説明

運動支援システム、運動支援装置、運動支援方法及びコンピュータプログラム

【課題】従来よりも安全性を高めた運動支援システム、運動支援装置、運動支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】運動支援装置1は、複数の運動動作からなる運動メニューを作成し、運動メニューに従った順序で、運動用ブース5内に設けた表示部に運動動作の指示を表示する。この際、運動支援装置1は、ユーザに装着した携帯型の加速度センサを用いて、運動動作の指示に従って運動を行うユーザの動作を検出し、運動動作の指示とユーザの動作とのズレから、ユーザの怪我の発生、又は怪我の前兆である姿勢不一致の発生の有無を判定する。中央装置3は、複数の運動支援装置1,1,…での怪我又は姿勢不一致の発生回数を合計して記憶し、特定の運動動作について怪我又は姿勢不一致の発生回数が所定の割合以上となった場合に、その運動動作の使用を運動支援装置1,1,…に禁止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の運動動作の指示を表示部に表示することにより、ユーザの運動を支援する運動支援システム、運動支援装置、運動支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
体力作り及びダイエット等の健康増進を主な目的とし、ジム等の運動施設にてユーザが運動することが行われている。運動施設では、プール又はトレーニングマシン等のユーザが運動を行うための設備が必要であり、またインストラクタ等のスタッフが必要であるので、多大なコストが掛かる。このため、運動施設の利用費は高額になることが多い。また運動施設の利用スケジュールと各ユーザのスケジュールとが合わない場合には、ユーザが十分に運動施設を利用することは困難である。このような理由により、ビルの空き部屋又は自宅等の比較的小さなスペースに設置できる端末を用い、従来の運動施設よりもユーザがより簡便に利用できるようにした運動支援システムが提供されている。例えば、特許文献1及び2には、ユーザの運動目的及び個人データをもとに運動メニューを決定し、端末へ運動メニューを送信し、ユーザが運動メニューに従った運動を行うことができるようにする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−255028号公報
【特許文献2】特開2000−51390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1及び2に開示された技術のような運動支援システムでは、運動メニューに従ってユーザが各自で運動を行うことができるので、インストラクタ等のスタッフを極力減らすことができる。しかしながら、スタッフが減った状態では、スタッフがユーザを十分に監視できないので、ユーザが怪我を負う等の事故が発生する危険性が増大する。特に、負荷が人体の特定の部位に集中する運動等、ユーザの負担が大きい運動が運動メニューに含まれるような場合には、ユーザが怪我を負う危険性が高く、重大な事故を引き起こす虞もある。従来の運動支援システムでは、このような危険性を減らし、安全性を高めるための技術が不足しているという問題がある。
【0004】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、運動中にユーザが異常を来す頻度が高い運動の利用を禁止することにより、安全性を高めることができる運動支援システム、運動支援装置、運動支援方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る運動支援システムは、運動動作の指示を表示部に表示することによりユーザの運動を支援する運動支援装置と、該運動支援装置が接続された中央装置とを含む運動支援システムにおいて、前記運動支援装置は、複数の運動動作を含み、各運動動作を指示する順序を定めた運動メニューを作成する手段と、該手段が作成した運動メニューに定められた順序で、前記運動メニューに含まれる複数の運動動作の夫々の指示を、前記表示部に表示させる手段と、ユーザの動作を検出する検出手段と、前記表示部で表示した運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーの発生の有無を判定する判定手段とを備え、前記中央装置は、前記複数の運動動作の夫々に関連付けて、前記運動支援装置で各運動動作の指示の表示中に前記判定手段がエラーの発生を判定した回数であるエラー発生回数を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する一の運動動作に関連付けられたエラー発生回数が所定量以上である場合に、前記運動動作の使用の禁止を前記運動支援装置へ通知する通知手段とを備え、前記運動支援装置は、更に、使用の禁止を通知された運動動作を運動メニューに含めることを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る運動支援システムは、前記判定手段は、前記表示部で表示した一の運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上となった場合に、前記表示部に、前記運動動作の指示の表示を停止させ、所定の応答をユーザに促すための情報を表示させる手段と、ユーザからの所定の応答を受け付ける手段と、前記運動動作の指示の表示を停止してから所定時間以内にユーザからの所定の応答を受け付けた場合は、第1のエラーが発生したと判定する手段と、前記運動動作の指示の表示を停止してから所定時間以内にユーザからの所定の応答の受け付けがない場合は、第2のエラーが発生したと判定する手段とを有し、前記記憶手段は、エラー発生回数として、前記判定手段が第1のエラーの発生を判定した回数である第1エラー発生回数、及び前記判定手段が第2のエラーの発生を判定した回数である第2エラー発生回数を記憶する手段と、前記複数の運動動作の夫々に関連付けて、前記運動支援装置で各運動動作の指示を前記表示部に表示させた回数である指示回数を記憶する手段とを有し、前記通知手段は、前記記憶手段が記憶する一の運動動作に関連付けられた指示回数に対する、前記運動動作に関連付けられた第1エラー発生回数の割合が、所定の第1割合以上である場合に、前記運動動作の使用の禁止を前記運動支援装置へ通知する手段と、前記記憶手段が記憶する一の運動動作に関連付けられた指示回数に対する、前記運動動作に関連付けられた第2エラー発生回数の割合が、所定の第2割合以上である場合に、前記運動動作の使用の禁止を前記運動支援装置へ通知する手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る運動支援システムは、前記第2割合は前記第1割合よりも小さい量であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る運動支援システムは、ユーザの身体に装着できる携帯型の加速度センサを更に含み、該加速度センサは、測定結果を前記運動支援装置へ送信する手段を備え、前記検出手段は、前記加速度センサから送信された測定結果に基づき、ユーザの動作として、前記加速度センサの位置及び/又は移動方向を求める手段を有し、各運動動作の指示では、ユーザの前記加速度センサが装着される身体部位の位置及び/又は移動方向が定められてあり、前記判定手段は、前記運動動作の指示で定められている前記身体部位の位置及び/又は移動方向と前記検出手段が求めた前記加速度センサの位置及び/又は移動方向とが同等であるか否かを判定し、同等でない場合に、前記運動動作の指示で定められている前記身体部位の位置及び/又は移動方向と前記検出手段が求める前記加速度センサの位置及び/又は移動方向とが同等でない状態での経過時間を測定する手段と、前記経過時間が所定時間以上となった場合に、前記運動動作の指示とユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーが発生したと判定する手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る運動支援システムは、複数の運動動作は、種類別に分類されてあり、各種類に分類された複数の運動動作の夫々には、運動の負荷に応じた相対的なレベルが定められており、前記禁止手段は、運動メニューに含ませるべき運動動作として、使用の禁止を通知された運動動作を、該運動動作と同一の種類に分類されてあって前記運動動作のレベル以下のレベルが定められている他の運動動作に置換する手段を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る運動支援システムは、前記中央装置には、複数の運動支援装置が接続されてあり、前記記憶手段は、前記エラー発生回数として、複数の運動支援装置でエラーの発生が判定された回数を合計した値を記憶するように構成してあり、前記通知手段は、前記運動動作の使用の禁止を複数の運動支援装置へ通知するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る運動支援装置は、運動動作の指示を表示部に表示することによりユーザの運動を支援する運動支援装置において、複数の運動動作を含み、各運動動作を指示する順序を定めた運動メニューを作成する手段と、該手段が作成した運動メニューに定められた順序で、前記運動メニューに含まれる複数の運動動作の夫々の指示を、前記表示部に表示させる手段と、ユーザの動作を検出する検出手段と、前記表示部で表示した運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーの発生の有無を判定する判定手段と、運動動作の指示の表示中にエラーの発生が判定された回数であるエラー発生回数が所定量以上である運動動作を運動メニューに含めることを禁止する禁止手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る運動支援装置は、前記判定手段は、前記表示部で表示した一の運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上となった場合に、前記表示部に、前記運動動作の指示の表示を停止させ、所定の応答をユーザに促すための情報を表示させる手段と、ユーザからの所定の応答を受け付ける手段と、前記運動動作の指示の表示を停止してから所定時間以内にユーザからの所定の応答を受け付けた場合は、前記表示部に、前記運動動作の指示の表示を