説明

遊技機

【課題】 遊技機の背面側のスペースを有効に利用可能な遊技機の提供を課題とする。
【解決手段】
本発明においては、パチンコ遊技機10の前面側に前面通路30を配設することにより、払い出し通路をパチンコ遊技機10の背面側に形成しないようにすることができる。これにより、パチンコ遊技機10の背面側のスペースを広く確保することができ、より多くの機構部材をパチンコ遊技機10の背面側に配設することが可能となる。また、ガラス枠13を回動させることにより、前面通路30は本体枠12の前面側に形成された第一の通路構成部30Aとガラス枠13の背面側に形成された第二の通路構成部30Bとに分離することが可能であるため、前面通路30の清掃を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部に外部装置から遊技球が供給される供給部を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技機の背面側に遊技球の払い出し通路を形成したものが知られている。(例えば、特許文献1、図2、参照。)。
かかる構成によれば、払い出し通路中に払い出し装置が備えられるため、タンクに貯留された遊技球のうち指定された数量だけを払い出すことが可能であった。払い出された遊技球は前面側に案内されて、遊技に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−073719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の遊技機において、払い出し通路を遊技機の背面側に備えることにより、遊技機の背面側における各基板等の設置スペースが限定されるという課題があった。また、遊技球が遊技者の視認不可能な通路を流通して払い出されることから、面白みが少ないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、遊技機の背面側のスペースを有効に利用可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では、上部に備えられ外部装置から遊技球が供給される供給部と、本体枠の前面側に設けられた遊技領域と、上記本体枠の前面側において回動可能に枢支されるとともに所定の回動位置にて同本体枠に背面側を略密着させつつ窓穴から上記遊技領域を視認させる窓枠とを備える遊技機において、
上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたときに、上記本体枠の前面側に形成された第一の通路構成部と上記窓枠の背面側に形成された第二の通路構成部とが合体することにより、上記供給部から遊技球を案内する通路の少なくとも一部を構成する前面通路が形成される構成としてある。
【0007】
上記のように構成した請求項1の発明において、供給部が遊技機の上部に備えられ、同供給部に対して外部装置から遊技球が供給される。本体枠には遊技球が流通可能な遊技領域が形成され、同遊技領域にて遊技が行われる。窓枠は上記本体枠の前面側において回動可能に枢支される。そして、上記窓枠を所定の位置に回動させることにより、同窓枠の背面側と上記本体枠を略密着させることができる。上記本体枠の前面側には第一の通路構成部が形成され、上記窓枠の背面側には第二の通路構成部が形成される。そして、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させると、上記第一の通路構成部と上記第二の通路構成部とが合体し、上記供給部から遊技球を案内する通路の少なくとも一部を構成する前面通路が形成される。
【0008】
すなわち、上記供給部から遊技球を案内する通路のすべてが上記遊技機の背面側に備えられないため、同背面側のスペースを広く確保することができる。一方、上記本体枠から背面側が離反するように上記窓枠を回動させることにより、上記前面通路が上記第一の通路構成部と上記第二の通路構成部とに分離させることができる。従って、上記前面通路が分離した状態で同前面通路の清掃を行うことができる。
【0009】
本発明は、上記の構成に限られるものではなく、以下の手段も含むものである。
【0010】
手段1
手段1にかかる発明は、請求項1に記載した発明において、上記前面通路は前面側に露出するように備えられるとともに、内部が透視可能に形成される構成としてある。
【0011】
すなわち、上記前面通路の内部を流通する遊技球の様子を視認することができるため、遊技者が遊技球の供給状態を把握することができる。上述したとおり、上記前面通路は分離可能に形成されているため、同前面通路の内部の清掃を行うことができる。従って、遊技者の目にさらされる上記前面通路の見栄えを良好に保つことができる。
【0012】
手段2
手段2にかかる発明は、請求項1または手段1のいずれかに記載した発明において、上記供給部は上記遊技機の背面側に備えられるとともに、
上記供給部から上記前面通路に遊技球を案内する連絡通路が上記遊技機の前後を貫通して形成される構成としてある。
【0013】
すなわち、上記遊技機を前後に貫通する連絡通路を形成することにより、上記遊技機の背面側に備えられた上記供給部から遊技球を上記前面通路まで案内することができる。上記遊技機の背面側に備えられる上記供給部として遊技球タンク等を適用することができる。上記遊技球タンクは大量の遊技球を一時的に貯留しておくことから、遊技者の手の届く位置に配設すると、遊技球が盗み取られるおそれがある。従って、上記遊技球タンクは遊技機の背面側に配設しておくことが望ましい。
【0014】
手段3
手段3にかかる発明は、請求項1または手段1または手段2のいずれかに記載した発明において、上記第二の通路構成部は前面側に凹む溝状に形成される構成としてある。
【0015】
すなわち、上記第二の通路構成部を前面側に凹む溝状とすることにより、上記前面通路の通路幅を前面側に広く確保することができる。従って、上記前面通路における遊技球の流通量が多い場合でも、球詰まりを発生させることなく遊技球を流通させることができる。
【0016】
手段4
手段4にかかる発明は、手段3に記載した発明において、上記第一の通路構成部は、前面側に突出するように形成されるとともに、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたとき前面側に凹む溝状に形成された上記第二の通路構成部の内側に背面側から嵌り込む構成としてある。
【0017】
すなわち、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたときに、前面側に突設した上記第一の通路構成部を上記第二の通路構成部の内側に背面側から嵌り込ませることができる。このように、上記第一の通路構成部を上記第二の通路構成部の内側に背面側から嵌り込ませることにより、確実に同第一の通路構成部を同第二の通路構成部を合体させることができる。また、上記第一の通路構成部を前面側に突出するように形成することにより、上記前面通路を全体的に前面側に形成することができる。従って、上記前面通路を前面側に露出しやすくすることができる。
【0018】
手段5
手段5にかかる発明は、請求項1または手段1から手段4のいずれかに記載した発明に
おいて、上記第一の通路構成部は背面側に凹む樋状に形成される構成としてある。
【0019】
すなわち、上記第一の通路構成部を背面側に凹む樋状とすることにより、上記前面通路の通路幅を背面側に広く確保することができる。従って、上記前面通路における遊技球の流通量が多い場合でも、球詰まりを発生させることなく遊技球を流通させることができる。
【0020】
手段6
