説明

道路情報管理装置

【課題】工事コストや補修計画コストを低減可能な道路情報管理装置を提供する。
【解決手段】道路情報管理装置に、道路構造を表現するための道路に関する情報を道路構造モデルとして記憶する区間情報記憶装置214および施設情報記憶装置215と、道路供用段階における路面状況を示す管理情報を記憶する管理情報記憶装置216と、管理情報に基づいて路面状況を評価し、補修が必要な要補修区間を判定する要補修区間判定装置225と、要補修区間判定装置225により判定された隣接する要補修区間同士の間隔が閾値以下であるときに、当該両要補修区間を含む連続領域を補修工事区間に設定する補修工事区間設定装置227と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の補修工事区間を設定可能な道路情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路情報を提供する技術として、特許文献1や2に示すものが知られている。特許文献1には、データベースに蓄積する情報を基に道路や道路に付随する設備を地図として画面表示させ、当該画面表示に加えられた変更をデータベースの情報に反映させる技術が示されている。また、特許文献2には、交通事故場面の再現等に利用するため用いる道路構造データの構成方法の例が提案されている。
【0003】
しかし、これら特許文献に示される技術では、道路構造物の完成状態の登録や取得は可能であるが、道路供用段階における轍掘れや罅割れなどのように、図面化あるいは情報化されていない道路の現況を管理することは困難である。
従って、点検業務により得られた道路の路面状況(例えば、損傷レベル、IRI(International Roughness Index;国際ラフネス指標)判定、轍掘れ判定、罅割れ判定)等を基に、補修が必要な箇所を判定し、補修工事区間を設定する作業は、人手を介在させて行っていた。
【特許文献1】特開2002−269668号公報
【特許文献2】特開2000−132093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、手作業による設定は手間および時間を要し、間違えが発生するおそれもあった。
さらに、路面状況を基に補修が必要と判定される箇所を補修工事区間として設定するだけでは、補修工事区間が飛び飛びに点在してしまうことがある。このような場合、点在する複数の補修工事区間を纏めて1つの補修工事区間として設定した方が費用削減に繋がる場合や、損傷の程度から補修予定時期を次年度に先延ばしした箇所でも事業コスト削減のために1年前倒しして他の補修工事区間と纏めて補修した方が良い場合もある。また、道路管理上の観点からは、例えば交通量の多い場所では、近接した区間について複数回に分けて断続的に工事を実施するよりも、1回で工事を完了させた方が好ましい場合もある。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、道路管理情報に基づいて自動的に適切な補修工事区間を設定する手段を提供することで、補修工事区間の設定から工事の実施に至る事業全体のコストの低減化を図るとともに、道路管理の適正化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1による道路情報管理装置は、道路構造を表現するための道路に関する情報を道路構造モデルとして記憶する道路構造モデル記憶手段と、前記道路構造上の各位置の道路供用段階における路面状況を示す情報を道路管理モデルとして記憶する道路管理モデル記憶手段と、前記道路管理モデルに基づいて各位置の路面状況を評価し、補修が必要な要補修箇所を判定する要補修箇所判定手段と、前記要補修箇所判定手段により判定された複数の要補修箇所の前記道路構造上の位置関係に基づいて、補修工事区間を設定する補修工事区間設定手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、道路情報管理装置は、単一の装置により構成してもよいし、複数の装置により構成してもよい。また、「道路構造上の各位置」とは、全ての位置を意味するのではなく、少なくとも一部の位置について路面状況を示す情報があればよいことを意味し、道路構造上の位置を特定できればよいことを意味する。
【0006】
本発明の請求項2による道路情報管理装置は、請求項1において、前記補修工事区間設定手段により設定した補修工事区間を、前記道路構造を表現する道路構造図に重ね合わせ表示する補修計画図データを生成する補修計画図生成手段を備えることを特徴とする。
このように構成することで、補修計画図生成手段により補修計画図データが生成され、これを表示装置に表示させたり、プリントアウトしたりすることで、道路管理者が補修工事区間を容易かつ正しく認識することができる。
【0007】
本発明の請求項3による道路情報管理装置は、請求項1又2において、前記補修工事区間設定手段は、同一車線で隣接する前記要補修箇所同士の車線方向間隔に基づいて、当該隣接する両要補修箇所を含む連続領域を前記補修工事区間に設定することを特徴とする。
