説明

運転、維持保守が容易な分解組立型の使用後核燃料酸化装置

【課題】投入されたロッドカットを空気と熱を用いて粉末化して、モジュール構造を用いて運転および維持、保守が容易な使用後核燃料酸化装置を提供する。
【解決手段】使用後核燃料を投入して酸化する反応器モジュールと、前記反応器モジュールを高温加熱する加熱モジュールと、前記反応器モジュールに結合し、前記反応器モジュールの内部の状態を調節するユーティリティモジュールと、前記加熱モジュールおよび前記反応器モジュールを支持する支持モジュールと、前記反応器モジュールの内部で前記使用後核燃料を搬送するための駆動力を提供する駆動モジュールと、前記反応器モジュールから酸化した使用後核燃料が排出されるのを調節するバルブモジュールと、前記反応器モジュールから酸化して排出される使用後核燃料を除去する回収容器モジュールとを備え、前記各モジュール別に分解され、前記各モジュール別に組立てられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用後核燃料酸化装置に関する。具体的には、運転、維持保守が容易な分解組立型の使用後核燃料酸化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
核燃料は、原子炉の中に装入して核分裂を連続的に起こし、利用可能なエネルギを得ることができる物質をいい、使用後核燃料は核分裂を起こした後に残った物質をいう。
【0003】
使用後核燃料の管理には、およそ二種類の方法がある。1つは、使用後核燃料を地下500メートル以上の岩盤に入れて人間生態系と徹底的に隔離する方法である。これを永久処分と呼ぶ。もう1つの方法は、使用後核燃料からリサイクル物質を分離して核燃料物質を再び用いて高放射性物質は永久処分する方法である。
【0004】
従来の方式によれば、原子力発電所で燃焼して使用された核燃料集合体は、それ以上処理されない状態で水槽に保管および格納されているが、原子力発電を稼動する期間が長くなるほど、使用された核燃料棒の量が次第に累積して膨大な格納空間を要している。また、このように累積した廃棄物を処理しなければならない必要性および危険性が絶えず指摘されている。
【0005】
したがって、固体形態の使用後核燃料のリサイクルのための管理技術の開発が急がれる実状にあり、これについては、使用後核燃料を粉末化してこれを酸化し、後続する工程に送る一部工程装置が開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、投入されたロッドカット(rod cut)を空気と熱を用いて粉末化し、モジュール構造を用いて運転および維持、保守が容易な使用後核燃料酸化装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、高放射線ホットセル内で運転および維持、保守を遠隔で容易にできる使用後核燃料酸化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による使用後核燃料酸化装置は、使用後核燃料を投入して酸化する反応器モジュールと、前記反応器モジュールを高温加熱する加熱モジュールと、前記反応器モジュールに結合し、前記反応器モジュールの内部の状態を調節するユーティリティモジュールと、前記加熱モジュールおよび前記反応器モジュールを支持する支持モジュールと、前記反応器モジュールの内部で前記使用後核燃料を搬送するための駆動力を提供する駆動モジュールと、前記反応器モジュールから酸化した使用後核燃料が排出されるのを調節するバルブモジュールと、前記反応器モジュールから酸化して排出される使用後核燃料を除去する回収容器モジュールとを備え、前記各モジュール別に分解され、前記各モジュール別に組立てられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、使用後核燃料酸化装置の分解および組立を遠隔で容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明によれば、使用後核燃料酸化装置の維持、保守を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による使用後核燃料酸化装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による使用後核燃料酸化装置の他の斜視図である。
【図3A】本発明の実施形態による加熱モジュールの斜視図および正面図である。
【図3B】本発明の実施形態による加熱モジュールの斜視図および正面図である。
【図4】本発明の実施形態による反応器モジュールの斜視図である。
【図5】本発明の実施形態によるユーティリティモジュールの斜視図である。
【図6】本発明の実施形態による駆動モジュールの斜視図である。
【図7】本発明の実施形態による駆動モジュールの平面図である。
【図8】本発明の実施形態による駆動モジュールの正面図である。
【図9A】本発明の実施形態による支持モジュールの斜視図および側面図である。
【図9B】本発明の実施形態による支持モジュールの斜視図および側面図である。
【図10】本発明の実施形態によるエアーシリンダモジュールの斜視図である。
