説明

遊技用管理装置

【課題】把握精度の低下を回避しつつ、不具合や不正の把握に要する処理負荷を低減すること。
【解決手段】遊技媒体を払い出す遊技機に関する情報を管理する遊技用管理装置であって、払出条件が成立することにより払い出す遊技媒体数を特定可能な払出条件成立情報と、該払出条件が成立したことによる遊技媒体数が払い出されたことに応じて出力される、該払い出された遊技媒体数を特定可能な払出済情報と、を入力し、各情報から特定される遊技媒体数の集計を行って、該集計した各集計値との差数が、所定の閾値以上であるか否かを、所定のタイミングにて判定し、差数が所定の閾値以上であると判定されたことを条件に所定の報知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を用いた所定の遊技を実施可能であり、所定の払出条件が成立したことにもとづいて遊技媒体を払い出す遊技機に関する情報を管理する遊技用管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の遊技球が遊技者に払い出されるものがあり、これら遊技機における遊技球の払出数、例えば、個々の大当り中において払い出された遊技球を外部で管理するために、払い出された遊技球の検出することにより遊技球の払い出し数に応じた賞球信号(払出済信号)をホールコンピュータ等の管理装置に外部出力するものがある。
【0003】
これら賞球信号(払出済信号)を使用して払い出された遊技球を管理する場合において、例えば大当り等により短期間に多くの入賞が発生すると、遊技球の払い出し能力には限度があるので、入賞から該入賞に対応する賞球が払い出されるまでの期間が長くなってしまうために、大当り等の遊技状態が終了した後に賞球信号(払出済情報)が出力される状態が発生する場合があり、このような場合には、賞球信号(払出済情報)に対応する賞球が大当り中に払い出されたものであるのか、或いは大当り後の遊技状態においては払い出されたものであるのか、例えば、大当り後に直ぐに大当りとなった場合には、どちらの大当りにおいて払い出されたものであるのかを判別できなくなってしまう虞があるために、これら遊技球の払い出し数に応じた賞球信号(払出済情報)とともに、入賞による賞球数の払い出し条件が成立したことを示す信号(払出条件成立情報)を、該入賞に対応した遊技球の払い出しに係わらずに迅速に外部出力するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−156088号公報(第44頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら特許文献1にあっては、賞球信号(払出済情報)による遊技球数と、払い出し条件が成立したことを示す信号(払出条件成立情報)による遊技球数とは、当然に同一であることが原則であるので、これらの遊技球数を個々に集計して、各集計値の差が所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、遊技機の不具合や不正の有無を把握できるものの、これら各信号は、上記したように時間的にずれて出力される、つまり、賞球信号(払出済情報)が、払い出し条件が成立したことを示す信号(払出条件成立情報)よりも遅れて出力されるため、不具合や不正を把握するために、各集計値の差が所定の閾値以上であるか否かの判定を常時実施すると、不正や遊技機の不具合が無くても、所定の閾値以上であると頻繁に判定されて、不具合や不正の把握精度が著しく低下してしまうばかりか、これら判定に要する処理負荷も大きくなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、不具合や不正の把握精度の低下を回避しつつ、処理負荷も低減することのできる遊技用管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技用管理装置は、
遊技媒体(パチンコ玉)を用いた所定の遊技を実施可能であり、所定の払出条件が成立したこと(入賞)にもとづいて遊技媒体を払い出す遊技機(パチンコ機2)に関する情報を管理する遊技用管理装置(台端末5,ホールコンピュータ140)であって、
前記払出条件が成立したことに応じて前記遊技機から出力される情報であって、該払出条件が成立することにより払い出す遊技媒体数を特定可能な払出条件成立情報(賞球信号1)と、前記払出条件が成立したことによる遊技媒体数が払い出されたことに応じて前記遊技機から出力される情報であって、該払い出された遊技媒体数を特定可能な払出済情報(賞球信号2)と、を入力するための情報入力手段(例えば、台端末5における信号入力部581e,581f)と、
前記払出条件成立情報から特定される遊技媒体数の合計(例えば、入賞総賞球数)と該所定期間における前記払出済情報から特定される遊技媒体数の合計(例えば、払出総賞球数)との差数(賞球差数)を算出し、該算出した差数が、所定の閾値(異常判定閾値)以上であるか否かを、所定のタイミング(例えば、最後の賞球信号2の入力があった時点から所定期間が経過した判定タイミング)にて判定する判定手段(例えば、制御マイコン(MPU)579がステップSt13を実施する部分)と、
前記判定手段により、前記差数が所定の閾値以上であると判定されたことを条件に所定の報知を行う報知手段(ホールコンピュータ140の表示装置147が図14の警告画面を表示する部分)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、払出条件成立情報から特定される遊技媒体数の合計と払出済情報から特定される遊技媒体数の合計との差数が所定の閾値以上であるか否かの判定が、所定のタイミングにおいてのみ実施されるので、差数が所定の閾値以上であると頻繁に判定されて、不正や不具合の把握精度が低下してしまうことを回避できるとともに、これらの判定を常時実施する場合に比較して該判定の処理負荷を低減することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の遊技用管理装置は、請求項1に記載の遊技用管理装置であって、
遊技媒体(パチンコ玉)を用いた所定の遊技を実施可能であり、所定の払出条件が成立したこと(入賞)にもとづいて遊技媒体を払い出す遊技機(パチンコ機2)に関する情報を管理する遊技用管理装置(台端末5,ホールコンピュータ140)であって、
前記払出条件が成立したことに応じて前記遊技機から出力される情報であって、該払出条件が成立することにより払い出す遊技媒体数を特定可能な払出条件成立情報(賞球信号1)と、前記払出条件が成立したことによる遊技媒体数が払い出されたことに応じて前記遊技機から出力される情報であって、該払い出された遊技媒体数を特定可能な払出済情報(賞球信号2)と、を入力するための情報入力手段(例えば、台端末5における信号入力部581e,581f)と、
前記遊技機の遊技状態を判別する遊技状態判別手段(例えば、制御マイコン(MPU)579が、大当り信号1、大当り信号2、時短信号の入力状態からパチンコ機2の遊技状態を特定する部分)と、
前記遊技状態判別手段により判別した遊技状態が所定の遊技状態(例えば、大当り状態、時短状態)であることに応じて、前記払出条件成立情報から特定される遊技媒体数の合計と該所定期間における前記払出済情報から特定される遊技媒体数の合計との差数の算出を開始し(制御マイコン(MPU)579が、大当り状態または時短状態となったことに応じて、賞球差数カウンタに賞球信号1の入力により10を加算するとともに賞球信号2の入力により賞球差数カウンタから10を減算を実施する部分)、該算出した差数(賞球差数カウンタのカウンタ値)が、所定の閾値(異常判定閾値)以上であるか否かを、前記遊技状態判別手段により判別した該所定の遊技状態に基づく所定のタイミング(例えば、大当りが終了から30秒後若しくは時短状態終了から10秒後)にて判定する判定手段(例えば、制御マイコン(MPU)579がステップS12を実施する部分)と、
前記判定手段により、前記差数が所定の閾値以上であると判定されたことを条件に所定の報知を行う報知手段(ホールコンピュータ140の表示装置147が図14の警告画面を表示する部分)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、払出条件成立情報から特定される遊技媒体数の合計と払出済情報から特定される遊技媒体数の合計との差数が所定の閾値以上であるか否かの判定が、遊技機における所定の遊技状態に基づく所定のタイミングにおいてのみ実施されるので、差数が所定の閾値以上であると頻繁に判定されて、不正や不具合の把握精度が低下してしまうことを回避できるとともに、これらの判定を常時実施する場合に比較して該判定の処理負荷を低減することができる。
【0009】
本発明の手段1に記載の遊技用管理装置は、請求項1または2に記載の遊技用管理装置であって、
遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態(例えば、大当り状態や時短状態)の終了を判別する遊技状態判別手段(例えば、制御マイコン(MPU)579が、信号入力部581a〜cの入力状態により、大当り状態や時短状態の終了を検知する部分)を備え、
前記判定手段は、前記遊技状態判別手段にて判別した有利遊技状態の終了を契機とする予め定められたタイミング(大当りが終了から30秒後若しくは時短状態終了から10秒後)を前記所定のタイミングとして前記判定(ステップS12)を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利遊技状態に乗じて行われる不正を的確に把握することができる。
【0010】
本発明の手段2に記載の遊技用管理装置は、請求項1、請求項2、手段1のいずれかに記載の遊技用管理装置であって、
1の払出済情報(賞球信号2)が前記情報入力手段に入力された時点から次の払出済情報(賞球信号2)が入力されるまでの経過期間が所定時間に達したことを検知する検知手段(例えば、制御マイコン(MPU)579が、判定用タイマがタイマアップしたかをSt1にて検知する部分)を備え、
前記判定手段は、前記検知手段によって前記経過期間が所定時間に達したことを検知したことを契機とする予め定められたタイミングを前記所定のタイミングとして前記判定を行う(例えば、制御マイコン(MPU)579が判定タイマ監視処理におけるステップSt12を実施する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、検知手段によって経過期間が所定時間に達したことを検知したことを契機とする予め定められたタイミング、つまり、短期間における払出条件の成立に伴う一連の遊技媒体の払い出しが完了することで差数が少なくなるタイミングにおいて判定を実施するので、大きな差数が変動することによる判定への影響を低減できるため、判定の精度を高めることができる。
【0011】
