説明

適切な配列を維持しつつ選択的レーザ焼結により構成された部品を接続する方法

【課題】パイプシステム内で2本のパイプを接続するための方法の改良を提供する。
【解決手段】咬合する管の直線状で角度をなした配列を達成するために、雄管10aに一体形成されたねじ12と、雌管10bに一体形成された溝14とにより、咬合する管10a,10bが互いに接続され得る。一体形成されたねじ12と溝14は、選択的レーザ焼結またはステレオ・リソグラフィとして知られているプロセスにより、管10a,10bに形成され得る。さらに、ねじ12がただ一つの角度方向で溝14に適合するように、2つ以上の溝と突出部が管に形成されてもよい。溝14は、雌管10bの中心軸に対して配列された通路または螺旋形の溝であってよい。ねじ12が溝14の末端部分または溝14の急変部分に係合している場合に、雄管は雌管に対し、直線状に配列および/または角度をなして配列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続される部分に接続用の装置を一体的に形成することにより部品を接続する方法および装置、ならびに2つの部品を同時に接続し、角度をなして直線状に整列させる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプシステムは様々な用途に使用されている。例えば建物は、その加熱、換気および空調システムのために、パイプシステムを有している。自動車は、空気の流れを環境から自動車内部へと調整するパイプシステムを有している。飛行機は、水圧制御、空気圧制御ならびにキャビンの環境制御のための複雑なパイプシステムを有している。
【0003】
上述したパイプシステムの各々では、パイプは、スリーブや他のパイプ接続機構によって接続されたエルボ、Ts(チーズ)、レデューサ、エキスパンダ等を介して建物、自動車または飛行機の中を通るように配置され得る。パイプおよびパイプ接続機構は、パイプシステムが用途にぴったり適合するように、パイプシステム内の各々の隣接するパイプに対して、適切な角度回転かつ適切な直線変位をなして、パイプシステム内で組み立てられなければならない。このため、組み立てる者または保守する者は、互いにパイプとパイプコネクタが互いに直線状かつ角度をなして整列し、パイプシステムが適切に組み立てられていることを保証するために、多大な注意を払わなければならない。
【0004】
例えば、組み立てる者または保守する者は、各パイプとパイプコネクタを青写真と一致するようにカスタムで適合させなければならない。不運にも、各パイプとパイプコネクタをカスタムで適合させる時間は、時間がかかる。また、組み立てる者が青写真を誤読することにより、パイプシステムを誤って組み立てる可能性がある。
【特許文献1】米国特許第6,415,935号
【特許文献2】米国特許第5,794,985号
【特許文献3】米国特許第4,407,527号
【特許文献4】米国特許第4,522,431号
【特許文献5】米国特許第5,184,741号
【特許文献6】米国特許第5,503,187号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、パイプシステム内で2本のパイプを接続するための方法の改良が当該技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述の問題ならびに先行技術に関する他の問題に取り組んでいる。
本発明の一態様では、一体形成されたねじを有する雄管は、一体形成された溝を有する雌管と接続され得る。ねじおよび溝は、雄管および雌管のそれぞれに、選択的レーザ焼結により一体形成される。組み立て中に雄管と雌管にねじを形成する必要がないため、これによってまず雄管および雌管がその一部分を構成するパイプシステムを組み立てる時間が短縮される。
【0007】
本発明の別の態様では、雄管および雌管に完全に係合した場合にねじの基端部分が溝の末端部分と接触するように、ねじおよび溝が雄管および雌管のそれぞれに一体形成される
。さらに、雄管が雌管に完全に係合した場合にねじの基端部分が溝の末端部分に突き当たるように、雄管のねじの基端部分は箱型の形状を有すると共に、溝の末端部分はそれに対応する箱形の形状を有し得る。この時点で、パイプは互いに完全に係合し、雄管はもはや雌管の中に進むことができない。完全に係合した位置で、パイプは、それらの相対的な角変位および相対的な直線変位について、互いに対して配列される。
【0008】
本発明の別の態様では、雄管の上には2つ以上のねじが一体形成されてもよく、雌管の上にはそのような雄管ねじに対応する2つ以上の溝が一体形成されてもよい。さらに、ねじおよび溝は、パイプの外側周囲および内側周囲の周りに不均等(unevenly)に分配されてもよい。例えば、2つのねじは、約45度または約90度の角度をなして、互いに離れて雄管上に形成されてもよい。このように、雄管を雌管にねじ込むには、ただ一つの正しい角度方向しかない。
