遊技機
【課題】ハンマーのバウンドを抑えて安定した遊技球の打ち出しを可能とした遊技機を提供することにある。
【解決手段】打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイド65と、同ロータリーソレノイド65の出力軸66に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作するハンマー67とを備えた打球発射装置を有し、回動規制範囲内にてハンマー67に連続的に打球動作を行わせるようにしたパチンコ機において、所定の周期で出力される打球用パルスの繰り返し周期間に同打球用パルスよりも小さな一定の電力を前記ロータリーソレノイド65に供給するようにした。
【解決手段】打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイド65と、同ロータリーソレノイド65の出力軸66に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作するハンマー67とを備えた打球発射装置を有し、回動規制範囲内にてハンマー67に連続的に打球動作を行わせるようにしたパチンコ機において、所定の周期で出力される打球用パルスの繰り返し周期間に同打球用パルスよりも小さな一定の電力を前記ロータリーソレノイド65に供給するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に遊技球をロータリーソレノイドを駆動源として打ち出す遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種である例えばパチンコ機においてはロータリーソレノイドを駆動源として遊技球を打球する方式が開発されている。図13に基づいてその機構の概略を説明する。ロータリーソレノイド81の回動軸82にはハンマー83が固着されている。ハンマー83の回動範囲は上部側の第1の緩衝ゴム84と下部側の第2の緩衝ゴム85とにより規制されている。ロータリーソレノイド81は図示しない制御回路からの図14に示すごときパルスに応答して回動軸82を回転させハンマー83を矢印方向に回転させる。そして、ハンマー83の軌道上に供給された遊技球を打球する。打球後ロータリーソレノイド81のトルクは消失するためハンマー83は自重と第1の緩衝ゴム84衝突した反動で逆方向に回転し第2の緩衝ゴム85に突き当たって停止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、ハンマー83は勢いよく第2の緩衝ゴム85に突き当たるため、バウンド現象が生じてしまう。そのため、次のパルスのタイミングまでにバウンド現象が沈静せず、バウンド状態のままでロータリーソレノイド81が駆動されてしまう不具合が生じていた。すなわち、ハンマー83の回転開始位置がバウンドによって定まらず打球の強さが一定しないこととなっていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ハンマーのバウンドを抑えて安定した遊技球の打ち出しを可能とした遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイドと、同ロータリーソレノイドの出力軸に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作する打球桿とを備えた打球発射装置を有し、同回動規制範囲内にて同打球桿に連続的に打球動作を行わせるようにした遊技機において、所定の周期で出力される打球用パルスの繰り返し周期間に同打球用パルスよりも小さな一定の電力を前記ロータリーソレノイドに供給するようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、勢いよく逆回動した打球桿はこの打球用パルスよりも小さな一定の出力によって正回動する正トルクを付与されるため逆回動方向の勢いが弱められる。そのため初期位置での打球桿のバウンドが解消される。
【0005】
請求項2に記載の発明では、打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイドと、同ロータリーソレノイドの出力軸に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作する打球桿とを備えた打球発射装置を有し、同回動規制範囲内にて同打球桿に連続的に打球動作を行わせるようにした遊技機において、所定の周期で出力される打球用パルスの継続時間終了後に同打球用パルスよりも平均振幅の小さなサブパルスを前記ロータリーソレノイドに出力するようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、勢いよく逆回動した打球桿はサブパルスによって正回動する正トルクを付与されるため逆回動方向の勢いが弱められる。そのため初期位置での打球桿のバウンドが解消される。
【発明の効果】
【0006】
請求項1又は2に記載された発明では、打球桿の初期位置でのバウンドが解消されるため遊技球の打ち出し動作が安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明をパチンコ機に応用した実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、以下の説明で前面側或いは表面側とは遊技者が正対する側をいい、後面側或いは背面側とはその反対側をいうものとする。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機の支持枠体としての外枠1は上下左右の各枠板1a〜1dによって四角形に枠組みされた木製の枠体とされている。下部枠板1b上面には幕板2が配設されている。図2に示すように、外枠1にはパチンコ機本体4が装着されている。パチンコ機本体4には遊技盤5が装着されている。図1及び図2に示すように、遊技盤5の前面にはほぼ垂直に配置された遊技面9が形成されている。遊技面9上には内レール10、外レール11、入賞口12及び可変表示装置13等が所定位置に配置された遊技領域14が形成されている。尚、釘については図示が省略されている。遊技盤5の周囲は額縁状の扉枠支持フレーム7にて包囲されている。扉枠支持フレーム7はパチンコ機本体4と一体的に形成されている。扉枠支持フレーム7の上部前面には水平方向に3つのランプ8が配設されている。
【0008】
図3に示すように、遊技盤5の背面側には開閉可能に開閉盤としてのセット盤22がパチンコ機本体4に対して開閉可能に装着されている。セット盤22は上下に配設されたヒンジ部23によってパチンコ機本体4に支持されており、盤面に散点的に配置された開閉ピン26の引き出し及び押し込みによってパチンコ機本体4に着脱される。セット盤22の中央付近には可変表示装置13の制御を行う制御機構としての図柄表示装置ユニット31が配設されている。同ユニット31に隣接して賞球の排出等のパチンコ機の電子的制御を行う制御機構としての制御装置ユニット32が配設されている。同両ユニット31,32の上方には賞球タンク33が配設されている。賞球タンク33の右方には入出力基盤34が配設されている。入出力基盤34の下方には球払い出し機構Pが配設されている。球払い出し機構Pの下方にはセーフ球処理機構Qが配設されている。セット盤22の下方には遊技球発射機構Rが配設されている。遊技球発射機構Rについては後述する。
【0009】
図1及び図2に示すように、遊技盤5の前面には扉枠15が開閉可能に配設されている。扉枠15は閉じた状態で前記扉枠支持フレーム7に当接する。扉枠15はほぼ正方形の外形を有し、中央にほぼ正方形の大型の窓穴16が形成されている。扉枠15上方の上梁19には水平方向に5つの透孔24が形成されている。透孔24は前記扉枠支持フレーム7のランプ8に対応しており、扉枠15を閉じた時に各ランプ8が対応する透孔24内に配置される。上梁19前面には半透明の装飾パネル25が配設され、同透孔24を覆っている。ランプ8の光は同透孔24を通して光透過性の装飾パネル25を明るく照らし出す。左縦枠21には鍵穴27を(図1参照)露出させるための台形の大きな切り欠き28が形成されている。
図2に示すように、扉枠15の背面側には同窓穴16の全周囲に渡って同窓穴16を包囲する金属製の補強フレーム29が配設されている。
【0010】
扉枠15の下方には上部カバープレート35が装着されている。上部カバープレート35はパチンコ機本体4に対して図示しないヒンジ金具によって片持ち支持され同パチンコ機本体4に対して開閉可能とされている。上部カバープレート35は前方に突出形成され、上面に上受け皿36が載置されている。上部カバープレート35の下方には下部カバープレート37が配設されている。下部カバープレート37はパチンコ機本体4に対して固着されている。下部カバープレート37は前方に突出形成され、上面に下受け皿38が載置されている。下受け皿38は主として上受け皿36に貯留しきれなかった遊技球を貯留するものである。下部カバープレート37には灰皿40が装着されている。下受け皿38の右側方には操作ハンドル39が取付けられている。
