選針板
【課題】編機の編針用選針板の短い全長及び簡単な構造を可能にする。
【解決手段】針床100の針溝110に設けられる編針120用の選針板10が、針溝110の針底170に対して直角に向けられかつ接極子面13から突出しない前進面14を持ち、針溝110内で前進するため、選針板10が前進面14で力の作用を受ける。
【解決手段】針床100の針溝110に設けられる編針120用の選針板10が、針溝110の針底170に対して直角に向けられかつ接極子面13から突出しない前進面14を持ち、針溝110内で前進するため、選針板10が前進面14で力の作用を受ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編機の針床の針溝に設けられる編成部材用の選針板であって、選針板が針床の針溝内に長手方向に移動可能に設けられ、接極子面に編機の選針システムの磁石の作用を受けることができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
このような選針板は例えば欧州特許出願公開第1275762号明細書から公知である。公知の選針板は針溝に揺動可能に設けられ、選針の場合選針システムの磁石から釈放され、ばね力により選針位置へ揺動せしめられる。続いて選針板は、その駆動バットを、カム曲線により針溝内で前進せしめられる。選針板の前進の際付加的な針床挿入部分が係合せしめられる。
【0003】
この選針板は、垂直な駆動バットのため、比較的大きい長さを持っている。更に編成システムに、選針板の前進及び後退運動のためそれぞれ1つのカム曲線を設けねばならず、それによりカム製造のための費用が増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基礎となっている課題は、短い全長の選針板及び簡単なカム構造を可能にする簡単な構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、最初にあげた種類の選針板において、選針板が、針溝の針底に対して直角に向けられかつ接極子面から突出しない前進面を持ち、この前進面において選針板が、針溝内で前進のため駆動素子の作用を受けることができることによって解決される。
【0006】
本発明による選針板は、前進のために、上方へ突出する駆動バットを必要としない。従って選針板の前進は、カム曲線によって行う必要がない。選針板は、選針の場合前進面に作用する駆動素子により針溝内を前方へ動かされる。例えば編針を直接に又は中間素子を介して間接に、編成システムのカム曲線に係合させることができる。
【0007】
好ましい実施形態では、前進面が選針板の後部終端面を形成している。その場合前進面は、針溝の長手方向に作用する前進用駆動素子の作用を受ける。
【0008】
更に前進面が接極子面に隣接して選針板の終端部分に設けられていると有利である。この手段により、選針板の全長を更に小さくすることができる。
【0009】
その際終端部分が、限られた範囲で揺動可能に選針板に設けられているようにすることができる。従って選針しない場合終端部分を選針システムの磁石へ向かって揺動させ、選針する場合磁石から離れるように揺動させることができる。
【0010】
選針の場合磁石からの接極子面の確実な釈放を保証するため、更に終端部分が選針板の弾性部分に設けられていると有利である。選針しない場合終端部分が、磁石によりばね力に抗して吸引される。選針の場合弾性部分が終端部分を磁石から離すので、前進面が駆動素子の作用を受けることができる。
【0011】
しかし終端部分が選針板の剛性縦橋絡片に設けられ、選針板がばね素子の力に抗して揺動可能に針溝内に設けられることもできる。ばね素子を除いて曲げ剛性を持つように構成される選針板は、この構成では、全体として選針システムの磁石の方へかつこれから離れるように揺動する。選針位置への運動は、選針システムの磁石が選針板を釈放すると、再びばね素子によって行われる。その際ばね素子がなるべく選針板と共に1つの部分から構成されており、それにより選針板の構造が簡単になり、従って製造費が少なくなる。
【0012】
選針板が、終端部分の揺動運動を限定するストッパを持っていることによって、別の利点が得られる。それにより選針板の終端位置が正確に規定される。
【0013】
選針板が編成部材又は中間素子に作用する前部ストッパ面を持っていると、有利である。選針板が前進せしめられると、そのストッパ面により前進運動を編成部材へ伝達することができる。
【0014】
編成部材がカム曲線により針溝内を後方へ動かされる時、選針板の初期位置への戻り運動が編成部材を介して行われるか、又は後方へ向く直線運動を導入するため針床から突出する少なくとも1つの操作バットを介して行われる。
【0015】
別の好ましい実施形態では、選針板が選針システムの磁石によりその接極子面に保持される時、選針板が針溝内におけるその軸線方向位置に拘束可能である。磁石からの釈放後、選針板が針溝の後部範囲で所定の軸線方向位置をとるので、選針板はその前進面で駆動素子の作用を受けることができる。
【0016】
