説明

遊技機

【課題】回転体の安定した支持を図りつつ、演出性の向上を図ることのできる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10は、識別情報を変動表示可能な可変表示手段を備え、所定条件成立に基づいて行われる抽選の結果が可変表示手段において停止表示される識別情報の組合わせによって教示される。可変表示手段は、略円筒状に構成されるとともに、その外周面において複数種類の識別情報が周方向に沿って配列された識別情報列を有する回転体と、回転体を軸支するとともに、回転体を回転させることで識別情報を変動表示させる回転駆動手段と、回転体に対して相対的に変位可能に構成された情報手段とを備えている。情報手段は、当該情報手段に対して相対変位不可能に設けられるとともに、回転体に対して相対変位不可能に設けられた連動部材に対して摺接可能に構成された支持手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機等の遊技機には、複数種類の図柄等を変動表示可能な可変表示手段が設けられている。そして、始動条件が成立することによって、遊技者にとって有利な状態である特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、前記可変表示手段において図柄の変動表示が開始され、所定時間後、自動的に或いは所定の停止操作によって、図柄の変動表示が当否抽選の結果に応じた態様にて停止させられる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。また、遊技機には、可変表示手段として外周面に複数種類の図柄が配列された円環状の回転体を備え、回転体を回転させることで図柄の変動表示を行うものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−154110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、回転体の一方の開口端にだけ回転体を軸支する軸支部材を設ける場合には、回転体の回転動作等が不安定になり易い。
【0005】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、回転体の安定した支持を図りつつ、演出性の向上を図ることのできる可変表示手段を備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
複数種類の識別情報を変動表示可能な視認領域を有する可変表示手段を備え、
所定条件成立に基づいて行われる抽選の結果が、前記可変表示手段の視認領域において停止表示される識別情報によって教示可能に構成された遊技機であって、
前記可変表示手段は、
略円筒状に構成されるとともに、その外周面において複数種類の識別情報が周方向に沿って配列された識別情報列を有する回転体と、
前記回転体を軸支するとともに、前記回転体を回転させることで前記識別情報を変動表示させる回転駆動手段と、
前記回転体に対して相対的に変位可能に構成された情報手段とを備え、
前記情報手段は、当該情報手段に対して相対変位不可能に設けられるとともに、前記回転体又は前記回転体に対して相対変位不可能に設けられた連動部材に対して摺接可能に構成された支持手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可変表示手段の回転体を安定して支持しつつ、演出性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の斜視図である。
【図3】内枠及び前面枠セットを開放したパチンコ機の斜視図である。
【図4】内枠および遊技盤等の構成を示す正面図である。
【図5】パチンコ機の背面図である。
【図6】パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。
【図7】第1スライド状態にあるリール表示装置を鉛直方向に切断した場合の断面図である。
【図8】第2スライド状態にあるリール表示装置の断面図である。
【図9】リール表示装置の模式斜視図である。
【図10】第1支持フレームの正面図である。
【図11】スライドベース及び支柱部の一部断面を含む部分斜視図である。
【図12】貼着前の図柄シートを示す正面図である。
【図13】第1スライド状態にあるリール表示装置等を水平方向に切断した場合の模式断面図である。
【図14】第1スライド状態にある場合の装飾図柄の視認態様の一例を示す装飾図柄表示装置の正面図である。
【図15】第2スライド状態にあるリール表示装置等の模式断面図である。
【図16】第2スライド状態にある場合の装飾図柄の視認態様の一例を示す装飾図柄表示装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
【0010】
外枠11は、図3、図5等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
【0011】
図1、図2に示すように、左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
【0012】
また、図5に示すように、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図3参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
【0013】
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
【0014】
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
【0015】
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
【0016】
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
【0017】
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
【0018】
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
【0019】
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
【0020】
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
【0021】
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
【0022】
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
【0023】
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
【0024】
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0025】
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
【0026】
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0027】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり状態(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、可変入賞装置32は、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口(入賞口)と、大入賞口を開閉するシャッタ(可動部)と、シャッタを動作させるための大入賞口ソレノイド(駆動手段)と、大入賞口に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ223とを備え、大入賞口ソレノイドを駆動制御し、シャッタを開閉させることで、可変入賞装置32(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
【0028】
始動入賞ユニット33は、始動入球手段としての上入賞口33a、及び下入賞口33bと、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cとを備えている。開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、下入賞口33bの側方を流下する遊技球が下入賞口33bへと案内される開状態と、案内されない閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する始動入球検知手段としての第1始動入賞スイッチ224a、及び第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かを決める当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて、当該当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合には、可変入賞装置32が開放される特別遊技状態としての大当たり状態が付与されることとなる。
【0029】
また、本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する低確率状態と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する高確率状態とがある。さらに、開閉部材33cが比較的頻繁に開放され、遊技球を下入賞口33cへ入球させ易くなる高入球状態と、開閉部材33cがほとんど開状態とされず、遊技球を下入賞口33bへ入球させ難い低入球状態とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。また、本実施形態では、通常モード及び確変モードは大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示が100回行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
【0030】
本実施形態の大当たり種別は、15ラウンド通常ボーナス(以下「15RN」と言う)と、15ラウンドスーパーボーナス(以下「15RS」と言う)と、7ラウンドスーパーボーナス(以下「7RS」と言う)との3種類である。そして、可変入賞装置32が30秒間開放されること、又は、可変入賞装置32が開放されてから可変入賞装置32に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「15RN」、「15RS」に関しては、それが15回繰り返され、一方、「7RS」に関しては、それが7回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。また、「15RS」、「7RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「15RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。
【0031】
尚、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合と、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合とで、「15RN」となる割合は同じであるが、「15RS」となる割合(換言すれば「7RN」となる割合)が異なっている。
【0032】
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2文字(及びドット)を表示可能なタイプの7セグメント表示装置により構成され、可変入賞装置32の右方に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
【0033】
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」又は「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて点灯態様(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの点灯態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する点灯態様が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
【0034】
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、「大当たり」に当選したことが教示されるだけでなく、大当たり状態の種別、すなわち、「15RN」、「15RS」、「7RS」のいずれであるかについても教示される。例えば、第1特別表示装置43L(又は第2特別表示装置43R)において最終的に「7.7.」が表示された(停止表示された)場合には「15RS」が付与され、「n.0.」が表示された場合には「15RN」が付与されるといった具合に対応付けられている。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、例えば、「15RS」が発生する場合、第1特別表示装置43L(又は第2特別表示装置43R)において、「7.7.」、「P.b」、「5.L.」、「A.3」・・・のいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
【0035】
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
【0036】
また、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)の保留数は、青色に発光可能な第1保留ランプ46aにて点灯表示され、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)の保留数は、赤色に発光可能な第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。保留ランプ46a、46bは、第1変動表示及び第2変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている第1変動表示又は第2変動表示の数と同じ数だけ点灯する。当該保留ランプ46a、46bは、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
【0037】
