説明

遊技機

【課題】「透明型の遊技機」において、遊技盤、若しくは、その構成部分の汎用性を高める。
【解決手段】遊技盤10と、画像表示部を有する画像表示装置を備える。遊技盤が、前面部に遊技領域が形成され、盤部品が装着される前方板状部500と、前後に貫通する第1の貫通部611を具備し、前面部にセル画部Gが設けられる中間板状部600と、前後に貫通し、第1の貫通部611と前後に連通する第2の貫通部711を具備する後方板状部700とを着脱可能に積層して構成される。前方板状部500において、少なくとも、セル画部Gの前方に位置する部位と、第1の貫通部611の前方に位置する部位とが透明部とされ、画像表示部が、第1の貫通部611及び第2の貫通部711によって遊技盤10の前方から視認可能な状態とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機に適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機は、例えば、(1)パチンコホールの島設備の設置部位に固定される外枠と、(2)この外枠の左右方向に沿った一側に開閉自在に取り付けられるベース枠部材(中枠と称する枠状の部材である。)と、(3)このベース枠部材の保持部によって、前面部を前方(つまり、遊技者の方向)に向けた状態で、しかも、着脱自在な状態に保持される遊技盤と、(4)遊技盤の前面部を覆うガラス板を具備するガラス扉枠(前面枠)と、(5)ベース枠部材(中枠)の前面部のうちで遊技盤の保持位置よりも下方側の部位に開閉自在に取り付けられると共に、遊技機内から排出される遊技球を貯留するための上皿部材等を備えている。
【0003】
この遊技盤の前面部には、種々の盤部品(例えば、レール部材、各種の入賞装置、入球ゲート、障害釘、風車、ランプ装置等)が装着されている。つまり、この遊技盤の前面部には、「外側レールと内側レールとを備えるレール部材」が前方に突出する状態に配置される。即ち、遊技盤の前面部には、(A)長尺な帯状板(一般には、金属製)を、開口部を下方若しくは側方に向けた略円弧形状(Cの字状)としつつ配置して構成される外側レールと、(B)外側レールの配置箇所の内側において、長尺な帯状板(一般には、金属製)を、開口部を上方に向けた略円弧形状(Cの字状)としつつ配置して構成される内側レールと、が配設される。
【0004】
そして、この遊技盤の前面部において、外側レールと内側レールとが、略円形若しくは、略楕円形に略取り囲む部位が遊技領域と称される。また、遊技盤の前面部の左端側において、外側レールと内側レールとの間に形成される球通路が、誘導通路と称される。更に、遊技領域内において、最下部にアウト口が設けられ、この最下部よりも上方の位置に、各種の入賞装置(大入賞装置、始動入賞装置、その他の入賞装置等)、入球ゲート、画像表示装置、障害釘等が配設されている。ここで、画像表示装置とは、遊技に関連する画像を表示するための表示装置であって、例えば、液晶表示装置によって構成される。更に、遊技盤の前面部において、遊技領域内の部位には風車や障害釘等が装着され、遊技盤の前面部において、遊技領域内の部位や遊技領域外の部位には、ランプ装置等が装着される。
【0005】
また、ベース枠部材の前方であって、遊技盤の下方の部位には、発射装置と、左上がり傾斜状の発射レールとが配置されている。そして、この弾球遊技機においては、発射装置から打ち出された遊技球が、発射レールに沿って上昇し、更に、誘導通路を経て遊技盤の左上部に導かれる。そして、この遊技球は、内側レールの左上端部と、外側レールの左上端部との間に形成される入口部を通じて遊技領域内に放出され、この遊技領域を流下する構成とされている。
【0006】
更に、この種の弾球遊技機は、当該遊技機の遊技状態を通常遊技状態から大当り遊技状態(つまり、特別遊技状態)に移行させるか否かの判定(以下、「当否判定」ということがある。)を行う判定手段と、この判定の結果を示す判定結果の確定表示等を行う判定結果表示手段と、を備えている。尚、(a)専用の表示装置(前述の画像表示装置とは別の表示装置の意味で用いる。)、若しくは、(b)前述の画像表示装置が、「判定結果表示手段」として機能してもよいし、(c)専用の表示装置及び画像表示装置の双方が、「判定結果表示手段」として機能してもよい。
【0007】
この「判定結果表示手段」によって、大当り表示(当否判定の結果が、大当りであったことを示す表示)がなされると、遊技機の遊技状態が「通常遊技状態」から「大当り遊技状態」に移行する。そして、遊技機の遊技状態が「大当り遊技状態」に移行すると、「大入賞装置」の状態が、所定の態様に従って、「遊技球を受け入れ可能な状態」、若しくは、「遊技球を受け入れ容易な状態」に変化する。
【0008】
ところで、この種の遊技機を、(1)不透明な素材(合板)を用いて構成される遊技盤を備える遊技機(以下、「一般型の遊技機」という。)と、(2)透明な素材(透明板)を用いて構成される遊技盤を備える遊技機(以下、「透明型の遊技機」という。)と、に大別することができる。このうち、後者の「透明型の遊技機」としては、遊技盤を光透過性を有する合成樹脂で形成し、この遊技盤の前面部にレール部材、障害釘、入賞装置等の盤部品を装着すると共に、この遊技盤の背後に電飾装置(ランプ装置等)は配置した遊技機が開示されている(「特許文献1」を参照、以下、「従来例」という。)。尚、本明細書において、「透明型の遊技機」という場合は、遊技盤全体が透明である場合(例えば、従来例の場合)のみならず、遊技盤の一部(特に、前面部側)が透明である場合(例えば、後述する実施例の場合)も含むことととする。
【特許文献1】特開平10−179854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この従来例に係る遊技機においては、以下の点で改良の余地ある。つまり、この従来例には、「基盤上に化粧板を接合(超音波融着等)して構成される遊技盤」が開示されている。このうち、この基盤は、光透過性を有する合成樹脂を用いて構成されている。また、化粧板は、透明な合成樹脂製フィルムからなると共に裏面に、当該遊技機の機種に対応する特定のセル画(特定のキャラクター等)が印刷された表面層と、この表面層の裏側に接着等によって一体化された裏打層と、を備えている。更に、この遊技盤の前面部には、当該遊技機の機種に対応した特定の態様の盤部品(特定の種類、数、配置間隔の盤部品)が装着されている。
【0010】
即ち、この従来例においては、遊技盤を、セル画が埋設状に形成された状態に、しかも、「構成部分(基盤、表面層、裏打層)への分割が不可能な状態」に作製した後、この遊技盤の前面部に特定の態様の盤部品が装着される。このため、遊技機の製造現場(製造メーカ)においては、遊技機の機種が変更される度(当該遊技機が扱う、キャラクター等が変更される度)に、遊技盤全体を変更することが必要となる。
【0011】
従って、この従来例においては、例えば、ユーザ(パチンコホール等)における購入予定の変更(キャンセル等)等を生ずると、遊技盤全体が、「もはや、使用される可能性の無い、無駄な在庫(以下、不良在庫という。)」となる可能性がある。つまり、特定の機種の遊技機を構成する遊技盤(例えば、特定キャラクターがあしらわれた遊技盤)を所定数、製造したが、事後的な事情変更(キャンセル等)により、特定数の遊技盤が使用されず、不良在庫となる場合がある。この場合、この遊技盤全体が使用されず、廃棄されることになるため、資源の無駄を生じたり、相当量の廃棄物(特に、リサイクルが困難な樹脂製の廃棄物)を生ずることになる。
【0012】
よって、「透明型の遊技機」においては、遊技盤に対して適切な改良を施し、遊技盤全体、若しくは、その構成部分の汎用性を高め、資源の有効利用や廃棄物の減量化を図ることが望ましい。尚、不良在庫となる遊技盤において、構成部品の再利用(他の機種の遊技機への転用)を図ろうとする場合、通常、その手間が多くなる。つまり、遊技盤の前面部に装着された盤部品や、遊技盤の背面部に装着される背面部品(球通路を構成するための部品、ランプ装置、基板等)を使用するためには、盤部品や背面部品を一律に遊技盤から取り外す必要があるからである。
【0013】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、「透明型の遊技機」において、遊技盤、若しくは、その構成部分の汎用性を高めることである。
【0014】
本発明の他の目的は、「透明型の遊技機」において、構成部品の円滑な再利用を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の遊技機は、
遊技盤と、所定の画像を表示するための画像表示部を有する画像表示装置と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤が、
略板状体を用いて構成されると共に前面部に遊技領域が形成され、所定の盤部品が装着される前方板状部と、
該前方板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通する第1の貫通部を具備すると共に、前面部にセル画部が設けられる中間板状部と、
該中間板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通すると共に、前記第1の貫通部と前後に連通する第2の貫通部を具備する後方板状部と、
を着脱可能に積層して構成され、
前記前方板状部において、少なくとも、前記セル画部の前方に位置する部位と、前記第1の貫通部の前方に位置する部位と、が透明部とされ、
前記画像表示部が、前記第1の貫通部及び前記第2の貫通部によって前記遊技盤の前方から視認可能な状態とされることを特徴とする。
【0016】
請求項1の発明では、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部と、を着脱可能に積層して、遊技盤を構成するため、遊技盤、若しくは、その構成部分の汎用性を高めたり、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。例えば、特定機種の遊技盤を不良在庫として抱えそうになったとしても、「中間板状部のみ」、若しくは、「前方板状部及び中間板状部」を交換すれば、当該遊技盤を、別機種の遊技盤として使用することができる。
【0017】
より具体的には、盤部品の構成や配置の変更を要求されない場合は、中間板状部のみを、異なるセル画部(異なるセル画が描かれたセル画部)を備えるものに交換すれば、当該遊技盤を、別機種の遊技盤として使用することができる(以下、「第1の転用態様」という。)。また、盤部品の構成や配置の変更を要求される場合は、中間板状部を異なるセル画部を備えるものに交換すると共に、前方板状部を、盤部品の構成や配置が異なるものに交換することで、別機種の遊技盤として使用することができる(以下、「第2の転用態様」という。)。
【0018】
即ち、第1の転用態様によると、特定数の遊技盤が不良在庫になりかけた場合、前方板状部及び後方板状部を、他の機種の遊技機を構成する遊技盤に転用できる。また、第2の転用態様によると、特定数の遊技盤が不良在庫になりかけた場合、後方板状部を、他の機種の遊技機を構成する遊技盤に転用できる。従って、請求項1の発明によると、遊技盤、若しくは、その構成部分の汎用性を高めることができる。
【0019】
また、第1の転用態様においては、盤部品を、前方板状部に装着されたままの状態で転用でき、背面部品(球通路を構成するための部品等)を、後方板状部に装着されたままの状態で転用できる。更に、第2の転用態様においては、背面部品(球通路を構成するための部品等)を、後方板状部に装着されたままの状態で転用できる。従って、請求項1の発明によると、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。
【0020】
よって、請求項1の発明によると、所謂「セル替(つまり、セル画の異なる遊技機への機種変更)」を簡易かつ安価に行い、不良在庫を抱えそうになった場合のリスクを、少なくすることができる。
【0021】
また、請求項1の発明では、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部と、を着脱可能に積層して、遊技盤を構成するため、「透明型の遊技機」において、その製造作業の効率化を図ることができる。例えば、特定の製造メーカが製造する「複数の機種」において、前方板状部の共通化と、後方板状部の共通化とを図れば、機種変更時には、中間板状部のみを新たに設計・製造等すればよいため、遊技機の製造作業の効率化を図ることもできる。特に、中間板状部を社外(協力会社)にて製造する場合、製造メーカにおいては、遊技盤の作製に際し、共通部品としての前方板状部及び後方板状部と、機種毎に変更される中間板状部と、の組立作業を行えば足りるため、遊技機の製造作業が更に効率的なものとなる。
【0022】
また、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部との各々を異なる業者が製造することとすれば、遊技機の製造作業が、更により一層、効率的なものとなる。つまり、この場合、前方板状部に盤部品を装着する作業、後方板状部に背面部品を装着する作業等、「手間の掛かる作業」が、複数業者の分業作業となるため、遊技機の製造作業が、更により一層、効率的なものとなる。
【0023】
請求項2に記載の遊技機は、
遊技盤と、所定の画像を表示するための画像表示部を有する画像表示装置と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤が、
略板状体を用いて構成されると共に前面部に遊技領域が形成され、所定の盤部品が装着される前方板状部と、
該前方板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通する第1の貫通部を具備すると共に、所定の遊技機部品を収納するための凹部を、後方に開口する状態に備える中間板状部と、
該中間板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通すると共に、前記第1の貫通部と前後に連通する第2の貫通部を具備する後方板状部と、
を着脱可能に積層して構成され、
前記前方板状部において、少なくとも、前記第1の貫通部の前方に位置する部位が透明部とされ、
前記画像表示部を、前記第1の貫通部及び前記第2の貫通部によって前記遊技盤の前方から視認可能な状態とされることを特徴とする。
【0024】
請求項2の発明においても、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部と、を着脱可能に積層して、遊技盤を構成するため、遊技盤、若しくは、その構成部分の汎用性を高めたり、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。例えば、特定機種の遊技盤を不良在庫として抱えそうになったとしても、「中間板状部のみ」、若しくは、「前方板状部及び中間板状部」を交換すれば、当該遊技盤を、別機種の遊技盤として使用することができる。また、請求項2の発明によっても、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。よって、請求項2の発明によっても、所謂「セル替」を簡易かつ安価に行い、不良在庫を抱えそうになった場合のリスクを、少なくすることができる。
【0025】
更に、請求項2の発明によっても、「透明型の遊技機」において、その製造作業の効率化を図ることができる。また、中間板状部を社外(協力会社)にて製造する場合、遊技機の製造メーカにおいては、遊技盤の作製に際し、共通部品としての前方板状部及び後方板状部と、機種毎に変更される中間板状部と、の組立作業を行えば足りるため、遊技機の製造作業が更に効率的なものとなる。更に、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部との各々を異なる業者が製造することとすれば、遊技機の製造作業が、更により一層、効率的なものとなる。
【0026】
加えて、請求項2の発明によると、「遊技盤の背後の空きスペース」を拡大することができる。即ち、前述の「従来例」では、遊技盤の背後、換言すると、遊技盤の背面部よりも後方に離間する位置にランプ装置を配置するため、その分、「遊技盤の背後の空きスペース」が減少する。このため、遊技盤の背後に配置する遊技機部品(背面部品)等が、多くの設計上の制約(サイズ、形状、配置箇所等に関する制約)を受けることがある。例えば、球通路を構成するための部品、各種の基板(主制御基板、演出制御基板等)のサイズや配置箇所を選択する自由度が低くなる可能性がある。
【0027】
これに対して、請求項2の発明では、遊技盤の内部に遊技機部品を埋設可能な構成を採用する。よって、従来、遊技盤の背後に配置されていた遊技機部品(従来例のランプ装置や、役物駆動基板等)、若しくは、従来、盤部品とされていた部品、の1つ若しくは幾つかを、遊技盤の内部に埋設することができるため、「遊技盤の背後の空きスペース」を拡大することができる。従って、請求項2の発明によると、遊技盤の背後に配置する遊技機部品(背面部品)等が受ける設計上の制約や、遊技盤の前面部における設計上の制約等を、少なくすることができる。このため、例えば、球通路を構成するための部品、各種の基板(主制御基板、演出制御基板等)のサイズや配置箇所を選択する自由度を高くしたり、盤部品のサイズや配置箇所を選択する自由度を高くすることができる。更に、請求項2の発明によると、所定の基板を遊技盤に埋設することを通じて、遊技機全体の厚さ(前後方向に沿った幅)を小さくできるため、遊技機の島設備における遊技機の設置スペースを小さくできる。このため、請求項2の発明によると、パチンコホールの側は、当該パチンコホールの空き空間を拡大して、遊技者に、より良好な遊技スペースを提供することもできる。