この軸線方向固定のため、選針板が切欠きを持ち、選針板の接極子面が選針システムの磁石へ向かって揺動する時、針床に設けられる拘束素子が切欠きへ導入可能である。拘束素子を構成するため、種々の可能性が考えられる。特に安価な解決策は、拘束素子が、選針磁石の範囲で針床に沿って針溝を通って横に導かれる線として構成されることである。その場合針床のすべての選針板に対してただ1つの拘束素子を設けさえすればよい。
【0017】
選針システムが針床の上に設けられているか、又は下に設けられているかに応じて、針溝に挿入される選針板の接極子面が針床上側の方向へ向いているか又は針床下側の方向へ向いており、それにより支持面を選針システムの磁石により保持することができる。
【0018】
本発明による選針板の好ましい実施例が図面により以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1a】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図1b】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図1c】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第3の状態で示す。
【図1d】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第4の状態で示す。
【図1e】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第5の状態で示す。
【図2】 第2の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を示す。
【図3a】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図3b】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図3c】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第3の状態で示す。
【図3d】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第4の状態で示す。
【図3e】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第5の状態で示す。
【図4】 第4の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を示す。
【図5a】 軸線方向拘束部を有する第5の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図5b】 軸線方向拘束部を有する第5の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図6a】 軸線方向拘束部を有する第6の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図6b】 軸線方向拘束部を有する第6の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図7a】 第6の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図7b】 第6の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図8a】 下に設けられる選針システム用の第8の選針板を持つ針溝の範囲における針床を第1の状態で示す。
【図8b】 下に設けられる選針システム用の第8の選針板を持つ針溝の範囲における針床を第2の状態で示す。
【図9a】 軸線方向拘束部及び編成機構のかみ合い結合部を有する第9の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図9b】 軸線方向拘束部及び編成機構のかみ合い結合部を有する第9の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
すべての図は、針溝110の範囲における針床100の断面図を示し、選択すべき編成部材120として編針が針溝110へ挿入されている。編針120は駆動バット130を持ち、針溝110内の編針120を長手方向に動かすことができるようにするため、駆動バット130が編成システムの図示しないカム曲線の作用を受けることができる。編針120は更に、その長手方向にそれぞれの選針板の作用を受けることができる終端部分140を持っている。すべての図は、それぞれの選針板のための磁石160を持つ選針システム150を示す。
【0021】
図1a〜1bに示す第1の選針板10は、選針板10の弾性部分12に支持される終端部分11を持っている。終端部分11の上側には、図1bに示すように磁石160の作用を受ける接極子面13が設けられている。接極子面13に隣接して、終端部分11にある前進面14が後部終端面として設けられている。この前進面は針溝110内で選針板10の前進に役立つ。前進面14は、針床100の針底170に対してほぼ直角に向けられている。選針板10は更にその前方端部にストッパ面15を持ち、編針120の終端部分140がこのストッパ面の作用を受ける。
【0022】