本発明の請求項4による道路情報管理装置は、請求項3において、前記要補修箇所について補修予定時期を設定する補修予定時期設定手段を備え、前記補修工事区間設定手段は、前記設定された補修予定時期が許容差範囲内で異なる前記要補修箇所であって、同一車線上で隣接する当該要補修箇所同士の車線方向間隔に基づいて、当該隣接する両要補修箇所を含む連続領域を前記補修工事区間に設定することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項5による道路情報管理装置は、請求項3又は4において、前記補修工事区間設定手段は、前記同一車線上で隣接する要補修箇所同士の車線方向間隔が所定閾値以下であるときに、当該隣接する両要補修箇所を含む連続領域を前記補修工事区間に設定することを特徴とする。
本発明の請求項6による道路情報管理装置は、請求項3〜5のいずれかにおいて、前記補修工事区間設定手段は、前記補修工事区間の設定対象領域の道路構造条件、気象条件および交通条件のうちの少なくともいずれかをさらに考慮して、前記連続領域を補修工事区間に設定するかを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の道路情報管理装置によれば、補修工事区間の設定を自動化できるので、補修工事区間の設定コストや手間を低減できると共に、補修工事区間が要補修箇所の位置関係を考慮して適切に設定されるので、工事費用の低減化および道路管理の適正化も図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
・道路情報管理装置の構成について
図1に、本実施形態にかかる道路情報管理装置の機能ブロック図を示す。
図1の道路情報管理装置には、要素ごとに分類された道路情報の登録と記憶を行う道路情報格納装置210と、道路情報格納装置210に格納された道路情報に基づいて表示情報の出力制御を行う制御装置220と、路面の損傷状態の補修計画を模式的に示す平面図(補修計画図)や路面の損傷状態の評価用の評価図を表示する表示装置230と、が設けられている。
【0011】
ここで、道路情報格納装置210には、区間情報登録装置211、施設情報登録装置212、管理情報登録装置213、区間情報記憶装置214、施設情報記憶装置215、管理情報記憶装置216および接続情報記憶装置217が設けられている。そして、区間情報登録装置211は、道路構成要素を表現する区間情報を登録することができる。施設情報登録装置212は、道路付帯設備を表現する施設情報を登録することができる。管理情報登録装置213は、道路供用段階で発生する管理情報219を登録することができる。
【0012】
区間情報記憶装置214は、区間情報登録装置211にて登録された区間情報を記憶することができる。施設情報記憶装置215は、施設情報登録装置212にて登録された施設情報を記憶することができる。管理情報記憶装置216は、管理情報登録装置213にて登録された管理情報219を記憶することができる。接続情報記憶装置217は、区間情報や施設情報の相互関係を表す接続情報を記憶することができる。
【0013】
また、制御装置220には、構造図出力装置221、補修情報出力装置222、評価図出力装置223、判定基準設定装置226、要補修区間判定装置225、補修予定時期設定装置224および補修工事区間設定装置227が設けられている。そして、構造図出力装置221は、道路情報格納装置210に格納された道路情報を表示装置230にて表示可能な形式で出力することができる。補修情報出力装置222は、構造図出力装置221から出力される道路構造図上に補修工事区間が重ね合わされた補修計画図を生成し、表示装置230にて表示可能な形式で出力することができる。評価図出力装置223は、路面の損傷状態の評価用の評価図を表示装置230に表示することができる。判定基準設定装置226は、補修が必要な要補修区間を判定する際の管理情報の基準値を点検項目ごとにユーザ入力又は既定値を基に設定することができる。要補修区間判定装置225は、判定基準設定装置226により設定された基準値と管理情報記憶装置216に記憶される管理情報とに基づいて、要補修区間を判定することができる。この判定結果は、評価図に反映して表示される。補修予定時期設定装置224は、要補修区間判定装置225により要補修と判定された要補修区間に対する補修予定時期を、ユーザ入力又は規定値を基に設定することができる。補修工事区間設定装置227は、要補修区間判定装置225の判定結果および区間情報記憶装置214に記憶される区間情報に基づいて、当該要補修区間に対する補修工事区間を設定することができる。なお、設定の際には、必要に応じて補修予定時期設定装置224により設定された各要補修区間についての補修予定時期を参照して、補修工事区間を判定することもできる。補修工事区間設定装置227による設定結果は、補修情報出力装置222によって補修計画図に反映される。
【0014】
図2は、本実施形態に係る区間情報および施設情報の一例を示す図である。
本実施形態において、道路は、道路構造を表現するために必要な最小区間単位に分割され、道路本体の構造は、各区間ごとに付与された区間情報162の集合として表現される。図2においては、区間の分割の様子を道路地図151を用いて示し、道路は、伸長方向に沿って、サービスエリアやガソリンスタンドなどの設備が付帯する区間と付帯しない区間に分割されている。ここで、区間情報162には、道路本体の構造を表現するために必要な構成要素(位置、道路構造など)を持たせることができる。そして、当該区間の位置を、起点を原点として方向性(区分と終点)を持ったベクトル形式で表現することができ、道路構造を表現するために必要な属性情報(道路構造や路肩構造)を付与することができる。また、区間情報162ごとに固有のIDを定義することで、個々の区間情報162を識別することができる。