【0009】
本発明の別の態様では、雄管の外表面および雌管の外表面が一体形成された位置合わせ指標(alignment indices)を有していてもよい。雄管が適切な角度方向で雌管に完全に
係合している場合に限り、それらの位置合わせ指標は互いに整列する。
【0010】
本発明の別の態様では、雄管は隆起部(nub)と一体形成され、雌管は溝と一体形成さ
れ、隆起部が溝の内に摺動可能である。溝は、その基端部分と中間部分で管の中心軸に対して整列され、その末端部分で約1度から約90度までの角度で曲がる。従って、隆起部が溝の末端部分付近で曲げ部分(bend)に接触するまで、隆起部は溝の中を雌管の中心軸に沿って摺動可能である。この時点で、雌管に対する雄管の相対的な直線状の関係は正確である。その後、隆起部が溝の末端部分の中で摺動するように、雄管が回転され得る。この時点で、雄管は雌管に完全に係合し、雄管と雌管の間の相対的な角変位は正確である。
【0011】
本発明の別の態様では、雄管の外表面と雌管の外表面は、雄管が雌管に完全に係合した場合に整列する一体形成された指標を有する。また、雄管と雌管の間の係合を強化するために、多数の隆起部および溝が雄管および雌管のそれぞれに一体形成されてもよい。さらに、多数の隆起部と溝が雄管と雌管に形成された場合に、雄管と雌管の間の適切な角度方向を保証するために、隆起部が雄管の周囲の周りに不均等に分配され、そのような隆起部に対応する溝が雌管内に一体形成されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の上記の特徴および他の特徴は、図面を参照すればより明白になるであろう。ここで参照する図面は、本発明の様々な態様を例証するためのものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0013】
図1は2本のパイプである雄管10aおよび雌管10bの斜視図を示す。雄管10aおよび雌管10bは、雄管10aおよび雌管10bの上に一体形成された咬合用のねじ12(図1および3を参照)および溝14(図1および2を参照)によって、共に接続され得る。また、雄管および雌管10a,10bは、雄管10aが雌管10bの上に完全に係合した場合、軸方向に角度をなして整列し得る。各管10a,b、ならびにそれぞれのねじ12および溝14は、ねじ12と溝14が雄管10aおよび雌管10bのそれぞれと一体形成され得るという点で、単一の材料から構成され得る。限定ではなく例示として、パイプ10a,bおよび管の様々な態様(例えばねじ12および溝14)が、選択的レーザ焼結、ステレオ・リソグラフィ、またはそれと同様なものとして知られているプロセスによって、一体形成され得る。
【0014】
ここで選択的レーザ焼結プロセスのフローチャートである図4を参照すると、選択的レーザ焼結は、粉末材料を準備する工程100と、レーザ焼結機に粉末材料を装填する工程
102と、粉末材料を加温する工程104と、管を構成する工程106と、管を冷却する工程108とを包含する。
【0015】
ここで選択的レーザ焼結プロセスを絵で示した図である図5を参照すると、ナイロン12を含んでよい粉末材料120が準備され、粉末配送システム122内に配置される。最初の状態では、配送ピストン124が低い位置にあり、組立てピストン126は高い位置にある。配送ピストン124は漸増的に上げられ、パウダ配送システム122の床128より上まで、粉末の水平位置を上げる。ローラ130は粉末配送システムの床128を端から端まで一掃し、粉末材料120の層を組立てピストン126の上部表面132に押しつける。レーザ134はレーザ光線136を放射し、レーザ光線136は組立てピストン126の上に受け取られた粉末材料120の表面138(つまり粉末床)上でパターンをトレースする。パターンは、パイプ10aまたは10bの2次元の断面であってもよい。レーザ光線136は粉末材料120を選択的に溶解し、粉末材料120を共に結合する。上述の工程が繰り返し行われると、配送ピストン124が上昇し、組立てピストン126が下降して、さらなる粉末材料120を受け取る。管10aまたは10bは、組立てピストン126上で、1つの断面によって一度に構築され得る。さらに、雌管10bの突出部(例えばねじ12)は、組立てピストン126上の溶解しておらず焼かれていない粉末材料120により、組立てシステム140内で支持され得る。
【0016】
