説明

遊技球研磨装置

【課題】搬送ベルトの横方向の蛇行を確実に防止することができる遊技球研磨装置を提供する。
【解決手段】一対のプーリR1、R2に懸架されるとともに当該プーリR1、R2間で回動可能な無端状の搬送ベルト12と、搬送ベルト12の搬送面12aに対向して配設され、当該搬送ベルト12との間で遊技球を挟持しつつその遊技球の外周面を研磨可能な研磨布16とを具備し、搬送ベルト12の回動により当該搬送ベルト12と研磨布16との間で挟持された遊技球を当該回動方向に搬送可能な遊技球研磨装置において、搬送ベルト12の側縁面12bと対向する部位に配設され、当該搬送ベルト12の回動を案内する案内手段20を具備したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機が複数並列に設置されたパチンコ遊技機の島設備に取り付けられ、当該島設備内で循環する遊技球の外周面を研磨するための遊技球研磨装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機の島設備は、パチンコ店内ホールに設置され、複数のパチンコ遊技機が横並びに配設されるとともに、それらパチンコ遊技機に対して電力の供給や遊技球の供給及び回収等を行い得るよう構成されている。かかるパチンコ遊技機の島設備においては、通常、パチンコ遊技球から排出された遊技球を回収するアウトレールと、該アウトレールで回収された遊技球を貯留する島中タンクと、島上に配設されて遊技球を貯留可能な島上タンクと、島中タンクで貯留した遊技球を島上タンクまで揚送する揚送機と、島設備内で循環する遊技球の外周面を研磨する遊技球研磨装置とが配設されている。
【0003】
遊技球研磨装置は、従来より、一対のプーリに懸架されるとともに当該プーリ間で回動可能な無端状の搬送ベルトと、該搬送ベルトの搬送面に対向して配設され、当該搬送ベルトとの間で遊技球を挟持しつつその遊技球の外周面を研磨可能な研磨布とを具備し、搬送ベルトの回動により当該搬送ベルトと研磨布との間で挟持された遊技球を当該回動方向に搬送可能とされていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−148563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の遊技球研磨装置は、以下の如き問題があった。
すなわち、遊技球研磨装置における搬送ベルトに遊技球を導くための通路は、通常、複数列に亘って形成されているが、遊技球が当該通路において常時均等に流れて研磨されるわけではなく、所定の通路に偏って流れたり或いはまばらなタイミングで流れたりすることがある。
【0006】
この場合、遊技球の通過により搬送ベルトに加わる圧が不均等になってしまい、結果として回動する搬送ベルトが横方向(すなわち、搬送ベルトを懸架するプーリの軸方向)に蛇行してしまう虞があり、当該搬送ベルトの蛇行によって遊技球の研磨或いは搬送が良好に行われなくなってしまう可能性があった。さらに、搬送ベルトの横方向への蛇行が著しいと、当該搬送ベルトと遊技球研磨装置における搬送ベルトの周辺部品とが干渉してしまう虞があり、その場合、搬送ベルトが破損又は変形してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、搬送ベルトの横方向の蛇行を確実に防止することができる遊技球研磨装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、一対のプーリに懸架されるとともに当該プーリ間で回動可能な無端状の搬送ベルトと、該搬送ベルトの搬送面に対向して配設され、当該搬送ベルトとの間で遊技球を挟持しつつその遊技球の外周面を研磨可能な研磨手段とを具備し、前記搬送ベルトの回動により当該搬送ベルトと前記研磨手段との間で挟持された遊技球を当該回動方向に搬送可能な遊技球研磨装置において、前記搬送ベルトの側縁面と対向する部位に配設され、当該搬送ベルトの回動を案内する案内手段を具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技球研磨装置において、前記案内手段は、前記搬送ベルトの側縁面と当接して回転し得る回転部材を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の遊技球研磨装置において、前記案内手段は、前記搬送ベルトの搬送面とは反対側の戻り面側の部位に配設されたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載の遊技球研磨装置において、前記案内手段は、前記搬送ベルトの下面を案内する下面案内部が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