説明

遊技機

【課題】インパクトのある発光演出を行ない得る遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤に、遊技領域で前後に貫通する貫通口が形成される。遊技盤に、貫通口を塞ぐ第1透光部材43が配設される。第1透光部材43に、前方に延出する減勢壁43bが設けられる。遊技盤の裏側に、第1透光部材43を照明する第1経路用発光装置が配設される。遊技領域を流下するパチンコ球は、第1透光部材43の前側を通過する際に減勢壁43bと接触して減勢され、該透光部材43より下流側の遊技釘27が経時的に変形するのを防止し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光演出が行なわれる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状装飾体(所謂センター役物)が配設されており、この枠状装飾体の窓口を介して複数の図柄を変動表示して図柄変動演出を行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置の表示部を後方から臨ませると共に、該遊技盤における枠状装飾体の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での変動を開始させる始動入賞装置や大当り時等に開放する特別入賞装置を配設するよう構成されたものが多数提案されている。このようなパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が遊技領域内に植設された遊技釘等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当りが発生し、遊技盤に設けられた特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るよう構成される。
【0003】
近年のパチンコ機では、リーチ予告時、リーチ発生時、大当り予告時、大当り発生時等に合わせて、遊技盤に備えた発光装置によって光による演出を行なうことで、視覚的な演出効果を向上させて遊技の興趣を高めている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のパチンコ機では、遊技盤における遊技領域の位置に貫通孔を穿設し、該貫通孔を塞ぐように透光部材を配設すると共に、遊技盤の裏側において貫通孔に沿って発光素子群を配列し、該発光素子群を点灯することで遊技領域において透光部材が明輝するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】2004−283246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1のパチンコ機では、貫通孔が、遊技盤に植設される遊技釘の位置を避けるように形成されているため、発光素子群の光によって明輝する透光部材の大きさが限られてしまい、インパクトのある発光演出を期待し得ない難点が指摘される。なお、遊技盤に植設される遊技釘の間隔を広く設定することで透光部材を大きくすることはできるものの、透光部材の前側を通過するパチンコ球は、勢いが弱められることなく下流側の遊技釘に接触するため、該下流側の遊技釘が経時的に変形等することで、遊技釘同士の間隔が変わってしまう等の問題を招くおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、インパクトのある発光演出を行ない得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、
遊技領域(20)が前側に設けられる非光透過性の遊技盤(12)と、該遊技盤(12)に植設されて遊技領域(20)に位置し、該遊技領域(20)を流下する遊技球との接触により該遊技球を減勢する多数の遊技釘(27)とを備える遊技機において、
前記遊技盤(12)における遊技領域(20)で前後に貫通する貫通口(42)と、
前記貫通口(42)を塞ぐ透光部材(43)と、
前記透光部材(43)に設けられて前方に延出し、該透光部材(43)の前側を流下する遊技球との接触により該遊技球を減勢する減勢部(43b)と、
前記透光部材(43)を裏側から照明する発光装置(67)とを備えることを要旨とする。
【0008】
請求項1に係る発明では、透光部材に減勢部を設けたので、該透光部材の前側を通過する遊技球の勢いを減勢部で減勢することができ、透光部材より下流側の遊技釘が経時的に変形するのを防止し得る。すなわち、遊技釘を変形させることなく透光部材のサイズを大きくすることができ、インパクトのある発光演出を行ない得る。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記遊技領域(20)における透光部材(43)を挟む上下の位置に、前記遊技釘(27)によって遊技球が通過可能な上部球通過路(45)および下部球通過路(46)が形成され、前記減勢部(43b)は、上部球通過路(45)から下部球通過路(46)へ遊技球を案内する中間球通過路(44)を形成していることを要旨とする。
請求項2に係る発明では、減勢部によって遊技球を案内する通路を形成することで、遊技球を意図した位置に流下させることができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記中間球通過路(44)は左右方向に湾曲していることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、遊技球の勢いを確実に減勢することができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記透光部材(43)の前面に凹凸が設けられることを要旨とする。
請求項4に係る発明では、透光部材の前面に設けた凹凸によっても遊技球の勢いを減らすことができる。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記遊技盤(12)に形成した装着口(25a)に配設された枠状装飾体(28)と、複数の図柄を変動表示する表示部(14a)を枠状装飾体(28)の窓口(28a)を介して前側に臨ませる図柄表示装置(14)とを備え、前記枠状装飾体(28)より外側の遊技領域(20)に臨む前記貫通口(42)は装着口(28a)に連通するよう形成され、該枠状装飾体(28)に、前記透光部材(43)に連なって窓口(28a)内縁まで至る光透過部(40)が設けられることを要旨とする。
請求項5に係る発明では、枠状装飾体より外側の遊技領域から該枠状装飾体の窓口内縁まで連なるように光の透過部分(透光部材および光透過部)を設けたので、図柄表示装置における窓口内に臨む表示部での表示に連なるような発光演出を枠状装飾体の外側まで延ばすことができ、発光演出の効果を向上し得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る遊技機によれば、遊技釘を変形させることなくインパクトのある発光演出を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係る遊技盤を示す正面図であって、第1および第2可動部材が待機位置の状態で示す。
【図3】実施例に係る遊技盤を、枠状装飾体および各種入賞装置を取り外した状態で示す正面図である。
【図4】図2のA−A線での要部断面図である。
【図5】図2のB−B線での要部断面図である。
【図6】実施例に係る設置部材を示す正面図である。
【図7】実施例に係る遊技盤を示す正面図であって、第1および第2可動部材が作動位置の状態で示す。
【図8】実施例に係る遊技盤を示す要部正面図であって、第3の可動部材が作動位置の状態で示す。
【図9】実施例に係る第1発光ユニットを前側から見た分解斜視図である。
【図10】実施例に係る第1発光ユニットを後側から見た分解斜視図である。
【図11】実施例に係る第1発光ユニットの横断面図である。
【図12】実施例に係る第2発光ユニットの横断面図である。
【図13】実施例に係る遊技盤における第1透光部材の配設部位を示す要部正面図である。
【図14】実施例に係る遊技盤における第1透光部材の配設部位の要部縦断側面図である。
【図15】実施例に係る第4可動演出装置および第2発光装置を示す遊技盤の要部縦断側面図である。
【図16】実施例に係る第4可動演出装置の要部を組み立てた状態で前側から見た斜視図である。
【図17】実施例に係る第4可動演出装置の要部を組み立てた状態で後側から見た斜視図である。
【図18】実施例に係る第4可動演出装置を、各可動体を除く部品を前側から見た分解斜視図である。
【図19】実施例に係る第4可動演出装置を、各可動体を除く部品を後側から見た分解斜視図である。
【図20】実施例に係る第4可動演出装置の第1の可動体を前側から見た分解斜視図である。
【図21】実施例に係る第4可動演出装置の第1の可動体を後側から見た分解斜視図である。
【図22】実施例に係る第4可動演出装置の第2および第3の可動体を前側から見た分解斜視図である。
【図23】実施例に係る第4可動演出装置の第2および第3の可動体を後側から見た分解斜視図である。
【図24】実施例に係る第4可動演出装置の取着基部と第3の可動体との関係を示す分解斜視図である。
【図25】実施例に係る第4可動演出装置のカム部材と第1および第2の可動体との関係を示す分解斜視図である。
【図26】図30(a)におけるC−C線での要部断面図である。
【図27】図30(a)におけるD−D線での要部断面図である。
【図28】図30(c)におけるE−E線での要部断面図である。
【図29】図30(c)におけるF−F線での要部断面図である。
【図30】実施例に係る第4可動演出装置を示す正面図であって、(a)は第1の可動体が第1位置の状態で示し、(b)は第1の可動体が第1位置から第2位置に移動する途中の状態を示し、(c)は第1の可動体が第2位置に至ると共に第2および第3の可動体が突出位置に移動した状態で示す。
【図31】実施例に係る第4可動演出装置を図30(b)の状態で示す斜視図であって、(a)は前側から見たものであり、(b)は後側から見たものである。
【図32】実施例に係る第4可動演出装置が第2位置に至った状態で示す斜視図であって、(a)は前側から見たものであり、(b)は後側から見たものである。
【図33】実施例に係る第4可動演出装置を図30(c)の状態で示す斜視図であって、(a)は前側から見たものであり、(b)は後側から見たものである。
【図34】実施例に係る第4可動演出装置における第1〜第3の可動体の関係を示す説明図であって、(a)は第1の可動体が第1位置の状態で示し、(b)は第1の可動体が第1位置から第2位置に移動する途中の状態を示し、(c)は第1の可動体が第2位置に至ると共に第2および第3の可動体が突出位置に移動した状態で示す。
【図35】実施例に係る第4可動演出装置における第1案内ピンおよび第2案内ピンと第1案内溝、第2案内溝、第1案内孔、第2案内孔との関係を示す説明正面図であって、(a)は図30(a)の状態に対応し、(b)は第1の可動体が第2位置に至った状態に対応し、(c)は図30(c)の状態に対応する。
【図36】実施例に係る第4可動演出装置における第1〜第3の可動体の動作を示す説明図であって、(a)は図35(a)の状態に対応し、(b)は図35(b)の状態に対応し、(c)は図35(c)の状態に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0016】
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦向きに設置される固定枠としての矩形枠状の外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤12を着脱可能に保持する本体枠としての中枠13が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤12の後側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置14が着脱自在に取り付けられるよう構成される。また、前記中枠13の前面側には、前記遊技盤12を透視保護するガラス板等の透視保護板(図示せず)を備えた装飾枠としての前枠15が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠15の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿16が開閉可能に組み付けられる。また、前記前枠15の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿17が一体的に組み付けられており、前枠15の開閉に合わせて上球受け皿17も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記図柄表示装置14としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿17は、前記前枠15と別体に形成してもよい。
【0017】
