説明

遮熱透湿防水シート

【課題】 透湿防水性および通気性を確保しながらも、赤外線反射率を減少させることなく、可視光線反射のみを巧みに低減させて、作業者の眩輝による羞明感を抑制することによって布設作業性・安全性を向上することができる遮熱透湿防水シートを提供すること。
【解決手段】 透湿防水シート層1を具備する一方、熱可塑性樹脂製のシート基材21の表面には、光沢金属材料が所定厚さで蒸着されて成る金属蒸着層22を設けて、かつ、この金属蒸着層22の表面には、無色透明の熱可塑性樹脂生地23aに遮光粒子23bを混合して略均等に分布して成る表面保護層23を一体に積層して遮熱シート層2を形成するとともに、この遮熱シート層2には、多数の貫通孔24を所定間隔で開設して、前記透湿防水シート層1と遮熱シート層2とを積層一体化した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用資材の改良、更に詳しくは、透湿防水性および通気性を確保しながらも、赤外線反射率を減少させることなく、可視光線反射のみを巧みに低減させて、作業者の眩輝による羞明感を抑制することによって、布設作業性・安全性を向上することができる遮熱透湿防水シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、住宅などの建造物においては、断熱性、透湿性および防水性を備えたシート材を壁面に布設することによって、外部からの物理的影響を遮断して室内を快適に保つことができる。
【0003】
従来の建材シート材にあっては、これらの機能を付与するために、不織布の表面に、アルミ蒸着フィルムに通孔を設けたシートを積層した構造を有するものが開示されており(例えば、特許文献1参照)、透湿防水性を付与して、かつ、アルミ蒸着フィルムにより赤外線(遠赤外線)(波長2〜14μm)および可視光線(波長350nm〜750nm)を反射することができ、サイディングなどの建物の外壁材からの輻射熱を壁面および室内に伝播させないようにすることができる。
【0004】
しかしながら、かかるシート構造にあっては、アルミ蒸着層による遮熱効果は認められるが、設けられた通孔の孔径(0.001〜0.1mm)および孔数(25万〜50万個/m)では、総面積が小さ過ぎて、適切な透湿防水効果を得ることができないという問題がある。
【0005】
また、かかるシート材は、アルミ蒸着層における可視光線の反射率が大きいため、布設施工する際に、可視光線の大半(90%以上)を反射するため非常に眩しく、作業者の眩輝による羞明感により、手元が狂ってうまく貼り付けることができなかったり、或いは、作業者の安全性が損なわれたりして、作業性の低下を招くおそれがあった。
【0006】
一方、この可視光線の反射を低減するために、反射層の表面に顔料などの遮光物質を配置することもできるが、この遮光物質自体が熱を吸収してしまい、赤外線の反射を減少させてしまうため、この二律背反的課題の解決が望まれていた。
【0007】
また、布帛もしくは一般的な透湿防水シートなどの基布に直接アルミ蒸着して、遮熱性能と透湿防水性能とを兼備せしめたものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
しかしながら、基布に直接アルミ蒸着するため、布帛の孔が塞がれて透湿性が損なわれてしまい、さらに不均一な不織布表面に蒸着されたアルミ蒸着層は、表面が凹凸であって平滑ではないため、赤外線が乱反射して、十分な遮熱性能を得ることができないという問題があった。
【特許文献1】特許第3621452号公報(第2−3頁、図1)
【特許文献2】特開2008−69539号公報(第3−6頁、図1−2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の建材用のシート材に、上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、透湿防水性および通気性を確保しながらも、赤外線反射率を減少させることなく、可視光線反射のみを巧みに低減させて、作業者の眩輝による羞明感を抑制することによって、布設作業性・安全性を向上することができる遮熱透湿防水シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0011】
即ち、本発明は、透湿防水シート層1を具備する一方、熱可塑性樹脂製基材21の表面には、光沢金属材料が所定厚さで蒸着されて成る金属蒸着層22を設けて、かつ、この金属蒸着層22の表面には、無色透明の熱可塑性樹脂生地23aに遮光粒子23bを混合して略均等に分布して成る表面保護層23を一体に積層して遮熱シート層2を形成するとともに、この遮熱シート層2には、多数の貫通孔24を所定間隔で開設して、
前記透湿防水シート層1と遮熱シート層2とを積層一体化して、この遮熱シート層2の金属蒸着層22において赤外線を反射可能にするとともに、前記遮光粒子23bおよび貫通孔24によって、当該金属蒸着層22における可視光線の反射を低減せしめるという技術的手段を採用したことによって、遮熱透湿防水シートを完成させた。