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合(保留ランプ46a、46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、上入賞口33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下入賞口33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
【0038】
変動特定ランプ40は、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるか(第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか)を示すためのものである。変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
【0039】
スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの入球アシスト抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球アシスト抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球アシスト抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に始動入賞ユニット33の下入賞口33b(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
【0040】
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、上記第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bと、保留ランプ44と、変動特定ランプ40とが設けられている。
【0041】
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
【0042】
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0043】
装飾図柄表示装置42は、識別情報としての装飾図柄を変動表示可能な液晶表示装置401を備えている。液晶表示装置401は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御されている。すなわち、液晶表示装置401においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示制御が行われる。
【0044】
また、液晶表示装置401の表示領域を構成する液晶パネル402は、そのほぼ全域が前方から視認可能に構成されている。液晶パネル402による液晶表示装置401の表示領域は、左右方向において等間隔で3つの領域(識別情報列表示領域)に区画されており、左図柄表示領域403と、中図柄表示領域404と、右図柄表示領域405とから構成されている。そして、各図柄表示領域403、404、405において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次変動表示され、その後、主制御装置261からのコマンドに基づく態様にて装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、左図柄表示領域403、中図柄表示領域404、及び右図柄表示領域405にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
【0045】
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、左図柄表示領域403及び右図柄表示領域405において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように左図柄表示領域403及び右図柄表示領域405にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域404において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
【0046】
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域404において、左図柄表示領域403及び右図柄表示領域405において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、大当たり状態終了後において確変モードが付与される「15RS」又は「7RS」が付与され、偶数のゾロ目の場合には、「15RN」、「15RS」、又は「7RS」のいずれかが付与される。また、ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものである。
【0047】
尚、変動表示において偶数のゾロ目が揃って全15ラウンドの大当たり状態となった場合、遊技者は、装飾図柄表示装置42を視認しているだけでは、「15RN」又は「15RS」のどちらの大当たりであるかの判別がつかない場合がある。つまり、特別表示装置43L、43Rが停止表示されたときの態様を視認すれば、大当たり状態の種別を判別可能であるが、それを視認しなかった、或いは、特別表示装置43L、43Rの停止態様と大当たり状態の種別との対応関係を把握していない遊技者は判別がつかない。また、本実施形態では、確変モード及び時間短縮モードにおける装飾図柄表示装置42の態様が共通であり、「15RN」又は「15RS」のどちらの大当たりであったのかを判別できていないと、確変モード又は時間短縮モードのどちらであるのかを判別することができない。尚、全7ラウンドの大当たり状態は「7RS」しかないため、大当たり状態終了後には確変モードとなることを確実に把握することができる。
【0048】
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
【0049】
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
【0050】
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
【0051】
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
【0052】
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
【0053】
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
【0054】
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
【0055】
次に、パチンコ機10の背面構成について図5等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
【0056】
遊技盤30の略中央部に配設された可変表示装置ユニット35の背面側には、表示制御装置45、サブ制御装置262、及び、詳しくは後述するリール表示装置408を駆動制御するためのリール制御装置409が着脱可能に取り付けられている。表示制御装置45、リール制御装置409、及びサブ制御装置262はそれぞれ図示しない基板ボックスに収容されて固定されている。
【0057】
フレームカバー213の下方には、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして、遊技盤30に対して主制御装置261が回動可能に取付けられている。主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
【0058】
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
【0059】
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。
【0060】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
【0061】
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
【0062】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35、表示制御装置45、リール制御装置409、及びサブ制御装置262を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
【0063】
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
【0064】
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
【0065】
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。尚、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、下枠セット251において形成された排出通路部に集められ、排出通路部の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
【0066】
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0067】
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
【0068】
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
【0069】
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
【0070】
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0071】
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
【0072】
また、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている(図3参照)。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
【0073】
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
【0074】
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
【0075】
さて、本実施形態の装飾図柄表示装置42の液晶表示装置401は透過型のものである。さらに、装飾図柄表示装置42の水平断面を模式的に示す図13等に示すように、液晶表示装置401においては、液晶パネル402の後方に反射板や遮光板等がなく、光源からの光を後方から液晶パネル402に導く透明な導光板406が存在するだけである。尚、液晶表示装置401の光源である図示しない冷陰極管は、導光板406に隣接して液晶表示装置401の表示領域外に配置されている。また、本実施形態の装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置401の液晶パネル402の後方においてリール表示装置408を備えている。従って、液晶表示装置401の表示制御を行って液晶パネル402の透過度を上げると、液晶パネル402越しにリール表示装置408を視認することができるようになっている。詳しくは後述するが、リール表示装置408でも識別情報としての装飾図柄を変動表示可能に構成されており、本実施形態では、液晶表示装置401とリール表示装置408とが協働して、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を行うように構成されている。
【0076】
また、液晶表示装置401は、液晶パネル402の部位毎に透過度を調節して、部位毎に後方のリール表示装置408を透視可能な状態と、透視不可能又は透視困難な状態とに状態変化可能に構成されている。すなわち、液晶表示装置401の液晶パネル402では、左・中・右の図柄表示領域403、404、405においてそれぞれ装飾図柄を変動表示可能に構成されているが、いずれかの図柄表示領域403、404、405を透過状態としてかかる図柄表示領域403、404、405での液晶表示を止め、その代わりに、液晶パネル402越しに視認されるリール表示装置408による装飾図柄の変動表示を視認させることができるように構成されている。もちろん、液晶パネル402では、各図柄表示領域403、404、405で装飾図柄を変動表示するだけでなく、3つに区画された図柄表示領域403、404、405の垣根を越えた(液晶パネル402を全体的に使った)演出表示を行うことも可能である。
【0077】
尚、本実施形態では、液晶表示装置401及びリール表示装置408を具備する装飾図柄表示装置42が可変表示手段を構成する。さらに、液晶表示装置401が遮蔽手段及び透過型表示手段を構成し、液晶パネル402がパネル部に相当する。また、本実施形態では、識別情報としての装飾図柄は、液晶表示装置401だけでなくリール表示装置408によっても表示されるのであるが、リール表示装置408は液晶表示装置401の液晶パネル402越しでしか視認することができない(液晶パネル402の領域内でのみ視認可能である)。従って、液晶パネル402によって構成される液晶表示装置401の表示領域(液晶表示装置401の枠の内周側)が可変表示手段の視認領域に相当する。
【0078】
図7〜図9に示すように、リール表示装置408は、左右方向に延在する略円筒状の第1リール411と、第1リール411を回転させる第1回転モータ412と、第1リール411及び第1回転モータ412を左右方向にスライド可能に支持するスライド手段としてのスライド機構413と、第1リール411の内側に収容可能な略円筒状の第2リール414と、第2リール414を回転させる第2回転モータ415とを備えている。本実施形態では、第1リール411が回転体に相当し、第2リール414が情報手段に相当する。
【0079】
図13、図15に示すように、第1リール411は、液晶表示装置401の液晶パネル402の後方に対応して配置されており、液晶パネル402を介してパチンコ機10の前方から視認可能に構成されている。尚、図13、図15では、紙面下側がパチンコ機10の前方となり、紙面上側がパチンコ機10の後方となっている。第1リール411の外径(上下の幅)は、液晶パネル402の上下の幅よりも大きくなっている。さらに、第1リール411の左右の幅は、液晶パネル402の左右の幅とほぼ同じ、換言すれば、左右方向において三等分された液晶表示装置401の左・中・右図柄表示領域403、404、405の横幅を足した長さとほぼ同じ長さとなっている。
【0080】
