説明

遊技用システム

【課題】完全ID管理のシステムにおいて、使用額に対応する消費税額を徴収し、かつ管理装置と通信できないオフライン状態で玉貸ユニットが貨幣を受け付けたときに一発貸しを行うようにしても、玉貸ユニットのコストが上昇することがないような遊技用システムを提供する。
【解決手段】玉貸ユニット20は、オフライン状態で貨幣を受け付けると(S411)、受付貨幣額から、予め定められた一単位である単位使用額と該単位使用額に対応する消費税額との合算額である税込単位額の整数倍に相当する貸与対象額と、該税込単位額未満の端数額とを特定し(S414)、該特定された貸与対象額分の玉貸処理を行うと共に(S415)、該特定された端数額をビジタコイン5に記録して排出するので(S433,S435)、該端数額を処理するための釣銭払出機能や追加入金機能を玉貸ユニットに設ける必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の貸与に使用される残額を、記録媒体には記録せずに、該記録媒体を個々に識別可能な記録媒体識別情報に対応付けて管理する(いわゆる完全ID管理を行う)遊技用システムに係り、特に該残額の管理を行う管理装置と通信可能な遊技用装置において、前記残額を使用して遊技媒体を貸与する貸与処理を行う際に、前記残額から該貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額(例えば消費税額)を減算すると共に、管理装置と通信できない通信不可能状態で貨幣を受け付けたときに、受付貨幣額から税込単位額(例えば105円)の整数倍に相当する貸与対象額を特定して、遊技者の操作によることなく、該貸与対象額分の貸与処理(いわゆる一発貸し)を行う遊技用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、遊技媒体の貸与に使用される残度数(本願の残額に相当)を各カード(本願の記録媒体に相当)には記録せずに、各カードの識別符号(本願の記録媒体識別情報に相当)に対応付けて管理装置にて管理すると共に、カード処理ユニット(本願の遊技用装置に相当)において遊技媒体貸出処理(本願の貸与処理に相当)が行われると、前記残度数を遊技媒体の貸与に応じて減算する、いわゆる「完全ID管理」を行うシステムが知られている。
【0003】
また、特許文献2に示すように、パチンコ機に対応して設けられる玉貸機(本願の遊技用装置に相当)において、有価価値データ(本願の残額に相当)を特定可能な有価価値特定情報が記録されたカード(本願の記録媒体に相当)を受け付けて、該受け付けたカードに記録されている有価価値特定情報から特定される有価価値データを使用してパチンコ玉を貸与する貸与処理を行う際に、例えば500円分のパチンコ玉をパチンコ機から貸与する一方で、該パチンコ玉の貸与に使用された使用額である500円及び該使用額に対応する消費税額である25円(消費税率が5%の場合)を前記カードの有価価値データから減算する、即ち「貸与処理に使用された使用額に対応する消費税額を徴収」するシステムが知られている。ここで消費税は間接税の一例であって、遊技場において提供される遊技サービスに対して課税されるものである。
【0004】
さらに、特許文献3に示すように、管理装置と通信できない通信不可能状態で遊技用装置が貨幣を受け付けたときに、受付貨幣額を一旦記憶した後に減算して(即ち受付貨幣額のすべてを使用して)、遊技者の操作によることなく、該受付貨幣額分の遊技媒体を貸与する、いわゆる「一発貸し」を行うシステムも知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−30515号公報(図1,図6,段落0076)
【特許文献2】特開2002−123651号公報(図11〜図13,段落0040,0042)
【特許文献3】特開2005−13465号公報(図15,段落0053,0099)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す完全ID管理のシステムにおいて、特許文献2に示すように貸与処理に使用された使用額に対応する間接税額を徴収し、かつ特許文献3に示すように管理装置と通信できない通信不可能状態で遊技用装置が貨幣を受け付けたときに一発貸しを行うと、予め定められた一単位である単位使用額(例えば100円)と該単位使用額に対応する間接税額(税率が5%の場合には5円)との合算額である税込単位額(即ち105円)未満の端数額が発生する。具体的には、1000円を受け付けて一発貸しを行うと、税込単位額である105円の9倍分の遊技媒体が貸与される一方、55円の端数額が発生する。この端数額を処理するためには、前記遊技用装置に、該端数額に相当する貨幣を払い出すための釣銭払出機能や、低額貨幣の追加入金を受け付けて該端数額が税込単位額に達するようにするための追加入金機能を設ける必要があり、遊技用装置のコストが上昇するという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、完全ID管理のシステムにおいて、貸与処理に使用された使用額に対応する間接税額を徴収し、かつ管理装置と通信できない通信不可能状態で遊技用装置が貨幣を受け付けたときに一発貸しを行うようにしても、遊技用装置のコストが上昇することがないような遊技用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0009】
まず請求項1に係る発明は、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を個々に識別可能な記録媒体識別情報(記録媒体ID)に対応付けて遊技媒体(パチンコ玉)の貸与に使用される残額を管理する管理装置(50)と、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、貨幣(紙幣2,硬貨3)を受け付ける貨幣受付手段(紙幣識別機22,硬貨識別機23)と、該貨幣受付手段により受け付けた貨幣の金額である受付貨幣額の範囲内で遊技媒体を貸与するための第1の貸与処理(使用額分の玉貸処理)を行う貸与処理手段(制御部21)と、前記受付貨幣額から第1の貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額を減算した金額を前記残額として、前記記録媒体の記録媒体識別情報に対応付けて前記管理装置にて管理するための処理を行う残額処理手段(制御部21)と、該残額処理手段による処理の対象となった記録媒体に前記残額を記録することなく排出する第1の排出処理を行う記録媒体排出処理手段(制御部21)と、を有する遊技用装置(玉貸ユニット20)と、該第1の排出処理により排出された記録媒体を受け付けて、該受け付けた記録媒体の記録媒体識別情報に対応付けて前記管理装置で管理されている残額に相当する貨幣を払い出す精算装置(60)と、を備える遊技用システム(1)であって、前記遊技用装置は、前記管理装置と通信できる通信可能状態(オンライン状態)であるか通信できない通信不可能状態(オフライン状態)であるかを検知する通信可否検知手段(制御部21)と、該通信可否検知手段により通信不可能状態を検知しているときに前記貨幣受付手段により貨幣を受け付けたことに基づいて、前記受付貨幣額から、前記残額を遊技媒体の貸与に使用する際の予め定められた一単位である単位使用額と該単位使用額に対応する間接税額(消費税額)との合算額である税込単位額の整数倍に相当する貸与対象額と、該税込単位額未満の端数額とを特定する特定手段(制御部21)と、をさらに有し、遊技者の操作によることなく、該特定手段により特定された貸与対象額分の遊技媒体を貸与するための第2の貸与処理(貸与対象額分の玉貸処理)を前記貸与処理手段により行い、前記特定手段により特定された端数額を記録した前記記録媒体を排出する第2の排出処理を前記記録媒体排出処理手段により行い、前記精算装置は、該第2の排出処理により排出された記録媒体を受け付けて、該受け付けた記録媒体に記録されている端数額に相当する貨幣を払い出すことを特徴とする遊技用システムである。
【0010】
また請求項2に係る発明は、請求項1に記載した遊技用システム(1)であって、前記精算装置(60)で受け付けた記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)に記録されている端数額が予め定められた所定の金額(税込単位額)未満であるか否かを判定する端数額判定手段(制御部62)をさらに備え、前記精算装置は、該端数額判定手段により端数額が所定の金額未満であると判定されたことを条件として、該端数額に相当する貨幣を払い出すことを特徴とする遊技用システムである。
【0011】
さらに請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載した遊技用システム(1)であって、前記管理装置(50)は、前記精算装置(60)での精算が可能な精算可能期間(当日)を設定する精算可能期間設定手段(ディスプレイ53,入力装置54)と、前記精算可能期間内に前記通信不可能状態(オフライン状態)が発生したか否かを判定する通信不可能状態発生判定手段(制御部52)と、をさらに有し、前記精算装置は、前記通信不可能状態発生判定手段により通信不可能状態が発生したと判定されたことを条件として、前記端数額に相当する貨幣を払い出すことを特徴とする遊技用システムである。
【0012】
なお遊技用装置(玉貸ユニット20)は、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、遊技媒体(パチンコ玉)の貸与に使用される残額を特定可能な残額特定情報(記録媒体ID)が記録される円盤状記録媒体(ビジタコイン5)の投入を外部から受け付ける記録媒体投入口(コイン投入口25)と、該記録媒体投入口から投入された円盤状記録媒体を保持する第1の保持部(投入コイン保持部26P)と、該第1の保持部に連通し、前記円盤状記録媒体を一列に並べて収納する記録媒体収納部(コイン収納部27a)と、該記録媒体収納部から排出された円盤状記録媒体を保持する第2の保持部(収納コイン保持部27P)と、前記第1の保持部で保持している円盤状記録媒体及び前記第2の保持部で保持している円盤状記録媒体を外部に返却する記録媒体返却口(コイン返却口28)と、始端側で前記第1の保持部に連通すると共に終端側で前記記録媒体返却口に連通し、前記第1の保持部で保持している円盤状記録媒体を前記記録媒体返却口に導くための第1の返却通路(投入コイン返却通路26d)と、始端側で前記第2の保持部に連通すると共に終端側で前記記録媒体返却口に連通し、前記第2の保持部で保持している円盤状記録媒体を前記記録媒体返却口に導くための第2の返却通路(収納コイン返却通路27d)と、前記第1の保持部に対応して設けられ、該第1の保持部で保持している円盤状記録媒体の残額特定情報を読み取る第1の読取手段(上部アンテナ26)と、前記第2の保持部に対応して設けられ、該第2の保持部で保持している円盤状記録媒体の残額特定情報を読み取る第2の読取手段(下部アンテナ27)と、貨幣(紙幣2,硬貨3)を受け付ける貨幣受付手段(紙幣識別機22,硬貨識別機23)と、前記第1の読取手段により読み取った残額特定情報から特定される残額の範囲内で遊技媒体を貸与するための残額貸与処理を行うと共に、前記貨幣受付手段により受け付けた貨幣の金額である受付貨幣額の範囲内で遊技媒体を貸与するための受付貨幣額貸与処理を行う貸与処理手段(制御部21)と、前記受付貨幣額から該受付貨幣額貸与処理に使用された使用額を減算した金額を前記残額として、前記第2の読取手段により読み取った残額特定情報から特定可能にするための残額特定処理を行う残額特定処理手段(制御部21)と、を有する遊技用装置であって、前記第1の返却通路と前記第2の返却通路とがそれぞれ別個に形成され、該第1の返却通路と第2の返却通路とがそれぞれ別個に前記記録媒体返却口に連通していることを特徴とする遊技用装置としても良い。これによれば、第1の返却通路と第2の返却通路とがそれぞれ別個に形成され、該第1の返却通路と第2の返却通路とがそれぞれ別個に記録媒体返却口に連通していることにより、第1の返却通路と第2の返却通路が途中で合流して記録媒体返却口に連通する場合と比べて、第2の読取手段を遊技用装置の内部における前方に設けることができるので、限られた奥行きの範囲内で記録媒体収納部の収納スペースを拡張して記録媒体の収納枚数を向上できる。
【発明の効果】
【0013】
まず請求項1に係る遊技用システムによれば、いわゆる完全ID管理のシステムにおいて、貸与処理に使用された使用額に対応する間接税額を徴収し、かつ管理装置と通信できない通信不可能状態で遊技用装置が貨幣を受け付けたときにいわゆる一発貸しを行うようにしても、該一発貸しによって発生する端数額が記録媒体に記録されて排出され、該端数額の精算が行われることにより、該端数額を処理するための釣銭払出機能や追加入金機能を遊技用装置に設ける必要がないので、遊技用装置のコストが上昇することがない。
【0014】
また請求項2に係る遊技用システムによれば、記録媒体に記録されている端数額が予め定められた所定の金額未満であることを条件として端数額の精算が行われることにより、記録情報が改ざんされた記録媒体により不正に精算が行われたとしても前記所定の金額未満の貨幣しか払い出されないので、不正による被害を最小限に抑えることができる。
【0015】
さらに請求項3に係る遊技用システムによれば、精算可能期間内に通信不可能状態が発生したと判定されたことを条件として端数額の精算が行われることにより、精算可能期間内に通信不可能状態が発生しておらず記録媒体に端数額が記録されることがない状況においては端数額の精算が行われないので、セキュリティが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る遊技用システム1は、図1に示すように、遊技媒体(パチンコ玉)の貸与に使用される残額を、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)には記録せずに、該記録媒体を個々に識別可能な記録媒体識別情報(記録媒体ID)に対応付けて管理するもの(いわゆる完全ID管理を行うもの)であり、特に該残額の管理を行う管理装置50と通信可能な遊技用装置(玉貸ユニット20)において、前記残額を使用して遊技媒体を貸与する貸与処理を行う際に、前記残額から該貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額(例えば消費税額)を減算すると共に、管理装置50と通信できない通信不可能状態(オフライン状態)で貨幣を受け付けたときに、受付貨幣額から税込単位額(例えば105円)の整数倍に相当する貸与対象額を特定して、遊技者の操作によることなく、該貸与対象額分の貸与処理(いわゆる一発貸し)を行うものである。そして該一発貸しによって発生する端数額を記録媒体に記録して排出し、該端数額の精算が可能であることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る遊技用システム1は、上記のような完全ID管理を採用したことにより、記録媒体には遊技媒体の貸与に使用される残額を記録しないので、残額が改ざんされるおそれはなく、セキュリティを担保できて、記録媒体のコストを下げることができる。即ち、例えば記録媒体がICカードやICコインである場合において、該記録媒体に残額を記録してセキュリティを担保しようとすれば、該記録媒体にCPUを搭載して記録残額の管理を行う必要があるが、本発明の如く記録媒体に残額を記録しないのであれば、該記録媒体にCPUを搭載しなくても良いので、記録媒体のコストを下げることができる。また記録媒体にCPUを搭載すると、該CPUとの間で情報のやりとりを行うために、遊技用装置側の制御プログラムが複雑になるので、システムの設計コストが高くなるが、記録媒体にCPUを搭載しないのであれば、該制御プログラムは複雑にならずに済むので、システムの設計コストを低くすることができる。
【0018】
以下においては、遊技機がパチンコ機10であり、遊技媒体がパチンコ玉であり、貸与処理が玉貸処理である例について説明する。また、以下においては、間接税が、既に導入されている消費税である例について説明するが、該間接税は、今後導入の可能性もあり得る遊技税等であっても良い。ここで消費税率は、この例では5%であり、会員カード4やビジタコイン5を発行するカード会社(図示外)で設定されて、遊技場に設けられた管理装置50に対して配信され、玉貸ユニット20に対して配信されて記憶される。さらに、以下においては、使用額及び該使用額に対応する消費税額を「使用額+消費税額」,リーダ/ライタを「R/W」,データベースを「DB」,ステップSを「S」と略記する。
【0019】