【0012】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、遮熱シート層2の金属蒸着層22の光沢金属材料をアルミニウムにするという技術的手段を採用することができる。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、遮熱シート層2の表面保護層23の遮光粒子23bの平均粒径を5〜300nmにするという技術的手段を採用することができる。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、遮熱シート層2の表面保護層23の遮光粒子23bを酸化チタンにするという技術的手段を採用することができる。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、遮熱シート層2の表面保護層23の遮光粒子23bの酸化チタンの含有量を、熱可塑性樹脂生地23aの100重量部に対し、0.1〜1.5重量部(好ましくは0.2〜1.0重量部)にするという技術的手段を採用することができる。
【0016】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、遮熱シート層2の表面保護層23の厚みを10〜15μmにするという技術的手段を採用することができる。
【0017】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、遮熱シート層2の貫通孔24の孔径を0.3〜0.7mmにして、かつ、シート表面において50万〜100万個/mで分布させるという技術的手段を採用することができる。
【0018】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、不織布11の表面に多孔性の透湿防水フィルム12を貼着一体化して透湿防水シート層1を構成するという技術的手段を採用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、透湿防水シート層を具備する一方、熱可塑性樹脂製基材の表面には、光沢金属材料を所定厚さで蒸着されて成る金属蒸着層を設けて、かつ、この金属蒸着層の表面には、無色透明の熱可塑性樹脂生地に遮光粒子を混合して略均等に分布して成る表面保護層を一体に積層して遮熱シート層を形成するとともに、この遮熱シート層には、多数の貫通孔を所定間隔で開設して、前記透湿防水シート層と遮熱シート層とを積層一体化して、この遮熱シート層の金属蒸着層において赤外線を反射可能にするとともに、前記遮光粒子および貫通孔によって、当該金属蒸着層における可視光線の反射を低減せしめることができる。
【0020】
したがって、本発明の遮熱透湿防水シートは、透湿防水性および通気性を確保しながらも、赤外線反射率を減少させることなく、可視光線反射のみを巧みに低減させて、作業者の眩輝による羞明感を抑制することによって、布設作業性・安全性を向上することができることから、産業上における利用価値は頗る高いと云える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると次のとおりである。
【0022】
本発明の実施形態を図1から図4に基づいて説明する。図1中、符号1で指示するものは透湿防水シート層であり、この透湿防水シート層1は、透湿防水性能を有するものであれば特に構成を問わないが、本実施形態では、不織布11の表面に多孔性の透湿防水フィルム12を貼着一体化して構成されている。
【0023】
不織布11を用いる場合には、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布が好ましく、中でも、ポリエステルまたはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布又はニードルパンチ不織布がより好ましい。また、不織布11の目付は20〜100g/m(本実施形態では、50g/m)に設定するのが好ましい。このような範囲に設定することにより、施工時に外側多孔性ポリオレフィンフィルム層が露出して傷付けられるようなことを十分に防止できるし、透湿防水シートとして軽量性、保温性、防音性、緩衝性に優れたものとなる。
【0024】
そして、本実施形態に用いる透湿防水フィルム12は、ポリエチレン(PE)製の多孔性通気フィルムであり、通孔サイズは約17μmである。
【0025】
また、符号2で指示するものは遮熱シート層であり、この遮熱シート層2は、まず、シート状の熱可塑性樹脂製基材21の表面に、光沢金属材料を所定厚さで蒸着して金属蒸着層22を設ける。本実施形態の熱可塑性樹脂製基材21は、延伸ポリプロピレン(OPP:Oriented-Poly-Propylene)を使用材料として、厚さ20μmに形成する一方、また、金属蒸着層22の光沢金属材料を、反射性の良好で蒸着も容易なアルミニウムを採用して、蒸着厚さを45nmにする。
【0026】
次いで、金属蒸着層22の表面には、無色透明の熱可塑性樹脂生地23aに遮光粒子23bを混合して略均等に分布して成る表面保護層23を一体に積層(ラミネート)する。本実施形態では、熱可塑性樹脂生地23aの使用材料として、LLDPE(Linear-Low-Density-Polyethylene:線状低密度ポリエチレン)を採用する。
【0027】
また、遮光粒子23bに酸化チタン(TiO)を採用して、かつ、この酸化チタンの含有量を、熱可塑性樹脂生地23aの100重量部に対し、0.1〜1.5重量部(より好ましくは0.2〜1.0重量部)にするとともに、平均粒径を5〜300nm(本実施形態では、210nm)にすることによって、好適な可視光線の反射低減が実現可能である。なお、0.1重量部以下では可視光線反射率の低減が低くなり、1.5重量部以上では、赤外線反射率が悪くなる。
【0028】