再開させ、第1のエラーが発生したと判定する手段と、前記運動動作の指示の表示を停止してから所定時間以内にユーザからの所定の応答の受け付けがない場合は、第2のエラーが発生したと判定する手段とを有し、前記禁止手段は、運動動作の指示が表示された回数に対する第1のエラーの発生が判定された回数の割合が所定の第1割合以上である運動動作を運動メニューに含めることを禁止する手段と、運動動作の指示が表示された回数に対する第2のエラーの発生が判定された回数の割合が所定の第2割合以上である運動動作を運動メニューに含めることを禁止する手段とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る運動支援装置は、複数の運動動作は、種類別に分類されてあり、各種類に分類された複数の運動動作の夫々には、運動動作の内容に応じた相対的なレベルが定められており、前記禁止手段は、運動メニューに含ませるべき運動動作として、運動メニューに含めることを禁止すべき運動動作を、該運動動作と同一の種類に分類されてあって前記運動動作のレベル以下のレベルが定められている他の運動動作に置換する手段を有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る運動支援方法は、記憶手段、表示手段及び演算手段を用い、運動動作の指示を表示手段に表示することによりユーザの運動を支援する運動支援方法において、複数の運動動作を含み、各運動動作を指示する順序を定めた運動メニューを演算手段で作成し、作成した運動メニューに定められた順序で、前記運動メニューに含まれる複数の運動動作の夫々の指示を、表示手段で順に表示し、ユーザの動作を検出できるセンサを用いて、ユーザの動作を検出し、表示手段で表示した運動動作の指示と検出したユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーの発生の有無を演算手段で判定し、前記複数の運動動作の夫々に関連付けて、各運動動作の指示の表示中にエラーの発生が判定された回数であるエラー発生回数を記憶手段で記憶し、記憶手段が記憶する一の運動動作に関連付けられたエラー発生回数が所定量以上である場合に、運動メニューに前記運動動作を含めることを演算手段で禁止することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、コンピュータ内部又は外部の表示部に運動動作の指示を表示することによりユーザの運動を支援させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、複数の運動動作を含み、各運動動作を指示する順序を定めた運動メニューを作成させる手順と、コンピュータに、作成した運動メニューに定められた順序で、前記運動メニューに含まれる複数の運動動作の夫々の指示を、前記表示部に表示させる手順と、コンピュータに、ユーザの動作を検出させる手順と、コンピュータに、前記表示部で表示した運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーの発生の有無を判定させる手順と、コンピュータに、運動動作の指示の表示中にエラーの発生が判定された回数であるエラー発生回数が所定量以上である運動動作を運動メニューに含めることを禁止させる手順とを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明においては、運動メニューに従って運動動作の指示を表示する際に、運動動作の指示に従ったユーザの動作を検出し、運動動作の指示とユーザの動作とのズレが所定以上となるエラーの発生を判定し、エラー発生回数を記憶し、特定の運動動作に係るエラー発生回数が所定量以上となった場合に、その運動動作の使用を禁止する。
【0017】
また本発明においては、運動動作の指示とユーザの動作とのズレが所定以上となった場合に、運動動作の指示の表示を停止し、所定時間内にユーザからの応答があった場合は第1のエラーが発生したとし、所定時間内に応答がない場合はより深刻な第2のエラーが発生したとする。更に、特定の運動動作の指示回数に対する第1エラー発生回数の割合が所定の第1割合以上である場合に、その運動動作の使用を禁止し、特定の運動動作の指示回数に対する第2エラー発生回数の割合が所定の第2割合以上である場合に、その運動動作の使用を禁止する。
【0018】
また本発明においては、より深刻な第2のエラーが発生する運動動作の使用を禁止するための基準である第2割合は、第1割合よりも小さい値とする。
【0019】
また本発明においては、ユーザは携帯型の加速度センサを身体に装着し、加速度センサの測定結果に基づいて、ユーザの加速度センサが装着される身体部位の位置及び/又は移動方向を検出し、運動動作の指示とユーザの動作とのズレを測定する。
【0020】
また本発明においては、運動動作の使用を禁止する際には、使用を禁止される運動動作を、運動の種類が同一で運動の負荷が同等以下である他の運動動作に置き換える。
【0021】
更に本発明においては、複数の運動支援装置において発生したエラーを合計して記憶し、運動動作の使用を禁止する際には、複数の運動支援装置で運動動作の使用を禁止する。
【発明の効果】
【0022】
本発明にあっては、運動動作の指示とユーザの動作とのズレが所定以上となるエラーの原因は、ユーザの怪我、又は怪我の前兆である姿勢不一致であり、エラー発生回数が多い運動動作の使用を禁止することにより、怪我又は姿勢不一致が発生し易い危険な運動をユーザにさせることを防止する。
【0023】
また本発明にあっては、ユーザが応答できない第2のエラーは怪我の発生であり、ユーザが怪我をする確率が高い運動動作の使用が禁止され、またユーザが応答できる第1のエラーは、怪我の発生ではなくとも怪我の前兆である姿勢不一致の発生であり、怪我の発生に繋がり易い運動動作の使用が禁止される。従って、ユーザに危険な運動をさせることを防止し、安全性を向上させることができる。
【0024】
また本発明にあっては、ユーザが応答できない第2のエラーは第1のエラーよりも深刻な怪我の発生であり、第2割合を第1割合よりも小さくすることで、より危険な運動動作の使用が禁止されやすくなり、より安全性が向上する。
【0025】
また本発明にあっては、携帯型の加速度センサを用いることにより、簡単な処理でユーザの動作を検出することができる。
【0026】
また本発明にあっては、使用を禁止される運動動作は、運動の負荷が同等以下の他の運動動作に置き換えられるので、特定の運動動作が禁止されてもユーザに掛かる負担は増大することはなく、運動支援システムの安全性がより向上する。
【0027】
更に本発明にあっては、複数の運動支援装置での結果を合計することにより、一般的に異常が発生しやすい運動動作を検出して使用を禁止することができ、全ユーザに対して安全性を向上させることが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る本発明の運動支援システムの概要を示す模式的概念図である。運動支援システムは中央装置3、端末装置2,2,…及び運動支援装置1,1,…を含んで構成される。複数の端末装置2,2,…が通信ネットワークNを介して中央装置3に接続されており、各端末装置2は、運動を希望するユーザが通う運動施設Gに設置されている。運動施設Gには、端末装置2と共に、複数の運動支援装置1,1,…が設置されており、運動支援装置1,1,…は運動施設G内のLAN(Local Area Network)により端末装置2に接続されている。中央装置3と端末装置2,2,…とは、通信ネットワークNを介して各種の情報を相互に送受信し、端末装置2と運動支援装置1,1,…とは、運動施設G内のLANを介して各種の情報を相互に送受信する。
【0029】
運動施設G内には、ユーザが運動を行うための運動用ブース5が複数設けられており、運動支援装置1,1,…の夫々は運動用ブース5,5,…の夫々に配置されている。また本発明の運動支援システムは、運動用ブース5内で運動を行うユーザの身体に装着される加速度センサを更に含んで構成される。本発明の運動支援システムは、複数の運動動作からなる運動メニューを作成し、運動用ブース5内で運動を行うユーザに対して、運動メニューに従った順に運動動作の指示を表示することによって、ユーザの運動の支援を行う。なお、以下に説明する本実施の形態においては、必要な処理を端末装置2及び運動支援装置1,1,…が分散して行う形態について説明するが、単体の運動支援装置1が端末装置2を介さずに中央装置3に接続されており、端末装置2及び運動支援装置1が分散して行うべき処理を運動支援装置1が単体で行う形態であってもよい。
【0030】
図2は運動用ブース5の概要を示す模式図である。運動用ブース5はプライバシーを保護するために個室内にそれぞれ設置されている。なお、図示しないカーテン等により運動用ブース5を覆うことによりプライバシーを保護するようにしても良い。運動用ブースは正面パネル51、右側パネル52及び左側パネル53を含んで構成される。正面パネル51は例えば矩形板状の木等から構成され、高さ方向における略中央部を境に、その上半分の領域に第1表示部141が嵌め込まれており、またその下半分の領域に第2表示部142が嵌め込まれている。なお、第1表示部141はその中心位置が女性の平均身長に基づく視線位置と略一致する位置に配置することが好ましい。また第2表示部142はその中心位置が、底辺から約50cmの位置に配置することが好ましい。
【0031】
上側に設置される第1表示部141はユーザが起立した状態で運動する際の手本となる動画像を表示するためのものである。一方、下側に設置される第2表示部142はユーザが座った状態または寝た状態で運動する際の手本となる動画像を表示するためのものである。正面パネル51の上辺左右端にはスピーカ19,19がそれぞれ取り付けられている。スピーカ19,19は第1表示部141及び第2表示部142に表示される動画像に係る音声を出力する。
【0032】
正面パネル51の上辺略中央部にはカメラ133が設置されている。また第1表示部141と第2表示部142との間には、ユーザから操作されて情報を入力される入力部131が操作部分を第1表示部141、第2表示部142の表示方向と同じ方向に臨ませてパネル51に取り付けられている。また運動用ブース5で運動するユーザは、本発明に係る加速度センサである手首用センサ41及び腰用センサ42を装着している。手首用センサ41及び腰用センサ42は、夫々にユーザの手首及び腰に装着することができる携帯型の加速度センサであり、測定結果を無線で外部へ送信することができるようになっている。正面パネル51の上辺には、手首用センサ41及び腰用センサ42から送信された測定結果を受信する受信部132が設置されている。第1表示部141、第2表示部142、カメラ133、スピーカ19,19、入力部131及び受信部132はコンピュータ10に接続され、運動支援装置1を構成している。
