説明

選別コンベヤへの青果物供給装置

【課題】比較的傷つきやすいサクランボ等の青果物を選別コンベヤに供給する作業において、作業者の負担を軽減し供給ミスを抑制することができる供給装置を実現する。
【解決手段】青果物Sを搬送する供給用コンベヤ20が、青果物Sを第1の方向(X軸方向)に順次搬送する選別コンベヤ7の移し替え部13に接続されていて、選別コンベヤ7における青果物1個分を搬送するための移動量L1に同期する供給用コンベヤ20の移動量L2は、L1>L2の関係となるように設定されていて、供給用コンベヤ20における移動量L2分の領域には、青果物を載置するための載置部21a,21b,21cが第2の方向(Y軸方向)に沿って複数設けられ、これら複数の載置部21a,21b,21cのうちのいずれか1つに青果物Sが載置されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物を選別するための選別コンベヤを備えた装置に、青果物を供給するための供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、青果物の中でも、サクランボ、梅、枇杷等の青果物は、取り扱いに際して比較的傷付きやすいが、選別しないものよりも、選別して粒を揃えたものの方が高値で売れること等の理由により、選別が行われている(特許文献1等)。そのため、これらの青果物を選別装置で選別する際には、コンベヤで搬送されるトレイに、作業者が手作業で1個ずつ載せる等して傷付きの防止を図っていた。
【特許文献1】実用新案登録第2542354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、収穫期には、選別すべき青果物の数量が非常に多くなり、選別のスピードアップが求められる。そのため、選別コンベヤのスピードに合わせて作業者がトレイへの供給作業を行っていると、作業者の疲労度が著しく大きくなり、トレイに青果物を供給し損なう作業ミスが発生することもあった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するものであり、比較的傷つき易いサクランボ等の青果物を選別コンベヤに供給する作業において、選別の速度を落とすことなく、作業者の負担を軽減し供給ミスを抑制することができる供給装置の実現を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明における選別コンベヤへの青果物供給装置は、青果物を第1の方向に順次搬送する選別コンベヤに、青果物を供給するための供給装置であって、前記選別コンベヤに設けた移し替え部に接続され、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って青果物を搬送する供給用コンベヤが備えられ、前記選別コンベヤにおける青果物1個分を搬送するための移動量L1に同期する前記供給用コンベヤの移動量L2は、L1>L2の関係となるように設定されていて、前記供給用コンベヤにおける移動量L2分の領域には、青果物を載置するための載置部が第2の方向に沿って複数設けられ、これら複数の載置部のうちのいずれか1つに青果物が載置されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の選別コンベヤへの青果物供給装置において、前記選別コンベヤには、青果物を1個ずつ載置するトレイが第1の方向に沿って1列に設けられていて、前記移動量L1は、前記トレイの第1の方向の長さ寸法であることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の選別コンベヤへの青果物供給装置において、前記供給用コンベヤでは、第2の方向に隣接する載置部同士が、前記第2の方向に直交する方向に互いに位置ズレして配置されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の選別コンベヤへの青果物供給装置において、前記供給用コンベヤの移動量L2分の領域内では、第2の方向に沿って配置された複数の載置部は列状に配置されていて、この列は、当該供給用コンベヤの搬送方向下流側に位置する載置部が、前記選別コンベヤの搬送方向上流側に偏倚し、当該供給用コンベヤの搬送方向上流側に位置する載置部が、前記選別コンベヤの搬送方向下流側に偏倚するように、平面視で傾斜して配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の選別コンベヤへの青果物供給装置において、前記載置部は、前記供給用コンベヤの表面に設けた凹所、または仕切りによって区画された部位であることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の選別コンベヤへの青果物供給装置において、前記供給用コンベヤにおける移動量L2分の領域は、隣接する領域同士を肉眼によって識別できるように形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、選別コンベヤの移し替え部に供給用コンベヤが接続されているから、供給用コンベヤに載せられて第2の方向に搬送された青果物は、供給用コンベヤの搬送方向の下流側の端部で、選別コンベヤに載り移り、第2の方向に交差する第1の方向に搬送される。
