説明

適合性判断システム、それに用いる情報処理端末及び蓄積装置

【課題】個々の患者と薬剤等の異物との適合性を明確に把握することのできるシステム、それに用いる情報処理端末及び蓄積装置を提供する。
【解決手段】被験者の生体試料情報を有する情報処理端末1と、複数の異物データを蓄積する異物データベース2とを有し、情報処理端末1と異物データベース2とが通信可能とされたシステムであって、情報処理端末1は、異物データベース2から最新の異物データを取得して保有しており、生体試料情報と異物データとを照合することにより、被験者と各異物との適合性を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者に対する薬剤等の異物の適合性を判断するための適合性判断システム、それに用いる情報処理端末及び蓄積装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬剤は、個々の患者に合った適切な種類のものを処方しなければ、患者に対して有効な治療をすることができない。また、多くの薬剤は副作用を有しているため、副作用によりかえって患者の容態を悪化させてしまう場合もある。したがって、医者が患者に薬剤を処方する際には、厳重な注意を要する。
【0003】
そこで、処方の際に、薬剤を適切に選択するために補助的に用いられる検索システムが特許文献1に開示されている。特許文献1記載の検索システムは、薬剤名を入力すると、その薬剤の化学構造式情報等の薬剤基本情報が表示されるため、医者はその薬剤の性質等を容易に確認でき、選択した薬剤がその患者にとって適切か否かを判断する材料とすることができる。
【特許文献1】特開平11−203375号公報(段落0005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、薬剤の有効作用や副作用の現れ方(適合性)は個々の患者によって異なるものである。上記の検索システムでは、一般的な薬剤の化学構造式等の薬剤基本情報を確認することはできるが、実際にその薬剤の個々の患者に対する適合性についてまでは判断できない。したがって、薬剤が個々の患者に適合しているか否かの判断については、依然として医者自身が予測して行わなければならない。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑み、個々の患者と薬剤等の異物との適合性を明確に把握することのできるシステム、それに用いる情報処理端末及び蓄積装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、被験者の生体試料情報を有する情報処理端末と、複数の異物データを蓄積する異物データベースとを有し、情報処理端末と異物データベースとが通信可能とされたシステムであって、情報処理端末は、異物データベースから最新の異物データを取得して保有しており、生体試料情報と異物データとを照合することにより、被験者と各異物との適合性を判断することを特徴とする適合性判断システムである。なお、情報処理端末は、取得した生体試料情報及び異物データを記憶する形態としてもよいし、記憶しない形態としてもよい。また、情報処理端末での適合性の判断結果は、情報処理端末自体の表示装置に出力してもよいし、通信可能な他の端末装置へ出力してもよい。
【0007】
このように、情報処理端末で被験者と各異物との適合性を判断するので、専門の知識を有していなくとも、簡単に個々の被験者と異物との適合性を知ることができる。したがって、医療現場において医者や薬剤師は、本適合性判断システムによる判断結果を治療の参考に大きく役立てることができる。
【0008】
また、薬剤やドナー(例えば、献血者、臓器移植提供者)等の異物データは頻繁に更新されていくものであるが、情報処理端末は、最新の異物データを保有し、その最新の異物データと生体試料情報とを照合して適合性を判断するので、最新の異物データに対する被験者の適合性を知ることができる。
【0009】
情報処理端末は、最新の異物データを保有するために、情報処理端末に生体試料情報の入力、または、適合性の判断動作を開始させる入力があったときに、情報処理端末が保有している異物データが最新データであるか否かを確認し、最新データでない場合には異物データベースより最新の異物データを取得すればよい。また、定期又は不定期的に異物データベースから異物データを取得したり、異物データベースから更新された異物データがある旨の通知があったときに異物データベースから異物データを取得したりすることにより、常に情報処理端末の異物データを最新のものにしていてもよい。
【0010】
なお、生体試料は、被験者由来のものであればよく、例えば、体液、核酸、細胞、組織若しくは器官、又はこれらを含むものが例示されるが、これらに限定されるものではない。体液とは、狭義の意味での血液、リンパ又は組織液に限定されるものではなく、尿、汗、唾液などの被験者由来の液体を含む。核酸としては、DNA、RNA、cDNA、mRNA、tRNA等が例示される。なお、DNA等の核酸の配列は、終生不変であるため、一度採取するだけですむので好ましい。