前記中枠13の右下方位置には、該中枠13に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル18が設けられる。この操作ハンドル18を遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿17に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤12に向けて発射されるようになっている。また操作ハンドル18は、回動量に応じて打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成される。
【0018】
〔遊技盤12について〕
前記遊技盤12は、図2,図3,図4に示すように、ベニア等の木板から所定板厚の略矩形状に形成された非光透過性の板体であって、該遊技盤12の前面(盤面)に配設された略円形状に湾曲形成する案内レール19により、遊技盤12の前側にパチンコ球が流下可能な遊技領域20が画成されている。また、遊技盤12の裏面に、前記図柄表示装置14が着脱自在に取り付けられた設置部材21(後述)が配設されている。
【0019】
ここで、前記案内レール19は、図2,図3に示す如く、遊技盤12の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール22と、該外レール22の内側に配置されて、遊技盤12の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール23,24とから構成される。前記内レール23,24は、遊技盤12の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材23と、遊技盤12の下部から左上部に亘って配設されて盤面飾り部材23の下端部に連接し、前記外レール22の右方に離間して位置するレール部材24とから構成され、該外レール22およびレール部材24により1個のパチンコ球が通過可能な発射通路19aが画成されている。前記内レールを構成するレール部材24は、前記遊技盤12の左上部に開放端を臨ませるよう構成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路19aの下方開口から飛翔して、レール部材24の開放端側から遊技領域20内に打ち出されるようになっている。
【0020】
前記遊技盤12には、前後に貫通する装着口25a,25b,25c,25d,25e,25f,25gが前記遊技領域20内に複数開設されて(図3参照)、各装着口25a,25b,25c,25d,25e,25f,25gに対して各種部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域20の最下部位置には、該遊技領域20に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口26が開設されている。また遊技盤12には、前記遊技領域20内に多数の遊技釘27が植設されており、遊技領域20を流下するパチンコ球が遊技釘27に接触することでパチンコ球の流下方向を不規則に変化させると共に減勢するようになっている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤12に対して取り付けられる各種部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
【0021】
前記遊技領域20の略中央の大部分が開口する第1装着口25aに、前後に開口する窓口(開口部)28aが形成された枠状装飾体28が取り付けられ、該枠状装飾体28の窓口28aを介して前記図柄表示装置14の表示部14aが遊技盤12の前面側に臨むよう構成される。第1装着口25a(枠状装飾体28)の下方に開設された第2装着口25bに、遊技領域20(後述する第1経路20aおよび第2経路20b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞装置29が取り付けられている。また、第2装着口25bの右方に開設された第3装着口25cに、遊技領域20(第2経路20b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞装置30が配設されると共に、該第3装着口25cの上方に開設された第4装着口25dに、遊技領域20(第2経路20b)を流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞装置31が取り付けられている。更に、第4装着口25dの上方に開設された第5装着口25eに、遊技領域20(第2経路20b)を流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート32が取り付けられている。更にまた、第2装着口25bの左方に開設された第6装着口25fに、遊技領域20(第1経路20a)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1普通入賞装置33が取り付けられると共に、前記第5装着口25eの右上方に開設された第7装着口25gに、遊技領域20(第2経路20b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第2普通入賞装置34が取り付けられている(図2参照)。
【0022】
〔枠状装飾体28について〕
前記遊技盤12に配設される前記枠状装飾体28は、環状に形成された薄板状の固定板35と、該固定板35の開口内周に沿って後方へ突出する内周壁部28bと、該固定板35の開口内周に沿って設けられて、遊技盤12の前面より前方へ突出する庇部36とを備える。そして、枠状装飾体28は、遊技盤12に形成された前記第1装着口25a内に内周壁部28bを挿入した状態で、遊技盤12に固定板35が前側からネジ止めされている(図5参照)。前記固定板35、内周壁部28bおよび庇部36の夫々は一体に樹脂形成する構成であっても、別部材として形成して相互に組み付ける構成であってもよい。
【0023】
前記枠状装飾体28には、図2に示す如く、窓口28aの下側に、ステージ37が設けられると共に、窓口28aの左側に、前記遊技領域20に開口して該遊技領域20を流下するパチンコ球を取り込んでステージ37に案内する球導入部38が設けられ、該球導入部38からステージ37に通出されたパチンコ球は、ステージ37の転動面上を左右に転動した後に、前記各入賞装置29,30,33が臨む遊技領域20に排出される。
【0024】
〔庇部36について〕
前記枠状装飾体28の庇部36は、枠状装飾体28(固定板35)の左側縁の中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記図柄表示装置14の前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また庇部36は、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域20に打ち出されたパチンコ球が庇部36上で滞ることなく枠状装飾体28の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。以下の説明では、前記庇部36について、前記枠状装飾体28の最上部から左側縁に沿って下方傾斜するよう延在する部分を左傾斜庇部分36aと指称し、該枠状装飾体28の最上部から右側縁に沿って下方傾斜するよう延在する部分を右傾斜庇部分36bと指称して便宜上区別することもある(図5参照)。
【0025】
すなわち、前記遊技盤12に画成された遊技領域20には、前記枠状装飾体28の左側方をパチンコ球が流下する第1経路20a、および該枠状装飾体28の右側方をパチンコ球が流下する第2経路20bが設けられており、前記庇部36の左傾斜庇部分36aに到来したパチンコ球が第1経路20aを流下し、該庇部36の右傾斜庇部分36bに到来したパチンコ球が第2経路20bを流下するようになっている。換言すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球は、遊技領域20内における到達位置に応じて前記枠状装飾体28およびレール部材24(内レール)の間に形成される第1経路20aか、或いは枠状装飾体28および盤面飾り部材23(内レール)の間に形成される第2経路20bの何れかを流下する。
【0026】
〔枠状装飾体28の光透過部40,41について〕
前記枠状装飾体28は、全体が光透過性の合成樹脂材等から形成されると共に、所要部位に、メッキを施したり、あるいは非光透過性の装飾部品39を配設する等の非光透過処理を施すことで、該非光透過処理が施されていない部位が、後述する発光装置60,68のLED64a,70aから照射される光によって照明される光透過部40,41として機能するよう構成される。実施例では、窓口28aの左側縁部(第1経路20a)に沿って所要長さで第1光透過部40が設けられると共に、窓口28aの右側縁部(第2経路20b)に沿って所要長さで第2光透過部41が設けられ、これら第1光透過部40および第2光透過部41は前記第1装着口25aの内側に位置して裏側は遊技盤12で塞がれていない(図5参照)。そして、後述する設置部材21に配設された第1発光装置60および第2発光装置68から照射される裏側からの光によって、対応する光透過部40,41が明輝されて、窓口28a内の表示部14aで展開される図柄変動演出の興趣を向上し得るよう構成される。
【0027】
〔第1光透過部40について〕
前記第1光透過部40には、図2に示す如く、枠状装飾体28における上下方向の略中間部に、該枠状装飾体28に配設されて上下に離間する非光透過性の前記装飾部品39,39により、上側の装飾部品39より上側の第1光透過部40および下側の装飾部品39より下側の第1光透過部40とは区画された状態で第1中央光透過部40aが形成されている。実施例では、装飾部品39自体にも光透過部が形成されており、窓口28aの左縁に沿って光透過部と非光透過部とが混在して、全体として興趣のある装飾が形成されているが、第1中央光透過部40aについては、前記窓口28aの内縁から左傾斜庇部分36aの外縁までに亘って上下方向に所定幅で光透過部分が横方向に連なるよう構成してある。
【0028】
〔第1透光部材43について〕
前記遊技盤12における第1経路20aと対応する位置に、図3に示す如く、前記レール部材24より内側から第1装着口25aまで延在する前後に貫通する貫通口42が形成され、該貫通口42は第1装着口25aに連通している。前記枠状装飾体28には、図5,図13,図14に示す如く、前記内周壁部28bを第1装着口25aに嵌め込んだ状態で、前記貫通口42を前側から塞ぐ第1透光部材43が設けられている。この第1透光部材43は、前記第1中央光透過部40aに連なるように構成され、これによって枠状装飾体28より外側の第1経路20aから窓口28aの内縁までに亘って、裏側からの光が透過可能な光透過部分が直線的に形成される。そして、第1透光部材43および第1中央光透過部40aが、後述する第1経路用発光装置67によって遊技盤12の裏側から照明されるようになっている。
【0029】
前記第1透光部材43は、前記固定板35を部分的に左方に延出して形成されたものであって、該第1透光部材43も薄板状になっている。また第1透光部材43の外周縁に、図13,図14に示す如く、外側に向けて後方傾斜する傾斜縁部43aが形成されており、前記第1経路20aを流下するパチンコ球の遊技盤12の前面から第1透光部材43への移行、および第1透光部材43から遊技盤12の前面への移行をスムーズに行ない得るよう構成してある。なお、第1透光部材43は、固定板35とは別体で形成したものであってもよい。
【0030】
〔減勢壁43bについて〕
前記第1透光部材43には、図5,図13に示す如く、左右方向に離間して一対の減勢壁(減勢部)43b,43bが前方に向けて突設されている。減勢壁43b,43bは、第1透光部材43に一体に形成されたものであって、該減勢壁43b,43bも光透過性を有している。一対の減勢壁43b,43bは、パチンコ球を1個通過可能な幅で離間し、両減勢壁43b,43b間にパチンコ球が通過可能な中間球通過路44を画成してある。また一対の減勢壁43b,43bは、平行状態で左右方向に複数回湾曲するよう形成されており、これにより中間球通過路44も左右方向に湾曲するよう構成される。すなわち、中間球通過路44をパチンコ球が通過する際に、該パチンコ球が減勢壁43b,43bに接触する機会を多くし得るようにして、該パチンコ球の勢いを確実に減勢し得るようになっている。また、左側の減勢壁43bとレール部材24との間に左中間球通過路44aが画成されると共に、右側の減勢壁43bと左傾斜庇部分36aとの間に右中間球通過路44bが画成され、これら左右の中間球通過路44a,44bも、パチンコ球を1個通過可能な幅に設定されている。なお、右中間球通過路44bを画成する左傾斜庇部分36aの減勢壁43bと対向する側面は、該減勢壁43bに倣うように左右方向に複数回湾曲するよう形成してある。
【0031】