【図11】本発明の実施形態によるバルブモジュールの正面図である。
【図12】本発明の実施形態による回収容器モジュールの正面図である。
【図13】本発明の実施形態による端子台モジュールの斜視図である。
【図14】本発明の実施形態によるガイドモジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付する図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明するが、本発明が実施形態によって制限されたり限定されることはない。参考までに、本説明における同一の番号は実質的に同一の要素を示し、この規則の下で他の図面に記載された内容を引用して説明することができ、当業者に自明であると判断されるものや、反復される内容は省略するものとする。
【0013】
図1は、本発明の実施形態による使用後核燃料酸化装置の斜視図であり、図2は、本発明の実施形態による使用後核燃料酸化装置の他の斜視図である。
【0014】
図1および図2を参照すれば、本実施形態による使用後核燃料酸化装置1は、加熱モジュール10と、反応器モジュール20と、駆動モジュール30と、ユーティリティモジュール40と、支持モジュール50と、エアーシリンダモジュール60と、バルブモジュール70と、回収容器モジュール80と、端子台モジュール90と、ガイドモジュール95とを備える。
【0015】
使用後核燃料酸化装置1は、使用後の核燃料を振動状態で高温に加熱して酸化させる。
【0016】
加熱モジュール10は、使用後核燃料を酸化させるための熱を提供する。反応器モジュール20には、使用後核燃料を投入することができ、反応器モジュール20に投入された使用後核燃料を酸化させる。駆動モジュール30は、反応器モジュール20の内部で使用後核燃料を搬送するための駆動力を提供する。支持モジュール50は、加熱モジュール10と、反応器モジュール20と、駆動モジュール30とを支持する。バルブモジュール70は、反応器モジュール20で酸化された使用後核燃料の排出を調節する。回収容器モジュール80は、反応器モジュール20で酸化されて排出された使用後核燃料を除去する。ガイドモジュール95は、加熱モジュール10の動きをガイドする役割をする。
【0017】
使用後核燃料酸化装置1は、各モジュール別に組立または結合してもよく、各モジュール別に分離してもよい。モジュールの遠隔結合および遠隔分解の可能性は、可視性(visibility)、干渉(interference)、接近性(approach)、重さ(weight)等の観点で分析される。
【0018】
図3Aは、本発明の実施形態による加熱モジュールの斜視図であり、図3Bは本発明の実施形態による正面図である。
【0019】
図1〜図3を参照すれば、加熱モジュール10は、使用後核燃料を酸化させるために、反応器モジュール20を高温加熱する。詳しくは、加熱モジュール10は、使用後核燃料を酸化させるために反応器モジュール20内の酸化容器を500度以上まで加熱してもよい。加熱モジュール10は、高い温度でも形状が大きく変わらないようにするために熱膨張係数が小さい材質で形成することが好ましい。
【0020】
加熱モジュール10は、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12を備える。第1ヒーティングボディ11は、加熱モジュール10の左側半部を構成することができ、第2ヒーティングボディ12は加熱モジュール10の右側半部を構成することができる。第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、加熱モジュール10の垂直二等分線を基準として左右対称的に配置してもよい。
【0021】
第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、反応器モジュール20を挟んで両側から結合される。また、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12の内部には、反応器モジュール20を収容することができる空間部が陥没して形成される。これにより、加熱モジュール10は、反応器モジュール20を包み込む形状に形成することができる。また、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12の内側面には、電熱線などの発熱部材(H)が備えられる。
【0022】
一方、加熱モジュール10には、反応器モジュール20の投入部22が貫通する投入符号を121および駆動モジュール30の回転軸35が貫通する回転軸孔14が形成される。
【0023】
第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、支持モジュール50にスライド可能に載置される。第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、支持モジュール50上で直線方向にスライドすることができる。一例として、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、左右方向にスライドしてもよい。
【0024】