終端部分11が矢印方向16に上昇せしめられると、図1bに示すように、接極子面13が磁石160により弾性部分12の力に抗して選針システム150に吸着保持される。選針の場合磁石160が終端部分11を釈放し、弾性部分12により終端部分11が選針システム150から離され、針底170に載る。この位置で終端部分11は、ここには示されてない駆動素子により、矢印方向17へ針溝110の長手方向に押され、それにより選針板10が、またストッパ面15を介して編針120も、針溝110内を前方へ動かされる。それにより編針120の駆動バット130が、図1cに示すようにカムに係合せしめられる。
【0023】
続いて選針板10がその位置にとどまり、編針120の駆動バット130が図1dに示すようにカム曲線を通過する。
【0024】
図1eは後退運動中の編針120を示し、編針が選針板10を図1aに示す初期位置へ後退させる。後退運動は矢印方向18に駆動バット130力により行われる。
【0025】
図2は図1の選針板10とほぼ同じように構成される選針板20の別の構成を示し、選針板20は後退運動のために操作バット21を持ち、それにより選針板20がその初期位置へ戻され、編針120が前進運動も行う。
【0026】
図3a〜3eは、異なる動作位置にありかつ編針120と共同作用する第3の選針板30を示す。選針板30も、接極子面33及び前進面34を備えた終端部分31を持っている。しかしここでは終端部分31は、編針120に作用するためのストッパ面35を前方端部に持つ剛性橋絡片36に支持されている。選針板30は更に橋絡片36に取付けられるばね素子32を備え、ばね素子32の自由端を針床の覆い条片37に支持される終端部分31〜矢印方向38に力が及ぼされると、選針板30は選針システムの磁石160により接極子面33で保持される。図3bに示すように、橋絡片36はばね素子32の力に抗して揺動する。
【0027】
図3cは、終端部分31がばね素子32により磁石160から離され、選針板30が前進面34へ矢印方向39に前進せしめられることを示す。この前進運動の際選針板30が編針120を連行し、その駆動バット130をカム曲線に係合させる。続いて図3dに示すように、選針板30はその位置に留まり、編針120はカム曲線を通る。編針120の後退運動により、選針板30も再び図3aに示す初期位置へ押し戻され、これが図3eに示されている。
【0028】
図4に示される別の選針板40は、構造において選針板30に大幅に一致しているが、選針板40を初期位置へ後退運動させるためのバット41をもっている。それにより選針板40は初期位置へもどされるが、編針はまだカム曲線を通る。
【0029】
図5a,5bに示す別の選針板50は、同様に選針板30によく類似しており、再び接極子面53及び前進面54を有する終端部分51を持ち、終端部分51はばね素子52の力に抗して揺動可能に橋絡片56に支持されている。しかし終端部分31とは異なり、終端部分51は切欠き57を持ち、図5bに示すように、終端部分51が力58により上方へ磁石160に向かって押されると、軸線方向拘束素子180、ここでは針床100の長手方向に延びる線が、切欠き57へ導入される。この位置で線180が、選針板50を軸線方向に拘束する。選針の場合切欠き57の面59が、針溝の長手方向における選針板50の限界を形成して、図5aに示すように、図示してない駆動素子による前進面54の確実な捕捉を保証する。
【0030】
図6aは、軸線方向拘束部を持つ別の選針板60を示す、選針板60は図1の選針板10と同じように構成され、弾性部分62に支持される終端部分61を持ち、この終端部分61が再び拘束素子としての線180を受入れる切欠き67を備えている。終端部分61が矢印方向68に磁石160へ向かって動かされると、線180が切欠き67へはまり、それにより図6bに示すように選針板60を針溝の縦方向に拘束する。
【0031】
図7a,7bは、図1の選針板10と同じように構成される別の選針板70を示す。選針板70は、接極子面73及び前進面74を備えかつ選針板70の弾性部分72に支持される終端部分71を持っている。弾性部分72の揺動行程を限定するため、選針板70の曲げ剛性を持つように構成される2つの脚辺75,76に、それぞれストッパ77,78が設けられている。図7aでは弾性部分72がストッパ78に当たり、図7bに示すように磁石160により保持される終端部分71の上昇位置では、弾性部分72がストッパ77に当たっている。前進面74に前進力が作用する際、弾性部分72が折れるのを確実に防止するため、ストッパ77,78が弾性部分72の限定及び支持に役立つ。
【0032】
図8a,8bは、針床100′の下に設けられて選針磁石160′を持つ選針システム150′を有する針床100′の断面図を示す。このような針床100′に適した選針板80は、図8aによれば終端部分81を持ち、この終端部分81を支持する弾性部分82のばね力により、終端部分81が針床100′の覆い条片115′へ押付けられる。矢印方向87へ終端部分81を押し下げることにより、終端部分81が、磁石160′により弾性部分82の力に抗して非選針位置に保持される。
【0033】
