説明

選択肢生成提示装置及び選択肢生成提示プログラム

【課題】番組製作者などの関与なく、生の番組コメントに基づいてコメント選択肢を生成し、提示する選択肢生成提示装置を提供する。
【解決手段】選択肢生成提示装置20は、放送されている番組を視聴する視聴者からのコメントを放送局からの番組情報を用いて解析するコメント解析装置10の解析結果に基づいて、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する選択肢生成手段21と、選択肢生成部21によって生成されたコメントの選択肢を提示する選択肢提示手段22と、選択肢提示手段22によって提示されたコメントの選択肢から所望の選択肢を選択させる選択手段22aと、選択肢提示手段22によって生成されたコメントの選択肢を、コメント解析装置に送信する送信手段23と、を備え、選択手段22aによって選択された選択肢は、随時、コメント解析装置によって処理され、解析結果が更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択肢生成提示装置に関し、より詳細には、放送番組に寄せられた視聴者からのコメントを収集解析した結果から、視聴者が生成した生の番組コメントに基づくコメントの選択肢を生成し、提示する選択肢生成提示装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上の掲示板に書き込みを行うTwitterなどのサービスを介して、放送番組を視聴しながら番組に対する意見や感想を共有し、視聴者同士のコミュニケーションを図る「ソーシャルテレビ」と呼ばれる技術が一般化してきている(非特許文献1を参照)。これらの意見や感想などをテキストデータ形式にしたコメントと、番組コンテンツの動画データ、音声データ形式の動画像や音声とを関連付ける手法(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)により、番組制作者と視聴者との双方が、様々な視聴者の意見を知ることができるようになってきている。また、テレゴングやクイズ番組などで番組制作者が提供する選択肢を用いて、視聴者の意見や感想を収集する手法もある(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−283412号公報
【特許文献2】特開2008−283409号公報
【特許文献3】特開2002−329032号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Twitter http://twitter.com/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に開示された手法では、コメントをテキストデータで入力する必要があるため、コメントを投稿するユーザは、パーソナルコンピュータ(以後「パソコン」と呼ぶ)などの端末の扱いに慣れた一部のユーザに限定されてしまうという課題があった。また、特許文献3に開示された手法では、選択肢が番組制作者により作成されるため、収集される視聴者のコメントが、視聴者の番組に対する意見や感想を十分に反映するとは限らなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決するため、放送番組に寄せられた視聴者からのコメントを収集解析した結果から、番組製作者や、インターネットのプロバイダなど、サービスの提供者の関与なく、視聴者が生成した生の番組コメントに基づいてコメントの選択肢を生成し、提示する選択肢生成提示装置及びそのプログラムを提供することを一つの目的とする。
【0007】
また、視聴者がコメントを入力することができる機器は、例えば、パソコン、携帯電話、デジタル放送受信装置など、多様にある。そこで、本発明は、パソコンに限らず、視聴者が扱いうる機器、例えば、携帯電話、デジタル放送受信装置などの多様な環境から入力されうる視聴者からのコメントを処理することができる選択肢生成提示装置及びそのプログラムを提供することも目的の一つである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された選択肢生成提示装置は、放送番組に寄せられた視聴者からのコメントを収集解析した結果から、視聴者が生成した生の番組コメントに基づいてコメントの選択肢を生成する選択肢生成提示装置であって、放送されている番組を視聴する視聴者からのコメントを放送局からの番組情報を用いて解析するコメント解析装置の解析結果に基づいて、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する選択肢生成手段と、前記選択肢生成手段によって生成された前記コメントの選択肢を提示する選択肢提示手段と、前記選択肢提示手段によって提示された前記コメントの選択肢から所望の選択肢を選択させる選択手段と、前記選択肢提示手段によって生成された前記コメントの選択肢を、前記コメント解析装置に送信する送信手段と、を備え、前記選択手段によって選択された選択肢は、随時、前記コメント解析装置によって処理され、解析結果が更新される構成とした。
【0009】
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示装置は、番組を視聴する視聴者から放送局などにリアルタイムに寄せられた視聴者の番組に関するコメントから、番組製作者やインターネットのプロバイダなどのサービスの提供者が関与することなく、コメントの選択肢を適応的に生成して提示することができる。さらに、本発明の選択肢生成提示装置は、視聴者から提示したコメントの選択肢に対する応答を随時入力することができる。これにより、番組制作者は、視聴者からのコメントから番組のコンテンツに対してサービス提供者が関与しない率直な感想や意見及び人気度などを容易に得ることができる。また、本発明の選択肢生成提示装置は、得られたコメントの選択肢をコメント解析装置にフィードバックすることができる。
【0010】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の選択肢生成提示装置において、前記選択肢生成手段は、前記番組を番組内容又は時間に基づいて複数の区切りに分割し、前記複数の区切りの各々について、前記複数のコメントから前記解析結果に基づいて、コメントごとに含まれるコメント対象と感情表現との組み合わせをコメントの数の多い順番に所定の数だけ選択して、コメントの選択肢を生成する構成とした。
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示装置は、一定の番組の区切り内において、多くコメントされた「コメント対象」と「感情表現」の組み合わせに基づいて視聴者が生成した番組コメントからコメント選択肢を生成し、提示することができる。これにより、本発明の選択肢生成提示装置は、視聴者の番組に対する関心の対象と、その度合いを提示することができる。
【0011】
請求項3に記載された発明は、請求項1記載の選択肢生成提示装置において、前記選択肢生成手段は、代表選択肢用語テーブルを有し、前記代表選択肢用語テーブルを参照して、前記複数のコメントから前記解析結果に基づいて、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する構成とした。
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示装置は、コメントに含まれる表現を代表的な表現に変換できる。これにより、本発明の選択肢生成提示装置は、コメントの選択肢を、多くのユーザにわかりやすく提示することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の選択肢生成提示装置において、前記選択肢生成手段は、前記コメントの選択肢を提示するための機器の構成と表示可能なサイズに対応して、前記コメントの選択肢を生成する構成とした。
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示装置は、コメントの選択肢を提示するための機器の構成と表示可能なサイズに応じて、コメントの選択肢を適当に生成することができる。これにより、本発明の選択肢生成提示装置は、視聴者がコメントの選択肢を見る多様な環境に応じて適切にコメントの選択肢を提示させることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1記載の選択肢生成提示装置において、前記選択肢提示手段は、前記コメントの選択肢を提示するための機器が処理可能なデータのフォーマットで、前記コメントの選択肢のデータを出力する構成とした。
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示装置は、コメントの選択肢を提示するための機器が処理可能なデータのフォーマットで、コメントの選択肢のデータを出力することができる。これにより、視聴者がコメントの選択肢を見る多様な環境に応じて適切にコメントの選択肢を提示させることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1記載の選択肢生成提示装置において、番組情報の中から所定の条件を満たすシーンを選択するシーン選択手段を備え、前記選択肢生成手段は、前記シーン選択手段によって選択されたシーンに対応するコメントの選択肢を生成する構成とした。
