説明

運搬用容器

【課題】蓋本体或いは側壁に保持されるカードを保持するためのカードホルダーが配設された運搬用容器において、カードホルダーが蓋本体或いは側壁から離脱するのを防ぐ。
【解決手段】蓋本体1或いは側壁に、カード保持フラップ2を、フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1及び蓋本体1或いは側壁側薄肉ヒンジ部H2との2つの薄肉ヒンジ部により連結するとともに、蓋本体1或いは側壁とカード保持フラップ2とを一体成形し、カード保持フラップ2の蓋本体1或いは側壁方向への回動を円滑に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側壁や蓋部に保持されるカードを保持するためのカードホルダーが配設された運搬用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蓋体に形成された凹部に、カードを挿入し、その後、額縁状の弾性プラスチック製のカードホルダーを、前記凹部の側壁に形成された係合口に、カードホルダーに形成された突片を係合させることにより、蓋体に形成された凹部に、カードを保持するように構成された運搬用容器が、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3911179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の運搬用容器においては、蓋体に形成された凹部の側壁に形成された係合口に、カードホルダーに形成された突片が係合されているだけであるので、カードホルダーが、蓋体から離脱するという問題があった。特に、カードホルダーは、額縁状に形成されているので、カードホルダーのポケット縁部が変形し易く、カードホルダーが、蓋体から離脱し易いという問題があった。
【0005】
また、カードの周辺部が、カードホルダーにより、覆われてしまうので、カードの情報記憶領域が減少するとともに、カードに記憶されている情報の読み取りミスが生じる問題があった。
【0006】
更に、蓋体に形成された凹部の側壁に形成された係合口に、カードホルダーに形成された突片を係合する際に、係合口と突片との位置合わせをしなければならず、蓋体へのカードホルダーの取り付けに、時間と手間が係るという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の発明が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、蓋本体或いは側壁に、カード保持フラップを、フラップ本体側薄肉ヒンジ部及び蓋本体或いは側壁側薄肉ヒンジ部との2つの薄肉ヒンジ部により連結するとともに、蓋本体或いは側壁とカード保持フラップとを一体成形したものであり、第2には、カード保持フラップに、係止突部を形成するとともに、蓋本体或いは側壁に、前記係止突部が嵌合する係止孔部を穿設したものであり、第3には、カード保持フラップに、フラップ係合ブロック用係合孔を穿設するとともに、蓋本体或いは側壁に、前記フラップ係合ブロック用係合孔に係合されるフラップ係合ブロックを形成したものであり、第4には、カード保持フラップに、フラップ位置決め孔を穿設するとともに、蓋本体或いは側壁に、前記フラップ位置決め孔に嵌合されるフラップ位置決めブロックを形成したものである。
【発明の効果】
【0009】
蓋本体或いは側壁に、カード保持フラップを、フラップ本体側薄肉ヒンジ部及び蓋本体或いは側壁側薄肉ヒンジ部との2つの薄肉ヒンジ部により連結するとともに、蓋本体或いは側壁とカード保持フラップとを一体成形したので、カード保持フラップの蓋本体或いは側壁方向への回動を円滑に行うことができるとともに、従来のように、カード保持フラップが、蓋本体或いは側壁から離脱するというような課題を解決することができる。
【0010】
カード保持フラップに、係止突部を形成するとともに、蓋本体或いは側壁に、前記係止突部が嵌合する係止孔部を形成したので、カードの離脱を確実に防止することができるとともに、カードの一辺付近だけが、カード保持フラップにより保持されているので、カードの情報記憶領域が拡大するとともに、カードに記憶されている情報の読み取りミスを減少することができる。
【0011】
カード保持フラップに、フラップ係合ブロック用係合孔を穿設するとともに、蓋本体或いは側壁に、前記フラップ係合ブロック用係合孔に係合されるフラップ係合ブロックを形成したので、カード保持フラップが、蓋本体或いは側壁から離反するようなことを防止することができる。
【0012】
