説明

遊技機

【課題】遊技盤から取り外されたことのある液晶表示装置を使用していても、遊技者に対して不信感を抱かせない遊技機の提供。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、遊技球が流下する遊技領域3が形成された遊技盤2と、遊技盤が取り付けられる遊技機枠30と、遊技領域へ遊技球を発射する発射ハンドル装置(発射手段)34とを備える。遊技機枠は、遊技領域を視認可能とするガラス板(窓部)35を備え、遊技盤には、ガラス板(窓部)から表示画面4aを視認できるよう液晶表示装置4が着脱可能に取り付けられている。そして、液晶表示装置を着脱したことを示す痕跡表示手段(表示部)98が、ガラス板(窓部)から視認可能に設けられ、遊技領域を流下する遊技球が、痕跡表示手段(表示部)の前方を通過しないよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より遊技機は、演出装置として液晶表示装置を備えて構成され、該液晶表示装置を利用して、装飾図柄変動演出や大当たり演出などの種々の画像演出を実行している。液晶表示装置は、遊技盤に対して着脱可能に設けられており、遊技盤から取り外されたあと再び遊技盤に取り付けられて使用されることがある(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−190494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記遊技機では、遊技機に使用されている液晶表示装置が、遊技盤から取り外されたことのあるものであるのか否かを、遊技者が認識することはできなかった。液晶表示装置は、種々の遊技盤に対して長期にわたって使用されると、新しいものと比べて画質が悪くなることがある。そのため、画質が悪くなった液晶表示装置を搭載した遊技機の遊技者が、遊技中の機械は不正に改造されているものではないかと、不信感を抱くおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、遊技盤から取り外されたことのある液晶表示装置を使用していても、遊技者に対して不信感を抱かせない遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技盤が取り付けられる遊技機枠と、前記遊技領域へ遊技球を発射する発射手段と、を備え、前記遊技機枠は、前記遊技領域を視認可能とする窓部を備え、前記遊技盤には、前記窓部から表示画面を視認できるよう表示装置が着脱可能に取り付けられている遊技機であって、前記表示装置を着脱したことを示す表示部が、前記窓部から視認可能に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が、前記表示部の前方を通過しないよう構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、表示部により表示装置が着脱されたものであることを遊技者に対して認識させることができるので、例えば長期にわたり使用されて画質の悪くなった表示装置となっていても、遊技者に対して不信感を与えるのを防ぐことができる。また、表示部前方を遊技球が通過しないので、表示部が遊技球により隠れて遊技者から見難くなったり、表示部に遊技球が接して汚れたりするのを防ぐことができる。
【0008】
ここで、本発明の遊技機では、前記表示装置が取り外されると、取り外されたことを示す痕跡部が該表示装置に形成されるよう構成することができる。これによれば、痕跡部により取外しの有無を確認できるので、確実に表示部を設けることができる。
【0009】
また、本発明の遊技機では、前記表示部は、前記痕跡部である構成とすることができる。これによれば、痕跡部とは別に表示部を設ける必要がないので、容易に表示部を設けることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示部により表示装置が着脱されたものであることを遊技者に対して認識させることができるので、例えば長期にわたり使用されて画質の悪くなった表示装置となっていても、遊技者に対して不信感を与えるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】同実施形態のパチンコ遊技機が備える遊技盤の前面側の分解斜視図である。
【図3】同実施形態のパチンコ遊技機が備える遊技機枠の斜視図である。
【図4】同実施形態のパチンコ遊技機を背面側から見た斜視図である。
【図5】同実施形態のパチンコ遊技機が備える遊技盤の後面側の分解斜視図である。
【図6】(a)(b)は同実施形態のパチンコ遊技機が備える液晶ユニットを示す斜視図である。
【図7】液晶ユニットの分解斜視図である。
【図8】(a)(b)は図5に示すVIII−VIII断面図であり、液晶ユニットを液晶ベースに対してかしめる手順を示す図である。
【図9】(a)(b)は図5に示すIX−IX断面図であり、液晶ユニットの液晶ベースに対するかしめを解除する手順を示す図である。
【図10】実施形態のパチンコ遊技機の要部拡大正面図であり、(a)は遊技盤から取り外されたことのない液晶ユニットを備える遊技機を示し、(b)は遊技盤から取り外されたことのある液晶ユニットを備える遊技機を示している。
【図11】本発明の第1の変更例に係るパチンコ遊技機の要部拡大正面図であり、(a)は遊技盤から取り外されたことのない液晶ユニットを備える遊技機を示し、(b)は遊技盤から取り外されたことのある液晶ユニットを備える遊技機を示している。
