説明

遊技機

【課題】球受皿の球抜き操作性の低下を防止しつつ、遊技者の意に反して球受皿から遊技球が排出されてしまうといった事態を抑制することのできる遊技機を提供する。
【解決手段】下皿15の球抜き口を開閉可能な球抜きユニット611は、球抜き口を閉鎖する第1の位置と、球抜き口を開口させる第2の位置とに変位可能な可動部材と、可動部材を第1の位置側へと付勢する付勢手段と、第2の位置にある可動部材を保持可能な係合手段とを備えている。また、第1の位置にある可動部材を第2の位置へと変位させることで係合手段によって可動部材を第2の位置において保持可能であるとともに、遊技者の所定の操作により第2の位置において保持されている可動部材の保持状態を解除可能な第1の状態と、可動部材を第2の位置へと変位させても、係合手段に可動部材を保持させることのできない第2の状態との間で球抜きユニット611の状態を切替える切替手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にパチンコ機等の遊技機では、所定の発射装置により遊技領域へと打ち出された遊技球が入賞口へ入賞すると所定数の遊技球が賞球として遊技機の前面側に設けられた球受皿に払出される構成となっている。また、例えば、特定の入賞口(始動口)に遊技球が入賞すると大当たり状態を発生させるか否か当否抽選が行われ、当否抽選に当選すると短時間で多くの賞球を獲得することが可能となる大当たり状態が発生するものもある。
【0003】
また、球受皿には球抜き口が形成されるとともに、球抜き口を開閉するシャッタが設けられており、球受皿に設けられた球抜操作部(レバー、ボタン等)を操作してシャッタをスライドさせることにより、球抜き口を開口させて球受皿から遊技球を排出することができる構成となっている。一般に、シャッタは、ばね等の付勢手段により球抜き口を閉鎖する方向に付勢されており、遊技球を球受皿に貯留しておきたいとき等に、球抜き口が開口して遊技球がこぼれてしまうといった事態の抑制が図られている。また、近年、球受皿には球抜き口が開口される位置でシャッタを保持するストッパーが設けられたものも知られている。当該ストッパーの存在により、球受皿から遊技球を大量に排出する場合等に、遊技者が球抜操作部を押さえ続けるといった必要がなくなる。これにより、遊技者の負担軽減が図られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−180890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようにストッパーが設けられた構成においては、例えば、前の遊技者が球抜き口を開口状態としたまま遊技を終了して帰ってしまい、次の遊技者が、球抜き口が開口していることに気付かずに遊技を開始するといった事態が起こり得る。この場合、球受皿に遊技球が払出されると、かかる遊技球が球受皿に貯留されることなく、意に反して球抜き口から排出されてしまう。特に、球受皿の下方に球箱が設置されていない場合においては、遊技ホールに遊技球が散乱してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、球受皿の球抜き操作性の低下を防止しつつ、遊技者の意に反して球受皿から遊技球が排出されてしまうといった事態を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、
賞球として払出される遊技媒体としての遊技球を貯留可能な貯留部を有する球受皿を備えた遊技機であって、
前記球受皿は、前記貯留部に貯留された遊技球を当該貯留部の外部へ排出可能な球抜き口を有するとともに、前記球抜き口を開閉可能な球抜きユニットを備え、
前記球抜きユニットは、前記球抜き口を閉鎖して前記球抜き口から遊技球を排出不可能とする第1の位置と、前記球抜き口を開口させて前記球抜き口から遊技球を排出可能とする第2の位置とに変位可能な可動部材と、遊技者が操作可能な位置に設けられ、前記可動部材を変位させることのできる操作部と、前記可動部材を前記第2の位置側から前記第1の位置側へと付勢する付勢手段と、前記第2の位置にある前記可動部材を保持可能な係合手段とを備え、
遊技者が前記操作部を操作し、前記第1の位置にある前記可動部材を前記第2の位置へと変位させることに基づき、前記係合手段によって前記可動部材を前記第2の位置において保持可能であるとともに、遊技者の所定の操作により前記第2の位置において保持されている前記可動部材の保持状態を解除可能な第1の状態と、
前記可動部材を前記第2の位置側へ変位させても、前記係合手段によって前記可動部材を前記第2の位置において保持させることのできない第2の状態との間で前記球抜きユニットの状態を切替える切替手段を備え、
前記球受皿の下方に設置される球箱を検知可能な球箱検知手段を備え、
前記切替手段は、所定の制御装置により駆動制御されるとともに、前記球箱検知手段は、前記制御装置に対して検知信号を出力可能に構成され、
前記球受皿の下方に前記球箱が設置されている状態で、前記操作部の操作があった場合には、前記球箱検知手段の検知結果に基づき、前記制御装置が前記切替手段を駆動制御して、前記球抜きユニットを前記第1の状態とし、
前記球受皿の下方に前記球箱が設置されていない状態で、前記操作部の操作があった場合には、前記球箱検知手段の検知結果に基づき、前記制御装置が前記切替手段を駆動制御して、前記球抜きユニットを前記第2の状態とすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、球受皿の球抜き操作性の低下を防止しつつ、遊技者の意に反して球受皿から遊技球が排出されてしまうといった事態を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の斜視図である。
【図3】内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。
【図4】内枠及び遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】パチンコ機の背面図である。
【図6】内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。
【図7】電気的構成を示すブロック図である。
【図8】可動部材が球抜き口を閉塞した状態における球抜きユニットを示す上面図である。
【図9】可動部材がラッチ部材に保持された状態における球抜きユニットを示す上面図である。
【図10】可動部材をラッチ部材で保持できない状態にあるときの球抜きユニットを示す上面図である。
【図11】(a)は球抜きユニットの本体部を示す上面図であり、(b)は可動部材を示す上面図である。
【図12】(a)は球抜きユニットの断面図であり、(b)は(a)の分解図である。
【図13】(a)はラッチ本体が突出した状態にあるときのラッチ部材を示し、(b)はラッチ本体が係合突起に押されてハウジングの奥まで没入したときのラッチ部材を示し、(c)は係止金具の係止爪部と係止環路の係止凹部とが係止状態にあるときのラッチ部材を示す断面図である。
【図14】ラッチ本体及び係止金具を示す斜視図である。
【図15】(a)は係合突起と係合可能な状態にあるラッチ部材を示す模式図であり、(b)は係合突起と係合不可能な状態にあるラッチ部材を示す模式図であり、(c)は係合突起と係合不可能な状態にあるラッチ部材の模式断面図である。
【図16】別の実施形態における球抜きユニットを説明するための図面であって、(a)は可動部材がラッチ部材に保持された状態における球抜きユニットを示す上面図であり、(b)は可動部材のスライドが制約される状態にあるときの球抜きユニットを示す上面図であり、(c)は球抜きユニットの断面図である。
【図17】図16のラッチ部材及び下皿ソレノイドを示す部分断面図である。
【図18】別の実施形態におけるパチンコ機の下部の構成を示す模式断面図である。
【図19】図18の第1片部、第2片部、及びピニオン部材の位置関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
【0011】
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に開閉部材としての内枠12が開閉可能に支持されている。なお、内枠12及びこれに取付けられる遊技盤30等の各種構成部材により本実施形態における遊技機本体が構成される。
【0012】
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
【0013】
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
【0014】
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した遮蔽部材としての延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84、85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
【0015】
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
【0016】
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
【0017】
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
【0018】
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
【0019】
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。尚、下皿15については後程詳細に説明する。
【0020】
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
【0021】
下皿15の上方には、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する上皿19が設けられている。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
【0022】
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
【0023】
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
【0024】
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
【0025】
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
【0026】
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0027】
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。
【0028】
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33に遊技球が入球(入賞)すると、それぞれに対応して設けられた検知スイッチからの出力信号に基づき、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33)に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0029】
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
【0030】
普通図柄表示装置41は複数の発光手段(LED)を内蔵しており、遊技球が第2契機対応口34を通過すると点灯表示態様が切換表示(変動表示)され、その変動表示が特定の点灯態様で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる(第1契機対応ユニット33において上下一対で設けられる入球口のうち下側の入球口に対応して設けられる羽根部材が開放され、下側の入球口への入球が許容される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0031】
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の側方に設けられた複数の発光部により構成され、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞する毎に点灯する発光部の組合せが切換えられる(変動表示される)。そして、変動表示が停止したときに点灯している発光部の組合わせにより、大当たりか否かが確定的に表示される。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
【0032】
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
【0033】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
【0034】
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
【0035】
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
【0036】
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
【0037】
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
【0038】
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
【0039】
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)再び発射装置60の打出しが許容される。
【0040】
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
【0041】
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45、及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0042】
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a、262aは透明樹脂材料等により構成され、収容ボックス42a及び基板ボックス45a、262aを介して各制御装置42、45、262を視認可能となっている。
【0043】
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている。また、裏枠セット215は主制御装置261の取付台(取付部材)として機能し、主制御装置261は裏枠セット215の右側部(図6では左側)に対して開閉可能に支持され、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放可能となっている。
【0044】
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
【0045】
また、裏枠セット215の球回収機構の球通路上には、一般入賞口31に入球した遊技球を検知する入賞口スイッチ221、及び第1契機対応ユニット33に入球した遊技球を検知する第1契機対応スイッチ224が設けられている。尚、球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
【0046】
尚、図示は省略するが、遊技盤30に固定される可変入賞装置32には当該可変入賞装置32に入球した遊技球を検知するカウントスイッチが設けられ、遊技盤30のうち第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口34を通過する遊技球を検知する第2契機対応口(ゲート)スイッチが設けられている。また、第1契機対応ユニット33は上下2つの入球口を備えており、上側の入球口に対応する第1契機対応スイッチ224は上記のように球回収機構の球通路上に設けられているが、下側の入球口に対応する第1契機対応スイッチは第1契機対応ユニット33に設けられている。上記各検知スイッチによる検知の結果は主制御装置261に取り込まれ、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出しが直ちに行われる。