【0012】
選別コンベヤにおける青果物1個分を搬送するための移動量L1に同期する供給用コンベヤの移動量L2は、L1>L2の関係となるように設定されていて、供給用コンベヤの方が選別コンベヤよりも搬送速度が遅くなるから、作業者は、選別コンベヤの指定箇所(移動量L1分の領域)に青果物を1個ずつ載せるよりも、供給用コンベヤの指定箇所(移動量L2分の領域)に青果物を1個ずつ載せる方が、疲労が軽減される。
【0013】
また、供給用コンベヤにおける移動量L2分の領域には、青果物を載置するための載置部が第2の方向に沿って複数設けられていて、これら複数の載置部のうちのいずれか1つに青果物を載置すればよい。そのため、移動するコンベヤ上の指定された1箇所に載せる場合よりも、作業負担が軽減される。
【0014】
すなわち、本発明の供給用コンベヤは、選別コンベヤよりも移動速度を遅くできるうえに、青果物を載置する載置部を複数の中から自由に選べるので、選別コンベヤに青果物を1個ずつ供給する場合に比べて、作業者の負担が軽減され、供給もれ(抜け)等の作業ミスも改善できる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、選別コンベヤに1列で搬送されるトレイに、青果物が1個ずつ載置され、このトレイの第1の方向の長さ寸法が前記移動量L1となっている。つまり、トレイの第1の方向の長さ分の移動に、供給用コンベヤにおける青果物1個分を搬送する移動量L2が同期しているから、移し替え部では、供給用コンベヤが移動量L2分移動することで、トレイに青果物が1個ずつ移し替えられる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明によれば、第2の方向に隣接する載置部同士は、第2の方向に直交する方向に位置ズレして配置されている。そのため、移動量L2分の領域には、1個ずつ青果物が載置されるが、隣接する移動量L2の領域の境界を挟んで隣接する載置部同士に、青果物を載置することになっても、青果物がぶつかり合うことを避けることができる。その結果、載置部の第2の方向の配置間隔を狭くでき、供給用コンベヤに載置部を多数形成することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、移動量L2分の領域内において、複数の載置部からなる列は、その供給用コンベヤの搬送方向下流側に位置する載置部が、前記選別コンベヤの搬送方向上流側に偏倚し、該供給用コンベヤの搬送方向上流側に位置する載置部が、前記選別コンベヤの搬送方向下流側に偏倚するように配置されている。つまり、選別コンベヤの搬送方向と、供給用コンベヤの搬送方向は交差しているので、載置部の配列を上述のように傾斜させることで、何れの載置部に青果物が載置していても、選別コンベヤの移動に対応させて、青果物を選別コンベヤの指定の位置(移動量L1分の領域)に移し替えることが可能となる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、載置部は供給用コンベヤの表面に設けた凹所、または仕切りによって区画された部位であるから、載置部に青果物を安定して載置することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、供給用コンベヤにおける移動量L2分の領域は、隣接する領域同士を肉眼によって識別できるように形成されている。移動量L2分の領域には、青果物を1個ずつ載置しなければならないが、隣接する領域同士を識別し易いから、1つの領域に複数の青果物を載置したり、1つの領域に青果物を載置し忘れたりする作業ミスを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明を具体化した実施形態を、図1〜図4を用いて説明する。図1は、青果物を供給する供給装置1が接続された選別装置2の側面図である。なお、本発明は、比較的傷付きやすく小型の青果物に好適で、このような青果物として、サクランボ、梅、枇杷、イチゴ等がある。この実施形態では、サクランボを例示して説明する。
【0021】
選別装置2は、4本の脚3で支えられるコンベヤフレーム4を有していて、コンベヤフレーム4の長手方向に離間して配置された駆動スプロケット5と従動スプロケット6とに無端帯の選別コンベヤ7が巻き掛けられている。選別コンベヤ7の搬送方向を第1の方向(X軸方向)とする。
【0022】