カード保持フラップに、フラップ位置決め孔を穿設するとともに、蓋本体或いは側壁に、前記フラップ位置決め孔に嵌合されるフラップ位置決めブロックを形成したので、カード保持フラップと蓋本体或いは側壁との位置関係のずれを抑制することができるとともに、カード保持フラップを、蓋本体或いは側壁に重なるように回動させた際に、カード保持フラップに形成された係止突部が、蓋本体或いは側壁に穿設された係止孔部に嵌合されないような、係止突部の係止孔部への嵌合ミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、カードホルダー付き運搬用容器を構成する蓋部材の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されている蓋部材の部分拡大斜視図である。
【図3】図3は、図1に示されている蓋部材の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図4】図4は、同じく、図1に示されている蓋部材の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図5】図5は、同じく、図1に示されている蓋部材の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、同じく、図1に示されている蓋部材の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【実施例1】
【0014】
Rは、種々の容器に被蓋される蓋部材であり、蓋部材Rは、蓋本体1と、蓋本体1と一体成形されたカード保持フラップ2とを有している。
【0015】
蓋本体1は、平面形状が、略長方形状に形成されており、蓋本体1は、平板状部1aと、平板状部1aの周辺に沿って形成された土手部1bとを有している。本実施例においては、土手部1bは、相対する長辺側土手部1b1と相対する短辺側土手部1b2とから構成されており、相対する短辺側土手部1b2のうち、一方の短辺側土手部1b2の中央部には、一方の短辺側土手部1b2を切り欠くことにより、カード保持フラップ2が挿入可能なフラップ挿入凹部1cが形成されている。フラップ挿入凹部1cは、相対する側部1c1と、平板状部1aと面一な底部1c2とから形成されている。
【0016】
フラップ挿入凹部1cを形成する底部1c2のカード保持フラップ2側の端辺には、底部1c2に対して垂直な上部垂直部1dが形成されており、また、上部垂直部1dの下端には、上部垂直部1dに対して垂直な上部水平部1eが形成されており、更に、上部水平部1eの端辺には、上部水平部1eに対して垂直な下部垂直部1fが形成されており、更にまた、下部垂直部1fの下端には、下部垂直部1fに対して垂直な下部水平部1gが形成されている。
【0017】
1hは、フラップ挿入凹部1cを形成する底部1c2の中央部に形成された、弾性変形可能なフラップ係合ブロックであり、フラップ係合ブロック1hは、底部1c2に垂直な垂直部1h1と、垂直部1h1の上端から、カード保持フラップ2方向に延在する水平部1h2とから構成されている。
【0018】
1iは、フラップ係合ブロック1hの両側に位置する、フラップ挿入凹部1cを形成する底部1c2に形成された一対のフラップ位置決めブロックであり、フラップ位置決めブロック1iの平板状部1a側には、水平な天部1i1から、平板状部1aに向かって下方に傾斜した傾斜部1i2が形成されている。
【0019】
1jは、フラップ挿入凹部1cの近傍に位置する平板状部1aに穿設された係止孔部であり、係止孔部1jは、平面形状が円形状の係止孔1j1と、係止孔1j1の周辺に位置する平板状部1aに、係止孔1j1に連通する複数のスリット1j2を、放射状に穿設することにより形成された複数の弾性片1j3とを有している。なお、弾性片1j3には、平板状部1aから係止孔1j1方向に向かって下方に延在する案内傾斜面1j3’を形成することが好ましい。
【0020】
蓋本体1には、フラップ挿入凹部1cの底部1c2とフラップ位置決めブロック1iとにより、上部隅部1kが形成されており、また、上部垂直部1dと上部水平部1eとにより、中間隅部1mが形成されており、更に、下部垂直部1fと下部水平部1gとにより、下部隅部1nが形成されている。
【0021】
次に、カード保持フラップ2について説明する。
【0022】