【図12】(a)は本発明の第2の変更例に係るパチンコ遊技機の要部拡大正面図であり、(b)は本発明の第3の変更例に係るパチンコ遊技機の要部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態のパチンコ遊技機の正面図である。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠30と、遊技機枠30の内側に嵌められた遊技盤2とを備え、遊技盤2には、発射ハンドル装置34の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、誘導レール7で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技盤2の前面側に配される遊技盤面部材として、複数の遊技釘、遊技用風車、ゲート8の他、各入賞口(第1始動口51a、第2始動口51b、大入賞口71、及び普通入賞口91)を構成する入賞装置(第1始動入賞装置50、第2始動入賞装置52、大入賞装置70、及び普通入賞装置90)が配設されている。
【0013】
ここで、本明細書中、上下方向および左右方向は、図1に示す遊技盤2の前面側(遊技領域3側)を基準とし、また、前後方向は、遊技盤2の前面側(遊技領域3側)を前方とし、遊技盤2の裏面側を後方とする。
【0014】
遊技領域3の略中央部には、液晶表示装置4の表示画面4aが配置され、液晶表示装置4の前方には、センター役物装置40が配置されている。液晶表示装置4は、客待ち用のデモ表示、装飾図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出などを表示画面4aに表示する。装飾図柄変動演出は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の演出画像とにより構成されて、変動表示を経て停止表示された装飾図柄により、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定)の結果を報知する演出である。この装飾図柄変動演出は、後述する特別図柄変動に並行して行われる。また、大当たり抽選は、遊技球の第1始動口51aまたは第2始動口51bへの入賞に基づいて行われる。
【0015】
図2は、遊技盤2の前面側の分解斜視図である。図2に示すように、遊技盤2は、前面側に、センター役物装置40、第1始動入賞装置50、第2始動入賞装置52、大入賞装置70、普通入賞装置90、ゲート8、表示器配置部材12、及び飾り部材41を配設させている。
【0016】
遊技盤2は、透光性を有する合成樹脂(実施形態ではアクリル)により無色透明な略矩形の板状に形成され、遊技盤2の前面から後方を透視可能に構成されている。遊技盤2の中央部には、センター役物装置40が配置される貫通孔2aがルーター加工により形成されている。また、第1始動入賞装置50、第2始動入賞装置52、大入賞装置70、普通入賞装置90、及び、ゲート8を配置するための各貫通孔も、ルーター加工により遊技盤2に形成されている。なお、遊技盤2の前面には、誘導レール7が取着され、遊技領域3が形成されている。
【0017】
第1始動入賞装置50は、遊技球の入球し易さが常時変わらない第1始動口51aを備える。第2始動入賞装置52は、第2始動口51bを備える。第2始動口51bは、開閉部材55により開閉される。開閉部材55は、第2始動口ソレノイド(図示せず)により駆動され、開閉部材55が開いているときのみ第2始動口51bへの遊技球の入賞が可能となる。なお、第2始動入賞装置52には、遊技領域3の範囲を決める遊技領域形成部56、および普通入賞装置90が設けられている。
【0018】
大入賞装置70は、第1始動入賞装置50の下方に配置されるもので、大入賞口71を備えている。大入賞口71は、開閉部材72により開閉される。開閉部材72は、大入賞口ソレノイド(図示せず)により駆動される。大当たり抽選の結果大当たりに当選した場合には、開閉部材72が開かれ、大入賞口71への遊技球の入賞が可能となる。
【0019】
飾り部材41は、遊技領域3の左端部に誘導レール7に沿って配置されるもので、誘導レール7に沿って湾曲したプレート部42と、プレート部42から前方へ突設された上流側区画壁部43および下流側区画壁部44と、上流側区画壁部43と下流側区画壁部44の間のプレート部42に設けられた普通入賞装置90と、下流側区画壁部44の下部近傍のプレート部42に設けられた普通入賞装置90とを備えて構成されている。上流側区画壁部43によって形成される内部空間43a、および、下流側区画壁部44によって形成される内部空間44aは、遊技領域3を流下する遊技球が進入できないエリアとなっている。すなわち、上流側区画壁部43と下流側区画壁部44は、遊技領域3の範囲を決める遊技領域形成部として機能する。
【0020】
普通入賞装置90は、センター役物装置40の周りに複数配置されるもので、各普通入賞装置90に入った遊技球は、その普通入賞装置90内の普通入賞口91に入賞する。また、遊技球が上から下へ通過可能なゲート8は、センター役物装置40の右方に配置される。
【0021】
表示器配置部材12は、遊技盤2の前面右上側に取着されて、遊技領域3の範囲を決めるとともに、各種図柄表示器(普通図柄表示器13、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b)や保留ランプ(普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16b)を、前方から目視可能に収納するものである。
【0022】