この選別コンベヤ7の表面には、サクランボSを1個載せるためのトレイ10が一定のピッチで1列に取り付けられている。トレイ10の搬送方向(X軸方向)の長さ寸法をL1とし、トレイ10同士の間には、僅かに隙間ΔL1が設けられている(図3(a)参照)。駆動スプロケット5は、コンベヤフレーム4の下方に取り付けられた駆動モータ8に連結されていて、選別コンベヤ7は図1において時計回りに移動する。駆動モータ8の回転速度は制御部9で変更することができ、選別コンベヤ7の搬送速度と後述する供給用コンベヤ20の搬送速度とを調節できるようにしている。
【0023】
トレイ10は、その下部が選別コンベヤ7に取り付けられていて、上部の受け部10aは搬送方向に直交する方向(左右)に傾倒可能に設けられている。受け部10aは、プラスチック素材で、その平面視の中央部にはサクランボSを安定的に搬送するための窪み10bが形成されていて、周囲部から中央部に向かって下り傾斜になるように、全体として略角錐状またはすり鉢状に形成されている(図3(b)参照)。各トレイ10の一方の外側面には、これを識別するためのIDチップ10cが埋め込まれている(図3(a)参照)。
【0024】
選別装置2の選別コンベヤ7における搬送方向上流(送り始端)側には、供給装置1からサクランボSを移し替えるための移し替え部13を設けている。供給装置1は、図示しない支持体によって立設されていて、サクランボSを搬送するための供給用コンベヤ20を備えており、この供給用コンベヤ20は、選別コンベヤ7の延びる第1の方向(X軸方向)に直交する第2の方向(Y軸方向)に延びるように設けられている。移し替え部13では、サクランボSが、供給用コンベヤ20の搬送の終端からトレイ10に落下して移し替えられるため、選別コンベヤ7に近接する上方に供給用コンベヤ20の搬送の終端が配置されている。
【0025】
供給用コンベヤ20は、図2(b)に示すように、無端帯のタイミングベルトであって、第2の方向(Y軸方向)に離間して配置されている駆動スプロケット21と従動スプロケット22とに掛け渡されていて、図2(b)において時計回りに移動する。駆動スプロケット21のn駆動は、選別装置1の選別コンベヤ7の駆動に連動するように制御部9で制御されている。供給用コンベヤ20の幅方向(X軸方向)の寸法はトレイ10の長さ寸法と同じL1に設定している。
【0026】
選別コンベヤ7の中途部であって、移し替え部13よりも搬送方向下流側には、測定部14が設けられている。測定部14は箱状のケースの内部に、サクランボSの果肉部の大きさや糖度を測定する手段として、近赤外線などをサクランボSに照射する光源や、その透過光を受光する受光部などが設けられている。そして、大きさ及び糖度の測定データに基づき、サクランボSの分類を判別している。
【0027】
この実施形態では、基準値以上の糖度を有するサクランボSを、さらにサイズによって4種類(S、M、L、2L)に分類するようにしている。なお、測定データは、測定対象となったサクランボSのトレイ10のIDチップ10cの識別情報と関連づけて、管理コンピュータとしてのコントローラ11に記憶される。
【0028】
測定部14と移し替え部13との間には、サクランボSがトレイ10に載っているか否かを検出するための有無検出センサ12が設けられている。有無検出センサ12は、フォトリフレクタ式のセンサであって、サクランボSに照射する発光部と、サクランボSからの反射光を受光する受光部とを有している。トレイ10の配置間隔を略等しい間隔でサクランボSからの反射光が受光されない場合には、トレイ10にサクランボSが載っていないと判断して、エラーを発信(音や光等で報知)するようにしている。有無検出センサ12の方式は、上述のものに限定するものではなく、フォトインタラプタ式のセンサや、その他の方式を採用してもよい。
【0029】
測定部14の搬送方向下流側には、サクランボSを分類毎に仕分けるための仕分部15が、分類数(ここでは4種類)に応じて搬送方向に沿って並設されている。各仕分部15には、トレイ10の受け部10aを傾倒させるためのトレイ傾倒手段16と、傾倒したトレイ10から落下したサクランボSを容器17に転動(摺動)させるためのシュータ18とを備えている。
【0030】
トレイ傾倒手段16は、例えば、測定部14のコントローラ11に接続されているソレノイド16aにアーム16bを連結した構造に形成されている。また、各トレイ傾倒手段16の搬送方向上流側の側面(側方)には、各トレイ10のIDチップ10cを読み取るための検出センサ19がそれぞれ設けられていて、検出センサ19はコントローラ11に接続されている。検出センサ19には赤外線センサ等が好適である。
【0031】
測定部14から出て搬送されるトレイ10のIDチップ10cを検出センサ19で検出すると、この検出情報に基づいて、コントローラ11はトレイ傾倒手段16に動作の指示を出す。つまり、トレイ10に載置されているサクランボSは、測定部14を通過した後には、その分類(S、M、L、2L)が個別に決定されているが、トレイ10が該当する分類の仕分部15に到達したことを当該仕分部15の検出センサ19が検出すると、その仕分部15のトレイ傾倒手段16が動作してトレイ10を傾倒させる。これにより、トレイ10から落下したサクランボSが、シュータ18を通って対応する容器17に収容される。
