行制御部186Aには、RTゲーム回数カウントメモリ20が設けられており、RTパラメータ設定部186Bにより設定されたゲーム回数が記憶されると共に、RTA状態又はRTB状態において1回のゲームが実行される毎に記憶されたゲーム回数を1回分減算するように適時記憶更新される。したがって、遊技状態としてRTA状態又はRTB状態の設定後に当該RTゲーム回数カウントメモリ20に記憶されているRTゲーム回数は、RTA状態又はRTB状態における残ゲーム回数になる。
【0089】
また、RTパラメータ設定部186Bは、ゲーム回数選択部10、解除抽選時期判定部11、RTA解除制御部15、RT抽選部16及び抽選テーブル18を含んで構成されている。なお、抽選テーブル18には、RTA用抽選テーブル18A、RTA解除抽選テーブル18B、RTB用抽選テーブル18Cがそれぞれ記憶されている。
【0090】
ゲーム回数選択部10には、RT抽選部16及び抽選テーブル18が接続されており、ゲーム回数選択部10では、上記RTA用抽選テーブル18A及びRTB用抽選テーブル18Cに基づく抽選によりRTA状態又はRTB状態を設定する期間の設定としてRTAゲーム回数又はRTBゲーム回数をそれぞれ設定する。
【0091】
また、解除抽選時期判定部11には、当選役判定部12及び残回数判定部14が含まれると共に、RTA解除制御部15に接続されている。当選役判定部12は遊技実行制御部186Aに接続されており内部当選役を示す情報が入力されるようになっており、当選役が予め設定された小役(本実施の形態では、チェリー又はスイカ)か否かを判定する。一方、残回数判定部14は上記RTゲーム回数カウントメモリ20に接続されており、残ゲーム回数が所定回数(本実施の形態では、10回)未満であるか否かを判定する。
【0092】
解除抽選時期判定部11では、入力されている遊技状態がRTA状態である場合、1回のゲームが実行される毎に当選役判定部12及び残回数判定部14によりそれぞれ内部当選役及び残ゲーム回数の判定を行い、予め設定された小役に内部当選し、かつ残ゲーム回数が所定回数未満でない場合に、RTA解除抽選を実行するタイミングであると判定し、RTA解除制御部15にRTA解除抽選の実行指示を入力する。
【0093】
RTA解除制御部15は、RT抽選部16及び抽選テーブル18に接続されており、解除抽選時期判定部11からRTA解除抽選の実行指示が入力されると、RT抽選部16を介して乱数が取得され、抽選テーブル18に記憶されたRTA解除抽選テーブルに基づいて内部当選した小役に応じた当選確率で当該RTA解除抽選による当落を決定する。
【0094】
また、RTA解除制御部15では、RTA解除抽選に当選した場合はRTA状態を解除するものと判断し、上記ゲーム回数選択部10に対してRTA解除指示を入力する。
【0095】
ゲーム回数選択部10では、RT抽選部16を介して乱数値を取得し、RTA用抽選テーブル18A又はRTB用抽選テーブル18Cを参照してRTAゲーム回数又はRTBゲーム回数を選択し、RTパラメータ設定部186Bでは、ゲーム回数選択部10により選択されたゲーム回数を遊技実行制御部186Aに対して設定する。
【0096】
なお、遊技実行制御部186Aからゲーム回数設定指示が入力された場合にはRTA用抽選テーブル18Aを用いてRTAゲーム回数が選択され、RTA解除制御部15からRTA解除指示が入力された場合には、RTB用抽選テーブル18Cを用いてRTBゲーム回数が選択される。
【0097】
遊技実行制御部186Aでは、RTゲーム回数カウントメモリ20に設定されたゲーム回数を更新記憶する。なお、遊技実行制御部186Aでは、RTゲーム回数カウントメモリ20の残ゲーム回数が「0回」でない場合にゲーム回数が設定された場合、RTA状態を解除するものと判断し、以後、設定されたゲーム回数に応じてRTB状態でのゲームが実行される。
【0098】
なお、本実施の形態におけるRTA状態が設定された状態での遊技が、本発明における「所定の遊技回数の遊技」に相当する。すなわち、RTA用抽選テーブルを参照して決定されるRTAゲーム回数が「所定の遊技回数」に、RTB用抽選テーブルを参照して決定されるRTBゲーム回数が「特定回数」に、それぞれ相当する。また、本実施の形態における「RTA解除抽選」が本発明の「変更抽選」に相当する。
【0099】
ここで、図5(A)には、本実施の形態に係るRTA用抽選テーブル18Aによる選択確率の一例が模式的に示されている。RTAゲーム回数は、1〜1192からランダムに選択されるようになっており、RTA用抽選テーブル18Aによれば、回数帯毎に選択確率が異なる。
【0100】
同図に示されるように、どの回数帯が選択されるかは遊技機300に対する1〜6の設定毎に異なり、例えば設定1においては、ゲーム回数が1〜64である確率は85/256となっており、当該回数帯のゲーム回数が最も選択される確率が大きいということがわかる。
【0101】
また、図5(B)には、RTA解除抽選テーブル18Bによる当選確率が模式的に示されている。同図に示されるように、RTA解除抽選が実行される小役(チェリー又はスイカ)の種類毎に当選確率が異なる。また、チェリーについては、左側のリール350Aのチェリー図柄が表示部314の中段に表示される場合と、左側のリール350Aのチェリー図柄が表示部314の上段又は下段に表示される場合と、でRTA解除抽選の当選確率を異ならせている。なお、同図に示す例では、上記設定1〜6に拘わらず中段にチェリーが揃う小役に当選した場合、RTA状態の設定が解除される確率が最も高い。