【0011】
図4及び図5に示すように、操作ハンドル39はハンドル本体41と掌を乗せる半球状の把持部42とを備え、これらハンドル本体41及び把持部42の間に回動ハンドル43が回動可能に配設されている。操作ハンドル39はハンドル本体41にて下部カバープレート37に固定されている。ハンドル本体41には遊技球の単発発射を制御するための操作スイッチ44が形成されている。把持部42には装飾用メッキ層45が形成されている。図4に示すようにハンドル本体41に包囲された下部カバープレート37の前面には可変抵抗器47が配設されている。可変抵抗器47には回動ハンドル43の回動軸43aが接続されている。可変抵抗器47は回動ハンドル43の回動量を検出する。可変抵抗器47に隣接して回動ハンドル43の静電容量の変化を検出する静電容量検出装置48が配設されている。静電容量検出装置48は遊技者が回動ハンドル43のメッキ部分にタッチしているかどうかを検出する。
【0012】
図6に示すように、上部カバープレート35の裏面側には球送り機構55が配設されている。球送り機構55は待機通路56、遊技球供給アーム57及び球送りソレノイイド58を主要構成部材として構成されている。待機通路56や球送りソレノイイド58等は収納ケース52内に収納されている。待機通路56には上部カバープレート35の上受け皿36から通路51を通って供給された遊技球が一列に整列して待機する。遊技球供給アーム57は待機通路56の側方(図6では左方)に配設されており、回動軸59を中心に回動可能とされている。遊技球供給アーム57には待機通路56先端の1つの遊技球だけを保持するホルダー60と、回動軸59を挟んで同ホルダー60と対向する位置に形成されたカンチレバー61とを備えている。カンチレバー61の上方に配設された球送りソレノイイド58は励磁及び消磁によって出没するロッド62を備えている。
図8に示すように球送り機構55に正対するパチンコ機本体4位置(つまり上部カバープレート35の裏面に正対する位置)には内レール10及び外レール11間に打ち出された遊技球を導く発射レール63が配設されている。
このような球送り機構55では球送りソレノイイド58が励磁されてロッド62が下方に突出するとカンチレバー61が押動されて遊技球供給アーム57は図7に示すように回動軸59を中心に上方向に揺動する。そして、待機通路56の最先端の遊技球をホルダー60に収納する。ついで、球送りソレノイイド58が消磁されるとホルダー60は自重で下方向に揺動しホルダー60に収納された遊技球を発射レール63下端の打ち出し位置方向に送り出す。
【0013】
図4及び図9に示すように、遊技球発射機構Rはパチンコ機本体4に取着された取り付け基盤64に形成されている。取り付け基盤64にはロータリーソレノイド65が配設されている。ロータリーソレノイド65の回動軸66は取り付け基盤64の裏面側に突設され、同回動軸66にはハンマー67が固着されている。ハンマー67の先端には遊技球を弾発する硬質ゴム製のヘッド67aが装着されている。取り付け基盤64の裏面側であってロータリーソレノイド65の上方には第1の緩衝ゴム68が配設されており、ロータリーソレノイド65の左方には第2の緩衝ゴム69が配設されている。ロータリーソレノイド65が消磁状態にある場合にはハンマー67は自重で倒伏して第2の緩衝ゴム69上に載置される。一方、励磁された場合には第1の緩衝ゴム68方向に回動し(この方向を正回動方向とする)、第1の緩衝ゴム68に突き当たってそれ以上の回動が規制される。図3及び図4に示すようにロータリーソレノイド65の後方にはロータリーソレノイド65及び球送りソレノイイド58への給電を制御する給電制御装置70が配設されている。
【0014】
次にこのように構成されたパチンコ機の電気的構成について説明する。
図10に示すように、制御装置ユニット32内にはリードオンリーメモリ(ROM)71、ランダムアクセスメモリ(RAM)72、中央処理装置(CPU)73が配設されている。第1の主記憶装置としてのROM71はパチンコ機の種々の制御プログラム、更に各プログラムを実行するための初期データをあらかじめ記憶する。第2の主記憶装置としてのRAM72は新たな入力データやCPU73による演算結果を一旦記憶する。CPU73には可変抵抗器47、静電容量検出装置48が接続されるとともに球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65を駆動させるドライバとしての給電制御装置70が接続されている。CPU73はROM71及びRAM72のプログラムやデータ、更に可変抵抗器47、静電容量検出装置48の検出値等に基づいて各種演算処理を実行し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65を制御する。また、CPU73にはタイマ回路75が接続され、同タイマ回路75に基づいて球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65のタイミングが取られている。尚、CPU73は前記可変表示装置13、球払い出し機構P及びセーフ球処理機構Qの図示しない電磁ソレノイドやモータ等も制御するが本実施の形態ではその説明は省略する。
【0015】
次に図11に示すCPU73により実行される第1のタイミングチャートに基づいて球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の動作タイミングと実際のハンマー67の動作を説明する。尚、タッチ信号S1、動作アクティブ信号S2及び0.6秒クロック信号S3の振幅方向は電圧値を示し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の振幅方向は電流値を示している。遊技者が操作ハンドル39の回動ハンドル43にタッチすると静電容量検出装置48からの出力に基づいてt1においてタッチ信号S1が立ち上がりオン状態となる。同時に動作アクティブ信号S2も立ち上がりオン状態となり、また、動作アクティブ信号S2の立ち上げをトリガーとして微弱なブレーキ電流Eがオン状態となりロータリーソレノイド65に給電が開始される。このブレーキ電流Eはハンマー67を回動させるほどの励磁をロータリーソレノイド65に与えるものではないが、ハンマー67に一定の正トルクを与えることとなる。
【0016】
0.6秒クロック信号S3は0.6秒の周期(実際には機種によって若干の設定値の違いがある)で繰り返し出力される信号であって、t1における動作アクティブ信号S2の立ち上げをトリガーとして0.3秒経過後に立ち上がってオン状態となる。すると、これに同期して球送りソレノイイド58への動作電流が立ち上がりオン状態となる。すなわち、第1の球送りパルスa1が入力され、球送りソレノイイド58が励磁されて上記のように遊技球供給アーム57が揺動されて遊技球がロータリーソレノイド65のハンマー67方向に送られる。球送りソレノイイド58はt3で立ち下がりオフ状態となる。以下、球送りソレノイイド58の動作電流は0.6秒クロック信号S3の立ち上がり(オン状態の開始)に同期して立ち上がる。
一方、t2から0.3秒経過したt4において0.6秒クロック信号S3は立ち下がりオフ状態となる。以下0.6秒クロック信号S3は0.6秒周期でオン・オフが繰り返される。0.6秒クロック信号S3の立ち下がりに同期してロータリーソレノイド65への動作電流が立ち上がりオン状態となる。すなわち第1の発射パルスb1がロータリーソレノイド65に入力されハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出される。このように、球送りソレノイイド58とロータリーソレノイド65との駆動開始時間にタイムラグがあるのは遊技球が遊技球供給アーム57からハンマー67の打ち出し位置に至る時間を考慮したものである。
また、このときCPU73は可変抵抗器47からの検出信号に基づいて第1の発射パルスb1の振幅を決定する。すなわち、遊技者が大きく回動ハンドル43を回動させればより大きな動作電流がロータリーソレノイド65に供給される。以下、ロータリーソレノイド65の動作電流は0.6秒クロック信号S3の立ち下がり(オフ状態の開始)に同期して立ち上がる。
尚、第1の発射パルスb1(以下の発射パルスも同様)はロータリーソレノイド65のトルク制御のし易さを考慮してごくパルス幅の小さな複数のパルスによって構成されている。
【0017】
