説明

遠隔操作可能なノックマシン

【課題】選手(練習者)と指導者(監督、コーチ)とが、練習時に近くに居て、互いに相手の顔の表情を確認し、会話可能な近い距離で、パーソナルコーチングの可能な守備練習機(ノックマシン)の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、バット6を備えたバット回転機構5と、複数のボール21と、ボール供給機構15と、ボール投げ上げ機構25と、制御部40と、電源装置46と、を備えたノックマシンにおいて、前記制御部に遠隔操作受信部60を接続し、携帯可能な送信部が送信した信号を前記遠隔操作受信部60が受信して、投げ上げられたボールを前記バットで打撃することを特徴とする遠隔操作可能なノックマシンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬式や軟式の野球や、ソフトボールの選手が使用する打撃型ノックマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
野球やソフトボールの試合において勝ち上がることの出来る強いチームに成るには、選手達が攻守共にバランス良く安定して練習することが必要とされる。従来、守備位置についた選手に守備練習の球を繰り返して正確に打てるノッカーの人数が少ない場合、確実な練習をすることが困難であった。そのため出願人は、以前、特許文献1に係る発明を出願した。特許文献1の発明では、高度な技術を有するノッカーに匹敵する打撃を何時でも再現できるように、ノックバットをスイングして打撃間隔も早く、正確な打撃も可能である。しかも、一般市場にて流通可能な価格のノックマシンが実現出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−240558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されたノックマシンは、選手(練習者)と指導者(監督、コーチ)との距離が離れすぎていて、選手(練習者)個々人のためのきめ細かなパーソナルコーチングが出来ないという問題点があった。そのために、出願人は更に研究を重ねた。本発明は、選手(練習者)と指導者(監督、コーチ)とが、練習時に近くに居て、互いに相手の顔の表情を確認し、会話可能な近い距離で、パーソナルコーチングの可能な守備練習機(ノックマシン)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の遠隔操作可能なノックマシンは、バット6を備えたバット回転機構5と、複数のボール21と、ボール供給機構15と、ボール投げ上げ機構25と、制御部40と、電源装置46と、を備えたノックマシンにおいて、前記制御部に遠隔操作受信部60を接続し、携帯可能な送信部が送信した信号を前記遠隔操作受信部60が受信して、投げ上げられたボールを前記バットで打撃するように構成される。
【0006】
また、前記遠隔操作受信部を備えたノックマシンと、複数の携帯可能な送信部にて各々送信した信号を前記遠隔操作受信部60が受信して、投げ上げられたボールを前記バットで打撃することができる。
【0007】
さらに、複数の携帯可能な送信部にて各々送信した信号を前記遠隔操作受信部60が受信して、後から受信した他方の送信部からの信号を予約しておき、先に受信した一方の送信部からの信号によりボールをバットで打撃した後に、予約した後からの信号によりボールをバットで打撃することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の打撃型ノックマシンは、遠隔操作が可能であるため、練習時に指導者は、練習者の近くにいることが出来、その場、その時に適切なアドバイスや示唆が出来、更に、練習者の理解度を確認しながら指導することが出来る。例えば、手足や身体の重心の置き方等を考慮した守備時の構え方や、打球音を聞きながら走る方向やスタートダッシュの仕方を含めた打球の追い方、捕球の仕方、取った直後に中継者やバックホームの捕手へ送球する仕方等を指導者の手本を見せながら指導することができる。更に練習者の表情、息使い、汗、疲労感(疲労度)等体力を確認しながら指導することが出来る。練習者も、身近にいる指導者に、その場、その時に自分のプレーの何処がまずかったか等の改善点を質問することが出来る。指導者の表情が判り、声も良く聞き取れて、指導内容や意図するところを掴み易く理解度が上がり、反復練習することが出来る。従って、効率の良い守備練習を可能にし、練習者の上達を促進することができる、とても便利なノックマシンである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は、本発明に係る遠隔操作可能なノックマシンのブロック図であり、(b)は、送信部のブロック図である。