【0032】
また、選別コンベヤ7の搬送方向の最下流側の端部には、前記4種類の分類の何れにも属さない不適切なサクランボSを落下投入するための回収容器17aが設けられている。
【0033】
次に、供給装置1について説明する。供給用コンベヤ20は選別コンベヤ7と同期して搬送されるが、図3(a)に示すように、1つのトレイ10がその長さL1(移動量L1)だけ搬送されるのに同期して、供給用コンベヤは搬送方向の長さL2(移動量L2)だけ移動し、これらL1及びL2は、L1>L2の関係となるように設定されている。つまり、単位時間に移動する供給用コンベヤ20の移動量が、選別コンベヤ7の移動量よりも小さくなるように、供給用コンベヤ20の搬送速度を遅くしているのである。
【0034】
供給用コンベヤ20の移動量L2分の領域を単位領域22と称すると、この単位領域22毎にサクランボSが1つずつ載せられていて、供給用コンベヤ20と選別コンベヤ7との同期により、単位領域22に載せられたサクランボSが1つずつトレイ10に移し替えられる。
【0035】
供給用コンベヤ20の表面は、サクランボSを載せるためのくぼみ状の載置部21が多数形成されているが、この載置部21が、単位領域22に複数ずつ配置されている。供給用コンベヤ20の単位領域22には、作業者が手作業で1個ずつサクランボSを供給するが、このとき、単位領域22に設けられた複数の載置部21のうち、いずれの載置部21に載せてもよい。
【0036】
この実施形態では、単位領域22に3つずつ載置部21を設けていて、3つの載置部21は、第2の方向(Y軸方向)に沿って並び、且つ第1の方向(X軸方向)に位置ずれして配置されている。1つの単位領域22では、3つの載置部21a〜21cからなる列が、選別コンベヤ7の搬送方向上流側に向かうように傾斜する列状に配置されている。つまり、3つの載置部21のうち、最も搬送方向下流側に位置する載置部21aが、選別コンベヤ7の搬送方向上流側に対応して偏倚するように配置され、最も搬送方向上流側に位置する載置部21cが、選別コンベヤ7の搬送方向下流側に対応して偏倚するように配置され、載置部21aと載置部21cとを繋ぐ位置(中央位置)に、載置部21bが配置されている。
【0037】
選別コンベヤ7と供給用コンベヤ20とは同期しているが、移し替え部13で何れの載置部21a〜21cからサクランボSが選別コンベヤ7に落下したときでも、トレイ10の窪み10b近傍に落下するように、載置部21a〜21cの配置間隔及び選別コンベヤ7と供給用コンベヤ20との速度比を設定しているのである。
【0038】
すなわち、図4(a)に示すように、載置部21aが、供給用コンベヤ20の下流側端部に到達したときに、その前方にトレイ10の窪み10bが位置するようにしているから、載置部21aからサクランボSが落下すると、トレイ10の略中央部に収められる。同様に、図3(a)に示すように、載置部21bが、供給用コンベヤ20の下流側端部に到達したときに、その前方にトレイ10の窪み10bが位置するようにしているから、載置部21bからサクランボSが落下すると、トレイ10の略中央部に収められる。同様に、図4(b)に示すように、載置部21cが、供給用コンベヤ20の下流側端部に到達したときに、その前方にトレイ10の窪み10bが位置するようにしているから、載置部21cからサクランボSが落下すると、トレイ10の略中央部に収められる。
【0039】
もちろん、トレイ10の受け部10aは、前述したように窪み10bの周囲が、窪み10bに向かう下り傾斜になっているから、サクランボSが多少中央の窪み10bから外れた位置に落下しても、速やかに窪み10bに移動して収まるようになっている。
【0040】
従来であれば、選別コンベヤ7の決められた箇所に、作業者が1個ずつサクランボSを載置していたが、本実施形態の構成によれば、選別コンベヤ7の搬送速度を落とさずに、供給用コンベヤ20の搬送速度を遅くすることができるので、作業者は搬送速度の遅い方のコンベヤにサクランボSを載せることになる。また、指定された1箇所にサクランボSを載せるのではなく、単位領域22内の3つの載置部21a〜21cのうちのいずれか1つに載せればよい。従って、作業の負担や疲労が大幅に軽減されるその結果、供給忘れ(抜け)等のミスも予防でき、作業効率を改善できる。
【0041】
また、各単位領域22は、隣接する単位領域22同士を肉眼で識別し易くすることが望ましい。ここでは、1つの単位領域22の3つの載置部21を、特定の色(例えば、青色)で着色し、隣接する単位領域22の3つの載置部21を、前記特定の色と相違する色(例えば、黄色)で着色している。この他に、単位領域22の境界にラインを描いてもよいし、あるいは単位領域22全体を、隣接する単位領域22と相違する色で着色するようにしてもよい。このように、サクランボSを1個だけ供給するべき単位領域22を、明確に認識できるようにすることで、疲労の軽減を図ることができ、作業ミスの抑制効果も高められる。
【0042】