動作電流(第1の発射パルスb1)によって励磁され勢いよく回動したハンマー67は遊技球を打ち出した後、第1の緩衝ゴム68に当接して跳ね返り、勢いよく第2の緩衝ゴム69方向に向かって逆回動する。
しかし、t5の立ち下がりをトリガーとして(つまり動作電流としての第1の発射パルスb1がオフ状態になると同時に)ロータリーソレノイド65に再び微弱なブレーキ電流Eが入力される。従って、第2の緩衝ゴム69に向かって逆回動するハンマー67はこのブレーキ電流Eによって正方向のトルクを与えられることとなり、一種のブレーキ効果が働いて第2の緩衝ゴム69に衝突する勢いが弱められる。そして、ハンマー67は第2の緩衝ゴム69に衝突しても速やかにバウンドが収束し、第2の発射パルスb2が開始されるまでに消失する。
ここに、ハンマー67の第2の緩衝ゴム69に衝突する勢いは静電容量検出装置48からの最大出力、つまり遊技者がもっとも回動ハンドル43を回動させた状態が最も大きくなる。従って、ブレーキ電流Eは静電容量検出装置48からの最大出力状態におけるハンマー67の第2の緩衝ゴム69に対するバウンドを基準に設定される。
【0018】
t6で再び立ち上がってオン状態となった0.6秒クロック信号S3に同期して球送りソレノイイド58に次の動作電流(第2の球送りパルスa2)が出力される。すなわち、球送りソレノイイド58が再び励磁され次の遊技球が上記と同様にロータリーソレノイド65のハンマー67方向に送られる。第2の球送りパルスa2はt7で立ち下がってオフ状態となる。
t6から0.3秒経過したt8において再び0.6秒クロック信号S3は立ち下がってオフ状態となり、これに同期してロータリーソレノイド65に二回目の動作電流(第2の発射パルスb2)が入力される。すなわち、ハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出される。この動作電流はt9で立ち下がりオフ状態となる。t9の立ち下がりに同期してロータリーソレノイド65に再び微弱なブレーキ電流Eが入力されるためハンマー67は上記一回目の打ち出しと同様の挙動をする。
【0019】
t10〜t11で球送りソレノイイド58に三回目の動作電流(第3の球送りパルスa3)が入力された段階で、t12で遊技者が操作ハンドル39から手を離したためタッチ信号S1が立ち下がってオフ状態となる。すなわち遊技が中止されたわけであるため球送り及び球の打ち出し動作を停止させる必要がある。
t13で再び0.6秒クロック信号S3が立ち下がってオフ状態となると、これに同期してt13〜t14でロータリーソレノイド65に三回目の動作電流(第3の発射パルスb3)が入力される。すなわち、ハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出されるため打ち出し位置には遊技球は残らないこととなる。
【0020】
動作アクティブ信号S2は0.6秒クロック信号S3がオン状態の際にタッチ信号S1がオフ状態となったことを条件として次の0.6秒クロック信号S3の立ち上がり(t15)まで継続される。これは上記のように打ち出し位置には遊技球を残さないためである。従って、0.6秒クロック信号S3がオフ状態の際にタッチ信号S1がオフ状態となった場合には次の球送りパルスは出力されないため動作アクティブ信号S2は直ちに立ち下がってオフ状態となる。動作アクティブ信号S2のオフに伴い球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65への信号入力は無くなる。
尚、t12で遊技者が操作ハンドル39から手を離さなければ動作アクティブ信号S2はオン状態を維持するため、0.6秒クロック信号S3も継続し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の作用で0.6秒間隔で継続的に遊技球が打ち出され続ける。
【0021】
このように構成することにより本実施の形態は次のような効果を奏する。
(1)発射パルスが出力されてハンマー67が回動され、第1の緩衝ゴム68に衝突した反動で逆方向に勢いよく戻ってきた際にはブレーキ電流Eによって正回動方向への正トルクが付与され、一種のブレーキがかかることとなる。そのため、第2の緩衝ゴム69上でのバウンドが抑制され、次の打ち出しまでにほぼ沈静するため打ち出し位置が安定せず打球の速度にむらがでるような不具合が解消される。
(2)ブレーキ電流Eは静電容量検出装置48からの最大出力状態における最も勢いよくハンマー67が回動する場合の動作電流(発射パルス)を基準としているため、ハンマー67の勢いが強すぎて次の打ち出しまでにバウンドが収まらないということがない。
(3)発射パルスが出力される時以外は常時ブレーキ電流Eがハンマー67を回動させない程度のトルクをロータリーソレノイド65に付与しているため、発射パルス出力時のハンマー67の回動速度がブレーキ電流Eを付与していない時に比べ速くなり、遊技球のより強い打ち出しが可能となっている。
【0022】
次に図12に示すCPU73により実行される第2のタイミングチャートに基づいて球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の動作タイミングと実際のハンマー67の動作を説明する。尚、タッチ信号S1、動作アクティブ信号S2及び0.6秒クロック信号S3の振幅方向は電圧値を示し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の振幅方向は電流値を示している。遊技者が操作ハンドル39の回動ハンドル43にタッチすると静電容量検出装置48からの出力に基づいてt1においてタッチ信号S1が立ち上がりオン状態となる。同時に動作アクティブ信号S2も立ち上がりオン状態となる。
【0023】
0.6秒クロック信号S3は0.6秒の周期(実際には機種によって若干の設定値の違いがある)で繰り返し出力される信号であって、t1における動作アクティブ信号S2の立ち上げをトリガーとして0.3秒経過後に立ち上がってオン状態となる。すると、これに同期して球送りソレノイイド58への動作電流が立ち上がりオン状態となる。すなわち、第1の球送りパルスa1が入力され、球送りソレノイイド58が励磁されて上記のように遊技球供給アーム57が揺動されて遊技球がロータリーソレノイド65のハンマー67方向に送られる。球送りソレノイイド58はt3で立ち下がりオフ状態となる。以下、球送りソレノイイド58の動作電流は0.6秒クロック信号S3の立ち上がり(オン状態の開始)に同期して立ち上がる。
一方、t2から0.3秒経過したt4において0.6秒クロック信号S3は立ち下がりオフ状態となる。以下0.6秒クロック信号S3は0.6秒周期でオン・オフが繰り返される。0.6秒クロック信号S3の立ち下がりに同期してロータリーソレノイド65への動作電流が立ち上がりオン状態となる。すなわち第1の発射パルスb1がロータリーソレノイド65に入力されハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出される。このように、球送りソレノイイド58とロータリーソレノイド65との駆動開始時間にタイムラグがあるのは遊技球が遊技球供給アーム57からハンマー67の打ち出し位置に至る時間を考慮したものである。
また、このときCPU73は可変抵抗器47からの検出信号に基づいて第1の発射パルスb1の振幅を決定する。すなわち、遊技者が大きく回動ハンドル43を回動させればより大きな動作電流がロータリーソレノイド65に供給される。以下、ロータリーソレノイド65の動作電流は0.6秒クロック信号S3の立ち下がり(オフ状態の開始)に同期して立ち上がる。
尚、第1の発射パルスb1(以下の発射パルスも同様)はロータリーソレノイド65のトルク制御のし易さを考慮してごくパルス幅の小さな複数のパルスによって構成されている。
【0024】
動作電流(第1の発射パルスb1)によって励磁され勢いよく回動したハンマー67は遊技球を打ち出した後、第1の緩衝ゴム68に当接して跳ね返り、勢いよく第2の緩衝ゴム69方向に向かって逆回動する。
しかし、t5の立ち下がりをトリガーとして(つまり動作電流としての第1の発射パルスb1がオフ状態になると同時に)0.1秒後に第1のサブパルスP−S1が極短いパルス幅で入力される。続いて、同じパルス幅で0.2秒後に第2のサブパルスP−S2が入力され、0.3秒後に同じパルス幅で第3のサブパルスP−S3が極短いパルス幅で入力される。第1のサブパルスP−S1の振幅は最大振幅と同等とされ、この第1のサブパルスP−S1の振幅に対して第2のサブパルスP−S2の振幅は50パーセント、第3のサブパルスP−S3の振幅は30パーセントに設定されている。
従って、第2の緩衝ゴム69に向かって逆回動するハンマー67はこれら一連のサブパルスP−S1〜S3によって正方向のトルクを与えられることとなり、一種のブレーキ効果が働いて第2の緩衝ゴム69に衝突する勢いが弱められる。そして、ハンマー67は第2の緩衝ゴム69に衝突しても速やかにバウンドが収束し、第2の発射パルスb2が開始されるまでに消失する。