【0102】
さらに、図5(C)には、RTB用抽選テーブル18Cによる選択確率が模式的に示されている。同図に示されるように、RTB状態を設定する期間としてのゲーム回数は0回、1回、3回、5回、7回及び9回の何れかが設定されるようになっている。
【0103】
また、同図に示す例では、0回の選択確率が最も高くなっており、この場合はすぐに大役に入賞可能な状態となる。
【0104】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0105】
図6には、主制御部100による通常遊技状態処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、同図には、本発明に特に関連する処理のみが示されている。以下、同図を参照して、本実施の形態に係る通常遊技状態処理について説明する。
【0106】
まず、ステップ200では、ベット操作の完了待ちを行い、次のステップ202では、始動レバーの操作待ちを行う。
【0107】
すなわち、メダルがクレジットされている状態(或いは、メダル投入部320からメダルを投入した状態)で、1枚ベットボタン352A、またはマックスベットボタン352Bの操作によりメダルのベットが完了するか、或いは、メダル投入部320からメダルを投入することによりベットが完了すると、始動レバー354の操作が可能となる。
【0108】
次のステップ204では、内部抽選により当該遊技における役の当落を決定し、その後にステップ206に移行して、内部抽選の結果、大役に当選したか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は、ストック情報を更新する必要があるものと判断してステップ208に移行し、ストック情報更新処理ルーチンを実行した後にステップ210に移行する。
【0109】
また、上記ステップ206で否定判定とされた場合は、内部抽選の結果に応じて、必要であれば適宜各小役のフラグ管理情報を更新記憶した後に、ステップ210に移行する。
【0110】
ここで、図7には、上記ステップ208で実行されるストック情報更新処理ルーチンの処理の流れを示すフローチャートが示されている。以下、同図を参照して本実施の形態に係るストック情報更新処理について説明する。
【0111】
まず、ステップ240では、ストック情報を参照して大役のストックがあるか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合はステップ242に移行して、RTパラメータ設定部186BによりRTA用抽選テーブルを用いたゲーム回数の抽選を実行し、抽選により選択されたゲーム回数をRTゲーム回数カウントメモリ20に記憶して設定した後にステップ244に移行して、内部抽選によりリプレイに高確率で当選する遊技状態をRTA状態に設定し、その後にステップ246に移行する。
【0112】
一方、ステップ240で肯定判定となった場合は、上記ステップ206の大役当選に伴なうRTA状態でのゲーム回数の抽選及び設定をこの時点では行う必要がないと判断して、ステップ242及びステップ244の処理を実行することなくステップ246に移行する。
【0113】
ステップ246では、当選した大役がBBであったか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ248に移行して、BBのストック数に1を加算(インクリメント)して、その後に本ストック情報更新処理ルーチンを終了する。
【0114】
また、上記ステップ246で否定判定となった場合はステップ250に移行して、RBのストック数に1を加算した後に本ストック情報更新処理ルーチンを終了する。
【0115】
一方、図6のステップ210では、現在の遊技状態がRTA状態であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ212に移行して、RTA解除処理を実行し、その後にステップ226に移行する。
【0116】
また、ステップ210で否定判定となった場合は、ステップ212の処理を実行することなくステップ226に移行する。
【0117】
ステップ226では、現在の遊技状態がRTA状態又はRTB状態であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ228に移行して、RTゲーム回数カウントメモリ20に記憶されているゲーム回数を1回分減算してデクリメントし、その後にステップ230に移行してデクリメント後のRT実行回数が0か否かを判定する。
【0118】
ステップ230で肯定判定となった場合は大役が入賞可能な遊技状態にすべく、ステップ232に移行して遊技状態をボーナス内部中に設定し、その後にステップ214に移行する。一方、ステップ230で否定判定となった場合は遊技状態の設定を行うことなくRTA状態又はRTB状態としたままでステップ214に移行する。
【0119】