【0028】
尚、請求項1の発明は、請求項2の発明の特徴を備えてもよい。つまり、請求項1の発明において、「中間板状部が、所定の遊技機部品を収納するための凹部を、後方に開口する状態に備えること」を特徴としてもよい(以下、「関連発明1」という)。
【0029】
ここで、本明細書において、「盤部品」とは、例えば、遊技盤の前面部(前方板状部の前面部)に装着される部材(全体が、遊技盤の前面部より突出していても、一部が遊技盤に埋設されていてもよい。)であり、レール部材、各種の入賞装置、入球ゲート、障害釘、風車、ランプ装置等から選択される。また、本明細書において、「セル画部」とは、「セル画を用いて構成される部分」であり、例えば、印刷(請求項1の発明では、中間板状部の前面部への印刷、請求項8の発明では、前方板状部の後面部への印刷)によって構成されるセル画部や、遊技盤に装着されるシート状物(請求項1の発明では、中間板状部の前面部へ装着される「セル画付きのシート状物、請求項8の発明では、前方板状部の後面部へ装着されるシート状物)」によって構成されるセル画部を例示できる。また、本明細書において、「前」及び「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。更に、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。また、中枠、表扉部材(前面枠)、上皿部材、下皿部材等の扉状部材の「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉状部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
【0030】
請求項3の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、
前記遊技機部品は、配線基板と、該配線基板に装着されるランプ装置と、を備えると共に、
前記中間板状部において、前記ランプ装置の前方に位置する部位が光透過部とされ、
前記前方板状部において、前記ランプ装置の前方に位置する部位が光透過部とされることを特徴とする。
【0031】
請求項3の発明は、請求項2の発明の具体例を示すものである。この請求項3によると、「遊技盤の前面部の空きスペース」を拡大しつつも、より臨場感に富んだ電飾を行うことができる。つまり、前述の「従来例」では、遊技盤の背後において、遊技盤の背面部と離間する位置にランプ装置を配置するため、(換言すると、遊技球が転動する遊技盤の前面部から離間する位置にランプ装置を配置するため)、このランプ装置によって、臨場感に富んだ電飾を行うことが困難な場合がある。
【0032】
これに対して、請求項3の発明では、遊技盤の内部にランプ装置を埋設するため(換言すると、遊技球が転動する遊技盤の前面部に近接する位置にランプ装置を配置するため)、このランプ装置によって、臨場感に富んだ電飾を行うことができる。また、請求項3の発明では、ランプ装置のみならず、配線基板をも、遊技盤の内部に埋設し、この配線基板を遊技盤の前面部や背後に配置しなくてもよい点からも、遊技盤の背後や遊技盤の前面部の空きスペースを拡大できる。尚、請求項3の発明においては、ランプ装置が、遊技領域の後方に配置されると、より一層、臨場感に富んむと共に、遊技者の意表をついた電飾を行うことができ、より好適である。
【0033】
ここで、関連発明1の発明は、請求項3の発明の特徴を備えていてもよい。つまり、関連発明1において、
「前記遊技機部品は、配線基板と、該配線基板に装着されたランプ装置と、を備えると共に、
前記中間板状部のうちで、少なくとも、前記ランプ装置の前方に位置する部位が光透過部とされ、
前記前方板状部において、前記ランプ装置の前方に位置する部位が光透過部とされること」を特徴としてもよい(以下、「関連発明2」という)。
【0034】
本明細書において、「透明部」とは透き通る(透かして見える)部分であり、無色透明であっても、有色透明であってもよい。更に、「光透過部」とは光を透過する部分であり、「透明部」の上位概念を構成する。例えば、「光透過部」は、「透明部」によって構成されてもよいし、「半透明な部分」によって構成されてもよい。また、前方板状部の全体が透明部とされてもよいが(つまり、前方板状部が透明板で構成されてもよいが)、この場合、前方板状部において、ランプ装置の前方に位置する部位のみならず、前方板状部の全体が、光透過部(透明部)とされることになる。更に、中間板状部の全体が透明部とされてもよいが(つまり、中間板状部が透明板で構成されてもよいが)、この場合、中間板状部において、ランプ装置の前方に位置する部位のみならず、中間板状部の全体が、光透過部(透明部)とされることになる。
【0035】
請求項4の遊技機は、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機において、
前記前方板状部と、前記中間板状部と、前記後方板状部とにおいて、前方から視認した平面形状が略等しくされることを特徴とする。
【0036】
請求項4の発明によると、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部の平面形状が略等しくされるため、この平面形状を頼りに、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部の重ね合わせを行うことができる。つまり、請求項4の発明によると、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部とを積層する作業を、円滑に行うことができる。尚、請求項4の発明の「平面形状」は、その重心部を基準に非対称な部位を備える形状とすることが望ましい。蓋し、当該「非対称な部位」を用いて、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部とを積層する際の位置合わせを行うことができるからである。
【0037】
請求項5の遊技機は、請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機において、
前記前方板状部と、前記中間板状部と、前記後方板状部とのうちの何れか1個若しくは2個に、位置決め用突部を設け、
前記前方板状部と、前記中間板状部と、前記後方板状部とのうちの残りに、前記位置決め用突部が嵌合される位置決め用嵌合部が設けられることを特徴とする。
【0038】
請求項5の発明によると、位置決め用突部と位置決め用嵌合部とを用いて、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部との位置決めを行うことができる。このため、前方板状部と、中間板状部と、後方板状部とを積層する作業を、より円滑に行うことができる。尚、請求項5の発明において、位置決め用突部と位置決め用嵌合部との数は、特に問わない。
【0039】
ここで、関連発明1が、請求項4若しくは請求項5の発明の特徴を備えてよいし(以下、「関連発明3」という。)、関連発明2が、請求項4若しくは請求項5の発明の特徴を備えてよい(以下、「関連発明4」という。)。
【0040】
請求項6に記載の遊技機は、
遊技盤と、所定の画像を表示するための画像表示部を有する画像表示装置と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤が、
略板状体を用いて構成され、前面部に遊技領域が形成され、所定の盤部品が装着されると共に、所定の遊技機部品を収納するための凹部を、後方に開口する状態に備える前方板状部と、
該前方板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通する貫通部を具備する後方板状部と、
を着脱可能に積層して構成され、
前記前方板状部において、少なくとも、前記貫通部の前方に位置する部位が透明部とされ、
前記画像表示部を、前記貫通部によって前記遊技盤の前方から視認可能な状態とされることを特徴とする。
【0041】
請求項6の発明では、前方板状部と後方板状部とを着脱可能に積層して、遊技盤を構成するため、遊技盤、若しくは、その構成部分の汎用性を高めたり、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。例えば、特定機種の遊技盤を不良在庫として抱えそうになったとしても、前方板状部のみを交換すれば、当該遊技盤を、別機種の遊技盤として使用することができる。また、請求項6の発明によっても、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。よって、請求項6の発明によっても、所謂「セル替」を簡易かつ安価に行い、不良在庫を抱えそうになった場合のリスクを、少なくすることができる。
【0042】
更に、請求項6の発明によっても、請求項2の発明と同様に、「遊技盤の背後の空きスペース」を拡大することができる。従って、請求項6の発明によっても、遊技盤の背後に配置する遊技機部品(背面部品)等が受ける設計上の制約や、遊技盤の前面部における設計上の制約等を、少なくすることができる。このため、例えば、球通路を構成するための部品、各種の基板(主制御基板、演出制御基板等)のサイズや配置箇所を選択する自由度を高くしたり、盤部品のサイズや配置箇所を選択する自由度を高くすることができる。更に、請求項6の発明にっても、、所定の基板を遊技盤に埋設することを通じて、遊技機全体の厚さ(前後方向に沿った幅)を小さくできるため、遊技機の島設備における遊技機の設置スペースを小さくできる。このため、パチンコホールの側は、当該パチンコホールの空き空間を拡大して、遊技者に、より良好な遊技スペースを提供することもできる。
【0043】
請求項7の遊技機は、請求項6に記載の遊技機において、
前記遊技機部品は、配線基板と、該配線基板に装着されるランプ装置と、を備えると共に、
前記前方板状部において、前記ランプ装置の前方に位置する部位が光透過部とされることを特徴とする。
【0044】
請求項7の発明は、請求項6の発明の具体例を示すものである。この請求項7によると、請求項3の発明と同様に、「遊技盤の前面部の空きスペース」を拡大しつつも、より臨場感に富んだ電飾を行うことができる。つまり、請求項7の発明においても、このランプ装置によって、臨場感に富んだ電飾を行うことができる。また、請求項7の発明においても、ランプ装置のみならず、配線基板をも、遊技盤の内部に埋設し、この配線基板を遊技盤の前面部や背後に配置しなくてもよい点からも、遊技盤の背後や遊技盤の前面部の空きスペースを拡大できる。
【0045】
請求項8の遊技機は、請求項6又は7に記載の遊技機において、
前記前方板状部の後面部にはセル画部が設けられ、
前記前方板状部において、前記セル画部の前方に位置する部位が透明部とされることを特徴とする。
【0046】
請求項8の発明によると、前方板状部と後方板状部とを着脱可能に積層して、遊技盤を構成するため、「透明型の遊技機」において、その製造作業の効率化を図ることができる。例えば、製造メーカが製造する「複数の機種」において、後方板状部の共通化を図れば、機種変更時には、前方板状部のみを新たに設計・製造等すればよいため、遊技機の製造工程の効率化を図ることができる。特に、前方板状部を社外(協力会社)にて製造する場合、遊技機の製造メーカにおいては、遊技盤の作製に際し、共通部品としての後方板状部と、機種毎に変更される前方板状部と、の組立作業を行えば足りるため、遊技機の製造工程が更に効率的なものとなる。
【0047】
また、前方板状部と、後方板状部との各々を異なる業者が製造することとすれば、遊技機の製造工程が、更により一層、効率的なものとなる。つまり、この場合、前方板状部に盤部品を装着する作業、後方板状部に背面部品を装着する作業等、「手間の掛かる作業」が、複数業者の分業作業となるため、遊技機の製造工程が、更により一層、効率的なものとなる。
【0048】
ここで、請求項6〜8の発明が、請求項4の発明と同様な特徴を備えてもよい。つまり、「請求項6〜8の何れか一項に記載の遊技機において、前記前方板状部と、前記後方板状部とにおいて、前方から視認した平面形状が略等しくされること」を特徴としてもよい(以下、「関連発明5」という。)。
【0049】
ここで、請求項6〜8の発明、及び、関連発明5のうちの何れかの発明が、請求項5の発明と同様な特徴を備えてもよい。つまり、「請求項6〜8の発明、及び、関連発明5のうちの何れかの発明の遊技機において、前記前方板状部と、前記後方板状部とのうちの何れか一方に、位置決め用突部が設けられ、前記前方板状部と、前記後方板状部とのうちの他方に、前記位置決め用突部が嵌合される位置決め用嵌合部が設けられること」を特徴としてもよい(以下、「関連発明6」という。)。
【0050】
ところで、各請求項の発明、及び、関連発明1〜関連発明6では、「画像表示装置を後方板状部の後面部に固着すること」を特徴としてもよい(以下、「関連発明7」という。)。そして、この関連発明7によると、「透明型の遊技機」において、「一般型の遊技機」とベース枠部材(中枠)の共用を行うことができ、望ましい。以下、この点について説明する。
【0051】
即ち、前述の「一般型の遊技機」においては、ベース枠部材に遊技盤を保持するための保持部が設けられる。また、通常、遊技盤の略中央部には、遊技盤の前後面(表裏面)を貫通する取付孔が設けられ、この取付孔には、画像表示装置を内蔵する中央装置(センター役物)が組み付けられる。そして、この「一般型の遊技機」においては、中央装置が前方に向かって開放されているため、遊技者は、画像表示装置の画像表示部(表示画面)を、遊技盤の前方から直接的に視認することができる。
【0052】
一方、「透明盤の遊技機」としては、遊技盤を、透明板を用いて構成すると共に、この遊技盤の背面部(後面部)後方の所定間隔をおいた位置に、「画像表示装置」を配置する。そして、この「画像表示装置の画像表示部(表示画面)」を、透明な遊技盤を透かして、間接的に視認可能としたものが、既に、提案されている(特開2005−152779号公報を参照、以下、「提案例」という。)。
【0053】
つまり、この提案例では、画像表示装置が、「遊技盤と表面積が等しい略板状」に構成され、ベース枠部材の前面部側に遊技盤を保持するための保持部が設けられる。また、ベース枠部材の後面部側には、遊技盤の表面積と略等しい開口面積の開口部が設けると共に、画像表示装置を上方から差し入れ可能なレール部が設けられる。
【0054】
この提案例では、画像表示装置がレール部に差し込まれると、画像表示装置の画像表示部(表示画面)が、「正面から見て(前方から見て)、開口部と重なる位置であって、しかも、開口部の後方の位置」に配置される。このため、この従来例によると、遊技者は、遊技領域を流下する遊技球の動きを視認しつつ、その後方の画像表示部(表示画面)を間接的に視認できる。
【0055】
この提案例では、「画像表示装置」を、ベース枠部材によって保持する構成を採用し、ベース枠部材の構造を、特別な構造(レール部等を備える特別な構造)とすることが必要となる。このため、この提案例によると、パチンコホールにおいて、「既設の遊技機を、他の機種の遊技機に交換する作業(以下、「機種変更」という。)」を、円滑に行うことができない場合がある。例えば、パチンコホールの所定の設置部位に設置される遊技機を、「一般型の遊技機」から、「透明型の遊技機」に変更する際には、遊技盤等の交換の他に、ベース枠部材の交換をも行うことが必要となるからである。
【0056】
これに対して、関連発明7では、「前方板状部の後面部(裏面部)に、後方板状部を着脱自在に組み付けた積層体」を用いて遊技盤を構成する。そして、この遊技盤の後面部(裏面部)に画像表示装置を固着する。このため、関連発明7によると、遊技盤と、この遊技盤の後面部に一体化された画像表示装置と、を遊技機に組み込む際に、「特別な構造(レール部等を備える特別な構造)のベース枠部材」が必要とされない。換言すると、関連発明7によると、「透明型の遊技機を構成する遊技盤」と、「透明型の遊技機を構成する画像表示装置」とを、「一般型の遊技機を構成するベース枠部材」に対しても組み込むことができる。従って、関連発明7によると、「透明型の遊技機」において、「一般型の遊技機」と、ベース枠部材の共用を図ることができる。このため、関連発明7によると、パチンコホールにおいて、「機種変更」を、円滑に行うことができる。
【0057】
ここで、各請求項の発明、及び、関連発明1〜7では、前方板状部において透明部とされる部位を種々選択できる。
【0058】
つまり、請求項1の発明においては、(1)セル画部の前方に位置する部位(セル画部の前方に位置合わせされる部位)と、第1の貫通部の前方に位置する部位(第1の貫通部の前方に位置合わせされる部位)とが透明部とされ、他の部位が非透明部とされてもよいし、(2)セル画部の前方に位置する部位と、第1の貫通部の前方に位置する部位と、その周辺の部位(例えば、遊技領域の内側に位置する部位の全域)が、透明部とされてもよいし、(3)前方板状部の全域が、透明部とされてもよい。