カード保持フラップ2は、平面形状が略方形状の平板状のフラップ本体2aと、フラップ本体2aの蓋本体1側の端辺に、フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1を介して連接された帯板状のフラップ位置決め部2bを有しており、フラップ位置決め部2bには、上述した蓋本体1に形成された一対のフラップ位置決めブロック1iが嵌合されるフラップ位置決め孔2b1が穿設されている。フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1の薄肉部h1aは、フラップ本体2aとフラップ位置決め部2bとの間に、V字状の溝部を成形することにより形成されている。また、フラップ本体2aの中央部とフラップ位置決め部2bの中央部との間には、上述した蓋本体1に形成されたフラップ係合ブロック1hが係合されるフラップ係合ブロック用係合孔2cが穿設されている。
【0023】
フラップ位置決め部2bの蓋本体1側の端辺には、フラップ位置決め部2bに対して上方に垂直に延在するフラップ本体側垂直部2dが形成されており、また、フラップ本体側垂直部2dの上端からは、蓋本体1方向に水平に延在する水平部2eが形成されており、更に、水平部2eの端辺には、水平部2eに対して上方に垂直に延在する蓋本体側垂直部2fが形成されている。
【0024】
蓋本体1とカード保持フラップ2とは、上述したカード保持フラップ2に形成された蓋本体側垂直部2fと、蓋本体1の下部水平部1gとの間に形成された蓋本体側薄肉ヒンジ部H2を介して連接されており、蓋本体側薄肉ヒンジ部H2の薄肉部h2aは、カード保持フラップ2に形成された蓋本体側垂直部2fと蓋本体1の下部水平部1gとの間に、逆V字状の溝部を成形することにより形成されている。
【0025】
また、フラップ位置決め部2bのフラップ係合ブロック係合孔2c側には、上部角部2gが形成されており、また、フラップ本体側垂直部2dと水平部2eとにより、中間角部2hが形成されており、更に、蓋本体側垂直部2fの蓋本体側薄肉ヒンジ部H2側の角部には、上部角部2iが形成されている。
【0026】
2kは、カード保持フラップ2のフラップ本体2aの下面(カード保持フラップ2を、蓋本体1に重ねた際に、下方に位置する面)2a1に形成された係止突部であり、係止突部2kは、フラップ本体2aに垂直な円柱部2k1と、円柱部2k1の先端に形成された膨出部2k2とから、略茸状に形成されている。膨出部2k2の外径は、上述した平板状部1aに穿設された係止孔部1jの内径より大きく形成されている。
【0027】
次に、図4〜図6を用いて、蓋部材Rへのカードの取り付けについて説明する。
【0028】
図3に示されているように、蓋部材Rを構成する蓋本体1とカード保持フラップ2とが共に略水平な状態から、蓋本体側薄肉ヒンジ部H2を中心に、カード保持フラップ2が、蓋本体1に重なるように回動させると、カード保持フラップ2が、蓋本体1に形成されたフラップ挿入凹部1cに挿入されるとともに、カード保持フラップ2に形成された上部角部2iが、蓋本体1に形成された下部隅部1nに嵌合され、また、カード保持フラップ2に形成された中間角部2hが、蓋本体1に形成された中間隅部1mに嵌合され、更に、カード保持フラップ2に形成された上部角部2gが、蓋本体1に形成された上部隅部1kに嵌合されるように構成されている。このように構成することにより、カード保持フラップ2の蓋本体1方向への移動等を抑制することができるとともに、カード保持フラップ2が移動することによるフラップ本体側薄肉ヒンジ部H1へ負荷を低減することができる。
【0029】
また、上述したように、蓋部材Rを構成する蓋本体1とカード保持フラップ2とが共に略水平な状態から、蓋本体側薄肉ヒンジ部H2を中心に、カード保持フラップ2が、蓋本体1に重なるように回動させると、カード保持フラップ2のフラップ位置決め部2bに穿設されたフラップ位置決め孔2b1に、蓋本体1に形成されたフラップ位置決めブロック1iが嵌合され、更に、カード保持フラップ2に形成されたフラップ係合ブロック用係合孔2cに、蓋本体1に形成されたフラップ係合ブロック1hが嵌合されるように構成されている。
【0030】
上述したカード保持フラップ2の蓋本体1方向の回動過程において、カード保持フラップ2に形成されたフラップ係合ブロック用係合孔2cに、蓋本体1に形成された弾性変形可能なフラップ係合ブロック1hを嵌合させる際には、フラップ係合ブロック1hを、強制的に弾性変形させて、フラップ係合ブロック用係合孔2cに、フラップ係合ブロック1hを強制的に嵌合させ、フラップ係合ブロック1hが、その弾性復元力により、元の位置に戻った際には、図5に示されているように、フラップ係合ブロック1hの水平部1h2の下方に、フラップ係合ブロック用係合孔2cの近傍に位置するフラップ位置決め部2bが位置するように構成されている。このように構成することにより、フラップ係合ブロック1hが、フラップ係合ブロック用係合孔2cから、簡単に排出することを防止することができ、従って、カード保持フラップ2が、蓋本体1から離反するようなことを防止することができる。
