説明

遊技装置

【課題】 大当りやボーナスなどの当り状態に至るまでに遊技機に投じた投資金額に対応する所定の報知演出を遊技機の当り状態中に行うとともに、当りの連続回数に対応する所定の報知演出を遊技機の当り状態中以外の遊技状態において行う遊技装置を提供する。
【解決手段】 投入信号と払出信号の受信ごとに投入数と払出数をそれぞれ累計するとともに、投入数の累計値から払出数の累計値を減算した差分が、所定の単価あたりの貸し出し可能な遊技媒体数を示す貸出単位数以上になると(S4)、単価を投資金額に加算して記憶し(S5)、遊技資金を投じる遊技状態から当り状態への遊技状態の遷移を示す当り信号を受信したときの投資金額(S12)に対応する報知パターン(S14)に従った報知を行う構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、併設される遊技機に関する所定の情報を報知する報知手段を備える遊技装置に関し、特に、大当りやボーナスなどの当りに至るまでに投じた遊技資金を報知する遊技装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシン、パチンコ機などの遊技機に併設され、遊技機に関する所定の情報を報知する報知手段を備える遊技装置が知られている。
このような遊技装置として、遊技機の上方に配置されるとともに、LEDや液晶表示器などの表示手段、音声や効果音などをスピーカから発する音出力手段などの報知手段を備え、これらの報知手段を駆動することにより、大当りやボーナスなどの遊技機の当り状態を所定の態様(例えば、LEDの点滅)で報知したり、当り状態の発生回数や当り状態になるまでに費やしたゲーム回数を所定の態様(例えば、液晶表示器に文字表示)で報知したりする遊技装置がある(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
また、特許文献2記載の遊技装置は、スロットマシンでボーナスが終了してから次のボーナスが発生するまでの間のゲーム回数が所定回数以内の場合は、ボーナスの当選が連続する連チャン状態であると判定し、連チャン状態の開始から終了するまでの時間を測定するとともに、所定の表示手段に連チャン回数と連チャン時間を表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−155056号公報
【特許文献2】特開2001−340617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技者同士には、少ない投資でどちらが早く大当りやボーナスなどの当り(以下、単に当りという)を発生させるかを競う競争心が働いている。
このような競争心から、その当りがどの位の遊技資金を投じた結果得たものなのかが周囲の遊技者の最も知りたい関心事となっている。
しかしながら、前述したような所定ゲーム回数以内の当りを連チャンと判定する遊技装置では、前回の当りから今回の当りまでに費やしたゲーム回数を知ることができるものの、当りに至るまでに投じた投資金額までは知ることができなかった。
【0006】
特に、当りに至るまでに投じた投資金額は、遊技機の特性に応じて異なり、例えば、ベース(遊技媒体の投入数に対する払出数の割合)が低い遊技機は、1ゲーム当りに投じる投資金額が多くなり、ベースが高い遊技機は、1ゲーム当りに投じる投資金額が少なくなることから、ゲーム回数から当りに至るまでに投じた投資金額を推測することは困難であった。
また、前回の当りから今回の当りまでに費やしたゲーム回数は、その間に遊技者が入れ替わったとしてもリセットされない回数であることから、一人ひとりが当りに至るまでに費やしたゲーム回数を割り出したものではなく、まして、一人ひとりが当りに至るまでに投じた投資金額までは外部から知る術もなかった。
【0007】
また、従来の遊技装置が行う遊技演出であって、特に、LED等のランプを点滅するような装飾演出は、通常、当り状態中に行うものであり、当り状態中以外の遊技状態でこのような装飾演出を行う遊技装置は何ら提案されていなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題を解決するために提案されたもので、当り状態になるまでに遊技機に投じた投資金額に対応する所定の報知演出を遊技機の当り状態中に行うとともに、当りの連続回数に対応する所定の報知演出を遊技機の当り状態中以外の遊技状態において行う遊技装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の遊技装置は、遊技資金を投じる遊技状態を経て所定の当り状態に至る遊技機に併設され、前記遊技機に関する所定の情報を報知する報知手段を備える遊技装置であって、前記当り状態に至るまでの投資金額を算出する算出手段と、
所定の単価あたりの貸し出し可能な遊技媒体数を示す貸出単位数、前記算出手段が算出した投資金額、及び前記報知手段が前記当り状態において行う前記投資金額に対応する所定の報知パターンを記憶する記憶手段と、前記遊技機に投入される遊技媒体の投入数を示す投入信号と、前記該遊技機から払い出された遊技媒体の払出数を示す払出信号と、前記遊技資金を投じる遊技状態から前記当り状態への遊技状態の遷移を示す当り信号と、を前記遊技機の遊技の進行に伴い受信する受信手段と、を備え、前記算出手段は、前記投入数の累計値から前記払出数の累計値を減算した差分が前記貸出単位数以上になると、前記単価を前記投資金額に加算し、前記記憶手段は、前記単価の加算された前記投資金額を更新して記憶し、前記報知手段は、前記当り信号を受信したときにおいて前記記憶手段の記憶する前記投資金額に対応する前記報知パターンに従った報知を行う構成としてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技装置によれば、大当りやボーナスなどの当りに至るまでに遊技機に投じた投資金額に対応する所定の報知演出を遊技機の当り状態中に行うとともに、当りの連続回数に対応する所定の報知演出を遊技機の当り状態中以外の遊技状態において行うことで、報知演出から投資金額と当りの連続回数を識別できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】遊技装置を含む遊技システム全体を模式的に示す概略図である。
【図2】遊技システムにおいて送受されるデータの種類を示すブロック図である。