、搬送ベルトの側縁面と対向する部位に配設され、当該搬送ベルトの回動を案内する案内手段を具備したので、搬送ベルトの横方向の蛇行を確実に防止することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、案内手段は、搬送ベルトの側縁面と当接して回転し得る回転部材を具備したので、搬送ベルトの横方向の蛇行を確実に防止することができるとともに、搬送ベルトを案内する過程で、当該搬送ベルトの回動を妨げてしまうのを抑制することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、案内手段は、搬送ベルトの搬送面とは反対側の戻り面側の部位に配設されたので、搬送ベルトの搬送面側における遊技球に対する研磨作用及び搬送作用に悪影響が及ぼされてしまうのを抑制することができ、遊技球の研磨及び搬送を良好に維持させつつ搬送ベルトの横方向の蛇行を確実に防止することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、案内手段は、搬送ベルトの下面を案内する下面案内部が形成されたので、搬送ベルトの自重による下方への撓みを抑制することができるとともに、搬送ベルトの横方向の蛇行を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技球研磨装置を示す全体外観図
【図2】同遊技球研磨装置における搬送ベルトが組み付けられる部品を示す斜視図
【図3】同遊技球研磨装置を示す正面図
【図4】同遊技球研磨装置を示す断面模式図
【図5】同遊技球研磨装置における研磨作用及び搬送作用を説明するための模式図
【図6】同遊技球研磨装置における案内手段を示すための側面図
【図7】図3におけるVII−VII線断面図
【図8】同遊技球研磨装置が適用されるパチンコ遊技機の島設備を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に適用されるパチンコ遊技機の島設備は、図8に示すように、遊技店に設置されるとともにパチンコ遊技機2が複数並列して設置された島状のものから成る。かかる島設備1は、それぞれのパチンコ遊技機2に電力を供給し得るとともに、各パチンコ遊技機2に遊技球を供給し或いは回収する流路(レール等)を具備したものである。
【0018】
パチンコ遊技機2は、ガラス板が取り付けられた前面枠を有しており、該ガラス板から遊技者が遊技盤を目視し得るように構成されており、この遊技盤の遊技領域には、図柄表示手段、始動口や大入賞口等の種々役物が配設されている。そして、ハンドルを回転操作することにより、遊技球が遊技盤に発射され、所定の入賞口に入賞或いは最下のアウト穴に至るよう構成されている。
【0019】
島設備1は、パチンコ遊技機2に電力を供給し得る電力供給手段(不図示)を具備するとともに、島中タンク7a、7bと、アウトレール8と、遊技球研磨装置9と、揚送機10とが内部に設置されている。この島設備1の一端(図1中左側島端)には、J/C11(ジェットカウンターと称される計数機)が配設されており、当該J/C11から受け入れた遊技球が島中タンク7a(J/C側島中タンク)に流入し得るよう構成されている。更に、島設備1は、島上に配設された島上タンク3と、該島上タンク3から図8中左右方向にそれぞれ延設された補給樋4a、4bと、同方向にそれぞれ延設されたオーバーフロー樋5a、5bとを有している。
【0020】
アウトレール8は、パチンコ遊技機2から排出された遊技球を回収するための流路から成り、各パチンコ遊技機2から排出された遊技球が当該アウトレール8を介して島中タンク7a、7bに至るようになっている。島中タンク7a、7bは、アウトレール8で回収された遊技球を貯留するためのもので、島設備1の下部に固設されている。島上タンク3は、島設備1の上面(島上)に配設されるとともに、各パチンコ遊技機2に対して補給すべき遊技球が貯留されるものである。具体的には、島上タンク3は、揚送機10の先端が接続され、当該揚送機10にて揚送された遊技球を貯留しつつその遊技球を、補給樋(一方の補給樋4a、他方の補給樋4b)及びオーバーフロー樋5a、5bから流出させるものである。
【0021】
補給樋(一方の補給樋4a、他方の補給樋4b)は、島上タンク3の両側面から島端(図8における島設備1の左側端及び右側端)に向かって下方に傾斜しつつ延設され、当該島上タンク3内の遊技球を流出させて各パチンコ遊技機2に補給し得る流路から成るものである。オーバーフロー樋は、補給樋(4a、4b)からオーバーフローした遊技球を流出させて一方の島端側に配設された島中タンク7a(J/C側島中タンク)に流下させる一方のオーバーフロー樋5a、及び補給樋(4a、4b)からオーバーフローした遊技球を流出させて他方の島端側に配設された島中タンク7b(反J/C側島中タンク)に流下させる他方のオーバーフロー樋5bから成る。