【0033】
図3は実施の形態1に係る本発明の運動支援装置1の内部構成を示すブロック図である。運動支援装置1は、第1表示部141、第2表示部142、カメラ133、スピーカ19、入力部131及び受信部132とコンピュータ10とから構成される。コンピュータ10は、演算手段として演算を行うCPU(Central Processing Unit )11と、演算に伴って発生する一時的な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)12と、ハードディスク又は不揮発性の半導体メモリ等の記憶部(記憶手段)15とを備えている。記憶部15は、本発明のコンピュータプログラム150を記憶しており、CPU11は、必要に応じて記憶部15からRAM12へコンピュータプログラム150をロードし、ロードしたコンピュータプログラム150に基づいて運動支援装置1に必要な処理を実行する。またコンピュータ10は、LANを介して端末装置2と通信を行う通信部16、及び計時部18を備えている。RAM12、記憶部15、通信部16及び計時部18は、コンピュータ10内のバス17を介してCPU11に接続されている。また第1表示部141、第2表示部142、カメラ133、スピーカ19、入力部131及び受信部132の夫々は、直接に又は各種のインタフェースを介してバス17に接続され、バス17を介してCPU11に接続されている。
【0034】
第1表示部141及び第2表示部142は、例えば液晶ディスプレイ等であり、運動メニューに従った運動動作の指示を動画像で表示する。第1表示部141及び第2表示部142は、本発明における表示手段及び表示部に対応する。入力部131はプッシュボタン等により構成される。なお、第1表示部141又は第2表示部142上に入力部131を積層し、タッチパネルとしても良い。スピーカ19は動画像に伴う音声を増幅して出力する。通信部16は例えば有線又は無線のLANカード等であり、端末装置2との間で必要な情報を送受信する。
【0035】
計時部18は、特定のトリガーから経過した時間を測定する。カメラ133はCCD(Charge Coupled Device )等の撮像素子を有し、取り込んだ画像をA/D変換した後、変換後の画像データをCPU11へ出力する。記憶部15は、運動DB(データベース)151、姿勢DB152及び運動メニュー153が記憶されている。CPU11は記憶部15内の運動DB151等のフィールドのキーを関連づけたスキーマにおいてSQL(Structured Query Language )等のデータベースの形式に応じたアクセスインターフェースを用いて対話することにより、必要な情報の記憶、検索等の処理を実行する。なお、本実施の形態においては記憶部15内部に運動DB151等を記憶する形態につき説明するが、通信部16を介して接続される図示しないデータベースサーバにこれらの情報を記憶し、必要に応じて読み書きするようにしても良い。なお、これらの詳細については後述する。なお、各DB及びファイルのデータの持ち方はあくまで一例であり、これに限定するものではない。
【0036】
図4は、手首用センサ41の内部構成を示すブロック図である。手首用センサ41は、手首用センサ41自体に加わる加速度を測定するセンサ部411と、センサ部411による測定結果を受信部132へ送信する送信部412とを備えている。センサ部411は、加速度を三軸夫々の方向で測定する三軸センサである。手首用センサ41はリストバンドに取り付けられており、ユーザの手首に装着される。また腰用センサ42も同様の構成となっている。手首用センサ41及び腰用センサ42は、共に腕時計程度の大きさであり、ユーザに装着されてもユーザの動作を極力阻害しない大きさ・重さに構成され、図2に示すように、手首用センサ41は例えばユーザの左手首に装着され、腰用センサ42は例えばユーザの左腰に装着される。手首用センサ41及び腰用センサ42は、ユーザの運動によって発生する加速度を常時測定し、測定結果を受信部132へ送信する。
【0037】
図5は、記憶部15が記憶する運動DB151の内容例を示す説明図である。運動DB151は、運動メニューを構成するための個々の構成要素を記録したデータベースであり、運動の種類フィールド、運動パーツフィールド及びレベルフィールドを含んで構成される。運動の種類フィールドには、全身で行う有酸素運動であるエアロビクスと、筋トレ腹又はストレッチ腹等、身体中の鍛えるべき部位を特定した種々の運動の種類とが記録されている。図中には、運動の種類として3種類を示したが、筋トレ腕等、身体中の鍛えるべき各部位を特定した多くの運動の種類が運動DB151に記録されている。
【0038】
運動パーツフィールドには、各運動の種類に関連付けて、夫々が一通りの運動動作を示す複数の運動パーツが記録されている。例えば、エアロビクスに関連付けて、足踏みの運動動作を示す「ゆっくりマーチ」、足踏みに前後移動を加えた「ゆっくりマーチ&前後移動」等が記録されている。運動パーツは、複数の運動動作からなる運動メニューの構成単位となる。レベルフィールドには、各運動パーツに関連付けて、運動の負荷の高さを表すレベルが数値で記録されている。図中の例では、レベルを4段階又は5段階に分類した運動パーツを記録した例を示しているが、より多くの段階のレベルに分類した運動パーツを記録してもよい。
【0039】
また運動DB151は、各運動パーツに関連付けて、当該運動パーツの運動動作を動画像で指示するための画像データを記録している。例えば、ゆっくりマーチの運動パーツには、人物が立った状態で足踏みの運動動作を行う動画像を表す画像データが関連付けられている。この画像データとしては、予めインストラクタが運動する様子を撮影した動画像を表す画像データを記録しておけばよい。その他、3Dポリゴンにより構成されるキャラクタ画像に運動パーツが示す運動動作を行わせた動画像の画像データを記録しておく、又は、運動動作の指示を表示する都度、キャラクタ画像を動作させるようにしても良い。本実施の形態においては、キャラクタ画像を動作させた画像データを運動パーツ毎に予め記録しておく形態につき説明する。
【0040】
更に、運動DB151は、代理運動パーツフィールドを含んで構成されている。代理運動パーツフィールドには、各運動の種類に関連付けて、一通りの運動動作を示す代理運動パーツが記録されている。また代理運動パーツには、レベル「1」が関連付けられている。代理運動パーツは、ユーザが異常を来したためにレベル1の運動パーツが利用を禁止された場合に、利用を禁止された運動パーツの代わりに利用するものである。運動DB151には、運動パーツと同様に、各代理運動パーツに関連付けて、当該運動パーツの運動動作を動画像で指示するための画像データが記録されている。更に運動DB151には、図示しないウォーミングアップ用の画像データが記録されている。
【0041】
図6は、記憶部15が記憶する姿勢DB152の内容例を示す説明図である。姿勢DB152は、各運動パーツの運動動作を行った場合にユーザが取るべき正しい姿勢を記録したデータベースであり、運動の種類フィールド、運動パーツフィールド、姿勢フィールド、腰移動フィールド及び手移動フィールドを含んで構成される。運動DB151にも記録されている運動の種類及び運動パーツに関連付けて、姿勢フィールドには、各運動パーツの運動動作をユーザが行った場合のユーザの正しい姿勢が記録されており、例えばエアロビクスの各運動パーツには立位が関連付けられている。ここで、立位とは、ユーザが起立している状態を示す。図7は、本発明で利用可能な姿勢の例を示す概念図である。姿勢として立位、仰臥位、伏臥位、横臥位及び座位があり、各運動パーツの運動動作を行う際にユーザがとるべき姿勢が運動パーツに関連付けられている。立位と他の姿勢とではユーザの腰の位置及び方向が異なるので、各運動パーツに関連付けられた姿勢は、各運動パーツの運動動作を行う際のユーザの腰の位置に対応する。
【0042】
また腰移動フィールドには、運動パーツに関連付けて、各運動パーツの運動動作をユーザが行った場合にユーザの腰が移動する方向が記録されている。更に手移動フィールドには、運動パーツに関連付けて、各運動パーツの運動動作をユーザが行った場合にユーザの手が移動する方向が記録されている。例えば、足踏みであるゆっくりマーチの運動動作を行うときには、ユーザの姿勢は立位であり、腰は上下に移動し、手は前後に移動するので、ゆっくりマーチの運動パーツには、立位の姿勢、上下の腰移動、及び前後の手移動が関連付けられている。図6には、エアロビクスに係る運動パーツについて正しい姿勢を記録した例を示したが、姿勢DB152は、その他の運動の種類に係る運動パーツについても正しい姿勢を記録してある。
【0043】
図8は端末装置2の内部構成を示すブロック図である。端末装置2は、汎用のコンピュータを用いてなり、演算を行うCPU21、RAM22、入力部23、表示部24、記憶部25及び通信部26を備える。RAM22、入力部23、表示部24、記憶部25及び通信部26は、バス27を介してCPU21に接続されている。RAM22は、半導体素子で構成され、CPU21が実行する演算に必要な情報を記憶する。記憶部25は、ハードディスク又は不揮発性の半導体メモリ等で構成され、制御プログラム25Pを記憶しており、CPU21は、必要に応じて記憶部25からRAM22へ制御プログラム25Pをロードし、ロードした制御プログラム25Pに基づいて処理を実行する。
【0044】
表示部24は例えば液晶ディスプレイ等であり、入力部23はキーボードまたはマウス等により構成される。なお、表示部24と入力部23とを一体化しタッチパネルとしても良い。表示部24及び入力部23は、例えば運動施設Gのカウンタに設置される等、運動施設Gに来店したユーザが表示部24の表示内容を表示しながら入力部23を操作することができるように設置されている。通信部26はファイアウォールとしての機能を果たすゲートウェイ等である。通信部26は、LANを介して運動支援装置1,1,…と通信を行い、又、通信ネットワークNを介して中央装置3と通信を行う。
【0045】