【図3】遊技装置の外観を示す図であり、(a)は、遊技装置の一部分の正面図であり、(a)は、遊技装置の一部分の斜視図である。
【図4】遊技装置の制御構成を示すブロック図である。
【図5】制御部において実行される投資金額判定処理を示すフローチャートである。
【図6】制御部において実行される連続当り判定処理を示すフローチャートである。
【図7】光出力パターンを示し、(a)は、制御部において実行される光出力パターン設定処理を示すフローチャートであり、(b)は、投資金額と光出力パターンとの関係を示す図表であり、(c)は、連続当り回数と光出力パターンとの関係を示す図表である。
【図8】音出力パターンを示し、(a)は、制御部において実行される音出力パターン設定処理を示すフローチャートであり、(b)は、投資金額と音出力パターンとの関係を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遊技装置の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0013】
遊技機の上方に配置されるとともに、LED,ランプや液晶表示器などの表示手段、音声や効果音などをスピーカから発する音出力手段などの報知手段を備える遊技装置としては、様々な形態や種類のものがあるが、本実施形態では、これらの表示手段と音出力手段を備えながらも、遊技者による操作に基づいて所定の呼出演出を行うことで遊技場の店員を呼び出す、いわゆる呼出ランプに本発明を適用した場合について説明する。
【0014】
本実施形態の呼出ランプ1は、遊技場に設置される遊技機50であって、例えば、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できるスロットマシンに併設され、ボーナス遊技と称される当り状態に至るまでにスロットマシンに投じた投資金額に対応する所定の報知演出を当該遊技機50の当り状態中(ボーナス遊技中)に行うとともに、当り(ボーナス当選)の連続回数に対応する所定の報知演出を、当り状態中(ボーナス遊技中)以外の遊技状態であって投資金額を投じる通常遊技中に行うことで、報知演出から投資金額と当りの連続回数とを識別できるようになっている。
【0015】
このような呼出ランプ1は、遊技場における遊技システムSの一部として組み込まれ、その他の装置とともに、遊技機50と、現金等の投入の代償として遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置40とから、遊技の進行に伴い出力される所定の遊技信号を受信しながら、所定の遊技データ(例えば、ゲーム回数、当りの回数、売上げ等)を集計・管理するように構成されている。
【0016】
遊技システムSは、図1に示すように、遊技機50、遊技媒体貸出装置40、及び呼出ランプ1に加え、データ通信可能に接続された、台コンピュータ10、島コンピュータ20などの中継情報処理装置、ホールコンピュータ30などの集中情報処理装置を備え、遊技機50、遊技媒体貸出装置40から呼出ランプ1に入力される遊技信号が、呼出ランプ1を介して、台コンピュータ10と島コンピュータ20を中継してホールコンピュータ30に入力されるようになっている。
遊技機50及び遊技媒体貸出装置40から出力される遊技信号は、各装置において蓄積、集計されながら、遊技者や遊技場の管理者等が解読可能なデータ形式に改変されるようになっている。
【0017】
遊技機50から出力される遊技信号には、図2に示すように、遊技機50への遊技媒体の投入数を示す投入信号、遊技機50からの遊技媒体の払出数を示す払出信号、所定の当り状態(ボーナス遊技中)を示す大当り信号(大当り1信号、大当り2信号)がある。
大当り信号は、遊技機50の当り状態中に出力される信号であり、その出力がオンされたタイミングが遊技資金を投じる遊技状態から当り状態への遊技状態の遷移を示し、その出力がオフ(停止)されたタイミングが当り状態から遊技資金を投じる遊技状態である通常遊技中への遊技状態の遷移を示すことになる。
【0018】
また、遊技媒体貸出装置40から出力される遊技信号には、遊技媒体の貸し出しに際してその代償として投入された投入金額を示す売上信号がある。なお、遊技媒体貸出装置40から貸し出される遊技媒体はメダルであり、このメダルは、所定の単価(例えば、1000円)単位で、例えば、50枚が貸し出される。
【0019】
呼出ランプ1は、このような遊技信号の受信に基づいて、遊技機50の遊技状態(当り状態と、それ以外の遊技状態である通常遊技中)を監視しながら、LEDや液晶表示器などの表示手段と、音声や効果音などをスピーカから発する音出力手段とからなる報知手段を駆動させることにより、当り状態(ボーナス遊技)に至るまでに投じた投資金額に対応する所定の報知演出を当該遊技機50の当り状態中(ボーナス遊技中)に行うとともに、当り(ボーナス当選)の連続回数に対応する所定の報知演出を、当り状態中(ボーナス遊技中)以外の遊技状態であって投資金額を投じる通常遊技中に行うように構成されている。
以下、本発明に係る遊技装置の一例である呼出ランプ1について、図3〜図4を参照しながら詳述する。
【0020】
[呼出ランプ]
呼出ランプ1は、表示手段と音出力手段とがそれぞれ内蔵された、二つの呼出ランプ1a,1bから構成されている。
呼出ランプ1は、図3及び図4に示すように、遊技機50及び遊技媒体貸出装置40から出力される遊技信号を受信するとともに、この遊技信号を台コンピュータ10に送信する通信部5と、受信した遊技信号から生成される所定の遊技データを表示するデータ表示部2(2a,2b)と、複数のLED(光源)が内蔵され、遊技機50に関する情報を所定の光出力パターンで報知する発光部3(3a,3b)と、遊技機50に関する情報を音声や効果音からなる音出力パターンで報知する音出力部4(4a,4b)と、CPUなどの中央演算処理装置、ROM、RAMなどの記憶手段を備えるコンピュータとして構成され、通信部5から受信した遊技信号に基づいて、データ表示部2と発光部3と音出力4とを駆動制御する制御部6と、を備えている。
【0021】
呼出ランプ1aは、データ表示部2a、発光部3a、音出力部4a、通信部5、制御部6を備えるとともに、図3(a)に示す面と遊技機50の設置される設置面Sとが平行になるように、遊技機50の上部中央に配置されている。