【0022】
しかして、島上タンク3内の遊技球は、補給樋4a、4bを流れて各パチンコ遊技機2に補給されるとともに、当該パチンコ遊技機2から排出され、アウトレール8を介して島中タンク7a、7bに至る。その後、島中タンク7a、7b内に至った遊技球は、遊技球研磨装置9により研磨された後、揚送機10にて再び島上タンク3まで揚送され、当該島上タンク3から補給樋4a、4bを介して各パチンコ遊技機2に補給されることとなる。このように、遊技球は、島設備1内において循環するものとされている。尚、オーバーフロー樋5a、5bのそれぞれの先端にはエンド落し金具6a、6bが形成されており、当該エンド落し金具6a、6bから延びる流路6aa、6baを介してオーバーフローした遊技球が島中タンク7a、7bに流下するものとされる。
【0023】
ここで、本実施形態に係る遊技球研磨装置9は、アウトレール8を介して各パチンコ遊技機2から回収された遊技球の外周面を研磨するためのもので、図1〜7に示すように、搬送ベルト12と、研磨手段としての研磨布16と、案内手段20とを具備したものである。なお、図中符号Bは、遊技球研磨装置9が固定されるベース部材を示し、Fは、遊技球研磨装置9におけるフレームを示している。
【0024】
搬送ベルト12は、図2に示すように、一対のプーリR1、R2に懸架されるとともに当該プーリ(R1、R2)間で回動可能な無端状のベルト材から成るものである。かかるプーリR1は、モータM(図3参照)の出力軸と連結された駆動軸L1に取り付けられた駆動プーリから成るとともに、プーリR2は、従動軸L2に取り付けられた従動プーリから成るものである。なお、駆動軸L1及び従動軸L2は、一対のフレーム板13の間にそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0025】
また、フレーム板13の所定部位には、回転自在な回転軸L3が取り付けられており、この回転軸L3にフリープーリR3が取り付けられる。かかるフリープーリR3は、テンションプーリR4との間で当該搬送ベルト12に対して所定のテンション(張力)を付与させ得るものである。テンションプーリR4は、搬送ベルト12におけるプーリR2とフリープーリR3との間の部位を押圧し得るもので、押圧寸法に応じて搬送ベルト12に対してテンションを付与させ得るよう構成されている。
【0026】
なお、本遊技球研磨装置9の上部には、図1、4に示すように、遊技球排出部Tが配設されている。かかる遊技球排出部Tは、搬送ベルト12にて搬送された遊技球を順次排出させて揚送機10に供給させる排出路が形成された排出部位Taと、テンションプーリR4をバネ等にて弾性支持した支持部材Tbとが形成されたもので、軸Laを中心に揺動自在とされている。そして、支持部材Tbは、テンションプーリR4を支持するとともに、搬送ベルト12に対する押圧寸法が調整され得るようになっている。
【0027】
さらに、一対のフレーム板13の間には、複数のガイドローラR5が配設されており、これらガイドローラR5によって搬送ベルト12における搬送面12aの裏面側をガイドし得るようになっている。そして、駆動源としてのモータMを駆動させると、搬送ベルト12は、ガイドローラR5にてガイドされつつプーリR1、R2間を回動し得るよう構成されている。
【0028】
一方、搬送ベルト12の搬送面12aと対向する部位には、押圧部材14が配設されている。かかる押圧部材14は、フレームFに連結された研磨手段本体15に配設された部材から成り、スプリング等の付勢手段(不図示)によって、搬送ベルト12の搬送面12aに向かって付勢されるとともに、当該搬送ベルト12の搬送面12aとの間に研磨手段としての研磨布16が敷設可能とされている。
【0029】
より具体的には、押圧部材14における搬送ベルト12の搬送面12aと対向した面には、図5に示すように、断面が遊技球を嵌め込み可能な凹部から成り、遊技球の搬送方向に向かって形成された複数の溝14aが形成されており、その溝14aが形成された面に研磨布16が敷設されるよう構成されている。搬送ベルト12aの搬送面12aと研磨布16の研磨面16aとの間の寸法は、遊技球の外径より若干小さく設定されており、当該搬送面12aと研磨面16aとで遊技球を挟持し得るようになっている。
【0030】
しかして、遊技球は、搬送ベルト12の搬送面12aと研磨布16とにより挟持され、搬送ベルト12が回動することにより、搬送面12a及び研磨面16aの摩擦抵抗によって溝14aに沿って流動し、搬送ベルト12の回動方向に向かって搬送されるとともに、搬送ベルト12の搬送面12aと研磨布16とにより挟持されつつ搬送される過程で、当該研磨布16の研磨面16aにより外周面が擦られて研磨されることとなる。
【0031】