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示装置は、番組を視聴する視聴者から放送局などにリアルタイムに寄せられた視聴者の番組に関するコメントから、シーン選択手段が選択したシーンに対応するコメントの選択肢を適応的に生成して提示することができる。したがって、視聴者の関心が高いと予想されるシーンに集中してコメントの選択肢を効率的に生成及び提示することができるので、視聴者は提示されるコメントの選択肢を見て飽きることはない。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の選択肢生成提示装置において、前記シーン選択手段が選択したシーンに対応する代表画像を抽出する代表画像抽出手段を備え、前記選択肢提示手段は、前記代表画像抽出手段が抽出した前記シーンに対応する代表画像とともに前記コメントの選択肢を提示する構成とした。
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示装置は、選択されたシーンのコメントの選択肢を提示する際に、該シーンに対応する代表画像も合わせて提示することができる。これにより、本発明の選択肢生成提示装置は、視聴者にコメントの選択肢をわかりやすく提示することができる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項6記載の選択肢生成提示装置において、前記選択肢生成手段は、生成したコメントの選択肢に対して、対応する代表的なコメントを生成し、前記選択肢提示手段は、前記コメントの選択肢とともに前記代表的なコメントを提示する構成とした。
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示装置は、選択されたシーンのコメントの選択肢を提示する際に、対応する代表的なコメントも合わせて提示することができる。これにより、本発明の選択肢生成提示装置は、視聴者にコメントの選択肢をわかりやすく提示することができる。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1記載の選択肢生成提示装置において、視聴者からのコメントを入力するコメント入力手段と、前記コメント入力手段に入力された前記コメントを、前記コメント解析装置に送信する送信手段を備え、前記コメント入力手段は、パソコン(パーソナルコンピュータ)、携帯電話、データ放送、MHP(Multimedia Home Platform)を前提としたSTB(Set Top Box)を含む、様々な環境からコメントを入力可能とする構成とした。
【0018】
かかる構成により、本発明の選択肢生成提示装置は、コメントを投稿可能な環境を、パソコンのみならず、携帯電話、データ放送、MHP(Multimedia Home Platform)を前提としたSTB(Set Top Box)などと、様々な環境に広げることができる。これによって、選択肢生成提示装置は、パソコンなどの端末の扱いに慣れた一部のユーザのみならず、例えば、携帯電話の使用者、データ放送を視聴しているユーザなど、一般的な視聴者が、視聴者の意思表示であるコメントを入力することができる。また、選択肢生成提示装置は、携帯電話やデジタル放送受信装置などのボタンを単に押すだけで、あるいは、パソコン画面であっても画面に現れたコメントの選択肢をクリックするだけで、視聴者の意思表示であるコメントを、公衆回線、インターネット等を用いてコメント収集解析の入力として使用することができる。
【0019】
請求項10に記載された選択肢生成提示プログラムは、放送番組に寄せられた視聴者からのコメントを収集解析した結果から、視聴者が生成した生の番組コメントに基づいてコメントの選択肢を生成する選択肢生成提示プログラムであって、コンピュータを、放送されている番組を視聴する視聴者からの複数のコメントを放送局からの番組情報を用いて解析するコメント解析装置の解析結果に基づいて、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する選択肢生成手段と、前記選択肢生成手段によって生成された前記コメントの選択肢を提示する選択肢提示手段と、前記選択肢提示手段によって提示された前記コメントの選択肢から所望の選択肢を選択させる選択手段と、前記選択肢生成手段によって生成された前記コメントの選択肢を、前記コメント解析装置に送信する送信手段として機能させて、前記選択手段によって選択された選択肢は、随時、前記コメント解析装置によって処理され、解析結果が更新されるように機能させる構成とした。
【0020】
かかる構成によれば、本発明の選択肢生成提示プログラムは、コンピュータに、番組を視聴する視聴者から放送局などにリアルタイムに寄せられた視聴者の番組に関するコメントから、番組製作者やインターネットのプロバイダなどのサービスの提供者が関与することなく、コメントの選択肢を適応的に生成して提示するように機能させることができる。さらに、選択肢生成提示プログラムは、視聴者から提示したコメントの選択肢に対する応答を随時入力するように機能させることができる。これにより、番組制作者は、視聴者からのコメントから番組のコンテンツに対してサービス提供者が関与しない率直な感想や意見及び人気度などを容易に得ることができる。また、選択肢生成提示プログラムは、得られたコメントの選択肢をコメント解析装置にフィードバックすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、放送番組に寄せられた視聴者からのコメントを収集解析した結果から、番組製作者や、インターネットのプロバイダなど、サービスの提供者の関与なく、視聴者が生成した生の番組コメントに基づいてコメントの選択肢を生成することができる。また、本発明は、多様な環境から入力されうる視聴者からのコメントを適切に処理して提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るコメント処理システムの概略構成図である。
【図2】図1のコメント処理システムを構成するコメント解析装置のブロック図である。
【図3】図1のコメント処理システムを構成する選択肢生成提示装置のブロック図である。
【図4】図2のコメント解析装置から出力されるコメント解析結果の一例を示す図である。
【図5】図3の選択肢生成提示装置の選択肢生成部がコメントの選択肢を生成するために実行するコメント選択肢生成処理を説明するフロー図である。
【図6】図3の選択処理生成提示装置の選択肢提示部を説明する図である。
【図7】図6の選択肢提示部によって提示される画面の構成例を示す図である。
【図8】図6の選択肢提示部によってデジタル放送受信装置の画面に表示される画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る選択肢生成提示装置のブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る選択肢生成提示装置において、選択肢生成部が実行する代表コメント生成処理を説明するフロー図である。
【図11】図10の代表コメント生成処理によってデジタル放送受信装置の画面に表示される画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る選択肢生成提示装置のブロック図である。
【図13】図12の選択肢提示部によって提示される画面の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
[コメント処理システムの概要]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るコメント処理システム1の概要について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るコメント処理システム1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るコメント処理システム1は、放送番組(以下、「番組コンテンツ」ともいう)を配信する放送局側に、放送番組配信装置2と、番組配信サーバ3と、コメント解析装置10と、選択肢生成提示装置20と、を備え、インターネットサービスプロバイダ(ISP)側に、Webサーバ4と、データ蓄積装置5とを備え、ネットワーク(通信回線)Nを介して、番組コンテンツを視聴する視聴者側の視聴者端末30から、番組コンテンツに対する意見、感想などのコメント(コメントデータ)を収集し、解析して、コメントの選択肢を提示するシステムである。
【0025】
放送番組を視聴しながら、Twitterなどのサービスを利用してコメントをリアルタイムに投稿することは可能である。このため、番組に関する意見や感想を交換し合うコミュニティが、番組の進行とシンクロしながらインターネット上で盛り上がることは珍しくない。
本実施の形態において、コメント解析装置10は、番組放送中に通信ネットワークNにリアルタイムに投稿されるコメントを、コメントデータとしてWebサーバ4を介して収集する。さらに、コメント解析装置10は、コメントデータを解析して、コメント対象と感情表現の組み合わせごとに分類するとともに、解析結果を、選択肢生成提示装置20に送出する。
【0026】
選択肢生成提示装置20は、コメント解析装置10からの解析結果に基づき、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を複数個生成し、生成した複数のコメントの選択肢を視聴者に、例えば、デジタル放送受信機の画面を介して、パソコンの画面を介して、又は携帯電話の画面を介して提示する。視聴者は、この複数のコメントの選択肢をデジタル放送受信機の画面を介して、パソコンの画面を介して、又は携帯電話の画面を介して取得して、適当な選択肢が存在する場合は、選択するのみでよい。よって、視聴者は、複数の選択肢の中から適当な選択肢を選択させるのみであるから、単純な操作でよく、複雑な文字入力作業などは不要であるので、パソコンなどの端末の扱いに熟練している必要はない。このように、様々な視聴者が、選択肢を選択することによって、自らの意見や感想を容易かつ迅速にコミュニティに投稿することができるようになるので、番組に関するコミュニティがより一層活性化する。