最後に図9a,9bは、継ぎ手98を介して編針120′にはまり合いで結合されている選針板90を示す。選針板90の終端部分91は切欠き97を持ち、橋絡片96に支持される終端部分91が、弾性素子92の力に抗して図9bに示すように上方へ揺動されると、線の形の軸線方向拘束素子180が切欠き97へ導入される。この位置で終端部分91が磁石160により保持される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、編機の針床の針溝に設けられる編成部材用の選針板であって、選針板が針床の針溝内に長手方向に移動可能に設けられ、接極子面に編機の選針システムの磁石の作用を受けることができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
このような選針板は例えば欧州特許出願公開第1275762号明細書から公知である。公知の選針板は針溝に揺動可能に設けられ、選針の場合選針システムの磁石から釈放され、ばね力により選針位置へ揺動せしめられる。続いて選針板は、その駆動バットを、カム曲線により針溝内で前進せしめられる。選針板の前進の際付加的な針床挿入部分が係合せしめられる。
【0003】
この選針板は、垂直な駆動バットのため、比較的大きい長さを持っている。更に編成システムに、選針板の前進及び後退運動のためそれぞれ1つのカム曲線を設けねばならず、それによりカム製造のための費用が増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基礎となっている課題は、短い全長の選針板及び簡単なカム構造を可能にする簡単な構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、最初にあげた種類の選針板において、選針板が、針溝の針底に対して直角に向けられかつ接極子面から突出しない前進面を持ち、この前進面において選針板が、針溝内で前進のため駆動素子の作用を受けることができることによって解決される。
【0006】
本発明による選針板は、前進のために、上方へ突出する駆動バットを必要としない。従って選針板の前進は、カム曲線によって行う必要がない。選針板は、選針の場合前進面に作用する駆動素子により針溝内を前方へ動かされる。例えば編針を直接に又は中間素子を介して間接に、編成システムのカム曲線に係合させることができる。
【0007】
好ましい実施形態では、前進面が選針板の後部終端面を形成している。その場合前進面は、針溝の長手方向に作用する前進用駆動素子の作用を受ける。
【0008】
更に前進面が接極子面に隣接して選針板の終端部分に設けられていると有利である。この手段により、選針板の全長を更に小さくすることができる。
【0009】
その際終端部分が、限られた範囲で揺動可能に選針板に設けられているようにすることができる。従って選針しない場合終端部分を選針システムの磁石へ向かって揺動させ、選針する場合磁石から離れるように揺動させることができる。
【0010】
選針の場合磁石からの接極子面の確実な釈放を保証するため、更に終端部分が選針板の弾性部分に設けられていると有利である。選針しない場合終端部分が、磁石によりばね力に抗して吸引される。選針の場合弾性部分が終端部分を磁石から離すので、前進面が駆動素子の作用を受けることができる。
【0011】
しかし終端部分が選針板の剛性縦橋絡片に設けられ、選針板がばね素子の力に抗して揺動可能に針溝内に設けられることもできる。ばね素子を除いて曲げ剛性を持つように構成される選針板は、この構成では、全体として選針システムの磁石の方へかつこれから離れるように揺動する。選針位置への運動は、選針システムの磁石が選針板を釈放すると、再びばね素子によって行われる。その際ばね素子がなるべく選針板と共に1つの部分から構成されており、それにより選針板の構造が簡単になり、従って製造費が少なくなる。
【0012】
選針板が、終端部分の揺動運動を限定するストッパを持っていることによって、別の利点が得られる。それにより選針板の終端位置が正確に規定される。
【0013】
選針板が編成部材又は中間素子に作用する前部ストッパ面を持っていると、有利である。選針板が前進せしめられると、そのストッパ面により前進運動を編成部材へ伝達することができる。
【0014】
編成部材がカム曲線により針溝内を後方へ動かされる時、選針板の初期位置への戻り運動が編成部材を介して行われるか、又は後方へ向く直線運動を導入するため針床から突出する少なくとも1つの操作バットを介して行われる。
【0015】
別の好ましい実施形態では、選針板が選針システムの磁石によりその接極子面に保持される時、選針板が針溝内におけるその軸線方向位置に拘束可能である。磁石からの釈放後、選針板が針溝の後部範囲で所定の軸線方向位置をとるので、選針板はその前進面で駆動素子の作用を受けることができる。
【0016】
この軸線方向固定のため、選針板が切欠きを持ち、選針板の接極子面が選針システムの磁石へ向かって揺動する時、針床に設けられる拘束素子が切欠きへ導入可能である。拘束素子を構成するため、種々の可能性が考えられる。特に安価な解決策は、拘束素子が、選針磁石の範囲で針床に沿って針溝を通って横に導かれる線として構成されることである。その場合針床のすべての選針板に対してただ1つの拘束素子を設けさえすればよい。
【0017】
選針システムが針床の上に設けられているか、又は下に設けられているかに応じて、針溝に挿入される選針板の接極子面が針床上側の方向へ向いているか又は針床下側の方向へ向いており、それにより支持面を選針システムの磁石により保持することができる。