より具体的には、第1リール411についても、左右方向においてほぼ等間隔で3つの領域に区画されており、正面視で左側から外側左構成部421と、中構成部422と、外側右構成部423とを備えている。尚、詳しくは後述するが、中構成部422及び外側右構成部423の横幅は、中図柄表示領域404及び右図柄表示領域405の横幅とほぼ同じであり、外側左構成部421の横幅は左図柄表示領域403の横幅よりも若干(後述するガイド凸部469の横幅と同じ長さだけ)大きくなっている。
【0081】
さらに、外側左構成部421及び外側右構成部423の外周面には、「1」〜「9」のいずれかの数字が付された複数種類の装飾図柄がプリントされた帯状の図柄シート425が第1リール411の周方向に沿って貼着されている。第1リール411に貼着される図柄シート425には、図12(a)、(b)に示すように、図柄シート425の長手方向を縦向きとして、上から下に向けて「9」〜「1」の降順で装飾図柄が等間隔に配列されている。そして、図柄シート425が、外側左構成部421及び外側右構成部423に対してそれぞれ巻かれるようにして貼着されると、「1」の装飾図柄と「9」の装飾図柄とが周方向において隣接するようになる。本実施形態では、装飾図柄表示装置42の視認領域において(液晶パネル402を介して)、外側左構成部421及び外側右構成部423の装飾図柄をそれぞれ3つずつ同時に視認可能に構成されている。また、本実施形態では、各図柄シート425にプリントされている複数の装飾図柄による図柄列が識別情報列に相当する。
【0082】
また、本実施形態では、外側左構成部421及び外側右構成部423に貼着される図柄シート425は、装飾図柄の配列、間隔、大きさ、及び形状が同一のものであり、かつ、第1リール411の周方向において両図柄シート425の貼り始めの端縁の位置が一致するように(左右方向において同一の装飾図柄が並ぶように)貼着されている。従って、第1リール411については、中構成部422を挟んで同じ数字の装飾図柄が左右に並んでいるように配置されている。尚、外側左構成部421が外側右構成部423よりも若干横幅が大きい分だけ、外側左構成部421に貼着される図柄シート425は、外側右構成部423に貼着される図柄シート425に比べ、装飾図柄の左側に形成される余白部分を余分にとるようにして幅広に形成されている。
【0083】
一方、外側左構成部421と外側右構成部423とを連結する中構成部422は透明な樹脂材料で構成されている。さらに、中構成部422には、図柄シート425が貼着されていない。このため、中構成部422においては、第1リール411の内周側を透視することができる。本実施形態では、中構成部422が透過部に相当する。尚、図9では、中構成部422越しに視認される第1リール411内周側の構成等の図示を省略している。また、外側左構成部421及び外側右構成部423は、透明な樹脂材料及び不透明な樹脂材料のどちらで構成してもよいが、図柄シート425の外周縁に沿って図柄シート425の貼着面を確保しつつ、格子状に形成する等して軽量化を図ることが望ましい。
【0084】
また、図7等に示すように、外側右構成部423の内周側には、樹脂製で車輪状をなす連結手段としての第1支持フレーム431が設けられている。図7、図10に示すように、第1支持フレーム431は、円盤状のハブ432と、内周縁がハブ432の外周縁と同心円をなす円環状のリム433と、ハブ432の外周面からリム433の内周面にかけて放射状に延出するスポーク434とを備えている。ハブ432(第1支持フレーム431)の中心部には、断面略D字状の挿入穴を有するボス状の第1軸支部435が突設されている。そして、第1回転モータ412の駆動軸412aの断面略D字状の先端部が第1軸支部435の挿入穴に挿入された状態で、ねじによって駆動軸412aと第1軸支部435とが相対変位不可能に連結されている。
【0085】
リム433(第1支持フレーム431)の外径は第1リール411(外側右構成部423)の内径とほぼ同じである。また、リム433の外周縁には、リム433の内周側に凹む係止凹部436が形成されている。さらに、リム433には、係止凹部436が形成されていない部位においてリム433の厚み方向に貫通するねじ孔437が形成されている。これに対し、第1リール411の外側右構成部423には、中構成部422との境界部の近傍部位から内周側に突出する当てリブ428(図7参照)が形成されている。また、図示は省略するが、当てリブ428には、リム433の係止凹部436の内側に挿入される係止凸部と、係止凸部が係止凹部436に挿入されることでリム433のねじ孔437と位置合わせされる取付孔とが形成されている。
【0086】
そして、当てリブ428の係止凸部を第1支持フレーム431の係止凹部436の内側に挿入させるようにして、当てリブ428とリム433とを左右に面当接させ、リム433のねじ孔437と当てリブ428の取付孔とをねじ固定することで、第1支持フレーム431と第1リール411とが相対変位不可能に連結されている。これにより、第1回転モータ412が駆動すると、第1リール411が第1リール411の中心軸線を回転軸線として回転するようになり、第1リール411が回転すると、外側左構成部421及び外側右構成部423における装飾図柄が上下方向に変動するように視認される。尚、係止凸部及び係止凹部436の存在により、第1リール411と第1支持フレーム431との周方向における位置決めが行われ、組み付け作業性の向上、及び第1支持フレーム431と第1リール411とを固定するねじの負担軽減などを図ることができる。本実施形態では、第1回転モータ412及び第1支持フレーム431が回転駆動手段を構成する。
【0087】
尚、第1回転モータ412は、略箱状をなす第1モータケース441に収容されて、極力がたつきが生じないように保持されている。また、第1回転モータ412と第1支持フレーム431とが連結され、第1支持フレーム431と第1リール411とが連結された状態では、第1回転モータ412及び第1モータケース441が、半分程度、第1リール411(外側右構成部423)の内側に収容された状態となっている。加えて、第1モータケース441には、第1回転モータ412の駆動軸412aや配線を挿通させる開口部や放熱孔等が形成されている。
【0088】
また、図7等に示すように、スライド機構413は、遊技盤30の後面に固定された図示しない取付台の上面に固定されるガイド部442と、ガイド部442に対して左右方向にスライド可能に装着されるスライドベース443と、第1回転モータ412を収容する第1モータケース441とスライドベース443とを連結する支柱部444と、スライドベース443をスライドさせるスライドモータ445とを備えている。尚、ガイド部442及びスライドベース443は第1リール411の外周面よりも外周側(本実施形態では下方)に位置している。
【0089】
図11に示すように、スライドベース443の上面は、前縁部及び後縁部に沿って一段低くなっており、この前縁部及び後縁部がガイド部442によって上下に挟まれる(図9参照)とともに、かかる段部の側面がガイド部442に摺接することで、スライドベース443は、上下方向及び前後方向における変位が規制され、左右方向にのみスライド可能に構成されている。また、スライドベース443の下面には、左右方向に延在する鋸歯状のラック部446が設けられている。当該ラック部446は、ガイド部442に形成された開口部を介して下方に露出している。さらに、図7に示すように、スライドモータ445は、その駆動軸の先端に固定されたピニオン部材447の歯がラック部446の歯と噛み合うように設置されている。
【0090】
また、支柱部444はスライドベース443の正面視右端部から一体的に上方に延出しており、上端が第1モータケース441の正面視右下部に固定されている。そして、スライドモータ445が駆動してピニオン部材447が回動することで、スライドベース443が左右にスライドすることとなる。また、当然、スライドベース443が左右にスライドすれば、第1モータケース441及び支柱部444を介してスライドベース443に支持されている第1回転モータ412と、第1回転モータ412に軸支されている第1リール411とについても左右にスライドすることとなる。
【0091】
第2リール414は、液晶表示装置401の液晶パネル402の後方に対応して配置されており、液晶パネル402を介してパチンコ機10の前方から視認可能に構成されている。また、第2リール414は樹脂製であり、その外径は、第1リール411の内径よりも若干小さく、かつ、液晶パネル402の上下の幅よりも若干大きくなっている。さらに、上記のように、第1リール411には、外側右構成部423の内周側において、第1リール411と第1回転モータ412とを連結するための第1支持フレーム431が設けられているが、外側左構成部421及び中構成部422の内周側には、第1リール411の内側空間を塞ぐような部材は設けられていない。このため、第2リール414を第1リール411の正面視左端側から第1リール411の内側に挿入させることができるようになっている。特に、本実施形態では、第2リール414全体を第1リール411の内側(外側左構成部421及び中構成部422の内周側)に挿入させることができるように構成されている。
【0092】
また、第2リール414の左右の幅は、3つとも同じ横幅である各図柄表示領域403、404、405の1つ分の横幅の2倍の長さとほぼ同じ長さ(左図柄表示領域403の横幅と中図柄表示領域404の横幅とを足した長さ)となっている。さらに、第2リール414は、左右方向においてほぼ等間隔で2つの領域に区画されており、正面視で左側から内側左構成部451と、内側右構成部452とを備えている。本実施形態の第2リール414は、第1リール411のようにスライドするわけではなく、決まった位置で回転するのみであって、内側左構成部451が左図柄表示領域403の後方に位置し、内側右構成部452が中図柄表示領域404の後方に位置するように配置されている。さらに、内側左構成部451及び内側右構成部452の外周面には、「1」〜「9」の複数種類の装飾図柄が等間隔でプリントされた図柄シート425が第2リール414の周方向に沿って貼着されている。本実施形態では、内側左構成部451及び内側右構成部452のそれぞれの外周面に貼着された図柄シート425が情報部に相当する。
【0093】
内側左構成部451に貼着される図柄シート425には、図12(c)に示すように、第1リール411に貼着される図柄シート425と同様に、図柄シート425の長手方向を縦向きとして上から下に装飾図柄が「9」〜「1」の降順で配列されている。また、内側右構成部452に貼着される図柄シート425には、図12(d)に示すように、図柄シート425の上から下に装飾図柄が「1」〜「9」の昇順で配列されている。本実施形態では、液晶パネル402を介して、内側左構成部451及び内側右構成部452の装飾図柄をそれぞれ3つ同時に視認可能となるように構成されている。
【0094】
尚、第2リール414は、第1リール411よりも直径が小さく、周長が短いため、第2リール414に貼着される図柄シート425は、第1リール411に貼着される図柄シート425よりも長手方向の長さが短くなっている。また、第1リール411の図柄シート425に配列された装飾図柄(図12(a)、(b)参照)は、第2リール414の図柄シート425に配列された装飾図柄(図12(c)、(d)参照)よりも上下の幅が大きくなっている。つまり、第1リール411と第2リール414とでは周長が異なるため、両リール411、414の外周にそれぞれ同じ大きさの装飾図柄を等間隔で配置した場合、液晶パネル402を介して上下に3つずつ視認可能とされる各リール411、414の装飾図柄のうち、上列及び下列に並ぶ装飾図柄の位置が上下にずれてしまうことが懸念される。そして、本実施形態では、左右に平行に延びる仮想の有効ライン上、或いは、斜めに真っ直ぐに延びる仮想の有効ライン上に同一の装飾図柄が3つ並ぶことで大当たり状態発生の教示が行われるため、各リール411、414の装飾図柄の上下位置が大きくずれてしまうと、有効ラインで装飾図柄が揃ったのか否かが分かり難くなってしまうのである。これに対し、本実施形態では、第1リール411の装飾図柄(図12(a)、(b)参照)の上下幅を比較的大きくすることによって、左右方向において両リール411、414の装飾図柄が極力重なり合うように構成し、上・中・下の三本の左右に真っ直ぐに延びる有効ライン上に両リール411、414の装飾図柄が並んで見えるようになっている。また、第1リール411の図柄シート425の装飾図柄は、第2リール414(内側左構成部451)の図柄シート425の装飾図柄を単に拡大したものではなく、第2リール414の装飾図柄の上端及び下端を上下に肉厚にすることで上下に伸長させるようにして描かれている。このため、第1リール411の装飾図柄は、その上端や下端が視認領域外にはみ出して視認できなくても、その装飾図柄の種類を確実に特定することができる。
【0095】
尚、詳しくは後述するが、第2リール414の内側右構成部452は、図柄表示領域403、404、405のうち装飾図柄が最後に停止表示されることとなる中図柄表示領域404において視認可能とされる。このため、内側右構成部452の装飾図柄が左右の図柄表示領域403、405で停止表示される第1リール411の装飾図柄よりも小さいと、変動表示の後半のインパクトが欠けるおそれがあるため、内側右構成部452の図柄シート425の装飾図柄はその他の図柄シート425の図柄に比べ左右に大きく構成されている(図12(d)参照)。
【0096】
加えて、図7等に示すように、第2リール414の内周側には、樹脂製で車輪状をなす第2支持フレーム453が設けられている。第2支持フレーム453は上記した第1支持フレーム431と同様の基本構成を備えており、第2支持フレーム453の中心部に形成された第2軸支部454が、第2回転モータ415の駆動軸415aと相対変位不可能に連結されるとともに、第2支持フレーム453の外周側の部位が第2リール414の内周面と当接した状態で、第2リール414の内周面から突出する当てリブ455に対して相対変位不可能に連結されている。そして、第2回転モータ415が駆動すると、第2リール414の中心軸線を回転軸線として第2リール414が回転するようになっており、第2リール414が回転すると、内側左構成部451及び内側右構成部452における装飾図柄が上下方向に変動するように視認される。
【0097】
また、第2回転モータ415を収容する第2モータケース457と、第2モータケース457を支持する支持部材458とが設けられており、支持部材458は遊技盤30に固定された図示しない取付台に固定されている。さらに、第2回転モータ415と第2支持フレーム453とが連結され、第2支持フレーム453と第2リール414とが連結された状態では、第2回転モータ415及び第2モータケース457の大部分は第2リール414(内側左構成部451)の内側に収容された状態となっている。
【0098】
