遊技機
【課題】 遊技制御を行うマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく演出のバリエーションを増加させることで、遊技の興趣を向上させる。
【解決手段】 主基板11に搭載されたCPU103は、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数として決定した継続ラウンド回数を、第1表示装置4Aの表示制御を行うことにより特定可能に表示させる。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPUは、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたときに主基板11から送信された始動入賞コマンドに含まれるデータから継続ラウンド回数を特定し、特定した継続ラウンド回数などに基づいて第2表示装置4Bによる演出表示における表示態様を決定する。
【解決手段】 主基板11に搭載されたCPU103は、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数として決定した継続ラウンド回数を、第1表示装置4Aの表示制御を行うことにより特定可能に表示させる。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPUは、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたときに主基板11から送信された始動入賞コマンドに含まれるデータから継続ラウンド回数を特定し、特定した継続ラウンド回数などに基づいて第2表示装置4Bによる演出表示における表示態様を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、所定の演出を実行する演出手段と、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材により開閉される可変進入口を遊技者にとって不利な第1の状態から遊技者にとって有利な第2の状態とする始動動作を行う可変入賞装置と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段とを備え、始動動作を行っているときに可変進入口に進入した遊技媒体が特定検出手段によって検出されると、始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で可変進入口を第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数まで実行可能とする特定遊技状態を発生させるとともに、ラウンド中において可変進入口に進入した遊技媒体が特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
始動入賞口(始動チャッカー)に遊技媒体である遊技球(パチンコ玉)が入賞することで大入賞口を構成する開閉部材(いわゆる羽根部材)が開放し、大入賞口に進入した遊技球が可変入賞装置内の入賞空間を経由してVゾーン(特定領域)に飛び込むV入賞が生じると、大当り(特定遊技状態)になるパチンコ遊技機が知られている。この種の遊技機は、ヒコーキタイプ等と呼ばれることもある。特定遊技状態では、開閉部材を連続開放するラウンドが、所定のラウンド(開放サイクル)数に達するまで継続して行われる。
【0003】
また、V入賞が生じた場合には、内部抽選が行われ、抽選結果に応じてラウンド数(平均継続回数や最大継続回数など)が決定されるように構成されることがある。従来、こうした抽選結果に基づく表示を行うものや、最大継続回数を特定可能に表示するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
そして、各種の表示を行うための構成として、特別図柄用可変表示装置および飾り図柄用可変表示装置の2種類の装置を設け、遊技制御を行う制御回路において特別図柄用可変表示装置の表示結果を事前決定するとともに、当該事前決定結果に基づいて飾り図柄用可変表示装置の表示内容を決定してサブ側の表示制御基板にコマンドを送信するものが提案されている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−200252号公報
【特許文献2】特開平9−201457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術では、2つの可変表示装置において内部抽選結果に基づく表示を行う場合に、遊技制御を行うメイン側の制御回路において全ての表示内容を決定しているため、多数の乱数を更新する処理や表示内容を決定する処理などをメイン側の制御回路が実行しなければならず、また、所定時間(例えば2ms)毎に多数のコマンドを出力するものとなる。これにより、遊技制御を行うメイン側の制御回路における制御負荷が増大し、データの記憶領域も圧迫されることで、表示内容のバリエーションが限られたものになり、多様な演出を行うことが困難になるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技制御を行うマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく演出のバリエーションを増加させることで、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、所定の演出を実行する演出手段(例えば第2表示装置4Bやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9など)と、遊技媒体(例えば遊技球)が流下する遊技領域に設けられた始動領域(例えば始動入賞口6a〜6c)にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器41a〜41c)と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材(例えば開閉部材30a、30b)により開閉される可変進入口(例えば大入賞口31a、31b)を遊技者にとって不利な第1の状態(例えば開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを閉じた状態)から遊技者にとって有利な第2の状態(例えば開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを開成した状態)とする始動動作を行う可変入賞装置(例えば可変入賞装置5)と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域(例えばV入賞口35)に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器40)とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数(例えば15回)まで実行可能とする特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御処理(例えばステップS15の遊技制御プロセス処理)を実行する遊技制御マイクロコンピュータ(例えばROM101、RAM102、CPU103などを含んだ基本回路100)と、前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板(例えば主基板11)と、前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号(例えば演出制御コマンド)に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータ(例えば演出制御用CPU120やROM121、RAM122など)と、前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板12)と、前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段(例えばコネクタ61B、62Aや伝送方向規制回路13−1〜13−nなど)が設けられた中継基板(例えば信号中継基板13)と、前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段(例えば第1表示装置4A)と、前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段(例えば第2表示装置4B)とを備え、前記遊技制御マイクロコンピュータは、前記第1表示手段に設けられた発光体(例えば第1表示装置4Aにおける4箇所の発光位置にて発光可能なLEDモジュール)へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段(例えばCPU103がステップS209、S243、S244、S272、S335、S339、S384の処理を実行する部分など)と、所定条件が成立したとき(例えばステップS101にてYesと判定されたとき)に、数値データを更新する数値データ更新手段(例えば乱数回路104、及びCPU103がステップS13の乱数更新処理を実行する部分など)から数値データを抽出する数値データ抽出手段(例えばCPU103がステップS103の処理を実行する部分など)と、前記数値データ抽出手段によって抽出された数値データに基づいて、前記ラウンドの上限回数(例えば継続ラウンド回数)を複数種類のラウンドの実行回数(例えば「1」、「3」、「7」、「15」)のうちから決定するラウンド回数決定手段(例えばCPU103がステップS104の処理を実行する部分など)と、前記特定遊技状態が発生するときに、前記ラウンド回数決定手段によって決定された前記ラウンドの上限回数を前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行うラウンド回数報知制御手段(例えばCPU103がステップS243の処理を実行する部分など)と、前記ラウンド回数決定手段によって決定された前記ラウンドの上限回数を示す制御信号としてラウンド数信号を送信する制御信号送信手段(例えばCPU103がステップS110の処理を実行した後にステップS16のコマンド制御処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出制御マイクロコンピュータは、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データ(例えば演出表示制御データや画像データ)を記憶するデータ記憶手段(例えばROM121やCGROM124など)と、前記制御信号送信手段により送信されたラウンド数信号に基づき前記ラウンドの上限回数を報知する所定の演出表示(例えば図8(A)〜(F)に示す演出A−1や図8(G)〜(L)に示す演出B−1、図8(M)〜(R)に示す演出C−1、図9(A)〜(F)に示す演出A−2、図9(G)〜(L)に示す演出B−2、図9(M)〜(R)に示す演出C−2などの演出表示)を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS161〜S164の処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出表示制御手段は、前記ラウンド数信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS161の始動入賞時演出開始処理においてステップS426の処理を実行する部分など)を含む。
【0008】
請求項2に記載の遊技機において、前記ラウンド回数決定手段は、前記始動検出手段によって遊技媒体が検出されたとき(例えばステップS101にてYesと判定されたとき)に、前記ラウンドの上限回数を決定し、前記制御信号送信手段は、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出された旨を示す制御信号として特定入賞検出制御信号(例えば特定領域入賞コマンド)をさらに送信し(例えばCPU103がステップS308、S324の処理を実行した後にステップS16のコマンド制御処理を実行する部分など)、前記ラウンド回数報知制御手段は、前記特定検出手段によって遊技媒体が検出されたとき(ステップS301、S321にてYesの判定がなされたとき)に、前記ラウンドの上限回数を前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行い、前記演出態様決定手段は、前記制御信号送信手段により送信されたラウンド数信号にて示されるラウンドの上限回数に応じて異なる割合で前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を決定し(例えば演出制御用CPU120がステップS422にて設定した第1演出決定テーブル131AまたはステップS423にて設定した第2演出決定テーブル131Bを参照して、ステップS426にて演出態様を決定する)、前記演出表示制御手段は、前記演出態様決定手段によって選択された演出表示データに基づき前記第2表示手段における表示制御を行い、前記制御信号送信手段により送信された前記特定入賞検出信号を受信したとき(例えばステップS441にてYesと判定したとき)に、前記ラウンド数信号にて示された前記ラウンドの上限回数を報知する。
【0009】
請求項3に記載の遊技機において、前記演出表示制御手段は、前記ラウンドの上限回数よりも少ない実行回数を特定可能に報知する少数ラウンド報知演出を実行する制御を行う少数ラウンド報知演出制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS607にて図34に示す選択確率で表示結果を選択した後にステップS609の処理を実行する部分など)と、前記少数ラウンド報知演出制御手段により実行された少数ラウンド報知演出において報知された実行回数に達したとき(例えばステップS510にてYesの判定がなされたとき)に、さらにラウンドが継続可能である旨を報知する継続報知演出を実行する制御を行う継続報知演出制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS512の処理を実行する部分など)とを含む。
【0010】
上記目的を達成するため、本願の請求項4に記載の遊技機は、所定の演出を実行する演出手段(例えば第2表示装置4Bやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9など)と、遊技媒体(例えば遊技球)が流下する遊技領域に設けられた始動領域(例えば始動入賞口6a〜6c)にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器41a〜41c)と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材(例えば開閉部材30a、30b)により開閉される可変進入口(例えば大入賞口31a、31b)を遊技者にとって不利な第1の状態(例えば開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを閉じた状態)から遊技者にとって有利な第2の状態(例えば開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを開成した状態)とする始動動作を行う可変入賞装置(例えば可変入賞装置5)と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域(例えばV入賞口35)に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器40)とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数(例えば15回)まで実行可能とする特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御処理(例えばステップS15の遊技制御プロセス処理)を実行する遊技制御マイクロコンピュータ(例えばROM101、RAM102、CPU103などを含んだ基本回路100)と、前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板(例えば主基板11)と、前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号(例えば演出制御コマンド)に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータ(例えば演出制御用CPU120やROM121、RAM122など)と、前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板12)と、前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段(例えばコネクタ61B、62Aや伝送方向規制回路13−1〜13−nなど)が設けられた中継基板(例えば信号中継基板13)と、前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段(例えば第1表示装置4A)と、前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段(例えば第2表示装置4B)とを備え、前記可変入賞装置は、前記可変進入口に進入した遊技媒体を前記特定領域と前記特定領域とは異なる通常領域とに振り分ける振分け手段(例えば振分け部材32など)を含み、前記遊技制御マイクロコンピュータは、前記第1表示手段に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段(例えばCPU103がステップS209、S243、S244、S272、S335、S339、S384の処理を実行する部分など)と、前記振分け手段の状態を制御することにより、遊技媒体を前記特定領域に進入させる確率が高い高確率ラウンドと、高確率ラウンドに比べて遊技媒体を前記特定領域に進入させる確率が低い低確率ラウンドと、を含むラウンドのいずれかに制御する振分け制御手段(例えばCPU103がステップS262〜S267の処理を実行する部分など)と、前記振分け制御手段によって低確率ラウンドに制御されているときに、前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記振分け手段によって前記特定領域に振り分けられる割合が高められる変化タイミングを、前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行うタイミング報知制御手段(例えばCPU103がステップS335の処理を実行する部分など)と、前記変化タイミングを示す制御信号としてタイミング指示信号を送信する制御信号送信手段(例えばCPU103がステップS334の処理を実行した後にステップS16のコマンド制御処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出制御マイクロコンピュータは、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データ(例えば演出表示制御データや画像データ)を記憶するデータ記憶手段(例えばROM121やCGROM124など)と、前記制御信号送信手段により送信されたタイミング指示信号に基づき前記変化タイミングを報知する所定の演出表示(例えば図39(A)に示す演出Xや図39(B)に示す演出Y、図39(C)に示す演出Zなどの演出表示)を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS505〜S508の処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出表示制御手段は、前記タイミング指示信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS507の処理を実行する部分など)を含む。
【0011】
上記目的を達成するため、本願の請求項5に記載の遊技機は、所定の演出を実行する演出手段(例えば表示装置204Bやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9など)と、遊技媒体(例えば遊技球)が流下する遊技領域に設けられた始動領域(例えば始動入賞口6a〜6c)にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器41a〜41c)と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材(例えば開閉部材230a、230b)により開閉される可変進入口(例えば大入賞口231a、231b)を遊技者にとって不利な第1の状態(例えば開閉部材230a、230bが大入賞口231a、231bを閉じた状態)から遊技者にとって有利な第2の状態(例えば開閉部材230a、230bが大入賞口231a、231bを開成した状態)とする始動動作を行う可変入賞装置(例えば可変入賞装置205)と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域(例えばV入賞口235)に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器40)とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数(例えば15回)まで実行可能とする特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータ(例えばROM101、RAM102、CPU103などを含んだ基本回路100)と、前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板(例えば主基板11)と、前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号(例えば演出制御コマンド)に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータ(例えば演出制御用CPU120やROM121、RAM122など)と、前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板12)と、前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段(例えばコネクタ61B、62Aや伝送方向規制回路13−1〜13−nなど)が設けられた中継基板(例えば信号中継基板13)と、前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段(例えば表示装置204A)と、前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段(例えば表示装置204B)とを備え、前記可変入賞装置は、前記可変進入口に進入した遊技媒体を高い割合で前記特定領域に誘導する特定誘導路(例えば玉通路233a、233b)と、特定誘導路に比べて低い割合で遊技媒体を前記特定領域に誘導する通常誘導路(例えば下部入賞空間の側部234a、234b)と、を含む遊技媒体誘導経路と、前記可変進入口に進入した遊技媒体を前記特定誘導路と前記通常誘導路とに振り分ける振分け手段(例えば振分け部材232など)と、を含み、前記遊技制御マイクロコンピュータは、前記第1表示手段に設けられた発光体(例えば第1表示装置204Aにおける7セグメントLEDの各セグメントを構成するLEDモジュールや、ドットマトリクスLEDの各ドットを構成するLEDモジュール)へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段(例えばCPU103がステップS209、S243、S244、S272、S335、S339、S384の処理を実行する部分など)と、前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記振分け手段によって前記特定誘導路と前記通常誘導路のいずれに振り分けられるかの遊技媒体振分け態様を、前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行う振分け報知制御手段(例えばCPU103がステップS335の処理を実行する部分など)と、前記遊技媒体振分け態様を示す制御信号として振分け態様信号を送信する制御信号送信手段(例えば図47に示すパチンコ遊技機201にてステップS334と同様の処理を実行した後にステップS16のコマンド制御処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出制御マイクロコンピュータは、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データ(例えば演出表示制御データや画像データ)を記憶するデータ記憶手段(例えばROM121やCGROM124など)と、前記制御信号送信手段により送信された振分け態様信号に基づき前記遊技媒体振分け態様を報知する所定の演出表示(例えば図39(A)に示す演出Xや図39(B)に示す演出Y、図39(C)に示す演出Zなどの演出表示)を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段(例えば図47に示すパチンコ遊技機201にて演出制御用CPU120がステップS507と同様の処理を実行する部分など)を含み、前記演出表示制御手段は、前記振分け態様信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS507の処理を実行する部分など)を含む。
【0012】
請求項6に記載の遊技機において、前記遊技制御基板には、前記中継基板からの信号の入力を阻止する第1の信号方向規制手段(例えば出力バッファ回路60)が設けられ、前記中継基板には、前記演出制御基板からの信号の入力を阻止する第2の信号方向規制手段(例えば各伝送方向規制回路13−1〜13−nにおけるダイオードD1及び抵抗R1)が設けられている。
【0013】
請求項7に記載の遊技機においては、遊技者が操作可能な操作手段(例えば操作ボタン22)と、前記操作手段の操作に応じて操作信号を出力する操作信号出力手段(例えば演出スイッチ20)とを備え、前記演出制御基板は、前記操作信号出力手段から出力された操作信号を入力する外部入力手段(例えばスイッチ信号入力回路126)と、前記操作信号出力手段から前記外部入力手段に操作信号が入力されたか否かを判定する操作判定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS408やステップS602の処理を実行する部分など)と、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を、前記操作判定手段による前記操作手段の操作がなされたか否かの判定結果に基づいて決定する操作判定演出決定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS409〜S411の処理を実行した後にステップS421〜S426の処理を実行する部分、及びステップS601〜S609の処理を実行した後にステップS622〜S625の処理を実行する部分など)と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以下に示す効果を有する。
【0015】
請求項1に記載の構成によれば、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータに含まれるラウンド回数報知制御手段が第1表示手段の表示によりラウンド回数決定手段で決定されたラウンドの実行回数を特定可能に報知する制御を行う一方で、遊技制御基板からの制御信号に基づいて演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータにおいて、演出態様決定手段が、第2表示手段における演出表示の表示態様を、ラウンド数指示信号に基づいて複数種類の表示態様のいずれかに決定する。
このように、遊技制御マイクロコンピュータとは異なる演出制御マイクロコンピュータに含まれる演出態様決定手段によって表示手段の表示による演出の一部を決定することで、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく第1及び第2表示手段の表示制御を行うことができ、第2表示手段による演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1表示手段では、ラウンドの実行回数に基づく演出表示が行われる第2表示手段とは別個に、遊技制御マイクロコンピュータに含まれるラウンド回数報知制御手段の制御によりラウンドの実行回数が特定可能に報知されるので、遊技者がラウンドの実行回数を誤って認識することを防止できる。
【0016】
請求項2に記載の遊技機においては、ラウンド回数決定手段が始動検出手段によって遊技媒体が検出されたときにラウンドの実行回数を決定する。そして、演出制御手段では、演出態様決定手段が制御信号送信手段により送信されたラウンド数指示信号にて示されるラウンドの実行回数に応じて異なる割合でデータ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、第2表示手段における演出表示の表示態様を決定する。また、演出表示制御手段は、特定入賞検出信号を受信したときに、ラウンドの実行回数を報知する。
このように、始動検出手段による遊技媒体の検出時にラウンドの実行回数が決定されて、ラウンド数指示信号が演出制御手段に送信され、このラウンド数指示信号に基づき第2表示手段における演出表示の表示態様を決定することができるので、決定されたラウンドの実行回数に応じた演出表示を始動検出手段による遊技媒体の検出時から実行することができる。
【0017】
請求項3に記載の遊技機においては、少数ラウンド報知演出制御手段によって少数ラウンド報知演出が実行されることにより、ラウンド回数決定手段によって決定されたラウンドの実行回数よりも少ない実行回数が特定可能に報知される。その後、少数ラウンド報知演出にて報知されたラウンドの実行回数に達したときには、継続報知演出制御手段によって継続報知演出が実行されることにより、さらにラウンドが継続可能である旨が報知される。
遊技者は、特定遊技状態が発生するときに少数ラウンド報知演出にて少ないラウンドの実行回数が報知されることにより落胆するが、その報知された実行回数に達したときには、継続報知演出が行われてさらにラウンドが継続可能である旨が報知されるので、ラウンドが継続することに対する意外性と期待感とが高められる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0018】
請求項4に記載の構成によれば、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータに含まれるタイミング報知制御手段が第1表示手段の表示により低確率ラウンドにて振分け手段によって遊技媒体が特定領域に振り分けられる割合が高められる変化タイミングを特定可能に報知する制御を行う一方で、遊技制御基板からの制御信号に基づいて演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータにおいて、演出態様決定手段が、第2表示手段における演出表示の表示態様を、タイミング指示信号に基づいて複数種類の表示態様のいずれかに決定する。
このように、遊技制御マイクロコンピュータとは異なる演出制御マイクロコンピュータに含まれる演出態様決定手段によって表示手段の表示による演出の一部を決定することで、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく第1及び第2表示手段の表示制御を行うことができ、第2表示手段による演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1表示手段では、振分け手段の変化タイミングに基づく演出表示が行われる第2表示手段とは別個に、遊技制御マイクロコンピュータに含まれるタイミング報知制御手段の制御により変化タイミングが特定可能に報知されるので、遊技者が振分け手段の変化タイミングを誤って認識することを防止できる。
【0019】
請求項5に記載の構成によれば、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータに含まれる振分け報知制御手段が第1表示手段の表示により、遊技媒体が振分け手段によって特定誘導路と通常誘導路のいずれに振り分けられるかの遊技媒体振分け態様を特定可能に報知する制御を行う一方で、遊技制御基板からの制御信号に基づいて演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータにおいて、演出態様決定手段が、第2表示手段における演出表示の表示態様を、振分け態様信号に基づいて複数種類の演出態様のいずれかに決定する。
このように、遊技制御マイクロコンピュータとは異なる演出制御マイクロコンピュータに含まれる演出態様決定手段によって表示手段の表示による演出の一部を決定することで、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく第1及び第2表示手段の表示制御を行うことができ、第2表示手段による演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1表示手段では、振分け手段による遊技媒体振分け態様に基づく演出表示が行われる第2表示手段とは別個に、遊技制御マイクロコンピュータに含まれる振分け報知制御手段により遊技媒体振分け態様が特定可能に報知されるので、遊技媒体が振分け手段によって特定誘導路と通常誘導路のいずれに振り分けられるかの遊技媒体振分け態様を、遊技者が誤って認識することを防止できる。
【0020】
請求項6に記載の遊技機においては、遊技制御基板に第1の信号方向規制手段が設けられるとともに、中継基板に第2の信号方向規制手段が設けられている。これにより、遊技制御基板に外部から不正信号が入力されることを確実に防止することができる。
【0021】
請求項7に記載の遊技機においては、遊技者が操作可能な操作手段の操作に応じて操作信号を出力する操作信号出力手段から外部入力手段に操作信号が入力されたか否かを判定する操作判定手段による判定結果に基づいて、遊技制御マイクロコンピュータとは異なる演出制御マイクロコンピュータに含まれる操作判定演出決定手段が、第2表示手段における演出表示の表示態様を決定することができる。
これにより、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第2表示手段による演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本実施例における遊技機としては、始動入賞口に遊技媒体としての遊技球が入賞することで可変進入口としての大入賞口が開閉部材により所定時間開成(開口)され、開閉部材に拾われた遊技球が大入賞口内の所定領域に進入すると、大当りになって開閉部材が開閉動作を繰り返し実行するタイプの遊技機であればよい。
【0023】
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。
【0024】
遊技領域のほぼ中央位置には、可変入賞装置5が配置されている。可変入賞装置5の下方には、左・中・右の始動入賞口6a〜6cが配置されている。左・中・右の始動入賞口6a〜6cは、それぞれ始動玉検出器41a〜41cを内蔵しており、各始動入賞口6a〜6cに遊技球が入賞すると、遊技球は各始動玉検出器41a〜41cによって検出される。各始動玉検出器41a〜41cによって遊技球が検出されたときには、図2に拡大して示す可変入賞装置5に設けられた開閉部材30a、30bにより、可変入賞口としての大入賞口31a、31bが所定期間開放される。
【0025】
ここで、始動入賞口6a〜6cのうち左右の始動入賞口6a、6cに遊技球が入賞した場合には、可変入賞装置5が所定期間(例えば0.35秒)1回開放され、始動入賞口6a〜6cのうち中央の始動入賞口6bに遊技球が入賞した場合には、可変入賞装置5が所定期間(例えば0.65秒)ずつ2回開放される。このように各始動入賞口6a〜6cに入賞した遊技球が各始動玉検出器41a〜41cによって検出されたことに応じて可変入賞装置5が行う開放動作を始動動作という。
【0026】
可変入賞装置5には、左右一対の開閉部材(ハネ)30a、30bが回動可能に軸止されている。開閉部材30a、30bは、リンク機構を介してソレノイド50a、50b(図3)に連結され、ソレノイド50a、50bがオフしている通常状態では垂直状態にあり、ソレノイド50a、50bがオンしたときに、傾斜状態となる。
【0027】
開閉部材30a、30bが傾斜状態になると、開閉部材30a、30bにより閉鎖されていた大入賞口31a、31bが開成(開口)する。開閉部材30a、30bにより拾われた遊技球は、開成した大入賞口31a、31bを介して、可変入賞装置5内の上部入賞空間に進入可能となる。大入賞口31a、31bの近傍には、入賞玉検出器42a、42bが配置されており、大入賞口31a、31bを通過して可変入賞装置5内に進入した遊技球(入賞玉)を検出する。入賞玉検出器42a、42bにより遊技球が検出されたことに応じて、所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
【0028】
大入賞口31a、31bの下方には、転動板37a、37bが設けられている。転動板37a、37bは、例えば手前側(パチンコ遊技機1の前面に近い側)から奥行き側(パチンコ遊技機1の背面に近い側)に向かって下降した傾斜を有し、遊技球が転動板37a、37b上を手前側から奥行き側に向けて転動可能となっている。転動板37a、37bから下部の入賞空間に落下した遊技球は、転動板37d、37e上を転動する。
【0029】
また、転動板37a、37bの間には、遊技球が転動可能な凹部37cが形成されており、凹部37cよりも奥行き側には、前後に移動可能な人形を象った振分け部材32が設けられている。振分け部材32は、リンク機構を介してモータ51(図3)に連結されている。モータ51を駆動することにより振分け部材32が手前側に前進したときには、凹部37cに所定個数(例えば3個)の遊技球を貯留(滞留)させる貯留可能状態となる。他方、モータ51の駆動によって振分け部材32が奥行き側に後退したときには、凹部37cに遊技球を貯留できない退避状態となる。凹部37cに貯留された遊技球は、振分け部材32が奥行き側に後退することによって解放されて下部の入賞空間に落下する。
【0030】
可変入賞装置5内の下部入賞空間には、特定領域となるV入賞口35と、特定領域とは異なる通常領域36とが設けられている。ここで、振分け部材32が貯留可能状態となることにより凹部37cに貯留されてから退避状態となって解放された遊技球は、凹部37cに貯留されることなく転動板37a、37b上から落下した遊技球に比べて高い割合で、転動板37d、37eの中間部分にある玉通路上を転動して、V入賞口35に進入する。すなわち、振分け部材32は、凹部37cに遊技球を貯留させてから解放することにより遊技球をV入賞口35に振り分ける一方、退避状態のままで凹部37cに遊技球を貯留させないようにすることにより遊技球を通常領域36に振り分ける。
【0031】
V入賞口35には、遊技球の進入を検出する特定玉検出器40が設けられている。可変入賞装置5が始動動作を行っているとき、及び始動動作が終了して開閉部材30a、30bが閉じてから所定の有効期間(V入賞有効期間)が経過するまでの期間において、大入賞口31a、31bに入賞した遊技球がV入賞口35に進入(V入賞)して、この遊技球が特定玉検出器40によって検出されたときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態)となる。この大当り遊技状態においては、開閉部材30a、30bが可変入賞装置5の始動動作や通常状態よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で大入賞口31a、31bを開口させる傾斜状態となるラウンドが、継続ラウンド回数として決定された上限回数まで実行可能となる。この実施の形態では、継続ラウンド回数が「1」、「3」、「7」、「15」のうちのいずれかに決定されるものとする。また、V入賞口35に入賞しなかった遊技球は、通常領域36を経由して可変入賞装置5から排出される。この通常領域36を経由して排出される遊技球は、排出玉検出器44(図3)によって検出される。
【0032】
各ラウンドでは、開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを開成する回数が所定回数(例えば、18回)に達するまで、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が入賞玉検出器42a、42bにより検出されるまで、開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bの開成/閉鎖を繰り返す。そして、ラウンド中に大入賞口31a、31bに入賞した遊技球がV入賞口35に進入して特定玉検出器40によって検出されたときには次のラウンドに移行し、ラウンド中に大入賞口31a、31bに入賞した遊技球がV入賞口35に進入せず特定玉検出器40によって検出されなかったときや、ラウンドの実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了する。
【0033】
また、各ラウンドは、振分け部材32を比較的長い期間において貯留可能状態とした後に退避状態に変化させることにより遊技球をV入賞口35に進入させる確率が高くなる高確率ラウンドと、振分け部材32を比較的短い期間において貯留可能状態とした後に退避状態に変化させることにより遊技球をV入賞口35に進入させる確率が低くなる低確率ラウンドのいずれかに制御される。高確率ラウンドでは、凹部37cに貯留された後に解放されることでV入賞口35に進入しやすい遊技球が低確率ラウンドに比べて多くなるため、特定玉検出器40が遊技球を検出して次のラウンドに移行する可能性が、低確率ラウンドに比べて高くなる。
【0034】
可変入賞装置5の上部には、例えば4箇所の発光位置にて複数種類の発光色で発光可能な発光体から構成された第1表示装置4Aが配置されている。例えば、第1表示装置4Aは、各発光位置にて赤色、青色、緑色などの発光色で発光可能な発光体としてのLEDモジュールなどによって形成され、主基板11(図3)が各発光体へ駆動信号を出力する制御を行うことで、発光色や点灯及び消灯の切換動作を行って、様々な情報を遊技者等が認識可能となるように報知することができる。
【0035】
可変入賞装置5内には、例えば振分け部材32よりも奥行き側の垂直壁面などに、液晶パネルなどから構成された第2表示装置4Bが設けられている。第2表示装置4Bは、演出制御基板12の制御下に画像の切換表示を行うなどして、大当り遊技状態が発生するときに行われるラウンド抽選演出といった各種の演出表示を実行する。
【0036】
また、パチンコ遊技機1の遊技領域内には、複数の一般入賞口や、打球の流れにランダム性を与える風車、多数の障害釘、遊技球を排出するアウト口等が設けられている。さらに、遊技機用枠3には、音声出力用のスピーカ8L、8R、装飾・演出用の複数の遊技効果ランプ9、遊技者等が操作可能な操作ボタン22、遊技球を遊技領域内に打ち出す球発射装置内の発射モータ(図示せず)の操作を行うための打玉操作ハンドルなどが配置されている。
【0037】
図3は、主基板11を中心としたシステム構成の一例を示すブロック図である。パチンコ遊技機1には、電源基板10と、主基板11と、演出制御基板12と、払出制御基板15といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13や、電源基板10から主基板11を介して供給される電力をパチンコ遊技機1の各部位へと中継するための電源中継基板14、各検出器40、41a〜41c、42a、42b、44からの検出信号を主基板11へと中継するためのスイッチ中継基板21なども搭載されている。
【0038】
電源基板10から出力される電源電圧は、主基板11を経由して電源中継基板14に入力され、電源中継基板14から演出制御基板12や払出制御基板15などの各制御基板に供給される。
【0039】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、各種の検出器40、41a〜41c、42a、42b、44からスイッチ中継基板21を介して入力される検出信号を伝送する配線、ソレノイド50a、50bやモータ51、第1表示装置4Aへの制御信号を伝送する配線などが接続されている。また、主基板11は、演出制御基板12や払出制御基板15といったサブ側の制御基板に対して、それぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能を備えている。
【0040】
ここで、主基板11から演出制御基板12に出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。図4(A)は、信号中継基板13の構成例を、主基板11及び演出制御基板12とともに示すブロック図である。主基板11には、信号中継基板13対応のコネクタ61Aが設けられ、コネクタ61Aと基本回路100との間には、出力バッファ回路60が接続されている。出力バッファ回路60は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
【0041】
信号中継基板13には、主基板11から演出制御基板12に出力される制御信号を伝送するための配線毎に、図4(B)に示すような回路構成を有する伝送方向規制回路13−1〜13−nが設けられている。各伝送方向規制回路13−1〜13−nは、主基板11対応のコネクタ61Bにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応のコネクタ62Aにカソードが接続されたダイオードD1と、一端がダイオードD1のカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗R1とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路13−1〜13−nは、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。なお、主基板への不正な信号の入力を防ぐために、主基板とサブ基板との間に主基板からサブ基板への信号の出力のみを規制する一方向データ転送手段を設けたものは既に提案されている(例えば、特開平8−224339号公報などを参照)。しかしながら、主基板と一方向データ転送手段との間には主基板への信号入力を規制するものがないため、一方向データ転送手段に改変を加えることで主基板に不正な信号を入力させることが可能であった。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路13−1〜13−nを設けるとともに、主基板11にて基本回路100とコネクタ61Aの間に出力バッファ回路60を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を、より確実に防止することができる。
【0042】
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、演出制御コマンドである。この実施の形態では、演出制御コマンドとして、始動入賞コマンド、始動動作終了コマンド、特定領域入賞コマンド、ラウンド開始コマンド、貯留開始コマンド、貯留終了コマンド、特定遊技状態終了コマンドなどが予め用意されている。
【0043】
始動入賞コマンドは、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたときに、可変入賞装置5による始動動作を実行する旨を指示する制御信号として送信される演出制御コマンドである。ここで、始動入賞コマンドは、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによる遊技球の検出時に継続ラウンド回数として決定されるラウンドの実行回数を示すデータを含んでいる。始動動作終了コマンドは、可変入賞装置5による始動動作が開始されてから可変入賞装置5内に進入した遊技球が特定玉検出器40によって有効に検出されることなく所定の有効期間(V入賞有効期間)が経過したときに、可変入賞装置5による始動動作を終了する旨を指示する制御信号として送信される演出制御コマンドである。特定領域入賞コマンドは、可変入賞装置5による始動動作が開始された後に可変入賞装置5内へ進入した遊技球が特定玉検出器40によって有効に検出されたときに、遊技球が特定玉検出器40によって検出された旨を示す制御信号として送信される演出制御コマンドである。ラウンド開始コマンドは、大当り遊技状態において新たなラウンドが開始されるときに送信される演出制御コマンドである。貯留開始コマンドは、低確率ラウンドにおいて振分け部材32によって可変入賞装置5内に進入した遊技球が貯留可能となるときに、振分け部材32によって遊技球がV入賞口35に振り分けられる割合が高められる変化タイミングを示す制御信号として送信される演出制御コマンドである。貯留終了コマンドは、振分け部材32によって貯留されていた遊技球が解放されるときに送信される演出制御コマンドである。特定遊技状態終了コマンドは、大当り遊技状態が終了するときに送信される演出制御コマンドである。
【0044】
主基板11から払出制御基板15に対して送信される制御コマンドは、払出制御コマンドである。この実施の形態では、払出制御コマンドとして、始動入賞時賞球払出コマンド、大入賞時賞球払出コマンドなどが予め用意されている。始動入賞時賞球払出コマンドは、遊技領域を流下した遊技球が左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに進入して始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって検出されたときに、所定の景品個数(例えば5個)の遊技球を賞球として払い出す旨を指示する払出制御コマンドである。大入賞時賞球払出コマンドは、左・右の大入賞口31a、31bのいずれかに進入した遊技球が入賞玉検出器42a、42bのいずれかによって検出されたときに、所定の景品個数(例えば10個)の遊技球を賞球として払い出す旨を指示する払出制御コマンドである。
【0045】
主基板11は、例えば、基本回路100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111、モータ回路112などを備えて構成されている。基本回路100は、例えば遊技の進行を制御するための遊技制御用に構成された1チップマイクロコンピュータであり、各種のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103、CPU103とは独立して乱数の生成を行う乱数回路104及びI/O(Input/Output)ポート105を含んでいる。
【0046】
乱数回路104では、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値となる数値データがカウントされる。具体的な一例として、CPU103は、乱数回路104による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的(あるいは不定期)に更新させるなどして、例えばラウンド数決定用乱数やラウンド継続確率設定用乱数などとして用いられる数値データをカウント可能に制御する。ラウンド数決定用乱数は、例えば大当り遊技状態にて実行可能なラウンド数の上限値や、次のラウンドに移行する確率が高い高確率ラウンドに比べて次のラウンドに移行する確率が低い低確率ラウンドが1回終了するまでのラウンド数などを、継続ラウンド回数として決定するために用いられる乱数であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。ラウンド継続確率設定用乱数は、大当り遊技状態にて新たなラウンドを開始するときに、そのラウンドを次のラウンドに移行する確率が比較的に高い高確率ラウンドとするか、当該確率が比較的に低い低確率ラウンドとするかを決定するために用いられる乱数である。
【0047】
ROM101には、遊技制御用のプログラムや、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM101は、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを記憶する。例えば、決定テーブルには、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数を継続ラウンド回数として決定するために、図5に示すような継続ラウンド回数決定テーブル130などが含まれている。継続ラウンド回数決定テーブル130は、ラウンド数決定用乱数の値と、継続ラウンド回数を示す決定結果とを対応付ける設定データから構成されている。
【0048】
RAM102は、一部または全部が、電源基板10において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであってもよい。この場合、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。また、RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ中継基板21やスイッチ回路110を介して各種の検出器から伝送される検出信号などに応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための遊技制御フラグ設定エリア、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する遊技制御タイマ設定エリア、及び、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する遊技制御カウンタ設定エリアなどが設けられていてもよい。なお、フラグ設定やタイマ、カウンタに用いる回路は、RAM102とは別個に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0049】
遊技制御フラグ設定エリアには、例えば、遊技制御プロセスフラグや、開閉モードフラグ、高確率振分けフラグなどが設けられている。遊技制御プロセスフラグは、後述する遊技制御プロセス処理(図14)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。開閉モードフラグは、可変入賞装置5による始動動作における動作態様を指示する。具体的な一例として、この実施の形態では、左側の始動入賞口6aに配置された始動玉検出器41aあるいは右側の始動入賞口6cに配置された始動玉検出器41cにより遊技球が検出されたことにより大入賞口31a、31bを1回開閉する始動動作を行うときに、開閉モードフラグの値が“1”に設定される。他方、中央の始動入賞口6bに配置された始動玉検出器41bにより遊技球が検出されたことにより大入賞口31a、31bを2回開閉する始動動作を行うときには、開閉モードフラグの値が“2”に設定される。高確率振分けフラグは、大当り遊技状態にて実行されるラウンドが高確率ラウンドであるときにはオン状態にセットされる一方、低確率ラウンドであるときにはクリアされてオフ状態となる。
【0050】
遊技制御タイマ設定エリアは、例えば、遊技制御時間タイマとしての機能を実現するためのタイマ値を示すデータが格納される領域を備えている。遊技制御時間タイマは、パチンコ遊技機1における遊技状態や可変入賞装置5の動作状態などを制御するために、予め定められた様々な動作時間や経過時間を計測するためのものである。例えば、遊技制御時間タイマは、可変入賞装置5による始動動作の実行を開始するタイミングからV入賞口35に進入した遊技球を特定玉検出器40によって有効な入賞玉(V入賞玉)として検出する待機時間が終了するまでの経過時間を計測する。
【0051】
遊技制御カウンタ設定エリアは、例えば、未排出カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞カウンタなどとしての機能を実現するためのカウント値を示すデータが格納される領域を備えている。未排出カウンタは、可変入賞装置5による始動動作が実行されたときに大入賞口31a、31bから可変入賞装置5内に進入した後に、未だ可変入賞装置5内から排出されていない遊技球の個数をカウントするためのものである。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態にてラウンドが開始される毎に1ずつカウントアップされることで、大当り遊技状態にて既に開始されたラウンドの回数をカウントするためのものである。大入賞カウンタは、大当り遊技状態における1回のラウンド中において開成された大入賞口31a、31bに進入した遊技球の個数をカウントするためのものである。
【0052】
この実施の形態では、例えばCPU103が所定の処理プログラムを実行することなどによって、主基板11の側にて第1表示装置4Aの表示制御が行われる。例えば、CPU103は、第1表示装置4Aを構成する発光体としてのLEDや液晶素子へ駆動信号を出力する制御を行い、第1表示装置4Aにおける各発光素子の発光色や、発光/不発光の組合せなどを切換可能に設定する。これにより、第1表示装置4Aでは、例えば図6(A)〜(D)に示すように、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数に応じて表示態様を異ならせることで、遊技者等に継続ラウンド回数を特定可能に報知することができる。また、例えば図6(E)及び(F)に示すように、振分け部材32によって可変入賞装置5内に進入した遊技球が貯留可能となっているか、貯留されない解放中であるかに応じて、第1表示装置4Aにおける表示態様を異ならせることで、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となるタイミングを特定可能に報知することができる。
【0053】
図3に示すスイッチ回路110には、可変入賞装置5内のV入賞口35に配置された特定玉検出器40、左・中・右の始動入賞口6a〜6cにそれぞれ配置された始動玉検出器41a〜41c、可変入賞装置5における大入賞口31a、31bのそれぞれに対応して配置された入賞玉検出器42a、42b、及び通常領域36を介して可変入賞装置5から排出される遊技球を検出する排出玉検出器44から、スイッチ中継基板21を介して、それぞれの検出信号が入力される。スイッチ回路110は、これらの検出信号を取り込んで、基本回路100に伝送する。ソレノイド回路111は、基本回路100からの指令に従って各ソレノイド50a、50bを駆動する。モータ回路112は、基本回路100からの指令に従ってモータ51を駆動する。
【0054】
演出制御基板12は、第2表示装置4Bにおける表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などの制御を行うものである。例えば、演出制御基板12は、信号中継基板13を介して主基板11から伝送される演出制御コマンドに基づいて第2表示装置4Bに画像の切換表示を実行させることなどにより、各種の演出表示を実行する制御を行う。また、演出制御基板12には、演出スイッチ20からの検出信号を伝送する配線や、音声出力回路25やランプドライバ回路26への制御信号を伝送する配線などが接続されている。ここで、演出スイッチ20は、操作ボタン22が遊技者によって操作されたときにオン状態となる検出信号を出力する。
【0055】
図7は、演出制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。演出制御基板12は、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、VDP(Video Display Processor)123と、CGROM(Character Generator ROM)124と、VRAM(Video RAM)125と、スイッチ信号入力回路126と、音声データ出力回路127と、ランプデータ出力回路128とを備えている。
【0056】
演出制御用CPU120は、主基板11から送信された演出制御コマンドを信号中継基板13を介して受信すると、RAM122の所定領域をワークエリアとして用いながら、ROM121から演出制御を行うための制御データを読み出す。こうして読み出した制御データに基づいて、演出制御用CPU120は、VDP123に描画指令を送るなどして第2表示装置4Bの表示制御を行ったり、音声データ出力回路127から音声出力回路25に音声データを出力させるなどして音声出力制御を行ったり、ランプデータ出力回路128からランプドライバ回路26にランプデータを出力させるなどしてランプ点灯制御を行ったりする。
【0057】
演出制御基板12の側では、第2表示装置4Bにおける表示による演出内容を決定するために用いられる各種の乱数値となる数値データがカウントされる。具体的な一例として、演出制御用CPU120が所定の乱数更新処理を実行して数値データを所定の手順に従って定期的(あるいは不定期)に更新させるなどして、例えば演出決定用乱数や表示結果決定用乱数などとして用いられる数値データをカウントする。演出決定用乱数は、可変入賞装置5が始動動作を開始するときに第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を決定するために用いられる乱数である。
【0058】