【0015】
施設情報163には、サービスエリアやガソリンスタンドなどの道路付帯設備を表現するために必要な構成要素を持たせることができる。そして、道路本体からの分流地点を原点として範囲(合流地点)を持った線分または点形式で表現することができ、施設構造を表現するために必要な属性情報(施設構造)を付与することができる。また、施設情報163ごとに固有のIDを定義することで、個々の施設情報163を識別することができる。
【0016】
図3は、本実施形態に係る管理情報の一例を示す図である。
管理情報154は、点検業務などによって収集された路面損傷状態を示す情報を道路上の位置を特定して示すことができる。路面損傷状態を示す情報としては、IRI測定値、轍掘れ量、罅割れ率などが挙げられる。路面損傷状態を例えば、図3に示す管理情報154は、点検業務で、KP(キロポイント)82.000〜KP82.200区間の第1走行車線左部の路面に20mmの轍掘れが発見されたことを示す。
【0017】
図4は、本実施形態に係る接続情報の一例を示す図である。
図4において、接続情報161は、KPで特定される道路の位置ごとに固有のIDが付与されるとともに、当該各道路の位置に対応する各要素(区間情報162および施設情報163)が当該各要素に割り振られた固有のIDによって登録される。つまり、図4の例においては、KP83.400の地点は、ID2002(図示せず)とID2003(区間情報162)の各情報によって表され、ID3001(図示せず)の施設情報により表される設備が付帯する。ここで、区間情報162および施設情報163で各道路上の位置を示すのに用いたKPは原点が共通の位置ベクトルである。また、管理情報164は、図3に示した管理情報154ごとに固有のIDが付与されるとともに、該当区間に対応する区間情報162に固有のIDを付与した状態で登録されている。
【0018】
そして、区間情報162が区間情報登録装置211を介して区間情報記憶装置214に記憶されるとともに、施設情報163が施設情報登録装置212を介して施設情報記憶装置215に記憶される時に、区間情報162と施設情報163との関連付けが定義され、接続情報161として接続情報記憶装置217に記憶される。また、図1の管理情報219が管理情報登録装置213を介して管理情報記憶装置216に記憶される時に、管理情報154ごとに固有のIDと、該当区間に対応する区間情報162に固有のIDとの関連付けが定義される。
【0019】
これにより、道路構造を表現するために必要な最小区間単位で構成された区間情報162と施設情報163との相互関係を明確化することが可能となり、道路構造を計算機上で再現することが可能となるとともに、該当箇所に関連付けられた個々の管理情報154を容易に特定することができる。また、各種管理情報を同じ表現で統一して並列表記することが可能となり、路面の損傷状態の現状の把握を容易に行うことが可能となるとともに、総合的な評価検討を行うことが可能となる。また、管理水準を変更した場合における補修工事区間の影響度を容易にシミュレーションすることが可能となり、コストや長期的な補修計画を考慮しながら、補修計画を容易に立案することが可能となる。また、補修工事に対する記録において、年々記載される項目が増加する場合においても、定期的な差し替えや整理が不要となり、煩雑な管理を不要とすることができる。
【0020】
図5は、本実施形態に係るユーザーインターフェースの一例を示す図である。
図5において、道路情報管理装置のユーザーインターフェースでは、道路管理情報の評価を行うための道路情報評価システム画面260を表示することができる。ここで、道路情報評価システム画面260は、補修計画図表示部261および評価図表示部262から構成されている。そして、補修計画図表示部261は補修計画図264を表示し、評価図表示部262は評価図を表示することができる。
【0021】
ここで、補修計画図264では、構造図出力装置221から出力される道路構造図上に補修工事区間を重ね合わて表示することができる。また、評価図265では、点検業務によって収集されたIRI測定値、轍掘れ量、罅割れ率などの各点検項目についての要補修判定の結果およびこれらを総合した最終的な要補修判定結果(総合判定)を道路構造図に沿って帯グラフにて夫々表示することができる。
これにより、ブラウザなどのユーザーインターフェースにおける同一画面上に補修計画図表示部261および評価図表示部262を集約して表示することができ、道路構造図と対比させながら評価図を参照することが可能となることから、路面の損傷状態を迅速かつ容易に把握することができる。
【0022】
図6は、本実施形態に係る要補修区間の判定方法を示す図である。
図6において、評価図265では、各点検項目についての判定結果(IRI判定、轍掘れ判定、罅割れ判定)が帯グラフとして並列表示される。帯グラフでは、要補修区間判定装置225によって、各点検項目についての評価の結果、要補修区間および検討が必要な要検討区間と判定された箇所が色分けされるなどして視覚により識別できるように表示される(図では、要検討区間が荒めのハッチングにより表され、要補修区間が細かいハッチングにより表されている)。そして、これらの各評価結果を総合した総合判定の結果が同様に帯グラフで表示される(図では、要検討区間がハッチングにより表され、要補修区間が塗りつぶして表されている)。総合判定では、例えば、個々の点検項目についての判定結果を数値化し(例えば、要補修の場合は‘2’、要検討の場合は‘1’、それ以外の場合は‘0’)、その和が閾値を超えると総合判定において要補修または要検討と判定する。