まず、図1〜図5を参照して、遊技用システム1の構成について説明する。この遊技用システム1は、図1に示すように、パチンコ機10に対応して設けられる玉貸ユニット20と、該玉貸ユニット20と通信可能な管理装置50と、該管理装置50と通信可能な精算装置60とを備える。
【0020】
この遊技用システム1では、紙幣2,硬貨3,会員カード4,及びビジタコイン5が使用される。紙幣2は貨幣の一例であって、図2(b)に示すように、ここでは1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類が使用される。硬貨3も貨幣の一例であって、図2(b)に示すように、ここでは500円硬貨,及び100円硬貨の2種類が使用される。
【0021】
会員カード4は記録媒体の一例であって、該記録媒体を個々に識別可能な記録媒体識別情報である記録媒体IDとして、カードIDが記録されている。ここで会員カード4の記録媒体IDは、図1の表に示すように、会員遊技者=メンバーを示すMで始まる4桁の番号である。この遊技用システム1では完全ID管理が採用されているので、該会員カード4には、パチンコ玉の貸与に使用される残額は記録されないが、前記一発貸しによって発生する端数額が記録される。
【0022】
この会員カード4は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、記録媒体ID及び端数額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICカードである。この会員カード4は、会員登録を行った遊技者に対して発行されるものである。
【0023】
このようにして発行された会員カード4を、遊技者が玉貸ユニット20のカード挿入口24aから挿入することにより、該会員カード4の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理されている残額を遊技媒体の貸与に使用可能となり、遊技者が精算装置60のカード挿入口64aから挿入することにより、該会員カード4の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理されている残額,及び該会員カード4に端数額が記録されている場合には当該端数額を精算可能となる。
【0024】
なお、以下において、「ビジタ」とは、会員カード4を所持していない遊技者,あるいは会員カード4を所持していても使用しない遊技者を意味する。従って、会員カード4の発行を受けた会員遊技者であっても、会員カード4を所持していない(会員カード4を忘れてきた等)場合や、会員カード4を所持していても使用しない場合には、ビジタとなる。
【0025】
ビジタコイン5は記録媒体の一例であって、該記録媒体を個々に識別可能な記録媒体識別情報である記録媒体IDとして、コインIDが記録されている。またビジタコイン5は円盤状記録媒体の一例でもあって、パチンコ玉の貸与に使用される残額を特定可能な残額特定情報が記録されるものであり、ここでは記録媒体IDが残額特定情報に相当する。ここでビジタコイン5の記録媒体IDは、図1の表に示すように、会員以外の遊技者=ビジタを示すVで始まる4桁の番号である。この遊技用システム1では完全ID管理が採用されているので、該ビジタコイン5にも、パチンコ玉の貸与に使用される残額は記録されないが、前記一発貸しによって発生する端数額が記録される。
【0026】
このビジタコイン5は、円盤状を呈するプラスチック製のコインにおける所定の部位に、記録媒体ID及び端数額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICコインである。このビジタコイン5は、予め記録媒体IDが記録されている状態でカード会社から遊技場に納入されて、玉貸ユニット20の後述するコイン収納部27aに収納される。そして管理装置50と通信可能状態(オンライン状態)にある玉貸ユニット20において、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない状態で貨幣を受け付けた後、遊技者から排出操作(後述する返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、受付貨幣額のうちの玉貸処理に使用されていない残額が零でないことを条件として、該ビジタコイン5が発行(排出)される。
【0027】
このようにして発行されたビジタコイン5を、遊技者が玉貸ユニット20のコイン投入口25から投入することにより、該ビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理されている残額を遊技媒体の貸与に使用可能となり、遊技者が精算装置60のコイン投入口65aから投入することにより、該ビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理されている残額,及び該ビジタコイン5に端数額が記録されている場合には当該端数額を精算可能となる。
【0028】
玉貸ユニット20に対応して設けられるパチンコ機10は遊技機の一例であって、遊技媒体であるパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行うものであり、ここでは対応する玉貸ユニット20との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて玉貸処理が行われる、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場に配置された遊技島(図示外)において該パチンコ機10の機種等に従って設置されている。
【0029】
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
【0030】
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、玉貸ユニット20の後述する玉貸通信部21aと通信可能に接続され、後述する玉貸処理が行われる場合に、パチンコ機10と玉貸ユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。さらに払出制御基板12は、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16とも接続されている。玉払出装置13は、玉貸処理が行われて遊技者に貸し出されたパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。ここで残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16は、パチンコ機10の前面に配置されているものであるが、前記払出制御基板12を介して玉貸ユニット20と通信可能に接続されているため、玉貸ユニット20に属するものである。
【0031】
残度数表示器14は、玉貸ユニット20の制御部21のRAMに記憶されている残額を税込単位額で除算した商の整数部分を残度数として表示するための表示器であり、ここでは2桁の7セグメント表示器である。ここで税込単位額は、残額をパチンコ玉の貸与に使用する際の予め定められた一単位である単位使用額と該単位使用額に対応する消費税額との合算額である。例えば単位使用額が100円であり、消費税率が5%の場合には、税込単位額は105円であり、該105円が1度数となる。
【0032】
玉貸ボタン15は、玉貸ユニット20の制御部21のRAMに記憶されている残額を使用した玉貸操作を遊技者から受け付けるボタンである。返却ボタン16は、後述するカード保持部24Pで保持されている会員カード4,後述する投入コイン保持部26Pで保持されているビジタコイン5,又は後述する収納コイン保持部27Pで保持されているビジタコイン5の返却操作を遊技者から受け付けるボタンである。
【0033】
玉貸ユニット20は遊技用装置の一例であって、パチンコ機10に対応して設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ29,紙幣挿入口22a,硬貨投入口23a,硬貨返却ボタン23e,残額表示器30,硬貨返却口23f,コイン投入口25,コイン返却口27,及びカード挿入口24a等を備え、図2(b)及び図2(c)に示すように、その内部に紙幣識別機22,制御部21,玉貸通信部21a,外部通信部21b,硬貨識別機23,投入コイン保持部26P(図示外)に対応する上部アンテナ26,投入コイン返却通路26d,コイン収納部27a,収納コイン保持部27P(図示外)とカード保持部24Pに対応する下部アンテナ27,収納コイン返却通路27d,及び記録媒体R/W24等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。この玉貸ユニット20は、ユニットIDにより、各玉貸ユニット20を個々に識別可能とされている。
【0034】
制御部21は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、玉貸ユニット20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部21のRAMは、管理装置50とオンライン状態では、管理装置50で管理されている残額を含む残額通知が送信されてきたことに基づいて該残額を記憶し、管理装置50とオフライン状態では、後述する特定手段(制御部21)により特定された貸与対象額を記憶するものである。また制御部21のRAMは端数額記憶手段の一例であって、後述する特定手段(制御部21)により特定された端数額を記憶するものである。この制御部21の他の機能については後述する。
【0035】
制御部21には、玉貸通信部21aと外部通信部21bが設けられている。玉貸通信部21aは、前述の如く、パチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。外部通信部21bは、管理装置50の後述する通信部51と通信可能に接続されており、玉貸ユニット20と管理装置50との間における通信を司るものである。この外部通信部21bは、後述する通信可否検知手段(制御部21)により通信可能状態(オンライン状態)を検知しているときに、以下のような処理を行う。
【0036】
即ち外部通信部21bは、オンライン状態を検知しているときに貨幣を受け付けたことに基づいて、記録媒体IDと受付貨幣額とを含む入金要求を管理装置50に対して送信する。具体的には、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付けていない状態で貨幣を受け付けたときには、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインIDと受付貨幣額とを含む入金要求を送信し、会員カード4の挿入を受け付けている状態で貨幣を受け付けたときには、カード保持部24Pで保持している該会員カード4のカードIDと受付貨幣額とを含む入金要求を送信し、ビジタコイン5の投入を受け付けている状態で貨幣を受け付けたときには、投入コイン保持部26Pで保持している該ビジタコイン5のコインIDと受付貨幣額とを含む入金要求を送信する。即ち入金要求には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインID,カード保持部24Pで保持している会員カード4のカードID,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のコインIDのいずれかが、記録媒体IDとして含まれる。この入金要求を受信した管理装置50では、後述する制御部52により、該入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理が行われ、該管理装置50から、入金処理が完了した旨を示す入金完了通知として、ここでは管理されている残額を含む残額通知が返信されてくる。
【0037】
また外部通信部21bは、オンライン状態を検知しているときに玉貸操作(玉貸ボタン15の操作)を受け付けたことに基づいて、記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知を管理装置50に対して送信する。具体的には、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付けていない状態で玉貸操作を受け付けたときには、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインIDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知を送信し、会員カード4の挿入を受け付けている状態で玉貸操作を受け付けたときには、カード保持部24Pで保持している該会員カード4のカードIDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知を送信し、ビジタコイン5の投入を受け付けている状態で玉貸操作を受け付けたときには、投入コイン保持部26Pで保持している該ビジタコイン5のコインIDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知を送信する。即ち玉貸通知には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインID,カード保持部24Pで保持している会員カード4のカードID,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のコインIDのいずれかが、記録媒体IDとして含まれる。この玉貸通知を受信した管理装置50では、後述する制御部52により、該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理が行われ、該管理装置50から、減算処理が完了した旨を示す減算完了通知が返信されてくる。
【0038】
また外部通信部21bは、オンライン状態を検知しているときに返却操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、記録媒体IDを含む返却通知を管理装置50に対して送信する。具体的には、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付けていない状態で返却操作を受け付けたときには、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインIDを含む返却通知を送信し、会員カード4の挿入を受け付けている状態で返却操作を受け付けたときには、カード保持部24Pで保持している該会員カード4のカードIDを含む返却通知を送信し、ビジタコイン5の投入を受け付けている状態で返却操作を受け付けたときには、投入コイン保持部26Pで保持している該ビジタコイン5のコインIDを含む返却通知を送信する。即ち返却通知には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインID,カード保持部24Pで保持している会員カード4のカードID,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のコインIDのいずれかが、記録媒体IDとして含まれる。この返却通知を受信した管理装置50からは、返却許諾通知が返信されてくる。
【0039】
また外部通信部21bは、オンライン状態を検知しているときに後述する第1の排出処理により排出された記録媒体(即ち端数額が記録されていない会員カード4又はビジタコイン5)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた記録媒体に記録されている記録媒体IDを含む残額取得要求を管理装置50に対して送信する。この残額取得要求を受信した管理装置50からは、該記録媒体IDに対応付けて管理している残額を含む残額通知が返信されてくる。
【0040】
さらに外部通信部21bは端数額加算更新要求送信手段の一例であって、オンライン状態を検知しているときに後述する第2の排出処理により排出された記録媒体(即ち端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた記録媒体に記録されている記録媒体IDと端数額とを含む端数額加算更新要求を管理装置50に対して送信する。この端数額加算更新要求を受信した管理装置50では、後述する端数額加算更新処理手段(制御部52)により、該端数額加算更新要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額に対して該端数額加算更新要求に含まれる端数額を加算更新する端数額加算更新処理が行われ、該管理装置50から、端数額加算更新処理が完了した旨を示す端数額加算更新完了通知として、ここでは加算更新後の残額を含む残額通知が返信されてくる。