第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bは、それぞれ、遊技球の第1始動口51a、第2始動口51bへの入賞を契機として行われる大当たり抽選の結果を、変動表示を経て停止表示された図柄(特別図柄)により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bに停止表示された図柄(特別図柄)が大当たり図柄又は小当たり図柄であれば、大入賞口71を所定回数開閉する当たり遊技が行われる。
【0023】
特別図柄の変動表示中または当たり遊技中に、遊技球が第1始動口51aまたは第2始動口51bに入賞すると、主制御基板20(図5参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の乱数を、第1始動口51aへの入賞であれば第1保留記憶部(図示せず)に、第2始動口51bへの入賞であれば第2保留記憶部(図示せず)に、保留記憶として記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったときに、記憶しておいた保留記憶に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
【0024】
第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bは、それぞれ、第1保留記憶部(図示せず)、第2保留記憶部(図示せず)に記憶されている保留記憶の個数を表示するものである。なお、第1保留記憶部(図示せず)、第2保留記憶部(図示せず)に記憶される保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされているため、第1保留記憶部(図示せず)に4個の保留記憶がある状態で遊技球が第1始動口51aに入賞したときや、第2保留記憶部(図示せず)に4個の保留記憶がある状態で遊技球が第2始動口51bに入賞したときは、その入賞に対して大当たり乱数等の乱数は取得されない。
【0025】
普通図柄表示器13は、ゲート8への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知するものである。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、第2始動入賞装置52の開閉部材55を開く補助遊技が行われる。
【0026】
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球がゲート8を通過すると、主制御基板20(図5参照)は、その通過に対して取得した当たり乱数を記憶する。そして、普通図柄の変動表示を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた当たり乱数を用いて当たりか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示を開始して、その判定結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留ランプ15は、このように記憶されている当たり乱数の個数を表示するものである。なお、記憶される当たり乱数は4個が上限とされているため、4個の当たり乱数が記憶されている状態で遊技球がゲート8を通過しても、その通過に対する当たり乱数の取得は行われない。
【0027】
図3は、実施形態のパチンコ遊技機1が備える遊技機枠30を示す斜視図である。図3に示すように、遊技機枠30は、外枠31と内枠32とガラス扉枠33とを備えている。また、遊技機枠30は、左端部にヒンジ部36を備えて構成され、ヒンジ部36により、ガラス扉枠33は、外枠31および内枠32に対してそれぞれ回動自在に連結され、内枠32は、外枠31およびガラス扉枠33に対してそれぞれ回動自在に連結されている。外枠31は、パチンコ遊技機1の外郭部となる枠体であり、内枠32は、遊技盤2が取り付けられる枠体であり、ガラス扉枠33は、遊技盤面を保護するとともに発射ハンドル装置34などが配設される枠体である。内枠32は、合成樹脂製とされ、前方から見て中央が貫通された略長方形の枠形状とされている。遊技盤2は、内枠32に対して前方から取り付けられる。内枠32に取り付けられた遊技盤2は、図示しない係止部材で、内枠32から外れないよう係止される。ガラス扉枠33は、遊技盤2の前面に形成される遊技領域3を視認可能な透視窓として、ガラス板(窓部に相当する)35を備えている。また、ガラス扉枠33には、枠ランプ17、スピーカ18、及び、演出ボタン28が配設されている(図1参照)。なお、図示を省略するが、ガラス扉枠33に配設される発射ハンドル装置34は、回動ハンドル、タッチセンサ、発射ボリュームを備え、回動ハンドルへの接触がタッチセンサにより検知されると、発射ボリュームにより検知された回動ハンドルの回動操作量に応じた強度で遊技球を発射させるものである。球受け皿6(図1参照)内にある遊技球は、発射ハンドル装置34の操作に基づいて、一球ずつ発射位置へと移動されて、回動ハンドルの回動操作量に応じた強度で槌部材により叩かれ、誘導レール7に沿って発射されることとなる。
【0028】
図4は、遊技機枠30の内部に遊技盤2を取り付けた状態でのパチンコ遊技機1の背面側を示す斜視図である。図4に示すように、内枠32は、上部に、ホール設備からの遊技球を一時貯留しておくタンクレール37を有するとともに、左側部に、タンクレール37内の遊技球を球受け皿6(図1参照)へ送る払出装置38、および払出装置38から球受け皿6へ遊技球を誘導する受け皿誘導桶39を有している。また、内枠32の下部には、払出制御基板を覆った払出制御基板ケース21、および電源基板を覆った電源基板ケース22が配されている。遊技機枠30の内部に遊技盤2を取り付けた状態では、後述する主基板ケース60の左端部60aが、受け皿誘導桶39に近接するため、主基板ケース60を左方向(後述する液晶ユニットケース85からの取外し方向)へスライドさせることはできなくなっている。