【0011】
生体試料情報とは、各被験者の特性を示すものであって、被験者と異物との適合性を判断するのに必要な情報である。生体試料情報は、生体試料の種類とその特徴とからなる。例えば、体液の特徴であれば、血液型、抗体の有無やその種類、血糖値等が挙げられ、核酸の特徴であればその全部又は一部の塩基配列等が挙げられ、細胞、組織又は器官の特徴であれば、抗体の有無やその種類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
異物とは、被験者の生体試料以外のものであって、例えば、薬剤、他人の生体試料、人工材料又は飲食物が例示される。薬剤であれば、生体試料との適合性をみることにより、被験者に対するその薬剤の有効性や副作用の有無を確認できる。他人の生体試料であれば、輸血、臓器又は骨髄等の移植の際の適合性を確認できる。また、人工材料とは、皮膚にふれたり、体内に内在させるものであって、例えば、人工関節、義歯、義眼等の人工器官、骨固定用のボルト、クリップ、ペースメーカー等の医療用具、ピアス等の装身具が挙げられるがこれらに限定されるものではない。人工材料であれば、人工器官としての適合性や、金属アレルギーの有無等を確認できる。飲食物であれば、食物アレルギーの有無等を確認できる。
【0013】
異物データとは、各異物の特性を示すものであって、各異物の名前と、どのような生体試料情報があればどのような有効作用及び/又は副作用があるかという作用情報とからなる。それらの複数の異物データが異物データベースに格納されている。異物データの例を挙げると、薬剤の場合は、その薬剤の名前と、「DNAにAという塩基配列があればBという効果がある」、「血液中にCという抗体があれば、Dという副作用がある」という作用情報である。他人の生体試料であって血液の場合は、その他人の名前と、「O型であれば輸血可能」等の作用情報である。また、人工材料の場合は、その人工材料の名前と、「血液中にEという抗体があれば、Fというアレルギーがある」という作用情報である。また、飲食物の場合は、その飲食物の名前と、「血液中にCという抗体があれば、Dというアレルギーがある」等の作用情報である。
【0014】
また、被験者と各異物との適合性とは、その異物が被験者にとって有効作用があるか否かということ、及び/又は、副作用があるか否かということである。例えば具体的には、薬剤の場合は、その薬剤の被験者に対する疾病改善等の有効作用の有無と副作用の有無である。他人の生体試料の場合は、被験者の生態試料と他人の生体試料との間での拒絶反応の有無である。人工材料の場合は、被験者の生態試料と人工材料との間での拒絶反応の有無である。飲食物の場合は、アレルギー反応の有無である。なお、これらに限定されるものではない。
【0015】
また、他の形態として、上記態様においては、情報処理端末において被験者の生態試料と異物との間の適合性を判断したが、別に蓄積装置を設け、その蓄積装置で判断するようにしてもよい。すなわち、被験者の生体試料情報を有する情報処理端末と、複数の異物データを蓄積する異物データベースと、生体試料情報と異物データとを照合することにより、被験者と各異物との適合性を判断し、判断結果を情報処理端末に送信する蓄積装置とを有し、情報処理端末及び異物データベースと、蓄積装置とが通信可能とされたシステムであって、蓄積装置は、情報処理端末から取得した生体試料情報を記憶するとともに、異物データベースから最新の異物データを取得して記憶することを特徴とする適合性判断システムとしてもよい。情報処理端末でなく、蓄積装置において異物データを蓄積し、判断するので、情報処理端末のメモリの容量が小さくてすむ。また、情報処理端末に処理の負担がかからないので、処理速度を向上させることができる。
【0016】
上記のような適合性判断システムにおいて、情報処理端末は被験者が所有してもよいし、病院等の医療施設に設置してもよい。また、医療施設に設置され、情報処理端末から判断結果を受信する端末装置を設けてもよい。医療施設においてすぐに適合性を知ることができるので、医療施設において患者の健康管理を効率良く行うことができる。
【0017】
生体試料情報は、生体試料情報作成用のキットを用いて作成し、それを情報処理端末に出力するようにしてもよいし、生体試料情報を作成する検査機関を設け、検査機関が、情報処理端末に生体試料情報を出力するようにしてもよいが、これらに限定されるものではない。検査機関では、被験者から採取された生体試料から、適合性の判断に必要な生体試料情報を作成し、情報処理端末に出力する。
【0018】