【0041】
なお外部通信部21bから送信される情報(要求や通知)には前記ユニットIDが含まれるので、管理装置50では、該情報と共に受信したユニットIDに基づいて、該情報の送信元である玉貸ユニット20を特定可能である。
【0042】
紙幣識別機22は貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図2(b)に示すように、紙幣挿入口22aから前記4種類の紙幣2の挿入を受け付けて、該受け付けた紙幣2の真贋及び金種を識別する識別機である。なお紙幣識別機22により受け付けられた紙幣2は、紙幣通路22bを通じて玉貸ユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。
【0043】
硬貨識別機23も貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図2(b)に示すように、硬貨投入口23aから前記2種類の硬貨3の投入を受け付けて、硬貨通路23bを通じて落下してきた硬貨3の真贋及び金種を識別する識別機である。なお硬貨識別機23により受け付けられた硬貨3も、硬貨通路23cを通じて玉貸ユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた硬貨搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。硬貨返却ボタン23eは、硬貨識別機23や硬貨通路23bにおいて詰まった硬貨3の返却操作を受け付けるためのボタンであり、遊技者により硬貨返却ボタン23eが押下されると、該詰まった硬貨3が硬貨通路23dを通じて硬貨返却口23fに戻る。
【0044】
これら貨幣受付手段においては、管理装置50とオンライン状態では、すべての種類の貨幣を受付可能であるが、管理装置50とオフライン状態では、1000円以下の貨幣のみを受付可能である。
【0045】
記録媒体R/W24は、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)の記録情報を読み取ると共に記録媒体に対して情報を書き込むものである。この記録媒体R/W24は、前記ICカードである会員カード4及び前記ICコインであるビジタコイン5に対応したリーダ/ライタであり、投入コイン保持部26Pに対応する上部アンテナ26と、収納コイン保持部27P及びカード保持部24Pに対応する下部アンテナ27とを備えている。これにより、コイン投入口25から投入されて投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5に対しては、上部アンテナ26を介して情報の読み取り及び書き込みを行う。また、コイン収納部27aから排出されて収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に対しては、下部アンテナ27を介して情報の読み取り及び書き込みを行う。さらに、カード挿入口24aから挿入されてカード保持部24Pで保持している会員カード4に対しても、下部アンテナ27を介して情報の読み取り及び書き込みを行う。
【0046】
次に図2〜図4を参照して、ビジタコイン5の取扱構造について説明する。このビジタコイン5の取扱構造には、コイン投入口25,投入コイン保持部26P,コイン収納部27a,収納コイン保持部27P,コイン返却口28,投入コイン返却通路26d,収納コイン返却通路27d,上部アンテナ26,及び下部アンテナ27が含まれる。
【0047】
コイン投入口25は記録媒体投入口の一例であって、ビジタコイン5の投入を外部から受け付ける部位であり、ここでは図2(a)(b)に示すように、玉貸ユニット20の前面に形成された縦長の孔である。
【0048】
投入コイン保持部26Pは第1の保持部の一例であって、コイン投入口25から投入されたビジタコイン5(以下「投入コイン」ともいう。)を保持する部位であり、ここでは図3に示すように、コイン投入口25から後方に向けて傾斜して配置された投入コイン誘導通路26aにおいて、該投入コイン誘導通路26aの終端部分が第1の投入コインストッパ26b及び第2の投入コインストッパ26cにより区画された部位である。この投入コイン保持部26Pでは、コイン投入口25から投入されて投入コイン誘導通路26aを自重により転動してきたビジタコイン5が、閉鎖状態にある第1の投入コインストッパ26b及び第2の投入コインストッパ26cに堰き止められて保持される。
【0049】
ここで第1の投入コインストッパ26bは、投入コイン保持部26Pと該投入コイン保持部26Pの後方に連通するコイン収納部27aとの間に形成されるストッパであり、制御部21の制御によって(図1を参照)スライド又は回転することにより、投入コイン保持部26Pとコイン収納部27aとの間を閉鎖状態にしたり開放状態にしたりするものである。この第1の投入コインストッパ26aは、通常は閉鎖状態であるが、前記投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて管理装置50で管理されている残額(即ち制御部21のRAMで記憶している残額)が零になると開放状態になり、投入コイン保持部26Pで保持していたビジタコイン5が自重により転動して、コイン収納部27aに収納される。
【0050】
また第2の投入コインストッパ26cは、投入コイン保持部26Pと該投入コイン保持部26Pの下方に連通する投入コイン返却通路26dとの間に形成されるストッパであり、制御部21の制御によって(図1を参照)スライド又は回転することにより、投入コイン保持部26Pと投入コイン返却通路26dとの間を閉鎖状態にしたり開放状態にしたりするものである。この第2の投入コインストッパ26cは、通常は閉鎖状態であるが、投入コイン保持部26Pでビジタコイン5を保持しているときに遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けると開放状態になり、該投入コイン保持部26Pで保持していたビジタコイン5が投入コイン返却通路26dを自重により落下及び転動して、コイン返却口28に返却される。
【0051】
コイン収納部27aは記録媒体収納部の一例であって、投入コイン保持部26Pに連通し、ビジタコイン5を一列に並べて収納する部位であり、ここでは図3に示すように、投入コイン保持部26Pから後方に向けて傾斜し、途中で下方に向けて鉛直に屈曲し、さらに途中で後方に向けて半円弧状に屈曲して配置された通路において、該通路の終端部分に設けられた第1の収納コインストッパ27bにより区画された部位である。このコイン収納部27aでは、遊技場の営業開始前に予めコイン投入口25から投入されたビジタコイン5,及び遊技場の営業中に第1の投入コインストッパ26bが開放状態となって投入コイン保持部26Pにおける保持が解除されたビジタコイン5が、閉鎖状態にある第1の収納コインストッパに堰き止められて、一列に並べて収納される。ここで「一列に並べて」とは、ビジタコイン5の面同士ではなく円周同士が接するように並べての意味である。ここでのコイン収納部27aは、7枚のビジタコイン5を収納可能である。
【0052】
ここで第1の収納コインストッパ27bは、コイン収納部27aと該コイン収納部27aの前方に連通する収納コイン保持部27Pとの間に形成されるストッパであり、制御部21の制御によって(図1を参照)スライド又は回転することにより、コイン収納部27aと収納コイン保持部27Pとの間を閉鎖状態にしたり開放状態にしたりするものである。この第1の収納コインストッパ27bは、通常は閉鎖状態であるが、次に述べる収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5が外部に返却されると開放状態になり、コイン収納部27aに収納されているビジタコイン5が自重により転動して、収納コイン保持部27Pに排出される。従って該収納コイン保持部27Pには、常にビジタコイン5が保持された状態となる。
【0053】
収納コイン保持部27Pは第2の保持部の一例であって、コイン収納部27aから排出されたビジタコイン5(以下「収納コイン」ともいう。)を保持する部位であり、ここでは図3に示すように、コイン収納部27aの終端側から前方に向けて傾斜して配置された収納コイン返却通路27dにおいて、該収納コイン返却通路27dの始端部分が第2の収納コインストッパ27cにより区画された部位である。この収納コイン保持部27Pでは、第1の収納コインストッパ27bが開放状態となってコイン収納部27aから排出されたビジタコイン5が、閉鎖状態にある第2の収納コインストッパ27cに堰き止められて保持される。
【0054】
ここで第2の収納コインストッパ27cは、収納コイン保持部27Pと該収納コイン保持部27Pの前方に連通する収納コイン返却通路27dとの間に形成されるストッパであり、制御部21の制御によって(図1を参照)スライド又は回転することにより、収納コイン保持部27Pと収納コイン返却通路27dとの間を閉鎖状態にしたり開放状態にしたりするものである。この第2の収納コインストッパ27cは、常時は閉鎖状態であるが、投入コイン保持部26Pでビジタコイン5を保持していないときに遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けると開放状態になり、収納コイン保持部27Pで保持していたビジタコイン5が収納コイン返却通路27dを自重により転動して、コイン返却口28に返却される。
【0055】
コイン返却口28は記録媒体返却口の一例であって、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5及び収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を外部に返却する部位であり、ここでは図2(a)(b)に示すように、玉貸ユニット20の前面に突出して形成され、投入コイン返却通路26dの終端側に形成された投入コイン返却通路出口26e及び収納コイン返却通路27dの終端側に形成された収納コイン返却通路出口27eから返却されたビジタコイン5を受け止める容器状の部位である。
【0056】
投入コイン返却通路26dは第1の返却通路の一例であって、始端側で投入コイン保持部26Pに連通すると共に終端側でコイン返却口28に連通し、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5をコイン返却口28に導くための通路であり、ここでは図3及び図4に示すように、投入コイン保持部26Pから下方に向けて延出し、途中で前方に向けて屈曲して傾斜して配置された通路である。
【0057】
収納コイン返却通路27dは第2の返却通路の一例であって、始端側で収納コイン保持部27Pに連通すると共に終端側でコイン返却口28に連通し、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5をコイン返却口28に導くための通路であり、ここでは図3及び図4に示すように、収納コイン保持部27Pから前方に向けて傾斜して配置された通路である。
【0058】
上部アンテナ26は第1の読取手段の一例であって、投入コイン保持部26Pに対応して設けられ、該投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDを読み取るものであり、前述の如く記録媒体R/W24が、該上部アンテナ26を介して、ビジタコイン5に対する情報の読み取り及び書き込みを行う。この上部アンテナ26は、図3に示す投入コイン保持部26Pの左側面に隣接して、図2(b)に示すように配置されている。
【0059】
下部アンテナ27は第2の読取手段の一例であって、収納コイン保持部27Pに対応して設けられ、該収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDを読み取るものであり、前述の如く記録媒体R/W24が、該下部アンテナ27を介して、ビジタコイン5に対する情報の読み取り及び書き込みを行う。この下部アンテナ27は、図3に示す収納コイン保持部27Pの左側面に隣接して、図2(b)に示すように配置されている。
【0060】
以上に説明したビジタコイン5の取扱構造は、図3及び図4に示すように、投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dとがそれぞれ別個に形成され、該投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dとがそれぞれ別個にコイン返却口28に連通していることを特徴とするものである。
【0061】
ここで該ビジタコイン5の取扱構造に類似するものとして、特開2001−293242号公報(図4,図5,段落0044,0051)に示す玉貸し機が知られている。この玉貸し機(本願の玉貸ユニット20に相当)では、第1検知部(本願の上部アンテナ26に相当)で保持しているコイン(本願のビジタコイン5に相当)をコイン返却口に導くためのバイパス通路(本願の投入コイン返却通路26dに相当)が、第2検知部(本願の下部アンテナ27に相当)で保持しているコインをコイン返却口に導くための返却通路(本願の収納コイン返却通路27dに相当)と合流してから、コイン返却口に連通するように構成されている。
【0062】
しかしながら、この従来の玉貸し機のように、コインをコイン返却口に導くための2つの通路が合流してからコイン返却口に連通するように構成すると、本願の下部アンテナ27に相当する第2検知部を、該合流地点よりも後方に設けなければならないので、玉貸し機の内部における限られた奥行きの範囲内では、コイン収納部の収納スペースが少なくなるという問題点があった。
【0063】
そこで本願のビジタコイン5の取扱構造の如く、投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dとがそれぞれ別個に形成され、該投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dとがそれぞれ別個にコイン返却口28に連通するように構成すれば、投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dが途中で合流してコイン返却口28に連通する場合と比べて、下部アンテナ27を玉貸ユニット20の内部における前方に設けることができるので、玉貸ユニット20の内部における限られた奥行きの範囲内で、コイン収納部27aの収納スペースを拡張してビジタコイン5の収納枚数を向上できる。
【0064】
図2に戻り、多機能ランプ29は、予め定められた複数の色のうちのいずれかの色で点灯又は点滅することによって玉貸ユニット20の状態を報知するランプである。この多機能ランプ29は、例えば会員カード4及びビジタコイン5を受け付けていないときには青色で点灯してその旨を報知し、会員カード4を受け付けているときには緑色で点灯してその旨を報知し、ビジタコイン5を受け付けているときには黄色で点灯してその旨を報知し、異常が発生しているときには赤色で点滅してその旨を報知する。残額表示器30は、玉貸ユニット20の制御部21のRAMに記憶されている残額又は端数額を表示するための表示器であって、ここでは5桁の7セグメント表示器であり、残額や端数額が1円単位まで表示される。
【0065】
ここで制御部21は通信可否検知手段の一例であって、管理装置50と通信できる通信可能状態(オンライン状態)であるか通信できない通信不可能状態(オフライン状態)であるかを検知するものである。具体的には、管理装置50の後述する通信部51から各玉貸ユニット20に対して定期的(例えば10秒ごと)に送信されてくる通信確認要求に基づいて、該通信確認要求の受信を定期的に検知している間はオンライン状態(即ち管理装置50と通信できる通信可能状態)であると判定し、該通信確認要求の受信を一定期間(例えば1分間)検知しなくなるとオフライン状態(即ち管理装置50と通信できない通信不可能状態)であると判定する。
【0066】
