説明

遊技用携帯端末、及び遊技用プログラム

【課題】パチンコ遊技機の遊技を支援し、遊技の楽しみを向上するために有用な遊技用携帯端末を提供すること。
【解決手段】携帯端末1は、抽選処理の結果に応じた演出を実行すると共に、大当たり状態及び大当たり状態の当選確率を変動させる特定状態を、抽選処理の結果に応じて発生させる遊技機が実行する演出を撮像する撮像手段と、演出の撮像画像である演出画像を認識する演出画像認識手段213と、演出画像に対応付けて、特定状態が発生する可能性を示唆する示唆情報を予め記憶する記憶手段231と、認識された演出画像に対応する示唆情報を読み出す示唆情報読出手段217と、示唆情報を報知する報知手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技に活用される遊技用携帯端末、及び遊技用携帯端末を動作させるための遊技用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ遊技機の技術分野においては、大当たり抽選等の抽選結果を表示する際、特図表示部で実行されるメイン表示に同期した複数種類のサブ表示を液晶表示部で実行することで、メイン基板の処理負担を軽減する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、メインの特図表示部において複雑な点灯パターンによる表示を行うことで抽選結果の判別を困難にすると共に、サブの液晶表示部で抽選結果を曖昧に示唆することにより、遊技者の期待感を持続させるという演出も広く実施されている。
【0003】
このように特図表示部の点灯パターンが複雑化されているパチンコ遊技機については、インターネットや雑誌等でその点灯パターンが公開されることがある。そのため、当選の点灯パターンを丸暗記してくる遊技者や、その場で点灯パターンを確認する遊技者が増加しており、このような行為も遊技の一部として確立している。
【0004】
しかしながら、前記従来のパチンコ遊技機では、次のような問題がある。すなわち、上記のごとく点灯パターンを暗記したり、点灯パターンを確認すること等は、遊技者にとって非常に手間がかかり、遊技の興趣が損なわれしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−084190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、パチンコ遊技機の遊技を支援し、遊技の楽しみを向上するために有用な遊技用携帯端末を提供することを目的とする発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、入賞口への入賞に応じて抽選処理を実行し、その抽選処理の結果に応じた演出を実行すると共に、大当たり状態及び大当たり状態の当選確率を変動させる特定状態を、前記抽選処理の結果に応じて発生させる遊技機が実行する演出を撮像する撮像手段と、
この撮像手段が撮像した前記演出の画像である演出画像を認識する演出画像認識手段と、
前記演出画像と対応付けて、前記特定状態が発生する可能性を示唆する示唆情報を予め記憶する記憶手段と、
前記演出画像認識手段が前記演出画像を認識した場合に、前記記憶手段が記憶している示唆情報の中から前記演出画像認識手段が認識した演出画像に対応する前記示唆情報を読み出す示唆情報読出手段と、
この示唆情報読出手段が読み出した示唆情報を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技用携帯端末として把握される。
【0008】
本発明の一態様は、入賞口への入賞に応じて抽選処理を実行し、その抽選処理の結果に応じた演出を実行すると共に、大当たり状態及び大当たり状態の当選確率を変動させる特定状態を、前記抽選処理の結果に応じて発生させる遊技機が実行する演出を撮像する撮像手段と、前記特定状態が発生する可能性を示唆する示唆情報を前記演出の撮像画像である演出画像と対応付けて記憶する記憶手段と、を有する遊技用携帯端末を動作させるための遊技用プログラムであって、
前記撮像手段が撮像した前記演出画像を認識する演出画像認識ステップと、
前記演出画像認識ステップで前記演出画像が認識された場合に、前記記憶手段が記憶している示唆情報の中から前記演出画像認識ステップで認識された演出画像に対応する前記示唆情報を読み出す示唆情報読出ステップと、
この示唆情報読出ステップで読み出された示唆情報を報知する報知ステップと、を備えたことを特徴とする遊技用プログラムとして把握される。
【0009】
本発明に係る遊技用携帯端末は、遊技機による前記演出に対応する前記演出画像を認識できたとき、その演出画像に対応する示唆情報を表示する。遊技用携帯端末が表示する示唆情報に基づけば、遊技者が前記特定状態が発生する可能性の度合いを把握できるようになる。このような遊技用携帯端末によれば、前記示唆情報の報知によって遊技を支援できると共に、遊技機が実行する演出を撮像して前記示唆情報を表示させるという遊技上の新たな楽しみを提供できる。