【0047】
その他、裏枠セット215には、各種検知スイッチと主制御装置261との電気的な接続を中継する中継基板やLED基板等が設けられている。尚、第1契機対応ユニット33への入球を検知する第1契機対応スイッチ224は中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続される。また、可変入賞装置32には大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33には下側の入球口に対応して電動役物(羽根部材)を開放するための第1契機対応ユニット(始動口)ソレノイドが設けられている。
【0048】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられており、外部中継端子板240に設けられた各出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技状態等に関する信号が出力される構成となっている。
【0049】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて囲む構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
【0050】
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
【0051】
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
【0052】
裏パックユニット203の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持され、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251は、球回収機構216から導出された遊技球が流入する排出通路部217を備え、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。従って、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構216を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203及び裏枠セット215が別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
【0053】
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。また、払出制御装置311は基板ボックス311aに収容されて基板ボックス313aの背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス313aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス313aの開封した痕跡が残るようになっている。加えて、カードユニット接続基板314は基板ボックス314aに収容されて基板ボックス313aの背面側に固定されている。各基板ボックス311a、313a、314aは透明樹脂材料等により構成され、基板ボックス311a、313a、314aを介して各制御装置311、312,313、314を視認可能となっている。
【0054】
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
【0055】
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
【0056】
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することがさらに困難となる。結果として、さらなる防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
【0057】
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
【0058】
さて、本実施形態では、下皿15に貯留された遊技球を排出する構成に特徴がある。以下、かかる構成について図面を参照して説明する。図8は、可動部材613が球抜き口603を閉塞した状態における球抜きユニット611を示す上面図である。図9は、可動部材613がラッチ部材671に保持された状態における球抜きユニット611を示す上面図である。図11(a)は本体部612の上面図であり、図11(b)は可動部材613の上面図である。図12(a)は球抜きユニット611の断面図であり、図12(b)は図12(a)の分解図である。
【0059】
尚、前面枠セット14の補足説明をすると、図3に示すように、前面枠セット14は、外形が矩形状をなし、中央部に窓部101が形成された樹脂製の前枠ベース14aを主体に構成されている。そして、図2、図3に示すように、当該前枠ベース14aの前面側に対して、LED基板(図示略)、LED基板を覆う装飾カバー102a、上皿19を構成する上皿ユニット19a、下皿15を構成する下皿ユニット15a、及びハンドル18等(図2参照)が取付けられ、背面側に対して球通路ユニット70等(図3参照)が取付けられることで前面枠セット14が構成されている。また、下皿ユニット15aは、前枠ベース14aの前面下部に取付けられるベース部材17と、ベース部材17の前方に突出して設けられる下皿15とを備えている。ベース部材17には、下皿15に対応して前記排出口16(図1参照)が形成されている。尚、ベース部材17には、下皿15の右方において、ハンドル18を挿通させるための孔部が形成されている。
【0060】
図1、図2に示すように、下皿15は、ベース部材17に固定されるとともに、受皿形状をなして遊技球を貯留可能な貯留部602(図2参照)を形成する下皿本体601と、下皿本体601の下面側に取付けられる球抜きユニット611(図1参照)とを備えている。
【0061】
図2に示すように、下皿本体601には、貯留部602の底面略中央部において上下に貫通する略円形状の球抜き口603が形成されている。尚、下皿15の貯留部602の底面は、球抜き口603に向けて下方傾斜しており、球抜き口603を開口させることで、貯留部602に貯留されている全ての遊技球を球抜き口603から排出させることができる構成となっている。また、下皿本体601の下面には、球抜きユニット611を収容する収容凹部604(図1参照)が形成されており、球抜きユニット611は収容凹部604に嵌め込まれるようにして下皿本体601に取付けられる。収容凹部604は前方にも開口しており、球抜きユニット611の前面側がパチンコ機10の前方に露出する構成となっている。尚、下皿本体601には、貯留部602の左方において、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
【0062】
図8、図11(a)、図12等に示すように、球抜きユニット611は、下皿本体601に固定され、上方に開口する略箱形状の本体部612と、本体部612に対して左右方向にスライド可能に設けられ、前記球抜き口603を開閉可能な可動部材613と、前記球抜き口603を閉鎖する側(本例では右方)に可動部材613を付勢する付勢手段としてのコイルばね614とを備えている。
【0063】
図9、図11(a)等に示すように、本体部612には、下皿15の組付け状態(下皿本体601と球抜きユニット611との組付け状態)において、球抜き口603と連通する排出孔621が形成されている。また、本体部612の前壁部622には、左右方向中間位置において切欠き部622aが形成されている。さらに、本体部612には上下に貫通するねじ孔624が形成されている。そして、本体部612を収容凹部604の内側に嵌め込むようにして球抜きユニット611を下皿本体601に組付けることで、ねじ孔624と、下皿本体601(収容凹部604)の下面に設けられたボス(図示略)とが位置合わせされ、ねじ固定される。これにより、球抜きユニット611が下皿本体601に取付けられている。尚、本体部612は、収容凹部604に対応する形状に構成される上、後壁部において後方に突出する位置決めリブ625を備え、下皿15の組付け状態において、当該位置決めリブ625が下皿本体601に設けられた段差部(図示略)に支持されるため、球抜きユニット611の下皿本体601への取付に際し、球抜きユニット611を確実に位置決めすることができる。
【0064】
図11(a)等に示すように、可動部材613は、コイルばね614が収容されるばね収容部631と、ばね収容部631の前面側に突設される球抜きレバー25と、ばね収容部631の背面側に突設される閉塞部633とを備え、これらが樹脂材料により一体的に形成されている。
【0065】
図12(b)等に示すように、ばね収容部631は、球抜きユニット611の組付け状態(本体部612と可動部材613との組付け状態)において、本体部612の前壁部622の背面と略当接状態とされる仕切り板641と、仕切り板641の上下方向中間位置から後方に延出する上板部642と、上板部642の後端縁から下方に延出する後板部643とを備え、これら仕切り板641、上板部642、及び後板部643の内側に形成される空間にコイルばね614(図12(b)では図示略)を収容可能となっている。
【0066】
また、図8等に示すように、ばね収容部631は、球抜きユニット611の組付け状態において、本体部612の前壁部622と、本体部612の底面から上方に突設され、前壁部622に平行して延びるガイドリブ626との間に配置される。これにより、可動部材613のスライドがガイドされる構成となっている。尚、コイルばね614は、球抜きユニット611の組付け状態において、ばね収容部631の内側面及び本体部612の底面と略当接状態とされ、これにより、コイルばね614の変則的な変形が規制される。また、前壁部622とガイドリブ626との間における本体部612の底面には、コイルばね614の外周形状に沿って、下方に凹む断面略円弧状の凹部が形成されている。これにより、コイルばね614の位置決め効果がより確実に奏される。
【0067】
図8、図9に示すように、仕切り板641は、可動部材613のスライド位置を問わず、常に前壁部622に形成された切欠き部622aを閉塞している。これにより、切欠き部622aから球抜きユニット611の内部が視認されることで外観品質の低下を招いたり、切欠き部622aから球抜きユニット611の内部に異物が侵入したりしてしまうといった事態を防止することができる。
【0068】
また、ばね収容部631の内側には、コイルばね614の右端部側を固定するばね固定部644が設けられている。図11(b)、図12(b)に示すように、ばね固定部644は、仕切り板641と後板部643とを連結するようにして設けられた支持壁部644aと、支持壁部644aから左方に突出する略円柱状の係止突部644bとを備えている。そして、コイルばね614の右端部に係止突部644bを挿通させることで、コイルばね614の右端部が支持壁部644aの左面に支持される。
【0069】
一方、図11(a)に示すように、本体部612には、球抜きユニット611の組付け状態において、ばね固定部644と対向する位置に本体側ばね固定部627が設けられている。本体側ばね固定部627は、本体部612の底面から上方に突出する支持壁部627aと、支持壁部627aから右方に突出する略円柱状の係止突部627bとを備えている。そして、コイルばね614の左端部に係止突部627bを挿通させることで、コイルばね614の左端部が支持壁部627aの右面に支持される。以上のようにしてコイルばね614を可動部材613と本体部612との間に介在させることにより、可動部材613が右方に付勢されることとなる。
【0070】
尚、図8、図11(b)に示すように、仕切り板641の前面下部には摺動突部646が形成されており、球抜きユニット611の組付け状態において、当該摺動突部646が前壁部622の下部(切欠き部622aの下方に残された部位)と当接するようになっている。また、後板部643の背面には摺動リブ647が形成されており、球抜きユニット611の組付け状態において、当該摺動リブ647がガイドリブ626の前面と当接するようになっている。当該摺動突部646及び摺動リブ647の存在により、可動部材613のスライドに際し、仕切り板641と前壁部622との摺動抵抗、及び後板部643とガイドリブ626との摺動抵抗が抑制され、比較的スムースに可動部材613をスライドさせることができる。
【0071】
球抜きレバー25は、仕切り板641の前面から前方に延びる連結部651と、連結部651の前端部に設けられた操作部652とを備えている。球抜きユニット611の組付け状態においては、連結部651が本体部612の前壁部622に形成された切欠き部622aを介して前壁部622の前方に突出する構成となっている。従って、操作部652が本体部612(前壁部622)の前方に位置し、遊技者による操作が可能となっている。本実施形態では、操作部652を左方に押圧し、コイルばね614の付勢力に抗して可動部材613を左方にスライドさせることで、球抜き口603(排出孔621)が開口する構成となっている。
【0072】
尚、図1に示すように、下皿本体601には、収容凹部604が前方に延長されるようにして形成された被覆手段としての庇部606が設けられており、球抜きユニット611を下皿本体601に取付けることで、庇部606により、操作部652の上面が覆われることとなる。また、本実施形態では、操作部652の左端部が左方に向けて下方傾斜するようにして略円弧状に形成されるとともに、庇部606の下面左縁部が操作部652の曲率に合わせて湾曲形成されている。さらに、本実施形態では、操作部652の左端部が庇部606下面の左縁部に略当接するまで球抜きレバー25(可動部材613)を左方にスライド可能に構成されている。その上、詳しくは後述するが、本実施形態では、球抜きレバー25が自身のスライド範囲のうち左端までスライドした後、若干右方に戻った状態、すなわち、球抜き口603が開口した状態で可動部材613を保持可能であるとともに、球抜きレバー25を再度左端まで動かすことで、かかる保持状態を解除可能な構成となっている。従って、上記のように庇部606の形状を操作部652の左端部の形状に合わせて形成することにより、可動部材613の保持状態において、操作部652の左縁部(左面)が庇部606に覆われることとなる(球抜きレバー25の左縁部と庇部606との間に形成される隙間を極力小さくすることができる)。さらに、操作部652の前面は左方に向けて後方傾斜しており、操作部652の左端部に関しては、庇部606よりも後方に位置している。以上のような構成を採用することで、球抜きレバー25の左端部に指をかけにくくなり、球抜きレバー25の左端部を押圧して右方に変位させようとする行為が抑制される。
【0073】
一方、操作部652の右面は指先形状に合わせてR加工されている。さらに、球抜きレバー25(可動部材613)が最も右側に位置した状態においても、操作部652の右面に確実に指をかけることができるように、操作部652の右面と庇部606との間には十分な隙間が形成されている。このため、操作部652の右面を操作することで球抜き口603の開閉動作を行うことを認知させ易い。
【0074】
図8、図11(b)、図12(b)等に示すように、閉塞部633は、ばね収容部631の上部から後方に延出する板状体である。当該閉塞部633は、可動部材613が最も右側に位置した状態(連結部651と切欠き部622aの右縁部とが当接した状態)において球抜き口603(排出孔621)を閉鎖することができ、かつ、可動部材613が最も左側に位置した状態において、球抜き口603(排出孔621)をほぼ全開にすることができる形状をなしている。
【0075】
また、図12(a)に示すように、球抜きユニット611の組付け状態において、閉塞部633の下面は、本体部612の底面から上方に立設されたリブ628(前記ガイドリブ626を含む)に当接状態とされ、これにより、閉塞部633と本体部612の底面とが離間した状態で可動部材613がスライドすることとなる。尚、リブ628は、排出孔621の周縁部にも設けられており、これによって、可動部材613が球抜き口603(排出孔621)を閉塞した際に、排出孔621と可動部材613との間に隙間が形成されないようになっている。
【0076】
さらに、図12(b)等に示すように、閉塞部633には、ばね収容部631との境界側において左縁部(図12(b)では紙面手前側の辺部)から下方に延出する台板部661と、台板部661から左方に突出する係合突起662とが設けられている。図11(b)等に示すように、係合突起662の先端部には拡径部663が形成されている