【0059】
請求項2の発明においては、(1)第1の貫通部の前方に位置する部位(第1の貫通部の前方に位置合わせされる部位)のみが透明部とされてもよいし、(2)第1の貫通部の前方に位置する部位と、その周辺の部位(例えば、遊技領域の内側に位置する部位の全域)が、透明部とされてもよいし、(3)前方板状部の全域が、透明部とされてもよい。
【0060】
請求項6の発明においては、(1)貫通部の前方に位置する部位(貫通部の前方に位置合わせされる部位)のみが透明部とされてもよいし、(2)貫通部の前方に位置する部位と、その周辺の部位(例えば、遊技領域の内側に位置する部位の全域)が、透明部とされてもよいし、(3)前方板状部の全域が、透明部とされてもよい。
【0061】
尚、請求項3の発明では、中間板状部及び前方板状部において、ランプ装置の前方に位置する部位のみが光透過部とされてもよいし、このランプ装置の前方に位置する部位及びその他の部位(ランプ装置の前方に位置する部位の周辺の部位、若しくは、全域)が、光透過部とされてもよい。また、前方板状部の光透過部は、透明部であってもよい。
【0062】
また、請求項7の発明では、前方板状部において、ランプ装置の前方に位置する部位のみが光透過部とされてもよいし、このランプ装置の前方に位置する部位及びその他の部位(ランプ装置の前方に位置する部位の周辺の部位、若しくは、全域)が、光透過部とされてもよい。また、前方板状部の光透過部は、透明部であってもよい。
【0063】
ここで、各請求項の発明において、前方板状部材を構成する透明部の構成態様を種々選択できる。例えば、アクリル樹脂製の板、ポリカーボネート樹脂製の板や、ガラス板等で構成する態様を例示でできる。また、各請求項の発明において、後方板状部材の構成素材(但し、透明部や光透過部を除く)も種々選択でき、樹脂のみならず、木、金属等を例示することもできる。更に、請求項1〜5の各発明において、中間板状部材の構成素材(但し、透明部や光透過部を除く)も種々選択でき、樹脂のみならず、木、金属等を例示することもできる。
【0064】
請求項1〜5の各発明においては、「第1の貫通部及び第2の貫通部の横方向に沿った幅(P)と、遊技領域の横方向に沿った幅(Q)の比(P/Q)が、4/10〜9/10のうちの何れかとされ、
第1の貫通部及び第2の貫通部の縦方向に沿った幅(R)と、遊技領域の縦方向に沿った幅(S)の比(R/S)が、4/10〜9/10のうちの何れかとされる」ことを特徴としてもよい(以下、「関連発明8」という。)。
【0065】
請求項6〜8の各発明においては、「貫通部の横方向に沿った幅(P)と、遊技領域の横方向に沿った幅(Q)の比(P/Q)が、4/10〜9/10のうちの何れかとされ、
貫通部の縦方向に沿った幅(R)と、遊技領域の縦方向に沿った幅(S)の比(R/S)が、4/10〜9/10のうちの何れかとされる」ことを特徴としてもよい(以下、「関連発明9」という。)。
【0066】
この関連発明8及び関連発明9の遊技機によると、貫通部(請求項1〜5の発明では、第1の貫通部及び第2の貫通部)のサイズの好適化を図ることで、(1)「遊技盤の前方から貫通部(請求項1〜5の発明では、第1の貫通部及び第2の貫通部)を通じて視認される画像表示部(画像表示装置の表示画面)のサイズを大型すべき旨の要請」と、(2)「画像表示装置を、後方板状部材の裏面部に安定的に固着すべき旨の要請」と、を同時に満足することができる。つまり、関連発明8及び関連発明9では、貫通部(請求項1〜5の発明では、第1の貫通部及び第2の貫通部)のサイズの下限値を規制し、貫通部を大型化するため、「遊技盤の前方から貫通部(第1の貫通部及び第2の貫通部)を通じて視認される表示画面」のサイズの大型化を図り、遊技者の遊技上の興趣を高めることができる。同時に、貫通部(第1の貫通部及び第2の貫通部)のサイズの上限値を規制し、後方板状部材の裏面部において貫通部の周辺に位置する部位に、十分なサイズの「被固着箇所(画像表示装置が固着される箇所)」を確保するため、画像表示装置を、後方板状部材の裏面部に安定的に固着することができる。
【発明の効果】
【0067】
以上記述したように、各請求項の発明によると、「透明型の遊技機」において、遊技盤、若しくは、その構成部分の汎用性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
【0069】
A.実施例1
先ず、実施例1に係る遊技機1について説明する。
【0070】
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図7を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。このうち、外枠2は、図3に示すように、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。
【0071】
この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、を備えている。このうち、外枠本体21は、上下に一対の水平板21aと、左右に一対の立設板21bと、を備えている(図1を参照)。そして、両水平板21aは、上下に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、左右方向に長尺とされている。また、両立設板21bは、左右に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、上下方向に長尺とされている。
【0072】
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、中枠3と、前面枠(ガラス扉枠)4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図7を参照)と、裏機構盤102(図23を参照)等を主要部としている。
【0073】
中枠3は、ベース枠部材の具体例を構成するものであり、図3に示すように、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、中枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。この施錠装置7は、中枠3を外枠2に施錠したり、前面枠4や上皿部材5を中枠3に施錠するために用いられる。
【0074】
中枠3は、全体がプラスチック製であり、図4及び図5に示すように、枠状体によって構成されている。この中枠3は、上半部に窓部3Aを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。この突出部3cは、枠本体部3bの裏面部のうちで、枠本体部3bの周縁部よりも内側であって、窓部3Aよりも外側の部位から突出している。そして、突出部3cの内側の壁面部3dと、枠本体部3bの裏面部のうちの窓部3Aに周辺に位置すると共に壁面部3dよりも内側に位置する部位(以下、「窓部周辺部」という。)3eとが、略直交する状態とされる。
【0075】
突出部3cの突端面であって、窓部3Aの左方側の上下と、窓部3Aの右方側の上下には、保持具3fが装着されている。この保持具3fは、突出部3cの突端面に軸心を略直交させた軸部材3gと、この軸部材3gによって支持された保持具本体3hとを備えている。この保持具本体3hは、軸部材3gの軸心回りに回転可能な状態とされ、その突端部3i側を、窓部周辺部3eの後方に出没させることができる。つまり、保持具本体3hは、軸部材3gの軸心回りに回転することで、突端部3i側を窓部周辺部3eの後方に配置させる保持状態(図4等を参照)と、突端部3i側を窓部周辺部3eの後方から退避させる解除状態と、を実現することができる。また、突出部3cの壁面部3dにおいて、窓部3Aの左右に位置する複数の箇所には、位置決め用段部3mが設けられている(図4を参照)。
【0076】
本実施例では、突出部3cの内側の壁面部3dと、枠本体部3bの「窓部周辺部」3eとで、「遊技盤10を保持するための保持部(3d、3e)」を構成し、保持具3fによって遊技盤10(詳細は後述する。)の保持状態を維持している。つまり、図5(a)及び(b)に示すように、遊技盤10(詳細は後述する。)は、前面部10aを前方に向けた状態(後面部10bを後方に向けた状態)で、保持部(3d、3e)に装着される。尚、この装着作業の際、保持具本体3hは解除状態とされる。そして、この装着により、遊技盤10の前面部10aにおける上縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの上方に位置する部位に当接する。また、遊技盤10の前面部10aにおける右側縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの右側方(中枠3を前方から見た場合の右側方)に位置する部位に当接し、遊技盤10の前面部10aにおける左側縁側の部位が、窓部周辺部3eにおいて、窓部3Aの左側方(中枠3を前方から見た場合の左側方)に位置する部位に当接する。
【0077】
この際、遊技盤10の左右の側部に設けられた段部10cが、位置決め用段部3mに嵌合し(図6を参照)、遊技盤10が、保持部(3d、3e)に位置合わせされる。この保持具本体3hを保持状態とすると、この保持具本体3hによって、遊技盤10の保持部(3d、3e)からの抜け止めが図られる{図5(b)を参照}。これにより、遊技盤10が、保持部(3d、3e)に保持される。そして、このように、中枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Aによって、中枠3の前方から視認することができる(図7を参照)。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図23参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。尚、図示を省略するが、遊技盤10の中枠3に対する位置決めは、遊技盤10及び中枠3のうちの一方に設けられた突部を、他方に設けられた嵌合部(孔や凹部)に嵌合して行うことができる。また、裏機構盤102の詳細に関しては後述する。
【0078】
図7に示すように、中枠3の前面部3aのうちで、窓部3Aよりも下方側の部位(遊技盤10よりも下方側の部位)には、遊技球を遊技盤10に発射する発射装置(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、発射装置から発射された遊技球を外レール14(後述する。)に向かって誘導する発射レールYとが配設されている。尚、発射レールYは、中枠3の下方側において、左方向に向かって上がり傾斜状に設けられている。
【0079】
前面枠4は、ガラス扉枠の具体例を構成するものであり、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、扉枠本体41と、ガラス板43と、ガラス板43を扉枠本体41に保持させる(取り付ける)ための保持部材(図示を省略)と、を備えている。尚、保持部材を扉枠本体41に対して一体的に設けることもできる。
【0080】
扉枠本体41は、レンズ状のプラスチックを主体に構成され、円形状の開口部41aを有している。この開口部41aは、扉枠本体41の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられている。そして、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面(遊技領域11)を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部41aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図7参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。
【0081】
図2に示すように、前面枠4において、開口部41aの周縁の部位には、各種のLED基板4b、4c、4d、4e、4f、4g、4hが内蔵されている。また、何れのLED基板4b〜4hも、プリント配線基板と、プリント配線基板に搭載された複数のLEDランプと、を備えている。そして、これらのLED基板4b〜4hを構成するLEDランプは、目的(遊技効果を高める目的、賞球を報知する目的、当該遊技機1にエラーを生じたことを報知する目的)に応じて、点灯及び消灯したり、点滅する。
【0082】
図1及び図2に示すように、前面枠4の上端部側の左右には、各々、スピーカーSP1、SP2(図26参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカーSP3、SP4(図25参照)が内蔵されている。このため、本遊技機1においては、前面部の4隅にスピーカーSP1〜SP4を配置することで、「4ウェイのスピーカーシステム」を構成している。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカーSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
【0083】
遊技機本体Hの前面部のうちで、前面枠3の下方の部位が、上皿部材5と下皿部材6とを備える構成とされている。つまり、上皿部材5は、前面枠3の下方に配置され、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。また、上皿部材5は、遊技機1の内部の遊技球を、この上皿部材5に排出するための排出口5b等を備えている。
【0084】
尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図24参照)及び演出ボタン基板228(図26参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「球貸操作部5c」と、操作スイッチSWとが配置されている。また、上皿部材5の外郭部分も、レンズ状のプラスチックを主体され、上皿部材5の内部にも、LED基板4iが内蔵されている(図2を参照)。
【0085】
図1及び図2に示すように、下皿部材6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。また、下皿部材6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部材6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
【0086】
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、前述の施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニットが設けられている(図示を省略)。
【0087】
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図7〜図22を用いて説明する。この遊技盤10は、前述のように、中枠3(図4を参照)の保持部(3d、3e)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図23参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10の前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。尚、外側レール12及び内側レール13の詳細に関しては後述する。
【0088】
遊技盤10の前面部(表面部)10aにおいて、この外側レール12及び内側レール13が形成する略楕円形の周壁によって構成される部位が、遊技領域11を構成している。このため、本実施例では、遊技領域11の外縁部の形状が略楕円形(長軸;462mm、短軸;424mm)とされるが、外縁部の形状は「略円形」等、の他の形状であってもよい。また、本実施例の外側レール12は、「右側方に開口する略U字状の経路を描く、略帯状体」によって構成され、本実施例の内側レール13は、「上方に開口する略U字状の経路を描く、略帯状体」によって構成されている。尚、本実施例では、2本のレール(外側レール12、内側レール13)を用いて、遊技領域11の外縁部を構成する態様を例示したが、例えば、1本のレール(C字状に配設された1本のレール)を用いて遊技領域11の外縁部を構成することもできる。
【0089】
遊技盤10は、図8及び図9に示すように、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700と、を着脱可能に積層して構成される積層板を用いて構成されている。また、図10〜図12に示すように、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700の平面形状(前方から視認した平面形状)は、何れも、遊技盤10の平面形状(前方から視認した平面形状)と等しくされている。但し、本実施例では、前方板状部材500、中間板状部材600、及び、後方板状部材700の平面形状は、その重心部を基準に非対称な部位(例えば、後述する段部502、602、702)を備える形状とされている。
【0090】