尚、第1回転モータ412、第2回転モータ415、及びスライドモータ445はステッピングモータにより構成され、リール制御装置409と電気的に接続されている。また、図示は省略するが、第1リール411及び第2リール414に対応して、各リール411、414の回転位相を検出可能な位相検出手段が設けられており、リール制御装置409は、第1リール411及び第2リール414が1周するごとに各リール411、414の回転位置を確認し補正することができる。さらに、ステッピングモータは例えば504パルスの駆動信号を与えることにより1回転されるように設定されて、7パルスの駆動信号で左リール42Lが5度変化するというように、駆動信号の数に応じた回転量で各リール411、414を回転させるように構成されている。また、リール制御装置409は、サブ制御装置262に電気的に接続されており、各リール411、414の回転開始又は停止のタイミングや、停止時の回転位相はサブ制御装置262からリール制御装置409に出力されるコマンド、ひいては主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるコマンドに基づいて設定される。すなわち、リール表示装置408においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、リール制御装置409によって駆動制御が行われる。
【0099】
尚、本実施形態では、各図柄表示領域403、404、405において視認される装飾図柄が、液晶パネル402で表示された装飾図柄である場合と、第1及び第2リール411、414の外周に付された装飾図柄である場合とがあるが、表示される媒体がどちらであろうとも、同一の数字が付された装飾図柄が水平又は斜めに一直線に3つ並んで停止表示されることで大当たり状態が発生することとなる。
【0100】
さて、上記のように、本実施形態では、第1リール411が左右方向、すなわち、第1リール411の軸線方向においてスライド可能に構成されている。一方、第2リール414に関しては、回転以外の動作が行われないように構成されている。そして、第1リール411が左右にスライドし、左右方向において第1リール411と第2リール414とが相対変位することで、第2リール414の全体が第1リール411の内側に収容される第1スライド状態(図7、図13に示す状態)と、第2リール414のうち内側右構成部452のみが第1リール411の内側に収容される第2スライド状態(図8、図15に示す状態)とに状態変化するように構成されている。
【0101】
特に、本実施形態の第2リール414は、内側左構成部451が液晶パネル402の左図柄表示領域403の後方に位置し、内側右構成部452が中図柄表示領域404の後方に位置するように配置されている。さらに、第1リール411の中構成部422は、第1リール411の内周側を透視できるように透明になっている。このため、液晶パネル402全面が透過状態であって、リール表示装置408が図13に示すような第1スライド状態にある場合には、図14に示すように、左右の図柄表示領域403、405において第1リール411の装飾図柄が視認されるとともに、中図柄表示領域404において、第1リール411の中構成部422を介して第2リール414の内側右構成部452の装飾図柄が視認されるようになっている。
【0102】
一方、液晶パネル402全面が透過状態であって、リール表示装置408が図15に示すような第2スライド状態にある場合には、図16に示すように、左図柄表示領域403において第1リール411の外側に位置した第2リール414の内側左構成部451の装飾図柄が視認され、中図柄表示領域404において第1リール411の外側左構成部421の装飾図柄が視認されるようになっている。
【0103】
尚、詳しくは後述するが、第1リール411の中構成部422の内周側には、第1リール411とともに左右にスライド変位する情報手段及び演出手段としてのフィギュア463が設けられている。そして、リール表示装置408が第1スライド状態にある場合には、かかるフィギュア463は第2リール414の内側に位置して視認不可能であるが、リール表示装置408が第2スライド状態になると、右図柄表示領域405において、第1リール411の透明な中構成部422を介してフィギュア463が視認可能とされる。
【0104】
さらに、本実施形態では、第1リール411及び第2リール414が互いに支え合うように構成されている。すなわち、図7、図8に示すように、第1支持フレーム431(ハブ432)の中央部には、第1回転モータ412(第1軸支部435)とは反対の面側において、金属製で左右に延びる円筒状の連動部材としての第1連結軸461が相対変位不可能に連結されている。また、第2支持フレーム453の中央部には、第2回転モータ415とは反対の面側において、金属製で左右に延びる円柱状の支持手段としての第2連結軸462が相対変位不可能に連結されている。さらに、本実施形態では、第1リール411の回転軸線と、第2リール414の回転軸線とが同一直線上に延在するように構成されている。また、第1連結軸461及び第2連結軸462はそれぞれ中構成部422の横幅よりも長く構成され、第1連結軸461の内径は第2連結軸462の外径よりも若干大きく構成されている。そして、第1連結軸461の内側に第2連結軸462が挿入状態とされ、第1リール411が左右にスライドした場合には、第2連結軸462の第1連結軸461への挿入長が長短するようになっている。
【0105】
さらに、本実施形態では、リール表示装置408が第1スライド状態及び第2スライド状態のどちらにあっても、第2連結軸462の少なくとも先端部は第1連結軸461の内側に挿入された状態となっている。これにより、第1連結軸461及び第2連結軸462を介して、第1リール411及び第2リール414が互いに支え合うように構成されている。尚、本実施形態では、第1リール411及び第2リール414と、第1支持フレーム431及び第2支持フレーム453とが別体として構成されていることによって、第1連結軸461及び第2連結軸462を第1支持フレーム431及び第2支持フレーム453に対して比較的容易に取付けることができる。加えて、第1連結軸461と第1支持フレーム431との連結部において、第1連結軸461に第2連結軸462が深く挿入される際のエア抜きのための開口部を形成することが望ましい。
【0106】
また、本実施形態では、第1連結軸461の外周において、フィギュア463が相対回転可能に装着されている。より具体的には、フィギュア463には左右に貫通し、第1連結軸461よりも径の大きな貫通孔464が形成されており、貫通孔464に第1連結軸461が挿通されている。また、フィギュア463の重心は偏心しており(内部の偏心した位置に錘が入っており)、フィギュア463が第1連結軸461に支持された状態では、第1リール411が回転していようともフィギュア463はほぼ同じ姿勢をとるようになっている。さらに、第1連結軸461には、外周面から外側に突出する規制凸部465が形成されるとともに、第1連結軸461の先端側の外周面において螺旋状にねじ山466が形成されている。そして、フィギュア463の貫通孔464に第1連結軸461を挿通してからねじ山466にナット467を固定する。これにより、フィギュア463が第1連結軸461に対して相対的に左右に変位しようとしても、貫通孔464の周縁部と、規制凸部465又はナット467とが当接することとなるため、フィギュア463と第1連結軸461との左右への相対変位が規制されることとなり、フィギュア463は第1リール411の変位に伴って左右に変位することとなる。従って、フィギュア463は常時中構成部422の内周側に位置することとなる。但し、規制凸部465とナット467とによってフィギュア463が挟持固定されないように、ひいては、第1連結軸461に対してフィギュア463が自由に回動可能なように、ナット467及び規制凸部465とフィギュア463との間に若干の隙間が形成されるようにしてナット467を第1連結軸461に固定する。尚、規制凸部465及びナット467が前方から見えないように、フィギュア463には貫通孔464の両端部に対応して規制凸部465及びナット467を収容可能な目隠し凹部468が形成されている。さらに、フィギュア463は第2リール414の内側に挿入可能な大きさとなっており、リール表示装置408が第1スライド状態となると、第1リール411の中構成部422とフィギュア463との間に第2リール414の内側右構成部452が進入する(第2リール414の内側にフィギュア463が収容される)ように構成されている。本実施形態では、規制凸部465、及びナット467によって変位規制手段が構成される。
【0107】
また、本実施形態では、第2リール414の内側左構成部451の内側右構成部452との境界部から第2リール414の外周側に突出するガイド凸部469が設けられている。図7に示すように、リール表示装置408が第1スライド状態にある場合、ガイド凸部469は、第1リール411の外側左構成部421の中構成部422との境界部近傍の内周面と対向配置されることとなる。一方、図8に示すように、リール表示装置408が第2スライド状態にある場合、中構成部422や外側右構成部423よりもガイド凸部469の幅分だけ横幅が長く構成された外側左構成部421の左端部の内周面と、ガイド凸部469とが対向配置されることとなる。本実施形態では、第1リール411及び第2リール414が正規の姿勢から傾いていなければ(第1リール411及び第2リール414の回転軸線がほぼ同一直線上に延びていれば)、ガイド凸部469と第1リール411とが離間し、互いに接触しないようになっている。これに対し、第1リール411及び第2リール414が相対的に傾く(例えば、第1リール411及び第2リール414の一方が或いは合計で0.5度〜3度程度傾く)と、ガイド凸部469において第1リール411と第2リール414とが接触するようになっている。
【0108】
このように、ガイド凸部469が構成されることにより、第1リール411や第2リール414が傾いてしまった場合の第1連結軸461及び第2連結軸462の負担が軽減される上、それ以上の傾動が防止される。さらに、第1リール411や第2リール414が傾くことに起因して、第2リール414の外周面の装飾図柄が第1リール411と擦れたり、第1リール411の中構成部422の内周面が第2リール414と擦れたりして損傷してしまうといった事態が抑制される。尚、ガイド凸部469が内側右構成部452の右端部にある場合、リール表示装置408が第1スライド状態と第2スライド状態とに状態変化する際に、内ガイド凸部469で中構成部422を引っ掻いてしまうおそれがあるため、ガイド凸部469は上記の位置に設けることが望ましい。加えて、内側左構成部451の横幅は、内側右構成部452の横幅と同じではあるものの、右端部においてガイド凸部469が形成されており、図柄シート425を貼着可能な幅が狭い。このため、内側左構成部451の図柄シート425(図12(c)参照)は、ガイド凸部469の幅分だけ、内側右構成部452に貼着される図柄シート425(図12(d)参照)に比べ、装飾図柄の右側の余白部分を短くするようにして幅狭に形成されている。
【0109】
尚、ガイド部442は、スライドベース443のスライド量を規定する左右一対のストッパー448を備えている。すなわち、リール表示装置408を第2スライド状態から第1スライド状態とする際に、第1リール411側の構成と第2リール414側の構成とが衝突する前に第1リール411のスライドを停止させたり、リール表示装置408を第1スライド状態から第2スライド状態とする際に、第2リール414が第1リール411から完全に抜け出す前に(第2連結軸462が第1連結軸461から完全に抜け出す前に)第1リール411のスライドを停止させたりすることができる。尚、基本的には、リール制御装置409は、第1リール411をスライドさせる場合、スライドベース443とストッパー448とが衝突しないようにスライドモータ445を駆動制御するように構成されている。
【0110】
次に、リール表示装置408の組み付け手順について説明する。先ず第1モータケース441に収容した第1回転モータ412の駆動軸412aと第1支持フレーム431とを連結するとともに、第1支持フレーム431と第1連結軸461とを連結してから、第1支持フレーム431と第1リール411とを連結する。続いて、スライドモータ445の駆動によってスライドベース443が左右にスライド可能となるように、スライドモータ445及びガイド部442を取付台に取り付けるとともに、ガイド部442に対してスライドベース443を装着する。その後、スライドベース443から一体的に延出する支柱部444と第1モータケース441とを連結する。これにより、第1リール411が回転可能及び左右にスライド可能に支持されることとなる。
【0111】
続いて、第2モータケース457に収容した第2回転モータ415の駆動軸415aと第2支持フレーム453とを連結するとともに、第2支持フレーム453と第2連結軸462とを連結してから、第2支持フレーム453と第2リール414とを連結する。その後、未だ取付台に固定されていない支持部材458と第2モータケース457とを連結するとともに、第2連結軸462を第1連結軸461の内側に挿入させるようにして、第2リール414を第1リール411の内側に挿入し、支持部材458と取付台との位置合わせをして支持部材458を固定する。以上のようにして、リール表示装置408が組み付けられることとなる。
【0112】
次に、装飾図柄表示装置42にて行われる装飾図柄の変動表示の態様例について説明する。尚、変動表示が行われていない状態では、液晶パネル402の全面で待機中の演出表示(デモ画面表示)が行われる。
【0113】
通常、図15に示すように、リール表示装置408は第2スライド状態とされている。変動表示が開始されると、所定時間後に液晶パネル402の左図柄表示領域403のみが透過状態とされ、液晶パネル402を介して第2リール414の内側左構成部451が視認される。このとき、第2リール414は、内側左構成部451の装飾図柄が上から下に流れるように回転しており、これによって、左図柄表示領域403における装飾図柄の変動表示が構成される。また、中及び右図柄表示領域404、405においては、液晶パネル402で装飾図柄が変動表示される。その後、リーチ状態が発生することなく外れる場合には、第2リール414が停止されることで左図柄表示領域403の装飾図柄が停止表示され、次に、液晶パネル402において右図柄表示領域405、中図柄表示領域404の順で、装飾図柄が停止表示される。尚、かかる流れの変動表示に際しては、第1リール411が視認される機会がないため、第1リール411は変動表示の最初から最後まで停止されたままの状態となっている。
【0114】
また、左右の図柄表示領域403、405で水平又は斜めの有効ライン上に同じ数字の装飾図柄が並んで停止するリーチ状態が発生した場合、液晶パネル402の中図柄表示領域404が透過状態とされ、リーチ状態が発生する直前に回転し始めた第1リール411の外側左構成部421の装飾図柄の変動表示が中図柄表示領域404において視認可能な状態とされる。以後、大当たりの場合には装飾図柄が3つ揃うように第1リール411を停止させ、外れの場合には装飾図柄が3つ揃わないように、第1リール411を停止させる。
【0115】