さらに、上記実施形態では、載置部21として、供給用コンベヤ20に凹設した窪みを採用したが、供給用コンベヤ20上に低く突設したリブ状の仕切りであってもよい。また、供給用コンベヤ20を、複数のコンベヤを並列させて構成してもよい。この実施形態では、図3(a)に1点鎖線で示すように、載置部21aの列、載置部21bの列、載置部21cの列をそれぞれ独立したコンベヤベルトで構成して、これら3つのコンベヤベルトを第1の方向(X軸方向)に密着させて並設してもよい。
【0043】
なお、本実施形態では、選別コンベヤ7は、搬送方向に隣接するトレイ10同士の間に隙間ΔL1を設けている形態を例示した。そのため、図3(a)に示すように、前記隙間ΔL1に対応する(同期する)ように、供給用コンベヤ20の単位領域22同士の間にも隙間ΔL2を設けるように構成している。トレイ10同士の間に隙間ΔL1を設けず密接させる場合には、供給用コンベヤ20同士の隙間ΔL2もなくすことができる。
【0044】
また、選別コンベヤ7では、トレイ10を使用せず、青果物を直接コンベヤ上に載せて1個ずつ前後に間隔をあけて搬送する場合もある。このような場合には、選別コンベヤ7において、青果物1個を載置するため領域の搬送方向の長さ分が、前記移動量L1となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態の供給装置が接続された選別装置の側面図である。
【図2】(a)は実施形態の供給装置が接続された選別装置の平面図、(b)は(a)のIIb−IIb線矢視側面図である
【図3】(a)は供給用コンベヤから選別コンベヤへの移し替えを説明する拡大平面図、(b)は(a)のIIIb−IIIb線矢視断面図である。
【図4】(a)及び(b)は供給用コンベヤから選別コンベヤへの移し替えを説明する拡大平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 供給装置
2 選別装置
7 選別コンベヤ
10 トレイ
10a 受け部
10b 窪み
12 有無検出センサ
13 移し替え部
14 測定部
15 仕分部
16 トレイ傾倒手段
20 供給用コンベヤ
21(21a〜21c) 載置部
22 単位領域
S サクランボ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
青果物を第1の方向に順次搬送する選別コンベヤに、青果物を供給するための供給装置であって、
前記選別コンベヤに設けた移し替え部に接続され、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って青果物を搬送する供給用コンベヤが備えられ、
前記選別コンベヤにおける青果物1個分を搬送するための移動量L1に同期する前記供給用コンベヤの移動量L2は、L1>L2の関係となるように設定されていて、
前記供給用コンベヤにおける移動量L2分の領域には、青果物を載置するための載置部が第2の方向に沿って複数設けられ、これら複数の載置部のうちのいずれか1つに青果物が載置されるように構成されていることを特徴とする選別コンベヤへの青果物供給装置。
【請求項2】
前記選別コンベヤには、青果物を1個ずつ載置するトレイが第1の方向に沿って1列に設けられていて、前記移動量L1は、前記トレイの第1の方向の長さ寸法であることを特徴とする請求項1に記載の選別コンベヤへの青果物供給装置。
【請求項3】
前記供給用コンベヤでは、第2の方向に隣接する載置部同士が、前記第2の方向に直交する方向に互いに位置ズレして配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の選別コンベヤへの青果物供給装置。
【請求項4】
前記供給用コンベヤの移動量L2分の領域内では、第2の方向に沿って配置された複数の載置部は列状に配置されていて、この列は、当該供給用コンベヤの搬送方向下流側に位置する載置部が、前記選別コンベヤの搬送方向上流側に偏倚し、当該供給用コンベヤの搬送方向上流側に位置する載置部が、前記選別コンベヤの搬送方向下流側に偏倚するように、平面視で傾斜して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の選別コンベヤへの青果物供給装置。
【請求項5】
前記載置部は、前記供給用コンベヤの表面に設けた凹所、または仕切りによって区画された部位であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の選別コンベヤへの青果物供給装置。
【請求項6】
前記供給用コンベヤにおける移動量L2分の領域は、隣接する領域同士を肉眼によって識別できるように形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の選別コンベヤへの青果物供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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