前方板状部材500は、前方板状部の具体例を構成する部材である。この前方板状部材500は、遊技盤10の前面部10a側の部位を構成する板状体であり、その表面部(前面部)500aによって、遊技盤10の前面部10aを構成する。また、この前方板状部材500は、「全体が無色透明な樹脂板」を用いて構成され、図9及び図10に示すように、上端部側の左右と、下端部側の左右とに、位置決め孔501、501、501、501を貫通状(表面部500a及び裏面部500bを貫通する状態)に備えている。
【0091】
ここで、前方板状部材500を構成する「透明な樹脂板」としては、「アクリル板(アクリル樹脂からなる板状体)」や、「ポリカーボネート板(ポリカーボネート樹脂からなる板状体)」等を例示できる。尚、「アクリル樹脂からなる板状体」とは、「メタクリル酸エステル(特に、メタクリル酸メチル)」、及び/又は、「アクリル酸エステル」を主成分として含有する(樹脂成分全体の50重量%〜100重量%含有する)樹脂からなる板状体を指す。また、「アクリル板(アクリル樹脂からなる板状体)」を用いた場合、例えば、「90〜92%の光透過率(可視領域での光透過率)」を得ること(クリスタルガラスに匹敵する光透過率を得ること)も可能なため、より好適な前方板状部材500を得ることができる。
【0092】
図10に示すように、前方板状部材500の左右の端面には、複数の段部502が設けられている。また、前方板状部材500の表面部500aには、外側レール12(外側レール12の一方の側縁部)が当接する部位(以下、「外側当接部位」という。)12tと、内側レール13(内側レール13の一方の側縁部)が当接する部位(以下、「内側レール当接部位」という。)13tとが、存在する。そして、外側当接部位12tは、右側方に開口する略U字状の経路を描いており(図10において破線で表示)、内側レール当接部位13tは、上方に開口する略U字状の経路(図10において破線で表示)を描いている。尚、後述する図11及び図12においては、説明の便宜のため、外側当接部位12tの後方に位置する部位を「破線L1」で示し、内側レール当接部位13tの後方に位置する部位を「破線L2」で示している。
【0093】
図10に示すように、この前方板状部材500の表面部500aのうちで、外側当接部位12t及び内側レール当接部位13tとで取り囲んで構成される略楕円形の部位が、遊技領域11を構成する部位(以下、「遊技領域構成部」という。)511である。そして、遊技領域構成部511には、始動入賞球通過孔503aと、大入賞球通過孔503bと、4つの一般入賞球通過孔503c、503e、503g、503hと、アウト球通過孔503kと、が貫通状(表面部500a及び裏面部500bを貫通する状態)に設けられている。
【0094】
図10に示すように、前方板状部材500において、外側当接部位12tに沿った複数箇所には、貫通孔K11、K12、K13、K14、K15、K16、K17(直径;15mm程度の開口形状を備える略円形の孔であって、図10において、「黒丸を白丸で囲む、2重丸表示」を用いて図示)が、表面部500a及び裏面部500bを貫通する状態に設けられている。また、前方板状部材500において、内側レール当接部位13tに沿った複数箇所にも、貫通孔K21、K22、K23、K24、K25、K26、K27、K28(図10において、「黒丸を白丸で囲む、2重丸表示」を用いて図示)が、表面部500a及び裏面部500bを貫通する状態に設けられている。
【0095】
図10に示すように、遊技領域構成部511の適所には、盤部品固定穴503n(図10において、「黒丸の表示」を用いて図示)が、表面部500aで開口する状態に設けられている。尚、遊技領域構成部511には、障害釘(ビス状であっても、雄ネジ状であってもよい。)を、遊技領域構成部511に打ち込む際に使用される案内穴(下穴)が表面部500aで開口する状態に設けられているが、図8及び図9等においては、図示を省略する。
【0096】
図10に示すように、遊技領域構成部511の上下方向中間部の左右には、ワープ進入孔503R、503Sが、貫通状(表面部500aから裏面部500bに下り傾斜状に貫通する状態)に設けられている(図8においては図示を省略)。また、遊技領域構成部511において、各ワープ進入孔503R、503Sの直下の部位には、ワープ排出孔503T、503Uが、貫通状(裏面部500bが表面部500aに下り傾斜に貫通する状態)に設けられている。
【0097】
中間板状部材600は、中間板状部の具体例を構成する部材である。この中間板状部材600は、図8及び図11に示すように、遊技盤10の前後方向に沿った中間部側の部位を構成する板状体であり、前方板状部材500と略同一の平面形状を備えている。また、図11に示すように、中間板状部材600の左右の端面にも、複数の段部602が設けられている。更に、中間板状部材600は、前方板状部材500と同様な素材を用いて構成されている。
【0098】
図9及び図11に示すように、この中間板状部材600の表面部600aにおいて、各位置決め孔501、501、501、501と前後に位置合わせされる部位には、中間位置決め孔601、601、601、601が設けられている。また、図11に示すように、中間板状部材600において各貫通孔(K11〜K17、K21〜K28)の裏側に位置する部位には、当該各貫通孔(K11〜K17、K21〜K28)と連通する「中間貫通孔(600K)」が、各々設けられている。尚、本実施例では、位置決め孔501及び中間位置決め孔601が、「位置決め用嵌合部」の具体例を構成する。
【0099】
図11に示すように、中間板状部材600のうちで、遊技領域構成部511の後方に配置される部位(以下、「遊技領域後方部605B」という。)には、始動入賞球通過孔603aと、大入賞球通過孔603bと、4つの一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603hと、アウト球通過孔603kと、が貫通状(表面部600a及び裏面部600bを貫通する状態)に設けられている。
【0100】
図11等に示すように、中間板状部材600の略中央部には、略矩形状の「第1の貫通部」611が、貫通状に(中間板状部材600の表面部600aと、裏面部600bとを貫通する状態に)設けられている(図18及び図19を参照)。ここで、図11及び図12に示すように、本実施例において、この第1の貫通部611と、後述する第2の貫通部711のサイズが以下のように定められている。つまり、第1の貫通部611(第2の貫通部711)の横方向に沿った幅(P)は、約337.5mmとされ、第1の貫通部611(第2の貫通部711)の縦方向に沿った幅(R)は、約272.3mmとされている。一方、本遊技機1を構成する遊技盤10の遊技領域11の縦方向に沿った幅の最大寸法(S)は約462mmとされ、遊技領域11の横方向に沿った幅の最大寸法(Q)は約424mmとされている。このため、比(P/Q)は約0.80とされ、比(R/S)は約0.59とされている。換言すると、第1の貫通部611(第2の貫通部711)の開口面積は、遊技領域11の全面積の約60%とされている。尚、この中間板状部材600においては、「盤部品(後述する流下経路変更部材20、始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44等)の後方の部位を除く略全域」が、前方板状部材500の前方から視認可能な「可視部位」とされている。
【0101】
図9に示すように、中間板状部材600の表面部600aには、セル画部Gが設けられている(図11においては、図示を省略する。)。このセル画部Gは、中間板状部材600の表面部600aに、セル画(例えば、「太陽の図形と、月の図形とを用いたセル画)G1を印刷して構成されるものである。つまり、中間板状部材600の表面部600aのうちで、「第1の貫通部611の形成箇所」と、「各位置決め孔601の形成箇所」と、「始動入賞球通過孔603aの形成箇所」と、「大入賞球通過孔603bの形成箇所」と、「各一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603hの形成箇所」と、「アウト球通過孔603kの形成箇所」と、「各中間貫通孔600Kの形成箇所」と、を除く部位(以下、「無孔部位」という。)セル画G1を印刷されている。
【0102】
但し、本実施例においては、中間板状部材600の表面部600aに装着(貼着)される「装飾シート」を用いて、このセル画部Gを構成することもできる。つまり、この「無孔部位」に対して、「セル画G1を印刷された装飾シート」を装着(貼着)して、中間板状部材600の表面部600aにセル画部Gを形成してもよい。尚、この装飾シートとしては、樹脂製のシート基材に、セル画G1を印刷して構成されるものを例示できる。
【0103】
図20(a)及び(b)に示すように、中間板状部材600の裏面部600b側には、2種類の凹部650、651を、各々、複数個ずつ備えている。これらの凹部650、651は、「中間板状部材600の無孔部位に属し、しかも、遊技領域11の後方に位置する部位から選択される所定の箇所」に設けられている。そして、これらの凹部650、651は、中間板状部材600の裏面部600bにおいて開口する状態(中間板状部材600の表面部600a、側面部、上面部、及び、下面部では開口しない状態)とされている。そして、2種類の凹部650、651のうちの一方(凹部650)は、図20(a)に示すように、駆動型の盤部品(開閉駆動する下部装置30、点滅駆動等する左下表示装置50、点滅駆動等する右下表示装置60)を駆動するための駆動基板800を収納するためのもの(以下、「駆動用凹部650」という。)である。この駆動基板800は、配線基板(プリント配線基板)801と、この配線基板801に実装された駆動部品(抵抗、コンデンサ等の電子部品等)802とを備えている。そして、駆動用凹部650の開口部は、後方板状部材700によって封止されている。
【0104】
また、2種類の凹部650、651のうちの他方(凹部651)は、図20(b)に示すように、電飾基板810を収納するためのもの(以下、「電飾用凹部651」という。)である。この電飾基板810は、配線基板(プリント配線基板)811と、この配線基板811に実装されたランプ装置812とを備えている。このランプ装置812としては、LEDランプ(特に、フルカラーLED)を用いるのが好適である。そして、電飾用凹部651の開口部も、後方板状部材700によって封止されている。
【0105】
本実施例では、中間板状部材600の表面部600aのうちで、駆動用凹部650の前方に位置する部位は不透明とされているため、遊技盤10の前方より、駆動用凹部650内の駆動基板800を視認することができない。つまり、セル画部Gにおいて、この駆動用凹部650の前方に位置する部位G2が、不透明部とされているため、駆動基板800は遊技機1の外観として露呈することはない。また、中間板状部材600の表面部600aのうちで、電飾用凹部651の前方に位置する部位にも、セル画部Gの一部G3が存在するが、この一部G3は、光透過性を備える光透過部G31とされている。この光透過部G31は、半透明部であるが、ランプ装置812から発光される光を前方に向かって透過可能とされている。このため、遊技盤10の前方の遊技者は、配線基板810及びランプ装置812を、ランプ装置812の消灯時には視認することができない。ところが、ランプ装置812の点灯時には、このランプ装置812の発する光を視認することができる。
【0106】
後方板状部材700は、図8及び図12に示すように、遊技盤10の後面部側の部位を構成する板状体であり、前方板状部材500と略同一の平面形状を備えている。また、図12に示すように、後方板状部材700の左右の端面にも、複数の段部702が設けられている。尚、後方板状部材700は剛性の高い、不透明な樹脂板(例えば、ABS製の板等)を用いて構成されている。そして、本実施例では、後方板状部材700の基材部を、剛性が高く、熱膨張率の低い素材で構成するため、遊技盤10の剛性が確保されると共に、遊技盤10の熱膨張率も低くされている。
【0107】
図9及び図12に示すように、この後方板状部材700の表面部700aにおいて、各位置決め孔501、501、501、501と前後に位置合わせされる部位(中間位置決め孔601、601、601、601とも前後に位置合わせされる部位)からは、位置決め突起(ボス状の突起)701、701、701、701が前方に向かって突出している(図12では、ハッチングを用いて表示)。そして、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700とを積層すると、各位置決め孔501、501、501、501と、対応する中間位置決め孔601、601、601、601とが前後に位置合わせされる。また、各位置決め突起701、701、701、701は、対応する位置決め孔501、501、501、501、及び、対応する中間位置決め孔601、601、601、601とに嵌合される。このとき、各位置決め突起701の突端部は、前方板状部材500の表面部500aと略面一となる。尚、位置決め突起701は、位置決め用突部の具体例を構成する。
【0108】
図12に示すように、後方板状部材700のうちで、遊技領域構成部511の後方に配置される部位(以下、「遊技領域後方部705B」という。)には、始動入賞球通過孔703aと、大入賞球通過孔703bと、4つの一般入賞球通過孔703c、703e、703g、703hと、アウト球通過孔703kと、が貫通状(表面部700a及び裏面部700bを貫通する状態)に設けられている。
【0109】
図15に示すように、後方板状部材700の裏面部700bにおいて、各通過孔(始動入賞球通過孔703a、大入賞球通過孔703b、各一般入賞球通過孔703c、703e、703g、703h、アウト球通過孔703k)が開口する部位には、遊技球案内用のリブ703rが突出している。尚、図示を省略するが、後方板状部材700の裏面部700bには、遊技球集合部材が装着されている。この「遊技球集合部材」は、「背面部品」の具体例を構成する。そして、各通過孔(始動入賞球通過孔703a、大入賞球通過孔703b、各一般入賞球通過孔703c、703e、703g、703h、アウト球通過孔703k)を通じて、後方板状部材700の後方(遊技盤10の後方)に到達する遊技球が、遊技球集合部材の端末部(遊技球の通過方向に沿った端末部)に導かれる。
【0110】
図12等に示すように、後方板状部材700の略中央部には、略矩形状の「第2の貫通部711」が、貫通状に(後方板状部材700の表面部700aと、裏面部700bとを貫通する状態に)設けられている(図18及び図19を参照)。ここで、図12に示すと共に、前述のように、比(P/Q)は約0.80とされ、比(R/S)は約0.59とされている。換言すると、第2の貫通部711の開口面積は、遊技領域11の全面積の約60%とされている。このように、後方板状部材700には大型の「第2の貫通部711」を設けられているが、後方板状部材700の裏面部700bの面積(第2の貫通部711を除く、後方側の部位)が、十分に確保されている。尚、後述する中央表示装置27(画像表示装置である。)が固着される被固着部位は、この後面部700bから選択される。また、後方板状部材700には、各通過孔(始動入賞球通過孔703a、大入賞球通過孔703b、各一般入賞球通過孔703c、703e、703g、703h、アウト球通過孔603k)を構成するための貫通孔(表面部600a及び裏面部700bを貫通する状態の貫通孔)が設けられている。
【0111】
図12に示すように、後方板状部材700の表面部700aにおいて、各貫通孔(K11〜K17、K21〜K28)と前後に位置合わせされる部位(各中間貫通孔600Kとも前後に位置合わせされる部位である。)からは、各々、嵌合用突部700Kが突出している(前方に向かって突出している。)。そして、図13及び図14に示すように、各嵌合用突部700Kには、固定穴701Kが設けられている。この固定穴(直径;2mm程度の略円形の開口形状を備える略円形の穴)701Kは、各嵌合用突部700Kの突端部において開口している。尚、この嵌合用突部700Kは、位置決め用突部の具体例を構成している。
【0112】
そして、図13及び図14に示すように、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700とを積層すると、各嵌合用突部700Kは、対応する貫通孔(K11〜K17、K21〜K28)、及び、対応する中間貫通孔(600K)に嵌合される。このとき、各嵌合用突部700Kの突端部は、前方板状部材500の表面部500aと略面一となり、各固定穴701Kは、前方板状部材500の表面部500a(遊技盤10の表側)において開放された状態となる。
【0113】
尚、図20(a)及び(b)に示すように、後方板状部材700において、駆動用凹部650に連続する部位や、電飾用凹部651の周囲に連続する部位に放熱孔770を設けることが望ましい。つまり、駆動基板800を構成する電子部品(抵抗、コンデンサ等)802や、電飾基板810を構成するランプ装置812が発する熱を、遊技盤10の外部に放出するための放熱孔770を設けることが望ましい。但し、この放熱孔770は、前方板状部材500若しくは中間板状部材600に設けてもよいし、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700とのうちの2部材、若しくは、3部材に設けてもよい。