【0023】
なお、評価図265の一部領域には、その判定基準を設定するための判定基準設定画面283が設けられ、ユーザがこの領域に各点検項目についての基準値を入力すると、入力値が判定基準設定装置226に出力され、判定に用いる基準値として設定される。この結果、図6において、塗りつぶし領域が要補修区間と判定され(要補修区間285、287)、当該領域に挟まれた短い領域が要検討区間と判定される(要検討区間286)。なお、判定基準変更指示釦290を押して判定基準の変更を指示すると、判定基準設定画面283に入力された基準値の変更内容が判定基準設定装置226に出力され、変更した基準値で要補修区間の判定が再度実行され、評価図265に変更が反映される。
【0024】
ここで、総合判定の表示欄の任意の箇所をマウスクリックなどの操作にて指定すると、補修予定時期設定画面284が起動され、ユーザ入力により要補修区間についての補修予定時期を設定できる。なお、補修工事区間設定装置227による補修工事区間の設定は、ユーザによる補修工事区間設定指示釦291の押下を契機として実行され、結果が補修計画図264に反映される。図6の例では、補修工事区間設定の結果、評価図265に示す要補修区間285,287および要検討区間286を含む連続領域が補修工事区間288として設定され、補修計画図264に表示されている。
【0025】
・動作について
次に、本実施形態にかかる道路情報管理装置の動作について、図7に示す制御装置220による処理を中心に説明する。
制御装置220は、ステップS101において、道路情報格納装置210から各種データ(区間情報、施設情報、管理情報および接続情報)を読み出す。続いて、ステップS102において、要補修区間判定装置225にて、設定対象区間の各管理情報および規定の基準値に基づいて要補修区間および要検討区間を判定する。続くステップS103において、構造図出力装置221および評価図出力装置223にて、ステップS101で取得した各種データから必要なデータを抽出して構造図データおよび評価図データを生成し、表示装置230を介して夫々表示させる。このとき、評価図出力装置223は、ステップS102における判定結果をさらに用いて、図5および図6に示すように要補修区間および要検討区間を識別可能に表示する評価図データを生成する。また、構造図出力装置221による生成する構造図データは、補修計画図と異なり、例えば図5に示すような補修工事区間を表示していない状態の道路構造を示すためのデータである。そして、評価図265の出力時に、判定基準の変更が判定基準設定画面283を介してユーザから入力された場合(ステップS104:Yes)は、ステップS102およびS103に戻り、変更された判定基準により要補修区間を再度判定し、判定結果を表示する。その後、ステップS105において、ステップS102で判定された各要補修区間についての補修予定時期を設定する。この設定値は、例えば、補修予定時期設定画面284を介してユーザが入力した値、あるいは、規定値を用いる。
【0026】
次に、ステップS106〜S110において、補修工事区間設定装置227で、ステップS102で判定した要補修区間に基づき、補修工事区間を設定する。具体的には、本実施形態ではまずステップS106において、設定対象区間にある要補修区間の中からいずれかを判定対象の要補修区間として選択する。
続くステップS107において、当該判定対象の要補修区間について連続領域設定条件を満足するか判定する。
【0027】
図8に、本実施形態で適用する連続領域設定条件を示す。図8の例によれば、補修予定時期が同一年度であって、同一車線上で隣接する要補修区間との間隔(車線方向距離)の閾値が30mに設定されており、従って、当該間隔が30m以内である場合に、連続領域設定条件を満たすと判定する。
ステップS107の判定の結果、連続領域設定条件を満たす場合、つまり隣接する要補修区間との間隔が閾値以下である場合は(ステップS107:Yes)、当該隣接する要補修区間を含む連続領域を補修工事区間に設定する。一方、閾値を超えるとき、又は設定対象区間に隣接する要補修区間がなかったときは(ステップS107:No)、当該判定対象の要補修区間をそのまま補修工事区間に設定する。続くステップS110においては、設定対象となる全ての区間および車線について補修工事区間の設定を完了したかを判定する。完了していない場合は(ステップS110:No)、ステップS106に戻って次の判定対象を設定し、当該判定対象の要補修区間について再びステップS107〜S109を繰り返す。
【0028】
設定対象となる全ての区間および車線について補修工事区間の設定を完了したら(ステップS110:Yes)、ステップS111において、補修情報出力装置222にて、ステップS108およびS109で設定した補修工事区間を道路構造図上に重ね合わせ、例えば図6に示すような補修計画図264を生成し、表示装置230を介して表示する。
【0029】
・作用効果について
図9は、図7および図8に示す最適化アルゴリズムにより、要補修区間に対し最適な補修工事区間を設定する様子を示す図である。