【図2】本発明に係る操作部の正面図である。
【図3】本発明に係る携帯可能な手で持てる第1の送信部(送信機)の正面図である。
【図4】本発明に係る携帯可能な手で持てる第2の送信部(送信機)の正面図である。
【図5】本発明に係る一つの練習例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例について、図面に従って説明する。
【実施例1】
【0011】
図1(a)は、本発明に係る遠隔操作可能なノックマシンのブロック図であり、図1(b)は、送信部のブロック図である。まず初めに、図1(a)に示されるように、遠隔操作可能なノックマシン1は、バット6を備えたバット回転機構5と、複数のボール21と、ボール供給機構15と、ボール投げ上げ機構25と、打撃左右方向調整機構30と、打撃上下方向調整機構35と、制御部40と、電源装置46と、接続器47aを備えた電源コード47と、交流電源48と、操作部50と、遠隔操作受信部60と、を具備して成る。
【0012】
以下、遠隔操作可能なノックマシン1を詳述する。
図1(a)に示されるように、バット6を備えたバット回転機構5は、従来技術と同様であるが、バット6の初期位置が原点位置に復帰しているかどうかを検出する第1のセンサ10を有する。第1センサ10は、近接スイッチ等によって構成される。待機中のノックマシン1が制御部40の指令により始動すると、バット6の初期位置が原点位置に復帰しているかどうか検出される。原点位置に復帰していることが第1センサ10により確認されると、更に、制御部40の指令により、バット6は、引き構える方向(バックスイング方向)に始動する。即ち、バット6は、打撃方向に対して逆方向の、二点鎖線の矢印6A方向に移動する。
【0013】
そして、バット6が引き構える方向(バックスイング方向:二点鎖線の矢印6A方向)に移動する途中で、第2センサ(バット引き構えセンサ:バックスイングセンサ)11により、バット6が通過するタイミングが検知される。この時バット6は、駆動モータ8により、打撃時の引っ張りばね(図示しない)の弾性力に抗して回転移動する。この第2センサ11により、バット6が引き構え動作状態(バックスイング状態)であることが検出されると、後述のボール供給機構15とボール投げ上げ機構25とが動作を開始する。そして、駆動モータ8により回転移動(バックスイング)するバット6は、所定角度移動した後に、駆動モータ8の拘束力から脱して、反転して実線の矢印6Bの方向にスイングされる。即ち、バックスイング時に駆動モータ8により引き伸ばされた引っ張りばね(図示しない)の次に縮む方向の弾性力により、打撃方向(実線矢印6B方向)に力強く打撃スイングが開始される。
【0014】
次に、従来技術と同様であるが、ボール供給機構15を説明する。
図示しないボール投入口から、複数のボール21が投入されると、ボール21は、投入された順番に処理される。そこで、便宜上、先にボール投入口に投入されたボール21から、1番目のボール21a、2番目のボール21b、3番目のボール21c、・・ということにする。ボール供給機構15は、図示しないボール投入口から、1番目のボール21aが投入されると、傾斜するボール案内路20内を転動落下し、途中に設けられた第1のソレノイド17により転動落下が阻止され、後続する2番目のボール21bも、3番目のボール21cも、次々に転動落下が阻止される。傾斜するボール案内路20には、第1のソレノイド17の下方に第2のソレノイド19が設けられる。第1のソレノイド17と第2のソレノイド19との間隔は、ボール21がひとつ挟まるだけの間隔しかないため、第2のソレノイド19により、1番目のボール21aの転動落下が阻止されると、1番目のボール21aと接している2番目のボール21bは、第1のソレノイド17に阻止される位置において転動落下が阻止される。更に、第1のソレノイド17と第2のソレノイド19との間には、第2位のボールセンサ18が設けられている。
【0015】
第2位のボールセンサ18が「ボール無し」という検出信号を発信すると、制御部40の指令により第1のソレノイド17が励磁され、第1のソレノイド17に阻止されていた1番目のボール21aが下方に転動落下し、第2のソレノイド19により、1番目のボール21aの転動落下が阻止される。そして、1番目のボール21aと接して2番目のボール21bの転動落下が阻止され、更に、これに接して3番目のボール21cも転動落下が阻止される。この場合、その2番目のボール21bは、第1のソレノイド17に阻止される位置において転動落下が阻止される。すると、制御部40の指令により第1のソレノイド17の励磁が解除され、第1のソレノイド17により2番目のボール21bの転動落下が阻止される。次に、制御部40の指令によりボール投げ上げ機構25の第1位のボールセンサ27がボール21の有無の検出をする。これにより第1位のボールセンサ27が「ボール無し」という検出信号を発信すると、制御部40の指令により第2のソレノイド19が励磁されて、第2のソレノイド19により1番目のボール21aが解放されて転動落下し、ボール投げ上げ機構25の図示しないリフトのボール受け部上に1番目のボール21aが載り転動落下が停止する。