手段6にかかる発明は、請求項1または手段1から手段4のいずれかに記載した発明において、上記第一の通路構成部および上記第二の通路構成部は、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたときにそれぞれ互いに嵌合し合う嵌合構造を有する構成としてある。
【0021】
すなわち、上記第一の通路構成部および上記第二の通路構成部に嵌合構造を設けることにより、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたときに確実に上記前面通路が形成されるようにすることができる。
【0022】
手段7
手段7にかかる発明は、請求項1または手段1から手段6のいずれかに記載した発明において、上記前面通路は、上記窓枠が回動する際の固定端側に備えられる構成としてある。
【0023】
すなわち、上記前面通路を上記窓枠が回動する際の固定端側に配設することにより、同窓枠の自由端側から遠い位置に同前面通路を配設することができる。従って、上記窓枠の少し回動させて、同窓枠の自由端と上記本体枠との間に隙間を形成し、この隙間に手を入れて上記前面通路に不正を加えることを防止することができる。
【0024】
手段8
手段8にかかる発明は、請求項1または手段1から手段6のいずれかに記載した発明において、上記前面通路は、上記窓枠が回動する際の自由端側に備えられる構成としてある。
【0025】
すなわち、上記前面通路を上記窓枠が回動する際の自由端側に備えることにより、同窓枠の自由端側から近い位置に同前面通路を配設することができる。従って、上記窓枠の少し回動させて、同窓枠の自由端と上記本体枠との間に隙間を形成し、この隙間に手を入れて上記前面通路のメンテナンスや検査等を行うことができる。すなわち、上記前面通路を上記窓枠の回動の自由端側に配設することによってメンテナンス性を重視することができ、固定端側に配設することよって不正防止性を重視することができる。
【0026】
手段9
手段9にかかる発明は、請求項1または手段1から手段8のいずれかに記載した発明において、上記遊技領域に遊技球を発射する発射機構に遊技球を供給可能な上皿が上記遊技機の前面側に突設されるとともに、
上記前面通路から上記上皿に遊技球を案内する案内通路が上記遊技機の前面側に突出して形成される構成としてある。
【0027】
すなわち、上記遊技機の前面側に上記発射機構に遊技球を供給可能な上皿が備えられ、案内通路によって上記前面通路から同上皿に遊技球が案内される。上記案内通路は上記遊技機の前面側に突出するように形成される。すなわち、上記遊技機の前面側に突設される上記上皿に遊技球を案内する上記案内通路を同遊技機の前面側に突出するように形成して
もよい。
【0028】
手段10
手段10にかかる発明は、請求項1または手段1から手段8のいずれかに記載した発明において、上記発射機構に遊技球を供給可能な上皿が上記遊技機の前面側に突設されるとともに、
上記前面通路から上記上皿に遊技球を案内する案内通路が上記遊技機の内部に埋設される構成としてある。
【0029】
すなわち、上記遊技機の前面側に上記発射機構に遊技球を供給可能な上皿が備えられ、案内通路によって上記前面通路から同上皿に遊技球が案内される。上記案内通路は上記遊技機の内部に埋設される。すなわち、上記上皿に遊技球を案内する上記案内通路を同遊技機に埋設しても形成してもよい。
【0030】
手段11
手段11にかかる発明は、手段2から手段10のいずれかに記載した発明において、上記連絡通路には、上記前面通路が上記第一の通路構成部と上記第二の通路構成部とに分離したとき同連絡通路における遊技球の流通を阻害するシャッターが備えられる構成としてある。
【0031】
すなわち、上記前面通路が上記第一の通路構成部と上記第二の通路構成部とに分離したとき、同前面通路にて遊技球を流通させることが不可能となるが、シャッターが上記連絡通路にて遊技球の流通を阻害することにより同前面通路に遊技球が供給することを防止することができる。すなわち、流通不可能な状態となっている上記前面通路に対して遊技球が供給されないようにすることができる。
【0032】
手段12
手段12にかかる発明は、手段11に記載した発明において、上記シャッターは上記連絡通路において回動可能に枢支されるとともに、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたとき同窓枠から背面側に突設された押圧部との干渉により上記連絡通路にて遊技球が流通可能となる回転位置に回動させられる構成としてある。
【0033】
すなわち、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたとき上記前面通路が上記第一の通路構成部と上記第二の通路構成部とが合体するが、このときに上記連絡通路にて遊技球を流通させることが可能となる。上記窓枠から背面側に突設された押圧部を上記連絡通路において回動可能に枢支された上記シャッターに干渉させることにより、上記窓枠を回動に応じて上記シャッターを回動させることができる。
【0034】
手段13
手段13にかかる発明は、手段12に記載した発明において、上記シャッターを上記連絡通路にて遊技球が流通不可能となる回転位置に回動させるように付勢するバネが備えられる構成としてある。
【0035】
すなわち、バネによって上記シャッターを上記連絡通路にて遊技球が流通不可能となる回転位置に回動させるように付勢しておくことにより、上記押圧部と上記シャッターとが干渉しない状態においては、確実に上記シャッターにて遊技球の流通を阻害することができる。
【0036】
手段14
手段14にかかる発明は、請求項1または手段1から手段13のいずれかに記載した発
明において、上記供給部と上記前面通路との間に設けられ、所望の数の遊技球を上記前面通路に払い出し可能な払い出し装置が備えられる構成としてある。
【0037】
すなわち、上記払い出し装置を上記供給部と上記前面通路との間に設けることにより、所望の数の遊技球を上記前面通路に払い出すことが可能となる。
【0038】
手段15
手段15にかかる発明は、手段14に記載した発明において、上記払い出し装置は上記遊技機の背面側に備えられる構成としてある。
【0039】
すなわち、上記払い出し装置を上記遊技機の背面側に配設することにより、同払い出し装置に不正が加えられることが防止できる。従って、遊技球の払い出し量が不正にコントロールされることを防止することができる。
【0040】
手段16
手段16にかかる発明は、請求項1または手段1から手段15のいずれかに記載した発明において、上記前面通路または上記案内通路に球貸し機の遊技球排出口が接続する構成としてある。
【0041】
すなわち、上記前面通路または上記案内通路に球貸し機の遊技球排出口を接続しておくことにより、上記球貸し機にて排出された遊技球を直接遊技に使用することができる。
【0042】
手段17
手段17にかかる発明は、請求項1、または、手段1から手段16のいずれかに記載した発明において、上記窓枠は上記窓穴を塞ぐ透明板を保持する透明板保持枠である構成としてある。
【0043】
すなわち、上記窓枠に上記窓穴を塞ぐ透明板が備えられるため、上記窓枠を所定の回動位置に回動させて、上記本体枠に略密着させたときには、上記遊技領域を前面側から閉鎖することができる。上記透明板はガラスや合成樹脂等の透明素材で形成されるため、上記遊技領域を前面側から閉鎖しつつ視認することができる。
【0044】
手段18
手段18にかかる発明は、請求項1、または、手段1から手段17のいずれかに記載した発明において、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたときに上記前面通路は視認可能とされるとともに、同前面通路には装飾が形成される構成としてある。