従って、図9(a)に示すように、設定対象区間に同一年度に補修予定の3つの要補修区間300〜302が車線方向に離間して存在している場合、本実施形態の最適化アルゴリズムを適用することで、図9(b)に示すように2つの補修工事区間400,401が設定される。つまり、閾値以下の15m間隔で隣接した要補修区間301,302については、これらを含む連続領域が補修工事区間401として設定され、閾値を超える40m離れた要補修区間300,301については、連続領域とすることなく、離間した別々の補修工事区間400,401が設定される。
【0030】
もし、図9(a)に示すように、補修工事区間を最適化することなく要補修区間が飛び飛びに点在した状態で補修工事を行うと、路面が継ぎ接ぎ状になるため、継ぎ部分を走行するときの衝撃や路面特性の変化により車が走行しづらくなる。これに対し、本実施形態のように、隣接する要補修区間同士の間隔が閾値以下であるときはこれらの区間を纏めて1つの補修工事区間として設定すれば、路面が継ぎ接ぎ状になるのを防止できる。更に道路維持管理上、近接した区間を複数回に分けて補修する場合に比べて、1回で工事を完了できるので交通規制や工事にかかるコストや手間を低減でき、また長期にわたって断続的に交通規制をするような状態を回避できる。
【0031】
なお、図8に示す隣接する要補修区間の間隔の閾値は30mに限定されず、補修が不要な部分を補修工事区間に設定してもなお上記効果を得る必要のある範囲において任意の値に設定可能である。また、第1実施形態では、順に離間配置された3つ以上の要補修区間が閾値以内で隣接する場合について特に言及していないが、当該3つ以上の要補修区間を含む連続領域を補修工事区間として設定してもよいし、補修工事区間の長さに上限を設け、上限を超える補修工事区間の設定を制限してもよい。
【0032】
なお、上記実施形態において、区間情報の集合および道路付帯設備を表現する施設情報の集合は、本発明の道路構造モデルに相当し、これらを記憶する区間情報記憶装置214および施設情報記憶装置215は本発明の道路構造モデル記憶手段に相当する。また、管理情報の集合は本発明の道路管理モデルに相当し、管理情報記憶装置216は本発明の道路管理モデル記憶手段に相当する。また、補修予定時期設定装置224は本発明の補修予定時期設定手段に相当し、要補修区間は本発明の要補修箇所に相当し、要補修区間判定装置225は本発明の要補修箇所判定手段に相当し、補修工事区間設定装置227は本発明の補修工事区間設定手段に相当し、構造図出力装置221および補修情報出力装置222は本発明の補修計画図生成手段に相当する。
【0033】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態と装置構成は略同様であるが、補修工事区間の設定アルゴリズムが異なっているので、以下この点を中心に説明する。
図10に、本実施形態で適用する連続領域設定条件を示す。
図10の連続領域設定条件は、図7に示したフローのステップS107において連続領域にするかの判定を行うときに、図8に示した連続領域設定条件に代えて用いる。図10の連続領域設定条件によれば、補修予定時期の差が1年度以内である要補修区間が10m間隔で隣接している場合は、補修工事区間を当該両補修工事区間を含む連続領域として設定する。なお、図10の例では、図8の閾値よりも、閾値を小さく設定している。
【0034】
図11は、本実施形態にかかる最適化アルゴリズムにより、要補修区間に対し補修工事区間を設定する様子を示す図である。
図11(a)に示す最適化前の状態では、4つの要補修区間303〜306が車線方向に沿って点在しており、このうち2つの要補修区間303,305は補修予定時期が2008年度(次年度)、残りの2つの要補修区間304,306は2007年度(本年度)に設定されている。そして、最適化の実施後は、図11(b)に示すように、閾値以下の5m間隔で隣接する要補修区間303,304について、補修予定時期が1年度違いであるものの連続領域の補修工事区間403が設定されると共に、当該補修工事区間403の補修予定年度が2007年に設定される。残りの要補修区間305,306については、補修予定時期が1年度違いであるものの、互いの間隔が閾値を超える15mであるため、連続領域とはされず、離間した別々の補修工事区間404,405として設定される。なお、要補修区間304,305間は40mであるため、連続領域とはしない。
【0035】
このように、補修予定時期が異なっていても、補修予定時期が近い場合は、補修予定時期の区別なく連続的な補修工事区間の設定対象とし、隣接する要補修区間を纏めることで、路面が継ぎ接ぎ状になるのを回避し、また工事や交通規制に伴うコストや手間を低減できる。
なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様に補修予定時期の設定はユーザ入力又は規定値に基づいてなされるが、例えば、補修予定時期設定装置224により路面の損傷レベルに応じて自動設定させてもよい。このとき、例えば、損傷レベルの高いものほど早く補修工事が実施されるように補修予定時期を設定する。また、第2実施形態では、本年度と次年度の場合について説明しているが、例えば、本年度から次々年度までを補修工事区間の設定対象としてもよいし、次年度と次々年度を補修工事区間の設定対象としてもよい。このとき、例えば、補修予定時期の差の小さいものほど連続領域設定条件を緩和するなど、補修予定時期の差の大きさに応じて連続領域設定条件の閾値を変更するようにしてもよい。
【0036】