ここに、ハンマー67の第2の緩衝ゴム69に衝突する勢いは静電容量検出装置48からの最大出力、つまり遊技者がもっとも回動ハンドル43を回動させた状態が最も大きくなる。従って、サブパルスP−S1〜S3は静電容量検出装置48からの最大出力状態におけるハンマー67の第2の緩衝ゴム69に対するバウンドを基準にその振幅や間隔が設定される。
【0025】
t6で再び立ち上がってオン状態となった0.6秒クロック信号S3に同期して球送りソレノイイド58に次の動作電流(第2の球送りパルスa2)が出力される。すなわち、球送りソレノイイド58が再び励磁され次の遊技球が上記と同様にロータリーソレノイド65のハンマー67方向に送られる。第2の球送りパルスa2はt7で立ち下がってオフ状態となる。
t6から0.3秒経過したt8において再び0.6秒クロック信号S3は立ち下がってオフ状態となり、これに同期してロータリーソレノイド65に二回目の動作電流(第2の発射パルスb2)が出力される。すなわち、ハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出される。この動作電流はt9で立ち下がりオフ状態となる。t9の立ち下がりに同期してロータリーソレノイド65に再び一連のサブパルスP−S1〜S3が入力されるためハンマー67は上記一回目の打ち出しと同様の挙動をする。
【0026】
t10〜t11で球送りソレノイイド58に三回目の動作電流(第3の球送りパルスa3)が出力された段階で、t12で遊技者が操作ハンドル39から手を離したためタッチ信号S1が立ち下がってオフ状態となる。すなわち遊技が中止されたわけであるため球送り及び球の打ち出し動作を停止させる必要がある。
t13で再び0.6秒クロック信号S3が立ち下がってオフ状態となると、これに同期してt13〜t14でロータリーソレノイド65に三回目の動作電流(第3の発射パルスb3)が出力される。すなわち、ハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出されるため打ち出し位置には遊技球は残らないこととなる。
【0027】
動作アクティブ信号S2は0.6秒クロック信号S3がオン状態の際にタッチ信号S1がオフ状態となったこと条件として次の0.6秒クロック信号S3の立ち上がり(t15)まで継続される。これは上記のように打ち出し位置には遊技球を残さないためである。従って、0.6秒クロック信号S3がオフ態の際にタッチ信号S1がオフ状態となった場合には次の球送りパルスは出力されないため動作アクティブ信号S2は直ちに立ち下がってオフ状態となる。動作アクティブ信号S2のオフに伴い球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65への信号入力は無くなる。
また、t14〜t15で第1のサブパルスP−S1及び第2のサブパルスP−S2がロータリーソレノイド65に入力されている。本来次の遊技球がないためこれらのサブパルスは本来不要であるが、発射パルスの立ち下がりをトリガーとしてこれらサブパルスが入力されるため残っているわけである。
尚、t12で遊技者が操作ハンドル39から手を離さなければ動作アクティブ信号S2はオン状態を維持するため、0.6秒クロック信号S3も継続し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の作用で0.6秒間隔で継続的に遊技球が打ち出され続ける。
【0028】
このように構成することにより本実施の形態は次のような効果を奏する。
(1)発射パルスが出力されてハンマー67が回動され、第1の緩衝ゴム68に衝突した反動で逆方向に勢いよく戻ってきた際には第1〜第3のサブパルスP−S1〜S3によって正回動方向への正トルクが付与され、一種のブレーキがかかることとなる。そのため、第2の緩衝ゴム69上でのバウンドが抑制され、次の打ち出しまでにほぼ沈静するため打ち出し位置が安定せず打球の速度にむらがでるような不具合が解消される。
【0029】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図12に示す第2のタイミングチャートでは第1〜第3のサブパルスP−S1〜S3の計3つのパルスをロータリーソレノイド65に入力するようになっていたが、これは1つまたは2つでもよく、4つ以上であっても構わない。
・上記第1〜第3のサブパルスP−S1〜S3は徐々に振幅が小さくなっていったが、同じ大きさであっても構わない。
・上記ブレーキ電流E及び第1〜第3のサブパルスP−S1〜S3の振幅の大きさ(つまり電流の供給量)はもちろん変更可能である。この場合に例えば取り付け基盤64上に調整機構として可変抵抗器(ボリューム)をロータリーソレノイド65に併設するようにしてもよい。
・上記打球発射装置のロータリーソレノイド65は初期位置にあるハンマー67を回動させて遊技球を打ち出すような構成のものであったが、ハンマーを常時打ち出し方向にばねで付勢し、ロータリーソレノイドによってハンマーをばね力に抗して打ち出し位置方向に回動させ、ばね力によって遊技球を打ち出すような構成の打球発射装置に応用してももちろん構わない。
・上記実施の形態の実施の形態のタイミングチャートで0.6秒クロック信号S3を用いたのは一分間に100回発射できるように設定したためであって、他の間隔に設定することも自由である。
・本発明はパチンコ機以外にもアレパチ、アレンジボール等の遊技機にも応用可能である等その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【0030】
上記実施の形態から把握できる本発明のその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1)前記サブパルスは前記各打球用パルスの継続時間終了と同時に開始されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(2)前記サブパルスのパルス幅は前記打球用パルスの繰り返し周期において一定レベルで継続的に出力されることを特徴とする付記1に記載の遊技機。
(3)前記サブパルスは前記打球用パルス間において複数回出力されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(4)前記複数のサブパルスは徐々に振幅が小さくなることを特徴とする付記3に記載の遊技機。
(5)前記電力の大きさを調整する調整機構(例えばボリューム)を設けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
(6)前記サブパルスの大きさを調整する調整機構(例えばボリューム)を設けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態のパチンコ機の正面図。
【図2】同じパチンコ機において扉枠を開放した状態の斜視図。
【図3】同じパチンコ機における背面図。
【図4】図9のA−A線における断面図。
【図5】操作ハンドルの斜視図。
【図6】上部カバープレート裏面の球送り機構付近の背面図。
【図7】球送り機構の概略図。
【図8】上部カバープレートを開放したパチンコ機の部分拡大斜視図。
【図9】取り付け基盤の背面に配設された遊技球発射機構の背面図。
【図10】パチンコ機の電気的構成を説明するブロック図。
【図11】第1のタイミングチャート。
【図12】第2のタイミングチャート。
【図13】ロータリーソレノイドの概略図。
【図14】ロータリーソレノイドに出力される従来のパルス図。
【符号の説明】
【0032】
5…遊技盤、9…遊技面、65…ロータリーソレノイド、67…打球桿としてのハンマー。