一方、呼出ランプ1bは、データ表示部2b、発光部3b、音出力部4bを備えるとともに、図3(b)に示すように、設置面Sからほぼ垂直に突出するように、遊技機50の上部左側に配置されている。
すなわち、呼出ランプ1は、呼出ランプ1aと呼出ランプ1bの二つの呼出ランプから構成されるものの、呼出ランプ1aに備える制御部6により、統合制御されるように構成されている。
【0022】
各データ表示部2は、例えば、液晶表示器、液晶駆動用ドライバ回路、画像制御用のプロセッサ(VDPなど)、VRAM、画像データを記憶した画像ROMなどから構成され、制御部6からの指示に従い、所定の遊技データを、数字、文字、図形等の文字情報に変換して液晶表示器に出力するように構成されている。
また、液晶表示器は、遊技者によるタッチ操作を検出するタッチパネルからなり、所定の表示領域を指触操作することにより、遊技場の店員を呼び出す信号と、表示内容の変更を指示する信号とを制御部6に出力可能に構成され、制御部6はこの出力信号に基づいて、データ表示部2の表示内容を変更させたり、発光部3とスピーカ4を駆動制御することにより、所定の呼出演出等を行わせたりするようになっている。
【0023】
各発光部3は、制御系統別に区分けされた複数のLED(L1〜L5)と、各制御系統のLEDを点灯制御するLEDドライバ回路を備え、制御部6からの指示に従い、LED(L1〜L5)を点灯制御することにより、遊技機50に関する情報を所定の光出力パターンで報知する。
【0024】
また、各発光部3は、各呼出ランプ1の周縁部に形成され、LED(L1〜L5)は、周縁部に沿って一列に配置されているとともに、LEDの光出力パターンが視認可能なように、光を拡散する所定のカット(例えば、ダイヤカット)の形成された無色又は有色透明な樹脂カバーで覆われている。
【0025】
特に、呼出ランプ1bにおいて、発光部3bを覆うカバーは、図3(b)に示すように、設置面Sに対してほぼ垂直に突出するとともに、設置面Sに沿って水平方向に並んで配置される二つの透明な窓部(カバーのうちで水平方向において対向する二面を指す)を備えている。
そして、発光部3bにおける各LEDは、二つの透明な窓部の間であって、周縁部に沿って一列に配置されている。
これにより、各LEDは一列に配置されているにもかかわらず、設置面Sに沿った水平二方向から一のLEDを視認することができるので、遊技機の設置される遊技機島の両端部から一のLEDの光出力パターンを視認できる。
これにより、設置面Sに沿った対向する二面にLEDをそれぞれ取り付けるよりも、構造が簡単になるとともに、LEDの個数を削減できる。
また、LEDを周縁部であって下部にも配置することにより、呼出ランプ1bのほぼ真下に着座する遊技者にも一のLEDの光出力パターンを視認させることができる。
なお、本実施形態では、発光部3bにおける各LEDを周縁部に沿って配置したが、データ表示部2bに一(又は一列)のLEDを配置し、これを設置面Sに沿った対向する水平方向の二面が透明な窓部を有するカバーで挟むように構成することもできる。
【0026】
また、各音出力部4は、例えば、スピーカ、PCM音源、アンプなどを備え、制御部6からの指示に従い、スピーカを駆動制御することにより、遊技機50に関する情報を所定の音出力パターンで報知する。
【0027】
このような構成により、制御部6は、例えば、遊技機50から当り状態を示す大当り信号(大当り1信号、又は大当り2信号)が入力されると、制御部6のROMに記憶された当り状態中の光出力パターンに基づいて発光部3を制御してLEDを発光させるとともに、制御部6のROMに記憶された当り状態中の音出力パターンに基づいて音出力部4を制御して、スピーカから所定の音声・効果音を出力させる。
【0028】
さらに、制御部6は、発光部3、音出力部4を駆動制御して、本発明の特徴である、当り状態に至るまでに遊技機50に投じた投資金額に対応する報知パターン(光音出力パターン)の演出を当り状態中に行うとともに、当りの連続回数に対応する報知パターン(光出力パターン)の演出を通常遊技中において行う。
このような報知パターンの演出を行うために、制御部6は、遊技機50が当り状態に至るまでに一の遊技者が投じた投資金額を算出するとともに、この投資金額に対応する報知パターンを記憶し、また、算出した投資金額に基づいて連続当り回数を算出するとともに、連続当り回数に対応する報知パターンを記憶している。
さらに、投資金額を遊技者ごとに管理するために、遊技者の入れ替わりを監視している。
以下、このような動作を実現する手段について詳述する。
【0029】
[投資金額の算出と投資金額に対応する報知パターン]
まず、制御部6は、算出手段として動作し、当り状態に至るまでに遊技機50に投じた投資金額に対応する報知パターンの演出を行うために、当り状態に至るまでに遊技機50に投じた投資金額を算出する。
この算出は、当り状態に至るまでに投じた投資金額を遊技媒体貸出機40に投入した投入金額から直接求めるのではなく、遊技機50に投入した遊技媒体の投入数と、遊技機50にから払い出される遊技媒体の払出数から遊技機50に投じた投資金額を間接的に求める手法となっている。このようにするのは、遊技媒体貸出機40から出力される売上信号により、当り状態に至るまでに投じた投資金額を直接的に求めることもできるが、一旦当り状態に至ることにより遊技者が所定数のメダルを獲得した後には、メダルの貸し出しは行われず、獲得したメダルを用いた遊技に移行することになるから、この間は、売上信号は出力されなくなり、この間において、獲得したメダルを遊技機50に投じるという実質的な投資に係る投資金額を求めることができないからである。
【0030】
このような理由から、投入数と払出数から遊技機50に投じた投資金額を間接的に求めるために、制御部6は、通信部5を介して遊技機50から入力される投入信号と払出信号とに基づいてそれぞれ投入数と払出数とを取得し、これらをそれぞれ累計するとともに、投入数の累計値から払出数の累計値を減算した差分を算出する。
【0031】
遊技資金を投じる遊技状態である通常遊技中は、例えば、1ゲームごとに3枚のメダルを投入し、その結果、所定の当選確率(例えば、1/6)で入賞となり、10枚のメダルが払い出される遊技状態であり、1ゲームあたりの投資に対して見返りのほとんどない遊技状態となっている。
このような遊技状態では、平均してみると、投入数の累計値が払出数の累計値に対して上回り、遊技の進行に伴いその差分(投入数の累計値−払出数の累計値)が拡大することになる。