ここで、図8には、上記ステップ212で実行されるRTA解除処理ルーチンの処理の流れを示すフローチャートが示されている。以下、同図を参照して本実施の形態に係るRTA解除処理ルーチンについて説明する。
【0120】
まず、ステップ260では、内部抽選の結果、所定の小役に当選したか否かを判定し、チェリー又はスイカに当選した場合には当該判定が肯定判定となってステップ262に移行して、RTA状態での残ゲーム回数が10回以上か否かを判定する。RTゲーム回数カウントメモリ20に記憶されているゲーム回数を参照し、10回以上であれば、ステップ264に移行して、RTゲーム回数設定制御部10によりRTA解除抽選テーブル18Bを用いてRTA解除抽選を実行し、次のステップ266に移行する。
【0121】
ステップ266では、RTA解除抽選の結果が当選であったか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はRTA状態の設定を解除してRTB状態を設定するものと判断し、ステップ268に移行してRTパラメータ設定部186BによりRTB用抽選テーブルを用いたゲーム回数の抽選を実行し、抽選により選択されたゲーム回数に1回分加算したゲーム回数をRTゲーム回数カウントメモリ20に記憶して設定し、その後にステップ270に移行して、内部抽選によりリプレイに高確率で当選する遊技状態をRTB状態に設定し、その後に本RTA解除処理ルーチンを終了する。ここで、上記ステップ268の処理おいて選択されたゲーム回数に1回分加算するのは、当該RTゲーム回数の設定後、遊技を実行することなく上述したステップ228の処理によりRTゲーム回数をデクリメントしてステップ230の処理により遊技状態を変更するタイミングか否かを判定しているためであり、このようにすることにより、RTB用抽選テーブルで「0」回が選択されたときに、当該ゲームで(上述したステップ232の処理を実行することによって)大役を揃えられる状態にすることが可能となる。なお、上述したストック情報更新処理の上記ステップ242におけるRTゲーム回数の設定においても、選択されたゲーム回数に1回分加算して設定している。
【0122】
なお、主制御部100によりRTB状態が設定された場合、副制御部150では、RTA状態が設定されている場合よりもLCD313等を使用したボーナスの前兆演出等の実行頻度を多くする。これにより、遊技者に期待感を持たせてゲーム性の幅を広げている。
【0123】
一方、ステップ260、ステップ262及びステップ266の何れかで否定判定となった場合は、RTA状態の設定を解除することなく、本RTA解除処理を終了する。
【0124】
図6のステップ214では、リールの回転を開始し、その後にステップ216に移行して全てのリール350A、350B、350Cの回転停止待ちを行う。
【0125】
すなわち、主制御部100では、始動レバー354が操作されると、この操作と同時に当り/外れの抽選がなされると共に、リール駆動制御部194の制御により、リール350A、350B、350Cが回転を開始する。
【0126】
その後、遊技者が、停止ボタン356A、356B、356Cを操作すると、この停止操作によってリール350A、350B、350Cの回転を停止させるが、フラグメモリ192に記憶されている各種フラグの状態に応じて、滑り制御を加味して該当する図柄を所定位置に引き込むように、或いは所定位置から蹴飛ばすようにリール350A、350B、350Cの停止制御が実行される。すなわち、何れかのフラグが成立している場合には、的確な目押しタイミングによって当たり図柄を停止させることができる。また、多少の停止操作タイミングのずれは滑り制御によって矯正される。逆に、何れのフラグも成立していない場合には、目押しを行っても、リール350A、350B、350Cの回転に滑りを生じさせ、当り図柄では停止しないようにする。
【0127】
そこで、次のステップ218では、停止図柄が当り図柄か否かを判定する入賞判定が実行され、その後にステップ220に移行して、入賞判定の結果何れかの役に入賞したと判定されたか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は本通常遊技状態処理を終了する。
【0128】
一方、ステップ220で肯定判定となった場合はステップ222に移行して、入賞した役に応じて予め設定されている所定のメダルの払出制御を実行し、その後にステップ224に移行する。
【0129】
ステップ224では、入賞した役が大役であったか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は本通常遊技状態処理を終了する。
【0130】
一方、ステップ224で肯定判定となった場合には、ステップ234に移行して、ボーナスゲーム開始処理ルーチンを実行し、その後にステップ236に移行して、ボーナスゲーム処理を実行する。
【0131】
すなわち、大役に入賞したと判定された場合には、その停止図柄に従って、ビッグボーナス又はレギュラーボーナスのボーナスゲームを実行する(権利行使)。
【0132】