ROM121は、演出制御用CPU120によって実行される各種制御プログラムや固定パラメータなどを格納する半導体メモリである。例えば、ROM121には、第2表示装置4Bの表示による各種の演出動作における画像の表示タイミングや切換タイミング、画像の読出位置(例えば、CGROM124のアドレスなど)等を決定するためのプロセステーブルなどが格納されていてもよい。例えば、ROM121には、図8(A)〜(F)に示すような演出A−1、図8(G)〜(L)に示すような演出B−1、図8(M)〜(R)に示すような演出C−1、及び、図9(A)〜(F)に示すような演出A−2、図9(G)〜(L)に示すような演出B−2、図9(M)〜(R)に示すような演出C−2のそれぞれに対応して第2表示装置4Bの表示制御を行うために予め複数種類用意された演出表示制御データが格納されている。
【0059】
この実施の形態では、可変入賞装置5による始動動作が開始されてから大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に入賞したことにより大当り遊技状態が発生するまでの期間において、図8(A)〜(F)に示すような演出A−1、図8(G)〜(L)に示すような演出B−1、図8(M)〜(R)に示すような演出C−1、あるいは、図9(A)〜(F)に示すような演出A−2、図9(G)〜(L)に示すような演出B−2、図9(M)〜(R)に示すような演出C−2のいずれかを、選択して第2表示装置4Bにて表示することができる。
【0060】
より詳細には、可変入賞装置5による始動動作が実行可能であるときに左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに進入した遊技球が始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって検出されると、例えば図8及び図9の(A)、(G)、(M)に示すような「チャンス!!」といった、始動動作が開始される旨を報知する画像が第2表示装置4Bに表示される。この後、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を示す演出表示制御データとして、演出A−1を示す演出表示制御データが選択されたときには、可変入賞装置5による始動動作が行われてV入賞口35に進入した遊技球が特定玉検出器40によって有効に検出される有効期間において、図8(B)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。演出B−1を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図8(H)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示され、演出C−1を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図8(N)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。また、演出A−2を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図9(B)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示され、演出B−2を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図9(H)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示され、演出C−2を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図9(N)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。可変入賞装置5による始動動作が行われて開成された大入賞口31a、31bに進入した遊技球が、特定領域としてのV入賞口35に入賞することなく、全て通常領域36から可変入賞装置5の外部へと排出されることにより、特定玉検出器40によって遊技球が検出されることなく有効期間が経過したときには、第2表示装置4Bの表示状態を初期化するなどして、上述した画像の表示を終了する。
【0061】
他方、可変入賞装置5による始動動作が行われて開成された大入賞口31a、31bに進入した遊技球が、特定領域としてのV入賞口35に進入して特定玉検出器40によって検出されたときには、例えば図8及び図9の(C)、(I)、(O)に示すような「V」といった、V入賞口35に遊技球が入賞した旨を報知する画像が第2表示装置4Bに表示される。この後、演出A−1を示す演出表示制御データが選択されているときには、大当り遊技状態における最初のラウンドが開始されるまでの抽選演出期間において、図8(D)及び(E)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。演出B−1を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図8(J)及び(K)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示され、演出C−1を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図8(P)及び(Q)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。
【0062】
また、演出A−2を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図9(D)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることにより、遊技者に操作ボタン22の操作を促す報知情報60aが提示される。そして、例えば操作ボタン22の操作に応答して、図9(E)に示すようなラウンドの実行回数を特定可能にする報知情報61aを含んだ画像を第2表示装置4Bに表示させる。演出B−2を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図9(J)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることにより、遊技者に操作ボタン22の操作を促す報知情報60bが提示される。そして、例えば操作ボタン22の操作に応答して、図9(K)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。演出C−2を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図9(P)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることにより、遊技者に操作ボタン22の操作を促す報知情報60cが提示される。そして、例えば操作ボタン22の操作の操作に応答して、図9(Q)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。
【0063】
そして、例えば継続ラウンド回数が「15」に決定されているときには、図8及び図9の(F)、(L)、(R)に示すようなラウンドの実行回数を報知する画像を第2表示装置4Bに表示させることができる。なお、演出A−2、演出B−2、演出C−2を示す演出表示制御データが選択されたときには、操作ボタン22の操作がなされたか否かの検出結果や、操作ボタン22の操作が検出されたタイミングなどに応じて、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数とは異なるラウンド回数を報知する画像を表示させるようにしてもよい。
【0064】
ROM121には、第2表示装置4Bによる演出表示における表示態様を決定するための演出決定テーブルとして、例えば図10(A)に示す第1演出決定テーブル131Aや、図10(B)に示す第2演出決定テーブル131Bが格納されている。第1演出決定テーブル131Aは、継続ラウンド回数と、演出決定用乱数の値とを、演出A−1、演出B−1、演出C−1のいずれかに対応付ける設定データから構成されている。第2演出決定テーブル131Bは、継続ラウンド回数と、演出決定用乱数の値とを、演出A−2、演出B−2、演出C−2のいずれかに対応付ける設定データから構成されている。演出制御用CPU120は、可変入賞装置5による始動動作を開始するときに、第1演出決定テーブル131A及び第2演出決定テーブル131Bのいずれかを参照することにより、始動動作中や大当り遊技状態が発生したときに行われるラウンド抽選演出における第2表示装置4Bの表示態様を決定する。
【0065】
ここで、第1演出決定テーブル131Aでは、継続ラウンド回数に応じて、演出A−1、演出B−1、演出C−1のそれぞれに対する演出決定用乱数の値の割当てが異なっている。また、第2演出決定テーブル131Bでは、継続ラウンド回数に応じて、演出A−2、演出B−2、演出C−2のそれぞれに対する演出決定用乱数の値の割当てが異なっている。そのため、始動動作中やラウンド抽選演出における第2表示装置4Bの表示態様は、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数に応じて異なるものとなる。例えば、第1演出決定テーブル131Aを参照する場合、継続ラウンド回数が「1」であるときには第2表示装置4Bの表示態様が演出A−1、演出B−1のいずれかに決定される一方で、演出C−1に決定されることはない。これに対して、継続ラウンド回数が「7」であるときには第2表示装置4Bの表示態様が演出B−1、演出C−1のいずれかに決定される一方で、演出A−1に決定されることはない。
【0066】
RAM122には、信号中継基板13を介して主基板11から受信した演出制御コマンドや、演出スイッチ20からの検出信号、第2表示装置4Bにおける表示状態などに応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための演出制御フラグ設定エリア、第2表示装置4Bの表示制御などに用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する演出制御タイマ設定エリア、及び、第2表示装置4Bの表示制御のために用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する演出制御カウンタ設定エリアなどが設けられていてもよい。なお、フラグ設定やタイマ、カウンタに用いる回路は、RAM122とは別個に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0067】
演出制御フラグ設定エリアには、例えば、演出制御プロセスフラグや、始動入賞フラグ、始動動作終了フラグ、V入賞フラグ、ラウンド開始フラグ、貯留開始フラグ、貯留終了フラグ、大当り終了フラグ、演出モードフラグ、デモ表示中フラグ、スイッチ操作検出フラグ、上乗せ演出フラグ、などが設けられている。演出制御プロセスフラグは、後述する演出制御プロセス処理(図26)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。始動入賞フラグは、主基板11から送信された始動入賞コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。始動動作終了フラグは、主基板11から送信された始動動作終了コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。V入賞フラグは、主基板11から送信された特定領域入賞コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。ラウンド開始フラグは、主基板11から送信されたラウンド開始コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。貯留開始フラグは、主基板11から貯留開始コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。貯留終了フラグは、主基板11から送信された貯留終了コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。大当り終了フラグは、主基板11から特定遊技状態終了コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。
【0068】
演出モードフラグは、第2表示装置4Bにて所定のデモ画面を表示しているときに、操作ボタン22の操作に応答して、その値が“0”と“1”の間で切換可能となるように更新される。デモ表示中フラグは、第2表示装置4Bにて所定のデモ画面を表示しているときにオン状態にセットされ、デモ画面の表示が終了するとクリアされてオフ状態となる。スイッチ操作検出フラグは、大当り遊技状態が発生するときに、第2表示装置4Bの表示により継続ラウンド回数を報知する演出表示中にて操作ボタン22の操作が検出されると、オン状態にセットされる。上乗せ演出フラグは、大当り遊技状態が発生するときに継続ラウンド回数よりも少ないラウンド回数を報知した後、その報知されたラウンド回数に達したときにオン状態にセットされることにより、継続ラウンド回数を特定可能に報知するための演出表示を実行可能に設定する。
【0069】
演出制御タイマ設定エリアは、例えば、演出時間タイマとしての機能を実現するためのタイマ値を示すデータが格納される領域を備えている。演出時間タイマは、第2表示装置4Bにおける表示状態などを制御するために、予め定められた様々な動作時間や経過時間を計測するためのものである。
【0070】
演出カウンタ設定エリアは、例えば、ラウンド残回数カウンタや報知ラウンドカウンタなどとしての機能を実現するためのカウント値を示すデータが格納される領域を備えている。ラウンド残回数カウンタは、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの残り回数を演出制御基板12の側でカウントするためのものである。報知ラウンドカウンタは、大当り遊技状態が発生するときに第2表示装置4Bの表示による演出動作で報知されたラウンドの実行回数のうちで未だ実行されていない残りのラウンド回数をカウントするためのものである。
【0071】
VDP123は、例えば第2表示装置4Bによる画像表示を行うための表示制御機能及び高速描画機能を有し、演出制御用CPU120からの描画指令に従った画像処理を実行する。また、演出制御用CPU120とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM125をマッピングしている。例えばVDP123は、CGROM124から読み出した画像データをVRAM125の所定領域に展開する。そして、第2表示装置4Bに対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号などからなる映像信号を出力する。一例として、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、第2表示装置4BはVDP125からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0072】
CGROM124は、第2表示装置4Bにて画像表示を行うために使用される各種の画像データを記憶しておくためのものである。例えば図11に示すように、CGROM124には、画像読出用に使用される所定のポインタ(画像ポインタ)におけるポインタ値によって指定可能なアドレス毎に、複数種類の画像データが記憶されている。CGROM124には、第2表示装置4Bにて表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されていてもよい。VRAM125は、VDP123による画像データの展開が行われるフレームバッファメモリである。
【0073】
スイッチ信号入力回路126は、遊技者等による操作ボタン22の操作に応じて演出スイッチ20から出力される検出信号を、演出制御用CPU120に入力する。音声データ出力回路127は、演出制御用CPU120からの制御指令を受けて音声出力回路25に音声データを出力する。音声出力回路25では、例えば音声データ出力回路127から受けた音声データにデジタル/アナログ変換を施すなどして音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる。ランプデータ出力回路128は、演出制御用CPU120からの制御指令を受けてランプドライバ回路26にランプデータを出力する。ランプドライバ回路26では、例えばランプデータ出力回路128から受けたランプデータに応じたランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や役物飾りランプ85に供給することによってランプの点灯/消灯切換を行う。
【0074】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、電源基板10からの電源電圧が供給されると、基本回路100が起動し、CPU103が所定の遊技制御メイン処理を実行する。この遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の各部位の動作を初期化するとともに所定の初期設定などが行われる。こうした遊技制御メイン処理を実行することにより、CPU103では定期的(例えば2ミリ秒ごと)にタイマ割込みが発生するように設定される。
【0075】
図12は、タイマ割込みが発生するごとに実行される遊技制御割込処理の一例を示すフローチャートである。この例では、CPU103にてタイマ割込みが発生すると、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ中継基板21及びスイッチ回路110を介して各検出器40、41a〜41c、42a、42b、44から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要であれば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、主基板11に搭載された基本回路100において乱数回路104やソフトウェアによる制御によってカウントされる乱数値を示す数値データを更新する乱数更新処理(ステップS13)が実行される。なお、乱数回路104がCPU103からの指令によることなく乱数値となる数値データを更新可能である場合には、ステップS13の処理が実行されなくてもよい。
【0076】
乱数更新処理に続いて、CPU103は、始動入賞処理を実行し(ステップS14)、左・中・右の始動入賞口6a、6b、6cのいずれかに遊技球が入賞したことに応じて、継続ラウンド回数を決定する処理などを行う。この後、CPU103は、遊技制御プロセス処理を実行する(ステップS15)。遊技制御プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の手順で制御するために各種の処理が選択されて実行される。遊技制御プロセス処理に続いて、所定のコマンド制御処理が実行され、主基板11から演出制御基板12等といったサブ側の制御基板に対して制御コマンドが送信され、遊技状態に合わせた動作制御の指示が行われる(ステップS16)。例えば、基本回路100にて、各制御基板用に設けられた出力ポートバッファの格納データを読み出し、対応するI/O105の出力ポートにセットするなどして、サブ側の制御基板に対する制御コマンドの送出を行う。
【0077】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、ソレノイド回路111を介して各ソレノイド50a、50bの励磁あるいは消磁を制御(オン/オフ制御)する(ステップS17)。例えば、RAM102等に設けられたソレノイド駆動信号送信テーブルなどに格納された駆動信号の送信指令などを読み出し、ソレノイド回路111に対応するI/Oポート105における出力ポートにセットする。また、CPU103は、モータ回路112を介してモータ51に対して駆動信号を出力し、振分け部材32を移動させるためのモータ制御処理を実行する(ステップS18)。この後、CPU103は、所定の賞球処理を実行することにより、例えば基本回路100にて払出制御基板15用に設けられたコマンド送信テーブルの格納データを読み出し、対応するI/Oポート105における出力ポートにセットするなどして、各入賞口に遊技球が入賞したことに対応した賞球数(景品個数)の賞球の払出を指示する払出制御コマンドを、払出制御基板15に対して送信する(ステップS19)。
【0078】
図13は、ステップS14にて実行される始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。この始動入賞処理において、CPU103は、まず、左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに遊技球が入賞したか否かを、始動玉検出器41a〜41cからスイッチ中継基板21及びスイッチ回路110を介して入力される検出信号がオン状態となっているか否かをチェックするなどして判定する(ステップS101)。始動玉検出器41a〜41cからの検出信号のいずれかがオン状態となっている場合には(ステップS101;Yes)、ソレノイド50a、50bにより可変入賞装置5の開閉部材30a、30bを駆動して大入賞口31a、31bを開閉させる始動動作を実行可能であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0079】
例えば、CPU103は、遊技制御プロセスフラグの値が“0”であるときには、始動動作を実行可能であるとして(ステップS102;Yes)、例えば乱数回路104や図12に示すステップS13の乱数更新処理などによって更新されるラウンド数決定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS103)。このとき抽出されたラウンド数決定用乱数の値に基づき、図5に示す継続ラウンド回数決定テーブル130を参照することにより、継続ラウンド回数が決定される(ステップS104)。こうして決定された継続ラウンド回数は、例えばRAM102に設けられた所定の領域に制御データを記憶させることによりセーブしておく。
【0080】
ステップS104にて継続ラウンド回数を決定した後には、左側の始動入賞口6aに配置された始動玉検出器41a、及び右側の始動入賞口6cに配置された始動玉検出器41cのいずれかから送信された検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS105)。このとき、始動玉検出器41a、41cのいずれかからの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS105;Yes)、RAM102等の遊技制御フラグ設定エリアに設けられた開閉モードフラグの値を“1”に更新する(ステップS106)。これに対して、始動玉検出器41a、41cからの検出信号がいずれもオフ状態であるときには(ステップS105;No)、中央の始動入賞口6bに配置された始動玉検出器41bから送信された検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS107)。そして、始動玉検出器41bからの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS107;Yes)、開閉モードフラグの値を“2”に更新する(ステップS108)。他方、始動玉検出器41bからの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS107;No)、始動玉検出器41a〜41cからの検出信号の判定に誤りが生じたと判断して、所定のエラーフラグをセットする(ステップS109)。これにより、図12に示すステップS12のエラー処理にて、オン状態にセットされたエラーフラグに対応したエラー検出時の処理が実行されることになる。
【0081】
ステップS106またはステップS108にて開閉モードフラグの値を更新した後には、例えば演出制御基板12用に設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなど、演出制御基板12に対して始動入賞コマンドを送信するための設定を行う(ステップS110)。ステップS102にて例えば遊技制御プロセスフラグの値が“1”以上であるとして可変入賞装置5による始動動作を実行できないと判定したときや(ステップS102;No)、ステップS110の処理を実行した後には、例えば払出制御基板15用に設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなど、払出制御基板15に対して始動入賞時賞球払出コマンドを送信するための設定を行う(ステップS111)。
【0082】
図14は、図12のステップS15にて実行される遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す遊技制御プロセス処理において、CPU103は、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて更新される遊技制御プロセスフラグの値に対応して、以下に示すステップS120〜S125の各処理を実行する。
【0083】
遊技制御プロセスフラグの値が“0”のとき、CPU103は「始動動作設定処理」を実行して、開閉モードフラグのチェックなどを行う(ステップS120)。遊技制御プロセスフラグの値が“1”のとき、CPU103は「始動動作中処理」を実行して、可変入賞装置5における始動動作の制御などを行う(ステップS121)。遊技制御プロセスフラグの値が“2”のとき、CPU103は「特定遊技動作開始待ち処理」を実行して、大当り遊技状態におけるラウンドが開始される前に第2表示装置4Bなどによって行われる演出等が終了するのを待機する(ステップS122)。
【0084】
遊技制御プロセスフラグの値が“3”のとき、CPU103は「ラウンド開始時処理」を実行して、ラウンドにおける可変入賞装置5等の動作を設定するための処理を行う(ステップS123)。遊技制御プロセスフラグの値が“4”のとき、CPU103は「ラウンド中制御処理」を実行して、ラウンド中における可変入賞装置5の動作などに関する様々な処理を行う(ステップS124)。遊技制御プロセスフラグの値が“5”のとき、CPU103は「特定遊技終了処理」を実行して、大当り遊技状態を終了させる(ステップS125)。
【0085】
図15は、図14のステップS120にて実行される始動動作設定処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す始動動作設定処理を開始すると、CPU103は、まず、開閉モードフラグの値が“0”となっているか否かを判定する(ステップS201)。このとき、開閉モードフラグの値が“0”であれば(ステップS201;Yes)、始動入賞口6a〜6cへの新たな遊技球の入賞がないと判断して、そのまま始動動作設定処理を終了する。
【0086】
ステップS201にて開閉モードフラグの値が“0”以外であるときには(ステップS201;No)、その開閉モードフラグの値は“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、開閉モードフラグの値が“1”であれば(ステップS201;Yes)、例えばソレノイド回路111に対応して予め設けられたソレノイド駆動信号送信テーブルなどに、ソレノイド50a、50bを駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、可変入賞装置5に設けられた開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを所定期間(例えば0.35秒)にわたり1回開成させた後に閉成させる始動動作を実行するための設定を行う(ステップS203)。このときにセットされた駆動信号の送信指令は、例えば図12に示すステップS17のソレノイド出力処理が実行されることによって基本回路100からソレノイド回路111に出力される。
【0087】
また、ステップS202にて開閉モードフラグの値が“1”ではないと判定されたときには(ステップS202;No)、開閉モードフラグの値は“2”であるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、開閉モードフラグの値が“2”であれば(ステップS204;Yes)、例えばソレノイド駆動信号送信テーブルなどに所定の駆動信号の送信指令をセットするなどして、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを所定期間(例えば0.65秒間)ずつ2回開成させる始動動作を実行するための設定を行う(ステップS205)。他方、ステップS204にて開閉モードフラグの値が“2”ではないと判定されたときには(ステップS204;No)、開閉モードフラグの値の判定に誤りが生じたと判断して、所定のエラーフラグをオン状態にセットする(ステップS206)。
【0088】
ステップS203またはステップS205にて開閉部材30a、30bの動作設定を行った後には、開閉モードフラグの値を“0”に更新する(ステップS207)。続いて、遊技制御時間タイマに、始動時待機用タイマ初期値を設定する(ステップS208)。ここで、始動時待機用タイマ初期値は、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる始動動作を行ってから、可変入賞装置5内に進入した遊技球が特定玉検出器40によって有効に検出される有効期間が経過するまでの最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。この後、CPU103は、第1表示装置4Aにおける表示状態を継続的に変化させる可変表示を開始させる設定を行う(ステップS209)。例えば、CPU103は、予め用意された発光パターンや点滅パターンに従って第1表示装置4Aを構成するLEDや液晶素子を点滅させたり発光色を変化させることなどによって、表示状態を継続的に変化させる。ステップS209の処理を実行した後には、遊技制御プロセスフラグの値を始動動作中処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS210)。
【0089】
図16は、図14のステップS121にて実行される始動動作中処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す始動動作中処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算する(ステップS221)。そして、ステップS221にて減算された遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が始動動作終了基準値以下となったか否かを判定する(ステップS222)。ここで、始動動作終了基準値は、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる始動動作を開始した後に大入賞口31a、31bが閉成されるまでの所要時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS222にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が始動動作終了基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS222;No)、後述する始動時遊技球検出処理を実行する(ステップS223)。
【0090】
ステップS222にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が始動動作終了基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS222;Yes)、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が排出待機基準値以下となったか否かを判定する(ステップS224)。ここで、排出待機基準値は、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる始動動作を行った後に、可変入賞装置5内に進入した遊技球がV入賞口35あるいは通常領域36を経由して可変入賞装置5の外部に排出されるまでの最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値(例えば「0」)である。ステップS224にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が排出待機基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS224;Yes)、可変入賞装置5内から遊技球が適切に排出されなかったと判断して、所定のエラーフラグをオン状態にセットする(ステップS225)。これに対して、ステップS224にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が排出待機基準値よりも大きい旨の判定がなされたときには(ステップS224;No)、後述する始動動作後遊技球検出処理を実行する(ステップS226)。こうして、可変入賞装置5内から遊技球が全て排出されるまでは、遊技制御プロセスフラグの値が“0”に更新させないようにして、次の始動動作が実行されることがないように制御される。
【0091】
なお、ステップS225にて所定のエラーフラグがオン状態にセットされた後に図12に示すステップS12のエラー処理が実行されたときには、例えば所定のエラーランプを点灯させたり、警告音を出力させるなどして、予め定められたエラー報知動作を行う。このときには、特定玉検出器40や排出玉検出器によって遊技球が検出された場合に、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算する。そして、例えば可変入賞装置5内に進入した遊技球が自然にV入賞口35や通常領域36を経て可変入賞装置5の外部へと排出されることにより未排出カウンタにおけるカウント値が「0」となったときには、予め定められた自動復旧処理を実行するなどして、パチンコ遊技機1の動作状態を所定の復旧状態(例えば通常遊技状態)に制御してもよい。また、例えばパチンコホールの店員がV入賞口35や通常領域36に遊技球を通過させたときや、所定のリセットスイッチを操作してエラーのリセットを指示したときに、所定のエラー解除処理を実行するなどして、エラー状態を解除するようにしてもよい。
【0092】
図17は、図16に示すステップS223にて実行される始動時遊技球検出処理の一例を示すフローチャートである。この始動時遊技球検出処理において、CPU103は、まず、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS301)。このとき、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS301;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算した後(ステップS302)、大当り決定フラグをオン状態にセットする(ステップS303)。続いて、未排出カウンタにおけるカウント値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS304)。
【0093】
ステップS304にて未排出カウンタにおけるカウント値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS304;Yes)、大当り決定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS305)。そして、大当り決定フラグがオンとなっているときには(ステップS305;Yes)、大当り決定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS306)、遊技制御時間タイマに特定遊技待機用タイマ初期値をセットする(ステップS307)。ここで、特定遊技待機用タイマ初期値は、可変入賞装置5による始動動作を行った後に大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に進入して特定玉検出器40によって検出されてから、大当り遊技状態における最初のラウンドが開始される前に行われる所定の演出(ラウンド抽選演出)等が終了するまでの所要時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。ステップS307の処理を実行した後には、演出制御基板12に対して特定領域入賞コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS308)、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技動作開始待ち処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS309)。また、ステップS304にて未排出カウンタにおけるカウント値が「0」以外である旨の判定がなされたときや(ステップS304;No)、ステップS305にて大当り決定フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS305;No)、ステップS306〜S309の処理を実行することなく始動時遊技球検出処理を終了する。
【0094】
ステップS301にて特定玉検出器40からの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS301;No)、左側の大入賞口31aに対応して設けられた入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS310)。このとき、入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS310;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1加算した後(ステップS311)、払出制御基板15に対して大入賞時賞球払出コマンドを送信する設定を行う(ステップS312)。ステップS310にて入賞玉検出器42aからの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS310;No)、ステップS311及びステップS312の処理をスキップする。
【0095】
続いて、右側の大入賞口31bに対応して設けられた入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS313)。このとき、入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS313;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1加算した後(ステップS314)、払出制御基板15に対して大入賞時賞球払出コマンドを送信する設定を行う(ステップS315)。ステップS313にて入賞玉検出器42bからの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS313;No)、ステップS314及びステップS315の処理をスキップする。この後、排出玉検出器44からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS316)。このとき、排出玉検出器44からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS316;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算する(ステップS317)。ステップS317の処理を実行した後には、前述したステップS304の処理に進み、未排出カウンタにおけるカウント値をチェックする。
【0096】
図18は、図16に示すステップS226にて実行される始動動作後遊技球検出処理の一例を示すフローチャートである。この始動動作後遊技球検出処理において、CPU103は、まず、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS321)。このとき、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS321;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算した後(ステップS322)、大当り決定フラグをオン状態にセットする(ステップS380)。続いて、未排出カウンタにおけるカウント値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS381)。このとき、未排出カウンタにおけるカウント値が「0」以外である旨の判定がなされた場合には(ステップS381;No)、始動動作後遊技球検出処理を終了する。
【0097】
他方、ステップS381にて未排出カウンタにおけるカウント値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS381;Yes)、大当り決定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS382)。そして、大当り決定フラグがオンとなっているときには(ステップS382;Yes)、大当り決定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS383)、図17に示すステップS307と同様にして、遊技制御時間タイマに特定遊技待機用タイマ初期値をセットする(ステップS323)。ステップS323の処理を実行した後には、演出制御基板12に対して特定領域入賞コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS324)、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技動作開始待ち処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS325)。
【0098】
ステップS382にて大当り決定フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS382;No)、第1表示装置4Aにおける可変表示を終了して所定の表示状態とする設定を行う(ステップS384)。具体的な一例として、第1表示装置4Aにおける4つの発光体を全て赤色に発光させるなど、特定玉検出器40によって遊技球が検出されなかった旨を遊技者等が認識可能となるように表示できればよい。このときには、始動動作中に大入賞口31a、31bに進入した遊技球が全て可変入賞装置5内から排出されたと判断して、次の始動動作を実行可能に設定するための処理を行う。すなわち、遊技制御時間タイマをクリアして初期化した後(ステップS385)、演出制御基板12に対して始動動作終了コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS386)、遊技制御プロセスフラグの値を始動動作設定処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS387)。こうして、始動動作を行った後には、特定玉検出器40によって遊技球が検出されることなく可変入賞装置5内から遊技球が全て排出されたときに、次の始動動作が実行可能に設定される。
【0099】
また、ステップS321にて特定玉検出器40からの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS321;No)、排出玉検出器44からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS326)。このとき、排出玉検出器44からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS326;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算する(ステップS327)。ステップS327の処理を実行した後には、前述したステップS381の処理に進み、未排出カウンタにおけるカウント値をチェックする。このように、可変入賞装置5にて開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成する始動動作が行われて大入賞口31a、31bが閉成された後、可変入賞装置5内から全ての遊技球が排出されるまでの期間においては、入賞玉検出器42a、42bにより大入賞口31a、31bに進入した遊技球の検出が行われないように制御することで、不正な賞球の払出を防止できる。
【0100】
図19は、図14のステップS122にて実行される特定遊技動作開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す特定遊技動作開始待ち処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算する(ステップS241)。そして、ステップS241にて減算された遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が特定遊技開始基準値以下となったか否かを判定する(ステップS242)。このとき、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が特定遊技開始基準値よりも大きな値であれば(ステップS242;No)、第1表示装置における表示状態を、継続ラウンド回数を特定可能となるような表示態様で停止させた表示を行わせる(ステップS243)。すなわち、CPU103は、図13のステップS104にて決定してセーブした継続ラウンド回数に対応して、第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(A)〜(D)のいずれかに示す表示態様とすることにより、遊技者等が継続ラウンド回数を特定できるような表示を行わせる。
【0101】
これに対して、ステップS242にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が特定遊技開始基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS242;Yes)、第1表示装置4Aにおける表示状態を初期化した後(ステップS244)、ラウンドカウンタにカウント初期値として「0」を設定する(ステップS245)。そして、遊技制御プロセスフラグの値をラウンド開始時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS246)。
【0102】
図20は、図14のステップS123にて実行されるラウンド開始時処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すラウンド開始時処理を開始すると、CPU103は、まず、ラウンドカウンタにおけるカウント値を1加算する(ステップS261)。続いて、例えば乱数回路104や図12に示すステップS13の乱数更新処理などによって更新されるラウンド継続確率設定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS262)。このとき抽出されたラウンド継続確率設定用乱数の値に基づき、所定のラウンド継続確率決定テーブルを参照するなどして、これから開始されるラウンドを高確率ラウンドとするか低確率ラウンドとするかを決定し、その決定結果に基づいてラウンドの継続する確率(これから開始されるラウンドから、さらに次のラウンドに移行できる確率)が高確率となるか低確率となるかを判定する(ステップS263)。ここで、ラウンド継続確率決定テーブルは、ラウンド継続確率設定用乱数の値と、高確率ラウンドとするか低確率ラウンドとするかの決定結果とを対応付ける設定データなどから構成されていればよい。また、継続ラウンド回数やラウンドカウンタにおけるカウント値などに応じて、高確率ラウンドとなる割合と低確率ラウンドとなる割合とが異なるように、ラウンド継続確率決定テーブルにおけるラウンド継続確率設定用乱数の値の割当てが設定されていてもよい。
【0103】
ステップS263にてラウンドの継続する確率が比較的に低い低確率である旨の判定がなされたときには(ステップS263;低確率)、例えばモータ回路112に対応して予め設けられたモータ駆動信号送信テーブルなどに、モータ51を駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、低確率ラウンドにおける振分け部材32の初期設定を行い(ステップS264)、可変入賞装置5内に設けられた振分け部材32を奥行き方向に後退させる。このときには、高確率振分けフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS265)。
【0104】
また、ステップS263にてラウンドの継続する確率が比較的に高い高確率である旨の判定がなされたときには(ステップS263;高確率)、高確率ラウンドにおける振分け部材32の初期設定を行い(ステップS266)、可変入賞装置5内に設けられた振分け部材32を手前方向に前進させる。このときには、高確率振分けフラグをオン状態にセットする(ステップS267)。ステップS265またはステップS267の処理を実行した後には、ソレノイド駆動信号送信テーブルなどにソレノイド50a、50bを駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、可変入賞装置5に設けられた開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを始動動作よりも遊技者にとって有利な特定態様で所定回数(例えば18回)開成させる動作を実行するための設定を行う(ステップS268)。続いて、遊技制御時間タイマに、ラウンド遊技用タイマ初期値をセットする(ステップS269)。ここで、ラウンド遊技用タイマ初期値は、1回のラウンドにて開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる動作を行ってから、当該ラウンドを終了させるまでの最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。
【0105】
この後、CPU103は、大入賞カウンタにカウント初期値として「0」を設定するとともに(ステップS270)、演出制御基板12に対してラウンド開始コマンドを送信する設定を行う(ステップS271)。また、第1表示装置4Aにおける表示状態を、例えば振分け部材32の設定に対応して図6(E)及び(F)のいずれかに示す表示態様とするなど、ラウンド中における第1表示装置4Aの表示設定を行う(ステップS272)。そして、遊技制御プロセスフラグの値をラウンド中制御処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS273)。
【0106】
図21は、図14のステップS124にて実行されるラウンド中制御処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すラウンド中制御処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算する(ステップS281)。そして、ステップS281にて減算した遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値以下となったか否かを判定する(ステップS282)。ここで、開閉終了基準値は、1回のラウンド中にて特定態様で開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる動作を所定回数(例えば18回)実行した後に大入賞口31a、31bが閉成されるまでの所要時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS282にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS282;No)、後述する振分け部材制御処理(ステップS283)と、開閉中遊技球検出処理(ステップS284)とを実行する。
【0107】
また、ステップS282にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS282;Yes)、さらに遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値と一致しているか否かを判定する(ステップS285)。そして、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値と一致しているときには(ステップS285;Yes)、ソレノイド駆動信号送信テーブルなどにソレノイド50a、50bの駆動を停止させる駆動停止信号の送信指令をセットするなどして、開閉部材30a、30bによる大入賞口31a、31bの開閉動作を終了させるための設定を行う。ステップS285にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値とは異なるときには(ステップS285;No)、ステップS286の処理をスキップする。
【0108】
続いて、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値がラウンド終了基準値(例えば「0」)以下となっているか否かを判定する(ステップS287)。このとき、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値がラウンド終了基準値以下となっていれば(ステップS287;Yes)、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技終了処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS288)。他方、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値がラウンド終了基準値よりも大きな値であるときには(ステップS287;No)、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS289)。そして、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているときには(ステップS289;Yes)、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数に達しているか否かを判定する(ステップS290)。
【0109】
ステップS290にてラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数に達していないと判定されたときには(ステップS290;No)、遊技制御プロセスフラグの値をラウンド開始時処理に対応した値である“3”に更新することにより(ステップS291)、次のラウンドに移行するための処理を実行可能にする。これに対して、ステップS289にて特定玉検出器40からの検出信号がオフ状態であるときや(ステップS289;No)、ステップS290にてラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数に達しているときには(ステップS290;Yes)、ステップS291の処理を実行することなくラウンド中制御処理を終了させる。
【0110】
図22は、図21に示すステップS283にて実行される振分け部材制御処理の一例を示すフローチャートである。この振分け部材制御処理において、CPU103は、まず、高確率振分けフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS331)。このとき、高確率振分けフラグがオフであれば(ステップS331;No)、実行中のラウンドは低確率ラウンドであると判断して、当該ラウンド中における所定のタイミングで振分け部材32を遊技者にとって有利な状態に変化させるための処理を実行する。すなわち、CPU103は、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が所定の貯留開始基準値となっているか否かを判定し(ステップS332)、貯留開始基準値となっているときには(ステップS332;Yes)、モータ駆動信号送信テーブルなどにモータ51を駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、振分け部材32によって可変入賞装置5内に進入した遊技球の貯留を開始するための設定を行う(ステップS333)。また、演出制御基板12に対して貯留開始コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS334)、第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(E)に示す表示態様とする表示制御を行い、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化したことを特定可能に報知する貯留開始表示のための設定を行う(ステップS335)。
【0111】
ステップS331にて高確率振分けフラグがオンであるときや(ステップS331;Yes)、ステップS332にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留開始基準値とは異なる旨の判定がなされたときには(ステップS332;No)、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が所定の貯留終了基準値となっているか否かを判定する(ステップS336)。このとき、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留終了基準値であれば(ステップS336;Yes)、モータ駆動信号送信テーブルなどにモータ51を駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、振分け部材32による遊技球の貯留を終了するための設定を行う(ステップS337)。また、演出制御基板12に対して貯留終了コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS338)、第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(F)に示す表示態様とする表示制御を行い、振分け部材32による遊技球の貯留が終了したことを特定可能に報知する貯留終了表示のための設定を行う(ステップS339)。なお、ステップS336にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留終了基準値とは異なる旨の判定がなされたときには(ステップS336;No)、ステップS337〜S339の処理をスキップして振分け部材制御処理を終了させる。
【0112】
図23は、図21に示すステップS284にて実行される開閉中遊技球検出処理の一例を示すフローチャートである。この開閉中遊技球検出処理において、CPU103は、まず、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS351)。このとき、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS351;Yes)、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているか否かを判定する(ステップS352)。そして、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数とは異なる値であるときには(ステップS352;No)、新たなラウンドに移行可能であると判断して、まず、ソレノイド駆動信号送信テーブルなどにソレノイド50a、50bの駆動を停止する駆動停止信号の送信指令をセットするなどして、開閉部材30a、30bによる大入賞口31a、31bの開閉動作を停止させるための設定を行う(ステップS353)。続いて、遊技制御プロセスフラグの値をラウンド開始時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS354)。
【0113】
また、ステップS351にて特定玉検出器40からの検出信号がオフ状態であるときや(ステップS351;No)、ステップS352にてラウンドカウンタのカウント値が継続ラウンド回数と一致している旨の判定がなされたときには(ステップS352;Yes)、新たなラウンドへの移行は行わないものと判断して、左側の大入賞口31aに対応して設けられた入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS355)。このとき、入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS355;Yes)、大入賞カウンタにおけるカウント値を1加算するとともに(ステップS356)、払出制御基板15に対して大入賞時賞球払出コマンドを送信する設定を行う(ステップS357)。続いて、ステップS356にて加算された大入賞カウンタにおけるカウント値が所定の開閉停止基準値(例えば「10」)と一致しているか否かを判定する(ステップS358)。ステップS358にて大入賞カウンタにおけるカウント値が開閉停止基準値と一致している旨の判定がなされたときには(ステップS358;Yes)、ステップS353と同様にして、開閉部材30a、30bによる大入賞口31a、31bの開閉動作を停止させるための設定を行う(ステップS359)。