本発明の手段3に記載の遊技用管理装置は、請求項1、請求項2、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技用管理装置であって、
前記判定手段は、前記払出条件成立情報(賞球信号1)から特定される遊技媒体数の合計(例えば、入賞総賞球数)と前記払出済情報(賞球信号2)から特定される遊技媒体数の合計(例えば、払出総賞球数)とが一致するか否かを定期的に判定する一致判定手段(図16に示す変形例において、制御マイコン(MPU)579が、監視用タイマがタイマアップする毎にステップSk2を実施する部分)を含み、該一致判定手段により不一致と判定された期間が所定期間以上となったことを契機とする予め定められたタイミングにおいて前記判定を行う(ステップSk4にて不一致カウンタが規定値となったと判定された時点においてステップSk7の判定を行う部分)
この特徴によれば、不一致と判定された期間が所定期間以上となった場合に限り差数が閾値以上であるか否かの判定が実施されるので、差数が存在する状況下において閾値による判定をタイムリーに実施でき、差数が存在しない状況下において無駄に判定が実施されてしまうことを回避できるので、これら無駄な判定に伴う処理負荷を削減することができる。
【0012】
本発明の手段4に記載の遊技用管理装置は、請求項1、請求項2、手段1〜手段3のいずれかに記載の遊技用管理装置であって、
前記払出済情報(賞球信号2)に基づいて、所定の単位期間あたりに払い出された遊技媒体数を特定する単位期間払出数特定手段(変形例において、制御マイコン(MPU)579が単位時間賞球数特定処理を実施する部分)を備え、
前記判定手段は、前記単位期間払出数特定手段により特定された単位期間あたりに払い出された遊技媒体数の変化に関する所定条件が成立したことを契機とする予め定められたタイミングにおいて前記判定を行う(単位時間賞球数特定処理にて特定された賞球数の変化が、予め設定されている規定値P以上となった場合に判定を実施する部分)ことを特徴としている。
この特徴によれば、例えば、単位期間あたりに払い出された遊技媒体数の変化が所定値以上であることを所定条件とすることで、多くの遊技媒体が短期間に払い出される大当り等の遊技状態が終了した時点を特定できるようになるので、終了した遊技状態に乗じた不正を的確に把握することができる。
【0013】
本発明の手段5に記載の遊技用管理装置は、請求項1、請求項2、手段1〜手段4のいずれかに記載の遊技用管理装置であって、
前記判定手段は、前記所定のタイミングとして、2以上の異なるタイミング(例えば、大当り終了後の判定タイミングや、時短状態終了後の判定タイミング)にて前記判定を実施する(ステップS12を実施する部分)とともに、各タイミングの判定においては、各タイミングに対して設定された異なる閾値を使用する(ステップS11にて各判定タイミングに対して設定された異常判定閾値を特定する部分)ことを特徴としている。
この特徴によれば、個々のタイミングにて、各タイミングに対して設定された異なる閾値により判定を実施するので、各タイミングに対応した的確な判定を実施できる。
【0014】
本発明の手段6に記載の遊技用管理装置は、請求項1、請求項2、手段1〜手段5のいずれかに記載の遊技用管理装置であって、
前記遊技機(パチンコ機2)における遊技に使用された総使用遊技媒体数(総打込玉数)と、前記遊技機における遊技において払い出された総払出遊技媒体数(払出総賞球数)とを集計する総数集計手段(台端末;遊技情報テーブル、ホールコンピュータ;各台遊技情報テーブル)を備え、
前記総数集計手段は、前記総払出遊技媒体数の集計を、前記払出済情報(賞球信号2)に基づいて実施する(賞球信号2の入力毎に10を払出総賞球数に加算する部分)ことを特徴としている。
この特徴によれば、払出済情報に基づいて総払出遊技媒体数を集計するので、遊技機において実際に払い出された遊技媒体数の総数が集計されるため、これら各遊技機の総払出遊技媒体数の合計値と、獲得された遊技媒体数を計数する計数装置において計数された遊技媒体数の合計値とは、原則的に同一であることから、これらの対比を簡便に実施することができる。
【0015】
本発明の手段7に記載の遊技用管理装置は、手段6に記載の遊技用管理装置であって、
前記総数集計手段(台端末;遊技情報テーブル、ホールコンピュータ;各台遊技情報テーブル)は、前記払出済情報(賞球信号2)の入力が無いが前記払出条件成立情報(賞球信号1)の入力が有るとき(図16に示すように、賞球信号1の入力があって入賞総賞球数が多く、賞球信号2の入力が無くて払出総賞球数が少なくて賞球差数異常が判定されたとき)には、前記払出済情報に代えて前記払出条件成立情報に基づいて前記総払出遊技媒体数の集計を実施する(図15において「切り替える」を選択することで、台データの算出に払出総賞球数に代えて入賞総賞球数を使用する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、払出済情報の入力に異常が発生しても、総払出遊技媒体数の集計を継続できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例における遊技用システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】実施例に用いたパチンコ機2とカードユニット3とを示す正面図である。
【図3】実施例に用いたパチンコ機2の操作部を示す上面図である。
【図4】実施例に用いたパチンコ機2の裏面図である。
【図5】実施例に用いた台端末5に入力される各信号の入力形態を示す図である。
【図6】(a)は、実施例に用いた台端末5の構成を示すブロック図であり、(b)は、台端末5から送信される送信データ列の構成を示す図である。
【図7】実施例に用いた台端末5における遊技情報テーブルを示す図である。
【図8】実施例に用いたホールコンピュータ140の構成を示すブロック図である。
【図9】実施例に用いたホールコンピュータ140における台別遊技情報テーブルを示す図である。
【図10】実施例に用いたホールコンピュータ140における台別遊技状態履歴テーブルを示す図である。
【図11】実施例に用いたホールコンピュータ140における賞球差数判定設定画面を示す図である。
【図12】実施例に用いた台端末5において実施される賞球差数カウンタ処理の処理内容を示すフロー図である。
【図13】実施例に用いた台端末5において実施される判定タイマ監視処理の処理内容を示すフロー図である。
【図14】実施例に用いたホールコンピュータ140における賞球差数異常警告の表示出力態様を示す図である。
【図15】実施例に用いたホールコンピュータ140における賞球データ詳細画面の表示出力態様を示す図である。
【図16】変形例における賞球数監視処理の処理内容を示すフロー図である。を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る遊技用管理装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0018】
まず、本発明の遊技用管理装置を構成する台端末5並びにホールコンピュータ140が適用された本実施例の遊技用システムの構成を図1に示す。本実施例の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機であるカードリーダ(CR)式パチンコ機(以下、パチンコ機と略記)2と、該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、遊技媒体であるパチンコ玉の貸出しや貯玉の再使用(再プレイ)を、プリペイドカードであるビジターカードまたはプリペイドカード機能を有する会員カードを用いて実施可能とするためのカードユニット3と、各パチンコ機2から払い出された遊技媒体であるパチンコ玉数や各パチンコ機2にて使用されたパチンコ玉数等の各種遊技情報が入力される台端末5と、該台端末5に入力された各遊技情報を、接続されている各台端末5から更に収集する各遊技島毎に設置された島端末6と、各島端末6にて収集された当該遊技場に設置されている各パチンコ機2の遊技情報を受信し、該受信した各パチンコ機2の遊技情報に基づいて各パチンコ機2における遊技状態や賞球数や打込玉数等の各パチンコ機2に関する情報を管理するホールコンピュータ140とから主に構成されている。
【0019】
本実施例のパチンコ機2と台端末5とは、図1並びに図5に示すように信号ケーブル9を介して接続されており、各台端末5はさらに通信ケーブル10を介して島端末6と接続されており、これら台端末5と島端末6とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、島端末6からのデータ出力指示に基づいて、台端末5が各パチンコ機2や各パチンコ機に対応して設けられたアウト球計数器26(図2参照)等から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技情報を含むデータを送信するようになっている。
【0020】
更に、これら各島端末6はハブ7を介して通信ケーブル8にてホールコンピュータ140に接続されていて、島端末6とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、前記島端末6にて各台端末5から収集された各パチンコ機2から収集した遊技情報を含むデータがまとめられて、前記ホールコンピュータ140に所定時間毎に送信されることで、該ホールコンピュータ140が各パチンコ機2に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
【0021】
まず、本実施例に用いたパチンコ機2について説明すると、本実施例に用いたパチンコ機2は、図2に示すように、額縁状に形成されたガラス扉枠22を有し、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23がある。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられているとともに、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23から溢れたパチンコ玉を貯留する下皿24と打球を発射する打球操作ハンドル(以下操作ノブ)25とが設けられている。
【0022】
また、操作部14の上面には、図3に示すように、カードユニット3においてビジターカードまたは会員カードより読み出された度数が表示される度数表示部17と、遊技の開始または打球供給皿23に持玉が少なくなったか或いは無くなった際に押圧操作されることで、度数表示部17に度数(プリペイド残額の100円を1単位とする値)が存在する場合に所定数量のパチンコ玉の貸出が実施される貸出ボタンスイッチ16と、遊技の終了時にてカードユニット3に受付中のビジターカードまたは会員カードを返却させるための返却ボタンスイッチ15と、が設けられており、これら各部は操作部14内部に設けられている操作基板18上に実装されている。
