説明

遊技機

【課題】よりインパクトのある効果的な演出を実行可能な操作手段を備える遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、遊技者によって操作される演出ボタン51を備えている。この演出ボタン51は、枠部材3に対して上下動可能に構成されている。パチンコ遊技機1では、遊技制御部100による特別図柄抽選が実行されると、その抽選結果に基づいて、ランプ制御部150によってボタンモータ97の駆動が制御される。その結果、演出ボタン51が遊技者の操作とは無関係に上下動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者によって操作される操作手段を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機の中には、遊技者の遊技に対する意欲を高めることを目的として、遊技者によって操作される押ボタンを備えるものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のスロットマシンは、遊技者によって押下される押ボタンを備えている。この押ボタンは、光を透過する部材で形成された遊技者によって押下されるボタンカバーを備えている。このボタンカバーの内部には、電飾基板、回転体、チューブレンズが設けられている。電飾基板には、その中央部に第1のLEDが実装されると共に、周辺部に第2のLEDが実装されている。回転体は、文字や模様等の装飾が施された円盤状のものであって、第1のLEDからの光を透過するように、電飾基板の中央部と対応する位置に設けられている。チューブレンズは、その内径寸法が回転体の外径寸法よりも大きいリング状のものであって、第2のLEDからの光を透過するように、電飾基板の周辺部と対応する位置に設けられている。すなわち、チューブレンズは、回転体の径方向の外側に設けられている。このように構成された押ボタンでは、第2のLEDが点灯又は点滅すると、ボタンカバーを通してチューブレンズが点灯又は点滅して見える。また、第1のLEDが点灯又は点滅すると、回転体が点灯又は点滅して見える。その際、回転体に装飾が施されているので、回転体の装飾が浮き上がったように見える。なお、この回転体は、モータの駆動力によって回転可能に構成されている。このように構成された押ボタンは、第1のLEDと第2のLEDのそれぞれの点灯パターンの組み合わせと、回転体の回転の有無によって、様々な演出が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−99334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のスロットマシンでは、上述のようにLEDや回転体、チューブレンズ等を用いて押ボタンが電飾されるものの、遊技者が表示画面やリールに注視しながら遊技している状況においては、押ボタンが遊技者の視界の中心から離れた位置に設けられていることもあって、押ボタンが電飾されていたとしても遊技者がそれに気付きにくく、場合によっては気付かないこともあった。このため、特許文献1に記載されているような従来の遊技機では、必ずしもインパクトがある効果的な演出が行われているとは言えなかった。
【0006】
それ故に、本発明の目的は、よりインパクトのある効果的な演出を実行可能な操作手段を備える遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0008】
本発明に係る遊技機(1)は、遊技者によって操作される操作手段(51)と、遊技機本体(3)に対して前記操作手段(51)を移動させる移動手段(97)と、大当たり抽選を実行する抽選手段(101)と、前記抽選手段(101)の抽選結果に基づいて前記移動手段(97)を制御して、前記操作手段(51)を遊技者による操作とは無関係に移動させる移動制御手段(151)とを備える。
【0009】
前記抽選手段(101)の抽選結果に基づいて演出を決定する演出決定手段(131)と、前記演出決定手段(131)によって決定された演出を実行する演出実行手段(5)とを備え、前記移動制御手段(151)は、前記演出実行手段(5)によって実行される演出に前記操作手段(51)を連動させてもよい。
【0010】
前記移動制御手段(151)は、前記抽選手段(101)の抽選結果に応じて前記操作手段(51)の動作パターン、移動速度、及び停止位置の少なくともいずれかを変化させることが好ましい。
【0011】
前記操作手段(51)は、遊技者によって押下される押ボタンであって、前記移動手段(97)は、前記押ボタンが前記遊技機本体(3)から第1突出量だけ突出した第1位置と、当該遊技機本体(3)から前記第1突出量よりも大きい第2突出量だけ突出した第2位置との間で前記押ボタンを双方向に移動させてもよい。
【0012】
遊技者による前記操作手段(51)の操作を検知する操作検知手段(81)と、前記操作検知手段(81)によって前記操作手段(51)の操作が検知されたタイミングで、当該操作手段(51)の操作に伴う衝撃を検知する衝撃検知手段(99,131)とを備え、前記移動制御手段(151)は、前記抽選手段(101)による抽選結果、及び前記衝撃検知手段(99,131)による検知結果に基づいて、前記移動手段(97)を制御してもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、インパクトのある効果的な演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パチンコ遊技機1の概略正面図
【図2】演出ボタン51が飛び出していない状態におけるボタンユニット50の上面側を示す斜視図
【図3】演出ボタン51が飛び出した状態におけるボタンユニット50の上面側を示す斜視図
【図4】演出ボタン51が飛び出していない状態におけるボタンユニット50の内部構成を示す縦断面図
【図5】演出ボタン51の下面側を示す斜視図
【図6】飛び出していない演出ボタン51が押圧された状態におけるボタンユニット50の内部構成を示す縦断面図
【図7】演出ボタン51が飛び出した状態における電飾基板96周辺の構成を示す部分拡大図
【図8】飛び出した演出ボタン51が押圧された状態における電飾基板96周辺の構成を示す部分拡大図
【図9】ユニット本体80の上面側を示す斜視図
【図10】ボタンユニット50の駆動伝達機構90を示す斜視図
【図11】演出ボタン51が飛び出していない状態におけるローラ59の位置を示す円筒カム83の斜視図
【図12】演出ボタン51が飛び出した状態におけるローラ59の位置を示す円筒カム83の斜視図
【図13】パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図
【図14】疑似連続予告について説明するための説明図
【図15】第1の実施形態において演出制御部130によって実行される演出制御処理の一例を示すフローチャート
【図16】疑似連続予告に伴う演出ボタン51の動作について説明するための説明図
【図17】リーチ演出に伴う演出ボタン51の動作について説明するための説明図
【図18】第2の実施形態において演出制御部130によって実行される演出制御処理の一例を示すフローチャート
【図19】保留消化に伴う演出ボタン51の動作について説明するための説明図
【図20】第3の実施形態において演出制御部130によって実行される演出制御処理の一例を示すフローチャート
【図21】ショックセンサ99を示す電飾基板96周辺の部分拡大図
【図22】第4の実施形態において演出制御部130によって実行される演出制御処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施形態]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
【0016】
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持する部材であり、遊技盤2に対して開閉可能に構成されている。
【0017】
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、皿39に溜められた遊技球がハンドル31の回転角度に応じた打球力で不図示の発射装置から発射される。発射された遊技球は、不図示のガイド部材によって遊技領域20の上部位置へ案内され、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2の表面に沿って落下する。なお、発射装置による遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン33を操作することによって一時的に停止される。また、皿39と近接する位置には取り出しボタン34が設けられており、遊技者が取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された不図示の箱へ落下する。
【0018】
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、又は普通入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球が皿39に払い出される。なお、始動口21,22、又は入賞口23,24に入らなかった遊技球は、排出口26を介して遊技領域20の外に排出される。
【0019】
第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると、大当たり抽選(特別図柄抽選)が実行される。遊技領域20の外側に設けられている表示器4には、この特別図柄抽選と後述する普通図柄抽選の結果やこれらの抽選の保留数、パチンコ遊技機1の遊技状態等が表示される。電動チューリップ27は、一対の羽根部材を有している。電動チューリップ27の一対の羽根部材が閉姿勢の状態(図1参照)では、第2始動口22への遊技球の進入経路が塞がれており、遊技球が第2始動口22へ入ることはない。これに対して、遊技球がゲート25を通過すると、電動チューリップ27の開閉抽選(普通図柄抽選)が実行される。この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。
【0020】
大入賞口23は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。特別図柄抽選に当選していない状態では、大入賞口23に遊技球が入らない状態となっている。これに対して、特別図柄抽選に当選すると、大入賞口23が開放され、遊技者が多量の賞球を得ることが可能な大当たり遊技を楽しむことができる。
【0021】
遊技領域20の外側には、演出実行手段として機能する液晶表示器5、盤ランプ8、可動役物7、スピーカ35、及び枠ランプ36が設けられている。
【0022】
液晶表示器5は、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等の各種表示オブジェクトを表示する画像表示器である。盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することによって光による演出を行う。可動役物7は、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回転することによって可動役物7自体の動きと光による演出を行う。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ36は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による演出を行う。