【0029】
図5は、パチンコ遊技機1が備える遊技盤2の背面側を示す概略分解斜視図である。図5に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技盤2の裏面2b側に取り付けられる液晶ベース45と、液晶ベース45の外表面(後面)45aに組み付けられる液晶ユニット84と、液晶ユニット84の後面84a側に組み付けられる主基板ケース60と、主基板ケース60に取り付けられるコネクタカバー59とを備えている。図5に示すように、遊技盤2は、前後方向にくりぬかれた中央部(貫通孔2a)に、後方から液晶ベース45を配置させ、さらにその後方から液晶ユニット84を配置させる。
【0030】
液晶ベース45は、液晶ユニット84を遊技盤2に取り付ける際の土台となるものであり、無色透明の合成樹脂材料(例えば、透明なポリカーボネート等)から形成されている。液晶ベース45は、遊技盤2の裏面2b側の略全域を覆うことができるよう前方側を開口させた略箱形状とされ、液晶表示装置4の表示画面4a(図6(a)参照)を遊技盤2の中央部から前方へ臨ませるための開口部46aを、後壁部46に備えている。また、液晶ベース45は、後壁部46の左端部に液晶ユニット84を組み付けるための被係止部47,47を備えている。
【0031】
また、液晶ベース45は、周壁部48の前縁から外方へ延設されたフランジ部49を備えており、フランジ部49を遊技盤2の裏面2b側の周縁部に締結されることにより、遊技盤2に取り付けられる。この締結には、ネジなどの締結手段が利用される。液晶ベース45が遊技盤2に取り付けられることにより液晶ベース45と遊技盤2との間に形成される内部空間には、作動すると液晶表示装置4の表示画面4a前方へ可動体を露出させる可動役物装置(いわゆるギミック、図示せず)が格納される。
【0032】
主基板ケース60は、図5に示すように、主制御基板(遊技制御基板)20を収納する主基板ケース本体61と、主基板ケース本体61を回動可能に支持する台座プレート74とを備えて構成され、内部に収納した主制御基板20が外部から視認できるように、無色透明なポリカーボネート等の合成樹脂により形成されている。
【0033】
主基板ケース本体61は、前方側の底側ケース62と後方側の蓋側ケース63とを備えて略箱形状に構成されるとともに、左縁側の上部に、封止部64(64a,64b)を備えて構成されている。主基板ケース本体61は、底側ケース62と蓋側ケース63との間に主制御基板20を収納して、図示しない係合部を係合させることにより閉塞され、封止部64を利用して開放不能に封止される。封止部64は、蓋側ケース63の蓋側封止部64aと底側ケース62の底側封止部64bとに跨るように、金属製のカシメ片67を圧入することにより、主基板ケース本体61を開放不能に封止するものである。
【0034】
台座プレート74は、下端部に、主基板ケース本体61を回動可能に軸支する支持軸(図示せず)を備えている。主基板ケース本体61は、蓋側ケース63の下端に設けられた軸支用係合部(図示せず)を支持軸(図示せず)に係合させることにより、台座プレート74に対して、下方へ向かって略90度まで回動可能に取り付けられる。これにより、主基板ケース60がパチンコ遊技機1に組み付けられたままでも、主制御基板20の裏面(実装面20aの反対側の面)を視認できるようになっている。なお、主基板ケース本体61は、台座プレート74の上端部に設けられた係止フック77に係止されることにより、通常時は回動を規制されている(図4参照)。
【0035】
また、台座プレート74の前面側には、後述する液晶ユニットケース85の後面下部に形成された係止孔79,79,79(図6(b)参照)に、主基板ケース60を係止するための係止片78,78,78が設けられている。主基板ケース60は、係止片78,78,78を係止孔79,79,79に挿通させ、液晶ユニットケース85に対して取付方向(右方)へ移動させて液晶ユニットケース85に引っ掛けることにより、液晶ユニット84に組み付けられる。なお、主基板ケース60を液晶ユニットケース85に組み付けると、台座プレート74の右端上部に設けられた係合片80が、液晶ユニットケース85に設けられた係合孔81(図6(b)参照)に係合し、主基板ケース60が取外し方向(左方)へずれるのが規制される。
【0036】
主基板ケース60に収納される主制御基板20は、裏面(実装面20aの反対側の面)を底側ケース62側に向けて、蓋側ケース63に固定されて、主基板ケース本体61に収納される。主制御基板20は、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定)や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。主制御基板20には、第1始動口51aや第2始動口51bに入賞した遊技球を検知する始動口SW(スイッチ)、大当たり遊技中に大入賞口71を開口させる大入賞口ソレノイド、大入賞口71に入賞した遊技球を検知する大入賞口SWなどの電子部品が接続されるとともに、遊技の進行に伴って各種の演出を実行し制御するための演出制御基板や画像制御基板23(図6(b)参照)などの制御基板類が、中継基板を介して接続される。
【0037】