また、第2実施形態において、補修予定時期が同一年度に設定された要補修区間が隣接する場合について言及していないが、隣接する要補修区間が同一年度である場合と年度違いである場合が混在する場合についても当然に本発明を適用でき、この場合は、例えば、本年度に設定された要補修区間同士は図8の連続領域設定条件を適用し、本年度と次年度に設定された要補修区間は図10の連続領域設定条件を適用する。
【0037】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態と装置構成は略同様であるが、補修工事区間の設定アルゴリズムが異なっているので、以下この点を中心に説明する。
図12は、本実施形態で用いる補修優先レベルについて説明するための図である。
本実施形態では、補修工事区間設定装置227において、補修工事区間としての設定対象となる部分の交通条件、道路構造条件および気象条件を基に、当該部分の補修優先レベルを判定し、補修優先レベルが高い場合はより緩やかな条件で当該部分を含む連続領域を補修工事区間として優先的に設定する。つまり、例えば、道路構造条件によって他の場合よりも補修部分が細かく分断されるのを避ける必要がある場合や、気象条件や交通条件が厳しく要補修区間でない部分を補修工事区間に含めてでも一度に補修工事を済ませた方が道路管理上又はコスト面から好ましい場合などに対応するために、各区間の状態や各区間に要求される特性に基づき連続領域設定条件を変更する。
【0038】
図12の例では、道路構造条件、気象条件、交通条件をxyz軸にもつ三次元座標を用い、設定対象部分におけるこれらの各条件を総合的に評価して上記補修優先レベルを判定する。
具体的には、x軸は、道路構造条件を評価するための軸、x1およびx2がレベル分けをするための閾値である。そして、設定対象部分の道路構造条件の値xが、原点≦x<x1であれば、x1≦x<x2である場合に比べて、補修優先レベルが低いと評価される。例えば、道路構造条件として舗装種別を用いた場合、設定対象部分がアスファルト舗装であれば原点≦x<x1、コンクリート舗装であればx1≦x<x2と評価する。また、y軸は、気象条件を評価するための軸、y1およびy2がレベル分けをするための閾値である。例えば、気象条件として(年間平均)降水量を用い、y1を3000mmと設定した場合、設定対象部分の降水量yが3000mm未満の場合は、3000mm以上(y2未満)の場合よりも補修優先レベルが低いと評価される。同様に、z軸は、交通条件を評価するための軸、z1およびz2がレベル分けするための閾値である。例えば、交通条件として交通量(1日の平均台数)を用い、z1を5万台と設定した場合、設定対象部分の交通量zが5万台未満の場合は、5万台以上(z1未満)の場合よりも補修優先レベルが低いと評価される。なお、図12では、説明を分かり易くするために各閾値によってレベル分けされる各レベル分け領域を略立方体で示している。なお、設定対象部分の舗装種別や降水量、交通量などの情報は、区間情報や管理情報等の一部として各区間に対応付けた状態で、あるいは、これらの情報とは別の各区間に対応付けられた情報として、道路情報格納装置210に登録されているものとする。
【0039】
そして、道路構造条件xがx1以上x2未満である4つのレベル分け領域500,511,512,513を補修優先レベル1又は補修優先レベル2と判定して、連続領域判定条件の緩和対象とする。また、このうち、交通条件zがz1以上z2未満でかつ気象条件yがy1以上y2未満のレベル分け領域500を最も連続領域判定条件が緩和される補修優先レベル1と判定する。つまり、この場合、道路構造条件の重み付けが他の条件に比べて高く設定されている。これを適用すると、例えば、設定対象部分がコンクリート舗装で交通量が5万台未満の場合、降水量が3000mm以上であっても、レベル分け領域513に区分され、補修優先レベル2と判定される。また、設定対象部分がコンクリート舗装で交通量が5万台以上、かつ降水量が3000mm以上の場合、レベル分け領域500に区分され、補修優先レベル1と判定される。
【0040】
なお、道路構造条件としては、舗装種別のほか路盤の処理の仕方等を用いることができ、交通条件としては、交通量のほか交通事故発生件数等を用いることができ、気象条件としては、降水量のほか路面温度等を用いることができる。また、道路構造条件、交通条件および気象条件以外の条件を評価材料としてもよい。また、これらは単独で用いてもよいし、組み合わせて評価材料としてもよい。また、各種閾値は任意に設定可能であり、補修優先レベルの設定方法は、上記に限定されず、例えば、原点からの距離に応じもっと詳細にレベル分けしてもよい。
【0041】
次に、本実施形態にかかる道路情報管理装置の動作について、図13に示す補修工事区間設定装置227による処理を中心に説明する。
なお、制御装置220の動作は、図7に示すフローチャートと略同様であり、図7に示すステップS106〜110に代えて、図13に示す動作を実行する。
まず、ステップS201において、設定対象の区間にある要補修区間のいずれかを判定対象区間に設定する。ここでは、補修予定時期が本年度又は次年度(例えば、2007年度又は2008年度)に設定された要補修区間のいずれかを判定対象区間として設定する。続くステップS202において、第2実施形態と同じ図10の連続領域設定条件について判定を行う。つまり、補修予定時期が1年度違いの要補修区間であって、同一車線上で閾値(10m)以内の間隔で隣接している要補修区間があるかを判定する。ある場合(ステップS202:Yes)は、ステップS205に移行し、当該両要補修区間を含む連続領域を補修工事区間として設定する。一方、隣接する要補修区間がない場合(ステップS202:No)は、ステップS203に移行する。