【0016】
そして、第1位のボールセンサ27が「ボール有り」との検出信号を発信すると、制御部40の指令によりボール投げ上げ機構25が始動する。この間に、制御部40の指令により、第2のソレノイド19の励磁が解除されると共に、第1のソレノイド17が励磁され、これにより2番目のボール21bが解放され、2番目のボール21bが転動落下し、復帰した第2のソレノイド19に当接して2番目のボール21bの転動落下が阻止される。次に、制御部40の指令により第1のソレノイド17が解除され、第1のソレノイド17に当接することにより3番目のボール21cの転動落下が阻止される。即ち、第2のソレノイド19により2番目のボール21bの転動落下が阻止され、第1のソレノイド17により3番目のボール21cの転動落下が阻止されて、それぞれ待機状態となり、制御部40の指令により、ボール供給機構15は、上記動作を繰り返すことが可能である。
【0017】
次に、従来技術と同様であるが、ボール投げ上げ機構25について説明する。
図1には図示してないが、ボール投げ上げ機構25は、下部の歯付きプーリ(図示しない)にてACサーボモータ28により駆動され、鉛直方向に架設されたタイミングベルト(図示しない)の一部分に取り付けられているリフト(図示しない)を備える。またそのリフトには、前記ボール供給機構15より供給されるボール21aを下方の所定位置にて載置させるボール受け部(図示せず)を備える。第1位のボールセンサ27がリフトのボール受け部上にボール21の有無を検知し、「ボール有り」と検出すると、ボール21aを載置したリフト(図示しないリニア軸受けにて鉛直方向に案内されている。)は、制御部40の指令を受けてタイミングベルト(図示しない)により、指定された任意の速度と上昇量(移動距離)で上方にボール21aを移動させる。上方の所定位置にてリフトを急停止させると、ボール21aは慣性力によりバット6の打撃スイング軌道位置まで投げ上げられる。打撃スイング起動位置とは、投げ上げられ、且つ、降下するボール21の軌道位置と、バット6の打撃スイング軌道位置とが交差する点の位置において、バット6がボール21を打撃する位置のことをいう。
【0018】
ここで、前記第1位のボールセンサ27がリフトのボール受け部上のボール21の有無を検知し、ボール21が無いことを検知すると、「ボール無し」との検出信号が発信される。この信号により制御部40の指令が発令され、第2のソレノイド19が励磁され、第2のソレノイド19により1番目のボール21aが解放されて転動落下するが、ボール投げ上げ機構25の図示しないリフトのボール受け部上に載り、一番目のボール21aの転動落下は停止する。そして、第1位のボールセンサ27が「ボール有り」との検出信号を発信すると、制御部40の指令によりボール投げ上げ機構25が始動することになる。
【0019】
バット回転機構5では、打撃左右方向調整機構30のACサーボモータ31により、前述した打撃スイング軌道位置を中心にして左右方向に±5°の調整が可能とされる。この場合、打撃左右方向調整機構30に設けられている第1左右方向センサ32aと第2左右方向センサ32bとが、左右方向の調整時に役立つ。尚、ACサーボモータ31は、24V電力を供給しDCモータドライバを介して駆動されるDCモータ31としても良い。
【0020】
同様に、バット回転機構5では、打撃上下方向調整機構35の上下方向ACサーボモータ36により、打撃スイング起動位置を中心にして上下方向に±5°の調整が可能とされる。この場合、打撃上下方向調整機構35に設けられている第1上下方向センサ37aと第2上下方向センサ37bとが、上下方向の調整時に役立つ。
【0021】
図2は本発明に係る操作部50の正面図を示す。
図1、図2に示されるように、操作部50は、タッチパネル51と、左右方向微調整スイッチ左52aと、左右方向微調整スイッチ右52bと、左右方向微調整表示メーター52cと、上下方向微調整スイッチ上54aと、上下方向微調整スイッチ下54bと、上下方向微調整表示メーター54cと、開始スイッチ58aと、停止スイッチ58bと、連続スイッチ58cと、手動スイッチ58dと、非常停止スイッチ59と、ピッチャーへの打球方向スイッチPと、1塁手への打球方向スイッチ1Bと、2塁手への打球方向スイッチ2Bと、3塁手への打球方向スイッチ3Bと、遊撃手への打球方向スイッチSSと、左翼手への打球スイッチLFと、中堅手への打球スイッチCFと、右翼手への打球スイッチRFとの各スイッチ類等を具備している。