主制御基板20の下端部には、これらの制御基板類や電子部品を接続するためのコネクタ20bが複数実装されている。各コネクタ20bは、主制御基板20が主基板ケース本体61に収納されている状態においては、蓋側ケース63の下端部に形成された開口部から主基板ケース本体61の外部へ露出される。主基板ケース本体61の外部へ露出された各コネクタ20bには、ハーネスの一端側に設けられた外部コネクタが接続される。このコネクタ20bに接続される外部コネクタを取り外すことができないようにするため、主基板ケース60には、コネクタカバー59が取り付けられる。なお、このハーネスの他端側のコネクタには、演出制御基板や画像制御基板23などの各種制御基板が接続された中継基板や、始動口SWや大入賞口SWなどの電子部品が接続される。
【0038】
液晶ユニット84は、図6,7に示すように、いわゆる装飾図柄変動演出やモード演出、大当たり演出を表示画面4aに表示する液晶表示装置4と、液晶表示装置4を制御するためのMCU(Micro Controller Unit)を実装した画像制御基板23などの制御基板類と、これらを覆う有色透明の合成樹脂からなる液晶ユニットケース85と、を備えている。
【0039】
液晶ユニットケース85は、図7に示すように、前カバー86、中カバー87、後カバー88から構成され、前カバー86と中カバー87によって液晶表示装置4を覆い、中カバー87と後カバー88とによって画像制御基板23などの制御基板類を覆っている。前カバー86は、液晶表示装置4の表示画面4aを前方へ臨ませるための開口を有した枠型のカバーである。前カバー86の内側には、液晶表示装置4の表示画面4aを保護するための透明の合成樹脂プレート89が嵌められ、その後方から液晶表示装置4が嵌められる。中カバー87は、液晶表示装置4の後面側全域を覆うものであり、周縁部に設けられた係止爪87aを前カバー86に係止させるとともに、周縁部を前カバー86にビス止めすることにより、前カバー86に締結される。中カバー87の背面側には、画像制御基板23を含む制御基板類が配置され、後カバー88により覆われる。後カバー88は、内部に制御基板類を収納可能な略箱形状とされ、周縁部を中カバー87に対してビス止めされることにより中カバー87に締結される。なお、図示を省略するが、液晶表示装置4に接続されたハーネスは中カバー87に設けられた孔87bを通って画像制御基板23に接続される。
【0040】
前カバー86(枠型カバーともいう)は、図6(a),図7に示すように、左フレーム94の上部および下部にクリップ機構(係止手段)95,95を備えている。液晶ユニット84は、図5に示すように、このクリップ機構(係止手段)95,95を液晶ベース45の被係止部47,47に係止させることにより、液晶ベース45に対して組み付けられ固定される。なお、液晶ユニット84を液晶ベース45に組み付けた状態では、液晶表示装置4の表示画面4aは、液晶ベース45の開口部46aに位置され、遊技盤2の前面側から視認可能とされる。
【0041】
また、前カバー86は、図6,7に示すように、左フレーム94の上下方向における略中央部に、封止手段96および痕跡表示手段98を備えている。封止手段96は、クリップ機構95,95を被係止部47,47に係止させることにより液晶ユニット84を液晶ベース45に取り付けた後で、液晶ユニット84を液晶ベース45に対して取り外し不能に締結するものである。具体的には、封止手段96は、図5に示すように、液晶ユニット84の前カバー86に配設されるユニット側封止部102と、液晶ベース45の左端部に配設されるベース側封止部112とを備え、両封止部102,112を相互に締結することにより、液晶ユニット84を液晶ベース45に対して取り外し不能に締結するものである。
【0042】
ユニット側封止部102は、図5及び図8(a)に示すように、ホルダ部103と、かしめピン108とを備え、前カバー86の左端部に設けられた略長方形枠形状のユニット側収納部101内に配設されている。
【0043】
ホルダ部103は、図6(a)及び図8(a)に示すように、略円筒形状に形成され、ユニット側収納部101の左壁部101aと右壁部101bとに対して、外周面103aから板状の連結片部105,106を伸ばして連結支持されている。また、ホルダ部103には、図8(a)に示すように、かしめピン108が嵌挿される嵌挿孔104が形成されている。嵌挿孔104は、ホルダ部103を前後方向に貫通して形成されており、後方側から順に、六角柱穴状の大径部104aと、大径部104aより小径の円柱穴状の中径部104bと、中径部104bより小径の円柱穴状の小径部104cとにより構成され、小径部104cには、後述するかしめピン108の軸部109bが嵌挿される。
【0044】
かしめピン108は、金属製とされ、図8(a)に示すように、ピン本体109と支持リング110とを備えている。ピン本体109は、後端側の円板状の頭部109aと、頭部109aから前方に延びる小径円柱状の軸部109bとを備えている。軸部109bは、外径寸法dを嵌挿孔104の小径部104cの内径寸法Dと略等しくして形成されており、かしめピン108は、ホルダ部103に摺動可能に保持されている。軸部109bの先端部109cには、環状溝が設けられて、円板状の支持リング110が嵌められている。支持リング110は、主基板ケース10を液晶ユニット84に取り外し不能に締結する際、ホルダ部103と後述するベース側封止部112の嵌合部113との間で位置規制されて、内周縁を軸部109bの外周面に食い込ませ、かしめピン108が引き抜かれるのを規制する。
【0045】
一方、ベース側封止部112は、図5及び図8(a)に示すように、かしめピン108が嵌挿される嵌合部113を備え、液晶ベース45の左端部に設けられた略長方形枠形状のベース側収納部111内に配設されている。
【0046】