次のステップ238では、次回の大役のストックがあるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は上記ボーナスゲーム開始処理(ステップ234)によって設定されたゲーム回数だけRTA状態でゲームを行うべく、ステップ239に移行して遊技状態をRTA状態に設定し、その後に本通常遊技状態処理を終了する。
【0133】
一方、ステップ238で否定判定となった場合はRTA状態に設定しないものと判断し、ステップ239の処理を実行することなく本通常遊技状態処理を終了する。
【0134】
ここで、図9には、上記ステップ234で実行されるボーナスゲーム開始処理ルーチンの処理の流れを示すフローチャートが示されている。以下、同図を参照して、本実施の形態に係るボーナスゲーム開始処理について説明する。
【0135】
まず、ステップ280では、停止図柄に基づいてBB入賞か否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ282に移行して、BBのストック数をデクリメントし、その後にステップ286に移行する。
【0136】
一方、ステップ280で否定判定となった場合はステップ284に移行して、RBのストック数をデクリメントして、その後にステップ286に移行する。
【0137】
ステップ286では、ストック情報を参照して次回の大役のストックがあるか否かを判定する。大役のストックがある場合には当該判定が肯定判定となってステップ288に移行し、次のボーナスゲームまでの間に実行すべきRTゲーム回数を抽選により選択して設定し、その後に次のボーナスゲームの種類を選択すべく、ステップ290に移行して、ストック情報を参照してBBのストックがあるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ292に移行して、RBのストックがあるか否かを判定する。
【0138】
ステップ292で肯定判定となった場合は、BB及びRB共にストックがあると判断し、ステップ294に移行して大役種類を選択するための振り分け抽選を実行する。
【0139】
なお、当該振り分け抽選では、BBが当選する確率とRBが当選する確率の比率は、内部抽選により当選した大役がBBである確率とRBで有る確率との比率とほぼ同じ比率になるように設定されている。
【0140】
次のステップ296では、振り分け抽選の結果、BBが当選したか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ298に移行して、RTゲーム消化後の大役をBBに設定し、その後に本ボーナスゲーム開始処理ルーチンを終了する。
【0141】
一方、ステップ296で否定判定となった場合は、ステップ299に移行してRTゲーム消化後の大役をRBに設定し、その後に本ボーナスゲーム開始処理ルーチンを終了する。
【0142】
また、上記ステップ290で否定判定となった場合はRBのみストックがあるものと判断して、振り分け抽選を実行することなくステップ299に移行する。また、上記ステップ292で否定判定となった場合はBBのみストックがあるものと判断して、振り分け抽選を実行することなくステップ298に移行する。
【0143】
一方、上記ステップ286で否定判定となった場合は、大役はストックされていないので上記RTゲーム回数の抽選・設定等を実行する必要がないと判断し、そのまま本ボーナスゲーム開始処理ルーチンを終了する。
【0144】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、遊技者の始動レバー354による始動開始操作に基づいて複数の役の内部抽選を行い、当該内部抽選により当選した大役(RB、BB)を順次貯留する一方、所定の小役の当選確率を高くしたRT状態でのゲームが設定されたRTゲーム回数だけ実行された場合に、順次貯留された前記大役の権利行使(入賞及びボーナスゲーム)を可能とするに際し、RT状態中に、設定されたRTゲーム回数から実行済みのゲーム回数を差し引いた残ゲーム回数を導出し、当該残ゲーム回数をRTBゲーム回数に変更すると共に、RT状態中に内部抽選により所定の小役が当選した場合に、残ゲーム回数の変更を実行するか否かを決定する解除抽選を実行し、当該解除抽選による決定に基づいて残ゲーム回数の変更を実行する一方、残ゲーム回数が前記RTBゲーム回数未満である場合に、前記解除抽選の実行を禁止するようにしているので、残ゲーム回数がRTBゲーム回数未満である場合には残ゲーム回数は変更されず、ゲーム回数選択部10による残遊技回数の変更によって役の権利行使が可能となるまでのRTゲーム回数が増加してしまうことがない。よって、木目細やかな制御を行うことにより、遊技者への不利益の発生を防止することができる。
【0145】
さらに、残ゲーム回数がRTBゲーム回数未満である場合には、残ゲーム回数が変更されないようにしているので、残ゲーム回数が増えることがなくなる。これにより、無限にゲーム回数の変更が実行される可能性もなくなると共に、RTB状態におけるボーナスの前兆演出の効果を最大限に発揮させることができる。
【0146】
また、本実施の形態によれば、RTBゲーム回数として予め設定された複数の回数から所定の選択確率で選択された何れかの回数を適用すると共に、残ゲーム回数が前記RTBゲーム回数のうちの最大の回数未満である場合に解除抽選を禁止するようにしているので、RTBゲーム回数が複数の回数から選択される場合であっても、木目細やかな制御を行なうことにより、遊技者への不利益の発生を防止することができる。