図1に示したように、雄管10aは、内側の円筒表面16および外側の円筒表面18を区画形成する円筒形状20を有し得る。図1に示した雄管10aは直線状であるが、ここに説明した本発明の様々な態様が、角度をなしたり、縮小したり、拡張したり、またはその他同様に挙動したりする、異なる形状を有する管に採用され、実施され得ることが想定される。異なる形状を有する管も、選択的レーザ焼結またはその他同様のものによって組み立てることが可能である。
【0017】
雄管10aの外側円筒表面18上には、少なくとも1つのねじ12が形成され得る。図1に示したように、雄管10aの外側円筒表面18には2つのねじ12が形成される。ねじ12は雌管10bの上に形成された溝14と咬合するか、該溝14に合ったサイズと形状に構成され得る。そのため、雄管10aに一体形成されたねじ12が雌管10bに一体形成された溝14に係合された時、雄管10aは雌管10bに挿入されるか、または雌管10bに入り込む。例として、雄管10aに一体形成されたねじ12の近接部分20a,20bは、雌管10bに形成されたねじ12の近接部分22a,22bに挿入され得る。ねじ12を溝14に係合させるために、雄管10aは時計回りに回転され得る。ねじ12と溝14が互いに係合された時、雄管10aは雌管10bにより深く入り込む。
【0018】
雄管10aが手で雌管10bに係合され得ることが、本発明の範囲内で想定される。詳細には、ねじ12と溝14との間の摩擦力が人間の手によって生成することができるトルクより小さくなるように、雄管10aの上に一体形成されたねじ12は、雌管10bの上に一体形成された溝14に合ったサイズと形状に構成され得る。代わりに溝14とねじ12は、雄管10aをねじって雌管10bと係合させるためにねじ回しや他のツールが必要とされるように、わずかに変形されてもよい。限定ではなく例として、ねじ12と溝14の咬合面に、ねじ12と溝14の間の追加の摩擦力を作成するために穴をあけることが、本発明の範囲内で想定される。
【0019】
図1および3では、雄管10aの近接部分24から開始し雄管10aの中間部分26で終了する螺旋形の形状の全体を有するように、ねじ12が示される。さらに、たとえねじ12が右利きのねじであっても、本明細書で説明した本発明の様々な態様が左利きのねじで使用され得ることが、本発明の範囲内で想定される。図6および7は、ねじ12(図7を参照)と溝14(図6を参照)が正方形または長方形の断面を有し得ることを示す。し
かしながら、ねじ12と溝14は、アメリカ標準テーパ管ねじ、アメリカ標準直線管ねじ、または部品に対して適したねじ形状もしくは断面の種類に適合する形状を有するパイプ上に形成され得る。
【0020】
図1−3は、管10aの上に一体形成された2つのねじ12と、雌管10bの上に一体形成された2つの溝14とを示している。しかしながら、1つのねじ12だけが雄管10aの上に一体形成され、1つの溝14だけが雌管10bの上に一体形成されてもよいことが本発明の範囲内で想定される。しかしながら、ねじ12と溝14との間の係合強度を増すために、追加のねじ12および溝14が雄管および雌管10a,bの上に形成され得る。
【0021】
上述したように、雄管10aの上に形成されたねじ12は、雄管10aの中間部分26で終了する。同様に、雌管10bの上に形成された溝14は、雌管10bの中間部分28で終了し得る。さらに、雄管と雌管10a,10bの上に形成されたねじ12と溝14の直線長さは、互いに等しくてよい。限定ではなく例として、図2および3に示されるように、ねじ12と溝14はパイプ10a,bの周囲に一回転して延びる。従って、雄管10aの上に一体形成されたねじ12の近接部分20a,bが雌管10bの上に一体形成された溝14の末端部分30a,bと接触すると、雄管10aはもはや雌管10bに挿入されない。そのため、雌管10bへの雄管10aの直線変位は、溝14の末端部分30a,bの選択的構成により制御され得る。雌管10bへの雄管10aのより深い進入やより浅い進入が望まれる場合には、溝14の直線長さをそれぞれ増加または減少させるべきである。
【0022】
図2および6に示したように、雌管10bの上に形成された溝14の末端部分30a,bは、急変部分を有し得る。詳細には、雌管10bの上に形成された溝14の末端部分30a,bは、箱型の通路形状を有し得るが、他の形状も本発明の範囲内で想定される。同様に、雄管10aの上に形成されたねじ12の近接部分20a,bは、雌管10bの上に形成された溝14の遠位部分30a,bに咬合するサイズおよび形状に構成され得る。このように、近接部分20a,bと末端部分30a,bが互いに接触すると、雄管10aは雌管10bの中に回転して入っていくのを停止する。従って、雌管10bに対する雄管10aの相対的な角度位置は、雌管10bの上の溝14の末端部分30a,bの選択的構成によって制御され得る。
【0023】