【0023】
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27の向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28と、その中央付近には、「演出図柄(飾り図柄ともいう)」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出可変表示部29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される普通可変表示部30とが設けられている。また遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
【0024】
各入賞口に入賞したパチンコ玉並びにアウト口46に流入したパチンコ玉、つまり、遊技領域27内に打ち出されたパチンコ玉は、遊技盤26の方向に設けられた図示しない玉流路によってパチンコ機2の背面に設けられた図示しない玉排出口に集められて、パチンコ機2の下方に設けられたアウト球計数器26(図2参照)に排出される。
【0025】
これら各入賞口に打玉が入賞した場合には、各入賞に対応した玉数(例えば、3玉や76玉や15玉)が払い出し条件成立玉数カウンタに加算更新されて、該払い出し条件成立玉数カウンタに加算された玉数が所定数(本実施例では10)になったことに応じて1パルスの賞球信号1が外部に出力され、該出力に応じて所定数(本実施例では10)が減算更新されることで、これら玉数の払い出し条件が成立していることが外部に通知されるとともに、各入賞口に応じた賞球が、後述する玉払出装置297により払い出され、該玉払出装置297により払い出された賞球の検出数が所定数(本実施例では10)になったことに応じて1パルスの賞球信号1が外部に出力されることで、払い出しが完了した賞球数が外部に通知される。
【0026】
尚、玉払出装置297により払い出された賞球は、打球供給皿(上皿)23に供給され、該打球供給皿(上皿)23が満杯で打球供給皿(上皿)23に流入不能である場合には、下皿24に流下して貯留される。また、下皿24には下皿24に貯留されているパチンコ玉を下皿24の下方に排出させるための図示しない排出レバーが設けられており、大当り等で下皿24に貯まったパチンコ玉を、排出レバーを操作して貯留箱に排出できるようになっている。
【0027】
打球操作ノブ25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて前記遊技領域27に達しなかったパチンコ玉は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流されるようになっている。
【0028】
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、普通可変表示部30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
【0029】
普通可変表示部30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(たとえば○)となった場合に、始動入賞口34に設けられた可動片35が、遊技者にとって不利な閉状態から所定時間(本実施例では0.5秒間)開成して遊技者にとって有利な状態となる。
【0030】
また、始動入賞口34にパチンコ玉が入賞すると、パチンコ機2の内部に設けられている後述する遊技制御基板231において抽選が実施され、特図可変表示部28において該抽選結果に応じた態様の表示演出による全特別図柄の可変表示(変動表示)が開始されるとともに、該特図可変表示部28の可変表示に連動して演出可変表示部29において演出表示が実施されるとともに、パチンコ機2の前面に設けられた遊技効果LEDにおいて該抽選結果に応じた態様の点灯演出が後述するランプ制御基板235により開始される。
【0031】
尚、本実施例では、始動入賞口34と特図可変表示部28とを1つのみとしたパチンコ機2を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら始動入賞口34を第1始動入賞口と第2始動入賞口として2つ設けるとともに、特図可変表示部28を第1始動入賞口への入賞に応じて特別図柄が可変表示(変動表示)を開始する第1特図可変表示部と、第2始動入賞口への入賞に応じて特別図柄が可変表示(変動表示)を開始する第2特図可変表示部とを設けるようにしても良い。
【0032】
そして、抽選の結果が大当りに当選している抽選結果の場合には、演出可変表示部29の停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777や444)となるように、左、中、右の特別図柄が停止するように可変表示が停止される。そして、これら特定の表示態様(たとえば777や444)となった場合、つまり、抽選結果が大当りに当選している場合に、該パチンコ機2において遊技を行うための多量の遊技媒体であるパチンコ玉を遊技者が獲得可能な遊技状態である大当り状態が発生するとともに、大当り信号1が該大当りの状態中において継続して出力状態とされることで、該大当りの発生と大当りである期間とが外部に通知される。
【0033】
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。
【0034】
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
【0035】
その後、前記第2の状態から前記第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば7回や15回と定められており、大当りの種別に応じて異なる上限回数が設定されている。
【0036】
特図可変表示部28の表示結果並びに演出可変表示部29の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには前述したように大当りが発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
【0037】
また、前記始動入賞口34への入賞に応じて遊技制御基板231にて実施される抽選においては、大当り状態のみを発生させる抽選とともに、通常遊技状態と比較して大当り状態が発生する可能性が遊技状態である確率変動状態を発生させる抽選も実施され、前記抽選結果が確率変動状態を発生させる抽選に当選している抽選結果である場合には、その停止表示結果が予め定められた確率変動図柄に一致した大当り図柄の組合せ(たとえば777や333)となるように、左、中、右の特別図柄が停止するように可変表示が停止される演出制御が実施され、該演出制御後において当該抽選結果に応じた遊技状態である大当りとするための遊技状態制御、具体的には、前記繰返し継続制御による「大当り状態」とされるとともに、該「大当り状態」の終了後に、次の大当りが発生するまでの間において再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態(例えば、通常状態の当選確率の10倍)となる確率変動状態(確変状態)となる。該確率変動状態中においては、大当りの当選確率を高める制御とともに、さらに、次回の大当り発生時まで普通可変表示部30の1回の可変表示時間を通常遊技状態中よりも短縮制御され、可動片35の開成制御や開成時間の延長制御等が実施される後述する時短状態にもなる。尚、これら確率変動図柄での大当りを、前記確率変動図柄以外(たとえば444や888)の「通常大当り」と区別して「確変大当り」と呼称し、これら大当り状態、確率変動状態、並びに後述する時短状態において、大当り信号2が、後述する情報出力基板298より外部に出力されることで、後述する時短信号の出力の有無に基づいて、該確率変動状態の発生と確率変動状態である期間とが外部に通知される。
【0038】
この確率変動状態においては、確率変動状態であることがパチンコ機2の前面に設けられている遊技効果LED等の点灯態様が確率変動状態に対応した態様にランプ制御基板235によって変更されることで報知されるとともに、次の大当りが発生するまでの間において、始動入賞口34に設けられた可動片35が遊技者にとって有利な開成状態となる頻度が、普通可変表示部30の普通図柄の可変表示開始から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(例えば30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片35が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(例えば0.5秒が3秒に延長)される時短状態にもなることで、図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、確率変動状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。
【0039】
そして、確率変動状態中において発生した大当りが、再度、確率変動図柄による「確変大当り」である場合には、該大当り状態の終了後に再度確率変動状態となるため、「確変大当り」が連続して発生することで大当り状態の連荘が継続する。
【0040】
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、前記繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示を所定回数(例えば100回)行うか或いは前記大当り状態が発生するかいずれかの条件が成立するまでの間、始動入賞口34に設けられた可動片35が、遊技者にとって有利な開成状態となる頻度が向上することにより通常遊技状態と比較して大当りが発生する可能性が高い時短状態が発生する。
【0041】
これら時短状態における遊技者にとって有利な可動片35が開成状態となる頻度の向上は、確率変動中における可動片35の開成頻度の向上とほぼ同様に、普通可変表示部30の普通図柄の可変表示から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(例えば30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片35が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(例えば0.5秒が3秒に延長)されることで、特図可変表示部28での可変表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、これら時短状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。尚、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生と時短状態となっている期間が外部に通知される。