【0147】
なお、本実施の形態における遊技機の構成(図1乃至図5参照)及び各処理の流れ(図6乃至図9のフローチャート参照)は一例であり、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0148】
例えば、本実施の形態では、RTB状態とするゲーム回数を0、1、3、5、7、9から選択する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、偶数から選択するか、奇数から選択するか又は偶数と奇数との双方から選択するかや、選択候補の数については、適宜設定し得る。
【0149】
なお、本明細書中では、「当選」は内部抽選による当選を「入賞」は当選した役が揃うことをそれぞれ示すように、「当選」と「入賞」とを使い分けている。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】実施の形態に係る遊技機の斜視図である。
【図2】実施の形態に係る遊技機の動作制御ブロック図である。
【図3】主制御部における通常遊技を主体とした制御系を機能的に示したブロック図である。
【図4】実施の形態に係るRTゲーム回数の設定及びRTA状態の設定解除に関する機能ブロック図である。
【図5】実施の形態に係るRTゲーム回数設定部で実行される抽選の抽選確率を模式的に示す図表であり、(A)はRTA用抽選テーブルによるゲーム回数の選択確率を、(B)はRTA解除抽選テーブルによる当選確率を、(C)はRTB用抽選テーブルによるゲーム回数の選択確率を、それぞれ示すものである。
【図6】実施の形態に係る主制御部で実行される通常遊技状態処理の処理の流れを示すフローチャートであり、本発明に特に関連する処理のみを示すものである。
【図7】実施の形態に係る主制御部で実行されるストック情報更新処理の処理の流れを示すフローチャートであり、本発明に特に関連する処理のみを示すものである。
【図8】実施の形態に係る主制御部で実行されるRTA解除処理の処理の流れを示すフローチャートであり、本発明に特に関連する処理のみを示すものである。
【図9】実施の形態に係る主制御部で実行されるボーナスゲーム開始処理の処理の流れを示すフローチャートであり、本発明に特に関連する処理のみを示すものである。
【符号の説明】
【0151】
10 ゲーム回数選択部(変更手段)
11 抽選時期判定部(禁止手段)
12 当選役判定部
14 残回数判定部
15 RTA解除制御部(変更制御手段)
16 RT抽選部
18 抽選テーブル
20 RTゲーム回数カウントメモリ
100 主制御部
150 副制御部
186 遊技状態制御部
186A 遊技実行制御部(導出手段)
186B RTパラメータ設定部
188 遊技プログラムメモリ
190 フラグ管理制御部
192 フラグメモリ
194 リール駆動制御部
300 パチスロ機
313 LCD
314 表示窓
352A 1枚ベットボタン
352B マックスベットボタン
354 始動レバー
350A、350B、350C リール
356A、356B、356C 停止ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の始動開始操作に基づいて複数の役の抽選を行い、当該抽選により当選した役を順次貯留する一方、所定の遊技回数の遊技が実行された場合に、順次貯留された前記役の権利行使を可能とする遊技機であって、
前記所定の遊技回数の遊技の実行中に当該所定の遊技回数から実行済みの遊技回数を差し引いた残遊技回数を導出する導出手段と、
前記残遊技回数を予め設定された特定回数に変更する変更手段と、
前記所定の遊技回数の遊技の実行中に前記抽選により所定の役が当選した場合に、前記変更手段による前記残遊技回数の変更を実行するか否かを決定する変更抽選を実行し、当該変更抽選による決定に基づいて前記変更手段を制御する変更制御手段と、
前記導出手段により導出された前記残遊技回数が前記特定回数未満である場合に、前記変更制御手段による前記変更抽選の実行を禁止する禁止手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記変更手段は、前記特定回数として予め設定された複数の回数から所定の選択確率で選択された何れかの回数を適用し、
前記禁止手段は、前記変更抽選の実行を禁止する前記特定回数として、前記予め設定された複数の回数のうち最大の回数を適用することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記役が遊技者に有利な遊技状態で遊技を実行可能な第1の大役及び複数回の当該第1の大役の権利行使が可能な第2の大役を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−6444(P2006−6444A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184762(P2004−184762)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)