説明

遠赤外線治療具

【課題】 従来、動物体の体表から放射される遠赤外線を動物体に反射させるため、遠赤外線反射シートを遠赤外線反射シートに展着された粘着剤によらず、取付具によって動物体の表面に取付け、この取付けた遠赤外線反射シートを繰返し使えかつ損傷したら簡単に交換できるようにした遠赤外線治療具を提供する。
【解決手段】 本発明の遠赤外線治療具は、動物体から放出される汗を吸収し、通気性を備えた柔軟な吸収・通気性シート2と、この吸収・通気性シート2の一側の面に反復使用可能かつ取替自在に取付けられ、動物体から放射される遠赤外線を動物体に反射する柔軟な遠赤外線反射シート1と、この遠赤外線反射シート1を吸収・通気性シート2の一側の面に広げた状態で維持できる取付部材3と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠赤外線治療具に関し、動物体から放射される遠赤外線を反射する遠赤外線反射シートを繰返し使用すると共に使用により損傷したり光沢を失い反射率が低下した遠赤外線反射シートを交換できる遠赤外線治療具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体から発せられる遠赤外線を透過させずに反射させることができ、通気性も有する医療用貼付剤が出願されていた(特許文献1:実開平07−040742)。この出願は、アルミ箔等の遠赤外線反射する金属薄膜層と、該金属薄膜層に接着された発泡体層と、該発泡体層に塗布された粘着剤に薬効成分を含ませてなる膏体層とからなり、発泡体層と金属薄膜層及び/又は膏体層に所定間隔で通気孔が多数穿孔された医療用貼付剤である。また、医療現場では、工業的に生産された均一な波長の遠赤外線を放射する遠赤外線治療器による遠赤外線治療が使われていた。
【特許文献1】実開平07−040742号文献
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記文献の医療用貼付剤は、それ全体が一回限りの使い捨てであり、一度人体に貼りつけた医療用貼付剤を何らかの理由で剥すと、例え発泡体層や膏体層の機能が残っていても発泡体層に塗布された粘着剤の粘着効力が極めて低下し、二度三度と貼りつけることができなかった。また、医療現場で使われる遠赤外線治療器から放射される遠赤外線と人や動物体が放射する遠赤外線の波長が異なる上に、特に人体が放射する遠赤外線の波長は頭・体・手・足など部位ごとに微妙に異なる波長の遠赤外線を放射しているにもかかわらず、均一な波長の遠赤外線を照射する不合理と思われる治療が行われていた。その上、この遠赤外線治療器は常時持ち運べるほど小型でなく、電源との接続も必要であり、一定の時間のみ遠赤外線を照射するという短時間治療しかできなかった。
【0004】
本発明は、動物体の体表から放射される遠赤外線を動物体に反射させるため、遠赤外線反射シートを遠赤外線反射シートに展着された粘着剤によらず、取付具によって動物体の表面に取付け、この取付けた遠赤外線反射シートを繰返し使えかつ損傷したら簡単に交換できるようにした遠赤外線治療具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遠赤外線治療具は、動物体から放出される汗を吸収し、通気性を備えた柔軟な吸収・通気性シートと、この吸収・通気性シートの一側の面に反復使用可能かつ取替自在に取付けられ、動物体から放射される遠赤外線を動物体に反射する柔軟な遠赤外線反射シートと、この遠赤外線反射シートを吸収・通気性シートの一側の面に広げた状態で維持できる取付部材と、を有することを特徴とする。
【0006】
前記遠赤外線反射シートを通気性を備え、この通気性が、多数の通気孔或は隙間としたり、前記吸収・通気性シートあるいは取付部材に弾力性を備えさせたりできる。
【0007】