前記第1経路20aには、第1透光部材43の配設位置を挟む上側に、多数の遊技釘27によって上部球通過路45が画成されると共に、該第1透光部材43の配設位置を挟む下側に、多数の遊技釘27によって下部球通過路46が画成される。そして、図13に示す如く、上部球通過路45の球出口と、前記一対の減勢壁43b,43bで画成される中間球通過路44の球入口とが上下の関係で略整合すると共に、該中間球通過路44の球出口と、下部球通過路46の球入口とが上下の関係で略整合するよう構成される。すなわち、上部球通過路45から通出したパチンコ球は、中間球通過路44を通って下部球通過路46に通入するよう構成され、パチンコ球が下部球通過路46を構成する遊技釘27に接触する前に該パチンコ球の勢いを前記減勢壁43b,43bとの接触によって弱め得るようになっている。また、前記左中間球通過路44aおよび右中間球通過路44bを通るパチンコ球についても、一方の減勢壁43b,レール部材24または左傾斜庇部分36aに接触することで減勢して、第1透光部材43より下側に植設した遊技釘27に接触する際のパチンコ球の勢いを弱め得るようになっている。
【0032】
前記第1透光部材43における中間球通過路44に対応する前面には、上下に離間して複数の凸部43cが形成されて、中間球通過路44に対応する前面は凹凸形状になっている。すなわち、第1透光部材43の前面を転動するパチンコ球は、凸部43cに接触することでも減勢されるよう構成される。凸部43cにおける第1透光部材43の前面からの突出寸法は、凸部43cに接触したパチンコ球が前記前枠15のガラス板に接触することのない値に設定される。
【0033】
〔第2光透過部41について〕
前記第2光透過部41には、図2に示す如く、枠状装飾体28における上下方向の略中間部に、該枠状装飾体28に配設されて上下に離間する非光透過性の前記装飾部品39,39により、上側の装飾部品39より上側の第2光透過部41および下側の装飾部品39より下側の第2光透過部41とは区画された状態で第2中央光透過部41aが形成されている。第2中央光透過部41aを区画する装飾部品39は、前記第1中央光透過部40aを区画する装飾部品39と同様に光透過部が形成されており、窓口28aの右縁に沿って光透過部と非光透過部とが混在して、全体として興趣のある装飾が形成されているが、第2中央光透過部41aについては、前記窓口28aの内縁から右傾斜庇部分36bの外縁までに亘って上下方向に所定幅で光透過部分が横方向に連なるよう構成してある。また第2中央光透過部41aは、図2に示す如く、前記第1中央光透過部40aと左右方向に略整列するように形成されている。
【0034】
〔第2透光部材47について〕
前記第1装着口25aは、図3に示す如く、前記盤面飾り部材23の内縁近傍まで形成されており、該第1装着口25aに前記枠状装飾体28を取り付けた状態で、該盤面飾り部材23と前記右傾斜庇部分36bとの間に位置する平板状の前記固定板35の前側に、前記第2経路20bが画成されるようになっている。以下の説明では、第2経路20aを画成する固定板については、通路用固定板35aと指称して便宜上区別することもある。そして、通路用固定板35aは、図5に示す如く、外周端の所定幅を除く内側部分が第1装着口25aの内側に位置して裏側は遊技盤12で塞がれておらず、裏側からの照明が可能に構成されている。
【0035】
前記通路用固定板35aには、前記第2中央光透過部41aと左右方向に整列する部位に、第2経路20bを横切るように第2透光部材47が設けられている。この第2透光部材47は、通路用固定板35aの一部を構成するものであって、該第2透光部材47を挟む上下の通路用固定板35aについては、非光透過処理が施されて、該第2透光部材47のみが光透過部分となっている。また第2透光部材47は、図2,図8に示す如く、前記第2中央光透過部41aに連なるように構成され、これによって枠状装飾体28より外側の第2経路20bから窓口28aの内縁までに亘って、裏側からの光が透過可能な光透過部分が直線的に形成される。そして、第2透光部材47および第2中央光透過部41aが、後述する第2経路用発光装置70によって遊技盤12の裏側から照明されるようになっている。すなわち、実施例の遊技盤12では、枠状装飾体28の窓口28aを挟む左右両側に、第1経路20aおよび第2経路20bを横切るように延在する光透過部分(第1透光部材43、第1中央光透過部40a、第2透光部材47、第2中央光透過部41a)が横方向に直線的に形成される。なお、第2透光部材47は、固定板35とは別体で形成したものであってもよい。
【0036】
〔設置部材21について〕
前記遊技盤12の裏面には、図4,図6に示す如く、前記図柄表示装置14が裏側に着脱可能に配設されると共に、後述する可動演出装置M1,M2,M3,M4や複数の発光装置60,67,68,70等の遊技部品が前側に配設される合成樹脂材で形成された設置部材21が配設され、設置部材21を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また設置部材21には、前記枠状装飾体28の窓口28aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部21aが前後に開口するよう開設され、該開口部21aおよび窓口28aを介して図柄表示装置14の表示部14aを遊技盤12の前側から視認し得るよう構成される。実施例では、設置部材21の開口部21aは、上辺、下辺、左辺および右辺で画成される略4角形状に開口しており、図柄表示装置14の表示部14aは開口部21aから視認可能な領域となることから、該開口部21aの縁部が表示部14aの外縁となっている。
【0037】
図6に示すように、前記設置部材21は、前記遊技盤12に対向する略矩形状の対向面部48と、該対向面部48の周縁部から前方に延出する外周壁部49とから前方に開放する箱状に形成され、全体が透明の部材で構成されている。前記外周壁部49の前端部には、設置部材21の開口外側へ延出する設置固定部50が複数形成されている。そして、設置固定部50を遊技盤12の裏面に当接した状態で、各設置固定部50を遊技盤12にネジ止めすることで、設置部材21が遊技盤12に着脱自在に取り付けられる。前記対向面部48には、上下および左右幅の大部分が開口する大型の前記開口部21aが形成されている。以下の説明において、対向面部48における開口部21aに対する上下左右に位置する部分について、上対向面部48a、下対向面部48b、左対向面部48c、右対向面部48dと夫々指称するものとする。
【0038】
前記遊技盤12の裏側に設置部材21を取り付けた状態で、該設置部材21の対向面部48と遊技盤12との間に所要の設置空間が画成される(図4参照)。設置部材21の対向面部48には、図4および図6に示す如く、左対向面部48cに第1可動演出装置(可動演出装置)M1が配設されると共に、右対向面部48dに第2可動演出装置(可動演出装置)M2および第3可動演出装置M3が配設される。第1可動演出装置M1および第2可動演出装置M2は、遊技盤12の盤面に沿う方向で左右に離間すると共に、該第1可動演出装置M1および第2可動演出装置M2は、設置部材21と遊技盤12との間に画成される設置空間に夫々収容される。また第3可動演出装置M3についても、設置空間に収容され、実施例では第3可動演出装置M3に第4可動演出装置(可動演出装置)M4が配設されている。
【0039】
〔第1可動演出装置M1について〕
図4,図5,図6に示すように、前記第1可動演出装置M1は、前記設置部材21に取り付けられる第1支持部材51と、該第1支持部材51の前側に支持されて遊技盤12の盤面に沿って所要の動作を行ない得る第1の可動部材(可動部材)52とを備える。第1の可動部材52は、前記第1支持部材51に長手方向の一端部(下端部)で揺動可能に支持される第1可動基部53と、該第1可動基部53に対して長手方向に移動自在に配設される一対の非光透過性の第1装飾体54,54とから構成され、該第1の可動部材52は、後述する駆動機構により左右方向に揺動するよう構成される。第1支持部材51は、設置部材21の左対向面部48cに着脱自在にネジ止め固定されて、該第1支持部材51に支持されている第1の可動部材52は、通常時には設置部材21の左開口端に沿って上下方向に延在する姿勢(図6参照)となる待機位置に保持される。
【0040】
実施例では、図5に示す如く、前記第1の可動部材52が待機位置にある状態において、該第1の可動部材52の前側に前記枠状装飾体28における第1光透過部40(第1中央光透過部40a)が位置するよう構成されている。また第1の可動部材52は、後述する作動位置において前記窓口28aの対応する左端縁部から図柄表示装置14における表示部14aの中央側に延出し(図7参照)、待機位置と作動位置との間を遊技盤12の盤面に沿って移動するよう構成される。更に、待機位置の第1の可動部材52と遊技盤12の裏面との間には第1の隙間(隙間)S1が画成されるよう構成され、該第1の隙間S1を介して後述する第1発光装置60からの光が第1光透過部40に照射可能に構成されている。
【0041】
前記第1可動基部53には、待機位置において前記第1中央光透過部40aと対向する部位に、内蔵した図示しない発光体としてのLEDによって面発光する第1面発光部53aが設けられ、該面発光部53aを面発光することで、第1中央光透過部40aを裏側から照明し得るよう構成される。また、第1可動基部53に配設される前記一対の第1装飾体54,54は、図示しないソレノイド等の駆動体によって相互に近接・離間移動するよう構成され、両第1装飾体54,54が相互に近接した際に、前記第1面発光部53aの前側を覆うと共に、離間した際に第1面発光部53aを前側に露出するよう構成されている。
【0042】
〔第2可動演出装置M2について〕
図4,図5,図6に示すように、前記第2可動演出装置M2の基本的な構成は、前記第1可動演出装置M1と同じであって、前記設置部材21に取り付けられる第2支持部材55と、該第2支持部材55の前側に支持されて遊技盤12の盤面に沿って所要の動作を行ない得る第2の可動部材(可動部材)56とを備える。第2の可動部材56は、前記第2支持部材55に長手方向の一端部(下端部)で揺動可能に支持される第2可動基部57と、該第2可動基部57に対して長手方向に移動自在に支持される一対の非光透過性の第2装飾体58,58とから構成され、該第2の可動部材56は、後述する駆動機構により左右方向に揺動するよう構成される。第2支持部材55は、設置部材21の右対向面部48dに着脱自在にネジ止め固定されて、該第2支持部材55に支持されている第2の可動部材56は、通常時には設置部材21の右開口端に沿って上下方向に延在する姿勢(図6参照)となる待機位置に保持されている。
【0043】
実施例では、図5に示すように、前記第2の可動部材56が待機位置にある状態において、該第2の可動部材56の前側に前記枠状装飾体28における第2光透過部41(第2中央光透過部41a)が位置するよう構成されている。また第2の可動部材56は、後述する作動位置において前記窓口28aの対応する右端縁部から図柄表示装置14における表示部14aの中央側に延出し(図7参照)、待機位置と作動位置との間を遊技盤12の盤面に沿って移動するよう構成される。更に、待機位置の第2の可動部材56と遊技盤12の裏面との間には第2の隙間(隙間)S2が画成されるよう構成され、該第2の隙間S2を介して後述する第2発光装置68からの光が第2光透過部41に照射可能に構成されている。なお、実施例では、第1の可動部材52および第2の可動部材56の待機位置において、第1の可動部材52の全体が窓口28a内に露出しない状態であるのに対し、第2の可動部材56については一部が窓口28a内に露出した状態となっているが(図2参照)、該第2の可動部材56についても全体が窓口28a内に露出しない状態としてもよい。
【0044】
前記第2可動基部57には、待機位置において前記第2中央光透過部41aと対向する部位に、内蔵した図示しない発光体としてのLEDによって面発光する第2面発光部57aが設けられ、該面発光部57aを面発光することで、第2中央光透過部41aを裏側から照明し得るよう構成される。また第2可動基部57に配設される前記一対の第2装飾体58,58は、図示しないソレノイド等の駆動体によって相互に近接・離間移動するよう構成され、両第2装飾体58,58が相互に近接した際に、前記第2面発光部57aの前側を覆うと共に、離間した際に第2面発光部57aを前側に露出するよう構成されている。
【0045】
〔第1および第2可動演出装置M1,M2の駆動機構について〕
前記設置部材21における上対向面部48aには、前記第1の可動部材52および第2の可動部材56を左右方向に揺動する駆動機構(図示せず)が配設されている。この駆動機構は、前記第1可動基部53の上端部に回動自在に連結した第1作動部と、前記第2可動基部57の上端部に回動自在に連結した第2作動部とを備え、モータに連繋されたラック−ピニオン等の動作伝達機構によって両作動部を相互に近接・離間移動することで、第1の可動部材52および第2の可動部材56は、対応する支持部材51,55との支持部を支点として上端部側が相互に近接する作動位置(図7参照)と、相互に離間する待機位置(図6参照)との間を左右方向に揺動するよう構成される。
【0046】
〔第1発光装置60について〕
前記左対向面部48cに配設した前記第1支持部材51に、図4,図5に示す如く、前記枠状装飾体28における窓口28aを画成する左縁部に沿って延在する前記第1光透過部40を裏側から照明する第1発光装置(発光装置)60が配設される。第1発光装置60は、第1支持部材51の前面に配設されて上下方向に離間する複数(実施例では2つ)の第1発光ユニット61で構成される。各第1発光ユニット61の基本的な構成は同一であるので、図6において下側に位置する第1発光ユニット61の構成について説明し、上側に位置する第1発光ユニット61の同一部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