【0032】
このような遊技状態で、遊技を継続して進行させるには、その差分を補うためにメダルを買い足す必要がある。
また、メダルは、所定の単価、例えば、1000円単位で買い足すことができるようになっている。
これらのことから、投入数の累計値と払出数の累計値との差分が、1000円単位で買い足すことができるメダル数(貸出単位数)の公倍数となるたびに、その時点で遊技者が1000円分のメダルを買い足したものと推定することができる。
つまり、本発明は、投入数と払出数との差分が、所定の単価で買い足すことができるメダル数の公倍数に達するたびに、遊技者が所定の単価を費やしたものと判定し、この所定の単価を投資金額に加算するとともに、大当り信号が入力されるまでこのような加算を繰り返すことで、当り状態に至るまでに遊技機50に投じた投資金額を算出するようになっている。
なお、所定の単価で買い足すことができるメダル数である貸出単位数は、予め制御部6のROMに記憶されているとともに、算出した投資金額は、制御部6のRAMに逐次記憶されるようになっている。
【0033】
また、当り状態に至るまでに投じた投資金額に対応する報知パターン(光出力パターンと音出力パターン)は、制御部6のROMに記憶されている。
図7(b)は、投資金額に対応する発光部3に行わせる光出力パターンを示すもので、例えば、当り状態に至るまでに投じた投資金額が1000円以内であれば、発光部3を赤色で点灯させ、2000円以内であれば、発光部3を青色で点灯させ、3000円以内であれば、発光部3を緑色で点灯させ、3000円を超える場合は、発光部3を黄色で点灯させるようになっている。
この光出力パターンは、制御部6のCPUにより当り状態中に参照されることで、当り状態中の光演出として実行されるようになっている。
【0034】
また、図8(b)は、投資金額に対応する音出力部4から出力される効果音の音出力パターンを示すもので、例えば、当り状態に至るまでに投じた投資金額が1000円以内であれば、「ピー・ピー・ピー」という効果音を出力させ、2000円以内であれば、「ピー・ピー」という効果音を出力させ、3000円以内であれば、「ピー・ピー」という効果音を出力させ、3000円を超える場合は、効果音を出力させないようになっている。
この音出力パターンは、制御部6のCPUにより当り状態中に参照されることで、当り状態中の音演出として実行されるようになっている。
なお、当り状態中に実行される音出力パターンは、大当り開始音(ファンファーレ音)よりも優先的に行われ、例えば、大当り信号が入力されたときに、上記の音出力パターンを先に出力し、続いて大当り開始音を出力することもできる。
【0035】
このように、当り状態に至るまでに投じた投資金額に対応する光・音出力パターンを、当り状態中の演出として行うことで、その当り(ボーナス当選)がいくら位の金額を費やして当たったものなのかを、当該遊技機50で遊技をしている遊技者のみならず、他の遊技者も知ることができ、ゲームに対する期待感を高めることができる。
【0036】
また、この光・音出力パターンは、遊技機50における遊技の進行に伴って増加するゲーム回数に対応することなく、投資金額のみに対応する。
これにより、投資金額という尺度で遊技機同士を比較できる。
すなわち、光・音出力パターンを遊技の進行に伴って増加するゲーム回数に対応させると、ゲーム回数という尺度で遊技機同士を比較できるものの、貸出単位数あたりでゲーム可能なゲーム回数が異なる遊技機同士の場合、投資金額が同じであってもゲーム回数が異なることになるため、実際にいくら位の金額を費やして当たったものなのかを外部から判別することはできなかった。そこで、本発明のように、光・音出力パターンを投資金額に対応させることにより、貸出単位数あたりでゲーム可能なゲーム回数が異なる遊技機同士であっても、遊技者の最も関心の高い投資金額という尺度で比較することができる。
【0037】
[連続当り回数の算出と連続当り回数に対応する報知パターン]
また、制御部6は、通常遊技中において、連続当り回数に対応する報知パターン(光出力パターン)の演出を行うために、連続当り回数を算出する。
この算出は、上述した投資金額を参照して行われ、当り状態に至るまでに投じた投資金額が所定の金額以下であるたびに、当りの連続性を示す連続当り回数をプラス1更新する手法となっている。
【0038】
具体的には、制御部6は、大当り信号が入力されたときの投資金額が所定の金額以下(例えば、3000円以下)のときは、連続当り回数をプラス1更新するとともに、大当り信号の入力の有無を問わず、投資金額が所定の金額を超えたときは、連続当り回数をゼロにリセットすることにより、連続当り回数を管理するようになっている。
なお、算出した連続当り回数は、制御部6のRAMに記憶されるようになっている。
【0039】
また、連続当り回数に対応する報知パターンは、制御部6のROMに記憶されている。
図7(c)は、連続当り回数に対応する発光部3に行わせる光出力パターンを示すもので、例えば、連続当り回数が0回あれば、発光部3は点灯させず、1回あれば、発光部3を赤色で移動点滅させ、2回であれば、発光部3を青色で移動点滅させ、3回であれば、発光部3を緑色で移動点滅させ、4回であれば、発光部3を黄色で移動点滅させ、5回以上であれば、虹色(赤、青、緑、黄を短時間で繰り返し点灯させる出力パターン)で移動点滅させるようになっている。
なお、移動点滅とは、発光部3のLEDをL1〜L5の順に点灯させる、いわゆるランニングと称される光出力パターンである。
この光出力パターンは、制御部6のCPUにより通常遊技中に参照されることで、通常遊技中の光演出として実行されるようになっている。
【0040】
このように、連続当り回数に対応する光出力パターンを、通常遊技中の演出として行うことで、連続して発生した複数の当り(ボーナス当選)がいくら位の金額を費やして何回当っているのかを、当該遊技機50で遊技をしている遊技者のみならず、他の遊技者も知ることができ、ゲームに対する期待感を高めることができる。
また、このような演出を通常遊技中に行うことにより、無味乾燥な通常遊技中の演出を華やかにすることができる。
【0041】
また、この光出力パターンは、遊技機50における遊技の進行に伴って増加するゲーム回数に対応することなく、投資金額に基づいて求められた連続当り回数に対応する。
これにより、投資金額という尺度をもって遊技機同士を比較できる。