【0031】
また、上述したように、カード保持フラップ2のフラップ位置決め部2bに穿設されたフラップ位置決め孔2b1に、蓋本体1に形成されたフラップ位置決めブロック1iが嵌合されるように構成されているので、フラップ位置決め部2bと蓋本体1との位置関係のずれを抑制することができ、従って、図6に示されているように、カード保持フラップ2が略垂直な状態から、図5に示されているように、カード保持フラップ2を、蓋本体1の平板状部1aに重なるように回動させた際に、カード保持フラップ2に形成された係止突部2kが、蓋本体1に形成された係止孔部1jに嵌合されないような、係止突部2kの係止孔部1jへの嵌合ミスを防止することができる。
【0032】
更に、カード保持フラップ2が、蓋本体1に重なるように配置された際には、カード保持フラップ2に形成された係止突部2kが、蓋本体1に形成された係止孔部1jに嵌合されるように構成されているが、係止突部2kの膨出部2k2の外径が、係止孔部1jの内径より大きく形成されているので、係止突部2kが係止孔部1jに嵌合される際には、係止突部2kの膨出部2k2が、係止孔部1jの周囲に形成された弾性片1j3を、下方に弾性変形させて、係止突部2kの膨出部2k2を、強制的に、係止孔部1jに嵌合させることになる。係止突部2kの膨出部2k2の係止孔部1jへの嵌合後、係止突部2kの膨出部2k2が、その弾性復元力により、元の位置に戻ることにより、図5に示されているように、係止突部2kの膨出部2k2が、係止孔部1jの周囲に形成された弾性片1j3の下方に位置し、カード保持フラップ2が、蓋本体1から、容易に、離反するようなことを防止することができる。
【0033】
更にまた、カード保持フラップ2の先端部には、カード保持フラップ2が水平状態において、フラップ本体2aの下面2a1から下方に傾斜する、帯板状のフラップ位置決め部2bに略平行な帯状傾斜部2’が形成されている。カード保持フラップ2が、蓋本体1に重なるように配置された際には、蓋本体1とカード保持フラップ2の帯状傾斜部2’との間には、指が挿入可能な楔状の間隙Dが形成されるように構成されている。
【0034】
また、カード保持フラップ2を、蓋本体1から離反させるには、蓋本体1とカード保持フラップ2の帯状傾斜部2’との間に形成された楔状の間隙Dに、指を入れて、カード保持フラップ2を、フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1を中心に、カード保持フラップ2が、蓋本体1から離反する方向に回動させることになる。この際には.カード保持フラップ2に形成された係止突部2kの膨出部2k2が、強制的に、蓋本体1に形成された係止孔部1jの周囲に形成された弾性片1j3を、上方に弾性変形させることにより、カード保持フラップ2を、蓋本体1から離反させることができるように構成されている。
【0035】
上述したようにして、図4に示されているように、蓋本体1に重なるように、カード保持フラップ2を取り付けた後は、カード保持フラップ2を、フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1を中心に、蓋本体1から離反する方向に回動させて、カード保持フラップ2に形成された係止突部2kを、蓋本体1に形成された係止孔部1jから抜去させて、カード保持フラップ2を、図6に示されているように、略垂直に立て、この状態で、後述するように、蓋本体1に、カードCを配置し、その後、カード保持フラップ2を、フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1を中心に、蓋本体1方向に回動させ、カード保持フラップ2に形成された係止突部2kを、蓋本体1に形成された係止孔部1jに嵌合させることにより、カードCを、蓋部材Rに取り付けるように構成されている。
【0036】
カードCを、蓋部材Rに取り付けるには、図6に示されているように、カード保持フラップ2が略垂直な状態において、蓋本体1の土手部1bに囲まれた平板状部1aに、カードCを載置するとともに、蓋本体1の平板状部1aに穿設された係止孔部1jとカードCに穿設された透孔c1とを一致させておく。その後、略垂直に立てられた状態のカード保持フラップ2を、上述したように、フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1を中心に、蓋本体1の平板状部1a方向に回動させることにより、カード保持フラップ2に形成された係止突部2kを、カードCの透孔c1及び蓋本体1の平板状部1aに穿設された係止孔部1jに嵌合することにより、蓋本体1の平板状部1aに載置されたカードCを、カード保持フラップ2により保持することができるように構成されている。