【0042】
尚、時短状態(確率変動状態における時短状態を含む)においては、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄の変動パターンとして、変動時間が非常に短い超短縮の変動パターンが高い割合にて決定されることで、該時短状態においては、単位時間において実施される特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示回数(始動回数)が大きくなるように制御されることで、大当りの終了後において、次の大当りが発生するまでの時間が著しく短縮されるようになっている。
【0043】
次に、パチンコ機2の背面の構造について図4に基づき説明する。パチンコ機2の遊技盤26の裏面側には、機構板236が設けられている。この機構板236の上部には玉タンク238が設けられ、前記遊技島の上部の供給樋の側面に設けられた分流樋より導出された供給管よりパチンコ玉が玉タンク238に供給される。玉タンク238内のパチンコ玉は、誘導樋239を通って玉払出装置297に供給される。
【0044】
この誘導樋239上には、玉払出装置297に供給されるパチンコ玉が存在しない玉切れ状態を検出するための玉切れセンサが設けられており、該玉切れセンサにより玉切れ状態が検知された場合には、玉払出装置297からの賞球の払い出しが中止されるとともに、玉切れ信号が情報出力基板298より外部に出力されることで、玉切れ状態であるために賞球の払い出しを停止していることが外部に通知される。
【0045】
玉払出装置297により払い出されたパチンコ玉は、図示しない賞球樋を通じて打球供給皿(上皿)23に供給される、打球供給皿(上皿)23が一杯である場合には、誘導流路を通じて下皿24に供給される。
【0046】
また、下皿24へパチンコ玉を誘導する誘導流路上には、下皿24へ流入するパチンコ玉が誘導流路内に流下せずに停止していること、つまり、下皿24が一杯でパチンコ玉が下皿24に流入不能であることを検知する下皿満杯センサが設けられており、該下皿満杯センサにより下皿24が一杯であることが検知された場合には、玉払出装置297からの賞球の払い出しが中止されるとともに、下皿満杯信号が情報出力基板298より外部に出力されることで、下皿24が満杯であるために賞球の払い出しを停止していることが外部に通知される。
【0047】
機構板236には、演出可変表示部29の表示制御を行う表示制御基板280等が搭載された可変表示制御ユニット229、基板ケース232に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板231、パチンコ玉の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球制御基板237が設置されている。さらに、機構板236には、駆動モータ294の回転力を利用して遊技球を遊技領域107に発射する打球発射装置234と、打球発射装置の制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された発射制御基板291と、スピーカ227および遊技効果LED・LED等に信号を送るためのランプ制御基板235と、ガラス扉枠102の後方に設けられたスピーカから出力する音声の出力制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された音声制御基板270と、が設けられている。
【0048】
これら本実施例に用いたパチンコ機2の構成を図5に基づいてまとめると、パチンコ機2には、演出可変表示部29の表示制御を行う表示制御基板280と、打球操作ハンドル25の操作に基づき打球供給皿23に払い出されたパチンコ玉を遊技領域27に発射する打球発射装置の制御を行う発射制御基板291と、玉タンク238(図4参照)に供給されたパチンコ玉の払出を実施する玉払出装置297に接続され、遊技制御基板231から出力される払出指示(払い出しコマンド)に基づきパチンコ玉の払出制御を行うとともに、玉払出装置297内に設けられ、該玉払出装置297の払い出し部から払い出されたパチンコ玉を検出する検出部において、所定数である10玉のパチンコ玉が検出されたことに応じて賞球信号2を出力する賞球制御基板237と、遊技効果LED等の制御を実施するランプ制御基板235と、スピーカ227から出力される音声の出力制御を行う音声制御基板270と、各種の外部出力信号を所定の信号形態にて出力する情報出力基板298と、これら各部の制御や前述の各種の抽選等を実施する遊技制御基板231とが設けられており、これらは図5に示すように接続され、前述の打球供給皿23に払い出されたパチンコ玉を使用して遊技を実施できるようになっている。
【0049】
尚、玉払出装置297には、カードユニット3内部に設けられて、該カードユニット3の動作制御を行う制御ユニット328に、フラットケーブル(FK)並びにインターフェイス基板237’を介して接続されており、該制御ユニット328からパチンコ玉の貸し出しに関する信号の授受が可能とされているとともに、制御ユニット328が、操作部14に設けられている返却ボタンスイッチ15、貸出ボタンスイッチ16、度数表示部17の制御を実施できるようになっている。
【0050】
本実施例の遊技制御基板231からは、払い出し条件成立玉数カウンタが所定数である10になったことに応じて賞球信号1が出力される。これら賞球信号1は、図5に示すように、情報出力基板298を中継して外部出力される。
【0051】
また、本実施例の賞球制御基板237からは、上記したように、玉払出装置297から払い出されたパチンコ玉が所定数である10玉になったことに応じて賞球信号2が出力される。これら賞球信号2は、図5に示すように、情報出力基板298を中継して外部出力される。
【0052】
情報出力基板298からは、図5に示すように、上記した賞球信号1や賞球信号2に加えて、大当り状態中であることを示す大当り信号1や、大当り状態或いは確率変動状態或いは時短状態のいずれかの状態であることを示す大当り信号2や、時短状態であるときにおいてのみ出力される時短信号とともに、演出可変表示部29における可変表示の表示が確定したことを示す始動信号、玉切れ状態であることを示す玉切れ信号、下皿24が満杯状態であることを示す下皿満杯信号が出力される。
【0053】
情報出力基板298は、図5に示すように信号ケーブル9を通じて台端末5に接続されており、該情報出力基板298から出力される各信号が、台端末5に入力されるようになっている。
【0054】
尚、信号ケーブル9の一部は、前述したアウト球計数器26(図2参照)にも接続されており、該アウト球計数器26において所定球数(本実施例では10玉)のアウト玉(打込玉)数が計数される毎に所定時間幅のパルスとして出力されるアウト玉計数信号が台端末5に入力されるようになっている。
【0055】
次に、本実施例の台端末5について以下に説明すると、本実施例の台端末5は、図1に示すように、4台のパチンコ機2に対して1台の台端末5が配置され、該4台のパチンコ機2等から出力される各信号を1台の台端末5にて収集し、該収集した4台のパチンコ機2に関する送信データを島端末6に送信するようになっている。
【0056】
また、これら島端末6には最大で44台の前記台端末5が接続可能とされていて、1台の島端末6にて、44(収集ユニット)×4(各台端末5に接続可能なパチンコ機2の台数)=176台のパチンコ機2の情報を所定期間毎(本実施例では約10秒に1回)に収集してホールコンピュータ140に送信するようになっており、ハブ7には最大10台の島端末6が接続可能とされていて、システム全体の総合計として176×10=1760台のパチンコ機2の情報を収集、管理できるようになっている。
【0057】
本実施例の台端末5の構成は、図6(a)に示すように、第1ポート581から第4ポート584までの4つのポートを有しており、該4つのポート581〜584にそれぞれパチンコ機2並びにカードユニット3が接続される。
【0058】
これら4つの各ポート581〜584は、台端末5の動作を制御するための制御マイコン(MPU)579に接続されており、該制御マイコン(MPU)579が各ポート581〜584における信号の入力の有無を検知することができるようになっている。
【0059】
また、制御マイコン(MPU)579には、該制御マイコン(MPU)579が実行する各種の制御を行うためのプログラムや当該台端末5のユニットIDや各ポート581〜584に接続されたパチンコ機2の台番号や、ホールコンピュータ140から送信される各ポートに接続されているパチンコ機2の台番号と賞球差数に関する閾値等の各種設定データ等が記憶された不揮発性のEEPROM576と、制御マイコン(MPU)579が実施する各種の制御処理における記憶に使用されるとともに、図7に示す遊技情報テーブルや後述する各ポート581〜584に対応した各種の賞球差数カウンタが記憶されるRAM575と、島端末6とのデータ通信を行うための通信部569が接続されており、該通信部569から、後述する遊技情報テーブルに集計された各遊技情報を含む、図6(b)に示す所定形式の送信データ構成とされた台遊技情報データを情報島端末6を介してホールコンピュータ140に送信することで、該台端末5が収集した遊技情報がホールコンピュータ140にて管理される。
【0060】
尚、制御マイコン(MPU)579は、各ポート581〜584毎、つまり、各パチンコ機2毎に後述する賞球差数カウンタ処理や判定タイマ監視処理等の各種制御処理を並行して実行するようになっているとともに、所定のタイマ値を設定することで、該設定したタイマ値の時間の経過を検知することが可能な内部タイマを有している。
【0061】
また、各ポート581〜584には、図6(a)において、ポート581に例示するように、8つの信号入力部581a〜581iが設けられており、信号入力部581a、581b、581c、581d、581e、581f、581g、581hにそれぞれ、パチンコ機2から出力される大当り信号1、大当り信号2、時短信号、始動(スタート)信号、賞球信号1、賞球信号2、玉切れ信号、下皿満杯信号が入力され、信号入力部581iにアウト球計数器26から出力されるアウト球計数信号が入力され、該信号入力部581a、581b、581c、581d、581e、581f、581g、581h、581iにおいて各信号の入力が検出されて信号検出に応じた出力が制御マイコン(MPU)579に出力されるようになっている。
【0062】