【0045】
すなわち、上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させて遊技を行うときに、上記前面通路に形成された装飾を視認することができる。従って、上記遊技機の趣向性を向上させることができる。
【0046】
手段19
手段19にかかる発明は、手段18に記載した発明において、上記前面通路は、同前面通路の内部が視認可能となるように形成されるとともに、同前面通路の内部に上記装飾が形成される構成としてある。
【0047】
すなわち、上記前面通路の内部を視認可能とし、同前面通路の内部に上記装飾を形成するようにしてもよい。上記前面通路の内部が視認可能となるため、同前面通路の内部を流通する遊技球も視認することができ、遊技者は遊技球の払い出し状態を認識することがで
きる。また、流下する遊技球によって上記前面通路の装飾効果を相乗させることができる。
【0048】
手段20
手段20にかかる発明は、手段18に記載した発明において、上記装飾により上記前面通路の内部が視認不能とされる構成としてある。
【0049】
すなわち、上記前面通路に同前面通路の内部を隠すような上記装飾を設けてもよい。このようにすることにより、上記前面通路の内部を流通する遊技球を隠すことができるため、不正を防止することができる。
【0050】
手段21
手段21にかかる発明は、請求項1または手段1から手段19のいずれかに記載した発明において、上記遊技機は上記遊技領域にてドラムが回転させられるパチロットある構成としてある。
【0051】
すなわち、本発明をパチロットにも適用することができる。なお、パチロットは、メダルの代わりに一定数のパチンコ球を使用して絵合わせを行うものでありパチンコ機とスロットマシンの両方の特徴を備えた遊技機である。このようなパチロットも、遊技球の払い出しと発射が行われるため、本発明を適用することができる。
【発明の効果】
【0052】
以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、遊技機の背面側のスペースを有効に利用可能であるとともに、良好な見栄えを維持することが可能な遊技機を提供することができる。
【0053】
手段1にかかる発明によれば、遊技球の供給状態を視認することができる。
【0054】
手段2にかかる発明によれば、遊技球を背面側から前面側の前面通路に案内することができる。
【0055】
手段3にかかる発明によれば、前面通路において遊技球をスムーズに流通させることができる。
【0056】
手段4にかかる発明によれば、前面通路を確実に合体させることができる。
【0057】
手段5にかかる発明によれば、前面通路において遊技球をスムーズに流通させることができる。
【0058】
手段6にかかる発明によれば、前面通路を確実に合体させることができる。
【0059】
手段7にかかる発明によれば、前面通路に対する不正を防止することができる。
【0060】
手段8にかかる発明によれば、前面通路のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0061】
手段9にかかる発明によれば、簡易な構造で遊技球を上皿に案内することができる。
【0062】
手段10にかかる発明によれば、遊技機をかさばらないように形成することができる。
【0063】
手段11にかかる発明によれば、分離させられた前面経路に遊技球が供給されないよう
にすることができる。
【0064】
手段12にかかる発明によれば、合体した前面経路に遊技球を供給することができる。
【0065】
手段13にかかる発明によれば、確実に遊技球の供給を停止させることができる。
【0066】
手段14にかかる発明によれば、前面通路を払い出し経路として利用することができる。
【0067】
手段15にかかる発明によれば、払い出し装置に対する不正を防止することができる。
【0068】
手段16にかかる発明によれば、球貸し機のから貸し出された遊技球をスムーズに遊技に使用することができる。
【0069】
手段17にかかる発明によれば、遊技領域を閉鎖することができる。
【0070】
手段18にかかる発明によれば、遊技機の趣向性を向上させることができる。
【0071】
手段19にかかる発明によれば、遊技機の趣向性を向上させることができる。
【0072】
手段20にかかる発明によれば、不正を防止することができる。
【0073】
手段21にかかる発明によれば、パチロットの背面側のスペースを有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機の背面図である。
【図3】第一の実施形態にかかる連絡通路の説明図である。
【図4】第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機の斜視図である。
【図5】第一の実施形態にかかるガラス枠の背面斜視図である。
【図6】第一の実施形態にかかるガラス枠の正面斜視図である。
【図7】第一の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図8】第一の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図9】第一の実施形態にかかる案内通路の断面図である。
【図10】第一の実施形態にかかる案内通路の断面図である。
【図11】第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機の斜視図である。
【図12】第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機の斜視図である。
【図13】第二の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図14】第二の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図15】第二の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図16】第三の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図17】第四の実施形態にかかる連絡通路の斜視図である。
【図18】第五の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図19】第六の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図20】第六の実施形態にかかる前面通路の断面図である。
【図21】第六の実施形態にかかる前面通路の正面図である。
【図22】第七の実施形態にかかるパチロットの斜視図である。
【図23】第七の実施形態にかかるパチロットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)第一の実施形態:
(2)第二の実施形態:
(3)第三の実施形態:
(4)第四の実施形態:
(5)第五の実施形態:
(6)第六の実施形態:
(7)第七の実施形態:
(8)まとめ:
(1)第一の実施形態:
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機を斜めから見て示している。同図において、パチンコ遊技機10は木材で矩形枠状に形成された外枠11を有しており、同外枠11をホール等に固定することにより正立した状態で設置される。外枠11の内側には合成樹脂等で形成された矩形枠状の本体枠12が嵌め込まれている。本体枠12の前面側には、同本体枠12と回動可能な窓枠および透明板保持枠としてのガラス枠13が枢支されている。ガラス枠13は中央部に窓穴13dを有しており、同開口から透明板としてのガラス13aが露出するように保持されている。