一方、図8、図11(a)等に示すように、本体部612には、可動部材613のスライド方向において係合突起662と対向する位置にラッチ部材671が設けられている。
【0077】
以下、ラッチ部材671について、図13、図14を参照して説明する。図13(a)はラッチ本体673が突出した状態にあるときのラッチ部材671を示し、図13(b)はラッチ本体673が係合突起662に押されてハウジング672の奥まで没入したときのラッチ部材673を示し、図13(c)は係合突起662と係合片692とが係合状態にあるときのラッチ部材673を示す断面図である。図14はラッチ本体673及び係止金具713を示す斜視図である。
【0078】
図13に示すように、ラッチ部材671は、係合突起662側(右側)に開口する略箱状のハウジング672と、ハウジング672に対して出没可能に設けられるラッチ本体673と、ラッチ本体673をハウジング672から突出させる方向(右方)に付勢するコイルばね674とを備えている。尚、本実施形態では、係合突起662が係合部に相当し、ラッチ部材671が被係合部に相当し、係合突起662及びラッチ部材671により係合手段が構成される。
【0079】
ハウジング672には、前後の両側面から外方に突出する係止突起681が設けられている。一方、図11(a)に示すように、本体部612には、前記係合突起662と対向する位置において底面から突出する略コ字状の係止枠629が設けられており、当該係止枠629に対し、右側からラッチ部材671を挿通することで、係止突起681が係止枠629の左面に係止される。これにより、ラッチ部材671が本体部612に取付けられている。
【0080】
図14に示すように、ラッチ本体673は、略直方体形状をなすベース部691と、ベース部691のうち係合突起662側の端部(右端部)に設けられた前後一対の係合片692と、ベース部691の上面及び下面に設けられた係止環路693とを備えている。尚、図13(b)に示すように、可動部材613を左方にスライドさせると、係合突起662がベース部691のうち一対の係合片692の間の部位に当接するとともに、ラッチ本体673が係合突起662に押圧されてハウジング672に没入する構成となっている。
【0081】
ベース部691には、前後の両側面から突出する一対のガイド突起701が設けられている。そして、ラッチ本体673をハウジング672内に挿通させることにより、ガイド突起701が、ハウジング672に形成された長孔683にそれぞれ挿通される(図13参照)。これにより、ラッチ部材671が(ハウジング672とラッチ本体673とが)組み付けられるとともに、ハウジング672に対するラッチ本体673のスライドがガイドされる。
【0082】
また、ベース部691には、ラッチ本体673の没入方向側の面(左面)においてばね用凹部702が形成されており、当該ばね用凹部702にコイルばね674の一端部が挿通されている。一方、図13に示すように、ハウジング672の内側には、ばね用凹部702と対向する位置においてばね用凸部684が設けられており、コイルばね674の他端部にばね用凸部684が挿通されている。以上のように、ラッチ本体673とハウジング672との間にコイルばね674を介在させることで、ラッチ本体673がハウジング672から突出する方向(右方)に付勢される。
【0083】
さらに、ベース部691の上面及び下面には、前縁部及び後縁部に沿って上方又は下方に突出する前後一対の側板部703が設けられている。側板部703の先端部(上端部、下端部)及びラッチ本体673の前後両側面は、ハウジング672の内側面と略当接状態とされる。これにより、ラッチ本体673の出没動作に際し、ラッチ本体673のがたつきが抑制される。
【0084】
一対の係合片692は、ベース部691右面の前後の端部からラッチ本体673の突出方向(右方)に向けて互いに離間する方向に傾斜して延びている。また、一対の係合片692には、各先端部において互いに対向する向きに突出する係合爪692aが形成されている。さらに、係合片692の付根部には、その他の部位よりも薄肉な変形部692bが形成されており、当該変形部692bを中心に、一対の係合片692の係合爪692a間の距離を遠近させるようにして、各係合片692が傾動変形可能に構成されている。
【0085】
図13(a)に示すように、通常(長孔683の右縁部とガイド突起701とが当接した状態においては)、一対の係合片692は、そのほぼ全体がハウジング672から突出した状態となっている。この状態においては、前後一対の係合片692に設けられた係合爪692a間の距離が、拡径部663の前後幅よりも大きくなっており、可動部材613を左方にスライドさせることで、係合突起662が一対の係合片692の間を通過し、ベース部691の右面と当接することとなる。
【0086】
図13(b)に示すように、本実施形態では、係合突起662によりラッチ本体673を押し込むことで、一対の係合片692のほぼ全体をハウジング672の内側に収容させることができる構成となっている。一対の係合片692がハウジング672に収容されると、当該一対の係合片692は、それぞれハウジング672の側壁部内面に案内され、互いの距離を縮めるようにしてハウジング672の内側に傾動することとなる。このように、一対の係合片692が傾動することにより、各係合片692の先端部に設けられた係合爪692a間の距離が縮まり、当該一対の係合爪692aと、ラッチ本体673を押し込んだ係合突起662の拡径部663とが係合することとなる。
【0087】
さらに、一対の係合片692は適度な弾性を有しており、ハウジング672から抜け出すと、自らの弾性力により、互いの距離を広げるようにして元の姿勢(開いた状態)に復帰する。
【0088】
係止環路693は、前後一対の側板部703間においてベース部691(ベース部691の上面又は下面)から突出する略ハート形状の内周側突部711と、内周側突部711を囲むようにして設けられる周壁部712と、前後一対の側板部703のうち前側の側板部703aとにより構成されている。また、内周側突部711の突出長は、側板部703の突出長よりも短くなっている。尚、ベース部691の上面に設けられる係止環路693と、ベース部691の下面に設けられる係止環路693は同様の形状(上下対称形状)をなしている。
【0089】
一方、ハウジング672の内側には、係止環路693に対応して、略コ字状の係止金具713が設けられている。図14に示すように、係止金具713は、上下方向に延び、ハウジング672に軸支される棒状の基部714と、基部714の上下端部からラッチ本体673の突出方向側(右側)に延びる一対の折返し部715と、一対の折返し部715の各先端部から互いに対向する向きに突出する係止爪部716とを備え、基部714を軸心として回動可能に構成されている。ラッチ部材671の組付け状態(ハウジング672とラッチ本体673との組付け状態)においては、係止爪部716が係止環路693に位置している。また、一対の係止爪部716間の距離は、係止環路693が形成された部位のラッチ本体671(ベース部691)の厚みとほぼ同じくなっており、ラッチ本体673の出没動作に伴って、一対の係止爪部716が、内周側突部711、周壁部712、及び側板部703aに案内されつつ、係止環路693を周回可能に構成されている。尚、折返し部715は、上下方向において、内周側突部711とハウジング672の上下の壁部との間に位置している。これにより、折返し部715が内周側突部711に当接することに起因して係止爪部716の周回動作が妨げられてしまうといった事態を回避している。
【0090】
次に、ラッチ本体673の出没動作に伴う係止爪部716の動作について、図13を参照して説明する。
【0091】
図13(a)に示すように、ラッチ部材671と係合突起662とが離間しており、係合片692がハウジング672から大きく突出した状態にある場合、係止爪部716は、係止環路693の左側(内周側突部711の左方)に位置し、ラッチ本体673の変位方向(可動部材613のスライド方向)において、係止爪部716と内周側突部711の左面721とが対向配置されている。
【0092】
図13(a)に示す状態から、ラッチ本体673がハウジング672に没入する方向に変位させられると、まず、係止爪部716が、内周側突部711の左面721に当接する。当該内周側突部711の左面721は、ラッチ本体673の突出方向である右方に向けて後方(図13(a)の上方)に傾斜して延びており、係止爪部716は、当該左面721により後方に案内されながら係止環路693の右側に向けて相対移動する。さらに、ラッチ本体673をハウジング672に没入させていくと、係止爪部716が、内周側突部711の後面と周壁部712の後壁部との間を通過して、周壁部712の右壁部731の後部731aに当接する。当該右壁部731の後部731aは、右方に向けて前方(図13(a)の下方)に傾斜して延びており、係止爪部716は当該後部731aにより前方に案内されながら係止環路693の右側に相対移動する。そして、ラッチ本体673をハウジング672の奥まで押し込むと、図13(b)の実線で示すように、係止爪部716が係止環路693の前後方向略中央部にまで相対移動し、右壁部731の後部731aの右前端部から左方に延びる隔壁部731bに当接する。当該隔壁部731bの存在により、それ以上の係止爪部716の前方への変位が規制される。
【0093】
上記のようにラッチ本体673をハウジング672の奥まで押し込んだ後、ラッチ本体673を自由にする(ラッチ本体673を左方に変位させるための押力が解除される)と、コイルばね674の付勢力によりラッチ本体673がハウジング672から突出する方向(右方)に変位する。このとき、ラッチ本体673の変位方向において、係止爪部716の左方には、内周側突部711の右面724の後部724aが対向しており、ラッチ本体673が突出方向に変位することで、係止爪部716が当該右面724の後部724aに当接することとなる。当該右面724の後部724aは、ラッチ本体673がハウジング672へ没入する方向である左方に向けて前方に傾斜して延びており、係止爪部716は、右面724の後部724aにより前方に案内されつつ、係止環路693の左側に相対移動する。
【0094】
さらに、内周側突部711の右面724の前部724bは、右向に向けて前方に傾斜して延びており、これにより、右面724の後部724aと前部724bとの境界部において係止凹部725が形成されている。従って、図13(c)に示すように、右面724の後部724aに案内されて前方に変位する係止爪部716は、係止凹部725においてそれ以上の前方への変位が規制され、当該係止凹部725に係止されることとなる。これにより、各係合片692がハウジング672に没入した状態において、ラッチ本体673が保持されることとなる。
【0095】
上記のように、ラッチ本体673が保持された状態において、再度ラッチ本体673をハウジング672に没入する方向へ押し込むと、ラッチ本体673の没入方向への変位に伴い、係止爪部716が係止環路693の右側に相対移動する。係止凹部725は隔壁部731bよりも前方に位置しており、ラッチ本体673の変位方向において、係止凹部725に係止された係止爪部716の右方には、周壁部712の右壁部731の前部731cが対向配置されている。従って、当該係止爪部716が係止環路693の右側に相対移動すると、係止爪部716が当該右壁部731の前部731cに当接することとなる。当該右壁部731の前部731cは、右方に向けて前方に傾斜して延びており、係止爪部716は右壁部731の前部731cにより前方に案内されつつ、係止環路693の右側に相対移動する。また、右壁部731の前部731cは、内周側突部711よりも前方にまで延びて前側の側板部703aと連接しており、ラッチ本体673をハウジング672の奥まで押し込むと、図13(b)の二点鎖線で示すように、係止爪部716が係止環路693の最前部にまで相対移動し、前側の側板部703aと当接状態とされる。
【0096】
上記のようにラッチ本体673をハウジング672の奥まで押し込んだ後、ラッチ本体673を自由にすると、コイルばね674の付勢力によりラッチ本体673がハウジング672から突出する方向に変位する。当該ラッチ本体673の突出方向への変位に伴い、係止爪部716が内周側突部711の前面と側板部703aとの間を通過して、係止環路693の左側に相対移動する。係止爪部716が内周側突部711の左端まで相対移動すると、当該係止爪部716は、前側の側板部703aの左端部から後方に突出する案内突部735に当接する。案内突部735は、左向に向けて後方に傾斜して延びており、係止爪部716は案内突部735により後方に案内されつつ係止環路693の左側に相対移動する。これにより、係止爪部716が、ラッチ本体673の変位方向において内周側突部711の左面721と対向する元の位置に復帰することとなる。
【0097】
次に、球抜き口603の開閉動作について図8、図9を参照して説明する。図8に示すように、閉塞部633により球抜き口603(排出孔621)が閉鎖された状態においては、コイルばね614の付勢力により、球抜きレバー25の連結部651が切欠き部622aの右縁部と当接する位置において、可動部材613が保持された状態となっている。
【0098】
図8の状態から球抜きレバー25を左方にスライドさせると、閉塞部633が左方にスライドして球抜き口603が開口されるとともに、係合突起662が左方にスライドして、係合片692が図13(a)に示す状態にあるラッチ本体673(ベース部691のうち一対の係合片692の間の部位)に当接する。さらに、可動部材613を左端まで(球抜きレバー25の連結部651と切欠き部622aの左縁部とが当接するまで)スライドさせると、ラッチ本体673が係合突起662に押圧され、ハウジング672の奥まで没入する。このとき、一対の係合片692が、ハウジング672の内側に収容されるとともに、ハウジング672の側壁部に案内されて内側に傾動し、一対の係合片692の係合爪692aと係合突起662の拡径部663とが係合する。
【0099】
上記のように、ラッチ本体673をハウジング672の奥まで押し込んだ後、球抜きレバー25から手を放すことで、コイルばね614の付勢力により可動部材613が右方(球抜き口603を閉塞する側)に変位する。また、コイルばね674の付勢力により、ラッチ本体673が右方に変位する。このように、可動部材613及びラッチ本体673は右方に変位するのではあるが、上述したように、係止金具713の係止爪部716が係止環路693の係止凹部725に係止される(図13(c)参照)ことから、一対の係合片692がハウジング672から抜け出ることはなく、図9に示すように、係合片692と係合突起662との係合状態が維持される。このように、可動部材613がラッチ部材671により保持されることで、可動部材613が閉塞部633によって球抜き口603を閉鎖する位置に戻ることなく、球抜き口603の開口状態が維持される。
【0100】
また、可動部材613がラッチ部材671により保持された状態において、再度球抜きレバー25を左端までスライドさせると、ラッチ本体673が係合突起662に押圧されてハウジング672の奥まで没入し、上述したように、係止金具713の係止爪部716と係止環路693の係止凹部725との係止状態が解除される。そして、球抜きレバー25から手を放すと、コイルばね674の付勢力によりラッチ本体673が突出方向に変位して、一対の係合片692がハウジング672から突出した状態となる。これに伴って、一対の係合片692が自らの弾性力により拡開する。これにより、係合片692と係合突起662との係合状態が解除され、コイルばね614の付勢力により、可動部材613が球抜き口603を閉鎖する元の位置へと復帰する。
【0101】
さて、本実施形態では、係合突起662とラッチ部材671とを係合させることのできる状態と、係合突起662とラッチ部材671とを係合させることのできない状態とに切替可能に構成されている。以下、当該構成について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、図10は、可動部材613とラッチ部材671とを係合させることができない状態における球抜きユニット611を示す上面図である。図15(a)は、係合突起662と係合可能な状態にあるラッチ部材671を示す模式図であり、図15(b)は、係合突起662と係合不可能な状態にあるラッチ部材671を示す模式図であり、図15(c)は、係合突起662と係合不可能な状態にあるラッチ部材671の模式断面図である。
【0102】