ある状況では、雌管10bに対する雄管10aの角変位は固定されるべきである。例えば、雄管10aおよび雌管10bは通常、パイプシステム全体の一部であり得る。パイプシステムでは、雄管10aおよび雌管10bは互いに接続されるが、パイプシステム内の他のパイプに接続されてもよい。このため雄管10aの末端部32a,b(図1を参照)は、レデューサ、エキスパンダ、エルボおよびその他同様なものを備えていてもよい。そのため、パイプシステムに雄管10aおよび雌管10bを適合させるために、雄管10aは雌管10bに対して、角度変位および直線変位するよう、設定された/固定の角度(例えば約45度および約90度)ならびに設定された/固定の距離で、設計され得る。このため、雄管10aおよび雌管10bは各々、雄管のねじ12は雌管の溝14に一定の角度で係合し、ねじ12の近接部分20と溝14の末端部分30が互いに接触すると雄管10aの雌管10bに対する回転が終わるように、ただ一つのねじ12およびただ一つの溝14を有するように構成されてよい。この時点で、雄管10aは、雌管10bに完全に係合される。
【0024】
上述したように、雄管10aのねじ12と雌管10bの溝14との間の係合の強度は、雄管10aおよび雌管10bの上に追加のねじ12および溝14を一体形成することにより増加させ得る。例えば、雄管10aが2つ以上のねじ12を有するように形成され、雌
管10bがそれに対応する数の溝14を有するように形成されてもよい。しかしながら、この例では、雄管10aに一体形成されたねじ12は、雌管10bに一体形成されたどの溝14に係合する可能性がある。そのため、雄管10aは、雌管10bに完全に係合された時に、正しい角度方向にはない可能性がある。例えば、雄管10aの上に互いから180度離れて2つのねじ12が形成された場合、雄管10aと雌管10bとの間には2つの考えられる角変位、すなわち0度と180度、がある。この問題点を緩和するために、ねじ12は雄管10aの上に、不均等(unevenly)に一体形成され得る。例えば、図1に示されるように、ねじ12は互いに45度離れ得る。さらに、雌管14は、一体形成されたねじ12に対応する一体形成された溝14を有していてよい。
【0025】
本発明の別の態様では、図8も雄管40aおよび雌管40bを示す。雄管40aは、係合部分42および肩44を区画形成する円筒形状を有し得る。係合部分42は雌管40bに係合する。任意選択で、肩44は、雄管40aが雌管40bに挿入されている場合に、雄管40aに停止手段を提供し得る。詳細には、雌管40bは、係合部分46および肩48を区画形成する円筒形状を有し得る。雄管40aが雌管40bに挿入され、雌管40bの近接部分50が肩44と接触すると、雌管40bの係合部分46は雄管40aの係合部分42に係合する。また、任意選択で、雄管40aの近接端52は、雄管40aの雌管40bへの挿入距離を制限するために、雌管40bの肩48と接触し得る。肩44,48および近接端50,52は、雌管40bへの雄管40aの直線変位を制御し得る。
【0026】
雄管40aは、その係合部分42上に形成された一体形成の隆起部(nub)54を有し
得る。図9および11に示されるように、隆起部54は、雄管40aの係合部分42から外方向に突出し得る。隆起部54は雌管40bの係合部分46内に一体形成された溝56(図8を参照)に受け取られるようなサイズおよび形状に構成され得る。図8および9に示されるように、隆起部54が溝56と整列し、溝54の末端部分58に向かって摺動すると、雄管40aの係合部分42は雌管40bの係合部分46の中を摺動し、貫通し得る。雄管40aが雌管40bに対して時計回りに回転されて、組み立てる者または保守する者が雄管40aが完全に雌管40bに係合したことを確認できるように、溝56の末端部分58には方向の急変部分がある。急変部分は、図8に示されたように、90度上方に曲がっている。雄管40aが雌管40bに完全に係合された時、雄管40aと雌管40bとの間の相対的な直線変位および相対的な角変位はいずれも正確である。
【0027】
隆起部54は選択的レーザ焼結により雄管40aと一体形成されてもよく、溝56は選択的レーザ焼結により雌管40bと一体形成され得る。選択的レーザ焼結のプロセスは、上記により詳細に論じたが、一体形成された隆起部54を備えた雄管40aと一体形成された溝56を備えた雌管40bとを構成する場合に使用され得る。さらに、雄管40aおよび雌管40bの少なくとも一方は、ナイロン12、ガラス充填ナイロン、ポリスチレンおよびその他同様なもののような材料から構成され得る。
【0028】
上述のように、隆起部54と溝56は、隆起部54が手で溝56の中に摺動するようなサイズおよび形状に構成され得る。例えば、隆起部54と溝56の間には、すきまばめ(clearance fit)があってもよい。代わりに、雌管40bへの雄管40aの挿入に木槌や