【0114】
次に、遊技盤10の組付の手順の一具体例を、図21等を用いて説明する。先ず、駆動用凹部650に駆動基板800を装着し、電飾用凹部651に電飾基板810を装着する(図20を参照)。そして、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700を積層すると、遊技盤10の組付を完了する。この積層に際しては、各位置決め孔501、501、501、501と、対応する中間位置決め孔601、601、601、601とが前後に位置合わせされ、各位置決め突起701、701、701、701が、対応する位置決め孔501、501、501、501、及び、対応する中間位置決め孔601、601、601、601に嵌合される。
【0115】
また、この積層により、前方板状部材500の各通過孔(始動入賞球通過孔503a、大入賞球通過孔503b、一般入賞球通過孔503c、503e、503g、503h、アウト球通過孔503k)と、中間板状部材600の各通過孔(始動入賞球通過孔603a、大入賞球通過孔603b、一般入賞球通過孔603c、603e、603g、603h、アウト球通過孔603k)と、後方板状部材700の対応する各通過孔(始動入賞球通過孔703a、大入賞球通過孔703b、一般入賞球通過孔703c、703e、703g、703h、アウト球通過孔703k)と、が前後に位置合わせされ、前後に連通する。同時に、各嵌合用突部700Kを、対応する中間貫通孔(600K)と、対応する貫通孔(K11〜K17、K21〜K28)とに嵌合する(図13、図14等を参照)。
【0116】
また、前方板状部材500の各段部502と、中間板状部材600の対応する各段部602と、後方板状部材700の対応する段部712とが位置合わせされ、遊技盤10の段部10cを完成する。また、左側のワープ進入孔503Rの出口部5031Rは、第1の貫通部611の左端側上方部において後方に開口し、左側のワープ排出孔503Tの入口部5031Tは、第1の貫通部611の左端側上方部において後方に開口する(図19を参照)。また、右側のワープ進入孔503Sの出口部5031Sは、第1の貫通部611の右端側上方部において後方に開口し、右側のワープ排出孔503Uの入口部5031Uは、貫通部611の右端側下方部において後方に開口する(図18を参照)。
【0117】
図13及び図14に示すように、この遊技盤10に対して、前述の外側レール12と内側レール13が、レール固定用のピン(以下、「レールピン」という。)880を用いて固定されている。
【0118】
外側レール12は、金属製で、長尺な帯状体を用いて構成されている。そして、図7に示すように、外側レール12は、その軸線が、右側方に開口する略U字状の経路を描くように、湾曲されつつ、遊技盤10の前面部10aに固定されている。つまり、図14に示すように、この外側レール12は、その一方の側縁部12aを、前方板状部材500の外側当接部位12tに当接させつつ、遊技盤10の前方に突出する状態に(外側レール12の他方の側縁部12bを突端部に配置しつつ突出する状態に)配置されている。
【0119】
図14に示すように、この外側レール12の「一方の側縁部12a」側の部位には、複数個の装着部12cが設けられている。この装着部12cは、外側レール12を肉厚方向に貫通する孔状に設けられている。また、各装着部12cは、遊技盤10の前面部10aにおいて、「外側当接部位12tに沿って開口する固定穴701K」と位置合わせ可能な部位に設けられている。
【0120】
内側レール13も、金属製で、長尺な帯状体を用いて構成されている。そして、図7に示すように、内側レール13は、その軸線が、上方に開口する略U字状の経路を描くように、湾曲されつつ、遊技盤10の前面部10aに固定されている。つまり、図14に示すように、この内側レール13は、その一方の側縁部13aを、前方板状部材500の内側レール当接部位13tに当接させつつ、遊技盤10の前方に突出する状態に(内側レール13の他方の側縁部13bを突端部に配置しつつ突出する状態に)配置されている。
【0121】
図14に示すように、この内側レール13の「一方の側縁部13a」側の部位にも、複数個の装着部13cが設けられている。この装着部13cは、内側レール13を肉厚方向に貫通する孔状に設けられている。また、各装着部13cは、遊技盤10の前面部10aにおいて、「内側レール当接部位13tに沿って開口する固定穴601K」と位置合わせ可能な部位に設けられている。
【0122】
レールピン880は、図14に示すように、「金属製(例えば、ステンレス製)の線材」を用いて構成される「棒状部材」を用いて構成されている。このレールピン880は、軸心方向に沿った略中間部を中心に折り曲げられ、略釘形状(若しくは、ヘアーピン形状)とされて使用される。
【0123】
このレールピン880を、その一端部の側から、外側レール12の各装着部12cに挿通した後、軸心方向に沿った略中間部を中心に折り曲げ、略釘形状とする。これにより、レールピン880を、「外側レール12の各装着部12c」に装着する作業を完了する。このとき、図14に示すように、このレールピン880において、「外側レール12の一方の側縁部12a」から突出する部分によって、固定用突起881が構成される。
【0124】
即ち、外側レール12の一方の側縁部12aからは、複数個の固定用突起881が、所定の間隔をおいて(外側当接部位12tに沿って開口する固定穴701Kの配置間隔と等間隔で)突出する状態となる。そして、この各固定用突起810を、「外側当接部位12tに沿って開口する固定穴701K」のうちで対応するものに対して、圧入状態で挿嵌すると共に、外側レール12の一方の側縁部12aを、外側当接部位12tに当接させると、外側レール12の遊技盤10への固定を完了する。
【0125】
同様に、このレールピン880を、その一端部の側から、内側レール13の各装着部13cに挿通した後、軸心方向に沿った略中間部を中心に折り曲げ、略釘形状とする。これにより、レールピン880を、「内側レール12の各装着部13c」に装着する作業を完了する。このとき、このレールピン880において、「内側レール13の一方の側縁部13a」から突出する部分によって、固定用突起882が構成される。
【0126】
即ち、内側レール13の一方の側縁部13aからも、複数個の固定用突起882が、所定の間隔をおいて(内側当接部位13tに沿って開口する固定穴601Kの配置間隔と等間隔で)突出する状態となる。そして、この各固定用突起820を、「内側当接部位13tに沿って開口する固定穴701K」のうちで対応するものに対して、圧入状態で挿嵌すると共に、内側レール13の一方の側縁部13aを、内側当接部位13tに当接させると、内側レール13の遊技盤10への固定を完了する。
【0127】
図7に示すように、以上の遊技盤10の前面部10aにおいて遊技領域11内に位置する部位には、流下経路変更部材20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図7では、図示を省略)と、風車(図7では、図示を省略)等が配設されている。また、図8に示すように、遊技盤10に裏面部10b(後方板状部材700の裏面部600b)には、中央表示装置27が固着されている。更に、遊技盤10を前後に縦断する状態で、ワープ部材70、70が配設されている。
【0128】
流下経路変更部材20は、透明な樹脂を用いて構成されると共に、貫通部611の外縁部の前方で、しかも、この外縁部よりも内側の部位に装着されている。この流下経路変更部材20は、図17に示すように、遊技盤10の前面部10aから前方に突出する壁部21(遊技球の流下経路を変更するための壁部)を形成するための部材である。この流下経路変更部材20は、樹脂を用いて構成されると共に枠形状を備えている。また、この流下経路変更部材20は、図16及び図17に示すように、前面部10aから前方に突出する状態に配置される壁部21と、壁部21の基端部から突出し、前面部10aに沿った方向に配置される取付代22とを備えている。そして、この取付代22を、対応する盤部品固定穴503nを利用しつつ、遊技盤10の前面部10aにネジ止めすることで、この流下経路変更部材20は、遊技盤10に装着されている。
【0129】
壁部21は、上部を位置する庇部21aと、左右に位置する側壁部21b、21cと、下部に位置するステージ部21dとを備えている。このうち、庇部21aは、その上面部が、左右方向中間部から左右両端に下る「下り傾斜面」を形成している。このため、庇部21aの上面部に到達した遊技球は、この上面部に沿って、庇部21aの左右一方の端部側に転動するものとされている。
【0130】
ステージ部21dの突端部からは、「落下防止壁21e」が上方に向かって延設されている。また、このステージ部21dは、その上面部によって、遊技球の転動面を構成する。この転動面は、「左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面」として構成されている。そして、落下防止壁21eの左右方向に沿った中央部には、ステージ部21dの上面部(転動面)上の遊技球を、ステージ部21dの外部に排出するための排出通路21fが設けられている。尚、本実施例では、ステージ部21dの上面部(転動面)に進入した遊技球は、上面部(転動面)上を左右に転動する。そして、遊技球の勢いを衰えたところで、この遊技球は、排出通路21fを通過してステージ部21d外に排出されるか、或いは、「ステージ部21dの上面部(転動面)において、落下防止壁21eが低くされた部位」から、ステージ部21d外に排出される。尚、排出通路21fの出口部の直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
【0131】
左側の側壁部21bは、左方向に入口部を開口させ、右方向に出口部を開口させたワープ孔21hを備えている。そして、図21に示すように、このワープ孔21hの出口部は、略管状のワープ連絡部材21i(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、左側のワープ進入孔503Rに連絡されている(図21を参照)。更に、この左側のワープ進入孔503Rの出口部5031Rは、左側のワープ部材70(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、左側のワープ排出孔503Tの入口部5031Tに連絡されている。更に、この「左側のワープ排出孔503Tの出口部」は、ステージ部21dの上面部(転動面)の左端側に連絡されている。この左側のワープ部材70は略管状に構成され、その中間部が、貫通部611内に進入している。
【0132】
つまり、遊技盤10には、左側のワープ進入孔503Rと、左側のワープ連絡部材21iと、左側のワープ部材70と、左側のワープ排出孔503Tとを用いて構成される「ワープ通路(「遊技領域11に存在する遊技球を、一端、遊技領域11の後方に搬送し、再び、遊技領域11に戻す通路」の意味で用いる。)」の中間部が、貫通部611内に進入すると共に、表示画面27aに近接する位置を通過している。即ち、左側の側壁部21bの左側方に到達し、しかも、ワープ孔21hに進入した遊技球は、左側のワープ連絡部材21iを通過した後、左側のワープ進入孔503R、左側のワープ部材70、左側のワープ排出孔503Tの順に通過する。この後、左側のワープ排出孔503Tの出口部からステージ部21dの上面部(転動面)の左端側に到達する。更に、この左側のワープ通路(503R、21i、70、503T)の内部が視認可能とされ(流下経路変更部材20、ワープ連絡部材21i、ワープ部材70が透明であるから)、遊技者は、このワープ通路(503R、21i、70、503T)の内部を通過する遊技球を視認可能である。加えて、左側のワープ部材70を通過する際に、遊技球は、貫通部611内を通過する。このため、本実施例では、「遊技球が、本遊技機1のうちで遊技者が特に注視する部位(表示画面27a)の近傍を通過すること」を、左側のワープ部材70を透かして視認することが可能である。
【0133】
右側の側壁部21cは、右方向に入口部を開口させ、左方向に出口部を開口させたワープ孔21pを備えている。そして、図18に示すように、このワープ孔21pの出口部は、略管状のワープ連絡部材21k(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、右側のワープ排出孔503Sに連絡されている。更に、この右側のワープ進入孔503Sの出口部5031Sは、右側のワープ部材70(透明な樹脂を用いて構成される。)を用いて、右側のワープ排出孔503Uの入口部5031Uに連絡されている。更に、この「右側のワープ排出孔503Uの出口部」は、ステージ部21dの上面部(転動面)の右端側に連絡されている。この右側のワープ部材70も、略管状に構成され、その中間部が、貫通部611内に進入している。
【0134】
つまり、遊技盤10には、右側のワープ進入孔503Sと、右のワープ連絡部材21kと、右側のワープ部材70と、右側のワープ排出孔503Uとを用いて構成される「ワープ通路」の中間部が、貫通部611内に進入すると共に、表示画面27aに近接する位置を通過している。即ち、右側の側壁部21cの右側方に到達し、しかも、この側壁部21cのワープ孔21pに進入した遊技球は、右側のワープ連絡部材21k、右側のワープ進入孔503S、右側のワープ部材70、右側のワープ排出孔503Uの順に通過する。この後、右側のワープ排出孔503Uの出口部からステージ部21dの上面部(転動面)の右端側に到達する。更に、この右側のワープ通路(503S、21k、70、503U)の内部も、視認可能とされ(流下経路変更部材20、ワープ連絡部材21k、ワープ部材70が透明であるから)、遊技者は、このワープ通路(503S、21k、70、503U)の内部を通過する遊技球を視認可能である。加えて、右側のワープ部材70を通過する際にも、遊技球は、貫通部611内を通過する。このため、本実施例では、「遊技球が、本遊技機1のうちで遊技者が特に注視する部位(表示画面27a)の近傍を通過すること」を、右側のワープ部材70を透かして視認することも可能である。
【0135】
中央表示装置27は、「画像表示装置」の具体例を構成すると共に液晶表示装置を用いて構成されている。この中央表示装置27の前面部には、図18〜図20に示すように、表示画面27aと、この表示画面27aを枠状に包囲する表示枠部27gとが設けられている。ここで、表示画面27aは、画像表示部の具体例を構成する。そして、この中央表示装置27は、表示枠部27gの前面部を後方板状部材700の裏面部700bのうちで、第2の貫通部711を包囲する部位に当接させつつ、この裏面部700bに固着されている。尚、本実施例の中央表示装置27(液晶表示装置)は、「前面部側に表示画面27aを備える液晶パネル」を含む構成とすれば足り、当該「液晶パネル」以外の部材(駆動回路等)を一体的に備えるか否かを特に問わない。
【0136】
つまり、この「画像表示装置」の具体例を構成する液晶表示装置は、「表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)を主体とする装置(駆動回路等を含まない装置)」として構成されてもよいし、表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)と、他の部材(駆動回路等)とを含む装置として構成されてもよい。換言すると、少なくとも、「表示用の本体部(液晶パネルを含む部分)」を含む装置であればよい。この場合、例えば、この液晶パネルを、表示領域部(表示画面27aを構成する部位)と、この表示領域部を枠状に包囲する表示枠部と、を備える構成とする。そして、この液晶パネルの前面部(表示枠部の前面部)を、後方板状部材700の裏面部700bのうちで、第2の貫通部711を包囲する部位に当接させつつ、この液晶パネルを後方板状部材700の裏面部700bに固着してもよい。
【0137】
本実施例では、図20に示すように、この中央表示装置27の固着のために、略L字のステー27hと、取付用のビス27iとを用いている。そして、このように、中央表示装置27の固着すると、表示画面27aの外縁部と、第2の貫通部711の内縁部とが、前後に位置合わせされる。また、表示画面27aの外縁部は、第1の貫通部611の内縁部とも、前後に位置合わせされる。このため、遊技盤10の前方の遊技者は、前方板状部材500を透かして、表示画面27aの全域を視認することができる(図7等を参照)。但し、本実施例では、表示画面27aのサイズを「17インチ」としている。尚、各請求項の発明では、表示画面27aのサイズは特に問わないが、「10インチ」〜「20インチ」の間で選択することが好ましく、「15インチ」〜「17インチ」の間で選択することが特に好ましい。
【0138】
この中央表示装置27は、後述する右下表示装置60と同様に、当否判定の結果(後述する。)を示す図柄(以下、「判定結果図柄」という。)を確定表示するためのものである。但し、この中央表示装置27においては、右下表示装置60よりも、演出度の高い演出を実行しつつ、判定結果図柄を確定表示を行う。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄を表示するための「本図柄表示用の図柄表示装置」を構成し、中央表示装置27が、演出用の疑似図柄(演出図柄ということもある。)を表示するための「疑似図柄表示用の図柄表示装置」を構成する。また、本実施例と異なり、単一の図柄表示装置によって、本図柄の表示と、疑似図柄の表示とを行ってもよい。また、各請求項の発明の遊技機1は、本図柄の表示のみを行い、疑似図柄の表示を行わないものであってもよい。