図15に示すように、ラッチ部材671のハウジング672は、球抜きユニット611の本体部612に固定される略箱状のハウジング本体672aと、ハウジング本体672aの外周面側に対して左右方向にスライド可能に設けられる略筒状のスライド体672bとを備えている。また、ハウジング672の上方には、スライド体672bを変位させるための下皿ソレノイド751が設けられている。本実施形態では、下皿ソレノイド751が切替手段及び解除手段を構成する。
【0103】
下皿ソレノイド751は、ソレノイド本体752と、プランジャー753と、プランジャー753を突出方向(右方)に付勢するばね754と、プランジャー753の先端部とスライド体672bとを連結する連結片部755とを備えている。また、下皿ソレノイド751(ソレノイド本体752)は、ラッチ部材671の左方において上方に突設された台座部761に対し、プランジャー753が左右方向に出没する向きで載置されている。さらに、下皿ソレノイド751は、主制御装置261に電気的に接続されており、主制御装置261の切替制御により励磁状態と非励磁状態とに切替えられる。そして、プランジャー753の出没動作に連動してスライド体672bがスライドすることとなる。
【0104】
本実施形態では、図15(a)に示すように、下皿ソレノイド751(ソレノイド本体752)が非励磁状態とされると、ばね754の付勢力により、プランジャー753が突出するとともに、スライド体672bの大部分がハウジング本体672aの先端部(右端部)から右方に突出した状態となる。一方、図15(b)に示すように、下皿ソレノイド751が励磁状態とされると、ばね754の付勢力に抗してプランジャー753が引っ込む方向に移動するとともに、スライド体672bの大部分(又は全体)がハウジング本体672aと重なり合った状態となる。
【0105】
そして、図15(a)に示すスライド体672bが突出した状態(係合有効状態)において、係合突起662によりラッチ本体673を押圧してハウジング672に没入する方向に変位させることで、図9、図13(c)に示すように、一対の係合片692が、スライド体672bの内側に収容されるとともに、スライド体672bの側壁部に案内されて内側に傾倒変形し、当該係合片692と係合突起662とが係合される。
【0106】
一方、図15(b)に示すスライド体672bの大部分がハウジング本体672aと重なり合った状態(係合無効状態)においては、図10、図15(c)に示すように、係合突起662によりラッチ本体673を押圧してハウジング672に没入する方向に変位させたとしても、一対の係合片692をスライド体672bに収容させることが不可能となる。このため、係合突起662と係合片692とを係合させることができなくなる(係合突起662と係合片692とが噛み合わなくなる)。
【0107】
さらに、図9、図13(c)に示す係合突起662と係合片692との係合状態において、下皿ソレノイド751が励磁状態とされると、図10、図15(c)に示すように、一対の係合片692を内側へと寄せていた(一対の係合片692の開く側への変形を規制していた)スライド体672bが、係合片692を支持しない位置(当接しない位置)へと変位する。つまり、一対の係合片692がスライド体672bから抜け出すとともに、自らの弾性力によって互いの距離を広げるようにして変形する。このため、係合突起662と係合片692との係合状態が解除されることとなる。
【0108】
また、本実施形態では、下皿15の下方に設置される球箱を検知可能な球箱検知手段としての箱検知センサ781が設けられている。尚、球箱とは、遊技ホール等に設置されたパチンコ機10を遊技するにあたって下皿15の下方に設置され、下皿15の球抜き口603から排出された遊技球を貯留して持ち運ぶことのできる箱である。
【0109】
箱検知センサ781は、下皿15の下面、すなわち、球抜きユニット611に設けられる発光部782(図8等参照)と、外枠11の幕板飾り87に設けられる受光部783(図1等参照)とを備える分離型の(発光部782及び受光部783がそれぞれ独立した)フォトセンサにより構成されている。また、箱検知センサ781は、主制御装置261に電気的に接続されている。
【0110】
より詳しく説明すると、下皿15の下方に球箱が設置されると、発光部782と受光部783とを結ぶ直線上に球箱が位置することとなり、発光部782から受光部783に至る光が遮られる(球箱が透明、半透明な場合には減光される)。このように、発光部782から受光部783に至る光が遮られ、受光部783への入光がない(ほとんどない)場合には、主制御装置261により、下皿ソレノイド751が非励磁状態とされる。これにより、ラッチ部材671によって、可動部材613を球抜き口603が開口する位置(第2の位置)で保持可能な状態(第1の状態)となる。
【0111】
一方、下皿15の下方に球箱がなくなることで、発光部782からの光が受光部783で検知されると、箱検知センサ781から検知信号が主制御装置261に出力されるとともに、主制御装置261により、下皿ソレノイド751が励磁状態とされる。これにより、ラッチ部材671では可動部材613を球抜き口603が開口する位置で保持することのできない状態(第2の状態)となる。つまり、球抜きレバー25を左端までスライドさせたとしても、球抜きレバー25から手を放すとコイルばね614の付勢力により可動部材613が球抜き口603を閉鎖する位置(第1の位置)に戻されることとなる。さらに、ラッチ部材671と係合突起681とが係合状態にある場合には、当該係合状態が解除され、コイルばね614の付勢力により可動部材613が球抜き口603を閉鎖する位置に戻されることとなる。
【0112】
尚、係合片692と係合突起662とが係合状態にあるときに、下皿15の下方から球箱が取除かれることで前記係合状態が解除された後、再び、下皿15の下方に球箱が設置された場合、スライド体672bがハウジング本体672aから突出した状態に戻される。つまり、前後一対の係合片692が、スライド体672bの内側に収容されて内側に傾動し、一対の係合片692の係合爪692a間の距離が、係合突起662の拡径部663の前後幅よりも小さくなる。従って、係合片692と係合突起662とを係合させることができない状態となっているが、球抜きレバー25をスライドさせて、係合突起662によりラッチ本体673(内側に傾動した状態にある一対の係合片692)を一度左方に押圧することで、一対の係合片692をスライド体672bから突出させ、係合片692と係合突起662とを係合可能な状態に戻すことができる。尚、係合片692と係合突起662とが係合状態にあるときに、下皿15の下方から球箱が取除かれることで前記係合状態が解除された後、再び、下皿15の下方に球箱が設置された場合に、例えば、駆動手段(ソレノイド等)を用いて、ラッチ本体673を一度左方に押圧し、係合片692と係合突起662とを係合可能な状態に戻しておくといった構成を採用してもよい。この場合、遊技者が、上記のような二度手間(係合片692と係合突起662とを係合させるために球抜きレバー25を左方に二度押圧する)を強いられるといった事態を回避することができ、操作性の向上が図られる。
【0113】
以上詳述したように、本実施形態では、下皿ソレノイド751を非励磁状態と励磁状態とに切替えることで、下皿15の球抜き口603を開閉する可動部材613を、球抜き口603が開口する位置(第2の位置)で保持させておくことのできる状態(第1の状態)と、可動部材613を球抜き口603が開口する位置で保持させておくことのできない状態(第2の状態)とに切替えることができる。
【0114】
より詳しくは、下皿ソレノイド751が非励磁状態にあるときには、スライド体672bがハウジング本体672aから右方に大きく突出した状態とされ、係合突起662によりラッチ本体673を左方に押圧してハウジング672に没入する方向へ変位させることで、一対の係合片692がスライド体672bの内側に収容されるとともに、スライド体672の内側面に案内されるようにして内側に傾倒変形する。これにより、係合突起662(拡径部663)とラッチ部材673(一対の係合片692)とを係合させて、球抜き口603が開口する位置で可動部材613を保持することができ、遊技者が球抜きレバー25から手を離しても球抜き口603の開口状態を維持することができる。
【0115】
一方、下皿ソレノイド751が励磁状態にあるときには、スライド体672bの大部分がハウジング本体672aと重なり合った状態とされ、係合突起662によりラッチ本体673を左方に押圧してハウジング672に没入する方向へ変位させたとしても、一対の係合片692がスライド体672bに収容されることはなく、これによって、一対の係合片692を内側に傾倒変形させることができなくなっている。従って、可動部材613を左方へスライドさせたとしても、係合突起662とラッチ部材671とを係合させることができず、遊技者が球抜きレバー25から手を離すと、コイルばね614の付勢力により可動部材613が元の位置(球抜き口603を閉塞する位置)へと復帰することとなる。
【0116】
さらに、係合突起662とラッチ部材671とが係合状態にあるときに、下皿ソレノイド751が励磁状態とされると、かかる係合状態が解除され、コイルばね614の付勢力により可動部材613が球抜き口603を閉塞する位置へと復帰することとなる。
【0117】
また、本実施形態では、下皿15の下方に設置される球箱を検知する箱検知センサ781が設けられており、箱検知センサ781の検知結果に基づいて、下皿ソレノイド751が主制御装置261により駆動制御される。つまり、下皿15の下方に球箱が設置されている場合には下皿ソレノイド751が非励磁状態とされ、下皿15の下方に球箱が設置されていない場合には下皿ソレノイド751が励磁状態とされる。
【0118】
従って、下皿15の下方に球箱が設置されているときには、遊技者が球抜きレバー25(操作部652)を押さえ続けなくても、球抜き口603の開口状態を維持することができ、下皿15に貯留された遊技球を大量にかつ迅速に排出することができる。このため、球抜き作業に関し、遊技者の負担軽減が図られる。
【0119】
一方、下皿15の下方に球箱が設置されていないときには、球抜きレバー25(操作部652)を操作して可動部材613を左方にスライドさせ、球抜き口603から遊技球を排出することができるものの、ラッチ部材671と係合突起662とを係合させることができないため、球抜きレバー25を左方に押え続けなければ(球抜きレバー25から手を離すと)、コイルばね614の付勢力により、可動部材613が球抜き口603を閉塞する位置へと戻される。さらに、係合突起662とラッチ部材671とが係合状態にあるときに、下皿15の下方から球箱が取り除かれた場合には、かかる係合状態が解除され、コイルばね614の付勢力により可動部材613が球抜き口603を閉塞する位置へと戻される。
【0120】
このため、例えば、所定のパチンコ機10を遊技していた遊技者が、球抜き口603を開口させた状態のまま遊技を終了する(帰ってしまう)ことによって、次の遊技者が、球抜き口603が開口していることに気付かずに遊技を行ったり、球抜き口603を開口させていることを忘れて遊技を行ったりすること等に起因して、下皿15に払出された遊技球が、遊技者の意に反して球抜き口603から排出されてしまうといった事態を防止することができる。特に、下皿15の下方において球箱が設置されていない状況においては、下皿15から遊技球が排出されることで、遊技ホールに遊技球が散乱してしまうといった事態を防止することができる。
【0121】
また、上記のように遊技球が散乱してしまうといった不具合を抑制するべく、本実施形態の構成の他にも、例えば、球抜きユニットに操作部がなく、球抜き口が球箱の有無等に応じて自動的に開閉される構成が考えられる。しかしながら、この場合、下皿に払出される遊技球が僅かであって、下皿から遊技球を排出する必要がないときにも、遊技球が下皿に貯留されることなく球抜き口から球箱に排出されてしまう。このため、上皿に対して、下皿へと払出された遊技球を移すにあたって、遊技者の負担が増大してしまうおそれがある。特に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで(遊技領域まで)至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合に、そのファール球が下皿15に排出されるといった構成を採用する場合には、かかる不具合が顕著なものとなる。また、例えば、大当たり状態の最中に球箱が満杯になった場合に、球箱から遊技球があふれてしまうといった事態を招くおそれがある。
【0122】
これに対し、本実施形態によれば、下皿15の下方に球箱が設置されている状態においても、遊技者の意思で(遊技者が球抜きレバー25を操作することで)球抜き口603を閉鎖し、下皿15に遊技球を溜めておくことができる。従って、遊技者の意に反して遊技球がパチンコ機10の外部に排出されてしまうといった事態を抑制することができ、遊技者の負担軽減を図ることができる。具体的に、例えば、少量の遊技球が貯留された球箱から上皿19に遊技球を移す場合には、球箱にある遊技球を手で掴みにくいため、球箱ごと持ち上げて上皿19に遊技球を流し込むといった面倒な作業を行うことが考えられるが、下皿15にある遊技球を上皿19に移す場合には、球抜きレバー25を操作して球抜き口603を開口させ、球抜き口603から排出される遊技球を手で受けることで取出すことができ、遊技球を上皿19に移す際の作業性の低下を防止することができる。さらに、大当たり状態の最中に球箱が満杯になった場合であっても、球抜き口603を閉鎖して下皿15に遊技球を貯留することで、球箱を取替える時間的余裕ができ、球箱から遊技球が溢れてしまうといった事態を防止することができる。
【0123】
さらに、本実施形態では、下皿ソレノイド751を励磁状態とするだけで、可動部材613を左方にスライドさせたとしても係合片692と係合突起662とを係合させることができない状態とすることができる上、係合片692と係合突起662とが係合した状態にある場合には、かかる係合状態を解除することができる。従って、係合片692と係合突起662との係合を規制するための機構と、係合片692と係合突起662との係合状態を解除するための機構とをそれぞれ別に構成する場合に比べ、大幅な構成の簡素化を図ることができる。
【0124】
また、係合片692と係合突起662との係合状態を解除可能に構成されていることから、下皿15の下方から球箱が取り除かれたのにもかかわらず、係合突起662とラッチ部材671とが係合していることに起因して、可動部材613を球抜き口603が閉鎖される位置へと戻すことができないといった事態を回避することができる。従って、前の遊技者が球抜き口603を開口させた状態のまま遊技を終了する(席を離れる)場合であっても、次の遊技者が遊技を行う頃には、球抜き口603を閉鎖した状態に戻しておくことができる。結果として、遊技者の意に反して球抜き口603から遊技球が排出されてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
【0125】
加えて、上記実施形態では、下皿15(下皿本体601)に庇部606が設けられており、可動部材613がラッチ部材671によって保持された状態においては、球抜きレバー25の操作部652の左端部が庇部606に覆われて触り難くなっている。従って、可動部材613がラッチ部材671に保持されているときに、操作部652の左端部に指をかけて、無理やり右側(可動部材613により球抜き口603が閉塞される側)に押圧することに起因して、ラッチ部材671等が損傷してしまうといった事態を防止することができる。また、操作部652の前面が左方に向けて後方傾斜して延び、操作部652の左端部が庇部606よりも後方に位置していることから上記作用効果がより確実に奏される。
【0126】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置(処理装置)である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
【0127】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0128】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理(このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される)によって停電の発生等による電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0129】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しない検知スイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
