説明

遊技盤成形金型及び遊技盤の成形方法。

【課題】 合成樹脂製の遊技盤を成形するための金型の製造コストを低減する。
【解決手段】 成形金型1は、表示装置の画面を臨ませるための表示窓12が設けられた遊技盤10を成形するための金型であって、表示窓12を形成するための駒4を交換可能である。表示窓12の形状は機種毎に異なるが、遊技盤10の外形形状は、同じ遊技機メーカーのものであれば機種毎では異ならない。成形金型1は駒4を交換可能であるから、A社の遊技盤10の外形形状に合わせて固定型2及び可動型3を製造しておいて、表示窓12を形成するための駒4を機種毎に変更すれば、A社の遊技盤10については機種毎に駒4を製造するとしても、機種毎に固定型2及び可動型3を製造する必要がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機の技術分野に属し、詳細には弾球遊技機に装着される遊技盤に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の弾球遊技機は、入賞装置及び遊技釘が取り付けられた遊技盤を必須としている。
合成樹脂製の遊技盤を製造する方法としては、射出成形(例えば特開平11−156006号公報;特許文献1)や押出成形した合成樹脂板に切削加工を施す方法(例えば特開2005−312471号公報;特許文献2)が知られている。
【特許文献1】特開平11−156006号公報
【特許文献2】特開2005−312471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献2の方法では、入賞装置等を取り付けるための貫通孔を形成するために、例えばルータ加工装置を用いて合成樹脂板を切削するので、材料の歩留まりが良くないという問題があった。
【0004】
一方、特許文献1の方法は材料の歩留まりでは有利であるが、弾球遊技機の機種毎に金型を製造しなければならないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の遊技盤成形金型は、表示装置の画面を臨ませるための開口が設けられた遊技盤を成形するための金型であって、前記開口を形成するための駒を交換可能であることを特徴とする。
【0006】
表示装置の画面を臨ませるために遊技盤に設けられる開口の形状は、弾球遊技機の機種毎に異なるのが普通である。一方、遊技盤の外形形状は、遊技機メーカー毎に異なることがあっても、同じ遊技機メーカーのものであれば機種毎では異ならない(同じである)。
【0007】
請求項1記載の遊技盤成形金型は、表示装置の画面を臨ませるための開口を形成するための駒を交換可能であるから、例えばA社の遊技盤の外形形状に合わせて金型を製造しておいて、表示装置の画面を臨ませるための開口を形成するための駒を機種毎に変更すればよく、このA社の遊技盤については機種毎に駒を製造するとしても、機種毎に金型を製造する必要がなくなる。
【0008】
請求項2記載の遊技盤の成形方法は、表示装置の画面を臨ませるための開口が設けられた遊技盤を金型内で成形するにあたって、前記開口を形成するための駒を交換可能な前記金型を使用し、前記形成される開口の形状に対応した形状の前記駒が取り付けられた前記金型内に溶融状態の合成樹脂を充填して固化させることを特徴とする。
【0009】
この成形方法で使用される金型は請求項1記載の遊技盤成形金型であるから、上述した通りの効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施例等により発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は下記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
[実施例]
図1に示すように、成形金型1は固定型2と可動型3とで構成される。なお、図1は成形金型1の概要を模式的に示しており(図1(a)は開型状態、図1(b)は閉型状態)、ゲート、エジェクタピン等の詳細構造は図示を省略してある。
【0011】
可動型3には駒4が取り付けられる。
駒4は、可動型3の本体部3aに設けられた駒嵌着部5に駒4の嵌着凸部6を嵌合させてあり、嵌着凸部6と可動型3の本体部3aとは図示しない連結ピンにて連結されている。この連結ピンは抜き差しが可能で、連結ピンを嵌着凸部6から抜き取れば駒4を可動型3の本体部3aから駒4を取り外すことができる。つまり、駒4を着脱、交換可能になっている。
【0012】
この成形金型1は、図3、4に例示するような、遊技盤10の成形に用いられるものであって、駒4は遊技盤10に設けられる表示窓12(図示しない表示装置の画面100を臨ませるための開口)を形成するために成形金型1に装着される。従って、駒4の実効部7の外周形状は表示窓12の内周形状に対応している。
【0013】
この成形金型1を閉型して、固定型2と可動型3との間に形成されたキャビティ8に溶融状態の合成樹脂を射出、充填して冷却、固化させれば、図2に例示するように遊技盤10の外形で表示窓12が設けられた元板10aが成形される。 但し、図3に示すとおり、この元板10aには、入賞装置等のための開口は形成されていない。このため、元板10aを成形金型1から取り出した後に、機械加工によって入賞装置等のための開口13a、14a、15a、16aや、アウト穴17を形成して、図3に示す遊技盤10とする。また、同じく機械加工にて遊技釘等を打ち付けるための下穴及び入賞装置等を取り付けるためのビス用の下穴(いずれも図示略)も形成する。
【0014】
次に、その遊技盤10に図4に示される遊技釘18及び風車19を打ち付け、またガイドレール20のレールピン20aを打ち付ける。
そして、開口13aを用いてチューリップ式の可変入賞装置21と始動入賞口22とを備える複合入賞装置13を、開口14aを用いて通過口14を、開口15a、16aを用いて普通入賞口15とアタッカー式の大入賞口16とが共通のベース板23に組み付けられた入賞口ユニット24をそれぞれ取り付ける。また、表示窓12の上辺沿いのガード庇25や表示窓12の下辺沿いの窓下装飾材26も取り付ける。
【0015】
こうして、図4に示すとおりの遊技盤10が完成する。なお、遊技盤10の背後には、その画面を表示窓12に臨ませて表示装置(図示略)が装着される。
本実施例の成形金型1は、表示装置の画面を臨ませるための表示窓12が設けられた遊技盤10を成形するための金型であって、表示窓12を形成するための駒4を交換可能である。
【0016】
表示窓12の形状は、弾球遊技機の機種毎に異なるのが普通であるが、遊技盤10の外形形状は、遊技機メーカー毎に異なることがあっても、同じ遊技機メーカーのものであれば機種毎では異ならない(同じである)。
【0017】
成形金型1は駒4を交換可能であるから、例えばA社の遊技盤10の外形形状に合わせて固定型2及び可動型3を製造しておいて、表示窓12を形成するための駒4を機種毎に変更すればよく、このA社の遊技盤10については機種毎に駒4を製造するとしても、機種毎に固定型2及び可動型3を製造する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例の成形金型の概要説明図。
【図2】実施例の成形金型によって成形される元板の正面図。
【図3】実施例の遊技盤(部品装着前)の正面図。
【図4】実施例の遊技盤(部品装着後)の正面図。
【符号の説明】
【0019】
1・・・成形金型、
2・・・固定型、
3・・・可動型、
4・・・駒、
10・・・遊技盤、
10a・・・元板、
12・・・表示窓。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の画面を臨ませるための開口が設けられた遊技盤を成形するための金型であって、前記開口を形成するための駒を交換可能である
ことを特徴とする遊技盤成形金型。
【請求項2】
表示装置の画面を臨ませるための開口が設けられた遊技盤を金型内で成形するにあたって、
前記開口を形成するための駒を交換可能な前記金型を使用し、
前記形成される開口の形状に対応した形状の前記駒が取り付けられた前記金型内に溶融状態の合成樹脂を充填して固化させる
ことを特徴とする遊技盤の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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