また制御部21は貸与処理手段の一例であって、前記貨幣受付手段により受け付けた貨幣の金額である受付貨幣額の範囲内でパチンコ玉を貸与するための第1の貸与処理(受付貨幣額貸与処理)である使用額分の玉貸処理を行うものである。この実施形態では、管理装置50とオンライン状態で貨幣を受け付けると、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDと受付貨幣額とを含む前記入金要求(図6のS112を参照),会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている場合には、該受け付けている会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと受付貨幣額とを含む前記入金要求(図7のS222を参照)が管理装置50に対して送信され、該入金要求を受信した管理装置50では、後述する制御部52により、該入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理が行われ、該管理装置50から、入金処理が完了した旨を示す入金完了通知として、前記管理されている残額を含む残額通知が返信されてくることにより、該管理されている残額が制御部21のRAMに記憶されて玉貸操作を受付可能となり、該玉貸操作が受け付けられた場合に、後述する使用額分の玉貸処理が行われる。
【0067】
また貸与処理手段として機能する制御部21は、記録媒体R/W24から読み取った記録媒体IDから特定される残額(即ち該記録媒体IDに対応付けて管理装置50で管理されている残額)の範囲内でパチンコ玉を貸与するための残額貸与処理である使用額分の玉貸処理を行うものである。この実施形態では、管理装置50とオンライン状態で端数額が記録されていない会員カード4又はビジタコイン5を受け付けると、該受け付けてた会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDを含む残額取得要求(図7のS202を参照)が管理装置50に対して送信され、該残額取得要求を受信した管理装置50から、前記管理されている残額を含む残額通知が返信されてくることにより、該管理されている残額が制御部21のRAMに記憶されて玉貸操作を受付可能となり、該玉貸操作が受け付けられた場合に、後述する使用額分の玉貸処理が行われる。
【0068】
この使用額分の玉貸処理としては、制御部21のRAMに記憶されている残額と予め設定された玉貸設定金額(例えば5度数分の税込単位額である525円)とを比較して、残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額を使用額+消費税額として、該使用額+消費税額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行い、残額(例えば300円)<玉貸設定金額であれば、税込単位額の整数倍の残額(ここでは210円)を使用額+消費税額として、該使用額+消費税額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行う。なお残額<税込単位額である105円(即ち端数額)であれば、払出制御基板12に対してパチンコ玉の払出を指示する処理は行わない。該指示を受けたパチンコ機10側では、単位使用額である100円(換言すれば税込単位額である105円)毎に25個のパチンコ玉が払い出される。
【0069】
そして該使用額分の玉貸処理が行われると、制御部21のRAMに記憶されている残額から使用額+消費税額が減算更新され、該減算更新に応じて残度数表示器14における残度数の表示及び残額表示器30における残額の表示が更新されると共に、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知(図6のS123を参照),会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている場合には、該受け付けている会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知(図7のS213を参照)が管理装置50に対して送信され、該玉貸通知を受信した管理装置50では、後述する制御部52により、該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理が行われ、該管理装置50から、減算処理が完了した旨を示す減算完了通知が返信されてくることにより、再び玉貸操作を受付可能となる。
【0070】
また制御部21は残額処理手段の一例であって、前記受付貨幣額から第1の貸与処理(受付貨幣額貸与処理)に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額を減算した金額を前記残額として、会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理するための処理(記録媒体R/W24から読み取った記録媒体IDから特定可能にするための残額特定処理)を行うものである。この実施形態では、管理装置50とオンライン状態で貨幣を受け付けたときに、記録媒体IDと受付貨幣額とを含む前記入金要求を管理装置50に対して送信する処理と、前記使用額分の玉貸処理が行われたときに、記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む前記玉貸通知を管理装置50に対して送信する処理が、残額を記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理するための処理(残額特定処理)に相当する。
【0071】
これにより、前記入金要求を受信した管理装置50では、前述の如く、該入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理が行われ、また前記玉貸通知を受信した管理装置50では、該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理が行われることにより、前記受付貨幣額から第1の貸与処理(受付貨幣額貸与処理)に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額を減算した金額が前記残額として、会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて管理される。
【0072】
また制御部21は記録媒体排出処理手段の一例であって、前記残額処理手段による処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5に前記残額を記録することなく排出する第1の排出処理を行うものであり、ここでは遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、該第1の排出処理を行う。具体的には、管理装置50とオンライン状態において、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない状態で、貨幣を受け付けて、玉貸操作の受付に基づいて使用額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けた場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に残額を記録することなく排出し(図6のS137を参照)、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている状態で、貨幣を受け付けて、玉貸操作の受付に基づいて使用額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けると、前記受け付けている会員カード4又はビジタコイン5に残額を記録することなく排出する(図7のS237を参照)。
【0073】
また制御部21は端数額消去処理手段の一例であって、前記端数額加算更新要求送信手段により端数額加算更新要求を送信したことに基づいて管理装置50から返信されてくる前記端数額加算完了通知(ここでは加算更新後の残額を含む残額通知)を受信したことを条件として、前記受け付けた記録媒体(即ち端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5)に記録されている端数額を消去する端数額消去処理を行うものである。具体的には、端数額の消去を記録媒体R/W24に対して指示する処理を行う。
【0074】
また制御部21は特定手段の一例であって、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに前記貨幣受付手段により貨幣を受け付けたことに基づいて、前記受付貨幣額から、前記残額をパチンコ玉の貸与に使用する際の予め定められた一単位である単位使用額(例えば100円)と該単位使用額に対応する消費税額(税率が5%の場合には5円)との合算額である税込単位額(即ち105円)の整数倍に相当する貸与対象額と、該税込単位額未満の端数額とを特定するものである。具体的には、管理装置50とオフライン状態で1000円を受け付けた場合には、受付貨幣額である1000円から、税込単位額である105円の9倍に相当する945円を貸与対象額として特定すると共に、55円を端数額として特定する(図9のS414,図10のS514を参照)。ここで特定された端数額は、制御部21のRAMで記憶される。
【0075】
この特定手段により貸与対象額と端数額が特定されると、遊技者の操作(玉貸ボタン15の操作)によることなく、該特定された貸与対象額分のパチンコ玉を貸与するための第2の貸与処理(一発貸し)である貸与対象額分の玉貸処理が、前記貸与処理手段により行われる。具体的には、該特定された貸与対象額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行う。
【0076】
また特定手段により貸与対象額と端数額が特定されると、該特定された端数額を記録した会員カード4又はビジタコイン5を排出する第2の排出処理が、前記記録媒体排出処理手段により行われ、ここでは遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、制御部21のRAMで記憶している端数額を会員カード4又はビジタコイン5に記録して、該第2の排出処理を行う。具体的には、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない状態で、貨幣を受け付けて、貸与対象額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けた場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に端数額を記録して排出し(図9のS433,S435を参照)、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている状態で、貨幣を受け付けて、貸与対象額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けると、前記受け付けている会員カード4又はビジタコイン5に端数額を記録して排出する(図10のS533,S535を参照)。
【0077】
また特定手段として機能する制御部21は、前記第2の貸与処理(一発貸し)である貸与対象額分の玉貸処理を行った後に前記貨幣受付手段により貨幣を受け付けたことに基づいて、前回の貨幣の受付に基づいて特定した端数額と前記受付貨幣額との合算額から、前記貸与対象額を特定すると共に、前記端数額を新たに特定する。具体的には、前述の如く、管理装置50とオフライン状態で1000円を受け付け、945円が貸与対象額として特定されて該貸与対象額分の玉貸処理が行われると共に、55円が端数額として特定された(制御部21のRAMで記憶された)後に、さらに1000円を受け付けた場合に、前記特定された端数額である55円と受付貨幣額である1000円との合算額である1055円から、税込単位額である105円の10倍に相当する1050円を貸与対象額として特定すると共に、5円を端数額として新たに特定する(図9のS424,図10のS524を参照)。ここで新たに特定された端数額は、制御部21のRAMで記憶される(換言すれば、制御部21のRAMで記憶されていた端数額が、新たに特定された端数額に更新される)。
【0078】
さらに特定手段として機能する制御部21は、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに、前記第2の排出処理により排出された会員カード4又はビジタコイン5を受け付け、さらに前記貨幣受付手段により貨幣を受け付けたことに基づいて、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額と前記受付貨幣額との合算額から、前記貸与対象額を特定すると共に、前記端数額を新たに特定する。具体的には、管理装置50とオフライン状態で、端数額として55円が記録されている会員カード4又はビジタコイン5を受け付け、さらに1000円を受け付けた場合に、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額である55円と受付貨幣額である1000円との合算額である1055円から、税込単位額である105円の10倍に相当する1050円を貸与対象額として特定すると共に、5円を端数額として新たに特定する(図11のS624を参照)。ここで新たに特定された端数額は、制御部21のRAMで記憶される(換言すれば、制御部21のRAMで記憶されていた端数額が、新たに特定された端数額に更新される)。
【0079】
また制御部21は合算額判定手段の一例であって、前記貨幣受付手段により貨幣を受け付けたことに基づいて、前回の貨幣の受付に基づいて特定した端数額又は前記受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額と前記受付貨幣額との合算額が前記税込単位額以上であるか否かを判定するものである。具体的には、前記特定手段により特定された端数額又は前記受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額が制御部21のRAMに記憶されている状態で、貨幣を受け付けた場合に、受付貨幣額+端数額が税込単位額以上であるか否かを判定する(図9のS423,図10のS523,図11のS613,同S623)。
【0080】
ここで該合算額判定手段により税込単位額以上であると判定されたことを条件として、前記受け付けた貨幣が回収され、前記特定手段による特定が行われる一方、前記合算額判定手段により税込単位額未満であると判定されたことを条件として、前記受け付けた貨幣が返却され、前記特定手段による特定が行われない。例えば端数額が4円の状態で100円を受け付けた場合には、該受け付けた10円が返却され、端数額が5円の状態で100円を受け付けた場合には、該受け付けた100円が回収されて、貸与対象額105円(端数額0円)が特定される。
【0081】
管理装置50は、会員カード4又はビジタコイン5を個々に識別可能な記録媒体IDに対応付けてパチンコ玉の貸与に使用される残額を管理するものである。この管理装置50は、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられるものであり、図1に示すように接続される通信部51,制御部52,ディスプレイ53,入力装置54,及びハードディスク55等を備えている。
【0082】
記憶手段であるハードディスク55には、図1の表に示す残額管理DBが設けられている。この残額管理DBでは、会員カード4の記録媒体ID(即ちMで始まるカードID)又はビジタコイン5の記録媒体ID(即ちVで始まるコインID)に対応付けて残額が記憶されており、制御部52の制御により該残額が更新されて管理される。またハードディスク55では、次に述べる精算可能期間設定手段により設定された精算可能期間内においていずれかの玉貸ユニット20とオフライン状態が発生した場合に、その旨が記憶される。
【0083】
ディスプレイ53は、各種の情報を表示するための表示デバイスであり、入力装置54は、各種の入力を受け付けるための入力デバイスである。これらディスプレイ53及び入力装置54は精算可能期間設定手段の一例であって、精算装置60での精算が可能な精算可能期間を設定するものである。具体的には、管理装置50において精算可能期間設定モードが実行されると、精算可能期間設定画面(図示外)がディスプレイ53に表示される。この精算可能期間設定画面では、入力装置54の操作により、当日中,今週中,又は今月中のいずれかを、精算可能期間として設定可能である。以下においては、精算可能期間として当日中が設定された場合について説明する。
【0084】
制御部52は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ハードディスク55に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、管理装置50に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