【0010】
本発明に係る遊技用携帯端末を利用する遊技機としては、遊技媒体であるパチンコ玉の払出を伴うパチンコ遊技機であっても良いが、パチンコ玉の払い出しを伴わない、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。
【0011】
本発明の好適な一態様の遊技用携帯端末は、前記演出画像が対応付けられた前記示唆情報を取り込む示唆情報取込手段を備え、
前記遊技用プログラムは、前記示唆情報取込手段を介して取り込まれた示唆情報を前記記憶手段に記憶させる記憶ステップを含むことが好ましい。
この場合には、前記記憶ステップを実行させることにより、前記遊技用携帯端末によって表示できる示唆情報や、認識対象とする演出画像や、両者の対応関係の変更が可能になり、一層多彩な演出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例における、遊技用携帯端末を含む遊技システムを示すシステム図。
【図2】実施例における、パチンコ遊技機を示す正面図。
【図3】実施例における、特図表示部で実行される演出を例示する説明図。
【図4】実施例における、パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図5】実施例における、遊技用携帯端末を示す正面図。
【図6】実施例における、遊技用携帯端末を示す背面図。
【図7】実施例における、遊技用携帯端末の電気的構成を示すブロック図。
【図8】実施例における、演出画像テーブルを示す説明図。
【図9】実施例における、遊技用携帯端末による報知処理の流れを示すフロー図。
【図10】実施例における、遊技用携帯端末に7セグ画像(撮像画像)が表示される様子を示す説明図。
【図11】実施例における、示唆情報を報知する報知画面を示す正面図。
【図12】実施例における、その他の抽選結果表示情報を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、パチンコ遊技機(遊技機)4を遊技する際に有用となる携帯端末(遊技用携帯端末)1に関する例である。この内容について、図1〜図12を用いて説明する。
【0014】
本例の携帯端末1は、図1のごとく、パチンコ遊技機4、及びインターネット回線を介して通信可能に接続されたサーバー装置3との組み合わせにより遊技システム100を形成している。携帯端末1を用いてパチンコ遊技機4の演出を撮像すれば、サーバー装置3からダウンロードした様々な演出情報(示唆情報)のうち、撮像された演出に対応する演出情報等を携帯端末1に表示させることが可能である。
【0015】
このように本例の携帯端末1を活用すれば、パチンコ遊技機4の遊技を支援できると共に、携帯端末1を利用した新たな遊技の方法によって遊技者を一層楽しませ興趣を高めることができる。以下の説明では、まず、本例の携帯端末1を利用可能なパチンコ遊技機4について説明し、続いて本例の携帯端末1について説明する。
【0016】
本例のパチンコ遊技機4は、図2に示すような外観的な構成を備えている。パチンコ遊技機4は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉43と、開閉扉43の内側の遊技盤面に形成された略円形状の遊技領域430と、遊技領域430の下部両側に配置された一対のスピーカ431と、遊技領域430の下側に設けられた上皿435及び下皿437と、上皿435の右下に配置された操作ハンドル45と、を備えている。
【0017】
開閉扉43は、パチンコ遊技機4に対面して左側のヒンジ433を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉43には、遊技領域430に対応する略円形状の透明窓439と、透明窓439の上部両側に配置された装飾ランプ類436と、が設けられている。
【0018】
上皿435は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。上皿435は、遊技者側に向けて張り出すように形成されている。上皿435の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置641に供給されるようになっている。
下皿437は、上皿435の玉が一杯になったときに賞球を払い出したり、遊技者の操作に応じて上皿435の玉を回収するための受け皿である。
【0019】
遊技領域430は、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域430には、液晶表示部490を含む表示装置49を中心として、始動口41、42、通過ゲート441、大入賞装置46等が配置されている。遊技領域430の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔438が開口している。遊技領域430の右縁部分には、LEDよりなる特図表示部481が配置され、左縁部分には、LEDよりなる普図表示部482及び普図保留表示部484が配置されている。