よって、加熱モジュール10を分解するために、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12には左右方向に引く張力を加えてもよい。
【0025】
第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12の動きは、ガイドモジュール95によってガイドしてもよい。
【0026】
加熱モジュール10には、遠隔で組立および分解を容易にするために、加熱モジュール10の上段にはフック、クレーンなどの取扱ツールを結合できる取扱ツール結合部13を形成してもよい。取扱ツール結合部13には、取扱ツールを容易に結合するために孔を形成してもよい。
【0027】
以下では、加熱モジュール10を遠隔で分離して組立る過程を説明する。
【0028】
まず、遠隔で加熱モジュール10を支持モジュール50から分離するためには、第1ヒーティングボディ11を左側に引っ張って、第2ヒーティングボディ12を右側に引っ張って、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12を互いに分離してもよい。
【0029】
第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、支持モジュール50上で互いに反対方向にスライドし、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12が互いに所定間隔離隔する。
【0030】
その次に、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12の上段に形成された取扱ツール結合部13に、フック、クレーンなどの取扱ツールを掛けて第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12を支持モジュール50から持ち上げる方式で分離してもよい。
【0031】
一方、遠隔で加熱モジュール10を支持モジュール50に結合するためには、まず第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12の取扱ツール結合部13に、フック、クレーンなどの取扱ツールを掛けて、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12を支持モジュール50に載置する。詳しくは、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、ガイドモジュール95に載置してもよい。
【0032】
第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12をガイドモジュール95上に載置すれば、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12を反応器モジュール20を挟んで結合するように、反応器モジュール20を挟んで押力を加える。
【0033】
第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、反応器モジュール20を挟んで結合されるため、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12が支持モジュール50を包み込むようになる。
【0034】
図4は、本発明の実施形態による反応器モジュールの斜視図である。
【0035】
図1、図2および図4を参照すれば、反応器モジュール20は、ボディ部21と、投入部22とを備える。
【0036】
ボディ部21の内部には、使用後核燃料が収容される酸化容器が設けられる。酸化容器は、中が空の円筒形状に形成してもよく、周囲を網(mesh)で形成してもよい。酸化容器の周囲が網構造になっているため、酸化前の使用後核燃料は酸化容器内に位置するようになる。
【0037】
ただし、使用後核燃料は、酸化工程によってハル(hull)と粉末化されたペレットに分離すれば、ハルは酸化容器内に残るが、粉末化されたペレットは網を抜け出して酸化容器下方に配置された粉末受部(図示せず)に集まることになる。
【0038】
粉末受部は、回転軸35を中心に酸化容器の下部から上部に180度回転してもよい。これにより、粉末受部に回収されたペレット粉末を後述する粉末搬送部212に搬送してもよい。
【0039】
また、ボディ部21の下部には、粉末搬送部212と、ハル搬送部214とが備えられる。
【0040】
ハル搬送部214は、酸化容器から分離したハルを回収容器モジュール80に搬送する。詳しくは、酸化工程によって酸化容器内に残ったハルは、ハル搬送部214によって回収容器モジュール80に搬送される。
【0041】
粉末搬送部212は、酸化容器で分離したペレット粉末が搬送される。詳しくは、酸化工程によって粉末受部にペレット粉末が集まれば、粉末受部が回転して、ペレット粉末は粉末搬送部212に搬送される。ハル搬送部214に搬送されたペレット粉末は、回収容器モジュール80に搬送される。
【0042】
粉末搬送部212は、水平面に対して所定角度の傾斜を形成してもよい。一例として、粉末搬送部212は水平面に対して45度の角度で傾斜を形成してもよい。
【0043】