【0047】
図9,図10,図11に示す如く、前記第1発光ユニット61は、前記第1支持部材51に配設される非光透過性の基台部62と、該基台部62に着脱自在に配設されるカバー体63と、該カバー体63と基台部62とで画成される収容室に収容される発光基板64およびリフレクタ65とを備える。発光基板64は、上下方向に長手が延在する矩形状に形成され、該発光基板64の前面には、複数(実施例では3つ)の発光体としてのLED64aが上下方向に離間して実装されている。前記基台部62の前面には、上下に離間して一対の第1支持突部62a,62aが突設されると共に、該第1支持突部62a,62aより左側(枠状装飾体28の窓口28aから離間する側)に上下に離間して一対の第2支持突部62b,62bが突設されている。そして、これら4つの支持突部62a,62a,62b,62bによって、前記発光基板64は、LED64aが実装される前面が前方斜め右側に向けて傾斜する姿勢(LED64aの光が第1光透過部40に向けて斜め後方から照射される傾斜姿勢)で支持される。なお、第2支持突部62b,62bには、後述する区画部材66を基台部62に固定するためのネジ用通孔62cが夫々形成されている。
【0048】
前記発光基板64の前側に配設される前記リフレクタ65に、発光基板64に実装した各LED64aを臨ませる通孔65aが形成されると共に、該リフレクタ65の前面には、各通孔65aの縁部から前方に離間するにつれて外側に変位する反射面65bが形成されている。リフレクタ65は、非光透過性の材料で形成されると共に、表面は光を効率的に反射し得る色(実施例では白色)に設定されている。すなわち、通孔65aに臨ませたLED64aを発光した際には、反射面65bによって光を効率的に前方に向けて反射し得るようになっている。リフレクタ65の裏面には、図10に示す如く、上下方向に離間して複数の位置決めピン65cが突設されており、該位置決めピン65cを発光基板64に形成した位置決め孔64bに嵌挿することで、発光基板64とリフレクタ65とは、各LED64aが対応する通孔65aに臨む状態で位置決めされる。また、リフレクタ65の右端縁には、前記第1支持突部62a,62aが嵌まる切欠部65d,65dが設けられ、該切欠部65d,65dに第1支持突部62a,62aを嵌めることで、リフレクタ65の基台部62に対する上下方向の位置決めがなされるようになっている。
【0049】
前記カバー体63は、透明な材料で後方に開放する箱状に形成されたものであって、該カバー体63の内部に発光基板64およびリフレクタ65を収容して開放端(後端)を基台部62に当接するように組み付けた状態で、右斜め前側を向く傾斜壁63aを備える。そして、該傾斜壁63aがリフレクタ65の前面に当接することで、該リフレクタ65および発光基板64は、図11に示す如く、前記基台部62の支持突部62a,62bと該傾斜壁63aとで挟持されて、前記傾斜姿勢に保持されるようになっている。すなわち、実施例では基台部62の第1支持突部62a,62a、第2支持突部62b,62bおよびカバー体63の傾斜壁63aとで、発光基板64を傾斜姿勢に保持する支持手段が構成されている。
【0050】
前記基台部62には、前記発光基板64、リフレクタ65およびカバー体63を収容した状態で、該基台部62に区画部材66がネジ止め固定されている。この区画部材66は、非光透過性の材料から後方に開放する箱状に形成されたものであって、前記各第2支持突部62bに形成したネジ用通孔62cに挿通したネジを、区画部材66に形成した対応するネジ孔に螺挿することで、基台部62と区画部材66とで発光基板64、リフレクタ65およびカバー体63を挟持して位置決めしている(図11参照)。また区画部材66には、リフレクタ65の各反射面65bの外周に対応する形状・寸法で開口部66aが夫々形成されており、前記LED64aからの光および反射面65bで反射した光は、区画部材66の開口部66aから外方に照射されるよう構成される。
【0051】
前記基台部62を介して第1支持部材51の前側に配設された第1発光ユニット61では、図4,図5に示す如く、前記待機位置の第1の可動部材52を挟んで窓口28aの中央とは反対側に区画部材66が位置し、該区画部材66の開口部66aが、第1の可動部材52と第1光透過部40との間に形成される前記第1の隙間S1を向くよう構成される。すなわち、発光基板64のLED64aからの光が、待機位置の第1の可動部材52で遮られることなく第1光透過部40に対して左斜め後方から照射されるようになっている。
【0052】
ここで、前記第1支持部材51は透明な材料で形成されている。また、第1支持部材51の前側には、図6に示す如く、2つの第1発光ユニット61,61が、上下方向に離間して配設されて、両発光ユニット61,61の間で第1支持部材51が露出する露出部51aが設けられている。そして、第1支持部材51の内部における前記露出部51aと対応する位置に第1経路用発光装置(発光装置)67が配設され(図5,図14参照)、該発光装置67に設けた発光体としてのLED67aを発光することで、露出部51aを裏側から照明し得るようになっている。第1支持部材51における露出部51aは、前記第1透光部材43の後側に位置しており、該露出部51aを透過した光によって第1透光部材43を照明し得るよう構成される。なお、露出部51aには光拡散加工が施されて、第1透光部材43および露出部51aを透かして第1支持部材51の内部を前側から視認し難くしてある。
【0053】
〔第2発光装置68について〕
前記右対向面部48dに配設した前記第2支持部材55に、前記枠状装飾体28における窓口28aを画成する右縁部に沿って延在する前記第2光透過部41を裏側から照明する第2発光装置(発光装置)68が配設される。第2発光装置68は、2つの第2発光ユニット69,69で構成される。図12に示す第2発光ユニット69の基本的な構成は、前記第1発光ユニット61と同一であるので、詳細説明は省略すると共に、既出の同一部材には同じ符号を付すものとする。但し、第2発光ユニット69については、該第2発光ユニット69を基台部62を介して第2支持部材55の前側に配設した状態で、図6に示す如く、前記待機位置の第2の可動部材56を挟んで窓口28aの中央とは反対側に区画部材66が位置し、該区画部材66の開口部66aが、第2の可動部材56と第2光透過部41との間に形成される前記第2の隙間S2を向くよう構成される。すなわち、第2発光ユニット69を構成する発光基板64のLED64aからの光が、待機位置の第2の可動部材56で遮られることなく第2光透過部41に対して左斜め後方から照射されるようになっている。なお、第2支持部材55に第2発光ユニット69を配設した状態でのカバー体63における傾斜壁63aの傾斜角度は、第2の可動部材56および第2光透過部41との関係で設定されており、実施例では第1発光ユニット61のカバー体63の傾斜壁63aの傾斜角度とは異なっている。
【0054】
ここで、前記第2支持部材55は透明な材料で形成されている。また、第2支持部材55の前側には、図6に示す如く、2つの第2発光ユニット69,69が、上下方向に離間して配設されて、両発光ユニット69,69の間で第2支持部材55が露出する露出部55aが設けられている。そして、第2支持部材55の内部における前記露出部55aと対応する位置に第2経路用発光装置(発光装置)70が配設され(図5参照)、該発光装置70に設けた発光体としてのLED70aを発光することで、露出部55aを裏側から照明し得るようになっている。第2支持部材55における露出部55aは、前記第2透光部材47の後側に位置しており、該露出部55aを透過した光によって第2透光部材47を照明し得るよう構成される。なお、露出部55aには光拡散加工が施されて、第2透光部材47および露出部55aを透かして第2支持部材55の内部を前側から視認し難くしてある。
【0055】
〔第3可動演出装置M3について〕
前記第3可動演出装置M3は、前記第2支持部材55の内部に配設した図示しない駆動機構により、前記第2の可動部材56の後方で上下動する第3の可動部材71を備える。第3の可動部材71は、駆動機構に連繋して第2支持部材55から左方(窓口28a側)に水平に延出する腕状の部材からなり、該第3の可動部材71の前面には、左右方向に所定長さで延在するレンズ部71aが設けられ、可動部材内部に配設した発光基板に実装したLED(何れも図示せず)を発光することで、レンズ部71aが明輝するよう構成される。そして、第3の可動部材71は、前記枠状装飾体28における窓口28aの上縁部に配設した装飾意匠体72の裏側に隠れる待機位置と、この待機位置から下方に変位してレンズ部71aが前記第2中央光透過部41aに左右方向で整列する作動位置との間を往復移動するよう構成される。すなわち、第3の可動部材71が待機位置に移動した状態では、図8に示す如く、枠状装飾体28の第2透光部材47、第2中央光透過部41aおよび第3の可動部材71のレンズ部71aが、左右方向に直線的に連なるよう構成される。
【0056】
〔第4可動演出装置M4について〕
前記第3の可動部材71の先端に、第4可動演出装置(可動演出装置)M4が一体的に移動するよう配設され、該第4可動演出装置M4は、第3の可動部材71の待機位置において前記装飾意匠体72の裏側に隠れると共に、作動位置において前記窓口28aの中央部近傍に臨むようになっている(図8,図15参照)。この第4可動演出装置M4は、図18,図19に示す如く、ベース部材73と、該ベース部材73に回転自在に支持され、駆動手段としてのモータ74によりベース部材73に対して相対的に正逆回転される作動部材75と、該作動部材75に配設した複数の可動体76,77,78とから基本的に構成される(可動体76,77,78については、図20〜図23参照)。
【0057】
〔ベース部材73について〕
前記ベース部材73は、図18,図19に示す如く、前記第3の可動部材71の先端に配設固定された取着基部79と、該取着基部79の前側に組み付けられるモータ支持部材80と、該モータ支持部材80の前側に組み付けられるカム部材81とを備える。取着基部79、モータ支持部材80およびカム部材81は、略同一径の円盤状に形成され、ベース部材73の外形が、第4可動演出装置M4の外形を形成している。取着基部79の中央部には、図24に示す如く、前方に向けて筒状受部79aが突設され、該筒状受部79aに、第3の可動体78に配設した後述する係合部品108の軸部108bが回転自在に挿通支持される。また取着基部79の前面には、筒状受部79aを中心とする同心円上に、周方向に離間して複数(実施例では4つ)の後係合突部(第2の傾斜案内部)82が突設されている。各後係合突部82は、筒状受部79aを中心とする円弧状に形成され、係合部品108の回転に伴い後述する前係合突部109が摺接移動するよう構成される。また、後係合突部82の周方向の一端側の前面には、取着基部79の前面から前方に向かうにつれて周方向に変位する傾斜案内面82aが形成されている。なお、4つの後係合突部82における傾斜案内面82aは、全て同じ端側に同一向きで形成されている。
【0058】
前記モータ支持部材80には、中央部に前後方向に貫通する貫通口80aが形成されており、図17に示す如く、該貫通口80aに前記係合部品108が挿通されて、該係合部品108の軸部108bを前記筒状受部79aに前側から挿入し得るよう構成される。また、モータ支持部材80の裏面に前記モータ74が配設され、該モータ74の出力軸に配設されて回転駆動される駆動歯車83は、モータ支持部材80の前側に臨んでいる。更に、モータ支持部材80の前面には、位置センサ84が配設されている。なお、前記取着基部79には、モータ支持部材80に配設したモータ74と対応する位置にモータ用通孔79bが穿設されており、取着基部79にモータ支持部材80を組み付けた際に、モータ74の後部がモータ用通孔79bに挿通されるよう構成される。
【0059】
前記カム部材81は、透明な合成樹脂材で環状に形成されたものであって、図26〜図29に示す如く、該カム部材81の裏面に、発光基板85が配設されている。この発光基板85の前面には複数の発光体としてのLED85aが実装されており、該LED85aを発光することで、前記カム部材81を裏側から照明し得るよう構成される。カム部材81の裏面には、該カム部材81に形成した前後方向に貫通する中心通孔81aに近接して従動歯車86が回転自在に配設され、該従動歯車86に、前記駆動歯車83が噛合している。
【0060】