すなわち、光出力パターンを遊技の進行に伴って増加するゲーム回数に対応させると、ゲーム回数という尺度で遊技機同士を比較できるものの、貸出単位数あたりでゲーム可能なゲーム回数が異なる遊技機同士の場合、投資金額が同じであってもゲーム回数が異なることになるため、実際にいくら位の金額を費やして何回当っているのかを外部から判別することはできなかった。そこで、本発明のように、光出力パターンに基づいて求められた連続当り回数に対応させることにより、貸出単位数あたりでゲーム可能なゲーム回数が異なる遊技機同士であっても、遊技者の最も関心の高い投資金額という尺度で比較することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、連続当り回数に対応する報知パターンとして、光による報知パターンのみを採用したが、音による報知パターン(音出力パターン)を設けることもできる(例えば、効果音が連続当り回数によって異なるなど)。
また、連続当り回数に対応する報知パターンを通常遊技中のみならず、当り状態中にも行うこともできる。
【0043】
[遊技者の入れ替わりの監視]
また、上記のような、当り状態に至るまでに投じた投資金額に対応する報知パターンと、連続当り回数に対応する報知パターンは、実際に遊技資金を投じた遊技者に限りにおいて行われる報知演出であり、遊技資金を投じた遊技者が遊技を終了して、新たな遊技者に入れ替わったときには、新たな遊技者が投じた投資金額に対応する報知パターンが採用されるようになっている。
このような動作を実現するためには、遊技に投じた遊技資金を遊技者ごとに管理しなければならないことから、制御部6は、遊技者の入れ替わりを監視している。
遊技者の入れ替わりは、遊技機50及び遊技媒体貸出装置40から入力される遊技信号に基づいて判定され、投入信号又は払出信号が所定時間以上検出されず、かつ、売上信号が入力された場合に、遊技機50において遊技中の遊技者が他の遊技者に入れ替わったものとみなすようになっている。
【0044】
具体的には、制御部6は、非稼働時間計時手段として動作し、遊技機50から投入信号又は払出信号が入力されるごとに計時を開始する非稼動時間を監視し、非稼動時間が所定時間以上となった後に、売上信号が入力されたときに、遊技中の遊技者が他の遊技者に入れ替わったものとみなし、その時点でRAMに記憶されている投資金額をゼロにリセットする。
このように遊技者の入れ替わりを監視することにより、遊技に投じた遊技資金を遊技者ごとに管理することができる。
すなわち、遊技者が入れ替わったとしても、それぞれの遊技者が一の遊技機に投じた遊技資金が累積されることなく、遊技者ごとの遊技資金として管理することができるので、一遊技者限りの遊技資金を正確に算出することができる。その結果、報知パターンは、一遊技者限りの投資金額を報知したものとなる。
【0045】
以上のような制御部6の動作は、図5〜図8に示すフローチャートに従ったプログラム(ROMに記憶)をCPUが実行することで実現される。以下、これらのフローチャートを参照しながら、制御部6の動作の流れを説明する。
【0046】
図5に示すフローチャートは、本発明の特徴を実現するためのメインプログラムのフローチャートであり、図6、図7(a)、図8(a)に示すフローチャートは、メインプログラムから呼び出されるサブルーチンに係るフローチャートとなっている。
具体的には、図5に示すフローチャートでは、遊技媒体貸出装置40及び遊技機50から入力される遊技信号に基づいて投資金額の算出と遊技者の入れ替わりを監視する処理を表し、図6に示すフローチャートでは、算出された投資金額に基づいて連続当り回数を算出する処理を表し、図7(a)、図8(a)に示すフローチャートでは、算出された投資金額と連続当り回数に対応する報知パターンを設定する処理を表したものとなっている。
以下、図6、図7(a)、図8(a)に示すフローチャートを参照しながら、図5に示すフローチャートについて説明する。
【0047】
制御部6は、遊技媒体貸出装置40及び遊技機50から入力される遊技信号を監視し、遊技信号の種類に応じて処理を分岐させる(S1、S11、S18、S22)。
まずは、入力された遊技信号が投入信号又は払出信号か否かの監視を行う(S1)。この監視には、二つの目的があり、一つ目は、投資金額の算出のためと、もう一つは、遊技者の入れ替わりの監視のためである。
【0048】
具体的には、投資金額を算出するためには、投入数と払出数とが欠かせないことから、これらを取得するために、投入信号と払出信号の入力を監視している。
【0049】
また、遊技者の入れ替わりを監視するためには、遊技機50に対する遊技者による入力操作の有無又は遊技機50における所定の内部動作の有無を検出する必要がある。
投入信号は、遊技者による遊技媒体の投入操作の結果として遊技機50から出力される信号であり、払出信号は、遊技媒体が払い出された結果として遊技機50から出力される信号であることから、遊技者による操作の結果と、遊技機50の内部動作の結果として発生する信号であり、この信号が入力された時点では、まさに一の遊技者が遊技中であることを示す信号となっている。
このような投入信号と払出信号の特性から、投入信号又は払出信号の監視を行うことで、これらの入力を検出した後に、所定時間経過してもこれらの入力がないときは、遊技機50が非稼動状態にあるとみなすことができる。つまり、制御部6は、投入信号又は払出信号を、非稼働時間の計時を開始するためのトリガーとして監視している。
【0050】
次いで、制御部6は、投入信号又は払出信号の入力を検出すると(S1−Yes)、検出のたびに計時中の非稼働時間をゼロにリセットする(S2)。これは、所定時間経過前に投入信号又は払出信号が入力されるのは、頻繁に遊技者による遊技操作が行われている、遊技中であるとみなすことができるからである。
【0051】
続いて、投資金額を算出するために、貸出単位数から、投入数(累計値)と払出数(累計値)との差分を減算した値(X=貸出単位数−[投入数−払出数])を算出する(S3)。
投入数(投入数)と払出数(払出数)は、投入信号と払出信号が遊技機50から入力されるごとにそれぞれを累計したもので、貸出単位数は予めROMに記憶されている値を参照する。
なお、貸出単位数は、所定の単価、例えば、1000円単位で貸し出し可能なメダル枚数を示し、例えば、メダル1枚あたりの貸出料金が20円の遊技場の場合、貸出単位数は50枚となる。
