説明

避雷針取外方法及び避雷針取外用治具

【課題】容易かつ安全に避雷針を取外すことのできる避雷針取外方法及び避雷針取外用治具を提供する。
【解決手段】一端側が鞘管2に取付けられた第1台付ワイヤロープ3の他端側をクレーンのフック57に取付けると共に、当該フック57に第2台付ワイヤロープ4の一端側を取付ける。その後、クレーンにより鞘管2を吊上げつつ避雷針ポール50に差し込む。そして、第1支持管52と第2支持管53の接続部S2を含む高さ範囲に鞘管2が配置された状態で、当該鞘管2よりも下方に位置する第3支持管54に対し第2台付ワイヤロープ4の他端部を固定する。この状態のまま、避雷針ポール50を固定した取付金物55を取外し、クレーンにより避雷針ポール50及び鞘管2を吊上げ、所定のスペースまで運び、荷降ろしする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数部材が接続されてなる避雷針を取外すための避雷針取外方法、及び、当該避雷針取外方法において使用される避雷針取外用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の屋上等には、落雷等から建物を守るために避雷針が設置される。一般に避雷針は、その全長が長いため、複数の部材を接続することにより構成されている。具体的には、避雷針の先端部を構成する突針と、それを支持する少なくとも1つの支持管とを備えてなる。
【0003】
突針と支持管の接続構造(又は、支持管同士の接続構成)としては、例えば突針に形成された雄ネジ部を支持管先端に穿設された雌ネジ部にねじ込む方法や、突針を支持管先端に差し込みロウ付けする方法、又は支持管側面の複数箇所から押しネジにて固定する方法などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、どのような接続方法であっても、長期使用による経年変化により接続部に緩みや破損等が生じる。このように接続部に緩み等が発生すると、風圧による揺れ等が原因となり、当該接続部よりも上側部分が傾くおそれがある。
【0005】
したがって、避雷針の接続部に緩み等が発生した場合には、当該避雷針を取替える必要がある。しかし、避雷針の接続部に緩み等が発生した状態のまま、作業員が容易に近づける支持管のみを吊りロープなどに固定し、当該避雷針を建物からまるごと取外そうとすると、クレーン等で吊りロープを吊上げ撤去する際、当該緩み等が発生した接続部よりも上側の突針部分などが抜け落ちてしまうおそれがある。作業上とても危険であり、又建屋も損傷させるおそれがある。
【0006】
そのため、従来では、図8に示すように、緩み等が発生した避雷針70の接続部71のある高さ位置までビデ足場など仮設の足場75を組上げ、突針など上部に吊りロープなどを仮固定したのち、当該接続部71を取外して当該接続部71よりも上側の突針や上方支持管など上側部分72と下側部分73とに分解した後、クレーン等でまず突針を吊り上げ撤去し、しかるのちに下側の支持管を吊り上げ撤去することで、上側部分72と下側部分73とを別々に吊上げ撤去していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−25145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の方法では、建物の屋上等での足場の組立作業及び解体作業を要するため手間や時間がかかると共に、仮設費としてのコストの増大が懸念される。また、足場に上がって高所作業を行うため、作業性が低下すると共に、作業者や工具の落下防止等に関し、多大な配慮を払う必要がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易かつ安全に避雷針を取外すことのできる避雷針取外方法及び避雷針取外用治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0011】
手段1.複数部材が接続されてなる避雷針を建物から取外すための避雷針取外方法であって、
所定の鞘管に一端側が取付けられた第1ロープの他端側を所定の吊上げ手段に対し取付ける第1ロープ取付工程と、
第2ロープの一端側を前記吊上げ手段に対し取付ける第2ロープ取付工程と、
前記吊上げ手段により前記鞘管を吊上げ、前記避雷針に差し込む鞘管差込工程と、
前記避雷針の所定の接続部を含む高さ範囲に前記鞘管を配置した状態で、当該鞘管よりも下方に位置する前記避雷針の所定部位に対し前記第2ロープの他端側を取付ける避雷針締結工程と、
前記避雷針を前記建物に固定した固定具を取外す固定具取外工程と、