【0022】
開始スイッチ58aは、ノックマシン1を駆動させ、ボール供給機構15を駆動し、バット回転機構5を作動させ、且つ、ボール投げ上げ機構25を駆動させる機能を有する。ボール投げ上げ機構25によりボール21が投げ上げられると、バット6がボール21に対して打撃スイングを行い、予め設定してある方向に、所定の打球を打撃する。
停止スイッチ58bは、ノックマシン1の動作を一時停止させる機能を有する。
連続スイッチ58cは、ボール供給機構15を駆動し、バット回転機構5を作動させ、且つ、ボール投げ上げ機構25を駆動させると共に、複数のボール21の補給を可能とする機能を有する。連続スイッチ58cによってボール投げ上げ機構25からボール21が投げ上げられると、バット6がボール21に対して打撃スイングを行い、予め設定してある方向に、所定の打球を繰り返し連続して打撃する。
手動スイッチ58dは、ノックマシン1の各機構部の調整時に使用するスイッチである。非常停止スイッチ59は、緊急時等、瞬時にノックマシン1の動作を停止させる機能を有する。
【0023】
図1(a)に示されるように、遠隔操作受信部60は、制御部40に接続され、受信アンテナ61を備え、後述する携帯可能な手で持てる第1の送信部(第1の送信機)70から送信される信号電波を受信して、制御部40へ伝達する機能を有する。
【0024】
図1(b)は、遠隔操作を行う場合に使用する携帯可能な手で持てる第1の送信部70のブロック図である。図1(b)に示されるように、第1の送信部70は、信号送出部71と、打撃方向切替スイッチ72と、打撃高さ切替スイッチ73と、単発動作モードと連続動作モードとを切り替えるモード切替スイッチ74と、スタートスイッチ75と、液晶表示部77と、識別コード等保持部79と、電池81と、送信アンテナ83とを具備している。
【0025】
第1の送信部70において、打撃方向切替スイッチ72は、押しボタンスイッチであり、打撃方向切替スイッチ72を押下する度毎に、液晶表示部77の「レフト方向(左翼手方向):LF」、「センター方向(中堅手方向):CF」、「ライト方向(右翼手方向):RF」の表示をサイクリックに切り替え、ノックマシン1への信号も送信できる。
【0026】
打撃高さ切替スイッチ73も、押しボタンスイッチであり、打撃高さ切替スイッチ73を押下する度毎に、液晶表示部77の「低い:LO」、「中:MID」、「高い:HI」の表示をサイクリックに切り替え、ノックマシン1への信号も送信できる。
【0027】
単発動作モードと連続動作モードとを切り替えるモード切替スイッチ74は、押しボタンスイッチであり、モード切替スイッチ74を押下する度毎に、液晶表示部77の「単発動作:SINGLE」、「連続動作:AUTO」の表示をサイクリックに切り替え、ノックマシン1への信号も送信できる。
【0028】
スタートスイッチ75も、押しボタンスイッチであり、スタートスイッチ75を押下する度毎に、液晶表示部77の「―――:電波が届いていません」、「準備完了で動作開始出来ます。:READY」、「動作中です。:RUN」、「停止中です。(原点復帰が完了しておりません。):STOP」の表示をサイクリックに切り替え、ノックマシン1への信号も送信できる。尚、ノックマシン1において、「RUN」表示中は表示切り替えが出来ず、また、「READY」表示以外は「START」出来ない。
【0029】
図3は、本発明に係る携帯可能な手で持てる第1の送信部70の正面図である。
表示部77は液晶であるが、戸外で使用する場合、日差しが強い時には、液晶表示部77が見えにくいことがある。これを改良したものが、図4に示す携帯可能な手で持てる第2の送信部90である。図4は、図3の液晶表示部77に替えて、点灯又は点滅するLED91を複数使用する、第2の送信部90の正面図である。尚、「RUN」点灯中はノックマシン1が動作中で表示切り替えが出来ない。「RUN」点滅中はノックマシン1の準備が完了し動作開始が出来る。
【実施例2】
【0030】
図5は本発明の遠隔操作可能なノックマシン1を用いて遊び心を取り入れた練習(ゲームの一種)の説明図である。