【0114】
ステップS359の処理を実行した後には、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているか否かを判定する(ステップS360)。そして、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているときには(ステップS360;Yes)、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技終了処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS361)。これにより、大当り遊技状態にて実行されたラウンドの回数が継続ラウンド回数に達し、そのラウンド中に大入賞口31a、31bに進入した遊技球の個数が所定の開閉停止基準値(例えば「10」)に達したときには、その時点で大当り遊技状態を終了させることができる。
【0115】
ステップS355にて入賞玉検出器42aからの検出信号がオフ状態である旨の判定がなされたときや(ステップS355;No)、ステップS358にて大入賞カウンタにおけるカウント値が開閉停止基準値とは異なる値である旨の判定がなされたとき(ステップS358;No)、及びステップS360にてラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数とは異なる値である旨の判定がなされたときには(ステップS360;No)、右側の大入賞口31bに対応して設けられた入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS362)。このとき、入賞玉検出器42bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS362;No)、そのまま開閉中遊技球検出処理を終了する。これに対して、入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態であれば(ステップS362;Yes)、大入賞カウンタにおけるカウント値を1加算するとともに(ステップS363)、払出制御基板15に対して大入賞時賞球払出コマンドを送信する設定を行う(ステップS364)。続いて、ステップS363にて加算された大入賞カウンタにおけるカウント値が所定の開閉停止基準値と一致しているか否かを判定する(ステップS365)。ステップS365にて大入賞カウンタにおけるカウント値が開閉停止基準値と一致している旨の判定がなされたときには(ステップS365;Yes)、ステップS353やステップS359と同様にして、開閉部材30a、30bによる大入賞口31a、31bの開閉動作を停止させるための設定を行う(ステップS366)。
【0116】
ステップS366の処理を実行した後には、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているか否かを判定する(ステップS367)。そして、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているときには(ステップS367;Yes)、ステップS361の処理に進み、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技終了処理に対応した値である“5”に更新する。また、ステップS365にて大入賞カウンタにおけるカウント値が開閉停止基準値とは異なる値である旨の判定がなされたときには(ステップS365;No)、ステップS366及びステップS367の処理をスキップして開閉中遊技球検出処理を終了する。
【0117】
次に、演出制御基板12における処理について説明する。図24は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御基板12では、電源中継基板14及び主基板11を介して電源基板10からの電源供給が開始されると、演出制御用CPU120が図24に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。図24に示す演出制御メイン処理では、まず、所定の初期化処理により、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための割込レジスタの初期設定等を行う(ステップS21)。
【0118】
その後、演出制御用CPU120は、所定のタイマ割込フラグを監視し、タイマ割込フラグがセットされるまでループ処理を実行する(ステップS22)。このループ処理では、演出制御基板12の側でカウントされる各種の乱数値を示す数値データを更新する乱数更新処理が実行されてもよい。演出制御用CPU120にてタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理が実行されることによってタイマ割込フラグがオン状態にセットされる。なお、演出制御用CPU120にてタイマ割込みが発生する周期は、演出制御用CPU120にて実行される各種の処理に合わせて任意に設定可能である。
【0119】
また、演出制御用CPU120では、タイマ割込みとは別個に、信号中継基板13を介して主基板11から送信される演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11から送信される演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
【0120】
主基板11から送信される演出制御INT信号がオン状態となることにより演出制御用CPU120にて割込みが発生することで、所定のコマンド受信割込処理が実行されて、所定の入力ポートから読み込まれた演出制御コマンドが所定の受信コマンドバッファに格納される。その一方で、図24に示すステップS22にてタイマ割込みの発生が確認されたときには(ステップS22;Yes)、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理(ステップS23)や、演出制御プロセス処理(ステップS24)、乱数更新処理(ステップS25)などを実行した後、ステップS22にリターンする。
【0121】
図25は、図24に示すステップS23にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。このコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信コマンドバッファの内容をチェックするなどして、受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS131)。このとき、受信コマンドバッファに演出制御コマンドが格納されているなどして、受信コマンドがあることを確認したときには(ステップS131;Yes)、受信コマンドを読み出し(ステップS132)、そのコマンドが始動入賞コマンドであるか否かを判定する(ステップS133)。
【0122】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが始動入賞コマンドであれば(ステップS133;Yes)、その始動入賞コマンドに含まれるデータによって示される継続ラウンド回数をRAM122に確保された所定エリアにセーブさせるとともに(ステップS134)、演出制御フラグ設定エリアに設けられた始動入賞フラグをオン状態にセットする(ステップS135)。その後、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが始動入賞コマンドではないときには(ステップS133;No)、そのコマンドが始動動作終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS136)。
【0123】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが始動動作終了コマンドであれば(ステップS136;Yes)、始動動作終了フラグをオン状態にセットして(ステップS137)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが始動動作終了コマンドではないときには(ステップS136;No)、そのコマンドが特定領域入賞コマンドであるか否かを判定する(ステップS138)。
【0124】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが特定領域入賞コマンドであれば(ステップS138;Yes)、V入賞フラグをオン状態にセットして(ステップS139)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが特定領域入賞コマンドではないときには(ステップS138;No)、そのコマンドがラウンド開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS140)。
【0125】
ステップS132にて読み出した受信コマンドがラウンド開始コマンドであれば(ステップS140;Yes)、そのラウンド開始コマンドに含まれるデータによって示される実行ラウンド数をRAM122に確保された所定エリアにセーブさせるとともに(ステップS141)、ラウンド開始フラグをオン状態にセットする(ステップS142)。その後、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドがラウンド開始コマンドではないときには(ステップS140;No)、そのコマンドが貯留開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS143)。
【0126】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが貯留開始コマンドであれば(ステップS143;Yes)、貯留開始フラグをオン状態にセットして(ステップS144)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが貯留開始コマンドではないときには(ステップS143;No)、そのコマンドが貯留終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS145)。
【0127】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが貯留終了コマンドであれば(ステップS145;Yes)、貯留終了フラグをオン状態にセットして(ステップS146)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが貯留終了コマンドではないときには(ステップS145;No)、そのコマンドが特定遊技状態終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS147)。
【0128】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが特定遊技状態終了コマンドであれば(ステップS147;Yes)、大当り終了フラグをオン状態にセットして(ステップS148)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドであるときには(ステップS147;No)、演出制御フラグ設定エリアにて受信した演出制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットして(ステップS149)、ステップS131にリターンする。こうして全ての受信コマンドが読み出されると(ステップS131;No)、コマンド解析処理を終了する。
【0129】
図26は、図24に示すステップS24にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から送信された演出制御コマンドなどに応じて更新される演出制御プロセスフラグの値に対応して、以下に示すステップS160〜S167の各処理を実行する。
【0130】
演出制御プロセスフラグの値が“0”のとき、演出制御用CPU120は「演出制御通常処理」を実行して、始動入賞フラグのチェックや演出モードフラグの値の更新などを行う(ステップS160)。演出制御プロセスフラグの値が“1”のとき、演出制御用CPU120は「始動入賞時演出開始処理」を実行して、可変入賞装置5によって始動動作が実行されるときに第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を決定する(ステップS161)。演出制御プロセスフラグの値が“2”のとき、演出制御用CPU120は「始動入賞時演出中処理」を実行して、可変入賞装置5による始動動作が実行されたときに第2表示装置4Bによって所定の演出表示を実行する制御を行う(ステップS162)。
【0131】
演出制御プロセスフラグの値が“3”のとき、演出制御用CPU120は「抽選演出開始処理」を実行して、大当り遊技状態が発生するときに第2表示装置4Bにて継続ラウンド回数を報知する演出表示を実行するための設定を行う(ステップS163)。演出制御プロセスフラグの値が“4”のとき、演出制御用CPU120は「抽選演出中処理」を実行して、第2表示装置4Bにて継続ラウンド回数を報知する演出表示を実行する制御を行う(ステップS164)。演出制御プロセスフラグの値が“5”のとき、演出制御用CPU120は「ラウンド演出開始処理」を実行して、大当り遊技状態における各ラウンドの開始時に第2表示装置4Bにおける演出表示の設定を行う(ステップS165)。
【0132】
演出制御プロセスフラグの値が“6”のとき、演出制御用CPU120は「ラウンド演出中処理」を実行して、大当り遊技状態における各ラウンドの実行中にて第2表示装置4Bにより所定の演出表示を実行する制御を行う(ステップS166)。演出制御プロセスフラグの値が“7”のとき、演出制御用CPU120は「大当り終了演出処理」を実行して、大当り遊技状態の終了時に第2表示装置4Bにより大当り遊技状態の終了を報知する演出表示を実行する制御を行う(ステップS167)。
【0133】
図27は、図26のステップS160にて実行される演出制御通常処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す演出制御通常処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS401)。このとき、始動入賞フラグがオンであれば(ステップS401;Yes)、始動入賞フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS402)、演出制御プロセスフラグの値を始動入賞時演出開始処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS403)。
【0134】
ステップS401にて始動入賞フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS401;No)、デモ表示中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS404)。ここで、デモ表示中フラグは、後述するステップS407にてオン状態にセットされた後、所定のデモ表示期間が経過したときにステップS413にてクリアされてオフ状態となる。デモ表示中フラグがオフであるときには(ステップS404;No)、所定のデモ画面表示を開始するために予め設定された所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS405)。このとき、所定時間が経過していなければ(ステップS405;No)、そのまま演出通常処理を終了する。
【0135】
また、ステップS405にて所定時間が経過した旨の判定がなされたときには(ステップS405;Yes)、演出制御用CPU120がVDP123に対して所定の描画指令を送信するなどして、デモ画面表示を開始する設定を行う(ステップS406)。例えば、演出制御用CPU120は、画像ポインタにおけるポインタ値をデモ画面表示用の画像データにおける先頭アドレスに設定した後、VDP123に対して当該画像ポインタ値に基づく画像データの読出動作の開始指令を送出することにより、第2表示装置4Bにおけるデモ画面表示を開始させる。こうしたデモ画面表示の開始設定によって、第2表示装置4Bでは、例えば図28に示すようなデモ画面表示が行われ、遊技者に対して操作ボタン22の操作を促す報知を行うことができる。ステップS406にてデモ画面表示の開始設定を行った後には、デモ画面表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS407)。
【0136】
ステップS404にてデモ画面表示中フラグがオンである旨の判定がなされたときや(ステップS404;Yes)、ステップS407の処理を実行した後には、操作ボタン22の操作によって演出スイッチ20からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS408)。このとき、演出スイッチ20からの検出信号がオン状態であれば(ステップS408;Yes)、演出モードを切り換えるための設定を行う。すなわち、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定し(ステップS409)、演出モードフラグの値が“0”であれば(ステップS409;“0”)、“1”に更新する一方(ステップS410)、“1”であれば(ステップS409;“1”)、“0”に更新する(ステップS411)。
【0137】
ステップS408にて演出スイッチ20からの検出信号がオフ状態である旨の判定がなされたときや(ステップS408;No)、ステップS410またはステップS411の処理を実行した後には、所定のデモ表示期間が終了したか否かを判定する(ステップS412)。このとき、デモ表示期間が終了していれば(ステップS412;Yes)、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS413)。また、演出制御用CPU120がVDP123に所定の制御指令を送って、第2表示装置4Bにおける表示を初期化するようにしてもよい。他方、ステップS412にてデモ表示期間が終了していない旨の判定がなされたときには(ステップS412;No)、ステップS413の処理をスキップして演出制御通常処理を終了する。
【0138】
図29は、図26のステップS161にて実行される始動入賞時演出開始処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す始動入賞時演出開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定する(ステップS421)。このとき、演出モードフラグの値が“0”であれば、第2表示装置4Bによる演出表示における表示態様を決定するためのテーブルとして、図10(A)に示す第1演出決定テーブル131Aを設定する(ステップS422)。これに対して、演出モードフラグの値が“1”であれば、図10(B)に示す第2演出決定テーブル131Bを設定する(ステップS423)。
【0139】
この後、図25に示すステップS134の処理でセーブした継続ラウンド回数を読み出すとともに(ステップS424)、演出決定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS425)。こうして取得した継続ラウンド回数及び演出決定用乱数の値に基づき、ステップS422またはステップS423にて設定した第1または第2演出決定テーブル131A、131Bを参照することにより、第2表示装置4Bによる演出表示における演出態様を決定する(ステップS426)。これにより、演出モードフラグの値が“0”であるときには、ROM121に格納された複数種類の演出表示制御データのうちから、図8(A)〜(F)に示す演出A−1、図8(G)〜(L)に示す演出B−1、図8(M)〜(R)に示す演出C−1のいずれかを示す演出表示制御データが選択され、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様が決定される。また、演出モードフラグの値が“1”であるときには、ROM121に格納された複数種類の演出表示制御データのうちから、図9(A)〜(F)に示す演出A−2、図9(G)〜(L)に示す演出B−2、図9(M)〜(R)に示す演出C−2のいずれかを示す演出表示制御データが選択され、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様が決定される。
【0140】
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS426にて決定した演出態様を示す演出表示制御データを読み取り、画像ポインタ値を始動時演出用の先頭アドレスに設定する(ステップS427)。ここで、始動時演出用の先頭アドレスは、例えば複数種類の演出表示制御データそれぞれによって個別に指定されており、演出制御用CPU120が演出表示制御データを読み取ることによって特定することができればよい。ステップS427にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124における始動時演出用の先頭アドレスから画像データの読み出しを開始し、読み出された画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、ステップS426にて決定した演出態様での第2表示装置4Bによる演出表示を開始させることができる。ステップS427の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を始動入賞時演出中処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS428)。
【0141】
図30は、図26のステップS162にて実行される始動入賞時演出中処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す始動入賞時演出中処理において、演出制御用CPU120は、まず、V入賞フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS441)。このとき、V入賞フラグがオンであれば(ステップS441;Yes)、V入賞フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS442)、画像ポインタ値をV入賞報知用のアドレスに設定する(ステップS443)。ここで、V入賞報知用のアドレスは、例えば複数種類の演出表示制御データそれぞれによって個別に指定されており、演出制御用CPU120が演出表示制御データを読み取ることによって特定することができればよい。ステップS443にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124におけるV入賞報知用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、V入賞口35に遊技球が入賞した旨を報知する画像を表示させることができる。ステップS443の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を抽選演出開始処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS444)。
【0142】
また、ステップS441にてV入賞フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS441;No)、始動動作終了フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS445)。このとき、始動動作終了フラグがオンであれば(ステップS445;Yes)、始動動作終了フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS446)、画像ポインタ値を始動時演出終了用のアドレスに設定する(ステップS447)。これにより、VDP123は、CGROM124における始動時演出終了用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給して、可変入賞装置5による始動動作が終了した旨を報知する画像を表示させることができる。ステップS447の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を演出制御通常処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS448)。
【0143】
図31は、図26のステップS163にて実行される抽選演出開始処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す抽選演出開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出時間タイマに抽選演出用タイマ初期値を設定する(ステップS461)。ここで、抽選演出用タイマ初期値は、大当り遊技状態における最初のラウンドが開始される前に行われるラウンド抽選演出の所要時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。ステップS461にて演出時間タイマの設定を行った後には、図25に示すステップS134の処理でセーブした継続ラウンド回数を読み出し(ステップS462)、ラウンド残回数カウンタに継続ラウンド回数をセットする(ステップS463)。この後、画像ポインタの値を抽選演出用の先頭アドレスに設定する(ステップS464)。ここで、抽選演出用の先頭アドレスは、例えば複数種類の演出表示制御データそれぞれによって個別に指定されており、演出制御用CPU120が演出表示制御データを読み取ることによって特定することができればよい。ステップS464にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124における抽選演出用の先頭アドレスから画像データの読み出しを開始し、読み出された画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、図29に示すステップS426にて決定した演出態様でのラウンド抽選演出を開始させることができる。ステップS464の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を抽選演出中処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS465)。
【0144】
図32は、図26のステップS164にて実行される抽選演出中処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す抽選演出中処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出時間タイマにおけるタイマ値を1減算する(ステップS471)。そして、ステップS471にて減算された演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値以下となったか否かを判定する(ステップS472)。ここで、抽選結果出力基準値は、ラウンド抽選演出にてラウンドの実行回数を報知する表示結果を第2表示装置4Bに表示させるタイミングに対応したタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS472にて演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS472;No)、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定する(ステップS473)。このとき、演出モードフラグの値が“1”であれば(ステップS473;“1”)、後述する演出スイッチ操作検出処理(ステップS474)を実行する一方、演出モードフラグの値が“0”であれば(ステップS473;“0”)、ステップS474の処理をスキップして抽選演出中処理を終了する。
【0145】
ステップS472にて演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS472;Yes)、さらに演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致しているか否かを判定する(ステップS475)。このとき、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致していれば(ステップS475;Yes)、後述する抽選結果出力処理を実行する(ステップS476)。ステップS475にて演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値とは異なる旨の判定がなされたときや(ステップS475;No)、ステップS476にて抽選結果出力処理を実行した後には、ラウンド開始フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS477)。
【0146】
ステップS477にてラウンド開始フラグがオンである旨の判定がなされたときには(ステップS477;Yes)、ラウンド開始フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS478)、演出時間タイマをクリアして初期化した後(ステップS479)、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値を1減算する(ステップS480)。続いて、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定し(ステップS481)、“1”となっているときには(ステップS481;“1”)、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値を1減算する(ステップS482)。ステップS481にて演出モードフラグの値が“0”となっている旨の判定がなされたときや(ステップS481;“0”)、ステップS482の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド演出開始処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS483)。
【0147】
また、ステップS477にてラウンド開始フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS477;No)、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値以下であるか否かを判定する(ステップS484)。ここで、ラウンド開始待機基準値は、ラウンド抽選演出を開始してから大当り遊技状態における最初のラウンドに対応した演出表示を開始するまでの最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値であればよい。ステップS484にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS484;Yes)、主基板11から送信されるラウンド開始コマンドを適切に受信することができなかったと判断して、所定のエラー処理を実行する(ステップS485)。これに対して、ステップS484にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS484;No)、ステップS485の処理をスキップして抽選演出中処理を終了する。
【0148】
図33は、図32に示すステップS474にて実行される演出スイッチ操作検出処理の一例を示すフローチャートである。この演出スイッチ操作検出処理において、演出制御用CPU120は、まず、スイッチ操作検出フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS601)。このとき、スイッチ操作検出フラグがオフであれば(ステップS601;No)、操作ボタン22の操作によって演出スイッチ20からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS602)。そして、演出スイッチ20からの検出信号がオン状態であるときには(ステップS602;Yes)、スイッチ操作検出フラグがオン状態にセットされる(ステップS603)。
【0149】
ステップS603の処理に続いて、図25に示すステップS134の処理でセーブした継続ラウンド回数を読み出し(ステップS604)、演出時間タイマにおけるタイマ値を特定するとともに(ステップS605)、表示結果決定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS606)。こうして取得した継続ラウンド回数、演出時間タイマにおけるタイマ値、及び表示結果決定用乱数の値に基づいて、第2表示装置4Bにラウンド抽選結果を示す表示結果として表示させる報知ラウンド回数を決定する(ステップS607)。
【0150】
例えば、ROM121には、継続ラウンド回数ごとに、演出時間タイマにおけるタイマ値と、表示結果決定用乱数の値と、報知ラウンド回数とを対応付ける設定データから構成された表示結果決定テーブルが予め格納されている。ここで、この実施の形態で報知ラウンド回数として選択可能なラウンドの実行回数としては、「1」、「3」、「7」、「15」の回数を示す報知情報と、ラウンドの実行回数を報知しない非報知情報とがあるものとする。
【0151】
表示結果決定テーブルでは、継続ラウンド回数以下の報知ラウンド回数に対して、表示結果決定用乱数の値が割り当てられている。また、継続ラウンド回数と同一の報知ラウンド回数に対して割り当てられている表示結果決定用乱数の値は、演出時間タイマのタイマ値に応じて異なっている。例えば、ラウンド抽選演出が開始されてからの経過時間が0秒〜2秒に対応する演出時間タイマのタイマ値では、2秒〜4秒に対応するタイマ値や4秒〜5秒に対応するタイマ値に比べて多くの乱数値が、継続ラウンド回数と同一の報知ラウンド回数に対して割り当てられている。また、ラウンド抽選演出が開始されてからの経過時間が2秒〜4秒に対応する演出時間タイマのタイマ値では、4秒〜5秒に対応するタイマ値に比べて多くの乱数値が、継続ラウンド回数と同一の報知ラウンド回数に対して割り当てられている。なお、継続ラウンド回数が「1」であるときには、報知ラウンド回数として「1」のみが選択可能であるので、演出時間タイマのタイマ値にかかわらず、全ての表示結果決定用乱数の値が「1」を示す報知ラウンド回数の決定結果に対して割り当てられている。こうした表示結果決定テーブルにおける設定により、例えば図34に示すような選択確率で、報知ラウンド回数が「1」、「3」、「7」、「15」いずれかに決定される。
【0152】
例えば、図34に示す設定では、継続ラウンド回数が「15」であるときに、ラウンド抽選演出を開始した後の経過時間が0秒から2秒までの間に操作ボタン22の操作が検出された場合、報知ラウンド回数を「15」とする選択確率が3/5となり、「7」とする選択確率が1/4となり、「3」とする選択確率が1/10となり、「1」とする選択確率が1/20となる。従って、ラウンド抽選演出を開始してから1秒後に操作ボタン22の操作が検出されたときには、報知ラウンド回数として「15」が選択される確率が最も高いことになる。
【0153】
ステップS607にて報知ラウンド回数を決定した後には、その報知ラウンド回数を報知ラウンドカウンタにセットするとともに(ステップS608)、画像ポインタ値を操作検出用のアドレスに設定する(ステップS609)。これにより、VDP123は、CGROM124における操作検出用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給して、ラウンド抽選演出中に操作ボタン22の操作が検出されたことに応じた画像を表示させることができる。なお、ステップS601にてスイッチ操作検出フラグがオンである旨の判定がなされたときや(ステップS601;Yes)、ステップS602にて演出スイッチ20からの検出信号がオフ状態である旨の判定がなされたときには(ステップS602;No)、そのまま演出スイッチ操作検出処理を終了する。
【0154】
図35は、図32に示すステップS476にて実行される抽選結果出力処理の一例を示すフローチャートである。この抽選結果出力処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定する(ステップS621)。このとき、演出モードフラグの値が“1”であれば(ステップS621;“1”)、スイッチ操作検出フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS622)。そして、スイッチ操作検出フラグがオンとなっている旨の判定がなされたときには(ステップS622;Yes)、スイッチ操作検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS623)、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値に対応した表示結果をラウンド抽選演出における表示結果に決定する(ステップS624)。また、ステップS622にてスイッチ操作検出フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS622;No)、ラウンドの実行回数を報知しない表示結果をラウンド抽選演出における表示結果に決定する(ステップS625)。ここで、ステップS625の処理を実行するときには、継続ラウンド回数よりも小さい任意の数値(自然数)を、報知ラウンドカウンタにおけるカウント初期値として設定してもよい。
【0155】
ステップS621にて演出モードフラグの値が“0”である旨の判定がなされたときや(ステップS621;“0”)、ステップS624またはステップS625の処理を実行した後には、画像ポインタ値を表示結果出力用のアドレスに設定する(ステップS626)。ここで、演出モードフラグの値が“0”であるときには、継続ラウンド回数に対応したアドレスを画像ポインタ値に設定することにより、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数をそのまま報知するようにしてもよい。ステップS626にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124における表示結果出力用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、ラウンド抽選演出における表示結果となる画像を表示させることができる。
【0156】
図36は、図26のステップS165にて実行されるラウンド演出開始処理の一例を示すフローチャートである。図36に示すラウンド演出開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出時間タイマにラウンド演出用タイマ初期値を設定する(ステップS491)。ここで、ラウンド演出用タイマ初期値は、大当り遊技状態における1回のラウンド中に行われる演出表示の最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。ステップS491にて演出時間タイマの設定を行った後には、図25に示すステップS141の処理でセーブした実行ラウンド数を読み出すとともに(ステップS492)、画像ポインタ値をラウンド演出用の先頭アドレスに設定する(ステップS493)。ここで、ラウンド演出用の先頭アドレスは、例えば実行ラウンド数毎に予め設定されたものであればよい。ステップS493にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124におけるラウンド演出用の先頭アドレスから画像データの読み出しを開始し、読み出された画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、実行ラウンド数に応じた演出態様でのラウンド中における演出表示を開始させることができる。ステップS493の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド演出中処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS494)。
【0157】
図37は、図26のステップS166にて実行されるラウンド演出中処理の一例を示すフローチャートである。図37に示すラウンド演出中処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、ラウンド開始フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、ラウンド開始フラグがオンであれば(ステップS501;Yes)、後述するラウンド移行時カウント処理を実行する(ステップS502)。
【0158】
ステップS501にてラウンド開始フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS501;No)、演出時間タイマにおけるタイマ値を1減算した後(ステップS503)、減算した演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値以下となったか否かを判定する(ステップS504)。ここで、ラウンド演出終了基準値は、大当り遊技状態における1回のラウンド中に行われる演出表示の最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値(例えば「0」)である。ステップS504にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS504;No)、貯留開始フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS505)。このとき、貯留開始フラグがオンであれば(ステップS505;Yes)、貯留開始フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS506)、画像ポインタ値を演出時間タイマ値に応じた変化タイミング報知用のアドレスに設定する(ステップS507)。
【0159】
例えば、図38に示すように、演出時間タイマにおけるタイマ値に対応して予め定められた画像ポインタ値を設定する。これにより、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様が、演出時間タイマのタイマ値に基づく振分け部材32の変化タイミングに応じて、図39(A)に示すような文字からなる報知情報63aを含んだ画像を表示する演出Xと、図39(B)に示すような文字からなる報知情報63bを含んだ演出Yと、図39(C)に示すようなキャラクタ画像63cを表示させる演出Zのいずれかに設定される。こうしたステップS507における画像ポインタ値の設定により、VDP123は、CGROM124における変化タイミング報知用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態である貯留可能状態に変化する変化タイミングに応じた演出態様での演出表示を行わせることができる。ステップS507の処理を実行した後には、貯留演出中フラグをオン状態にセットして(ステップS508)、ラウンド演出中処理を終了する。
【0160】
ステップS505にて貯留開始フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS505;No)、貯留演出中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS509)。そして、貯留演出中フラグがオンである旨の判定がなされたときには(ステップS509;Yes)、貯留終了フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS517)。このとき、貯留終了フラグがオンであれば(ステップS517;Yes)、貯留演出中フラグをクリアしていオフ状態にするとともに(ステップS518)、貯留終了フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS519)。また、ステップS517にて貯留終了フラグがオフである旨の判定がなされたときには、そのままラウンド演出中処理を終了することで、振分け部材32によって遊技球の貯留が行われているあいだはステップS507の処理による設定が維持されることになり、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態になっていることを特定可能に報知することができる。
【0161】
ステップS509にて貯留演出中フラグがオフである旨の判定がなされたときや(ステップS509;No)、ステップS519の処理を実行した後には、上乗せ演出フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS510)。ここで、上乗せ演出フラグは、後述する図40に示すステップS648の処理などにてオン状態にセットされる。ステップS510にて上乗せ演出フラグがオンである旨の判定がなされたときには(ステップS510;Yes)、演出時間タイマ値が上乗せ演出開始値以下となっているか否かを判定する(ステップS511)。ここで、上乗せ演出開始値は、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中において報知されているラウンドよりも多くのラウンドが実行可能である旨を報知する上乗せ演出の開始タイミングに対応するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。例えば、上乗せ演出開始値は、大当り遊技状態において各回のラウンドが開始されてから、次回のラウンドを開始するためのラウンド開始コマンドを受信するタイミングよりも上乗せ演出の開始タイミングが早く到来するようなタイマ値に設定されている。この場合、演出時間タイマにおけるタイマ値は、主基板11からラウンド開始コマンドを受信するよりも前の段階で、上乗せ演出開始値以下になる。ステップS511にて演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出開始値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS511;Yes)、画像ポインタ値をラウンド残カウンタにおけるカウント値に対応したアドレスに設定する(ステップS512)。VDP123は、このときに設定されたCGROM124のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、ラウンドの実行中においてこれまで報知されていたラウンドの実行回数よりも継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数の方が多く、さらにラウンドを継続させることが可能である旨を報知する演出表示を行わせることができる。
【0162】
ステップS512にて画像ポインタ値を設定した後には、演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出終了値以下となったか否かを判定する(ステップS513)。ここで、上乗せ演出終了値は、上乗せ演出の終了タイミングに対応するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS513にて演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出終了値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS513;Yes)、上乗せ演出フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS514)。
【0163】
ステップS510にて上乗せ演出フラグがオフである旨の判定がなされたときや(ステップS510;No)、ステップS511にて演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出開始値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS511;No)、画像ポインタ値を演出時間タイマにおけるタイマ値に応じて更新する(ステップS515)。VDP123は、このときに更新された画像ポインタ値に対応するCGROM124のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、ラウンドの実行中における演出表示を行わせることができる。また、ステップS513にて演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出終了値よりも大きな値である旨の判定がなされたときや(ステップS513;No)、ステップS514の処理を実行した後には、ステップS515の処理を実行することなくラウンド演出中処理を終了すればよい。そして、ステップS504にて演出時間タイマ値がラウンド演出終了基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS504;Yes)、後述するラウンド終了時演出処理を実行する(ステップS516)。
【0164】
なお、ステップS505にて貯留開始フラグがオンである旨の判定がなされたことによりステップS506にて貯留開始フラグをクリアしてオフ状態としたときに、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値が「0」となっている場合、すなわち、大当り遊技状態にて実行されたラウンドの回数が継続ラウンド回数に達している場合には、ステップS507の処理に進まずに、ステップS515の処理に進んで、画像ポインタ値を演出時間タイマにおけるタイマ値に応じて更新するようにしてもよい。この場合、大当り遊技状態にて実行されたラウンドの回数が継続ラウンド回数に達した最終ラウンドでは、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態である貯留可能状態に変化しても、その変化タイミングに応じた演出態様での演出表示は行われないことになる。
【0165】
図40は、図37のステップS502などにて実行されるラウンド移行時カウント処理の一例を示すフローチャートである。このラウンド移行時カウント処理において、演出制御用CPU120は、まず、ラウンド開始フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS641)、演出時間タイマをクリアして初期化する(ステップS642)。続いて、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値を1減算するとともに(ステップS643)、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定する(ステップS644)。このとき、演出モードフラグの値が“1”であれば(ステップS644;“1”)、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値を1減算し(ステップS645)、減算した報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS646)。
【0166】
ステップS646にて報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS646;Yes)、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値が「0」以下となっているか否かを判定する(ステップS647)。このとき、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値が「0」よりも大きな値であれば(ステップS647;No)、上乗せ演出フラグをオン状態にセットする(ステップS648)。ステップS644にて演出モードフラグの値が“0”である旨の判定がなされたときや(ステップS644;“0”)、ステップS646にて報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」以外の値である旨の判定がなされたとき(ステップS646;No)、ステップS647にてラウンド残回数カウンタにおけるカウント値が「0」以下である旨の判定がなされたとき(ステップS647;Yes)、及びステップS648の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド演出開始処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS649)。
【0167】
図41は、図37のステップS516にて実行されるラウンド終了時演出処理の一例を示すフローチャートである。このラウンド終了時演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値と一致するか否かを判定する(ステップS661)。このとき、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値に一致すれば(ステップS661;Yes)、画像ポインタ値をラウンド終了報知用のアドレスに設定する(ステップS662)。これにより、VDP123は、CGROM124におけるラウンド終了報知用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、大当り遊技状態にて実行される1回分のラウンドが終了した旨を特定可能に報知する演出表示を行わせることができる。
【0168】
また、ステップS661にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値とは異なる値である旨の判定がなされたときには(ステップS661;No)、ラウンド開始フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS663)。このとき、ラウンド開始フラグがオンであれば(ステップS663;Yes)、図37に示すステップS502の処理と同様に、図40に示すようなラウンド移行時カウント処理を実行する(ステップS664)。これに対して、ステップS663にてラウンド開始フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS663;No)、大当り終了フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS665)。
【0169】
ステップS665にて大当り終了フラグがオンである旨の判定がなされたときには(ステップS665;Yes)、演出時間タイマをクリアして初期化した後(ステップS666)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“7”に更新する(ステップS667)。また、ステップS665にて大当り終了フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS665;No)、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値以下となっているか否かを判定する(ステップS668)。ここで、ラウンド開始待機基準値は、ラウンド中における演出表示を開始してから次のラウンドに移行可能である最長時間に対応したタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS668にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS668;Yes)、信号中継基板13を介して主基板11から適切な演出表示制御コマンドを受信できなかったと判断して、所定のエラー処理を実行する(ステップS669)。他方、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS668;No)、ステップS669の処理を実行することなくラウンド終了時演出処理を終了する。
【0170】
上述したパチンコ遊技機1の動作を、次に具体例に基づいて説明する。パチンコ遊技機1の右下位置に設けられた打玉操作ハンドルを遊技者が操作すると、発射モータにより遊技球が遊技領域に打ち込まれ、遊技領域内を下りてくる。そして、左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに遊技球が入賞すると、始動玉検出器41a〜41cがこれを検出する。このとき、可変入賞装置5が始動動作を行っておらず、かつ、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態ではないなど、可変入賞装置5による始動動作を実行可能な状態であれば(図13のステップS102;Yes)、ラウンド数決定用乱数の値を示す数値データを抽出し(ステップS103)、図5に示すような継続ラウンド回数決定テーブル130を参照することにより、継続ラウンド回数を決定する(ステップS104)。また、遊技球が左・右の始動入賞口6a、6cのいずれかに入賞したときには開閉モードフラグの値が“1”に設定される一方(ステップS106)、遊技球が中央の始動入賞口6bに入賞したときには開閉モードフラグの値が“2”に設定される(ステップS108)。
【0171】
このように始動動作を実行可能な状態で左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに遊技球が入賞したときには、主基板11から演出制御基板12に対して始動入賞コマンドが送信される(ステップS110)。演出制御基板12では、始動入賞コマンドに含まれるデータによって示される継続ラウンド回数をセーブする(図25のステップS134)。この後、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、演出モードフラグの値が“0”であるときには図10(A)に示す第1演出決定テーブル131Aを用いて第2表示装置による演出表示の表示態様を決定する一方(図29のステップS421、S422、S424〜S426)、演出モードフラグの値が“1”であるときには図10(B)に示す第2演出決定テーブル131Bを用いて第2表示装置による演出表示の表示態様を決定する(ステップS421、S423〜S426)。ここで、演出モードフラグの値は、図28に示すようなデモ画面表示を行っているときに演出スイッチ20の操作に応答して切り換えることができる(図27のステップS408〜S411)。これにより、演出制御基板12では、第2表示装置4Bにおける演出表示の表示態様を、演出スイッチ20からの検出信号がオン状態となったか否か、すなわち、操作ボタン22が遊技者等によって操作されたか否かに基づいて、決定することができる。
【0172】
主基板11の側では、遊技球が左・右の始動入賞口6a、6cのいずれかに入賞したときに、CPU103が開閉部材30a、30bによって大入賞口31a、31bを所定期間(例えば0.35秒)にわたり1回開成させる設定を行う(図15のステップS203)。これに対して、遊技球が中央の始動入賞口6bに入賞したときには、CPU103が開閉部材30a、30bによって大入賞口31a、31bを所定期間(例えば0.65秒)ずつ2回開成させる設定を行う(ステップS205)。大入賞口31a、31bを開成しているときに開閉部材30a、30bによって拾われた遊技球は、それぞれ、大入賞口31a、31bを通って可変入賞装置5内の入賞空間に進入する。このとき、入賞玉検出器42a、42bにより遊技球が検出され、払出制御基板15の制御下に球払出装置55による賞球の払出が行われる(図17のステップS312、S315)。
【0173】
図42(A)〜(H)は、始動動作時に大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に進入してから大当り遊技状態が終了するまでの期間における第2表示装置4Bでの表示動作の一例を示している。この表示動作例では、始動入賞口6a〜6cのいずれかに遊技球が入賞したことによって始動動作が開始されるときに、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様が演出A−2に決定されている。また、始動動作時に大入賞口31a、31bに進入した遊技球が特定玉検出器40により検出されたことに応じて、継続ラウンド回数が「15」に決定されている。
【0174】
可変入賞装置5により始動動作を行っているときに大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に進入して特定玉検出器40により検出されると、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12に特定領域入賞コマンドを送信するための設定が行われる(図17のステップS308、図18のステップS324)。演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が特定領域入賞コマンドを受信したことに応じて、画像ポインタ値をV入賞報知用のアドレスに設定することで、第2表示装置4Bにて、図42(A)に示すようなV入賞口35に遊技球が入賞した旨を報知する画像を表示させる(図30のステップS443)。これに続いて、画像ポインタ値を抽選演出用の先頭アドレスに設定することで、第2表示装置4Bにて、図42(B)に示すような演出A−2によるラウンド抽選演出が開始される(図31のステップS464)。このとき、主基板11の側では、継続ラウンド回数が「15」であることに対応して、CPU103が第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(D)に示す表示態様とすることにより、継続ラウンド回数を特定可能に報知する制御を行う(図19のステップS243)。