【0023】
皿39と近接する位置に、演出ボタン51が設けられている。演出ボタン51は、遊技者が操作情報を入力するための操作手段として機能するものである。図には示されていないが、パチンコ遊技機1では、演出ボタン51の操作を促す演出画像が液晶表示器5に表示される。これに対して、遊技者が演出ボタン51を操作(例えば連打)することで、例えば液晶表示器5に表示されている演出画像の切り替えが行われる。なお、後に詳述するが、演出ボタン51は遊技者の操作とは無関係に動作可能に構成されている。
【0024】
[ボタンユニット50の構成及び演出ボタン51の動作]
以下、図2〜図12を参照しつつ、演出ボタン51を含むボタンユニット50の構成、及び演出ボタン51の動作について詳細に説明する。ここで、図2は、演出ボタン51が飛び出していない状態におけるボタンユニット50の上面側を示す斜視図である。図3は、演出ボタン51が飛び出した状態におけるボタンユニット50の上面側を示す斜視図である。図4は、演出ボタン51が飛び出していない状態におけるボタンユニット50の内部構成を示す縦断面図である。図5は、演出ボタン51の下面側を示す斜視図である。図6は、飛び出していない演出ボタン51が押圧された状態におけるボタンユニット50の内部構成を示す縦断面図である。図7は、演出ボタン51が飛び出した状態における電飾基板96周辺の構成を示す部分拡大図である。図8は、飛び出した演出ボタン51が押圧された状態における電飾基板96周辺の構成を示す部分拡大図である。図9は、ユニット本体80の上面側を示す斜視図である。図10は、ボタンユニット50の駆動伝達機構90を示す斜視図である。図11は、演出ボタン51が飛び出していない状態におけるローラ59の位置を示す円筒カム83の斜視図である。図12は、演出ボタン51が飛び出した状態におけるローラ59の位置を示す円筒カム83の斜視図である。なお、図4及び図6においては、電飾基板96の実装部品の図示が省略されている。
【0025】
ボタンユニット50は、皿39と近接する枠部材3の上面側に固定されている。このボタンユニット50は、図2〜図4に示されるように、大別して、演出ボタン51、カバー70、ユニット本体80、及びボタンモータ97を有して構成されている。
【0026】
演出ボタン51は、遊技者によって押下される押ボタンとして機能するものである。本実施形態では、演出ボタン51は、図4に示されるように、3層の樹脂部材を積層した下面に開口を有する略円筒形状に形成されている。この演出ボタン51の内部には、演出ボタン51を電飾する複数のボタンランプ98(図7参照)が実装された電飾基板96が設けられている(図4参照)。このため、演出ボタン51の上面を通してボタンランプ98の光を遊技者が視認できるように、演出ボタン51は半透明な樹脂で形成されている。図4に示されるように、演出ボタン51の下端には、演出ボタン本体52の外周面に対して径方向の外側に突出した突部53が形成されている。この突部53は、演出ボタン51が上方へ移動した際に、後述するカバー70のストッパ72(図4参照)に当接するものである。このため、突部53の外径寸法は、ストッパ72の内径寸法よりも大きく設定されている。
【0027】
図5に示されるように、演出ボタン51の突部53には、演出ボタン51の下面を構成する略円板形状の第1可動体54が固定されている。この第1可動体54の裏面には、第1可動体54から下方に突出する遮光板57が設けられている。遮光板57は、演出ボタン51が飛び出していない状態(図2に示されるように演出ボタン51が枠部材3から第1突出量(例えば5mm程度)だけ突出した第1位置にある状態、以下「通常状態」という。)において、演出ボタン51が遊技者によって操作されたことを検知するために、第1光センサ81(図4参照)によって検知される。
【0028】
また、図7に示されるように、第1可動体54には、電飾基板96の裏面に設けられた第2光センサ82と対応する位置に、遮光板63が設けられている。遮光板63は、演出ボタン51が飛び出した状態(図3に示されるように演出ボタン51が枠部材3から第2突出量(例えば30mm程度)だけ突出した第2位置にある状態、以下「飛び出し状態」という。)であることを検知するために、第2光センサ82によって検知される。また、図4に示されるように、第1可動体54には、後述する円筒カム83を挿通するための挿通孔55と、2本の支柱84を挿通するための2つの挿通孔56が形成されている。
【0029】
第1可動体54の裏面に第2可動体58が固定されている(図4及び図5参照)。図5に示されるように、第2可動体58の裏面には2つのローラ59が設けられている。これらのローラ59は、円筒カム83の中心を通る円筒カム83の径方向を軸方向として回転自在に構成されている。これらのローラ59は、円筒カム83の凹部86(図11参照)に配置される。ローラ59の動作については、後に詳述する。
【0030】
図5に示されるように、第2可動体58における挿通孔55,56と対応する位置に、挿通孔60,61が形成されている。挿通孔60は、挿通孔55と同様に円筒カム83を挿通するためのものである。挿通孔61は、挿通孔56と同様に支柱84を挿通するためのものである。なお、第2可動体58には、上述した遮光板57を第2可動体58の下方に突出させるための切り欠き62が形成されている。
【0031】
カバー70は、演出ボタン51を上下動可能に支持するものであり、上下に開口を有する略円筒形状に形成されている(図4参照)。このカバー70のカバー本体71は、演出ボタン51の突部53を上下方向にスライド可能に支持するものである。このため、カバー本体71の内径寸法は、突部53の外径寸法よりも若干大きく設定されている。このカバー本体71の上端には、断面が略L字型のストッパ72(図4参照)が形成されている。このストッパ72は、演出ボタン本体52を上下方向にスライド可能に支持するとともに、所定の位置まで上昇した演出ボタン51の上方への更なる移動を規制するものである。このため、ストッパ72の内径寸法は、演出ボタン本体52の外径寸法よりも若干大きく、且つ突部53の外径寸法よりも小さく設定されている。
【0032】
上述したように、演出ボタン51に第1可動体54及び第2可動体58が固定されており、演出ボタン51がカバー本体71及びストッパ72によって上下方向にスライド可能に支持されているので、演出ボタン51、第1可動体54、及び第2可動体58は、一体的に上下動可能である。また、図には示されていないが、第2可動体58は、支柱84を囲繞するように配置されたコイルバネによって上方に付勢されている。これに対して、遊技者がコイルバネの弾性力に抗して演出ボタン51を押し下げることによって演出ボタン51、第1可動体54、及び第2可動体58が一体的に下方へ移動する。そして、第2可動体58が所定の最下点位置まで下降すると、第2可動体58がユニット本体80に当接して、演出ボタン51の下方への更なる移動が規制される(図6参照)。また、カバー70にストッパ72が設けられていることにより、演出ボタン51がコイルバネの弾性力によってカバー70に対して大きく飛び出して所定の最上点位置まで上昇すると、突部53がストッパ72に当接して、演出ボタン51の上方への更なる移動が規制される。
【0033】
カバー本体71の下端は、例えばネジ止め等によってユニット本体80に固定されている。このユニット本体80には、遮光板57と対応する位置に、第1光センサ81が設けられている。この第1光センサ81は、通常状態において、遊技者によって演出ボタン51が操作されたことを検知するためのものである。本実施形態では、第1光センサ81として、発光部と受光部とが所定の間隔を隔てて対向配置されたフォトインタラプタが使用される。第1光センサ81では、受光部によって受光された輝度に応じた信号レベルのセンサ信号(電気信号)が生成され、生成されたセンサ信号が演出制御部130(図13参照)へ出力される。このようにして演出制御部130へ出力されるセンサ信号の信号レベルは、第1光センサ81の受光部によって受光される輝度に応じて変化する。遊技者によって演出ボタン51が押下されていない状態では、図4に示されるように、第1光センサ81の発光部から受光部への光路が開放されている。これに対して、遊技者によって演出ボタン51が押下されると、第1可動体54に設けられている遮光板57がユニット本体80に形成された挿通孔79(図4参照)を介して第1光センサ81の発光部と受光部との間に進入する。このため、通常状態において、遊技者による演出ボタン51の操作の前後、つまり、演出ボタン51が操作されていないときと、演出ボタン51が操作されたときとで、第1光センサ81からのセンサ信号の信号レベルが相異なることになる。したがって、演出制御部130のCPU131は、第1光センサ81から出力されるセンサ信号の信号レベルの変化に基づいて、演出ボタン51が操作されたことを検知することができる。
【0034】
ユニット本体80には、2本の支柱84が立設されており、これら2本の支柱84の上端部には、電飾基板96を支持する支持板95が固定されている(図7参照)。電飾基板96は、演出ボタン51を電飾するものであって、図7に示されるように、その表面に複数のボタンランプ98が実装されている。ボタンランプ98は、演出ボタン51を電飾する発光素子であって、本実施形態ではカラーLEDが使用されている。支柱84によって、ボタンランプ98が実装された電飾基板96がカバー70のストッパ72と略同じ高さに配置されているので(図4参照)、演出ボタン51がカバー70に対して上方に大きく飛び出した飛び出し状態(図3に示される状態)においても、遊技者がボタンランプ98の光を十分に視認することができる。
【0035】
電飾基板96の裏面には、遮光板63と対応する位置に第2光センサ82が実装されている。この第2光センサ82は、飛び出し状態にある演出ボタン51が遊技者によって操作されたことを検知するためのものである。本実施形態では、第2光センサ82として、第1光センサ81と同様にフォトインタラプタが使用される。この第2光センサ82で生成されるセンサ信号は、第1光センサ81で生成されるセンサ信号と同様に、演出制御部130へ出力される。演出ボタン51が完全に飛び出した飛び出し状態(突部53がストッパ72に当接した状態)では、第2光センサ82の発光部と受光部との間に遮光板63が位置している(図7参照)。これに対して、遊技者によって演出ボタン51が押下されると、第1可動体54に設けられた遮光板63が下方に移動して、第2光センサ82の発光部から受光部への光路が開放される。このため、飛び出し状態にある演出ボタン51の操作の前後、つまり、演出ボタン51が完全に飛び出した位置にあるときと、演出ボタン51が飛び出し状態の位置から下降した位置にあるときとで、第2光センサ82から演出制御部130へ出力されるセンサ信号の信号レベルが相異なることになる。したがって、演出制御部130のCPU131は、第2光センサ82から出力されるセンサ信号の信号レベルの変化に基づいて、演出ボタン51が完全に飛び出した飛び出し状態から遊技者によって押下されたことを検知することができる。なお、演出ボタン51がコイルバネの弾性力によって飛び出すとき、及び飛び出し状態の演出ボタン51が後述するボタンモータ97(図4参照)の駆動力によって下降するときにも第2光センサ82からのセンサ信号の信号レベルが変化する。このため、第2光センサ82の検知結果に基づいて、演出ボタン51の操作だけでなく、弾性力による演出ボタン51の飛び出し動作、及びボタンモータ97による演出ボタン51の押し下げ動作も検知することができる。なお、本実施形態では、ボタンモータ97として、ステッピングモータが使用される。