【0042】
ステップS203では、図14に示す連続領域設定条件のうちの条件aを満足するか判定する。ここで、図14に示す判定条件aは、「条件a1およびa2を満たし、かつ、判定対象要補修区間とこれに隣接する要補修区間に挟まれる道路領域が図12の補修優先レベル1に該当する」という条件である。この結果、条件aを満足すると判定した場合(ステップS203:Yes)は、ステップS205に移行し、条件aを満たす隣接した要補修区間および判定対象要補修区間を含む連続領域を補修工事区間として設定する。一方、条件aを満足しない場合(ステップS203:No)は、ステップS204に移行し、図14に示す連続領域設定条件のうちの条件bを満足するかを判定する。この結果、満足する場合(ステップS204:Yes)は、ステップS205に移行し、当該条件bを満足する隣接する要補修区間および判定対象要補修区間を含む連続領域を補修工事区間として設定する。一方、ステップS202〜S203のいずれの連続領域設定条件も満足しない場合(ステップS204:No)は、ステップS206に移行し、判定対象の要補修区間に相当する領域を補修工事区間として設定する。
【0043】
図15は、上記最適化アルゴリズムにおいて、要補修区間に対し最適な補修工事区間を設定する一例として、判定条件aが適用されるケースを説明するための図である。
図15(a)に示すように、最適化前は、紙面左側から順に、補修予定時期が2008年度の要補修区間310、同2007年度の要補修区間311、同2008年度の要補修区間312および同2007年度の要補修区間313が同一車線上に点在している。いずれの要補修区間も10m間隔で隣接していないため、図10に示す連続領域設定条件を満たさない。しかし、隣接する要補修区間312,313の間隔は15mで、次年度(ここでは、2008年度)の要補修区間312の長さが15mであることから、これらの要補修区間312,313に挟まれた道路領域が補修優先レベル1であれば、図14に示す判定条件aを満足する。図15(b)は、最適化後の状態であり、要補修区間312,313が条件aを満足するとして、連続領域が補修工事区間412として設定されている。一方、要補修区間310および311は、互いの間隔が15mであり、条件a1の閾値以内であるが、次年度の要補修区間310の長さが22m未満であるため、条件a2を満足せず、かつ、他の連続領域設定条件も満たさないことから、夫々について分離した補修工事区間410,411が設定されている。なお、要補修区間311および312についても全ての連続領域設定条件を満たしていない。
【0044】
図16は、上記最適化アルゴリズムにおいて、要補修区間に対し最適な補修工事区間を設定する一例として、判定条件bが適用されるケースを説明するための図である。
図16(a)のケースでは、最適化前は、紙面左側から順に、補修予定時期が2008年度の要補修区間320、同2007年度の要補修区間321、同2008年度の要補修区間322および同2007年度の要補修区間323が同一車線上に点在している。いずれの要補修区間も10m間隔で隣接していないため、図10に示す連続領域設定条件を満たさない。しかし、隣接する要補修区間320,321の間隔は13mで、次年度(ここでは、2008年度)の要補修区間320の長さが10mであることから、これらの要補修区間320,321に挟まれた道路領域が補修優先レベル1又は2であれば、図14に示す判定条件a又はbを満足する。図16(b)は、最適化後の状態であり、要補修区間320,321が条件a又はbを満足するとして、連続領域が補修工事区間420として設定されている。一方、要補修区間322および323に挟まれた道路領域が補修優先レベル1又は2のいずれでもなければ、全ての連続領域設定条件も満たさないことから、夫々について分離した補修工事区間421,422が設定されている。なお、要補修区間321および322についても全ての連続領域設定条件を満たしていない。
【0045】
以上のように、道路構造条件、交通条件および気象条件を基に補修設定対象区間を評価し、評価結果に基づいて連続領域設定条件を変更することで、各区間の状態や各区間に要求される特性に基づいてより適切な補修工事区間を設定できる。
なお、本発明の適用は第3実施形態に限定されない。例えば、第3実施形態では、補修予定時期が本年度および次年度に設定された要補修区間について、補修優先レベルに基づいて連続領域設定条件を緩和しているが、これに限らず、補修予定時期が同年度に設定されている場合に補修優先レベルに基づいて連続領域設定条件を緩和するようにしてもよい。また、上記第3実施形態では、隣接する要補修区間に挟まれた領域について補修優先レベルを判定しているが、これに限らず、隣接する要補修区間を含む補修工事区間の設定対象領域について補修優先レベルを判定してもよい。
【0046】
また、第1〜第3実施形態では、同一車線上の要補修区間の位置関係だけを考慮しているが、さらに、例えば反対側の車線や平行する車線の要補修区間との位置関係を考慮して補修工事区間を設定してもよい。例えば、平行する車線の補修工事区間との関係を考慮して、連続領域として設定してしまうと、平行する車線の補修工事区間と車線方向で重複してしまう場合は、要補修区間を纏めず、分断させて設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】道路情報管理装置の機能ブロック図である。