【0027】
ある意味、一人でも多くの視聴者が参加することができるコミュニティが実現できるので、テレビを視聴している各家庭のリビングが簡単にリンクして参加し合うことのできる、「巨大なお茶の間」のような空間を実現することも可能である。
【0028】
さらに、コメントの選択肢は、視聴者からのコメントを収集解析した結果に基づいて生成されるので、番組製作者や、インターネットのプロバイダなど、サービスの提供者の関与は不要である。また、選択肢生成提示装置20は、番組の進行又はコミュニティの盛り上がり具合に応じて、コメントの選択肢を適応的に生成して提示することができ、さらにコメントの選択肢に対する視聴者の選択も反映させることができる。このため、コミュニティの活性化のみならず、番組制作者も、視聴者のコメントから番組コンテンツに対する、番組製作者やサービス提供者の関与のない率直な感想や意見を得ることができる。コメント解析装置10の詳細な構成、及び選択肢生成提示装置20が実行する処理の詳細については後述する。
【0029】
放送番組配信装置2は、放送波を介して、番組コンテンツを視聴者側の視聴者端末30に配信するものである。この放送番組配信装置2は、番組コンテンツを、地上デジタル放送で放送するものであってもよいし、BS(Broadcast Satellite)放送、CS(Communication Satellite)放送などの衛星放送で放送するものであってもよい。
【0030】
番組配信サーバ3は、放送番組配信装置2が放送する番組コンテンツを蓄積しておくものである。さらに、番組配信サーバ3は、通信ネットワークNを介して、番組コンテンツを配信する機能を有している。なお、ここでは、番組配信サーバ3は、Webサーバ4を経由して番組コンテンツを配信することとする。番組配信サーバ3は、番組タイトル、ジャンル、放送日、字幕データ、等の番組情報を番組コンテンツとともに蓄積する。
これによって、視聴者は、視聴者端末30で、放送番組配信装置2が放送波によってリアルタイムで配信する番組コンテンツを視聴することもできるし、すでに放送された番組コンテンツであっても、番組配信サーバ3から、通信ネットワークNを介して番組コンテンツを取得して視聴することができる。
【0031】
Webサーバ4は、視聴者側の視聴者端末30から、視聴者が入力したコメントデータを収集するものである。なお、Webサーバ4は、視聴者が番組配信サーバ3に蓄積されている番組コンテンツを視聴する際は、番組配信サーバ3からその番組コンテンツを取得し、通信ネットワークNを介して、番組コンテンツを配信する。
また、ここでは、Webサーバ4は、予め契約によって定められた視聴者のログイン情報(視聴者固有の識別子〔視聴者ID〕、パスワードなど)に基づいて、視聴者端末30からのコメント入力の可否や、番組配信要求の可否を判定することとする。
【0032】
このWebサーバ4は、収集したコメントデータを、視聴者IDと、コメントの対象となった番組コンテンツを特定する番組特定情報とともにデータ蓄積装置5に出力する。なお、番組特定情報は、コメントの対象となった番組コンテンツを特定する情報であれば、その種類を問わないが、例えば、番組名、視聴時刻、チャンネルなどである。
【0033】
データ蓄積装置5は、Webサーバ4から送信されるコメントデータと、番組特定情報とを、視聴者IDに対応付けて蓄積するものである。
また、データ蓄積装置5は、番組の場面内容を示す内容データ(字幕データなど)が存在する場合、予めその内容データも、番組配信サーバ3から取得し、タイムスタンプに対応付けて蓄積しておくものとする。
このように、データ蓄積装置5は、番組ごとに、視聴者ID、コメントデータ及び番組特定情報、さらには、必要に応じて内容データが対応付けられて蓄積される(図では一部省略)。
【0034】
視聴者端末30は、放送局が配信する番組コンテンツを受信して提示するとともに、視聴者から当該番組コンテンツに対するコメントデータの入力を受け付けて、放送局側に送信するものである。ここでは、視聴者端末30は、一般的なWebブラウザによって、Webサーバ4から、番組コンテンツを取得し再生することで、視聴者に番組コンテンツを提示する。
【0035】
さらに、視聴者端末30は、Webブラウザによって、Webサーバ4が指示するレイアウトに基づいてコメント入力画面を画面上に表示し、コメントの選択肢の選択を受け付ける。例えば、視聴者端末30には、図7に示す、番組コンテンツを表示する番組コンテンツ表示領域101と、コメント(本実施の形態では、選択肢生成提示装置20によって生成されたコメント)の選択肢を表示するコメント表示領域102と、コメントを表すキーワードを表示する補助情報表示領域103と、コメントを入力するコメント入力領域104からなる視聴者端末表示画面50が表示される。視聴者は、コメント表示領域102に表示されるコメントの選択肢の中から、リモコンを利用した所定の操作によって適当な選択肢を選択して、コメント解析装置10に送信することができる。なお、選択肢を選択する装置は、コメント解析装置10に情報を伝達できる装置であれば良く、リモコンに限られない。また、視聴者端末30がキーボードなどの入力装置を備えている場合、図示を省略したキーボードなどの入力装置を介してコメントを入力するようにしてもよい。視聴者端末30がキーボードなどの入力装置を備えていない場合、コメント入力領域104には、視聴者が選択したコメントの選択肢が表示される。
【0036】
なお、視聴者端末30は、Webサーバ4から、番組コンテンツを取得する以外に、一般的なテレビチューナを備え、放送波を介して配信される番組コンテンツを取得し、提示するようにしてもよい。
【0037】
視聴者端末30としては、パソコン、携帯電話、データ放送、MHP(Multimedia Home Platform)を前提としたSTB(Set Top Box)を含む様々な構成が可能であり、キーボードなどの入力装置を備えていない場合は、コメントの選択肢から適当な選択肢の選択を行うようにする。
また、ここでは、Webサーバ4とデータ蓄積装置5とをISP側に備える構成としているが、放送局内に備える構成としてもよい。次に、コメント解析装置10について具体的に説明する。
【0038】
[コメント解析装置の構成]
まず、図2を参照して、コメント解析装置10の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るコメント解析装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、コメント解析装置10は、コメント解析手段110と、解析結果出力手段120とを備えている。まず、コメント解析手段110について詳細に説明する。
【0039】
コメント解析手段110は、通信ネットワークNを介して、番組コンテンツに対する視聴者からのコメントをコメントデータとして収集し、解析する。コメント解析手段110は様々な解析を行うことが可能だが、本実施の形態では、コメント解析手段110は、複数の視聴者から収集したコメントデータを解析することで、コメントデータをコメント対象と感情表現の組み合わせごとに分類するものとする。コメント解析手段110は、受信手段111と、置換文字記憶手段112と、コメント整形手段113と、整形コメント記憶手段114と、分類情報生成手段115と、分類情報記憶手段116と、を備えている。
【0040】
受信手段111は、通信ネットワークNを介して、視聴者が入力したコメントデータと、そのコメントデータを入力した際に視聴している番組コンテンツを特定する番組特定情報を受信する。ここでは、受信手段111は、番組特定情報で特定される番組コンテンツに対して、データ蓄積装置5から視聴者IDごとにコメントデータを受信する。この受信手段111で受信したコメントデータは、視聴者IDとともに、コメント整形手段113に出力される。
また、受信手段111は、番組コンテンツのタイムスタンプに対応付けられた場面の内容を示す内容データ(例えば、字幕データ)をメタデータとして受信するものでもある。
【0041】
置換文字記憶手段112は、コメントデータを部分的に置換することで、コメントデータを正規化するための文字列を記憶しておくものであって、ハードディスクなどの一般的な記憶装置で構成される。ここでは、置換文字記憶手段112には、名前置換データと、記号置換データと、感情表現置換データとが記憶される。
【0042】
名前置換データは、同一の感情表現の対象となる対象物を示す複数の異なる表現の文字列を、共通の文字列である識別語(対象識別語)に置換するためのデータである。ここでは、表現が異なる複数の文字列を、同一の文字列(対象識別語)に対応付けておく。例えば、番組コンテンツがドラマの場合、通常、俳優の名前とその俳優が演じる役名とは異なっているが、同一の人物を指し示すことになる。そこで、名前置換データは、予め俳優の「氏」、「名」、「氏名」、あるいは、それらに類似する文字列を、役名に対応付けておく。
【0043】
記号置換データは、複数の記号を組み合わせることで感情を表現する記号列(例えば、顔文字)を、その感情を示す識別語に置換するためのデータである。ここでは、同一の感情を示す複数の記号の組み合わせを、予め定めた分類に区分するための感情識別語に対応付けておく。例えば、笑い顔を表現する「(^o^)」、「(´∀`)/」などを肯定的表現として、予め「肯定」という感情識別語に対応付けておく。また、例えば、怒り顔を表現する「(`д´#)」、「(`・ω・´)」などを否定的表現として、予め「否定」という感情識別語に対応付けておく。