尚、全ての図柄表示領域403、404、405において装飾図柄が停止表示されてから所定時間が経過するまでは、全ての図柄表示領域403、404、405において装飾図柄が微妙に動いており、完全に装飾図柄が停止されるまでは、装飾図柄が停止されたかのように見えた図柄表示領域403、404、405において再び装飾図柄が変動することもある。例えば、上記のように、リール表示装置408が第2スライド状態にある場合に装飾図柄が外れの組合わせで停止されたかのような表示の直後に、液晶パネル402の右図柄表示領域405が透過状態とされ、図16に示すようにフィギュア463が視認可能な状態となった後、再び各図柄表示領域403、404、405において装飾図柄が大きく変動表示する場合もある。このような演出が行われた場合の大当たり状態発生への期待度は比較的高くなっている(外れの場合には選択され難い演出となっている)。
【0116】
また、大当たり状態発生への期待度が高い(大当たりの場合に選択され易い)演出として、変動開始から左図柄表示領域403における停止表示までの間に(例えば、変動表示が開始されると同時に)、図13に示すように、リール表示装置408が第1スライド状態とされるとともに、第1リール411が回転状態とされ、左図柄表示領域403が透過状態とされたときに、第1リール411の外側左構成部421の装飾図柄が視認されるといった演出パターンがある。つまり、第1リール411では、外側左構成部421及び外側右構成部423において装飾図柄が同じ配列で並んでいるため、左図柄表示領域403及び右図柄表示領域405が透過状態とされたならば、リーチ状態が発生することとなる。従って、遊技者は、左図柄表示領域403においていつもよりも大きい装飾図柄が表示されたことに違和感を覚えるだけでなく、左右の図柄表示領域403、405における装飾図柄の停止表示を待たずして、リーチ状態が発生し易いことを把握することができる。さらに、3種類の装飾図柄が一度にリーチの組合わせとなるため、見た目でも大当たり状態発生への期待感を高めることができる。その後、液晶パネル402の中図柄表示領域404を透過状態として第2リール414の内側右構成部452を視認可能な状態として、大当たりの場合には有効ライン上に同じ装飾図柄が3つ揃うように(図14参照)、外れの場合には3つ揃わないように第2リール414を停止させる。
【0117】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
【0118】
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
【0119】
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
【0120】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0121】
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0122】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42を構成する液晶表示装置401及びリール表示装置408は、サブ制御装置262を介して制御される。
【0123】
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチなどの各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32の大入賞口を開閉するシャッタを動作させるための大入賞口ソレノイドなどの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
【0124】
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0125】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、リール制御装置409、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ等が接続されている。
【0126】
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて、表示制御装置45に表示制御を実行させたり、リール制御装置409に駆動制御を実行させたりして、装飾図柄表示装置42の視認態様を変化させる。尚、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示(付随的な演出表示)が行われる。
【0127】
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0128】
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
【0129】
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0130】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0131】
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
【0132】
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
【0133】
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
【0134】
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
【0135】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
【0136】
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
【0137】
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0138】
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、液晶表示装置401における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には装飾図柄表示装置を構成する液晶表示装置401が接続されている。
【0139】
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、液晶表示装置401における表示制御を行う。
【0140】
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0141】
ビデオRAM524は、液晶表示装置401に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、液晶表示装置401の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、液晶表示装置401に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
【0142】
VDP526は、液晶表示装置401に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して液晶表示装置401に表示させる。
【0143】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
【0144】
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
【0145】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0146】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0147】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0148】
以上詳述したように、本実施形態では、装飾図柄を変動表示する装飾図柄表示装置42は、複数種類の装飾図柄を配列した図柄シート425が外周面に沿って貼着された第1リール411及び第2リール414を具備するリール表示装置408を備えており、当該リール411、414の装飾図柄の組合わせによって、大当たり状態が発生するか否かを教示可能に構成されている。また、第1リール411が左右にスライド可能に構成されており、リール表示装置408は、第2リール414の全体が第1リール411の内側に収容される第1スライド状態と、第2リール414のうち内側右構成部452が第1リール411の内側に位置し、内側左構成部451が第1リール411の外側に位置する第2スライド状態とに状態変化可能に構成されている。このように、第1リール411がスライド変位することで、装飾図柄表示装置42の視認領域において視認されるリール表示装置408の態様を変化させたり、視認態様の変化に対応付けして、所定の情報を遊技者に教示又は示唆したりすることができる。従って、装飾図柄表示装置42における視認態様にリール411、414の回転動作以外の変化をつけることができ、演出性の向上等を図ることができる。
【0149】
特に、第1リール411及び第2リール414のうち外周側に位置する方である第1リール411がスライド可能に構成されているため、左図柄表示領域403において第1リール411を視認させたり、第2リール414を視認させたりして、視認可能な対象を切替えることができる。従って、装飾図柄表示装置42における視認態様を劇的に変化させることができ、演出性の向上をより一層図ることができる。
【0150】
さらに、第1リール411がスライドすることによって第2リール414を見せたり隠したりすることができるため、第2リール414がスライド不可能であっても、第1リール411及び第2リール414の両方の視認態様に変化を与えることができる。つまり、第2リール414の各図柄列が見えたり隠れたりするというだけではなく、第1リール411の図柄列が動く(表示位置がずれる、或いは、視認可能な状態と不可能な状態に切替わる)こととなる。従って、少ない動きで第1リール411及び第2リール414による視認態様をよりダイナミックに変化させることができ、演出性の向上等を図ることができる。さらに、第1リール411は、図柄表示領域1つ分の距離をスライドする構成であり、1つの図柄表示領域内に図柄列が2列存在(異なる図柄シート425の装飾図柄が存在)したり、1つの図柄表示領域内に図柄列とフィギュア463とが混在したりした状態の視認態様とならないように構成されている。このため、装飾図柄表示装置42の視認態様をより大きく変化させるとともに、各図柄列及びフィギュア463のそれぞれをより明確に認識させることができる。従って、演出性の向上、遊技性の向上等を図ることができる。
【0151】
また、第1リール411の内側空間を第2リール414の収納スペースとして有効利用することができ、可変表示手段リール表示装置408の大型化を抑制しつつ、演出の多様化等を図ることができる。
【0152】
また、装飾図柄表示装置42は、リール表示装置408の前方において透過型の液晶表示装置401を備えており、液晶パネル402越しに、第1リール411及び第2リール414を視認可能となっている。このため、液晶パネル402の各図柄表示領域403、404、405を透過状態と非透過状態とに切り替えたり、液晶パネル402において第1リール411や第2リール414の動作に連動するオブジェクト画像を表示したりする等して、第1リール411、第2リール414、及び液晶パネル402の視認態様が混然一体となった演出を行うことができ、演出性の向上を図ることができる。また、液晶表示装置401によって、リール表示装置408の好ましくない動作や部位を一時的に隠したり、各種遊技状況における遊技方法等のナビゲートをしたりすることができる。
【0153】
さらに、第1リール411の中構成部422は第1リール411の周方向全域にわたって透明な樹脂材料で構成されている。このため、例えば、リール表示装置408が第1スライド状態となり、中構成部422の内周側に第2リール414の内側右構成部452が位置する場合、第1リール411がどの回転位相にあっても、内側右構成部452の装飾図柄をパチンコ機10前方の遊技者から視認可能とすることができる。従って、第1リール411が回転していても、或いは、第1リール411がどの回転位相で停止されていても中構成部422の内周側に位置しているものを比較的はっきりと視認させることができる。これにより、第1リール411及び第2リール414による演出バリエーションを増やすことができる。
【0154】
また、第2リール414のうち外周に図柄シート425が貼着された部位を第1リール411の外側に出さなくても中構成部422を介して第2リール414の装飾図柄を視認可能にすることができる。さらに、第1リール411の回転軸線方向において、第1リール411の外周面における装飾図柄によって挟まれる位置、すなわち、外側左構成部421の装飾図柄と外側右構成部423の装飾図柄との間に第2リール414の装飾図柄を視認させることができる。従って、視認態様のバリエーションを増やすことができ、演出性の向上を図ることができる。
【0155】
また、本実施形態では、中心軸線が第1リール411の回転軸線と一致するようにして第1リール411に対して相対変位不可能に設けられる略円筒状の第1連結軸461と、第2リール414に対して相対変位不可能に設けられ、第1連結軸461に対して回転自在に連結される略円柱状の第2連結軸462とが設けられ、リール表示装置408が第2スライド状態にあっても(第1リール411と第2リール414とがどのような相対位置関係にあっても)、第2連結軸462が第1連結軸461の内側に挿入状態とされている。つまり、第1連結軸461及び第2連結軸462を介して、第1リール411と第2リール414とが回転自在に連結されている。これにより、第1連結軸461及び第2連結軸462を介して、第1リール411と第2リール414とが互いに支え合うように構成することができ、第1リール411及び第2リール414を比較的安定して回転させることができる。特に、本実施形態のように、リール411、414が複数の図柄列(図柄シート425)を有して幅が比較的大きかったり、第1リール411のように中構成部422がその内周側を透視可能に構成され、中構成部422の内周側に第1リール411を支持する部材(リブ等)を設けることができなかったりする場合には、かかる作用効果が一層確実に奏される。
【0156】
また、リール411、414が互いに支え合う構成とすることで、各リール411、41を支持するためだけに存在する構成の簡素化を図ることができ、装飾図柄表示装置42の大型化を抑制するとともに、第2リール414を第1リール411の内側に収容可能にする等の設計上の自由度を向上させることができる。結果として、演出性の向上等を図ることができる。
【0157】