【0018】
本発明による選針板の好ましい実施例が図面により以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1a】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図1b】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図1c】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第3の状態で示す。
【図1d】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第4の状態で示す。
【図1e】 第1の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第5の状態で示す。
【図2】 第2の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を示す。
【図3a】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図3b】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図3c】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第3の状態で示す。
【図3d】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第4の状態で示す。
【図3e】 第3の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第5の状態で示す。
【図4】 第4の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を示す。
【図5a】 軸線方向拘束部を有する第5の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図5b】 軸線方向拘束部を有する第5の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図6a】 軸線方向拘束部を有する第6の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図6b】 軸線方向拘束部を有する第6の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図7a】 第6の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図7b】 第6の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【図8a】 下に設けられる選針システム用の第8の選針板を持つ針溝の範囲における針床を第1の状態で示す。
【図8b】 下に設けられる選針システム用の第8の選針板を持つ針溝の範囲における針床を第2の状態で示す。
【図9a】 軸線方向拘束部及び編成機構のかみ合い結合部を有する第9の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第1の状態で示す。
【図9b】 軸線方向拘束部及び編成機構のかみ合い結合部を有する第9の選針板を持つ針溝の範囲における針床の断面図を第2の状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
すべての図は、針溝110の範囲における針床100の断面図を示し、選択すべき編成部材120として編針が針溝110へ挿入されている。編針120は駆動バット130を持ち、針溝110内の編針120を長手方向に動かすことができるようにするため、駆動バット130が編成システムの図示しないカム曲線の作用を受けることができる。編針120は更に、その長手方向にそれぞれの選針板の作用を受けることができる終端部分140を持っている。すべての図は、それぞれの選針板のための磁石160を持つ選針システム150を示す。
【0021】
図1a〜1bに示す第1の選針板10は、選針板10の弾性部分12に支持される終端部分11を持っている。終端部分11の上側には、図1bに示すように磁石160の作用を受ける接極子面13が設けられている。接極子面13に隣接して、終端部分11にある前進面14が後部終端面として設けられている。この前進面は針溝110内で選針板10の前進に役立つ。前進面14は、針床100の針底170に対してほぼ直角に向けられている。選針板10は更にその前方端部にストッパ面15を持ち、編針120の終端部分140がこのストッパ面の作用を受ける。
【0022】
終端部分11が矢印方向16に上昇せしめられると、図1bに示すように、接極子面13が磁石160により弾性部分12の力に抗して選針システム150に吸着保持される。選針の場合磁石160が終端部分11を釈放し、弾性部分12により終端部分11が選針システム150から離され、針底170に載る。この位置で終端部分11は、ここには示されてない駆動素子により、矢印方向17へ針溝110の長手方向に押され、それにより選針板10が、またストッパ面15を介して編針120も、針溝110内を前方へ動かされる。それにより編針120の駆動バット130が、図1cに示すようにカムに係合せしめられる。