【図2】区間情報および施設情報の一例を示す図である。
【図3】管理情報の一例を示す図である。
【図4】接続情報の一例を示す図である。
【図5】ユーザーインターフェースの一例を示す図である。
【図6】要補修区間の判定方法を示す図である。
【図7】制御装置による処理を示すフローチャートである。
【図8】連続領域設定条件を示す図である(第1実施形態)。
【図9】要補修区間に対し補修工事区間を設定する様子を説明するための図である。
【図10】連続領域設定条件を示す図である(第2実施形態)。
【図11】要補修区間に対し補修工事区間を設定する様子を説明するための図である。
【図12】補修優先レベルについて説明するための図である。
【図13】補修工事区間設定装置による処理を示すフローチャートである。
【図14】連続領域設定条件を示す図である(第3実施形態)。
【図15】要補修区間に対し最適な補修工事区間を設定する様子を説明するための図である。
【図16】要補修区間に対し最適な補修工事区間を設定する様子を説明するための図である。
【符号の説明】
【0048】
161 接続情報
162 区間情報
163 施設情報
154,164 管理情報
210 道路情報格納装置
211 区間情報登録装置
212 施設情報登録装置
213 管理情報登録装置
214 区間情報記憶装置
215 施設情報記憶装置
216 管理情報記憶装置
217 接続情報記憶装置
219 管理情報
220 制御装置
221 構造図出力装置
222 補修情報出力装置
223 評価図出力装置
224 補修予定時期設定装置
225 要補修区間判定装置
226 判定基準設定装置
227 補修工事区間設定装置
230 表示装置
260 道路情報評価システム画面
261 補修計画図表示部
262 評価図表示部
264 補修計画図
265 評価図
283 判定基準設定画面
284 補修予定時期設定画面
285,287 要補修区間
286 要検討区間
288 補修工事区間
290 判定基準変更指示釦
291 補修工事区間設定指示釦
300,301,302,304〜306,310,311,312,313,320,321,322,323 要補修区間
400,401,403〜405,410,411,412,420,421,422 補修工事区間
500,511,512,513 レベル分け領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路構造を表現するための道路に関する情報を道路構造モデルとして記憶する道路構造モデル記憶手段と、
前記道路構造上の各位置の道路供用段階における路面状況を示す情報を道路管理モデルとして記憶する道路管理モデル記憶手段と、
前記道路管理モデルに基づいて各位置の路面状況を評価し、補修が必要な要補修箇所を判定する要補修箇所判定手段と、
前記要補修箇所判定手段により判定された複数の要補修箇所の前記道路構造上の位置関係に基づいて、補修工事区間を設定する補修工事区間設定手段と、
を備えることを特徴とする道路情報管理装置。
【請求項2】
前記補修工事区間設定手段により設定した補修工事区間を、前記道路構造を表現する道路構造図に重ね合わせ表示する補修計画図データを生成する補修計画図生成手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の道路情報管理装置。
【請求項3】
前記補修工事区間設定手段は、同一車線で隣接する前記要補修箇所同士の車線方向間隔に基づいて、当該隣接する両要補修箇所を含む連続領域を前記補修工事区間に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の道路情報管理装置。
【請求項4】
前記要補修箇所について補修予定時期を設定する補修予定時期設定手段を備え、
前記補修工事区間設定手段は、前記設定された補修予定時期が許容差範囲内で異なる前記要補修箇所であって、同一車線上で隣接する当該要補修箇所同士の車線方向間隔に基づいて、当該隣接する両要補修箇所を含む連続領域を前記補修工事区間に設定することを特徴とする請求項3に記載の道路情報管理装置。
【請求項5】
前記補修工事区間設定手段は、前記同一車線上で隣接する要補修箇所同士の車線方向間隔が所定閾値以下であるときに、当該隣接する両要補修箇所を含む連続領域を前記補修工事区間に設定することを特徴とする請求項3又は4に記載の道路情報管理装置。
【請求項6】
前記補修工事区間設定手段は、前記補修工事区間の設定対象領域の道路構造条件、気象条件および交通条件のうちの少なくともいずれかをさらに考慮して、前記連続領域を補修工事区間に設定するかを判定することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の道路情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−297764(P2008−297764A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143553(P2007−143553)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】