RAM575に記憶されている遊技情報テーブルには、図7に示すように、個々のポートに接続されているパチンコ機2毎に、各パチンコ機2から出力される前述した大当り信号1、大当り信号2、時短信号の入力状態に基づく現在の遊技状態と、最新の遊技状態データ(左のビットから順に信号入力部581a、信号入力部581b、信号入力部581cの入力状態、0:LOW/未接続、1:HIGH)、前回の遊技状態データ(最新の遊技状態データに更新される前の遊技状態データ)、アウト玉計数信号の入力毎に10が加算更新されて集計された営業開始時点からの総打込玉数、賞球信号2の入力毎に10が加算更新されて集計された払出総賞球数、総打込玉数から払出総賞球数を減じた差玉数、賞球信号1の入力毎に10が加算更新されて集計された入賞総賞球数、始動信号の入力毎に1が加算更新されて集計された総始動回数、大当り状態の発生が識別される毎にリセットされて大当りの発生後からの始動回数である大当り後始動回数、営業開始時点からの大当りの発生回数である大当り回数、営業開始時点からの確変状態の発生回数である確変回数と、営業開始時点からの時短状態の発生回数である時短回数とからなる遊技情報が格納されており、これら遊技情報は、各信号入力部への各信号の入力に応じて最新の情報に更新されるようになっており、これらのデータが、図6(b)に示すフォーマットにてホールコンピュータ140に送信される。
【0063】
尚、遊技状態データとしては、通常状態は「000」、大当り状態は「110」、確変状態は「010」、時短状態は「011」となる。
【0064】
また、RAM575には、各ポート581〜584における賞球信号1の入力毎に10が加算される一方、当該ポート581〜584における賞球信号2の入力毎に10が減算されることで、各ポート581〜584に接続された個々のパチンコ機2の入賞総賞球数と払出総賞球数との差をカウント可能な賞球差数カウンタが記憶されている。
【0065】
次に、本実施例に用いたホールコンピュータ140の構成について図8に基づいて説明すると、該ホールコンピュータ140は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス141に、島端末6受信した送信データに含まれる各パチンコ機2から収集した各遊技情報に基づいて、各パチンコ機2における遊技状態の判定処理や、台別遊技情報テーブル(図9参照)並びに台別遊技状態履歴テーブル(図10)の記憶データを更新する処理や、これら各情報テーブルのデータを表示する表示処理等を実施するCPU142、ワークメモリ等として使用されるRAM143、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC144、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置145、後述する賞球差数判定設定画面における設定対象台の選択受付けや補給種別の入力の受付け等を行うためのキーボードやマウス等の入力装置146、前記各情報テーブルのデータを表示出力するとともに、警告表示を行うための表示装置147や、前記各情報テーブルのデータを印刷出力するためのプリンタ148、各島端末6とのデータ通信を行う通信部149、が接続された通常のコンピュータである。
【0066】
台別遊技情報テーブルには、図9に示すように、遊技場内に設置されている各パチンコ機2の台番号に対応付けて、当該パチンコ機2における現時点の遊技状態、最新の遊技状態データ、前回の遊技状態データ、総打込玉数、払出総賞球数、差玉数、入賞総賞球数、総始動回数、営業開始時点からの大当り回数、営業開始時点からの確変回数と、営業開始時点からの時短回数等の台端末5にて集計されたデータとともに、払出総賞球数を総打込玉数にて除した百分率値であるベース(%)や、大当り中における入賞により払い出された賞球の合計である大当り中賞球総数や、大当り中において使用されたパチンコ玉の総数である大当り中打込総数や、大当り中賞球総数を大当り中打込総数で除した百分率値である大当り中ベース(%)や、時短状態(確変状態における時短状態も含む)における入賞により払い出された賞球の合計である時短中賞球総数や、時短状態(確変状態における時短状態も含む)において使用されたパチンコ玉の総数である時短中打込総数や、時短中賞球総数を時短中打込総数で除した百分率値である時短中ベース(%)や、営業開始から1回目の大当りまでの始動回数と各大当り間の始動回数が記憶されている。
【0067】
尚、大当り中賞球総数や大当り中打込総数、時短中賞球総数や時短中打込総数、大当り間始動回数については、図10に示す台別遊技状態履歴テーブルにおける当該台番号の遊技状態履歴のデータから集計される。具体的に、大当り中賞球総数は、台別遊技状態履歴テーブルにおける当該台番号の遊技状態履歴のうち、遊技状態が「大当り」に対応する「入賞賞球数」を合計することで集計され、大当り中打込総数は、台別遊技状態履歴テーブルにおける当該台番号の遊技状態履歴のうち、遊技状態が「大当り」に対応する「打込玉数」を合計することで集計される。
【0068】
また、時短中賞球総数は、台別遊技状態履歴テーブルにおける当該台番号の遊技状態履歴のうち、遊技状態が「時短」並びに「確変」に対応する「入賞賞球数」を合計することで集計され、時短中打込総数は、台別遊技状態履歴テーブルにおける当該台番号の遊技状態履歴のうち、遊技状態が「時短」並びに「確変」に対応する「打込玉数」を合計することで集計される。
【0069】
また、大当り間始動回数は、台別遊技状態履歴テーブルにおける当該台番号の遊技状態履歴のうち、各「大当り」の履歴に対応する「総スタート回数」から、その大当りの前の「大当り」の「総スタート回数」(初回の場合には「0」)を減算することで算出される。
【0070】
台別遊技状態履歴テーブルには、図10に示すように、各パチンコ機2の台番号に対応付けて、個々のパチンコ機において発生した当該営業日の営業開示時からの遊技状態の履歴と、該遊技状態の開始時のデータと該遊技状態中に発生したデータとが記憶されるようになっている。
【0071】
具体的には、各遊技状態(通常:通常遊技状態、大当り:大当り状態、確変:確率変動状態、時短:時短状態)、当該遊技状態の発生時刻、当該遊技状態の発生時点の総スタート回数、当該遊技状態の期間中のスタート回数、当該遊技状態の発生時点の総打込玉数、当該遊技状態の期間中の打込玉数、当該遊技状態の発生時点の払出総賞球数、当該遊技状態の期間中の払出賞球数、当該遊技状態の期間中の差玉(払出賞球数−打込玉数)、当該遊技状態の発生時点の入賞総賞球数、当該遊技状態の期間中の入賞賞球数からなる状態別データが、各パチンコ機2にて発生した順に格納されるようになっており、これら状態別データのうち最新の遊技状態の状態別データ(最も下方の状態別データ)が、台端末5から送信される送信データにより更新される。
【0072】
尚、各台端末5は、定期的な送信要求により図6(b)に示す送信データを送信するが、パチンコ機2の遊技状態が変化した場合には、該遊技状態が変化した時点において送信データを送信するので、台別遊技状態履歴テーブルにおける各状態別データの時刻は、各パチンコ機2で当該遊技状態が発生した時点の時刻が格納される。
【0073】
本実施例のホールコンピュータ140においては、所定の操作を実施することで、図11に示す賞球差数判定設定画面が表示されるようになっており、該賞球差数判定設定画面において、各台端末5において不具合や不正の有無判定(異常判定)を実施するために必要となる、判定を実施するタイミング並びに該タイミングにて判定に使用する差数の閾値(絶対値)を集中設定できるようになっている。
【0074】
この本実施例の賞球差数判定設定画面には、図11に示すように、画面上方位置に、設定対象とするパチンコ機を指定するための「設定対象台」の項目と、判定タイミング1〜3の項目とが設けられており、「設定対象台」の項目にて設定対象とするパチンコ機2を指定した後、該設定対象とするパチンコ機2について賞球差数による判定を実施するタイミングと閾値とを判定タイミング1〜3の項目において指定して、「設定」の選択入力部を選択入力して設定を行う。
【0075】
判定タイミング1〜3の項目には、図11に示すように、判定を実施する契機とする事象の事象選択部と、該事象選択部にて選択した事象が発生したことを契機として判定を行うまでの時間(秒数)を入力する時間入力部と、当該判定にて使用する閾値を入力する閾値入力部とが設けられている。
【0076】
事象選択部には、台端末5がパチンコ機2から出力される各信号等に基づいて発生を特定可能な複数の事象が予め選択可能にメニュー設定されており、事象選択部の「▽」表示を選択することで表示されるポップアップウインドウに表示される事象メニューの中から、所望する事象を選択すれば良い。
【0077】
時間入力部には、事象選択部にて選択した事象に対応した時間を入力すれば良い。例えば、事象選択部にて「大当り終了時」を選択した場合には、該大当り中において発生した入賞に対する賞球の払い出しがほぼ完了するには、比較的長い時間が必要とされることから、例えば30秒等の比較的長い時間を入力して設定すれば良い。この場合、閾値入力部には、大当りにおいては、可変入賞球装置36への入賞の状況が大きく変化する場合がある、つまり、開閉板40が開成に応じてほぼ均等に入賞が発生する状況や、大当りが終了する最後ラウンドの開閉板40の1の開閉において、多数のパチンコ玉が一気に流入する状況もあるので、これらの状況並びに時間入力部に入力した時間に応じた閾値、例えば、図11に示すように比較的多い50玉等の閾値を設定すれば良い。
【0078】
また、例えば、事象選択部にて「時短終了時」を選択した場合には、該時短では大当りに比較して入賞による賞球が少ないことから、該時短中に発生した入賞に対する賞球の払い出しが大当りよりも短い時間でほぼ完了すると考えられるので、大当りよりも短い時間、例えば、10秒等時間を入力して設定すれば良い。この場合、閾値入力部には、時短においては、大当りに比較して入賞の状況の変化度合いが小さいので、大当りの場合に比較して少ない10玉等の閾値を設定すれば良い。
【0079】
また、例えば、事象選択部にて「払出賞球数の最終変化」を選択した場合には、未払い出しの賞球の払い出しが全て完了して、払出賞球数の変化のない状態が継続する時間、つまり、払出賞球数の変化のない入賞総賞球数と払出総賞球数とが一致している状態とみなす時間を設定すれば良く、例えば、5秒等時間を入力して設定すれば良い。尚、この場合の閾値としては、入賞総賞球数と払出総賞球数とが一致している状態となると考えられることから、例えば、図11に示すように0玉等の閾値を設定すれば良い。
【0080】
そして、画面下方の「設定」の選択入力部を選択入力すると、設定対象として指定されたパチンコ機2が接続されている台端末5が特定され、特定された台端末5に対して、該賞球差数判定設定画面における設定内容である、判定タイミング1〜3の内容(判定事象、秒数、閾値)と台番号とを含む設定データが送信されることにより、後述するように、台端末5のEEPROM576に記憶されている設定データが更新記憶されることにより、これら設定内容が反映され、設定内容に基づく判定が実施される。
【0081】