【0175】
図42(B)に示す演出A−2のラウンド抽選演出では、第2表示装置4Bにて報知情報60aを表示させることにより遊技者に操作ボタン22の操作を促す報知を行うとともに、ラウンドの実行回数を示す報知情報を可変表示させる。この後、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値よりも大きな値である期間においては(図32のステップS472;No)、報知情報の可変表示を継続して実行する制御を行うとともに、演出スイッチ20からの検出信号がオン状態となったか否かの判定が行われる(図33のステップS602)。
【0176】
具体的な一例として、演出A−2の表示態様でのラウンド抽選演出が開始されてから1秒後に遊技者等による操作ボタン22の操作が検出されたときには(ステップS602;Yes)、継続ラウンド回数、演出時間タイマにおけるタイマ値、及び表示結果決定用乱数の値を示す数値データに基づき、図34に示すような選択確率で報知ラウンド回数とするラウンドの実行回数を決定する(ステップS607)。ここで、継続ラウンド回数が「15」であるときにラウンド抽選演出の開始タイミングから1秒後に操作ボタン22の操作が検出された場合には、報知ラウンド回数が「15」に決定される確率が3/5で最も高くなっている。
【0177】
こうして報知ラウンド回数が「15」に決定されたときには、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致したタイミングにおいて(図32のステップS475;Yes)、報知ラウンド回数が設定された報知ラウンドカウンタのカウント値である「15」に対応した表示結果を導出表示する旨の決定がなされ(図35のステップS624)、その決定に対応した画像ポインタ値の設定が行われる(ステップS626)。これにより、第2表示装置4Bでは、例えば図42(C)に示すような報知情報61aが導出表示された後、図42(D)に示すような報知情報62aを含んだ画像が表示されることで、継続ラウンド回数に対応したラウンドの実行回数である「15」が遊技者等によって特定可能に報知される。このときには、第1表示装置4Aでは図6(D)に示すような表示状態となっていることから、第1表示装置4Aからも、継続ラウンド回数が「15」であることを特定することができる。
【0178】
この後、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12に対してラウンド開始コマンドが送信されることによって、演出制御基板12にてラウンド開始フラグがオンになると(図32のステップS477;Yes)、ラウンド抽選演出を終了させて、ラウンド中における演出表示を開始するための設定が行われる(図36のラウンド演出開始処理)。
【0179】
他の一例として、演出A−2の表示態様でのラウンド抽選演出が開始されてから3秒後に遊技者等による操作ボタン22の操作が検出される場合について説明する。この場合には、まず、図42(A)及び(B)と同様に、第2表示装置4Bにて図43(A)及び(B)に示すような表示が行われた後、操作ボタン22の操作が検出されると、図34に示すような選択確率で報知ラウンド回数とするラウンドの実行回数を決定する。ここで、継続ラウンド回数が「15」であるときにラウンド抽選演出の開始タイミングから3秒後に操作ボタン22の操作が検出された場合には、報知ラウンド回数が「7」に決定される確率が2/5で最も高くなっている。
【0180】
こうして報知ラウンド回数が「7」に決定されたときには、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致したタイミングにおいて、報知ラウンドカウンタのカウント値である「7」に対応した表示結果を導出表示する旨の決定がなされ、それに対応する画像ポインタ値の設定が行われる。これにより、第2表示装置4Bでは、例えば図43(C)に示すような報知情報61dが導出表示された後、図43(D)に示すような報知情報62dを含んだ画像が表示されることで、継続ラウンド回数よりも少ないラウンドの実行回数である「7」が遊技者等によって特定可能に報知される。このときには、第1表示装置4Aでは図6(D)に示すような表示状態となっていることから、第1表示装置4Aからは、継続ラウンド回数が「15」であることを特定することが可能である。
【0181】
この後、演出制御基板12にてラウンド開始フラグがオンになることによりラウンド抽選演出を終了させ、ラウンド中における演出表示を開始するための設定が行われる。大当り遊技状態にて実行される各ラウンドでは、主基板11から送信されたラウンド開始コマンドに含まれるデータによって示された実行ラウンド数毎に定められたラウンド演出用のアドレスを画像ポインタ値に設定することで(図36のステップS493)、大当り遊技状態が発生してから行われたラウンド回数を特定可能に報知することができる。例えば、大当り遊技状態にて最初に行われるラウンドでは、第2表示装置4Bにて図43(E)に示すような画像が表示されることにより、1回目のラウンドであることが特定可能に報知される。
【0182】
こうして大当り遊技状態にて行われるラウンドが順次に次のラウンドへと移行しながら継続し、7回目のラウンドへと移行するときには、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」になる一方で(図40のステップS646;Yes)、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値は「8」であり「0」よりも大きな値となっている(ステップS647;No)。そこで、上乗せ演出フラグがオン状態にセットされることにより(ステップS648)、7回目のラウンド中においては、演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出開始基準値以下となる所定タイミングにおいて、画像ポインタ値が残回数カウンタにおけるカウント値である「8」に対応したアドレスに設定される(図37のステップS512)。これにより、第2表示装置4Bでは、7回目のラウンドを開始するときには図43(F)に示すような画像により7回目のラウンドであることが特定可能に報知される一方で、所定タイミングからは図43(G)に示すような報知情報64aを含んだ画像が表示されることによって、ラウンドがさらに継続可能である旨を報知することができる。また、図43(G)に示すような画像が表示されることで、遊技者は、継続ラウンド回数が「15」であることも認識することが可能である。その後、さらにラウンドが移行することにより継続して、15回目のラウンドに達したときには、例えば図43(H)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることによって、15回目のラウンドであることが特定可能に報知される。
【0183】
また、演出A−2の表示態様でのラウンド抽選演出が開始されてから演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致するまでの期間において操作ボタン22の操作が検出されなかったときには(ステップS622;No)、ラウンドの実行回数を報知しない非報知情報をラウンド抽選演出における表示結果として導出表示する旨の決定がなされ(ステップS625)、それに対応する画像ポインタ値の設定が行われる。この場合、第2表示装置4Bでは、まず、図42(A)及び(B)や図43(A)及び(B)と同様に、図44(A)及び(B)に示すような表示が行われた後、図44(C)に示すような非報知情報61eが導出表示される。ここで、非報知情報61eを導出表示するときには、演出時間タイマにおけるタイマ値が所定の報知情報差替基準値と一致したタイミングにてラウンドの実行回数を示す報知情報をラウンドの実行回数を報知しない非報知情報61eに差し替えて導出表示してもよいし、ラウンド抽選演出の当初からラウンドの実行回数を示す報知情報とともにラウンドの実行回数を報知しない非報知情報61eを含めて可変表示させ、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致したタイミングで非報知情報61eを導出表示してもよい。続いて、図44(D)に示すような非報知情報62eを含んだ画像が表示されることで、第2表示装置4Bによる演出表示では継続ラウンド回数を特定できないようにする。これに対して、第1表示装置4Aでは図6(D)に示すような表示状態となっていることから、遊技者は、第1表示装置4Aの表示状態から継続ラウンド回数が「15」であることを特定することが可能である。
【0184】
この後、演出制御基板12にてラウンド開始フラグがオンになることによりラウンド抽選演出を終了させ、ラウンド中における演出表示を開始するための設定が行われる。各ラウンドでは、実行ラウンド数に対応して設定された画像ポインタ値に応じた画像が第2表示装置4Bに表示されることで、大当り遊技状態が発生してから行われたラウンド回数を特定可能に報知することができる。例えば、大当り遊技状態にて最初に行われるラウンドでは、第2表示装置4Bにて図44(E)に示すような画像が表示されることにより、1回目のラウンドであることが特定可能に報知される。
【0185】
ここで、ラウンドの実行回数を報知しない非報知情報をラウンド抽選演出における表示結果とする旨の決定がなされるときには、報知ラウンドカウンタにおけるカウント初期値として、継続ラウンド回数よりも小さい任意の数値(自然数)が設定されるものとする。例えば、継続ラウンド回数が「15」であるときに、報知ラウンドカウンタにおけるカウント初期値として「7」が設定されたものとする。この場合、大当り遊技状態にて行われるラウンドが順次に次のラウンドへと移行しながら継続し、7回目のラウンドへと移行するときには、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」になる一方で、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値は「8」であり「0」よりも大きな値となっている。そこで、上乗せ演出フラグがオン状態にセットされることにより、7回目のラウンド中においては、演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出開始基準値以下となる所定タイミングにおいて、画像ポインタ値が残回数カウンタにおけるカウント値に対応したアドレスに設定される。これにより、第2表示装置4Bでは、7回目のラウンドを開始するときには図44(F)に示すような画像により7回目のラウンドであることが特定可能に報知される一方で、所定タイミングからは図44(G)に示すような報知情報64bを含んだ画像が表示されることによって、遊技者は、継続ラウンド回数が「15」であることを認識することができる。また、図44(G)に示すような画像を表示することで、ラウンドがさらに継続可能である旨を報知することができる。その後、さらにラウンドが移行することにより継続して、15回目のラウンドに達したときには、例えば図44(H)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることによって、15回目のラウンドであることが特定可能に報知される。
【0186】
このように、本発明のパチンコ遊技機1によれば、主基板11に搭載されたCPU103が、図15のステップS209や図19のステップS243などにて第1表示装置4Aの表示制御を行うことにより、図13のステップS104にて決定した継続ラウンド回数を特定可能に報知する制御を行うことができる。その一方で、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図29のステップS426にて継続ラウンド回数などに基づいて第2表示装置4Bによる演出表示における演出態様を決定することができる。このように、主基板11とは異なるサブ側の制御基板である演出制御基板12の側にて表示装置の表示による演出の一部を決定することで、主基板11に搭載されたマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第1及び第2表示装置4A、4Bの表示制御を行うことができ、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技興趣を向上させることができる。また、第1表示装置4Aでは、第2表示装置4Bとは別個に、継続ラウンド回数を特定可能に報知するので、遊技者が継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数を誤って認識することを防止できる。
【0187】
また、CPU103は、図13に示す始動入賞処理のステップS101にて、始動玉検出器41a〜41cのいずれかからの検出信号がオン状態となったときに、ステップS104にて継続ラウンド回数を決定し、ステップS110にて送信設定が行われる始動入賞コマンドによって、決定された継続ラウンド回数を演出制御基板12の側に通知することができる。その一方で、CPU103は、図17のステップS301または図18のステップS321にて特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となった後に、図19のステップS243にて第1表示装置4Aの表示により継続ラウンド回数を特定可能に報知する制御を行う。また、演出制御用CPU120は、主基板11から送信された始動入賞コマンドに含まれるデータによって示された継続ラウンド回数に基づき、図29のステップS426にてROM121に格納された演出制御データを選択するなどして、第2表示装置4Bによる演出表示における演出態様を決定する。このように、パチンコ遊技機1にて大当り遊技状態が発生するより以前に、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたタイミングで、継続ラウンド回数や第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を決定することができるので、決定された継続ラウンド回数に応じた演出表示を、可変入賞装置5による始動動作が開始されるときから実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
【0188】
演出制御用CPU120は、図33のステップS607にて、継続ラウンド回数や、ラウンド抽選演出中に操作ボタン22が操作されたタイミングでの演出時間タイマにおけるタイマ値などに基づき、図34に示すような選択確率で報知ラウンド回数を決定することにより、継続ラウンド回数よりも少ないラウンドの実行回数を報知ラウンド回数に決定することができる。そして、図35のステップS624では、報知ラウンド回数として報知ラウンドカウンタに設定されたカウント値に対応した表示結果がラウンド抽選演出における表示結果に決定され、継続ラウンド回数よりも少ないラウンドの実行回数を第2表示装置4Bの表示によって特定可能に報知することができる。その後、図40のステップS646にて報知ラウンドカウンタのカウント値が「0」になると、図37に示すステップS512の処理を実行することにより、ラウンド中の演出表示において、さらにラウンドが継続可能である旨を遊技者等が特定可能に報知することができる。こうしたラウンド抽選演出における報知により、遊技者は、大当り遊技状態が発生するときに少ないラウンドの実行回数がラウンドの上限回数としての継続ラウンド回数に決定されたと認識して落胆するが、その報知されたラウンドの実行回数に達したときに、さらにラウンドが継続可能である旨を認識することで、ラウンドが継続することに対する意外性と期待感とが高められるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0189】
また、主基板11と演出制御基板12の間には、主基板11から演出制御基板12に出力される制御信号を中継する信号中継基板13が設けられており、信号中継基板13では、各配線毎にダイオードD1及び抵抗R1からなる伝送方向規制回路13−1〜13−nが設けられている。加えて、主基板11には、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する出力バッファ回路60が設けられている。これにより、外部から主基板11への不正な信号の入力を、従来に比べてより確実に防止することができる。
【0190】
演出制御用CPU120は、図27のステップS408にて演出スイッチ20からスイッチ信号入力回路126にオン状態の検出信号が入力されたと判定したときに、演出モードフラグの値を“0”と“1”とで切り換える。そして、図29に示す始動入賞時演出開始処理では、演出モードフラグの値に応じてステップS422またはステップS423にて設定した第1及び第2演出決定テーブル131A、131Bを参照することで、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を決定する。第1及び第2演出決定テーブル131A、131Bは、図10(A)及び(B)に示すように、第2表示装置4Bの表示態様として決定する演出の種類が異なっている。このような設定により、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様は、操作ボタン22の操作がなされたか否かに応じて異なる表示態様に決定することができるので、主基板11における制御負荷を増大させることなく、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【0191】
さらに、本発明のパチンコ遊技機1では、可変入賞装置5内に進入した遊技球をV入賞口35と通常領域36とに振り分ける振分け部材32が設けられており、CPU103は、低確率ラウンドにおいてオフとなる高確率振分けフラグが図22のステップS331にてオフであると判定したときに、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留開始基準値となっていれば、振分け部材32によって遊技球の貯留を開始するための設定を行うとともに、ステップS335にて第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(E)に示す表示状態とする表示制御を行うことにより、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態である貯留可能状態に変化するタイミングを特定可能に報知することができる。その一方で、演出制御用CPU120は、主基板11から貯留開始コマンドが送信されることにより図37のステップS505にて貯留開始フラグがオンとなっているときに、画像ポインタ値を変化タイミング報知用のアドレスに設定するなどして、例えば図39(A)〜(C)に示すような演出X〜Zのいずれかを、第2表示装置4Bによる演出表示として実行する制御を行うことができる。このように、主基板11とは異なるサブ側の制御基板である演出制御基板12の側にて表示装置の表示による演出の一部を決定することで、主基板11に搭載されたマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第1及び第2表示装置4A、4Bの表示制御を行うことができ、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技興趣を向上させることができる。また、第1表示装置4Aでは、第2表示装置4Bとは別個に、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化するタイミングが特定可能に報知されるので、遊技者が振分け部材32の変化タイミングを誤って認識することを防止できる。
【0192】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、信号中継基板13では、主基板11から演出制御基板12に出力される制御信号を伝送する配線毎に、図4(B)に示すような伝送方向規制回路13−1〜13−nを設けるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、主基板11に出力バッファ回路60を設ける一方で、信号中継基板13にはダイオードD1などからなる伝送方向規制回路13−1〜13−nを設けないものであってもよい。
【0193】
また、上記実施の形態では、演出制御基板12が音声データ出力回路127及びランプデータ出力回路128を備えて、演出制御基板12の制御下にて、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9及び役物飾りランプ85の点灯/消灯切換を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば図45に示すように、演出制御基板12とは別個にマイクロコンピュータが搭載された音声制御基板18及びランプ制御基板19を設けたものであってもよい。この場合、音声制御基板18は、信号中継基板13を介して主基板11から制御信号として送信された音声制御コマンドに基づき、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御する一方、ランプ制御基板19は、信号中継基板13を介して主基板11から制御信号として送信されたランプ制御コマンドに基づき、遊技効果ランプ9及び役物飾りランプ85の点灯/消灯制御を行う。音声制御基板18及びランプ制御基板19は、演出制御基板12や払出制御基板15と同様に、電源基板10にて生成されて主基板11を経由した電源電圧の供給を、電源中継基板14から受けるようにすればよい。
【0194】
あるいは、図46に示すように、演出制御基板12とは別個のマイクロコンピュータが搭載された音声制御基板18及びランプ制御基板19が、演出制御基板12からの制御信号を受けて各種の制御を行うようにしてもよい。すなわち、音声制御基板18は、演出制御基板12から制御信号として送信された音声制御コマンドに基づき、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御する一方、ランプ制御基板19は、演出制御基板12から制御信号として送信されたランプ制御コマンドに基づき、遊技効果ランプ9及び役物飾りランプ85の点灯/消灯制御を行うようにしてもよい。この場合にも、音声制御基板18及びランプ制御基板19は、演出制御基板12や払出制御基板15と同様に、電源基板10にて生成されて主基板11を経由した電源電圧の供給を、電源中継基板14から受けるようにすればよい。
【0195】
上記実施の形態では、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたときに、図13に示す始動入賞処理のステップS104にて、大当り遊技状態で実行可能なラウンドの上限回数となる継続ラウンド回数を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技状態が発生するときに継続ラウンド回数を決定するものであってもよい。例えば、図17のステップS301や図18のステップS321にて特定玉検出器40からの検出信号がオン状態である旨の判定がなされたときに、図13のステップS103及びステップS104のような処理を実行することで、継続ラウンド回数を決定するようにしてもよい。この場合、特定領域入賞コマンドに継続ラウンド回数を示すデータを含ませることで、演出制御基板12の側にて継続ラウンド回数を特定可能として、例えば図31に示す抽選演出開始処理にて、特定された継続ラウンド回数に応じて第2表示装置4Bによるラウンド抽選演出における表示態様を決定するようにしてもよい。このように大当り遊技状態が発生するときに継続ラウンド回数を決定する場合であっても、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたときに、主基板11から演出制御基板12に対して始動入賞コマンドが送られたことに応答して、可変入賞装置5による始動動作が開始されるときから第2表示装置4Bの表示により所定の演出表示を行うようにしてもよい。そして、演出制御用CPU120が特定領域入賞コマンドに含まれるデータに基づいて継続ラウンド回数を特定したときには、例えば第2表示装置4Bに表示する画像の差し替えを行うなどして、継続ラウンド回数に対応した演出表示を行うようにしてもよい。
【0196】
また、パチンコ遊技機における遊技内容は、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更可能である。例えば、図47に示すパチンコ遊技機201には、遊技領域のほぼ中央位置に可変入賞装置205が配置されるとともに、可変入賞装置5の下方には上記実施の形態と同様の左・中・右の始動入賞口6a〜6cが配置される一方、中央の始動入賞口6bの下方には特別可変入賞球装置238が設けられている。また、図48は、このパチンコ遊技機201に設けられた可変入賞装置205を拡大して示している。
【0197】
可変入賞装置205には、左右一対の開閉部材(ハネ)230a、230bが回動可能に軸止されている。開閉部材230a、230bは、リンク機構を介して図3に示すソレノイド50a、50bに連結され、上記実施の形態における開閉部材30a、30bと同様にして、大入賞口231a、231bを開閉する。大入賞口231a、231bの下方には転動板237a、237bが設けられている。転動板237a、237bは、例えば入賞空間の中心部に向かって下降した傾斜を有し、遊技球が転動板237a、237b上を入賞空間の中心部に向けて転動可能となっている。転動板237a、237bの間には、上下に移動可能な振分け部材232が設けられている。
【0198】
振分け部材232は、リンク機構を介して図3に示すモータ51に連結され、モータ51を駆動することにより、上方に退避して遊技球を貯留(収容)しない退避状態と、下方に移動して転動板237a、237bを転動してきた一部(例えば、9個)の遊技球を受け止めて貯留(収容)する貯留可能状態とで切り換えることができる。ここで、振分け部材232が退避状態で維持されるときには、転動板237a、237bを転動してきた遊技球が振分け部材232によって貯留されることなく通常誘導路としての下部入賞空間の側部234a、234bを落下する。これに対して、振分け部材232が貯留可能状態となった後に上方に移動して退避状態に変化したときには、振分け部材232によって貯留されていた遊技球が振分け部材232から解放されて特定誘導路としての所定の玉通路を通過し、玉排出口233a、233bから下部入賞空間に送り込まれる。玉排出口233a、233bの直下となる位置には、V入賞口235が設けられており、玉排出口233a、233bから排出された遊技球は、下部入賞空間の側部234a、234bを落下する遊技球に比べて高い割合で、V入賞口235に誘導される。また、下部入賞空間には、V入賞口235とは異なる通常領域236が設けられており、V入賞口235に進入しなかった遊技球は、通常領域236を経由して可変入賞装置205から排出される。この通常領域236を経由して排出される遊技球は、図3に示す排出玉検出器44によって検出される。
【0199】
このパチンコ遊技機201において、可変入賞装置205は、上記実施の形態における可変入賞装置5と同様の始動動作を行う。そして、始動動作が行われて開成された大入賞口231a、231bに進入した遊技球がV入賞口235に進入して特定玉検出器40によって検出されたときに、パチンコ遊技機201は、大当り遊技状態となる。ここで、パチンコ遊技機201にて発生する大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置238の開閉板を開成させることにより、可変入賞装置205による始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定遊技状態であればよい。例えば、特別可変入賞球装置238の開閉板は、通常時には閉成し、大当り遊技状態となった場合に、入賞領域を所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまで開成する状態となるように設定され、その開成している間に遊技領域を落下する遊技球を受け止める開成サイクルとなる。そして、この開成サイクルが繰り返される回数を、上記実施の形態における継続ラウンド回数と同様にして決定するようにしてもよい。特別可変入賞球装置238に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出され、その入賞球の検出に応答して、所定数の賞球が払い出されるものであればよい。
【0200】
こうしたパチンコ遊技機201が備える可変入賞装置205が始動動作を開始するときには、例えば振分け態様決定用乱数の値を示す数値データを抽出し、振分け態様決定テーブルを参照するなどして、始動動作中における振分け部材232の状態を決定してもよい。ここで、振分け態様決定テーブルは、振分け態様決定用乱数の値と、始動動作中に振分け部材232を退避状態のままに維持するか貯留可能状態としてから退避状態に変化させるかの決定結果とを対応付ける設定データなどから構成されたものであればよい。そして、可変入賞装置205が始動動作を開始するときに振分け部材232を貯留可能状態とする旨の決定がなされたときには、図22のステップS334と同様にして、主基板11から演出制御基板12に対して貯留開始コマンドを送信する。演出制御基板12では、演出制御用CPU120が、貯留開始コマンドを受信したことに応答して、例えば図37のステップS507と同様に画像ポインタ値の設定を行うことにより、可変入賞装置205内に進入した遊技球が振分け部材232によって特定誘導路としての玉通路に振り分けられてV入賞口235に誘導される旨を特定可能に報知する演出を行う。このとき、主基板11の側では、CPU103が第1表示装置4Aの表示状態を制御することにより、例えば図6(E)に示すような表示態様とすることで、第1表示装置4Aの表示により遊技球が特定誘導路に振り分けられてV入賞口235に誘導される旨を特定可能に報知する制御を行うようにする。
【0201】
これにより、主基板11とは異なるサブ側の制御基板である演出制御基板12の側にて表示装置の表示による演出の一部を決定することで、主基板11に搭載されたマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第1及び第2表示装置4A、4Bの表示制御を行うことができ、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技興趣を向上させることができる。また、第1表示装置4Aでは、第2表示装置4Bとは別個に、振分け部材232による遊技球の振分け態様を特定可能に報知することができるので、遊技者が振分け部材232による遊技球の振分け態様を誤って認識することを防止できる。
【0202】
また、遊技球が始動入賞口6a〜6cのいずれかに入賞して可変入賞装置205による始動動作が開始されるときに、振分け部材232による遊技球の振分け態様を決定し、上記実施の形態における始動入賞コマンドに決定された遊技球の振分け態様を示すデータを含ませてもよい。これにより、可変入賞装置205による始動動作が開始されるときに演出制御基板12の側に振分け部材232による遊技球の振分け態様を通知することができ、主基板11の側にて決定された振分け部材232による遊技球の振分け態様に応じた演出表示を、可変入賞装置205による始動動作が行われる期間において実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
【0203】
さらに、上記実施の形態では、第1表示装置4Aが4箇所の発光位置にて複数種類の発光色で発光可能な発光体としてのLEDモジュールから構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図47に示すような7セグメントLEDからなる第1表示装置204Aや、ドットマトリクスLEDからなる表示装置などであってもよい。ここで、例えば第1表示装置204Aを2桁の7セグメントLEDから構成し、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数に応じて複数種類の表示態様の組合せのうちから1つを選択可能とし、遊技者等にとって認識しがたい表示態様で表示するようにしてもよい。すなわち、主基板11にて表示制御が行われる表示装置では、同一の決定結果に対して複数の表示態様のいずも選択可能とし、選択された表示態様の表示を実行する制御を行うことで、決定結果を遊技者が認識することは困難となるようにしてもよい。これにより、演出制御基板12にて表示制御が行われる表示装置による演出表示に対する遊技者の関心を高め、演出表示の印象を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
【0204】
また、可変入賞装置5の内部には、可変入賞装置5内に進入した遊技球をV入賞口35に誘導する特定誘導路と、V入賞口35とは異なる通常誘導路とを設け、遊技球が大入賞口31aと大入賞口31bのいずれに進入したかに応じて、特定誘導路に進入する割合と、通常誘導路に進入する割合とが異なるように構成されていてもよい。具体的な一例として、大入賞口31aに進入した遊技球は1/10の確率で特定誘導路に進入し、9/10の確率で通常誘導路に進入する。その一方で、大入賞口31bに進入した遊技球は2/7の確率で特定誘導路に進入し、5/7の確率で通常誘導路に進入する。そして、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドとして、大入賞口31aに遊技球が進入したことを示す左大入賞コマンドと、大入賞口31bに遊技球が進入したことを示す右大入賞コマンドとを設けておく。
【0205】
このような構成において、主基板11に搭載されたCPU103は、図17のステップS310や図23のステップS355にて左入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態である旨の判定がなされたときに、演出制御基板12に対して左大入賞コマンドを送信する設定を行う。このときには、第1表示装置4Aの表示状態を、予め定められた第1大入賞時表示態様とする表示制御も行う。また、図17のステップS313や図23のステップS362にて右入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態である旨の判定がなされたときに、演出制御基板12に対して右大入賞コマンドを送信する設定を行う。このときには、第1表示装置4Aの表示状態を、第1大入賞時表示態様とは異なる第2大入賞時表示態様とする表示制御も行う。
【0206】
演出制御基板12では、演出制御用CPU120が左大入賞コマンドを受信したか、右大入賞コマンドを受信したかに応じて、画像ポインタ値をCGROM124における異なるアドレスに設定することで、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を、特定誘導路に進入する割合が高い大入賞口に遊技球が進入したか、特定誘導路に進入する割合が低い大入賞口に遊技球が進入したかに応じて異なる表示態様に決定する。これにより、第1表示装置4Aでは、可変入賞装置5に進入した遊技球が特定誘導路に進入する割合を特定可能に報知することができる一方、第2表示装置4Bでは、可変入賞装置5に進入した遊技球が特定誘導路に進入する割合に応じて表示態様が異なる演出表示を行うことができ、主基板11に搭載されたマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第1及び第2表示装置4A、4Bの表示制御を可能にして、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて遊技の興趣を向上させることができる。
【0207】
上記実施の形態では、図22のステップS332にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留開始基準値と一致したときに、ステップS333にて振分け部材32による遊技球の貯留を開始する設定を行うとともに、ステップS334にて貯留開始コマンドの送信設定を行うことで、演出制御基板12に対して振分け部材32の状態が変化するタイミングを通知するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば貯留開始コマンドの送信設定については、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留開始基準値となるタイミングよりも所定時間だけ以前のタイミングで行うようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、貯留開始コマンドを受信したときに、例えば振分け部材32の状態が変化するタイミングの何秒前から当該タイミングを特定可能とする演出表示を行うかなどといった、演出の種類を決定し、第2表示装置4Bによる演出表示における表示態様を決定するようにしてもよい。このように、演出制御用CPU120が演出表示の開始タイミングといった演出の種類を決定する場合には、その演出表示の開始タイミングによって、遊技者にとって有利となる度合が異なることになる。すなわち、早い段階から振分け部材32の状態が変化するタイミングが特定可能に報知されていれば、遊技者は予めそのタイミングを見計らい大入賞口31a、31bを狙って遊技球を打ち込むことができる一方、振分け部材32の状態が変化するタイミングの直前にそのタイミングが特定可能に報知されると、遊技者は遊技球を大入賞口31a、31bに向けて打ち込むタイミングを予測することが困難になる。これにより、主基板11における制御負荷を増大させることなく、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させるとともに、遊技者にとって有利な度合が変化する多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【0208】
また、上記実施の形態では、図37のステップS505にて貯留開始フラグがオンである旨の判定がなされたときに、ステップS507の処理を実行することにより画像ポインタ値を図38に示すような演出時間タイマにおけるタイマ値との対応関係に基づいて設定した後、ステップS517にて貯留終了フラグがオンである旨の判定がなされるまでの間は画像ポインタ値の設定を維持していた。このため、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化した変化タイミングに応じて図39(A)〜(C)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示された後には、振分け部材32が貯留した遊技球を解放するなどして遊技者にとって有利な状態が終了するまでの期間において、第2表示装置4Bにおける表示態様が変化しないようになっていた。これに対して、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化した後に、その状態が終了するまでの期間において第2表示装置4Bの表示態様を変化させることを可能にし、その変化態様を、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化した変化タイミングに応じて異ならせるようにしてもよい。
【0209】
例えば、図37のステップS509にて貯留演出中フラグがオンである旨の判定がなされるとともに、ステップS517にて貯留終了フラグがオフである旨の判定がなされたときには、ステップS507と同様の処理を実行することにより、図38に示すような対応関係に従って、画像ポインタ値を演出時間タイマにおけるタイマ値に応じたアドレスに設定すればよい。このような設定により、振分け部材32の変化タイミングでの演出時間タイマにおけるタイマ値が「10001」以上であった場合には、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となっている期間において、第2表示装置4Bにて演出Z(図39(C)参照)、演出Y(図39(B)参照)、演出X(図39(A)参照)の順で表示態様が変化する演出表示が行われることになる。その一方で、振分け部材32の変化タイミングでの演出時間タイマにおけるタイマ値が「5001」以上で「10000」以下であった場合には、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となっている期間において、第2表示装置4Bにて演出Y、演出Xの順で表示態様が変化する演出表示が行われることになる。また、振分け部材32の変化タイミングでの演出時間タイマにおけるタイマ値が「5000」以下であった場合には、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となっている期間において、第2表示装置4Bにて演出Xの表示態様での演出表示のみが行われ、その表示態様は変化しないことになる。このように、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となっている期間に第2表示装置4Bの表示により行われる演出表示の表示態様を、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化した変化タイミングに応じて異なる変化態様で変化させることにより、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技興趣を向上させることができる。
【0210】
上記実施の形態では、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数を、継続ラウンド回数として決定するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、大当り遊技状態にて低確率ラウンドが1回終了するまでのラウンド数を継続ラウンド回数として決定してもよい。ここで、高確率ラウンドでは次のラウンドに移行する確率が高い一方、低確率ラウンドでは次のラウンドに移行する確率が低いことから、大当り遊技状態にて実行されるラウンドの平均継続回数は、およそ継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数の程度になる。この場合には、図21のステップS290や、図23のステップS352にて、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数よりも大きな値となっているときでも、所定の上限回数(例えば「15」)よりも小さいときには、ステップS291あるいはステップS353の処理に進むようにすればよい。また、図20のステップS262及びステップS263の処理に代えて、ラウンドカウンタのカウント値が継続ラウンド回数以上であるか否かを判定し、継続ラウンド回数以上であるときにはステップS264の処理に進み、継続ラウンド回数に達していないときにはステップS266の処理に進むようにすればよい。
【0211】
上記実施の形態では、図10(A)及び(B)に示すような第1及び第2演出決定テーブル131A、131BをROM121に格納しておき、第1演出決定テーブル131Aを参照することにより第2表示装置4Bの表示態様を演出A−1、演出B−1、演出C−1のいずれかに決定し、第2演出決定テーブル131Bを参照することにより第2表示装置4Bの表示態様を演出A−2、演出B−2、演出C−2のいずれかに決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、継続ラウンド回数に応じて異なる割合で、第2表示装置4Bの表示態様を演出A−1、演出A−2、演出B−1、演出B−2、演出C−1、演出C−2といった互いに異なる表示態様のいずれかに決定できる任意の構成であればよく、例えば1つのテーブルにより、第2表示装置4Bの表示態様を決定できるものであってもよい。
【0212】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。さらに、パチンコ遊技機1やパチンコ遊技機201の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0213】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0214】
【図1】本発明の実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】可変入賞装置の構成を示す図である。
【図3】パチンコ遊技機に搭載された主基板を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】信号中継基板と伝送方向規制回路の構成例を示す図である。
【図5】継続ラウンド回数決定テーブルの一例を示す図である。
【図6】第1表示装置における表示状態を説明するための図である。
【図7】演出制御基板におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図8】第2表示装置による演出表示例を示す図である。
【図9】第2表示装置による演出表示例を示す図である。
【図10】演出決定テーブルの一例を示す図である。
【図11】CGROMにおける画像データの記憶状態を例示する図である。
【図12】遊技制御割込処理を示すフローチャートである。
【図13】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図14】遊技制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図15】始動動作設定処理を示すフローチャートである。
【図16】始動動作中処理を示すフローチャートである。
【図17】始動時遊技球検出処理を示すフローチャートである。
【図18】始動動作後遊技球検出処理を示すフローチャートである。
【図19】特定遊技動作開始待ち処理を示すフローチャートである。
【図20】ラウンド開始時処理を示すフローチャートである。
【図21】ラウンド中制御処理を示すフローチャートである。
【図22】振分け部材制御処理を示すフローチャートである。
【図23】開閉中遊技球検出処理を示すフローチャートである。
【図24】演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図25】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図26】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図27】演出制御通常処理を示すフローチャートである。
【図28】デモ画面表示の具体的な一例を示す図である。
【図29】始動入賞時演出開始処理を示すフローチャートである。
【図30】始動入賞時演出中処理を示すフローチャートである。
【図31】抽選演出開始処理を示すフローチャートである。
【図32】抽選演出中処理を示すフローチャートである。
【図33】演出スイッチ操作検出処理を示すフローチャートである。
【図34】報知ラウンド回数の選択確率の一例を示す図である。
【図35】抽選結果出力処理を示すフローチャートである。
【図36】ラウンド演出開始処理を示すフローチャートである。
【図37】ラウンド演出中処理を示すフローチャートである。
【図38】貯留開始時における演出を決定するための設定例を示す図である。
【図39】貯留開始時における演出表示例を示す図である。
【図40】ラウンド移行時カウント処理を示すフローチャートである。
【図41】ラウンド終了時演出処理を示すフローチャートである。
【図42】第2表示装置における表示動作の具体例を示す図である。
【図43】第2表示装置における表示動作の具体例を示す図である。
【図44】第2表示装置における表示動作の具体例を示す図である。
【図45】変形例における主基板を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図46】変形例における主基板を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図47】変形例におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図48】変形例における可変入賞装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0215】
1、201 … パチンコ遊技機(遊技機)
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技機用枠(台枠)
4A、4B、204A、204B … 表示装置
5、205 … 可変入賞装置
6a〜6c … 始動入賞口
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 信号中継基板
13−1〜13−n … 伝送方向規制回路
14 … 電源中継基板
15 … 払出制御基板
18 … 音声制御基板
19 … ランプ制御基板
20 … 演出スイッチ
21 … スイッチ中継基板
22 … 操作ボタン
25 … 音声出力回路
26 … ランプドライバ回路
30a、30b、230a、230b … 開閉部材
31a、31b、231a、231b … 大入賞口
32、232 … 振分け部材
35、235 … V入賞口(特定領域)
36、236 … 通常領域
37a、37b、37d、37e、237a、237b … 転動板
40 … 特定玉検出器
41a〜41c … 始動玉検出器
42a、42b … 入賞玉検出器
44 … 排出玉検出器
50a、50b … ソレノイド
51 … モータ
100 … 基本回路
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104 … 乱数回路
105 … I/O
110 … スイッチ回路
111 … ソレノイド回路
112 … モータ回路
120 … 演出制御用CPU
123 … VDP
124 … CGROM
125 … VRAM
126 … スイッチ信号入力回路
127 … 音声データ出力回路
128 … ランプデータ出力回路
130 … 継続ラウンド回数決定テーブル
131A、131B … 演出決定テーブル
233a、233b … 玉通路
238 … 特別可変入賞球装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、所定の演出を実行する演出手段と、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材により開閉される可変進入口を遊技者にとって不利な第1の状態から遊技者にとって有利な第2の状態とする始動動作を行う可変入賞装置と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段とを備え、始動動作を行っているときに可変進入口に進入した遊技媒体が特定検出手段によって検出されると、始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で可変進入口を第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数まで実行可能とする特定遊技状態を発生させるとともに、ラウンド中において可変進入口に進入した遊技媒体が特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
始動入賞口(始動チャッカー)に遊技媒体である遊技球(パチンコ玉)が入賞することで大入賞口を構成する開閉部材(いわゆる羽根部材)が開放し、大入賞口に進入した遊技球が可変入賞装置内の入賞空間を経由してVゾーン(特定領域)に飛び込むV入賞が生じると、大当り(特定遊技状態)になるパチンコ遊技機が知られている。この種の遊技機は、ヒコーキタイプ等と呼ばれることもある。特定遊技状態では、開閉部材を連続開放するラウンドが、所定のラウンド(開放サイクル)数に達するまで継続して行われる。
【0003】
また、V入賞が生じた場合には、内部抽選が行われ、抽選結果に応じてラウンド数(平均継続回数や最大継続回数など)が決定されるように構成されることがある。従来、こうした抽選結果に基づく表示を行うものや、最大継続回数を特定可能に表示するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
そして、各種の表示を行うための構成として、特別図柄用可変表示装置および飾り図柄用可変表示装置の2種類の装置を設け、遊技制御を行う制御回路において特別図柄用可変表示装置の表示結果を事前決定するとともに、当該事前決定結果に基づいて飾り図柄用可変表示装置の表示内容を決定してサブ側の表示制御基板にコマンドを送信するものが提案されている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−200252号公報
【特許文献2】特開平9−201457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術では、2つの可変表示装置において内部抽選結果に基づく表示を行う場合に、遊技制御を行うメイン側の制御回路において全ての表示内容を決定しているため、多数の乱数を更新する処理や表示内容を決定する処理などをメイン側の制御回路が実行しなければならず、また、所定時間(例えば2ms)毎に多数のコマンドを出力するものとなる。これにより、遊技制御を行うメイン側の制御回路における制御負荷が増大し、データの記憶領域も圧迫されることで、表示内容のバリエーションが限られたものになり、多様な演出を行うことが困難になるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技制御を行うマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく演出のバリエーションを増加させることで、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、所定の演出を実行する演出手段(例えば第2表示装置4Bやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9など)と、遊技媒体(例えば遊技球)が流下する遊技領域に設けられた始動領域(例えば始動入賞口6a〜6c)にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器41a〜41c)と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材(例えば開閉部材30a、30b)により開閉される可変進入口(例えば大入賞口31a、31b)を遊技者にとって不利な第1の状態(例えば開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを閉じた状態)から遊技者にとって有利な第2の状態(例えば開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを開成した状態)とする始動動作を行う可変入賞装置(例えば可変入賞装置5)と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域(例えばV入賞口35)に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器40)とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数(例えば15回)まで実行可能とする特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御処理(例えばステップS15の遊技制御プロセス処理)を実行する遊技制御マイクロコンピュータ(例えばROM101、RAM102、CPU103などを含んだ基本回路100)と、前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板(例えば主基板11)と、前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号(例えば演出制御コマンド)に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータ(例えば演出制御用CPU120やROM121、RAM122など)と、前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板12)と、前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段(例えばコネクタ61B、62Aや伝送方向規制回路13−1〜13−nなど)が設けられた中継基板(例えば信号中継基板13)と、前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段(例えば第1表示装置4A)と、前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段(例えば第2表示装置4B)とを備え、前記遊技制御マイクロコンピュータは、前記第1表示手段に設けられた発光体(例えば第1表示装置4Aにおける4箇所の発光位置にて発光可能なLEDモジュール)へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段(例えばCPU103がステップS209、S243、S244、S272、S335、S339、S384の処理を実行する部分など)と、所定条件が成立したとき(例えばステップS101にてYesと判定されたとき)に、数値データを更新する数値データ更新手段(例えば乱数回路104、及びCPU103がステップS13の乱数更新処理を実行する部分など)から数値データを抽出する数値データ抽出手段(例えばCPU103がステップS103の処理を実行する部分など)と、前記数値データ抽出手段によって抽出された数値データに基づいて、前記ラウンドの上限回数(例えば継続ラウンド回数)を複数種類のラウンドの実行回数(例えば「1」、「3」、「7」、「15」)のうちから決定するラウンド回数決定手段(例えばCPU103がステップS104の処理を実行する部分など)と、前記特定遊技状態が発生するときに、前記ラウンド回数決定手段によって決定された前記ラウンドの上限回数を前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行うラウンド回数報知制御手段(例えばCPU103がステップS243の処理を実行する部分など)と、前記ラウンド回数決定手段によって決定された前記ラウンドの上限回数を示す制御信号としてラウンド数信号を送信する制御信号送信手段(例えばCPU103がステップS110の処理を実行した後にステップS16のコマンド制御処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出制御マイクロコンピュータは、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データ(例えば演出表示制御データや画像データ)を記憶するデータ記憶手段(例えばROM121やCGROM124など)と、前記制御信号送信手段により送信されたラウンド数信号に基づき前記ラウンドの上限回数を報知する所定の演出表示(例えば図8(A)〜(F)に示す演出A−1や図8(G)〜(L)に示す演出B−1、図8(M)〜(R)に示す演出C−1、図9(A)〜(F)に示す演出A−2、図9(G)〜(L)に示す演出B−2、図9(M)〜(R)に示す演出C−2などの演出表示)を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS161〜S164の処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出表示制御手段は、前記ラウンド数信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS161の始動入賞時演出開始処理においてステップS426の処理を実行する部分など)を含む。
【0008】
請求項2に記載の遊技機において、前記ラウンド回数決定手段は、前記始動検出手段によって遊技媒体が検出されたとき(例えばステップS101にてYesと判定されたとき)に、前記ラウンドの上限回数を決定し、前記制御信号送信手段は、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出された旨を示す制御信号として特定入賞検出制御信号(例えば特定領域入賞コマンド)をさらに送信し(例えばCPU103がステップS308、S324の処理を実行した後にステップS16のコマンド制御処理を実行する部分など)、前記ラウンド回数報知制御手段は、前記特定検出手段によって遊技媒体が検出されたとき(ステップS301、S321にてYesの判定がなされたとき)に、前記ラウンドの上限回数を前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行い、前記演出態様決定手段は、前記制御信号送信手段により送信されたラウンド数信号にて示されるラウンドの上限回数に応じて異なる割合で前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を決定し(例えば演出制御用CPU120がステップS422にて設定した第1演出決定テーブル131AまたはステップS423にて設定した第2演出決定テーブル131Bを参照して、ステップS426にて演出態様を決定する)、前記演出表示制御手段は、前記演出態様決定手段によって選択された演出表示データに基づき前記第2表示手段における表示制御を行い、前記制御信号送信手段により送信された前記特定入賞検出信号を受信したとき(例えばステップS441にてYesと判定したとき)に、前記ラウンド数信号にて示された前記ラウンドの上限回数を報知する。