【0085】
この制御部52は、玉貸ユニット20から送信されてきた入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理を行うものである(図6のS113,図7のS223を参照)。
【0086】
また制御部52は、玉貸ユニット20から送信されてきた玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理を行うものである(図6のS124,図7のS214を参照)。
【0087】
また制御部52は端数額加算更新処理手段の一例であって、前記端数額加算更新要求送信手段から送信されてきた端数額加算更新要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額に対して該端数額加算更新要求に含まれる端数額を加算更新する端数額加算更新処理を行うものである(図8のS303を参照)。
【0088】
さらに制御部52は通信不可能状態発生判定手段の一例であって、前記精算可能期間内にオフライン状態が発生したか否かを判定するものである(図12(b)のS805を参照)。具体的には、通信部51から各玉貸ユニット20に対して定期的(例えば10秒毎)に通信確認要求を送信し、該通信確認要求に応じて玉貸ユニット20から通信部51に対して返信されてくる通信確認通知に基づいて、該通信確認通知の返信を定期的に検知している間はオンライン状態(即ち玉貸ユニット20と通信できる通信可能状態)であると判定し、該通信確認通知の返信を一定期間(例えば1分間)検知しなくなるとオフライン状態(即ち玉貸ユニット20と通信できない通信不可能状態)であると判定して、該オフライン状態が発生した旨をハードディスク55で記憶する。そしてハードディスク55でオフライン状態が発生した旨が記憶されている場合に、精算可能期間内にオフライン状態が発生したと判定する。
【0089】
通信部51は、前述の如く玉貸ユニット20の外部通信部21bと通信可能に接続されており、管理装置50と玉貸ユニット20との間における通信を司るものであると共に、精算装置60の後述する通信部61と通信可能に接続されており、管理装置50と精算装置60との間における通信を司るものである。
【0090】
この通信部51は、制御部52による前記入金処理が完了したことに基づいて、該入金処理が完了した旨を示す入金完了通知として、前記管理している残額を含む残額通知を玉貸ユニット20に対して返信するものである(図6のS114,図7のS224を参照)。
また通信部51は、制御部52による前記減算処理が完了したことに基づいて、該減算処理が完了した旨を示す減算完了通知を玉貸ユニット20に対して返信するものである(図6のS125,図7のS215を参照)。
【0091】
また通信部51は、玉貸ユニット20から返却通知を受信したことに基づいて、返却許諾通知を該玉貸ユニット20に対して返信するものである(図6のS134,図7のS235を参照)。
【0092】
また通信部51は、玉貸ユニット20から残額取得要求を受信したことに基づいて、該残額取得要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額を含む残額通知を該玉貸ユニット20に対して返信するものである(図7のS203を参照)。
【0093】
また通信部51は端数額加算更新完了通知返信手段の一例であって、前記端数額加算更新処理手段により端数額加算更新処理が完了したことに基づいて、該端数額加算更新処理が完了した旨を示す端数額加算完了通知として、加算更新後の残額を含む残額通知を玉貸ユニット20に対して返信するものである(図8のS304を参照)。
【0094】
さらに通信部51は精算許諾情報送信手段の一例であって、後述する精算要求送信手段(通信部61)から送信されてきた精算要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額又は該残額と前記記録媒体に記録されている端数額との合算額を含む合算額精算許諾情報を精算装置60に対して送信するものである。具体的には、精算要求に記録媒体IDのみが含まれる場合には、該記録媒体IDに対応付けて管理している残額を含む精算許諾情報を精算装置60に対して送信する(図12(a)のS704を参照)。また精算要求に記録媒体IDと端数額が含まれる場合には、該記録媒体IDに対応付けて管理している残額が零であるか否かの判定が制御部52により行われる。そして、該残額が零でないと判定された場合には、該残額と端数額との合算額を含む精算許諾情報を精算装置60に対して送信し(図12(b)のS807を参照)、該残額が零であると判定された場合には、端数額を含む精算許諾情報を精算装置60に対して送信する(図12(b)のS807’を参照)。
【0095】
精算装置60は、前記第1の排出処理により排出された記録媒体(即ち端数額が記録されていない会員カード4又はビジタコイン5)を受け付けて、該受け付けた記録媒体の記録媒体IDに対応付けて管理装置50で管理されている残額に相当する貨幣を払い出すと共に、前記第2の排出処理により排出された記録媒体(即ち端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5)を受け付けて、該受け付けた記録媒体に記録されている端数額に相当する貨幣を払い出すものである。この精算装置60は、遊技場内の所定箇所(例えば遊技島の端部や景品交換カウンタの近傍等)に設けられ、図5(a)に示すように、キオスク端末型の形状を呈するものであり、その前面にディスプレイ63,会員カード挿入口64a,コイン投入口65a,紙幣払出口66a,及び硬貨払出口67a等を備え、図1に示すように、その内部に通信部61,制御部62,カードR/W64,コインR/W65,紙幣払出機66,及び硬貨払出機67等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
【0096】
通信部61は、管理装置50の通信部51と通信可能に接続されており、精算装置60と管理装置50との間における通信を司るものである。この通信部61は精算要求送信手段の一例であって、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けたことに基づいて、該受け付けた記録媒体に記録されている記録媒体IDを少なくとも含む精算要求を管理装置50に対して送信するものである。具体的には、端数額が記録されていない会員カード4又はビジタコイン5を受け付けた場合には、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDを含む精算要求を管理装置50に対して送信する(図12(a)のS702を参照)。また端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5を受け付けた場合には、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと該記録されている端数額を含む精算要求を管理装置50に対して送信する(図12(b)のS803を参照)。
【0097】
制御部62は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、精算装置60に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
【0098】
この制御部62は端数額判定手段の一例であって、当該精算装置60で受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額が予め定められた所定の金額未満であるか否かを判定するものであり、ここでは該端数額が税込単位額未満であるか否かを判定する(図12(b)のS802を参照)。この精算装置60では、該端数額判定手段により端数額が所定の金額(ここでは税込単位額)未満であると判定されたことを条件として、該端数額に相当する貨幣が払い出される。
【0099】
また精算装置60では、前記通信不可能状態発生判定手段(管理装置50の制御部52)によりオフライン状態が発生したと判定されたことを条件として、前記端数額に相当する貨幣が払い出される。具体的には、前記通信不可能状態発生判定手段によりオフライン状態が発生したと判定されると、前記精算許諾情報送信手段(管理装置50の通信部51)から精算許諾情報が送信されてくるので、該精算許諾情報が送信されてきたことに基づいて、精算が行われる。
【0100】
さらに精算装置60では、前記精算許諾情報送信手段から送信されてきた合算額精算許諾情報から特定される前記残額と前記端数額との合算額に相当する貨幣が払い出される。具体的には、管理装置50から送信されてきた精算許諾情報に残額のみが含まれる場合には、該残額に相当する貨幣が払い出され、残額と端数額の合算額が含まれる場合には、該合算額に相当する貨幣が払い出され、端数額のみが含まれる場合には、該端数額に相当する貨幣が払い出される。
【0101】
ディスプレイ63は、図5(b)に示すように、各種の情報を表示するための表示デバイスである。このディスプレイ63では、会員カード4又はビジタコイン5を受付可能なときに、D1に示すように、会員カード4又はビジタコイン5の挿入を促す旨が表示される。また貨幣を払い出すときに、D2に示すように、残額を返却する旨,及び会員カード4の抜き取りを指示する旨又はビジタコイン5を回収する旨が表示される。なお会員カード4又はビジタコイン5に異常があるときには、D3に示すように、その旨が表示される。
【0102】
カードR/W64は、カード挿入口64aから挿入された会員カード4を受け付けて、該会員カード4に記録されている記録媒体ID及び端数額を読み取ると共に、該会員カード4から端数額を消去するものであり、ここでは前記ICカードである会員カード4に対応したICカードR/Wを備えている。この精算装置60において精算が完了した会員カード4は、カード挿入口64aから排出されて、遊技者に返却される。
【0103】
コインR/W65は、コイン投入口65aから投入されたビジタコイン5を受け付けて、該ビジタコイン5に記録されている記録媒体ID及び端数額を読み取ると共に、該ビジタコイン5から端数額を消去するものであり、ここでは前記ICコインであるビジタコイン5に対応したICコインR/Wを備えている。この精算装置60において精算が完了したビジタコイン5は、コインR/W65の下部に設けられるコイン回収部65bに回収されて、遊技者には返却されない。
【0104】
紙幣払出機66及び硬貨払出機67は、貨幣を払い出すものであり、具体的には、紙幣払出機66の背後に設けられる紙幣収納部66bから、所定の種類及び所定数の紙幣2を取り出して、紙幣払出口66aから払い出すと共に、硬貨払出機67の上部に設けられる硬貨収納部67bから、所定の種類及び所定数の硬貨3を取り出して、硬貨払出口67aから払い出す。この精算装置60では、1円単位で貨幣の払い出しが可能である。
【0105】
次に、図6〜図12を参照して、遊技用システム1の作用について説明する。なお各図中においては、会員カード4を「カード」,ビジタコイン5を「コイン」,管理装置50で管理されている残額を「管理残額」,制御部21のRAMで記憶されている残額を「記憶残額」,及び制御部21のRAMで記憶されている端数額を「記憶端数額」と表記する。
【0106】
まず図6は、管理装置50とオンライン状態であり、記録媒体を受け付けていない玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、コイン収納部27aから排出されたビジタコイン5を収納コイン保持部27Pで保持しており、この状態で貨幣受付手段により貨幣を受け付けると(S111)、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5から下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(コインID)と、受付貨幣額とを含む入金要求を、管理装置50に対して送信する(S112)。該入金要求を受信した管理装置50は、該入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理を行い(S113)、該入金処理が完了した旨を示す入金完了通知として、前記管理している残額を含む残額通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S114)。該残額通知を受信した玉貸ユニット20は、該残額通知に含まれる残額を制御部21のRAMで記憶し(S115)、記憶残額を残額表示器30に表示すると共に、該記憶残額に基づく残度数を残度数表示器14に表示して(S116)、玉貸操作,貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S117)。
【0107】
ここで玉貸ユニット20は、S117の状態で玉貸ボタン15が押下されて玉貸操作を受け付けると(S121)、前述の如く使用額分(本例では500円)の玉貸処理を行い(S122)、前記ビジタコイン5の記録媒体IDと、使用額+消費税額とを含む玉貸通知を、管理装置50に対して送信する(S123)。該玉貸通知を受信した管理装置50は、該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から減算更新する減算処理を行い(S124)、該減算処理が完了した旨を示す減算完了通知を玉貸ユニット20に対して返信する(S125)。該減算完了通知を受信した玉貸ユニット20は、使用額+消費税額を記憶残額から減算更新し、残額表示器30における記憶残額の表示,及び残度数表示器14における残度数の表示を更新して、再びS117の状態となる。
【0108】
また玉貸ユニット20は、S117の状態で貨幣受付手段により貨幣を受け付けると、前記S111〜S116と同様の処理を行い、再びS117の状態となる。
【0109】
さらに玉貸ユニット20は、S117の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S131)、記憶残額が零であるか否かを判定する(S132)。このS132で記憶残額が零である(YES)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却しない。一方、S132で記憶残額が零でない(NO)と判定された場合には、前記ビジタコイン5の記録媒体IDを含む返却通知を、管理装置50に対して送信する(S133)。該返却通知を受信した管理装置50は、返却許諾通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S134)。該返却許諾通知を受信した玉貸ユニット20は、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に対して、オンライン残高ありフラグを下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により記録し(S135)、記憶残額を消去して(S136)、第2の収納コインストッパ27dを開放状態とすることにより、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S137)。そして第2の収納コインストッパ27dを閉鎖状態とし、第1の収納コインストッパ27cを開放状態とすることにより、コイン収納部27aで保持している最下位のビジタコイン5を該コイン収納部27aから排出して収納コイン保持部27Pで保持する(S138)。
【0110】
次に図7及び図8は、管理装置50とオンライン状態で記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又はビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5の記録情報を読み取り、該読み取った記録情報に端数額が含まれるか否かを判定する。ここで端数額が含まれない(即ち端数額が記録されていない)と判定されると図7に進み、端数額が含まれる(即ち端数額が記録されている)と判定されると図8に進む。
【0111】