前記吸収・通気性シートを人体に着脱自在に取付けられ、人体から放出される汗を吸収し、通気性を備えた下着あるいは下着上に着脱自在に取付ける衣類であり、この下着の表面あるいは下着上の衣類の表裏のいずれかに前記遠赤外線反射シートを広げた状態で維持できる取付部材を取付けたり、前記取付部材を通気性を備えたシート、任意の位置に開口が形成された吸収・通気性シート、吸収・通気性シートの一側の面に取付けられた帯あるいは紐、吸収・通気性シートと相互に係止し合う固定部材により係止される吸収・通気性シート、包帯、医療用サポータ、粘着テープなどの医療品のいずれかとしたりできる。
【0008】
なお、本発明の遠赤外線治療具の実施例では、人体の治療用の遠赤外線治療具を例示して説明しているが、犬猫を始とした動物体にも施すことができる。
本発明で言う吸収・通気性シートとは、布を始めとした繊維でつくられたシートに限定されるものではなく、吸収性と通気性を備えた柔軟なシートであれば如何なる形状、如何なる素材でつくられていても良い。
本発明で言う吸収・通気性の吸収性と通気性は、シートに無数の細孔を穿設したもののみならず、無数の間隙を形成したものを始め如何なる手段と素材により吸収性と通気性を備えさせたものであっても良い。
本発明の実施例で言う遠赤外線反射シートは、アルミシートを始めとした金属箔シート、合成樹脂シートの表面に金属を真空蒸着するなどにより遠赤外線を反射させることができるようにした柔軟なシートであれば如何なるシートであっても良い。
本発明で言う取付部材は、前記吸収・通気性シートの表面に遠赤外線反射シートを展開して保持できる部材であれば、如何なる部材であっても良い。したがって、吸収・通気性シートの表面に様々な方法で吸収・通気性シートを取付けたり、帯や紐その他様々な方法で吸収・通気性シートの表面に遠赤外線反射シートを取付けても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遠赤外線治療具は、以下に記載する効果が得られる。請求項1の遠赤外線治療具は、動物体から放出される汗を吸収し、通気性を備えた柔軟な吸収・通気性シートと、この吸収・通気性シートの一側の面に反復使用可能かつ取替自在に取付けられ、動物体から放射される遠赤外線を動物体に反射する柔軟な遠赤外線反射シートと、この遠赤外線反射シートを吸収・通気性シートの一側の面に広げた状態で維持できる取付部材と、を有している。この遠赤外線治療具をつけておれば、動物体から放出される遠赤外線を遠赤外線反射シートが反射して動物体を照射するからこの遠赤外線治療具を取付けている間、何時間でも連続して遠赤外線治療を継続できる。また、この遠赤外線反射シートは、柔軟ではあるが、直接肌に取付けた場合、使用中に破損したり皺がよると、破損箇所や皺が肌を傷つけることが有る。しかし、通気性を備えた柔軟な吸収・通気性シート上に遠赤外線反射シートを取付ければ、破損箇所や皺が肌に触れることもないから破損箇所や皺が肌を傷つけることがなく、発汗により遠赤外線反射シートの裏面に溜りやすい汗も吸い取ってくれるから快適に長時間つけておれる。さらに、遠赤外線治療具には、遠赤外線反射シートを吸収・通気性シートの一側の面に広げた状態で維持できる取付部材があるから広げた遠赤外線反射シートにより所望の位置のみならず、その近傍や周辺も覆った状態で取付けることができるので、総合的な遠赤外線治療が行える。
【0010】
請求項2の遠赤外線治療具は、請求項1の効果に加え、前記遠赤外線反射シートが、多数の通気孔或は隙間からなる通気性を備えているから、吸収・通気性シートが吸着した湿度を多数の通気孔或は隙間から外に放出してくれる。この結果、運動により発汗が激しいときでも遠赤外線治療具をつけておれる。
【0011】
請求項3の遠赤外線治療具は、前記効果に加え、前記吸収・通気性シートあるいは取付部材に弾力性がそなわっているので取付けた遠赤外線治療具が、肌にピッタリフィットし違和感がない。
【0012】
請求項4の遠赤外線治療具は、前記効果に加え、前記吸収・通気性シートが、人体に着脱自在に取付けられ、人体から放出される汗を吸収し、通気性を備えた下着あるいは下着上に着脱自在に取付ける衣類であり、この下着の表面あるいは下着上の衣類の表裏のいずれかに前記遠赤外線反射シートを広げた状態で維持できる取付部材を有している。と言うことは、取付部材により前記遠赤外線反射シートを下着の表面あるいは下着上の衣類の表裏のいずれかに広げた状態で取付けるだけで上記効果が得られる。