【0044】
感情表現置換データは、同一の感情を示す複数の異なる表現の文字列を、共通の文字列である識別語(感情識別語)に置換するためデータである。ここでは、複数の感情の表現を、予め定めた分類に区分するための感情識別語に対応付けておく。例えば、「好き」、「かわいい」などの感情を示す文字列を肯定的表現として、予め「肯定」という感情識別語に対応付けておく。また、例えば、「怖い」、「嫌い」などの感情を示す文字列を否定的表現として、予め「否定」という感情識別語に対応付けておく。
このように、置換文字記憶手段112には、視聴者ごとに異なる表現を正規化するための置換用の文字列を記憶しておく。
【0045】
コメント整形手段113は、受信手段111で受信したコメントデータにおいて、視聴者間で異なる表現を用いた文字列を、正規化するものである。この正規化されたコメントデータは、視聴者IDに対応付けられて整形コメント記憶手段114に記憶される。ここでは、コメント整形手段113は、名前置換手段113aと、記号置換手段113bと、単語列解析手段113cと、感情表現置換手段113dと、主語補完手段113eとを備えている。
【0046】
名前置換手段113aは、置換文字記憶手段112に記憶されている名前置換データに基づいて、コメントデータにおいて、同一の対象に対して、視聴者ごとに異なる名前の文字列を、同一人物を示す文字列に置換するものである。この名前置換手段113aは、例えば、コメントデータ内に、置換文字記憶手段112に記憶されている名前置換データと同一の俳優名が含まれている場合、当該俳優名を役名に置換する。なお、この置換された文字列は、当該コメントデータ内において、主語を意味することになる。
【0047】
記号置換手段113bは、置換文字記憶手段112に記憶されている記号置換データに基づいて、コメントデータにおいて、同一の感情を示す複数の記号の組み合わせを、予め定めた分類に区分するための識別語に置換するものである。この記号置換手段113bは、例えば、コメントデータ内に、「(^o^)」の記号の組み合わせが含まれている場合、「肯定」という識別語に置換する。
なお、コメント整形手段113は、名前置換手段113a、記号置換手段113bにおいて、文字列が置換されたものについては、その文字列ごとに置換されたことを示す属性を付加しておく。
【0048】
単語列解析手段113cは、コメントデータである単語列を形態素ごとに解析するものである。ここでは、単語列解析手段113cは、必要に応じて名前置換手段113a及び記号置換手段113bで文字列置換されたコメントデータを解析する。
この単語列解析手段113cは、コメントデータを形態素解析することで、形態素ごとに品詞を対応付け、構文解析を行うことで、各単語間の引用関係を求める。この解析結果によって、コメントデータが品詞ごとに区分され、コメントデータにおいて主語となる単語が含まれているか否かを判定することが可能になる。このコメントデータ及び解析結果は、感情表現置換手段113dに出力される。
なお、単語列解析手段113cは、コメントデータ内に名前置換手段113a及び記号置換手段113bで置換された文字列が含まれていることを属性により判別した場合、当該置換された文字列はすでに解析内容が判明しているものであるため、解析を行わないこととする。
【0049】
感情表現置換手段113dは、置換文字記憶手段112に記憶されている感情表現置換データに基づいて、単語列解析手段113cで解析されたコメントデータの中で、感情表現となる文字列を、予め定めた分類に区分するための感情識別語に置換するものである。この感情表現置換手段113dは、例えば、ある品詞に対応付けられた文字列が「怖い」である場合、当該文字列をその文字列に対応する感情識別語「否定」に置換する。
このように、感情表現置換手段113dは、コメントデータを品詞に対応する文字列ごとに、感情表現となる文字列と比較して感情識別語に置換することで、単語間に跨って感情表現となる文字列が存在した場合であっても、誤って識別語に置換することがない。
【0050】
主語補完手段113eは、コメントデータに主語が含まれていな場合に、主語を補完するものである。ここでは、主語補完手段113eは、単語列解析手段113cで解析した解析結果で、主語が含まれていない場合、受信手段111を介して、データ蓄積装置5から、字幕データを取得し、当該字幕データにおける話者を主語としてコメントデータに補完する。この場合、主語補完手段113eは、字幕データを形態素解析及び構文解析し、当該字幕データに含まれるそれぞれの単語と、コメントデータとの構文解析における一致度を比較することによって、主語を一意に決定し、当該主語でコメントデータを補完することとする。なお、この字幕データの形態素解析及び構文解析は、単語列解析手段113cで行うこととしてもよい。
【0051】
このように、コメント整形手段113は、視聴者が入力したコメントデータに対して主語や感情表現を置換することで、コメントデータを分類情報生成手段115で分類可能な形式に正規化することができる。
【0052】
整形コメント記憶手段114は、コメント整形手段113で整形されたコメントデータを、視聴者IDに対応付けて記憶するものであって、ハードディスクなどの一般的な記憶装置である。
【0053】
分類情報生成手段115は、コメント整形手段113で整形され、整形コメント記憶手段114に記憶されたコメントデータに基づいて、視聴者を、ある対象物に対する感情表現の類似するグループに分類するものである。なお、コメント整形手段113で整形されたコメントデータは、感情を表す表現が正規化されているため、視聴者間のコメントデータの類似度を求めることで、視聴者を感情表現に基づいてグループ分けすることもできる。
【0054】
分類情報記憶手段116は、分類情報生成手段115で分類された、感情表現の類似するコメントデータのグループ、必要に応じて、感情表現の類似する視聴者を、その感情表現の種別ごとに記憶するものであって、ハードディスクなどの一般的な記憶装置である。この分類情報記憶手段116には、感情表現の種別として、例えば、番組コンテンツに登場する人物に対する好みを、視聴者の識別子(視聴者ID)に対応付けて記憶してもよい。
【0055】
次に、解析結果出力手段120について詳細に説明する。
【0056】
解析結果出力手段120は、コメント解析手段110で解析された感情表現ごとに分類された分類情報に基づいて解析結果を選択肢生成提示装置20へ出力するものである。ここでは、解析結果出力手段120は、番組情報取得手段121と、番組情報解析手段122と、解析結果生成手段123と、解析結果出力手段124とを備えている。
【0057】
番組情報取得手段121は、外部から、配信予定の番組コンテンツの内容を示す情報(番組情報)を取得するものである。この番組情報は、配信予定の番組コンテンツの開始時刻、登場人物などを示す情報であって、例えば、EPGなどの電子化された番組案内情報や、番組コンテンツの内容を時間に対応付けたメタデータ、字幕データなどである。なお、番組情報は、放送局内の番組配信サーバ3から取得するようにしてもよいし、放送事業者がメタデータの生成を委託した外部業者が保有するメタデータ生成装置(図示せず)などから取得するようにしてもよい。この番組情報取得手段121で取得した番組情報は、番組情報解析手段122に出力される。
【0058】
番組情報解析手段122は、番組情報取得手段121で取得した番組情報を解析し、番組コンテンツごとに、登場人物などの感情表現の対象を抽出するものである。この番組情報解析手段122は、例えば、番組情報が番組内容をテキストデータで記述したものであれば、当該テキストデータを形態素解析、構文解析することで主語を抽出する。
【0059】
解析結果生成手段123は、コメント解析手段110で解析され分類情報記憶手段116に記憶されている感情表現の類似するコメントデータのグループと、番組情報解析手段122で解析された番組コンテンツの感情の対象に基づいて、コメントデータのコメント対象と感情表現との組み合わせに分類した解析結果を生成するものである。なお、分類情報記憶手段116には感情の類似する視聴者がグループ化されているため、解析結果生成手段123は、このグループごとに解析結果を生成する。
【0060】
例えば、解析結果生成手段123は、番組特定情報(例えば、番組名)、感情の対象(例えば、登場人物)が番組内に現れる開始時間、終了時間、その感情の内容(例えば、「肯定」、「否定」)を、同一のグループ内で当該番組コンテンツに対応付けて、番組コンテンツに対応したコメントデータのコメント対象と感情表現との組み合わせに分類した解析結果としても生成する。具体的には、コメント解析結果データは、コメント対象と感情表現の組み合わせごとに分類された複数のコメントの分類情報として、コメントごとに、番組内の時間、コメントをした視聴者の視聴者ID、番組のテーマ、登場人物など、何に対するコメントかを表すコメント対象情報、例えば視聴者が用いた感情表現などの情報を含む、コメントの概要を探る手掛かりとなるコメント内容情報、コメントが分類される項目名を含むことができる。項目名として、コメントが該当するコメント対象と感情表現の組み合わせに加えて、例えば、番組のテーマ、登場人物などを用いてもよい。
【0061】
解析結果出力手段124は、解析結果生成手段123で生成された解析結果を、選択肢生成提示装置20に出力するものである。
【0062】