【0036】
このように、本実施形態では、第1可動体54に設けられた遮光板57,63を検知する第1光センサ81及び第2光センサ82と、演出制御部130のCPU131とが、本発明における操作検知手段として機能する。
【0037】
ユニット本体80の中心部には、演出ボタン51の移動方向(上下方向)を軸方向として回転可能な円筒カム83が設けられている。この円筒カム83は、演出ボタン51を遊技者の操作とは無関係に動作させるためのものである。図9及び図10に示されるように、この円筒カム83の外周面85には、外周面85に対して円筒カム83の径方向の内側に凹んだ凹部86が形成されている。外周面85と凹部86との段差部分には、円筒カム83の軸方向(上下方向)に延びる2つの垂直面87と、円筒カム83の軸方向に対して傾斜した方向に延びる2つの傾斜面88と、垂直面87の下端部と傾斜面88の下端部とを両端として水平方向に延びる2つの水平面89とが形成されている。
【0038】
この円筒カム83の下方には、駆動伝達機構90が設けられている。駆動伝達機構90は、ユニット本体80の下方に設けられたボタンモータ97の駆動力を円筒カム83に伝達するものである。図9及び図10に示されるように、駆動伝達機構90は、第1ギヤ91、第2ギヤ92、第3ギヤ93、及び第4ギヤ94を有して構成されている。第1ギヤ91は、ボタンモータ97の回転軸に固定されている。第2ギヤ92は、第1ギヤ91と噛み合わされた状態で、ユニット本体80に回転可能に支持されている。第3ギヤ93は、第2ギヤ92と軸方向が一致するように一体的に構成されており、円筒カム83の下端部に設けられた第4ギヤ94と噛み合わされている。
【0039】
ボタンモータ97が駆動すると、その駆動力が第1ギヤ91、第2ギヤ92、及び第3ギヤ93を介して円筒カム83の第4ギヤ94に伝達される。これにより、円筒カム83が回転する。なお、ボタンモータ97の回転方向を切り換えることによって、円筒カム83の回転方向を図11に示される第1方向75と第2方向76との間で切り換えることができる。
【0040】
上述したように、演出ボタン51に固定された第2可動体58には、2つのローラ59が設けられている。これらのローラ59は、円筒カム83の凹部86に配置されている。これらのローラ59は、第2可動体58が受けるコイルバネの弾性力によって、常に上方に付勢されている。これらの2つのローラ59は、円筒カム83が回転することによって、円筒カム83からの摩擦力を受けて、垂直面87、傾斜面88、又は水平面89に沿って回転する。
【0041】
図11は、図2に示される通常状態におけるローラ59の位置を示している。この状態では、上方に付勢されているローラ59の上方への移動が円筒カム83の水平面89によって規制されている。このため、遊技者が演出ボタン51を押下した場合にローラ59が下方へは移動するものの、ローラ59が水平面89よりも上側に移動することはない。この状態から図11に示されるようにボタンモータ97の駆動力によって円筒カム83が第1方向75に回転すると、水平面89がローラ59を第3方向77に回転させながらローラ59に対して第1方向75に移動する。そして、垂直面87と接する水平面89の端部がローラ59よりも第1方向75側へ移動すると、ローラ59に対する規制が解除されて、ローラ59が垂直面87に沿って回転しながらコイルバネの弾性力によって上方へと移動する(図11及び図12参照)。その結果、演出ボタン51、第1可動体54、及び第2可動体58が、突部53がストッパ72に当接する飛び出し位置(図3に示される位置)まで勢い良く飛び出すことになる。
【0042】
なお、円筒カム83を第1方向75とは逆の第2方向76に回転させてローラ59を上方へ移動させることも可能である。図11に示されるようにローラ59の上方への移動が円筒カム83の水平面89によって規制されている状態から、円筒カム83が第2方向76に回転するようにボタンモータ97を駆動させると、水平面89がローラ59を第3方向77とは逆方向に回転させながらローラ59に対して第2方向76に移動する。そして、傾斜面88と接する水平面89の端部がローラ59よりも第2方向76側へ移動すると、ローラ59の外周面が円筒カム83と接する位置が、円筒カム83が回転するに連れて傾斜面88のより上方の位置へと変化するので、ローラ59が傾斜面88に沿って回転しながらコイルバネの弾性力によって上方へと移動する。その際、ローラ59が傾斜面88から常に下方への抵抗を受けているので、ローラ59が垂直面87に沿って上昇する場合に比べて、演出ボタン51、第1可動体54、及び第2可動体58がより遅い速度で飛び出すことになる。
【0043】
このように、円筒カム83の回転方向(すなわちボタンモータ97の回転方向)を切り換えることによって、演出ボタン51を飛び出させる際の飛び出し速度を変化させることができる。
【0044】
また、カバー70から大きく飛び出した演出ボタン51をボタンモータ97の駆動力によって押し下げることも可能である。ボタンモータ97を駆動させて、図12に示される状態から円筒カム83を第1方向75(図11参照)に回転させると、ローラ59の外周面が傾斜面88の上端部に接触する。この状態から円筒カム83を第1方向75に更に回転させると、ローラ59は、傾斜面88との摩擦力によって回転しながら、傾斜面88から受ける下方向への押圧力によって下方に押し下げられる。そして、水平面89と接する傾斜面88の端部がローラ59よりも第1方向75側へ移動すると、ローラ59が水平面89と接触した元の状態へと復帰する。これにより、飛び出し状態にある演出ボタン51がボタンモータ97の駆動力によって通常状態に戻る。
【0045】
このように、移動手段として機能するボタンモータ97、駆動伝達機構90、円筒カム83、及びコイルバネは、演出ボタン51を第1位置(演出ボタン51が通常状態である位置)と第2位置(演出ボタン51が飛び出し状態である位置)との間で演出ボタン51を双方向(本実施形態では上下方向)に移動させる。
【0046】
なお、図2〜図12には表れていないが、ユニット本体80には、水平面89の略中央部がローラ59と接している状態を検知するための原点検知センサ78(図13参照)が設けられている。演出制御部130のCPU131は、この原点検知センサ78の検知結果に基づいて、演出ボタン51が通常状態であるか否かを判断することができる。
【0047】
ところで、ボタンランプ98を用いた演出ボタン51の電飾だけでは、必ずしも演出ボタン51を用いたインパクトがある効果的な演出が行われるとは限らない。何故なら、遊技者が液晶表示器5の画面や遊技領域20を移動する遊技球に注視して遊技している状況においては、演出ボタン51が遊技者の視界の中心から大きく外れやすく、演出ボタン51の電飾に気付きにくいからである。このため、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、液晶表示器5等の演出実行手段によって行われる演出に演出ボタン51の移動を連動させることにより、インパクトのある効果的な演出を行うこととしている。以下、このような機能を実現するためのパチンコ遊技機1の構成及び動作について詳細に説明する。
【0048】
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側(図1の紙面奥側)には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
【0049】
以下、図13を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図13は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図13に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、払出制御部120、演出制御部130、画像音響制御部140、及びランプ制御部150を備えている。
【0050】
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
【0051】
この遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、及び表示器4が接続されている。
【0052】
第1始動口21への遊技球の入賞を検出する第1始動口スイッチ111からの検出信号、又は第2始動口22への遊技球の入賞を検出する第2始動口スイッチ112からの検出信号が入力されると、抽選手段として機能する遊技制御部100のCPU101は、特別図柄抽選を実行し、その抽選結果を示すデータを演出制御部130へ出力する。また、CPU101は、特別図柄抽選に当選すると、大入賞口23への遊技球の入賞を検出する大入賞口スイッチ115からの検出信号に基づいて、電動ソレノイドを有する大入賞口制御部116を制御して大入賞口23を開閉する。
【0053】
また、ゲート25を遊技球が通過したことを検出するゲートスイッチ114からの検出信号が入力されると、CPU101は、普通図柄抽選を実行する。そして、この普通図柄抽選に当選すると、電動ソレノイドを有する電動チューリップ開閉部113を制御して電動チューリップ27を動作させる。
【0054】
また、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、又は普通入賞口24への遊技球の入賞を検出する普通入賞口スイッチ117からの検出信号が入力されると、CPU101は、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部120に指示し、払出制御部120からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
【0055】
また、CPU101は、特別図柄抽選の結果、普通図柄抽選の結果、これらの抽選の保留数、及びパチンコ遊技機1の遊技状態を表示器4に表示させる。
【0056】
[払出制御部120の構成]
払出制御部120は、CPU121、ROM122、及びRAM123を備えている。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
【0057】
払出制御部120のCPU121は、遊技制御部100からの指示に基づいて払出モータ125を制御し、球タンクから皿39へ賞球を払い出す。また、CPU121は、皿39に払い出された賞球数を検出する払出球検出部126、球タンクにおける遊技球の有無を検出する球有り検出部127、及び皿39が遊技球で満タンになったことを検出する満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
【0058】
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
【0059】
演出制御部130のCPU131は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン51からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。CPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。
【0060】