更にまた、本実施形態では、遮熱シート層2の表面保護層23の厚みを10〜15μm(本実施形態では、12μm)にすることによって、各光線の反射率を適量に調節することができる。なお、厚みが10μm以下では耐久性が低くて金属蒸着層22を損傷してしまうおそれがあるし、逆に、15μm以上では赤外線反射率が悪くなるとともに、コストもかかってしまう。
【0029】
また、こうして積層したシート層に、多数の貫通孔24を所定間隔で開設する。本実施形態では、これらの貫通孔24の孔径を0.3〜0.7mm(より好ましくは0.4〜0.6mm、本実施形態では、0.4mm)にして、かつ、シート表面において50万〜100万個/m(より好ましくは50〜90万個/m、本実施形態では、60万個/m)で分布させる。また、貫通孔24によるシート上の開口率を10〜15%にする。
【0030】
こうすることによって、良好な透湿防水性および通気性を確保して、かつ、可視光線の反射を低減することができる。なお、孔径が0.3mm以下または孔数50万個/m以下では、透湿性が悪くなり、逆に、孔径が0.7mm以上または孔数100万個/m以上では、赤外線反射率が悪くなる。
【0031】
そして、前記透湿防水シート層1の透湿フィルム12側と遮熱シート層2の熱可塑性樹脂製基材21側とをホットメルト系接着剤(オレフィン系、ゴム系、EVA系、アクリル系など)を介して積層一体化することによって、本発明の遮熱透湿防水シートが完成される(図2参照)。
【0032】
このように構成したことにより、遮熱シート層2の金属蒸着層22において赤外線が反射可能であるとともに、前記遮光粒子23bおよび貫通孔24によって、金属蒸着層22における可視光線の反射を低減することができる。
【0033】
<赤外線反射試験>
次に、本発明品の赤外線反射性能について試験した結果を図3から図5のグラフに基づいて説明する。図中の各試料(1)〜(3)は、それぞれ
(1)酸化チタンを熱可塑性樹脂生地に0.6重量部混合したもの(本発明品)
(2)酸化チタンを熱可塑性樹脂生地に1.0重量部混合したもの(本発明品)
(3)酸化チタンを含まない熱可塑性樹脂生地のみが最表面にあるもの(従来品)
を示しており、シートの任意の箇所を約3cm角に切り出して測定に用いた。測定エリアは、試料中央部のφ10mmである。
【0034】
「分析方法」
本試験の分析には、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR:Fourier-Transform-Infrared-Spectroscopy)を用いる。
【0035】
「測定方法」
本試験では、赤外分光用積分球を用いた反射率測定を行った。試料中央部付近において直行方向に2回測定を行い、2回の平均値を測定値とした。測定条件の詳細は以下の通りである。
測定装置 :IFS-66v/S(Bruker社製FT-IR、真空光学系)
光源 :グローバー(SiC)
検知器 :MCT(HgCdTe)
ビームスプリッター:Ge/KBr
測定条件
分解能 =4cm−1
積算回数 =512回
ゼロフィリング =2倍
アポダイゼーション=三角形
測定領域 =5000〜715cm−1(2〜14μm)
測定温度 =室温(約25℃)
付属装置 :透過率・反射率測定用積分球
<反射率測定>
参照試料 :diffuse-gold(Labsphere社製)[拡散反射成分]
Au蒸着膜(値付けを行ったもの)[正反射成分]
入射角 :10°
光のスポット径 :約φ10mm
繰り返し精度 :約±1%
スペキュラートラップ使用[拡散反射成分測定時]
<透過率測定>
入射角 :0°
光のスポット径 :約φ10mm
繰り返し精度 :約±1%
【0036】
「測定結果」
測定の結果、得られた赤外線反射率スペクトルは、図3から5に示したとおりである(波長領域:2〜14μm)。
図3:各試料の反射率スペクトル
図4:各試料の正反射成分の反射率スペクトル
図5:各試料の拡散反射成分の反射率スペクトル
【0037】
この結果によれば、赤外線の波長領域2〜35μmにおいて、高い反射性能を有することがわかる。なお、一般的な外壁材として使用されている窯業系サイディングが放射するピークの波長領域は7〜13μmである。これは、発熱体の温度上昇と発熱体が放射する熱線のピーク波長との関係を示すウィーンの変位則によると、最大ピーク波長は、外壁が50〜70℃のとき、8〜9μmとなるのであるが、ピーク部分には幅があるために、短波長側を7μm、長波長側を13μmとするのが妥当だからである。
【0038】
<可視光線反射試験>
次に、本発明品の可視光線反射性能について試験した結果を図6のグラフに基づいて説明する。
「分析方法」
積分球を用いて透過率・反射率スペクトルを測定する。
測定装置 UV−3101PC型自記分光光度計(島津製作所社製)
スリット幅 30nm{7.5(250−860),30(−2500)}
SlitProgram Normal
測定速度 SLOW(約4Points/sec)
光源 ハロゲンランプ(340nm以上)
重水素ランプ(340nm以下)
検出器 PMT(860nm以下)
PbS(860nm以上)
副白板 BaSO
入射角 7°
標準白色版 Labsphere社製(米国:拡散反射成分)
Al蒸着鏡 東レ社による値付け(正反射成分)
付属装置 大形試料室(60φ):透過率スペクトル
大形積分球(150φ):反射率スペクトル
データ処理装置(MBC17JH20/PC9801)
【0039】
「結果と考察」
図6は、各試料の正反射成分の反射率スペクトルを表わすグラフであり、図中の各試料(1)〜(3)は、それぞれ