【0139】
中央表示装置27の表示画面は可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。また、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、図7に示すように、遊技領域11において、流下経路変更部材20の両脇に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図24参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
【0140】
始動入賞装置17は、前後に連通する2つの始動入賞球通過孔503a、603aの前方に位置する部位に配設されている。そして、図7に示すように、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路24cの出口部24eの直下に位置するため、排出通路24cを通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
【0141】
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの直下に位置すると共に、入口側部分に、普通電動役物17dが配置されている。この普通電動役物17eは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図24参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0142】
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図24参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される構成となっている。
【0143】
図7に示すように、下部装置30は、始動入賞装置17の下方に配設されている。この下部装置30は、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、前後に連通する2つの大入賞球通過孔503b、603bと連通している。尚、この2つの大入賞球通過孔503b、603bによって、「大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための大入賞口入賞通路(図示を省略)」が構成される。
【0144】
そして、可変入賞装置(大入賞装置)31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図25参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図24参照)と、を備えている。この可変入賞装置(大入賞装置)31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置(大入賞装置)31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
【0145】
左下表示装置50は、図7に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図22(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
【0146】
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
【0147】
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部61において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示(判定結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
【0148】
尚、本実施例では、「遊技球が、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、普通電動役物17eを開放状態とすべきか否かの判断を、「当否抽選」と称する。また、「遊技球が、始動入賞装置17に入賞すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、可変入賞装置(大入賞装置)31を開放を許容するか否かの判断(遊技機の遊技状態を、可変入賞装置31を閉鎖状態に維持する通常遊技状態から、可変入賞装置31の開閉を行う特別遊技状態にすべきか否かの判断)を、「当否判定」と称する。
【0149】
遊技状態表示部55は、2個のLED55a、55bを用いて構成され、遊技機1の現在の遊技状態を表示するために用いられる。つまり、2個のLED55a、55bを消灯させることで、「遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態である」旨が表示される。また、一方のLED55aを点灯させ、他方のLED55bを消灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。更に、一方のLED55aを消灯させ、他方のLED55bを点灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。
【0150】
ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確変モードになると、確変手段(特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定することを内容とする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17eの開放時間を長くしたり、開放回数が多く設定することを内容とする手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが、確変モードから時短モードになると、確変手段は作動を停止し、時短手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定することを内容とする手段)が作動を開始する。更に、遊技機1の遊技モードが、確変モードから通常遊技モードに戻されると、時短手段と、開放延長手段は作動を停止する。尚、本実施例では、確変手段の作動時に、確変手段は、「特別図柄の当否判定において、大当り判定がなされる確率を高く設定すること」に加えて、「特別図柄や普通図柄の変動時間を短く設定すること」も行う。つまり、遊技機1が実行する「確変モード」は、実質的に、時短モードをも実行するモードと言える。但し、本実施例では、確変モードが解除された後であって、時短手段と、開放延長手段とが作動している場合のみを「時短モード」と称することとする。
【0151】
普通図柄表示部56は、1個のLED56aを用いて構成され、前述の如く、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16に伴う当否抽選の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)を経て実行する。つまり、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、普通図柄表示部56は点滅表示を開始する。そして、「当否抽選に関する結果の表示」の実行時期が到来すると(換言すると、普通図柄の変動時間を終了すると)、普通図柄表示部56を用いて、「当否抽選に関する結果」の確定表示がなされる。具体的には、LED56aを点灯状態とすることで、当該「当否判定に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示され、LED56aを消灯状態とすることで、当該「当否抽選に関する結果」が外れ(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示される。尚、当該「当否抽選に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)である場合には、前述のように、普通電動役物17e(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
【0152】
本実施例では、このように、LED56aを点灯状態としたり、消灯状態とすることで、普通図柄の確定表示を示し、LED56aを点滅状態とすることで、普通図柄の変動表示を示す。つまり、ランプ装置による点灯表示と、消灯表示と、点滅表示とを用いて、普通図柄の表示を行う。但し、本実施例においては、数字(例えば、1〜9の数字)、アルファベット文字、図形等を用いて普通図柄の表示を行うこともできる。
【0153】
右下表示装置60は、図7に示すように、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図22(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
【0154】
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62は、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。具体的には、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」において、この略長円状を周回する方向に沿って、「7個のLED62a〜62g」が点灯する。
【0155】
より具体的には、所定のLED(例えば、LED62a)が点灯状態となると、残りのLED(例えば、LED62b〜62g)は消灯状態となる。このLED(例えば、LED62a)が消灯状態となると、略長円状を周回する方向に隣合う1つのLED(例えば、LED62b)のみが点灯状態となる。そして、点灯状態となるLEDを、略長円状を周回する方向に沿って順次変更することで、特別図柄表示部62の変動表示が実行される。この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の確定表示が実行される。尚、特別図柄表示部62における特別図柄の表示態様に関しては後述する。
【0156】
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成される。この大当り態様表示部63は、主に、「特別図柄に関する当否判定に関する結果が大当りである場合、その大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とさせる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。具体的には、一方のLED63aを点灯させ、他方のLED63bを消灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第1の大当り」であることが示される。また、一方のLED63aを消灯させ、他方のLED63bを点灯させて、「特別図柄表示部62においてなれる大当り表示」が、「第2の大当り」であることが示される。
【0157】
尚、「第1の大当り」に起因して実行される「第1の特別遊技状態」は、15回、可変入賞装置31を開放状態としつつ実行され、この「第1の特別遊技状態」が実行されると、遊技者は、大量の賞球を期待することができる。この「第1の特別遊技状態」の終了後に、遊技機の確率モード(当否判定において、大当り判定が得られる確率の状態)は、「通常モード」になる場合と、「高確率モード」になる場合がある。つまり、「第1の特別遊技状態」においては、開閉板31b(開閉部材)に、「第1の単位駆動」が施される。この「第1の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜35秒から選択される時間)維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。そして、この「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。この「第1の特別状態」の終了後においては、確率モードが、通常遊技モードとされる場合と、高確率モードとされる場合とがある。
【0158】
一方、「第2の大当り」に起因して実行される「第2の特別遊技状態」は、2回、可変入賞装置31を開放状態としつつ実行され、この「第2の特別遊技状態」が実行されても、実質的に賞球を生じないようにされる(全く生じないことを前提とするが、偶発的に生ずることがある。)。但し、この「第2の特別遊技状態」の終了後に、遊技機の確率モード、必ず、「高確率モード」になる。つまり、「第2の特別遊技状態」においては、開閉板31b(開閉部材)に、「第2の単位駆動」が施される。この「第2の単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、「閉鎖姿勢」から、「開放姿勢」に移行させ、この開放姿勢を、「第1の時間よりも短い第2の時間(例えば、0.05秒〜0.35秒から選択される時間)」維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。この「第2の単位駆動」が終了すると、遊技機1の遊技状態は、第2の特別遊技状態から通常遊技状態に戻される。そして、この「第2の特別状態」の終了後においては、確率モードが、一律に高確率モードとされる。
【0159】
本実施例では、個々の第2の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)は、個々の第1の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)よりも短く設定されている。しかも、「第2の特別遊技状態の間に実行される第2の単位駆動の回数」は、「第1の特別遊技状態の間に実行される第1の単位駆動の回数」よりも少なく設定されている。このため、「第2の特別遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第2の確率」)は、「第1の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第1の確率」)に比べて低くされている。そして、本実施例では、第2の時間が「ごく短時間(0.05秒〜0.35秒から選択される時間)」に設定されると共に、「第2の単位駆動」の「繰り返し実行回数」が最小回数(2回)に設定されている。このため、「第2の確率」は特に低くされ、遊技球の入賞は、ごく希にしか生じない。
【0160】
尚、本実施例においては、中間板状部材600の裏面部600bのうちで、取付板部31k(図7に示すように、可変入賞装置31を遊技盤10の前面部10aに装着するために使用される板状の部材である。)の背後(後方)に位置する部位に、駆動用凹部650を備え、この駆動用凹部650の内部に、可変入賞装置(大入賞装置)31を駆動するための駆動基板800{図20(a)を参照}が収納されている。また、中間板状部材600の裏面部600bのうちで、取付板51(図7に示すように、左下表示装置50を遊技盤10の前面部10aに装着するために使用される板状の部材である。)の背後(後方)に位置する部位にも、この駆動用凹部650を備え、この駆動用凹部650の内部に、左下表示装置50を駆動するための駆動基板800{図20(a)を参照}が収納されている。更に、中間板状部材600の裏面部600bのうちで、取付板61(図7に示すように、右下表示装置60を遊技盤10の前面部10aに装着するために使用される板状の部材である。)の背後(後方)に位置する部位にも、この駆動用凹部650を備え、この駆動用凹部650の内部に、右下表示装置60を駆動するための駆動基板800{図20(a)を参照}が収納されている。
【0161】
図22(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図22(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図24参照)が配設されている。また、各一般入賞装置40、41、43、44は、それらの後方で連通する一般入賞球通過孔(503c及び603c、503e及び603e、503g及び603g、503h及び603h)に連通している。
【0162】
図7に示すように、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。また、アウト口18は、その後方で連通する、アウト球通過孔503k、603kと連通している。更にアウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。但し、図8においては、ファール球防止部材15の図示を省略している。また、多数の障害釘SKは、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されているが、図7、図8においては、障害釘SKの図示を省略している。