【0076】
ガラス13aは透視可能であり、ガラス13aの内側を視認することが可能となっている。本体枠12は矩形開口を有しており、同矩形開口にて矩形板状の遊技盤24が保持されている。そして、前面側からガラス13aを透視することにより、その内側に保持された遊技盤24の様子を視認することが可能となっている。遊技盤24の前面には略円環状の遊技レールが立設されており、同遊技レールおよびガラス枠13に囲まれた遊技領域にて遊技球を流通させて遊技を行う。ガラス枠13の下方には上皿14が前面に向かって突設されており、さらにその下方には下皿15が前面に向かって突設されている。上皿14および下皿15は所定の深みを有する皿状に形成されているため、遊技球を貯留しておくことができる。
【0077】
下皿15の側方には半球状の発射ハンドル16が回動可能に突設されており、同発射ハンドル16の回動量に応じて遊技球の発射を行うことが可能となっている。発射ハンドル16が備えられた部位の内部には発射機構16aが備えられている。発射機構16aは、遊技領域まで遊技球を案内するレールと、発射ハンドル16の回動量に応じて動作する発射槌を有している。また、上皿14と発射機構16aとは図示しない通路により連通しており、上皿14に貯留された遊技球を発射槌に供給することが可能となっている。そして、供給された遊技球を発射槌が弾くことにより、遊技球が付勢され、遊技領域に発射される。
【0078】
図2は、パチンコ遊技機10を背面側から見て示している。同図において、パチンコ遊技機10の背面側には略板状の機構板17が枢支されており、本体枠12に保持されている遊技盤24は同機構板17によって背面側から覆われている。機構板17には保護カバー22が取り付けられており、同保護カバー22に背面側から覆われるように液晶ユニット21や制御ボックス23が配設されている。液晶ユニット21は遊技領域の中央部に表示面を露出させる液晶パネルを駆動するための装置であり、遊技盤24を貫通するように取り付けられている。制御ボックス23はパチンコ遊技機10の主要な動作を制御する制御基板を収容する基板ボックスであり、内部の制御基板を強固に封止している。
【0079】
パチンコ遊技機10の背面側の上部には遊技球が貯留可能なタンク18が備えられている、タンク18は幅方向に長い皿状に形成されており、上方に開口している。タンク18は本発明にいう供給部に相当し、同タンク18はホール等に設置される遊技球供給装置か
ら遊技球の供給を受ける。タンク18を遊技機における上方部分に備えておくことにより、遊技球が重力に引かれて流下する勢いを利用して、遊技球を流通させることができる。タンク18の底面は紙面右方が低くなるように形成されており、タンク18内を流下する遊技球は紙面右方向に流通する。
【0080】
タンク18の底面の紙面右方端部には穴が形成されており、同穴からタンクレール18aに遊技球が落下する。タンクレール18aは紙面右側が低くなるように傾斜しており、タンクレール18aに落下した遊技球は紙面右側に流下する。さらに、タンクレール18aの紙面側端部の下方に備えられた払い出し装置19に遊技球が落下する。払い出し装置19は遊技球の直径程度の内径を有する通路19aを有しており、同通路19aの側方にて略五角形の回転体19bが備えられ、同回転体19bの一部が同通路19aの内部に突出している。そして、回転体19bが1/5回転する毎に遊技球を一球下方に送り出すことが可能となっている。すなわち、回転体19bの回転量に応じて払い出される遊技球の数量が制御されている。なお、回転体19bの回転量は、制御ボックス23に収容された制御基板等に備えられたCPU等の演算結果に応じて制御されている。
【0081】
例えば、大当たりが出た場合等には回転体19bを高速に回転させるようにCPU等が指令する。逆に、賞球がない場合には、回転体19bを停止させるようにCPU等が指令する。通路19aは払い出し装置19の下方に備えられたガイド部材20の内部に連通しており、払い出し装置19にて払い出された遊技球はガイド部材20の内部に落下する。
【0082】
図3は、遊技球の通路を模式的に示している。同図において、ガイド部材20は内部に略L字状の通路20aを有しており、通路20aの底面は前方になるほど低くなるように傾斜している。通路20aの前方端部は開口しており、底面を伝って流下する遊技球を前方に排出することが可能となっている。また、通路20aの前方端部の開口は、機構板17を前後に貫通するように形成された機構板通路17aの後端と接続されている。従って、ガイド部材20から排出された遊技球は、機構板通路17aに導入される。機構板通路17aの底面も前方になるほど低くなるように傾斜しているため、機構板通路17aに導入された遊技球はさらに前方に流下する。
【0083】
機構板17は本体枠12に対して回動可能に枢支されているが、機構板17と本体枠12とが平行となるように機構板17を回動させることにより、機構板17と本体枠12(あるいは、本体枠12に保持された遊技盤24。)とが略密着する。このとき、機構板通路17aの前端も本体枠12に背面側から接触し、同本体枠12を前後に貫通するように形成された本体枠通路12aの後端と接続する。このようにすることにより、機構板通路17aを流下した遊技球を本体枠通路12aに案内することができる。本体枠通路12aの底面も前方になるほど低くなるように傾斜しているため、本体枠通路12aに導入された遊技球はさらに本体枠通路12aを前方に流下する。
【0084】
一方、本体枠12の前面側において背面側に向かって凹みを形成することにより、第一の通路構成部30Aが設けられている。第一の通路構成部30Aと本体枠通路12aとは接続しており、本体枠通路12aを流下した遊技球は第一の通路構成部30Aに案内される。本体枠12の前面側に備えられるガラス枠13には、前面通路30が備えられている。ガラス枠13は本体枠12に対して回動可能に枢支されているが、図1のように遊技領域にガラス枠13が前面側から略密着し、同遊技領域が閉鎖されるようにガラス枠13を回動させたときには、ガラス枠13と本体枠12(あるいは、本体枠12に保持された遊技盤24。)とを平行に略密着させることができる。
【0085】
このとき、第一の通路構成部30Aとガラス枠13に形成されたと第二の通路構成部30Bとが前後に重なる。第一の通路構成部30Aと第二の通路構成部30Bとが前後に向かい合うことにより、前面側に開放していた第一の通路構成部30Aが前面側から閉鎖され、遊技球を第一の通路構成部30Aに沿って流下させることが可能となる。なお、上記のようにして合体した通路はパチンコ遊技機10の前面側に位置しているため、前面通路30というものとする。
【0086】
このようにパチンコ遊技機10を構成する各部材の前後を貫通する機構板通路17aと本体枠通路12aと形成し、これらを前後に接続することにより、パチンコ遊技機10を前後に貫通する連絡通路Aを形成することができる。この連絡通路Aによれば遊技球を背面側から前面側に流通させることができるため、払い出し装置19から払い出された遊技球を前面側に供給することができる。なお、連絡通路Aは遊技盤24を貫通して形成するようにしてもよい。本体枠12は遊技盤24の外側を枠状に囲んで保持しているため、連絡通路Aを遊技盤24の外側に形成すれば連絡通路Aは本体枠12を貫通することとなるし、連絡通路Aを遊技盤24の内側に形成すれば連絡通路Aは遊技盤24を貫通することとなる。
【0087】