なお、本遊技球研磨装置の下部には、遊技球導入部19が配設されている。かかる遊技球導入部19には、押圧部材14に形成された溝14aと対応する複数の溝19a(図1参照)が形成されており、アウトレール8にて回収された遊技球が遊技球導入部19を介して搬送ベルト12の搬送面12aと研磨布16の研磨面16aとの間に順次導入されるようになっている。
【0032】
研磨布16は、長尺状の布(表面が遊技球の外周面を研磨可能な不織布など)から成るもので、一端側(未使用側)が回転自在なローラ部17にて巻き取られるとともに、他端側(使用済側)が図示しないモータ等の駆動源に連結されたローラ部18にて巻き取られて構成されている。かかる研磨布16におけるローラ部17とローラ部18との間の部位が押圧部材14上に敷設されて搬送ベルト12の搬送面12aと対向することとなる。なお、図中符号R6は、研磨布16をガイドするガイドローラを示している。
【0033】
しかるに、図示しない駆動源を駆動してローラ部18を回転駆動させると、研磨布が当該ローラ部18にて巻き取られるとともに、ローラ部17から未使用の研磨布16が繰り出されるようになっている。これにより、長期使用により、搬送ベルト12の搬送面12aと対向する研磨布16の部位が消耗した際、ローラ部18を回転駆動させることにより、未使用の部位を搬送ベルト12の搬送面12aと対向させて遊技球の研磨を行わせることができる。
【0034】
ここで、本実施形態に係る遊技球研磨装置においては、搬送ベルト12の側縁面12bと対向する部位に配設され、当該搬送ベルト12の回動を案内する案内手段20が配設されている。かかる案内手段20は、図3、7に示すように、搬送ベルト12の両側縁面12bと対向した部位にそれぞれ配設された一対の部材から成り、複数の回転部材20aと、下面案内部20bとを有して構成されている。
【0035】
より具体的には、案内手段20は、一対のフレーム板13の上端面にそれぞれ取り付けられた筐体fを有して成り、それぞれの筐体fに回転軸pが所定寸法離間させつつ形成されるとともに、それら回転軸pに円筒状の回転部材20aがベアリングbを介して取り付けられている。これら回転部材20aは、その外周面が搬送ベルト12の側縁面12bと当接して回転軸pを中心として回転し得るコロ状のものから成るもので、各筐体fにおいて所定寸法離間して2つ形成されている。なお、左右一対の案内手段20のうち一方には、回転部材20aの外側(搬送ベルト12の側縁面12bと反対側)を覆うガード面gが形成されている。
【0036】
ところで、搬送ベルト12は、上述の通り、一対のプーリR1、R2に懸架され、これらプーリR1、R2間を回動し得るよう構成されているので、当該搬送ベルト12の搬送面12a側の部位A1と、当該搬送面12aとは反対側の戻り面側の部位A2とに区分けすることができる。本実施形態に係る案内手段20は、搬送ベルト12の搬送面12aとは反対側の戻り面側の部位A2(厳密には、部位A2を覆うフレーム13の所定部位)に配設されている。
【0037】
一方、下面案内部20bは、案内手段20を構成する筐体fから一体的に延設された部位から成り、搬送ベルト12における戻り面側の部位A2より下方に位置し、当該部位Bにおける搬送ベルト12の下面を案内するためのものである。より具体的には、下面案内部20bは、筐体fにおける搬送ベルト12側を折り曲げて延設させた部位から成り、搬送ベルト12における戻り面側の部位A2の下方に位置することにより、当該部位A2における搬送ベルト12が自重にて下方に撓んでしまうのを回避し得るようになっている。
【0038】
上記実施形態によれば、搬送ベルト12の側縁面12bと対向する部位に配設され、当該搬送ベルト12の回動を案内する案内手段20を具備したので、搬送ベルト12の横方向の蛇行を確実に防止することができる。特に、本実施形態によれば、案内手段20を搬送ベルト12の両側縁面12bにそれぞれ配設させたので、搬送ベルト12の左右方向の蛇行をより確実に防止することができる。
【0039】
また、案内手段20は、搬送ベルト12の側縁面12bと当接して回転し得る回転部材20aを具備したので、搬送ベルト12の横方向の蛇行を確実に防止することができるとともに、搬送ベルト12を案内する過程で、当該搬送ベルト12の回動を妨げてしまうのを抑制することができる。すなわち、回転部材20aは、搬送ベルト12を案内すべく当該搬送ベルト12の側縁面12bと干渉した際、回転するので、当該側縁面12bに対して過度な摩擦等が付与されてしまうのを防止することができるのである。
【0040】