その他同様なものが必要とされるように、隆起部54と溝56は摩擦ばめ(friction fit)を有してもよい。摩擦ばめの場合、隆起部54と溝56の間に締まりばめ(interference fit)があるように、隆起部54の外表面および溝56の内表面には穴が空けられ得る。そのようなものとして、雄管の係合部分42が雌管の係合部分46に挿入されると、隆起部54および溝56のそれぞれの穴が互いに干渉して、それらの間に摩擦を引き起こし、雌管40bに雄管40aを挿入するために木槌が必要になる。
【0029】
図8,9および11に示した隆起部は、正方形の形状を有し得るが、隆起部54が円筒
形状や他の形状を有してもよいことも、本発明の範囲内で想定される。
ここに論じた本発明のいずれの実施形態も、雄管10a,40aが雌管10b,40bに完全に係合された場合に雌管40bへの雄管40aの相対的な直線変位が正確であることを保証するのに有効である。また、いずれの実施形態も、管10a,40aが雌管10b,40bに完全に係合された場合に雌管10bに対する雄管10aの相対的な角変位が正確であることを保証するのに有効である。例えば、保守する者または組み立てる者は、ねじを有する実施形態の雄管10aを雌管10bに挿入し、雌管10bに雄管10aをねじ込むことができる。雄管10aが雌管10bに完全に係合した時、管10a,10bの間の相対的な直線変位および相対的な角変位は正確である。これは、雄管を雌管にもはやねじこめないため、確認される。さらに、隆起部54と溝56の実施形態の場合、保守する者または組み立てる者は雄管40aを雌管40bに挿入し、その後、雌管40bに対して雄管40aをねじり、雄管と雌管40a,40bを完全に係合することができる。雄管40aが雌管40bに完全に係合した時、管40a,40bの間の相対的な直線変位および相対的な角変位は正確である。これは、雄管40aの隆起部54が雌管40bの溝56にねじこまれたため、確認される。
【0030】
雄管10a,40aおよび雌管10b,40bが完全に係合しているという保証をさらに保守の者に提供するために、雄管10a,40aおよび雌管10b,40b上に、適切な角変位と直線変位で完全に係合した場合にのみ共に整列する位置合わせ指標が配置されてもよい。例えば、雄管10a,40aはその外表面にマーク(例えば印刷されたマーク、一体形成されたへこみ、一体形成された突出部)を有してもよく、該マークは、雄管10a,40aが雌管10b,40bの完全に雌管10b,40bに係合した場合にのみ、雌管10b,40bの外表面上に位置する対応するマーク(例えば印刷されたマーク、一体形成されたへこみ、一体形成された突出部)と整列する。
【0031】
本発明のさらなる改変および改良も、当業者には明白であろう。したがって、本明細書で説明し図示した部品や工程の特定の組み合わせは、本発明の特定の実施形態のみを表わすことを意図しており、発明の趣旨および範囲内にある代替の装置または方法の限定としての役割を果たすことは意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】選択的レーザ焼結によって、ねじが雄管および雌管に一体形成された、雄管および雌管の第1実施形態の斜視図。
【図2】2つの溝が雌管に一体形成されている、図1に示した雌管の断面図。
【図3】2つの溝にねじ込み可能な雄管上に一体形成された2つのねじを示す図2に示した雄管の正面図。
【図4】選択的レーザ焼結プロセスのフローチャート。
【図5】選択的レーザ焼結プロセスを絵で示した図。
【図6】溝の末端部分の箱形形状を示す図2に示した2つの溝のうちの1つの断面図。
【図7】ねじの近接部分の溝の末端部分に対応する箱形形状を示す、図3に示した2つのねじのうちの1つの背面図。
【図8】選択的レーザ焼結によって、隆起部が雄管に一体形成され、溝が雌管に一体形成された、雄管および雌管の第2実施形態の斜視図。
【図9】図8に示した雄管および雌管の正面図。
【図10】図9に示した雌管の側面図。
【図11】図9に示した雄管の側面図。
【符号の説明】
【0033】
10a,40a…第2の空気管(air duct)としての雄管、10b,40b…第1の空気
管としての雌管、12…突出部としてのねじ、14…溝、30a、30b…溝の末端部分、54…正方形形状の突出部または柱としての隆起部、56…正方形形状の突出部に対応するくぼんだ正方形形状の溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
咬合する空気管の直線状配列を達成する方法であって、
a)第1の空気管を組み立てる工程と、該第1の空気管の内表面には溝が一体形成され、該溝は末端部分を区画形成することと、
b)第1の空気管に挿入可能な第2の空気管を組み立てる工程と、該第2の空気管の外表面には突出部が一体形成され、第2の空気管が第1の空気管に挿入された場合に該突出部は前記溝と咬合可能であることと、