さらに、第2リール414には、内側左構成部451のうち内側右構成部452との境界部近傍の外周面から外周側に突出するガイド凸部469が設けられている。このため、第1リール411や第2リール414が基準の姿勢から若干傾いた場合に、ガイド凸部469が第1リール411の内周面に接触するようになっている。これにより、第1リール411及び第2リール414のそれ以上の傾倒を抑止することができ、第1リール411及び第2リール414や、これらを支持する構成の損傷を抑制することができる。また、第1リール411や第2リール414が傾いたとしても、第1リール411が第2リール414の外周面に貼着された図柄シート425に接触する前にガイド凸部469で第1リール411を受けて、第1リール411が第2リール414の図柄シート425に接触しないように構成することができる。従って、第2リール414の図柄シート425の損傷を防止することができる。
【0158】
加えて、ガイド凸部469は、内側左構成部451のうち内側右構成部452との境界部近傍に設けられていることから、第1リール411及び第2リール414が左右に相対変位してもガイド凸部469が中構成部422に接触する(中構成部422を横切る)といった可能性はない。従って、ガイド凸部469によって透明な中構成部422が傷つけられてしまうといった事態を回避することができ、中構成部422を介しての第1リール411内周側の視認性が低下してしまうといった事態を防止することができる。さらには、リール表示装置408が第2スライド状態にあってもガイド凸部469は第1リール411の内周側に位置している。従って、リール表示装置408が第2スライド状態にあっても、ガイド凸部469を設けることによる上記作用効果が奏される。
【0159】
また、本実施形態では、第1リール411及び第2リール414と、第1回転モータ412及び第2回転モータ415とを連結する第1支持フレーム431及び第2支持フレーム453が第1リール411及び第2リール414とは別体として構成されている。このため、第1支持フレーム431及び第2支持フレーム453と第1リール411及び第2リール414とが一体形成されている場合に比べ、第1回転モータ412及び第2回転モータ415を第1リール411及び第2リール414に連結する作業を比較的容易なものとすることができる。特に、リール表示装置408の大型化を抑制するべく、本実施形態のように、第1回転モータ412及び第2回転モータ415の少なくとも一部(駆動軸)を第1リール411及び第2リール414の内側に位置させたり、第1支持フレーム431及び第2支持フレーム453に対して第1連結軸461及び第2連結軸462も連結したりするような場合においては、かかる作用効果が一層顕著なものとなる。
【0160】
さらに、本実施形態では、第1連結軸461の外周側にフィギュア463が設けられている。また、第1連結軸461には、フィギュア463の貫通孔464の左右の開口周縁部にそれぞれ接触可能な規制凸部465及びナット467が設けられており、これによって、第1連結軸461とフィギュア463との左右への相対移動が規制され、フィギュア463が常に中構成部422の内周側に位置するようになっている。加えて、第2リール414はフィギュア463を内側に収容可能に構成されており、リール表示装置408が第1スライド状態となることで、フィギュア463は第2リール414の内側に位置して視認不可能となり、リール表示装置408が第2スライド状態となることで、フィギュア463は第2リール414の外側に位置し、第1リール411の中構成部422を介して視認可能となる。従って、中構成部422を介して視認される態様を第2リール414の内側右構成部452の装飾図柄列と、フィギュア463とに変化させることができ、演出性の向上等を図ることができる。
【0161】
また、第1リール411の外側右構成部423及び外側左構成部421には複数種類の装飾図柄が同じ配列でプリントされた図柄シート425が貼着されており、中構成部422を挟んで同じ数字の付された装飾図柄が左右に並ぶようになっている。このため、第1リール411の態様だけでリーチ状態の発生を教示することができるため、リーチ状態になることを前提とした演出表示を行う際の制御の簡素化を図ることができる。さらに、第1リール411の外側右構成部423及び外側左構成部421の装飾図柄でリーチの組合わせを導出し、リーチ状態発生後の変動表示は装飾図柄表示装置42の中心部である中図柄表示領域404を中心に展開されることから、変動表示の行方を注視し易くなる。
【0162】
尚、第1リール411は変動表示に際して必ずしも回転しないようになっている。その一方で、第1リール411よりも小さく軽く、また、スライドもしない第2リール414については、ほぼ変動表示毎に回転するようになっている。つまり、第1リール411の使用頻度を抑制する一方で、故障する可能性が比較的低い第2リール414の駆動機会を相対的に増やすことで、リール表示装置408の劣化を抑制しつつ、リール表示装置408と液晶表示装置401とが一体となった演出を頻繁に行うことができる。また、リール表示装置408の前方に液晶パネル402が存在することで、第1リール411を液晶パネル402の表示でもって視認不可能に隠しておけば、第1リール411を回転させなくても違和感を生じさせないようにすることができる。
【0163】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0164】
(a)上記実施形態では、第1リール411が左右方向、すなわち、第1リール411の回転軸線方向においてスライド可能に構成され、第2リール414がスライド不可能に構成されているが、第1リール411及び第2リール414のうち少なくとも一方が第1リール411(第2リール414)の回転軸線方向においてスライド可能に構成されていればよい。例えば、第1リール411及び第2リール414の両方をスライド可能に構成してもよいし、第2リール414のみをスライド可能に構成してもよい。
【0165】
(b)上記実施形態では、第1リール411及び第2リール414が左右方向を回転軸線方向としているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、リール表示装置408を具備する装飾図柄表示装置42と遊技者との間を仕切るガラスユニット137のガラス面の垂線方向に対して交差する方向に軸線方向が延在するように第1リール411及び第2リール414を配置すればよい。例えば、第1リール411及び第2リール414の回転軸線が上下に延在するとともに、第2リール414が第1リール411の回転軸線方向にスライド可能に構成されている場合、第1リール411及び第2リール414の外周面にて表示される装飾図柄は左右方向に変動表示するとともに、第2リール414が上下にスライドすることとなる。また、リール411、414外周面の装飾図柄等の視認性の向上、リール411、414の内側空間がリール411、414の側方の開口から視認されてしまうといった事態の抑止、リール表示装置408の大型化の抑制等の観点からすると、リール411、414の回転軸線は、遊技盤30前面やガラスユニット137のガラス面と平行に延在することがより望ましい。
【0166】
(c)上記実施形態では、情報手段として第2リール414、及びフィギュア463が採用されているが、特にこれに限定されるものではなく、少なくとも一部が第1リール411の内側に収容可能に構成されるとともに、第1リール411の回転軸線方向において第1リール411と相対的に変位することで、遊技者から視認される態様が変化する構成となっていればよい。例えば、識別情報としての装飾図柄を有しないものやそれ自体は動作することのないものを情報手段として採用し、これらが見えたり見えなかったりすることで所定の情報(大当たり状態発生の期待度が比較的高い等)を遊技者に提供するように構成してもよい。
【0167】
但し、リール表示装置408において、第1リール411の他に、装飾図柄を変動表示させることのできるものを設けることによって、リール表示装置408において停止のタイミングが異なる装飾図柄の配列(図柄列)を複数備えることができる上、第1リール411がスライド変位することで、リール表示装置408の図柄列の組合わせや所定の図柄表示領域403、404、405における図柄列の配列を切り替えたりすることができる。従って、リール表示装置408の視認態様、ひいては、装飾図柄の変動表示の多様化を図ることができる。
【0168】
尚、第1リール411の中構成部422においても外周面に図柄シート425を貼着してもよいし、第1リール411の内側に設けられ、第1リール411とともに左右にスライドするフィギュア463を省略してもよい。また、第1リール411や第2リール414の左右の幅(回転軸線方向における長さ)を変更(例えば、第1リール411の左右幅を各図柄表示領域403、404、405の1又は2つ分や4つ分以上の横幅とほぼ同じに)してもよい。尚、第1リール411及び第2リール414を液晶パネル402の横幅と同じにする場合など、第1リール411の内側に第1回転モータ412を収容することが困難となる場合であっても、リール表示装置408の大型化を抑制するべく、少なくとも第2回転モータ415の一部は第2リール414の内側に収容されていることが望ましい。また、上記実施形態では、リール411、414の外周面に図柄シート425が貼着されているが、リール411、414の外周面に装飾図柄を直接プリントする、或いは、外周面に図柄が印刷された無端帯状のベルトを緊張状態で第1リール411に掛装する等、別の方法でリールの外周に装飾図柄を配置してもよい。
【0169】
(d)上記実施形態では、第1連結軸461及び第2連結軸462によって第1リール411及び第2リール414が互いに支え合うように構成されているが、第1連結軸461及び第2連結軸462を省略してもよい。また、上記実施形態では、ガイド凸部469が設けられ、第1リール411や第2リール414の回転軸線が正規の位置から若干傾いた場合に、ガイド凸部469が、これに対向する第1リール411の内周面と接触するように構成されているが、リール411、414が正規の位置から傾いていなくても接触するように構成したり、ガイド凸部469を省略したりしてもよい。尚、リール411、414同士がリール411、414の外周方向において接触することで、リール411、414が大きく傾くことを防止することができ、リール411、414やリール411、414を支持する構成や連結軸461、462の損傷を抑制することができる。また、リール411、414が傾いていない状態ではリール411、414同士が非接触とされることで、両者が互いに擦れることでの摩耗や異音の発生、回転モータ412、415の負担の増加等の不具合を抑制することができる。
【0170】
(e)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42が遮蔽手段及び透過型表示手段としての液晶表示装置401を備えているが、液晶表示装置401を省略してもよい。また、液晶表示装置401に代えて又は加えて、EL表示装置等の別の表示手段やリール411、414の一部又は全部を視認可能な状態と視認不可能な状態とに切り替え可能なシャッタ(例えば、各図柄表示領域403、404、405を個別に開閉可能な3枚の可動パネルを有するシャッタ装置)等を設けることとしてもよい。勿論、装飾図柄表示装置42とは別に表示装置を設けることも可能である。また、液晶表示装置401ではなく、透過状態と非透過状態とに状態変化可能な表示パネルを有する別の表示手段をリール表示装置408の前方に設けることとしてもよい。加えて、液晶表示装置401は、液晶パネル402の画像オブジェクトが視認されてその後方の第1又は第2リール411、414が視認不可能となる非透過状態と、液晶パネル402が透明になってその後方の第1又は第2リール411、414が視認可能となる透過状態とに状態変化するだけでなく、画像オブジェクトを半透明にして、液晶パネル402における画像オブジェクトが認識でき、かつ、当該画像オブジェクト越しに第1又は第2リール411、414が認識できるような半透過状態にも状態変化可能としてもよい。また、上記実施形態では第1リール411が第1回転モータ412の駆動軸412aに直接連結されて軸支されているが、第1リール411と第1回転モータ412の駆動軸との間にリンク機構を介在させることとしてもよい。もちろん、この場合は、リンク機構についても回転駆動手段に含まれる。
【0171】
さらに、上記実施形態では、変動表示に際して第1及び第2リール411、414の少なくとも一方が必ず回転動作するように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、変動開始から停止表示まで液晶表示装置401を一度も透過させない変動表示が行われ得るように構成してもよい。この場合、第1及び第2リール411、414の動作回数を低減させることができ、故障のおそれを低減させることができるとともに、演出のステップアップの段階を増やすことができる。尚、上記実施形態では、第1及び第2リール411、414のうち、比較的小さく、左右方向にスライドしない第2リール414の使用(動作)頻度を比較的高くすることで、比較的大きくかつ左右方向にもスライド変位する第1リール411の故障リスクを低減させることができる。さらに、液晶表示装置401の液晶パネル402が透過状態とされたときに、第1及び第2リール411、414のうちどちらが視認されるのか(どちらを駆動させるのか)ということと、大当たり状態発生の期待度とを対応させ、使用頻度の差を演出にも利用するとともに、大当たり状態発生への期待度が高い演出が行われる場合に比較的大きな第1リール411を視認させ、より大きなインパクトを与えられるように構成されている。尚、大当たり状態発生への期待度が高い演出とは、大当たり状態が発生する場合(始動入賞ユニット33への入球に基づいて行われる当否抽選にて当選した場合)に比較的選択され易く、外れの場合に比較的選択され難い演出である。
【0172】
さらに、本実施形態では、それぞれ図柄列(図柄シート425)を有する第1リール411及び第2リール414を備えるとともに、3つの図柄表示領域403、404、405に対応して、第1及び第2リール411、414の左右の幅が合計で図柄表示領域4つ分の横幅以上(図柄列に換算すると合計して4つ以上)となるように構成されている。これによって、リール表示装置408によって各図柄表示領域403、404、405の視認態様を少なくとも2パターンに切り替えることができる。ちなみに、上記実施形態では、左図柄表示領域403において、外側左構成部421及び内側左構成部451(及び非透過の液晶パネル402)のいずれかが視認され、中図柄表示領域404において、内側右構成部452及び外側左構成部421(及び非透過の液晶パネル402)のいずれかが視認され、右図柄表示領域405において、外側右構成部423及びフィギュア463(及び非透過の液晶パネル402)のいずれかが視認されるように、各図柄表示領域403、404、405の視認態様を切り替えられるようになっている。尚、例えば、図柄表示領域が3つあり、第1リール411及び第2リール414の左右幅が図柄表示領域の2つ分の幅しかない(3つ分はない)とすると、両方のリール411、414を左右にスライド可能に構成しないと、リール表示装置408によって各図柄表示領域の視認態様を少なくとも2パターンに切り替えることができないが、一方が図柄表示領域3つ分の幅を有する場合には、当該3つ分の幅を有するリールをスライド可能にするだけで、各図柄表示領域の視認態様を少なくとも2パターンに切り替えることができる。態様例としては、図柄表示領域3つ分の幅を有するとともに3つの図柄列を有し、左右にスライドする第1リール411が設けられ、図柄表示領域1つ分の幅を有するとともに1つの図柄列を有し、左右にスライドせず、さらに、第1リール411の内側に収容可能な第2リール414が左図柄表示領域403に対応して設けられ、第1リール411の3つの図柄列が視認される場合には、第1リール411によって第2リール414が隠され、その状態から第1リール411が図柄領域1つ分スライドすることで、第1リール411の2つの図柄列が視認されるとともに、第2リール414の図柄列が視認されるように構成されるといったものが挙げられる。尚、第2リール414は左右にスライドしないように構成されることで、故障のリスクを低減させることができる。