【0130】
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0131】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
【0132】
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
【0133】
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0134】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0135】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0136】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
【0137】
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0138】
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
【0139】
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンド(指令信号)を、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0140】
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
【0141】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源(駆動電力)を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0142】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0143】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0144】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0145】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0146】
(a)上記実施形態では、ハウジング672をハウジング本体672aとスライド体672bとから構成し、下皿ソレノイド751を励磁状態としてスライド体672bをハウジング本体672aと重なり合う方向にスライドさせることで、係合片692と係合突起662との係合を不可能とするとともに、係合片692と係合突起662との係合状態を解除する構成を採用しているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、係合片692と係合突起662との係合を不可能とするための構成と、係合片692と係合突起662との係合状態を解除するための構成とを別々に設けることとしてもよい。
【0147】
以下、図16に示す態様例について説明する。尚、図16(a)は、可動部材613がラッチ部材671に保持された状態における球抜きユニット611を示す上面図である。図16(b)は、規制片部811と閉塞部633とが当接し、可動部材613のスライドが制約される状態にあるときの球抜きユニット611を示す上面図である。図16(c)は、球抜きユニット611の断面図である。但し、図16(c)ではラッチ部材671の図示を省略している。また、基本構成は上記実施形態と共通するため、便宜上、上記実施形態と同様の部材番号を用いつつ説明する。
【0148】
先ず、球抜き口603(排出孔621)を閉鎖する位置にある可動部材613を左方にスライドさせることで、可動部材613を球抜き口603が開口する位置で保持することのできる状態(第1の状態)と、可動部材613を左方にスライドさせても可動部材613を球抜き口603が開口する位置で保持することのできない状態(第2の状態)とに切替えるための構成について、図16を参照しつつ説明する。
【0149】
球抜きユニット611の本体部612の左部には後方に突出する台座部801が形成されている。当該台座部801には前後方向(図16(a)では上下方向)にプランジャー803が出没する向きでソレノイド802(切替手段)が載置されている。ソレノイド802が非励磁状態にある場合には、プランジャー803に対応して設けられたばね804の付勢力により、プランジャー803がソレノイド本体802aから大きく突出した状態とされる。一方、下皿ソレノイド802が励磁状態とされると、ばね804の付勢力に抗してプランジャー803がソレノイド本体802aに引っ込む方向に変位する。尚、ソレノイド802のプランジャー803及びばね804は、可動部材613の閉塞部633よりも上方に位置しており、可動部材613を左方にスライドさせたとしても、可動部材613がプランジャー803やばね804に当接しない構成となっている。
【0150】
また、プランジャー803の先端部には、下方に突出する規制片部805(規制手段)が設けられている。規制片部805の下端部は本体部612の底面と略当接している(図16(c)参照)。
【0151】
さらに、可動部材613の閉塞部633には、左方(球抜き口603を開口させる際の可動部材613のスライド方向側)に開口する許容凹部811が形成されている。
【0152】
図16(a)、(c)に示すように、ソレノイド801が非励磁状態にあるときは、可動部材613のスライド方向(左右方向)において、許容凹部811と規制片部805との位置が合致し、可動部材613が左方にスライドした際に、規制片部805が許容凹部811に挿通される。従って、球抜きレバー25を左方にスライドさせることで、係合突起662とラッチ部材671(係合片692)とを係合させ、球抜き口603の開口状態を維持することができる。
【0153】
一方、図16(b)に示すように、ソレノイド802が励磁状態とされると、プランジャー803が引っ込むことに伴って規制片部805が後方に変位し、規制片部805が許容凹部811よりも後方に位置する。このように、可動部材613のスライド方向において、規制片部805と許容凹部811との位置が合致しなくなると、球抜きレバー25を操作して、可動部材613を左方にスライドさせたとしても、規制片部805が閉塞部633の左辺部に当接し、可動部材613の左方へのスライドが規制される。これにより、係合突起662がラッチ部材671を押圧する位置となるまで(左端まで)可動部材613をスライドさせることができなくなる。従って、係合突起662と係合片692とを係合させることが不可能となり、遊技者が球抜きレバー25から手を離すと、コイルばね614の付勢力により可動部材613が元の位置(球抜き口603を閉塞する位置)へと戻されることとなる。
【0154】
尚、規制片部805の左辺部の下部は、本体部612の底面から上方に突設され、前後方向に延びる規制リブ809と略当接状態となっている。これにより、規制片部805が閉塞部633に押圧されることに起因して、プランジャー803が変形してしまうといったおそれを抑止することができる。
【0155】
次に、係合突起662とラッチ部材673との係合状態を解除するための構成について図17等を参照して説明する。尚、図17(a)は下皿ソレノイド751が非励磁状態にあるときのラッチ部材671を示す模式断面図であり、図17(b)は下皿ソレノイド751が励磁状態にあるときのラッチ部材671を示す模式断面図である。
【0156】
図17に示すように、ラッチ本体673には、ハウジング672の上壁部に形成された切込み部821を介して、ハウジング672の上方に突出する突部831が形成されている。尚、図16、図17に示すラッチ部材673のハウジング672は、一対の係合片692を収容する部位がスライドすることはなく、その他の部位と一体的に形成されている。また、ラッチ部材671の上方には、ソレノイド本体752と、プランジャー753と、プランジャー753の先端部に設けられた連結部755とを具備する下皿ソレノイド751(解除手段)が設けられている。本態様例では、連結部755は前記突部831と連結されている。尚、本態様例の下皿ソレノイド751は、ばね754が省略されている。
【0157】
下皿ソレノイド751が非励磁状態にある場合には、上記実施形態と同様に、係合突起662により押圧されたり、ハウジング672に内蔵されたコイルばね674の付勢力により押出されたりすることで、ラッチ本体673が出没する。また、かかるラッチ本体673の出没動作に伴って、連結片部755(プランジャー753)が追従的に変位することとなる。
【0158】
一方、下皿ソレノイド751が励磁状態とされると、プランジャー753が引っ込む方向に変位するとともに、当該プランジャー753の変位に伴って、ラッチ本体673がハウジング672に没入する方向に変位することとなる。このとき、ラッチ部材673の内部で、係止金具713の係止爪部716と、係止環路693の係止凹部725との係止状態が解除される(図13(b)の二点鎖線参照)。そして、再び下皿ソレノイド751が非励磁状態とされると、ラッチ部材673に内蔵されたコイルばね674の付勢力により、ラッチ本体673がハウジング672から突出する方向に変位する。これにより、一対の係合片692がハウジング672から突出して拡開し、一対の係合片692と係合突起662との係合状態が解除される。
【0159】
従って、下皿15の下方に球箱が設置されているときには、ソレノイド802を非励磁状態とするとともに、下皿ソレノイド751を非励磁状態としておき、下皿15の下方に設置されている球箱が取り除かれた場合には、下皿ソレノイド751を一旦励磁状態としてから非励磁状態とするとともに、ソレノイド802を励磁状態とすることで、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0160】
尚、係合片692と係合突起662との係合を不可能とするための構成は特に限定されるものではなく、例えば、本体部612に対してラッチ部材671全体をスライド可能に設け、球箱が設置されていないときには、所定の駆動手段によりラッチ部材671を係合突起662と当接しない位置まで変位させるといった構成を採用してもよい。また、例えば、ソレノイド802のプランジャー803の先端部を、ラッチ部材671のハウジング672の側壁部に形成された長孔683に侵入させて、ラッチ本体673(ベース部691)に形成されたガイド突起701の左面(没入方向側の面)に当接させることで、ラッチ本体673の没入方向側の変位を規制し(係合無効状態とし)、係合突起662とラッチ部材671とが係合しない状態とするよう構成してもよい。
【0161】
尚、係合片692と係合突起662との係合状態を解除するための構成は特に限定されるものではなく、例えば、係止金具713を変位させることのできる切替手段を備え、下皿15の下方から球箱が取り除かれた場合には、切替手段が、係止金具713の先端部側を前方(図13では下方)に押圧し、係止環路692の係止凹部725と係止金具713の係止爪部716との係止状態を解除する構成を採用してもよい。また、例えば、ラッチ本体673のベース部691に対して内周側突部711又は内周側突部711のうち右面724の前部724bを構成する部位を変位可能(上下方向又は左右方向にスライド可能、上下方向を軸線として回動可能)に設けたり、ハウジング672に対してラッチ本体673を回動可能に設けたりした上で、これらを変位させることのできる切替手段を駆動することにより、係止環路692の係止凹部725と係止金具713の係止爪部716との係止状態を解除可能な構成を採用してもよい。これらの構成を採用する場合、係合片692と係合突起662とが係合状態にあるときに、下皿15の下方から球箱が取除かれることで前記係合状態が解除された後、再度、下皿15の下方に球箱を設置した上で、係合片692と係合突起662とを係合させようとした場合に、先ず始めに、ハウジング本体672aから突出した状態に戻されたスライド体672bの内側に収容された一対の係合片692をスライド体672bから突出させるべく、係合突起662によりラッチ本体673(内側に傾動した状態にある一対の係合片692)を左方に押圧しなければならないといった事態を回避することができる。
【0162】
加えて、上記実施形態では、切替手段として下皿ソレノイド751を採用しているが、下皿ソレノイド751に代えて、ステッピングモータやロータリーソレノイド等を採用することも可能である。また、可動部材613側にラッチ部材671が設けられ、本体部612側に係合突起662が設けられることとしてもよい。
【0163】
(b)上記実施形態では、箱検知センサ781の検知結果に基づいて、係合突起662とラッチ部材671とが係合可能な状態と、係合突起662とラッチ部材671とが係合不可能な状態とに切替えているが、特にこのような構成に限定されるものではない。以下、図18、図19に示す態様例について説明する。尚、図18は、パチンコ機10の下部の構成を示す模式断面図である。図19は、第1片部911、第2片部912、及びピニオン部材913の位置関係を説明するための図である。但し、図18では、便宜上、下皿本体601等の図示を省略している。また、図19では、係止金具713(係止爪部716)と、係止環路693の係止凹部725とが係止状態にあるときのラッチ部材671を示している。
【0164】
図18に示すように、外枠11の幕板飾り87には、幕板飾り87を前後に貫通するとともに、幕板飾り87に対して前後方向にスライド可能な棒状のレバー901(球箱連動手段)と、レバー901を前方に付勢するコイルばね902(押出付勢手段)と、幕板飾り87に対して回転可能に設けられる長板状の伝達部903(リンク機構)とが設けられている。伝達部903の回転軸は、長手方向略中央部において左右方向(図16の紙面垂直方向)に延びている。また、伝達部903は、回転軸よりも下方部位において、レバー901の後端部と当接可能に構成されている。さらに、伝達部903の回転軸よりも下部を前方へと付勢する位置決めばね905が設けられており、当該位置決めばね905により、伝達部903の下方部位がレバー901の後端部と常に当接状態とされるとともに、長手方向が上下方向に延びる構成となっている。
【0165】
一方、球抜きユニット611は、球抜きユニット611の本体部612の後壁部、及び、前面枠セット14(下皿ユニット15aのベース部材17及び前枠ベース14a)を貫通して延び、前後方向(図16では左右方向)にスライド可能な第1片部911(切替手段)と、ハウジング672のスライド体672bに固定され、左右方向にスライド可能な第2片部612と、本体部612に対して回動可能に設けられ、第1片部911の先端部と第2片部912との間に介在するピニオン部材913とを備えている(図19参照)。第1片部911は、ばね915によって後方に付勢されている。また、第1片部911の後端部は、前面枠セット14及び内枠12の閉鎖時において、伝達部903の上部と当接する。このため、伝達部903が図18の時計回り方向に回転すると、第1片部911が伝達部903に押されて前方に変位する構成となっている。尚、内枠12には、第1片部911及び伝達部903の変位を許容する切込み部918が形成されている。
【0166】
図19に示すように、前後方向に延びる第1片部911の前部には、右方に凸となる複数の歯を有するラック部921が形成されている。ピニオン部材913は、第1片部911の右方に配設されており、ラック部921と噛み合う複数の歯を有している。このため、ピニオン部材913は第1片部911のスライドに伴って回動することとなる。加えて、ピニオン部材913の上下幅は第1片部911の上下幅よりも大きく構成されており、ラック部921はピニオン部材913の上部と噛み合うように設計されている(図18参照)。
【0167】
また、左右方向に延びる第2片部912は、ピニオン部材913の前方(図19では下方)に配設されるとともに、ピニオン部材913の下部と噛み合う複数の歯を有している。このため、第2片部912はピニオン部材913の回動に伴って左右方向にスライドすることとなる。尚、第1片部911と第2片部912とは上下に配置され、互いの摺動を妨げないようになっている。
【0168】