情報処理端末としては、携帯電話、パソコン、PDA等が例示されるが、携帯電話であれば、簡単に持ち運びでき、携帯することができるので好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、個々の被験者と薬剤等の異物との適合性を判断するので、専門の知識を持っていなくても、明確に適合性を把握することができる。したがって、医療現場において医者や薬剤師は、本適合性判断システムによる判断結果を治療の参考に用いることができる。そのため、医者の負担を軽減でき、診断時間の短縮を図ることができる。また、被験者は、医者による処方が適当であるか否かを確認できるので、薬剤等を使用するうえで安心感を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の適合性判断システムを図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の適合性判断システムの概略の構成を示す図、図2は適合性判断の動作を説明するフローチャート、図3異物データの一例を示す図、図4は判断結果の出力の一例を示す図である。なお、本実施形態においては、異物として薬剤を用いて説明するが、これに限定されるものではない。
【0021】
本実施形態の適合性判断システムは、図1に示すように、情報処理端末1と、異物データベース2と、医療施設端末3とから構成され、情報処理端末1と、異物データベース2及び医療施設端末3とは公知の通信回線によって接続され、互いに通信可能とされる。
【0022】
情報処理端末1は、携帯電話であり、被験者の生体試料情報の入力と適合性の判断動作を開始信号の入力を行う入力部と、異物データベース2及び医療施設端末3と通信する通信部と、入力された生体試料情報及び異物データを記憶する不揮発性メモリからなる記憶部と、生体試料情報及び異物データを照合し、被験者に対する異物の適合性を判断する制御部と、適合性の判断結果を出力する出力部とから構成される。
【0023】
入力部は、被験者の生体試料情報を入力と適合性の判断動作を開始させる入力ができればよく、例えば、キーボード等により入力可能な形態としてもよいし、無線又は有線通信により入力可能な形態としてもよいし、または、着脱可能なメモリカード等の記録メディアにより入力可能な形態としてもよい。
【0024】
通信部は、電話通信網又はインターネット通信網を通じて無線通信を行う。あるいは、通信相手が近い所にいる場合には、赤外線、ブルートゥース、特定小電力無線等を利用して、無線通信を行う。なお、無線通信に代わって、ケーブルで通信相手と直接接続して通信してもよい。
【0025】
制御部は、統括制御するCPU、制御プログラムなどを記憶するROM及び制御データなどを一時記憶するRAM等から構成される。制御部は、記憶部において記憶している異物データを最新のものに更新する。情報処理端末1に生体試料情報が入力されたとき、または、適合性の判断動作を開始させる入力がされたときに、情報処理端末1は記憶部に記憶している異物データが最新データであるか否かを確認し、最新データでない場合には、異物データベース2から最新の異物データを取得する。さらに、情報処理端末1は、定期又は不定期的に異物データベース2から異物データを取得したり、異物データベース2から更新された異物データがある旨の通知があったときに異物データベース2から異物データを取得したりすることにより、常に情報処理端末1の異物データを最新のものにしていてもよい。そして、その更新がされるごとに、被験者と異物との適合性を判断してもよい。
【0026】
出力部は、平面ディスプレイからなり、判断結果が平面ディスプレイに表示される。なお、平面ディスプレイ等の表示装置ではなく、スピーカ音や音声で知らせてもよい。
【0027】
また、判断結果の出力形態として、通信部を利用して他の情報処理端末1に送信して、他の情報処理端末1において出力する。他の情報処理端末1として、病院等の医療施設に医療施設端末3を設ければ、医者は、被験者の異物との適合性を常に把握することができるので、医療の管理に役立つ。
【0028】
なお、情報処理端末1の出力部及び医療施設端末3における判断結果の出力は、古い判断結果の削除や移動により更新させ、新しい判断結果が出力されるようにする。
【0029】
異物データベース2は、異物データを記憶するハードディスク又は不揮発性メモリからなる記憶部と、情報処理端末1と通信可能な通信部とを有する。記憶部には、複数の異物データが格納されているが、異物データは、各異物の名前と、その作用情報(Aという生体試料情報があればBという有効作用がある、Cという生体試料情報があればDという副作用がある等)がテーブル化されている。異物データとしては例えば、図3に示すように、薬剤毎にどのような生体試料情報があると、作用情報としてどのような有効作用及び副作用があるかというように記憶されている。なお、異物データベース2は、新しいデータが追加され、常に最新のデータを保有している。
【0030】
次に、制御部における適合性の判断方法について説明する。入力される生体試料情報は、生体試料の種類と、その特徴(塩基配列、血液型、抗体や抗原の有無と種類、血糖値等)がテーブル化され、記憶部に記憶されている。また、異物データは、上述のように、各異物の名前とその作用情報とがテーブル化され、記憶部に記憶されている。そして、制御部は、各異物データについて、有効作用又は副作用の起こる条件を生体試料情報が満たしているか否かを比較し、有効作用又は副作用の有無を判断する。