一方、投入部22は、チューブ形状であって、使用後核燃料が外部から酸化容器内部に投入されるようにする。投入部22の一端は酸化容器の外部に突出している。
【0044】
投入部22は、内部が空いている円筒形状に形成され、ボディ部21の外部から酸化容器まで使用後核燃料が移動し得る通路を提供する。
【0045】
一方、ボディ部21には、減圧部41と、ガス除去および減圧チューブ42と、酸化剤供給部(図示せず)と、圧力計器44と、温度センサ結合部43とが結合される。また、圧力計締結クランプ441と、温度センサ締結クランプ421と、ガス除去および減圧チューブ締結クランプ411が締結され、これらに対する詳しい説明は後述することにする。
【0046】
図5は、本発明の実施形態によるユーティリティモジュールの斜視図である。
【0047】
図1、図2および図5を参照すれば、ユーティリティモジュール40は、反応器モジュール20に結合し、反応器モジュール20の状態を調節する役割をする。ユーティリティモジュール40は、減圧部41と、ガス除去および減圧チューブ42と、酸化剤供給部(図示せず)と、投入部カバー45とを備える。
【0048】
減圧部41およびガス除去および減圧チューブ42は、反応器モジュール20による高温酸化工程が減圧された状態で進められるようにする。
【0049】
詳しくは、減圧部41およびガス除去および減圧チューブ42は、反応器モジュール20の外部に設けられる減圧ポンプ(図示せず)と連結され、減圧ポンプは、反応器モジュール20が真空状態で高温酸化工程を進められるように真空状態まで減圧できるようにする。
【0050】
減圧部41は、一端がボディ部21の内部と連結され、他端がボディ部21の外部に突出する。減圧部41は、ボディ部21に結合し、減圧部41はボディ部21を貫通してもよい。
【0051】
減圧部41は、ボディ部20の内部の圧力を調節するための減圧バルブ(図示せず)を備えてもよい。
【0052】
ガス除去および減圧チューブ42は、一端は減圧部41と連結され、他端はボディ部21の外部に設けられる減圧ポンプ(図示せず)と連結される。ガス除去および減圧チューブ42は、減圧部41および減圧ポンプの間で折曲形成されてもよい。
【0053】
一方、ガス除去および減圧チューブ42は、ボディ部21に結合し、ボディ部21を貫通してもよい。
【0054】
温度センサ結合部43の一端はボディ部21の内部に連結され、他端はボディ部21の外部に露出している。これによって、高温酸化工程の間に使用後核燃料から発生したガス形態のクリプトン(Kr)、ヨウ素(I)、三重水素(H−3)等の揮発性ガスを除去する。
【0055】
ガス除去および減圧チューブ42には、高温酸化工程の間に各温度別に発生するガスを選択的に除去できるようにするバルブ(図示せず)が備えられる。
【0056】
酸化剤供給部(図示せず)は、酸化容器内部に酸化剤を供給するための通路を提供する。
【0057】
圧力計器44は、ボディ部21に結合し、ボディ部21を貫通してもよい。
【0058】
一般的に酸化剤として酸素(O)が用いられ、酸化剤供給部(図示せず)は、酸素を供給できるように所定の直径を有するチューブ形状に形成される。酸化剤供給部(図示せず)には、高温加熱時に酸化容器の内部を真空状態に作れるようにするためのバルブ(図示せず)を備えてもよい。
【0059】
加熱モジュール10には、減圧部41と、ガス除去および減圧チューブ42と、圧力計器44とが貫通する孔が形成される。第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12には、孔を形成するための曲面の溝が形成される。
【0060】
第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、減圧部41と、ガス除去および減圧チューブ42と、圧力計器44とを挟んで結合される。
【0061】
詳しくは、減圧部41と、ガス除去および減圧チューブ42と、圧力計器44とは、反応器モジュール20のボディ部21に結合し、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12は、減圧部41と、ガス除去および減圧チューブ42と、圧力計器44と、反応器モジュール20とを挟んで結合される。
【0062】
一方、投入部カバー45は、反応器モジュール20の投入部22の一端に結合される。投入部カバー45は、使用後核燃料の出入りを統制できるように、投入部22の一端を選択的に開閉してもよい。
【0063】
図6は、本発明の実施形態による駆動モジュールの斜視図であり、図7は、本発明の実施形態による駆動モジュールの平面図であり、図8は、本発明の実施形態による駆動モジュールの正面図である。
【0064】
図1、図2、および図6〜図8を参照すれば、駆動モジュール30は、モータ31と、モータハウジング32と、動力伝達部33、34と、回転軸35と、搬送部(図示せず)とを備える。
【0065】
モータ31は、駆動軸が回転軸35と同一平面に置かれ、互いに垂直に配置してもよい。
【0066】
モータ31の一側には、モータ31を搬送するための掛止部311が備えられる。掛止部311に、クレーン、フックなどの取扱ツールを掛けて、モータ31を遠隔で引揚げまたは搬送することができる。