前記カム部材81の前面には、図25に示す如く中心通孔(回転中心部)81aより外側から放射状に延びる第1案内溝(第2案内部)87が、周方向に離間して複数(実施例では6本)形成されている。またカム部材81の前面には、周方向に隣り合う第1案内溝87,87の間の夫々に、中心通孔(回転中心部)81aより外側から放射状に延びる第2案内溝(第4案内部)88が形成されている(実施例では、第2案内溝88も6本形成されている)。第1案内溝87および第2案内溝88の形状は全て同一であって、中心通孔81a側から外周に向かうにつれて周方向(作動部材75の回転方向)に変位する弧状に形成され、実施例では両案内溝87,88は中心通孔81aを中心とした放射曲線状に延在している。また、第1案内溝87の外周端部側に、作動部材75の回転軸を中心とする弧状で前方に開放する第1同心案内溝(第1同心案内部)89が接続するように設けられると共に、第2案内溝88の外周端部側に、作動部材75の回転軸を中心とする弧状で前方に開放する第2同心案内溝(第2同心案内部)90が設けられている。そして、第1案内溝87および第1同心案内溝89に、第1の可動体76に設けた後述する第1案内ピン97が摺動自在に係合すると共に、第2案内溝88および第2同心案内溝90に、第2の可動体77に設けた後述する第2案内ピン101が摺動自在に係合するよう構成される(図25,図29,図35参照)。
【0061】
図27,図29,図36に示す如く、前記第1案内溝87および第1同心案内溝89の深さ(前端開口と対向する底面までの前後方向の長さ)は、これら2つの案内溝87,89で案内される第1案内ピン97が底面に接触しない寸法に設定され、2つの案内溝87,89を第1案内ピン97が移動する際には対応する第1の可動体76が前後方向(軸方向)に変位しないよう構成される。これに対し、前記第2同心案内溝90の底面には、第2案内溝88との接続部から離間するにつれて底面が前方に変位するように傾斜する傾斜案内部90aが形成されている(図36参照)。そして、第2同心案内溝90で案内される第2案内ピン101の端部が、傾斜案内部90aに当接した状態で移動することで、後述するように第2の可動体77が第2案内ピン101と共に前後方向(軸方向)に変位するよう構成される(図28参照)。なお、第2案内ピン101が案内される前記第2案内溝88の深さは、第1案内溝87と略同じに設定され、第2案内ピン101は第2案内溝88の底面に接触しつつ移動するよう構成される。
【0062】
〔作動部材75について〕
前記作動部材75は、図18,図19に示す如く、透明な合成樹脂材で略円盤状に形成された前盤91および後盤92を前後に組み付けて構成され、該作動部材75の外形は、前記ベース部材73の外形と略同一に設定されている。後盤92には、回転中心部から放射状に延び、かつ前後方向に貫通する第1案内孔(第1案内部)92aが、前記ベース部材73に形成された第1案内溝87と同数で形成されている。また後盤92には、周方向に隣り合う第1案内孔92a,92aの間に、回転中心部から放射状に延び、かつ前後方向に貫通する第2案内孔(第3案内部)92bが夫々形成されており、該第2案内孔92bは、ベース部材73に形成された第2案内溝88と同数だけ形成されている。これら第1案内孔92aおよび第2案内孔92bは、径方向に直線的に延在するよう形成されると共に、第2案内孔92bについては、後盤92の外周端で外方へ開放している。
【0063】
前記後盤92の前面に前盤91を組み付けることで、両盤91,92の間に、後述する第1スライダ96を第1案内孔92aに沿って摺動自在に支持すると共に、後述する第2スライダ102を第2案内孔92bに沿って摺動自在に支持するよう構成される。また、後盤92の前面に前盤91を組み付けた状態で、両盤91,92の間には、第1案内孔92aを挟む周方向の両側に第1ガイド溝92c,92cが形成されると共に、第2案内孔92bを挟む周方向の両側に第2ガイド溝92d,92dが形成される(図16参照)。そして、第1スライダ96の後述する鍔部96bが第1ガイド溝92c,92cに摺動自在に支持されることで、該第1スライダ96の前後方向(軸方向)への移動規制がなされるよう構成される。また、第2スライダ102の後述する鍔部102bが第2ガイド溝92d,92dに摺動自在に支持されることで、該第2スライダ102の前後方向(軸方向)への移動規制がなされるよう構成される。更に、前盤91には、後盤92の第1案内孔92aおよび第2案内孔92bの夫々と対応する位置に、回転中心部から放射状に延び、前後方向に貫通すると共に径方向外方に開放する長孔91a,91bが形成され、各長孔91a,91bからスライダ96,102の前面が前方に臨むよう構成されている。
【0064】
前記前盤91および後盤92には、回転中心部に同一形状の中心通孔91c,92eが前後方向に貫通して形成されている。この中心通孔91c,92eは、図18,図19に示す如く、非円形状に形成されている。そして、これら中心通孔91c,92eと同一形状に形成した前突部93aが前面に突設された位置決め部品93が、該前突部93aを両中心通孔91c,92eに後側から嵌挿した状態で後盤92にネジ止め固定されて、前盤91および後盤92は、前記案内孔92a,92bおよび長孔91a,91bが前後に整合する状態で位置決めされる。この位置決め部品93の後面に、後突部93bが突設され、該後突部93bが前記カム部材81の中心通孔81aに回転自在に挿通されている。また、後突部93bにおけるカム部材81の中心通孔81aの後側に臨む後面に、ギヤ部材94がネジ止め固定され、これによってカム部材81に対して作動部材75が軸方向への移動が規制された状態で回転自在に組み付けられている。なお、位置め部品93の前突部93aには、非円形状の中心凹部95が前方に開放するよう形成され、該中心凹部95に後述する第3の可動体78の回転規制部材106を挿入することで、該第3の可動板78の回転を規制するよう構成される。また位置め部品93の回転中心には、後突部93bの後側に開放する挿通孔95aが中心凹部95に連通するよう形成されている。
【0065】
前記ギヤ部材94に設けた歯部94aが、前記カム部材81に配設した前記従動歯車86に噛合し、前記モータ74により従動歯車86を正逆方向に回転することで、カム部材81に対して作動部材75が正逆方向に回転するよう構成される。またギヤ部材94には、径方向外方に延出する検出片94bが設けられ、該検出片94bが、前記位置センサ84で検出可能に構成される。なお、実施例では図30(a)に示すように第4可動演出装置M4の正面視において時計方向を正転方向と指称し、反時計方向を逆転方向と指称するものとする。
【0066】
〔第1の可動体76について〕
前記作動部材75には、図26〜図29に示す如く、第1の可動体(前表示体)76が前記各第1案内孔92aに沿って移動自在に支持されると共に、第2の可動体(後表示体,分割表示体)77が前記各第2案内孔92bに沿って移動自在に支持されている。第1の可動体76は、図20,図21に示す如く、円盤を6分割した扇形に形成され、該第1の可動体76の裏側に第1スライダ96が配設されると共に、該第1スライダ96から後方に突設するように第1案内ピン(係合部)97が設けられる。第1スライダ96は、前記前盤91の長孔91aに摺動自在に挿通可能な本体96aの後端縁に、外方に延出する鍔部96bが形成され、該第1スライダ96は、作動部材75の内部(前盤91と後盤92との間)に、鍔部96bが前記第1ガイド溝92c,92cに位置すると共に本体96aが前記長孔91aに位置する状態で移動自在に組み付けられて、該第1スライダ96は前記第1案内孔92aに沿って移動し得るよう構成される。そして、第1スライダ96の前面に、第1間隔保持部材98を介して第1の可動体76が配設されて、前記前盤91の前面と第1の可動体76との間に、第2の可動体77および第3の可動体78を収容可能な隙間を画成するよう構成される(図27参照)。
【0067】
前記第1スライダ96から後方に突出する第1案内ピン97が、図27に示す如く、前記後盤92の第1案内孔92aに摺動自在に挿通されると共に後方に所要長さ延出している。また、第1案内ピン97における作動部材75(後盤92)から後方に突出する端部が、前記カム部材81の第1案内溝87に摺動自在に係合するよう構成される。すなわち、前記ベース部材73に対して作動部材75が回転することで第1案内孔92aと第1案内溝87との相対的な位置変位に伴って、図35に示す如く、該第1案内孔92aと第1案内溝87との交点に沿って第1案内ピン97が移動し、これによって第1の可動体76は作動部材75に対して放射方向に進退移動するよう構成される(図30(a),(b),(c),図31,図32,図33参照)。第1案内ピン97は円柱状に形成され、第1案内溝87および第1同心案内溝89に対してスムーズに摺動し得るよう構成される。
【0068】
実施例では、前記第1の可動体76は、前記ベース部材73に対する作動部材75の相対的な正逆回転によって、図16,図30(a)に示すように作動部材75の回転中心部(基点)に集合する第1位置と、図30(c),図32,図33に示すように隣り合う各第1の可動体76が相互に離間するよう径方向外側に変位した第2位置との間を移動するよう構成される。そして、第1位置においては、6つの第1の可動体76が集合することで略円形の形態となり、第2位置においては、隣り合う各第1の可動体76の間に隙間99を画成した形態に変化するようになっている。また第1の可動体76は、第1案内ピン97が前記第1同心案内溝89に沿って移動する際には、作動部材75との相対的な位置関係(径方向の位置および前後位置)を変えることなく該作動部材75と共に周方向に移動するようになっている。すなわち、第1同心案内溝89に沿って第1案内ピン97が移動する際には、周方向に隣り合う第1の可動体76,76間の隙間99の間隔を維持したまま第1の可動体76が周方向に移動し、この移動時に後述するように隙間99に第2および第3の可動体77,78が嵌まり込むよう構成してある。なお、前記第2位置において6つの第1の可動体76の間に画成される隙間99は、図30(c),図33a,図34(c)に示す如く、周周方向に隣り合う各第1の可動体76,76間に画成される6つの外部側隙間99aと、6つの第1の可動体76の中央部側に画成される1つの中央部側隙間99bとから構成され、各外部側隙間99aに第2の可動体77が夫々嵌まり込むと共に、中央部側隙間99bが第3の可動体78が嵌まり込むようになっている。
【0069】
前記第1の可動体76は、光透過性の合成樹脂材料から形成され、金属メッキや非光透過性の部材を貼付することで前面に前図柄76aが施されており、第1位置において6つの前図柄76aが合体することで、第1の装飾図柄100が形成されるようになっている。実施例では、第1の装飾図柄100として、三つ葉葵の家紋が形成されるよう、各前図柄76aが形成されている。なお、第1の可動体76における前図柄76aが施されていない光透過部分には梨子地加等の光拡散処理が施されて、該第1の可動体76を透かして裏側を前側から視認し難くしてあると共に、前記発光基板85のLED85aから照射される光によって発光し得るよう構成される。
【0070】
〔第2の可動体77について〕
図22,図23,図30(c),図33,図34(c)に示す如く、前記第2の可動体77は、前記第2位置で6つの第1の可動体76間に画成される隙間99における中央部から離間する外部側隙間99aの幅寸法と略等しい幅(回転方向の長さ)で、該外部側隙間99aを埋めることができる形状(実施例では略五角形)に形成されている。なお、各第2の可動体77が、対応する外部側隙間99aの夫々に嵌まり込んだ状態で、中央部には第2の可動体77で埋められていない中央部側隙間99bが残るよう構成される。また、第2の可動体77の裏面に、第2案内ピン(第2の係合部)101が突設されると共に、該第2案内ピン101に第2スライダ102が軸方向に移動自在に配設される。第2スライダ102は、前記前盤91の長孔91bおよび後盤92の第2案内孔92bに摺動自在に挿通可能な本体102aの外周に、外方に延出する鍔部102bが形成され、該第2スライダ102は、作動部材75の内部(前盤91と後盤92との間)に、鍔部102bが前記第2ガイド溝92d,92dに位置すると共に本体102aが前記長孔91bおよび第2案内孔92bに位置する状態で移動自在に組み付けられて、該第2スライダ102は前記第2案内孔92bに沿って移動し得るよう構成される。そして、第2スライダ102の前面に、第2間隔保持部材103を介して第2の可動体77が配設されて、前記前盤91の前面と第2の可動体77との間に、第3の可動体78を収容可能な隙間を画成するよう構成される(図26参照)。また、第2案内ピン101における作動部材75(後盤92)から後方に突出する端部が、前記カム部材81の第2案内溝88に摺動自在に係合している。すなわち、前記ベース部材73に対して作動部材75が回転することで第2案内孔92bと第2案内溝88との相対的な位置変位に伴って、図35に示す如く、該第2案内孔92bと第2案内溝88との交点に沿って第2案内ピン101が移動し、これによって第2の可動体77は作動部材75に対して放射方向に進退移動するよう構成される。
【0071】
実施例では、前記第2の可動体77は、前記ベース部材73に対する作動部材75の相対的な正逆回転によって、作動部材75の回転中心部(基点)に集合する第3位置(図26参照)と、隣り合う各第2の可動体77が相互に離間するよう径方向外側に変位した第4位置(図28参照)との間を移動するよう構成される。そして、第3位置において6つの第2の可動体77は、前記第1位置の6つの第1の可動体76の後側に重なって隠れ、第4位置において各第2の可動体77の夫々が、前記第2位置において相互に離間した各第1の可動体76,76間の外部側隙間99aに臨んで、該隙間99aを介して前側から視認可能となるよう構成される(図32(a)参照))。また第2の可動体77は、第2案内ピン101が前記第2同心案内溝90に沿って移動する際には、作動部材75との相対的な位置関係(径方向の位置)を変えることなく該作動部材75と共に周方向に移動するようになっている。なお実施例では、ベース部材73に対して作動部材75が正転方向(時計方向)に回転する際に、第1の可動体76および第2の可動体77が回転中心部から離間するように径方向外側に向けて移動し、ベース部材73に対して作動部材75が逆転方向(反時計方向)に回転する際に、第1の可動体76および第2の可動体77が径方向外側から回転中心部に向けて近接するように移動するよう構成されている。