【0023】
続いて選針板10がその位置にとどまり、編針120の駆動バット130が図1dに示すようにカム曲線を通過する。
【0024】
図1eは後退運動中の編針120を示し、編針が選針板10を図1aに示す初期位置へ後退させる。後退運動は矢印方向18に駆動バット130力により行われる。
【0025】
図2は図1の選針板10とほぼ同じように構成される選針板20の別の構成を示し、選針板20は後退運動のために操作バット21を持ち、それにより選針板20がその初期位置へ戻され、編針120が前進運動も行う。
【0026】
図3a〜3eは、異なる動作位置にありかつ編針120と共同作用する第3の選針板30を示す。選針板30も、接極子面33及び前進面34を備えた終端部分31を持っている。しかしここでは終端部分31は、編針120に作用するためのストッパ面35を前方端部に持つ剛性橋絡片36に支持されている。選針板30は更に橋絡片36に取付けられるばね素子32を備え、ばね素子32の自由端を針床の覆い条片37に支持される終端部分31〜矢印方向38に力が及ぼされると、選針板30は選針システムの磁石160により接極子面33で保持される。図3bに示すように、橋絡片36はばね素子32の力に抗して揺動する。
【0027】
図3cは、終端部分31がばね素子32により磁石160から離され、選針板30が前進面34へ矢印方向39に前進せしめられることを示す。この前進運動の際選針板30が編針120を連行し、その駆動バット130をカム曲線に係合させる。続いて図3dに示すように、選針板30はその位置に留まり、編針120はカム曲線を通る。編針120の後退運動により、選針板30も再び図3aに示す初期位置へ押し戻され、これが図3eに示されている。
【0028】
図4に示される別の選針板40は、構造において選針板30に大幅に一致しているが、選針板40を初期位置へ後退運動させるためのバット41をもっている。それにより選針板40は初期位置へもどされるが、編針はまだカム曲線を通る。
【0029】
図5a,5bに示す別の選針板50は、同様に選針板30によく類似しており、再び接極子面53及び前進面54を有する終端部分51を持ち、終端部分51はばね素子52の力に抗して揺動可能に橋絡片56に支持されている。しかし終端部分31とは異なり、終端部分51は切欠き57を持ち、図5bに示すように、終端部分51が力58により上方へ磁石160に向かって押されると、軸線方向拘束素子180、ここでは針床100の長手方向に延びる線が、切欠き57へ導入される。この位置で線180が、選針板50を軸線方向に拘束する。選針の場合切欠き57の面59が、針溝の長手方向における選針板50の限界を形成して、図5aに示すように、図示してない駆動素子による前進面54の確実な捕捉を保証する。
【0030】
図6aは、軸線方向拘束部を持つ別の選針板60を示す、選針板60は図1の選針板10と同じように構成され、弾性部分62に支持される終端部分61を持ち、この終端部分61が再び拘束素子としての線180を受入れる切欠き67を備えている。終端部分61が矢印方向68に磁石160へ向かって動かされると、線180が切欠き67へはまり、それにより図6bに示すように選針板60を針溝の縦方向に拘束する。
【0031】
図7a,7bは、図1の選針板10と同じように構成される別の選針板70を示す。選針板70は、接極子面73及び前進面74を備えかつ選針板70の弾性部分72に支持される終端部分71を持っている。弾性部分72の揺動行程を限定するため、選針板70の曲げ剛性を持つように構成される2つの脚辺75,76に、それぞれストッパ77,78が設けられている。図7aでは弾性部分72がストッパ78に当たり、図7bに示すように磁石160により保持される終端部分71の上昇位置では、弾性部分72がストッパ77に当たっている。前進面74に前進力が作用する際、弾性部分72が折れるのを確実に防止するため、ストッパ77,78が弾性部分72の限定及び支持に役立つ。
【0032】
図8a,8bは、針床100′の下に設けられて選針磁石160′を持つ選針システム150′を有する針床100′の断面図を示す。このような針床100′に適した選針板80は、図8aによれば終端部分81を持ち、この終端部分81を支持する弾性部分82のばね力により、終端部分81が針床100′の覆い条片115′へ押付けられる。矢印方向87へ終端部分81を押し下げることにより、終端部分81が、磁石160′により弾性部分82の力に抗して非選針位置に保持される。
【0033】
最後に図9a,9bは、継ぎ手98を介して編針120′にはまり合いで結合されている選針板90を示す。選針板90の終端部分91は切欠き97を持ち、橋絡片96に支持される終端部分91が、弾性素子92の力に抗して図9bに示すように上方へ揺動されると、線の形の軸線方向拘束素子180が切欠き97へ導入される。この位置で終端部分91が磁石160により保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