記憶部25は、運動施設Gを利用するユーザに係る情報を記録したユーザDB251を記憶する。CPU21は記憶部25内のユーザDB251のフィールドのキーを関連づけたスキーマにおいてSQL等のデータベースの形式に応じたアクセスインターフェースを用いて対話することにより、必要な情報の記憶、検索等の処理を実行する。なお、本実施の形態においては記憶部25内部にユーザDB251等を記憶する形態につき説明するが、通信部26を介して接続される図示しないデータベースサーバにこれらの情報を記憶し、必要に応じて読み書きするようにしても良い。
【0046】
図9は中央装置3の内部構成を示すブロック図である。中央装置3は、汎用のコンピュータを用いてなり、演算を行うCPU31、RAM32、通信部36及び記憶部35を備える。RAM32、通信部36及び記憶部35は、バス37を介してCPU31に接続されている。RAM32は、半導体素子で構成され、CPU31が実行する演算に必要な情報を記憶する。記憶部35は、ハードディスク又は不揮発性の半導体メモリ等で構成され、制御プログラム35Pを記憶しており、CPU31は、必要に応じて記憶部35からRAM32へ制御プログラム35Pをロードし、ロードした制御プログラム35Pに基づいて処理を実行する。
【0047】
通信部36はファイアウォールとしての機能を果たすゲートウェイ等であり、通信ネットワークNを介して端末装置2と通信を行う。記憶部35は、各運動施設Gで発生したユーザの怪我の状況を記録した怪我管理DB351を記憶する。CPU31は記憶部35内の怪我管理DB351のフィールドのキーを関連づけたスキーマにおいてSQL等のデータベースの形式に応じたアクセスインターフェースを用いて対話することにより、必要な情報の記憶、検索等の処理を実行する。
【0048】
次に、以上の構成でなる運動支援システムによりユーザの運動を支援する処理を説明する。端末装置2は、運動施設Gに来店したユーザの個人情報を登録する処理を行う。運動支援装置1は、端末装置2が登録した個人情報に基づいて運動メニューを作成し、作成した運動メニューに従った運動動作の指示を表示する処理を行う。また運動支援装置1は、運動動作の指示を表示している最中に、運動動作の指示とユーザの動作とが合わない姿勢不一致、又はユーザの怪我の発生を監視し、姿勢不一致又は怪我が発生した場合に、どの運動パーツに係る運動動作の指示によって姿勢不一致又は怪我が発生したかを中央装置3へ通知する処理を行う。中央装置3は、運動パーツの利用回数と、運動パーツに係る姿勢不一致及び怪我の発生回数とを蓄積する。更に運動支援装置1は、中央装置3が蓄積した姿勢不一致又は怪我の発生が一定割合を越えた運動パーツについては運動メニューに使用することを禁止する処理を行う。
【0049】
図10は、端末装置2が行う個人情報の登録の処理の手順を示すフローチャートである。新規のユーザが運動施設Gに来店した場合、ユーザ又は運動施設Gのスタッフが入力部23を操作することにより、端末装置2は、ユーザ登録の指示を受け付ける。ユーザ登録の指示を受け付けた場合、端末装置2のCPU21は、新規のユーザを特定するIDとして、ユーザDB251に記録されていない新たなIDを一つ設定する(S11)。IDは、本発明の運動支援システムを利用する各ユーザを特定するための固有の識別情報である。CPU21は、次に、予め記憶部25に記憶してある登録画面用のデータを読み出し、ID以外のユーザの個人情報を登録するための登録画面を表示部24に表示させる(S12)。
【0050】
図11は、表示部24が表示する登録画面の例を示す模式図である。登録画面には、氏名、電子メールアドレス、年齢、性別、平常時の心拍数または運動習慣等を含む個人情報を入力する画面の他、ID及び登録ボタンが表示される。図11の例では、IDとして「XX01」がCPU21により割り振られている。ユーザは、端末装置2の表示部24に表示される登録画面を閲覧しながら、入力部23を操作して必要な情報を入力する。ユーザは入力部23を用いて、個人情報である氏名、電子メールアドレス、年齢、性別、平常時の心拍数及び運動習慣を入力する。平常時の心拍数はユーザが脈拍計により予め計測した脈拍を入力する。運動習慣としては複数の選択肢が表示されており、ユーザは入力部23を用いて該当する運動習慣を一つ選択する。例えばユーザが週末だけ運動する場合は、番号3が選択される。ユーザは全ての項目を入力し終えた場合は、入力部23を用いて登録画面上の登録ボタンを指定する。
【0051】
CPU21は、ユーザの操作により入力部23から入力される氏名、電子メールアドレス、年齢、性別、平常時の心拍数、又は運動習慣を含む個人情報を受け付ける(S13)。ユーザが登録画面上の登録ボタンを指定することに応じて、CPU21は、個人情報の受け付けを終了し、次に、受け付けた個人情報をIDに関連付けて、記憶部25が記憶するユーザDB251に記録し(S14)、登録の処理を終了する。なお、本実施の形態においては、ユーザが端末装置2の入力部23からこれらの情報を入力する例について説明したが、運動支援装置1の入力部13からこれらの情報を入力して端末装置2へ送信し、端末装置2にて記憶するようにしても良い。また、ユーザが使用する図示しないパーソナルコンピュータ(PC)又は携帯電話機等に表示されるWebブラウザを介して、これらの情報を入力し、通信ネットワークNを介して端末装置2へ送信しても良い。
【0052】
図12は、記憶部25が記憶するユーザDB251の内容例を示す説明図である。ユーザDB251はIDフィールド、氏名フィールド、電子メールアドレスフィールド、年齢フィールド、性別フィールド、平常時の心拍数フィールド、及び運動習慣フィールド等を含んで構成される。ユーザDB251は入力部23を通じて入力された個人情報をIDに対応づけて記憶する。図12の例ではID「XX01」のユーザは、氏名及び電子メールアドレスの他、年齢が25、性別は女性、平常時の心拍数は65、運動習慣は5とそれぞれ記憶されている。なお、運動習慣は5が「毎日運動する」であり、4が「週3回程度運動する」であり、3が「週末だけ運動する」であり、2が「月1回程度運動する」であり、1が「ほとんど運動しない」、に対応づけられている。このように数値が大きくなるほど運動習慣が多くなるよう設定している。
【0053】
ユーザは初期登録後、運動支援装置1が備わる運動用ブース5へ移動し、運動支援装置1を操作する。運動支援装置1は、ユーザに対して運動メニューを作成する処理を行う。図13は、運動支援装置1が運動メニューを作成する処理の手順を示すフローチャートである。運動支援装置1のCPU11は、入力部131をユーザが操作することによる、IDの受け付けを待ち受ける(S21)。IDの受け付けがない場合は(S21:NO)、CPU11はIDの受け付けの待ち受けを続行する。IDを受け付けた場合は(S21:YES)、CPU11は、通信部16に、受け付けたID及びユーザの個人情報の要求を端末装置2へ送信させる(S22)。端末装置2は、通信部26でID及個人情報の要求を受信し、CPU21は、受信したIDを記憶部25が記憶するユーザDB251から検索する。CPU21は、受信したIDがユーザDB251に記録されていない場合は、通信部26に運動支援装置1へエラーを送信させる。CPU21は、受信したIDがユーザDB251に記録されている場合は、受信したIDに関連付けてユーザDB251に記録されている個人情報を、通信部26に運動支援装置1へ送信させる。
【0054】
運動支援装置1のCPU11は、ステップS22の後、端末装置2から送信される情報の受信を待ち受ける(S23)。情報の受信がない場合は(S23:NO)、CPU11は、情報の受信の待ち受けを続行する。端末装置2から送信された情報を通信部16で受信した場合は(S23:YES)、CPU11は、受信した情報が個人情報であるか否かを判定する(S24)。受信した情報が個人情報ではなくエラーであった場合は(S24:NO)、CPU11は、処理を終了する。受信した情報が個人情報であった場合は(S24:YES)、CPU11は、受け付けたID、及び受信した個人情報に含まれる氏名を第1表示部141又は第2表示部142に表示させる(S25)。ユーザは、ここで、自分の名前が表示されていることを確認できる。
【0055】
CPU11は、次に、身体中の鍛える部位を入力するための入力画面を第1表示部141又は第2表示部142に表示させる(S26)。図14は、鍛える部位を入力するための入力画面の例を示す模式図である。CPU11は記憶部15に記憶した運動目的たる鍛える部位を入力する画面を読み出し、第1表示部141又は第2表示部142に表示させる。ユーザは、入力部13を操作することにより、運動目的の一つとして、身体中で具体的に鍛える部位を入力画面上で入力する。鍛える部位として、肩、腕、胸、背中、腹、わき腹、臀部、腿の内側、腿の外側、腿の前側、腿の後側、ふくらはぎ及びすね等が表示され、ユーザは入力部13を用いて、希望する部位を選択する。なお、鍛える部位は一つだけではなく、複数選択しても良い。各部位にはチェックボックスが並記されており、入力部13の選択によりチェックマークが入力画面上に表示される。
【0056】
なお、本実施の形態においては、「肩」を鍛える等の鍛える部位を指定した運動目的を選択させるようにしたが、これ以外にも抽象的な運動目的を表示するようにしても良い。例えば「腕力をつけたい」、「おなか周りを小さくしたい」、または「肩こりを治したい」等の目的を選択させるようにしても良い。運動目的が「腕力をつけたい」の場合、肩、腕、及び胸が部位として、「おなか周りを小さくしたい」の場合、腹、及びわき腹が部位として、また「肩こりを治したい」の場合は肩が部位としてCPU11により図示しないテーブルを参照して選択される。CPU11は鍛える部位に合わせて表示される決定ボタンの操作を入力部13から受け付けた場合、入力部13から入力された鍛える部位の情報を受け付ける。本例では、鍛える部位として腕及び腹が選択されたものとして説明する。
【0057】
CPU11は、入力画面上で鍛える部位が指定されると共に決定ボタンが操作されることによる、表示した入力画面を利用した鍛える部位の受け付けを待ち受ける(S27)。鍛える部位の受け付けがない場合は(S27:NO)、CPU11は、受け付けの待ち受けを続行する。入力部131から鍛える部位を受け付けた場合は(S27:YES)、CPU11は、受信した個人情報、及び受け付けた鍛える部位に応じた運動メニューを作成する(S28)。具体的には、CPU11は、記憶部15が記憶する運動DB151から、運動の種類として、エアロビクス、及び鍛える部位に対応する運動の種類を選択し、選択した運動の種類に関連付けられた運動パーツの内、個人情報に含まれる運動習慣に応じたレベルが関連付けられた運動パーツを抽出し、抽出した運動パーツを適宜組み合わせた運動メニューを作成する。