【0020】
通過ゲート441は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート441には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート441が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
【0021】
始動口41、42は、大当たりの当否判定(特別図柄の当否判定。以下、大当たり判定という。)の契機となる入賞口(払出3玉)である。始動口41、42に玉が入賞すると、大当たり判定用の抽選用乱数が抽出される。始動口41が固定の入賞ポケットである一方、始動口42は、一対の可動羽根421を開口部420に設けた電チュー(電動チューリップ)となっている。
【0022】
通常時の一対の可動羽根421は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(図2中、実線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間が始動口41により閉塞されるため、玉が入賞不可能である。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根421(図2中、点線で示す状態。)は、開口部420への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。この状態では、始動口42への入賞が容易に発生する。
【0023】
特図表示部481は、大当たり判定の当否を表示する手段である。特図表示部481は、いわゆる7セグメントと呼ばれる数字の表示器を含み、図3に例示するような大当たり判定の当否に応じた演出を実行する。同図中(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、15R確変大当たり当選時、15R突確大当たり当選時、小当たり当選時、ハズレ時の演出の例である。同図から知られるように、15R確変大当たり当選時の演出のみアラビア数字によって構成され、15R突確大当たりを含めてそれ以外の場合の演出は、アラビア数字を構成しない記号的な図柄が設定されている。なお、図3は、いずれも各当選時に実行される演出の表示例であり、これら以外にも多数の演出が用意されている。
普図表示部482は、普図判定の当否の表示部である。普図表示部482は、LEDを点灯させることにより当選を表示し、消灯に応じてハズレを表示する。
【0024】
大入賞装置46は、大入賞口460を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。このアタッカー46は、始動口42の下側に配置されている。アタッカー46は、横長略矩形状を呈する大入賞口460と、該大入賞口460の下辺を中心として手前に回動する蓋部材461と、を有している。アタッカー46では、遊技領域430をなす盤面と略面一をなすように蓋部材461が位置したときに大入賞口460が閉鎖状態となる。一方、蓋部材461が手前に回動したときに大入賞口460が開放状態となる。大入賞口460に入賞したときの払出は15玉となっている。
【0025】
表示装置49は、図2に示すごとく、略中央に液晶表示部490が配置された表示装置である。この液晶表示部490は、大当たり判定の当否を報知する演出手段としての機能を備えている。液晶表示部490は、横方向に延設された変動領域493において3つの数字を変動表示させる演出動作を実行した後、3桁のアラビア数字を停止表示することで大当たり判定の当否を報知する。
【0026】
液晶表示部490の表示画面491の下段には、図2のごとく、特図保留表示部495が配置されている。特図保留表示部495は、略等間隔で水平方向に配置された4箇所の表示エリア495Sにより構成されている。特図保留表示部495では、大当たり判定用の抽選用乱数の保留数(上限保留数4個)に当たる数の表示エリア495Sに○印が表示される。図2は、保留数が4個のときの特図保留表示部495を例示している。
【0027】
次に、パチンコ遊技機4の電気的な構成について、図4を用いて説明する。パチンコ遊技機4は、主回路50を中心として構成されている。主回路50に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路63、玉の打込を制御する発射制御回路64、遊技演出を制御する副制御回路65、液晶表示部490を制御する表示制御回路66、入賞玉あるいは通過玉の検出器612〜614、始動口(電チュー)42を開放する電チューソレノイド622、アタッカー46を開放させる大入賞ソレノイド624、特図表示部481や普図表示部482等を構成する各種のLED626、及び電力供給のための電源回路628等が電気的に接続されている。また、副制御回路65には、駆動アンプを含むスピーカ装置431、装飾ランプなどの装飾ランプ類436、及び液晶表示部490の表示等を制御する表示制御回路66が電気的に接続されている。