編機の針床(100,100′)の針溝(110)に設けられる編成部材(120)用の選針板であって、選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)が針床(100)の針溝(110)内に長手方向に移動可能に設けられ、接極子面(13,33,53,73)に編機の選針システム(150,150′)の磁石(160,160′)の作用を受けることができるものにおいて、選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)が、針溝(110)の針底(170)に対して直角に向けられかつ接極子面(13,33,53,73)から突出しない前進面(14,34,54,74)を持ち、この前進面において選針板が、針溝(110)内で前進のため駆動素子の作用を受けることができることを特徴とする選針板。
【請求項2】
前進面(14,34,54,74)が選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)の後部終端面を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の選針板。
【請求項3】
前進面(14,34,54,74)が接極子面(13,33,53,73)に隣接して選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)の終端部分(11,21,31,41,51,61,71,81,91)に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の選針板。
【請求項4】
終端部分(11,21,31,41,51,61,71,81,91)が、限られた範囲で揺動可能に選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の選針板。
【請求項5】
終端部分(11,21,61,71,81)が選針板(10,60,70,80)の弾性部分(12,62,72,82)に設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の選針板。
【請求項6】
終端部分(31,51,91)が選針板(30,50,90)の剛性縦橋絡片(36,56,96)に設けられ、選針板(30,50,90)がばね素子(32,52,92)の力に抗して揺動可能に針溝(110)内に設けられることができることを特徴とする、請求項3又は4に記載の選針板。
【請求項7】
ばね素子(32,52,92)が選針板(30,50,90)と共に1つの部分から構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の選針板。
【請求項8】
選針板が、終端部分(71)の揺動運動を限定しかつ弾性部分(72)を支持するストッパ(77,78)を持っていることを特徴とする、請求項1〜7の1つに記載の選針板。
【請求項9】
選針板が、編成部材(120)又は中間素子に作用する前部ストッパ面(15,35)を持っていることを特徴とする、請求項1〜8の1つに記載の選針板。
【請求項10】
選針板が針床(100)から突出する少なくとも1つの操作バット(21,41)を持っていることを特徴とする、請求項1〜9の1つに記載の選針板。
【請求項11】
選針板が選針システム(150)の磁石(160)によりその接極子面(53)に保持される時、選針板が針溝(110)内におけるその軸線方向位置に拘束可能であることを特徴とする、請求項1〜10の1つに記載の選針板。
【請求項12】
選針板が切欠き(57,67,97)を持ち、選針板(50,60,90)の接極子面(53)が選針システム(150)の磁石(160)へ向かって揺動する時、針床(100)に設けられる拘束素子(180)が切欠きへ導入可能であることを特徴とする、請求項11に記載の選針板。
【請求項13】
切欠き(57,67,97)が、針溝(110)の長手方向における選針板(50,60,90)の行程限界を形成していることを特徴とする、請求項12に記載の選針板。
【請求項14】
拘束素子(180)が、選針磁石(160)の範囲で針床(100)に沿って針溝(110)を通って横に導かれる線であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の選針板。
【請求項15】
針溝(110)に挿入される選針板(10,30,50)の接極子面(13,33,53)が針床上側の方向へ向いていることを特徴とする、請求項1〜14の1つに記載の選針板。
【請求項16】
針溝(110′)へ挿入される選針板(80)の接極子面が針床下側の方向へ向いていることを特徴とする、請求項1〜14の1つに記載の選針板。
【請求項1】
編機の針床(100,100′)の針溝(110)に設けられる編成部材(120)用の選針板であって、選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)が針床(100)の針溝(110)内に長手方向に移動可能に設けられ、接極子面(13,33,53,73)に編機の選針システム(150,150′)の磁石(160,160′)の作用を受けることができるものにおいて、選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)が、針溝(110)の針底(170)に対して直角に向けられかつ接極子面(13,33,53,73)から突出しない前進面(14,34,54,74)を持ち、この前進面において選針板が、針溝(110)内で前進のため駆動素子の作用を受けることができることを特徴とする選針板。