演出制御部130には、上述したボタンユニット50が備える第1光センサ81、第2光センサ82、及び原点検知センサ78が接続されている。CPU131は、第1光センサ81(図4参照)からのセンサ信号の信号レベルの変化に基づいて、通常状態(図2参照)の演出ボタン51が操作されたことを検知する。また、CPU131は、第2光センサ82(図7参照)からのセンサ信号の信号レベルの変化に基づいて、飛び出し状態(図3参照)の演出ボタン51が操作されたことを検知する。また、CPU131は、原点検知センサ78からのセンサ信号の信号レベルの変化に基づいて、演出ボタン51が通常状態であるか否かを判断する。
【0061】
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、及びRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、及びスピーカ35から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンド及びROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP及び音響DSPへ出力することにより、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
【0062】
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ35へ出力する。
【0063】
VDPは、液晶表示器5に表示される演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5へ出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、フレームバッファに描画された演出画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5へ出力する。
【0064】
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36、可動役物7、ボタンランプ98、及びボタンモータ97の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
【0065】
ROM152には、発光パターンデータ、及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ36、盤ランプ8、可動役物7に設けられた役物ランプ、ボタンランプ98のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンやボタンモータ97の動作パターン(ボタンモータ97の回転方向や回転速度)を示すデータである。
【0066】
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、枠ランプ36、役物ランプ、及びボタンランプ98の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータを読み出して、可動役物7を回動させる役物モータや演出ボタン51を上下動させるボタンモータ97の動作を制御する。
【0067】
[演出制御部130による演出制御処理]
図14は、液晶表示器5によって行われる疑似連続予告について説明するための説明図である。ここで、疑似連続予告(いわゆる「疑似連」)は、遊技制御部100による1回の特別図柄抽選に対して液晶表示器5に装飾図柄を変動表示させてから停止表示させる処理を複数回(例えば2〜4回)行ってからリーチ状態になることを予告する予告演出である。図14(A)〜(J)には、装飾図柄が変動表示されてから「チャンス」の文字が付された中図柄を含む3つの装飾図柄が停止表示され(図14(A)〜(C)参照)、保留消化を伴わずに、再度装飾図柄が変動表示されてから「チャンス」の文字が付された中図柄を含む3つの装飾図柄が停止表示され(図14(D)〜(F)参照)、更に装飾図柄が変動表示されてからリーチに発展し(図14(G)〜(H)参照)、3つの装飾図柄が揃って大当たりになる様子(図14(H)〜(J))が示されている。
【0068】
本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、このような疑似連続予告において装飾図柄の変動表示が再開されるタイミング(図14(D)及び(G)に示されるように、チャンスの中図柄が停止表示された直後に装飾図柄の変動表示が開始されるタイミング)で演出ボタン51が飛び出すように、ボタンモータ97の駆動が制御される。以下、図15を参照しつつ、このような処理を実現するために演出制御部130によって実行される演出制御処理について説明する。なお、図15のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいてCPU131が発行する命令に従って行われる。
【0069】
演出制御部130のCPU131は、例えば遊技制御部100から装飾図柄の変動表示の開始を指示する変動開始コマンド(特別図柄抽選の結果を示すデータを含むコマンド)を受信してからの経過時間に基づいて、液晶表示器5における装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS101)。CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS101:NO)、遊技制御部100から装飾図柄の変動表示の開始を指示する変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS102)。
【0070】
演出決定手段として機能するCPU131は、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、変動開始コマンドを解析して(ステップS103)、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報(図柄、変動パターン等)に基づいて演出パターンを決定する(ステップS104)。このステップS104の処理が行われることにより、液晶表示器5に表示される装飾図柄の変動パターン、可動役物7の動作パターンや発光パターン、盤ランプ8や枠ランプ36の発光パターン、スピーカ35から出力される音声の出力パターン、ボタンランプ98の発光パターンといった遊技演出の内容が決定される。このように、CPU131は、遊技制御部100による特別図柄抽選の結果に基づいて演出を決定する。
【0071】
そして、CPU131は、変動パターンの設定情報に基づく液晶表示器5での装飾図柄の変動表示の開始、及びステップS104の処理で決定した演出パターンに対応する演出の開始を指示する変動演出開始コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する(ステップS105)。
【0072】
このステップS105の処理が行われることによって、演出制御部130で決定された演出が画像音響制御部140及びランプ制御部150によって実現されることになる。つまり、装飾図柄を変動表示する表示手段としての液晶表示器5、音声等を出力するスピーカ35、光による演出を行う盤ランプ8と枠ランプ36とボタンランプ98、及び光と動きによる演出を行う可動役物7によって、演出制御部130のCPU131によって決定された演出が実行される。
【0073】
上記ステップS101において、CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であると判定した場合(ステップS101:YES)、ステップS104の処理で決定した演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示を伴う変動演出中に疑似連続予告が実行されるか否かを判定する(ステップS107)。疑似連続予告が実行されないとCPU131によって判定された場合(ステップS107:NO)、装飾図柄の変動表示の停止を指示する変動停止コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS108)。CPU131は、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップS108:YES)、画像音響制御部140を介して液晶表示器5に特別図柄抽選の結果を示す装飾図柄を停止表示させると共に、ステップS105の処理に応じて開始された演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に終了させる(ステップS109)。このステップS109の処理が行われた場合、又は変動停止コマンドを受信していないとCPU131によって判定された場合(ステップS108:NO)、一連の演出制御処理が終了して、処理がステップS101へ戻される。
【0074】
CPU131は、疑似連続予告が実行されると判定した場合(ステップS107:YES)、疑似連続予告が更に発展するか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、リーチ状態となる前に、図14(C)や図14(F)に例示されるように「チャンス」の中図柄が停止表示されて装飾図柄の変動表示が再開されるか否かを判定する。
【0075】
CPU131は、疑似連続予告が更に発展すると判定した場合(ステップS111:YES)、発展タイミングであるか否かを判定する(ステップS112)。ここで、発展タイミングは、「チャンス」の中図柄を含む3つの装飾図柄が停止表示されるタイミング(図14に示される例では(C)又は(F)の画像が表示されるタイミング)を意味している。疑似連続予告が行われる場合、変動演出開始コマンドの送信から発展タイミングまでの時間がステップS104の処理によって決定されるので、CPU131は、ステップS105で変動演出開始コマンドを送信してからの経過時間に基づいて、発展タイミングであるか否かを判定する。
【0076】
CPU131は、発展タイミングであると判定した場合(ステップS112:YES)、演出ボタン51を通常状態である第1位置(図2参照)から飛び出し状態である第2位置(図3参照)へ向けて始動させる(ステップS113)。具体的には、演出ボタン51の第1位置から第2位置への移動を指示するコマンドをランプ制御部150へ送信する。これに対して、移動制御手段として機能するランプ制御部150のCPU151は、ボタンモータ97を駆動させて、円筒カム83を図11に示される第1方向75又は第2方向76に回転させる。その結果、水平面89による規制が解除されて、「チャンス」の中図柄が停止表示されてから若干遅れて、演出ボタン51が第1位置から第2位置へ向けて飛び出すように移動する(図16(A)〜(B)、(D)〜(E)参照)。このように、CPU151は、ボタンモータ97を制御して、液晶表示器5によって実行される演出に演出ボタン51が遊技者による操作とは無関係に連動するように、演出ボタン51を移動させる。
【0077】
CPU131は、ステップS113の処理を行った場合、疑似連続予告が発展しないと判定した場合(ステップS111:NO)、又は発展タイミングではないと判定した場合(ステップS112:NO)、演出ボタン51が第2位置へ向けて移動中であるか否かを判定する(ステップS114)。具体的には、ステップS113の処理で開始されたボタンモータ97の駆動が継続中であるか否かを、ステップS113の処理を行ってからの経過時間に基づいて判定する。
【0078】