【0028】
入賞玉あるいは通過玉の検出器としては、図2及び図4に示すごとく、通過ゲート441の通過玉を検出するゲート通過検出器612、始動口41、42への入賞玉を検出する始動入賞検出器613、及びアタッカー46への入賞玉を検出する大入賞検出器614がある。
【0029】
払出制御回路63は、主回路50からの指示を受けて払出装置631を制御し、所定数の玉の払出を実行させる。
発射制御回路64は、操作ハンドル45の操作量に応じて発射装置641を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
【0030】
主回路50は、図4に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)51、記憶素子であるROM(Read Only Memory)52・RAM(Random Access Memory)54、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部57、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部56、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)部55等を備えている。
【0031】
ROM52は、CPU51に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない大当たり判定用の抽選テーブル及び普図判定用の抽選テーブルを記憶している。
大当たり判定用の抽選テーブルでは、通常状態及び時短状態における大当たりの当選乱数(当選確率1/300)、確変状態(特定状態)における大当たりの当選乱数(当選確率1/35)、及び5秒間にアタッカー46が15回開放される小当たりの当選乱数(当選確率1/150)が規定されている。
一方、普図判定用の抽選テーブルについては、通常状態用と、確変状態及び時短状態用と、の2種類が用意されている。通常状態用の抽選テーブルでは1/30の当選乱数が設定され、確変状態及び時短状態用の抽選テーブルでは、1/1の当選乱数が設定されている。
【0032】
本例の大当たりとしては、30秒経過あるいは10玉入賞するまでアタッカー46が開放されるラウンド処理が15回繰り返される15R確変大当たりと、小当たりと同様にアタッカー46が制御される15R突確大当たりと、が設定されている。大当たりのうちの15R確変大当たりの割合が60%となっており、15R突確大当たりの割合が40%となっている。15R確変大当たり及び15R突確大当たりは、いずれも、50回の図柄変動に応じて終了する確変状態の契機となる確変大当たりである。
【0033】
RAM54は、図4のごとく、CPU51のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM54の記憶エリアには、各4データ分の特図保留エリア541・普図保留エリア542、及び各1データ分の特図読出エリア545・普図読出エリア546が割り当てられている。
【0034】
特図保留エリア541は、大当たり判定の当否を表す保留乱数の記憶領域である。普図保留エリア542は、普図判定の保留乱数の記憶領域である。特図読出エリア545は、特図保留エリア541から読み出された保留乱数の格納領域である。普図読出エリア546は、普図保留エリア542から読み出された保留乱数の格納領域である。
【0035】
本例の主回路50は、図4のごとく、ROM52から読み出したプログラムをCPU51に実行させることにより、乱数抽出部56が抽出する抽選用乱数を取得することで抽選を実行する抽選手段511、大当たり判定用及び普図判定用の抽選用乱数を保留する保留手段512、大当たり判定用の抽選用乱数を読み出す読出手段513、実行する演出を決定する演出決定手段514、特別状態を発生させる特別状態発生手段515、確変大当たりの当選に応じて確変状態を発生させる確変状態発生手段516としての各機能を実現する。
【0036】
以上のように構成された本例のパチンコ遊技機4は、操作ハンドル45が右回転方向に操作されたとき、その操作量に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、通過ゲート441などが配置された遊技領域430を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域430の最下部に設けられたアウト孔438から回収される。
【0037】