【0067】
モータ31は、モータハウジング32に着脱可能に結合される。モータ31は、モータハウジング32にスライド可能に結合するための輪部312を備える。輪部312は、モータ31の下段に回転可能に結合してもよい。
【0068】
また、モータ31は、モータ31がモータハウジング32で所定距離以上スライドするのを防止するためのストッパ313を備える。ストッパ313は、モータ31の側面または上面に結合され、モータ31から所定厚さだけ突出してもよい。
【0069】
モータ31がモータハウジング32から所定距離以上動けば、ストッパ313がモータハウジング32の一部分と干渉する。これによって、モータ31は、モータハウジング32から所定距離以上動かずに、モータハウジング32から離脱するのを防止することができる。
【0070】
モータハウジング32には、モータ31が収容される。モータハウジング32の内部には、モータ31を収容することができる空間が形成される。また、モータハウジング32は、輪部312と接触するレール部322を備える。レール部322は、輪部312が挿入されるように、所定深さに陥没して形成してもよい。また、レール部322が延びる方向は、回転軸35と垂直を形成してもよい。よって、モータ31の駆動軸は、回転軸35と互いに垂直に配置してもよい。
【0071】
モータハウジング32は、支持モジュール50に結合される。モータハウジング32は、支持モジュール50に締結部材によって固定することができる。モータハウジング32は、回転軸35に近づくほど下向傾斜を形成するように支持モジュール50に結合される。これにより、モータハウジング32のレール部322は、回転軸35に近づくほど下向傾斜を形成する。
【0072】
したがって、モータ31をモータハウジング32に載置すれば、すなわち、輪部312をレール部322に載置すれば、モータ31は、回転軸35に向かってスライドする。モータ31は、ストッパ313がモータハウジング32の一部分に干渉する時までモータハウジング32でスライドする。
【0073】
モータ31がストッパ313によってスライドが停止すれば、モータ31の駆動軸に結合された動力伝達部33が回転軸35に結合された動力伝達部34に結合されることが好ましい。
【0074】
整理すれば、モータ31がモータハウジング32に着脱される部分は、動力伝達部33、34の間の結合、およびモータ31が載置される面の傾斜構造を反映し、モータ31のスライド運動が可能なように設計してもよい。一例として、モータハウジング32は、水平面に対し約5度程傾斜するように結合してもよい。
【0075】
したがって、モータ31は、クレーンなどの取扱ツールを用いて遠隔で結合および分離が可能であるため、モータ31の維持および保守を容易にできる長所がある。
【0076】
モータ31の駆動力は、動力伝達部33、34を介して回転軸35に伝えることができる。一例として、動力伝達部33、34にはベベルギヤを用いてもよい。この場合、ベベルギヤは、モータ31の駆動軸の端部および回転軸35の端部に備えてもよい。
【0077】
回転軸35は、酸化容器、ボディ部21、および加熱モジュール10を貫通する。回転軸35の一端は、動力伝達部33、34によってモータ31から駆動力が伝えられる。回転軸35には搬送部が装着される。
【0078】
搬送部は、酸化容器内部に位置し、投入部22から供給された使用後核燃料を酸化容器内部に搬送する。搬送部は、螺旋形のスクリュー形状に形成してもよい。搬送部は、回転軸35に装着され、回転軸35と一体で回転してもよい。
【0079】
図9A、図9Bは、本発明の実施形態による支持モジュールの斜視図および側面図である。
【0080】
図9A、図9Bを参照すれば、支持モジュール50は、メイン支持部51と、ベース部52と、支持台53と、支え部54とを備える。
【0081】
メイン支持部51は、加熱モジュール10と、反応器モジュール20および駆動モジュール30を支持する。メイン支持部51には粉末搬送部212が貫通する粉末搬送部貫通孔511と、ハル搬送部214が貫通するハル搬送部貫通孔512が形成される。
【0082】
粉末搬送部貫通孔511の一側には、粉末搬送部212を支持する粉末搬送部支持部513が備えられる。粉末搬送部支持部513は、メイン支持部51から所定の角度で下向傾斜するように延びている。粉末搬送部支持部513は、粉末搬送部212の傾斜角度に対応する角度の傾斜を形成する。
【0083】
粉末搬送部支持部513は、メイン支持部51の一部分を折り曲げて形成してもよく、薄いプレート形状に形成してもよい。
【0084】
メイン支持部51は、回転軸35を回転可能に支持する支え部54を備える。支え部54は、メイン支持部51から所定の長さ突出して形成してもよい。
【0085】
支え部54は、回転軸35の前端を支持する前端支え台541と、回転軸35の後端を支持する後端支え台542とを備える。支え台541、542に回転軸35を回転可能に装着する時、ベアリングを用いて回転軸35の回転が円滑になされるようにしてもよい。
【0086】
一方、メイン支持部51の下側には、メイン支持部51を支持するための支持台53が備えられる。支持台53はメイン支持部51で下方に延びて、ベース部52に回転可能に結合してもよい。これにより、加熱モジュール10、反応器モジュール20、駆動モジュール30等の維持および保守を便利にすることができる。