【0031】
本システムの適合性判断方法を図2を用いて説明する。入力部に被験者の生体試料情報の入力、または、適合性の判断動作を開始させる入力がされると、制御部は、記憶部に記憶されている異物データが最新データであるか否かを確認する。最新データでない場合は、異物データベース2より異物データを受信して、記憶部に記憶されている異物データを最新のものに更新する。最新データである場合には、その異物データと生体試料情報とを照合し、被験者と異物との適合性を判断する。そして判断した結果を出力する。
【0032】
また、定期的に、又は、異物データベース2から更新された異物データがある旨の通知がされたときに、情報処理端末1は、異物データベース2より異物データを受信して異物データを最新のものに更新する。このように、常に最新の異物データを保有している場合、生体試料情報等の入力されるとすぐに被験者と異物との適合性を判断することができるので、判断にかかる時間を短縮できる。
【0033】
判断結果の出力の形式としては、例えば、図4に示すように、各異物について有効作用及び副作用の有無と、その内容を示せばよい。このようにユーザーは、各異物について、有効作用及び副作用の有無を一目で把握することができる。
【0034】
以上の構成によると、本システムは、個々の被験者と薬剤等の異物との適合性を判断するので、被験者や医者等の使用者は、専門の知識を持っていなくても、明確に適合性を把握することができる。また、更新された異物データとの適合性を判断するので、常に新しい異物データとの間で適合性を知ることができる。また、情報処理端末1が携帯電話であるので、被験者は簡単に携帯することができ、病院等の医療施設で診察を受ける際に医者に適合性の結果を見せることができる。したがって、医者は容易に薬剤の処方の判断の材料とすることができる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態においては、情報処理端末1と異物データベース2と医療施設端末3とからシステムを構成し、情報処理端末1に、生体試料情報と異物データとを照合し、被験者と異物との適合性を判断する制御部を設けたが、別に蓄積装置4を設け、該蓄積装置4に被験者と異物との適合性を判断する制御部を設けてもよい。
【0036】
図5はその適合性判断システムの概略の構成を示す図、図6及び図7は通信動作のタイムチャートを示す図である。詳しくは、図5に示すように、情報処理端末1と、異物データベース2と、蓄積装置4と、医療施設端末3と、生体試料情報を作成する検査機関5とからシステムを構成する。
【0037】
検査機関5と情報処理端末1とを通信可能とし、情報処理端末1は、検査機関5から生体試料情報を取得できる。図6に示すように、蓄積装置4と、情報処理端末1及び異物データベース2とが通信可能とされ、蓄積装置4は、異物データベース2からの最新の異物データを保有し、また、情報処理端末1からの生体試料情報を取得する。そして、蓄積装置4は、異物データベース2からの異物データと情報処理端末1からの生体試料情報とを照合し、被験者と異物との適合性を判断する。そして、その判断結果を情報処理端末1に送信する。情報処理端末1と医療施設端末3とは通信可能とされており、情報処理端末1は判断結果を医療施設端末3に送信する。
【0038】
また、図7に示すように、蓄積装置4と医療施設端末3とを通信可能とし、蓄積装置4から直接医療施設端末3に送信してもよい。この際、情報処理端末1は、蓄積装置4に対して、どの医療施設に設置された医療施設端末3に判断結果を送信するかを指定できるようにすると好ましい。複数の医療施設端末3がある場合に対応できる。
【0039】
上記の構成によると、情報処理端末1でなく、蓄積装置4において異物データを蓄積し、判断するので、情報処理端末1のメモリの容量が小さくてすむ。したがって、情報処理端末1を小型化することができる。
【0040】
また、上記実施形態においては、異物データを最新のデータに更新させていたが、生体試料情報も最新のデータに更新できるようにしてもよい。DNAや血液型等の不変のもの以外の生体試料情報、例えば、抗体の有無や血糖値等の生体試料情報は、健康状態等に大きく左右されるものである。したがって、生体試料情報を最新のものに更新することにより、最新の生体試料情報と異物データとの間で適合性を判断できるので、判断結果をより正確なものとすることができる。
【0041】