【0058】
図15は、運動メニューの例を示す概念図である。運動メニューは、運動支援装置1が運動動作の指示を表示すべき運動パーツを順序に並べて構成され、各運動パーツについて運動の持続時間を定めてある。図15に例を示す運動メニューは、ウォーミングアップ、エアロビクス、及び鍛える部位に対応する運動からなる。ウォーミングアップは全ユーザに共通のものであり、体温を上昇させ強度の高い運動ができる状態にする運動が用意されている。ウォーミングアップは、運動メニューの冒頭に例えば300秒の時間で割り当てられる。ウォーミングアップに続く運動としては、エアロビクスと鍛える部位に対応する運動とが交互に繰り返し割り当てられる。例えば、鍛える部位が腹である場合は、運動の種類として、筋トレ腹及びストレッチ腹が選択される。また運動パーツとして、例えば、運動習慣と同一の数字のレベル、又は運動習慣の数字以下の数字のレベルが関連付けられた運動パーツが抽出される。抽出されたエアロビクス及び鍛える部位に対応する運動の種類の運動パーツを繰り返し組み合わせることにより、ウォーミングアップに続く運動のメニューが作成される。図15には、ウォーミングアップに続いて、エアロビクスと筋トレとが交互に割り当てられた例を示している。例えば、図中に示したエアロビクス1〜4には、図5に示したエアロビクスに係る運動パーツのいずれかが割り当てられ、筋トレ1〜4には、図5に示した筋トレ腹に係る運動パーツのいずれかが割り当てられる。各運動パーツには、30秒の時間で割り当てられている。このように、CPU11は、運動DB151から抽出された運動パーツを組み合わせ、運動パーツの時間の合計が所定時間となる運動メニューを作成する。またCPU11は、運動メニューにおいて、運動動作の指示に伴って再生する楽曲を各運動に対応付けている。各楽曲を再生するための楽曲データは、記憶部15に記憶されている。
【0059】
なお、ウォーミングアップの内容は全ユーザに共通でもよく、ユーザ別に定めてもよい。また、ユーザの来店履歴に基づいて運動パーツのレベルを定める方法、又は個人情報を所定の関係に従って運動パーツのレベルに対応させる方法等、運動習慣に応じた運動パーツを抽出する以外の方法で運動パーツを抽出する処理を行ってもよい。
【0060】
ステップS28で運動メニューを作成した後は、CPU11は、作成した運動メニュー153を記憶部15に記憶させ(S29)、処理を終了する。運動支援装置1は、次に、運動メニュー153に従った順に運動動作の指示を表示する処理を行い、運動支援装置1を含む本発明の運動支援システムは、運動動作の指示を表示している最中に姿勢不一致又は怪我の発生が一定割合を越えた運動パーツの使用を禁止する処理を行う。
【0061】
図16〜19は、運動動作の指示を表示するために運動支援装置1が行う処理、及び運動パーツの使用を禁止するために運動支援システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。運動支援装置1のCPU11は、まず、「手首用センサを手首に、腰用センサを腰に装着して下さい」等のメッセージを第1表示部141に表示させることにより、加速度センサである手首用センサ41及び腰用センサ42の装着をユーザに指示する(S301)。CPU11は、次に、手首用センサ41及び腰用センサ42を装着したユーザが入力部131を操作することによる準備完了の応答の受け付けを待ち受ける(S302)。準備完了の応答の受け付けがない場合は(S302:NO)、CPU11は、待ち受けを続行する。
【0062】
ステップS302で準備完了の応答を受け付けた場合は(S302:YES)、CPU11は、「立位の姿勢をとって下さい」のメッセージと共に立位の姿勢をとった人物の画像を第1表示部141に表示させる等により、ユーザに立位の姿勢をとることを指示する(S303)。CPU11は、次に、計時部18が所定時間の経過を計時するまで待機し、この時点での手首用センサ41及び腰用センサ42の位置がユーザが立位をとった場合の位置であるとして手首用センサ41及び腰用センサ42の位置の初期設定を行う(S304)。
【0063】
CPU11は、次に、記憶部15に記憶する運動メニュー153の内容に従って、運動メニュー153に含まれる最初の運動パーツに係る画像データ及び楽曲データを記憶部15から読み出す(S305)。CPU11は、次に、読み出した画像データに基づいた動画像を第1表示部141又は第2表示部142に表示させる動画再生を開始する(S306)。再生する動画は、インストラクタの画像又はキャラクタ画像が運動パーツの運動動作の手本を示す動画であり、ユーザは動画を見ながら運動動作を行う。CPU11は、立位での運動については第1表示部141に動画像を表示させ、座った状態又は寝た状態で行う運動については第2表示部142に動画像を表示させる。また動画像の再生に伴い、CPU11は、読み出した楽曲データに基づいた楽曲をスピーカ19,19から再生させる。このようにして、CPU11は、運動動作の指示を行う。
【0064】
CPU11は、次に、手首用センサ41及び腰用センサ42から随時送信される加速度の測定結果を受信部132で受信し、受信した加速度の測定結果に基づいた計算により、加速度センサである手首用センサ41及び腰用センサ42の位置及び移動方向を検出する(S307)。手首用センサ41及び腰用センサ42の移動方向は、ユーザの手及び腰の移動方向に対応し、腰用センサ42の位置は、立位又はその他の姿勢等のユーザの姿勢に対応する。CPU11は、次に、姿勢DB152に運動パーツに関連付けて記録してある姿勢並びに手及び腰の移動方向と、検出した手首用センサ41及び腰用センサ42の位置及び移動方向とを比較し、検出した位置及び移動方向が、姿勢DB152に記録された正常な姿勢に対応する位置及び正常な移動方向と一致するか否かを判定する(S308)。例えば、CPU11は、腰用センサ42の位置が初期設定の位置から所定量だけ下方の位置よりも上方である場合に、検出した位置が立位に対応する位置であると判定し、腰用センサ42の位置が初期設定の位置から所定量以上下方である場合に、検出した位置が座位又は仰臥位等の座った姿勢又は寝た姿勢に対応する位置であると判定する。正常な姿勢が立位であり、検出した位置が立位に対応する位置であれば位置は一致し、検出した位置が仰臥位に対応する位置であれは位置は一致しない。検出した位置又は移動方向が正常な位置又は移動方向に一致しない場合は(S308:NO)、CPU11は、計時部18が計時する経過時間を参照し、不一致の状態が所定時間継続するか否かを判定する(S309)。
【0065】
ステップS308で位置及び移動方向が正常な位置及び移動方向に一致した場合(S308:YES)、又はステップ309で不一致の状態が所定時間継続しなかった場合は(S309:NO)、CPU11は、運動メニュー153で定められた運動パーツの継続時間が経過して、動画再生が終了したか否かを判定する(S310)。まだ動画再生が終了していない場合は(S310:NO)、CPU11は、処理をステップS307へ戻し、再度加速度センサの位置及び移動方向を検出する。動画再生が終了した場合は(S310:YES)、CPU11は、次に運動動作を指示すべき運動パーツが運動メニュー153に含まれているか否かを判定する(S311)。次の運動パーツがある場合は(S311:YES)、CPU11は、処理をステップS305へ戻し、運動メニュー153に定められた順序に従って、次に運動動作を指示すべき運動パーツに係るデータを記憶部15から読み出す。
【0066】
ステップS309において、検出した加速度センサの位置又は移動方向が正常な位置又は移動方向に一致しない状態が所定時間継続する場合は(S309:YES)、異常が発生したとして、動画の再生を中止する(S312)。図20は、異常が発生した場合の経過を示す説明図である。図中には、運動メニュー153に従った運動の経過と、各運動パーツについて姿勢DB152で定められた正常な姿勢と、検出した腰用センサ42の位置に対応するユーザの姿勢とを示している。ウォーミングアップ、エアロビクス1及び筋トレ1の運動では、正常な姿勢と、検出した位置に対応する姿勢とは一致しており、運動が継続される。しかし、エアロビクス2の運動では、正常な姿勢が立位であるのに対し、検出した位置に対応する姿勢が仰臥位であり、ユーザが運動動作の指示に従った運動動作を行えなくなっている。ユーザが運動動作を行えなくなった理由としては、怪我の発生の可能性がある。
【0067】
CPU11は、次に、ユーザの怪我の有無を確認し、怪我がない場合には怪我がない旨のユーザからの応答を促すメッセージを第1表示部141及び第2表示部142に表示させる(S313)。メッセージとしては、「大丈夫ですか?もし怪我などが無ければ手を挙げてください。気分が悪かったり、怪我をされていた場合はその場でお待ち下さい。まもなくスタッフが参ります。」等、怪我の場合は安静にしていることを指示し、怪我がない場合は応答することを指示するメッセージを表示する。CPU11は、次に、手首用センサ41が測定する加速度の測定結果に基づいてユーザが手を挙げたことを検出する等の方法による、ユーザからの応答の受け付けを待ち受ける(S314)。ユーザからの応答の受け付けがない場合は(S314:NO)、CPU11は、計時部18が計時する経過時間を参照し、応答の受け付けを待ち受けながら5秒が経過したか否かを判定する(S315)。なお、5秒は待ち受け時間の例であり、他の時間であってもよい。5秒がまだ経過していない場合は(S315:NO)、CPU11は、処理をステップS314へ戻す。
【0068】
ステップS314でユーザからの応答を受け付けた場合は(S314:YES)、CPU11は、怪我の発生がないまでも、怪我の前兆であるユーザの姿勢不一致(第1のエラー)が発生したとして、使用された運動パーツについて姿勢不一致が発生したことを示す姿勢不一致発生の情報をRAM12に記憶させる(S316)。CPU11は、次に、動画再生を再開し(S317)、処理をステップS307へ戻す。なお、ステップS317では、自動でCPU11が動画再生を再開するのではなく、運動施設Gのスタッフがカメラ133を用いるか又は運動用ブース5へ直接出向いてユーザに怪我がないことを確認してから、スタッフの操作により動画再生を再開させる処理を行ってもよい。
【0069】