【0009】
請求項3に記載の遊技機において、前記演出表示制御手段は、前記ラウンドの上限回数よりも少ない実行回数を特定可能に報知する少数ラウンド報知演出を実行する制御を行う少数ラウンド報知演出制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS607にて図34に示す選択確率で表示結果を選択した後にステップS609の処理を実行する部分など)と、前記少数ラウンド報知演出制御手段により実行された少数ラウンド報知演出において報知された実行回数に達したとき(例えばステップS510にてYesの判定がなされたとき)に、さらにラウンドが継続可能である旨を報知する継続報知演出を実行する制御を行う継続報知演出制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS512の処理を実行する部分など)とを含む。
【0010】
上記目的を達成するため、本願の請求項4に記載の遊技機は、所定の演出を実行する演出手段(例えば第2表示装置4Bやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9など)と、遊技媒体(例えば遊技球)が流下する遊技領域に設けられた始動領域(例えば始動入賞口6a〜6c)にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器41a〜41c)と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材(例えば開閉部材30a、30b)により開閉される可変進入口(例えば大入賞口31a、31b)を遊技者にとって不利な第1の状態(例えば開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを閉じた状態)から遊技者にとって有利な第2の状態(例えば開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを開成した状態)とする始動動作を行う可変入賞装置(例えば可変入賞装置5)と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域(例えばV入賞口35)に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器40)とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数(例えば15回)まで実行可能とする特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御処理(例えばステップS15の遊技制御プロセス処理)を実行する遊技制御マイクロコンピュータ(例えばROM101、RAM102、CPU103などを含んだ基本回路100)と、前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板(例えば主基板11)と、前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号(例えば演出制御コマンド)に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータ(例えば演出制御用CPU120やROM121、RAM122など)と、前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板12)と、前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段(例えばコネクタ61B、62Aや伝送方向規制回路13−1〜13−nなど)が設けられた中継基板(例えば信号中継基板13)と、前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段(例えば第1表示装置4A)と、前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段(例えば第2表示装置4B)とを備え、前記可変入賞装置は、前記可変進入口に進入した遊技媒体を前記特定領域と前記特定領域とは異なる通常領域とに振り分ける振分け手段(例えば振分け部材32など)を含み、前記遊技制御マイクロコンピュータは、前記第1表示手段に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段(例えばCPU103がステップS209、S243、S244、S272、S335、S339、S384の処理を実行する部分など)と、前記振分け手段の状態を制御することにより、遊技媒体を前記特定領域に進入させる確率が高い高確率ラウンドと、高確率ラウンドに比べて遊技媒体を前記特定領域に進入させる確率が低い低確率ラウンドと、を含むラウンドのいずれかに制御する振分け制御手段(例えばCPU103がステップS262〜S267の処理を実行する部分など)と、前記振分け制御手段によって低確率ラウンドに制御されているときに、前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記振分け手段によって前記特定領域に振り分けられる割合が高められる変化タイミングを、前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行うタイミング報知制御手段(例えばCPU103がステップS335の処理を実行する部分など)と、前記変化タイミングを示す制御信号としてタイミング指示信号を送信する制御信号送信手段(例えばCPU103がステップS334の処理を実行した後にステップS16のコマンド制御処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出制御マイクロコンピュータは、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データ(例えば演出表示制御データや画像データ)を記憶するデータ記憶手段(例えばROM121やCGROM124など)と、前記制御信号送信手段により送信されたタイミング指示信号に基づき前記変化タイミングを報知する所定の演出表示(例えば図39(A)に示す演出Xや図39(B)に示す演出Y、図39(C)に示す演出Zなどの演出表示)を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段(例えば演出制御用CPU120がステップS505〜S508の処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出表示制御手段は、前記タイミング指示信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS507の処理を実行する部分など)を含む。
【0011】
上記目的を達成するため、本願の請求項5に記載の遊技機は、所定の演出を実行する演出手段(例えば表示装置204Bやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9など)と、遊技媒体(例えば遊技球)が流下する遊技領域に設けられた始動領域(例えば始動入賞口6a〜6c)にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器41a〜41c)と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材(例えば開閉部材230a、230b)により開閉される可変進入口(例えば大入賞口231a、231b)を遊技者にとって不利な第1の状態(例えば開閉部材230a、230bが大入賞口231a、231bを閉じた状態)から遊技者にとって有利な第2の状態(例えば開閉部材230a、230bが大入賞口231a、231bを開成した状態)とする始動動作を行う可変入賞装置(例えば可変入賞装置205)と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域(例えばV入賞口235)に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器40)とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数(例えば15回)まで実行可能とする特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータ(例えばROM101、RAM102、CPU103などを含んだ基本回路100)と、前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板(例えば主基板11)と、前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号(例えば演出制御コマンド)に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータ(例えば演出制御用CPU120やROM121、RAM122など)と、前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板12)と、前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段(例えばコネクタ61B、62Aや伝送方向規制回路13−1〜13−nなど)が設けられた中継基板(例えば信号中継基板13)と、前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段(例えば表示装置204A)と、前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段(例えば表示装置204B)とを備え、前記可変入賞装置は、前記可変進入口に進入した遊技媒体を高い割合で前記特定領域に誘導する特定誘導路(例えば玉通路233a、233b)と、特定誘導路に比べて低い割合で遊技媒体を前記特定領域に誘導する通常誘導路(例えば下部入賞空間の側部234a、234b)と、を含む遊技媒体誘導経路と、前記可変進入口に進入した遊技媒体を前記特定誘導路と前記通常誘導路とに振り分ける振分け手段(例えば振分け部材232など)と、を含み、前記遊技制御マイクロコンピュータは、前記第1表示手段に設けられた発光体(例えば第1表示装置204Aにおける7セグメントLEDの各セグメントを構成するLEDモジュールや、ドットマトリクスLEDの各ドットを構成するLEDモジュール)へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段(例えばCPU103がステップS209、S243、S244、S272、S335、S339、S384の処理を実行する部分など)と、前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記振分け手段によって前記特定誘導路と前記通常誘導路のいずれに振り分けられるかの遊技媒体振分け態様を、前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行う振分け報知制御手段(例えばCPU103がステップS335の処理を実行する部分など)と、前記遊技媒体振分け態様を示す制御信号として振分け態様信号を送信する制御信号送信手段(例えば図47に示すパチンコ遊技機201にてステップS334と同様の処理を実行した後にステップS16のコマンド制御処理を実行する部分など)と、を含み、前記演出制御マイクロコンピュータは、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データ(例えば演出表示制御データや画像データ)を記憶するデータ記憶手段(例えばROM121やCGROM124など)と、前記制御信号送信手段により送信された振分け態様信号に基づき前記遊技媒体振分け態様を報知する所定の演出表示(例えば図39(A)に示す演出Xや図39(B)に示す演出Y、図39(C)に示す演出Zなどの演出表示)を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段(例えば図47に示すパチンコ遊技機201にて演出制御用CPU120がステップS507と同様の処理を実行する部分など)を含み、前記演出表示制御手段は、前記振分け態様信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS507の処理を実行する部分など)を含む。
【0012】
請求項6に記載の遊技機において、前記遊技制御基板には、前記中継基板からの信号の入力を阻止する第1の信号方向規制手段(例えば出力バッファ回路60)が設けられ、前記中継基板には、前記演出制御基板からの信号の入力を阻止する第2の信号方向規制手段(例えば各伝送方向規制回路13−1〜13−nにおけるダイオードD1及び抵抗R1)が設けられている。
【0013】
請求項7に記載の遊技機においては、遊技者が操作可能な操作手段(例えば操作ボタン22)と、前記操作手段の操作に応じて操作信号を出力する操作信号出力手段(例えば演出スイッチ20)とを備え、前記演出制御基板は、前記操作信号出力手段から出力された操作信号を入力する外部入力手段(例えばスイッチ信号入力回路126)と、前記操作信号出力手段から前記外部入力手段に操作信号が入力されたか否かを判定する操作判定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS408やステップS602の処理を実行する部分など)と、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を、前記操作判定手段による前記操作手段の操作がなされたか否かの判定結果に基づいて決定する操作判定演出決定手段(例えば演出制御用CPU120がステップS409〜S411の処理を実行した後にステップS421〜S426の処理を実行する部分、及びステップS601〜S609の処理を実行した後にステップS622〜S625の処理を実行する部分など)と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以下に示す効果を有する。
【0015】
請求項1に記載の構成によれば、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータに含まれるラウンド回数報知制御手段が第1表示手段の表示によりラウンド回数決定手段で決定されたラウンドの実行回数を特定可能に報知する制御を行う一方で、遊技制御基板からの制御信号に基づいて演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータにおいて、演出態様決定手段が、第2表示手段における演出表示の表示態様を、ラウンド数指示信号に基づいて複数種類の表示態様のいずれかに決定する。
このように、遊技制御マイクロコンピュータとは異なる演出制御マイクロコンピュータに含まれる演出態様決定手段によって表示手段の表示による演出の一部を決定することで、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく第1及び第2表示手段の表示制御を行うことができ、第2表示手段による演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1表示手段では、ラウンドの実行回数に基づく演出表示が行われる第2表示手段とは別個に、遊技制御マイクロコンピュータに含まれるラウンド回数報知制御手段の制御によりラウンドの実行回数が特定可能に報知されるので、遊技者がラウンドの実行回数を誤って認識することを防止できる。
【0016】
請求項2に記載の遊技機においては、ラウンド回数決定手段が始動検出手段によって遊技媒体が検出されたときにラウンドの実行回数を決定する。そして、演出制御手段では、演出態様決定手段が制御信号送信手段により送信されたラウンド数指示信号にて示されるラウンドの実行回数に応じて異なる割合でデータ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、第2表示手段における演出表示の表示態様を決定する。また、演出表示制御手段は、特定入賞検出信号を受信したときに、ラウンドの実行回数を報知する。
このように、始動検出手段による遊技媒体の検出時にラウンドの実行回数が決定されて、ラウンド数指示信号が演出制御手段に送信され、このラウンド数指示信号に基づき第2表示手段における演出表示の表示態様を決定することができるので、決定されたラウンドの実行回数に応じた演出表示を始動検出手段による遊技媒体の検出時から実行することができる。
【0017】
請求項3に記載の遊技機においては、少数ラウンド報知演出制御手段によって少数ラウンド報知演出が実行されることにより、ラウンド回数決定手段によって決定されたラウンドの実行回数よりも少ない実行回数が特定可能に報知される。その後、少数ラウンド報知演出にて報知されたラウンドの実行回数に達したときには、継続報知演出制御手段によって継続報知演出が実行されることにより、さらにラウンドが継続可能である旨が報知される。
遊技者は、特定遊技状態が発生するときに少数ラウンド報知演出にて少ないラウンドの実行回数が報知されることにより落胆するが、その報知された実行回数に達したときには、継続報知演出が行われてさらにラウンドが継続可能である旨が報知されるので、ラウンドが継続することに対する意外性と期待感とが高められる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0018】
請求項4に記載の構成によれば、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータに含まれるタイミング報知制御手段が第1表示手段の表示により低確率ラウンドにて振分け手段によって遊技媒体が特定領域に振り分けられる割合が高められる変化タイミングを特定可能に報知する制御を行う一方で、遊技制御基板からの制御信号に基づいて演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータにおいて、演出態様決定手段が、第2表示手段における演出表示の表示態様を、タイミング指示信号に基づいて複数種類の表示態様のいずれかに決定する。
このように、遊技制御マイクロコンピュータとは異なる演出制御マイクロコンピュータに含まれる演出態様決定手段によって表示手段の表示による演出の一部を決定することで、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく第1及び第2表示手段の表示制御を行うことができ、第2表示手段による演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1表示手段では、振分け手段の変化タイミングに基づく演出表示が行われる第2表示手段とは別個に、遊技制御マイクロコンピュータに含まれるタイミング報知制御手段の制御により変化タイミングが特定可能に報知されるので、遊技者が振分け手段の変化タイミングを誤って認識することを防止できる。
【0019】
請求項5に記載の構成によれば、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータに含まれる振分け報知制御手段が第1表示手段の表示により、遊技媒体が振分け手段によって特定誘導路と通常誘導路のいずれに振り分けられるかの遊技媒体振分け態様を特定可能に報知する制御を行う一方で、遊技制御基板からの制御信号に基づいて演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータにおいて、演出態様決定手段が、第2表示手段における演出表示の表示態様を、振分け態様信号に基づいて複数種類の演出態様のいずれかに決定する。
このように、遊技制御マイクロコンピュータとは異なる演出制御マイクロコンピュータに含まれる演出態様決定手段によって表示手段の表示による演出の一部を決定することで、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく第1及び第2表示手段の表示制御を行うことができ、第2表示手段による演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1表示手段では、振分け手段による遊技媒体振分け態様に基づく演出表示が行われる第2表示手段とは別個に、遊技制御マイクロコンピュータに含まれる振分け報知制御手段により遊技媒体振分け態様が特定可能に報知されるので、遊技媒体が振分け手段によって特定誘導路と通常誘導路のいずれに振り分けられるかの遊技媒体振分け態様を、遊技者が誤って認識することを防止できる。
【0020】
請求項6に記載の遊技機においては、遊技制御基板に第1の信号方向規制手段が設けられるとともに、中継基板に第2の信号方向規制手段が設けられている。これにより、遊技制御基板に外部から不正信号が入力されることを確実に防止することができる。
【0021】
請求項7に記載の遊技機においては、遊技者が操作可能な操作手段の操作に応じて操作信号を出力する操作信号出力手段から外部入力手段に操作信号が入力されたか否かを判定する操作判定手段による判定結果に基づいて、遊技制御マイクロコンピュータとは異なる演出制御マイクロコンピュータに含まれる操作判定演出決定手段が、第2表示手段における演出表示の表示態様を決定することができる。
これにより、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第2表示手段による演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本実施例における遊技機としては、始動入賞口に遊技媒体としての遊技球が入賞することで可変進入口としての大入賞口が開閉部材により所定時間開成(開口)され、開閉部材に拾われた遊技球が大入賞口内の所定領域に進入すると、大当りになって開閉部材が開閉動作を繰り返し実行するタイプの遊技機であればよい。
【0023】
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。
【0024】
遊技領域のほぼ中央位置には、可変入賞装置5が配置されている。可変入賞装置5の下方には、左・中・右の始動入賞口6a〜6cが配置されている。左・中・右の始動入賞口6a〜6cは、それぞれ始動玉検出器41a〜41cを内蔵しており、各始動入賞口6a〜6cに遊技球が入賞すると、遊技球は各始動玉検出器41a〜41cによって検出される。各始動玉検出器41a〜41cによって遊技球が検出されたときには、図2に拡大して示す可変入賞装置5に設けられた開閉部材30a、30bにより、可変入賞口としての大入賞口31a、31bが所定期間開放される。
【0025】
ここで、始動入賞口6a〜6cのうち左右の始動入賞口6a、6cに遊技球が入賞した場合には、可変入賞装置5が所定期間(例えば0.35秒)1回開放され、始動入賞口6a〜6cのうち中央の始動入賞口6bに遊技球が入賞した場合には、可変入賞装置5が所定期間(例えば0.65秒)ずつ2回開放される。このように各始動入賞口6a〜6cに入賞した遊技球が各始動玉検出器41a〜41cによって検出されたことに応じて可変入賞装置5が行う開放動作を始動動作という。
【0026】
可変入賞装置5には、左右一対の開閉部材(ハネ)30a、30bが回動可能に軸止されている。開閉部材30a、30bは、リンク機構を介してソレノイド50a、50b(図3)に連結され、ソレノイド50a、50bがオフしている通常状態では垂直状態にあり、ソレノイド50a、50bがオンしたときに、傾斜状態となる。
【0027】
開閉部材30a、30bが傾斜状態になると、開閉部材30a、30bにより閉鎖されていた大入賞口31a、31bが開成(開口)する。開閉部材30a、30bにより拾われた遊技球は、開成した大入賞口31a、31bを介して、可変入賞装置5内の上部入賞空間に進入可能となる。大入賞口31a、31bの近傍には、入賞玉検出器42a、42bが配置されており、大入賞口31a、31bを通過して可変入賞装置5内に進入した遊技球(入賞玉)を検出する。入賞玉検出器42a、42bにより遊技球が検出されたことに応じて、所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
【0028】
大入賞口31a、31bの下方には、転動板37a、37bが設けられている。転動板37a、37bは、例えば手前側(パチンコ遊技機1の前面に近い側)から奥行き側(パチンコ遊技機1の背面に近い側)に向かって下降した傾斜を有し、遊技球が転動板37a、37b上を手前側から奥行き側に向けて転動可能となっている。転動板37a、37bから下部の入賞空間に落下した遊技球は、転動板37d、37e上を転動する。
【0029】
また、転動板37a、37bの間には、遊技球が転動可能な凹部37cが形成されており、凹部37cよりも奥行き側には、前後に移動可能な人形を象った振分け部材32が設けられている。振分け部材32は、リンク機構を介してモータ51(図3)に連結されている。モータ51を駆動することにより振分け部材32が手前側に前進したときには、凹部37cに所定個数(例えば3個)の遊技球を貯留(滞留)させる貯留可能状態となる。他方、モータ51の駆動によって振分け部材32が奥行き側に後退したときには、凹部37cに遊技球を貯留できない退避状態となる。凹部37cに貯留された遊技球は、振分け部材32が奥行き側に後退することによって解放されて下部の入賞空間に落下する。
【0030】
可変入賞装置5内の下部入賞空間には、特定領域となるV入賞口35と、特定領域とは異なる通常領域36とが設けられている。ここで、振分け部材32が貯留可能状態となることにより凹部37cに貯留されてから退避状態となって解放された遊技球は、凹部37cに貯留されることなく転動板37a、37b上から落下した遊技球に比べて高い割合で、転動板37d、37eの中間部分にある玉通路上を転動して、V入賞口35に進入する。すなわち、振分け部材32は、凹部37cに遊技球を貯留させてから解放することにより遊技球をV入賞口35に振り分ける一方、退避状態のままで凹部37cに遊技球を貯留させないようにすることにより遊技球を通常領域36に振り分ける。
【0031】
V入賞口35には、遊技球の進入を検出する特定玉検出器40が設けられている。可変入賞装置5が始動動作を行っているとき、及び始動動作が終了して開閉部材30a、30bが閉じてから所定の有効期間(V入賞有効期間)が経過するまでの期間において、大入賞口31a、31bに入賞した遊技球がV入賞口35に進入(V入賞)して、この遊技球が特定玉検出器40によって検出されたときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態)となる。この大当り遊技状態においては、開閉部材30a、30bが可変入賞装置5の始動動作や通常状態よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で大入賞口31a、31bを開口させる傾斜状態となるラウンドが、継続ラウンド回数として決定された上限回数まで実行可能となる。この実施の形態では、継続ラウンド回数が「1」、「3」、「7」、「15」のうちのいずれかに決定されるものとする。また、V入賞口35に入賞しなかった遊技球は、通常領域36を経由して可変入賞装置5から排出される。この通常領域36を経由して排出される遊技球は、排出玉検出器44(図3)によって検出される。
【0032】
各ラウンドでは、開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bを開成する回数が所定回数(例えば、18回)に達するまで、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が入賞玉検出器42a、42bにより検出されるまで、開閉部材30a、30bが大入賞口31a、31bの開成/閉鎖を繰り返す。そして、ラウンド中に大入賞口31a、31bに入賞した遊技球がV入賞口35に進入して特定玉検出器40によって検出されたときには次のラウンドに移行し、ラウンド中に大入賞口31a、31bに入賞した遊技球がV入賞口35に進入せず特定玉検出器40によって検出されなかったときや、ラウンドの実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了する。
【0033】
また、各ラウンドは、振分け部材32を比較的長い期間において貯留可能状態とした後に退避状態に変化させることにより遊技球をV入賞口35に進入させる確率が高くなる高確率ラウンドと、振分け部材32を比較的短い期間において貯留可能状態とした後に退避状態に変化させることにより遊技球をV入賞口35に進入させる確率が低くなる低確率ラウンドのいずれかに制御される。高確率ラウンドでは、凹部37cに貯留された後に解放されることでV入賞口35に進入しやすい遊技球が低確率ラウンドに比べて多くなるため、特定玉検出器40が遊技球を検出して次のラウンドに移行する可能性が、低確率ラウンドに比べて高くなる。
【0034】
可変入賞装置5の上部には、例えば4箇所の発光位置にて複数種類の発光色で発光可能な発光体から構成された第1表示装置4Aが配置されている。例えば、第1表示装置4Aは、各発光位置にて赤色、青色、緑色などの発光色で発光可能な発光体としてのLEDモジュールなどによって形成され、主基板11(図3)が各発光体へ駆動信号を出力する制御を行うことで、発光色や点灯及び消灯の切換動作を行って、様々な情報を遊技者等が認識可能となるように報知することができる。
【0035】
可変入賞装置5内には、例えば振分け部材32よりも奥行き側の垂直壁面などに、液晶パネルなどから構成された第2表示装置4Bが設けられている。第2表示装置4Bは、演出制御基板12の制御下に画像の切換表示を行うなどして、大当り遊技状態が発生するときに行われるラウンド抽選演出といった各種の演出表示を実行する。
【0036】
また、パチンコ遊技機1の遊技領域内には、複数の一般入賞口や、打球の流れにランダム性を与える風車、多数の障害釘、遊技球を排出するアウト口等が設けられている。さらに、遊技機用枠3には、音声出力用のスピーカ8L、8R、装飾・演出用の複数の遊技効果ランプ9、遊技者等が操作可能な操作ボタン22、遊技球を遊技領域内に打ち出す球発射装置内の発射モータ(図示せず)の操作を行うための打玉操作ハンドルなどが配置されている。
【0037】
図3は、主基板11を中心としたシステム構成の一例を示すブロック図である。パチンコ遊技機1には、電源基板10と、主基板11と、演出制御基板12と、払出制御基板15といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13や、電源基板10から主基板11を介して供給される電力をパチンコ遊技機1の各部位へと中継するための電源中継基板14、各検出器40、41a〜41c、42a、42b、44からの検出信号を主基板11へと中継するためのスイッチ中継基板21なども搭載されている。
【0038】
電源基板10から出力される電源電圧は、主基板11を経由して電源中継基板14に入力され、電源中継基板14から演出制御基板12や払出制御基板15などの各制御基板に供給される。
【0039】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、各種の検出器40、41a〜41c、42a、42b、44からスイッチ中継基板21を介して入力される検出信号を伝送する配線、ソレノイド50a、50bやモータ51、第1表示装置4Aへの制御信号を伝送する配線などが接続されている。また、主基板11は、演出制御基板12や払出制御基板15といったサブ側の制御基板に対して、それぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能を備えている。
【0040】
ここで、主基板11から演出制御基板12に出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。図4(A)は、信号中継基板13の構成例を、主基板11及び演出制御基板12とともに示すブロック図である。主基板11には、信号中継基板13対応のコネクタ61Aが設けられ、コネクタ61Aと基本回路100との間には、出力バッファ回路60が接続されている。出力バッファ回路60は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
【0041】
信号中継基板13には、主基板11から演出制御基板12に出力される制御信号を伝送するための配線毎に、図4(B)に示すような回路構成を有する伝送方向規制回路13−1〜13−nが設けられている。各伝送方向規制回路13−1〜13−nは、主基板11対応のコネクタ61Bにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応のコネクタ62Aにカソードが接続されたダイオードD1と、一端がダイオードD1のカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗R1とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路13−1〜13−nは、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。なお、主基板への不正な信号の入力を防ぐために、主基板とサブ基板との間に主基板からサブ基板への信号の出力のみを規制する一方向データ転送手段を設けたものは既に提案されている(例えば、特開平8−224339号公報などを参照)。しかしながら、主基板と一方向データ転送手段との間には主基板への信号入力を規制するものがないため、一方向データ転送手段に改変を加えることで主基板に不正な信号を入力させることが可能であった。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路13−1〜13−nを設けるとともに、主基板11にて基本回路100とコネクタ61Aの間に出力バッファ回路60を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を、より確実に防止することができる。
【0042】
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、演出制御コマンドである。この実施の形態では、演出制御コマンドとして、始動入賞コマンド、始動動作終了コマンド、特定領域入賞コマンド、ラウンド開始コマンド、貯留開始コマンド、貯留終了コマンド、特定遊技状態終了コマンドなどが予め用意されている。
【0043】
始動入賞コマンドは、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたときに、可変入賞装置5による始動動作を実行する旨を指示する制御信号として送信される演出制御コマンドである。ここで、始動入賞コマンドは、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによる遊技球の検出時に継続ラウンド回数として決定されるラウンドの実行回数を示すデータを含んでいる。始動動作終了コマンドは、可変入賞装置5による始動動作が開始されてから可変入賞装置5内に進入した遊技球が特定玉検出器40によって有効に検出されることなく所定の有効期間(V入賞有効期間)が経過したときに、可変入賞装置5による始動動作を終了する旨を指示する制御信号として送信される演出制御コマンドである。特定領域入賞コマンドは、可変入賞装置5による始動動作が開始された後に可変入賞装置5内へ進入した遊技球が特定玉検出器40によって有効に検出されたときに、遊技球が特定玉検出器40によって検出された旨を示す制御信号として送信される演出制御コマンドである。ラウンド開始コマンドは、大当り遊技状態において新たなラウンドが開始されるときに送信される演出制御コマンドである。貯留開始コマンドは、低確率ラウンドにおいて振分け部材32によって可変入賞装置5内に進入した遊技球が貯留可能となるときに、振分け部材32によって遊技球がV入賞口35に振り分けられる割合が高められる変化タイミングを示す制御信号として送信される演出制御コマンドである。貯留終了コマンドは、振分け部材32によって貯留されていた遊技球が解放されるときに送信される演出制御コマンドである。特定遊技状態終了コマンドは、大当り遊技状態が終了するときに送信される演出制御コマンドである。
【0044】
主基板11から払出制御基板15に対して送信される制御コマンドは、払出制御コマンドである。この実施の形態では、払出制御コマンドとして、始動入賞時賞球払出コマンド、大入賞時賞球払出コマンドなどが予め用意されている。始動入賞時賞球払出コマンドは、遊技領域を流下した遊技球が左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに進入して始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって検出されたときに、所定の景品個数(例えば5個)の遊技球を賞球として払い出す旨を指示する払出制御コマンドである。大入賞時賞球払出コマンドは、左・右の大入賞口31a、31bのいずれかに進入した遊技球が入賞玉検出器42a、42bのいずれかによって検出されたときに、所定の景品個数(例えば10個)の遊技球を賞球として払い出す旨を指示する払出制御コマンドである。
【0045】
主基板11は、例えば、基本回路100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111、モータ回路112などを備えて構成されている。基本回路100は、例えば遊技の進行を制御するための遊技制御用に構成された1チップマイクロコンピュータであり、各種のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103、CPU103とは独立して乱数の生成を行う乱数回路104及びI/O(Input/Output)ポート105を含んでいる。
【0046】
乱数回路104では、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値となる数値データがカウントされる。具体的な一例として、CPU103は、乱数回路104による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的(あるいは不定期)に更新させるなどして、例えばラウンド数決定用乱数やラウンド継続確率設定用乱数などとして用いられる数値データをカウント可能に制御する。ラウンド数決定用乱数は、例えば大当り遊技状態にて実行可能なラウンド数の上限値や、次のラウンドに移行する確率が高い高確率ラウンドに比べて次のラウンドに移行する確率が低い低確率ラウンドが1回終了するまでのラウンド数などを、継続ラウンド回数として決定するために用いられる乱数であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。ラウンド継続確率設定用乱数は、大当り遊技状態にて新たなラウンドを開始するときに、そのラウンドを次のラウンドに移行する確率が比較的に高い高確率ラウンドとするか、当該確率が比較的に低い低確率ラウンドとするかを決定するために用いられる乱数である。
【0047】
ROM101には、遊技制御用のプログラムや、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM101は、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを記憶する。例えば、決定テーブルには、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数を継続ラウンド回数として決定するために、図5に示すような継続ラウンド回数決定テーブル130などが含まれている。継続ラウンド回数決定テーブル130は、ラウンド数決定用乱数の値と、継続ラウンド回数を示す決定結果とを対応付ける設定データから構成されている。
【0048】
RAM102は、一部または全部が、電源基板10において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであってもよい。この場合、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。また、RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ中継基板21やスイッチ回路110を介して各種の検出器から伝送される検出信号などに応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための遊技制御フラグ設定エリア、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する遊技制御タイマ設定エリア、及び、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する遊技制御カウンタ設定エリアなどが設けられていてもよい。なお、フラグ設定やタイマ、カウンタに用いる回路は、RAM102とは別個に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0049】
遊技制御フラグ設定エリアには、例えば、遊技制御プロセスフラグや、開閉モードフラグ、高確率振分けフラグなどが設けられている。遊技制御プロセスフラグは、後述する遊技制御プロセス処理(図14)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。開閉モードフラグは、可変入賞装置5による始動動作における動作態様を指示する。具体的な一例として、この実施の形態では、左側の始動入賞口6aに配置された始動玉検出器41aあるいは右側の始動入賞口6cに配置された始動玉検出器41cにより遊技球が検出されたことにより大入賞口31a、31bを1回開閉する始動動作を行うときに、開閉モードフラグの値が“1”に設定される。他方、中央の始動入賞口6bに配置された始動玉検出器41bにより遊技球が検出されたことにより大入賞口31a、31bを2回開閉する始動動作を行うときには、開閉モードフラグの値が“2”に設定される。高確率振分けフラグは、大当り遊技状態にて実行されるラウンドが高確率ラウンドであるときにはオン状態にセットされる一方、低確率ラウンドであるときにはクリアされてオフ状態となる。
【0050】
遊技制御タイマ設定エリアは、例えば、遊技制御時間タイマとしての機能を実現するためのタイマ値を示すデータが格納される領域を備えている。遊技制御時間タイマは、パチンコ遊技機1における遊技状態や可変入賞装置5の動作状態などを制御するために、予め定められた様々な動作時間や経過時間を計測するためのものである。例えば、遊技制御時間タイマは、可変入賞装置5による始動動作の実行を開始するタイミングからV入賞口35に進入した遊技球を特定玉検出器40によって有効な入賞玉(V入賞玉)として検出する待機時間が終了するまでの経過時間を計測する。
【0051】
遊技制御カウンタ設定エリアは、例えば、未排出カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞カウンタなどとしての機能を実現するためのカウント値を示すデータが格納される領域を備えている。未排出カウンタは、可変入賞装置5による始動動作が実行されたときに大入賞口31a、31bから可変入賞装置5内に進入した後に、未だ可変入賞装置5内から排出されていない遊技球の個数をカウントするためのものである。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態にてラウンドが開始される毎に1ずつカウントアップされることで、大当り遊技状態にて既に開始されたラウンドの回数をカウントするためのものである。大入賞カウンタは、大当り遊技状態における1回のラウンド中において開成された大入賞口31a、31bに進入した遊技球の個数をカウントするためのものである。
【0052】
この実施の形態では、例えばCPU103が所定の処理プログラムを実行することなどによって、主基板11の側にて第1表示装置4Aの表示制御が行われる。例えば、CPU103は、第1表示装置4Aを構成する発光体としてのLEDや液晶素子へ駆動信号を出力する制御を行い、第1表示装置4Aにおける各発光素子の発光色や、発光/不発光の組合せなどを切換可能に設定する。これにより、第1表示装置4Aでは、例えば図6(A)〜(D)に示すように、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数に応じて表示態様を異ならせることで、遊技者等に継続ラウンド回数を特定可能に報知することができる。また、例えば図6(E)及び(F)に示すように、振分け部材32によって可変入賞装置5内に進入した遊技球が貯留可能となっているか、貯留されない解放中であるかに応じて、第1表示装置4Aにおける表示態様を異ならせることで、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となるタイミングを特定可能に報知することができる。
【0053】
図3に示すスイッチ回路110には、可変入賞装置5内のV入賞口35に配置された特定玉検出器40、左・中・右の始動入賞口6a〜6cにそれぞれ配置された始動玉検出器41a〜41c、可変入賞装置5における大入賞口31a、31bのそれぞれに対応して配置された入賞玉検出器42a、42b、及び通常領域36を介して可変入賞装置5から排出される遊技球を検出する排出玉検出器44から、スイッチ中継基板21を介して、それぞれの検出信号が入力される。スイッチ回路110は、これらの検出信号を取り込んで、基本回路100に伝送する。ソレノイド回路111は、基本回路100からの指令に従って各ソレノイド50a、50bを駆動する。モータ回路112は、基本回路100からの指令に従ってモータ51を駆動する。
【0054】
演出制御基板12は、第2表示装置4Bにおける表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などの制御を行うものである。例えば、演出制御基板12は、信号中継基板13を介して主基板11から伝送される演出制御コマンドに基づいて第2表示装置4Bに画像の切換表示を実行させることなどにより、各種の演出表示を実行する制御を行う。また、演出制御基板12には、演出スイッチ20からの検出信号を伝送する配線や、音声出力回路25やランプドライバ回路26への制御信号を伝送する配線などが接続されている。ここで、演出スイッチ20は、操作ボタン22が遊技者によって操作されたときにオン状態となる検出信号を出力する。
【0055】
図7は、演出制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。演出制御基板12は、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、VDP(Video Display Processor)123と、CGROM(Character Generator ROM)124と、VRAM(Video RAM)125と、スイッチ信号入力回路126と、音声データ出力回路127と、ランプデータ出力回路128とを備えている。
【0056】
演出制御用CPU120は、主基板11から送信された演出制御コマンドを信号中継基板13を介して受信すると、RAM122の所定領域をワークエリアとして用いながら、ROM121から演出制御を行うための制御データを読み出す。こうして読み出した制御データに基づいて、演出制御用CPU120は、VDP123に描画指令を送るなどして第2表示装置4Bの表示制御を行ったり、音声データ出力回路127から音声出力回路25に音声データを出力させるなどして音声出力制御を行ったり、ランプデータ出力回路128からランプドライバ回路26にランプデータを出力させるなどしてランプ点灯制御を行ったりする。
【0057】
演出制御基板12の側では、第2表示装置4Bにおける表示による演出内容を決定するために用いられる各種の乱数値となる数値データがカウントされる。具体的な一例として、演出制御用CPU120が所定の乱数更新処理を実行して数値データを所定の手順に従って定期的(あるいは不定期)に更新させるなどして、例えば演出決定用乱数や表示結果決定用乱数などとして用いられる数値データをカウントする。演出決定用乱数は、可変入賞装置5が始動動作を開始するときに第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を決定するために用いられる乱数である。
【0058】
ROM121は、演出制御用CPU120によって実行される各種制御プログラムや固定パラメータなどを格納する半導体メモリである。例えば、ROM121には、第2表示装置4Bの表示による各種の演出動作における画像の表示タイミングや切換タイミング、画像の読出位置(例えば、CGROM124のアドレスなど)等を決定するためのプロセステーブルなどが格納されていてもよい。例えば、ROM121には、図8(A)〜(F)に示すような演出A−1、図8(G)〜(L)に示すような演出B−1、図8(M)〜(R)に示すような演出C−1、及び、図9(A)〜(F)に示すような演出A−2、図9(G)〜(L)に示すような演出B−2、図9(M)〜(R)に示すような演出C−2のそれぞれに対応して第2表示装置4Bの表示制御を行うために予め複数種類用意された演出表示制御データが格納されている。
【0059】
この実施の形態では、可変入賞装置5による始動動作が開始されてから大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に入賞したことにより大当り遊技状態が発生するまでの期間において、図8(A)〜(F)に示すような演出A−1、図8(G)〜(L)に示すような演出B−1、図8(M)〜(R)に示すような演出C−1、あるいは、図9(A)〜(F)に示すような演出A−2、図9(G)〜(L)に示すような演出B−2、図9(M)〜(R)に示すような演出C−2のいずれかを、選択して第2表示装置4Bにて表示することができる。
【0060】
より詳細には、可変入賞装置5による始動動作が実行可能であるときに左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに進入した遊技球が始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって検出されると、例えば図8及び図9の(A)、(G)、(M)に示すような「チャンス!!」といった、始動動作が開始される旨を報知する画像が第2表示装置4Bに表示される。この後、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を示す演出表示制御データとして、演出A−1を示す演出表示制御データが選択されたときには、可変入賞装置5による始動動作が行われてV入賞口35に進入した遊技球が特定玉検出器40によって有効に検出される有効期間において、図8(B)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。演出B−1を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図8(H)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示され、演出C−1を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図8(N)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。また、演出A−2を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図9(B)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示され、演出B−2を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図9(H)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示され、演出C−2を示す演出表示制御データが選択されたときには、有効期間において図9(N)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。可変入賞装置5による始動動作が行われて開成された大入賞口31a、31bに進入した遊技球が、特定領域としてのV入賞口35に入賞することなく、全て通常領域36から可変入賞装置5の外部へと排出されることにより、特定玉検出器40によって遊技球が検出されることなく有効期間が経過したときには、第2表示装置4Bの表示状態を初期化するなどして、上述した画像の表示を終了する。
【0061】
他方、可変入賞装置5による始動動作が行われて開成された大入賞口31a、31bに進入した遊技球が、特定領域としてのV入賞口35に進入して特定玉検出器40によって検出されたときには、例えば図8及び図9の(C)、(I)、(O)に示すような「V」といった、V入賞口35に遊技球が入賞した旨を報知する画像が第2表示装置4Bに表示される。この後、演出A−1を示す演出表示制御データが選択されているときには、大当り遊技状態における最初のラウンドが開始されるまでの抽選演出期間において、図8(D)及び(E)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。演出B−1を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図8(J)及び(K)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示され、演出C−1を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図8(P)及び(Q)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。
【0062】
また、演出A−2を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図9(D)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることにより、遊技者に操作ボタン22の操作を促す報知情報60aが提示される。そして、例えば操作ボタン22の操作に応答して、図9(E)に示すようなラウンドの実行回数を特定可能にする報知情報61aを含んだ画像を第2表示装置4Bに表示させる。演出B−2を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図9(J)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることにより、遊技者に操作ボタン22の操作を促す報知情報60bが提示される。そして、例えば操作ボタン22の操作に応答して、図9(K)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。演出C−2を示す演出表示制御データが選択されているときには、抽選演出期間において図9(P)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることにより、遊技者に操作ボタン22の操作を促す報知情報60cが提示される。そして、例えば操作ボタン22の操作の操作に応答して、図9(Q)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示される。
【0063】
そして、例えば継続ラウンド回数が「15」に決定されているときには、図8及び図9の(F)、(L)、(R)に示すようなラウンドの実行回数を報知する画像を第2表示装置4Bに表示させることができる。なお、演出A−2、演出B−2、演出C−2を示す演出表示制御データが選択されたときには、操作ボタン22の操作がなされたか否かの検出結果や、操作ボタン22の操作が検出されたタイミングなどに応じて、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数とは異なるラウンド回数を報知する画像を表示させるようにしてもよい。
【0064】
ROM121には、第2表示装置4Bによる演出表示における表示態様を決定するための演出決定テーブルとして、例えば図10(A)に示す第1演出決定テーブル131Aや、図10(B)に示す第2演出決定テーブル131Bが格納されている。第1演出決定テーブル131Aは、継続ラウンド回数と、演出決定用乱数の値とを、演出A−1、演出B−1、演出C−1のいずれかに対応付ける設定データから構成されている。第2演出決定テーブル131Bは、継続ラウンド回数と、演出決定用乱数の値とを、演出A−2、演出B−2、演出C−2のいずれかに対応付ける設定データから構成されている。演出制御用CPU120は、可変入賞装置5による始動動作を開始するときに、第1演出決定テーブル131A及び第2演出決定テーブル131Bのいずれかを参照することにより、始動動作中や大当り遊技状態が発生したときに行われるラウンド抽選演出における第2表示装置4Bの表示態様を決定する。
【0065】
ここで、第1演出決定テーブル131Aでは、継続ラウンド回数に応じて、演出A−1、演出B−1、演出C−1のそれぞれに対する演出決定用乱数の値の割当てが異なっている。また、第2演出決定テーブル131Bでは、継続ラウンド回数に応じて、演出A−2、演出B−2、演出C−2のそれぞれに対する演出決定用乱数の値の割当てが異なっている。そのため、始動動作中やラウンド抽選演出における第2表示装置4Bの表示態様は、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数に応じて異なるものとなる。例えば、第1演出決定テーブル131Aを参照する場合、継続ラウンド回数が「1」であるときには第2表示装置4Bの表示態様が演出A−1、演出B−1のいずれかに決定される一方で、演出C−1に決定されることはない。これに対して、継続ラウンド回数が「7」であるときには第2表示装置4Bの表示態様が演出B−1、演出C−1のいずれかに決定される一方で、演出A−1に決定されることはない。
【0066】
RAM122には、信号中継基板13を介して主基板11から受信した演出制御コマンドや、演出スイッチ20からの検出信号、第2表示装置4Bにおける表示状態などに応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための演出制御フラグ設定エリア、第2表示装置4Bの表示制御などに用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する演出制御タイマ設定エリア、及び、第2表示装置4Bの表示制御のために用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する演出制御カウンタ設定エリアなどが設けられていてもよい。なお、フラグ設定やタイマ、カウンタに用いる回路は、RAM122とは別個に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
【0067】
演出制御フラグ設定エリアには、例えば、演出制御プロセスフラグや、始動入賞フラグ、始動動作終了フラグ、V入賞フラグ、ラウンド開始フラグ、貯留開始フラグ、貯留終了フラグ、大当り終了フラグ、演出モードフラグ、デモ表示中フラグ、スイッチ操作検出フラグ、上乗せ演出フラグ、などが設けられている。演出制御プロセスフラグは、後述する演出制御プロセス処理(図26)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。始動入賞フラグは、主基板11から送信された始動入賞コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。始動動作終了フラグは、主基板11から送信された始動動作終了コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。V入賞フラグは、主基板11から送信された特定領域入賞コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。ラウンド開始フラグは、主基板11から送信されたラウンド開始コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。貯留開始フラグは、主基板11から貯留開始コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。貯留終了フラグは、主基板11から送信された貯留終了コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。大当り終了フラグは、主基板11から特定遊技状態終了コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。
【0068】
演出モードフラグは、第2表示装置4Bにて所定のデモ画面を表示しているときに、操作ボタン22の操作に応答して、その値が“0”と“1”の間で切換可能となるように更新される。デモ表示中フラグは、第2表示装置4Bにて所定のデモ画面を表示しているときにオン状態にセットされ、デモ画面の表示が終了するとクリアされてオフ状態となる。スイッチ操作検出フラグは、大当り遊技状態が発生するときに、第2表示装置4Bの表示により継続ラウンド回数を報知する演出表示中にて操作ボタン22の操作が検出されると、オン状態にセットされる。上乗せ演出フラグは、大当り遊技状態が発生するときに継続ラウンド回数よりも少ないラウンド回数を報知した後、その報知されたラウンド回数に達したときにオン状態にセットされることにより、継続ラウンド回数を特定可能に報知するための演出表示を実行可能に設定する。
【0069】
演出制御タイマ設定エリアは、例えば、演出時間タイマとしての機能を実現するためのタイマ値を示すデータが格納される領域を備えている。演出時間タイマは、第2表示装置4Bにおける表示状態などを制御するために、予め定められた様々な動作時間や経過時間を計測するためのものである。