以下、本実施例の台端末5において賞球差数エラーが判定される流れについて、図12、図13に示すフロー図に基づいて以下に説明する。
【0082】
台端末5の制御マイコン(MPU)579は、各ポートへの信号入力を監視しており、信号入力があった場合には、前述したように、遊技情報テーブルの遊技情報を更新する更新処理を実施するとともに、図12に示す賞球差数カウンタ処理を実施する。
【0083】
尚、賞球差数カウンタ処理は、前述したように、個々のポート581〜584毎に独立して実施される処理であり、以下の説明では、第1ポート581を例に説明するが、第2ポート582、第3ポート583、第4ポート584も同一である。
【0084】
本実施例の賞球差数カウンタ処理において制御マイコン(MPU)579は、まず、信号入力部581a,581b、581cにおける大当り信号1、大当り信号2、時短信号の入力状態により、該ポートに接続されているパチンコ機2の遊技状態が、大当り状態、または時短状態(確変状態を含む)に移行したか否かを判定する(ステップS1)。
【0085】
具体的に、大当り状態に移行したことは、前述したように、大当り信号1、大当り信号2、時短信号の入力状態が「100」に変化したことにより判定できる。また、時短状態に移行したことは、前述したように、大当り信号1、大当り信号2、時短信号の入力状態が「011」(確変状態の場合には「110」)に変化したことにより判定できる。尚、変化したか否かは、遊技情報テーブルの前回の遊技状態データとの比較により判定すれば良い。
【0086】
遊技状態が、大当り状態に移行した場合には、該ポートに対応する賞球差数カウンタ(大当り)をリセットし、時短状態(確変状態を含む)に移行した場合には、該ポートに対応する賞球差数カウンタ(時短)をリセットした後(ステップS2)、大当り状態に移行した場合には、集計中フラグ(大当り)をセットし、時短状態(確変状態を含む)に移行した場合には、集計中フラグ(時短)をセットして(ステップS3)、ステップS1に戻る。
【0087】
これらステップS3にて集計中フラグ(大当り)または集計中フラグ(時短)がセットされている場合、つまり、大当り状態または時短状態に移行した後においては、ステップS1で「No」と判定されてステップS4に進み、該ステップS4にて「Yes」と判定されることでステップS5に進んで、賞球信号1の入力があるか否かを判定する。
【0088】
賞球信号1の入力がある場合には、ステップS6に進んで、集計中フラグの種別(大当りまたは時短)に対応する賞球差数カウンタに10を加算してステップS7に進む一方、賞球信号1の入力がない場合には、ステップS6を経由せずにステップS7に進んで、賞球信号2の入力があるか否かを判定する。
【0089】
賞球信号2の入力がある場合には、ステップS8に進んで、集計中フラグの種別に対応する賞球差数カウンタから10を減算してステップS9に進む一方、賞球信号1の入力がない場合には、ステップS8を経由せずにステップS9に進んで、集計中フラグの種別に対応する判定タイミングであるか否かを判定する。
【0090】
判定タイミングは、前述したように、ホールコンピュータ140から送信されてEEPROM576に記憶されている設定データに基づいて、賞球差数判定設定画面にて設定された判定タイミングが特定されて、該判定タイミングとなっているか否かを判定する。
【0091】
具体的には、集計中フラグ(大当り)がセットされている場合には、大当り状態に対して設定されている判定タイミングである該大当りが終了した時点から30秒後の時間になったか否かを判定し、集計中フラグ(時短)がセットされている場合には、時短状態(確変状態)に対して設定されている判定タイミングである該時短状態(確変状態)が終了した時点から10秒後の時間になったか否かを判定する。
【0092】
尚、これら30秒や10秒の時間が経過したか否かは、信号入力部581a,581b、581cにおける大当り信号1、大当り信号2、時短信号の入力状態により、大当り状態または時短状態(確変状態)が終了したことを検知した時点において制御マイコン(MPU)579がセットする大当り後判定用タイマまたは時短後判定用タイマがタイマアップしたか否かにより特定される。
【0093】
つまり、制御マイコン(MPU)579は、信号入力部581a〜cに入力される大当り信号1、大当り信号2、時短信号の入力状態を監視して、該入力状態が、大当り状態を示す「100」から「100」以外の状態、例えば、「010」の確変状態や、「011」の時短状態に変化した場合には、大当り状態が終了したものと判定するとともに、信号入力部581a〜cの入力状態が、時短状態を示す「011」から「011」以外の状態、例えば、「000」の通常状態や「100」の大当り状態に変化した場合には、時短状態が終了したものと判定して、各判定用タイマを設定する。
【0094】
判定タイミングでない場合には、ステップS9において「No」と判定されてステップS1に戻る一方、判定タイミングである場合には、ステップS10に進んで、セットされている集計中フラグの種別に該当する異常判定閾値を特定する。
【0095】
具体的には、集計中フラグ(大当り)がセットされている場合には、設定データにおいて、大当り状態に対して設定されている異常判定閾値である50を特定し、集計中フラグ(時短)がセットされている場合には、時短状態(確変状態)に対して設定されている異常判定閾値である10を特定する。
【0096】
そして、セットされている集計中フラグの種別に該当する賞球差数カウンタの値が、ステップS10にて特定した異常判定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS11)。
【0097】
つまり、集計中フラグ(大当り)がセットされている場合には、賞球差数カウンタ(大当り)のカウンタ値が50以上であるか否かを判定し、集計中フラグ(時短)がセットされている場合には、賞球差数カウンタ(時短)のカウンタ値が10以上であるか否を判定する。
【0098】
尚、該判定においては、賞球差数カウンタが+50や+10以上である場合だけではなく、賞球差数カウンタが−50や−10以上である場合についても異常判定閾値以上であると判定する。
【0099】
カウンタ値が異常判定閾値以上である場合には、ステップS12に進んで、該カウンタ値と当該ポートに接続されているパチンコ機2の台番号とを含む賞球差数エラー通知をホールコンピュータ140に対して送信した後、ステップS13に進む一方、カウンタ値が異常判定閾値以上でない場合、つまりカウンタ値が異常判定閾値の範囲内である場合には、ステップS12を経由することなくステップS13に進む。
【0100】
尚、図12に明示していないが、本実施例のステップS12においては、玉切れ信号や下皿満杯信号が入力中であるか否かを判定し、玉切れ信号や下皿満杯信号が入力中である場合には、パチンコ機2において玉切れ状態や下皿24が満杯の状態となっていることで、遊技球の払い出しが不能であるために賞球差数が大きくなって異常判定されたものと判断できるので、これら玉切れ信号や下皿満杯信号が入力中である旨を含む賞球差数エラー通知をホールコンピュータ140に対して送信し、玉切れ信号や下皿満杯信号が入力中でない場合には、これら玉切れ信号や下皿満杯信号が入力中である旨を含まない賞球差数エラー通知をホールコンピュータ140に対して送信する。尚、後述するステップSt14、ステップSk8でも、ステップS12を同じ賞球差数エラー通知が送信される。
【0101】
ステップS13では、セットされている集計中フラグをリセットした後、ステップS1に戻る。
【0102】
このように、ステップS12において、玉切れ信号や下皿満杯信号が入力中である旨を含まない賞球差数エラー通知が、ホールコンピュータ140に対して送信された場合には、ホールコンピュータ140において図14に示すように、該賞球差数エラー通知に含まれる台番号と、賞球差数異常の発生メッセージとを含む警告画面が、表示装置147に表示されることで、賞球差数異常が表示されている台番号のパチンコ機2で発生したことが報知される。
【0103】
また、玉切れ信号や下皿満杯信号が入力中である旨を含む賞球差数エラー通知が、ホールコンピュータ140に対して送信された場合には、図14に示す警告画面ではなく、玉切れ若しくは下皿24が満杯により賞球差数が閾値を超えている旨のメッセージテロップが、表示装置147の表示画面の下方にスクロール表示されて報知される。
【0104】
尚、本実施例の警告画面には、図14に示すように、「データ表示」の入力部が設けられており、該「データ表示」の入力部を入力することで、図15に示すように、受信した賞球差数エラー通知に含まれる賞球差数と、台別遊技情報テーブルに集計されている当該パチンコ機2の入賞総賞球数と払出総賞球数のデータが表示されるようになっており、賞球差数がどの程度であるのかや、入賞総賞球数と払出総賞球数のどちらが少ない状態であるのかを、迅速に把握できるようになっている。
【0105】
そして、これらのデータとともに、図15に示すように、台データの賞球を入賞総賞球数に切り替えるか切り替えないかの選択入力部も表示されるようになっており、台データ、具体的には、各種のベースや差玉等の台データの対象とする賞球を、入賞総賞球数に切り替えることができるようになっている。
【0106】
つまり、図15に示す画面において「切り替える」を選択した場合にホールコンピュータ140は、当該台番号のパチンコ機の台別遊技情報テーブルにおける各種のベースや差玉に関しては、払出総賞球数ではなく入賞総賞球数を使用して算出する。
【0107】
すなわち、例えば、パチンコ機2で玉切れ等が発生していることを遊技者が気付かずに遊技を終了して獲得したパチンコ玉を計数した場合には、入賞総賞球数よりも払出総賞球数が少なくなってしまう状況が発生する可能性があるので、通常においては、遊技場内に設置された図示しない玉計数器(ジェットカウンタ)にて計数されたパチンコ玉数との突き合わせを容易とするために、遊技者に実際に払い出された玉数となる払出総賞球数を使用して台データを算出するが、賞球信号2の信号線が抜け落ちてしまい、払出総賞球数を全く集計できなくなって賞球差数が発生した場合には、台データに使用する賞球を通常において使用している払出総賞球数から入賞総賞球数に変更することで、当該パチンコ機2における遊技者の遊技を中断させることなく、これら台データが全く管理不能となってしまうことを回避することができる。
【0108】
次に、本実施例の判定タイマ監視処理について説明する。尚、判定タイマ監視処理について使用する判定用タイマには、EEPROM576に記憶されている設定データに基づいて、払出賞球数の最終変化に対応する期間である「5秒」が、台端末5の起動処理において予めセットされている。
【0109】
また、以下の説明では、賞球差数カウンタ処理と同じく、第1ポート581を例に説明するが、第2ポート582、第3ポート583、第4ポート584も同一である。
【0110】