CPU131は、演出ボタン51が第2位置へ向けて移動中であると判定した場合(ステップS114:YES)、演出ボタン51が第2位置に到達したか否かを判定する(ステップS115)。具体的には、第2光センサ82からのセンサ信号に基づいて、遮光板63が第2光センサ82によって検知されたか否かを判定する。
【0079】
CPU131は、演出ボタン51が第2位置に到達したと判定した場合(ステップS115:YES)、すなわち遮光板63が第2光センサ82によって検知されたと判定した場合、演出ボタン51を第2位置から第1位置へ向けて移動させる(ステップS116)。具体的には、演出ボタン51が第2位置に位置しているために凹部86の上方に位置している2つのローラ59が傾斜面88に沿って水平面89と接する位置まで下降するように、ランプ制御部150にボタンモータ97を駆動させる。その結果、飛び出した演出ボタン51が元の通常状態に復帰する(図16(B)及び(C)参照)。なお、演出ボタン51が通常状態に復帰したか否かは、原点検知センサ78の検知結果に基づいて判定される。
【0080】
ステップS116の処理が行われた場合、演出ボタン51が第2位置へ向けて移動中ではないと判定された場合(ステップS114:NO)、又は演出ボタン51が第2位置に到達していないと判定された場合(ステップS115:NO)、疑似連続予告が行われないとステップS107で判定された場合と同様に、上述したステップS108に処理が進められる。
【0081】
このように、第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、疑似連続予告の発展タイミング(「チャンス」の中図柄が停止表示された直後のタイミング)で演出ボタン51が遊技者による操作とは無関係に飛び出す。その結果、液晶表示器5による疑似連続予告との相乗効果によって、インパクトがあり且つ効果的な演出を行うことができる。なお、本実施形態では、ボタンモータ97の駆動指示を疑似連の発展タイミング及び演出ボタン51が第2位置に到達したたときにランプ制御部150に対して指示する場合について説明したが、ボタンモータ97の駆動指示を変動演出開始コマンドによって行うようにしてもよい。
【0082】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、疑似連続予告の発展タイミングで演出ボタン51を飛び出させる場合について説明したが、第2の実施形態では、リーチ状態になったタイミング(2つの装飾図柄が揃ったタイミング)で演出ボタン51を飛び出させると共に、特別図柄抽選に当選する信頼度に応じて演出ボタン51の高さ(停止位置)を変化させる場合について説明する。
【0083】
パチンコ遊技機1では、特別図柄抽選が行われると、表示器4において特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、液晶表示器5では、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる3列の装飾図柄が上から下へスクロールして見えるように変動表示される。そして、表示器4において特別図柄抽選の結果を示す特別図柄が停止表示されるのに伴って、液晶表示器5では、特別図柄抽選の結果を遊技者に報知する3列の装飾図柄が停止表示される。パチンコ遊技機1では、このようにして液晶表示器5において装飾図柄が変動表示される際に、同じ数字を示す2つの装飾図柄を同一直線上に停止表示させ、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる場合がある。第2の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、このようなリーチ演出が行われる際に、同じ数字を示す2つの装飾図柄が揃ったタイミングで演出ボタン51を飛び出させた後に、最終的に演出ボタン51を停止させる位置(高さ)によって、特別図柄抽選に当選して大当たりになる信頼度を示唆することとしている。
【0084】
図17は、リーチ演出に伴う演出ボタン51の動作について説明するための説明図である。第2の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、リーチに発展したタイミング(同じ数字を示す2つの装飾図柄が液晶表示器5に停止表示されたタイミング)で演出ボタン51が第1位置から第2位置へ飛び出すように移動する(図17(A)及び(B)参照)。そして、第2位置に移動した後に、特別図柄抽選に当選する信頼度が小さい場合(リーチになってもハズレになる可能性が高い場合)には、演出ボタン51が第1位置から僅かに上昇した位置まで下降する(図17(C)参照)。また、特別図柄抽選に当選する信頼度が中程度である場合、第2位置に位置している演出ボタン51が第1位置と第2位置との中間の位置まで下降する(図17(D)参照)。また、特別図柄抽選に当選する信頼度が大きい場合、演出ボタン51が第2位置に停止した状態が維持される。
【0085】
以下、図18を参照しつつ、図17に基づいて説明した演出ボタン51の動作を実現するために演出制御部130によって実行される演出制御処理について説明する。なお、図15に基づいて説明した処理と共通する処理については同一ステップ番号を付してその説明を省略し、異なる処理について説明する。
【0086】
演出制御部130のCPU131は、上述したステップS104の処理によって演出パターンを決定した後、図18に示されるように、リーチ以上であるか否かを判定する(ステップS118)。具体的には、ステップS104の処理で決定した演出パターンが、液晶表示器5によるリーチ演出を伴うものであるか否かを判定する。ここで、リーチ演出を伴うものではないとCPU131によって判定された場合(ステップS118:NO)、上述したステップS105へ処理が進められる。
【0087】
CPU131は、リーチ以上であると判定した場合(ステップS118:YES)、すなわちリーチ演出が行われて最終的にハズレとなる場合、又はリーチ演出が行われて最終的に大当たりとなる場合、演出ボタン51の停止位置を決定する(ステップS119)。具体的には、ステップS103の処理で変動開始コマンドを解析した結果に基づいて、特別図柄抽選に当選する信頼度を判別する。そして、判別した信頼度に応じた演出ボタン51の位置(高さ)を示す位置情報をRAM133に格納する。なお、位置情報は、図17(C)〜(E)のいずれかの位置(高さ)を示す情報である。
【0088】
CPU131は、液晶表示器5における装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であると判定した場合(ステップS101:YES)、リーチ以上であるか否かを判定する(ステップS121)。具体的には、ステップS104の処理で決定した演出パターンがリーチ演出を伴うものであるか否かを判定する。ここで、リーチ以上ではないとCPU131によって判定された場合(ステップS121:NO)、ステップS108へ処理が進められる。
【0089】
CPU131は、リーチ以上であると判定した場合(ステップS121:YES)、リーチ発展タイミングであるか否かを判定する(ステップS122)。具体的には、ステップS104の処理で決定した演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示が開始されてからリーチ演出が開始されるまでの時間を判断し、ステップS105の処理で画像音響制御部140に対して変動演出開始コマンドを送信してからの経過時間が、リーチ演出が開始されるまでの時間になったか否かを判定する。
【0090】
CPU131は、リーチ発展タイミングであると判定した場合(ステップS122:YES)、ステップS113の処理と同様に、演出ボタン51を第1位置から第2位置へ向けて始動させる(ステップS123)。その結果、同じ数字を示す2つの装飾図柄が揃ってリーチ状態となってから、若干遅れて、演出ボタン51が遊技者による操作とは無関係に第1位置から第2位置へ向けて飛び出すように移動する(図17(A)及び(B)参照)。
【0091】
CPU131は、ステップS123の処理を行った場合、又はリーチ発展タイミングではないと判定した場合(ステップS122:NO)、ステップS115の処理と同様に、演出ボタン51が第2位置に到達したか否かを判定する(ステップS124)。リーチに発展する前など、第2位置に到達していないとCPU131によって判定された場合(ステップS124:NO)、後述するステップS126へ処理が進められる。
【0092】
CPU131は、演出ボタン51が第2位置に到達したと判定した場合(ステップS124:YES)、すなわち遮光板63が第2光センサ82によって検知されたと判定した場合、演出ボタン51が第2位置に到達してからの経過時間の計測を開始する(ステップS125)。
【0093】
CPU131は、ステップS125の処理を行った場合、演出ボタン51が第2位置に到達していない(具体的には、演出ボタン51が第1位置に位置しているか、或いは既に第2位置に位置している)と判定した場合(ステップS124:NO)、ステップS125の処理で開始した経過時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS126)。経過時間の計測中ではないとCPU131によって判定された場合(ステップS126:NO)、ステップS108へ処理が進められる。
【0094】
CPU131は、経過時間の計測中であると判定した場合(ステップS126:YES)、経過時間の計測を開始してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS127)。所定時間が経過していないとCPU131によって判定された場合(ステップS127:NO)、ステップS108へ処理が進められる。なお、ここで経過時間が所定時間を経過したか否かを判定しているのは、演出ボタン51が第2位置に到達してから直ちに停止位置に移動させるのではなく、少し時間をおいてから停止位置へ移動させるようにするためである。
【0095】
CPU131は、経過時間の計測を開始してから所定時間が経過したと判定した場合(ステップS127:YES)、ステップS119の処理で決定した停止位置が第2位置(図17(E)参照)であるか否かを判定する(ステップS128)。ここで、停止位置が第2位置であるとCPU131によって判定された場合(ステップS128:YES)、演出ボタン51を移動させる必要がないため、ステップS108へ処理が進められる。
【0096】
一方、CPU131は、決定した停止位置が第2位置ではないと判定した場合(ステップS128:NO)、演出ボタン51を停止位置へ移動させる(ステップS129)。具体的には、演出ボタン51を第2位置から停止位置へ移動させる処理の実行を指示する移動指示コマンドをランプ制御部150へ送信する。この移動指示コマンドには、ステップS119の処理でRAM133に格納された位置情報が含まれている。移動指示コマンドを受信したランプ制御部150のCPU151は、移動指示コマンドに含まれている位置情報が示す位置まで演出ボタン51が移動(下降)するように、ボタンモータ97の駆動を制御する。より詳細には、位置情報が第1位置(図17(C)参照)を示すものである場合、CPU151は、演出ボタン51が第1位置に到達したことが原点検知センサ78によって検知されたことを示す情報を演出制御部130から受信するまでの間、円筒カム83が第1方向75(図11参照)へ回転するようにボタンモータ97を駆動させる。また、位置情報が第1位置と第2位置との中間位置(図17(D)参照)を示すものである場合、CPU151は、演出ボタン51を第2位置から中間位置へ移動させるための所定のステップ数だけボタンモータ97が回転するように、ボタンモータ97を駆動させる。