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に遊技球をロータリーソレノイドを駆動源として打ち出す遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種である例えばパチンコ機においてはロータリーソレノイドを駆動源として遊技球を打球する方式が開発されている。図13に基づいてその機構の概略を説明する。ロータリーソレノイド81の回動軸82にはハンマー83が固着されている。ハンマー83の回動範囲は上部側の第1の緩衝ゴム84と下部側の第2の緩衝ゴム85とにより規制されている。ロータリーソレノイド81は図示しない制御回路からの図14に示すごときパルスに応答して回動軸82を回転させハンマー83を矢印方向に回転させる。そして、ハンマー83の軌道上に供給された遊技球を打球する。打球後ロータリーソレノイド81のトルクは消失するためハンマー83は自重と第1の緩衝ゴム84衝突した反動で逆方向に回転し第2の緩衝ゴム85に突き当たって停止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、ハンマー83は勢いよく第2の緩衝ゴム85に突き当たるため、バウンド現象が生じてしまう。そのため、次のパルスのタイミングまでにバウンド現象が沈静せず、バウンド状態のままでロータリーソレノイド81が駆動されてしまう不具合が生じていた。すなわち、ハンマー83の回転開始位置がバウンドによって定まらず打球の強さが一定しないこととなっていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ハンマーのバウンドを抑えて安定した遊技球の打ち出しを可能とした遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイドと、同ロータリーソレノイドの出力軸に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作する打球桿とを備えた打球発射装置を有し、同回動規制範囲内にて同打球桿に連続的に打球動作を行わせるようにした遊技機において、所定の周期で出力される打球用パルスの繰り返し周期間に同打球用パルスよりも小さな一定の電力を前記ロータリーソレノイドに供給するようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、勢いよく逆回動した打球桿はこの打球用パルスよりも小さな一定の出力によって正回動する正トルクを付与されるため逆回動方向の勢いが弱められる。そのため初期位置での打球桿のバウンドが解消される。
【0005】
請求項2に記載の発明では、打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイドと、同ロータリーソレノイドの出力軸に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作する打球桿とを備えた打球発射装置を有し、同回動規制範囲内にて同打球桿に連続的に打球動作を行わせるようにした遊技機において、所定の周期で出力される打球用パルスの継続時間終了後に同打球用パルスよりも平均振幅の小さなサブパルスを前記ロータリーソレノイドに出力するようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、勢いよく逆回動した打球桿はサブパルスによって正回動する正トルクを付与されるため逆回動方向の勢いが弱められる。そのため初期位置での打球桿のバウンドが解消される。
【発明の効果】
【0006】
請求項1又は2に記載された発明では、打球桿の初期位置でのバウンドが解消されるため遊技球の打ち出し動作が安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明をパチンコ機に応用した実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、以下の説明で前面側或いは表面側とは遊技者が正対する側をいい、後面側或いは背面側とはその反対側をいうものとする。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機の支持枠体としての外枠1は上下左右の各枠板1a〜1dによって四角形に枠組みされた木製の枠体とされている。下部枠板1b上面には幕板2が配設されている。図2に示すように、外枠1にはパチンコ機本体4が装着されている。パチンコ機本体4には遊技盤5が装着されている。図1及び図2に示すように、遊技盤5の前面にはほぼ垂直に配置された遊技面9が形成されている。遊技面9上には内レール10、外レール11、入賞口12及び可変表示装置13等が所定位置に配置された遊技領域14が形成されている。尚、釘については図示が省略されている。遊技盤5の周囲は額縁状の扉枠支持フレーム7にて包囲されている。扉枠支持フレーム7はパチンコ機本体4と一体的に形成されている。扉枠支持フレーム7の上部前面には水平方向に3つのランプ8が配設されている。
【0008】
図3に示すように、遊技盤5の背面側には開閉可能に開閉盤としてのセット盤22がパチンコ機本体4に対して開閉可能に装着されている。セット盤22は上下に配設されたヒンジ部23によってパチンコ機本体4に支持されており、盤面に散点的に配置された開閉ピン26の引き出し及び押し込みによってパチンコ機本体4に着脱される。セット盤22の中央付近には可変表示装置13の制御を行う制御機構としての図柄表示装置ユニット31が配設されている。同ユニット31に隣接して賞球の排出等のパチンコ機の電子的制御を行う制御機構としての制御装置ユニット32が配設されている。同両ユニット31,32の上方には賞球タンク33が配設されている。賞球タンク33の右方には入出力基盤34が配設されている。入出力基盤34の下方には球払い出し機構Pが配設されている。球払い出し機構Pの下方にはセーフ球処理機構Qが配設されている。セット盤22の下方には遊技球発射機構Rが配設されている。遊技球発射機構Rについては後述する。
【0009】
図1及び図2に示すように、遊技盤5の前面には扉枠15が開閉可能に配設されている。扉枠15は閉じた状態で前記扉枠支持フレーム7に当接する。扉枠15はほぼ正方形の外形を有し、中央にほぼ正方形の大型の窓穴16が形成されている。扉枠15上方の上梁19には水平方向に5つの透孔24が形成されている。透孔24は前記扉枠支持フレーム7のランプ8に対応しており、扉枠15を閉じた時に各ランプ8が対応する透孔24内に配置される。上梁19前面には半透明の装飾パネル25が配設され、同透孔24を覆っている。ランプ8の光は同透孔24を通して光透過性の装飾パネル25を明るく照らし出す。左縦枠21には鍵穴27を(図1参照)露出させるための台形の大きな切り欠き28が形成されている。
図2に示すように、扉枠15の背面側には同窓穴16の全周囲に渡って同窓穴16を包囲する金属製の補強フレーム29が配設されている。
【0010】
扉枠15の下方には上部カバープレート35が装着されている。上部カバープレート35はパチンコ機本体4に対して図示しないヒンジ金具によって片持ち支持され同パチンコ機本体4に対して開閉可能とされている。上部カバープレート35は前方に突出形成され、上面に上受け皿36が載置されている。上部カバープレート35の下方には下部カバープレート37が配設されている。下部カバープレート37はパチンコ機本体4に対して固着されている。下部カバープレート37は前方に突出形成され、上面に下受け皿38が載置されている。下受け皿38は主として上受け皿36に貯留しきれなかった遊技球を貯留するものである。下部カバープレート37には灰皿40が装着されている。下受け皿38の右側方には操作ハンドル39が取付けられている。
【0011】
図4及び図5に示すように、操作ハンドル39はハンドル本体41と掌を乗せる半球状の把持部42とを備え、これらハンドル本体41及び把持部42の間に回動ハンドル43が回動可能に配設されている。操作ハンドル39はハンドル本体41にて下部カバープレート37に固定されている。ハンドル本体41には遊技球の単発発射を制御するための操作スイッチ44が形成されている。把持部42には装飾用メッキ層45が形成されている。図4に示すようにハンドル本体41に包囲された下部カバープレート37の前面には可変抵抗器47が配設されている。可変抵抗器47には回動ハンドル43の回動軸43aが接続されている。可変抵抗器47は回動ハンドル43の回動量を検出する。可変抵抗器47に隣接して回動ハンドル43の静電容量の変化を検出する静電容量検出装置48が配設されている。静電容量検出装置48は遊技者が回動ハンドル43のメッキ部分にタッチしているかどうかを検出する。
【0012】
図6に示すように、上部カバープレート35の裏面側には球送り機構55が配設されている。球送り機構55は待機通路56、遊技球供給アーム57及び球送りソレノイイド58を主要構成部材として構成されている。待機通路56や球送りソレノイイド58等は収納ケース52内に収納されている。待機通路56には上部カバープレート35の上受け皿36から通路51を通って供給された遊技球が一列に整列して待機する。遊技球供給アーム57は待機通路56の側方(図6では左方)に配設されており、回動軸59を中心に回動可能とされている。遊技球供給アーム57には待機通路56先端の1つの遊技球だけを保持するホルダー60と、回動軸59を挟んで同ホルダー60と対向する位置に形成されたカンチレバー61とを備えている。カンチレバー61の上方に配設された球送りソレノイイド58は励磁及び消磁によって出没するロッド62を備えている。
図8に示すように球送り機構55に正対するパチンコ機本体4位置(つまり上部カバープレート35の裏面に正対する位置)には内レール10及び外レール11間に打ち出された遊技球を導く発射レール63が配設されている。