本実施例の判定タイマ監視処理において制御マイコン(MPU)579は、図13に示すように、まず、判定用タイマがタイマアップしたか否か(St1)、賞球信号1の入力が有ったか否か(St2)を監視する。
【0111】
ステップSt1とステップSt2の監視状態で賞球信号2の入力が有った場合には、ステップSt15に進んで、判定用タイマをリセットする。つまり、賞球信号2の入力が有る毎に判定用タイマがリセットされることで、最後(直近)の賞球信号2の入力があった時点からの経過時間がカウントされることになる。
【0112】
そして、該リセットされた判定用タイマがタイマアップした場合、つまり、最後(直近)の賞球信号2の入力があった時点からの経過時間が5秒となった場合には、該判定用タイマのタイマアップがSt1にて検知されてSt11に進み、その時点において遊技情報テーブルの当該第1ポート581に対応付けて記憶されている、入賞総賞球数と払出総賞球数との賞球差数(入賞総賞球数−払出総賞球数)を算出する。
【0113】
次に、該判定用タイマに対応する異常判定閾値、具体的には、払出賞球数の最終変化に対応する異常判定閾値である「0」を、EEPROM576に記憶されている設定データから特定する(ステップSt12)。
【0114】
そして、ステップSt11にて算出した賞球差数が、ステップSt12にて特定した異常判定閾値以上であるか否かを判定する(ステップSt13)。
【0115】
尚、該判定においては、算出した賞球差数が0以外、つまり、正の値ではなく負の値であっても異常判定閾値以上であると判定する。
【0116】
算出した賞球差数が異常判定閾値以上である場合には、ステップSt14に進んで、該賞球差数と当該ポートに接続されているパチンコ機2の台番号とを含む賞球差数エラー通知をホールコンピュータ140に対して送信した後、ステップSt15に進む一方、算出した賞球差数が異常判定閾値以上でない場合、つまり賞球差数が0(入賞総賞球数と払出総賞球数とが同一)である場合には、ステップSt14を経由することなくステップSt15に進んで、判定用タイマをリセットする。
【0117】
このように、ステップSt14おいて賞球差数エラー通知が、ホールコンピュータ140に対して送信されることで、前述したステップS12における賞球差数エラー通知と同じく、ホールコンピュータ140において図14に示す警告画面が表示されることで、賞球差数異常が発生したことが報知される。
【0118】
尚、本実施例では、ステップSt14においては、賞球差数エラー送信済フラグがセットされていないことを条件に賞球差数エラー通知がホールコンピュータ140に送信され、賞球差数エラー通知が送信された場合には、賞球差数エラー送信済フラグがセットされることで、賞球差数エラー通知が繰返しホールコンピュータ140に送信されて、ホールコンピュータ140において警告画面が繰返し表示されてしまうことがないようになっている。尚、これら賞球差数エラー送信済フラグは、ホールコンピュータ140からのリセット指示によりリセットされる。
【0119】
以上、本実施例によれば、集計手段を構成する賞球差数カウンタにより集計された値(賞球差数)が所定の異常判定閾値以上であるか否かの判定が、大当り終了時や時短終了時を契機する所定のタイミングや、賞球信号2の最後の入力を契機とする所定のタイミングにおいてのみ実施されるので、これら賞球差数が所定の異常判定閾値以上であると頻繁に判定されて、不正や不具合の把握精度が低下してしまうことを回避できるとともに、これらの判定を常時実施する場合に比較して、該判定に伴う台端末5の処理負荷を低減することができる。
【0120】
つまり、入賞が発生している場合においては、賞球信号1による入賞総賞球数と賞球信号2による払出総賞球数とが異なっている状態となっていることが多いところ、これら各賞球の差数が所定の異常判定閾値以上であるか否かを常時判定してしまうと、異常な状態が発生していなくても異常判定閾値以上であると頻繁に判定されて、ホールコンピュータ140において警告表示が頻繁に表示されてしまうことにより、実際に不正や不具合が発生したのか、或いはそうではないのかを判断できなくなってしまい、不正や不具合の把握精度が低下してしまうことを回避できる。
【0121】
尚、本実施例では、これらの賞球差数による判定を、4台のパチンコ機2に対応して設けられた台端末4にて実施することで、これらの判定に要する処理負荷を分散することで、ホールコンピュータ140の処理負荷を低減できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら各パチンコ機2に関する賞球差数による判定を、ホールコンピュータにおいて集中して実施するようにしても良く、この場合には、本発明のように、該判定を所定のタイミングにおいてのみ実施することで、該判定に要するホールコンピュータ140の処理負荷を著しく低減することができる。
【0122】
また、賞球差数による判定によって把握できる不正としては、例えば、遊技制御基板231から賞球制御基板237への信号線に、不正な信号を賞球制御基板237に入力して賞球の払い出しを実施させるぶら下がり基板による不正(入賞総賞球数よりも払出総賞球数が著しく多くなる)や、賞球信号2の断線や抜け落ち等の不具合(入賞総賞球数よりも払出総賞球数が著しく少なくなる)を把握することができる。
【0123】
また、本実施例によれば、大当り状態や時短状態(確変状態を含む)等の遊技者にとって有利な有利遊技状態の終了を契機としたタイミングにて判定を実施するので、これら有利遊技状態に乗じて行われる不正、具体的には、有利遊技状態において払出指示が実施されているときに、指示よりも多くの遊技球を払い出させることで、入賞もしていないのに遊技球が払い出されて不正が検知されてしまうことが回避されたとしても、これらの不正を的確に把握することができる。
【0124】
また、本実施例によれば、判定タイマ監視処理により、最後の賞球信号2が入力されてからの経過期間が所定時間に達したことを検知したことを契機とする予め定められたタイミング、つまり、入賞による遊技球の払い出しが完了することで、入賞総賞球数と払出総賞球数との賞球差数が少なくなるタイミングにおいて判定を実施するので、賞球差数の変動による判定への影響を低減できるため、判定の精度を高めることができる。
【0125】
また、本実施例によれば、個々の判定タイミングにて、各判定タイミングに対して設定された異なる閾値、例えば、大当り終了後の判定タイミングについては「50」、時短終了後の判定タイミングについては「10」、最後の賞球信号2の入力後の判定タイミングについては「0」により判定を実施するので、各タイミングに対応した的確な判定を実施できる。
【0126】
また、本実施例によれば、各種ベースや差玉数等の台データについては、遊技機において実際に払い出された遊技媒体数の総数となる、賞球信号2(払出済情報)に基づく払出総賞球数(総払出遊技媒体数)を使用するので、これら各パチンコ機2の払出総賞球数の合計値と、獲得されたパチンコ玉を計数する玉計数器(ジェットカウンタ)において計数されたパチンコ玉数の合計値とは、原則的に同一であることから、これらの対比を簡便に実施することができる。
【0127】
また、本実施例によれば、図15に示すように、各種ベースや差玉数等の台データに使用する賞球数を、賞球信号2(払出済情報)に基づく払出総賞球数から、賞球信号1に基づく入賞総賞球数に変更することが可能であるので、例えば、信号線の断線や抜け落ちによって賞球信号2(払出済情報)の入力に異常が発生しても、各種ベースや差玉数等の台データに使用する賞球数並びに台データの集計を継続できる。
【0128】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0129】
例えば、前記実施例では、賞球差数カウンタにおける賞球信号1による加算並びに賞球信号2による減算とに基づく集計を、大当り状態や時短状態(確変状態を含む)となったときに実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら賞球差数カウンタにおける集計を、大当り状態や時短状態に係わらずに、常に実施するようにしても良い。
【0130】
また、前記実施例では、賞球差数を容易に特定できるように賞球差数カウンタを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、判定用タイマがタイマアップした場合におけるステップSt11に示すように、その時点において遊技情報テーブルに記憶されている、入賞総賞球数と払出総賞球数とから算出するようにしても良い。尚、この場合にあっては、入賞総賞球数を常に集計するのではなく、大当り状態や時短状態(確変状態を含む)となったときに入賞総賞球数の集計を開始するとともに、その時点の払出総賞球数を記憶しておき、判定タイミングとなった時点における払出総賞球数と入賞総賞球数の集計開始時の払出総賞球数の差から、当該入賞総賞球数の集計期間における払出総賞球数を特定し、該特定した払出総賞球数と、集計した入賞総賞球数との差から、判定タイミングにおける賞球差数を算出するようにしても良い。
【0131】
また、前記実施例では、大当り状態や時短状態が終了したことを契機とするタイミングや、最後(直近)の賞球信号2の入力があったことを契機とするタイミングにおいて、賞球差数が異常判定閾値以上であるか否かを判定するようにしていが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのタイミング以外の判定タイミングにおいて判定を実施しても良い。
【0132】
例えば、これら判定タイミングとして、台端末5の制御マイコン(MPU)579が、単位時間(例えば、3秒)当りに入力される賞球信号2から、単位時間当りに払い出された賞球数を特定する単位時間賞球数特定処理を実施し、該単位時間賞球数特定処理にて特定した賞球数の変化が、予め設定されている規定値P以上となった場合、つまり、所定の単位期間あたりに払い出された賞球数の変化に関する条件が成立したときに、該時点から所定秒数、例えば、大当り状態において可変入賞球装置36が開成して入賞し易いことで単位時間当りの賞球数が多い状態から大当りが終了した場合には入賞がし難くなることにより単位時間当りの賞球数が少なくなることで、単位時間当りの賞球数が変化した場合や、時短状態において始動入賞しやすいことで単位時間当りの賞球数が多いが、時短状態が終了した場合には、始動入賞がし難くなることにより単位時間当りの賞球数が少なくなることで、単位時間当りの賞球数が変化した場合等において、これら単位時間当りの賞球数の変化を検知した時点から10秒(所定秒数)が経過した時点において、前述したステップSt11〜St14の処理を実施して、賞球差数が異常判定閾値以上であるか否かを判定するようにしても良く、このようにすることにより、多くの遊技媒体が短期間に払い出される大当りや、通常状態よりも単位時間内に多くの遊技媒体が払い出される時短状態等の遊技状態が終了した時点を特定して判定を実施できるようになるので、終了した遊技状態に乗じた不正を的確に把握することができる。