図7は、管理装置50とオンライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、端数額が記録されていない会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は端数額が記録されていないビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると(S201)、該受け付けた会員カード4から下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(カードID),又は投入コイン保持部26Pで保持したビジタコイン5から上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(コインID)を含む残額取得要求を、管理装置50に対して送信する(S202)。該残額取得要求を受信した管理装置50は、該残額取得要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額を含む残額通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S203)。該残額通知を受信した玉貸ユニット20は、該残額通知に含まれる残額を制御部21のRAMで記憶し(S204)、記憶残額を残額表示器30に表示すると共に、該記憶残額に基づく残度数を残度数表示器14に表示して(S205)、玉貸操作,貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S206)。
【0112】
ここで玉貸ユニット20は、S206の状態で玉貸ボタン15が押下されて玉貸操作を受け付けると(S211)、前述の如く使用額分の玉貸処理を行い(S212)、前記会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと、使用額+消費税額とを含む玉貸通知を、管理装置50に対して送信する(S213)。該玉貸通知を受信した管理装置50は、該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から減算更新する減算処理を行い(S214)、該減算処理が完了した旨を示す減算完了通知を玉貸ユニット20に対して返信する(S215)。該減算完了通知を受信した玉貸ユニット20は、使用額+消費税額を記憶残額から減算更新し、残額表示器30における記憶残額の表示,及び残度数表示器14における残度数の表示を更新して、再びS206の状態となる。なお玉貸ユニット20において、ビジタコイン5を受付中に、記憶残額が零になったときには、第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5をコイン収納部27aに収納する(※)。
【0113】
また玉貸ユニット20は、S206の状態で貨幣受付手段により貨幣を受け付けると(S221)、前記会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと、受付貨幣額とを含む入金要求を、管理装置50に対して送信し(S222)、以下S223〜S226で、前記S113〜S116と同様の処理を行い、再びS206の状態となる。
【0114】
さらに玉貸ユニット20は、S206の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S231)、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S232)。このS232でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、記憶残額が零であるか否かを判定する(S233)。このS233で記憶残額が零である(YES)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却しない。一方、S233で記憶残額が零でない(NO)と判定された場合には、前記ビジタコイン5の記録媒体IDを含む返却通知を、管理装置50に対して送信する(S234)。該返却通知を受信した管理装置50は、返却許諾通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S235)。該返却許諾通知を受信した玉貸ユニット20は、記憶残額を消去して(S236)、第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S237)。
【0115】
一方、S232でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、該会員カード4の記録媒体IDを含む返却通知を、管理装置50に対して送信する(S234)。該返却通知を受信した管理装置50は、返却許諾通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S235)。該返却許諾通知を受信した玉貸ユニット20は、記憶残額を消去して(S236)、カード保持部24Pで保持している会員カード4を返却する(S237)。
【0116】
図8は、管理装置50とオンライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、端数額が記録されている会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は端数額が記録されているビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると(S301)、該受け付けた会員カード4から下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(カードID)と端数額,又は投入コイン保持部26Pで保持したビジタコイン5から上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(コインID)と端数額を含む端数額加算更新要求を、管理装置50に対して送信する(S302)。該残額取得要求を受信した管理装置50は、該端数額加算更新要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額に対して該端数額加算更新要求に含まれる端数額を加算更新する端数額加算更新処理を行い(S303)、該端数額加算更新処理が完了した旨を示す端数額加算更新完了通知として、前記加算更新後の残額を含む残額通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S304)。
【0117】
該残額通知を受信した玉貸ユニット20は、前記会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額を消去して(S305)、前記S204以下の処理を行う。このように、オンライン状態にある玉貸ユニット20において、オフライン状態にあった他の玉貸ユニット20で発生した端数額が記録された会員カード4又はビジタコイン5が受け付けられると、該端数額が管理装置50で管理されている残額に対して加算更新されることにより、該端数額を精算しなくても遊技に使用できるようになるので、遊技者の利便性が向上する。
【0118】
次に図9は、管理装置50とオフライン状態であり、記録媒体を受け付けていない玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、コイン収納部27aから排出されたビジタコイン5を収納コイン保持部27Pで保持しており、この状態で貨幣受付手段により貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S411)、受付貨幣額が1000円以下であるか否かを判定する(S412)。このS412で受付貨幣額が1000円以下でない(NO)と判定された場合、即ちS411で2000円以上を受け付けたと判定された場合には、該受け付けた貨幣を返却する。一方、S412で受付貨幣額が1000円以下である(YES)と判定された場合には、受け付けた貨幣を回収して、S413に進む。
【0119】
S413では、記憶端数額が零なので、受付貨幣額が税込単位額(105円)以上であるか否かを判定する。このS413で受付貨幣額が税込単位額以上でない(NO)と判定された場合、即ちS411で100円を受け付けたと判定された場合には、該受け付けた貨幣を返却する。一方、S413で受付貨幣額が税込単位額以上である(YES)と判定された場合、即ちS411で500円以上を受け付けたと判定された場合には、該受け付けた貨幣を回収して、S414に進む。
【0120】
S414では、前記特定手段により、受付貨幣額(1000円)から、貸与対象額(945円)を特定すると共に、端数額(55円)を特定する。そして前述の如く、該特定された貸与対象額分の玉貸処理である一発貸しを行い(S415)、該特定された端数額を制御部21のRAMで記憶して(S416)、記憶端数額を残額表示器30に表示し(S417)、貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S418)。
【0121】
また玉貸ユニット20は、制御部21のRAMで端数額(55円)を記憶している状態で貨幣受付手段により貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S421)、S422で、前記S412と同様の判定を行い、YESの場合には、S423で、記憶端数額と受付貨幣額との合算額が税込単位額(105円)以上であるか否かを判定する。このS423で合算額が税込単位額以上でない(NO)と判定された場合には、S421で受け付けた貨幣を返却する。一方、S423で合算額が税込単位額以上である(YES)と判定された場合には、S421で受け付けた貨幣を回収して、S424に進む。このように、玉貸ユニット20において、貨幣が受け付けられると、一発貸しによって発生する端数額と受付貨幣額との合算額が税込単位額以上であることを条件として、受け付けた貨幣が回収されて貸与対象額分の玉貸処理が行われることにより、税込単位額未満の低額貨幣も使用可能となるので、遊技者の利便性が向上する。
【0122】
S424では、前記特定手段により、記憶端数額と受付貨幣額との合算額(1055円)から、貸与対象額(1050円)を特定すると共に、端数額(5円)を新たに特定する。そして前述の如く、該特定された貸与対象額分の玉貸処理を行い(S425)、新たに特定された端数額を制御部21のRAMで記憶、即ち記憶端数額を新たに特定された端数額に更新して(S426)、前記S417に進む。このように、一発貸し後さらに貨幣が受け付けられると、端数額と受付貨幣額との合算額から貸与対象額と端数額が特定され、後述するS431で遊技者から排出操作を受け付けると、端数額を記録した記録媒体が排出されることにより、一発貸しを行う毎に記録媒体を排出する場合に比べて記録媒体の節約になると共に、遊技者にとっても端数額が記録された記録媒体を複数扱う必要がなくなって利便性が向上する。
【0123】
さらに玉貸ユニット20は、S418の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S431)、記憶端数額が零であるか否かを判定する(S432)。このS432で記憶端数額が零である(YES)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却しない。一方、S432で記憶端数額が零でない(NO)と判定された場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に対して、記憶端数額を下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により記録し(S433)、記憶端数額を消去して(S434)、第2の収納コインストッパ27dを開放状態とすることにより、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S435)。そして第2の収納コインストッパ27dを閉鎖状態とし、第1の収納コインストッパ27cを開放状態とすることにより、コイン収納部27aで保持している最下位のビジタコイン5を該コイン収納部27aから排出して収納コイン保持部27Pで保持する(S436)。このように、玉貸ユニット20において、一発貸しによって発生する端数額が記憶され、遊技者から排出操作を受け付けると、該記憶されている端数額を記録した記録媒体が排出されるので、一発貸しを行う毎に端数額を記録媒体に記録する場合に比べて、記録媒体の寿命を延ばすことができる。
【0124】
次に図10及び図11は、管理装置50とオフライン状態で記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又はビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5の記録情報を読み取り、該読み取った記録情報に端数額が含まれるか否かを判定する。ここで端数額が含まれない(即ち端数額が記録されていない)と判定されると図10に進み、端数額が含まれる(即ち端数額が記録されている)と判定されると図11に進む。
【0125】
図10は、管理装置50とオフライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、端数額が記録されていない会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は端数額が記録されていないビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けて(S501)、貨幣受付手段により貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S511)、以下S512〜S518で、前記S412〜S418と同様の処理を行う。また玉貸ユニット20は、制御部21のRAMで端数額(55円)を記憶している状態で貨幣受付手段により貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S521)、以下S522〜S526で、前記S422〜S426と同様の処理を行い、S517に戻って、再びS518の状態となる。
【0126】
さらに玉貸ユニット20は、S518の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S531)、記憶端数額が零であるか否かを判定する(S532)。このS532で記憶端数額が零でない(NO)と判定された場合には、カード保持部24Pで保持している会員カード4に対して、記憶端数額を下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により記録するか,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5に対して、記憶端数額を上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により記録し(S533)、記憶端数額を消去して(S534)、カード保持部24Pで保持している会員カード4を返却するか,又は第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S535)。即ちコイン投入口25から投入されたビジタコイン5は、記憶端数額がある場合に返却される。
【0127】
一方、S532で記憶端数額が零である(YES)と判定された場合には、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S536)。このS536でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、前記S535に進んで、カード保持部24Pで保持している該会員カード4を返却する。一方、S536でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、S537に進む。
【0128】
S537では、該ビジタコイン5にオンライン残額ありフラグ(図6のS135を参照)が記録されているか否かを判定する(S537)。このS537でオンライン残額ありフラグが記録されていない(NO)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、第1の投入コインストッパ26cを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5をコイン収納部27aに収納する。一方、S537でオンライン残額ありフラグが記録されている(YES)と判定された場合には、前記S535に進んで、第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する。即ちコイン投入口25から投入されたビジタコイン5は、オンライン残額ありフラグが記録されている場合にも返却される。ここで、この図10に示す例では、受け付けたビジタコイン5に端数額が記録されていないことから、該ビジタコイン5には必ずオンライン残額ありフラグが記録されている(換言すれば、端数額もオンライン残額ありフラグも記録されずにビジタコイン5が排出されることはない)ので、S537では必ずYESと判定される。