このような球送り機構55では球送りソレノイイド58が励磁されてロッド62が下方に突出するとカンチレバー61が押動されて遊技球供給アーム57は図7に示すように回動軸59を中心に上方向に揺動する。そして、待機通路56の最先端の遊技球をホルダー60に収納する。ついで、球送りソレノイイド58が消磁されるとホルダー60は自重で下方向に揺動しホルダー60に収納された遊技球を発射レール63下端の打ち出し位置方向に送り出す。
【0013】
図4及び図9に示すように、遊技球発射機構Rはパチンコ機本体4に取着された取り付け基盤64に形成されている。取り付け基盤64にはロータリーソレノイド65が配設されている。ロータリーソレノイド65の回動軸66は取り付け基盤64の裏面側に突設され、同回動軸66にはハンマー67が固着されている。ハンマー67の先端には遊技球を弾発する硬質ゴム製のヘッド67aが装着されている。取り付け基盤64の裏面側であってロータリーソレノイド65の上方には第1の緩衝ゴム68が配設されており、ロータリーソレノイド65の左方には第2の緩衝ゴム69が配設されている。ロータリーソレノイド65が消磁状態にある場合にはハンマー67は自重で倒伏して第2の緩衝ゴム69上に載置される。一方、励磁された場合には第1の緩衝ゴム68方向に回動し(この方向を正回動方向とする)、第1の緩衝ゴム68に突き当たってそれ以上の回動が規制される。図3及び図4に示すようにロータリーソレノイド65の後方にはロータリーソレノイド65及び球送りソレノイイド58への給電を制御する給電制御装置70が配設されている。
【0014】
次にこのように構成されたパチンコ機の電気的構成について説明する。
図10に示すように、制御装置ユニット32内にはリードオンリーメモリ(ROM)71、ランダムアクセスメモリ(RAM)72、中央処理装置(CPU)73が配設されている。第1の主記憶装置としてのROM71はパチンコ機の種々の制御プログラム、更に各プログラムを実行するための初期データをあらかじめ記憶する。第2の主記憶装置としてのRAM72は新たな入力データやCPU73による演算結果を一旦記憶する。CPU73には可変抵抗器47、静電容量検出装置48が接続されるとともに球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65を駆動させるドライバとしての給電制御装置70が接続されている。CPU73はROM71及びRAM72のプログラムやデータ、更に可変抵抗器47、静電容量検出装置48の検出値等に基づいて各種演算処理を実行し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65を制御する。また、CPU73にはタイマ回路75が接続され、同タイマ回路75に基づいて球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65のタイミングが取られている。尚、CPU73は前記可変表示装置13、球払い出し機構P及びセーフ球処理機構Qの図示しない電磁ソレノイドやモータ等も制御するが本実施の形態ではその説明は省略する。
【0015】
次に図11に示すCPU73により実行される第1のタイミングチャートに基づいて球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の動作タイミングと実際のハンマー67の動作を説明する。尚、タッチ信号S1、動作アクティブ信号S2及び0.6秒クロック信号S3の振幅方向は電圧値を示し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の振幅方向は電流値を示している。遊技者が操作ハンドル39の回動ハンドル43にタッチすると静電容量検出装置48からの出力に基づいてt1においてタッチ信号S1が立ち上がりオン状態となる。同時に動作アクティブ信号S2も立ち上がりオン状態となり、また、動作アクティブ信号S2の立ち上げをトリガーとして微弱なブレーキ電流Eがオン状態となりロータリーソレノイド65に給電が開始される。このブレーキ電流Eはハンマー67を回動させるほどの励磁をロータリーソレノイド65に与えるものではないが、ハンマー67に一定の正トルクを与えることとなる。
【0016】
0.6秒クロック信号S3は0.6秒の周期(実際には機種によって若干の設定値の違いがある)で繰り返し出力される信号であって、t1における動作アクティブ信号S2の立ち上げをトリガーとして0.3秒経過後に立ち上がってオン状態となる。すると、これに同期して球送りソレノイイド58への動作電流が立ち上がりオン状態となる。すなわち、第1の球送りパルスa1が入力され、球送りソレノイイド58が励磁されて上記のように遊技球供給アーム57が揺動されて遊技球がロータリーソレノイド65のハンマー67方向に送られる。球送りソレノイイド58はt3で立ち下がりオフ状態となる。以下、球送りソレノイイド58の動作電流は0.6秒クロック信号S3の立ち上がり(オン状態の開始)に同期して立ち上がる。
一方、t2から0.3秒経過したt4において0.6秒クロック信号S3は立ち下がりオフ状態となる。以下0.6秒クロック信号S3は0.6秒周期でオン・オフが繰り返される。0.6秒クロック信号S3の立ち下がりに同期してロータリーソレノイド65への動作電流が立ち上がりオン状態となる。すなわち第1の発射パルスb1がロータリーソレノイド65に入力されハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出される。このように、球送りソレノイイド58とロータリーソレノイド65との駆動開始時間にタイムラグがあるのは遊技球が遊技球供給アーム57からハンマー67の打ち出し位置に至る時間を考慮したものである。
また、このときCPU73は可変抵抗器47からの検出信号に基づいて第1の発射パルスb1の振幅を決定する。すなわち、遊技者が大きく回動ハンドル43を回動させればより大きな動作電流がロータリーソレノイド65に供給される。以下、ロータリーソレノイド65の動作電流は0.6秒クロック信号S3の立ち下がり(オフ状態の開始)に同期して立ち上がる。
尚、第1の発射パルスb1(以下の発射パルスも同様)はロータリーソレノイド65のトルク制御のし易さを考慮してごくパルス幅の小さな複数のパルスによって構成されている。
【0017】
動作電流(第1の発射パルスb1)によって励磁され勢いよく回動したハンマー67は遊技球を打ち出した後、第1の緩衝ゴム68に当接して跳ね返り、勢いよく第2の緩衝ゴム69方向に向かって逆回動する。
しかし、t5の立ち下がりをトリガーとして(つまり動作電流としての第1の発射パルスb1がオフ状態になると同時に)ロータリーソレノイド65に再び微弱なブレーキ電流Eが入力される。従って、第2の緩衝ゴム69に向かって逆回動するハンマー67はこのブレーキ電流Eによって正方向のトルクを与えられることとなり、一種のブレーキ効果が働いて第2の緩衝ゴム69に衝突する勢いが弱められる。そして、ハンマー67は第2の緩衝ゴム69に衝突しても速やかにバウンドが収束し、第2の発射パルスb2が開始されるまでに消失する。
ここに、ハンマー67の第2の緩衝ゴム69に衝突する勢いは静電容量検出装置48からの最大出力、つまり遊技者がもっとも回動ハンドル43を回動させた状態が最も大きくなる。従って、ブレーキ電流Eは静電容量検出装置48からの最大出力状態におけるハンマー67の第2の緩衝ゴム69に対するバウンドを基準に設定される。
【0018】
t6で再び立ち上がってオン状態となった0.6秒クロック信号S3に同期して球送りソレノイイド58に次の動作電流(第2の球送りパルスa2)が出力される。すなわち、球送りソレノイイド58が再び励磁され次の遊技球が上記と同様にロータリーソレノイド65のハンマー67方向に送られる。第2の球送りパルスa2はt7で立ち下がってオフ状態となる。
t6から0.3秒経過したt8において再び0.6秒クロック信号S3は立ち下がってオフ状態となり、これに同期してロータリーソレノイド65に二回目の動作電流(第2の発射パルスb2)が入力される。すなわち、ハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出される。この動作電流はt9で立ち下がりオフ状態となる。t9の立ち下がりに同期してロータリーソレノイド65に再び微弱なブレーキ電流Eが入力されるためハンマー67は上記一回目の打ち出しと同様の挙動をする。
【0019】
t10〜t11で球送りソレノイイド58に三回目の動作電流(第3の球送りパルスa3)が入力された段階で、t12で遊技者が操作ハンドル39から手を離したためタッチ信号S1が立ち下がってオフ状態となる。すなわち遊技が中止されたわけであるため球送り及び球の打ち出し動作を停止させる必要がある。