【0070】
演出カウンタ設定エリアは、例えば、ラウンド残回数カウンタや報知ラウンドカウンタなどとしての機能を実現するためのカウント値を示すデータが格納される領域を備えている。ラウンド残回数カウンタは、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの残り回数を演出制御基板12の側でカウントするためのものである。報知ラウンドカウンタは、大当り遊技状態が発生するときに第2表示装置4Bの表示による演出動作で報知されたラウンドの実行回数のうちで未だ実行されていない残りのラウンド回数をカウントするためのものである。
【0071】
VDP123は、例えば第2表示装置4Bによる画像表示を行うための表示制御機能及び高速描画機能を有し、演出制御用CPU120からの描画指令に従った画像処理を実行する。また、演出制御用CPU120とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM125をマッピングしている。例えばVDP123は、CGROM124から読み出した画像データをVRAM125の所定領域に展開する。そして、第2表示装置4Bに対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号などからなる映像信号を出力する。一例として、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、第2表示装置4BはVDP125からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0072】
CGROM124は、第2表示装置4Bにて画像表示を行うために使用される各種の画像データを記憶しておくためのものである。例えば図11に示すように、CGROM124には、画像読出用に使用される所定のポインタ(画像ポインタ)におけるポインタ値によって指定可能なアドレス毎に、複数種類の画像データが記憶されている。CGROM124には、第2表示装置4Bにて表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されていてもよい。VRAM125は、VDP123による画像データの展開が行われるフレームバッファメモリである。
【0073】
スイッチ信号入力回路126は、遊技者等による操作ボタン22の操作に応じて演出スイッチ20から出力される検出信号を、演出制御用CPU120に入力する。音声データ出力回路127は、演出制御用CPU120からの制御指令を受けて音声出力回路25に音声データを出力する。音声出力回路25では、例えば音声データ出力回路127から受けた音声データにデジタル/アナログ変換を施すなどして音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる。ランプデータ出力回路128は、演出制御用CPU120からの制御指令を受けてランプドライバ回路26にランプデータを出力する。ランプドライバ回路26では、例えばランプデータ出力回路128から受けたランプデータに応じたランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や役物飾りランプ85に供給することによってランプの点灯/消灯切換を行う。
【0074】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、電源基板10からの電源電圧が供給されると、基本回路100が起動し、CPU103が所定の遊技制御メイン処理を実行する。この遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の各部位の動作を初期化するとともに所定の初期設定などが行われる。こうした遊技制御メイン処理を実行することにより、CPU103では定期的(例えば2ミリ秒ごと)にタイマ割込みが発生するように設定される。
【0075】
図12は、タイマ割込みが発生するごとに実行される遊技制御割込処理の一例を示すフローチャートである。この例では、CPU103にてタイマ割込みが発生すると、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ中継基板21及びスイッチ回路110を介して各検出器40、41a〜41c、42a、42b、44から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要であれば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、主基板11に搭載された基本回路100において乱数回路104やソフトウェアによる制御によってカウントされる乱数値を示す数値データを更新する乱数更新処理(ステップS13)が実行される。なお、乱数回路104がCPU103からの指令によることなく乱数値となる数値データを更新可能である場合には、ステップS13の処理が実行されなくてもよい。
【0076】
乱数更新処理に続いて、CPU103は、始動入賞処理を実行し(ステップS14)、左・中・右の始動入賞口6a、6b、6cのいずれかに遊技球が入賞したことに応じて、継続ラウンド回数を決定する処理などを行う。この後、CPU103は、遊技制御プロセス処理を実行する(ステップS15)。遊技制御プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の手順で制御するために各種の処理が選択されて実行される。遊技制御プロセス処理に続いて、所定のコマンド制御処理が実行され、主基板11から演出制御基板12等といったサブ側の制御基板に対して制御コマンドが送信され、遊技状態に合わせた動作制御の指示が行われる(ステップS16)。例えば、基本回路100にて、各制御基板用に設けられた出力ポートバッファの格納データを読み出し、対応するI/O105の出力ポートにセットするなどして、サブ側の制御基板に対する制御コマンドの送出を行う。
【0077】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、ソレノイド回路111を介して各ソレノイド50a、50bの励磁あるいは消磁を制御(オン/オフ制御)する(ステップS17)。例えば、RAM102等に設けられたソレノイド駆動信号送信テーブルなどに格納された駆動信号の送信指令などを読み出し、ソレノイド回路111に対応するI/Oポート105における出力ポートにセットする。また、CPU103は、モータ回路112を介してモータ51に対して駆動信号を出力し、振分け部材32を移動させるためのモータ制御処理を実行する(ステップS18)。この後、CPU103は、所定の賞球処理を実行することにより、例えば基本回路100にて払出制御基板15用に設けられたコマンド送信テーブルの格納データを読み出し、対応するI/Oポート105における出力ポートにセットするなどして、各入賞口に遊技球が入賞したことに対応した賞球数(景品個数)の賞球の払出を指示する払出制御コマンドを、払出制御基板15に対して送信する(ステップS19)。
【0078】
図13は、ステップS14にて実行される始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。この始動入賞処理において、CPU103は、まず、左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに遊技球が入賞したか否かを、始動玉検出器41a〜41cからスイッチ中継基板21及びスイッチ回路110を介して入力される検出信号がオン状態となっているか否かをチェックするなどして判定する(ステップS101)。始動玉検出器41a〜41cからの検出信号のいずれかがオン状態となっている場合には(ステップS101;Yes)、ソレノイド50a、50bにより可変入賞装置5の開閉部材30a、30bを駆動して大入賞口31a、31bを開閉させる始動動作を実行可能であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0079】
例えば、CPU103は、遊技制御プロセスフラグの値が“0”であるときには、始動動作を実行可能であるとして(ステップS102;Yes)、例えば乱数回路104や図12に示すステップS13の乱数更新処理などによって更新されるラウンド数決定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS103)。このとき抽出されたラウンド数決定用乱数の値に基づき、図5に示す継続ラウンド回数決定テーブル130を参照することにより、継続ラウンド回数が決定される(ステップS104)。こうして決定された継続ラウンド回数は、例えばRAM102に設けられた所定の領域に制御データを記憶させることによりセーブしておく。
【0080】
ステップS104にて継続ラウンド回数を決定した後には、左側の始動入賞口6aに配置された始動玉検出器41a、及び右側の始動入賞口6cに配置された始動玉検出器41cのいずれかから送信された検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS105)。このとき、始動玉検出器41a、41cのいずれかからの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS105;Yes)、RAM102等の遊技制御フラグ設定エリアに設けられた開閉モードフラグの値を“1”に更新する(ステップS106)。これに対して、始動玉検出器41a、41cからの検出信号がいずれもオフ状態であるときには(ステップS105;No)、中央の始動入賞口6bに配置された始動玉検出器41bから送信された検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS107)。そして、始動玉検出器41bからの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS107;Yes)、開閉モードフラグの値を“2”に更新する(ステップS108)。他方、始動玉検出器41bからの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS107;No)、始動玉検出器41a〜41cからの検出信号の判定に誤りが生じたと判断して、所定のエラーフラグをセットする(ステップS109)。これにより、図12に示すステップS12のエラー処理にて、オン状態にセットされたエラーフラグに対応したエラー検出時の処理が実行されることになる。
【0081】
ステップS106またはステップS108にて開閉モードフラグの値を更新した後には、例えば演出制御基板12用に設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなど、演出制御基板12に対して始動入賞コマンドを送信するための設定を行う(ステップS110)。ステップS102にて例えば遊技制御プロセスフラグの値が“1”以上であるとして可変入賞装置5による始動動作を実行できないと判定したときや(ステップS102;No)、ステップS110の処理を実行した後には、例えば払出制御基板15用に設けられたコマンド送信テーブルに所定の制御データをセットするなど、払出制御基板15に対して始動入賞時賞球払出コマンドを送信するための設定を行う(ステップS111)。
【0082】
図14は、図12のステップS15にて実行される遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す遊技制御プロセス処理において、CPU103は、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて更新される遊技制御プロセスフラグの値に対応して、以下に示すステップS120〜S125の各処理を実行する。
【0083】
遊技制御プロセスフラグの値が“0”のとき、CPU103は「始動動作設定処理」を実行して、開閉モードフラグのチェックなどを行う(ステップS120)。遊技制御プロセスフラグの値が“1”のとき、CPU103は「始動動作中処理」を実行して、可変入賞装置5における始動動作の制御などを行う(ステップS121)。遊技制御プロセスフラグの値が“2”のとき、CPU103は「特定遊技動作開始待ち処理」を実行して、大当り遊技状態におけるラウンドが開始される前に第2表示装置4Bなどによって行われる演出等が終了するのを待機する(ステップS122)。
【0084】
遊技制御プロセスフラグの値が“3”のとき、CPU103は「ラウンド開始時処理」を実行して、ラウンドにおける可変入賞装置5等の動作を設定するための処理を行う(ステップS123)。遊技制御プロセスフラグの値が“4”のとき、CPU103は「ラウンド中制御処理」を実行して、ラウンド中における可変入賞装置5の動作などに関する様々な処理を行う(ステップS124)。遊技制御プロセスフラグの値が“5”のとき、CPU103は「特定遊技終了処理」を実行して、大当り遊技状態を終了させる(ステップS125)。
【0085】
図15は、図14のステップS120にて実行される始動動作設定処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す始動動作設定処理を開始すると、CPU103は、まず、開閉モードフラグの値が“0”となっているか否かを判定する(ステップS201)。このとき、開閉モードフラグの値が“0”であれば(ステップS201;Yes)、始動入賞口6a〜6cへの新たな遊技球の入賞がないと判断して、そのまま始動動作設定処理を終了する。
【0086】
ステップS201にて開閉モードフラグの値が“0”以外であるときには(ステップS201;No)、その開閉モードフラグの値は“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、開閉モードフラグの値が“1”であれば(ステップS201;Yes)、例えばソレノイド回路111に対応して予め設けられたソレノイド駆動信号送信テーブルなどに、ソレノイド50a、50bを駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、可変入賞装置5に設けられた開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを所定期間(例えば0.35秒)にわたり1回開成させた後に閉成させる始動動作を実行するための設定を行う(ステップS203)。このときにセットされた駆動信号の送信指令は、例えば図12に示すステップS17のソレノイド出力処理が実行されることによって基本回路100からソレノイド回路111に出力される。
【0087】
また、ステップS202にて開閉モードフラグの値が“1”ではないと判定されたときには(ステップS202;No)、開閉モードフラグの値は“2”であるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、開閉モードフラグの値が“2”であれば(ステップS204;Yes)、例えばソレノイド駆動信号送信テーブルなどに所定の駆動信号の送信指令をセットするなどして、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを所定期間(例えば0.65秒間)ずつ2回開成させる始動動作を実行するための設定を行う(ステップS205)。他方、ステップS204にて開閉モードフラグの値が“2”ではないと判定されたときには(ステップS204;No)、開閉モードフラグの値の判定に誤りが生じたと判断して、所定のエラーフラグをオン状態にセットする(ステップS206)。
【0088】
ステップS203またはステップS205にて開閉部材30a、30bの動作設定を行った後には、開閉モードフラグの値を“0”に更新する(ステップS207)。続いて、遊技制御時間タイマに、始動時待機用タイマ初期値を設定する(ステップS208)。ここで、始動時待機用タイマ初期値は、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる始動動作を行ってから、可変入賞装置5内に進入した遊技球が特定玉検出器40によって有効に検出される有効期間が経過するまでの最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。この後、CPU103は、第1表示装置4Aにおける表示状態を継続的に変化させる可変表示を開始させる設定を行う(ステップS209)。例えば、CPU103は、予め用意された発光パターンや点滅パターンに従って第1表示装置4Aを構成するLEDや液晶素子を点滅させたり発光色を変化させることなどによって、表示状態を継続的に変化させる。ステップS209の処理を実行した後には、遊技制御プロセスフラグの値を始動動作中処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS210)。
【0089】
図16は、図14のステップS121にて実行される始動動作中処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す始動動作中処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算する(ステップS221)。そして、ステップS221にて減算された遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が始動動作終了基準値以下となったか否かを判定する(ステップS222)。ここで、始動動作終了基準値は、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる始動動作を開始した後に大入賞口31a、31bが閉成されるまでの所要時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS222にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が始動動作終了基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS222;No)、後述する始動時遊技球検出処理を実行する(ステップS223)。
【0090】
ステップS222にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が始動動作終了基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS222;Yes)、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が排出待機基準値以下となったか否かを判定する(ステップS224)。ここで、排出待機基準値は、開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる始動動作を行った後に、可変入賞装置5内に進入した遊技球がV入賞口35あるいは通常領域36を経由して可変入賞装置5の外部に排出されるまでの最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値(例えば「0」)である。ステップS224にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が排出待機基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS224;Yes)、可変入賞装置5内から遊技球が適切に排出されなかったと判断して、所定のエラーフラグをオン状態にセットする(ステップS225)。これに対して、ステップS224にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が排出待機基準値よりも大きい旨の判定がなされたときには(ステップS224;No)、後述する始動動作後遊技球検出処理を実行する(ステップS226)。こうして、可変入賞装置5内から遊技球が全て排出されるまでは、遊技制御プロセスフラグの値が“0”に更新させないようにして、次の始動動作が実行されることがないように制御される。
【0091】
なお、ステップS225にて所定のエラーフラグがオン状態にセットされた後に図12に示すステップS12のエラー処理が実行されたときには、例えば所定のエラーランプを点灯させたり、警告音を出力させるなどして、予め定められたエラー報知動作を行う。このときには、特定玉検出器40や排出玉検出器によって遊技球が検出された場合に、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算する。そして、例えば可変入賞装置5内に進入した遊技球が自然にV入賞口35や通常領域36を経て可変入賞装置5の外部へと排出されることにより未排出カウンタにおけるカウント値が「0」となったときには、予め定められた自動復旧処理を実行するなどして、パチンコ遊技機1の動作状態を所定の復旧状態(例えば通常遊技状態)に制御してもよい。また、例えばパチンコホールの店員がV入賞口35や通常領域36に遊技球を通過させたときや、所定のリセットスイッチを操作してエラーのリセットを指示したときに、所定のエラー解除処理を実行するなどして、エラー状態を解除するようにしてもよい。
【0092】
図17は、図16に示すステップS223にて実行される始動時遊技球検出処理の一例を示すフローチャートである。この始動時遊技球検出処理において、CPU103は、まず、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS301)。このとき、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS301;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算した後(ステップS302)、大当り決定フラグをオン状態にセットする(ステップS303)。続いて、未排出カウンタにおけるカウント値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS304)。
【0093】
ステップS304にて未排出カウンタにおけるカウント値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS304;Yes)、大当り決定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS305)。そして、大当り決定フラグがオンとなっているときには(ステップS305;Yes)、大当り決定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS306)、遊技制御時間タイマに特定遊技待機用タイマ初期値をセットする(ステップS307)。ここで、特定遊技待機用タイマ初期値は、可変入賞装置5による始動動作を行った後に大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に進入して特定玉検出器40によって検出されてから、大当り遊技状態における最初のラウンドが開始される前に行われる所定の演出(ラウンド抽選演出)等が終了するまでの所要時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。ステップS307の処理を実行した後には、演出制御基板12に対して特定領域入賞コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS308)、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技動作開始待ち処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS309)。また、ステップS304にて未排出カウンタにおけるカウント値が「0」以外である旨の判定がなされたときや(ステップS304;No)、ステップS305にて大当り決定フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS305;No)、ステップS306〜S309の処理を実行することなく始動時遊技球検出処理を終了する。
【0094】
ステップS301にて特定玉検出器40からの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS301;No)、左側の大入賞口31aに対応して設けられた入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS310)。このとき、入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS310;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1加算した後(ステップS311)、払出制御基板15に対して大入賞時賞球払出コマンドを送信する設定を行う(ステップS312)。ステップS310にて入賞玉検出器42aからの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS310;No)、ステップS311及びステップS312の処理をスキップする。
【0095】
続いて、右側の大入賞口31bに対応して設けられた入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS313)。このとき、入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS313;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1加算した後(ステップS314)、払出制御基板15に対して大入賞時賞球払出コマンドを送信する設定を行う(ステップS315)。ステップS313にて入賞玉検出器42bからの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS313;No)、ステップS314及びステップS315の処理をスキップする。この後、排出玉検出器44からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS316)。このとき、排出玉検出器44からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS316;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算する(ステップS317)。ステップS317の処理を実行した後には、前述したステップS304の処理に進み、未排出カウンタにおけるカウント値をチェックする。
【0096】
図18は、図16に示すステップS226にて実行される始動動作後遊技球検出処理の一例を示すフローチャートである。この始動動作後遊技球検出処理において、CPU103は、まず、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS321)。このとき、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS321;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算した後(ステップS322)、大当り決定フラグをオン状態にセットする(ステップS380)。続いて、未排出カウンタにおけるカウント値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS381)。このとき、未排出カウンタにおけるカウント値が「0」以外である旨の判定がなされた場合には(ステップS381;No)、始動動作後遊技球検出処理を終了する。
【0097】
他方、ステップS381にて未排出カウンタにおけるカウント値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS381;Yes)、大当り決定フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS382)。そして、大当り決定フラグがオンとなっているときには(ステップS382;Yes)、大当り決定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS383)、図17に示すステップS307と同様にして、遊技制御時間タイマに特定遊技待機用タイマ初期値をセットする(ステップS323)。ステップS323の処理を実行した後には、演出制御基板12に対して特定領域入賞コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS324)、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技動作開始待ち処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS325)。
【0098】
ステップS382にて大当り決定フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS382;No)、第1表示装置4Aにおける可変表示を終了して所定の表示状態とする設定を行う(ステップS384)。具体的な一例として、第1表示装置4Aにおける4つの発光体を全て赤色に発光させるなど、特定玉検出器40によって遊技球が検出されなかった旨を遊技者等が認識可能となるように表示できればよい。このときには、始動動作中に大入賞口31a、31bに進入した遊技球が全て可変入賞装置5内から排出されたと判断して、次の始動動作を実行可能に設定するための処理を行う。すなわち、遊技制御時間タイマをクリアして初期化した後(ステップS385)、演出制御基板12に対して始動動作終了コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS386)、遊技制御プロセスフラグの値を始動動作設定処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS387)。こうして、始動動作を行った後には、特定玉検出器40によって遊技球が検出されることなく可変入賞装置5内から遊技球が全て排出されたときに、次の始動動作が実行可能に設定される。
【0099】
また、ステップS321にて特定玉検出器40からの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS321;No)、排出玉検出器44からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS326)。このとき、排出玉検出器44からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS326;Yes)、未排出カウンタにおけるカウント値を1減算する(ステップS327)。ステップS327の処理を実行した後には、前述したステップS381の処理に進み、未排出カウンタにおけるカウント値をチェックする。このように、可変入賞装置5にて開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成する始動動作が行われて大入賞口31a、31bが閉成された後、可変入賞装置5内から全ての遊技球が排出されるまでの期間においては、入賞玉検出器42a、42bにより大入賞口31a、31bに進入した遊技球の検出が行われないように制御することで、不正な賞球の払出を防止できる。
【0100】
図19は、図14のステップS122にて実行される特定遊技動作開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す特定遊技動作開始待ち処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算する(ステップS241)。そして、ステップS241にて減算された遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が特定遊技開始基準値以下となったか否かを判定する(ステップS242)。このとき、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が特定遊技開始基準値よりも大きな値であれば(ステップS242;No)、第1表示装置における表示状態を、継続ラウンド回数を特定可能となるような表示態様で停止させた表示を行わせる(ステップS243)。すなわち、CPU103は、図13のステップS104にて決定してセーブした継続ラウンド回数に対応して、第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(A)〜(D)のいずれかに示す表示態様とすることにより、遊技者等が継続ラウンド回数を特定できるような表示を行わせる。
【0101】
これに対して、ステップS242にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が特定遊技開始基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS242;Yes)、第1表示装置4Aにおける表示状態を初期化した後(ステップS244)、ラウンドカウンタにカウント初期値として「0」を設定する(ステップS245)。そして、遊技制御プロセスフラグの値をラウンド開始時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS246)。
【0102】
図20は、図14のステップS123にて実行されるラウンド開始時処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すラウンド開始時処理を開始すると、CPU103は、まず、ラウンドカウンタにおけるカウント値を1加算する(ステップS261)。続いて、例えば乱数回路104や図12に示すステップS13の乱数更新処理などによって更新されるラウンド継続確率設定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS262)。このとき抽出されたラウンド継続確率設定用乱数の値に基づき、所定のラウンド継続確率決定テーブルを参照するなどして、これから開始されるラウンドを高確率ラウンドとするか低確率ラウンドとするかを決定し、その決定結果に基づいてラウンドの継続する確率(これから開始されるラウンドから、さらに次のラウンドに移行できる確率)が高確率となるか低確率となるかを判定する(ステップS263)。ここで、ラウンド継続確率決定テーブルは、ラウンド継続確率設定用乱数の値と、高確率ラウンドとするか低確率ラウンドとするかの決定結果とを対応付ける設定データなどから構成されていればよい。また、継続ラウンド回数やラウンドカウンタにおけるカウント値などに応じて、高確率ラウンドとなる割合と低確率ラウンドとなる割合とが異なるように、ラウンド継続確率決定テーブルにおけるラウンド継続確率設定用乱数の値の割当てが設定されていてもよい。
【0103】
ステップS263にてラウンドの継続する確率が比較的に低い低確率である旨の判定がなされたときには(ステップS263;低確率)、例えばモータ回路112に対応して予め設けられたモータ駆動信号送信テーブルなどに、モータ51を駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、低確率ラウンドにおける振分け部材32の初期設定を行い(ステップS264)、可変入賞装置5内に設けられた振分け部材32を奥行き方向に後退させる。このときには、高確率振分けフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS265)。
【0104】
また、ステップS263にてラウンドの継続する確率が比較的に高い高確率である旨の判定がなされたときには(ステップS263;高確率)、高確率ラウンドにおける振分け部材32の初期設定を行い(ステップS266)、可変入賞装置5内に設けられた振分け部材32を手前方向に前進させる。このときには、高確率振分けフラグをオン状態にセットする(ステップS267)。ステップS265またはステップS267の処理を実行した後には、ソレノイド駆動信号送信テーブルなどにソレノイド50a、50bを駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、可変入賞装置5に設けられた開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを始動動作よりも遊技者にとって有利な特定態様で所定回数(例えば18回)開成させる動作を実行するための設定を行う(ステップS268)。続いて、遊技制御時間タイマに、ラウンド遊技用タイマ初期値をセットする(ステップS269)。ここで、ラウンド遊技用タイマ初期値は、1回のラウンドにて開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる動作を行ってから、当該ラウンドを終了させるまでの最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。
【0105】
この後、CPU103は、大入賞カウンタにカウント初期値として「0」を設定するとともに(ステップS270)、演出制御基板12に対してラウンド開始コマンドを送信する設定を行う(ステップS271)。また、第1表示装置4Aにおける表示状態を、例えば振分け部材32の設定に対応して図6(E)及び(F)のいずれかに示す表示態様とするなど、ラウンド中における第1表示装置4Aの表示設定を行う(ステップS272)。そして、遊技制御プロセスフラグの値をラウンド中制御処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS273)。
【0106】
図21は、図14のステップS124にて実行されるラウンド中制御処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すラウンド中制御処理を開始すると、CPU103は、まず、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値を1減算する(ステップS281)。そして、ステップS281にて減算した遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値以下となったか否かを判定する(ステップS282)。ここで、開閉終了基準値は、1回のラウンド中にて特定態様で開閉部材30a、30bにより大入賞口31a、31bを開成させる動作を所定回数(例えば18回)実行した後に大入賞口31a、31bが閉成されるまでの所要時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS282にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS282;No)、後述する振分け部材制御処理(ステップS283)と、開閉中遊技球検出処理(ステップS284)とを実行する。
【0107】
また、ステップS282にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS282;Yes)、さらに遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値と一致しているか否かを判定する(ステップS285)。そして、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値と一致しているときには(ステップS285;Yes)、ソレノイド駆動信号送信テーブルなどにソレノイド50a、50bの駆動を停止させる駆動停止信号の送信指令をセットするなどして、開閉部材30a、30bによる大入賞口31a、31bの開閉動作を終了させるための設定を行う。ステップS285にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が開閉終了基準値とは異なるときには(ステップS285;No)、ステップS286の処理をスキップする。
【0108】
続いて、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値がラウンド終了基準値(例えば「0」)以下となっているか否かを判定する(ステップS287)。このとき、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値がラウンド終了基準値以下となっていれば(ステップS287;Yes)、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技終了処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS288)。他方、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値がラウンド終了基準値よりも大きな値であるときには(ステップS287;No)、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS289)。そして、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているときには(ステップS289;Yes)、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数に達しているか否かを判定する(ステップS290)。
【0109】
ステップS290にてラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数に達していないと判定されたときには(ステップS290;No)、遊技制御プロセスフラグの値をラウンド開始時処理に対応した値である“3”に更新することにより(ステップS291)、次のラウンドに移行するための処理を実行可能にする。これに対して、ステップS289にて特定玉検出器40からの検出信号がオフ状態であるときや(ステップS289;No)、ステップS290にてラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数に達しているときには(ステップS290;Yes)、ステップS291の処理を実行することなくラウンド中制御処理を終了させる。
【0110】
図22は、図21に示すステップS283にて実行される振分け部材制御処理の一例を示すフローチャートである。この振分け部材制御処理において、CPU103は、まず、高確率振分けフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS331)。このとき、高確率振分けフラグがオフであれば(ステップS331;No)、実行中のラウンドは低確率ラウンドであると判断して、当該ラウンド中における所定のタイミングで振分け部材32を遊技者にとって有利な状態に変化させるための処理を実行する。すなわち、CPU103は、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が所定の貯留開始基準値となっているか否かを判定し(ステップS332)、貯留開始基準値となっているときには(ステップS332;Yes)、モータ駆動信号送信テーブルなどにモータ51を駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、振分け部材32によって可変入賞装置5内に進入した遊技球の貯留を開始するための設定を行う(ステップS333)。また、演出制御基板12に対して貯留開始コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS334)、第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(E)に示す表示態様とする表示制御を行い、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化したことを特定可能に報知する貯留開始表示のための設定を行う(ステップS335)。
【0111】
ステップS331にて高確率振分けフラグがオンであるときや(ステップS331;Yes)、ステップS332にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留開始基準値とは異なる旨の判定がなされたときには(ステップS332;No)、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が所定の貯留終了基準値となっているか否かを判定する(ステップS336)。このとき、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留終了基準値であれば(ステップS336;Yes)、モータ駆動信号送信テーブルなどにモータ51を駆動する駆動信号の送信指令をセットするなどして、振分け部材32による遊技球の貯留を終了するための設定を行う(ステップS337)。また、演出制御基板12に対して貯留終了コマンドを送信する設定を行うとともに(ステップS338)、第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(F)に示す表示態様とする表示制御を行い、振分け部材32による遊技球の貯留が終了したことを特定可能に報知する貯留終了表示のための設定を行う(ステップS339)。なお、ステップS336にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留終了基準値とは異なる旨の判定がなされたときには(ステップS336;No)、ステップS337〜S339の処理をスキップして振分け部材制御処理を終了させる。
【0112】
図23は、図21に示すステップS284にて実行される開閉中遊技球検出処理の一例を示すフローチャートである。この開閉中遊技球検出処理において、CPU103は、まず、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS351)。このとき、特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となっていれば(ステップS351;Yes)、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているか否かを判定する(ステップS352)。そして、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数とは異なる値であるときには(ステップS352;No)、新たなラウンドに移行可能であると判断して、まず、ソレノイド駆動信号送信テーブルなどにソレノイド50a、50bの駆動を停止する駆動停止信号の送信指令をセットするなどして、開閉部材30a、30bによる大入賞口31a、31bの開閉動作を停止させるための設定を行う(ステップS353)。続いて、遊技制御プロセスフラグの値をラウンド開始時処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS354)。
【0113】
また、ステップS351にて特定玉検出器40からの検出信号がオフ状態であるときや(ステップS351;No)、ステップS352にてラウンドカウンタのカウント値が継続ラウンド回数と一致している旨の判定がなされたときには(ステップS352;Yes)、新たなラウンドへの移行は行わないものと判断して、左側の大入賞口31aに対応して設けられた入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS355)。このとき、入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS355;Yes)、大入賞カウンタにおけるカウント値を1加算するとともに(ステップS356)、払出制御基板15に対して大入賞時賞球払出コマンドを送信する設定を行う(ステップS357)。続いて、ステップS356にて加算された大入賞カウンタにおけるカウント値が所定の開閉停止基準値(例えば「10」)と一致しているか否かを判定する(ステップS358)。ステップS358にて大入賞カウンタにおけるカウント値が開閉停止基準値と一致している旨の判定がなされたときには(ステップS358;Yes)、ステップS353と同様にして、開閉部材30a、30bによる大入賞口31a、31bの開閉動作を停止させるための設定を行う(ステップS359)。
【0114】
ステップS359の処理を実行した後には、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているか否かを判定する(ステップS360)。そして、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているときには(ステップS360;Yes)、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技終了処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS361)。これにより、大当り遊技状態にて実行されたラウンドの回数が継続ラウンド回数に達し、そのラウンド中に大入賞口31a、31bに進入した遊技球の個数が所定の開閉停止基準値(例えば「10」)に達したときには、その時点で大当り遊技状態を終了させることができる。
【0115】
ステップS355にて入賞玉検出器42aからの検出信号がオフ状態である旨の判定がなされたときや(ステップS355;No)、ステップS358にて大入賞カウンタにおけるカウント値が開閉停止基準値とは異なる値である旨の判定がなされたとき(ステップS358;No)、及びステップS360にてラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数とは異なる値である旨の判定がなされたときには(ステップS360;No)、右側の大入賞口31bに対応して設けられた入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS362)。このとき、入賞玉検出器42bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS362;No)、そのまま開閉中遊技球検出処理を終了する。これに対して、入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態であれば(ステップS362;Yes)、大入賞カウンタにおけるカウント値を1加算するとともに(ステップS363)、払出制御基板15に対して大入賞時賞球払出コマンドを送信する設定を行う(ステップS364)。続いて、ステップS363にて加算された大入賞カウンタにおけるカウント値が所定の開閉停止基準値と一致しているか否かを判定する(ステップS365)。ステップS365にて大入賞カウンタにおけるカウント値が開閉停止基準値と一致している旨の判定がなされたときには(ステップS365;Yes)、ステップS353やステップS359と同様にして、開閉部材30a、30bによる大入賞口31a、31bの開閉動作を停止させるための設定を行う(ステップS366)。
【0116】
ステップS366の処理を実行した後には、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているか否かを判定する(ステップS367)。そして、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数と一致しているときには(ステップS367;Yes)、ステップS361の処理に進み、遊技制御プロセスフラグの値を特定遊技終了処理に対応した値である“5”に更新する。また、ステップS365にて大入賞カウンタにおけるカウント値が開閉停止基準値とは異なる値である旨の判定がなされたときには(ステップS365;No)、ステップS366及びステップS367の処理をスキップして開閉中遊技球検出処理を終了する。
【0117】
次に、演出制御基板12における処理について説明する。図24は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御基板12では、電源中継基板14及び主基板11を介して電源基板10からの電源供給が開始されると、演出制御用CPU120が図24に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。図24に示す演出制御メイン処理では、まず、所定の初期化処理により、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための割込レジスタの初期設定等を行う(ステップS21)。
【0118】
その後、演出制御用CPU120は、所定のタイマ割込フラグを監視し、タイマ割込フラグがセットされるまでループ処理を実行する(ステップS22)。このループ処理では、演出制御基板12の側でカウントされる各種の乱数値を示す数値データを更新する乱数更新処理が実行されてもよい。演出制御用CPU120にてタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理が実行されることによってタイマ割込フラグがオン状態にセットされる。なお、演出制御用CPU120にてタイマ割込みが発生する周期は、演出制御用CPU120にて実行される各種の処理に合わせて任意に設定可能である。
【0119】
また、演出制御用CPU120では、タイマ割込みとは別個に、信号中継基板13を介して主基板11から送信される演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11から送信される演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
【0120】
主基板11から送信される演出制御INT信号がオン状態となることにより演出制御用CPU120にて割込みが発生することで、所定のコマンド受信割込処理が実行されて、所定の入力ポートから読み込まれた演出制御コマンドが所定の受信コマンドバッファに格納される。その一方で、図24に示すステップS22にてタイマ割込みの発生が確認されたときには(ステップS22;Yes)、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理(ステップS23)や、演出制御プロセス処理(ステップS24)、乱数更新処理(ステップS25)などを実行した後、ステップS22にリターンする。
【0121】
図25は、図24に示すステップS23にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。このコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信コマンドバッファの内容をチェックするなどして、受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS131)。このとき、受信コマンドバッファに演出制御コマンドが格納されているなどして、受信コマンドがあることを確認したときには(ステップS131;Yes)、受信コマンドを読み出し(ステップS132)、そのコマンドが始動入賞コマンドであるか否かを判定する(ステップS133)。
【0122】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが始動入賞コマンドであれば(ステップS133;Yes)、その始動入賞コマンドに含まれるデータによって示される継続ラウンド回数をRAM122に確保された所定エリアにセーブさせるとともに(ステップS134)、演出制御フラグ設定エリアに設けられた始動入賞フラグをオン状態にセットする(ステップS135)。その後、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが始動入賞コマンドではないときには(ステップS133;No)、そのコマンドが始動動作終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS136)。
【0123】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが始動動作終了コマンドであれば(ステップS136;Yes)、始動動作終了フラグをオン状態にセットして(ステップS137)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが始動動作終了コマンドではないときには(ステップS136;No)、そのコマンドが特定領域入賞コマンドであるか否かを判定する(ステップS138)。
【0124】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが特定領域入賞コマンドであれば(ステップS138;Yes)、V入賞フラグをオン状態にセットして(ステップS139)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが特定領域入賞コマンドではないときには(ステップS138;No)、そのコマンドがラウンド開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS140)。
【0125】
ステップS132にて読み出した受信コマンドがラウンド開始コマンドであれば(ステップS140;Yes)、そのラウンド開始コマンドに含まれるデータによって示される実行ラウンド数をRAM122に確保された所定エリアにセーブさせるとともに(ステップS141)、ラウンド開始フラグをオン状態にセットする(ステップS142)。その後、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドがラウンド開始コマンドではないときには(ステップS140;No)、そのコマンドが貯留開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS143)。
【0126】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが貯留開始コマンドであれば(ステップS143;Yes)、貯留開始フラグをオン状態にセットして(ステップS144)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが貯留開始コマンドではないときには(ステップS143;No)、そのコマンドが貯留終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS145)。
【0127】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが貯留終了コマンドであれば(ステップS145;Yes)、貯留終了フラグをオン状態にセットして(ステップS146)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドが貯留終了コマンドではないときには(ステップS145;No)、そのコマンドが特定遊技状態終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS147)。
【0128】
ステップS132にて読み出した受信コマンドが特定遊技状態終了コマンドであれば(ステップS147;Yes)、大当り終了フラグをオン状態にセットして(ステップS148)、ステップS131にリターンする。これに対して、ステップS132にて読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドであるときには(ステップS147;No)、演出制御フラグ設定エリアにて受信した演出制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットして(ステップS149)、ステップS131にリターンする。こうして全ての受信コマンドが読み出されると(ステップS131;No)、コマンド解析処理を終了する。
【0129】
図26は、図24に示すステップS24にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から送信された演出制御コマンドなどに応じて更新される演出制御プロセスフラグの値に対応して、以下に示すステップS160〜S167の各処理を実行する。
【0130】
演出制御プロセスフラグの値が“0”のとき、演出制御用CPU120は「演出制御通常処理」を実行して、始動入賞フラグのチェックや演出モードフラグの値の更新などを行う(ステップS160)。演出制御プロセスフラグの値が“1”のとき、演出制御用CPU120は「始動入賞時演出開始処理」を実行して、可変入賞装置5によって始動動作が実行されるときに第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を決定する(ステップS161)。演出制御プロセスフラグの値が“2”のとき、演出制御用CPU120は「始動入賞時演出中処理」を実行して、可変入賞装置5による始動動作が実行されたときに第2表示装置4Bによって所定の演出表示を実行する制御を行う(ステップS162)。
【0131】
演出制御プロセスフラグの値が“3”のとき、演出制御用CPU120は「抽選演出開始処理」を実行して、大当り遊技状態が発生するときに第2表示装置4Bにて継続ラウンド回数を報知する演出表示を実行するための設定を行う(ステップS163)。演出制御プロセスフラグの値が“4”のとき、演出制御用CPU120は「抽選演出中処理」を実行して、第2表示装置4Bにて継続ラウンド回数を報知する演出表示を実行する制御を行う(ステップS164)。演出制御プロセスフラグの値が“5”のとき、演出制御用CPU120は「ラウンド演出開始処理」を実行して、大当り遊技状態における各ラウンドの開始時に第2表示装置4Bにおける演出表示の設定を行う(ステップS165)。
【0132】