【0013】
請求項5の遠赤外線治療具は、前記効果に加え、前記取付部材が、通気性を備えたシート、任意の位置に開口が形成された吸収・通気性シート、吸収・通気性シートの一側の面に取付けられた帯あるいは紐、吸収・通気性シートと相互に係止し合う固定部材により係止される吸収・通気性シート、包帯、医療用サポータ、粘着テープなどの医療品のいずれかである。したがって、吸収・通気性シートはもちろん、包帯、医療用サポータ、粘着テープなどの医療品に上記取付部材によって遠赤外線反射シートを取付けることもできる。
【0014】
以上、本願の遠赤外線治療具の効果は、出願人である発明者が自らの体を使って実証したものであり、筋の損傷、筋肉痛、神経障害、内蔵機能の低下等に効果が認められたものである。特に、膝の筋の治療や腰痛に顕著な効果が認められた。また、70歳代の兄と姉も使ってみた結果、腰痛に効果的であったが、ヒザの半月版の損傷には効果を確認するまでにはいたらなかった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して人体に施した遠赤外線治療具を説明する。なお、実施例では、人体に施した遠赤外線治療具を説明しているが、犬、猫を始とする動物体に施すこともできる。また、図中、記載済みの符号と同一の符号を付した部分は同一物を表わす。図1、図2に示すように、人体が放射する遠赤外線を反射できる柔軟な遠赤外線反射シート1を用意する。この遠赤外線反射シート1は、アルミホイルのような金属製の薄膜シートなどの金属箔や、アルミやビニ−ルなどの合成樹脂製シートを始めあらゆる柔軟なシートの表面にアルミなどの金属粉体を真空蒸着したシートなどで、人体から放射された遠赤外線を反射する柔軟なシートが適している。
【0016】
上記遠赤外線反射シート1を人体の腕、胴、足など任意の部位の表面に展開すなわち広げた状態で取付けるため、柔軟な吸収・通気性シート2を用意する。この吸収・通気性シート2は、人体が放出する汗を吸収すると共にこの汗を外部に発散できる通気性を有している。この柔軟な吸収・通気性シート2の一側と他側には、吸収・通気性シート2の両側を係止する係止部材2bと係止受部材2cが取付けられ、腕や腿或は腰に巻き付けるためその太さに合わせて吸収・発散シート2の両側を係止できるようになっている。上記吸収・通気性シート2の表面に、取付け部材としての通気性のあるシート3を広げて取付ける。この広げたシート3の任意の外周部3aを吸収・通気性シート2の所望の位置2aに取付ける。シート3の吸収・通気性シート2への取付け方は自由である(詳細は、図5で説明する)が、シート3と吸収・通気性シート2の間の少なくとも一箇所は開口されており、この開口から反射シート1を挿入し、挿入した反射シート1をシート3と吸収・通気性シート2の間に広げて保持できるようになっている。すなわち、反射シート1は、シート3と吸収・通気性シート2の間に出し入れ自由であり、しかも、挿入した反射シート1は広げた状態で保持されている。
【0017】
吸収・通気性シート2の全体或は所定の部分(反射シート1が取付けられる部分)とシート3には、表裏を貫通する多数の通気孔(或は間隙)2dが設けられている。また、吸収・通気性シート2の材質は、天然素材であっても合成素材であっても良く、材料としては布でも、ネットでも、不織布でも、多数の通気孔(或は間隙)2dを有する各種シートでも良く、汗を吸収できると共に通気性を備えていれば、如何なる吸収・通気性シート2であっても良い。また、シート3についても吸収・通気性シート2と同様で、これらの材質は、通気性を備えた天然素材であっても合成素材であっても良く、素材としては布でも、ネットでも、不織布でも、多数の通気孔(或は間隙)2dを有する各種シート3でも良い。このシート3は、フックやクリップに替えることもできる。さらに、これらの吸収・通気性シート2、シート3は、伸縮可能な吸収・通気性シート2、シート3であっても良く、吸収・通気性シート2は伸縮できる筒体で形成したものであっても良い(図示しないが、伸縮できるネット製や布製の通気性を備えた筒が望ましい)。