【0052】
また、この貸出単位数は、メダル1枚あたりの貸出料金の違いに応じて変化する値であることから、例えば、予めROMに記憶された複数の貸出単位数のなかから一の貸出単位数を選択可能な所定のスイッチ(例えば、DIPスイッチ)を制御部6に設け、遊技場の店員などの管理者にその遊技場の貸出料金に見合った貸出単位数を選択させることもできる。
また、データ表示部2をタッチ操作することにより、貸出単位数を、直接、入力設定することもできるし、呼出ランプ1に赤外線受信部を設け、これに店員等の携行する赤外線リモコンから送信される貸出単位数を受信させることもできる。
【0053】
次に、算出した値(X)とゼロ(0)とを比較し(S4)、算出した値(X)がゼロ(0)以下であれば(S4−Yes)、遊技機50で遊技を行う遊技者が貸出単位数分のメダル(例えば、50枚)を遊技に費やしたものとみなし、投資金額に単価(例えば、1000円)を加算し、投資金額を更新する(S5)。
この場合には、さらに、累計した投入数及び払出数をゼロにリセットするとともに、新たな貸出単位数(例えば、50枚)を、算出式(X=貸出単位数−[投入数−払出数])に代入する(S6)。
つまり、本実施形態では、投入数(累計値)と払出数(累計値)との差分が貸出単位数に達するたびに、投入数の累計値と払出数の累計値をリセットするように構成してある。
【0054】
なお、算出した値(X)とゼロ(0)とを比較し算出した値(X)がゼロ(0)未満であるときには、その値(X)をリセット後の差分に持ち越すようになっている。
例えば、貸出単位数(例えば、50枚)から、投入数と払出数との差分(例えば、52枚)を減算した値(X)がゼロ(0)未満(例えば、−2枚)のときには、リセット後の差分(投入数−払出数)は、ゼロ(0枚)からではなく、持ち越した差分(例えば、2枚)から始まるようにしてある。
これにより、過不足のない正確な投資金額を算出できる。
また、この構成に限らず、投入数の累計値と払出数の累計値をリセットすることなく、これらの差分が貸出単位数の公倍数に達するたびに、その遊技者が貸出単位数分のメダルを遊技に費やしたものとみなし、投資金額に単価(例えば、1000円)を加算し、投資金額を更新するように構成することもできる。
【0055】
一方、算出した値(X)がゼロ(0)以下でなければ(S4−No)、未だ貸出単位数分のメダルを消化していないものとみなし、S10に移行する。
【0056】
投資金額を更新した場合には、続いて、制御部6は、更新した投資金額を監視し(S7)、更新した投資金額が所定の金額(例えば、3000円)を超えていれば(例えば、4000円)(S7−Yes)、さらに、連続当り回数に対応する報知パターンの出力中を示す連続演出中か否かの判定を行い(S8)、連続演出中であれば(S8−Yes)、連続演出を終了する。
これは、連続演出(連続当り回数に対応する報知パターン)は、連続当り回数に対応するものであり、この連続当り回数は、前述したように、大当り信号が入力されたときの投資金額が所定の金額以下(例えば、3000円以下)のときに、プラス1更新され、大当り信号の入力を問わず、投資金額が所定の金額を超えたときに、ゼロにリセットされる値であることから、大当り信号の入力の有無にかかわらず、更新された投資金額が所定の金額を超えていれば(例えば、4000円)、連続当り回数に対応する報知パターンの出力する意義を失うことから、連続演出を終了するものとしてある。
【0057】
一方、更新した投資金額が所定の金額を超えていなければ(S7−No)、また、更新した投資金額が所定の金額を超えていたとしても(S7−Yes)、連続演出中でなければ(S8−No)、連続演出を終了する必要性がないため、S10に移行する。
そして、S10において、投入信号又は払出信号の入力に基づいて非稼働時間の計時を開始して処理を終了する。
なお、このようなS2〜S10までの処理は、大当り信号が検出されてない、通常遊技中において実行されるようになっている。
【0058】
次に、制御部6は、入力された遊技信号が投入信号又は払出信号ではなく(S1−No)、大当り信号(当り状態中に出力される信号)が検出されると(S11−Yes)、そのときRAMに記憶されている投資金額を、当り状態に至るまでに投じた投資金額として確定させる(S12)。
これにより、当り状態に至るまでに投じた投資金額に対応する報知パターンが一義的に決定されるとともに、連続当り回数をプラス1更新するか又はリセットするかの判定材料となる投資金額が確定される。
【0059】
次いで、制御部6は、算出された投資金額に基づいて連続当り回数を算出する連続当り判定処理を実行する(S13)。
この連続当り判定処理については、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0060】
連続当り判定処理では、まず、算出された投資金額が所定の金額以下かそれとも所定の金額を超える金額かの判定を行う(S30)。
そして、算出された投資金額が所定の金額を超える金額(例えば、4000円)であれば(S30−No)、そのときRAMに記憶されている連続当り回数をゼロにリセットして(S31)、処理を終了する。
一方、算出された投資金額が所定の金額(例えば、3000円)以下であれば(S30−Yes)、さらに、そのときRAMに記憶されている連続当り回数を判定し(S32)、連続当り回数がゼロであれば(S32−Yes)、連続当り回数を1回として(S33)、処理を終了する。RAMに記憶されている連続当り回数がゼロでなければ(S32−No)、連続当り回数をプラス1更新して(S34)、処理を終了する。
このような処理を実行することにより、少ない投資金額を投じて連続して当り状態になるたびに連続当り回数が増加し、途中で投資金額が所定の金額を超えることで連続当り回数がリセットされるので、投資金額を基準とした遊技機50の連チャン特性を把握することができる。
【0061】
次に、制御部6は、連続当り判定処理(S13)に続いて、算出された投資金額と、連続当り判定処理で更新された連続当り回数とに基づいて、報知パターンを設定する光音出力パターン設定処理を実行する(S14)。
この光音出力パターン設定処理については、図7(a)及び図8(a)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
光音出力パターン設定処理では、当り状態中に行う演出の報知パターンと、通常遊技中に行う演出の報知パターンの設定を行う。