玉が流下する間に通過ゲート441を通過した場合には、乱数発生部57が発生する乱数の中から普図判定用の抽選用乱数を抽出する抽選が実行される。抽選用乱数は、普図判定用の抽選テーブルと照合され、普図判定の当否が決定される。普図判定に当選した場合には、普図表示部482を構成するLEDが点滅する期間の後、点灯状態になる。ハズレの場合には、同様の期間の後、消灯状態になる。普図判定に当選した場合には、電チューである始動口42の可動羽根421が開放される。
【0038】
なお、普図の変動時間は、通常状態で30秒、確変状態及び時短状態において1秒となっている。また、普図判定の当選に応じた可動羽根421の開放時間は、通常状態において0.2秒、確変状態及び時短状態では1.5秒×3回となっている。
【0039】
始動口42への入賞が発生した場合には、大当たり判定(特図判定)用の抽選用乱数を抽出することで大当たり抽選が実行される。この大当たり判定用の抽選乱数は、特図保留エリア541に随時、格納(保留)される。ただし、特図保留エリア541の保留数が4個である場合には、特図保留エリア541に格納されることなく消去される。特図保留エリア541の保留乱数(特図保留)は、図柄変動が停止中であって、かつ、当たり状態の発生中ではないとき、記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出され、特図読出エリア545に格納される。読み出された大当たり判定用の抽選用乱数については、大当たり判定用の抽選テーブルとの照合により大当たり判定の当否を判定可能である。
【0040】
大当たり判定の当否が判定されると、特図表示部481が所定時間に渡る変動表示を経由して、その結果に応じた演出を実行する。この演出による図3に例示する表示は、新たな抽選用乱数が読み出されるまで継続され、新たな抽選用乱数の読出に応じて終了される。
大当たり判定の当選のうち15R確変大当たりの当選の場合、特図表示部481は、所定時間に渡る変動表示を行った後、図3(a)に例示するようなアラビア数字を停止表示する。したがって、15R確変大当たりに当選した場合には、遊技者が特図表示部481の演出を目視することにより、15R確変大当たりが当選した旨を容易に把握できる。
【0041】
一方、15突確大当たり及び小当たりの当選の場合、特図表示部481は、同様の変動表示を行った後、図3(b)、(c)に例示するようにアラビア数字を構成しない図柄を停止表示する。そのため、15R突確大当たり又は小当たりに当選したときに遊技者が特図表示部481の演出を目視しても、当たりの種類はもとより、当選したのか否かすら、その把握が困難になっている。
【0042】
本例のパチンコ遊技機4では、特図表示部481のほか、表示装置49が大当たり判定の当否を報知する演出を実行する。表示装置49は、15R確変大当たりに当選した場合には、3桁のゾロ目を停止表示して当選した旨を遊技者にわかり易く報知する。一方、15R突確大当たり、小当たりに当選した場合には、外見上ほぼ同様の報知を実行する。そのため、表示装置49の演出に基づいて、遊技者が15R突確大当たりか小当たりかを判断することは不可能になっている。
【0043】
次に、携帯端末1は、図5及び図6のごとく、厚さ1cm程度の平板状の端末である。その正面(図5参照。)側には、液晶表示部151の表示画面150が配置され、その左右両側には、ボタン群12が配置された操作面120とスピーカ131とが配置されている。携帯端末1の背面(図6参照。)側には、撮像手段を構成するカメラ基板11(図7参照。)に固定されたレンズの開口部111が設けられている。
【0044】
液晶表示部151は、パチンコ遊技機4で確変状態が発生する可能性を示唆する示唆情報を報知する報知手段としての機能を備えている。また、この液晶表示部151の表示画面150には、シート状のタッチパネル153(図7参照。)が積層されている。
操作面120には、電源ボタン121、カメラのズームボタン123・124、撮像を開始する撮像開始ボタン125等のボタン群12が配置されている。
【0045】
携帯端末1の内部には、図7のごとく、制御部20をなす電気回路が形成された制御基板が収容されている。この制御基板に対しては、CCD素子やレンズ等が実装されたカメラ基板11、オーディオ用ICが実装されたアンプ基板133のほか、操作面120に配置されたボタン群12、タッチパネル153、液晶表示部151等が電気的に接続されている。
【0046】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)23、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)部24等を備えている。I/O部24は、無線LAN機能を備えている。
【0047】
ROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラム(遊技用プログラム)を記憶している。