【0163】
尚、本遊技機1では、前述のように、上皿部材5に操作スイッチSWを配設している。本実施例の遊技機1では、この操作スイッチSWを操作しても、遊技上の演出に変化を与えることはできないが、各発明においては、この操作スイッチSWを、遊技上の演出に変化を与えるために用いることとしてもよい。例えば、中央表示装置27の表示画面27aで行われる表示に変更を加えるために用いることとしてもよい。
【0164】
e.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図23を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
【0165】
裏機構盤102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
【0166】
賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図23において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。また、賞球払出装置109の下流側には、遊技球の振り分け部が設けられている。尚、図23は、図示が煩雑となることを避けるために、振り分け部の表示は省略されている。
【0167】
主制御基板ケース、中継端子板や、払出制御基板ケース118等の各種基板類は、裏機構盤102に回動自在に懸架された図示しない金属板に、着脱自在に装着されている。
【0168】
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス、電源スイッチ、電源ターミナル基板132及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた中継端子板が設けられている。尚、電源ターミナル基板132には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ132aが接続されている。また、中継端子板の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブルも配設されている。更に、払出制御基板ケース118からは接続ケーブルが上方へ延出し、電源ケーブルを備えた球貸装置に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部材用球通路部材が設けられている。
【0169】
(2)制御回路の構成
次に、図24〜図26を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
【0170】
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(c)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
【0171】
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図24〜図26中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図25においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
【0172】
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ31s、40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部200A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。尚、図24において図示を省略するが、(1)主制御部200A(主制御基板200)と、大入賞口ソレノイド31cとの間、(2)主制御部200A(主制御基板200)と、左下表示装置50との間、(3)主制御部200A(主制御基板200)と、右下表示装置60との間には、各々、駆動基板800{図20(a)を参照}が介在されている。
【0173】
演出制御部220A(演出制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、中央表示装置(液晶表示装置)27を駆動する演出表示基板222やスピーカーSPを駆動するアンプ基板224が接続されている。
【0174】
演出制御部220A(演出制御基板220)は、装飾用の各種LED基板4c〜4i、前述の電飾基板810等が、装飾駆動基板226を介して接続されている。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、装飾用の各種LED基板4c〜4i、前述の電飾基板810等を駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。尚、操作スイッチSWからの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220A(演出制御基板220)に入力される。また、演出制御部220A(演出制御基板220)の詳細な入出力関係については後述する。
【0175】
払出制御部240A(払出制御基板240)は、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が上皿部材5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。この球貸装置は、払出制御部240A(払出制御基板240)とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。
【0176】
主制御部200A(主制御基板200)が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240A(払出制御基板240)が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200A(主制御基板200)でも計数されている。
【0177】
賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、払出制御部240A(払出制御基板240)は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。
【0178】
下皿部材6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、下皿部材6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御部240A(払出制御基板240)が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、或いは、遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御部240A(払出制御基板240は、主制御部200A(主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260A(発射制御基板260)に向かって出力している。そして、発射制御部260A(発射制御基板260)は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
【0179】
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
【0180】
演出制御部220A(演出制御基板220)は、前述のように、主制御部200A(主制御基板200)から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)中央表示装置(液晶表示装置)27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜SP4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDランプ、「LED基板4c〜4iに搭載されたLEDランプ」、及び、「電飾基板810を構成するランプ装置812」等の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出制御部220A(演出制御基板220)の駆動信号を演出表示基板222に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置(液晶表示装置)27、或いは、演出表示基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
【0181】
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ、「LED基板4c〜4iに搭載されたLEDランプ」、及び、「電飾基板810を構成するランプ装置812」等の駆動信号を出力することによって、各種LEDの点灯・点滅動作等を制御する。更に、上皿部材5の前面側に設けられた操作スイッチSWを、遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220A(演出制御基板220)に供給される。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、供給された操作信号に基づいて、中央表示装置(液晶表示装置)27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
【0182】
(3)実施例の効果
本実施例の遊技機1では、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700と、を着脱可能に積層して、遊技盤10を構成するため、遊技盤10、若しくは、その構成部分(前方板状部材500、中間板状部材600、後方板状部材700)の汎用性を高めたり、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。例えば、特定機種の遊技盤10を不良在庫として抱えそうになったとしても、「中間板状部材600のみ」、若しくは、「前方板状部材500及び中間板状部材600」を交換すれば、当該遊技盤10を、別機種の遊技盤10として使用することができる。
【0183】
つまり、盤部品(流下経路変更部材20、始動入賞装置17、下部装置30、左下表示装置50、右下表示装置60、一般入賞装置40、41、43、44等)の構成や配置の変更を要求されない場合は、中間板状部材600のみを、異なるセル画部Gを備える「別の中間板状部材600」に交換すれば、当該遊技盤10を、別機種の遊技機1を構成する遊技盤10として使用することができる(第1の転用態様)。また、盤部品の構成や配置の変更を要求される場合は、中間板状部材800を、異なるセル画部を備えるものに交換すると共に、前方板状部材を、盤部品の構成や配置が異なる「別の中間板状部材600」に交換することで、別機種の遊技機1を構成する遊技盤10として使用することができる(第2の転用態様)。
【0184】
即ち、第1の転用態様によると、特定数の遊技盤10が不良在庫になりかけた場合、前方板状部材500及び後方板状部材600を、他の機種の遊技機1を構成する遊技盤10に転用できる。また、第2の転用態様によると、特定数の遊技盤が不良在庫になりかけた場合、後方板状部材700を、他の機種の遊技機1を構成する遊技盤10に転用できる。従って、本実施例によると、遊技盤10、若しくは、その構成部分(前方板状部材500、中間板状部材600、後方板状部材700)の汎用性を高めることができる。
【0185】
また、第1の転用態様においては、盤部品が前方板状部材500に装着されたままの状態で転用でき、背面部品(球通路を構成するための部品等)が後方板状部材700に装着されたままの状態で転用できる。更に、第2の転用態様においても、背面部品が後方板状部材700に装着されたままの状態で転用できる。従って、本実施例によると、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。よって、本実施例によると、所謂「セル替」を簡易かつ安価に行い、不良在庫を抱えそうになった場合のリスクを、少なくすることができる。
【0186】
また、本実施例では、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700と、を着脱可能に積層して、遊技盤10を構成するため、「透明型の遊技機」において、その製造作業の効率化を図ることができる。例えば、特定の製造メーカが製造する「複数の機種」において、前方板状部材500の共通化と、後方板状部材600の共通化を図れば、機種変更時には、中間板状部材600のみを新たに設計・製造等すればよいため、遊技機1の製造作業の効率化を図ることができる。特に、中間板状部材600を社外(協力会社)にて製造する場合、製造メーカにおいては、遊技盤10の作製に際し、共通部品としての前方板状部材500及び後方板状部材700と、機種毎に変更される中間板状部材600と、の組立作業を行えば足りるため、遊技機1の製造作業が更に効率的なものとなる。
【0187】
また、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材700との各々を異なる業者が製造することとすれば、遊技機1の製造作業が、更により一層、効率的なものとなる。つまり、この場合、前方板状部材500に盤部品を装着する作業、後方板状部材700に背面部品を装着する作業等、「手間の掛かる作業」が、複数業者の分業作業となるため、遊技機の製造作業が、更により一層、効率的なものとなる。
【0188】
更に、本実施例によると、遊技盤10の内部に、駆動基板800及び電飾基板810を埋設するため、「遊技盤10の背後の空きスペース」を拡大することができる。従って、本実施例によると、遊技盤10の背後に配置する遊技機部品(背面部品)等が受ける設計上の制約や、遊技盤10の前面部10aにおける設計上の制約等を、少なくすることができる。このため、例えば、球通路を構成するための部品、各種の基板(主制御基板200、演出制御基板220等)のサイズや配置箇所を選択する自由度を高くしたり、盤部品のサイズや配置箇所を選択する自由度を高くすることができる。
【0189】
更に、本実施例によると、駆動基板800及び電飾基板810を遊技盤10に埋設することを通じて、遊技機1全体の厚さ(前後方向に沿った幅)を小さくできるため、遊技機の島設備における遊技機1の設置スペースを小さくできる。このため、本実施例によると、パチンコホールの側は、当該パチンコホールの空き空間を拡大して、遊技者に、より良好な遊技スペースを提供することもできる。
【0190】
また、本実施例では、遊技盤の内部にランプ装置812を埋設すると共に(換言すると、遊技球が転動する遊技盤10の前面部10aに近接する位置にランプ装置812を配置すると共に)、このランプ装置812が、「遊技者が注視する遊技領域11」の背後に配設されるため、このランプ装置812によって、より臨場感に富んだ電飾を行うことができる。また、本実施例では、ランプ装置812のみならず、配線基板811をも、遊技盤10の内部に埋設し、この配線基板811を遊技盤10の前面部や背後に配置しなくてもよい点からも、遊技盤10の背後や遊技盤の前面部の空きスペースを拡大できる。
【0191】
更に、本実施例によると、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材600の平面形状が略等しくされている。しかも、本実施例では、各嵌合用突部700K(位置決め用突部)と、位置決め孔501(位置決め用嵌合部)と、中間位置決め孔601(位置決め用嵌合部)とを用いて、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材600との位置決めを行うことができる。このため、前方板状部材500と、中間板状部材600と、後方板状部材600を積層する作業を、より円滑に行うことができる。
【0192】
B.実施例2
次に、実施例2に係る遊技機について説明する。この実施例2の遊技機は、図27〜図29、及び図30(a)に示すようなものであり、以下の点が異なる他は実施例1と同様である。つまり、(1)遊技盤10Bを、前方板状部材500Bと、後方板状部材600Bとを積層して構成した点と、(2)前方板状部材500Bの裏面部500bに、セル画部Gを設けた点と、(3)前方板状部材500Bに、駆動用凹部(図示を省略)と電飾用凹部651とを設けた点と、が実施例1と異なっている。
【0193】
図27及び図28に示すように、実施例2の前方板状部材500Bは、実施例1の前方板状部材500と同様な構成を備えている。つまり、前方板状部材500Bは、前方板状部材500と同様な素材で構成され、同様な平面形状を備えると共に、同様な位置決め孔501を備える。また、この前方板状部材500Bも、外側レール12及び内側レール13が装着されると共に、遊技領域構成部に、始動入賞球通過孔と、大入賞球通過孔と、4つの一般入賞球通過孔と、アウト球通過孔と、が貫通状に設けられている(実施例1の前方板状部材500と同様の構成であり、図10を参照)。
【0194】