【0072】
前記第2スライダ102と第2案内ピン101との間に、捻りバネ等の第1付勢手段(付勢手段)104が配設され、該第1付勢手段104によって第2スライダ102と第2の可動体77とは、常には近接する方向に付勢されている。そして、前記第2案内孔92bに第2スライダ102が支持されている状態で、第2の可動体77は、前記第1の可動体76と干渉しない後側の退避位置に保持されるようになっている。また第2の可動体77は、第2案内ピン101が前記第2同心案内溝90の傾斜案内部90aを移動する際には、該第2案内ピン101の後端が常に傾斜案内部90aに当接するように前記第1付勢手段104によって付勢されている。すなわち、第2案内ピン101が傾斜案内部90aに沿って移動する際には、第2の可動体77は第2スライダ102に対して近接・離間移動し、最も離間した位置である突出位置では、前記第2位置に移動した第1の可動体76,76間の外部側隙間99aに臨むよう構成される(図30(c),図33参照)。そして、第2の可動体77の突出位置では、該第2の可動体77の前面(図柄表示面)は、第1の可動体76の前面(図柄表示面)と略同一面に位置するよう設定されている。また、第2の可動体77の第4位置(突出位置)において、該第2の可動体77の外周縁は、第2位置に移動した第1の可動体76の外周縁と周方向に整列し、全ての第1の可動体76および全ての第2の可動体77の外周縁は円形となるよう構成される。第2案内ピン101における前記第2案内溝88および第2同心案内溝90との摺接部分は円柱状に形成され、第2案内溝88および第2同心案内溝90に対してスムーズに摺動し得るよう構成される。また、図26,図28に示す如く、第2案内ピン101の後端(係合端部)は弧状に形成されて、該第2案内ピン101が傾斜案内部90aに沿ってスムーズに移動し得るよう構成してある。
【0073】
前記第2の可動体77は、第1の可動体76と同様に光透過性の合成樹脂材料から形成されると共に、金属メッキや非光透過性の部材を貼付することで前面に第1の後図柄77aが施されている。第1の後図柄77aは、第2の可動体77の第4位置において、該第2の可動体77が第1の可動体76,76間の外部側隙間99aに現われた状態で、前記前図柄76aと合体して第2の装飾図柄105の一部を構成する形状で形成されている。なお、第2の可動体77における第1の後図柄77aが施されていない光透過部分には梨子地加等の光拡散処理が施されて、該第2の可動体77を透かして裏側を前側から視認し難くしてあると共に、前記発光基板85のLED85aから照射される光によって発光し得るよう構成される。
【0074】
〔第3の可動体78について〕
前記作動部材75には、第3の可動体(後表示体,合体用表示体)78が前後方向に移動自在に支持されている。この第3の可動体78は、前記複数の第2の可動体77と合体することで、前記第2位置に移動した複数の第1の可動体76間に画成される隙間99と同形状となる形状に形成されている。図22,図23に示す如く、実施例の第3の可動体78は、前記隙間99における中央側の中央部側隙間99bを埋める、12の頂点を有する星型多角形に形成されている。第3の可動体78の裏面中央に、回転規制部材106が配設されると共に、該回転規制部材106から後方に突出する第3案内ピン107が設けられている。回転規制部材106は、前記位置決め部品93の中心凹部95と同形状に形成され、該回転規制部材106を位置決め部品93の中心凹部95に前側から摺動自在に挿通することで、第3の可動体78は、作動部材75に対して相対的な回転が規制された状態で前後方向(軸方向)の移動は許容されるように組み付けられる。すなわち、第3の可動体78は、作動部材75と一体的に回転するよう構成される。また、位置決め部品93の前記挿通孔95aおよびギヤ部材94の中心通孔94cに第3案内ピン107が挿通され、該ギヤ部材94から後方に延出する第3案内ピン107の端部に、係合部品108がネジ止め固定されている。
【0075】
前記係合部品108は、図24に示す如く、円盤状本体108aと、該円盤状本体108aの裏面中央に突設された軸部108bと、該円盤状本体108aの裏面外周部に突設され、前記取着基部79に設けた後係合突部82に係合可能な複数の前係合突部(第3の係合部)109とを備える。係合部品108は、軸部108bを、前記取着基部79の筒状受部79aに前側から挿通された状態で回転自在に支持されている。また、円盤状本体108aとギヤ部材94との間に、第3の可動体78を常には前記前盤91に近接する方向に向けて付勢する圧縮コイルバネ等の第2付勢手段(付勢手段)110が配設されている。そして、第3の可動体78は、常には第2付勢手段110によって前記第2の可動体77と干渉しない後側の退避位置に保持されるよう構成される。なお、第3の可動体78は、退避位置においては前記第3位置に集合した6つの第2の可動体77の後側に重なって隠れるようになっている。
【0076】
前記各前係合突部109は、後係合突部82の傾斜案内面82aと対応するように、円盤状本体108aの後面から後方に向かうにつれて周方向に変位する傾斜案内面109aが形成されている。そして、後係合突部82と前係合突部109との傾斜案内面82a,109aが対向当接した状態で第3の可動体78(作動部材75)が正逆回転することで、第3の可動体78は作動部材75に対して一体的に回転しつつ前後方向に往復移動するよう構成される。すなわち、第3の可動体78は、前記ベース部材73に対する作動部材75の相対的な正逆回転に伴う前後の係合突部82,109の相対的な位置変位に伴って、作動部材75に対して前後方向に往復移動するよう構成される。そして、第3の可動体78の前盤91から離間する突出位置では、該第3の可動体78の前面(図柄表示面)は、第1の可動体76および第2の可動体77の前面(図柄表示面)と略同一面に位置するよう設定されている(図28,図33参照)。
【0077】
また、前記後係合突部82と前係合突部109との傾斜案内面82a,109aが対向当接している前記作動部材75の回転角度位置は、前記第1の可動体76の第1案内ピン97および第2の可動体77の第2案内ピン101が対応する第1同心案内溝89および第2同心案内溝90に沿って移動する回転角度位置に合わせて設定される。これにより、周方向に隣り合う第1の可動体76,76間の隙間99の間隔が維持され、かつ各第2可動体77が第4位置に位置したまま第1の可動体76および第2の可動体77が周方向に移動する際に、前記第3の可動体78が前後動することで、該第3の可動体78が第1および第2の可動体76,77と干渉しないよう構成されている。なお、作動部材75に対して第3の可動体78が前後動する際に、前記係合部品108の軸部108bは筒状受部79aから離脱しない寸法で円盤状本体108aから突出している。
【0078】
前記第3の可動体78は、第1の可動体76と同様に光透過性の合成樹脂材料から形成されると共に、金属メッキや非光透過性の部材を貼付することで前面に第2の後図柄78aが施されている。第2の後図柄78aは、第1の可動体76が第2位置に位置すると共に第2の可動体77が第3位置に位置した際に、これら第1の可動体76および第2の可動体77の間の隙間から現われた状態で、前記前図柄76aおよび第1の後図柄77aと合体して第2の装飾図柄105を形成する形状で形成されている。第2の装飾図柄105は、図30(a),(c)に示す如く、前記第1の装飾図柄100を拡大した相似形となるよう構成されている。なお、第3の可動体78における第2の後図柄78aが施されていない光透過部分には梨子地加等の光拡散処理が施されて、該第3の可動体78を透かして裏側を前側から視認し難くしてあると共に、前記発光基板85のLED85aから照射される光によって発光し得るよう構成される。
【0079】
また、前記第2の可動体77に施された第1の後図柄77aおよび第3の可動体78に施された第2の後図柄78aは、第1の可動体76が第1位置と第2位置との間を移動する際に前記隙間99が拡縮する過程において、該後図柄77a,78aにおける隙間99から現われる部分と前図柄76aとにより形成される図柄が、前記第1の装飾図柄100の相似形を維持するように形成されている(図30(b),図31(a)参照)。すなわち、実施例では、第1の可動体76が第1位置と第2位置との間を移動する際に、正面視において全体として三つ葉葵の家紋が拡大・縮小するように見えるようになっている。なお、実施例において相似形とは、1つの図柄を拡大・縮小した数学的な関係に限定されず、全体として見れば同じ形態であると判断し得る意味を含んでいる。
【0080】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0081】
前記中枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル18を遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤12に設けた案内レール19により画成された発射通路19aを介して遊技領域20内に打ち出される。このとき、前記操作ハンドル18の回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域20の第1経路20aまたは第2経路20bをパチンコ球が流下する。
【0082】
前記第1経路20aを流下するパチンコ球が前記球導入部38に通入すると、該パチンコ球は球導入部38から前記ステージ37に通出される。このパチンコ球は、ステージ37を左右に転動した後に遊技領域20に排出される。前記第1始動入賞装置29にパチンコ球が入賞することを契機として、前記図柄表示装置14での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置14の表示部14aに所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、図柄表示装置14に表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤12に設けられた特別入賞装置31が開放されると共に、図柄表示装置14において大当り演出が行なわれる。大当りが発生した際には、遊技者は前記操作ハンドル18を回転操作して打球発射装置によるパチンコ球の打球力を高め、前記第2経路20bに向けてパチンコ球を打ち出す「右打ち」を行なう。右打ちに際して第2経路20bに打ち出されたパチンコ球が、前記特別入賞装置31に入賞することで多くの賞球が獲得可能となる。
【0083】
前記パチンコ機10では、各種遊技状態に応じて、前記可動演出装置M1,M2,M3,M4や発光装置60,67,68,70等が作動されて、動作および光による演出により遊技の興趣が高められる。前記第1可動演出装置M1および第2可動演出装置M2では、駆動機構を駆動することで第1の可動部材52および第2の可動部材56が、前記枠状装飾体28の窓口28aの左右端縁に沿って上下方向に延在する待機位置と、該窓口28aの中央側に延出する作動位置との間を揺動する。一対の可動部材52,56が、図2および図7に示す如く、前記枠状装飾体28における第1光透過部40および第2光透過部41の後側に隠れた位置から窓口28aの中央側に延出して前記図柄表示装置14における表示部14aの前側に現われることで、インパクトのある演出を行なって遊技の興趣を高めることができる。
【0084】
〔発光装置60,68の作用〕
前記第1の可動部材52および第2の可動部材56が、図4,図5に示す如く、第1光透過部40および第2光透過部41の後側の待機位置に位置する状態で、前記第1発光装置60および第2発光装置68のLED64a,64aを発光すると、該LED64a,64aからの光は、各可動部材52,56と対応する光透過部40,41との間の隙間S1,S2を介して該光透過部40,41に裏側から照射され、前記図柄表示装置14における表示部14aの周囲の光透過部40,41を明輝させて、図柄変動演出を盛り上げることができる。すなわち、動作による演出により遊技の興趣を高め得る可動部材52,56を備えたパチンコ機10において、該可動部材52,56が待機位置に位置する状態で、枠状装飾体28の光透過部40,41を効果的に照明することができる。また、各発光装置60,68は、枠状装飾体28の対応する光透過部40,41に対し、後側外方(窓口28aから離間する側)から斜めに光を照射するよう構成しているので、該光透過部40,41を透かして発光装置自体が遊技者から見えてしまうことはなく、見栄えが低下することはない。
【0085】