RAM23は、CPU21のワークエリアや一時書き込みにも利用される読み書き可能な記憶素子である。本例のRAM23は、図7のごとく、パチンコ遊技機4の特図表示部481(図2)で実行される演出の撮像画像である演出画像に対する示唆情報の関係を表す演出画像テーブルを記憶する記憶手段231としての機能を備えている。示唆情報は、確変状態(特定状態)が発生する可能性を示唆する情報である。本例では、当選した大当たりの種類に応じて確変状態が発生する可能性を示唆する示唆情報を採用している。15R確変大当たり、15R突確大当たりの当選であれば、確変状態の発生可能性が100%であり、小当たりの当選、あるいはハズレの場合であれば、同発生可能性がゼロ%ということになる。
【0048】
制御部20は、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、液晶表示部151の表示を制御する表示制御手段211、特図表示部481の演出に対応する演出画像を認識する演出画像認識手段213、サーバー装置3から示唆情報をダウンロードして記憶手段231に記憶させる示唆情報画像取込手段215、認識された演出画像に対応する示唆情報を読み出す示唆情報読出手段217としての機能を実現する。
【0049】
以上の通り構成された本例の携帯端末1は、図9に示す報知処理を実行することにより、パチンコ遊技機4による演出に対応する示唆情報の報知を実現している。この報知処理では、まず、図8の演出画像テーブルをサーバー装置3からダウンロードして記憶する記憶ステップS101が実行される。
【0050】
パチンコ遊技機4の特図表示部481による演出により図3に例示するような表示があった場合には、パチンコ遊技機4の正面側で携帯端末1を構えて撮像開始ボタン125を操作し、特図表示部481を撮像して図10のような7セグ画像(撮像画像)を取得する。このとき、携帯端末1の表示画面150に表示された7セグ画像を見ながら、特図表示部481の全体が含まれるように撮像領域を適宜調整するのが良い。
【0051】
この7セグ画像については、携帯端末1の内部処理により演出画像認識ステップS102が実行され、演出画像を認識するための画像認識処理が施される。この演出画像認識ステップS102では、まず、7セグ画像に映り込んだ特図表示部481の大きさに基づいて7セグ画像のサイズが正規化されると共に、撮像時の傾きがソフト的に修正される。これにより、7セグ画像における特図表示部481の表示エリアが特定され、その表示エリアの演出画像(の種類)が認識される。
【0052】
演出画像が認識されると、図8の演出画像テーブルのごとく記憶手段231が演出画像に対応して記憶する示唆情報の中から、認識された演出画像に対応する示唆情報を読み出す示唆情報読出ステップS103が実行される。続いて、報知ステップS104が実行され、図11のごとく、読み出された示唆情報が表示画面150に表示されて報知される。
【0053】
ここで、本例のパチンコ遊技機4では、15R突確大当たりの当選時と小当たりの当選時との間で、表示装置49による図柄変動演出に有意な差がなく、アタッカー46の動作も全く同じになっている。それ故、このパチンコ遊技機4の遊技者は、表示装置49による演出やアタッカー46の動作状況などからは、15R突確大当たりか小当たりかを区別できないようになっている。
【0054】
また、特図表示部481は、15R突確大当たり当選か小当たり当選かに応じて異なる演出を実行するものの、その演出は、各当選について複数の演出が用意されている上、アラビア数字ではない記号的な図柄による演出となっている。そのため、各当たりに対応する演出を全て暗記しておかない限り、特図表示部481の演出に基づいて15R突確大当たり当選か小当たり当選かを判断することは不可能であり、実質的に非常に困難になっている。
【0055】
このように、本例のパチンコ遊技機4では、特図表示部481の演出や、表示装置49の演出や、アタッカー46の動作等によっては、15R突確大当たりか小当たりかの区別が非常に困難であり、その区別に応じて確変状態が発生するか否かを予測することは不可能になっている。そこで、アタッカー46が短時間に開閉(5秒間に15回の開閉)を繰り返したようなときには、携帯端末1の利用が非常に有効となる。携帯端末1で特図表示部481の演出を撮像すれば、15R突確大当たりであったか小当たりであったかの示唆情報を携帯端末1の表示画面150に表示させることができる。図11に例示するような15R突確大当たりであれば、確変状態の発生が確定する一方、小当たりであれば、確変状態の発生可能性をゼロ%と把握できる。
【0056】
以上の通り、本例の携帯端末1を活用すれば、パチンコ遊技機4による演出を拡張でき、その演出に対応する示唆情報を携帯端末1の表示画面150に表示させることができる。遊技者は、携帯端末1に表示された示唆情報によって確変状態の発生可能性を手間少なく把握できると共に、携帯端末1で演出を撮像してその示唆情報を入手するという新たな遊技の方法により遊技を楽しむことができる。
【0057】