図4はパチンコ遊技機10を斜めから見て示している。同図において、ガラス枠13は図1に示した状態から回動し、ガラス枠13の背面側と本体枠12の前面側とが離反することにより、遊技領域25は前面側に開放されている。本体枠12は略矩形状の矩形開口12bを有しており、同矩形開口12bから矩形板状の遊技盤24が前面側に露出している。遊技盤24の前面側に略円環状の遊技レール25aを突設することにより、遊技盤24の前面側にて遊技領域25の内外を区画している。遊技領域25の内側には液晶表示装置25bや風車25c等が配設されている。遊技盤24は本体枠12よりやや奥方にて保持されているため、遊技領域25は本体枠12の中央部において奥方に凹んだ位置に形成されることとなる。本体枠12におけるガラス枠13の固定端側の辺の上部において本体枠通路12aの前方端部が開口している。この開口から下方に向かって背面側に凹む溝を形成することにより第一の通路構成部30Aが設けられている。
【0088】
図5はガラス枠13を背面側から見て示し、図6はガラス枠13を背面側から見て示し前面側から見て示している。両図において、ガラス枠13は略板状に形成されており、中央部に窓穴13dを備えている。ガラス枠13の左辺には上下一対の回動ヒンジ13e1,13e2が設けられており、これらを貫通する鉛直な回動軸にて回動することが可能となっている。一方、図1に示すように本体枠12におけるガラス枠13の回動自由端を待ち受ける部位には施錠機構12cが形成されており、同施錠機構12cにてガラス枠13の回動自由端を固定することが可能となっている。従って、ガラス枠13を回動させて遊技領域25を前面側から略閉鎖したときには、施錠機構12cによってガラス枠13の回動自由端を固定することができ、不正に遊技領域25が開放されることを防止することが可能となっている。
【0089】
ガラス枠13の背面側には、略コの字状に形成されたガラス保持フレーム26が取り付け面26bにてネジ止め固定されている。ガラス保持フレーム26は、窓穴13dの両側方および下方を囲むように略コの字状に形成されており、内側部分が背面側に突出するように屈曲されている。そして、屈曲された部位の先端には断面略コの字状のガラス保持レール26aが形成されている。ガラス保持レール26aは内側にガラス13aを挟んで保持することが可能であり、ガラス13aはガラス枠13から背面側に突出した位置にて保持されている。このように、ガラス13aをガラス枠13から背面側に突出して保持することにより、ガラス枠13にて遊技領域25を閉鎖する際には、奥方(背面側方向)に凹んだ位置に形成された遊技領域25の遊技レール25a等にガラス13aを密着させることができる。
【0090】
ガラス枠13における回動ヒンジ13e1,13e2が設けられる側には前面側に凹む
溝状の第二の通路構成部30Bが形成されている。第二の通路構成部30Bの前面側部分はガラス枠13よりも前面側に突出するように形成されている。第二の通路構成部30Bは独立した部材として形成し、ガラス枠13に取り付けるようにしてもよいし、ガラス枠13と一体成型するようにしてもよい。第二の通路構成部30Bは透明な合成樹脂で形成されており、前面側から第二の通路構成部30Bの内側を透視することが可能となっている。
【0091】
図7は、前面通路30の水平断面を見て示している。同図において、ガラス枠13が遊技盤24と平行となるように回動させられており、遊技領域25は前面側からガラス13aによって略閉鎖されている。このとき、ガラス枠13の回動における固定端側に形成された第一の通路構成部30Aと第二の通路構成部30Bとが前後に重なる。すなわち、背面側に凹んだ形状とされた第一の通路構成部30Aと、前面側に凹んだ形状とされた第二の通路構成部30Bとが向かい合うことにより、略円柱状の中空空間が形成される。図3において説明したように、この中空空間の内部に対して遊技球を背面側から供給することが可能であり、供給された遊技球はこの中空空間(前面通路30)内を下方に落下することとなる。
【0092】
また、背面側に凹んだ溝状の第一の通路構成部30Aに対して前面側に凹んだ溝状の第二の通路構成部30Bを前面側から向かい合わせることにより、前面通路30の通路幅を広く確保することができる。従って、単位時間あたりに大量の遊技球を払い出し装置19が払い出した場合であっても、前面通路30にて球詰まりを発生させることなく、遊技球を流通させることができる。第二の通路構成部30Bは透明に形成されているため、前面通路30の内部を流通する遊技球の様子を視認することができる。従って、遊技者はどれだけの遊技球が賞球として払い出されたかを実感することができる。また、略鉛直に流下する遊技球の様子を遊技者に見せることにより、パチンコ遊技機10の装飾性や趣向性も向上させることができる。
【0093】
図8においても前面通路30の水平断面を見て示している。同図においては、ガラス枠13が遊技盤24に対して傾斜するように回動させられており、遊技領域25は前面側に開放されている。従って、同図の状態において遊技領域25に配設された釘の角度調整や、各種部材のメンテナンス等を行うことができる。かかる状態において、回動可能なガラス枠13に形成された第二の通路構成部30Bは、本体枠12の第一の通路構成部30Aから離反させられている。すなわち、前面通路30を構成していた第一の通路構成部30Aと第二の通路構成部30Bとが分離した状態となっている。
【0094】
ところで、前面通路30は大量の遊技球が流通し汚れやすい。また、遊技者が前面通路30の内部を視認することが可能となっているため、見栄えを損なわぬよう頻繁に清掃をしておく必要がある。これに対して、図8のように、第一の通路構成部30Aと第二の通路構成部30Bとが分離した状態では前面通路30の内壁面を外側に露出させることができるため、前面通路30の内壁面の清掃を容易に行うことができる。従って、遊技者の目につきやすい前面通路30を清潔に保つことができ、パチンコ遊技機10の見栄えを良好に維持することできる。また、ガラス枠13は釘調整等のために頻繁に開放されるため、その都度清掃を行うことができ、便利である。
【0095】
図4に示すように、前面通路30はガラス枠13の下端に形成された出口33(図4の符合を修正しました。)にて終端している。従って、前面通路30を流下した遊技球は出口33から下方に向かって放出される。前面通路30の出口33に対向可能な位置において上端を開口させる略筒状の案内経路40が設けられている。従って、前面通路30を流下した遊技球は案内経路40に落下し、案内経路40の内部を流下する、案内経路40の上方部分は軸方向を鉛直に配向させており、上皿14の側方をかすめている。案内経路4
0の下方部分は屈曲されており、先端に形成された下皿出口42が下皿15の内部に位置させられている。従って、最終的に下皿出口42に到達した遊技球を下皿15に放出することができる。
【0096】
案内経路40の下方部分における遊技球の進行方向は幅方向にほぼ水平となるように案内経路40の下方部分は傾斜している。従って、下皿15の底面に対してほぼ平行に遊技球を着弾させることができ、着弾時の衝撃を和らげることができる。また、下皿15は幅方向広く形成されているため、幅方向に放出される遊技球が下皿15からこぼれ落ちることが防止できる。
【0097】
図9は、案内経路40の上方部分の鉛直断面を見て示している。同図において、案内経路40は上端にて前面通路30と接続している。案内経路40は上皿14の側面に密着しており、上皿14との密着部位には上皿出口41が穿設されている。一方、上皿14において上皿出口41と対向する部位にも導入穴14aが穿設されている。上皿出口41の下端から内側に向かって略板状の案内翼44が突設されている。案内翼44は上皿出口41に近づくにつれ低くなるように傾斜しており、案内翼44上の遊技球は上皿出口41に向かって流下する。案内経路40の内部における案内翼44の上方には、略板状のガイド翼43が内側に向かって突設されている。ガイド翼43は案内翼44の上方にて終端しており、先端になるほど低くなるように傾斜している。ガイド翼43の先端と案内経路40の内壁とは少なくとも遊技球の直径以上の間隔が確保されている。