【0173】
(f)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、始動入球手段に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、始動入球検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
【0174】
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
【0175】
手段1.複数種類の識別情報を変動表示可能な視認領域を有する可変表示手段を備え、
所定条件成立に基づいて行われる抽選の結果が、前記可変表示手段の視認領域において停止表示される識別情報(の組合わせ)によって教示可能に構成された遊技機であって、
前記可変表示手段は、
略円筒状に構成されるとともに、その外周面において複数種類の識別情報が周方向に沿って配列された識別情報列を有する回転体と、
前記回転体を軸支するとともに、前記回転体を回転させることで前記識別情報を変動表示させる回転駆動手段と、
前記回転体に対して相対的に変位可能に構成された情報手段とを備え、
前記情報手段は、当該情報手段に対して相対変位不可能に設けられるとともに、前記回転体又は前記回転体に対して相対変位不可能に設けられた連動部材に対して摺接可能に構成された支持手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0176】
手段1によれば、回転体が回転駆動手段だけでなく情報手段によっても支持される。このため、支持手段以外の回転体を支持するために存在する構成の簡素化を図ることができ、可変表示手段の大型化を抑制するとともに、回転体と情報手段とを近接配置させる等の設計上の自由度を向上させることができる。結果として、演出性の向上等を図ることができる。また、回転体と情報手段とを近接配置しても、回転体を確実に支持することができ、回転体を比較的安定して回転させることができる。
【0177】
尚、支持手段は、回転体の内周面、又は回転体の内側において回転体に対して相対変位不可能に設けられた連動部材に対して、回転体と情報手段との相対変位方向に沿って摺接可能としてもよい。この場合、支持手段や連動部材が回転体の内周側に位置することとなり、支持手段や連動部材を回転体で視認不可能又は視認困難となるように隠すこともできる。
【0178】
また、情報手段としては、情報部が視認可能な状態と視認不可能な状態とに状態変化することで遊技者に所定の情報を教示又は示唆することができるため、必ずしも情報手段自身の態様が変化する等して情報手段単体で複数パターンの情報を示唆可能なもの(例えば、複数種類の識別情報が付されたリールや可動式のフィギュア等)でなくてもよく、自身の視認態様を変化させることができないもの(例えば、フィギュア等)であってもよい。勿論、情報手段自身の態様を変化させることができるものであれば、情報部が視認不可能な状態と、情報部が第1の態様で視認される状態と、情報部が第2の態様で視認される状態とに状態変化可能といった具合に教示又は示唆できるパターンをより多様化させることができる。また、情報部が複数ある場合には、情報部が視認可能な状態及び視認不可能な状態としては、必ずしも全ての情報部が一斉に視認可能な状態と視認不可能な状態に切替わることを意味するものではなく、情報部のいずれかが回転体との相対変位に伴って、視認可能な状態と視認不可能な状態とに状態変化するといった趣旨を含むものであり、例えば、第1の情報部が視認されるとともに第2の情報部が視認不可能とされる状態と、第1の情報部が視認不可能とされるとともに第2の情報部が視認可能とされる状態とに切替可能に構成されていることとしてもよい。
【0179】
手段2.前記情報手段から前記情報部よりも前記回転体の外周側に突出するガイド凸部が設けられ、少なくとも前記回転体と前記情報手段とが相対的に傾いた場合に前記ガイド凸部と前記回転体の内周面とが接触可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0180】
手段2によれば、回転体や情報手段が基準の姿勢から傾いた場合に、ガイド凸部と回転体の内周面とが接触し得るように構成することで、回転体及び情報手段のそれ以上の傾倒を抑止することができ、回転体及び情報手段や、これらを支持する構成の損傷を抑制することができる。また、回転体や情報手段が傾いたとしても、情報手段のうち遊技者に所定の情報を教示可能な情報部に対して回転体が接触する前にガイド凸部で回転体を受けて、回転体が情報部に接触しないように構成することができる。従って、情報部の損傷を防止することができる。
【0181】
尚、ガイド凸部は回転体と情報手段とがどの相対位置関係にあっても回転体の内側に位置していることとしてもよい。この場合上記作用効果がより確実に奏される。また、ガイド凸部は、(回転体側の部材と常時摺接可能に構成されて)支持手段として単独で用いることもできるし、(回転体及び情報手段の少なくとも一方が所定角度傾いた場合にのみ摺接可能に構成されて)ガイド凸部とは別に設けられた支持手段の損傷等を防止するものとして用いることもできる。
【0182】
手段3.前記連動部材は、略円筒状又は略円柱状をなすとともに、中心軸線が前記回転体の回転軸線と一致するようにして前記回転体に対して相対変位不可能に設けられ、
前記支持手段は、前記情報手段に対して相対変位不可能に設けられるとともに、前記連動部材に対して回転自在に連結される略円柱状又は略円筒状をなし、
前記回転体と前記情報手段とがどのような相対位置関係にあっても、前記連動部材及び前記支持手段のうち一方が他方の内周側に挿入状態とされていることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
【0183】
手段3によれば、連動部材及び支持手段を介して、回転体と情報手段とが回転自在に連結されている。これにより、連動部材及び支持手段を介して、回転体と情報手段とが互いに支え合うように構成することができ、上記手段1の作用効果が確実に奏される。
【0184】
また、本手段3では、回転体の内周面と情報手段とを常に接触させなくても、情報手段が連動部材及び支持手段を介して回転体を支持可能となっている。このため、回転体が比較的大きく振れた場合にだけ回転体と情報手段とが接触する、或いは全く接触しない構成としても(上記手段2のガイド凸部を補助的なものとしても)、回転体を安定して支持することができる。従って、回転体と情報手段との直接の摩耗に起因する不具合を抑制することができる。
【0185】
手段4.前記回転体と前記回転駆動手段の駆動軸とを相対変位不可能に連結する連結手段が前記回転体とは別体として構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【0186】
手段4によれば、回転体と連結手段とが一体形成されている場合に比べ、回転駆動手段の駆動軸を回転体に連結する作業を比較的容易なものとすることができる。特に、可変表示手段の大型化を抑制するべく、回転駆動手段の少なくとも一部(駆動軸)を回転体の内側に位置させる場合や、上記手段3のように、前記連結手段に対して前記回転駆動手段とは反対側に前記連動部材を連結する場合においては、かかる作用効果が一層顕著なものとなる。
【0187】
手段5.前記情報手段は、前記回転体の回転軸線方向において、前記回転体に対して相対的に変位可能に構成されるとともに、前記回転体との相対変位に伴って、前記視認領域において遊技者から視認可能な状態と視認不可能な状態とに状態変化する情報部を有し、
前記回転体は、前記情報手段のうち少なくとも前記情報部を内側に収容した状態で回転可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0188】
手段5によれば、情報手段の情報部を視認可能な状態としたり視認不可能な状態としたりすることで、可変表示手段の視認領域の態様を変化させたり、視認できなかった情報部が視認可能となることに対応付けして、所定の情報を遊技者に教示又は示唆したりすることができる。従って、可変表示手段における視認態様に回転体の回転動作以外の変化をつけることができ、演出性の向上等を図ることができる。
【0189】
また、回転体の内側空間を情報手段の収納スペースとして有効利用することができ、可変表示手段の大型化を抑制しつつ、演出の多様化等を図ることができる。さらに、本手段のように、回転体の回転軸線方向において回転体と情報手段とが相対変位するとともに、情報手段の少なくとも一部が回転体の内側に収容可能に構成されている場合には、回転体をバランス良く軸支することがより困難となるため、上記手段1のように、情報手段によっても回転体を支持して回転体の回転の安定化等を図るといった作用効果が一層効果的に奏される。
【0190】
尚、情報部が視認不可能となる状況としては、情報部が可変表示手段の視認領域外に位置している状況や、情報部が視認領域に位置していても、回転体の内側に位置している(回転体のうちその内周側を視認不可能とされている部位の内側に位置している)状況が挙げられる。また、情報部が視認可能となる状況としては、可変表示手段の視認領域において情報部が回転体の外に位置している状況や、情報部が回転体の内側に位置しているが、回転体のうち情報部が位置している部位が透明材料によって構成されて内周側を視認可能とされている透過部であるといった状況が挙げられる。尚、情報手段は、回転体との相対変位に伴って、回転体の内側に位置する状態と、回転体の外側に位置する状態とに状態変化可能な情報部を備えていることとしてもよい。この場合、回転体に透過部を形成しなくても、回転体に対して情報部を出没させて情報部を視認させたり視認不可能としたりすることができる。また、情報手段は回転体に対して相対的に変位可能に構成されるが、情報手段自体が必ずしも変位可能に構成されていなくてもよい。
【0191】
尚、「前記可変表示手段は、前記識別情報列を1列ずつ表示可能な識別情報列表示領域を前記回転体の回転軸線方向において並ぶようにして複数備え、前記情報部が視認不可能な状態では、所定の前記識別情報列表示領域において前記情報部が前記回転体の所定部位の内側に収容状態とされ、前記情報部が視認可能な状態では、前記回転体の所定部位及び前記情報部のうち少なくとも一方が前記所定の識別情報列表示領域外(例えば、別の識別情報列表示領域)に変位すること」としてもよい。この場合、可変表示手段の視認態様をより大きく変化させるとともに、識別情報列及び情報部のそれぞれをより明確に認識させることができる。従って、演出性の向上、遊技性の向上等を図ることができる。
【0192】
手段6.前記可変表示手段は、前記回転体を前記回転駆動手段とともに前記回転体の回転軸線方向において変位させるスライド手段を備えていることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
【0193】
手段6によれば、回転体が回転体の回転軸線方向においてスライド可能に構成されているため、情報部を回転体で隠したり、情報部をそのままの位置で視認可能となるように出現させたりすることができる。すなわち、回転体及び情報手段のうち外周側に位置する方である回転体をスライドさせることで、視認領域における所定の場所において視認される対象を回転体の識別情報としたり、情報手段の情報部としたりして切替えることができる。従って、可変表示手段における視認態様を劇的に変化させることができ、演出性の向上をより一層図ることができる。
【0194】
さらに、回転体がスライドすることによって情報手段を見せたり隠したりすることができるため、情報手段がスライド不可能に構成される場合でも、回転体及び情報手段の両方の視認態様に回転以外の変化を与えることができる。従って、少ない動きで回転体及び情報手段による視認態様をよりダイナミックに変化させることができる。
【0195】
尚、「前記可変表示手段は、前記識別情報列を1列ずつ表示可能な識別情報列表示領域を前記回転体の回転軸線方向において並ぶようにして複数備え、前記情報手段が視認不可能な状態で所定の前記識別情報列表示領域において表示される前記回転体の識別情報列は、前記情報手段が視認可能な状態とされることで前記所定の前記識別情報列表示領域外に変位すること」としてもよい。この構成を採用する場合、情報部を視認可能な状態と視認不可能な状態では回転体の所定の識別情報列が視認可能な位置(識別情報列表示領域)が変わる。従って、情報手段が見えたり隠れたりするというだけではなく、回転体の識別情報列が動く(表示位置がずれる、或いは、視認可能な状態と不可能な状態に切替わる)こととなり、視認態様がよりダイナミックに変貌することとなり、演出性の向上等を図ることができる。また、当該構成を採用する場合において、「前記情報手段が視認可能な状態で前記回転体の所定の識別情報列が視認される前記識別情報列表示領域は、前記情報手段が視認不可能な状態で前記所定の識別情報列が視認される前記識別情報列表示領域とは異なること」としてもよい。さらに、「前記回転体のうち所定の識別情報列の構成部位の内側に前記情報手段の前記情報部を収容可能に構成され、当該情報部が視認可能な状態と、視認不可能な状態とでは、複数ある前記識別情報列表示領域のうち、前記所定の識別情報列が視認可能とされる前記識別情報列表示領域が異なること」としてもよい。これらの構成を採用する場合、情報部が視認可能な状態となっても、回転体の所定の識別情報列で視認態様の一部を構成することができる。
【0196】