前記吊上げ手段により前記避雷針及び前記鞘管を吊上げ運搬する撤去工程とを備え、
前記鞘管として、その内径寸法が、前記避雷針の所定の接続部よりも上側部分の最大外径寸法及び下側部分の最小外径寸法を加えた大きさよりも小さいものを用いることを特徴とする避雷針取外方法。
【0012】
上記手段1によれば、第1ロープを介してクレーン等の吊り上げ手段により吊上げた鞘管を既設の避雷針に対し差込み、緩み等の発生した接続部を取り囲むと共に、この状態を維持したまま、当該鞘管よりも下方に位置する避雷針の所定部位に対し避雷針吊上げ用の第2ロープを固定することで、避雷針及び鞘管を併せて吊上げ運搬する。この際、鞘管として、その内径寸法が、避雷針の所定の接続部よりも上側部分の最大外径寸法及び下側部分の最小外径寸法を加えた大きさよりも小さいものを用いる。
【0013】
これにより、避雷針の吊上げ撤去中に万が一、緩み等が発生した接続部から上側部分がぐらついたとしても、当該上側部分を鞘管で支えることができる。ひいては、当該上側部分が下側部分から外れた場合でも、当該上側部分が下側部分と鞘管との隙間から落下するのを防止することができる。
【0014】
また、避雷針の上側部分に関しては、吊り上げ手段により吊上げた鞘管を差し込むことで保持しているため、当該部分を所定のロープで固定する高所作業を行う必要がなく、避雷針の下側部分を一点固定する低所作業だけで、避雷針を安定して吊上げることができる。
【0015】
結果として、避雷針の撤去作業を行うに際し、建物の屋上等に足場を組立てる必要もなく、建物から容易かつ安全に避雷針を取外すことができる。結果として、作業者の手間数の削減、工事時間の短縮、コスト削減、安全性の向上等を図ることができる。
【0016】
手段2.前記吊上げ手段に対し安全ブロックを取付ける安全ブロック取付工程と、
前記安全ブロックに対し作業者の装着した安全帯を繋ぐ安全帯接続工程とを備えたことを特徴とする手段1に記載の避雷針取外方法。
【0017】
上記手段2によれば、吊上げ手段に対し安全ブロックを取付けることで、作業者が装着する安全帯を繋ぐ箇所を別途確保する必要もなく、利便性の向上を図ると共に、さらなる安全性の向上を図ることができる。
【0018】
手段3.前記鞘管に取付けた誘導ロープを介して、前記吊上げ手段により吊上げられた前記鞘管を誘導する誘導工程を備えたことを特徴とする手段1又は2に記載の避雷針取外方法。
【0019】
上記手段3によれば、鞘管を避雷針に差し込む作業等が行いやすくなり、作業効率の向上を図ることができる。
【0020】
手段4.複数部材が接続されてなる避雷針を建物から取外すための避雷針取外用治具であって、
前記避雷針の所定の接続部よりも上側部分の最大外径寸法及び下側部分の最小外径寸法を加えた大きさよりも小さな内径寸法を有し、前記避雷針に差し込まれる鞘管と、
一端側が前記鞘管に取付けられ、他端側が所定の吊上げ手段に取付けられる鞘管吊上げ用の第1ロープと、
一端側が前記吊上げ手段に取付けられ、他端側が前記避雷針に取付けられる避雷針吊上げ用の第2ロープとを備えたことを特徴とする避雷針取外用治具。
【0021】
上記手段4の避雷針取外用治具を使用することにより、上記手段1の避雷針取外方法を実施することができ、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
【0022】
手段5.前記鞘管を誘導するための誘導ロープを備えたことを特徴とする手段4に記載の避雷針取外用治具。
【0023】
上記手段5によれば、鞘管を避雷針に差し込む作業等が行いやすくなり、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】鞘管を示す正面図である。
【図2】鞘管を示す平面図である。
【図3】既設の避雷針ポールを示す図である。
【図4】鞘管を誘導し避雷針ポールへ差し込む過程を示す図である。
【図5】鞘管を避雷針ポールの所定位置に配置する過程を示す図である。
【図6】第2台付ワイヤロープを避雷針ポールに取付ける過程を示す図である。
【図7】避雷針ポールを吊上げ撤去する過程を示す図である。
【図8】従来の避雷針ポールの取外方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。先ずは本発明の避雷針取外方法により取外される避雷針ポールの一例について説明する。図3に示すように、避雷針ポール50は、その先端部を構成する突針51と、当該突針51を支持する第1支持管52と、当該第1支持管52を支持する第2支持管53と、当該第2支持管53を支持する第3支持管54とが接続されてなる。そして、避雷針ポール50は、固定具としての複数の取付金物55を用いて最下の第3支持管54を建物60の側壁部分に固定することにより立設されている。