演出制御プロセスフラグの値が“6”のとき、演出制御用CPU120は「ラウンド演出中処理」を実行して、大当り遊技状態における各ラウンドの実行中にて第2表示装置4Bにより所定の演出表示を実行する制御を行う(ステップS166)。演出制御プロセスフラグの値が“7”のとき、演出制御用CPU120は「大当り終了演出処理」を実行して、大当り遊技状態の終了時に第2表示装置4Bにより大当り遊技状態の終了を報知する演出表示を実行する制御を行う(ステップS167)。
【0133】
図27は、図26のステップS160にて実行される演出制御通常処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す演出制御通常処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS401)。このとき、始動入賞フラグがオンであれば(ステップS401;Yes)、始動入賞フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS402)、演出制御プロセスフラグの値を始動入賞時演出開始処理に対応した値である“1”に更新する(ステップS403)。
【0134】
ステップS401にて始動入賞フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS401;No)、デモ表示中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS404)。ここで、デモ表示中フラグは、後述するステップS407にてオン状態にセットされた後、所定のデモ表示期間が経過したときにステップS413にてクリアされてオフ状態となる。デモ表示中フラグがオフであるときには(ステップS404;No)、所定のデモ画面表示を開始するために予め設定された所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS405)。このとき、所定時間が経過していなければ(ステップS405;No)、そのまま演出通常処理を終了する。
【0135】
また、ステップS405にて所定時間が経過した旨の判定がなされたときには(ステップS405;Yes)、演出制御用CPU120がVDP123に対して所定の描画指令を送信するなどして、デモ画面表示を開始する設定を行う(ステップS406)。例えば、演出制御用CPU120は、画像ポインタにおけるポインタ値をデモ画面表示用の画像データにおける先頭アドレスに設定した後、VDP123に対して当該画像ポインタ値に基づく画像データの読出動作の開始指令を送出することにより、第2表示装置4Bにおけるデモ画面表示を開始させる。こうしたデモ画面表示の開始設定によって、第2表示装置4Bでは、例えば図28に示すようなデモ画面表示が行われ、遊技者に対して操作ボタン22の操作を促す報知を行うことができる。ステップS406にてデモ画面表示の開始設定を行った後には、デモ画面表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS407)。
【0136】
ステップS404にてデモ画面表示中フラグがオンである旨の判定がなされたときや(ステップS404;Yes)、ステップS407の処理を実行した後には、操作ボタン22の操作によって演出スイッチ20からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS408)。このとき、演出スイッチ20からの検出信号がオン状態であれば(ステップS408;Yes)、演出モードを切り換えるための設定を行う。すなわち、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定し(ステップS409)、演出モードフラグの値が“0”であれば(ステップS409;“0”)、“1”に更新する一方(ステップS410)、“1”であれば(ステップS409;“1”)、“0”に更新する(ステップS411)。
【0137】
ステップS408にて演出スイッチ20からの検出信号がオフ状態である旨の判定がなされたときや(ステップS408;No)、ステップS410またはステップS411の処理を実行した後には、所定のデモ表示期間が終了したか否かを判定する(ステップS412)。このとき、デモ表示期間が終了していれば(ステップS412;Yes)、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS413)。また、演出制御用CPU120がVDP123に所定の制御指令を送って、第2表示装置4Bにおける表示を初期化するようにしてもよい。他方、ステップS412にてデモ表示期間が終了していない旨の判定がなされたときには(ステップS412;No)、ステップS413の処理をスキップして演出制御通常処理を終了する。
【0138】
図29は、図26のステップS161にて実行される始動入賞時演出開始処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す始動入賞時演出開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定する(ステップS421)。このとき、演出モードフラグの値が“0”であれば、第2表示装置4Bによる演出表示における表示態様を決定するためのテーブルとして、図10(A)に示す第1演出決定テーブル131Aを設定する(ステップS422)。これに対して、演出モードフラグの値が“1”であれば、図10(B)に示す第2演出決定テーブル131Bを設定する(ステップS423)。
【0139】
この後、図25に示すステップS134の処理でセーブした継続ラウンド回数を読み出すとともに(ステップS424)、演出決定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS425)。こうして取得した継続ラウンド回数及び演出決定用乱数の値に基づき、ステップS422またはステップS423にて設定した第1または第2演出決定テーブル131A、131Bを参照することにより、第2表示装置4Bによる演出表示における演出態様を決定する(ステップS426)。これにより、演出モードフラグの値が“0”であるときには、ROM121に格納された複数種類の演出表示制御データのうちから、図8(A)〜(F)に示す演出A−1、図8(G)〜(L)に示す演出B−1、図8(M)〜(R)に示す演出C−1のいずれかを示す演出表示制御データが選択され、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様が決定される。また、演出モードフラグの値が“1”であるときには、ROM121に格納された複数種類の演出表示制御データのうちから、図9(A)〜(F)に示す演出A−2、図9(G)〜(L)に示す演出B−2、図9(M)〜(R)に示す演出C−2のいずれかを示す演出表示制御データが選択され、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様が決定される。
【0140】
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS426にて決定した演出態様を示す演出表示制御データを読み取り、画像ポインタ値を始動時演出用の先頭アドレスに設定する(ステップS427)。ここで、始動時演出用の先頭アドレスは、例えば複数種類の演出表示制御データそれぞれによって個別に指定されており、演出制御用CPU120が演出表示制御データを読み取ることによって特定することができればよい。ステップS427にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124における始動時演出用の先頭アドレスから画像データの読み出しを開始し、読み出された画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、ステップS426にて決定した演出態様での第2表示装置4Bによる演出表示を開始させることができる。ステップS427の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を始動入賞時演出中処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS428)。
【0141】
図30は、図26のステップS162にて実行される始動入賞時演出中処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す始動入賞時演出中処理において、演出制御用CPU120は、まず、V入賞フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS441)。このとき、V入賞フラグがオンであれば(ステップS441;Yes)、V入賞フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS442)、画像ポインタ値をV入賞報知用のアドレスに設定する(ステップS443)。ここで、V入賞報知用のアドレスは、例えば複数種類の演出表示制御データそれぞれによって個別に指定されており、演出制御用CPU120が演出表示制御データを読み取ることによって特定することができればよい。ステップS443にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124におけるV入賞報知用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、V入賞口35に遊技球が入賞した旨を報知する画像を表示させることができる。ステップS443の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を抽選演出開始処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS444)。
【0142】
また、ステップS441にてV入賞フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS441;No)、始動動作終了フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS445)。このとき、始動動作終了フラグがオンであれば(ステップS445;Yes)、始動動作終了フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS446)、画像ポインタ値を始動時演出終了用のアドレスに設定する(ステップS447)。これにより、VDP123は、CGROM124における始動時演出終了用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給して、可変入賞装置5による始動動作が終了した旨を報知する画像を表示させることができる。ステップS447の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を演出制御通常処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS448)。
【0143】
図31は、図26のステップS163にて実行される抽選演出開始処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す抽選演出開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出時間タイマに抽選演出用タイマ初期値を設定する(ステップS461)。ここで、抽選演出用タイマ初期値は、大当り遊技状態における最初のラウンドが開始される前に行われるラウンド抽選演出の所要時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。ステップS461にて演出時間タイマの設定を行った後には、図25に示すステップS134の処理でセーブした継続ラウンド回数を読み出し(ステップS462)、ラウンド残回数カウンタに継続ラウンド回数をセットする(ステップS463)。この後、画像ポインタの値を抽選演出用の先頭アドレスに設定する(ステップS464)。ここで、抽選演出用の先頭アドレスは、例えば複数種類の演出表示制御データそれぞれによって個別に指定されており、演出制御用CPU120が演出表示制御データを読み取ることによって特定することができればよい。ステップS464にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124における抽選演出用の先頭アドレスから画像データの読み出しを開始し、読み出された画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、図29に示すステップS426にて決定した演出態様でのラウンド抽選演出を開始させることができる。ステップS464の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を抽選演出中処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS465)。
【0144】
図32は、図26のステップS164にて実行される抽選演出中処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す抽選演出中処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出時間タイマにおけるタイマ値を1減算する(ステップS471)。そして、ステップS471にて減算された演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値以下となったか否かを判定する(ステップS472)。ここで、抽選結果出力基準値は、ラウンド抽選演出にてラウンドの実行回数を報知する表示結果を第2表示装置4Bに表示させるタイミングに対応したタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS472にて演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS472;No)、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定する(ステップS473)。このとき、演出モードフラグの値が“1”であれば(ステップS473;“1”)、後述する演出スイッチ操作検出処理(ステップS474)を実行する一方、演出モードフラグの値が“0”であれば(ステップS473;“0”)、ステップS474の処理をスキップして抽選演出中処理を終了する。
【0145】
ステップS472にて演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS472;Yes)、さらに演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致しているか否かを判定する(ステップS475)。このとき、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致していれば(ステップS475;Yes)、後述する抽選結果出力処理を実行する(ステップS476)。ステップS475にて演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値とは異なる旨の判定がなされたときや(ステップS475;No)、ステップS476にて抽選結果出力処理を実行した後には、ラウンド開始フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS477)。
【0146】
ステップS477にてラウンド開始フラグがオンである旨の判定がなされたときには(ステップS477;Yes)、ラウンド開始フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS478)、演出時間タイマをクリアして初期化した後(ステップS479)、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値を1減算する(ステップS480)。続いて、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定し(ステップS481)、“1”となっているときには(ステップS481;“1”)、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値を1減算する(ステップS482)。ステップS481にて演出モードフラグの値が“0”となっている旨の判定がなされたときや(ステップS481;“0”)、ステップS482の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド演出開始処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS483)。
【0147】
また、ステップS477にてラウンド開始フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS477;No)、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値以下であるか否かを判定する(ステップS484)。ここで、ラウンド開始待機基準値は、ラウンド抽選演出を開始してから大当り遊技状態における最初のラウンドに対応した演出表示を開始するまでの最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値であればよい。ステップS484にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS484;Yes)、主基板11から送信されるラウンド開始コマンドを適切に受信することができなかったと判断して、所定のエラー処理を実行する(ステップS485)。これに対して、ステップS484にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS484;No)、ステップS485の処理をスキップして抽選演出中処理を終了する。
【0148】
図33は、図32に示すステップS474にて実行される演出スイッチ操作検出処理の一例を示すフローチャートである。この演出スイッチ操作検出処理において、演出制御用CPU120は、まず、スイッチ操作検出フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS601)。このとき、スイッチ操作検出フラグがオフであれば(ステップS601;No)、操作ボタン22の操作によって演出スイッチ20からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS602)。そして、演出スイッチ20からの検出信号がオン状態であるときには(ステップS602;Yes)、スイッチ操作検出フラグがオン状態にセットされる(ステップS603)。
【0149】
ステップS603の処理に続いて、図25に示すステップS134の処理でセーブした継続ラウンド回数を読み出し(ステップS604)、演出時間タイマにおけるタイマ値を特定するとともに(ステップS605)、表示結果決定用乱数の値を示す数値データを抽出する(ステップS606)。こうして取得した継続ラウンド回数、演出時間タイマにおけるタイマ値、及び表示結果決定用乱数の値に基づいて、第2表示装置4Bにラウンド抽選結果を示す表示結果として表示させる報知ラウンド回数を決定する(ステップS607)。
【0150】
例えば、ROM121には、継続ラウンド回数ごとに、演出時間タイマにおけるタイマ値と、表示結果決定用乱数の値と、報知ラウンド回数とを対応付ける設定データから構成された表示結果決定テーブルが予め格納されている。ここで、この実施の形態で報知ラウンド回数として選択可能なラウンドの実行回数としては、「1」、「3」、「7」、「15」の回数を示す報知情報と、ラウンドの実行回数を報知しない非報知情報とがあるものとする。
【0151】
表示結果決定テーブルでは、継続ラウンド回数以下の報知ラウンド回数に対して、表示結果決定用乱数の値が割り当てられている。また、継続ラウンド回数と同一の報知ラウンド回数に対して割り当てられている表示結果決定用乱数の値は、演出時間タイマのタイマ値に応じて異なっている。例えば、ラウンド抽選演出が開始されてからの経過時間が0秒〜2秒に対応する演出時間タイマのタイマ値では、2秒〜4秒に対応するタイマ値や4秒〜5秒に対応するタイマ値に比べて多くの乱数値が、継続ラウンド回数と同一の報知ラウンド回数に対して割り当てられている。また、ラウンド抽選演出が開始されてからの経過時間が2秒〜4秒に対応する演出時間タイマのタイマ値では、4秒〜5秒に対応するタイマ値に比べて多くの乱数値が、継続ラウンド回数と同一の報知ラウンド回数に対して割り当てられている。なお、継続ラウンド回数が「1」であるときには、報知ラウンド回数として「1」のみが選択可能であるので、演出時間タイマのタイマ値にかかわらず、全ての表示結果決定用乱数の値が「1」を示す報知ラウンド回数の決定結果に対して割り当てられている。こうした表示結果決定テーブルにおける設定により、例えば図34に示すような選択確率で、報知ラウンド回数が「1」、「3」、「7」、「15」いずれかに決定される。
【0152】
例えば、図34に示す設定では、継続ラウンド回数が「15」であるときに、ラウンド抽選演出を開始した後の経過時間が0秒から2秒までの間に操作ボタン22の操作が検出された場合、報知ラウンド回数を「15」とする選択確率が3/5となり、「7」とする選択確率が1/4となり、「3」とする選択確率が1/10となり、「1」とする選択確率が1/20となる。従って、ラウンド抽選演出を開始してから1秒後に操作ボタン22の操作が検出されたときには、報知ラウンド回数として「15」が選択される確率が最も高いことになる。
【0153】
ステップS607にて報知ラウンド回数を決定した後には、その報知ラウンド回数を報知ラウンドカウンタにセットするとともに(ステップS608)、画像ポインタ値を操作検出用のアドレスに設定する(ステップS609)。これにより、VDP123は、CGROM124における操作検出用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給して、ラウンド抽選演出中に操作ボタン22の操作が検出されたことに応じた画像を表示させることができる。なお、ステップS601にてスイッチ操作検出フラグがオンである旨の判定がなされたときや(ステップS601;Yes)、ステップS602にて演出スイッチ20からの検出信号がオフ状態である旨の判定がなされたときには(ステップS602;No)、そのまま演出スイッチ操作検出処理を終了する。
【0154】
図35は、図32に示すステップS476にて実行される抽選結果出力処理の一例を示すフローチャートである。この抽選結果出力処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定する(ステップS621)。このとき、演出モードフラグの値が“1”であれば(ステップS621;“1”)、スイッチ操作検出フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS622)。そして、スイッチ操作検出フラグがオンとなっている旨の判定がなされたときには(ステップS622;Yes)、スイッチ操作検出フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS623)、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値に対応した表示結果をラウンド抽選演出における表示結果に決定する(ステップS624)。また、ステップS622にてスイッチ操作検出フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS622;No)、ラウンドの実行回数を報知しない表示結果をラウンド抽選演出における表示結果に決定する(ステップS625)。ここで、ステップS625の処理を実行するときには、継続ラウンド回数よりも小さい任意の数値(自然数)を、報知ラウンドカウンタにおけるカウント初期値として設定してもよい。
【0155】
ステップS621にて演出モードフラグの値が“0”である旨の判定がなされたときや(ステップS621;“0”)、ステップS624またはステップS625の処理を実行した後には、画像ポインタ値を表示結果出力用のアドレスに設定する(ステップS626)。ここで、演出モードフラグの値が“0”であるときには、継続ラウンド回数に対応したアドレスを画像ポインタ値に設定することにより、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数をそのまま報知するようにしてもよい。ステップS626にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124における表示結果出力用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、ラウンド抽選演出における表示結果となる画像を表示させることができる。
【0156】
図36は、図26のステップS165にて実行されるラウンド演出開始処理の一例を示すフローチャートである。図36に示すラウンド演出開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出時間タイマにラウンド演出用タイマ初期値を設定する(ステップS491)。ここで、ラウンド演出用タイマ初期値は、大当り遊技状態における1回のラウンド中に行われる演出表示の最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ初期値である。ステップS491にて演出時間タイマの設定を行った後には、図25に示すステップS141の処理でセーブした実行ラウンド数を読み出すとともに(ステップS492)、画像ポインタ値をラウンド演出用の先頭アドレスに設定する(ステップS493)。ここで、ラウンド演出用の先頭アドレスは、例えば実行ラウンド数毎に予め設定されたものであればよい。ステップS493にて画像ポインタ値が設定されることにより、VDP123は、CGROM124におけるラウンド演出用の先頭アドレスから画像データの読み出しを開始し、読み出された画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、実行ラウンド数に応じた演出態様でのラウンド中における演出表示を開始させることができる。ステップS493の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド演出中処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS494)。
【0157】
図37は、図26のステップS166にて実行されるラウンド演出中処理の一例を示すフローチャートである。図37に示すラウンド演出中処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、ラウンド開始フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、ラウンド開始フラグがオンであれば(ステップS501;Yes)、後述するラウンド移行時カウント処理を実行する(ステップS502)。
【0158】
ステップS501にてラウンド開始フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS501;No)、演出時間タイマにおけるタイマ値を1減算した後(ステップS503)、減算した演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値以下となったか否かを判定する(ステップS504)。ここで、ラウンド演出終了基準値は、大当り遊技状態における1回のラウンド中に行われる演出表示の最長時間に相当するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値(例えば「0」)である。ステップS504にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS504;No)、貯留開始フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS505)。このとき、貯留開始フラグがオンであれば(ステップS505;Yes)、貯留開始フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS506)、画像ポインタ値を演出時間タイマ値に応じた変化タイミング報知用のアドレスに設定する(ステップS507)。
【0159】
例えば、図38に示すように、演出時間タイマにおけるタイマ値に対応して予め定められた画像ポインタ値を設定する。これにより、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様が、演出時間タイマのタイマ値に基づく振分け部材32の変化タイミングに応じて、図39(A)に示すような文字からなる報知情報63aを含んだ画像を表示する演出Xと、図39(B)に示すような文字からなる報知情報63bを含んだ演出Yと、図39(C)に示すようなキャラクタ画像63cを表示させる演出Zのいずれかに設定される。こうしたステップS507における画像ポインタ値の設定により、VDP123は、CGROM124における変化タイミング報知用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態である貯留可能状態に変化する変化タイミングに応じた演出態様での演出表示を行わせることができる。ステップS507の処理を実行した後には、貯留演出中フラグをオン状態にセットして(ステップS508)、ラウンド演出中処理を終了する。
【0160】
ステップS505にて貯留開始フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS505;No)、貯留演出中フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS509)。そして、貯留演出中フラグがオンである旨の判定がなされたときには(ステップS509;Yes)、貯留終了フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS517)。このとき、貯留終了フラグがオンであれば(ステップS517;Yes)、貯留演出中フラグをクリアしていオフ状態にするとともに(ステップS518)、貯留終了フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS519)。また、ステップS517にて貯留終了フラグがオフである旨の判定がなされたときには、そのままラウンド演出中処理を終了することで、振分け部材32によって遊技球の貯留が行われているあいだはステップS507の処理による設定が維持されることになり、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態になっていることを特定可能に報知することができる。
【0161】
ステップS509にて貯留演出中フラグがオフである旨の判定がなされたときや(ステップS509;No)、ステップS519の処理を実行した後には、上乗せ演出フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS510)。ここで、上乗せ演出フラグは、後述する図40に示すステップS648の処理などにてオン状態にセットされる。ステップS510にて上乗せ演出フラグがオンである旨の判定がなされたときには(ステップS510;Yes)、演出時間タイマ値が上乗せ演出開始値以下となっているか否かを判定する(ステップS511)。ここで、上乗せ演出開始値は、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中において報知されているラウンドよりも多くのラウンドが実行可能である旨を報知する上乗せ演出の開始タイミングに対応するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。例えば、上乗せ演出開始値は、大当り遊技状態において各回のラウンドが開始されてから、次回のラウンドを開始するためのラウンド開始コマンドを受信するタイミングよりも上乗せ演出の開始タイミングが早く到来するようなタイマ値に設定されている。この場合、演出時間タイマにおけるタイマ値は、主基板11からラウンド開始コマンドを受信するよりも前の段階で、上乗せ演出開始値以下になる。ステップS511にて演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出開始値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS511;Yes)、画像ポインタ値をラウンド残カウンタにおけるカウント値に対応したアドレスに設定する(ステップS512)。VDP123は、このときに設定されたCGROM124のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、ラウンドの実行中においてこれまで報知されていたラウンドの実行回数よりも継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数の方が多く、さらにラウンドを継続させることが可能である旨を報知する演出表示を行わせることができる。
【0162】
ステップS512にて画像ポインタ値を設定した後には、演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出終了値以下となったか否かを判定する(ステップS513)。ここで、上乗せ演出終了値は、上乗せ演出の終了タイミングに対応するタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS513にて演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出終了値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS513;Yes)、上乗せ演出フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS514)。
【0163】
ステップS510にて上乗せ演出フラグがオフである旨の判定がなされたときや(ステップS510;No)、ステップS511にて演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出開始値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS511;No)、画像ポインタ値を演出時間タイマにおけるタイマ値に応じて更新する(ステップS515)。VDP123は、このときに更新された画像ポインタ値に対応するCGROM124のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、ラウンドの実行中における演出表示を行わせることができる。また、ステップS513にて演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出終了値よりも大きな値である旨の判定がなされたときや(ステップS513;No)、ステップS514の処理を実行した後には、ステップS515の処理を実行することなくラウンド演出中処理を終了すればよい。そして、ステップS504にて演出時間タイマ値がラウンド演出終了基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS504;Yes)、後述するラウンド終了時演出処理を実行する(ステップS516)。
【0164】
なお、ステップS505にて貯留開始フラグがオンである旨の判定がなされたことによりステップS506にて貯留開始フラグをクリアしてオフ状態としたときに、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値が「0」となっている場合、すなわち、大当り遊技状態にて実行されたラウンドの回数が継続ラウンド回数に達している場合には、ステップS507の処理に進まずに、ステップS515の処理に進んで、画像ポインタ値を演出時間タイマにおけるタイマ値に応じて更新するようにしてもよい。この場合、大当り遊技状態にて実行されたラウンドの回数が継続ラウンド回数に達した最終ラウンドでは、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態である貯留可能状態に変化しても、その変化タイミングに応じた演出態様での演出表示は行われないことになる。
【0165】
図40は、図37のステップS502などにて実行されるラウンド移行時カウント処理の一例を示すフローチャートである。このラウンド移行時カウント処理において、演出制御用CPU120は、まず、ラウンド開始フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS641)、演出時間タイマをクリアして初期化する(ステップS642)。続いて、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値を1減算するとともに(ステップS643)、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定する(ステップS644)。このとき、演出モードフラグの値が“1”であれば(ステップS644;“1”)、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値を1減算し(ステップS645)、減算した報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS646)。
【0166】
ステップS646にて報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS646;Yes)、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値が「0」以下となっているか否かを判定する(ステップS647)。このとき、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値が「0」よりも大きな値であれば(ステップS647;No)、上乗せ演出フラグをオン状態にセットする(ステップS648)。ステップS644にて演出モードフラグの値が“0”である旨の判定がなされたときや(ステップS644;“0”)、ステップS646にて報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」以外の値である旨の判定がなされたとき(ステップS646;No)、ステップS647にてラウンド残回数カウンタにおけるカウント値が「0」以下である旨の判定がなされたとき(ステップS647;Yes)、及びステップS648の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド演出開始処理に対応した値である“5”に更新する(ステップS649)。
【0167】
図41は、図37のステップS516にて実行されるラウンド終了時演出処理の一例を示すフローチャートである。このラウンド終了時演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値と一致するか否かを判定する(ステップS661)。このとき、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値に一致すれば(ステップS661;Yes)、画像ポインタ値をラウンド終了報知用のアドレスに設定する(ステップS662)。これにより、VDP123は、CGROM124におけるラウンド終了報知用のアドレスから画像データを読み出し、その画像データから生成した映像信号を第2表示装置4Bに供給することで、大当り遊技状態にて実行される1回分のラウンドが終了した旨を特定可能に報知する演出表示を行わせることができる。
【0168】
また、ステップS661にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド演出終了基準値とは異なる値である旨の判定がなされたときには(ステップS661;No)、ラウンド開始フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS663)。このとき、ラウンド開始フラグがオンであれば(ステップS663;Yes)、図37に示すステップS502の処理と同様に、図40に示すようなラウンド移行時カウント処理を実行する(ステップS664)。これに対して、ステップS663にてラウンド開始フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS663;No)、大当り終了フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS665)。
【0169】
ステップS665にて大当り終了フラグがオンである旨の判定がなされたときには(ステップS665;Yes)、演出時間タイマをクリアして初期化した後(ステップS666)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“7”に更新する(ステップS667)。また、ステップS665にて大当り終了フラグがオフである旨の判定がなされたときには(ステップS665;No)、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値以下となっているか否かを判定する(ステップS668)。ここで、ラウンド開始待機基準値は、ラウンド中における演出表示を開始してから次のラウンドに移行可能である最長時間に対応したタイマ値として、予め定められたタイマ基準値である。ステップS668にて演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値以下である旨の判定がなされたときには(ステップS668;Yes)、信号中継基板13を介して主基板11から適切な演出表示制御コマンドを受信できなかったと判断して、所定のエラー処理を実行する(ステップS669)。他方、演出時間タイマにおけるタイマ値がラウンド開始待機基準値よりも大きな値である旨の判定がなされたときには(ステップS668;No)、ステップS669の処理を実行することなくラウンド終了時演出処理を終了する。
【0170】
上述したパチンコ遊技機1の動作を、次に具体例に基づいて説明する。パチンコ遊技機1の右下位置に設けられた打玉操作ハンドルを遊技者が操作すると、発射モータにより遊技球が遊技領域に打ち込まれ、遊技領域内を下りてくる。そして、左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに遊技球が入賞すると、始動玉検出器41a〜41cがこれを検出する。このとき、可変入賞装置5が始動動作を行っておらず、かつ、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態ではないなど、可変入賞装置5による始動動作を実行可能な状態であれば(図13のステップS102;Yes)、ラウンド数決定用乱数の値を示す数値データを抽出し(ステップS103)、図5に示すような継続ラウンド回数決定テーブル130を参照することにより、継続ラウンド回数を決定する(ステップS104)。また、遊技球が左・右の始動入賞口6a、6cのいずれかに入賞したときには開閉モードフラグの値が“1”に設定される一方(ステップS106)、遊技球が中央の始動入賞口6bに入賞したときには開閉モードフラグの値が“2”に設定される(ステップS108)。
【0171】
このように始動動作を実行可能な状態で左・中・右の始動入賞口6a〜6cのいずれかに遊技球が入賞したときには、主基板11から演出制御基板12に対して始動入賞コマンドが送信される(ステップS110)。演出制御基板12では、始動入賞コマンドに含まれるデータによって示される継続ラウンド回数をセーブする(図25のステップS134)。この後、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、演出モードフラグの値が“0”であるときには図10(A)に示す第1演出決定テーブル131Aを用いて第2表示装置による演出表示の表示態様を決定する一方(図29のステップS421、S422、S424〜S426)、演出モードフラグの値が“1”であるときには図10(B)に示す第2演出決定テーブル131Bを用いて第2表示装置による演出表示の表示態様を決定する(ステップS421、S423〜S426)。ここで、演出モードフラグの値は、図28に示すようなデモ画面表示を行っているときに演出スイッチ20の操作に応答して切り換えることができる(図27のステップS408〜S411)。これにより、演出制御基板12では、第2表示装置4Bにおける演出表示の表示態様を、演出スイッチ20からの検出信号がオン状態となったか否か、すなわち、操作ボタン22が遊技者等によって操作されたか否かに基づいて、決定することができる。
【0172】
主基板11の側では、遊技球が左・右の始動入賞口6a、6cのいずれかに入賞したときに、CPU103が開閉部材30a、30bによって大入賞口31a、31bを所定期間(例えば0.35秒)にわたり1回開成させる設定を行う(図15のステップS203)。これに対して、遊技球が中央の始動入賞口6bに入賞したときには、CPU103が開閉部材30a、30bによって大入賞口31a、31bを所定期間(例えば0.65秒)ずつ2回開成させる設定を行う(ステップS205)。大入賞口31a、31bを開成しているときに開閉部材30a、30bによって拾われた遊技球は、それぞれ、大入賞口31a、31bを通って可変入賞装置5内の入賞空間に進入する。このとき、入賞玉検出器42a、42bにより遊技球が検出され、払出制御基板15の制御下に球払出装置55による賞球の払出が行われる(図17のステップS312、S315)。
【0173】
図42(A)〜(H)は、始動動作時に大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に進入してから大当り遊技状態が終了するまでの期間における第2表示装置4Bでの表示動作の一例を示している。この表示動作例では、始動入賞口6a〜6cのいずれかに遊技球が入賞したことによって始動動作が開始されるときに、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様が演出A−2に決定されている。また、始動動作時に大入賞口31a、31bに進入した遊技球が特定玉検出器40により検出されたことに応じて、継続ラウンド回数が「15」に決定されている。
【0174】
可変入賞装置5により始動動作を行っているときに大入賞口31a、31bに進入した遊技球がV入賞口35に進入して特定玉検出器40により検出されると、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12に特定領域入賞コマンドを送信するための設定が行われる(図17のステップS308、図18のステップS324)。演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が特定領域入賞コマンドを受信したことに応じて、画像ポインタ値をV入賞報知用のアドレスに設定することで、第2表示装置4Bにて、図42(A)に示すようなV入賞口35に遊技球が入賞した旨を報知する画像を表示させる(図30のステップS443)。これに続いて、画像ポインタ値を抽選演出用の先頭アドレスに設定することで、第2表示装置4Bにて、図42(B)に示すような演出A−2によるラウンド抽選演出が開始される(図31のステップS464)。このとき、主基板11の側では、継続ラウンド回数が「15」であることに対応して、CPU103が第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(D)に示す表示態様とすることにより、継続ラウンド回数を特定可能に報知する制御を行う(図19のステップS243)。
【0175】
図42(B)に示す演出A−2のラウンド抽選演出では、第2表示装置4Bにて報知情報60aを表示させることにより遊技者に操作ボタン22の操作を促す報知を行うとともに、ラウンドの実行回数を示す報知情報を可変表示させる。この後、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値よりも大きな値である期間においては(図32のステップS472;No)、報知情報の可変表示を継続して実行する制御を行うとともに、演出スイッチ20からの検出信号がオン状態となったか否かの判定が行われる(図33のステップS602)。
【0176】
具体的な一例として、演出A−2の表示態様でのラウンド抽選演出が開始されてから1秒後に遊技者等による操作ボタン22の操作が検出されたときには(ステップS602;Yes)、継続ラウンド回数、演出時間タイマにおけるタイマ値、及び表示結果決定用乱数の値を示す数値データに基づき、図34に示すような選択確率で報知ラウンド回数とするラウンドの実行回数を決定する(ステップS607)。ここで、継続ラウンド回数が「15」であるときにラウンド抽選演出の開始タイミングから1秒後に操作ボタン22の操作が検出された場合には、報知ラウンド回数が「15」に決定される確率が3/5で最も高くなっている。
【0177】
こうして報知ラウンド回数が「15」に決定されたときには、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致したタイミングにおいて(図32のステップS475;Yes)、報知ラウンド回数が設定された報知ラウンドカウンタのカウント値である「15」に対応した表示結果を導出表示する旨の決定がなされ(図35のステップS624)、その決定に対応した画像ポインタ値の設定が行われる(ステップS626)。これにより、第2表示装置4Bでは、例えば図42(C)に示すような報知情報61aが導出表示された後、図42(D)に示すような報知情報62aを含んだ画像が表示されることで、継続ラウンド回数に対応したラウンドの実行回数である「15」が遊技者等によって特定可能に報知される。このときには、第1表示装置4Aでは図6(D)に示すような表示状態となっていることから、第1表示装置4Aからも、継続ラウンド回数が「15」であることを特定することができる。
【0178】
この後、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12に対してラウンド開始コマンドが送信されることによって、演出制御基板12にてラウンド開始フラグがオンになると(図32のステップS477;Yes)、ラウンド抽選演出を終了させて、ラウンド中における演出表示を開始するための設定が行われる(図36のラウンド演出開始処理)。
【0179】
他の一例として、演出A−2の表示態様でのラウンド抽選演出が開始されてから3秒後に遊技者等による操作ボタン22の操作が検出される場合について説明する。この場合には、まず、図42(A)及び(B)と同様に、第2表示装置4Bにて図43(A)及び(B)に示すような表示が行われた後、操作ボタン22の操作が検出されると、図34に示すような選択確率で報知ラウンド回数とするラウンドの実行回数を決定する。ここで、継続ラウンド回数が「15」であるときにラウンド抽選演出の開始タイミングから3秒後に操作ボタン22の操作が検出された場合には、報知ラウンド回数が「7」に決定される確率が2/5で最も高くなっている。
【0180】
こうして報知ラウンド回数が「7」に決定されたときには、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致したタイミングにおいて、報知ラウンドカウンタのカウント値である「7」に対応した表示結果を導出表示する旨の決定がなされ、それに対応する画像ポインタ値の設定が行われる。これにより、第2表示装置4Bでは、例えば図43(C)に示すような報知情報61dが導出表示された後、図43(D)に示すような報知情報62dを含んだ画像が表示されることで、継続ラウンド回数よりも少ないラウンドの実行回数である「7」が遊技者等によって特定可能に報知される。このときには、第1表示装置4Aでは図6(D)に示すような表示状態となっていることから、第1表示装置4Aからは、継続ラウンド回数が「15」であることを特定することが可能である。
【0181】
この後、演出制御基板12にてラウンド開始フラグがオンになることによりラウンド抽選演出を終了させ、ラウンド中における演出表示を開始するための設定が行われる。大当り遊技状態にて実行される各ラウンドでは、主基板11から送信されたラウンド開始コマンドに含まれるデータによって示された実行ラウンド数毎に定められたラウンド演出用のアドレスを画像ポインタ値に設定することで(図36のステップS493)、大当り遊技状態が発生してから行われたラウンド回数を特定可能に報知することができる。例えば、大当り遊技状態にて最初に行われるラウンドでは、第2表示装置4Bにて図43(E)に示すような画像が表示されることにより、1回目のラウンドであることが特定可能に報知される。
【0182】
こうして大当り遊技状態にて行われるラウンドが順次に次のラウンドへと移行しながら継続し、7回目のラウンドへと移行するときには、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」になる一方で(図40のステップS646;Yes)、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値は「8」であり「0」よりも大きな値となっている(ステップS647;No)。そこで、上乗せ演出フラグがオン状態にセットされることにより(ステップS648)、7回目のラウンド中においては、演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出開始基準値以下となる所定タイミングにおいて、画像ポインタ値が残回数カウンタにおけるカウント値である「8」に対応したアドレスに設定される(図37のステップS512)。これにより、第2表示装置4Bでは、7回目のラウンドを開始するときには図43(F)に示すような画像により7回目のラウンドであることが特定可能に報知される一方で、所定タイミングからは図43(G)に示すような報知情報64aを含んだ画像が表示されることによって、ラウンドがさらに継続可能である旨を報知することができる。また、図43(G)に示すような画像が表示されることで、遊技者は、継続ラウンド回数が「15」であることも認識することが可能である。その後、さらにラウンドが移行することにより継続して、15回目のラウンドに達したときには、例えば図43(H)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることによって、15回目のラウンドであることが特定可能に報知される。
【0183】
また、演出A−2の表示態様でのラウンド抽選演出が開始されてから演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致するまでの期間において操作ボタン22の操作が検出されなかったときには(ステップS622;No)、ラウンドの実行回数を報知しない非報知情報をラウンド抽選演出における表示結果として導出表示する旨の決定がなされ(ステップS625)、それに対応する画像ポインタ値の設定が行われる。この場合、第2表示装置4Bでは、まず、図42(A)及び(B)や図43(A)及び(B)と同様に、図44(A)及び(B)に示すような表示が行われた後、図44(C)に示すような非報知情報61eが導出表示される。ここで、非報知情報61eを導出表示するときには、演出時間タイマにおけるタイマ値が所定の報知情報差替基準値と一致したタイミングにてラウンドの実行回数を示す報知情報をラウンドの実行回数を報知しない非報知情報61eに差し替えて導出表示してもよいし、ラウンド抽選演出の当初からラウンドの実行回数を示す報知情報とともにラウンドの実行回数を報知しない非報知情報61eを含めて可変表示させ、演出時間タイマにおけるタイマ値が抽選結果出力基準値と一致したタイミングで非報知情報61eを導出表示してもよい。続いて、図44(D)に示すような非報知情報62eを含んだ画像が表示されることで、第2表示装置4Bによる演出表示では継続ラウンド回数を特定できないようにする。これに対して、第1表示装置4Aでは図6(D)に示すような表示状態となっていることから、遊技者は、第1表示装置4Aの表示状態から継続ラウンド回数が「15」であることを特定することが可能である。
【0184】
この後、演出制御基板12にてラウンド開始フラグがオンになることによりラウンド抽選演出を終了させ、ラウンド中における演出表示を開始するための設定が行われる。各ラウンドでは、実行ラウンド数に対応して設定された画像ポインタ値に応じた画像が第2表示装置4Bに表示されることで、大当り遊技状態が発生してから行われたラウンド回数を特定可能に報知することができる。例えば、大当り遊技状態にて最初に行われるラウンドでは、第2表示装置4Bにて図44(E)に示すような画像が表示されることにより、1回目のラウンドであることが特定可能に報知される。
【0185】
ここで、ラウンドの実行回数を報知しない非報知情報をラウンド抽選演出における表示結果とする旨の決定がなされるときには、報知ラウンドカウンタにおけるカウント初期値として、継続ラウンド回数よりも小さい任意の数値(自然数)が設定されるものとする。例えば、継続ラウンド回数が「15」であるときに、報知ラウンドカウンタにおけるカウント初期値として「7」が設定されたものとする。この場合、大当り遊技状態にて行われるラウンドが順次に次のラウンドへと移行しながら継続し、7回目のラウンドへと移行するときには、報知ラウンドカウンタにおけるカウント値が「0」になる一方で、ラウンド残回数カウンタにおけるカウント値は「8」であり「0」よりも大きな値となっている。そこで、上乗せ演出フラグがオン状態にセットされることにより、7回目のラウンド中においては、演出時間タイマにおけるタイマ値が上乗せ演出開始基準値以下となる所定タイミングにおいて、画像ポインタ値が残回数カウンタにおけるカウント値に対応したアドレスに設定される。これにより、第2表示装置4Bでは、7回目のラウンドを開始するときには図44(F)に示すような画像により7回目のラウンドであることが特定可能に報知される一方で、所定タイミングからは図44(G)に示すような報知情報64bを含んだ画像が表示されることによって、遊技者は、継続ラウンド回数が「15」であることを認識することができる。また、図44(G)に示すような画像を表示することで、ラウンドがさらに継続可能である旨を報知することができる。その後、さらにラウンドが移行することにより継続して、15回目のラウンドに達したときには、例えば図44(H)に示すような画像を第2表示装置4Bに表示させることによって、15回目のラウンドであることが特定可能に報知される。
【0186】
このように、本発明のパチンコ遊技機1によれば、主基板11に搭載されたCPU103が、図15のステップS209や図19のステップS243などにて第1表示装置4Aの表示制御を行うことにより、図13のステップS104にて決定した継続ラウンド回数を特定可能に報知する制御を行うことができる。その一方で、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図29のステップS426にて継続ラウンド回数などに基づいて第2表示装置4Bによる演出表示における演出態様を決定することができる。このように、主基板11とは異なるサブ側の制御基板である演出制御基板12の側にて表示装置の表示による演出の一部を決定することで、主基板11に搭載されたマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第1及び第2表示装置4A、4Bの表示制御を行うことができ、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技興趣を向上させることができる。また、第1表示装置4Aでは、第2表示装置4Bとは別個に、継続ラウンド回数を特定可能に報知するので、遊技者が継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数を誤って認識することを防止できる。
【0187】
また、CPU103は、図13に示す始動入賞処理のステップS101にて、始動玉検出器41a〜41cのいずれかからの検出信号がオン状態となったときに、ステップS104にて継続ラウンド回数を決定し、ステップS110にて送信設定が行われる始動入賞コマンドによって、決定された継続ラウンド回数を演出制御基板12の側に通知することができる。その一方で、CPU103は、図17のステップS301または図18のステップS321にて特定玉検出器40からの検出信号がオン状態となった後に、図19のステップS243にて第1表示装置4Aの表示により継続ラウンド回数を特定可能に報知する制御を行う。また、演出制御用CPU120は、主基板11から送信された始動入賞コマンドに含まれるデータによって示された継続ラウンド回数に基づき、図29のステップS426にてROM121に格納された演出制御データを選択するなどして、第2表示装置4Bによる演出表示における演出態様を決定する。このように、パチンコ遊技機1にて大当り遊技状態が発生するより以前に、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたタイミングで、継続ラウンド回数や第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を決定することができるので、決定された継続ラウンド回数に応じた演出表示を、可変入賞装置5による始動動作が開始されるときから実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
【0188】