嵌合部113は、ホルダ部103の形状にあわせて略円筒形状に形成され、図8(a)に示すように、後方側だけに開口して前方側に延びる嵌合孔114を備えている。嵌合孔114は、ピン本体109の先端部109c側を圧入可能な小径部114bと、小径部114bの開口周縁に配設されて、支持リング110を収納可能な大径部114aとを備えている。嵌合孔114の小径部114bの内径寸法は、嵌挿孔104の小径部104cの内径寸法Dと略一致する。また、嵌合部113は、図8(a)に示すように、ベース側収納部111の左壁部111aと、ベース側収納部111の右壁部111bとに対して、外周面113aから連結片部115,115を伸ばすとともに、ベース側収納部111に対して板部116を伸ばして、液晶ベース45に連結支持されている。
【0047】
液晶ベース45を液晶ユニット84に締結するには、図8(a)(b)に示すように、かしめピン108を、ホルダ部103から嵌合部113に跨がるように押し込んでかしめ、軸部109bを、ホルダ部103の小径部104cと嵌合部113の小径部114bとに跨がるように配置して、ユニット側封止部102とベース側封止部112とを締結する。これにより、液晶ユニット84の移動が規制され、液晶ユニット84は液晶ベース45に対して取り外し不能に締結される。したがって、ユニット側封止部102を破壊等して液晶ベース45と液晶ユニット84との封止(すなわち、液晶ユニット84と液晶ベース45との取り外し不能な締結)を解除しない限り、液晶ユニット84を液晶ベース45から取り外すことは不可能とされる。なお、ホルダ部103の嵌挿孔104には、液晶ベース45への締結後にかしめピン108を引き抜くことができないように、後方からキャップ117が外れ不能に嵌入される。
【0048】
液晶ユニット84を液晶ベース45から取り外す場合には、ホルダ部103から延びる二本の連結片部105,106を分断して(図8(b)二点鎖線参照)、ユニット側封止部102の連結を断った後、図9(b)に示すように、ユニット側封止部102を後方(取外方向)へ移動させて、かしめピン108を嵌合孔114から引き抜く。これにより、液晶ユニット84と液晶ベース45との封止が解除され、液晶ユニット84を液晶ベース45から外すことが可能となる。このように、液晶ユニット84を液晶ベース45から取り外す場合には、ユニット側封止部102を切除しなければならず、この切除により、後述する痕跡表示手段98が変位することとなる。
【0049】
痕跡表示手段98は、図5及び図9(a)に示すように、圧縮コイルばね139により付勢した突出部材133と、突出部材133を係止する係止部142とを備え、ユニット側封止部102が切除されることにより形成されるスペースS(図9(b)参照)を突出部材133により閉塞して、液晶表示装置4が取り外されたことの痕跡となるものである。具体的には、前カバー86は、左フレーム94における上下方向の中央部に、上方から順に、突出部材133を収納する収納部130と、ユニット側封止部102と、突出部材133を係止する係止部142とを備えている。収納部130には、図9(a)に示すように、下側を開口させた上下方向に長い収納孔部131が形成されている。収納孔部131には、突出部材133が収納されている。突出部材133は下方から順に、クリップ部(被係止部)134と、突出部材本体部136と、座部137とを備えている。クリップ部134は、左右方向に撓み可能な撓み片部135,135を有している。突出部材本体部136は、略四角柱形状とされている。座部137は、略平板状に形成され、左右方向の幅寸法を収納孔部131の左右方向の幅寸法と略同一の寸法で形成されている。これにより、突出部材133の左右方向のずれが規制されている。座部137の上端137aには、圧縮コイルばね139の一端139aが固定されている。圧縮コイルばね139の他端139bは、収納孔部131のばね座131aに固定されている。突出部材133は、収納状態では、圧縮コイルばね139を圧縮して、クリップ部134の先端部134aをユニット側封止部102(ホルダ部103)の外周面103aに当接させて、下方への突出を規制されている。
【0050】
係止部142には、図9(a)に示すように、上方側を開口させた係止孔部143が形成されている。係止孔部143は、ユニット側封止部102の取外し時に突出部材133のクリップ部134が進入する部位である。係止孔部143の開口部144は、係止孔部143の孔本体部145よりも狭い開口寸法で形成されており、係止孔部143の開口側には、クリップ部134の撓み片部135,135の上端135a,135aを係止する係止面146,146が形成されている。
【0051】
なお、実施形態では、突出部材133は、赤色などの目立つ色彩で着色され、収納部130を含む前カバー86は、透明なポリカーボネート等の合成樹脂材により形成されている。そのため、前カバー86の外部からでも突出部材133の状態が十分に確認できるようになっている。なお、突出部材133は、破断冶具を用いて破壊されないように、鉄などの金属製とすることが望ましい。
【0052】
ここで、前カバー86からユニット側封止部102を取り外したときの痕跡表示手段98の動作について説明する。図9(a)に示す状態から、ユニット側封止部102の連結片部105,106を切断して(図8(b)二点鎖線参照)、ユニット側封止部102を後方へ引き抜けば、突出部材133は、下方への突出規制が解除されるため、図9(b)に示すように、圧縮コイルばね139の復元力に基づいて突出する。このとき、クリップ部134は、撓み片部135,135を撓ませながら係止孔部143の開口部144を通過し、係止孔部143の孔本体部145に進入する。そして、クリップ部134は、先端部134aを係止孔部143の壁面143aに当接させた後、撓み片部135,135の端部135a,135aを係止面146,146に係止させて、抜け不能に保持される。これにより、突出部材133は、図9(b)及び図10(b)に示す状態、すなわち、突出部材本体部136がユニット側封止部102の配設されていたスペースSを上下方向に横断するように跨って配置された状態で保持される。