【請求項2】
前進面(14,34,54,74)が選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)の後部終端面を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の選針板。
【請求項3】
前進面(14,34,54,74)が接極子面(13,33,53,73)に隣接して選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)の終端部分(11,21,31,41,51,61,71,81,91)に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の選針板。
【請求項4】
終端部分(11,21,31,41,51,61,71,81,91)が、限られた範囲で揺動可能に選針板(10,20,30,40,50,60,70,80,90)に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の選針板。
【請求項5】
終端部分(11,21,61,71,81)が選針板(10,60,70,80)の弾性部分(12,62,72,82)に設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の選針板。
【請求項6】
終端部分(31,51,91)が選針板(30,50,90)の剛性縦橋絡片(36,56,96)に設けられ、選針板(30,50,90)がばね素子(32,52,92)の力に抗して揺動可能に針溝(110)内に設けられることができることを特徴とする、請求項3又は4に記載の選針板。
【請求項7】
ばね素子(32,52,92)が選針板(30,50,90)と共に1つの部分から構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の選針板。
【請求項8】
選針板が、終端部分(71)の揺動運動を限定しかつ弾性部分(72)を支持するストッパ(77,78)を持っていることを特徴とする、請求項1〜7の1つに記載の選針板。
【請求項9】
選針板が、編成部材(120)又は中間素子に作用する前部ストッパ面(15,35)を持っていることを特徴とする、請求項1〜8の1つに記載の選針板。
【請求項10】
選針板が針床(100)から突出する少なくとも1つの操作バット(21,41)を持っていることを特徴とする、請求項1〜9の1つに記載の選針板。
【請求項11】
選針板が選針システム(150)の磁石(160)によりその接極子面(53)に保持される時、選針板が針溝(110)内におけるその軸線方向位置に拘束可能であることを特徴とする、請求項1〜10の1つに記載の選針板。
【請求項12】
選針板が切欠き(57,67,97)を持ち、選針板(50,60,90)の接極子面(53)が選針システム(150)の磁石(160)へ向かって揺動する時、針床(100)に設けられる拘束素子(180)が切欠きへ導入可能であることを特徴とする、請求項11に記載の選針板。
【請求項13】
切欠き(57,67,97)が、針溝(110)の長手方向における選針板(50,60,90)の行程限界を形成していることを特徴とする、請求項12に記載の選針板。
【請求項14】
拘束素子(180)が、選針磁石(160)の範囲で針床(100)に沿って針溝(110)を通って横に導かれる線であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の選針板。
【請求項15】
針溝(110)に挿入される選針板(10,30,50)の接極子面(13,33,53)が針床上側の方向へ向いていることを特徴とする、請求項1〜14の1つに記載の選針板。
【請求項16】
針溝(110′)へ挿入される選針板(80)の接極子面が針床下側の方向へ向いていることを特徴とする、請求項1〜14の1つに記載の選針板。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【公開番号】特開2011−226055(P2011−226055A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96530(P2011−96530)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(591114995)ハー・シユトル・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(591114995)ハー・シユトル・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト (16)
【Fターム(参考)】
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