【0098】
このようにすることにより、案内経路40の内部を落下する遊技球をガイド翼43に衝突させ、ガイド翼43上を流下させることにより、案内翼44上に遊技球を落下させることができる。また、ガイド翼43に落下しない遊技球は、直接、案内翼44上に落下する。いずれにしても、遊技球が案内翼44上に落下させることができ、遊技球を上皿14に案内することができる。上皿14に案内された遊技球は一時的に上皿14に貯留され発射機構16aに導かれるため、前面通路30を流通した遊技球を遊技に使用すること可能となる。
【0099】
図10は、上皿14において貯留された遊技球が満杯となる状態を示している。同図において、満杯状態となった遊技球が導入穴14aや案内翼44上にも滞留している。この状態において、案内翼44上に遊技球が落下すると、案内翼44上に滞留した遊技球に、落下した遊技球が衝突し跳ね返されることとなる。跳ね返された遊技球は案内翼44から落下し、さらに案内経路40の内部を下方に落下することとなる。そして、案内翼44から落下した遊技球は、最終的に下皿15に放出される。かかる構成により、上皿14に貯留された遊技球が満杯状態のときのみ遊技球を下皿15に排出することが可能となっている。
【0100】
本実施形態において、パチンコ遊技機10における遊技領域25よりも前面側に前面通路30を形成することにより、払い出し通路をパチンコ遊技機10の背面側に形成しないようにすることができる。これにより、パチンコ遊技機10の背面側のスペースを広く確保することができ、より多くの機構部材をパチンコ遊技機10の背面側に配設することが可能となる。例えば、遊技領域の中央に配置される液晶表示装置25bを大型化するようなことも可能である。また、ガラス枠13および本体枠12にまたがるように前面通路30を埋設しているため、遊技領域25の側方のスペースを効率よく利用することができる。なお、遊技領域25の視認性を妨げないように、前面通路30を遊技領域25の外側に設けておくことが望ましい。
【0101】
(2)第二の実施形態:
図11は、第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機を斜めから見て示している。同図に
おいて、前面通路130は第一の実施形態とほぼ同様の構成とされているが、前面通路130はガラス枠113の下端にて終端している。図12は、本体枠112を斜めから見て示している。同図において、遊技領域125を前面側に開放するように破線で示すガラス枠113が回動させられている。ガラス枠113に備えられた第二の通路構成部130Bは前面側に凹むように形成されており、下端を下方に開口させることにより出口133が形成されている。
【0102】
遊技領域125が前面側から閉鎖されるようにガラス枠113を回動させたとき、出口133に対向可能な開口141が本体枠112に穿設されている。遊技領域125が閉鎖するようにガラス枠113を回動させたときに出口133に対向可能な開口141を本体枠112に形成している。一方、上皿114の内部に遊技球を排出可能な上皿出口142が設けられており、開口141と上皿出口142とを連通させる案内通路140が本体枠112に埋設されている。従って、前面通路130の出口から排出された遊技球を上皿114の内部に案内することができる。上皿114に案内された遊技球は一時的に上皿114に貯留され発射機構116aに導かれるため、前面通路130を流通した遊技球を遊技に使用することが可能となる。このように、案内通路140を本体枠112に埋設することにより、最短距離で遊技球を上皿114に案内することができるとともに、パチンコ遊技機110をコンパクトに形成することができる。
【0103】
さらに、本体枠112の内部にはオーバーフロー通路143が埋設されており、オーバーフロー通路143は上皿出口142の直前にて案内通路140から分岐させられている。オーバーフロー通路143の終端には下皿出口144が形成されており、オーバーフロー通路143を流通する遊技球を下皿115に排出することが可能となっている。案内通路140を流通する遊技球は原則的に上皿出口142に案内されるが、上皿出口142の付近に遊技球が充填されている場合には、上皿出口142に遊技球が流下することが充填された遊技球によって妨げられる。そして、行き場を失った遊技球がオーバーフロー通路143に流れ込むことが可能となっている。すなわち、上皿114に貯留された遊技球が満杯状態のときのみ遊技球を下皿115に排出することが可能となっている。
【0104】
第一の通路構成部130Aは、本体枠112から前面側に突出するように形成されている。第一の通路構成部130Aは第二の通路構成部130Bと同様に軸方向を鉛直に配向させており、断面が矩形状となるように突出している。第一の通路構成部130Aは、遊技領域125が前面側から閉鎖されるようにガラス枠113を回動させたときに第二の通路構成部130Bの回動を待ち受ける位置に形成されており、第二の通路構成部130Bの内側に嵌り込むことが可能となっている。
【0105】
図14は、第二の通路構成部130Bの内側に第一の通路構成部130Aが嵌り込んだ状態の前面通路130の水平断面を見て示している。同図において、第二の通路構成部130Bの内側に第一の通路構成部130Aが嵌り込むことにより、第二の通路構成部130Bと第一の通路構成部130Aとが合体した前面通路130が形成されている。これにより、遊技球を外側に離脱させることなく前面通路130の内部にて流通させることができる。また、前面通路130の外側において本体枠112とガラス枠113との間に形成される隙間の形状を略L字状に屈曲させることができるため、同隙間から前面通路130の内部に異物が侵入されることを防止することができる。
【0106】
さらに、第一の通路構成部130Aを前面側に突設することにより、前面通路130における遊技球の流通位置を前面側に底上げすることができる。従って、より遊技者に近い位置にて遊技球を流下させることができ、遊技球の払い出しがあったことを確実に認識させることができる。第一の通路構成部130Aの突出量に応じて、第二の通路構成部130Bを大きく前方に突出するように形成してもよい。この場合、前面通路130をより目
立たせることができる。
【0107】
図15は、遊技領域125が前面側に開放するようにガラス枠113を回動させた状態を示している。同図において、第一の通路構成部130Aと第二の通路構成部130Bとが離反させられており、前面通路130が分離している。従って、本実施形態においても、第一の実施形態と同様に前面通路130の内部の清掃を容易に行うことができる。むろん、パチンコ遊技機110の背面側に遊技球を払い出すための経路が形成されないため、パチンコ遊技機110の背面側のスペースを広く確保することができる。
【0108】
前面通路130をガラス枠113と本体枠112とによって挟まれる位置に配設することにより、ガラス枠113を回動させない限り前面通路130を外部から手を加えることはできない。通常、ガラス枠113には施錠機構が設けられるため、不正にガラス枠113を回動させることは不可能となっている。従って、前面通路130に対して不正が行われることを防止することができる。
【0109】