【0037】
上述したように、カード保持フラップ2に形成された係止突部2kを、カードCの透孔c1及び蓋本体1の平板状部1aに穿設された係止孔部1jに嵌合することにより、蓋本体1の平板状部1aに載置されたカードCを、カード保持フラップ2により保持するように構成したので、カードCの蓋部材Rからの離脱を確実に防止することができる。
【0038】
また、蓋本体1とカード保持フラップ2とが一体成形されているので、従来のように、カードホルダーが、蓋本体から離脱するというような課題を解決することができるとともに、別体に形成されているカードホルダーと蓋本体との部品管理作業を軽減することができる。
【0039】
更に、カードCは、カード保持フラップ2により、一辺付近だけが保持されているので、カードの情報記憶領域が拡大するとともに、カードに記憶されている情報の読み取りミスを減少することができる。
【0040】
更にまた、蓋本体1とカード保持フラップ2とが、フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1と蓋本体側薄肉ヒンジ部H2との2つの薄肉ヒンジ部により連結されているので、略水平状態のカード保持フラップ2の蓋本体1方向への回動を円滑に行うことができる。
【0041】
なお、カードCとして、紙製のカードを使用した際には、カードCに、必ずしも、透孔c1を穿設しておくことなく、カード保持フラップ2に形成された係止突部2kを、蓋本体1の平板状部1aに穿設された係止孔部1jに嵌合する際に、係止突部2kにより、紙製のカードCを突き破ることにより、蓋本体1に、カード保持フラップ2により、紙製のカードCを、保持するように構成することもできる。
【0042】
上述した実施例においては、蓋本体1とカード保持フラップ2とを、フラップ本体側薄肉ヒンジ部H1と蓋本体側薄肉ヒンジ部H2との2つの薄肉ヒンジ部により連結するとともに、蓋本体1とカード保持フラップ2とを、一体成形した例が示されているが、運搬用容器の側壁に、上述したカード保持フラップ2を、同様のフラップ本体側薄肉ヒンジ部H1と側壁側薄肉ヒンジ部H2との2つの薄肉ヒンジ部により連結するとともに、側壁とカード保持フラップ2とを、一体成形するように構成することもできる。
【符号の説明】
【0043】
R・・・・・・・・・・・蓋部材
H1・・・・・・・・・・フラップ本体側薄肉ヒンジ部
H2・・・・・・・・・・蓋本体側薄肉ヒンジ部
1・・・・・・・・・・・蓋本体
1h・・・・・・・・・・フラップ係合ブロック
1i・・・・・・・・・・フラップ位置決めブロック
1j・・・・・・・・・・係止孔部
2・・・・・・・・・・・カード保持フラップ
2b・・・・・・・・・・フラップ位置決め部
2b1・・・・・・・・・フラップ位置決め孔
2c・・・・・・・・・・フラップ係合ブロック用係合孔
2k・・・・・・・・・・係止突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋本体或いは側壁に、カード保持フラップが、フラップ本体側薄肉ヒンジ部及び蓋本体或いは側壁側薄肉ヒンジ部との2つの薄肉ヒンジ部により連結されているとともに、前記蓋本体或いは側壁と前記カード保持フラップとが一体成形されていることを特徴とする運搬用容器。
【請求項2】
前記カード保持フラップに、係止突部が形成されているとともに、前記蓋本体或いは側壁に、前記係止突部が嵌合される係止孔部が穿設されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項3】
前記カード保持フラップに、フラップ係合ブロック用係合孔が穿設されているとともに、前記蓋本体或いは側壁に、前記フラップ係合ブロック用係合孔に係合されるフラップ係合ブロックが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運搬用容器。
【請求項4】
前記カード保持フラップに、フラップ位置決め孔が穿設されているとともに、前記蓋本体或いは側壁に、前記フラップ位置決め孔に嵌合されるフラップ位置決めブロックが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の運搬用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−71865(P2012−71865A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218152(P2010−218152)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】