【0097】
ステップS129の処理によって演出ボタン51を停止位置へ移動させた場合、経過時間が不要になるので、CPU131は、ステップS125の処理で計測を開始した経過時間をリセットする(ステップS130)。
【0098】
ステップS130の処理が行われた場合、ステップS121で「NO」と判定された場合、ステップS126の処理で「NO」と判定された場合、ステップS127の処理で「NO」と判定された場合、又はステップS128の処理で「YES」と判定された場合、上述したステップS108の処理が行われる。
【0099】
ところで、本実施形態では、リーチ演出中に演出ボタン51を移動する処理が行われるが、演出ボタン51を中間位置や第2位置へ移動させた場合には、少なくとも次の装飾図柄の変動表示が開始されるまでに、演出ボタン51を第1位置に戻す必要がある。これは、演出ボタン51の動作が、リーチ以上のときに特別図柄抽選の信頼度を報知することを目的として行われるからである。
【0100】
そこで、上述したステップS109の変動演出終了処理を行った場合、CPU131は、原点検知センサ78の検知結果に基づいて、演出ボタン51が第1位置に位置しているか否か(通常状態であるか否か)を判定する(ステップS131)。CPU131は、演出ボタン51が第1位置に位置していないと判定した場合(ステップS131:NO)、演出ボタン51を第1位置へ移動させる(ステップS132)。具体的には、演出ボタン51を第1位置へ移動させる処理の実行を指示するコマンドをランプ制御部150へ送信する。これに対して、ランプ制御部150のCPU151は、原点検知センサ78の検知結果に基づいて演出ボタン51が第1位置に戻ったとCPU131によって判定されるまでの間、円筒カム83が第1方向75に回転するようにボタンモータ97を駆動させる。
【0101】
ステップS132の処理が行われた場合、ステップS108で「NO」と判定された場合、又はステップS131で「YES」と判定された場合、一連の演出制御処理が終了して、ステップS101に処理が戻される。
【0102】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、遊技制御部100による特別図柄抽選の結果に応じて演出ボタン51の停止位置が変化する。具体的には、リーチ発展タイミングで演出ボタン51が飛び出した後、特別図柄抽選に当選する信頼度に応じて飛び出し後の停止位置の高さが変化する。このため、遊技者は、演出ボタン51の高さから、特別図柄抽選に当選する信頼度を容易に把握することができる。
【0103】
なお、本実施形態では、リーチ発展タイミングで演出ボタン51の動作がランプ制御部150に指示される場合について説明したが、ステップS122の処理によってRAM133に格納された位置情報を含む変動演出開始コマンドをステップS105の処理で送信することにより、変動演出開始時に演出ボタン51の動作をランプ制御部150に対して指示するようにしてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、第2位置に移動した演出ボタン51をステップS119の処理で決定した停止位置に直接移動させる場合について説明したが、例えば演出ボタン51を上下動させたり、或いは演出ボタン51を一旦第1位置へ戻してから、最終的に停止位置に移動させるようにしてもよい。つまり、演出ボタン51を第2位置から停止位置へ移動させるまでの演出ボタン51の動作パターンはどのようなものであっても構わない。
【0105】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態では、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像として特別図柄抽選に当選する信頼度が高いことを示唆する保留表示画像が液晶表示器5に表示された場合に、その保留表示画像に対応する保留消化が近付くに連れて演出ボタン51の動作が変化して行く場合について説明する。
【0106】
ところで、遊技制御部100による特別図柄抽選は、遊技球が第1始動口21又は第2始動口22に入賞したタイミングで取得された乱数を用いて実行される。このため、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口21又は第2始動口22に入賞すると、この始動口入賞を条件として取得された各種乱数が、RAM103に記憶されて、特別図柄抽選や特別図柄の変動表示が保留されることになる。このように、特別図柄抽選及び特別図柄の変動表示が保留される場合に、特別図柄抽選に必要な乱数が既に取得されているので、特別図柄抽選と同様の処理を、特別図柄の変動表示開始時ではなく、RAM103に各種乱数が記憶された時点で事前判定処理として実行することも可能である。この事前判定処理については、例えば特開2010−104689号公報に開示されている。
【0107】
第3の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口21又は第2始動口22に入賞した場合に、遊技制御部100によって事前判定処理が実行され、その結果である事前判定情報が演出制御部130へ送信される。これに対して、演出制御部130は、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像を液晶表示器5に追加表示する処理をランプ制御部150に実行させる。その際、事前判定情報が、特別図柄抽選に当選する信頼度が高いことを示すものである場合に、通常とは異なる特別な表示態様の保留表示画像(以下「特別保留表示画像」という。)が液晶表示器5に追加表示される場合がある。そこで、第3の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別保留表示画像が液晶表示装置5に表示された場合に、保留が消化される毎に演出ボタン51の動作を変化させて、先読み演出を行うこととしている。
【0108】
図19は、保留消化に伴う演出ボタン51の動作について説明するための説明図である。装飾図柄の変動表示中に特別保留表示画像203を含む3個の保留表示画像201〜203が液晶表示器5に表示されている場合(図19(A)参照)、まず、装飾図柄(ここでは「376」)が停止表示される(図19(B)参照)。これにより、特別図柄抽選の結果がハズレであることが遊技者に報知される。そして、演出制御部130が遊技制御部100からの変動開始コマンドを受信すると、1個目の保留表示画像201が消去されると共に、残り2つの保留表示画像202,203が左側へシフトし、保留表示画像201に対応する装飾図柄の変動表示が開始される(図19(B)及び(C)参照)。その際、それまで第1位置に位置していた演出ボタン51が第2位置へ低速で飛び出すように移動し、その後、元の第1位置に戻る(図19(B)〜(D)参照)。
【0109】
続いて、2つの装飾画像(ここでは「1」と「2」)が停止表示された後(図19(D)参照)、3つの装飾図柄(ここでは「132」)が停止表示される(図19(E)参照)。これにより、保留表示画像201に対応する特別図柄抽選の結果がハズレであることが遊技者に報知される。
【0110】
そして、演出制御部130が遊技制御部100からの変動開始コマンドを受信すると、保留表示画像202が消去されると共に、特別保留表示画像203が左側へシフトし、保留表示画像202に対応する装飾図柄の変動表示が開始される(図19(E)及び(F)参照)。その際、第1位置に位置していた演出ボタン51が第2位置へ高速で飛び出すように移動し、その後、元の第1位置に戻る(図19(E)〜(G)参照)。
【0111】
続いて、2つの装飾画像(ここでは「7」と「5」)が停止表示された後(図19(G)参照)、3つの装飾図柄(ここでは「765」)が停止表示される(図19(H)参照)。これにより、保留表示画像202に対応する特別図柄抽選の結果がハズレであることが遊技者に報知される。
【0112】
保留表示画像202に対応する特別図柄抽選の結果がハズレであることが報知された後、演出制御部130が遊技制御部100からの変動開始コマンドを受信すると、特別保留表示画像203が消去されると共に、特別保留表示画像203に対応する装飾図柄の変動表示が開始される(図19(I)参照)。その際、特別図柄抽選に当選する信頼度が高いので、ここでは「激アツ」の文字を含む吹き出しが表示されると共に、演出ボタン51が高速で上下動する。このようにして装飾図柄の変動表示が開始された後、特別保留表示画像203に対応する特別図柄抽選の結果を示す装飾画像が停止表示される。
【0113】
以下、図20を参照しつつ、図19に基づいて説明した演出ボタン51の動作を実現するために演出制御部130によって実行される演出制御処理について説明する。なお、図15に基づいて説明した処理と共通する処理については同一ステップ番号を付してその説明を省略し、異なる処理について説明する。
【0114】
演出制御部130のCPU131は、遊技制御部100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS141)。ここで、保留コマンドは、演出制御部130に対して液晶表示器5への保留表示画像の追加表示を指示するコマンドであり、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞する毎に遊技制御部100から送信される。保留コマンドを受信していないとCPU131によって判定された場合(ステップS141:NO)、処理が上記ステップS101に進められる。
【0115】
CPU131は、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS141:YES)、後述するステップS146の先読演出抽選処理に使用する先読み演出実行乱数を取得して、RAM133に格納する(ステップS142)。
【0116】
ところで、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、CPU131は、演出制御処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、CPU131は、保留表示画像による先読み演出を実行するか否かを決定するための先読演出実行乱数や、保留球消化時に実行される遊技演出を決定するために用いられる演出乱数等の各種乱数を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、CPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期で演出制御処理を繰り返す。先読み演出実行乱数は、この乱数更新処理が行われる毎に「1」ずつ加算され、保留コマンドが受信された時点のカウント値が、先読み演出実行乱数としてステップS142の処理で取得される。
【0117】