(1)酸化チタンを熱可塑性樹脂生地に0.6重量部混合したもの(本発明品)
(2)酸化チタンを熱可塑性樹脂生地に1.0重量部混合したもの(本発明品)
(3)熱可塑性樹脂生地のみが最表面にあるもの(従来品)
を示している。本実施品である(1)、(2)は、可視光線領域350〜750nmにおける可視光線反射率を低減していることがわかる。
【0040】
<透湿性能試験>
本発明品の透湿性能を、JIS A 6111 2004 透湿性試験方法(透湿抵抗)に基づき測定した。
<防水性能試験>
また、本発明品の防水性能を、JIS A 6111 2004 防水性試験方法(静水圧法)に基づき測定した。
これらの性能試験結果を以下に示す。
【表1】

【0041】
この〔表1〕より、本発明品(実施例1〜5)については、遠赤外線の反射率が85%以上であって、依然高い数値で減少しておらず、かつ、可視光線反射率は10%以下であって、効果的に低減されていることが確認された。
【0042】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、シートに使用する熱可塑性樹脂材料は、低密度ポリエチレン(LDPE)や線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)などを採用することができる。
【0043】
また、遮熱シート層2の表面保護層23の遮光粒子23bも酸化チタンに限らず、白色の顔料などを採用することもでき、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態のシートの構造を表わす説明断面図である。
【図2】本発明の実施形態のシートの構造を表わす分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態のシートの赤外線反射率の測定結果を表わすグラフである。
【図4】本発明の実施形態のシートの正反射成分の赤外線反射率の測定結果を表わすグラフである。
【図5】本発明の実施形態のシートの拡散反射成分の赤外線反射率の測定結果を表わすグラフである。
【図6】本発明の実施形態のシートの可視光線正反射率の測定結果を表わすグラフである。
【符号の説明】
【0045】
1 防水透湿シート層
11 不織布
12 透湿フィルム
2 遮熱シート層
21 熱可塑性樹脂製基材
22 金属蒸着層
23 表面保護層
23a 熱可塑性樹脂生地
23b 遮光粒子
24 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透湿防水シート層1を具備する一方、熱可塑性樹脂製基材21の表面には、光沢金属材料が所定厚さで蒸着されて成る金属蒸着層22が設けられ、かつ、この金属蒸着層22の表面には、無色透明の熱可塑性樹脂生地23aに遮光粒子23bが混合されて略均等に分布して成る表面保護層23が一体に積層されて遮熱シート層2が形成されるとともに、この遮熱シート層2には、多数の貫通孔24が所定間隔で開設されており、
前記透湿防水シート層1と遮熱シート層2とが積層一体化され、この遮熱シート層2の金属蒸着層22において赤外線が反射可能であるとともに、前記遮光粒子23bおよび貫通孔24によって、当該金属蒸着層22における可視光線の反射を低減せしめることを特徴とする遮熱透湿防水シート。
【請求項2】
遮熱シート層2の金属蒸着層22の光沢金属材料がアルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の遮熱透湿防水シート。
【請求項3】
遮熱シート層2の表面保護層23の遮光粒子23bの平均粒径が5〜300nmであることを特徴とする請求項1または2記載の遮熱透湿防水シート。
【請求項4】
遮熱シート層2の表面保護層23の遮光粒子23bが酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の遮熱透湿防水シート。
【請求項5】
遮熱シート層2の表面保護層23の遮光粒子23bの酸化チタンの含有量が、熱可塑性樹脂生地23aの100重量部に対し、0.1〜1.5重量部であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の遮熱透湿防水シート。
【請求項6】
遮熱シート層2の表面保護層23の厚みが10〜15μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の遮熱透湿防水シート。
【請求項7】
遮熱シート層2の貫通孔24の孔径が0.3〜0.7mmであって、かつ、シート表面において50万〜100万個/mで分布していることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の遮熱透湿防水シート。
【請求項8】
不織布11の表面に多孔性の透湿防水フィルム12を貼着一体化して透湿防水シート層1が構成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の遮熱透湿防水シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−43450(P2010−43450A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207576(P2008−207576)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【出願人】(000214043)蝶理株式会社 (14)