このようにコメント解析装置10を構成することで、コメント解析装置10は、視聴者端末30から、番組コンテンツに対するコメントデータを収集し、解析することができる。
【0063】
また、ここでは、コメント解析装置10の解析結果出力手段120において、番組情報解析手段122及び解析結果生成手段123を備え、コメント解析装置10が、番組情報を解析し、当該番組コンテンツに対応したコメントデータのコメント対象と感情表現との組み合わせを表す解析結果を選択肢生成提示装置20に出力するものとしたが、解析結果出力手段120が、分類情報記憶手段116に記憶されている解析結果、例えば、ある登場人物に対する「肯定」、「否定」の情報のみを解析結果として送信することとしてもよい。この場合、番組情報の解析は、選択肢生成提示装置20で行うことになる。
【0064】
以上、コメント解析装置10の構成について説明したが、コメント解析装置10は、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるコメント収集解析プログラムによって動作させることができる。このコメント収集解析プログラムは、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROMなどの記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
【0065】
次に、選択肢生成提示装置20について説明する。
【0066】
図3は、本発明の実施の形態に係る選択肢生成提示装置の構成を示すブロック図である。図3に示すように、選択肢生成提示装置20は、コメント解析装置10から、コメント解析結果データを入力するコメント解析結果入力部11と、通信ネットワークNを介して、パソコン(「PC」と称する)、デジタル放送受信機、携帯端末などの外部の視聴者端末30a〜30cから視聴者情報を取得する視聴者情報入力部11aと、コメント解析結果データに基づいてコメント対象と感情表現との組み合わせごとのコメントの数を計数するコメント計数部12と、コメント計数部12が算出したコメント対象と感情表現との組み合わせごとのコメントの数と、後述するその他のコメントの解析結果、及び視聴者情報入力部11aから取得した視聴者情報に基づいて、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する選択肢生成部21と、選択肢生成部21が生成したコメントの選択肢を、視聴者情報入力部11aから取得した視聴者情報に基づいて、視聴者の機器が処理可能なコメントの選択肢のデータに生成する選択肢提示部22と、選択肢提示部22が生成したコメントの選択肢のデータを、通信ネットワークNを介して外部の視聴者端末30a〜30cに送出する送信部23とを備える。選択肢生成部21は、本実施の形態に係る選択肢生成手段を構成し、選択肢提示部22と送信部23は、本実施の形態に係る選択肢提示手段を構成し、送信部23は、本実施の形態に係る送信手段を構成する。
【0067】
コメント解析結果入力部11は、コメント解析装置10からコメント解析結果データを入力する。コメント解析結果データは、コメントが送信された番組内の時間、コメントをした視聴者の視聴者ID、番組のテーマなどの情報をコメントごとに有し、これらの情報は、個々のコメントを識別する情報として利用される。さらに、コメント解析結果データは、何に対するコメントであるのかを表すコメント対象情報、コメントが分類される項目、及び、コメントの概要を探る手掛かりとなるコメント内容情報を含む。コメント対象情報として登場人物の名称などを用いることができる。項目は、コメントが分類されるコメント対象と感情表現の組み合わせを特定するものであればよく、例えば、番組のテーマ、登場人物などでもよい。コメント内容情報として、例えば、視聴者が用いた感情表現などを用いることができる。
【0068】
また、コメント解析装置10と選択肢生成提示装置20が別体として構成されている場合、コメント解析結果入力部11は、コメント解析装置10から有線又は無線など様々な通信手段を介して直接コメント解析結果データを受信するようにしてもよいし、コメント解析装置10が解析したコメント解析結果データを予め記憶したハードディスクなどの記憶装置を介して入力してもよい。
【0069】
視聴者情報入力部11aは、通信ネットワークNを介して外部の視聴者端末30a〜30cから視聴者情報を取得する。具体的には、視聴者が操作している視聴者端末30a〜30cの機器に関する情報を取得する。視聴者情報入力部11aは、視聴者からのコメントを入力する本実施の形態に係るコメント入力手段を構成する。
【0070】
コメント計数部12は、コメント解析結果入力部11が入力したコメント解析結果に基づいて、コメント対象と感情表現との組み合わせの分類ごとに、コメントの数又はコメントした視聴者の数を計数する。また、コメント計数部12は、コメントの数又はコメントを視聴者の数をカウントする際に、コメント解析結果のデータに含まれる、番組内の時間、視聴者ID、コメント対象、コメント内容、項目名に基づいて、(番組総時間(秒))/m(秒)ごとにコメント解析結果データを区切り、各時間内のコメントの解析結果ごとのコメントの数又はコメントを視聴者の数もカウントする。
【0071】
選択肢生成部21は、視聴者から収集された番組に関する複数のコメントからコメント解析装置10が生成したコメントの解析結果に基づいて視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する。具体的には、選択肢生成部21は、コメントの解析結果に含まれる、番組内の時間、番組のシーン別のテーマ、登場人物などのコメント対象、視聴者が用いた感情表現、例えば、肯定表現、否定表現、驚嘆表現、悲嘆表現、侮蔑表現、定型表現などの情報を含むコメント内容に基づいて、番組を、番組内容(シーン)又は時間に基づいて複数の区切りに分割し、複数の区切りの各々について、コメントごとに含まれるコメント対象と感情表現との組み合わせをコメントの数の多い順番に所定の数だけ選択して、各々の区切りごとにコメントの選択肢を生成する。さらに、選択肢生成部21は、コメント解析結果入力部11から入力されるコメント解析結果データに含まれる視聴者IDと、視聴者情報入力部11aから入力される視聴者が操作している視聴者端末30a〜30cの機器に関する情報とに基づいて、コメントの選択肢を、視聴者端末30a〜30c個々の機器に応じて適当な画像データとして生成する。また、本実施の形態では、選択肢生成部21は、視聴者情報入力部11aから入力されたコメントについては、視聴者の生のコメントとして直接送信部23を介してコメント解析装置10に送信する。
【0072】
選択肢生成部21がコメントの選択肢を生成する際に用いる、コメント解析装置10から出力されるコメント解析結果の一例を図4に示す。一例として、オバマ大統領来日の際に鳩山首相と対談した時に想定される視聴者からのコメントの動向を示す。
既に説明したように、コメント解析結果はコメント内容として、番組内の時間、番組のシーン別のテーマ、登場人物などのコメント対象、視聴者が用いた感情表現、例えば、肯定表現、否定表現、驚嘆表現、悲嘆表現、侮蔑表現、定型表現などの情報を含むことができる。このため、図4に示すように、このコメント内容に含まれる情報に基づいて、コメント解析結果を、番組内容(シーン)又は時間に基づいて複数の区切り、例えば、T、T、Tに分割する。選択肢生成部21は、それぞれの区切りにおいて、コメントの対象(図4では「A」、「H」、「O」で示す)ごとに、コメント解析結果に含まれる感情表現、例えば、肯定表現、否定表現、驚嘆表現、悲嘆表現、侮蔑表現、定型表現を含むコメント内容情報とコメントの数を算出し、区切りごとに、多かったコメント対象と感情表現の組み合わせを算出する。また、選択肢生成部21は番組を分割する際に、例えば、番組データに含まれる物理的特徴量の変化からシーンが変わるポイントを検出して、そのポイントを基準として、複数の区切りに分割してもよい。
【0073】
また、図4に示すように、最初の区切りTで司会者(A)がオバマ大統領(O)を紹介すると、視聴者のコメントは、司会に対して「肯定」、「喜び」となる。次の区切りTで鳩山首相(H)がオバマ大統領に日本の印象を尋ねると、「肯定」がほとんどとなる。さらに、続く区切りT、オバマ大統領が「来日経験があることを述べると、オバマ大統領を対象とするコメントが圧倒的に増加して、感情表現は、「驚き」、「喜び」、「驚き」及び「驚き」となる。
【0074】
図5は、選択肢生成部21がコメントの選択肢を生成するために実行するコメント選択肢生成処理を説明するフロー図である。以下の処理は、選択肢生成提示装置20が有する、図示されないCPUの制御の下に実行される。
【0075】
図5に示すように、まず、提示するコメントの選択肢の数mを決定する(ステップS1)。具体的には、表示可能な最適なコメントの選択肢の数は、ユーザが使用する機器に応じて異なる。ユーザが使用する機器がパソコンである場合、表示するコメントの選択肢の数について比較的柔軟に対応することができるが、例えば、携帯電話、デジタル放送受信装置などの場合、表示可能なコメントの選択肢の数は、例えば、4〜5個程度に限定される場合がある。ここでは、視聴者情報入力部11aから入力される視聴者情報から、コメントの選択肢を表示する機器を特定して、対応するコメントの選択肢の数を決定する。理解を容易にするため、以後、表示可能なコメントの選択肢の数を5個以下とする一般的な携帯電話、デジタル放送受信装置の場合と、5個を超えるパソコンなどの場合とを想定した処理について説明を続ける。
【0076】