c)第1の空気管に対して第2の空気管を直線状に配列するために、突出部が前記末端部分に係合するまで突出部を溝と咬合する工程と、
から成る方法。
【請求項2】
突出部が末端部分に係合している場合に第1の空気管が第2の空気管に対して角度をなして並ぶ請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溝は螺旋形の溝であり、前記咬合する工程は、該螺旋形の溝の中で前記突出部を回転させる工程から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記突出部は螺旋形のねじであり、前記咬合する工程は、前記螺旋形の溝の中で該螺旋形のねじを回転させる工程から成る、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記突出部が正方形の形状を有し、前記溝の末端部分はそれに対応するくぼんだ正方形の形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1の管に対して角度をなして第2の管を配列するために、前記第2の管を第1の管内で回転させて、前記溝の急変部分に前記突出部を挿入する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記咬合する工程が、前記突出部を前記溝に挿入する工程から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
咬合する空気管の直線状配列を達成する空気管アセンブリであって、
a)第1の空気管であって、該第1の空気管の内表面には溝が形成され、該溝は末端部分を区画形成し、該第1の空気管と該溝とが一体形成されている、第1の空気管と、
b)第1の空気管に挿入可能な第2の空気管であって、該第2の空気管の外表面には突出部が形成され、第2の空気管が第1の空気管に係合した場合に該突出部は該溝と咬合可能であり、該第2の空気管と該突出部とが一体形成されている、第2の空気管と、を備え、
c)第1の空気管に対して第2の空気管が係合し、前記突出部が前記末端部分に係合した場合に、第1の空気管が第2の空気管に対して直線状に配列される、アセンブリ。
【請求項9】
突出部が末端部分に係合している場合に第1の空気管が第2の空気管に対して角度をなして並ぶ請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記突出部は第2の空気管から径方向外側に延びる柱である、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記溝は第1の空気管の近接端から直線形状に延びている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
第1の空気管と第2の空気管が選択的レーザ焼結に使用される材料から構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記溝が螺旋形の形状を有している、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
第1の空気管の内表面に一体形成された少なくとも2本の螺旋状の溝をさらに備えると共に、第2の空気管の外表面にそれに対応する数の突出部をさらに備えた、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
第1の空気管と第2の空気管の適切な角度方向の達成のために、前記溝が別々に不均等に離間されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
第1の空気管と第2の空気管が選択的レーザ焼結に使用される材料から構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
前記選択的レーザ焼結に使用される材料はナイロン12である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記末端部分が急変部分を有し、突出部が急変部分に係合された時に、第1の空気管は角度をなして第2の空気管と配列される、請求項8に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−71384(P2007−71384A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198161(P2006−198161)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(397017191)ノースロップ グラマン コーポレーション (30)
【Fターム(参考)】