前記枠状装飾体28の光透過部40,41を照明する前記第1および第2発光装置60,68は、図6に示す如く、前記設置部材21に配設した第1および第2支持部材51,55に配設されている。すなわち、光透過部40,41を照明するための発光装置を枠状装飾体28に配設する必要はなく、該枠状装飾体28を遊技盤12に組み付ける際に、電気配線が遊技盤12との間に挟み込まれるのを注意しつつ作業を行なう必要がなく、組み付け作業が容易となる。また、第1および第2発光装置60,68は、対応する第1および第2の可動部材52,56が待機位置から作動位置へ移動する側とは反対側に配設されているので、該発光装置60,68から導出する配線が可動部材52,56の動きを阻害することなのないように引き回し処理するのは容易となる。
【0086】
前記第1および第2発光装置60,68のLED64aを点灯すると、その光は前記カバー体63の傾斜壁63aを透過し、区画部材66の開口部66aから対応する光透過部40,41に向けて照射される。LED64aが実装されている発光基板64とカバー体63との間に、LED64aの前側(光の照射側)に反射面65bが形成された前記リフレクタ65が配設されているから、LED64aの光は反射面65bによって効率的に区画部材66の開口部66aから外部に照射される。すなわち、少ないLED64aによって光透過部40,41を効果的に照明することができ、部品点数を低減し得ると共に小型化を図り得る。
【0087】
また、前記第1および第2発光ユニット61,69では、図11,図12に示す如く、前記基台部62に設けた第1および第2支持突部62a,62bで支持した前記発光基板64の前側に、該発光基板64の位置決め孔64bに位置決めピン65cを嵌挿してリフレクタ65を組み付けることで、発光基板64とリフレクタ65とは、各LED64aが対応する通孔65aに臨む状態で位置決めされる。このとき、リフレクタ65の切欠部65d,65dに、基台部62の第1支持突部62a,62aを嵌めることで、基台部62に対してのリフレクタ65の位置決めもなされる。そして、前記カバー体63を、前記傾斜壁63aがリフレクタ65の前面に当接した状態で基台部62に組み付けることで、発光基板64は、LED64aの光を対応する光透過部40,41に向けて斜め後方から照射し得る傾斜姿勢で支持される。このもとで、基台部62に、発光基板64、リフレクタ65およびカバー体63を収容するように区画部材66をネジ止め固定することで、発光基板64が前記傾斜姿勢に保持されたもとで発光ユニット61,69が構成される。このように、発光基板64、リフレクタ65およびカバー体63は、区画部材66を基台部62にネジ止めするだけで位置決めされるので、各部品を個別にネジ止めする必要はなく、構成を簡略化し得る。また、区画部材66は、非光透過性の材料から形成して開口部66aのみからLED64aの光が外方に照射されるようにしてあるので、該LED64aからの光が大きく広がり過ぎることなく光透過部40,41に照射されて、該光透過部40,41を効果的に明輝させ得る。
【0088】
前記第1および第2発光装置60,68を構成する各発光ユニット61,69は、基台部62を、可動部材52,56が配設される支持部材51,55に配設しているから、該可動部材52,56と各発光ユニット61,69における光の照射方向との位置関係を精度よく決めることができる。すなわち、発光装置60,68と可動部材52,56とを共通の部材(支持部材51,55)に配設することで、発光装置60,68からの光を可動部材52,56で遮られることなく前記光透過部40,41に向けて照射することができる。また、基台部62に対して発光基板64を位置決めする第2支持突部62bは、区画部材66をネジ止め固定するための部分ともなっているので、発光基板64の位置決め用の部分と区画部材66のネジ止め用の部分とを別々に設ける必要はなく、基台部62の構成を簡略化し得る。
【0089】
〔透光部材43,47の作用〕
前記第1および第2支持部材51,55に配設した第1経路用発光装置67のLED67aおよび第2経路用発光装置70のLED70aを点灯することで、前記枠状装飾体28に配設されて遊技領域20に位置する第1透光部材43および第2透光部材47が裏側から照明される(図5参照)。第1透光部材43および第2透光部材47は、図2に示す如く、前記第1経路20aおよび第2経路20bを画成している部材であり、該第1透光部材43および第2透光部材47の前側は、パチンコ球が流下する領域となっている。すなわち、パチンコ球が流下する領域を明輝させることで、遊技の興趣を向上することができる。また、実施例の第1透光部材43および第2透光部材47は、対応する第1経路20aおよび第2経路20bの略全体を横切るように延在しているので、パチンコ球が第1透光部材43および第2透光部材47の前側を通過する際に該パチンコ球で光が遮られることで生ずるコントラストによって演出効果をより向上し得る。
【0090】
前記第1経路20aを流下するパチンコ球は、前記遊技釘27に接触することで流下方向を不規則に変化すると共に減勢される。このパチンコ球が遊技釘27で形成される上部球通過路45に沿って流下すると、該パチンコ球は前記第1透光部材43に設けた一対の減勢壁43b,43bで画成される中間球通過路44に通入し、該中間球通過路44を流下する過程で、両減勢壁43b,43bに接触して減勢される。そして、中間球通過路44を通出したパチンコ球は、遊技釘27で画成される下部球通過路46に通入する。中間球通過路44を通出するパチンコ球は、減勢壁43b,43bとの接触により充分に減勢されているから、下流側の遊技釘27に接触する際に該遊技釘27に与える衝撃力は小さく、遊技釘27が経時的に変形するのを防止し得る。すなわち、第1透光部材43のサイズを大きくすることで、遊技領域20(第1経路20a)において明輝し得る領域を広くしてインパクトのある発光演出を行ない得ると共に、該第1透光部材43を通り過ぎたパチンコ球が遊技釘27に接触した際の衝撃力によって該遊技釘27が変形するのを防止し得る。また、第1透光部材43は、一体的に設けた減勢壁43b,43bによってパチンコ球の勢いを弱めることができるから、遊技釘27との位置関係を考慮することなく、非光透過性の遊技盤12においてサイズの大きな透光部を任意の位置に設けることが可能である。
【0091】
前記第1経路20aを流下するパチンコ球について、前記上部球通過路45以外の経路で前記第1透光部材43の前側、すなわち前記レール部材24と一方の減勢壁43bとで画成された左中間球通過路44aおよび左傾斜庇部分36aと他方の減勢部43bとで画成される右中間球通過路44bに流入したパチンコ球についても、減勢壁43b、レール部材24または左中間球通過路44aに接触して勢いが弱められるから、該第1透光部材43を通り過ぎたパチンコ球が下流側の遊技釘27に接触した際の衝撃力を小さくできる。また、図13に示す如く、一対の減勢壁43b,43bを左右方向に屈曲することで各球通過路44,44a,44bは左右方向に湾曲しているので、該球通過路44,44a,44bに通入したパチンコ球が減勢壁43b,43bに触接する機会は多くなり、パチンコ球の勢いを確実に弱めることができる。更に、前記第1透光部材43の前面に凸部43cを設けて凹凸形状としてあるので、各球通過路44,44a,44bを通過するパチンコ球の勢いを凸部43cとの接触によっても弱めることができる。
【0092】
また、前記一対の減勢壁43b,43bで中間球通過路44を形成してパチンコ球を案内し得るようにしているので、該中間球通過路44によってパチンコ球の動きを制御して意図した位置に流下させることができる。例えば、図2に示如く、実施例では第1透光部材43の下流側に、前記ステージ37にパチンコ球を導びくための球導入部38が設けられていることから、中間球通過路44によってパチンコ球を球導入部38へ通入し易い位置に通出させることができる。
【0093】
ここで、前記図柄表示装置14での図柄変動開始や賞球獲得の契機となる前記第1始動入賞装置29へのパチンコ球の入賞確率は、前記球導入部38によってステージ37に導びかれて該ステージ37から排出されるパチンコ球の方が、球導入部38に通入することなく第1経路20aを流下するパチンコ球より高くなっている。すなわち、球導入部38は、パチンコ機10に備えられた部品中でも遊技者の注意が強く惹き付けられる部分であり、該球導入部38に近接する前記第1透光部材43を明輝する演出効果により、遊技の興趣を高めることができる。
【0094】
前記第1透光部材43は、図2に示す如く、前記第1光透過部40における上下の装飾部品39,39によって区画された前記第1中央光透過部40aに連なるように設けられている。そして、前記待機位置の第1の可動部材52における第1装飾体54,54を相互に離間して第1面発光部53aを露出した状態(図6の二点鎖線の状態)で、該第1の可動部材52に内蔵のLEDを点灯することで、第1面発光部53aを介して第1中央光透過部40aを明輝することができる。これにより、前記第1経路用発光装置67によって明輝された第1透光部材43の明輝部分と、第1面発光部53aを介して明輝された第1中央光透過部40aの明輝部分とが左右方向に連なり、前記枠状装飾体28における窓口28aの左方において明輝部分が第1経路20aまで延びる状態での発光演出を行なうことができる。すなわち、第1透光部材43を第1経路用発光装置67で明輝させると共に、第1中央光透過部40aを第1面発光部53aを介して明輝させることで、前記図柄表示装置14における窓口28a内に臨む表示部14aでの表示に連なるような発光演出を、枠状装飾体28の外側まで延ばすことができ、発光演出の効果を向上し得る。
【0095】
また実施例では、前記枠状装飾体28における窓口28aの右側に設けた前記第2中央光透過部41aにおいても、前記第2の可動部材56の第2面発光部57aを介して該第2中央光透過部41aを明輝させることで、前記第2経路用発光装置70によって明輝された第2透光部材47の明輝部分に第2中央光透過部41aの明輝部分を連なるように現わすことができる。しかも、第1透光部材43、第1中央光透過部40a、第2中央光透過部41aおよび第2透光部材47は、図2に示すように、左右方向に整列するように設けられている。従って、前記図柄表示装置14の表示部14aにおいて、第1中央光透過部40aおよび第2中央光透過部41aに連なるように光が明輝する表示を行なうことで、前記レール部材24と盤面飾り部材23との間の略全領域において真一文字に光が明輝する極めてインパクトの大きい演出を行なうことができ、遊技の興趣を向上し得る。
【0096】
〔第3可動演出装置M3の作用〕
前記第3可動演出装置M3においては、駆動機構により前記装飾意匠体72に隠れた待機位置から作動位置に前記第3の可動部材71を移動することで、該第3の可動部材71は、図8に示す如く、前記図柄表示装置14の表示部14aの前側に現われることで、該表示部14aで行なわれている演出と相俟って演出効果を向上し得る。また、第3の可動部材71が作動位置に移動することで、該第3の可動部材71に配設されている第4可動演出装置M4が窓口28aの略中央に現われ、遊技者にインパントを与えることができる。
【0097】
前記第3の可動部材71の作動位置において、該第3の可動部材71に設けた前記レンズ部71aは、図8に示す如く、前記第2中央光透過部41aの左側に連なるように整列する。従って、該レンズ部71aを、第3の可動部材71に内蔵のLEDによって明輝することで、前述したように明輝された第2透光部材47および第2中央光透過部41aの夫々の明輝部分が左右方向に連なるように現わすことができ、発光演出による効果を向上し得る。しかも、実施例では、前記第2経路20bから前記窓口28aの中央部に位置する第4可動演出装置M4までに亘って明輝部分が連なるように現わすことができるので、インパクトのある演出が可能となり、遊技の興趣を向上し得る。
【0098】
〔第4可動演出装置M4の作用〕
前記窓口28aの中央部に現われた第4可動演出装置M4において、前記6つの第1の可動体76が回転中心部に集合した第1位置では、図8,図16,図30(a)に示す如く、前記6つの前図柄76aが合体することで、三つ葉葵の家紋を模した第1の装飾図柄100が形成される。この状態では、図28,図29,図34(a)に示す如く、前記第2の可動体77および第3の可動体78は、何れも退避位置に位置して第1の可動体76の後側に重なるようにして隠れている。但し、第2の可動体77および第3の可動体78は、後図柄77a,78aが施されていない部分は光透過性となっているので、前記カム部材81に配設した発光基板85に実装したLED85aを点灯することで、最も前側に位置する第1の可動体76を照明することができ、後側に隠れている第2の可動体77および第3の可動体78が発光演出の妨げとなることはない。
【0099】