図18の実線で示すように、下皿15(球抜きユニット611)の下方に球箱921が設置されていないとき、すなわち、コイルばね902の付勢力によりレバー901が自身のスライド範囲における前端(基準位置)に位置するとともに、ばね915の付勢力により第1片部911が自身のスライド範囲における後端に位置している場合には、図19(a)に示すように、ラッチ部材671のスライド体672bの大部分がハウジング本体672aと重なり合った状態となり、係合突起662とラッチ部材671とを係合させることができなくなっている。
【0169】
一方、図18の二点鎖線で示すように、下皿15の下方に球箱921が設置されたときには、レバー901の前端部が球箱921に押圧されて後方へと変位するとともに、伝達部903の下部がレバー901に押されることで、伝達部903が図18の時計回り方向に回動する。このように伝達部903が回動すると、第1片部911が当該伝達部903の上部に押されて前方に変位する。さらに、図19(b)に示すように、第1片部911に連動して、ピニオン部材913が図19の反時計回りに回転するとともに、第2片部912が右方にスライドする。これにより、スライド体672bがハウジング本体672aから大きく突出した状態となり、係合突起662とラッチ部材671とを係合させることができる状態となる。
【0170】
尚、下皿15の下方から球箱921が取り除かれると、ばね915の付勢力により第1片部911が後方(図19では上方)に変位するとともに、ピニオン部材913が図19(a)の時計回り方向に回動して、第2片部912が左方にスライドする。これにより、スライド体672bの大部分がハウジング本体672aと重なり合った状態となり、係合突起662とラッチ部材671とを係合させることができなくなる。尚、位置決めばね905の付勢力によりレバー901が前方に突出する。
【0171】
以上のような構成を採用する場合であっても、基本的に上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0172】
(c)上記実施形態では、下皿15の下方に設置される球箱の有無により、ラッチ部材671によって可動部材613を球抜き口603が開口する位置で保持可能な状態と保持不可能な状態とに切替えられる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。
【0173】
例えば、遊技球を短時間で大量に獲得可能な大当たり状態にある場合、又は大当たり状態時及び(大当たり状態時の入賞に基づく遊技球の払出しが終了する時間を見越して)大当たり状態が終了してから所定時間経過するまでの期間にある場合には、可動部材613をラッチ部材671で保持可能な状態(下皿ソレノイド751を非励磁状態)とし、それ以外の状態(通常遊技状態)にある場合には、可動部材613をラッチ部材671で保持不可能な状態(下皿ソレノイド751を励磁状態)とすることとしてもよい。
【0174】
当該構成を採用する場合、下皿15がすぐに満杯となってしまう大当たり状態において、球抜き作業に関し、遊技者の負担軽減を図ることができる。一方、遊技球が短時間で大量に払出されることがないとき(通常遊技状態)においては、ラッチ部材671により可動部材613を保持することができなくても、球抜き作業に関する遊技者の負担が著しく増大することはない。従って、このような遊技状態にあるときには、ラッチ部材671により可動部材613を保持することができない状態としておくことで、遊技者の意に反して、不意に下皿15から遊技球が排出されてしまうことに起因する各種不具合を抑制することができる。
【0175】
尚、当該構成を上記実施形態の構成と組合わせることも可能である。組合わせた場合には、球箱が設置されていても、大当たり状態でなければ可動部材613がラッチ部材671に保持されず、大当たり状態であっても球箱がなければ可動部材613がラッチ部材671に保持されない構成となる。尚、上記(b)の構成(図16の構成)と組合わせる場合には、大当たり状態でないときには、伝達部903全体が後方へ変位する等して、レバー901と第1片部911とが連動しなくなるといった構成が挙げられる。
【0176】
また、当該構成をする場合、特に係合突起662とラッチ部材671との係合状態を解除するための構成がなくても(例えば、上記(a)に記載したソレノイド802を用いる態様例のうち下皿ソレノイド751を省略することとしても)、遊技者の意に反して球抜き口603から遊技球が排出されてしまうといった事態を抑制することができる。つまり、例えば、大当たり終了後において、上記(a)に記載したソレノイド802を励磁状態として、可動部材613のスライドが規制される状態に切替える構成とすることで、大当たり状態が終了した際に遊技者が球抜きレバー25を操作して球抜き口603を閉鎖すると、次回の大当たり状態が開始されるまでは、球抜きレバー25を操作しても係合突起662とラッチ部材671とを係合させることができなくなる。従って、当該係合突起662とラッチ部材671とを係合させることができない状態において、かかる遊技者が遊技を終了した場合には、球抜き口603が必ず閉鎖状態となる。従って、次の遊技者が、球抜き口603が開口状態であることに気付かずに遊技を行うことに起因して、遊技者の意に反して遊技球が球抜き口603から排出されてしまうといった事態を抑制することができる。但し、係合突起662とラッチ部材671との係合状態を解除するための構成を具備する場合には、大当たり状態終了後に遊技者が球抜き口603を閉鎖することなく遊技を終了する場合であっても、遊技者の意に反して遊技球が球抜き口603から排出されてしまうといった事態を防止することができる。
【0177】
また、例えば、大当たり状態が発生してから(装飾図柄表示装置42等において大当たり状態が発生することの告知が行われてから、又は、大当たり状態時の入賞に基づく遊技球の払出しが実行され得る状態となってから、すなわち、可変入賞装置32(大入賞口)が開放される大当たりラウンドが開始してから)、又は、大当たり状態時の入賞に基づく遊技球の払出しが開始してから、大当たり時の入賞に基づく遊技球の払出しが完了するまでの期間においては、可動部材613をラッチ部材671で保持可能な状態(下皿ソレノイド751を非励磁状態)とし、それ以外の期間においては(大当たり時の入賞に基づく遊技球の払出しが完了した場合には)、可動部材613をラッチ部材671で保持不可能な状態(下皿ソレノイド751を励磁状態)とすることとしてもよい。この場合、例えば、大当たり状態中に遊技球の払出し経路(パチンコ機10内部の払出通路及びパチンコ機10が設置される島設備の遊技球供給機構)において球詰まりが発生することに起因して、大当たり状態終了後においてもしばらく遊技球が大量に払出される状態が継続するような状況であっても、ラッチ部材671と係合突起662とを係合させ、球抜き口603を開口状態で維持することができるため、球抜き作業に関して遊技者の負担軽減がより図られる。
【0178】
例えば、各種入賞口(可変入賞装置32等)に入賞があった場合には、主制御装置261のRAM503の記憶領域に設定される大当たり状態中か否かを判別するための大当たりフラグを確認し、大当たり中である場合には、入賞に応じて払出される予定の遊技球の数を計数する大当たり時賞球カウンタをカウントアップする。そして、大当たり時賞球カウンタに「0」以外の数値が設定されているときには、遊技球を払出すことで、大当たり時賞球カウンタをカウントダウンする。また、大当たり時賞球カウンタの数値が「0」であるか否かを確認し、「0」以外のときには、可動部材613をラッチ部材671で保持可能な状態(下皿ソレノイド751を非励磁状態)とし、「0」のときには、可動部材613をラッチ部材671で保持不可能な状態(下皿ソレノイド751を励磁状態)とすることとしてもよい。
【0179】
尚、上記実施形態のように球箱の有無により、ラッチ部材671によって可動部材613を球抜き口603が開口する位置で保持可能な状態と保持不可能な状態とに切替えられる構成を採用する場合には、遊技の終了に際し、上皿19及び下皿15に貯留されている遊技球を球箱に排出するときに、ラッチ部材671によって可動部材613を保持させておくことができることから、球抜き作業に関する遊技者の負担軽減がより図られる。
【0180】
(d)上記実施形態において、内枠12の背面側等の遊技者が操作不可能な位置に対して切替操作手段(ボタン、スイッチ等)を設け、当該切替操作手段の操作に基づき、球箱の有無に応じて下皿ソレノイド751が駆動しスライド体672bが変位するオン状態と、下皿ソレノイド751が非励磁状態とされたまま駆動することなくスライド体672bが変位しないオフ状態とに切替わるといった構成を採用してもよい。つまり、オン状態においては、上記実施形態と同様に、球箱が設置されていればラッチ部材671と係合突起662とが係合可能な状態となり、球箱がなければラッチ部材671と係合突起662とが係合不可能な状態となるのであるが、オフ状態においては、球箱の有無に関係なく、ラッチ部材671と係合突起662とが係合可能な状態が維持される(ラッチ部材671が可動部材613を保持できない状態には切替わらない)。
【0181】
すなわち、遊技ホールによっては、遊技者に一旦払出された遊技球を島設備に設けられた球回収機構により回収するとともに、回収に際して遊技球を計数し、遊技者が保有する(獲得した)遊技球数をデジタル表示するといった遊技形態を採用しているところもある。もちろん、遊技者は、所定の操作を行うことで、保有している遊技球の数だけ、島設備から自由に遊技球を取出す(上皿19等に払出させる)ことができる。このような遊技ホールにおいては、下皿15に払出された遊技球を当該下皿15において貯留する必要がなく、さらに、営業方針によっては、下皿15に遊技球を貯留させることなく一気に球回収機構に回収させることが好ましいとする場合もある。つまり、切替操作手段の操作により、オン状態とオフ状態とに切替えられる(どちらかの状態を選択できる)構成としておくことで、各遊技ホールの営業方針に見合ったパチンコ機とすることができる。
【0182】
尚、オフ状態においては、下皿15の下方に設置されていた球箱が取り除かれ、箱検知センサ781から検知信号が主制御装置261に出力されたとしても、主制御装置261が下皿ソレノイド751を励磁状態としないこととしてもよい。また、オフ状態において連結片部755と当接可能な位置に変位し、下皿ソレノイド751のプランジャー753の引っ込む方向側の変位を規制するストッパーを設けるといった具合に、機械的にオン状態とオフ状態とに切替えることとしてもよい。
【0183】
(e)上記実施形態では、受光部783が外枠11の幕板飾り87に設けられているが、発光部782及び受光部783の設置位置は特に限定されるものではなく、例えば、受光部783を下皿15から下方に突出させて設けることとしてもよい。このように、発光部782及び受光部783をともに前面枠セット14に設けることで、例えば、受光部783が外枠11に設けられている場合に比べ、箱検知センサ781の光軸がずれてしまうといったおそれを防止することができ、検出精度の低下を防止することができる。
【0184】
尚、当該構成を採用する場合には、内枠12及び外枠11(幕板飾り87)に対し、前面枠セット14及び内枠12の閉鎖時において受光部783を収容するための切込み部を形成する必要がある。これに対し、上記実施形態のように、受光部783を外枠11に設けることで、内枠12に切込み部を形成したり、受光部783を内枠12及び外枠11に形成された切込み部に収容させるべく、(製造誤差等を見込んで)切込み部の形成位置や大きさを綿密に設計したりする必要がない。従って、製造作業性の向上が図られる。また、発光部782と受光部783とが逆の関係(下皿15に受光部783を設け、外枠11に発光部782を設ける)であってもよい。加えて、上記実施形態では、箱検知センサ781として分離型フォトセンサを採用しているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、その他のセンサ(反射型フォトセンサ等)や、下皿15の下方に設置される球箱と接触可能な位置に設けられるスイッチ等を採用してもよい。
【0185】
(f)上記実施形態では、球抜きレバー25が閉塞部633と一体的に形成されているが、例えば、球抜きレバー25を操作することで、球抜きレバー25とは別に形成された閉塞部633がリンクを介して変位し、球抜き口603を開閉する構成としてもよい。また、上記実施形態では、球抜きレバー25をスライド操作することで閉塞部633が連動し、球抜き口603が開閉される構成を採用しているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、プッシュ式のボタン操作やダイヤル式のつまみ操作に連動して球抜き口603が開閉する構成を採用してもよい。また、これらの操作部の操作を検知する操作検知手段を設け、操作部の操作が合った場合には、操作検知手段の検知結果に基づいて所定の制御装置が球抜き口603を開口させる制御を行うといった構成を採用してもよい。
【0186】
さらに、上記実施形態では、下皿15の下方に設置される球箱の有無により、ラッチ部材671によって可動部材613を球抜き口603が開口する位置で保持可能な状態と保持不可能な状態とに切替えられる構成となっているが、例えば、球抜きレバー25の操作を検知可能な操作検知手段を設けるとともに、球箱の有無に関わらず、常には可動部材613を保持できない状態としておき、球抜きレバー25の操作があったときに、下皿15の下方に球箱が設置されている場合には、前記操作検知手段及び箱検知センサ781の検知結果に基づいて、可動部材613を保持可能な状態に切替わり、球抜きレバー25の操作が検知されても、下皿15の下方に球箱が設置されていない場合には、可動部材613を保持できない状態が維持されるといった構成を採用してもよい。また、例えば、球箱の有無に関わらず、常には可動部材613を保持可能な状態としておき、球抜きレバー25の操作があったときに、下皿15の下方に球箱が設置されている場合には、可動部材613を保持可能な状態が維持され、球抜きレバー25の操作が検知されたときに、下皿15の下方に球箱が設置されていない場合には、可動部材613を保持できない状態に切替わるといった構成を採用してもよい。尚、意図に反して遊技球が球抜き口603から排出されてしまうことを防止するといった観点からすると、前者の構成や、上記実施形態の構成を採用することが望ましい。また、後者の構成を採用する場合には、遊技者を検知する人検知手段(人感センサ)を設け、遊技者が席から離れた場合に、下皿ソレノイド751が励磁状態とされ、係合片692と係合突起662とが係合した状態にある場合には、かかる係合状態が解除されるといった構成を採用してもよい。この場合、後者の構成を採用しても、意図に反して遊技球が球抜き口603から排出されてしまうことを防止するといった作用効果が確実に奏される。
【0187】
(g)上記実施形態では特に言及していないが、可動部材613がラッチ部材671に保持された状態において球抜き口603の一部が閉塞部633により閉塞されていてもよいし、球抜き口603の全域が開口していてもよい。また、可動部材613を保持させることができない状態において、可動部材613を最大限左方にスライドさせた状態において、球抜き口603の一部が閉塞部633により閉塞されていてもよいし、球抜き口603の全域を開口できる構成としてもよい。
【0188】
(h)上記実施形態では、下皿15が設けられ、当該下皿15により球受皿が構成されているが、下皿15を省略するとともに、上皿19に対応して設けられた球抜きボタン123を操作することで、上皿19に貯留された遊技球が直接パチンコ機10の外部(球箱)に排出される構成を採用してもよい。この場合、上皿19が球受皿を構成する。当該構成を採用する場合であっても、基本的に上記実施形態と同様の作用効果が奏される。また、当該構成を採用する場合であって、例えば、上皿19に設けられた球抜き口が球箱の有無により自動で開閉される構成を採用する場合、球箱が設置されている状態においては球抜き口の開口状態が維持されるため、上皿19における遊技球の貯留量が減少してしまうおそれがある。これに起因して、球箱の遊技球を上皿に移すといった行為を頻繁に行う必要が生じることが懸念される。これに対し、上記実施形態のように、球箱が設置されている状態においても、遊技者の意思により、球抜き口を閉鎖できる構成とすることにより、上記不具合を防止することができる。
【0189】