【0129】
図11は、管理装置50とオフライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、端数額(55円)が記録されている会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は端数額(55円)が記録されているビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付ると(S601)、該受け付けた会員カード4から下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により読み取った端数額,又は投入コイン保持部26Pで保持したビジタコイン5から上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により読み取った端数額を、制御部21のRAMで記憶して(S602)、記憶端数額を残額表示器30に表示する(S603)。
【0130】
そして玉貸ユニット20は、制御部21のRAMで端数額(55円)を記憶している状態で貨幣受付手段により1000円以下の貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S611)、受付貨幣額が1000円以下であるか否かを判定する(S612)。このS612で受付貨幣額が1000円以下でない(NO)と判定された場合、即ちS611で2000円以上を受け付けたと判定された場合には、該受け付けた貨幣を返却する。一方、S612で受付貨幣額が1000円以下である(YES)と判定された場合には、受け付けた貨幣を回収して、S613に進む。
【0131】
S613では、記憶端数額と受付貨幣額との合算額が税込単位額(105円)以上であるか否かを判定する。このS613で合算額が税込単位額以上でない(NO)と判定された場合には、S611で受け付けた貨幣を返却する。一方、S613で合算額が税込単位額以上である(YES)と判定された場合には、S611で受け付けた貨幣を回収して、S614に進む。このように、玉貸ユニット20において、貨幣が受け付けられると、一発貸しによって発生する端数額と受付貨幣額との合算額が税込単位額以上であることを条件として、受け付けた貨幣が回収されて貸与対象額分の玉貸処理が行われることにより、税込単位額未満の低額貨幣も使用可能となるので、遊技者の利便性が向上する。
【0132】
S614では、前記特定手段により、記憶端数額と受付貨幣額との合算額(1055円)から、貸与対象額(1050円)を特定すると共に、端数額(5円)を新たに特定する。そして前述の如く、該特定された貸与対象額分の玉貸処理を行い(S615)、新たに特定された端数額を制御部21のRAMで記憶、即ち記憶端数額を新たに特定された端数額に更新して(S616)、記憶端数額を残額表示器30に表示し(S617)、貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S618)。このように、オフライン状態にある玉貸ユニット20において、オフライン状態にあった他の玉貸ユニット20で発生した端数額が記録された記録媒体が受け付けられ、さらに貨幣が受け付けられると、該端数額と受付貨幣額との合算額から貸与対象額と端数額が特定されることにより、オフライン状態にあった他の玉貸ユニット20で発生した端数額を遊技に使用できるようになるので、端数額が記録された記録媒体を複数扱う必要がなくなって、遊技者の利便性が向上する。
【0133】
また玉貸ユニット20は、制御部21のRAMで端数額(5円)を記憶している状態で貨幣受付手段により1000円以下の貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S621)、以下S622〜S626で、前記S612〜S616と同様の処理を行い、S617に戻って、再びS618の状態となる。さらに玉貸ユニット20は、S618の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S631)、以下S632〜S637で、前記S532〜S537と同様の処理を行う。
【0134】
次に図12は、管理装置50とオンライン状態で記録媒体を受け付けた精算装置60における処理の一例を表す図である。この精算装置60は、会員カード4の挿入をカード挿入口64aから受け付けるか,又はビジタコイン5の投入をコイン投入口65aから受け付けると、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5の記録情報を読み取り、該読み取った記録情報に端数額が含まれるか否かを判定する。ここで端数額が含まれない(即ち端数額が記録されていない)と判定されると図12(a)に進み、端数額が含まれる(即ち端数額が記録されている)と判定されると図12(b)に進む。
【0135】
図12(a)は、管理装置50とオンライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた精算装置60における処理の一例を表す図である。この精算装置60は、端数額が記録されていない会員カード4の挿入をカード挿入口64aから受け付けるか,又は端数額が記録されていないビジタコイン5の投入をコイン投入口65aから受け付けると(S701)、該受け付けた会員カード4からカードR/W64により読み取った記録媒体ID,又は該受け付けたビジタコイン5からコインR/W65により読み取った記録媒体IDを含む精算要求を、管理装置50に対して送信する(S702)。該精算要求を受信した管理装置50は、該精算要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額を消去して(S703)、該残額のみを含む精算許諾情報を精算装置60に対して返信する(S704)。該精算許諾情報を受信した精算装置60は、該精算許諾情報に含まれる残額に相当する貨幣を払い出し(S705)、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S706)。このS706でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、カードR/W64で受け付けている該会員カード4を返却する。一方、S706でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、コインR/W65で受け付けているビジタコイン5をコイン回収部65bに回収する(S707)。
【0136】
図12(b)は、管理装置50とオンライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた精算装置60における処理の一例を表す図である。この精算装置60は、端数額が記録されている会員カード4の挿入をカード挿入口64aから受け付けるか,又は端数額が記録されているビジタコイン5の投入をコイン投入口65aから受け付けると(S801)、該受け付けた会員カード4からカードR/W64により読み取った端数額,又は該受け付けたビジタコイン5からコインR/W65により読み取った端数額が、税込単位額未満であるか否かを判定する(S802)。このS802で端数額が税込単位額未満でない(NO)と判定された場合には、エラー処理として、図5(b)のD3に示す画面をディスプレイ63に表示する。一方、S802で端数額が税込単位額未満である(YES)と判定された場合には、前記受け付けた会員カード4からカードR/W64により読み取った記録媒体IDと端数額,又は前記受け付けたビジタコイン5からコインR/W65により読み取った記録媒体IDと端数額を含む精算要求を、管理装置50に対して送信する(S803)。このように、記録媒体に記録されている端数額が予め定められた所定の金額(ここでは税込単位額)未満であることを条件として端数額の精算が行われることにより、記録情報が改ざんされた記録媒体により不正に精算が行われたとしても前記所定の金額未満の貨幣しか払い出されないので、不正による被害を最小限に抑えることができる。
【0137】
該精算要求を受信した管理装置50は、ハードディスク55の記憶内容に基づいて、精算可能期間内(ここでは当日中)にオフライン状態が発生したか否かを判定する(S804)。このS804で当日中にオフライン状態が発生していない(NO)と判定された場合には、精算不可情報を、精算装置60に対して返信する。一方、S804で当日中にオフライン状態が発生している(YES)と判定された場合には、S805以下に進んで、端数額の精算が許諾される。このように、精算可能期間内にオフライン状態が発生したと判定されたことを条件として端数額の精算が行われることにより、精算可能期間内にオフライン状態が発生しておらず記録媒体に端数額が記録されることがない状況においては端数額の精算が行われないので、セキュリティが向上する。
【0138】
S805では、前記精算要求に含まれる記録媒体IDと対応付けて管理されている残額が零であるか否かを判定する。このS805で該残額が零でない(NO)と判定された場合には、該残額を消去して(S806)、該残額と前記端数額との合算額を含む精算許諾情報を精算装置60に対して返信する(S807)。一方、S805で該残額が零である(YES)と判定された場合には、前記端数額のみを含む精算許諾情報を精算装置60に対して返信する(S807’)。該精算許諾情報を受信した精算装置60は、該精算許諾情報に含まれる合算額又は端数額に相当する貨幣を払い出して(S808)、S809に進む。このように、精算装置60において、管理装置50で管理されている残額とオフライン状態にあった玉貸ユニット20で発生した端数額との合算額に相当する貨幣が払い出されることにより、該合算額を1回で精算できるので、遊技者の利便性が向上する。
【0139】
S809では、前記会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額を消去して、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S810)。このS810でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、カードR/W64で受け付けている該会員カード4を返却する。一方、S810でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、コインR/W65で受け付けているビジタコイン5をコイン回収部65bに回収する(S811)。
【0140】
以上に説明した遊技用システム1によれば、いわゆる完全ID管理のシステムにおいて、玉貸処理に使用された使用額に対応する消費税額を徴収し、かつ管理装置50と通信できないオフライン状態で玉貸ユニット20が貨幣を受け付けたときにいわゆる一発貸しを行うようにしても、該一発貸しによって発生する端数額が記録媒体に記録されて排出され、該端数額の精算が行われることにより、該端数額を処理するための釣銭払出機能や追加入金機能を玉貸ユニット20に設ける必要がないので、玉貸ユニット20のコストが上昇することがない。
【0141】
最後に、本発明の変形例について説明する。
【0142】
上記の実施形態では、消費税率が5%である例について説明したが、これに限らず、該消費税率は設定変更可能である。また上記の実施形態では、消費税率がカード会社で設定される例について説明したが、遊技場において、管理装置50で設定されて各玉貸ユニット20に配信されて記憶されるようにしても良く、また各玉貸ユニット20で設定されて記憶されるようにしても良い。
【0143】
上記の実施形態では、図1に示すように、玉貸ユニット20と管理装置50とが直接的に通信可能に接続されている例について説明したが、これに限らず、両者の間に台端末や中継コンピュータを介在させ、両者が間接的に通信可能に接続されるようにしても良い。また両者は有線で通信可能とされるものには限られず、無線で通信可能とされるものであっても良い。
【0144】
上記の実施形態では、図1の表に示すように、管理装置50において、記録媒体IDと対応付けて単に残額が記憶・管理されている例について説明したが、これに限らず、該残額の使用履歴(例えば入金金額,使用金額,精算金額等)も併せて記憶・管理するようにしても良い。
【0145】
上記の実施形態では、図1の表に示すように、記録媒体IDが、会員カード4のカードIDとビジタコイン5のコインIDとで区別されている例について説明したが、これに限らず、会員カード4とビジタコイン5とで区別のないIDであっても良い。
【0146】
上記の実施形態では、図2(a)に示すように、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16が遊技機(パチンコ機10)に設けられ、玉貸ユニット20と接続されている例について説明したが、これに限らず、これら残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16の一部又は全部を玉貸ユニット20に設けるようにしても良い。
【0147】
上記の実施形態では、残度数表示器14において、玉貸ユニット20の制御部21のRAMに記憶されている残額を税込単位額(105円)で除算した商の整数部分が残度数として表示される例について説明したが、これに限らず、該残額を単位使用額(100円)で除算した商の整数部分が残度数として表示されるようにしても良い。
【0148】
上記の実施形態では、図2(b)に示すように、紙幣識別機22にて受付可能な紙幣2の種類が1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類である例について説明したが、これに限らず、受付可能な紙幣2の種類は、該4種類のうちの任意の1種類又は2種類以上でも良い。同様に、上記の実施形態では、硬貨識別機23にて受付可能な硬貨3の種類が100円硬貨,及び500円硬貨の2種類である例について説明したが、これに限らず、受付可能な硬貨3の種類は、該2種類のうちの任意の1種類でも良い。なお貨幣として紙幣2及び硬貨3の双方を受け付けるものには限られず、紙幣2又は硬貨3のいずれか一方のみを受け付けるものでも良い。
【0149】
上記の実施形態では、図2(b)に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機22,硬貨識別機23)により受け付けられて回収された貨幣(紙幣2,硬貨3)が玉貸ユニット20の外部に排出されて、紙幣搬送機構,硬貨搬送機構により搬送される例について説明したが、これに限らず、該受け付けられて回収された貨幣は、玉貸ユニット20の内部に貯留されるようにしても良い。
【0150】
上記の実施形態では、図2(b)に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機22,硬貨識別機23)において、有体物である貨幣(紙幣2,硬貨3)を受け付ける例について説明したが、これに限らず、無体物である貨幣(例えば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データや、クレジットカードから特定される与信金額や、デビットカードから特定される預金金額等)を接触又は非接触で受け付けるようにしても良く、この場合には、貨幣の回収は決済処理の実行に相当し、貨幣の返却は決済処理の中止に相当する。
【0151】
上記の実施形態では、図2(a)(b)に示すように、記録媒体返却口(コイン返却口28)が遊技用装置(玉貸ユニット20)の前面に突出して形成される例について説明したが、これに限らず、該記録媒体返却口は、遊技用装置の前面から陥没して形成されるようにしても良い。
【0152】