前記第1の可動体76の第1位置において、図35(a),図36(a)に示す如く、該第1の可動体76の前記第1案内ピン97の端部は、前記カム部材81の第1案内溝87における回転中心部側に位置していると共に、前記第2の可動体77の第3位置において、該第2の可動体77の第2案内ピン101の端部は、前記カム部材81の第2案内溝88における回転中心部側に位置している。前記モータ74を駆動して前記駆動歯車83、従動歯車86およびギヤ部材94を介してカム部材81を正転方向に回転すると、前記作動部材75の第1案内孔92aとカム部材81の第1案内溝87との相対的な位置変位に伴って、該第1案内孔92aと第1案内溝87との交点に沿って第1案内ピン97が移動し、これによって第1の可動体76は作動部材75の回転中心部から径方向外方に移動する(図30(b),図31参照)。これにより、周方向に隣り合う第1の可動体76,76が離間して両者間76,76の隙間99が徐々に拡がる。また、前記第2の可動体77については、作動部材75の第2案内孔92bとカム部材81の第2案内溝88との相対的な位置変位に伴って、該第2案内孔92bと第2案内溝88との交点に沿って第2案内ピン101が移動し、これによって第2の可動体77は作動部材75の回転中心部から径方向外方に移動する。このとき、前記第3の可動体78の係合部品108の前係合突部109と、前記取着基部79の後係合突部82とは係合しておらず、該第3の可動体78は退避位置において作動部材75と一体的に回転する。
【0100】
図30(b),(c),図31(a),図32(a)に示す如く、前記第1位置から径方向外方に向けて移動する6つの第1の可動体76の間に形成される隙間99から、第1位置では第1の可動体76に隠れていた前記第2の可動体77および第3の可動体78が現われ、第1の可動体76の動きによる演出効果のみならず、第2の可動体77および第3の可動体78が現われることにより遊技者にインパクトを与えることができる。また、第2の可動体77については、前記隙間99に現われた状態で第1の可動体76と共に径方向外方に向けて移動するので、該第2の可動体77の動きによっても興趣を向上することができる。なお、第2の可動体77は、退避位置で移動するので、該第2の可動体77が第1の可動体76や第3の可動体78に接触干渉することはなく、第1〜第3の可動体76,77,78および作動部材75の動作はスムーズに行なわれる。
【0101】
前記ベース部材73に対する作動部材75の回転に伴い、図35(b),図36(b)に示す如く、前記第1案内ピン97が第1同心案内溝89に至ると共に、第2案内ピン101が第2同心案内溝90に至ると、前記第1の可動体76および第2の可動体77の作動部材75に対する径方向外方への移動は規制され、該第1の可動体76および第2の可動体77は、第2位置および第4位置に保持されたまま作動部材75と共に周方へのみ移動(回転)する。このとき、周方向に隣り合う第1の可動体76,76の間に画成される外部側隙間99aに第2の可動体77が夫々臨むように位置し、6つの第1の可動体76の中心部側に画成される中央部側隙間99bに第3の可動体78が臨むように位置する。
【0102】
前記ベース部材73に対して作動部材75が更に正転方向に回転すると、前記第2案内ピン101の端部が、図35(c),図36(c)に示す如く、第2同心案内溝90における傾斜案内部90aに沿って移動することで、前記第2の可動体77は前側に移動して前記外部側隙間99aを埋めるに至る。また、第2案内ピン101が傾斜案内部90aで案内されて前側へ移動するのに合わせて、前記第3の可動体78の係合部品108における前係合突部109の傾斜案内面109aが、前記取着基部79における後係合突部82の傾斜案内面82aに対向当接しつつ移動し、これにより第3の可動体78も前側に移動して前記中央部側隙間99bを埋めるに至る(図28,図29,図33参照)。
【0103】
前記第2の可動体77および第3の可動体78が突出位置まで移動すると、該第2の可動体77および第3の可動体78の前面は、前記第1の可動体76の前面と略同一面に位置する。このとき、第1〜第3の可動体76,77,78に施されている図柄76a,77a,78aが合体し、図30(c),図33(a)に示す如く、第2の装飾図柄105が形成される。この第2の装飾図柄105は、前記第1の装飾図柄100を拡大した相似形である三つ葉葵の家紋を模した形状となる。前記第2および第3の可動体77,78は、前面を第1の可動体76の前面に揃えるまで前側に移動するので、最終的に形成された第2の装飾図柄105の見栄えを良好にし得る。また、第2位置において各第1の可動体76間に形成される隙間99の全体を、第2の可動体77と第3の可動体78とで埋めることができ、第2の装飾図柄105の見栄えをより良好にし得る。
【0104】
実施例の第4可動演出装置M4では、第1位置において6つの第1の可動体76が集合している状態では隠れていた第2の可動体77および第3の可動体78が、第1の可動体76の径方向外方への移動に伴って現われるので、第1の可動体76の動きによる演出効果のみならず、第2の可動体77および第3の可動体78が現われることにより遊技者にインパクトを与えることができる。しかも、6つの第1の可動体76の間に形成される隙間99に現われた第2の可動体77および第3の可動体78の後図柄77a,78aと前図柄76aとによって第2の装飾図柄105が形成されるから、より遊技者にインパクトを与えることができる。更に、第2の可動体77および第3の可動体78は、第1の可動体76の隙間99に現われるのみでなく、該第2および第3の可動体77,78の前面を第1の可動体76の前面に揃えるまで前側に移動するので、最終的に形成された第2の装飾図柄105の見栄えを良好にし得ると共に、第2および第3の可動体77,78が前側へ移動する動きによって遊技者にインパクトを与えることができる。更にまた、第2の可動体77については、前記第1の可動体76が放射状に移動するのに伴って放射状に移動することで、各第1の可動体76,76間の隙間99から現われる第2の可動体77の動きによっても演出効果を向上し得る。
【0105】
前記ベース部材73に対して作動部材75が原位置(第1位置)から所定角度回転すると、前記モータ74が停止制御される。
【0106】
前記モータ74の逆転駆動により前記ベース部材73に対して作動部材75が逆転方向に回転する場合の第1〜第3の可動体76,77,78の動作は、前記正転時の動作と逆である。すなわち、前記第1案内ピン97および第2案内ピン101が対応する第1同心案内溝89および第2同心案内溝90を移動する間は、第1の可動体76および第2の可動体77は径方向の移動が規制された状態で作動部材75と共に周方向に移動すると共に、第2の可動体77は前記傾斜案内部90aの作用によって突出位置から退避位置に移動する。また、第3の可動体78の係合部品108における前係合突部109の傾斜案内面109aと、前記取着基部79における後係合突部82の傾斜案内面82aとが対向当接した状態で作動部材75が回転することで、第3の可動体78も突出位置から退避位置に移動する。第2の可動体77および第3の可動体78の突出位置と退避位置との間の移動は、第1の可動体76および第2の可動体77の径方向への移動が規制された状態で行なうので、第1〜第3の可動体76,77,78が相互に干渉して移動が阻害されることはない。
【0107】
前記第1案内ピン97および第2案内ピン101が対応する第1案内溝87および第2案内溝88に沿って回転中心部側に移動することで、前記第1の可動体76および第2の可動体77は径方向内方へ移動し、前記位置センサ84が検出片94bを検出することで、前記モータ74が回転停止する。このとき、6つの第1の可動体76が、図16,図30(a)に示すように初期の第1位置で集合して、第2の装飾図柄105を縮小した第1の装飾図柄100が形成される。
【0108】
前記第1の可動体76が第1位置と第2位置との間を移動する際に前記隙間99が拡縮する過程において、第2および第3の可動体77,78に施されている後図柄77a,78aにおける隙間99から現われる部分と前図柄76aとにより形成される図柄は、前記第1の装飾図柄100の相似形を維持している(図30(b),図31参照)。すなわち、第1および第2の可動体76,77が径方向に移動しても図柄の形態が変化しないので、演出が新鮮で興趣を向上し得る。
【0109】
実施例の第4可動演出装置M4は、第1〜第3の可動体76,77,78が回転する動きに加えて、第1および第2の可動体76,77が回転中心部に集合した状態と放射状に拡がった状態とに移動するので、可動体76,77の動きが複雑となり、面白みのある演出を提供して遊技の興趣を向上し得る。また、前記第2および第3の可動体77,78の前後動は、作動部材75のベース部材73に対する相対的な正逆回転に伴って行なわれるよう構成したので、第2および第3の可動体77,78を前後動させる専用の駆動手段を設ける必要はなく、製造コストを低減し得る。前記第2の可動体77の第2案内ピン101を円柱状に形成すると共に端部を弧状に形成したので、該第2案内ピン101が第2案内溝88および第2同心案内溝90の傾斜案内部90aに沿って移動する際の抵抗を小さくすることができ、第2の可動体77の集合・離間移動や前後動をスムーズに行なうことができる。
【0110】
前記第2の可動体77は、前記第2案内ピン101が第2案内溝88に沿って移動する際には、前記第1付勢手段104によって常に退避位置に向けて付勢されているので、移動時の振動等によって第2の可動体77が突出位置に向けて移動してしまうのを抑制でき、該第2の可動体77が第1の可動体76に接触干渉して動作を妨げるのは防止される。同様に、前記第3の可動体78は、前後の係合突部109,82の傾斜案内面109a,82aが対向当接していない状態では、前記第2付勢手段110によって常に退避位置に向けて付勢されているので、移動時の振動等によって第3の可動体78が突出位置に向けて移動してしまうのを抑制でき、該第3の可動体78が第2の可動体77や第1の可動体76に接触干渉して動作を妨げるのは防止される。
【0111】
〔変更例〕
なお、前述した実施例は、以下に示す通り、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、枠状装飾体が取り付けられる装着口に連通するように貫通口を形成したが、該装着口に連通しないように貫通口を独立して形成したものであってもよい。
(2) 実施例では、2つの減勢壁を透光部材に突設したが、該減勢壁の数は3つ以上であってもよい。
(3) 実施例では、上下方向に連続的に延在する壁で減勢部を構成したが、上下方向の寸法の短かい複数の突部を離間して並べることで壁を形成するようにしたものであってもよい。また、複数の突部を、透光部材にランダムな配置で突設したものであってもよい。
(4) 実施例では、枠状装飾体の左側の第1経路に位置する透光部材に減勢壁(減勢部)を設けたが、枠状装飾体の右側の第2経路に位置する透光部材に減勢壁(減勢部)を設ける構成を採用し得る。
(5) 実施例では、特定の条件の成立時に「右打ち」を実施することで、遊技者にとって有利な遊技を享受させ得るよう構成されたパチンコ機の場合で説明したが、「右打ち」によっても遊技者にとって有利な遊技とならないパチンコ機であってもよい。
(6) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
【符号の説明】
【0112】
12 遊技盤
14 図柄表示装置
14a 表示部
20 遊技領域
25a 第1装着口(装着口)
27 遊技釘
28 枠状装飾体
28a 窓口
40 第1光透過部(光透過部)
42 貫通孔
43 第1透光部材(透光部材)
43b 減勢壁(減勢部)
44 中間球通過路
45 上部球通過路
46 下部球通過路
67 第1経路用発光装置(発光装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が前側に設けられる非光透過性の遊技盤と、該遊技盤に植設されて遊技領域に位置し、該遊技領域を流下する遊技球との接触により該遊技球を減勢する多数の遊技釘とを備える遊技機において、
前記遊技盤における遊技領域で前後に貫通する貫通口と、
前記貫通口を塞ぐ透光部材と、
前記透光部材に設けられて前方に延出し、該透光部材の前側を流下する遊技球との接触により該遊技球を減勢する減勢部と、
前記透光部材を裏側から照明する発光装置とを備える
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技領域における透光部材を挟む上下の位置に、前記遊技釘によって遊技球が通過可能な上部球通過路および下部球通過路が形成され、前記減勢部は、上部球通過路から下部球通過路へ遊技球を案内する中間球通過路を形成している請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記中間球通過路は左右方向に湾曲している請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記透光部材の前面に凹凸が設けられる請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技盤に形成した装着口に配設された枠状装飾体と、複数の図柄を変動表示する表示部を枠状装飾体の窓口を介して前側に臨ませる図柄表示装置とを備え、前記枠状装飾体より外側の遊技領域に臨む前記貫通口は装着口に連通するよう形成され、該枠状装飾体に、前記透光部材に連なって窓口内縁まで至る光透過部が設けられる請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2013−17541(P2013−17541A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151300(P2011−151300)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】