(i)上記実施形態における被覆手段としての庇部606は、可動部材613がラッチ部材671により保持された状態において、球抜きレバー25の操作部652の左面及び操作部651の左端部の前面を覆うこととしてもよい。この場合、可動部材613がラッチ部材671に保持された状態において、操作部652の左面に指をかけることがより困難又は不可能となり、ラッチ部材671に保持された可動部材613の球抜きレバー25が右方に無理やり押圧されることで、ラッチ部材671等が損傷してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
【0190】
(j)上記実施形態において、球抜きユニット611に対し、球箱に遊技球が満杯又はほぼ満杯になったことを検知可能な満杯検知手段(球抜きユニット611の下面に設置され、球箱に貯留された遊技球との距離を測るセンサ等)を設け、球箱の遊技球が満杯又はほぼ満杯になった場合には下皿ソレノイド751を励磁状態とし、球箱の遊技球が満杯又はほぼ満杯になっていない場合には下皿ソレノイド751を非励磁状態とするといった構成を採用してもよい。つまり、球箱が満杯になったときには、下皿15から遊技球を排出する必要がないため、かかる状態において、下皿ソレノイド751を励磁状態とすることにより、球抜き作業に関する遊技者の負担軽減を図りつつ、遊技者の意に反して下皿15から遊技球が排出されてしまうといった事態を抑制することができるといった作用効果がより確実に奏される。特に、可動部材613がラッチ部材671によって保持された状態にあっても、球箱が満杯になった際には、かかる保持状態が解除されて、球抜き口603が可動部材613により閉鎖されることから、球箱から遊技球が溢れてしまったり、球抜き口603を閉鎖するのを忘れて下皿15の下方にある球箱を移動させた場合等において、遊技球が遊技ホールに散乱してしまうといった事態を抑制することができる。
【0191】
(k)上記実施形態では、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成されているが、これに限らず、他の金属材料により構成してもよい。但し、アルミニウム合金は、他の金属材料よりも比較的軽く加工性がよいため、リサイクル性の向上を図る点においては、より好ましい。もちろん、木製の板材を小ネジ等の離脱可能な締結具により組み付けることで外枠11を構成してもよい。但し、上記実施形態のように、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dを金属製とすることで、耐久性及びリサイクル性の向上を図ることができる上、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dの強度を保ちつつ薄肉とすることができることにより、パチンコ機10のように、その外郭形状が規格的に略同一形状に構成される遊技機において、外枠11によって囲まれたスペースが左右幅方向に拡張されることとなり、当該スペースをより有効に利用することができる。また、従来の木製の外枠では、内部スペースの拡張等のために左右両辺の枠構成部にルータ加工等を施していたが、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dを金属で構成することにより、ルータ加工等のような手間のかかる作業を必要とせず、作業工程の簡素化を図ることができる。さらに、成形の自由度が向上するため、右辺枠構成部11dの断面形状を、内枠12と外枠11との隙間を減少させたり、内枠12と外枠11との隙間から針金等の線材をパチンコ機10の内部に侵入させにくくしたりする形状とすることができる。
【0192】
尚、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dは押出成形品でなくともよく、例えば型成形品でもよい。また、上記実施形態では、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dだけが金属製であるが、これに限らず、上辺枠構成部11aや下辺枠構成部11bを金属製にしてもよい。この場合、例えば上下左右の枠構成部11a〜11dのうちの2つ或いは3つの枠構成部、又はすべての枠構成部を一体成形してもよい。加えて、延出壁部83を省略した構成としてもよい。
【0193】
(l)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
【0194】
[付記]
手段1.賞球として払出される遊技媒体としての遊技球を貯留可能な貯留部を有する球受皿を備えた遊技機であって、
前記球受皿は、前記貯留部に貯留された遊技球を当該貯留部の外部へ排出可能な球抜き口を有するとともに、前記球抜き口を開閉可能な球抜きユニットを備え、
前記球抜きユニットは、前記球抜き口を閉鎖して前記球抜き口から遊技球を排出不可能とする第1の位置と、前記球抜き口を開口させて前記球抜き口から遊技球を排出可能とする第2の位置とに変位可能な可動部材と、遊技者が操作可能な位置に設けられ、前記可動部材を変位させることのできる操作部と、前記可動部材を前記第2の位置側から前記第1の位置側へと付勢する付勢手段と、前記第2の位置にある前記可動部材を保持可能な係合手段とを備え、
遊技者が前記操作部を操作し、前記第1の位置にある前記可動部材を前記第2の位置へと変位させることに基づき、前記係合手段によって前記可動部材を前記第2の位置において保持可能であるとともに、遊技者の所定の操作により前記第2の位置において保持されている前記可動部材の保持状態を解除可能な第1の状態と、
前記可動部材を前記第2の位置側へ変位させても、前記係合手段によって前記可動部材を前記第2の位置において保持させることのできない第2の状態との間で前記球抜きユニットの状態を切替える切替手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0195】
手段1によれば、球受皿の球抜き口を開閉する可動部材を球抜き口が開口する第2の位置へと変位させることで、当該可動部材を係合手段で保持することのできる第1の状態と、可動部材を第2の位置側へと変位させても、当該可動部材を係合手段で保持することのできない第2の状態との間で前記球抜きユニットの状態を切替える切替手段が設けられている。すなわち、第1の状態に切替えることで、球受皿に貯留された遊技球を大量にかつ迅速に排出したいとき等に、遊技者が操作部を押さえ続けなくても、球抜き口の開口状態を維持することができ、球抜き作業に関し、遊技者の負担軽減が図られる。
【0196】
一方、第2の状態においては、操作部を操作することで球抜き口から遊技球を排出することはできるものの、係合手段によって可動部材を保持することができないため、操作部の操作を解除すると(操作部から手を放すと)付勢手段の付勢力により、可動部材が第1の位置に復帰する。従って、球受皿に貯留された遊技球を大量にかつ迅速に排出しなくてもよいとき等において、第2の状態に切替えることで、遊技者が、球抜き口が開口していることに気付かずに遊技を行ったり、球抜き口を開口させていることを忘れて遊技を行ったりすること等に起因して、球受皿に払出された遊技球が、遊技者の意に反して球抜き口から排出されてしまうといった事態を抑制することができる。特に、球受皿の下方において、球受皿から排出された遊技球を貯留可能な球箱が設置されていない状況においては、球受皿から遊技球が排出されると、当該遊技機が設置された遊技ホール等に遊技球が散乱してしまうおそれがあるが、本手段によれば、かかる不具合を抑制することができる。
【0197】
また、上記のように遊技球が散乱してしまうといった不具合を抑制するべく、上記構成の他にも、例えば、球抜きユニットに操作部がなく、球抜き口が球箱の有無等に応じて自動的に開閉される構成が考えられる。しかしながら、この場合、球受皿に払出される遊技球が僅かであって、球受皿から遊技球を排出する必要がないときにも、遊技球が球受皿に貯留されることなく球抜き口から球箱に排出されてしまう。このため、例えば、パチンコ機の遊技に際し、賞球として払出された遊技球を貯留可能であるとともに、当該貯留した遊技球を発射装置に案内する上皿に対して、球受皿へと払出された遊技球を移すにあたって、遊技者の負担が増大してしまうおそれがある。また、例えば、パチンコ機において、かかる構成を採用する場合には、短時間で大量の遊技球を獲得可能な特別遊技状態(大当たり状態)の最中に球箱が満杯になった場合に、球箱から遊技球があふれてしまうといった事態を招くおそれがある。
【0198】
これに対し、本手段1によれば、第1の状態にあるときにおいても、遊技者の意思で(遊技者が操作部を操作することで)球抜き口を閉鎖し、球受皿に遊技球を溜めておくことができる。従って、遊技者の意に反して遊技球が遊技機の外部に排出されてしまうといった事態を抑制することができ、遊技者の負担軽減を図ることができる。具体的に、例えば、球受皿と前記上皿とが別々に設けられている構成において、少量の遊技球が貯留された球受皿から上皿に遊技球を移す場合には、球箱にある遊技球を手で掴みにくいため、球箱ごと持ち上げて上皿に遊技球を流し込むといった面倒な作業を行うことが考えられるが、球受皿にある遊技球を上皿に移す場合には、操作部を操作して球抜き口を開口させ、球抜き口から排出される遊技球を手で受けることで取出すことができ、遊技球を上皿に移す作業に関して遊技者の負担を軽減することができる。また、例えば、下皿がなく、上皿により球受皿が構成される場合には、上皿の球抜き口を閉鎖できないことに起因して、上皿における遊技球の貯留量が減少してしまうといった事態を回避することができ、球箱の遊技球を上皿に移すといった行為を大幅に削減することができる。さらに、パチンコ機において、特別遊技状態の最中に球箱が満杯になった場合であっても、球抜き口を閉鎖して球受皿に遊技球を貯留することで、球箱を取替える時間的余裕ができ、球箱から遊技球が溢れてしまうといった事態を防止することができる。
【0199】
尚、「遊技者の所定の操作」とあるのを「前記操作部の操作」としてもよい。さらに、「前記係合手段による前記可動部材の保持状態において、前記可動部材を前記第2の位置側へと変位させることで前記保持状態が解除されること」としてもよい。また、「賞球として払出された遊技球を貯留し、発射装置の発射位置へと供給する上皿と、前記上皿の貯留許容量を越えて払出された遊技球を貯留する前記球受皿としての下皿とを備え、前記下皿(下皿の貯留部)に貯留された遊技球は、前記球抜き口を開口させることで、外部に排出される(前記下皿の下方に設置された前記球箱に落下して貯留される)こと」としてもよい。加えて、下皿がなく、上皿に形成された球抜き口を開口させることで、当該上皿に貯留された遊技球が外部に排出される(球箱に落下する)といった遊技機に当該構成を採用してもよい。この場合、上皿が球受皿を構成する。
【0200】
手段2.前記球抜きユニットは、前記球受皿に固定される本体部を備え、
前記係合手段は、前記可動部材に設けられた係合部と、前記本体部に設けられ、前記第2の位置にある前記可動部材の前記係合部と係合可能な被係合部とを備え、
前記切替手段は、前記係合部と前記被係合部との係合を許容するとともに、遊技者の所定の操作により前記係合部と前記被係合部との係合状態を解除可能な前記第1の状態と、前記係合部と前記被係合部との係合を規制する前記第2の状態との間で前記球抜きユニットの状態を切替可能であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0201】
手段2によれば、第1の状態にあるときには、可動部材を第1の位置から第2の位置側へと変位させることで係合部と被係合部とが係合し、可動部材を第2の位置で保持することができる。一方、第2の状態にあるときには、可動部材を第2の位置へと変位させたとしても、係合部と被係合部とを係合させることができず、前記変位の応力が解除された場合には、付勢手段の付勢力により可動部材が第1の位置へと復帰することとなる。結果として、上記手段1の作用効果が確実に奏される。尚、球抜きユニットの本体部の態様例としては、前記球抜き口に連通する排出孔を有し、前記球受皿の下面側に固定されるもの等が挙げられる。
【0202】
手段3.前記切替手段は、前記第1の位置から前記第2の位置へと変位する前記可動部材に対して、前記第2の位置側への変位を規制する規制位置と、前記可動部材の前記第2の位置側への変位を許容する許容位置とに変位可能な規制手段を備えることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
【0203】
手段3によれば、規制位置と許容位置との間を変位する規制手段により可動部材の変位量(ストローク量)を調節することで、第1の状態と第2の状態とに切替えることができる。従って、比較的簡単な構成を採用しつつ、上記手段1、2の作用効果を実現することができる。尚、手段2に対応して、例えば、規制位置にある規制手段は、前記係合部が前記被係合部に係合される前の段階(係合される位置に到達する前の段階)で前記可動部材に当接し、前記可動部材のそれ以上の前記第2の位置側への変位を規制することとしてもよい。また、例えば、切替手段は、所定の制御装置により駆動制御されることとしてもよい。
【0204】
手段4.前記係合部及び前記被係合部のうち一方は、他方との係合が可能となる係合有効状態と、係合が不可能となる係合無効状態とに切替可能に構成され、
前記切替手段により前記係合部又は前記被係合部が前記係合有効状態と前記係合無効状態とに切替えられることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
【0205】
手段4によれば、係合部と被係合部とが係合する(噛み合う)係合有効状態と、係合しない(噛み合わない)係合無効状態とに切替わることで、第1の状態と第2の状態とが切替えられる。従って、上記手段2の作用効果が確実に奏される。尚、切替手段が係合部又は被係合部の全体又は構成部材の一部を変位させることで、係合有効状態と係合無効状態とに切替えられることとしてもよい。
【0206】
手段5.前記球抜きユニットが前記第2の状態にあるとき、又は、前記第1の状態から前記第2の状態へと切替わる際に、前記係合手段によって前記第2の位置において保持されている前記可動部材の保持状態を解除可能な解除手段を備えることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0207】
手段5によれば、係合手段によって可動部材が保持されていても、解除手段によりかかる保持状態を解除することができる。このため、第1の状態から第2の状態へと切替わる契機が訪れた(第2の状態へと切替わる動作が行われた)にもかかわらず、係合手段によって可動部材が保持されていることに起因して、可動部材を第1の位置へと戻すことができないといった事態を回避することができる。従って、例えば、球受皿の下方に設置されていた球箱が取り除かれたり、特別遊技状態が終了したりした場合に、解除手段により可動部材の保持状態が解除されるとともに、球抜きユニットが第2の状態へと切替わるよう構成することで、前の遊技者が球抜き口を開口させた状態のまま遊技を終了する(席を離れる)場合であっても、次の遊技者が遊技を行う頃には、球抜き口を閉鎖した状態に戻しておくことができる。結果として、遊技者の意に反して球抜き口から遊技球が排出されてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
【0208】
手段6.前記係合部及び前記被係合部の一方は、他方との係合が可能となる係合有効状態と、前記係合部と前記被係合部とが非係合状態にある場合に、前記可動部材を前記第2の位置側へ変位させたとしても、前記係合部と前記被係合部との係合が不可能となる状態であって、前記係合部と前記被係合部とが係合状態にある場合には、当該係合状態が解除される係合無効状態とに切替可能に構成され、
前記切替手段により前記係合部又は前記被係合部が前記係合有効状態と前記係合無効状態とに切替えられることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
【0209】
手段6によれば、基本的に上記手段4及び手段5と同様の作用効果が奏される。また、本手段では、切替手段により係合部又は被係合部を係合無効状態に切替えることで、係合部と被係合部との係合状態を解除することができる。従って、本手段6の切替手段は、上記手段5に記載の解除手段の機能も具備することとなる。従って、係合部と被係合部との係合を規制するための機構と、係合部と被係合部との係合状態を解除するための機構とをそれぞれ別に構成する場合に比べ、大幅な構成の簡素化を図ることができる。
【0210】
手段7.前記球受皿の下方に設置される球箱を検知可能な球箱検知手段を備え、
前記切替手段は、所定の制御装置により駆動制御されるとともに、前記球箱検知手段は、前記制御装置に対して検知信号を出力可能に構成され、