【0062】
具体的には、光音出力パターン設定処理では、当り状態中に行う演出の報知パターンとして、算出された投資金額に対応する光出力パターンと音出力パターンを設定し(S40、S50)、通常遊技中に行う演出の報知パターンとして、連続当り回数に対応する光出力パターンを設定して(S41)、処理を終了する。
この場合の設定とは、例えば、演出番号などの出力パターンを特定可能な識別子をRAMに設定することを意味し、この識別子はそれぞれの遊技状態でCPUにより参照され、この識別子に対応する出力パターンがROMからロードされることにより、当り状態中と通常遊技中の演出として実行される。
【0063】
次に、制御部6は、光音出力パターン設定処理(S14)に続いて、算出された投資金額とその当り(例えば、発生順の通し番号)とを対応付けてRAMに記憶し、当り状態ごとに費やした投資金額の履歴を作成する(S15)。
そして、算出した投資金額をゼロにリセットするとともに(S16)、当り状態中における投資金額の更新を防止すべく(当り状態中にも投入信号と払出信号が入力されるため)、投資金額の算定を中断して(S17)、処理を終了する。
なお、算出した投資金額のリセットは、後述の当り状態の終了を検出した時でもよい。
【0064】
次に、制御部6は、制御部10から入力される遊技信号が投入信号又は払出信号ではなく(S1−No)、大当り信号でもないときには(S2−No)、計時中の非稼動時間と売上信号とを監視することで、遊技者の入れ替わりを判定する処理を実行する。
【0065】
具体的には、S10において計時を開始した非稼動時間が所定時間を経過しているか否かの判定を行う(S18)。
非稼動時間が所定時間以上経過していれば(S18−Yes)、所定時間以上、遊技が継続して行われていないものとみなし、さらに、遊技媒体貸出装置40からの売上信号の入力を監視する(S19)。
そして、売上信号の入力があれば(S19−No)、非稼動時間が所定時間以上継続しているうえに、現金の投入により新たなメダルの貸し出しが行われたことから、遊技中の遊技者が他の新たな遊技者に入れ替わって遊技を開始したものと判定する(S20)。一方、売上信号の入力がなければ(S19−Yes)、遊技者の入れ替わりを判定することなく、処理を終了する。
【0066】
このように判定するのは、以下の理由による。
遊技中の遊技者が遊技機50から席を離れると、非稼動時間が所定時間以上となる。そして、新た遊技者が着座すると、遊技媒体貸出装置40から遊技媒体を貸し出すために、必ず現金等を投入することになる。
そうすると、非稼動時間が所定時間以上となった後に、売上信号の入力があったときには、遊技者が入れ替わったものと判断できるからである。
そして、遊技者の入れ替わりを判定したときには、さらに、RAMに記憶されているその遊技者限りの投資金額をゼロにリセットするとともに、連続演出中であれば、演出を終了させ(S21)、処理を終了する。
【0067】
次に、制御部6は、遊技機50から入力される遊技信号が投入信号又は払出信号ではなく(S1−No)、大当り信号でもなく(S2−No)、さらに、計時中の非稼動時間が所定時間を経過していないときには(S18−No)、当り状態の終了か否かの監視を行う。
【0068】
当り状態の終了の監視は、例えば、当り状態中に出力される大当り信号の出力停止(オフ)を検出することで行うことができる。
そして、大当り信号の出力停止を検出したときには、当り状態中に中断していた(S17)投資金額の算定を再開して(S23)、処理を終了する。
【0069】
次に、制御部6は、遊技機50から入力される遊技信号が投入信号又は払出信号ではなく(S1−No)、大当り信号でもなく(S2−No)、さらに、計時中の非稼動時間が所定時間を経過することなく(S18−No)、当り状態の終了を示す大当り信号の出力停止も検出されないときには(S22−No)、入力されたその他の遊技信号に従ったその他の処理を実行して(S24)、すべての処理を終了する。
【0070】
以上のような図5〜図8に示すフローチャートに基づく処理を実行することにより、遊技媒体貸出機40及び遊技機50から入力される遊技信号に基づいて投資金額の算出を行いながら、遊技者の入れ替わりを監視するとともに、算出された投資金額に基づいて連続当り回数を算出し、投資金額と連続当り回数に対応する報知パターンを設定することができる。
【0071】
これにより、当り状態に至るまでに投じた投資金額に対応する光・音出力パターンを、当り状態中の演出として行うとともに、連続当り回数に対応する光出力パターンを、通常遊技中の演出として行うことができ、その当りがいくら位の金額を費やして当たったものなのか、又は連続して発生した複数の当りがいくら位の金額を費やして何回当っているのかを、当該遊技機50で遊技をしている遊技者のみならず、他の遊技者も知ることができ、ゲームに対する期待感を高めることができる。
また、連続当り回数に対応する光出力パターンを通常遊技中の演出として行うことにより、無味乾燥な通常遊技中の演出を華やかにすることができる。
【0072】
さらに、遊技者の入れ替わりを監視することにより、遊技に投じた遊技資金を遊技者ごとに管理することができるので、一の遊技機で獲得した遊技媒体を他の遊技機に投入して遊技を行う台移動遊技を許容している遊技場であっても、遊技者ごとの投資金額に基づいた光・音出力パターンによる報知演出を行うことができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の遊技装置の一例である呼出ランプ1によれば、当り状態に至るまでに遊技機50に投じた投資金額に対応する所定の報知演出を遊技機50の当り状態中に行うとともに、当りの連続回数に対応する所定の報知演出を遊技機50の通常遊技中において行うことができる。
【0074】
以上、本発明の遊技装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0075】
例えば、本実施形態では、大当り信号(大当り中に出力される信号)が検出された時点(例えば、大当り信号の立ち上がりエッジ)の投資金額を、当り状態に至るまでに遊技機50に投じた投資金額として確定させたが、例えば、スロットマシンにおいてボーナス当選に係る内部当選信号が検出された時点で、投資金額を確定させることもできる。つまり、本発明に係る当り状態は、遊技機50をスロットマシンとした場合、ボーナス遊技中又はボーナス内部当選中のどちらでもよい。