【0087】
ベース部52は、支持モジュール50の底面を形成する。ベース部52は、支持モジュール50を安定して支持できるように広いプレート形状に形成してもよい。
【0088】
ベース部52は、支持台53と回転可能に結合することのできる支持台結合部521を備える。支持台結合部521は、ベース部52から上方に延びて形成することができる。支持台結合部521は、ベアリングを備え、支持台53を回転可能に結合することができる。詳しくは、支持台結合部521は、支持台53よりもさらに大きい直径で形成され、支持台53を支持台結合部521に挿入することができる。
【0089】
図10は、本発明の実施形態によるエアーシリンダモジュールの斜視図である。
【0090】
図1、図2および図10を参照すれば、エアーシリンダモジュール60は、加熱モジュール10の一側に結合され、加熱モジュール10の分離および結合に必要な力を提供してもよい。
【0091】
エアーシリンダモジュール60の一端には、第1ヒーティングボディ11に結合される第1結合部61が備えられ、他端には、第2ヒーティングボディ12に結合される第2結合部62が備えられる。第1結合部61および第2結合部62は突起状に形成され、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12に挿入することができる。
【0092】
エアーシリンダモジュール60は、空気の油圧を用いて第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12を両側に押して加熱モジュール10を分離することができ、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12を引いて加熱モジュール10を結合することができる。
【0093】
図11は、本発明の実施形態によるバルブモジュールの正面図である。
【0094】
図1、図2、図11を参照すれば、バルブモジュール70は、粉末搬送部212から搬送されるペレット粉末の排出を調節する残余粉末バルブ71と、ハル搬送部214から搬送されるハルの排出を調節するハルバルブ72とを備える。
【0095】
残余粉末バルブ71およびハルバルブ72には、ナイフゲートバルブ(Knife gate valve)を用いてもよい。一般に、ナイフゲートバルブは、管体と管体間に連結されて流体の流れを遮断および開閉させる装置であって、特に所定の粘性を有する流体など、それ自体が有する摩擦性と滞積性などによるバルブの開閉が容易でない場合、これを効果的に統制するための手段として用いられる。
【0096】
残余粉末バルブ71およびハルバルブ72は、クランプによって着脱されるクランプ着脱方式を用いてもよい。
【0097】
図12は、本発明の実施形態による回収容器モジュールの正面図である。
【0098】
図1、図2および図12を参照すれば、回収容器モジュール80は、ハルを除去するハル回収容器81と、残余粉末を除去する残余粉末回収容器82とを備える。
【0099】
ハル回収容器81および残余粉末回収容器82は、フレキシブル材質で形成したり、溶接(welding)方式を用いて製作してもよい。
【0100】
また、ハル回収容器81および残余粉末回収容器82には、前後スライド方式で着脱されるエンドキャップを結合してもよい。
【0101】
図13は、本発明の実施形態による端子台モジュールの斜視図である。
【0102】
図1、図2および図13を参照すれば、端子台モジュール90は、支持モジュール50のメイン支持部51に設けることができる。端子台モジュール90は、外部電源と使用後核燃料酸化装置1の配線に接続する。端子対モジュール90は、メイン支持部51に締結部材によって結合してもよい。端子台モジュール90には、複数の孔を形成することができる。
【0103】
図14は、本発明の実施形態によるガイドモジュールの斜視図である。
【0104】
図1、図2および図14を参照すれば、ガイドモジュール95は、メイン支持部51に固定される固定部951と、固定部951に直線移動可能に結合される移動部952とを備える。
【0105】
固定部951は、所定方向に長く延びる形状に形成され、移動部952の動きをガイドできるガイド部が形成される。一例として、ガイド部は、固定部951に形成された溝であってもよい。固定部951は締結部材などによって支持モジュール50に固定してもよい。
【0106】
移動部952は、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12の底面に結合し、第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12と一体で動く。移動部952は、締結部材などによって第1ヒーティングボディ11および第2ヒーティングボディ12に固定してもよい。移動部952は、固定部951に形成されたガイド部によって動きがガイドされる。
【符号の説明】
【0107】
1:使用後核燃料酸化装置
10:加熱モジュール
20:反応器モジュール
30:駆動モジュール
40:ユーティリティモジュール
50:支持モジュール