なお、本例では、大当たり判定の当否を示す演出として、7セグ表示器(特図表示部481)の演出を採用している。本例に代えて、図12(a)のような演出や、同図(b)のような演出を採用しても良い。さらに、本例では、大当たり判定の当否を示す演出として、動きのない静止表示を採用しているが、これに代えて、動きを伴う表示によって大当たり判定の当否を示す演出を採用することも良い。
本例では、図11に例示する示唆情報の表示により確変状態の発生可能性を確定的に報知している。これに代えて、例えば、70%の発生確率など、確変状態の発生可能性をあいまいに報知することも良い。
さらに、本例は、パチンコ遊技機4の機種に応じた演出画像テーブルをサーバー装置3からダウンロードした例である。これに代えて、SDカードやUSBメモリ等の記憶媒体を介して、遊技場に設置された情報サーバー等に格納された演出画像テーブルを取り込むこともできる。
【0058】
携帯端末1としては、本例において説明したような機能を実現した専用機であっても良いが、ゲーム機やスマートフォン等、所定のソフトウェアをインストールすることで上記の機能を実現できる汎用機であっても良い。専用機の場合であれば、様々な機種の演出パターンテーブルを予め記憶させておくことも良い。
【0059】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0060】
1…遊技用携帯端末、100…遊技システム、11…カメラ基板(撮像手段)、150…表示画面、151…液晶表示部(報知手段)、20…制御部、21…CPU、211…表示制御手段、213…演出画像認識手段、215…示唆情報取込手段、217…示唆情報読出手段、22…ROM、23…RAM、231…記憶手段、24…I/O部、3…サーバー装置、4…パチンコ遊技機、41、42…始動口(入賞口)、430…遊技領域、45…操作ハンドル、46…大入賞装置(アタッカー)、481…特図表示部、49…表示装置、490…液晶表示部、491…表示画面、493…変動領域、495…特図保留表示部、495S…表示エリア、50…主回路、51…CPU、511…抽選手段、515…特別状態発生手段、516…確変状態発生手段、613…始動入賞検出器、63…払出制御回路、641…発射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞口への入賞に応じて抽選処理を実行し、その抽選処理の結果に応じた演出を実行すると共に、大当たり状態及び大当たり状態の当選確率を変動させる特定状態を、前記抽選処理の結果に応じて発生させる遊技機が実行する演出を撮像する撮像手段と、
この撮像手段が撮像した前記演出の画像である演出画像を認識する演出画像認識手段と、
前記演出画像と対応付けて、前記特定状態が発生する可能性を示唆する示唆情報を予め記憶する記憶手段と、
前記演出画像認識手段が前記演出画像を認識した場合に、前記記憶手段が記憶している示唆情報の中から前記演出画像認識手段が認識した演出画像に対応する前記示唆情報を読み出す示唆情報読出手段と、
この示唆情報読出手段が読み出した示唆情報を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技用携帯端末。
【請求項2】
入賞口への入賞に応じて抽選処理を実行し、その抽選処理の結果に応じた演出を実行すると共に、大当たり状態及び大当たり状態の当選確率を変動させる特定状態を、前記抽選処理の結果に応じて発生させる遊技機が実行する演出を撮像する撮像手段と、前記特定状態が発生する可能性を示唆する示唆情報を前記演出の撮像画像である演出画像と対応付けて記憶する記憶手段と、を有する遊技用携帯端末を動作させるための遊技用プログラムであって、
前記撮像手段が撮像した前記演出画像を認識する演出画像認識ステップと、
前記演出画像認識ステップで前記演出画像が認識された場合に、前記記憶手段が記憶している示唆情報の中から前記演出画像認識ステップで認識された演出画像に対応する前記示唆情報を読み出す示唆情報読出ステップと、
この示唆情報読出ステップで読み出された示唆情報を報知する報知ステップと、を備えたことを特徴とする遊技用プログラム。
【請求項3】
前記遊技用携帯端末は、前記演出画像が対応付けられた前記示唆情報を取り込む示唆情報取込手段を備え、
前記示唆情報取込手段を介して取り込まれた示唆情報を前記記憶手段に記憶させる記憶ステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の遊技用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−66606(P2013−66606A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207624(P2011−207624)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】