ステップS315で、ユーザからの応答の受け付けがない状態で5秒が経過した場合は(S315:YES)、CPU11は、ユーザの怪我(第2のエラー)が発生したとして、運動メニュー153に従って運動動作の指示を表示する処理を終了する(S318)。CPU11は、次に、使用された運動パーツについてユーザの怪我が発生したことを示す怪我発生の情報、及び運動メニュー153に従った各運動パーツの利用回数を示す利用回数の情報を、通信部16に、中央装置3へ送信させる(S319)。詳しくは、通信部16はLANを介して端末装置2へ情報を送信し、端末装置2は、通信ネットワークNを介して中央装置3へ情報を送信する。中央装置3は、怪我発生の情報及び利用回数の情報を通信部36で受信し(S320)、CPU31は、怪我発生の情報及び利用回数の情報に応じて、記憶部35が記憶する怪我管理DB351を更新する(S321)。
【0070】
図21は、記憶部35が記憶する怪我管理DB351の内容例を示す説明図である。怪我管理DB351は、運動DB151と同様の運動の種類フィールド、運動パーツフィールド及びレベルフィールドを含み、運動DB151と同様の運動の種類、運動パーツ及びレベルが記録されている。怪我管理DB351は、更に、利用回数フィールド、姿勢不一致回数フィールド、姿勢不一致発生確率フィールド、怪我発生回数フィールド及び怪我発生確率フィールドを含んでいる。利用回数フィールドには、各運動パーツを運動支援装置1,1,…で利用した回数(指示回数)が記録されている。ステップS321では、利用回数の情報に従って利用回数が更新される。姿勢不一致回数フィールドには、各運動パーツについて姿勢不一致が発生した回数(第1エラー発生回数)が記録され、姿勢不一致発生確率フィールドには、各運動パーツについての利用回数中に占める姿勢不一致回数の割合が記録されている。また怪我発生回数フィールドには、各運動パーツについてユーザの怪我が発生した回数(第2エラー発生回数)が記録され、怪我発生確率フィールドには、各運動パーツについての利用回数中に占める怪我発生回数の割合が記録されている。ステップS321では、怪我発生の情報に従って怪我発生回数が更新され、利用回数及び怪我発生回数の更新に伴って、姿勢不一致発生確率及び怪我発生確率が更新される。利用回数、姿勢不一致回数及び怪我発生回数としては、複数の運動支援装置1,1,…に亘っての合計回数が記録されている。
【0071】
CPU31は、次に、更新した怪我管理DB351を参照し、怪我発生確率が0.1%以上である運動パーツが怪我管理DB351に記録されているか否かを判定する(S322)。なお、0.1%は本発明における第2割合の例であり、具体的には他の数値であってもよい。怪我発生確率が0.1%以上である運動パーツが怪我管理DB351に記録されていない場合は(S322:NO)、CPU31は、処理を終了する。怪我発生確率が0.1%以上である運動パーツが怪我管理DB351に記録されている場合は(S322:YES)、CPU31は、怪我発生確率が0.1%以上である運動パーツをレベルが一つ下の他の運動パーツで置き換えるように、怪我管理DB351を更新する(S323)。CPU31は、次に、怪我発生確率が0.1%以上である運動パーツの使用禁止の指示を、通信部36に、複数の運動支援装置1,1,…へ送信させる(S324)。詳しくは、通信部16は通信ネットワークNを介して端末装置2,2,…へ指示を送信し、各端末装置2は、LANを介して運動支援装置1,1,…へ指示を送信する。
【0072】
運動支援装置1は、通信部16で、運動パーツの使用禁止の指示を受信する(S325)。運動支援装置1のCPU11は、運動DB151に記録された運動パーツの内、受信した指示で使用禁止が指示された運動パーツをレベルが一つ下の他の運動パーツで置き換えるように、運動DB151を更新し(S326)、処理を終了する。
【0073】
図22は、怪我の発生に伴って怪我管理DB351及び運動DB151を更新する様子を示す説明図である。図22(a)は、怪我発生確率が0.1%以上である運動パーツを含む怪我管理DB351を示し、レベル4の「ゆっくりマーチ&ターン」の運動パーツが、怪我発生確率0.1%となっている。図22(b)は更新後の怪我管理DB351を示し、元は「ゆっくりマーチ&ターン」であった運動パーツが、レベル3の「ゆっくりマーチ&クラップ」の運動パーツに置き換わっている。図22(c)は更新後の運動DB151を示し、怪我管理DB351と同様に、運動DB151でも元は「ゆっくりマーチ&ターン」であった運動パーツが、レベル3の「ゆっくりマーチ&クラップ」の運動パーツに置き換わっている。
【0074】
運動DB151に記録された運動パーツが他の運動パーツに置き換えられたので、これ以降に運動DB151を用いて運動メニュー153を作成する際には、元の運動パーツを利用することはできない。このようにして、ユーザの怪我が発生した割合がある程度以上になった運動パーツを運動メニュー153に含めることが禁止される。ユーザが怪我をする確率が高い運動パーツの利用が禁止されるので、本発明では、ユーザに危険な運動をさせることを防止し、運動支援システムの安全性を向上させることができる。
【0075】
ステップS311において、次に運動動作を指示すべき運動パーツが運動メニュー153に含まれていない場合(S311:NO)、CPU11は、運動メニュー153に従って運動動作の指示を表示する処理を終了する(S327)。この際、CPU11は、「終了です。お疲れ様でした。」等の終了メッセージを第1表示部141又は第2表示部142に表示させる。CPU11は、次に、運動動作の指示を表示する処理の最中に姿勢不一致の情報がRAM12に記憶されたか否かを判定する(S328)。姿勢不一致の情報がRAM12に記憶されている場合は(S328:YES)、CPU11は、RAM12に記憶された情報に従って、特定の運動パーツについて姿勢不一致が発生したことを示す姿勢不一致の情報、及び運動メニュー153に従った各運動パーツの利用回数を示す利用回数の情報を、通信部16に、中央装置3へ送信させる(S329)。
【0076】
中央装置3は、姿勢不一致の情報及び利用回数の情報を通信部36で受信し(S330)、CPU31は、姿勢不一致の情報及び利用回数の情報に応じて、記憶部35が記憶する怪我管理DB351を更新する(S331)。この際、怪我管理DB351では、利用回数の情報に従って利用回数が更新され、姿勢不一致の情報に従って姿勢不一致回数が更新され、利用回数及び姿勢不一致回数の更新に伴って、姿勢不一致発生確率及び怪我発生確率が更新される。
【0077】
CPU31は、次に、更新した怪我管理DB351を参照し、姿勢不一致発生確率が3%以上である運動パーツが怪我管理DB351に記録されているか否かを判定する(S332)。なお、3%は本発明における第1割合の例であり、具体的には他の数値であってもよい。姿勢不一致発生確率が3%以上である運動パーツが怪我管理DB351に記録されていない場合は(S332:NO)、CPU31は、処理を終了する。姿勢不一致発生確率が3%以上である運動パーツが怪我管理DB351に記録されている場合は(S332:YES)、CPU31は、怪我発生確率が3%以上である運動パーツをレベルが一つ下の他の運動パーツで置き換えるように、怪我管理DB351を更新する(S333)。CPU31は、次に、姿勢不一致発生確率が3%以上である運動パーツの使用禁止の指示を、通信部36に、複数の運動支援装置1,1,…へ送信させる(S334)。
【0078】
運動支援装置1は、通信部16で、運動パーツの使用禁止の指示を受信する(S335)。運動支援装置1のCPU11は、運動DB151に記録された運動パーツの内、受信した指示で使用禁止が指示された運動パーツをレベルが一つ下の他の運動パーツで置き換えるように、運動DB151を更新し(S336)、処理を終了する。
【0079】
図23は、姿勢不一致の発生に伴って怪我管理DB351及び運動DB151を更新する様子を示す説明図である。図23(a)は、姿勢不一致発生確率が3%以上である運動パーツを含む怪我管理DB351を示し、レベル2の「ゆっくりマーチ&前後運動」の運動パーツが、姿勢不一致発生確率3%となっている。図23(b)は更新後の怪我管理DB351を示し、元は「ゆっくりマーチ&前後運動」であった運動パーツが、レベル1の「ゆっくりマーチ」の運動パーツに置き換わっている。図23(c)は更新後の運動DB151を示し、怪我管理DB351と同様に、運動DB151でも元は「ゆっくりマーチ&前後運動」であった運動パーツが、レベル1の「ゆっくりマーチ」の運動パーツに置き換わっている。
【0080】
運動DB151に記録された運動パーツが他の運動パーツに置き換えられたので、これ以降に運動DB151を用いて運動メニュー153を作成する際には、元の運動パーツを利用することはできない。このようにして、ユーザが怪我をせずとも怪我の前兆である姿勢不一致がある割合以上発生した運動パーツを運動メニュー153に含めることが禁止される。姿勢不一致が発生する運動は、他の運動よりもユーザに掛かる負担が大きいので、姿勢不一致が発生する確率が高い運動パーツの利用を禁止することにより、本発明では、ユーザに危険な運動をさせることを防止し、運動支援システムの安全性を向上させることができる。
【0081】
なお、ステップS323、S326、S336及びS333では、使用を禁止すべき運動パーツのレベルが1である場合は、CPU11は、運動パーツを代理運動パーツで置き換える処理を行う。図24は、怪我管理DB351及び運動DB151において運動パーツを代理運動パーツで置き換える様子を示す説明図である。図24(a)は、レベル1の「ゆっくりマーチ」の運動パーツについて姿勢不一致発生確率が3%以上となった怪我管理DB351を示す。図24(b)は更新後の怪我管理DB351を示し、元は「ゆっくりマーチ」であった運動パーツが、レベル1の「ゆっくり屈伸」の代理運動パーツに置き換わっている。図24(c)は更新後の運動DB151を示し、怪我管理DB351と同様に、運動DB151でも元は「ゆっくりマーチ」であった運動パーツが、レベル1の「ゆっくり屈伸」の代理運動パーツに置き換わっている。
【0082】
以上のように、本発明では、運動パーツの利用を禁止する際に、禁止した運動パーツのレベル以下の運動パーツで置き換えるので、特定の運動パーツの利用を禁止しても、ユーザに掛かる負荷が増大することはない。従って、本発明では、より確実に運動支援システムの安全性を向上させることができる。
【0083】