情報処理端末は、最新の生体試料情報を保有するために、適合性の判断動作を開始させる入力があったときに、情報処理端末が保有している生体試料情報が最新データであるか否かを確認し、最新データでない場合には検査機関5より最新の生体試料情報を取得すればよい。また、定期又は不定期的に検査機関5から生体試料情報を取得したり、検査機関5から更新された生体試料情報がある旨の通知があったときに検査機関5から生体試料情報を取得したりすることにより、常に情報処理端末の生体試料情報を最新のものにしておいてもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、異物データベースに格納されている異物データ全てについて、被験者との適合性の判断結果を出力したが、異物データの量は大量であるため、被験者や医者等のシステム使用者が必要とする異物データに対しての判断結果を出力できるようにしてもよい。具体的には、異物データベースに格納されている異物データを種類により区分し、分類づけておく。システムの使用者が、情報処理端末1の入力部で必要な異物データの分類を選択入力する。その入力信号を受けた情報処理端末1又は蓄積装置4の制御部は、選択された区分の異物データと生体試料情報とを照合し、その適合性の判断結果を出力する。または、全ての異物データと生体試料情報との適合性を判断しておき、選択された区分の異物データの判断結果を出力するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態の適合性判断システムの概略の構成を示す図
【図2】適合性判断の動作を説明するフローチャートを示す図
【図3】異物データの一例を示す図
【図4】判断結果の出力の一例を示す図
【図5】他の実施形態の適合性判断システムの概略の構成を示す図
【図6】他の実施形態の適合性判断システムにおける通信動作のタイムチャートを示す図
【図7】他の実施形態の適合性判断システムにおける他の通信動作のタイムチャートを示す図
【符号の説明】
【0044】
1 情報処理端末
2 異物データベース
3 医療施設端末
4 蓄積装置
5 検査機関

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の生体試料情報を有する情報処理端末と、複数の異物データを蓄積する異物データベースとを有し、前記情報処理端末と前記異物データベースとが通信可能とされたシステムであって、
前記情報処理端末は、前記異物データベースから最新の異物データを取得して保有しており、生体試料情報と異物データとを照合することにより、被験者と各異物との適合性を判断することを特徴とする適合性判断システム。
【請求項2】
被験者の生体試料情報を有する情報処理端末と、複数の異物データを蓄積する異物データベースと、前記生体試料情報と前記異物データとを照合することにより、被験者と各異物との適合性を判断し、判断結果を前記情報処理端末に送信する蓄積装置とを有し、前記情報処理端末及び異物データベースと、前記蓄積装置とが通信可能とされたシステムであって、
前記蓄積装置は、前記情報処理端末から取得した生体試料情報を記憶するとともに、前記異物データベースから最新の異物データを取得して記憶することを特徴とする適合性判断システム。
【請求項3】
前記情報処理端末が、医療施設に設置されたことを特徴とする請求項1又は2記載の適合性判断システム。
【請求項4】
医療施設に設置され、前記情報処理端末から判断結果を受信する端末装置が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の適合性判断システム。
【請求項5】
生体試料情報を作成する検査機関が設けられ、該検査機関は、前記情報処理端末に生体試料情報を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の適合性判断システム。
【請求項6】
前記情報処理端末は、携帯電話であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の適合性判断システム。
【請求項7】
前記生体試料は、血液又はDNAであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の適合性判断システム。
【請求項8】
前記異物は、薬剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の適合性判断システム。
【請求項9】
複数の異物データを蓄積する異物データベースと通信可能とされ、被験者の生体試料情報を有する情報処理端末であって、
前記異物データベースから最新の異物データを取得して保有する手段と、生体試料情報と異物データとを照合することにより、被験者と各異物との適合性を判断する手段とを備えたことを特徴とする情報処理端末。
【請求項10】
被験者の生体試料情報を有する情報処理端末と、複数の異物データを蓄積する異物データベースとに通信可能とされ、前記生体試料情報と前記異物データとを照合することにより、被験者と各異物との適合性を判断し、判断結果を前記情報処理端末に送信する蓄積装置であって、
前記情報処理端末から取得した生体試料情報を記憶し、前記異物データベースから最新の異物データを取得して記憶する手段を備えたことを特徴とする蓄積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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