また、本実施形態では、当り状態を、ボーナス遊技としたが、AT(アシストタイム)又はART(アシストリプレイタイム)とすることもできる。
【0076】
また、光・音出力パターン(報知パターン)は、投資金額と連続当り回数が識別可能な態様であれば、どのような出力パターンでも構わない。
また、本実施形態では、スロットマシンを例に挙げて説明したが、パチンコ機やその他の遊技機にも適用可能であり、パチンコ機に適用した場合、当り状態は大当りと称されることになる。
【0077】
また、本実施形態では、呼出ランプ1を、呼出ランプ1aと呼出ランプ1bの二つの呼出ランプから構成したが、呼出ランプ1a又は呼出ランプ1bのいずれか一方の呼出ランプ1のみで構成することもできる。
なお、呼出ランプ1を、呼出ランプ1bのみで構成する場合には、呼出ランプ1bに通信部5と、制御部6を設ける必要がある。
【0078】
また、本実施形態では、本発明に係る遊技装置を呼出ランプに適用したが、例えば、遊技機の間に設置され、TV等の表示手段を備える台間表示機に適用することもできる。
【0079】
本実施形態では、報知パターンを一の遊技者が投じた遊技資金に対応させるために、遊技者の入れ替わりを監視したが、このような監視を行わずに、報知パターンを複数の遊技者が投じた遊技資金の累計値に対応させることもできる。
【0080】
また、投入信号と払出信号売上信号とを利用して、勝ち金額(例えば、[払出数−投入数]×一遊技媒体あたりの貸出料金−売上金額)を算出することにより遊技者ごとの勝ち金額をデータ表示部2にリアルタイムで表示することもできる。この場合、遊技者の入れ替わりは、前述した判定方法の他、遊技者により操作される所定のリセットボタンを遊技装置(呼出ランプ)に設け、このボタンの押下操作を検出することにより入れ替わりを判定することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、遊技資金を投じることにより、大当りやボーナスなどの当り状態に至る遊技機に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 呼出ランプ
2(2a,2b) データ表示部
3(3a,3b) 発光部(報知手段)
4(4a,4b) 音出力部(報知手段)
5 通信部(受信手段)
6 制御部(算出手段、記憶手段、非稼動時間計時手段)
10 台コンピュータ
20 島コンピュータ
30 ホールコンピュータ
40 遊技媒体貸出装置
50 遊技機(スロットマシン)
S 遊技システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技資金を投じる遊技状態を経て所定の当り状態に至る遊技機に併設され、前記遊技機に関する所定の情報を報知する報知手段を備える遊技装置であって、
前記当り状態に至るまでの投資金額を算出する算出手段と、
所定の単価あたりの貸し出し可能な遊技媒体数を示す貸出単位数、前記算出手段が算出した投資金額、及び前記報知手段が前記当り状態において行う前記投資金額に対応する所定の報知パターンを記憶する記憶手段と、
前記遊技機に投入される遊技媒体の投入数を示す投入信号と、前記該遊技機から払い出された遊技媒体の払出数を示す払出信号と、前記遊技資金を投じる遊技状態から前記当り状態への遊技状態の遷移を示す当り信号と、を前記遊技機の遊技の進行に伴い受信する受信手段と、を備え、
前記算出手段は、
前記投入数の累計値から前記払出数の累計値を減算した差分が前記貸出単位数以上になると、前記単価を前記投資金額に加算し、
前記記憶手段は、前記単価の加算された前記投資金額を更新して記憶し、
前記報知手段は、前記当り信号を受信したときにおいて前記記憶手段の記憶する前記投資金額に対応する前記報知パターンに従った報知を行う
ことを特徴とする遊技装置。
【請求項2】
前記投入信号又は前記払出信号の受信の有無に基づいて前記遊技機の非稼動状態を示す非稼働時間を計時する非稼働時間計時手段を備え、
前記受信手段は、前記遊技機に併設される所定の遊技媒体貸出装置から遊技媒体の貸し出しに伴い出力される売上信号を受信し、
前記非稼動時間が所定時間以上となった後であって前記売上信号を受信した場合に、前記遊技機において遊技中の遊技者が他の遊技者に入れ替わったものとみなし、前記記憶手段の記憶する前記投資金額がゼロにリセットされる
ことを特徴とする遊技装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、
前記当り信号を受信したときに記憶する前記投資金額が所定の金額以下のときに、
前記当り状態の連続回数を示す連続当り回数をプラス1更新して記憶するとともに、
前記報知手段が行う前記連続当り回数に対応する所定の報知パターンを記憶し、
前記報知手段は、
前記遊技資金を投じる遊技状態において前記記憶手段の記憶する前記連続当り回数に対応する報知パターンを行い、前記投資金額が前記所定の金額を超えたときには、前記連続当り回数に対応する報知パターンを終了する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技装置。
【請求項4】
前記報知パターンを、遊技の進行に伴って増加するゲーム回数に対応させることなく、前記投資金額、又は、前記投資金額に基づいて求められる前記連続当り回数に対応させ、
前記投資金額を尺度として、前記貸出単位数あたりでゲーム可能なゲーム回数が異なる遊技機同士を比較可能とした
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技装置。
【請求項5】
前記報知手段は、所定の光源と、この光源を覆うカバーとを有する発光部を備え、
前記カバーは、前記設置面に対してほぼ垂直に突出するとともに、前記設置面に沿って水平方向に並んで配置される二つの透明な窓部を有し、
一の前記光源を前記二つの窓部の間に配置した
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−70842(P2013−70842A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212006(P2011−212006)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】