【0053】
このように実施形態のパチンコ遊技機1によれば、液晶ユニット84を液晶ベース45から取り外すためには前カバー86からユニット側封止部102を取り除く必要があり、前カバー86からユニット側封止部102を取り除くと、ユニット側封止部102のあったスペースSを突出部材本体部136が塞ぐこととなるので、ユニット側封止部102を再び元の位置に戻すことができなくなるとともに、突出部材133が移動していることが、液晶ユニット84を液晶ベース45から取り外したことの痕跡として残ることとなる。よって、実施形態のパチンコ遊技機1によれば、突出部材133の状態を視認することにより、液晶表示装置4が取り外されたことのあるものであるか否かを容易に確認することができる。
【0054】
図10は、パチンコ遊技機1の正面から遊技盤2を透して痕跡表示手段98を視認した様子を示したものである。実施形態では、ガラス扉枠33に設けられたガラス板35、遊技盤2に配された飾り部材41、遊技盤2、および液晶ベース45(図5参照)が、痕跡表示手段98よりも前方に位置しているが、これらの各部材は、前方から後方を視認可能な透明部材により形成されているので、パチンコ遊技機1の正面からでも液晶ユニット84に設けられた痕跡表示手段98を視認することができるようになっている。具体的には、飾り部材41における上流側区画壁部43の内部空間43aの後方に、痕跡表示手段98が位置し、遊技者から視認可能となっている。このように痕跡表示手段98が上流側区画壁部43の内部空間43aの後方に位置しているため、遊技領域3を流下する遊技球が、痕跡表示手段98の前方を通過することはない。
【0055】
液晶ユニット84が液晶ベース45から一度も取り外されていない場合には、図10(a)に示すように、ユニット側封止部102が切除されておらず、突出部材133が収納部130内にある状態で、痕跡表示手段98が視認される。これにより、遊技者は、遊技しているパチンコ遊技機が一度も取り外されたことのない液晶表示装置4を使用しているものであることがわかる。一方、液晶ユニット84が液晶ベース45から取り外されたことがあるものである場合は、図10(b)に示すように、ユニット側封止部102が切除されており、突出部材133がユニット側封止部102のあったスペースSへ突出している状態で、痕跡表示手段98が視認される。これにより、遊技者は、遊技しているパチンコ遊技機が少なくとも一度は取り外されたことのある液晶表示装置4を使用しているものであることがわかる。なお、図10(b)に示すように、封止手段96による封止を解除した状態で、ユニット側封止部102の配設されていたスペースSに露出するのは、突出部材本体部136のみである。このようにクリップ部134や座部137等を外部に露出させないことにより、不意に突出部材133の係止が解除されて、液晶表示装置4を取り外したことの痕跡が消えてしまうことがないようにしている。
【0056】
なお、液晶ベース45に一度取り付けられ封止手段96により取り外し不能に締結された液晶ユニット84が、封止手段96による締結を解除されて、液晶ベース45から取り外される場合としては、例えば、ホールから遊技盤2を回収して、遊技盤2(液晶ベース45)から液晶ユニット84を取り外し、画像制御基板23を別の種類の遊技機用の画像制御基板に換えて、別の種類のパチンコ遊技機の液晶表示装置として別の遊技盤(液晶ベース)に取り付ける場合がある。このような場合には、再び封止手段96による締結を行うことはできないが、パチンコ遊技機の正面からは図10(b)に示す状態が目視されることとなるので、遊技者はその液晶表示装置4が少なくとも一度は遊技盤2から取り外されたことがあるものであると認識することができる。なお、画像制御基板23を別の種類の遊技機用の画像制御基板に換える際には、液晶ユニットケース85の後カバー88のみを外せばよい。
【0057】
以上説明したように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技球が流下する遊技領域3が形成された遊技盤2と、遊技盤2が取り付けられる遊技機枠30と、遊技領域3へ遊技球を発射する発射ハンドル装置(発射手段)34とを備える。遊技機枠30は、遊技領域3を視認可能とするガラス板(窓部)35を備え、遊技盤2には、ガラス板(窓部)35から表示画面4aを視認できるよう液晶表示装置4が着脱可能に取り付けられている。そして、液晶表示装置4を着脱したことを示す痕跡表示手段(表示部)98が、ガラス板(窓部)35から視認可能に設けられ、遊技領域3を流下する遊技球が、痕跡表示手段(表示部)98の前方を通過しないよう構成されている。
【0058】
したがって、実施形態のパチンコ遊技機1によれば、痕跡表示手段(表示部)98により液晶表示装置4が着脱されたものであることを遊技者に対して認識させることができるので、例えば長期にわたり使用されて画質の悪くなった液晶表示装置4となっていても、遊技者に対して不信感を与えるのを防ぐことができる。また、痕跡表示手段(表示部)98の前方を遊技球が通過しないので、痕跡表示手段(表示部)98が遊技球により隠れて遊技者から見難くなったり、痕跡表示手段(表示部)98に遊技球が接して汚れたりするのを防ぐことができる。
【0059】