まず初めに、指導者(監督者、コーチ)は、左翼手(レフト)方向:LFに練習者5〜6人を集める。第1の送信部70(又は第2の送信部90)を用いて、打撃方向切替スイッチ72を押下することにより、中堅手方向:CFを選ぶ。次に、打撃高さ切替スイッチ73を押下することにより「高い:HI」、即ち、フライ(飛球)を選ぶ。モード切替スイッチ74により単発動作モード又は連続動作モードを選ぶ。スタートスイッチ75を押下してノックマシン1を動作させる。これと同時に、練習者1人ずつを中堅手方向:CFに走らせる。ノックマシン1は、第1の送信部70(又は第2の送信部90、)からの信号を受けて、バット6にて、中堅手方向:CF(センターに向けて)フライを撃ち、練習者が走りながらボールを捕球する練習が出来る。この練習において練習者の走力や、捕球技術や、動体視力などの訓練が可能になる。図5のノックマシン1は、左打ちの形態を取っているが、右打ちをとっても良いことは勿論である。指導者は自分で捕球練習をやって見せたり、練習者の近くに居てアドバイスを与えることができたり、効率の良い練習が可能となる。
【0031】
図5に基づく別の練習も可能である。指導者(監督、コーチ)は、練習者が怪我などしないように注意しながら傍らで見ていて、練習者のみでゲームを行う。練習者が予め中堅手方向:CF(センターに向けて)へのフライやゴロの打球の設定をしておき、これから捕球する訓練者がスタートスイッチ75を押下して、打球に向かって走り出し、走りながら捕球する。所謂、ダイビングキャッチの練習が可能である。更に、スタートスイッチ75において、打球の設定が出来て脚で踏めるフットスイッチや、手のひらで押せる堅牢で且つ大きなスタートスイッチを使用すれば、楽しくて素早い機動的な練習が可能となる。
【実施例3】
【0032】
複数の第1の送信部70を使用する場合や、第1の送信部70と第2の送信部90とを併用する場合、或いは、複数の第2の送信部90を使用する場合において、1台のノックマシン1を設置して練習することが可能である。送信部には各々識別コードが付与されているため、遠隔操作受信部60を経由して制御部40により認識され記憶管理される。例えば、最初に第1の送信部70のスタートスイッチ75を押下して、次に別の第1の送信部70又は第2の送信部90のスタートスイッチ75を押下するとする。最初の第1の送信部70のスタートスイッチ75の信号により、遠隔操作受信部60を経由して制御部40がノックマシン1の動作を終了する。すると次の別の第1の送信部70又は第2の送信部90のスタートスイッチ75の信号は、制御部40に一時記憶されて予約扱いとされ、少し後からノックマシン1の動作が実行される。即ち、ノックマシン1の動作が予約可能であり、指導者は、余裕を持って練習者の指導に当たれて便利である。
【0033】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
職場や学校、地域等の野球(硬式、軟式)やソフトボール等のチームで使用する守備のトレーニングマシーンとして流通可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 ノックマシン
5 バット回転機構
15 ボール供給機構
21 ボール
25 ボール投げ上げ機構
30 打撃左右方向調整機構、
35 打撃上下方向調整機構
40 制御部
46 電源装置
47 電源コード
48 交流電
50 操作部
60 遠隔操作受信部
70 第1の送信部
90 第2の送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バットを備えたバット回転機構と、複数のボールと、ボール供給機構と、ボール投げ上げ機構と、制御部と、電源装置と、を備えたノックマシンにおいて、前記制御部に遠隔操作受信部を接続し、携帯可能な送信部が送信した信号を前記遠隔操作受信部が受信して、投げ上げられたボールを前記バットで打撃することを特徴とする遠隔操作可能なノックマシン。
【請求項2】
前記遠隔操作受信部を備えたノックマシンと、複数の携帯可能な送信部にて各々送信した信号を前記遠隔操作受信部が受信して、投げ上げられたボールを前記バットで打撃することを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作可能なノックマシン。
【請求項3】
複数の携帯可能な送信部にて各々送信した信号を前記遠隔操作受信部が受信して、後から受信した他方の送信部からの信号を予約しておき、先に受信した一方の送信部からの信号によりボールをバットで打撃した後に、予約した後からの信号によりボールをバットで打撃することを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔操作可能なノックマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−206204(P2011−206204A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75970(P2010−75970)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(505073912)ハトリバンテック株式会社 (4)