また、仮に施錠を解除してガラス枠113を回動させることができたとしても、前面通路130はガラス枠113の回動固定端側に位置しているため、ガラス枠113を少し回動させたときに形成されるガラス枠113の自由端側と本体枠112との隙間に手を入れても前面通路130に手が届かない。すなわち、前面通路130に不正な操作を加えるにはガラス枠113をほぼ全開させなければならず、秘密裏に不正が行われることが防止できる。一方、正規に開錠してガラス枠113を回動させれば、前面通路230を視認しつつ、容易にメンテナンスや清掃をすることができる。従って、前面通路130にて球詰まり等が発生した場合にも、本体枠112を外枠111に対して回動させることなく迅速に処置を行うことができる。
【0110】
(3)第三の実施形態:
図16は、第三の実施形態にかかる前面通路の断面を見て示している。同図において、前面通路230は第二の実施形態とほぼ同様の構成とされているため、相違する点のみについて説明するものとする。前面通路230はガラス枠213の回動における自由端側に取り付けられている。このように、前面通路230を回動自由端側に取り付けることにより、ガラス枠213の少しの開放により第一の通路構成部230Aと第二の通路構成部230Bとを大きく離反させることができる。また、自由端側に形成されるガラス枠213と本体枠212との隙間に対して第一の通路構成部230Aと第二の通路構成部230Bとが近い位置にあるため、ガラス枠213を少し回動させるだけで、前面通路230の清掃等を行うことができる。従って、前面通路230のメンテナンス性が向上する。ただし、メンテナンス性よりも不正防止性を重視する場合には、第二の実施形態のように回動固定端側に前面通路を取り付けておくことが望ましい。
【0111】
以上説明したように、本発明においてガラス枠が回動することにより、前面通路が第一の通路構成部と第二の通路構成部とに分離することとなる。すると、前面通路を流通していた遊技球や前面通路に流れ込もうとしていた遊技球を拘束しておくことができなくなり、これらの遊技球が散らかってしまうという問題があった。これに対して、前面通路に遊技球を供給するいずれかの通路に遊技球の供給を停止させるシャッターを備えさせることにより、遊技球が散らかることを防止することができる。以下、その具体的構成について説明する。
【0112】
(4)第四の実施形態:
図17は、第一の実施形態と同様に形成した本体枠通路312aの終端に取り付けられたシャッター360を斜めから見て示している。同図において、シャッター360は本体枠通路312aの断面とほぼ同じ外形を有する略板状に形成されており、幅方向外側に突
出する一対の円柱状の軸突起361,361を備えている。本体枠通路312aの内壁面には軸突起361,361をそれぞれ軸受けするための凹部が形成されており、同凹部に軸突起361,361をそれぞれ軸受けすることによりシャッター360が回動可能に枢支されている。軸突起361,361は水平方向の回動軸を構成し、シャッター360は水平な回動軸を中心として回動することが可能となっている。
【0113】
軸突起361,361はシャッター360の上端からやや低い位置に形成されており、一方の軸突起361にはバネ363が取り付けられている。バネ363はコイル状のトーションバネであり、同コイル部分の内側を軸突起361が挿通している。バネ363の一端はシャッター360に固定されており、もう一端が本体枠通路312aの内壁面に固定されている。図のように、本体枠通路312aの終端開口がシャッター360に塞がれるとき、バネ363の両端は直交し本来の形状となる。従って、バネ363の両端が交差する角度を広げたり、狭めたりすることにより、バネ363に付勢力を蓄積させることができる。すなわち、バネ363によって、シャッター360は本体枠通路312aの終端開口を塞ぐように付勢されている。
【0114】
一方、ガラス枠313に形成された第二の通路構成部330Bの上端部には背面側に突出する略板状の押圧部350が延設されている。押圧部350は、遊技領域が閉鎖するようにガラス枠313を回動させたとき、シャッター360における軸突起361,361が形成された位置よりも高い位置に干渉することが可能となっている。従って、遊技領域が閉鎖するようにガラス枠313を回動させると、シャッター360における軸突起361,361が形成された位置よりも高い部位が背面側に押し込まれ、シャッター360を回動させることができる。シャッター360が回動することにより、本体枠通路312aの終端開口が前面側に開放されるため、本体枠通路312aを前面側に流下する遊技球を第一の通路構成部330Aの前方に案内することができる。
【0115】
すなわち、遊技領域が閉鎖するようにガラス枠313を回動させたとき、第一の通路構成部330Aと第二の通路構成部330Bとが合体して前面通路が形成され、同前面通路に遊技球を案内することができる。これに対して、遊技領域が開放するようにガラス枠313を回動させたとき、シャッター360と押圧部350との干渉がなくなるため、バネ363の付勢力によってシャッター360が回動し本体枠通路312aの終端開口を閉鎖する。すなわち、第一の通路構成部330Aと第二の通路構成部330Bとが分離したときには、遊技球が本体枠通路312aから供給されないようにすることができる。従って、第一の通路構成部330Aと第二の通路構成部330Bが合体されていないにもかかわらず、遊技球が本体枠通路312aの終端開口から放出されることを防止することができ、遊技球が散らかることを防止することができる。
【0116】
(5)第五の実施形態:
図18は、第五の実施形態にかかる前面通路の断面を見て示している。同図において、第一の通路構成部430Aは第一の実施形態と同様に形成されている。一方、第二の通路構成部430Bは透明板によって平面状に形成されている。このように、第一の通路構成部430Aまたは第二の通路構成部430Bを平面状に形成することも可能である。一方を平面状に形成しておくことにより、構造を簡素化させることができる。また、第二の通路構成部430Bを平面状に形成することにより、前面通路430をガラス枠413よりも背面側に形成することができるため、前面通路430に不正を行いにくくすることができる。
【0117】
(6)第六の実施形態:
図19は、第六の実施形態にかかる前面通路の断面を見て示している。同図において、第二の通路構成部530Bは第一の実施形態と同様にガラス枠513よりも前方に突出す
るように形成されている。ただし、第二の通路構成部530Bの両端をガラス枠513よりも背面側に突出させることにより一対の凸部530b,530bが形成されている。一方、第一の通路構成部530Aは平面状に形成されており、同第一の通路構成部530Aにおける一対の凸部530b,530bの回動を待ち受ける部位には一対の凹部530a,530aが形成されている。凹部530a,530aは本体枠512に凸部530b,530bよりもやや大きい溝を形成することにより設けられている。
【0118】
このようにすることにより、図20のように遊技領域525が前面側から閉鎖されるようにガラス枠513を回動させたとき、凹部530a,530aに凸部530b,530bをそれぞれ嵌合させることができる。従って、第一の通路構成部530Aと第二の通路構成部530Bとの間に形成される隙間を複雑な形状とすることができ、同隙間から前面通路530の内部に異物が侵入されることを防止することができる。また、第一の通路構成部530Aと第二の通路構成部530Bとを正確に位置決めすることができ、確実に両者を合体させることができる。なお、凹部530a,530aおよび凸部530b,530bは本発明にいう嵌合構造を構成する。
【0119】