また、実施形態のパチンコ遊技機1によれば、痕跡表示手段98が、液晶表示装置4が取り外されたことの痕跡となる痕跡部(図10(b)参照、液晶表示装置4が取り外されると自然に形成されるもの)として機能するのみならず、液晶表示装置4が着脱されたことを遊技者に示す表示部として機能するため、痕跡表示手段98とは別に、液晶表示装置4を着脱したことを示す表示部をシールなどにより設ける必要がない。
【0060】
なお、実施形態のパチンコ遊技機1では、図10(a)(b)に示すように、ユニット側封止部102のある部分のみならず、突出部材133が収納された収納部130なども含めて、パチンコ遊技機1の正面から視認できる構成としたが、図11(a)に示すように、飾り部材41における上流側区画壁部43の内部空間43aに確認用窓部150を設けて、ユニット側封止部102のある部分のみを正面から視認できるように構成してもよい。この場合、ユニット側封止部102を切除して液晶表示装置4を取り外すと、図11(b)に示すように、確認用窓部150から突出部材本体部136のみが確認できることとなり、確認用窓部150から見える部分が、液晶表示装置4を取り外したことを示す表示部となる。なお、確認用窓部150は、上流側区画壁部43の内側に、一部分を透明とするセル(図11(a)(b)トーン部分参照)を張るなどして形成する。また、確認用窓部150から見える状態の違いによる意味を説明したシール151を、痕跡表示手段98の近傍となる遊技機枠30(ガラス扉枠33)の前面に貼付して、確認用窓部150からユニット側封止部102が確認されれば、液晶表示装置4は取り外されたことのあるものではなく、確認用窓部150から突出部材本体部136が確認されれば、液晶表示装置4は取り外されたことのあるものであるということが遊技者にわかるようにすることが望ましい。
【0061】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、痕跡表示手段98を、液晶表示装置4を着脱したことを示す表示部として、パチンコ遊技機1の正面から視認可能に構成したが、痕跡表示手段98をパチンコ遊技機1の正面から視認できないよう構成してもよい。この場合、液晶表示装置4を着脱したことを示す表示部を、遊技者から見えるように別途設ける構成とする。例えば、図12(a)に示すように、液晶表示装置4を着脱したことを示す表示部として、前面に液晶交換と記載したシール152を、飾り部材41における下流側区画壁部44の内部空間44aに貼付する。また、図12(b)に示すように、透明の飾り部材41における下流側区画壁部44の内部空間44aの後方に位置する遊技盤2前面に、液晶交換と記載したセル153を貼って構成してもよい。この場合、遊技者は、シール152やセル153の有無を視認することで、液晶表示装置4が取り外されたことのあるものであるか否かを認識することが可能となる。なお、このように液晶交換と記載したシール152やセル153を貼る場合であっても、液晶ユニット84に設けた痕跡表示手段98の状態を確認してシール152やセル153を貼ることとすれば、一度も遊技盤2から取り外されたことのない液晶表示装置4(液晶ユニット84)を使用するパチンコ遊技機に、液晶交換と記載したシール152やセル153を誤って貼ったり、遊技盤2から取り外されたことのある液晶表示装置4(液晶ユニット84)を使用するパチンコ遊技機に、液晶交換と記載したシール152やセル153を貼り忘れたりするのを防ぐことができる。
【0062】
また、液晶表示装置4を着脱したことを示す表示部として図12に示すようにシール152やセル153を貼付する場合には、痕跡表示手段98、すなわち、液晶表示装置4が取り外されたことの痕跡となる痕跡部を設けない構成としてもよい。
【0063】
なお、液晶表示装置4を着脱したことを示す「表示部」は、液晶表示装置4が少なくとも一度は遊技盤2から取り外されたことがあるとわかるのであれば、どんな態様(文字やマーク)により構成してもよい。
【0064】
また、特許請求の範囲における「表示装置」には、実施形態における液晶表示装置4のみならず、液晶ユニットケース85が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0065】
1…パチンコ遊技機
2…遊技盤
3…遊技領域
4…液晶表示装置
4a…表示画面
30…遊技機枠
34…発射ハンドル装置(発射手段)
35…ガラス板(窓部)
98…痕跡表示手段(表示部および痕跡部)
152…シール(表示部)
153…セル(表示部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤が取り付けられる遊技機枠と、
前記遊技領域へ遊技球を発射する発射手段と、を備え、
前記遊技機枠は、前記遊技領域を視認可能とする窓部を備え、
前記遊技盤には、前記窓部から表示画面を視認できるよう表示装置が着脱可能に取り付けられている遊技機であって、
前記表示装置を着脱したことを示す表示部が、前記窓部から視認可能に設けられ、
前記遊技領域を流下する遊技球が、前記表示部の前方を通過しないよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記表示装置が取り外されると、取り外されたことを示す痕跡部が該表示装置に形成されるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記表示部は、前記痕跡部であることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−74935(P2013−74935A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215531(P2011−215531)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】