演出制御用CPU120は、図33のステップS607にて、継続ラウンド回数や、ラウンド抽選演出中に操作ボタン22が操作されたタイミングでの演出時間タイマにおけるタイマ値などに基づき、図34に示すような選択確率で報知ラウンド回数を決定することにより、継続ラウンド回数よりも少ないラウンドの実行回数を報知ラウンド回数に決定することができる。そして、図35のステップS624では、報知ラウンド回数として報知ラウンドカウンタに設定されたカウント値に対応した表示結果がラウンド抽選演出における表示結果に決定され、継続ラウンド回数よりも少ないラウンドの実行回数を第2表示装置4Bの表示によって特定可能に報知することができる。その後、図40のステップS646にて報知ラウンドカウンタのカウント値が「0」になると、図37に示すステップS512の処理を実行することにより、ラウンド中の演出表示において、さらにラウンドが継続可能である旨を遊技者等が特定可能に報知することができる。こうしたラウンド抽選演出における報知により、遊技者は、大当り遊技状態が発生するときに少ないラウンドの実行回数がラウンドの上限回数としての継続ラウンド回数に決定されたと認識して落胆するが、その報知されたラウンドの実行回数に達したときに、さらにラウンドが継続可能である旨を認識することで、ラウンドが継続することに対する意外性と期待感とが高められるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0189】
また、主基板11と演出制御基板12の間には、主基板11から演出制御基板12に出力される制御信号を中継する信号中継基板13が設けられており、信号中継基板13では、各配線毎にダイオードD1及び抵抗R1からなる伝送方向規制回路13−1〜13−nが設けられている。加えて、主基板11には、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する出力バッファ回路60が設けられている。これにより、外部から主基板11への不正な信号の入力を、従来に比べてより確実に防止することができる。
【0190】
演出制御用CPU120は、図27のステップS408にて演出スイッチ20からスイッチ信号入力回路126にオン状態の検出信号が入力されたと判定したときに、演出モードフラグの値を“0”と“1”とで切り換える。そして、図29に示す始動入賞時演出開始処理では、演出モードフラグの値に応じてステップS422またはステップS423にて設定した第1及び第2演出決定テーブル131A、131Bを参照することで、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を決定する。第1及び第2演出決定テーブル131A、131Bは、図10(A)及び(B)に示すように、第2表示装置4Bの表示態様として決定する演出の種類が異なっている。このような設定により、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様は、操作ボタン22の操作がなされたか否かに応じて異なる表示態様に決定することができるので、主基板11における制御負荷を増大させることなく、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【0191】
さらに、本発明のパチンコ遊技機1では、可変入賞装置5内に進入した遊技球をV入賞口35と通常領域36とに振り分ける振分け部材32が設けられており、CPU103は、低確率ラウンドにおいてオフとなる高確率振分けフラグが図22のステップS331にてオフであると判定したときに、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留開始基準値となっていれば、振分け部材32によって遊技球の貯留を開始するための設定を行うとともに、ステップS335にて第1表示装置4Aにおける表示状態を図6(E)に示す表示状態とする表示制御を行うことにより、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態である貯留可能状態に変化するタイミングを特定可能に報知することができる。その一方で、演出制御用CPU120は、主基板11から貯留開始コマンドが送信されることにより図37のステップS505にて貯留開始フラグがオンとなっているときに、画像ポインタ値を変化タイミング報知用のアドレスに設定するなどして、例えば図39(A)〜(C)に示すような演出X〜Zのいずれかを、第2表示装置4Bによる演出表示として実行する制御を行うことができる。このように、主基板11とは異なるサブ側の制御基板である演出制御基板12の側にて表示装置の表示による演出の一部を決定することで、主基板11に搭載されたマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第1及び第2表示装置4A、4Bの表示制御を行うことができ、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技興趣を向上させることができる。また、第1表示装置4Aでは、第2表示装置4Bとは別個に、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化するタイミングが特定可能に報知されるので、遊技者が振分け部材32の変化タイミングを誤って認識することを防止できる。
【0192】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、信号中継基板13では、主基板11から演出制御基板12に出力される制御信号を伝送する配線毎に、図4(B)に示すような伝送方向規制回路13−1〜13−nを設けるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、主基板11に出力バッファ回路60を設ける一方で、信号中継基板13にはダイオードD1などからなる伝送方向規制回路13−1〜13−nを設けないものであってもよい。
【0193】
また、上記実施の形態では、演出制御基板12が音声データ出力回路127及びランプデータ出力回路128を備えて、演出制御基板12の制御下にて、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9及び役物飾りランプ85の点灯/消灯切換を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば図45に示すように、演出制御基板12とは別個にマイクロコンピュータが搭載された音声制御基板18及びランプ制御基板19を設けたものであってもよい。この場合、音声制御基板18は、信号中継基板13を介して主基板11から制御信号として送信された音声制御コマンドに基づき、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御する一方、ランプ制御基板19は、信号中継基板13を介して主基板11から制御信号として送信されたランプ制御コマンドに基づき、遊技効果ランプ9及び役物飾りランプ85の点灯/消灯制御を行う。音声制御基板18及びランプ制御基板19は、演出制御基板12や払出制御基板15と同様に、電源基板10にて生成されて主基板11を経由した電源電圧の供給を、電源中継基板14から受けるようにすればよい。
【0194】
あるいは、図46に示すように、演出制御基板12とは別個のマイクロコンピュータが搭載された音声制御基板18及びランプ制御基板19が、演出制御基板12からの制御信号を受けて各種の制御を行うようにしてもよい。すなわち、音声制御基板18は、演出制御基板12から制御信号として送信された音声制御コマンドに基づき、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御する一方、ランプ制御基板19は、演出制御基板12から制御信号として送信されたランプ制御コマンドに基づき、遊技効果ランプ9及び役物飾りランプ85の点灯/消灯制御を行うようにしてもよい。この場合にも、音声制御基板18及びランプ制御基板19は、演出制御基板12や払出制御基板15と同様に、電源基板10にて生成されて主基板11を経由した電源電圧の供給を、電源中継基板14から受けるようにすればよい。
【0195】
上記実施の形態では、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたときに、図13に示す始動入賞処理のステップS104にて、大当り遊技状態で実行可能なラウンドの上限回数となる継続ラウンド回数を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技状態が発生するときに継続ラウンド回数を決定するものであってもよい。例えば、図17のステップS301や図18のステップS321にて特定玉検出器40からの検出信号がオン状態である旨の判定がなされたときに、図13のステップS103及びステップS104のような処理を実行することで、継続ラウンド回数を決定するようにしてもよい。この場合、特定領域入賞コマンドに継続ラウンド回数を示すデータを含ませることで、演出制御基板12の側にて継続ラウンド回数を特定可能として、例えば図31に示す抽選演出開始処理にて、特定された継続ラウンド回数に応じて第2表示装置4Bによるラウンド抽選演出における表示態様を決定するようにしてもよい。このように大当り遊技状態が発生するときに継続ラウンド回数を決定する場合であっても、始動玉検出器41a〜41cのいずれかによって遊技球が検出されたときに、主基板11から演出制御基板12に対して始動入賞コマンドが送られたことに応答して、可変入賞装置5による始動動作が開始されるときから第2表示装置4Bの表示により所定の演出表示を行うようにしてもよい。そして、演出制御用CPU120が特定領域入賞コマンドに含まれるデータに基づいて継続ラウンド回数を特定したときには、例えば第2表示装置4Bに表示する画像の差し替えを行うなどして、継続ラウンド回数に対応した演出表示を行うようにしてもよい。
【0196】
また、パチンコ遊技機における遊技内容は、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更可能である。例えば、図47に示すパチンコ遊技機201には、遊技領域のほぼ中央位置に可変入賞装置205が配置されるとともに、可変入賞装置5の下方には上記実施の形態と同様の左・中・右の始動入賞口6a〜6cが配置される一方、中央の始動入賞口6bの下方には特別可変入賞球装置238が設けられている。また、図48は、このパチンコ遊技機201に設けられた可変入賞装置205を拡大して示している。
【0197】
可変入賞装置205には、左右一対の開閉部材(ハネ)230a、230bが回動可能に軸止されている。開閉部材230a、230bは、リンク機構を介して図3に示すソレノイド50a、50bに連結され、上記実施の形態における開閉部材30a、30bと同様にして、大入賞口231a、231bを開閉する。大入賞口231a、231bの下方には転動板237a、237bが設けられている。転動板237a、237bは、例えば入賞空間の中心部に向かって下降した傾斜を有し、遊技球が転動板237a、237b上を入賞空間の中心部に向けて転動可能となっている。転動板237a、237bの間には、上下に移動可能な振分け部材232が設けられている。
【0198】
振分け部材232は、リンク機構を介して図3に示すモータ51に連結され、モータ51を駆動することにより、上方に退避して遊技球を貯留(収容)しない退避状態と、下方に移動して転動板237a、237bを転動してきた一部(例えば、9個)の遊技球を受け止めて貯留(収容)する貯留可能状態とで切り換えることができる。ここで、振分け部材232が退避状態で維持されるときには、転動板237a、237bを転動してきた遊技球が振分け部材232によって貯留されることなく通常誘導路としての下部入賞空間の側部234a、234bを落下する。これに対して、振分け部材232が貯留可能状態となった後に上方に移動して退避状態に変化したときには、振分け部材232によって貯留されていた遊技球が振分け部材232から解放されて特定誘導路としての所定の玉通路を通過し、玉排出口233a、233bから下部入賞空間に送り込まれる。玉排出口233a、233bの直下となる位置には、V入賞口235が設けられており、玉排出口233a、233bから排出された遊技球は、下部入賞空間の側部234a、234bを落下する遊技球に比べて高い割合で、V入賞口235に誘導される。また、下部入賞空間には、V入賞口235とは異なる通常領域236が設けられており、V入賞口235に進入しなかった遊技球は、通常領域236を経由して可変入賞装置205から排出される。この通常領域236を経由して排出される遊技球は、図3に示す排出玉検出器44によって検出される。
【0199】
このパチンコ遊技機201において、可変入賞装置205は、上記実施の形態における可変入賞装置5と同様の始動動作を行う。そして、始動動作が行われて開成された大入賞口231a、231bに進入した遊技球がV入賞口235に進入して特定玉検出器40によって検出されたときに、パチンコ遊技機201は、大当り遊技状態となる。ここで、パチンコ遊技機201にて発生する大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置238の開閉板を開成させることにより、可変入賞装置205による始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定遊技状態であればよい。例えば、特別可変入賞球装置238の開閉板は、通常時には閉成し、大当り遊技状態となった場合に、入賞領域を所定期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまで開成する状態となるように設定され、その開成している間に遊技領域を落下する遊技球を受け止める開成サイクルとなる。そして、この開成サイクルが繰り返される回数を、上記実施の形態における継続ラウンド回数と同様にして決定するようにしてもよい。特別可変入賞球装置238に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出され、その入賞球の検出に応答して、所定数の賞球が払い出されるものであればよい。
【0200】
こうしたパチンコ遊技機201が備える可変入賞装置205が始動動作を開始するときには、例えば振分け態様決定用乱数の値を示す数値データを抽出し、振分け態様決定テーブルを参照するなどして、始動動作中における振分け部材232の状態を決定してもよい。ここで、振分け態様決定テーブルは、振分け態様決定用乱数の値と、始動動作中に振分け部材232を退避状態のままに維持するか貯留可能状態としてから退避状態に変化させるかの決定結果とを対応付ける設定データなどから構成されたものであればよい。そして、可変入賞装置205が始動動作を開始するときに振分け部材232を貯留可能状態とする旨の決定がなされたときには、図22のステップS334と同様にして、主基板11から演出制御基板12に対して貯留開始コマンドを送信する。演出制御基板12では、演出制御用CPU120が、貯留開始コマンドを受信したことに応答して、例えば図37のステップS507と同様に画像ポインタ値の設定を行うことにより、可変入賞装置205内に進入した遊技球が振分け部材232によって特定誘導路としての玉通路に振り分けられてV入賞口235に誘導される旨を特定可能に報知する演出を行う。このとき、主基板11の側では、CPU103が第1表示装置4Aの表示状態を制御することにより、例えば図6(E)に示すような表示態様とすることで、第1表示装置4Aの表示により遊技球が特定誘導路に振り分けられてV入賞口235に誘導される旨を特定可能に報知する制御を行うようにする。
【0201】
これにより、主基板11とは異なるサブ側の制御基板である演出制御基板12の側にて表示装置の表示による演出の一部を決定することで、主基板11に搭載されたマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第1及び第2表示装置4A、4Bの表示制御を行うことができ、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技興趣を向上させることができる。また、第1表示装置4Aでは、第2表示装置4Bとは別個に、振分け部材232による遊技球の振分け態様を特定可能に報知することができるので、遊技者が振分け部材232による遊技球の振分け態様を誤って認識することを防止できる。
【0202】
また、遊技球が始動入賞口6a〜6cのいずれかに入賞して可変入賞装置205による始動動作が開始されるときに、振分け部材232による遊技球の振分け態様を決定し、上記実施の形態における始動入賞コマンドに決定された遊技球の振分け態様を示すデータを含ませてもよい。これにより、可変入賞装置205による始動動作が開始されるときに演出制御基板12の側に振分け部材232による遊技球の振分け態様を通知することができ、主基板11の側にて決定された振分け部材232による遊技球の振分け態様に応じた演出表示を、可変入賞装置205による始動動作が行われる期間において実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
【0203】
さらに、上記実施の形態では、第1表示装置4Aが4箇所の発光位置にて複数種類の発光色で発光可能な発光体としてのLEDモジュールから構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図47に示すような7セグメントLEDからなる第1表示装置204Aや、ドットマトリクスLEDからなる表示装置などであってもよい。ここで、例えば第1表示装置204Aを2桁の7セグメントLEDから構成し、継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数に応じて複数種類の表示態様の組合せのうちから1つを選択可能とし、遊技者等にとって認識しがたい表示態様で表示するようにしてもよい。すなわち、主基板11にて表示制御が行われる表示装置では、同一の決定結果に対して複数の表示態様のいずも選択可能とし、選択された表示態様の表示を実行する制御を行うことで、決定結果を遊技者が認識することは困難となるようにしてもよい。これにより、演出制御基板12にて表示制御が行われる表示装置による演出表示に対する遊技者の関心を高め、演出表示の印象を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
【0204】
また、可変入賞装置5の内部には、可変入賞装置5内に進入した遊技球をV入賞口35に誘導する特定誘導路と、V入賞口35とは異なる通常誘導路とを設け、遊技球が大入賞口31aと大入賞口31bのいずれに進入したかに応じて、特定誘導路に進入する割合と、通常誘導路に進入する割合とが異なるように構成されていてもよい。具体的な一例として、大入賞口31aに進入した遊技球は1/10の確率で特定誘導路に進入し、9/10の確率で通常誘導路に進入する。その一方で、大入賞口31bに進入した遊技球は2/7の確率で特定誘導路に進入し、5/7の確率で通常誘導路に進入する。そして、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドとして、大入賞口31aに遊技球が進入したことを示す左大入賞コマンドと、大入賞口31bに遊技球が進入したことを示す右大入賞コマンドとを設けておく。
【0205】
このような構成において、主基板11に搭載されたCPU103は、図17のステップS310や図23のステップS355にて左入賞玉検出器42aからの検出信号がオン状態である旨の判定がなされたときに、演出制御基板12に対して左大入賞コマンドを送信する設定を行う。このときには、第1表示装置4Aの表示状態を、予め定められた第1大入賞時表示態様とする表示制御も行う。また、図17のステップS313や図23のステップS362にて右入賞玉検出器42bからの検出信号がオン状態である旨の判定がなされたときに、演出制御基板12に対して右大入賞コマンドを送信する設定を行う。このときには、第1表示装置4Aの表示状態を、第1大入賞時表示態様とは異なる第2大入賞時表示態様とする表示制御も行う。
【0206】
演出制御基板12では、演出制御用CPU120が左大入賞コマンドを受信したか、右大入賞コマンドを受信したかに応じて、画像ポインタ値をCGROM124における異なるアドレスに設定することで、第2表示装置4Bによる演出表示の表示態様を、特定誘導路に進入する割合が高い大入賞口に遊技球が進入したか、特定誘導路に進入する割合が低い大入賞口に遊技球が進入したかに応じて異なる表示態様に決定する。これにより、第1表示装置4Aでは、可変入賞装置5に進入した遊技球が特定誘導路に進入する割合を特定可能に報知することができる一方、第2表示装置4Bでは、可変入賞装置5に進入した遊技球が特定誘導路に進入する割合に応じて表示態様が異なる演出表示を行うことができ、主基板11に搭載されたマイクロコンピュータにおける制御負荷を増大させることなく、第1及び第2表示装置4A、4Bの表示制御を可能にして、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて遊技の興趣を向上させることができる。
【0207】
上記実施の形態では、図22のステップS332にて遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留開始基準値と一致したときに、ステップS333にて振分け部材32による遊技球の貯留を開始する設定を行うとともに、ステップS334にて貯留開始コマンドの送信設定を行うことで、演出制御基板12に対して振分け部材32の状態が変化するタイミングを通知するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば貯留開始コマンドの送信設定については、遊技制御時間タイマにおけるタイマ値が貯留開始基準値となるタイミングよりも所定時間だけ以前のタイミングで行うようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、貯留開始コマンドを受信したときに、例えば振分け部材32の状態が変化するタイミングの何秒前から当該タイミングを特定可能とする演出表示を行うかなどといった、演出の種類を決定し、第2表示装置4Bによる演出表示における表示態様を決定するようにしてもよい。このように、演出制御用CPU120が演出表示の開始タイミングといった演出の種類を決定する場合には、その演出表示の開始タイミングによって、遊技者にとって有利となる度合が異なることになる。すなわち、早い段階から振分け部材32の状態が変化するタイミングが特定可能に報知されていれば、遊技者は予めそのタイミングを見計らい大入賞口31a、31bを狙って遊技球を打ち込むことができる一方、振分け部材32の状態が変化するタイミングの直前にそのタイミングが特定可能に報知されると、遊技者は遊技球を大入賞口31a、31bに向けて打ち込むタイミングを予測することが困難になる。これにより、主基板11における制御負荷を増大させることなく、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させるとともに、遊技者にとって有利な度合が変化する多様な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【0208】
また、上記実施の形態では、図37のステップS505にて貯留開始フラグがオンである旨の判定がなされたときに、ステップS507の処理を実行することにより画像ポインタ値を図38に示すような演出時間タイマにおけるタイマ値との対応関係に基づいて設定した後、ステップS517にて貯留終了フラグがオンである旨の判定がなされるまでの間は画像ポインタ値の設定を維持していた。このため、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化した変化タイミングに応じて図39(A)〜(C)に示すような画像が第2表示装置4Bに表示された後には、振分け部材32が貯留した遊技球を解放するなどして遊技者にとって有利な状態が終了するまでの期間において、第2表示装置4Bにおける表示態様が変化しないようになっていた。これに対して、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化した後に、その状態が終了するまでの期間において第2表示装置4Bの表示態様を変化させることを可能にし、その変化態様を、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化した変化タイミングに応じて異ならせるようにしてもよい。
【0209】
例えば、図37のステップS509にて貯留演出中フラグがオンである旨の判定がなされるとともに、ステップS517にて貯留終了フラグがオフである旨の判定がなされたときには、ステップS507と同様の処理を実行することにより、図38に示すような対応関係に従って、画像ポインタ値を演出時間タイマにおけるタイマ値に応じたアドレスに設定すればよい。このような設定により、振分け部材32の変化タイミングでの演出時間タイマにおけるタイマ値が「10001」以上であった場合には、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となっている期間において、第2表示装置4Bにて演出Z(図39(C)参照)、演出Y(図39(B)参照)、演出X(図39(A)参照)の順で表示態様が変化する演出表示が行われることになる。その一方で、振分け部材32の変化タイミングでの演出時間タイマにおけるタイマ値が「5001」以上で「10000」以下であった場合には、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となっている期間において、第2表示装置4Bにて演出Y、演出Xの順で表示態様が変化する演出表示が行われることになる。また、振分け部材32の変化タイミングでの演出時間タイマにおけるタイマ値が「5000」以下であった場合には、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となっている期間において、第2表示装置4Bにて演出Xの表示態様での演出表示のみが行われ、その表示態様は変化しないことになる。このように、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態となっている期間に第2表示装置4Bの表示により行われる演出表示の表示態様を、振分け部材32が遊技者にとって有利な状態に変化した変化タイミングに応じて異なる変化態様で変化させることにより、第2表示装置4Bによる演出表示のバリエーションを増加させて、多様な演出により遊技興趣を向上させることができる。
【0210】
上記実施の形態では、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数を、継続ラウンド回数として決定するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、大当り遊技状態にて低確率ラウンドが1回終了するまでのラウンド数を継続ラウンド回数として決定してもよい。ここで、高確率ラウンドでは次のラウンドに移行する確率が高い一方、低確率ラウンドでは次のラウンドに移行する確率が低いことから、大当り遊技状態にて実行されるラウンドの平均継続回数は、およそ継続ラウンド回数として決定されたラウンドの実行回数の程度になる。この場合には、図21のステップS290や、図23のステップS352にて、ラウンドカウンタにおけるカウント値が継続ラウンド回数よりも大きな値となっているときでも、所定の上限回数(例えば「15」)よりも小さいときには、ステップS291あるいはステップS353の処理に進むようにすればよい。また、図20のステップS262及びステップS263の処理に代えて、ラウンドカウンタのカウント値が継続ラウンド回数以上であるか否かを判定し、継続ラウンド回数以上であるときにはステップS264の処理に進み、継続ラウンド回数に達していないときにはステップS266の処理に進むようにすればよい。
【0211】
上記実施の形態では、図10(A)及び(B)に示すような第1及び第2演出決定テーブル131A、131BをROM121に格納しておき、第1演出決定テーブル131Aを参照することにより第2表示装置4Bの表示態様を演出A−1、演出B−1、演出C−1のいずれかに決定し、第2演出決定テーブル131Bを参照することにより第2表示装置4Bの表示態様を演出A−2、演出B−2、演出C−2のいずれかに決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、継続ラウンド回数に応じて異なる割合で、第2表示装置4Bの表示態様を演出A−1、演出A−2、演出B−1、演出B−2、演出C−1、演出C−2といった互いに異なる表示態様のいずれかに決定できる任意の構成であればよく、例えば1つのテーブルにより、第2表示装置4Bの表示態様を決定できるものであってもよい。
【0212】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。さらに、パチンコ遊技機1やパチンコ遊技機201の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0213】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0214】
【図1】本発明の実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】可変入賞装置の構成を示す図である。
【図3】パチンコ遊技機に搭載された主基板を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】信号中継基板と伝送方向規制回路の構成例を示す図である。
【図5】継続ラウンド回数決定テーブルの一例を示す図である。
【図6】第1表示装置における表示状態を説明するための図である。
【図7】演出制御基板におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図8】第2表示装置による演出表示例を示す図である。
【図9】第2表示装置による演出表示例を示す図である。
【図10】演出決定テーブルの一例を示す図である。
【図11】CGROMにおける画像データの記憶状態を例示する図である。
【図12】遊技制御割込処理を示すフローチャートである。
【図13】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図14】遊技制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図15】始動動作設定処理を示すフローチャートである。
【図16】始動動作中処理を示すフローチャートである。
【図17】始動時遊技球検出処理を示すフローチャートである。
【図18】始動動作後遊技球検出処理を示すフローチャートである。
【図19】特定遊技動作開始待ち処理を示すフローチャートである。
【図20】ラウンド開始時処理を示すフローチャートである。
【図21】ラウンド中制御処理を示すフローチャートである。
【図22】振分け部材制御処理を示すフローチャートである。
【図23】開閉中遊技球検出処理を示すフローチャートである。
【図24】演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図25】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図26】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図27】演出制御通常処理を示すフローチャートである。
【図28】デモ画面表示の具体的な一例を示す図である。
【図29】始動入賞時演出開始処理を示すフローチャートである。
【図30】始動入賞時演出中処理を示すフローチャートである。
【図31】抽選演出開始処理を示すフローチャートである。
【図32】抽選演出中処理を示すフローチャートである。
【図33】演出スイッチ操作検出処理を示すフローチャートである。
【図34】報知ラウンド回数の選択確率の一例を示す図である。
【図35】抽選結果出力処理を示すフローチャートである。
【図36】ラウンド演出開始処理を示すフローチャートである。
【図37】ラウンド演出中処理を示すフローチャートである。
【図38】貯留開始時における演出を決定するための設定例を示す図である。
【図39】貯留開始時における演出表示例を示す図である。
【図40】ラウンド移行時カウント処理を示すフローチャートである。
【図41】ラウンド終了時演出処理を示すフローチャートである。
【図42】第2表示装置における表示動作の具体例を示す図である。
【図43】第2表示装置における表示動作の具体例を示す図である。
【図44】第2表示装置における表示動作の具体例を示す図である。
【図45】変形例における主基板を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図46】変形例における主基板を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図47】変形例におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図48】変形例における可変入賞装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0215】
1、201 … パチンコ遊技機(遊技機)
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技機用枠(台枠)
4A、4B、204A、204B … 表示装置
5、205 … 可変入賞装置
6a〜6c … 始動入賞口
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 信号中継基板
13−1〜13−n … 伝送方向規制回路
14 … 電源中継基板
15 … 払出制御基板
18 … 音声制御基板
19 … ランプ制御基板
20 … 演出スイッチ
21 … スイッチ中継基板
22 … 操作ボタン
25 … 音声出力回路
26 … ランプドライバ回路
30a、30b、230a、230b … 開閉部材
31a、31b、231a、231b … 大入賞口
32、232 … 振分け部材
35、235 … V入賞口(特定領域)
36、236 … 通常領域
37a、37b、37d、37e、237a、237b … 転動板
40 … 特定玉検出器
41a〜41c … 始動玉検出器
42a、42b … 入賞玉検出器
44 … 排出玉検出器
50a、50b … ソレノイド
51 … モータ
100 … 基本回路
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104 … 乱数回路
105 … I/O
110 … スイッチ回路
111 … ソレノイド回路
112 … モータ回路
120 … 演出制御用CPU
123 … VDP
124 … CGROM
125 … VRAM
126 … スイッチ信号入力回路
127 … 音声データ出力回路
128 … ランプデータ出力回路
130 … 継続ラウンド回数決定テーブル
131A、131B … 演出決定テーブル
233a、233b … 玉通路
238 … 特別可変入賞球装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の演出を実行する演出手段と、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材により開閉される可変進入口を遊技者にとって不利な第1の状態から遊技者にとって有利な第2の状態とする始動動作を行う可変入賞装置と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数まで実行可能とする特定遊技状態を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータと、
前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板と、
前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータと、
前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板と、
前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段が設けられた中継基板と、
前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段と、
前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段とを備え、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記第1表示手段に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段と、
所定条件が成立したときに、数値データを更新する数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記数値データ抽出手段によって抽出された数値データに基づいて、前記ラウンドの上限回数を複数種類のラウンドの実行回数のうちから決定するラウンド回数決定手段と、
前記特定遊技状態が発生するときに、前記ラウンド回数決定手段によって決定された前記ラウンドの上限回数を前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行うラウンド回数報知制御手段と、
前記ラウンド回数決定手段によって決定された前記ラウンドの上限回数を示す制御信号としてラウンド数信号を送信する制御信号送信手段と、を含み、
前記演出制御マイクロコンピュータは、
前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データを記憶するデータ記憶手段と、
前記制御信号送信手段により送信されたラウンド数信号に基づき前記ラウンドの上限回数を報知する所定の演出表示を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段と、を含み、
前記演出表示制御手段は、前記ラウンド数信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ラウンド回数決定手段は、前記始動検出手段によって遊技媒体が検出されたときに、前記ラウンドの上限回数を決定し、
前記制御信号送信手段は、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出された旨を示す制御信号として特定入賞検出信号をさらに送信し、
前記ラウンド回数報知制御手段は、前記特定検出手段によって遊技媒体が検出されたときに、前記ラウンドの上限回数を前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行い、
前記演出態様決定手段は、前記制御信号送信手段により送信されたラウンド数信号にて示されるラウンドの上限回数に応じて異なる割合で前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を決定し、
前記演出表示制御手段は、前記演出態様決定手段によって選択された演出表示データに基づき前記第2表示手段における表示制御を行い、前記制御信号送信手段により送信された前記特定入賞検出信号を受信したときに、前記ラウンド数信号にて示された前記ラウンドの上限回数を報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出表示制御手段は、
前記ラウンドの上限回数よりも少ない実行回数を特定可能に報知する少数ラウンド報知演出を実行する制御を行う少数ラウンド報知演出制御手段と、
前記少数ラウンド報知演出制御手段により実行された少数ラウンド報知演出において報知された実行回数に達したときに、さらにラウンドが継続可能である旨を報知する継続報知演出を実行する制御を行う継続報知演出制御手段とを含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
所定の演出を実行する演出手段と、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材により開閉される可変進入口を遊技者にとって不利な第1の状態から遊技者にとって有利な第2の状態とする始動動作を行う可変入賞装置と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数まで実行可能とする特定遊技状態を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータと、
前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板と、
前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータと、
前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板と、
前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段が設けられた中継基板と、
前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段と、
前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段とを備え、
前記可変入賞装置は、前記可変進入口に進入した遊技媒体を前記特定領域と前記特定領域とは異なる通常領域とに振り分ける振分け手段を含み、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記第1表示手段に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段と、
前記振分け手段の状態を制御することにより、遊技媒体を前記特定領域に進入させる確率が高い高確率ラウンドと、高確率ラウンドに比べて遊技媒体を前記特定領域に進入させる確率が低い低確率ラウンドと、を含むラウンドのいずれかに制御する振分け制御手段と、
前記振分け制御手段によって低確率ラウンドに制御されているときに、前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記振分け手段によって前記特定領域に振り分けられる割合が高められる変化タイミングを、前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行うタイミング報知制御手段と、
前記変化タイミングを示す制御信号としてタイミング指示信号を送信する制御信号送信手段と、を含み、
前記演出制御マイクロコンピュータは、
前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データを記憶するデータ記憶手段と、
前記制御信号送信手段により送信されたタイミング指示信号に基づき前記変化タイミングを報知する所定の演出表示を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段と、を含み、
前記演出表示制御手段は、前記タイミング指示信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
所定の演出を実行する演出手段と、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材により開閉される可変進入口を遊技者にとって不利な第1の状態から遊技者にとって有利な第2の状態とする始動動作を行う可変入賞装置と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数まで実行可能とする特定遊技状態を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータと、
前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板と、
前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータと、
前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板と、
前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段が設けられた中継基板と、
前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段と、
前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段とを備え、
前記可変入賞装置は、
前記可変進入口に進入した遊技媒体を高い割合で前記特定領域に誘導する特定誘導路と、特定誘導路に比べて低い割合で遊技媒体を前記特定領域に誘導する通常誘導路と、を含む遊技媒体誘導経路と、
前記可変進入口に進入した遊技媒体を前記特定誘導路と前記通常誘導路とに振り分ける振分け手段と、を含み、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記第1表示手段に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段と、
前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記振分け手段によって前記特定誘導路と前記通常誘導路のいずれに振り分けられるかの遊技媒体振分け態様を、前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行う振分け報知制御手段と、
前記遊技媒体振分け態様を示す制御信号として振分け態様信号を送信する制御信号送信手段と、を含み、
前記演出制御マイクロコンピュータは、
前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データを記憶するデータ記憶手段と、
前記制御信号送信手段により送信された振分け態様信号に基づき前記遊技媒体振分け態様を報知する所定の演出表示を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段と、を含み、
前記演出表示制御手段は、前記振分け態様信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
前記遊技制御基板には、前記中継基板からの信号の入力を阻止する第1の信号方向規制手段が設けられ、
前記中継基板には、前記演出制御基板からの信号の入力を阻止する第2の信号方向規制手段が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段の操作に応じて操作信号を出力する操作信号出力手段とを備え、
前記演出制御基板は、
前記操作信号出力手段から出力された操作信号を入力する外部入力手段と、
前記操作信号出力手段から前記外部入力手段に操作信号が入力されたか否かを判定する操作判定手段と、
前記第2表示手段における演出表示の表示態様を、前記操作判定手段による前記操作手段の操作がなされたか否かの判定結果に基づいて決定する操作判定演出決定手段と、を含む、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項1】
所定の演出を実行する演出手段と、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材により開閉される可変進入口を遊技者にとって不利な第1の状態から遊技者にとって有利な第2の状態とする始動動作を行う可変入賞装置と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数まで実行可能とする特定遊技状態を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータと、
前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板と、
前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータと、
前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板と、
前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段が設けられた中継基板と、
前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段と、
前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段とを備え、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記第1表示手段に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段と、
所定条件が成立したときに、数値データを更新する数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記数値データ抽出手段によって抽出された数値データに基づいて、前記ラウンドの上限回数を複数種類のラウンドの実行回数のうちから決定するラウンド回数決定手段と、
前記特定遊技状態が発生するときに、前記ラウンド回数決定手段によって決定された前記ラウンドの上限回数を前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行うラウンド回数報知制御手段と、
前記ラウンド回数決定手段によって決定された前記ラウンドの上限回数を示す制御信号としてラウンド数信号を送信する制御信号送信手段と、を含み、
前記演出制御マイクロコンピュータは、
前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データを記憶するデータ記憶手段と、
前記制御信号送信手段により送信されたラウンド数信号に基づき前記ラウンドの上限回数を報知する所定の演出表示を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段と、を含み、
前記演出表示制御手段は、前記ラウンド数信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ラウンド回数決定手段は、前記始動検出手段によって遊技媒体が検出されたときに、前記ラウンドの上限回数を決定し、
前記制御信号送信手段は、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出された旨を示す制御信号として特定入賞検出信号をさらに送信し、
前記ラウンド回数報知制御手段は、前記特定検出手段によって遊技媒体が検出されたときに、前記ラウンドの上限回数を前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行い、
前記演出態様決定手段は、前記制御信号送信手段により送信されたラウンド数信号にて示されるラウンドの上限回数に応じて異なる割合で前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を決定し、
前記演出表示制御手段は、前記演出態様決定手段によって選択された演出表示データに基づき前記第2表示手段における表示制御を行い、前記制御信号送信手段により送信された前記特定入賞検出信号を受信したときに、前記ラウンド数信号にて示された前記ラウンドの上限回数を報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出表示制御手段は、
前記ラウンドの上限回数よりも少ない実行回数を特定可能に報知する少数ラウンド報知演出を実行する制御を行う少数ラウンド報知演出制御手段と、
前記少数ラウンド報知演出制御手段により実行された少数ラウンド報知演出において報知された実行回数に達したときに、さらにラウンドが継続可能である旨を報知する継続報知演出を実行する制御を行う継続報知演出制御手段とを含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
所定の演出を実行する演出手段と、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材により開閉される可変進入口を遊技者にとって不利な第1の状態から遊技者にとって有利な第2の状態とする始動動作を行う可変入賞装置と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数まで実行可能とする特定遊技状態を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータと、
前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板と、
前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータと、
前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板と、
前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段が設けられた中継基板と、
前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段と、
前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段とを備え、
前記可変入賞装置は、前記可変進入口に進入した遊技媒体を前記特定領域と前記特定領域とは異なる通常領域とに振り分ける振分け手段を含み、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記第1表示手段に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段と、
前記振分け手段の状態を制御することにより、遊技媒体を前記特定領域に進入させる確率が高い高確率ラウンドと、高確率ラウンドに比べて遊技媒体を前記特定領域に進入させる確率が低い低確率ラウンドと、を含むラウンドのいずれかに制御する振分け制御手段と、
前記振分け制御手段によって低確率ラウンドに制御されているときに、前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記振分け手段によって前記特定領域に振り分けられる割合が高められる変化タイミングを、前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行うタイミング報知制御手段と、
前記変化タイミングを示す制御信号としてタイミング指示信号を送信する制御信号送信手段と、を含み、
前記演出制御マイクロコンピュータは、
前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データを記憶するデータ記憶手段と、
前記制御信号送信手段により送信されたタイミング指示信号に基づき前記変化タイミングを報知する所定の演出表示を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段と、を含み、
前記演出表示制御手段は、前記タイミング指示信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
所定の演出を実行する演出手段と、遊技媒体が流下する遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段と、該始動検出手段により遊技媒体が検出されると、開閉部材により開閉される可変進入口を遊技者にとって不利な第1の状態から遊技者にとって有利な第2の状態とする始動動作を行う可変入賞装置と、該可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域に進入した遊技媒体を検出する特定検出手段とを備え、前記始動動作を行っているときに前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されると、前記始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定態様で前記可変進入口を前記第2の状態に制御するラウンドを所定の上限回数まで実行可能とする特定遊技状態を発生させるとともに、前記ラウンド中において前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記特定検出手段によって検出されたことに基づいて当該ラウンドの終了後に次回のラウンドに移行可能となる遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御マイクロコンピュータと、
前記遊技制御マイクロコンピュータを搭載した遊技制御基板と、
前記遊技制御基板に搭載された前記遊技制御マイクロコンピュータからの制御信号に基づいて前記演出手段の演出制御を行う演出制御マイクロコンピュータと、
前記演出制御マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板と、
前記遊技制御基板から前記演出制御基板に出力される制御信号を中継する中継手段が設けられた中継基板と、
前記演出手段とは異なり前記遊技制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第1表示手段と、
前記演出手段に含まれて前記演出制御マイクロコンピュータによって表示制御を行う第2表示手段とを備え、
前記可変入賞装置は、
前記可変進入口に進入した遊技媒体を高い割合で前記特定領域に誘導する特定誘導路と、特定誘導路に比べて低い割合で遊技媒体を前記特定領域に誘導する通常誘導路と、を含む遊技媒体誘導経路と、
前記可変進入口に進入した遊技媒体を前記特定誘導路と前記通常誘導路とに振り分ける振分け手段と、を含み、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記第1表示手段に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行う表示制御手段と、
前記可変進入口に進入した遊技媒体が前記振分け手段によって前記特定誘導路と前記通常誘導路のいずれに振り分けられるかの遊技媒体振分け態様を、前記第1表示手段の表示により特定可能に報知する制御を行う振分け報知制御手段と、
前記遊技媒体振分け態様を示す制御信号として振分け態様信号を送信する制御信号送信手段と、を含み、
前記演出制御マイクロコンピュータは、
前記第2表示手段における演出表示の表示態様を示す複数種類の演出表示データを記憶するデータ記憶手段と、
前記制御信号送信手段により送信された振分け態様信号に基づき前記遊技媒体振分け態様を報知する所定の演出表示を前記第2表示手段の表示により実行する制御を行う演出表示制御手段と、を含み、
前記演出表示制御手段は、前記振分け態様信号に基づいて前記データ記憶手段に記憶された複数種類の演出表示データのいずれかを選択することにより、前記第2表示手段における演出表示の表示態様を複数種類の表示態様のいずれかに決定する演出態様決定手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
前記遊技制御基板には、前記中継基板からの信号の入力を阻止する第1の信号方向規制手段が設けられ、
前記中継基板には、前記演出制御基板からの信号の入力を阻止する第2の信号方向規制手段が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段の操作に応じて操作信号を出力する操作信号出力手段とを備え、
前記演出制御基板は、
前記操作信号出力手段から出力された操作信号を入力する外部入力手段と、
前記操作信号出力手段から前記外部入力手段に操作信号が入力されたか否かを判定する操作判定手段と、
前記第2表示手段における演出表示の表示態様を、前記操作判定手段による前記操作手段の操作がなされたか否かの判定結果に基づいて決定する操作判定演出決定手段と、を含む、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
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【図36】
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【図39】
【図40】
【図41】
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【図43】
【図44】
【図45】
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【図47】
【図48】
【図2】
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【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
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【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【公開番号】特開2006−68349(P2006−68349A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−256759(P2004−256759)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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