図21は、前面通路530を正面から見て示している。同図において、前面通路530はガラス枠513よりも前方に突出するように形成されているため、第二の通路構成部530Bが前面側から視認可能とされている。第二の通路構成部530Bは、例えばABS,PET,PPE等といった透光性樹脂で形成されており、第二の通路構成部530Bの背面側を透視することが可能となっている。第二の通路構成部530Bの上方部分には装飾等が形成されておらず、第二の通路構成部530Bの背面側にて同第二の通路構成部530Bに対向する第一の通路構成部530Aが視認可能となっている。これに対して、第二の通路構成部530Bの下方部分の表面には、背景が黒色に着色され、その中央部に魚の模様が描かれた第二の装飾530B1が設けられている。これにより、第二の装飾530B1の裏側に位置する第一の通路構成部530Aの一部を視認させないようにしている。
【0120】
一方、第二の通路構成部530Bの裏側にて透視可能な第一の通路構成部530Aは、全体が水色で形成されており、破線のように川の流れを示す第一の装飾530(縦線の模様)が描かれている。このようにすることにより、第一の装飾530A1と第二の装飾530B1とが合成された模様を形成することができる。同図の例では、第二の装飾530B1に描かれた魚の模様と川の模様とを立体的に合成することができ、高い趣向性を実現することができる。さらに、第一の通路構成部530Aと第二の通路構成部530Bとの間を流下する遊技球も視認することができるため、川の流れを動的に表現することができる。すなわち、第一の装飾530A1と第二の装飾530B1と流下する遊技球によって高い趣向性を実現することができる。
【0121】
透光性を有さない第二の装飾530B1を設けることにより、第二の装飾530B1の裏側に位置する前面通路530の内部を隠しておくことができる。従って、前面通路530の内部を流通する遊技球等を隠して、不正を防止することができる。むろん、第一の通路構成部530Aと第二の通路構成部530Bとを分離させることができるため、これらで形成される装飾を清潔に保つことができる。なお、前面通路530を装飾するにあたっては、LED等の照明を使用してもよい。さらに、前面通路530よりも前面側に前面通路530を隠すの装飾カバーを設けるようにしてもよい。このようにすることにより、前面通路530の前面側に装飾を設けることができるとともに、前面通路530の存在を知られないようにすることができる。従って、前面通路530に対する不正を防止することができる。
【0122】
(7)第七の実施形態:
図22は、第七の実施形態にかかる遊技機としてのパチロットを斜めから見て示している。パチロット610は、スロットマシンにおけるメダルの代わりに遊技球を利用するものであり、例えば、パチンコ球の5個がメダル1個に相当して遊技を楽しむことができる。パチロット610は、スロットマシンと同様に回転するドラム614aを備える遊技領域614を有している。このようなパチロット610においても遊技媒体として遊技球が使用されるため、遊技状態に応じた遊技球が払い出されることとなる。従って、パチロット610の前面側に前面通路630を形成することができ、それにより、パチロット610の背面側のスペースを広く確保することができる。
【0123】
なお、図23に示すように、パチロット610も外枠611と本体枠612とを有し、本体枠612の前面側にはドラム614aが保持された遊技領域614が形成される。本体枠612の背面側には遊技球の供給を受けるタンク618が設けられている。本体枠612には前後に貫通する連絡通路Aが形成されており、同連絡通路Aを介してタンク618に貯留された遊技球が本体枠612の前面側に案内される。本体枠612の前面側には操作レバーや操作ボタンが形成された窓枠613が取り付けられる。窓枠613は本体枠612に対して左側の辺を回動軸として回動可能に取り付けられる。窓枠613と本体枠612とが略平行となるように、窓枠613を回動させたとき、窓枠613の背面側と本体枠612の前面側とが略密着する。
【0124】
このとき、窓枠613の略中央部に形成された矩形状の窓穴613dからはドラム614aが保持された遊技領域614が視認可能となる。また、このとき窓枠613に取り付けられた第二の通路構成部630Bと本体枠612の前面側に形成された第一の通路構成部630Aとが前後に対向して前面通路630が形成される。さらに、このとき窓枠613に取り付けられた前面通路630と連絡通路Aとが接続し、タンク618に貯留された遊技球を前面通路630に案内することができる。なお、窓枠613をガラス等の透明板によって塞ぐことによりパチロット610の遊技領域614を閉鎖させてもよいし、本実施形態のように遊技領域614を開放させておいてもよい。
【0125】
(8)まとめ:
以上説明したように本発明によれば、パチンコ遊技機10の前面側に前面通路30を配設することにより、払い出し通路をパチンコ遊技機10の背面側に形成しないようにすることができる。これにより、パチンコ遊技機10の背面側のスペースを広く確保することができ、より多くの機構部材をパチンコ遊技機10の背面側に配設することが可能となる。また、ガラス枠13を回動させることにより、前面通路30は本体枠12の前面側に形成された第一の通路構成部30Aとガラス枠13の背面側に形成された第二の通路構成部30Bとに分離することが可能であるため、前面通路30の清掃を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0126】
10,110…パチンコ遊技機
610…パチロット
11…外枠
12,112,212,312,412,512…本体枠
13,113,213,513…ガラス枠
13a…ガラス
14…上皿
15…下皿
16…発射ハンドル
16a…発射機構
17…機構板
18…タンク
19…払い出し装置
20…ガイド部材
24…遊技盤
25…遊技領域
25b…液晶表示装置
25c…風車
26…ガラス保持フレーム
26a……ガラス保持レール
30,130,230,430,530,630…前面通路
30A,130A,230A,330A,430A,530A…第一の通路構成部
30B,130B,230B,330B,430B,530B…第一の通路構成部
32…入口
33…出口
40…案内通路
43…オーバーフロー通路
360…シャッター
A…連絡通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に備えられ外部装置から遊技球が供給される供給部と、本体枠の前面側に設けられた遊技領域と、上記本体枠の前面側において回動可能に枢支されるとともに所定の回動位置にて同本体枠に背面側を略密着させつつ窓穴から上記遊技領域を視認させる窓枠とを備える遊技機において、
上記本体枠に背面側が略密着するように上記窓枠を回動させたときに、上記本体枠の前面側に形成された第一の通路構成部と上記窓枠の背面側に形成された第二の通路構成部とが合体することにより、上記供給部から遊技球を案内する通路の少なくとも一部を構成する前面通路が形成されることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−250109(P2012−250109A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−213473(P2012−213473)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2010−171549(P2010−171549)の分割
【原出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】