【0018】
係止部材2bと係止受部材2cは、面ファスナー、フック、クリップ(係止部材と係止受部材が一体で形成されたものです)など様々なものが考えられる。反射シート1は、アルミホイルなどの柔軟な金属シートでも良いが、金属製の薄いシートは簡単に損傷する上に肌を傷つけやすいので、合成樹脂シートの表面に金属粉を真空蒸着したシートが丈夫で長時間使用に耐えられるから好ましい。この反射シート1にも表裏を貫通する多数の通気孔(或は間隙)1aを設ける。例え通気性の良い吸収・通気性シート2とシート3を用いた遠赤外線治療具であっても反射シート1に表裏を貫通する多数の通気孔(或は間隙)1aが設けられていないと、通気性がなく高温・多湿な日本の夏場に遠赤外線治療具を人体に取付けることは、大変な苦痛を伴うことになる。
【0019】
上記構成の遠赤外線治療具は、多数の通気孔(或は間隙)2dを有する吸収・通気性シート2上の必要な位置2aに、多数の通気孔(或は間隙)3bを有するシート3の任意の外周部3aが取付けられ、吸収・通気性シート2とシート3の間には、反射シート1を広げた状態で保持できる間隙を設けている。また、吸収・発散シート2に取付けたシート3の任意の位置が開口されており、この開口から反射シート1を吸収・通気性シート2とシート3の間の間隙に挿入し間隙内で広げることになる。〔このような構成の吸収・通気性シート2上に反射シート1を添えつけた遠赤外線治療具を、例えば、反射シート1が損傷した膝や膝の屈筋や側副靭帯を覆うようにして吸収・通気性シート2を展着し、吸収・通気性シート2の両端の係止部材2bと係止受部材2cを止めると、傷ついた膝や膝の屈筋や側副靭帯などの遠赤外線治療ができる。出願人の傷つき正座もできず、和式便所にも入れなかった右膝の屈筋の激痛は、外科医では湿布治療しかされず、針灸でも完治できなかった。しかし、上記の方法で市販のアルミホイル(反射シート)を右膝の屈筋を覆うように添えただけで、一晩で屈筋の痛みがなくなった。
【0020】
針灸では遠赤外線治療を施したが、効果が感じられなかったのに、アルミホイルを右膝の屈筋に一晩当てておくだけで痛みがなくなった。その理由は、遠赤外線発生器から照射される遠赤外線の波長と、人体から放射される遠赤外線の波長は微妙に異なり、人体が受けて最適な遠赤外線の波長は、人体が放射する遠赤外線の波長と同一の波長であり、遠赤外線発生器から照射される人工的な遠赤外線の波長は、その近似値に過ぎない。アルミホイルによって反射される遠赤外線の波長は、人体から放射された遠赤外線そのものであり、当然その波長も同一である。この微妙な波長の差が、上述の結果を招いたものと思われる。また、遠赤外線発生器を使った遠赤外線治療は、1回数十分程度であるが、本発明の遠赤外線治療具によるときは、数時間でも数十時間でも連続して遠赤外線治療を続けることができる。発明者は、過去4年間、4・6時中反射シート1を取換えながら付けたままである。
【0021】
図3、図4に示すように、吸収・通気性シート4上前面に前記実施例同様の取付け方でシート3を取付けることもできる。この吸収・通気性シート4の端部には前述の実施例に示した係止部材2bと係止受部材2cを取付ける必要がなく、このような構成の遠赤外線治療具は、人体の所望の位置に添え、添えた遠赤外線治療具を粘着テープ、包帯、サポータなどで押えることによって人体に取付けることができる。また、上記シート3(或は、吸収・通気性シート2)の上面に係止部材2bと係止受部材2cの何れか一方を取付け、下着等衣類の所望の裏面の位置に係止部材2bと係止受部材2cの何れか他方を取付けることができる。このような構成の人体に取付けた遠赤外線治療具は、前述の遠赤外線治療具と同様の効果を得ることができる。
【0022】