t13で再び0.6秒クロック信号S3が立ち下がってオフ状態となると、これに同期してt13〜t14でロータリーソレノイド65に三回目の動作電流(第3の発射パルスb3)が入力される。すなわち、ハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出されるため打ち出し位置には遊技球は残らないこととなる。
【0020】
動作アクティブ信号S2は0.6秒クロック信号S3がオン状態の際にタッチ信号S1がオフ状態となったことを条件として次の0.6秒クロック信号S3の立ち上がり(t15)まで継続される。これは上記のように打ち出し位置には遊技球を残さないためである。従って、0.6秒クロック信号S3がオフ状態の際にタッチ信号S1がオフ状態となった場合には次の球送りパルスは出力されないため動作アクティブ信号S2は直ちに立ち下がってオフ状態となる。動作アクティブ信号S2のオフに伴い球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65への信号入力は無くなる。
尚、t12で遊技者が操作ハンドル39から手を離さなければ動作アクティブ信号S2はオン状態を維持するため、0.6秒クロック信号S3も継続し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の作用で0.6秒間隔で継続的に遊技球が打ち出され続ける。
【0021】
このように構成することにより本実施の形態は次のような効果を奏する。
(1)発射パルスが出力されてハンマー67が回動され、第1の緩衝ゴム68に衝突した反動で逆方向に勢いよく戻ってきた際にはブレーキ電流Eによって正回動方向への正トルクが付与され、一種のブレーキがかかることとなる。そのため、第2の緩衝ゴム69上でのバウンドが抑制され、次の打ち出しまでにほぼ沈静するため打ち出し位置が安定せず打球の速度にむらがでるような不具合が解消される。
(2)ブレーキ電流Eは静電容量検出装置48からの最大出力状態における最も勢いよくハンマー67が回動する場合の動作電流(発射パルス)を基準としているため、ハンマー67の勢いが強すぎて次の打ち出しまでにバウンドが収まらないということがない。
(3)発射パルスが出力される時以外は常時ブレーキ電流Eがハンマー67を回動させない程度のトルクをロータリーソレノイド65に付与しているため、発射パルス出力時のハンマー67の回動速度がブレーキ電流Eを付与していない時に比べ速くなり、遊技球のより強い打ち出しが可能となっている。
【0022】
次に図12に示すCPU73により実行される第2のタイミングチャートに基づいて球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の動作タイミングと実際のハンマー67の動作を説明する。尚、タッチ信号S1、動作アクティブ信号S2及び0.6秒クロック信号S3の振幅方向は電圧値を示し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の振幅方向は電流値を示している。遊技者が操作ハンドル39の回動ハンドル43にタッチすると静電容量検出装置48からの出力に基づいてt1においてタッチ信号S1が立ち上がりオン状態となる。同時に動作アクティブ信号S2も立ち上がりオン状態となる。
【0023】
0.6秒クロック信号S3は0.6秒の周期(実際には機種によって若干の設定値の違いがある)で繰り返し出力される信号であって、t1における動作アクティブ信号S2の立ち上げをトリガーとして0.3秒経過後に立ち上がってオン状態となる。すると、これに同期して球送りソレノイイド58への動作電流が立ち上がりオン状態となる。すなわち、第1の球送りパルスa1が入力され、球送りソレノイイド58が励磁されて上記のように遊技球供給アーム57が揺動されて遊技球がロータリーソレノイド65のハンマー67方向に送られる。球送りソレノイイド58はt3で立ち下がりオフ状態となる。以下、球送りソレノイイド58の動作電流は0.6秒クロック信号S3の立ち上がり(オン状態の開始)に同期して立ち上がる。
一方、t2から0.3秒経過したt4において0.6秒クロック信号S3は立ち下がりオフ状態となる。以下0.6秒クロック信号S3は0.6秒周期でオン・オフが繰り返される。0.6秒クロック信号S3の立ち下がりに同期してロータリーソレノイド65への動作電流が立ち上がりオン状態となる。すなわち第1の発射パルスb1がロータリーソレノイド65に入力されハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出される。このように、球送りソレノイイド58とロータリーソレノイド65との駆動開始時間にタイムラグがあるのは遊技球が遊技球供給アーム57からハンマー67の打ち出し位置に至る時間を考慮したものである。
また、このときCPU73は可変抵抗器47からの検出信号に基づいて第1の発射パルスb1の振幅を決定する。すなわち、遊技者が大きく回動ハンドル43を回動させればより大きな動作電流がロータリーソレノイド65に供給される。以下、ロータリーソレノイド65の動作電流は0.6秒クロック信号S3の立ち下がり(オフ状態の開始)に同期して立ち上がる。
尚、第1の発射パルスb1(以下の発射パルスも同様)はロータリーソレノイド65のトルク制御のし易さを考慮してごくパルス幅の小さな複数のパルスによって構成されている。
【0024】
動作電流(第1の発射パルスb1)によって励磁され勢いよく回動したハンマー67は遊技球を打ち出した後、第1の緩衝ゴム68に当接して跳ね返り、勢いよく第2の緩衝ゴム69方向に向かって逆回動する。
しかし、t5の立ち下がりをトリガーとして(つまり動作電流としての第1の発射パルスb1がオフ状態になると同時に)0.1秒後に第1のサブパルスP−S1が極短いパルス幅で入力される。続いて、同じパルス幅で0.2秒後に第2のサブパルスP−S2が入力され、0.3秒後に同じパルス幅で第3のサブパルスP−S3が極短いパルス幅で入力される。第1のサブパルスP−S1の振幅は最大振幅と同等とされ、この第1のサブパルスP−S1の振幅に対して第2のサブパルスP−S2の振幅は50パーセント、第3のサブパルスP−S3の振幅は30パーセントに設定されている。
従って、第2の緩衝ゴム69に向かって逆回動するハンマー67はこれら一連のサブパルスP−S1〜S3によって正方向のトルクを与えられることとなり、一種のブレーキ効果が働いて第2の緩衝ゴム69に衝突する勢いが弱められる。そして、ハンマー67は第2の緩衝ゴム69に衝突しても速やかにバウンドが収束し、第2の発射パルスb2が開始されるまでに消失する。
ここに、ハンマー67の第2の緩衝ゴム69に衝突する勢いは静電容量検出装置48からの最大出力、つまり遊技者がもっとも回動ハンドル43を回動させた状態が最も大きくなる。従って、サブパルスP−S1〜S3は静電容量検出装置48からの最大出力状態におけるハンマー67の第2の緩衝ゴム69に対するバウンドを基準にその振幅や間隔が設定される。
【0025】
t6で再び立ち上がってオン状態となった0.6秒クロック信号S3に同期して球送りソレノイイド58に次の動作電流(第2の球送りパルスa2)が出力される。すなわち、球送りソレノイイド58が再び励磁され次の遊技球が上記と同様にロータリーソレノイド65のハンマー67方向に送られる。第2の球送りパルスa2はt7で立ち下がってオフ状態となる。
t6から0.3秒経過したt8において再び0.6秒クロック信号S3は立ち下がってオフ状態となり、これに同期してロータリーソレノイド65に二回目の動作電流(第2の発射パルスb2)が出力される。すなわち、ハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出される。この動作電流はt9で立ち下がりオフ状態となる。t9の立ち下がりに同期してロータリーソレノイド65に再び一連のサブパルスP−S1〜S3が入力されるためハンマー67は上記一回目の打ち出しと同様の挙動をする。
【0026】
t10〜t11で球送りソレノイイド58に三回目の動作電流(第3の球送りパルスa3)が出力された段階で、t12で遊技者が操作ハンドル39から手を離したためタッチ信号S1が立ち下がってオフ状態となる。すなわち遊技が中止されたわけであるため球送り及び球の打ち出し動作を停止させる必要がある。
t13で再び0.6秒クロック信号S3が立ち下がってオフ状態となると、これに同期してt13〜t14でロータリーソレノイド65に三回目の動作電流(第3の発射パルスb3)が出力される。すなわち、ハンマー67が回動して遊技球供給アーム57から供給された遊技球が打ち出されるため打ち出し位置には遊技球は残らないこととなる。
【0027】