前方板状部材500Bには、前方板状部材500と同様に、貫通孔(K11、K12、K13、K14、K15、K16、K17、K21、K22、K23、K24、K25、K26、K27、K28)が設けられている。また、前方板状部材500Bにも、前方板状部材500と同様に、盤部品固定穴と、ワープ進入孔と、ワープ排出孔とが設けられている(実施例1の前方板状部材500と同様の構成であり、図10を参照)。
【0195】
図30(a)に示すように、前方板状部材500の裏面部500bにはセル画部Gが形成されている。但し、このセル画部Gを、前述の「装飾シート」を用いて構成することもできる。また、前方板状部材500Bの裏面部500bにおいて、駆動用凹部(図示を省略)と電飾用凹部651とが開口している。
【0196】
図27及び図28に示すように、実施例2の後方板状部材700Bは、実施例1の後方板状部材700と同様な構成を備えている。つまり、後方板状部材700Bは、後方板状部材700と同様な素材で構成され、同様な平面形状を備えると共に、同様な位置決め突起701を備えている。また、後方板状部材700Bは、後方板状部材700と同様、遊技領域後方部に、始動入賞球通過孔と、大入賞球通過孔と、4つの一般入賞球通過孔と、アウト球通過孔とを貫通状に備える(実施例1の後方板状部材700と同様の構成であり、図12を参照)。
【0197】
また、後方板状部材700Bの裏面部700bにおいても、各通過孔(始動入賞球通過孔、大入賞球通過孔、各一般入賞球通過孔、アウト球通過孔)が開口する部位からは、遊技球案内用のリブが突出している(実施例1の後方板状部材700と同様の構成であり、図15を参照)。更に、図27に示すように、後方板状部材700Bの略中央部には、実施例1の「第2の貫通部711」と同様な「貫通部711B」が設けられ、後方板状部材700Bの裏面部700bには、実施例1と同様に、中央表示装置27が固着される。
【0198】
また、図28に示すように、後方板状部材700Bの表面部700aにおいて、各貫通孔(K11〜K17、K21〜K28)と前後に位置合わせされる部位からは、各々、嵌合用突部700Kが突出している(前方に向かって突出している。)。そして、各嵌合用突部700Kには、図29に示すように、固定穴701Kが設けられている。
【0199】
前方板状部材500Bと、後方板状部材700Bとを積層すると、後方板状部材700Bの各嵌合用突部600Kは、前方板状部材500Bの対応する貫通孔(K11〜K17、K21〜K28)に嵌合される。このとき、各嵌合用突部700Kの突端部は、前方板状部材500Bの表面部500aと略面一となり、各固定穴701Kは、前方板状部材500の表面部500a(遊技盤10Bの表側)において開放された状態となる。そして、この遊技盤10Bに対しても、実施例1と同様、外側レール12と内側レール13とが、880を用いて固定されている。
【0200】
また、以上の遊技盤10Bの前面部10aにおいて遊技領域11内に位置する部位には、実施例1と同様な盤部品(流下経路変更部材、普通図柄作動ゲートと、始動入賞装置と、下部装置と、左下表示装置と、右下表示装置と、4個の一般入賞装置と、多数の障害釘と、風車等)が配設される(実施例1の遊技盤10と同様の構成であり、図7を参照)。。また、図27に示すように、遊技盤10Bに裏面部10b(後方板状部材700Bの裏面部700b)には、中央表示装置27が固着されている。更に、遊技盤10を前後に縦断する状態で、実施例1と同様なワープ部材が配設される(図示を省略)。
【0201】
実施例2においても、前方板状部材500Bと、後方板状部材700Bとを着脱可能に積層して、遊技盤10Bを構成するため、遊技盤10、若しくは、その構成部分(前方板状部材500B、後方板状部材700B)の汎用性を高めたり、構成部品の円滑な再利用を図ることができる。例えば、特定機種の遊技盤10を不良在庫として抱えそうになったとしても、「前方板状部材500」を交換すれば、当該遊技盤10を、別機種の遊技盤10として使用することができる。
【0202】
また、実施例2においても、「透明型の遊技機」の製造作業の効率化を図ることができる。例えば、特定の製造メーカが製造する「複数の機種」において、後方板状部材600Bの共通化を図れば、機種変更時には、前方板状部材500Bのみを新たに設計すればよいため、遊技機の製造作業の効率化を図ることができる。特に、前方板状部材500Bを社外(協力会社)にて製造する場合、製造メーカにおいては、遊技盤10Bの作製に際し、共通部品としての後方板状部材700Bと、機種毎に変更される前方板状部材500Bと、の組立作業を行えば足りるため、遊技機の製造作業が更に効率的なものとなる。
【0203】
また、前方板状部材500Bと、後方板状部材700Bとの各々を異なる業者が製造することとすれば、遊技機1の製造作業が、更により一層、効率的なものとなる。更に、実施例2においても、遊技盤10Bの内部に、駆動基板800及び電飾基板810を埋設するため、「遊技盤10の背後の空きスペース」を拡大することができる。更に、実施例2によると、駆動基板800及び電飾基板810を遊技盤10Bに埋設することを通じて、遊技機全体の厚さ(前後方向に沿った幅)を小さくできるため、遊技機の島設備における遊技機1の設置スペースを小さくできる。このため、実施例2によっても、パチンコホールの側は、当該パチンコホールの空き空間を拡大して、遊技者に、より良好な遊技スペースを提供することもできる。
【0204】
また、実施例2においても、遊技盤10Bの内部にランプ装置812を埋設するため、このランプ装置812によって、臨場感に富んだ電飾を行うことができる。また、実施例2においても、ランプ装置812のみならず、配線基板811をも、遊技盤10の内部に埋設し、この配線基板811を遊技盤10の前面部や背後に配置しなくてもよい点からも、遊技盤10Bの背後や遊技盤の前面部の空きスペースを拡大できる。
【0205】
更に、実施例2においても、前方板状部材500Bと、後方板状部材600Bの平面形状が略等しくされ、しかも、各嵌合用突部700K(位置決め用突部)と、位置決め孔501(位置決め用嵌合部)とを用いて、前方板状部材500Bと、後方板状部材700Bとの位置決めを行うことができる。このため、前方板状部材500Bと、後方板状部材700Bを積層する作業を、より円滑に行うことができる。
【0206】
尚、請求項6〜8の各発明においては、セル画部Gの形成箇所を、実施例2と異なるものとすることもできる。つまり、図30(b)に示すように、前方板状部材500Bの前面部500aにセル画部Gの形成してもよいし、図示を省略するが、後方板状部材700Bの前面部700aにセル画部Gの形成してもよい。
【0207】
また、請求項6〜8の各発明においては、図30(b)に示すように、後方板状部材700Bにおいて、凹部(駆動用凹部650及び電飾用凹部のうちの少なくとも一方)と対向する部位に、「後方板状部材700Bの前面部700aで開口する後方側凹部751」を設けてもよい。この場合、凹部(駆動用凹部650のみを図示)と、後方側凹部751とが協働して大型の収納空間を構成する。このため、この収納空間に大型の基板(駆動基板800を図示するが、電飾基板810であってもよい。)を収納することができる。つまり、この大型の収納空間によると、図30(b)に示すように、「部品(電子部品等)を両面に実装した両面実装型の基板(駆動基板800)」や「大型の部品(電子部品等)を実装した基板」等も、好適に収納することができる。尚、図示を省略するが、請求項2の発明においても、同様に、後方板状部材おいて、凹部(駆動用凹部及び電飾用凹部のうちの少なくとも一方、若しくは、その他の遊技機部品を収納するための凹部)と対向する部位に、「後方板状部材の前面部で開口する後方側凹部」を設けてもよい。
【0208】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0209】
即ち、後方板状部材700、700Bの構成素材は、本実施例で例示する樹脂に限定されない。例えば、木材(合板等)や金属等であってもよい。また、各実施例の遊技盤10、10Bにおいて、位置決め用突部と、位置決め用嵌合部との構成態様を変更してもよい。例えば、実施例1において、前方板状部材500に、後方に突出する位置決め用突部を設け、中間板状部材600及び後方板状部材700に、この位置決め用突部が嵌合する位置決め用嵌合部を設けてもよい。また、中間板状部材600に、前方に突出する位置決め用突部と、後方に突出する位置決め用突部とを設け、前方板状部材500に、前方に突出する位置決め用突部が嵌合する位置決め用嵌合部を設け、後方板状部材700に、後方に突出する位置決め用突部が嵌合する位置決め用嵌合部を設けてもよい。同様に、実施例2において、前方板状部材500Bに、後方に突出する位置決め用突部を設け、後方板状部材700Bに、この位置決め用突部が嵌合する位置決め用嵌合部を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。
【図2】本発明の各実施例に係る遊技機において、遊技盤を示す正面図である。
【図3】本発明の各実施例に係る遊技機において、中枠を説明するための概略的な説明図である。
【図4】本発明の各実施例に係る遊技機において、中枠を説明するための概略的な背面図である。
【図5】(a)は図4の1−1断面図、(b)は中枠が遊技盤を保持した状態を説明するための説明図(図4の1−1断面図に相当する。)である。
【図6】中枠が遊技盤を保持した状態を説明するための概略的な背面図である。
【図7】実施例1の遊技盤を示す正面図である。
【図8】実施例1の遊技盤を示す斜視図である。
【図9】実施例1の遊技盤の分解斜視図である。
【図10】図7の遊技盤を構成する前方板状部材の正面図である。
【図11】図7の遊技盤を構成する中間板状部材の正面図である。
【図12】図7の遊技盤を構成する後方板状部材の正面図である。
【図13】実施例1において、内側レール及び外側レールの固定方法等の具体例を説明するための分解斜視図である。
【図14】内側レール及び外側レールが、固定された遊技盤の具体例を示す説明図である。
【図15】図7の遊技盤を構成する後方板状部材の斜視図である。
【図16】流下経路変更部材の正面図である。
【図17】流下経路変更部材と、遊技盤を説明するための縦断面図である。
【図18】図7のa−a断面図である。
【図19】図7のb−b断面図である。
【図20】(a)は中央表示装置(画像表示装置)の固着方法及び駆動用凹部等を説明するための説明図、(b)は中央表示装置(画像表示装置)の固着方法及び電飾用凹部等を説明するための説明図である。
【図21】実施例1の遊技盤の分解縦断面図である。
【図22】(a)は本発明の各実施例において、左下表示装置の概略的な正面図であり、(b)は本発明の実施例において、右下表示装置の概略的な正面図である。
【図23】本発明の各実施例に係る遊技機において、遊技盤を示す背面図である。
【図24】本発明の実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図25】本発明の実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図26】本発明の実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図27】実施例2の遊技盤を示す斜視図である。
【図28】実施例2の遊技盤の分解斜視図である。
【図29】実施例1において、内側レール及び外側レールの固定方法等の具体例を説明するための分解斜視図である。
【図30】(a)は実施例2において、セル画部及び電飾用凹部等を説明するための説明図、(a)は実施例2の変形例において、セル画部及び電飾用凹部等を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0212】
1;遊技機(弾球遊技機)、
2;外枠、
3;中枠(ベース枠部材)、
10;遊技盤、
11;遊技領域、
12;外側レール、
13;内側レール、
500、500B;前方板状部材、
501;位置決め孔(位置決め用嵌合部)、
600;中間板状部材、
601;位置決め孔(位置決め用嵌合部)、
611;第1の貫通部、
700、700B;後方板状部材、
701;位置決め突起(位置決め用突部)、
711;第2の貫通部、
711B;貫通部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤と、所定の画像を表示するための画像表示部を有する画像表示装置と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤が、
略板状体を用いて構成されると共に前面部に遊技領域が形成され、所定の盤部品が装着される前方板状部と、
該前方板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通する第1の貫通部を具備すると共に、前面部にセル画部が設けられる中間板状部と、
該中間板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通すると共に、前記第1の貫通部と前後に連通する第2の貫通部を具備する後方板状部と、
を着脱可能に積層して構成され、
前記前方板状部において、少なくとも、前記セル画部の前方に位置する部位と、前記第1の貫通部の前方に位置する部位と、が透明部とされ、
前記画像表示部が、前記第1の貫通部及び前記第2の貫通部によって前記遊技盤の前方から視認可能な状態とされることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技盤と、所定の画像を表示するための画像表示部を有する画像表示装置と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤が、
略板状体を用いて構成されると共に前面部に遊技領域が形成され、所定の盤部品が装着される前方板状部と、
該前方板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通する第1の貫通部を具備すると共に、所定の遊技機部品を収納するための凹部を、後方に開口する状態に備える中間板状部と、
該中間板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通すると共に、前記第1の貫通部と前後に連通する第2の貫通部を具備する後方板状部と、
を着脱可能に積層して構成され、
前記前方板状部において、少なくとも、前記第1の貫通部の前方に位置する部位が透明部とされ、
前記画像表示部を、前記第1の貫通部及び前記第2の貫通部によって前記遊技盤の前方から視認可能な状態とされることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記遊技機部品は、配線基板と、該配線基板に装着されるランプ装置と、を備えると共に、
前記中間板状部において、前記ランプ装置の前方に位置する部位が光透過部とされ、
前記前方板状部において、前記ランプ装置の前方に位置する部位が光透過部とされることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記前方板状部と、前記中間板状部と、前記後方板状部とにおいて、前方から視認した平面形状が略等しくされることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記前方板状部と、前記中間板状部と、前記後方板状部とのうちの何れか1個若しくは2個に、位置決め用突部を設け、
前記前方板状部と、前記中間板状部と、前記後方板状部とのうちの残りに、前記位置決め用突部が嵌合される位置決め用嵌合部が設けられることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技盤と、所定の画像を表示するための画像表示部を有する画像表示装置と、を備える遊技機であって、
前記遊技盤が、
略板状体を用いて構成され、前面部に遊技領域が形成され、所定の盤部品が装着されると共に、所定の遊技機部品を収納するための凹部を、後方に開口する状態に備える前方板状部と、
該前方板状部の後方に配置される略板状体を用いて構成され、前後に貫通する貫通部を具備する後方板状部と、
を着脱可能に積層して構成され、
前記前方板状部において、少なくとも、前記貫通部の前方に位置する部位が透明部とされ、
前記画像表示部を、前記貫通部によって前記遊技盤の前方から視認可能な状態とされることを特徴とする遊技機。
【請求項7】
前記遊技機部品は、配線基板と、該配線基板に装着されるランプ装置と、を備えると共に、
前記前方板状部において、前記ランプ装置の前方に位置する部位が光透過部とされることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記前方板状部の後面部にはセル画部が設けられ、
前記前方板状部において、前記セル画部の前方に位置する部位が透明部とされることを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−67894(P2008−67894A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248972(P2006−248972)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】