【0133】
また、その他の判定タイミングとして、玉切れ信号や下皿満杯信号の入力が無くなってから所定の時間が経過したタイミングにおいて、玉切れ後判定や満杯解消後判定に対応した異常判定閾値による判定を実施しても良い。
【0134】
また、その他の判定タイミングとして、図16に示す賞球数監視処理を各ポート毎に実施して、入賞総賞球数と払出総賞球数との不一致が所定期間(所定回数)となったときに、差数が異常判定閾値以上であるか否かを判定するようにしても良い。
【0135】
具体的には、図16に示すように、入賞総賞球数と払出総賞球数とを比較するための監視用タイマがタイマアップしたか否かを判定する(ステップSk1)。尚、これら監視用タイマには、予め入賞総賞球数と払出総賞球数との比較を実施する適切な時間間隔を設定しておけば良い。
【0136】
監視用タイマがタイマアップしていない場合には、ステップSk1に戻り、タイマアップしている場合には、ステップSk2に進んで、入賞総賞球数と払出総賞球数とが一致するか否かを判定する。
【0137】
入賞総賞球数と払出総賞球数とが一致する場合には、ステップSk9に進む一方、入賞総賞球数と払出総賞球数とが一致しない場合には、ステップSk3に進んで、不一致カウンタに1を加算する。尚、不一致カウンタは、賞球差数カウンタと同様に、RAM575内の所定領域に、各ポート毎に設ければ良い。
【0138】
そして、加算後の不一致カウンタの値が予め定められた規定値、例えば3に達しているか否かを判定する。尚、これら規定値は3回に限定されず、その他の値を使用しても良い。
【0139】
不一致カウンタの値が規定値に達していない場合には、ステップSk10に進む一方、不一致カウンタの値が規定値に達している場合には、ステップSk5に進み、その時点において遊技情報テーブルの、例えば、第1ポート581に対応付けて記憶されている、入賞総賞球数と払出総賞球数との賞球差数(入賞総賞球数−払出総賞球数)を算出する。
【0140】
次に、該判定に対応する異常判定閾値、具体的には、判定条件である不一致回数が規定回数になったことに対応する異常判定閾値「N」を、EEPROM576に記憶されている設定データから特定する(ステップSk6)。
【0141】
そして、ステップSk5にて算出した賞球差数が、ステップSk6にて特定した異常判定閾値以上であるか否かを判定する(ステップSk7)。
【0142】
算出した賞球差数が異常判定閾値以上である場合には、ステップSk8に進んで、該賞球差数と当該ポートに接続されているパチンコ機2の台番号とを含む賞球差数エラー通知をホールコンピュータ140に対して送信した後、ステップSk9に進む一方、算出した賞球差数が異常判定閾値以上でない場合には、ステップSk8を経由することなくステップSk9に進んで、不一致カウンタをリセットする。
【0143】
そして、ステップSk10において監視定用タイマをリセットしてSk1に戻るようにすれば良い。
【0144】
このようにすることにより、不一致と判定された回数(期間)が所定回数(期間)以上となった場合に限り賞球差数が異常判定閾値以上であるか否かの判定が実施されるので、賞球差数が存在する状況下において異常判定閾値による判定をタイムリーに実施でき、賞球差数が存在しない状況下において無駄に判定が実施されてしまうことを回避できるので、これら無駄な判定に伴う処理負荷を削減することができる。
【0145】
また、前記実施例では、玉切れ信号や下皿満杯信号の入力があるときにも、賞球差数エラー通知を送信するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら玉切れ信号や下皿満杯信号の入力がある場合には、賞球差数エラー通知の送信を留保し、該玉切れ信号や下皿満杯信号の入力がなくなった後の所定のタイミングにて再度判定を実施して、該判定において異常判定閾値異常であると再度判定された場合において賞球差数エラー通知の送信するようにしても良い。
【0146】
また、前記実施例では、図13においては、判定用タイマがタイマアップした時点、図16においては、不一致カウンタが規定値に達した時点において判定を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら判定用タイマがタイマアップした時点や不一致カウンタが規定値に達した時点を契機とした所定期間後(例えば3秒後)に判定を実施するようにしても良い。
【0147】
また、前記実施例では、有利遊技状態の終了を契機とする予め定められたタイミングとして、玉払出装置297においてパチンコ玉を払い出すための時間を考慮して大当り状態や時短状態が終了した時点を契機とした30秒後や10秒後に判定を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理対象のパチンコ機2から、大当り信号1や時短信号の出力が終了するタイミングが比較的遅く、玉払出装置297においてパチンコ玉を払い出すための時間が大当り状態の終了時や時短状態の終了時における演出等により十分に確保されている場合には、これら30秒後や10秒を0秒として、大当り状態や時短状態が終了したと特定した時点において、判定を実施するようにしても良い。つまり、本発明における有利遊技状態の終了を契機とする予め定められたタイミングには、有利遊技状態の終了時点が含まれる。
【0148】
また、前記実施例では、図15に示すように、ホールコンピュータ140において、操作者が「切り替える」の選択入力部を選択することにより、台データの算出に使用する賞球数を払出総賞球数から入賞総賞球数へ変更するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、賞球信号2の入力が無いが賞球信号1の入力が有る状態であるか否かを、賞球信号2の入力による払出総賞球数の変化が無く、賞球信号1の入力による入賞総賞球数の変化があることに基づいてホールコンピュータ140が特定し、該特定に応じてホールコンピュータ140が、台データの算出に使用する賞球数を払出総賞球数から入賞総賞球数へ自動的に切り替えるようにしても良い。
【0149】
また、前記実施例では、遊技状態判別手段として、台端末5の制御マイコン(MPU)579が大当り信号1や大当り信号2や時短信号の入力状態によりパチンコ機2の遊技状態を判別する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、単位時間(1秒)当たりの賞球数が、大当りに対応する所定の判定値以上となったことにより大当り状態であると判定し、該判定の後に判定値未満となったことにより該大当り状態の終了と判定するように、大当り信号1や大当り信号2や時短信号を用いずに遊技機の遊技状態を判別するものであっても良い。
【0150】
また、前記実施例では、閾値を絶対値として取り扱うことで、賞球差数が正の閾値以上となった場合とともに、負の閾値以上となった場合にも異常と判定するように、正負の場合に同じ閾値を使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、正の閾値として50を入力する一方、通常においては賞球差数がマイナスになることはないので、賞球信号2の異常を示す負の閾値としては、正の閾値よりも小さい閾値である例えば0や10を設定できるようにし、これら正の閾値とは個別に設定された負の閾値による判定を実施するようにしても良い。
【符号の説明】
【0151】
2 パチンコ機
3 カードユニット
5 台端末
6 島端末
23 供給管
25 供給玉計数器
140 ホールコンピュータ
147 表示装置
237 賞球制御基板
328 制御ユニット
581 ポート
582 ポート
583 ポート
584 ポート
579 制御マイコン(MPU)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を用いた所定の遊技を実施可能であり、所定の払出条件が成立したことにもとづいて遊技媒体を払い出す遊技機に関する情報を管理する遊技用管理装置であって、
前記払出条件が成立したことに応じて前記遊技機から出力される情報であって、該払出条件が成立することにより払い出す遊技媒体数を特定可能な払出条件成立情報と、前記払出条件が成立したことによる遊技媒体数が払い出されたことに応じて前記遊技機から出力される情報であって、該払い出された遊技媒体数を特定可能な払出済情報と、を入力するための情報入力手段と、
前記払出条件成立情報から特定される遊技媒体数の合計と該所定期間における前記払出済情報から特定される遊技媒体数の合計との差数を算出し、該算出した差数が、所定の閾値以上であるか否かを、所定のタイミングにて判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記差数が所定の閾値以上であると判定されたことを条件に所定の報知を行う報知手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技用管理装置。
【請求項2】
遊技媒体を用いた所定の遊技を実施可能であり、所定の払出条件が成立したことにもとづいて遊技媒体を払い出す遊技機に関する情報を管理する遊技用管理装置であって、
前記払出条件が成立したことに応じて前記遊技機から出力される情報であって、該払出条件が成立することにより払い出す遊技媒体数を特定可能な払出条件成立情報と、前記払出条件が成立したことによる遊技媒体数が払い出されたことに応じて前記遊技機から出力される情報であって、該払い出された遊技媒体数を特定可能な払出済情報と、を入力するための情報入力手段と、
前記遊技機の遊技状態を判別する遊技状態判別手段と、
前記遊技状態判別手段により判別した遊技状態が所定の遊技状態であることに応じて、前記払出条件成立情報から特定される遊技媒体数の合計と該所定期間における前記払出済情報から特定される遊技媒体数の合計との差数の算出を開始し、該算出した差数が、所定の閾値以上であるか否かを、前記遊技状態判別手段により判別した該所定の遊技状態に基づく所定のタイミングにて判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記差数が所定の閾値以上であると判定されたことを条件に所定の報知を行う報知手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技用管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−102961(P2013−102961A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248840(P2011−248840)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】