次に、コメント解析結果から、コメント対象と感情表現との組み合わせをコメントの数の多いものからm個選択し(ステップS2)、コメントの数mが5個以下か否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において、選択したコメントの数mが5個以下であると判定された場合(YES)は、選択したコメント対象と感情表現との組み合わせについて、コメント対象を同一とするコメントの数が3個以上か否かを判定する(ステップS4)。
【0077】
ステップS4において、コメント対象を同一とするコメントの数が3個以上であると判定された場合(YES)は、m個のコメント対象と感情表現の組み合わせのうち、多い順に上位3つをコメントの選択肢として決定し、残りの(m−3)個については、コメント対象の異なる組み合わせから、数の多いコメント対象と感情表現の組み合わせを、コメントの選択肢として決定する(ステップS5)。一方で、ステップS4において、コメント対象を同一とするコメントの数が3個以上ないと判定された場合(NO)は、m個のコメント対象と感情表現の組み合わせをコメントの選択肢として決定する(ステップS6)。
【0078】
ステップS3において、選択したコメントの数mが5個以下でないと判定された場合(NO)は、コメント対象を同一とするコメントの数が3個以下であるか否かを判定し(ステップS7)。コメント対象を同一とするコメントの数が3個以下であると判定された場合(YES)は、m個のコメント対象と感情表現の組み合わせをコメントの選択肢として決定する(ステップS8)。
【0079】
ステップS7において、コメント対象を同一とするコメントの数が3個以下でないと判定された場合(NO)は、コメントの数mが大きいことから、コメントの数mのうち、コメント対象が同一であるコメントがコメントの2/3以下であるか否かを判定する(ステップS9)。コメント対象を同一とするコメントの数がコメントの数mの2/3以下であると判定された場合(YES)は、m個のコメント対象と感情表現の組み合わせをコメントの選択肢として決定する(ステップS10)。
【0080】
一方、ステップS9において、コメント対象を同一とするコメントの数がコメントの数mの2/3以下でない、すなわち、コメントの数mの2/3を上回ると判定された場合(NO)は、コメント解析結果に含まれる、m個のコメントを除いて残ったコメントの数を算出し(ステップS12)、残ったコメントの数がm×1/3以上あるか否かを判定する(ステップS13)。m×1/3以上あると判定された場合(YES)は、コメントの数mのうち、2/3のコメント対象と感情表現の組み合わせと、残ったコメントの中から、コメント対象と感情表現の組み合わせを数の多いものからm×1/3選択して、コメントの選択肢として決定する(ステップS14)。一方で、コメントS13において、残ったコメントの数がm×1/3以上ないと判定された場合(NO)には、m個のコメントとコメント対象が異なる、コメント解析結果に残ったコメント対象と感情表現の組み合わせの全てと、m個のコメント対象と感情表現の組み合わせのうち、コメント解析結果に残ったコメント対象と感情表現の組み合わせの個数をmから引いた個数のコメント対象と感情表現の組み合わせを多い順番にコメントの選択肢として決定する(ステップS15)。
【0081】
例えば、図4に示した例では、視聴者のコメントの上位は、司会者がオバマ大統領を紹介した最初の区切りTでは、司会に対する「肯定」と「喜び」、次の区切りTでは、鳩山首相に対する「肯定」、司会に対する「肯定」、オバマ大統領する「驚き」、「喜び」、「肯定」、「肯定」、続く区切りTでは、オバマ大統領に対する「驚き」、「肯定」、「否定」となる。
【0082】
この場合、選択肢生成部21が生成するコメントの選択肢は、例えば、携帯電話を操作している視聴者には、提示するコメントの選択肢の数mが5以下となるので、区切りTでは司会に対するコメント2個が、区切りTで、オバマ大統領に対するコメント3個と、鳩山首相に対するコメントと司会に対するコメント1個ずつが、Tでは、オバマ大統領に対するコメント3個と、コメント解析結果に残ったコメントから多い順に2個が、それぞれコメントの選択肢として決定される。
【0083】
このように、選択肢生成部21は、放送番組に寄せられた視聴者からのコメントを収集解析した結果から、番組製作者や、インターネットのプロバイダなど、サービスの提供者の関与なく、視聴者が生成した生の番組コメントに基づいてコメントの選択肢を生成することができる。また、選択肢生成部21は、ステップS1において、コメントの選択肢を表示する機器に合わせて提示するコメントの選択肢の数mを決定するので、ユーザが使用する機器に応じて、適切な数のコメントの選択肢を提供することができる。
【0084】
また、選択肢生成部21は、視聴者情報入力部11aから入力される視聴者情報から、視聴者端末30a〜30cの個々の機器ごとにコメントの選択肢を表示する画像データを生成する。
【0085】
選択肢提示部22は、選択肢生成部21で生成されたコメントの選択肢から、視聴者情報入力部11aから取得した視聴者情報に基づいて、視聴者の機器ごとに処理可能なデータを生成する選択肢データ生成部22aを含み、コメントの選択肢を、パソコン、携帯電話、デジタル放送受信装置などの各種機器が処理をして提示可能なデータとして生成する。
送信部23は、選択肢提示部22が生成したコメントの選択肢のデータを通信ネットワークNを介して外部の視聴者端末30a〜30cに送信する。選択肢提示部22は、聴者固有の個別情報(EMM:Entitlement Management Message)として、放送波を介して配信する形態であっても構わない。
【0086】
選択肢提示部22は、視聴者の機器が処理をして表示可能なコメントの選択肢のデータを生成することによって、選択肢生成部21によって生成されたコメントの選択肢を提示する、又は、視聴者の機器の表示部に提示可能とさせる。図6に示すように、本実施の形態に係る選択肢生成提示装置20の選択肢提示部22は送信部23から、放送又は通信回線を介して、パソコン画面用サーバ31、携帯画面用サーバ32、データ放送局用画面サーバ33などの各種画面サーバに選択肢のコメントのデータを、適切なフォーマットの画像データとして送信する。パソコン画面用サーバ31、携帯画面用サーバ32、データ放送局用画面サーバ33はそれぞれ、選択肢提示部22から送られる選択肢のコメントのデータを、放送又は通信回線を介して、パソコン、携帯電話、デジタル放送受信装置などに各種画面用の画像データとして提供する。
【0087】
選択肢提示部22の選択肢データ生成部22aは、視聴者情報入力部11aからの情報に基づいて、視聴者側の機器の要求ごとに、選択肢のコメントの画面の画像データを生成して送信する。図7に、選択肢提示部22により提供される画像データに基づいて表示される画面の基本的な構成例を示す。図7に示すように、視聴者側で表示される画面50は基本的に、番組コンテンツ表示領域101、コメント表示領域102、補助情報表示領域103、コメント入力領域104などを含む。コメント表示領域102には、コメントの選択肢が、補助情報表示領域103には、コメントの選択肢に関する補助情報が、コメント入力領域104には、コメントの入力を受け付けるための領域が表示される。コメント入力領域104は、例えば、リモコンの操作に応答するGUI(Graphical User Interface)ボタンでもよいが、その他にも、直接視聴者が触れることで応答するタッチパネルの検出領域など、視聴者側の機器の機能に応じて様々な構成が可能である。また、視聴者の機器が、画面上でユーザからの入力を受け付ける機能がない場合は、少なくともコメント表示領域102が表示され、他の表示領域は任意となる。この場合、視聴者は、携帯電話、パソコンなど他の機器を用いてコメントを入力することとなる。選択肢データ生成部22a、又は選択肢データ生成部22aによって視聴者側の機器に表示されるコメント入力領域104は、本実施の形態に係る選択手段を構成する。
【0088】
図8に、選択肢提示部22によってデジタル放送受信装置30bの画面に表示される画面の一例を示す。図7と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
コメント表示領域102にはコメントの選択肢が、補助情報表示領域103には選択肢に該当するコメントの個数を表すグラフが、コメント入力領域104には、コメントの入力を受け付ける領域が表示される。
【0089】
図8に示すようにデジタル放送受信装置30bで表示される画面60では、番組コンテンツ表示領域101とは独立して、コメント表示領域102と補助情報表示領域103では、コメント及びキーワードが、対象ごとに、あるいは、感情表現ごとに色別で表示される。こでは、コメント対象と感情表現との組み合わせによるコメントの数を表すグラフを棒グラフとして表しているが、本発明はこれに限定されず、円グラフ、折れ線グラフなど、実装に応じて様々な構成が可能である。選択肢提示部22は画面の画像データを生成する際、キーワードとして、コメントの選択肢に対応する項目又はコメント内容情報を用いることができる。感情表現は、「肯定」は緑、「笑い」は赤、「緊張」は青、など、予め対応する色を定めておく。コメント対象についても同様である。また、コメントの数は、コメント計数部12が算出したコメント数から取得することができる。
また、コメント表示領域102をタッチパネルとして構成して、ユーザが適当と思った場合には、コメントに直接触れることによって、コメントを選択できるようにしてもよい。又は、コメント入力領域104に、例えば、選択肢として選ばれなかったコメントをテロップを流して表示してもよい。このように、デジタル放送受信装置の機能、設定など、視聴者のおかれた多様な環境に応じて様々な変形が想到可能である。