60:エアーガイドモジュール
70:バルブモジュール
80:回収容器モジュール
90:端子台モジュール
95:ガイドモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用後核燃料を投入して酸化する反応器モジュールと、
前記反応器モジュールを高温加熱する加熱モジュールと、
前記反応器モジュールに結合し、前記反応器モジュールの内部の状態を調節するユーティリティモジュールと、
前記加熱モジュールおよび前記反応器モジュールを支持する支持モジュールと、
前記反応器モジュールの内部に前記使用後の核燃料を搬送するための駆動力を提供する駆動モジュールと、
前記反応器モジュールから酸化した使用後核燃料が排出されるのを調節するバルブモジュールと、
前記反応器モジュールから酸化して排出される使用後核燃料を除去する回収容器モジュールと、
を備え、前記各モジュール別に分解され、前記各モジュール別に組立てられることを特徴とする使用後核燃料酸化装置。
【請求項2】
前記加熱モジュールは、前記反応器モジュールを挟んで両側から結合することのできる第1ヒーティングボディおよび第2ヒーティングボディを備え、
前記第1ヒーティングボディおよび第2ヒーティングボディは、前記支持モジュールにスライド可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項3】
前記加熱モジュールの動きをガイドするガイドモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項4】
前記加熱モジュールの一側に結合され、前記加熱モジュールの分離および結合に必要な力を提供するエアーシリンダモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項5】
前記加熱モジュールには、前記加熱モジュールを搬送するための取扱ツールが結合される取扱ツール結合部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項6】
前記反応器モジュールは、
使用後核燃料が収容される酸化容器が設けられるボディ部と、
前記使用後核燃料が外部から前記酸化容器内部に投入される通路を提供する投入部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項7】
前記ユーティリティモジュールは、
前記反応器モジュールが真空状態で高温酸化工程を進められるように真空状態まで減圧させる減圧部と、
高温酸化工程間で使用後核燃料から発生したガスを除去するガス除去部と、
前記酸化容器内部に酸化剤を供給するための通路を提供する酸化剤供給部と、
前記反応器モジュールの投入部を選択的に開閉する投入部カバーと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項8】
前記駆動モジュールは、
前記反応器モジュールを貫通する回転軸と、前記回転軸に駆動力を提供するモータと、前記モータの駆動力を前記回転軸に伝達する動力伝達部と、前記回転軸に装着され、使用後核燃料を酸化容器内部に搬送する搬送部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項9】
前記モータを収容するモータハウジングがさらに備え、
前記モータには、前記モータハウジングにスライド可能に結合するための輪部が備えられ、
前記モータハウジングは、前記回転軸に近づくほど下向傾斜を形成することを特徴とする請求項8に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項10】
前記モータは、前記モータが前記モータハウジングから所定距離以上スライドするのを防止するためのストッパを備えることを特徴とする請求項8に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項11】
前記支持モジュールは、
前記支持モジュールの底面を形成するベース部と、
前記ベース部に回転可能に結合されるメイン支持部を備えることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。
【請求項12】
前記加熱モジュール、ユーティリティモジュール、駆動モジュール、反応器モジュール、バルブモジュール、回収容器モジュールは、SUS304およびセラミック材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載の使用後核燃料酸化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−53042(P2012−53042A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185462(P2011−185462)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(500002490)コリア アトミック エナジー リサーチ インスティチュート (20)
【出願人】(502043352)コリア ハイドロ アンド ニュークリア パワー カンパニー リミティッド (23)