続いて、CPU131は、先読み演出抽選処理を実行するか否かを判定する(ステップS143)。具体的には、遊技制御部100から受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、その保留コマンドが示す保留を先読み演出を行うか否かを決定するための抽選対象とするか否かを判定する。ここで、事前判定情報は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したときに遊技制御部100が特別図柄の変動パターンや変動時間を決定する事前判定処理を行って得られた情報である。例えば、CPU131は、この事前判定情報が、特別図柄抽選の結果が大当たり又は小当たりであることを示す情報と、演出内容がリーチ有り演出であることを示す情報とのいずれか一方を含んでいる場合に先読み演出抽選処理を実行すると判定し、どちらの情報も含んでいない場合(事前判定情報が、特別図柄抽選の結果がハズレであることを示す情報及び演出内容がリーチ無し演出であることを示す情報を含んでいる場合)には先読み演出抽選処理を実行しないと判定する。ただし、このステップS143における判定処理はこれに限定されるものではなく、例えば既に保留されている保留の内容を考慮して判定を行ってもよい。
【0118】
CPU131は、先読み演出抽選処理を実行しないと判定した場合(ステップS143:NO)、通常保留表示コマンドを画像音響制御部140へ送信する(ステップS144)。これに対して、通常保留表示コマンドを受信した画像音響制御部140のCPU141は、VDPを制御して通常の表示態様の保留表示画像(例えば保留表示画像201)を液晶表示器5に表示させる。
【0119】
一方、CPU131は、先読み演出抽選処理を実行すると判定した場合(ステップS143:YES)、先読み演出抽選処理を実行する(ステップS145)。具体的には、先読み演出抽選処理に使用する当選値をROM132から読み出し、ステップS142の処理で取得した先読み演出実行乱数が当選値と一致するか否かに基づいて、先読み演出を行うか否かを決定する。
【0120】
CPU131は、ステップS142の処理で取得した先読み演出実行乱数がいずれの当選値とも一致せず、先読み演出を実行しないと判定した場合(ステップS146:NO)、上述したステップS144の処理を実行する。
【0121】
一方、CPU131は、ステップS142の処理で取得した先読み演出実行乱数がいずれかの当選値と一致して、先読み演出を実行すると判定した場合(ステップS146:YES)、先読み保留表示コマンドを画像音響制御部140へ送信する(ステップS147)。これに対して、先読み保留表示コマンドを受信した画像音響制御部140のCPU141は、VDPを制御して特別な表示態様の保留表示画像(例えば特別保留表示画像203)を液晶表示器5に表示させる(例えば図19(A)参照)。
【0122】
そして、CPU131は、ステップS144の処理を実行した場合、ステップS147の処理を実行した場合、又はステップS141で「NO」と判定した場合、上述したステップS101の処理を実行する。
【0123】
CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中ではないと判定し(ステップS101:NO)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、上述したステップS103〜S105の処理を実行する。そして、CPU131は、画像音響制御部140に対して保留消化コマンドを送信する(ステップS149)。これに対して、画像音響制御部140のCPU141は、液晶表示器5に表示されている最も古い(左端に表示された)保留表示画像を消去すると共に、残りの保留表示画像を左側へシフトさせる処理を実行する(図19(B)及び(C)参照)。
【0124】
CPU131は、ステップS149の処理を行った場合、ステップS144、ステップS147、及びステップS149の処理でコマンドを送信した回数と送信順序に基づいて、先読み保留表示コマンドに応じて液晶表示器5に表示された特別保留表示画像203が現時点で表示されているか否かを判定する(ステップS150)。特別保留表示画像203が表示されていないとCPU131によって判定された場合(ステップS150:NO)、一連の演出制御処理が終了して、ステップS141に処理が戻される。
【0125】
一方、CPU131は、特別保留表示画像203が表示されていると判定した場合(ステップS150:YES)、その特別保留表示画像203に対応する保留が2つ先の特別図柄抽選に伴って消化されるか否かを判定する(ステップS151)。具体的には、ステップS149の処理で保留消化コマンドを送信した直後のタイミングにおいて、特別保留表示画像203が例えば図19(C)に例示されるように2つ目の保留表示画像として液晶表示器5に表示されているか否かを判定する。このステップS151の判定処理は、ステップS150の処理と同様に、ステップS144、ステップS147、及びステップS149の処理でコマンドを送信した回数と送信順序に基づいて行われる。
【0126】
CPU131は、特別保留表示画像203に対応する保留が2つ先の特別図柄抽選に伴って消化されると判定した場合(ステップS151:YES)、図19(B)及び(C)に示されるように演出ボタン51を低速で飛び出させる(ステップS152)。具体的には、円筒カム83を第2方向76に回転させてローラ59が傾斜面88に沿って上昇するように、ランプ制御部150に対してボタンモータ97の駆動制御を指示する。
【0127】
CPU131は、特別保留表示画像203に対応する保留が2つ先の特別図柄抽選に伴って消化されるものではないと判定した場合(ステップS151:NO)、その特別保留表示画像203に対応する保留が1つ先の特別図柄抽選に伴って消化されるものであるか否かを判定する(ステップS153)。具体的には、ステップS151の処理と同様に、ステップS149の処理で保留消化コマンドを送信した直後のタイミングにおいて、特別保留表示画像203が例えば図19(F)に例示されるように1つ目の保留表示画像として液晶表示器5に表示されているか否かを判定する。
【0128】
CPU131は、特別保留表示画像203に対応する保留が1つ先の特別図柄抽選に伴って消化されると判定した場合(ステップS153:YES)、図19(E)及び(F)に示されるように演出ボタン51を高速で飛び出させる(ステップS154)。具体的には、円筒カム83を第1方向75に回転させてローラ59が垂直面87に沿って上昇するように、ランプ制御部150に対してボタンモータ97の駆動制御を指示する。
【0129】
CPU131は、特別保留表示画像203に対応する保留が1つ先の特別図柄抽選に伴って消化されるものではないと判定した場合(ステップS153:NO)、その特別保留表示画像203に対応する保留が今回の特別図柄抽選に伴って消化されるものであるか否かを判定する(ステップS155)。CPU131は、特別保留表示画像203に対応する保留が今回の特別図柄抽選に伴って消化されるものであると判定した場合(ステップS155:YES)、図19(I)に示されるように演出ボタン51を上下動させる(ステップS156)。具体的には、円筒カム83を第1方向75に回転させる動作と第2方向76に回転させる動作とを交互に行ってローラ59が傾斜面88に沿って上下動するように、ランプ制御部150に対してボタンモータ97の駆動制御を指示する。
【0130】
演出制御部130のCPU131によるステップS152、ステップS154、又はステップS156の処理に対して、移動制御手段として機能するランプ制御部150のCPU151が、遊技制御部100の抽選結果に応じて、保留が消化される毎に演出ボタン51の動作パターン及び移動速度を変化させる。
【0131】
一方、特別保留表示画像203に対応する保留が今回の特別図柄抽選に伴って消化されるものではないとCPU131によって判定された場合(ステップS155:NO)、一連の演出制御処理が終了して、処理がステップS141に戻される。
【0132】
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。この第4の実施形態では、遊技者による演出ボタン51の操作に伴う衝撃を検知して、検知した衝撃を考慮して演出ボタン51を遊技者の操作とは無関係に動作させる場合について説明する。
【0133】
第4の実施形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1に対して、ショックセンサ99(図21参照)を更に備えている。ショックセンサ99は、本実施形態では、圧電効果により、外部から与えられた加速度に比例した電気信号を出力する加速度センサである。このショックセンサ99としては、例えば株式会社村田製作所製のPKGSシリーズのショックセンサが好適に用いられるが、基板実装タイプであり且つ小型のものであれば、他のショックセンサを用いてもよい。
【0134】
図21は、ショックセンサ99を示す電飾基板96周辺の部分拡大図である。図21に示されるように、ショックセンサ99は、その加速度の検知方向が図21における上下方向と一致するように電飾基板96に実装されている。すなわち、ショックセンサ99は、演出ボタン51の操作に伴う演出ボタン51の移動方向(上下方向)の加速度に比例した電気信号を出力可能に電飾基板96に実装されている。上述したように、通常状態において遊技者によって演出ボタン51が押下されると、第2可動体58がユニット本体80に衝突する。このユニット本体80には、2本の支柱84と支持板95を介して電飾基板96が固定されている。このため、第2可動体58がユニット本体80に衝突したことによる衝撃が電飾基板96に伝達されて、ショックセンサ99によって検知される。また、演出ボタン51がコイルバネの弾性力によって飛び出したとき、或いは飛び出した状態から遊技者によって押し下げられていた演出ボタン51がコイルバネの弾性力によって飛び出し状態に戻るときに、演出ボタン51の突部53がカバー70のストッパ72に衝突する。このカバー70には、ユニット本体80、2本の支柱84と支持板95を介して電飾基板96が固定されている。このため、突部53がストッパ72に衝突したことによる衝撃が電飾基板96に伝達されて、ショックセンサ99によって検知される。そして、ショックセンサ99では、検知した衝撃に応じた大きさの電気信号が生成される。
【0135】
ショックセンサ99からの電気信号は、第1光センサ81や第2光センサ82からのセンサ信号と同様に演出制御部130へ出力される。図には示されていないが、電飾基板96と、演出制御部130として機能する基板との間には、ショックセンサ99からのアナログの電気信号をA/D変換してデジタルの電気信号として出力する入力回路が設けられている。このため、ショックセンサ99からの電気信号は、デジタル信号(例えば4ビット(0〜15)の衝撃データ)として演出制御部130に入力される。このため、演出制御部130のCPU131は、衝撃データに基づいて、遊技者の操作による演出ボタン51の動作に伴う衝撃や、コイルバネの弾性力による演出ボタン51の動作に伴う衝撃を検知することができる。
【0136】
なお、ショックセンサ99を実装する位置は、演出ボタン51の動作に伴う衝撃が伝達され易い位置であれば特に限定されるものではなく、例えば電飾基板96の裏面であってもよい。また、電飾基板96とは別の基板を設けて、その基板にショックセンサ99を実装するようにしても構わない。
【0137】
以下、図22を参照しつつ、第4の実施形態に係るパチンコ遊技機1の演出制御部130によって実行される演出制御処理について説明する。なお、図15に基づいて説明した処理と共通する処理については同一ステップ番号を付してその説明を省略し、異なる処理について説明する。
【0138】
第4の実施形態では、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中ではないとCPU131によって判定された場合には第1の実施形態と同様にステップS102〜S105の処理が実行され、逆に、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であるとCPU131によって判定された場合には以下の一連の処理が実行される。