図5、図6に示すように、前記取付け部材としてのシート3を複数の帯或は紐5とすることもできる(反射シート1を広げた状態で係止できれば、如何なる形状の帯或は紐5であっても良い)。このような構成の遠赤外線治療具もまた、前述の実施例と同様な効果が得られる上に、以下のような効果も得られる。吸収・発散シート2を広げた状態で上面の帯或は紐5を引っ張って吸収・通気性シート2と帯或は紐5の間に反射シート1を挿入して広げる。この反射シート1を広げた状態で、吸収・通気性シート2を取付けた遠赤外線治療具を腕や膝などの必要の位置に取付けると、前述の実施例と同様の効果が得られる。なお、帯あるいは紐5は、ゴムなどの弾性体でできた帯或は紐5であることが望ましい。
【0023】
上記遠赤外線治療具と異なる実施例を図示せずに説明する。この遠赤外線治療具は、アルミシートを展着したり、金属粉体を真空蒸着した合成樹脂の薄膜に通気性を備えさせるために無数の孔を開けた遠赤外線反射シート1である。この遠赤外線反射シート1を従来の下着、包帯、医療用サポータなどを取付部材として人体の所望の位置に取付けるものである。例えば、下着の表面に遠赤外線反射シート1を広げて糸で取付けたり、下着の表面に布をポケット状に取り付けそのポケットに遠赤外線反射シート1を広げて挿入したりすることにより、遠赤外線治療が行える。また、伸縮できるサポータの間に広げた遠赤外線反射シート1を挟み、腕や足を挿入した場合も同様であり、包帯で同様にして遠赤外線反射シート1を取付けることもできる。遠赤外線反射シート1を人体に取付ける取付部材は、これらの説明に限定させるものではない。
【0024】
図7に示すように、下着即ち肌着10としてのシャツ10aやパンツ10bを吸収・発散シート4の代りに使用することもできる。この場合の取付け部材としての通気性シート3の代りに取付け部材としての粘着テープ(膏薬テープも含む)11を使用しても良い。この場合は、肌着10の所望の位置に所望の大きさの遠赤外線反射シート1を添え、添えた遠赤外線反射シート1の外周と肌着10を跨るように粘着テープ11で止める。
【0025】
遠赤外線反射シート1を展着する所望の位置は、例えば、腰痛の場合は、脊髄の尾てい骨の上方でベルトを止めたときのベルトと交差する脊髄の位置を中心にここを覆うようにシャツ10aの上に横長に展着する。肩凝りの場合は、痛い方の肩の上を覆うようにシャツ10aの上に展着する。また、図8に示したように丹田を強化したいときは、身につけたパンツ10bの臍と恥骨の間を覆うようにパンツ10bの上に展着する。このように展着したい位置の肌着10上にそこを覆うように展着すれば良い。肌着10を取替えるときは、肌着10から接着テープ11と遠赤外線反射シート1を剥して新たに着る肌着10の所望の位置に前記剥した遠赤外線反射シート1を添え、添えた遠赤外線反射シート1の外周と肌着10を接着テープ11で止めれば良い。このとき剥した遠赤外線反射シート1が損傷していたら新しい遠赤外線反射シート1と取替える。接着テープ11の代わりに他の手段でとめることもできる。
【0026】
上記各種構成の遠赤外線治療具は、肌着を含む吸収・通気性シートの一側の面上に各種形状の取付部材により遠赤外線反射シートが、反復使用可能かつ取替自在に取付けられ、この遠赤外線反射シートにより動物体が体内から放射する遠赤外線を至近距離から遠赤外線を放射した動物体の放射位置に反射させている。したがって、動物体から放射された遠赤外線と、遠赤外線反射シートにより反射され動物体に照射される遠赤外線の波長は、完全に一致している。一方、遠赤外線発生器から動物体に照射される遠赤外線は、動物体固有の遠赤外線とは、波長が微妙に異なり、遠赤外線療法としては、理想的とは言いがたいものである。前述のように、本発明の遠赤外線治療具は、動物体が放射した遠赤外線をそのまま動物体に反射しているものである上に、動物体の放射する遠赤外線は、頭、胴、手、足などその各部位毎に微妙に異なっているから、動物体に取付けた遠赤外線反射シートは、取付けた位置から放射される遠赤外線をそのまま動物体に反射させているから動物体の放射する遠赤外線と動物体に照射される遠赤外線の波長は完全に一致している。以上の結果、本発明の遠赤外線治療具による遠赤外線治療法は、理想的な遠赤外線治療法である。なお、本実施例では、肌着に遠赤外線反射シートを展着した例を図示して説明しているが、肌着に拘るものではなく、吸収・発散シート4が直接肌に触れなければ、如何なる衣類の表裏に取付けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、素人でも手軽に装着し、電源に接続する遠赤外線発生具なしで長時間に亘って連続して遠赤外線治療が行える極めて廉価な電磁波治療具としての遠赤外線治療具として施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の遠赤外線治療具の分解斜視図である。