【0090】
上述したように、選択肢生成部21は、図5のフロー図において、コメントの数mを調整することによって、パソコン、携帯電話、デジタル放送受信装置などの、ユーザが使用する機器に応じて、適当な数のコメントの選択肢のデータを生成する。選択肢提示部22は、選択肢生成部21によって生成された機器別のコメントの選択肢のデータを、パソコン画面用サーバ、携帯画面用サーバ、データ放送局用画面サーバなどの各種画面サーバに提供する際、ユーザが使用する機器に応じて、コメントの数を表すグラフを棒グラフ、円グラフ、又は折れ線グラフなどから、任意に選択することもできる。
【0091】
このように本実施の形態に係るコメント処理システム1は、例えば、放送局などに寄せられた視聴者の番組に関するコメントから、番組製作者や、インターネットのプロバイダなど、サービスの提供者の関与のない方式で、コメントの選択肢を適応的に選択することができる。これによって、番組制作者も、視聴者のコメントから番組のコンテンツに対する、番組製作者やサービス提供者の関与のない率直な感想や意見を得ることができる。
【0092】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るコメント処理システム2Aの概略構成図である。第1の実施の形態と同様の構成には同様の参照符号を付して説明を省略する。
【0093】
本実施の形態に係るコメント処理システム2Aは、選択肢処理装置25が、コメント解析装置10からのコメント解析結果データに対して、さらに正規化を行うコメント整形部24を設けている点が第1の実施の形態に係るコメント処理システム2Aと異なる。
【0094】
コメント整形部24は、代表的な選択肢用語と対応する表現とを対比させた選択肢用語テーブルを記憶した代表選択肢用語記憶部24aを有し、代表選択肢用語記憶部24aに記憶された選択肢用語テーブルに基づいて、コメント解析装置10からの解析結果に含まれるコメントを必要に応じて置換して整形する。
【0095】
例えば、「ら抜き言葉」などのわかりにくい表現の修正、放送コードに違反する表現の削除などを行う。具体的には、コメント整形部24は、放送コードに違反する用語、「ら抜き言葉」などの文法的に誤っている用語を集めた用語テーブルを記憶した用語記憶部を有し、解析結果に含まれるコメントを用語記憶部に記憶される用語テーブルを参照して、放送コードに違反する表現については削除し、文法的に誤っている用語については修正する整形を行う。コメント整形部24が行うコメントの整形は、あくまでも、表現の上での修正に限定し、番組製作者や、インターネットのプロバイダなど、サービスの提供者などの意図を反映させた整形とはならないように配慮する。コメント整形部24によって整形されたコメントは、選択肢生成部21に入力され、選択肢生成部21によって、図5を参照して説明したコメント選択肢生成処理によって、コメントの選択肢が生成される。
【0096】
当然のことながら、コメント整形部24と同様の機能をコメント解析装置10の置換文字記憶手段112、コメント整形手段113の単語列解析手段113c、感情表現置換手段113dに持たせることも可能である。本実施の形態では、コメント整形部24を選択肢処理装置に設けたことにより、多くの様々な処理を行う、コメント解析装置10とは独立して、放送局ごとの独自の放送コードに対応することができるという利点がある。さらに、最終的にコメント対象と感情表現との組み合わせに分類されたコメントデータに適用することによって、より詳細で正確な整形を行うことができる。
(第3の実施の形態)
【0097】
第3の実施の形態に係るコメント処理システムは、選択肢生成部が、コメントの選択肢を生成した後に代表的なコメントを生成し、選択肢提示部がコメントの選択肢とともに代表的なコメントを表示すること以外は、第1の実施の形態に係るコメント処理システム1と同様である。
以下、構成については第1の実施の形態に係る選択肢生成提示装置20と同一として、同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
図10は、本発明の第3の実施の形態において、選択肢生成部21が実行する、コメントの選択肢に対応する代表的なコメントを生成するための代表コメント生成処理を説明するフロー図である。以下の処理は選択肢生成提示装置20が有する、図示されないCPUの制御の下に、図5を参照して説明した代表コメント生成処理に続けて実行されるものとする。
【0098】
選択肢生成部21は、コメントの選択肢を生成した後、直ちに、コメントの選択肢を生成するために用いた解析結果データを用いて、生成したコメントの選択肢に対応する代表的なコメントを生成する。
具体的には、図10に示すように、まず、表示する代表的なコメントの数nを設定する(ステップS31)。コメントの選択肢とともに表示可能な代表的なコメントの数は、ユーザが使用する機器に応じて異なる。ユーザが使用する機器がパソコンである場合、表示するコメントの選択肢の数、及び代表的なコメントの数についても比較的柔軟に対応することができる。しかし、例えば、携帯電話、デジタル放送受信装置などの場合、コメントの選択肢とともに表示可能な代表的なコメントの数は、視聴者端末の機能、表示方法などによって異なる。
本実施の形態では、図8のデジタル放送受信装置30bの画面のテロップに表示する場合を想定し、表示可能な代表的なコメントの数を、テロップに表示可能な数nとして説明を続ける。
【0099】
次に、コメントの選択肢を生成するために用いた解析結果データを用いて、コメントの選択肢ごとに、コメント数の多い「コメント対象と感情表現の組み合わせ」を代表的なコメントとして順番に、合計でn個となるように選ぶ。(ステップS32)。ここで、すでにコメントの選択肢として選択した「コメント対象と感情表現の組み合わせ」は除く。
【0100】
続いて、選択肢提示部22が、選択肢生成部21によって生成されたコメントの選択肢と代表的なコメントから、視聴者情報入力部11aから取得した視聴者情報に基づいて、視聴者の機器ごとに、コメントの選択肢と代表的なコメントを、パソコン、携帯電話、デジタル放送受信装置などの各種機器が処理をして提示可能なデータとして生成し、送信部23を介して視聴者端末30に送出する。
【0101】
図11に、選択肢提示部22によってデジタル放送受信装置30bの画面に表示される一例として画面70を示す。図8と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
画面70には、コメント表示領域102及び補助情報表示領域103の他、代表コメント表示領域105が表示される。コメント表示領域102には、コメントの選択肢が表示される。補助情報表示領域103には、選択肢に該当するコメントの個数を表すグラフが表示される。さらに、代表コメント表示領域105には、コメントの選択肢に対応する代表的なコメントを表示するが表示される。
【0102】
デジタル放送受信装置30bで表示される画面70では、番組コンテンツ表示領域101と独立して、コメント表示領域102と補助情報表示領域103では、コメント及びキーワードが、対象ごとに、あるいは、感情表現ごとに色別で表示される。この他に、代表コメント表示領域106に、選択肢生成部21が生成したコメントの選択肢に対応する代表的なコメントがテロップとして流される。
【0103】
図11の例では、「ぼると:いよいよ決勝。わくわくするぞ!」というコメントに対応するコメントとして「ぼると:応援しているよ」というコメントが代表的なコメントとして選択されている。代表的なコメントの色とコメントとの選択肢の色とを同一として、それぞれの対応関係が明確になるように表示してもよい。テロップとして流される代表的なコメントの数nは、画面の大きさやテロップを流す速度など、視聴者側の機器の機能、設定などに応じて事前に設定することができる。また、視聴者の操作によって、例えば、代表コメント表示領域105を図8に示すコメント入力領域104に変更してもよい。
また、このように、視聴者端末30の画面に表示する態様は、視聴者側の機器の画面の機能、設定など、視聴者のおかれた環境に応じて様々な変形が想到可能である。
【0104】
上述したように、選択肢生成部21は、図10のフロー図のステップS31において、表示する代表的なコメントの数mを調整するので、パソコン、携帯電話、デジタル放送受信装置などの、ユーザが使用する機器に応じて、適当な数の代表的なコメントのデータを生成する。
【0105】
このように本実施の形態に係るコメント処理システムは、コメントの選択肢をわかりやすく適応的に視聴者に提示することができる。
(第4の実施の形態)
【0106】
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る選択肢生成提示装置20Aの概略構成図である。第1の実施の形態と同様の構成には同様の参照符号を付して説明を省略する。
【0107】
本実施の形態に係る選択肢生成提示装置20Aは、第1の実施の形態に係る選択肢生成提示装置20の構成に加えて、番組情報の中から所定の条件を満たすシーンを選択するシーン選択部13と、コメント解析結果入力部11が入力したコメント解析結果データ、コメント計数部12が計数したコメントの数の結果、シーン選択部13が選択したシーン、及び後述する選択肢生成部21からの指示に応じて、コメント解析結果データから画像データを抽出する代表画像抽出部14とを備え、選択肢生成部21Aが、視聴者から収集された番組に関する複数のコメントからコメント解析装置10が生成したコメントの解析結果に基づいて、シーン選択部13が選択したシーンごとに、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する点が、第1の実施の形態に係る選択肢生成提示装置20と異なる。