【0139】
CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であると判定した場合(ステップS101:YES)、ステップS121の処理と同様に、ステップS104の処理で決定した演出パターンが、液晶表示器5によるリーチ演出を伴うものであるか否かを判定する(ステップS160)。ここで、リーチ演出を伴うものではないとCPU131によって判定された場合(ステップS160:NO)、上述したステップS108へ処理が進められる。
【0140】
CPU131は、リーチ以上であると判定した場合(ステップS160:YES)、すなわちリーチ演出が行われて最終的にハズレとなる場合、又はリーチ演出が行われて最終的に大当たりとなる場合、ステップS103の解析処理の結果に基づいて、特別図柄抽選に当選する信頼度が大きいか否かを判定する(ステップS161)。ここで、信頼度が大きくないとCPU131によって判定された場合(ステップS161:NO)、上述したステップS108へ処理が進められる。
【0141】
CPU131は、信頼度が大きいと判定した場合(ステップS161:YES)、ステップS122の処理と同様に、リーチ発展タイミングであるか否かを判定する。ここで、リーチ発展タイミングではないとCPU131によって判定された場合(ステップS162:NO)、後述するステップS164へ処理が進められる。
【0142】
CPU131は、リーチ発展タイミングであると判定した場合(ステップS162:YES)、ボタン操作予告を実行する(ステップS163)。具体的には、演出ボタン51の操作を促す演出画像(例えば演出ボタン51の画像)を液晶表示器5に表示させる処理の実行を画像音響制御部140に対して指示する。
【0143】
CPU131は、ステップS163の処理を行った場合、又はステップS162で「NO」と判定した場合、ステップS163の処理を行ってからの経過時間に基づいて、ボタン操作予告を行った後の所定タイミング(例えばボタン操作予告の開始から5秒後)であるか否かを判定する(ステップS164)。ここで、ボタン操作予告後の所定タイミングではないとCPU131によって判定された場合(ステップS164:NO)、上述したステップS108へ処理が進められる。
【0144】
CPU131は、ボタン操作予告後の所定タイミングであると判定した場合(ステップS164:YES)、第1光センサ81(図4参照)の検知結果に基づいて、演出ボタン51が操作されたか否かを判定する(ステップS165)。
【0145】
衝撃検知手段として機能するCPU131は、演出ボタン51が操作されたと判定した場合(ステップS165:YES)、演出ボタン51の操作に伴う衝撃を検知する(ステップS166)。具体的には、第1光センサ81によって遮光板57が検知されたタイミングで、ショックセンサ99から入力回路を介して入力された衝撃データをRAM133の所定領域に格納する。
【0146】
ステップS166の処理に続いて、CPU131は、演出ボタン51が強く操作されたか否かを判定する(ステップS167)。具体的には、ステップS167の処理によって取得された衝撃データが示す衝撃値が、予めROM132に記憶されている閾値以上であるか否かを判定する。
【0147】
CPU131は、演出ボタン51が強操作されたと判定した場合(ステップS167:YES)、演出ボタン51を高速で上下動させる(ステップS168)。具体的には、円筒カム83を第1方向75に回転させる動作と第2方向76に回転させる動作とを交互に行ってローラ59が傾斜面88に沿って第1の速度で上下動するように、ランプ制御部150に対してボタンモータ97の駆動制御を指示する。
【0148】
一方、CPU131は、演出ボタン51が操作されなかったと判定した場合(ステップS165:NO)、又は演出ボタン51が弱操作されたと判定した場合(ステップS167:NO)、演出ボタン51を低速で上下動させる(ステップS169)。具体的には、円筒カム83を第1方向75に回転させる動作と第2方向76に回転させる動作とを交互に行ってローラ59が傾斜面88に沿って第1の速度よりも遅い第2の速度で上下動するように、ランプ制御部150に対してボタンモータ97の駆動制御を指示する。
【0149】
このステップS168又はステップS169の処理に対して、移動制御手段として機能するランプ制御部150のCPU151は、遊技制御部100による抽選結果、及びショックセンサ99とCPU131による検知結果に基づいて、ランプモータ97の駆動を制御する。
【0150】
このように、第4の実施形態では、遊技者が演出ボタン51を押下した強さによって演出ボタン51の動作速度が変化するので、パチンコ遊技機1における演出効果を効果的に向上させることができる。
【0151】
[作用効果]
以上説明したように、第1の実施形態〜第4の実施形態によれば、特別図柄抽選の結果に応じて演出ボタン51が遊技者による操作とは無関係に移動する。このため、従来の遊技機に比べて遊技者が演出ボタン51による演出に気付きやすく、演出ボタン51によるインパクトのある効果的な演出を行うことができる。
【0152】
また、第1の実施形態〜第4の実施形態では、演出ボタン51が演出実行手段として機能する液晶表示器5による演出と連動するので、演出実行手段による演出との相乗効果によって、パチンコ遊技機1による演出効果を向上させることができる。
【0153】
また、第1の実施形態〜第4の実施形態では、特別図柄抽選に当選する信頼度に応じて、演出ボタン51の動作パターン、移動速度、及び停止位置の少なくともいずれかが変化するので、特別図柄抽選に当選する信頼度に則した演出ボタン51による効果的な演出を行うことができる。
【0154】
また、第1の実施形態〜第4の実施形態では、本発明の操作手段が第1位置と第2位置との間で双方向に移動可能な演出ボタン51で構成されているので、演出ボタン51を上昇又は下降させたり、或いは上下動させるといった、演出ボタン51の電飾のみによる演出が行われる場合に比べて、よりインパクトのある演出を行うことができる。
【0155】
また、第4の実施形態では、遊技制御部100による特別図柄抽選の結果に加えて演出ボタン51の操作に伴う衝撃に応じて演出ボタン51の動作が変化するようにボタンモータ97の駆動が制御されるので、多彩な演出を行うことができる。
【0156】
[変形例]
なお、本発明は上述した4つの実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、本発明の操作手段が遊技者によって押下される演出ボタン51である場合について説明したが、操作手段はこれに限定されるものではなく、例えば枠部材3に設けられたジョイスティックであってもよい。
【0157】
また、上記実施形態では、本発明の移動手段が操作手段としての演出ボタン51を上下動させるものである場合について説明したが、移動手段は、例えば、演出ボタン51を平面視で上下又は左右にスライドさせるようなものであってもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、本発明の演出実行手段が主に液晶表示器5である場合について説明したが、演出実行手段は、スピーカ35、盤ランプ8、枠ランプ36、可動役物7、ボタンランプ98等の他の演出実行手段であってもよい。また、演出ボタン51の動作は、演出実行手段によって実行される演出とは無関係に行われるものであってもよい。
【0159】
また、上記実施形態では、第1光センサ81及び第2光センサ82を用いて演出ボタン51の操作を検知する場合について説明したが、他のセンサや接触型のスイッチを用いて演出ボタン51の操作を検知するようにしてもよい。
【0160】
また、上記実施形態では、本発明の衝撃検知手段が基板実装タイプのショックセンサ99を有して構成されている場合について説明したが、基板実装タイプではない他の加速度センサを用いてもよい。また、加速度センサ以外のもの(例えば圧力センサ)を用いて衝撃検知手段を構成しても構わない。
【0161】
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0162】
1 パチンコ遊技機(本発明の遊技機の一例)
3 枠部材(本発明の遊技機本体に相当)
5 液晶表示器(本発明の演出実行手段の一例)
51 演出ボタン(本発明の操作手段の一例)
81 第1光センサ(本発明の操作検知手段の一部)
82 第2光センサ(本発明の操作検知手段の一部)
83 円筒カム(本発明の移動手段の一部)
90 駆動伝達機構(本発明の移動手段の一部)
97 ボタンモータ(本発明の移動手段の一部)
99 ショックセンサ(本発明の衝撃検知手段の一部)
100 遊技制御部
101 CPU(本発明の抽選手段の一例)
130 演出制御部
131 CPU(本発明の演出制御手段の一例、操作検知手段の一部、衝撃検知手段の一部)
150 ランプ制御部
151 CPU(本発明の移動制御手段の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者によって操作される操作手段と、
遊技機本体に対して前記操作手段を移動させる移動手段と、
大当たり抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記移動手段を制御して、前記操作手段を遊技者による操作とは無関係に移動させる移動制御手段とを備える、遊技機。
【請求項2】
前記抽選手段の抽選結果に基づいて演出を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段によって決定された演出を実行する演出実行手段とを備え、
前記移動制御手段は、前記演出実行手段によって実行される演出に前記操作手段を連動させる、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記移動制御手段は、前記抽選手段の抽選結果に応じて前記操作手段の動作パターン、移動速度、及び停止位置の少なくともいずれかを変化させる、請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記操作手段は、遊技者によって押下される押ボタンであって、
前記移動手段は、前記押ボタンが前記遊技機本体から第1突出量だけ突出した第1位置と、当該遊技機本体から前記第1突出量よりも大きい第2突出量だけ突出した第2位置との間で前記押ボタンを双方向に移動させる、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
遊技者による前記操作手段の操作を検知する操作検知手段と、
前記操作検知手段によって前記操作手段の操作が検知されたタイミングで、当該操作手段の操作に伴う衝撃を検知する衝撃検知手段とを備え、
前記移動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果、及び前記衝撃検知手段による検知結果に基づいて、前記移動手段を制御する、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−125344(P2012−125344A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278208(P2010−278208)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】