動作アクティブ信号S2は0.6秒クロック信号S3がオン状態の際にタッチ信号S1がオフ状態となったこと条件として次の0.6秒クロック信号S3の立ち上がり(t15)まで継続される。これは上記のように打ち出し位置には遊技球を残さないためである。従って、0.6秒クロック信号S3がオフ態の際にタッチ信号S1がオフ状態となった場合には次の球送りパルスは出力されないため動作アクティブ信号S2は直ちに立ち下がってオフ状態となる。動作アクティブ信号S2のオフに伴い球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65への信号入力は無くなる。
また、t14〜t15で第1のサブパルスP−S1及び第2のサブパルスP−S2がロータリーソレノイド65に入力されている。本来次の遊技球がないためこれらのサブパルスは本来不要であるが、発射パルスの立ち下がりをトリガーとしてこれらサブパルスが入力されるため残っているわけである。
尚、t12で遊技者が操作ハンドル39から手を離さなければ動作アクティブ信号S2はオン状態を維持するため、0.6秒クロック信号S3も継続し、球送りソレノイイド58及びロータリーソレノイド65の作用で0.6秒間隔で継続的に遊技球が打ち出され続ける。
【0028】
このように構成することにより本実施の形態は次のような効果を奏する。
(1)発射パルスが出力されてハンマー67が回動され、第1の緩衝ゴム68に衝突した反動で逆方向に勢いよく戻ってきた際には第1〜第3のサブパルスP−S1〜S3によって正回動方向への正トルクが付与され、一種のブレーキがかかることとなる。そのため、第2の緩衝ゴム69上でのバウンドが抑制され、次の打ち出しまでにほぼ沈静するため打ち出し位置が安定せず打球の速度にむらがでるような不具合が解消される。
【0029】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図12に示す第2のタイミングチャートでは第1〜第3のサブパルスP−S1〜S3の計3つのパルスをロータリーソレノイド65に入力するようになっていたが、これは1つまたは2つでもよく、4つ以上であっても構わない。
・上記第1〜第3のサブパルスP−S1〜S3は徐々に振幅が小さくなっていったが、同じ大きさであっても構わない。
・上記ブレーキ電流E及び第1〜第3のサブパルスP−S1〜S3の振幅の大きさ(つまり電流の供給量)はもちろん変更可能である。この場合に例えば取り付け基盤64上に調整機構として可変抵抗器(ボリューム)をロータリーソレノイド65に併設するようにしてもよい。
・上記打球発射装置のロータリーソレノイド65は初期位置にあるハンマー67を回動させて遊技球を打ち出すような構成のものであったが、ハンマーを常時打ち出し方向にばねで付勢し、ロータリーソレノイドによってハンマーをばね力に抗して打ち出し位置方向に回動させ、ばね力によって遊技球を打ち出すような構成の打球発射装置に応用してももちろん構わない。
・上記実施の形態の実施の形態のタイミングチャートで0.6秒クロック信号S3を用いたのは一分間に100回発射できるように設定したためであって、他の間隔に設定することも自由である。
・本発明はパチンコ機以外にもアレパチ、アレンジボール等の遊技機にも応用可能である等その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【0030】
上記実施の形態から把握できる本発明のその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1)前記サブパルスは前記各打球用パルスの継続時間終了と同時に開始されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(2)前記サブパルスのパルス幅は前記打球用パルスの繰り返し周期において一定レベルで継続的に出力されることを特徴とする付記1に記載の遊技機。
(3)前記サブパルスは前記打球用パルス間において複数回出力されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(4)前記複数のサブパルスは徐々に振幅が小さくなることを特徴とする付記3に記載の遊技機。
(5)前記電力の大きさを調整する調整機構(例えばボリューム)を設けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
(6)前記サブパルスの大きさを調整する調整機構(例えばボリューム)を設けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態のパチンコ機の正面図。
【図2】同じパチンコ機において扉枠を開放した状態の斜視図。
【図3】同じパチンコ機における背面図。
【図4】図9のA−A線における断面図。
【図5】操作ハンドルの斜視図。
【図6】上部カバープレート裏面の球送り機構付近の背面図。
【図7】球送り機構の概略図。
【図8】上部カバープレートを開放したパチンコ機の部分拡大斜視図。
【図9】取り付け基盤の背面に配設された遊技球発射機構の背面図。
【図10】パチンコ機の電気的構成を説明するブロック図。
【図11】第1のタイミングチャート。
【図12】第2のタイミングチャート。
【図13】ロータリーソレノイドの概略図。
【図14】ロータリーソレノイドに出力される従来のパルス図。
【符号の説明】
【0032】
5…遊技盤、9…遊技面、65…ロータリーソレノイド、67…打球桿としてのハンマー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイドと、同ロータリーソレノイドの出力軸に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作する打球桿とを備えた打球発射装置を有し、同回動規制範囲内にて同打球桿に連続的に打球動作を行わせるようにした遊技機において、
所定の周期で出力される打球用パルスの繰り返し周期間に同打球用パルスよりも小さな一定の電力を前記ロータリーソレノイドに供給するようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイドと、同ロータリーソレノイドの出力軸に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作する打球桿とを備えた打球発射装置を有し、同回動規制範囲内にて同打球桿に連続的に打球動作を行わせるようにした遊技機において、
所定の周期で出力される打球用パルスの継続時間終了後に同打球用パルスよりも平均振幅の小さなサブパルスを前記ロータリーソレノイドに出力するようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項1】
打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイドと、同ロータリーソレノイドの出力軸に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作する打球桿とを備えた打球発射装置を有し、同回動規制範囲内にて同打球桿に連続的に打球動作を行わせるようにした遊技機において、
所定の周期で出力される打球用パルスの繰り返し周期間に同打球用パルスよりも小さな一定の電力を前記ロータリーソレノイドに供給するようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
打球用パルス出力に基づいて駆動するロータリーソレノイドと、同ロータリーソレノイドの出力軸に固着され所定の回動規制範囲内にて回動動作する打球桿とを備えた打球発射装置を有し、同回動規制範囲内にて同打球桿に連続的に打球動作を行わせるようにした遊技機において、
所定の周期で出力される打球用パルスの継続時間終了後に同打球用パルスよりも平均振幅の小さなサブパルスを前記ロータリーソレノイドに出力するようにしたことを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−196022(P2007−196022A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121384(P2007−121384)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【分割の表示】特願2000−266411(P2000−266411)の分割
【原出願日】平成12年9月4日(2000.9.4)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【分割の表示】特願2000−266411(P2000−266411)の分割
【原出願日】平成12年9月4日(2000.9.4)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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