前記球受皿の下方に前記球箱が設置されている状態で、前記操作部の操作があった場合には、前記球箱検知手段の検知結果に基づき、前記制御装置が前記切替手段を駆動制御して、前記球抜きユニットを前記第1の状態とし、
前記球受皿の下方に前記球箱が設置されていない状態で、前記操作部の操作があった場合には、前記球箱検知手段の検知結果に基づき、前記制御装置が前記切替手段を駆動制御して、前記球抜きユニットを前記第2の状態とすることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【0211】
手段7によれば、球箱が設置されているときに操作部を操作して可動部材を第2の位置へと変位させた場合には、係合手段により可動部材を球抜き口が開口した状態で保持することができるが、球箱が設置されていないときに操作部を操作して可動部材を第2の位置側へ変位させたとしても、係合手段によって可動部材を保持することができない。従って、球箱が設置されていないときに球抜き口から遊技球が排出され、遊技球が遊技ホール等に散乱してしまうといった事態をより確実に防止することができる。尚、球箱検知手段としては、例えば、発光部と受光部とを備えるフォトセンサ、球受皿の下方に設置される球箱に当接可能な位置に設けられるスイッチ等が挙げられる。尚、上記手段3に対応しては、球箱が設置されている場合には、前記規制手段が前記許容位置において保持され、球箱が設置されていない場合には、前記規制手段が前記規制位置において保持されることとしてもよい。また、上記手段4に対応しては、球箱が設置されている場合には、前記係合部又は前記被係合部が前記係合有効状態において保持され、球箱が設置されていない場合には、前記係合部又は前記被係合部が前記係合無効状態において保持されることとしてもよい。
【0212】
尚、本手段7では、1):球受皿の下方に球箱が設置された場合に球抜きユニットが第1の状態に切替わり、球受皿の下方から球箱が取除かれた場合に球抜きユニットが第2の状態に切替わる構成、2):球箱の有無に関わらず、常には球抜きユニットを第2の状態としておき、操作部の操作があったときに、球受皿の下方に球箱が設置されている場合には、球抜きユニットが第1の状態に切替わり、操作部の操作があっても、球受皿の下方に球箱が設置されていない場合には、球抜きユニットが第2の状態に維持される構成、3):球箱の有無に関わらず、常には球抜きユニットを第1の状態としておき、操作部の操作があったときに、球受皿の下方に球箱が設置されている場合には、球抜きユニットが第1の状態に維持され、操作部の操作があったときに、球受皿の下方に球箱が設置されていない場合には、球抜きユニットが第2の状態に切替わる構成等が含まれる。尚、意図に反して遊技球が球抜き口から排出されてしまうことを防止するといった観点からすると、上記1)、2)の構成を採用することが望ましい。尚、上記2)、3)の構成を採用する場合、操作部の操作を検知する操作検知手段を備えることとしてもよい。

また、「前記球箱検知手段は、前記制御装置に対して検知信号を出力可能に構成され」とあるのは、球箱が設置されたときにオン信号を出力する構成だけでなく、球箱が設置されていないときにオン信号が出力され、球箱が設置されたときにオン信号の出力が途絶える構成も含まれる。
【0213】
手段8.前記球受皿の下方位置において前後方向に変位可能に設けられる球箱連動手段と、前記球箱連動手段を前方の基準位置側に付勢する押出付勢手段と、前記球箱連動手段の変位に伴い、自身が動作することで前記球抜きユニットを前記第1の状態と前記第2の状態とに切替える前記切替手段を連動させるリンク機構とを備え、
前記球箱連動手段は、前記球抜き口から排出された遊技球を貯留して持ち運ぶことのできる球箱が前記球受皿の下方に設置されることで、当該球箱の背面に当接するとともに、当該球箱に押圧されて後方に変位する構成であって、
前記球受皿の下方に前記球箱が設置されておらず、前記球箱連動手段が前記基準位置にある場合には前記球抜きユニットが前記第1の状態となり、
前記球受皿の下方に前記球箱が設置された場合には、前記切替手段が前記球箱連動手段の変位に連動することで前記球抜きユニットが前記第2の状態となることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【0214】
手段8によれば、基本的に上記手段7と同様の作用効果が奏される。尚、上記手段3に対応して、前記球受皿の下方に前記球箱が設置された場合には、前記規制手段が前記球箱連動手段の変位に連動して前記許容位置に変位することとしてもよい。また、上記手段4に対応して、前記球受皿の下方に前記球箱が設置された場合には、前記切替手段が前記球箱連動手段の変位に連動することで、前記係合部又は前記被係合部が前記係合有効状態とされることとしてもよい。
【0215】
手段9.前記切替手段は、各種遊技制御を行う主制御装置、又は当該主制御装置に電気的に接続される制御装置により駆動制御され、
前記主制御装置により変更制御される各種遊技状態のうち、特定の遊技状態にある場合には前記球抜きユニットが前記第1の状態とされ、
前記特定の遊技状態にない場合、又は前記特定の遊技状態が終了してから所定時間経過した場合には前記球抜きユニットが前記第2の状態とされることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0216】
手段9によれば、特定の遊技状態にある場合には、係合手段により可動部材を球抜き口が開口した状態で保持することのできる第1の状態となり、特定の遊技状態にない場合、又は、特定の遊技状態が終了してから所定時間経過した場合には、係合手段により可動部材を保持することができない第2の状態となる。従って、例えば、遊技球を短時間で大量に獲得可能であり、球受皿がすぐに満杯となる特別遊技状態等において第1の状態としておくことで、球抜き作業に関し、遊技者の負担軽減を図ることができる。一方、遊技球が短時間で大量に払出されることがないとき(通常遊技状態)においては、係合手段により可動部材を保持することができなくても、球抜き作業に関する遊技者の負担が著しく増大することはない。従って、このような遊技状態にあるときには、第2の状態としておくことで、遊技者の意に反して球受皿から遊技球が排出されてしまうことに起因する各種不具合を抑制することができる。
【0217】
尚、「特定の遊技状態」とあるのを「短時間で大量の遊技球を獲得可能な特別遊技状態(大当たり状態)」としてもよい。また、上記手段7、8の構成と組合わせる場合、球箱が設置されていても、特定の遊技状態(例えば特別遊技状態)でなければ、可動部材が第2の位置で保持されることはなく、特定の遊技状態であっても球箱が設置されていなければ可動部材が第2の位置で保持されることはない構成とすることができる。
【0218】
手段10.各種遊技制御を行う主制御装置、及び遊技球の払出制御を行う払出制御装置を備え、遊技に際し、所定の入賞条件を満たすことで所定数の遊技球が払出される遊技機であって、
前記切替手段は、前記主制御装置、前記払出制御装置、又は前記主制御装置又は前記払出制御装置に電気的に接続される制御装置により駆動制御され、
前記主制御装置により変更制御される各種遊技状態のうち短時間で大量の遊技球を獲得可能な特別遊技状態において前記所定の入賞条件を満たすことに基づいた遊技球の払出しが行われる状態にある場合には前記球抜きユニットが前記第1の状態とされ、
前記特別遊技状態に関与する遊技球の払出しが完了した場合には前記球抜きユニットが前記第2の状態とされることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0219】
手段10によれば、短時間に大量に遊技球が払出される状態にあるときには球抜き口を開口状態で維持することができるため、球抜き作業に関し、遊技者の負担軽減を図ることができる。特に、特別遊技状態中に遊技球の払出経路において球詰まりが発生し、特別遊技状態が終了してもしばらく遊技球が大量に払出される状態が続くような場合であっても、特別遊技状態に関与する遊技球の払出しが完了するまでは第1の状態とされるため、より確実に遊技者の負担軽減を図ることができる。
【0220】
手段11.遊技者が操作不可能な位置において切替操作部を備え、前記切替操作部の操作に基づいて、前記第1の状態と前記第2の状態との間の切替えを許容するオン状態と、前記第1の状態を維持し、前記第2の状態への切替えを禁止するオフ状態とに切替わることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0221】
手段11によれば、切替操作部の操作により、第1の状態と第2の状態との間の切替えが許容されるオン状態と、第2の状態が維持されるオフ状態とに切替わる。すなわち、遊技ホールによっては、遊技者に一旦払出された遊技球を島設備に設けられた球回収機構により回収するとともに、回収に際して遊技球を計数し、遊技者が保有する(獲得した)遊技球数をデジタル表示するといった遊技形態を採用しているところもある。もちろん、遊技者は、所定の操作を行うことで、保有している遊技球の数だけ、島設備から自由に遊技球を取出す(上皿等に払出させる)ことができる。このような遊技ホールにおいては、球受皿に払出された遊技球を球受皿に貯留する必要がなく、さらに、営業方針によっては、球受皿に遊技球を貯留させることなく一気に球回収機構に回収させることが好ましいとする場合もある。つまり、切替操作部の操作により、オン状態とオフ状態とに切替えられる(どちらかの状態を選択できる)構成としておくことで、各遊技ホールの営業方針に見合った遊技機とすることができる。
【0222】
尚、オフ状態において、規制手段の規制位置側への変位や被係合部の係合無効状態となる側への変位を機械的に規制してもよいし、規制手段の規制位置側への変位や被係合部の係合無効状態への状態変化を制御により禁止してもよい。
【0223】
手段12.前記操作部を特定方向に押圧することで、前記可動部材が前記第2の位置側に変位するとともに、
前記可動部材が前記係合手段により保持された状態において、前記操作部を前記特定方向に押圧することで、前記係合手段による前記可動部材の保持が解除される構成であって、
前記球受皿は、前記可動部材が前記係合手段により保持された状態において、前記操作部のうち少なくとも前記特定方向先方側の面を覆う被覆手段を備えていることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
【0224】
手段12によれば、可動部材が第2の位置において保持された状態においては、被覆手段により操作部の前記特定方向先方側の面が覆われて触り難くなっている。これにより、遊技者が誤って操作部の特定方向先方側の面に指をかけて、可動部材を無理やり特定方向とは反対側に押圧することに起因して、係合手段等が損傷してしまうといった事態を防止することができる。
【0225】
手段13.前記球受皿の下方に設置された球箱に遊技球が満杯又はほぼ満杯になったことを検知可能な満杯検知手段を備え、
球箱の遊技球が満杯又はほぼ満杯になった場合には前記球抜きユニットが前記第2の状態とされ、球箱の遊技球が満杯又はほぼ満杯になっていない場合には前記球抜きユニットが前記第1の状態とされることを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
【0226】
手段13によれば、球箱が満杯になったときには、球受皿から遊技球を排出する必要がないため、このような状態において第2の状態とすることにより、球抜き作業に関する遊技者の負担軽減を図りつつ、遊技者の意に反して球受皿から遊技球が排出されてしまうといった事態を抑制することができるといった上記手段1の作用効果がより確実に奏される。特に、上記手段5、6の構成を採用する場合、可動部材が係合手段によって保持された状態にあっても、球箱が満杯になった際には、かかる保持状態が解除されて、球抜き口が可動部材により閉鎖されることから、球箱から遊技球が溢れてしまったり、球抜き口を閉鎖するのを忘れて球受皿の下方にある球箱を移動させた場合等において、遊技球が遊技ホールに散乱してしまったりするといった事態を抑制することができる。
【0227】
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
【0228】
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
【0229】
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
【0230】
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
【0231】
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに、上皿及び下皿を設けて賞球に応じて払出された遊技球を貯留可能に構成するとともに、上皿から遊技球を取り込むことにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
【符号の説明】
【0232】
10…パチンコ機、11…外枠、12…内枠、14…前面枠セット、15…球受皿としての下皿、19…上皿、25…球抜きレバー、30…遊技盤、261…主制御装置、602…貯留部、603…球抜き口、606…被覆手段としての庇部、611…球抜きユニット、612…本体部、613…可動部材、614…付勢手段としてのコイルばね、633…閉塞部、652…操作部、662…係合手段、係合部を構成する係合突起、671…係合手段、被係合部を構成するラッチ部材、672…ハウジング、672a…ハウジング本体、672b…スライド体、673…ラッチ本体、674…ラッチ付勢手段としてのコイルばね、692…係合片、693…係止環路、713…係止金具、716…係止爪部、751…切替手段及び解除手段を構成する下皿ソレノイド、755…連結片部、781…球箱検知手段としての箱検知センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
賞球として払出される遊技媒体としての遊技球を貯留可能な貯留部を有する球受皿を備えた遊技機であって、
前記球受皿は、前記貯留部に貯留された遊技球を当該貯留部の外部へ排出可能な球抜き口を有するとともに、前記球抜き口を開閉可能な球抜きユニットを備え、
前記球抜きユニットは、前記球抜き口を閉鎖して前記球抜き口から遊技球を排出不可能とする第1の位置と、前記球抜き口を開口させて前記球抜き口から遊技球を排出可能とする第2の位置とに変位可能な可動部材と、遊技者が操作可能な位置に設けられ、前記可動部材を変位させることのできる操作部と、前記可動部材を前記第2の位置側から前記第1の位置側へと付勢する付勢手段と、前記第2の位置にある前記可動部材を保持可能な係合手段とを備え、
遊技者が前記操作部を操作し、前記第1の位置にある前記可動部材を前記第2の位置へと変位させることに基づき、前記係合手段によって前記可動部材を前記第2の位置において保持可能であるとともに、遊技者の所定の操作により前記第2の位置において保持されている前記可動部材の保持状態を解除可能な第1の状態と、
前記可動部材を前記第2の位置側へ変位させても、前記係合手段によって前記可動部材を前記第2の位置において保持させることのできない第2の状態との間で前記球抜きユニットの状態を切替える切替手段を備え、
前記球受皿の下方に設置される球箱を検知可能な球箱検知手段を備え、
前記切替手段は、所定の制御装置により駆動制御されるとともに、前記球箱検知手段は、前記制御装置に対して検知信号を出力可能に構成され、
前記球受皿の下方に前記球箱が設置されている状態で、前記操作部の操作があった場合には、前記球箱検知手段の検知結果に基づき、前記制御装置が前記切替手段を駆動制御して、前記球抜きユニットを前記第1の状態とし、
前記球受皿の下方に前記球箱が設置されていない状態で、前記操作部の操作があった場合には、前記球箱検知手段の検知結果に基づき、前記制御装置が前記切替手段を駆動制御して、前記球抜きユニットを前記第2の状態とすることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−31735(P2013−31735A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−250817(P2012−250817)
【出願日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【分割の表示】特願2007−283460(P2007−283460)の分割
【原出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】