加えて、「前記可変表示手段は、前記識別情報列を1列ずつ表示可能な識別情報列表示領域を前記回転体の回転軸線方向において並ぶようにして複数備え、(前記情報手段は、前記回転体の回転軸線方向と同方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に構成されるとともに、その外周面において複数種類の識別情報が回転方向に沿って配列された前記情報部としての識別情報列を備え、)前記回転体には、少なくとも前記情報部を内側に収容可能な部位の外周において前記識別情報列が設けられるとともに、当該識別情報列は、前記情報部を視認可能とした状態において、前記情報部を内側に収容して視認不可能とした状態のときに視認されていた前記識別情報列表示領域とは異なる前記識別情報列表示領域で視認可能に構成されていること」としてもよい。この場合、情報部を視認可能とする際に、回転体のうち情報部を隠していた部位に設けられ、かつ、所定の識別情報列表示領域において視認されていた識別情報列を別の識別情報列表示領域に移動させることで、前記所定の識別情報列表示領域では邪魔になった回転体の識別情報列を別の識別情報列表示領域で有効活用する(変動表示させる)ことができる。従って、効率よく複数の識別情報列表示領域の態様を一辺に変化させることができる。また、態様例として、回転体は、回転軸線方向に並ぶようにして第1識別情報列と第2識別情報列とを備えるとともに、第1識別情報列が設けられた部位の内側に情報部を収容可能に構成され、情報部を露出させて視認可能とする場合には、情報部が視認不可能な状態の時に第2識別情報列が視認されていた識別情報列表示領域において第1識別情報列を視認可能に構成されていることとしてもよい。
【0197】
手段7.前記情報手段は、前記回転体の回転軸線方向と同方向に延びる回転軸線を中心に独立して(前記回転体の回転とは切り離して)回転可能に構成されるとともに、前記情報部の外周面においては複数種の識別情報が周方向に沿って配列された識別情報列を有していることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【0198】
手段7によれば、情報手段においても識別情報列が設けられていることによって、回転体の識別情報列とは別のタイミングで停止表示させることのできる識別情報列を得ることができる。さらに、上記手段5に記載のように回転体と情報手段とが回転体の回転軸線方向において相対変位することで、回転体及び情報手段にそれぞれ設けられた識別情報列の相対位置関係等が切り替わることから、識別情報列の組合わせや、視認領域の所定部位における識別情報の配列等を切り替えることができる。従って、可変表示手段の視認領域における識別情報の視認態様、ひいては、識別情報の変動表示の多様化を図ることができる。
【0199】
また、情報手段の回転軸線方向が回転体の回転軸線方向と揃っているため、情報手段の長手方向の長さを回転体の直径よりも長くすることができ、例えば、情報手段の情報部を複数設ける等、情報手段の多様化を図ることができる。さらに、情報手段を軸支する軸支部や回転駆動手段を情報手段の外周よりも内側に設ける、又は軸支部や回転駆動手段を情報手段に対して回転体の回転軸線方向に並べることができ、これにより、情報部の外周面を回転体の内周面に極力近づけるようにして、情報部の外周長を極力長く(直径を極力大きく)構成することができる。
【0200】
尚、情報手段は、第1識別情報列を有する第1情報部と、第1識別情報列とは異なる識別情報の配列をなす第2識別情報列を有する第2情報部とを備え、前記回転体と前記情報手段とが回転体の回転軸線方向に相対変位することで、前記第1情報部が視認不可能とされるとともに第2情報部が視認可能とされる状態と、第1情報部が視認可能とされるとともに第2情報部が視認不可能とされる状態とに状態変化可能に構成されていることとしてもよい。この場合、可変表示手段の視認態様を複数パターンで、可変表示手段の視認領域において複数の識別情報列が段階的に停止表示されるよう構成することができる。
【0201】
手段8.前記回転体には、当該回転体の内周側を透視可能な透過部が、当該回転体の周方向全域にわたって連続的に形成されていることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0202】
手段8によれば、透過部は回転体の周方向全域にわたって連続して形成されているため、例えば、情報部を透過部の内周側に位置させておけば、回転体がどの回転位相にあっても、情報部を視認可能とすることができる。従って、回転体が回転していても、或いは、回転体がどの回転位相で停止されていても透過部の内周側のものを比較的はっきりと視認させることができる。これにより、回転体及び情報手段による演出バリエーションを増やすことができる。
【0203】
また、情報手段の情報部が回転体の内側に位置している状態でも透過部を介して情報部を視認可能にすることができる。さらに、回転体の回転軸線方向において、回転体の外周面における表示によって挟まれる位置に情報手段の情報部を視認させることもできる。従って、視認態様のバリエーションを増やすことができ、演出性の向上を図ることができる。
【0204】
さらに、本手段では、透過部の内周側において、回転体を軸支するための構成や、回転体の強度を向上させるための構成を設けると、透過部を介してかかる構成が視認されて意匠性の著しい低下を招くおそれがある。このような不具合を回避するべく、透過部を避けて回転体を軸支しても、上記手段1のように、回転体を回転駆動手段だけでなく情報手段でも支持可能に構成することで、回転体の透過部を挟んだ一方側と他方側とをそれぞれ回転駆動手段及び情報手段の少なくとも一方で支持することができ、回転体を安定して回転させることができる。
【0205】
尚、上記手段2に記載のガイド凸部は、上記手段5のように回転体と情報手段とが回転体の回転軸線方向において相対変位しても、前記透過部と接触し得ないように(透過部を横切らないように)配置されていることが望ましい。この場合、ガイド凸部によって透過部が損傷してしまうといった事態を防止することができる。
【0206】
手段9.前記透過部の内周側に配置される演出手段が設けられ、
前記回転体の回転軸線方向において、前記演出手段と前記情報手段とは相対変位可能に構成されるとともに、前記演出手段と前記回転体とは相対変位不可能に構成され、
前記情報手段は、前記回転体の内側に挿入可能に構成されるとともに、前記演出手段を内側に挿入可能に構成され、
前記演出手段は、前記回転体と前記情報手段との相対変位に伴って、前記情報手段の内側に位置する収容状態と、前記情報手段の外側に位置する非収容状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
【0207】
手段9によれば、回転体の透過部を介して視認される態様を情報手段と演出手段とに変化させることができ、演出性の向上等を図ることができる。尚、情報手段についても回転体(第1回転体)と同じく、第1回転体と同じく略円筒状の回転体(第2回転体)として構成される場合、本手段の演出手段は、第1回転体と第2回転体とが回転軸方向に相対変位することで第2回転体に出没することから、情報手段(第2情報手段)として捉えることもできる。
【0208】
尚、上記手段3に対応して、連動部材が少なくとも筒状に構成され、支持手段が連動部材の内側に挿入される構成とした上で、演出手段に貫通孔を形成して、当該貫通孔に連動部材を挿通させるとともに、回転体の回転軸線方向における演出手段と第1連結軸との相対変位を規制する変位規制手段を設けることとしてもよい。この場合、回転体の回転軸方向において回転体と演出手段との相対変位を防止することができる。また、変位規制手段と演出手段との間に若干の隙間を設けることで、回転体が回転しても演出手段が回転しないように構成することができ、回転体の回転中でも、或いは回転体がどの回転位相で停止されても演出手段の視認態様(姿勢)をほぼ一定にすることができる。
【0209】
手段10.前記可変表示手段において前記抽選にて当選した旨を教示する変動表示が行われる場合には、抽選の結果が教示される前段階として、前記可変表示手段において特定の態様が導出されるリーチ状態が発生し、また、前記可変表示手段において前記抽選にて当選しなかった旨を教示する変動表示が行われる場合にも、前記リーチ状態が発生し得る構成であって、
前記回転体の識別情報だけで前記特定の態様を導出し得ることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
【0210】
手段10によれば、回転体の識別情報だけでリーチ状態であることを示す特定の態様を導出することが可能となる。つまり、回転体に設けられた複数の識別情報列は、1つの回転駆動手段を駆動させることで変動表示させることができるため、リーチ状態になることを前提とした演出表示を行う際の制御の簡素化を図ることができる。
【0211】
尚、手段8に対応して、「前記回転体は当該回転体の回転軸線方向中間部位において前記透過部を備えるとともに、前記回転体の外周面には前記透過部を挟んで少なくとも一対の識別情報列が形成され、前記可変表示手段の前記視認領域から前記回転体の透過部の両速報の識別情報列の識別情報を視認させるようにして前記回転体を停止させることで、当該回転体の識別情報だけで前記特定の態様を導出し得るとともに、前記透過部から前記情報手段の識別情報列を露出させ、当該情報手段の識別情報と前記回転体の識別情報とで、特別遊技状態の発生を教示する識別情報の組合わせを導出可能に構成されていること」としてもよい。この場合、回転体の識別情報と情報手段の識別情報との組合わせで特別遊技状態の発生が教示されることから、変動表示の単調感を抑制することができる。また、リーチ状態発生後の変動表示は視認領域の中心部を中心に展開されることから、変動表示の行方を注視し易くなる。
【0212】
手段11.前記可変表示手段は、その視認領域の一部又は全体において、前記回転体及び前記情報手段を視認不可能な状態と視認可能な状態とに切替可能な遮蔽手段を備え、
前記遮蔽手段は、
前記回転体の回転軸方向において移動している途中の前記回転体及び前記情報手段を隠す、又は/及び、
前記情報手段が視認可能な状態とされた場合に、前記回転体を隠すことができるように構成されていることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0213】
手段11によれば、回転体、情報手段、及び遮蔽手段が混然一体となった演出を行うことができ、演出性の向上を図ることができる。また、遮蔽手段によって、回転体及び情報手段の好ましくない動作や部位を一時的に隠したり、各種遊技状況における遊技方法等のナビゲート(遮蔽手段の視認面に所定の情報を付す等してもよい)をしたりすることができる。
【0214】
尚、「前記可変表示手段は、前記遮蔽手段として、部位毎に光の透過具合を電気的に調節可能なパネル部を有し、前記パネル部の部位毎に前記パネル部の裏面側を透視可能な透過状態と、透視不可能な非透過状態とに状態変化可能な透過型表示手段を備え、前記回転体及び前記情報手段は、前記透過型表示手段の前記パネル部越しに視認可能に配置されていること」としてもよい。この場合、回転体や情報手段の手前側に設けられたパネル部を透過状態と非透過状態とに切り替えたり、パネル部において回転体や情報手段の動作に連動するオブジェクト画像を表示したりする等して、回転体、情報手段、及び透過型表示手段が混然一体となった演出を行うことができ、演出性の向上を図ることができる。また、透過型表示手段によって、回転体及び情報手段の好ましくない動作や部位を一時的に隠したり、各種遊技状況における遊技方法等のナビゲートをしたりすることができる。加えて、パネル部は、透過状態及び非透過状態だけでなく、画像オブジェクトを半透明にして、パネル部における画像オブジェクトが認識でき、かつ、当該画像オブジェクト越しに回転体又は情報手段が認識できるような半透過状態にも状態変化可能としてもよい。
【0215】
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
【0216】
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
【0217】
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
【0218】
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
【0219】
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
【0220】
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
【符号の説明】
【0221】
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、33…始動入賞ユニット、33a…上入賞口、33b…下入賞口、42…装飾図柄表示装置、43L,43R…特別表示装置、46…保留ランプ、224a,224b…始動入賞スイッチ、261…主制御装置、262…サブ制御装置、401…液晶表示装置、402…液晶パネル、408…リール表示装置、411…第1リール、412…第1回転モータ、413…スライド機構、414…第2リール、461…第1連結軸、462…第2連結軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の識別情報を変動表示可能な視認領域を有する可変表示手段を備え、
所定条件成立に基づいて行われる抽選の結果が、前記可変表示手段の視認領域において停止表示される識別情報によって教示可能に構成された遊技機であって、
前記可変表示手段は、
略円筒状に構成されるとともに、その外周面において複数種類の識別情報が周方向に沿って配列された識別情報列を有する回転体と、
前記回転体を軸支するとともに、前記回転体を回転させることで前記識別情報を変動表示させる回転駆動手段と、
前記回転体に対して相対的に変位可能に構成された情報手段とを備え、
前記情報手段は、当該情報手段に対して相対変位不可能に設けられるとともに、前記回転体又は前記回転体に対して相対変位不可能に設けられた連動部材に対して摺接可能に構成された支持手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記情報手段から前記情報部よりも前記回転体の外周側に突出するガイド凸部が設けられ、少なくとも前記回転体と前記情報手段とが相対的に傾いた場合に前記ガイド凸部と前記回転体の内周面とが接触可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記連動部材は、略円筒状又は略円柱状をなすとともに、中心軸線が前記回転体の回転軸線と一致するようにして前記回転体に対して相対変位不可能に設けられ、
前記支持手段は、前記情報手段に対して相対変位不可能に設けられるとともに、前記連動部材に対して回転自在に連結される略円柱状又は略円筒状をなし、
前記回転体と前記情報手段とがどのような相対位置関係にあっても、前記連動部材及び前記支持手段のうち一方が他方の内周側に挿入状態とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−176065(P2012−176065A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39928(P2011−39928)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】