【0108】
より詳細には、シーン選択部13は、番組情報の中から所定の条件を満たすシーンを選択する。ここで「シーン」とは、番組を構成内容に従って分割した区切りを意味し、例えば、報道番組であれば、「オバマ首相の来日」など、番組を構成する場面又はカットの組み合わせとする。本実施の形態では、番組情報には、過去の視聴率から推定される、視聴者の関心の高さの予想を数値化した番組予想情報が、番組内容(シーン)ごとにコメント解析結果データに含まれるものとする。
【0109】
代表画像抽出部14は、コメント解析結果入力部11が入力したコメント解析結果データ、コメント計数部12が計数したコメントの数の結果、及び後述する選択肢生成部21からの指示に応じて、コメント解析結果データからシーンごとに画像データを抽出する。本実施の形態では、代表画像抽出部14は、コメント解析結果データに含まれる放送局の番組情報からシーンごとに代表する画像を抽出する。
【0110】
選択肢生成部21は、視聴者から収集された番組に関する複数のコメントからコメント解析装置10が生成したコメントの解析結果に基づいて、シーンごとに、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する。具体的には、選択肢生成部21は、シーン選択部13が選択したシーンごとに、コメントの解析結果に含まれる、番組内の時間、番組のシーン別のテーマ、登場人物などのコメント対象、視聴者が用いた感情表現、例えば、肯定表現、否定表現、驚嘆表現、悲嘆表現、侮蔑表現、定型表現などの情報を含むコメント内容に基づいて、コメントごとに含まれるコメント対象と感情表現との組み合わせをコメントの数の多い順番に所定の数だけ選択して、選択されたシーンごとにコメントの選択肢を生成する。さらに、選択肢生成部21は、コメント解析結果入力部11から入力されるコメント解析結果データに含まれる視聴者IDと、視聴者情報入力部11aから入力される視聴者が操作している視聴者端末30a〜30cの機器に関する情報とに基づいて、コメントの選択肢を、視聴者端末30a〜30c個々の機器に応じて適当な画像データとして生成する。また、本実施の形態では、選択肢生成部21は、視聴者情報入力部11aから入力されたコメントについては、視聴者の生のコメントとして直接送信部23を介してコメント解析装置10に送信する。
【0111】
図13に、選択肢提示部22により提供される画像データに基づいて表示される画面の基本的な構成例を示す。図13に示すように、視聴者側で表示される画面80は基本的に、番組コンテンツ表示領域101、コメント表示領域102、補助情報表示領域103、コメント入力領域104、代表画像表示領域106a,106b,106cなどを含む。代表画像表示領域106a,106b,106cには、代表画像抽出部14が抽出した、コメントの選択肢に対応する代表画像が表示される。ここでは、3つの画像表示領域を設けているが、代表画像を表示する領域の数は任意でよい。
【0112】
このように本実施の形態に係るコメント処理システムは、コメントの選択肢をわかりやすく適応的に視聴者に提示することができる。
【0113】
上述の実施の形態では、コメント解析装置10と選択肢生成提示装置20をそれぞれ独立した構成として説明したが、コメント解析装置10と選択肢生成提示装置20を一体として構成してもよい。また、コメント解析装置10が、コメントデータをコメント対象と感情表現との組み合わせに分類し、コメント解析結果データとして、選択肢生成提示装置20に送出するものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、コメント解析装置10がコメントデータをコメント対象と感情表現の組み合わせに分類する処理を行うのではなく、選択肢生成提示装置20がコメントデータをコメント対象と感情表現の組み合わせに分類する処理を行うようにしてもよい。
【0114】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 コメント処理システム
10 コメント解析装置
13 シーン選択部
14 代表画像抽出部
20 選択肢生成提示装置
21 選択肢生成部
22 選択肢提示部
23 送信部
24 コメント整形部
31 パソコン画面用サーバ
32 携帯画面用サーバ
33 データ放送局用画面サーバ
50、60、80 画面
101 番組コンテンツ表示領域
102 コメント表示領域
103 補助情報表示領域
104 コメント入力領域
105 代表コメント表示領域
106a、106b、106c 代表画像表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組に寄せられた視聴者からのコメントを収集解析した結果から、視聴者が生成した生の番組コメントに基づいてコメントの選択肢を生成する選択肢生成提示装置であって、
放送されている番組を視聴する視聴者からの複数のコメントを放送局からの番組情報を用いて解析するコメント解析装置の解析結果に基づいて、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する選択肢生成手段と、
前記選択肢生成手段によって生成された前記コメントの選択肢を提示する選択肢提示手段と、
前記選択肢提示手段によって提示された前記コメントの選択肢から所望の選択肢を選択させる選択手段と、
前記選択肢生成手段によって生成された前記コメントの選択肢を、前記コメント解析装置に送信する送信手段と、を備え、
前記選択手段によって選択された選択肢は、随時、前記コメント解析装置によって処理され、解析結果が更新される、選択肢生成提示装置。
【請求項2】
前記選択肢生成手段は、前記番組を番組内容又は時間に基づいて複数の区切りに分割し、前記複数の区切りの各々について、前記複数のコメントから前記解析結果に基づいて、コメントごとに含まれるコメント対象と感情表現との組み合わせをコメントの数の多い順番に所定の数だけ選択して、コメントの選択肢を生成する、請求項1記載の選択肢生成提示装置。
【請求項3】
前記選択肢生成手段は、代表選択肢用語テーブルを有し、
前記代表選択肢用語テーブルを参照して、前記複数のコメントから前記解析結果に基づいて、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する、請求項1記載の選択肢生成提示装置。
【請求項4】
前記選択肢生成手段は、前記コメントの選択肢を提示するための機器の構成と表示可能なサイズに対応して、前記コメントの選択肢を生成する、請求項1記載の選択肢生成提示装置。
【請求項5】
前記選択肢提示手段は、前記コメントの選択肢を提示するための機器が処理可能なデータのフォーマットに対応して、前記コメントの選択肢のデータを出力する、請求項1記載の選択肢生成提示装置。
【請求項6】
番組情報の中から所定の条件を満たすシーンを選択するシーン選択手段を備え、
前記選択肢生成手段は、前記シーン選択手段によって選択されたシーンに対応するコメントの選択肢を生成する、請求項1記載の選択肢生成提示装置。
【請求項7】
前記シーン選択手段が選択したシーンに対応する代表画像を抽出する代表画像抽出手段を備え、
前記選択肢提示手段は、前記代表画像抽出手段が抽出した前記シーンに対応する代表画像とともに前記コメントの選択肢を提示する、請求項6記載の選択肢生成提示装置。
【請求項8】
前記選択肢生成手段は、生成したコメントの選択肢に対して、対応する代表的なコメントを生成し、
前記選択肢提示手段は、前記コメントの選択肢とともに前記代表的なコメントを提示する、請求項1記載の選択肢生成提示装置。
【請求項9】
視聴者からのコメントを入力するコメント入力手段と、前記コメント入力手段に入力された前記コメントを、前記コメント解析装置に送信する送信手段を備え、
前記コメント入力手段は、パソコン(パーソナルコンピュータ)、携帯電話、データ放送、MHP(Multimedia Home Platform)を前提としたSTB(Set Top Box)を含む、様々な環境からコメントを入力可能である、請求項1記載の選択肢生成提示装置。
【請求項10】
放送番組に寄せられた視聴者からのコメントを収集解析した結果から、視聴者が生成した生の番組コメントに基づいてコメントの選択肢を生成する選択肢生成提示プログラムであって、コンピュータを、
放送されている番組を視聴する視聴者からの複数のコメントを放送局からの番組情報を用いて解析するコメント解析装置の解析結果に基づいて、視聴者が選択可能なコメントの選択肢を生成する選択肢生成手段と、
前記選択肢生成手段によって生成された前記コメントの選択肢を提示する選択肢提示手段と、
前記選択肢提示手段によって提示された前記コメントの選択肢から所望の選択肢を選択させる選択手段と、
前記選択肢生成手段によって生成された前記コメントの選択肢を、前記コメント解析装置に送信する送信手段として機能させて、
前記選択手段によって選択された選択肢は、随時、前記コメント解析装置によって処理され、解析結果が更新されるように機能させる、選択肢生成提示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−151741(P2011−151741A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13394(P2010−13394)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】