【0026】
突針51及び支持管52〜54は、電気的導通を有する金属から構成され、図示しない雷保護のための接地極へ電気的導通を保ち接続されている。また、本実施形態における突針51及び支持管52〜54の長さは、例えば、それぞれ突針51が400mm、第1支持管52が1500mm、第2支持管53が3500mm、第3支持管54が4000mmとなっている。
【0027】
突針51と第1支持管52の接続部S1、第1支持管52と第2支持管53の接続部S2、及び、第2支持管53と第3支持管54との接続部S3は、例えばねじ込み式、ロウ付けなど公知の接続方法により接続されている。
【0028】
次に本発明に係る避雷針取外用治具の一例について説明する。図4に示すように、避雷針取外用治具1は、円筒状の鞘管2と、当該鞘管2を吊り上げるための第1台付ワイヤロープ(第1ロープ)3と、避雷針ポール50を吊り上げるための第2台付ワイヤロープ(第2ロープ)4と、鞘管2を誘導するための介錯ロープ(誘導ロープ)5とを備えている。
【0029】
本実施形態の鞘管2は、ポリ塩化ビニル製の工業的に量産されている既存のパイプを利用して形成されている。また、その長さは、上記避雷針ポール50に対応して、例えば長さ4000mmとなっている。
【0030】
図1に示すように、鞘管2の上端部近傍には、第1台付ワイヤロープ3の一端を接続するための第1取付部として取付ワイヤ7が環状に取付けられている(図2参照)。また、鞘管2の下端部近傍には、介錯ロープ5を接続するための第2取付部としてIボルト8が取付けられている。
【0031】
次に、上記避雷針取外用治具1を用いた避雷針取外方法について、第1支持管52と第2支持管53の接続部S2が緩んでいる場合を例に説明する。
【0032】
まず取外対象となる避雷針ポール50が設置された建物60の近くに吊上げ手段としてのクレーン(図示略)を配置する。
【0033】
続いて、鞘管2の取付ワイヤ7に対し第1台付ワイヤロープ3の一端を取付け、Iボルト8に対し介錯ロープ5を取付ける。
【0034】
同時に、クレーンのフック57(図4参照)に対し、鞘管2に取付けられた第1台付ワイヤロープ3の他端側を取付ける(第1ロープ取付工程)と共に、第2台付ワイヤロープ4の一端側を取付ける(第2ロープ取付工程)。併せて、フック57に対し安全ブロック59を取付ける(安全ブロック取付工程)。
【0035】
なお、鞘管2としては、その内径寸法が、当該鞘管2が覆うこととなる接続部S2よりも上側部分である第1支持管52の最大外径寸法α1及び下側部分である第2支持管53の最小外径寸法α2を加えた値よりも小さい値となる直径200mmのものを採用している(図3参照)。また、各台付ワイヤロープ3,4としては、接続部S2の高さ位置に合せて予め適切な長さに設定したものを用いている。
【0036】
これらの取付けが完了したら、図4に示すように、クレーンにて鞘管2(第1台付ワイヤロープ3)、第2ワイヤロープ4及び安全ブロック59を吊り上げると共に、作業員Pが介錯ロープ5を掴んで鞘管2を誘導しつつ(誘導工程)、当該鞘管2を避雷針ポール50に対し差し込んでいく(鞘管差込工程)。
【0037】
そして、図5に示すように、第1支持管52と第2支持管53の接続部S2を含む高さ範囲に鞘管2が配置された状態でクレーンを一旦停止させる。
【0038】
次に作業員Pは安全帯56を装着すると共に、安全ブロック59から延び出したワイヤロープ59aの先に安全帯7を接続する(安全帯接続工程)。
【0039】
続けて、作業員Pは、図6に示すように、脚立やたち馬などの低い高さの簡易な足場(以下、脚立という)62を用いて建物60の屋根に上り、クレーンにより吊り上げられた第2台付ワイヤロープ4の他端部を第3支持管54に固定する(避雷針締結工程)。例えば、第3支持管54に対しボルト等を取付け、当該ボルト等に引っ掛かるように第2台付ワイヤロープ4を第3支持管54に巻き付け、シャックル等を用いて固定する。
【0040】
第2台付ワイヤロープ4の取付けが完了したら、作業員Pは脚立62を降りつつ、避雷針ポール50を固定した取付金物55を取外す(固定具取外工程)。
【0041】