【図2】図1のA―A線切断拡大断面図である。
【図3】本発明の遠赤外線治療具の分解斜視図である。
【図4】図3のB―B線切断拡大断面図である。
【図5】本発明の遠赤外線治療具の分解斜視図である。
【図6】図5のC―C線切断拡大断面図である。
【図7】下着(シャツ)を吸収・通気性シートとした本発明の遠赤外線治療具の背面図である。
【図8】下着(パンツ)を吸収・通気性シートとした本発明の遠赤外線治療具の正面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 通気性を備えた柔軟な反射シート
1a 通気孔(或は間隙)
2 通気性を備えた柔軟な吸収・発散シート
2a 吸収・発散シートのシートを取付ける位置
2b 係止部材
2c 係止受部材
2d 通気孔(或は間隙)
3 取付け部材としての通気性を備えたシート
3a シートの外周部
3b 通気孔(或は間隙)
4 吸収・発散シート
5 取付け部材としての弾性体である複数の帯或は紐
10 下着即ち肌着
10a 肌着としてのシャツ
10b 肌着としてのパンツ
11 粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物体から放出される汗を吸収し、通気性を備えた柔軟な吸収・通気性シートと、
この吸収・通気性シートの一側の面に反復使用可能かつ取替自在に取付けられ、動物体から放射される遠赤外線を動物体に反射する柔軟な遠赤外線反射シートと、
この遠赤外線反射シートを吸収・通気性シートの一側の面に広げた状態で維持できる取付部材と、
を有することを特徴とする遠赤外線治療具。
【請求項2】
前記遠赤外線反射シートが、通気性を備え、この通気性が、多数の通気孔或は隙間からなることを特徴とする請求項1記載の遠赤外線治療具。
【請求項3】
前記吸収・通気性シートあるいは取付部材が、弾力性を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の遠赤外線治療具。
【請求項4】
前記吸収・通気性シートが、人体に着脱自在に取付けられ、人体から放出される汗を吸収し、通気性を備えた下着あるいは下着上に着脱自在に取付ける衣類であり、この下着の表面あるいは下着上の衣類の表裏のいずれかに前記遠赤外線反射シートを広げた状態で維持できる取付部材を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち1項記載の遠赤外線治療具。
【請求項5】
前記取付部材が、通気性を備えたシート、任意の位置に開口が形成された吸収・通気性シート、吸収・通気性シートの一側の面に取付けられた帯あるいは紐、吸収・通気性シートと相互に係止し合う固定部材により係止される吸収・通気性シート、包帯、医療用サポータ、粘着テープなどの医療品のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし4のうち1項に記載の遠赤外線治療具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−29825(P2008−29825A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162438(P2007−162438)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(591170038)
【Fターム(参考)】