ステップS328において、姿勢不一致の情報がRAM12に記憶されていない場合は(S328:NO)、CPU11は、運動メニュー153に従った各運動パーツの利用回数を示す利用回数の情報を、通信部16に、中央装置3へ送信させる(S337)。中央装置3は、利用回数の情報を通信部36で受信し(S338)、CPU31は、利用回数の情報に応じて、記憶部35が記憶する怪我管理DB351を更新する(S339)。この際、怪我管理DB351では、利用回数の情報に従って利用回数が更新され、利用回数の更新に伴って、姿勢不一致発生確率及び怪我発生確率が更新される。CPU31は、以上で処理を終了し、運動支援システムが行う処理が終了する。
【0084】
以上詳述した処理により、本発明の運動支援システムは、運動メニューに従った運動動作の指示を表示しながら、ユーザの怪我又は姿勢不一致の発生を監視し、怪我又は姿勢不一致が発生した場合は、怪我又は姿勢不一致が発生したことを記録し、怪我又は姿勢不一致が発生する確率が高い運動パーツを運動メニューに使用することを禁止する。このため、ユーザに危険な運動をさせることが防止され、運動支援システムの安全性が向上する。
【0085】
なお、本実施の形態においては、運動動作の指示を表示する処理を運動支援装置1が終了した直後に中央装置3へ各種の情報を送信する処理を示したが、本発明においては、これに限るものではなく、怪我発生の情報、姿勢不一致の情報及び利用回数の情報を端末装置2で蓄積しておき、一日に一回等、定期的に情報を送信する処理を行ってもよい。また中央装置3での怪我管理DB351の更新、及び運動支援装置1での運動DB151の更新は、随時行うのではなく、予め定められたタイミングでまとめて行ってもよい。また本実施の形態においては、中央装置3が怪我管理DB351を記憶する形態を示したが、本発明は、これに限るものではなく、各運動施設Gに設置された端末装置2で怪我管理DBを記憶し、運動施設G内の運動支援装置1,1,…に特定の運動パーツの使用を禁止させる形態であってもよい。この形態の場合は、図18及び図19のフローチャートで示した中央装置3での処理を、端末装置2が実行することとなる。
【0086】
また本実施の形態においては、ユーザの正常な姿勢を記録した姿勢DB152を用いた形態を示したが、本発明は、姿勢DB152を用いずにユーザの正常な姿勢を求める形態であってもよい。例えば、運動支援装置1は、第1表示部141又は第2表示部142に表示させる動画像の画像処理を行うことで、ユーザの正常な姿勢を求める形態であってもよい。
【0087】
また本実施の形態においては、ユーザの動作を検出するために加速度センサである手首用センサ41及び腰用センサ42を用いた形態を示したが、本発明は、その他の方法でユーザの動作を検出する形態であってもよい。例えば、運動支援装置1は、カメラ133でユーザを撮影し、撮影した画像の画像処理を行うことによってユーザの動作を検出する形態であってもよい。この形態では、蛍光を発するシール等、カメラ133で撮影した画像の中から識別することが容易な識別物をユーザの手首又は腰等の特定の部位に装着しておき、カメラ133で撮影した画像から識別物の位置変化を抽出し、識別物の位置変化をユーザの各部位の位置変化へ変換する処理を行うことにより、ユーザの動作を検出してもよい。またこの形態では、前述の処理によりユーザの動作として各部位の位置変化を取得し、再生中の動画像からキャラクタ画像の各部位の位置変化を取得し、各部位の位置変化間のズレを計算し、計算したズレに基づいて怪我又は姿勢不一致の発生の有無を判定する処理を行ってもよい。
【0088】
(実施の形態2)
実施の形態2においては、運動支援装置を運動施設に設置するのではなく、家庭用のPC等を用いて、より小規模なスペースで本発明を実現する形態を示す。図25は実施の形態2に係る本発明の運動支援装置6の内部構成を示すブロック図である。運動支援装置6は、PC等の汎用のコンピュータを用いてなり、演算を行うCPU61、RAM62、外部機器が接続されるインタフェース部63、CD−ROM等の記録媒体60からデータを読み出すことができるCD−ROMドライブ等のドライブ部64、記憶部65及び通信部66を備える。RAM62は、半導体素子で構成され、CPU61が実行する演算に必要な情報を記憶する。記憶部65は、ハードディスク又は不揮発性の半導体メモリ等で構成されている。ドライブ部64は、ユーザに対して配布された記録媒体60に記録されたコンピュータプログラム651、運動DB652及び姿勢DB653を記録媒体60から読み出し、CPU61は、コンピュータプログラム651、運動DB652及び姿勢DB653を記憶部65に記憶させる。CPU61は、必要に応じて記憶部65からRAM62へコンピュータプログラム651をロードし、ロードしたコンピュータプログラム651に基づいて処理を実行する。運動支援装置6は、例えばユーザの自宅に設置されており、通信部66は、通信ネットワークNを介して中央装置3との間で情報を送受信する。なお、コンピュータプログラム651、運動DB652及び姿勢DB653は、図示しないサーバ装置から通信部66を用いてダウンロードされる形態であってもよい。
【0089】
インタフェース部63には、図2に示す如き運動用ブース5を構成するために必要な、入力部71、受信部72、表示部73及びスピーカ74が接続されている。表示部73は、テレビジョン受像機等の市販のディスプレイでもよい。インタフェース部63は、CPU61が入力部71を用いてユーザからの入力を受け付け、受信部72を用いて加速度センサの測定結果を受信し、表示部73に運動動作の指示を表示させ、スピーカ74に楽曲を再生させるための信号の入出力を行う。
【0090】
運動支援装置6は、図10のフローチャートに示した処理と同様の処理を実行することにより、ユーザDB654を作成し、作成したユーザDB654を記憶部65に記憶させる。また運動支援装置6は、図13に示した処理と同様の処理を実行することにより、運動メニュー655を作成し、作成した運動メニュー655を記憶部65に記憶させる。更に、配布された手首用センサ41及び腰用センサ42をユーザが装着し、図16〜19に示した運動支援装置1が行う処理と同様の処理を運動支援装置6が実行することにより、本発明の運動支援方法を実行する。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態においては、PC等の汎用コンピュータを用いて、実施の形態1における運動支援装置1と同等の処理を実行する運動支援装置6を実現することができる。即ち、ユーザの自宅等、より小さなスペースを利用して本発明を実現することが可能である。本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、運動DB652を更新して、運動支援システムの安全性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施の形態1に係る本発明の運動支援システムの概要を示す模式的概念図である。
【図2】運動用ブースの概要を示す模式図である。
【図3】実施の形態1に係る本発明の運動支援装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】手首用センサの内部構成を示すブロック図である。
【図5】記憶部が記憶する運動DBの内容例を示す説明図である。
【図6】記憶部が記憶する姿勢DBの内容例を示す説明図である。
【図7】本発明で利用可能な姿勢の例を示す概念図である。
【図8】端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図9】中央装置の内部構成を示すブロック図である。
【図10】端末装置が行う個人情報の登録の処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】表示部が表示する登録画面の例を示す模式図である。
【図12】記憶部が記憶するユーザDBの内容例を示す説明図である。
【図13】運動支援装置が運動メニューを作成する処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】鍛える部位を入力するための入力画面の例を示す模式図である。
【図15】運動メニューの例を示す概念図である。
【図16】運動動作の指示を表示するために運動支援装置が行う処理、及び運動パーツの使用を禁止するために運動支援システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】運動動作の指示を表示するために運動支援装置が行う処理、及び運動パーツの使用を禁止するために運動支援システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】運動動作の指示を表示するために運動支援装置が行う処理、及び運動パーツの使用を禁止するために運動支援システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】運動動作の指示を表示するために運動支援装置が行う処理、及び運動パーツの使用を禁止するために運動支援システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】異常が発生した場合の経過を示す説明図である。
【図21】記憶部が記憶する怪我管理DBの内容例を示す説明図である。
【図22】怪我の発生に伴って怪我管理DB及び運動DBを更新する様子を示す説明図である。
【図23】姿勢不一致の発生に伴って怪我管理DB及び運動DBを更新する様子を示す説明図である。
【図24】怪我管理DB及び運動DBにおいて運動パーツを代理運動パーツで置き換える様子を示す説明図である。
【図25】実施の形態2に係る本発明の運動支援装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
1、6 運動支援装置
10 コンピュータ
11、61 CPU(演算手段)
132、72 受信部
141 第1表示部(表示手段、表示部)
142 第2表示部(表示手段、表示部)
15、65 記憶部
150、651 コンピュータプログラム
151、652 運動DB
152、653 姿勢DB
153、655 運動メニュー
2 端末装置
3 中央装置
31 CPU
35 記憶部(記憶手段)
351 怪我管理DB
41 手首用センサ(加速度センサ)
42 腰用センサ(加速度センサ)
5 運動用ブース
60 記録媒体
63 インタフェース部