さらに、案内手段20は、搬送ベルト12の搬送面12aとは反対側の戻り面側の部位Bに配設されたので、搬送ベルト12の搬送面12a側における遊技球に対する研磨作用及び搬送作用に悪影響が及ぼされてしまうのを抑制することができ、遊技球の研磨及び搬送を良好に維持させつつ搬送ベルト12の横方向の蛇行を確実に防止することができる。すなわち、搬送ベルト12の戻り面側の部位Bは、遊技球に対する研磨作用及び搬送作用が行われることがないため、当該部位Bにて案内手段20を配設して案内するようにすれば、研磨作用や搬送作用に及ぼされる影響を極力小さくすることができるのである。
【0041】
また更に、案内手段20は、搬送ベルト12の下面を案内する下面案内部20bが形成されたので、搬送ベルト12の自重による下方への撓みを抑制することができるとともに、搬送ベルト12の横方向の蛇行を確実に防止することができる。すなわち、本実施形態に係る案内手段20によれば、回転部材20aに加えて下面案内部20bが形成されているので、搬送ベルト12の横方向の蛇行防止機能と、搬送ベルト12の下方への撓み防止機能とを兼ね備えることができるのである。
【0042】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば案内手段は、搬送ベルト12の側縁面12bと対向する部位に配設され、当該搬送ベルト12の回動を案内するものであれば足り、例えば搬送ベルト12の側縁面12bと当接する板状部材等、回転部材20aとは異なる形態のものとしてもよい。また、本実施形態においては、案内手段20に下面案内部20bが形成されているが、当該下面案内部20bが形成されないものとしてもよい。
【0043】
さらに、本実施形態においては、搬送ベルト12の両側縁面12bと対向する部位にそれぞれ案内手段20が配設されているが、少なくとも一方の側縁面12bと対向する部位に案内手段20を配設するものであってもよく、或いは両側面12bと対向する部位に配設された案内手段20を連結して一部品とするようにしてもよい。なお、本実施形態においては、研磨手段が長尺状の研磨布16で構成されているが、搬送ベルト12の搬送面12aに対向して配設され、当該搬送ベルト12との間で遊技球を挟持しつつその遊技球の外周面を研磨可能なものであれば、他の形態のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
搬送ベルトの側縁面と対向する部位に配設され、当該搬送ベルトの回動を案内する案内手段を具備した遊技球研磨装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等に適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 パチンコ遊技機の島設備
2 パチンコ遊技機
3 島上タンク
4a、4b 補給樋
5a 一方の流出樋(オーバーフロー樋)
5b 他方の流出樋(オーバーフロー樋)
6a、6b エンド落し金具
7a、7b 島中タンク
8 アウトレール
9 遊技球研磨装置
10 揚送機
11 J/C
12 搬送ベルト
13 フレーム板
14 押圧部材
15 研磨手段本体
16 研磨布(研磨手段)
17 ローラ部
18 ローラ部
19 遊技球導入部
20 案内手段
20a 回転部材
20b 下面案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のプーリに懸架されるとともに当該プーリ間で回動可能な無端状の搬送ベルトと、
該搬送ベルトの搬送面に対向して配設され、当該搬送ベルトとの間で遊技球を挟持しつつその遊技球の外周面を研磨可能な研磨手段と、
を具備し、前記搬送ベルトの回動により当該搬送ベルトと前記研磨手段との間で挟持された遊技球を当該回動方向に搬送可能な遊技球研磨装置において、
前記搬送ベルトの側縁面と対向する部位に配設され、当該搬送ベルトの回動を案内する案内手段を具備したことを特徴とする遊技球研磨装置。
【請求項2】
前記案内手段は、前記搬送ベルトの側縁面と当接して回転し得る回転部材を具備したことを特徴とする請求項1記載の遊技球研磨装置。
【請求項3】
前記案内手段は、前記搬送ベルトの搬送面とは反対側の戻り面側の部位に配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技球研磨装置。
【請求項4】
前記案内手段は、前記搬送ベルトの下面を案内する下面案内部が形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の遊技球研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−245191(P2012−245191A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119934(P2011−119934)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】