上記の実施形態では、例えば図6に示すように、S112の入金要求に記録媒体IDが含まれ、残額が入金時から該記録媒体IDと対応付けて管理される例について説明したが、これに限らず、S112の入金要求にユニットIDを含むようにして、残額を入金時には該ユニットIDと対応付けて管理しておき、S133の返却通知にユニットIDと記録媒体IDを含むようにして、該ユニットIDに対応する残額を返却時から該記録媒体IDと対応付けて管理するようにしても良い。この場合には、前記残額処理手段は、受付貨幣額から第1の貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する消費税額を減算した金額を、記録媒体の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理するための処理(即ち記録媒体R/W24から読み取った記録媒体IDから特定可能にするための残額特定処理)として、管理装置50とオンライン状態で貨幣を受け付けたときに、ユニットIDと受付貨幣額とを含む前記入金要求を管理装置50に対して送信する処理と、前記使用額分の玉貸処理が行われたときに、ユニットIDと使用額+消費税額とを含む前記玉貸通知を管理装置50に対して送信する処理と、排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたときに、ユニットIDと記録媒体IDとを含む前記返却通知を管理装置50に対して送信する処理とを行う。
【0153】
上記の実施形態では、玉貸ユニット20において、管理装置50とオンライン状態で貨幣が受け付けられたときに、該管理装置50に対して入金要求が送信されて入金処理が行われる例について説明したが、これに限らず、玉貸ユニット20において、管理装置50とオンライン状態で貨幣が受け付けられても、該管理装置50に対して入金要求を送信せずに、受付貨幣額を残額として制御部21のRAMで記憶して玉貸処理に使用させるようにしても良い。この場合には、前記残額特定手段は、受付貨幣額から第1の貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する消費税額を減算した金額(即ち制御部21のRAMで記憶している前記玉貸処理に使用されなかった残額)を、記録媒体の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理するための処理(即ち記録媒体R/W24から読み取った記録媒体IDから特定可能にするための残額特定処理)として、排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたときに、記録媒体IDと制御部21のRAMで記憶している前記玉貸処理に使用されなかった残額とを含む通知を管理装置50に対して送信する処理を行う。
【0154】
上記の実施形態では、会員カード4が非接触式のICカードであり、ビジタコイン5が非接触式のICコインである例について説明したが、これに限らず、各記録媒体は、接触式の集積回路,磁気,二次元コード(例えばバーコード),三次元コード,又は光干渉(例えばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。また会員カード4の形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。さらにビジタコイン5の形状もコイン型には限られず、カード型であっても良い。
【0155】
上記の実施形態では、会員用の記録媒体として会員カード4が使用される例について説明したが、これに限らず、例えば記録媒体IDを記録したICチップが搭載された携帯電話端末が該会員用の記録媒体として使用されるようにしても良く、この場合には、玉貸ユニット20や精算装置60において、該携帯電話端末を近接させることにより受け付ける記録媒体受付手段が設けられる。なお上記の実施形態において、会員カード4を使用しないように構成しても良い。
【0156】
上記の実施形態において、ICカードである会員カード4やICコインであるビジタコイン5は、必ずしもCPUを搭載している必要はないが、CPUを搭載しているものであっても良い。
【0157】
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、例えば遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン,遊技媒体としてパチンコ玉を使用するスロットマシンであるパチロット,遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機,パチンコ玉やメダルを用いることなく得点データを使用して遊技可能なパチンコ機やスロットマシン,遊技領域やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機,リールが画像にて表示される画像式のスロットマシン等であっても良い。
【0158】
上記の実施形態では、貸与処理が玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該貸与処理は、前記メダルを貸与するメダル貸出処理や、前記封入式や画像式のパチンコ機やスロットマシンにおいて残額を遊技媒体としての得点に変換して遊技に使用させる処理等でも良い。
【0159】
上記の実施形態では、玉貸処理が行われた場合に、玉貸ユニット20とパチンコ機10との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて、該パチンコ機10に設けられた玉払出装置13からパチンコ玉が払い出されて貸与される例について説明したが、これに限らず、玉貸ユニット20に玉払出装置を設けて、パチンコ玉を払い出して貸与するようにしても良い。
【0160】
上記の実施形態では、図6又は図7に示すように、オンライン状態にある玉貸ユニット20において、管理装置50で管理されている残額を含む残額通知を予め受信して、該残額を残度数表示器14及び残額表示器30における表示用として制御部21のRAMで記憶しておき、玉貸操作を受け付けたことに基づいて玉貸処理を行い、管理装置50に対して玉貸通知を送信する例について説明したが、これに限らず、残度数表示器14及び残額表示器30における表示を考慮しないのであれば、残額通知を予め受信せず、玉貸操作を受け付けてから管理装置50に対して残額の問い合わせを行い、減算処理が行われた管理装置50から玉貸許諾通知を受信してたことに基づいて玉貸処理を行うようにしても良い。この場合における管理装置50は、図6のS114や図7のS224に示す残額通知に代えて、残額を含まない入金完了通知を返信すれば良く、図8のS304に示す残額通知に代えて、残額を含まない端数額加算完了通知を返信すれば良い。
【0161】
上記の実施形態では、図6又は図7に示すように、玉貸通知に使用額と消費税額とを含めて管理装置50に対して送信する例について説明したが、これに限らず、該玉貸通知に使用額のみを含めて管理装置50に対して送信し、該使用額に対応する消費税額は該管理装置50において算出するようにしても良く、この場合には、管理装置50から玉貸ユニット20に対して消費税率を配信する必要がなくなる。
【0162】
上記の実施形態では、図6のS124,又は図7のS214に示す減算処理にが、玉貸処理の開始後に行われる例について説明したが、これに限らず、該減算処理は、玉貸処理の開始前に行われるようにしても良い。即ち、該減算処理が行われ、減算完了通知が玉貸ユニット20に対して送信されてから、該玉貸ユニット20において玉貸処理が開始されるようにしても良い。
【0163】
上記の実施形態では、図6のS124,又は図7のS214に示す減算処理において、使用額+消費税額の合算額が管理残額から減算される例について説明したが、これに限らず、使用額と消費税額とを分けて管理残額から減算するようにしても良い。
【0164】
上記の実施形態では、玉貸ユニット20において使用額分の玉貸処理が行われた場合に、該使用額+消費税額(例えば525円)が記憶残額から一度に減算される例について説明したが、これに限らず、1度数分の玉貸処理が行われる毎に、税込単位額である105円が記憶残額から減算され、該減算が使用額分(例えば5回)繰り返し行われるようにしても良く、この場合には、残額表示器30における記憶残額の表示も105円ずつ減算更新され、残度数表示器14における残度数の表示も1度数ずつ減算更新される。
【0165】
上記の実施形態では、図6のS137〜S138に示すように、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5が返却されてから直ちに、コイン収納部27aで収納されている最下位のビジタコイン5が排出されて収納コイン保持部27Pに保持される例について説明したが、これに限らず、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5が返却された後、貨幣が受け付けられたときに、コイン収納部27aで収納されている最下位のビジタコイン5が排出されて収納コイン保持部27Pに保持されるようにしても良い。
【0166】
上記の実施形態では、図9〜図11に示すように、返却操作を受け付けたことに基づいて、端数額が記録された記録媒体が排出される例について説明したが、これに限らず、一発貸しが行われる毎に、返却操作の受付によらずに、端数額が記録された記録媒体が排出されるようにしても良い。
【0167】
上記の実施形態では、図12(b)のS802に示すように、端数額が税込単位額未満であるか否かの判定が行われる例について説明したが、これに限らず、端数額が予め定められた一律の金額(例えば500円)未満であるか否かの判定が行われるようにしても良い。また該判定は、精算装置60でなく管理装置50で行われるようにしても良く、この場合には、精算要求に含まれる端数額が予め定められた所定の金額未満であるか否かを判定する端数額判定手段が、管理装置50に備えられる。
【0168】
上記の実施形態では、図12(b)のS804に示すように、精算可能期間内にオフライン状態が発生したか否かの判定が、精算要求が送信されてくる毎に行われる例について説明したが、これに限らず、該判定を予め行っておき、判定結果を予め精算装置60に対して配信しておくようにしても良い。
【0169】
上記の実施形態では、図12(b)のS803やS807に示すように、精算要求に端数額が含まれ、管理装置50から管理残額と該端数額との合算額を含む精算許諾情報が返信されてくる例について説明したが、これに限らず、精算要求には端数額を含めず、管理装置50からは管理残額のみを含む精算許諾情報を返信し、精算装置60側で該精算許諾情報に含まれる管理残額と前記端数額との合算額を算出するようにしても良い。
【0170】
上記の実施形態では、精算装置60において、精算が許諾された金額の全額が精算される例について説明したが、これに限らず、遊技者が希望する精算金額の入力を受け付けて、精算が許諾された金額の範囲内で該希望する精算金額が精算されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】図1は本発明に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図2】図2(a)は玉貸ユニット及びパチンコ機の一例を表す正面図であり、図2(b)は同玉貸ユニットの断面右側面図であり、図2(c)はX−X線断面図である。
【図3】図3は玉貸ユニットに設けられたビジタコインの取扱構造の部位を拡大して表す断面右側面図である。
【図4】図4は玉貸ユニットに設けられたビジタコインの取扱構造の部位を表す斜視図である。
【図5】図5(a)は精算装置の一例を表す斜視図であり、図5(b)は精算装置に設けられたディスプレイの表示内容の一例を表す図である。
【図6】図6は管理装置とオンライン状態であり、記録媒体を受け付けていない玉貸ユニットにおける処理の一例を表す図である。
【図7】図7は管理装置とオンライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた玉貸ユニットにおける処理の一例を表す図である。
【図8】図8は管理装置とオンライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた玉貸ユニットにおける処理の一例を表す図である。
【図9】図9は管理装置とオフライン状態であり、記録媒体を受け付けていない玉貸ユニットにおける処理の一例を表す図である。
【図10】図10は管理装置とオフライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた玉貸ユニットにおける処理の一例を表す図である。
【図11】図11は管理装置とオフライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた玉貸ユニットにおける処理の一例を表す図である。
【図12】図12は記録媒体を受け付けた精算装置における処理の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0172】
1…遊技用システム
2…紙幣
3…硬貨
4…会員カード
5…ビジタコイン
10…パチンコ機
20…玉貸ユニット
21…制御部
21b…外部通信部
22…紙幣識別機
23…硬貨識別機
24…記録媒体R/W
25…コイン投入口
26…上部アンテナ
26d…投入コイン返却通路
26P…投入コイン保持部
27…下部アンテナ
27a…コイン収納部
27d…収納コイン返却通路
27P…収納コイン保持部
28…コイン返却口
50…管理装置
51…通信部
52…制御部
53…ディスプレイ
54…入力装置
55…ハードディスク
60…精算装置
61…通信部
62…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を個々に識別可能な記録媒体識別情報に対応付けて遊技媒体の貸与に使用される残額を管理する管理装置と、
遊技機に対応して設けられ、貨幣を受け付ける貨幣受付手段と、該貨幣受付手段により受け付けた貨幣の金額である受付貨幣額の範囲内で遊技媒体を貸与するための第1の貸与処理を行う貸与処理手段と、前記受付貨幣額から第1の貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額を減算した金額を前記残額として、前記記録媒体の記録媒体識別情報に対応付けて前記管理装置にて管理するための処理を行う残額処理手段と、該残額処理手段による処理の対象となった記録媒体に前記残額を記録することなく排出する第1の排出処理を行う記録媒体排出処理手段と、を有する遊技用装置と、
該第1の排出処理により排出された記録媒体を受け付けて、該受け付けた記録媒体の記録媒体識別情報に対応付けて前記管理装置で管理されている残額に相当する貨幣を払い出す精算装置と、
を備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
前記管理装置と通信できる通信可能状態であるか通信できない通信不可能状態であるかを検知する通信可否検知手段と、
該通信可否検知手段により通信不可能状態を検知しているときに前記貨幣受付手段により貨幣を受け付けたことに基づいて、前記受付貨幣額から、前記残額を遊技媒体の貸与に使用する際の予め定められた一単位である単位使用額と該単位使用額に対応する間接税額との合算額である税込単位額の整数倍に相当する貸与対象額と、該税込単位額未満の端数額とを特定する特定手段と、をさらに有し、
遊技者の操作によることなく、該特定手段により特定された貸与対象額分の遊技媒体を貸与するための第2の貸与処理を前記貸与処理手段により行い、
前記特定手段により特定された端数額を記録した前記記録媒体を排出する第2の排出処理を前記記録媒体排出処理手段により行い、
前記精算装置は、該第2の排出処理により排出された記録媒体を受け付けて、該受け付けた記録媒体に記録されている端数額に相当する貨幣を払い出すことを特徴とする遊技用システム。
【請求項2】
請求項1に記載した遊技用システムであって、
前記精算装置で受け付けた記録媒体に記録されている端数額が予め定められた所定の金額未満であるか否かを判定する端数額判定手段をさらに備え、
前記精算装置は、該端数額判定手段により端数額が所定の金額未満であると判定されたことを条件として、該端数額に相当する貨幣を払い出すことを特徴とする遊技用システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した遊技用システムであって、
前記管理装置は、
前記精算装置での精算が可能な精算可能期間を設定する精算可能期間設定手段と、
前記精算可能期間内に前記通信不可能状態が発生したか否かを判定する通信不可能状態発生判定手段と、をさらに有し、
前記精算装置は、前記通信不可能状態発生判定手段により通信不可能状態が発生したと判定されたことを条件として、前記端数額に相当する貨幣を払い出すことを特徴とする遊技用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−288858(P2006−288858A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115447(P2005−115447)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】