73 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動動作の指示を表示部に表示することによりユーザの運動を支援する運動支援装置と、該運動支援装置が接続された中央装置とを含む運動支援システムにおいて、
前記運動支援装置は、
複数の運動動作を含み、各運動動作を指示する順序を定めた運動メニューを作成する手段と、
該手段が作成した運動メニューに定められた順序で、前記運動メニューに含まれる複数の運動動作の夫々の指示を、前記表示部に表示させる手段と、
ユーザの動作を検出する検出手段と、
前記表示部で表示した運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーの発生の有無を判定する判定手段とを備え、
前記中央装置は、
前記複数の運動動作の夫々に関連付けて、前記運動支援装置で各運動動作の指示の表示中に前記判定手段がエラーの発生を判定した回数であるエラー発生回数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する一の運動動作に関連付けられたエラー発生回数が所定量以上である場合に、前記運動動作の使用の禁止を前記運動支援装置へ通知する通知手段とを備え、
前記運動支援装置は、更に、
使用の禁止を通知された運動動作を運動メニューに含めることを禁止する禁止手段を備えること
を特徴とする運動支援システム。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記表示部で表示した一の運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上となった場合に、前記表示部に、前記運動動作の指示の表示を停止させ、所定の応答をユーザに促すための情報を表示させる手段と、
ユーザからの所定の応答を受け付ける手段と、
前記運動動作の指示の表示を停止してから所定時間以内にユーザからの所定の応答を受け付けた場合は、第1のエラーが発生したと判定する手段と、
前記運動動作の指示の表示を停止してから所定時間以内にユーザからの所定の応答の受け付けがない場合は、第2のエラーが発生したと判定する手段とを有し、
前記記憶手段は、
エラー発生回数として、前記判定手段が第1のエラーの発生を判定した回数である第1エラー発生回数、及び前記判定手段が第2のエラーの発生を判定した回数である第2エラー発生回数を記憶する手段と、
前記複数の運動動作の夫々に関連付けて、前記運動支援装置で各運動動作の指示を前記表示部に表示させた回数である指示回数を記憶する手段とを有し、
前記通知手段は、
前記記憶手段が記憶する一の運動動作に関連付けられた指示回数に対する、前記運動動作に関連付けられた第1エラー発生回数の割合が、所定の第1割合以上である場合に、前記運動動作の使用の禁止を前記運動支援装置へ通知する手段と、
前記記憶手段が記憶する一の運動動作に関連付けられた指示回数に対する、前記運動動作に関連付けられた第2エラー発生回数の割合が、所定の第2割合以上である場合に、前記運動動作の使用の禁止を前記運動支援装置へ通知する手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の運動支援システム。
【請求項3】
前記第2割合は前記第1割合よりも小さい量であることを特徴とする請求項2に記載の運動支援システム。
【請求項4】
ユーザの身体に装着できる携帯型の加速度センサを更に含み、
該加速度センサは、
測定結果を前記運動支援装置へ送信する手段を備え、
前記検出手段は、
前記加速度センサから送信された測定結果に基づき、ユーザの動作として、前記加速度センサの位置及び/又は移動方向を求める手段を有し、
各運動動作の指示では、ユーザの前記加速度センサが装着される身体部位の位置及び/又は移動方向が定められてあり、
前記判定手段は、
前記運動動作の指示で定められている前記身体部位の位置及び/又は移動方向と前記検出手段が求めた前記加速度センサの位置及び/又は移動方向とが同等であるか否かを判定し、同等でない場合に、前記運動動作の指示で定められている前記身体部位の位置及び/又は移動方向と前記検出手段が求める前記加速度センサの位置及び/又は移動方向とが同等でない状態での経過時間を測定する手段と、
前記経過時間が所定時間以上となった場合に、前記運動動作の指示とユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーが発生したと判定する手段と
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の運動支援システム。
【請求項5】
複数の運動動作は、種類別に分類されてあり、
各種類に分類された複数の運動動作の夫々には、運動の負荷に応じた相対的なレベルが定められており、
前記禁止手段は、
運動メニューに含ませるべき運動動作として、使用の禁止を通知された運動動作を、該運動動作と同一の種類に分類されてあって前記運動動作のレベル以下のレベルが定められている他の運動動作に置換する手段を有すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の運動支援システム。
【請求項6】
前記中央装置には、複数の運動支援装置が接続されてあり、
前記記憶手段は、
前記エラー発生回数として、複数の運動支援装置でエラーの発生が判定された回数を合計した値を記憶するように構成してあり、
前記通知手段は、
前記運動動作の使用の禁止を複数の運動支援装置へ通知するように構成してあること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の運動支援システム。
【請求項7】
運動動作の指示を表示部に表示することによりユーザの運動を支援する運動支援装置において、
複数の運動動作を含み、各運動動作を指示する順序を定めた運動メニューを作成する手段と、
該手段が作成した運動メニューに定められた順序で、前記運動メニューに含まれる複数の運動動作の夫々の指示を、前記表示部に表示させる手段と、
ユーザの動作を検出する検出手段と、
前記表示部で表示した運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーの発生の有無を判定する判定手段と、
運動動作の指示の表示中にエラーの発生が判定された回数であるエラー発生回数が所定量以上である運動動作を運動メニューに含めることを禁止する禁止手段と
を備えることを特徴とする運動支援装置。
【請求項8】
前記判定手段は、
前記表示部で表示した一の運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上となった場合に、前記表示部に、前記運動動作の指示の表示を停止させ、所定の応答をユーザに促すための情報を表示させる手段と、
ユーザからの所定の応答を受け付ける手段と、
前記運動動作の指示の表示を停止してから所定時間以内にユーザからの所定の応答を受け付けた場合は、前記表示部に、前記運動動作の指示の表示を再開させ、第1のエラーが発生したと判定する手段と、
前記運動動作の指示の表示を停止してから所定時間以内にユーザからの所定の応答の受け付けがない場合は、第2のエラーが発生したと判定する手段とを有し、
前記禁止手段は、
運動動作の指示が表示された回数に対する第1のエラーの発生が判定された回数の割合が所定の第1割合以上である運動動作を運動メニューに含めることを禁止する手段と、
運動動作の指示が表示された回数に対する第2のエラーの発生が判定された回数の割合が所定の第2割合以上である運動動作を運動メニューに含めることを禁止する手段と
を有することを特徴とする請求項7に記載の運動支援装置。
【請求項9】
複数の運動動作は、種類別に分類されてあり、
各種類に分類された複数の運動動作の夫々には、運動動作の内容に応じた相対的なレベルが定められており、
前記禁止手段は、
運動メニューに含ませるべき運動動作として、運動メニューに含めることを禁止すべき運動動作を、該運動動作と同一の種類に分類されてあって前記運動動作のレベル以下のレベルが定められている他の運動動作に置換する手段を有すること
を特徴とする請求項7又は8に記載の運動支援装置。
【請求項10】
記憶手段、表示手段及び演算手段を用い、運動動作の指示を表示手段に表示することによりユーザの運動を支援する運動支援方法において、
複数の運動動作を含み、各運動動作を指示する順序を定めた運動メニューを演算手段で作成し、
作成した運動メニューに定められた順序で、前記運動メニューに含まれる複数の運動動作の夫々の指示を、表示手段で順に表示し、
ユーザの動作を検出できるセンサを用いて、ユーザの動作を検出し、
表示手段で表示した運動動作の指示と検出したユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーの発生の有無を演算手段で判定し、
前記複数の運動動作の夫々に関連付けて、各運動動作の指示の表示中にエラーの発生が判定された回数であるエラー発生回数を記憶手段で記憶し、
記憶手段が記憶する一の運動動作に関連付けられたエラー発生回数が所定量以上である場合に、運動メニューに前記運動動作を含めることを演算手段で禁止すること
を特徴とする運動支援方法。
【請求項11】
コンピュータに、コンピュータ内部又は外部の表示部に運動動作の指示を表示することによりユーザの運動を支援させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、複数の運動動作を含み、各運動動作を指示する順序を定めた運動メニューを作成させる手順と、
コンピュータに、作成した運動メニューに定められた順序で、前記運動メニューに含まれる複数の運動動作の夫々の指示を、前記表示部に表示させる手順と、
コンピュータに、ユーザの動作を検出させる手順と、
コンピュータに、前記表示部で表示した運動動作の指示と前記検出手段が検出したユーザの動作とのズレが所定以上になるエラーの発生の有無を判定させる手順と、
コンピュータに、運動動作の指示の表示中にエラーの発生が判定された回数であるエラー発生回数が所定量以上である運動動作を運動メニューに含めることを禁止させる手順と
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−201672(P2009−201672A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46517(P2008−46517)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)