そして、クレーンにより避雷針ポール50及び鞘管2を吊上げ、介錯ロープ5で誘導しながら所定のスペースまで運び、荷降ろしする(撤去工程)。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態によれば、避雷針ポール50の吊上げ撤去中に万が一、緩み等が発生した接続部S2から上側部分(突針51及び第1支持管52)がぐらついたとしても、当該上側部分を鞘管2で支えることができる。ひいては、当該上側部分が下側部分(第2支持管53及び第3支持管54)から外れた場合でも、当該上側部分が下側部分と鞘管2との隙間から落下するのを防止することができる。
【0043】
また、避雷針ポール50の上側部分に関しては、クレーンにより吊上げた鞘管2を差し込むことで保持しているため、当該部分を所定のロープで固定する高所作業を行う必要がなく、避雷針ポール50の下側部分を一点固定する低所作業だけで、避雷針ポール50を安定して立てた状態で吊上げることができる。
【0044】
結果として、避雷針ポール50の撤去作業を行うに際し、建物60の屋上等に足場を組立てる必要もなく、建物60から容易かつ安全に避雷針ポール50を取外すことができる。結果として、作業者Pの手間数の削減、工事時間の短縮、コスト削減、安全性の向上等を図ることができる。
【0045】
さらに、本実施形態では、クレーンのフック57に対し安全ブロック59を取付け、当該安全ブロック59に対し作業者Pの装着した安全帯7を繋ぐことで、安全帯7を繋ぐ箇所を別途確保する必要もなく、利便性の向上を図ると共に、さらなる安全性の向上を図ることができる。
【0046】
吊上げられた鞘管2を介錯ロープ5を介して誘導することにより、鞘管2を避雷針ポール50に差し込む作業等が行いやすくなり、作業効率の向上を図ることができる。
【0047】
以上説明した実施形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
【0048】
(a)上記実施形態に係る鞘管2は、その長さが4000mmで、内径寸法が200mmのポリ塩化ビニル製の既存のパイプを利用して形成されているが、鞘管2の大きさや材質などその構成は上記実施形態に限定されるものではない。
【0049】
例えば、ポリ塩化ビニルとは異なる合成樹脂材料や金属材料など、他の材料により形成されていてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、台付ワイヤロープ3,4を取付ける取付部として、取付ワイヤ7やIボルト8が用いられているが、これに限らず、他の部材を用いてもよいし、台付ワイヤロープ3,4を取付ける取付部を鞘管2に一体形成した構成としてもよい。
【0051】
(b)鞘管吊上げ用の第1ロープ、及び、避雷針吊上げ用の第2ロープは、上記実施形態の台付ワイヤロープに限定されるものではなく、材質など構成の異なるもの採用してもよい。例えば、上記実施形態では、予め長さが設定されたロープを用いているが、これに限らず、長さ調節可能なロープを採用してもよい。
【0052】
(c)上記実施形態では、鞘管2等を適切に誘導するために介錯ロープ5を用いる構成となっているが、これに限らず、介錯ロープ5を省略した構成としてもよい。但し、鞘管2等を適切に誘導するためには、介錯ロープ5を備えることが好ましい。
【0053】
(d)上記実施形態では、建物60の側壁に固定された避雷針ポール50を取外対象としているが、これに限らず、例えば建物の屋上等に設けられた所定の取付台に立設された避雷針ポールを対象としてもよい。
【0054】
また、避雷針ポール50の長さや接続構成など、その構成も上記実施形態に限定されるものではない。例えば、突針とそれを支持する1つの支持管からなる構成の避雷針ポールを取外対象としてもよい。
【0055】
(e)避雷針ポール50を取外す各工程の作業内容に関しても上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、作業員Pが建物60の屋根に上る作業を要するため、フック57に対し安全ブロック59を取付ける工程や当該安全ブロック59に作業員Pの装着した安全帯56を接続する工程を要するが、高所作業を要しない安全な場所で第2台付ワイヤロープ4を避雷針ポール50に取付けることができるような場合には、必ずしも安全帯56を装着する必要はなく、ひいてはフック57に対し安全ブロック59を取付ける工程も省略することができる。
【符号の説明】
【0056】
1…避雷針取外用治具、2…鞘管、3…第1台付ワイヤロープ、4…第2台付ワイヤロープ、5…介錯ロープ、50…避雷針ポール、51…突針、52,53,54…支持管、55…取付金物、56…安全帯、59…安全ブロック、60…建物、S1〜S3…接続部、P…作業員。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数部材が接続されてなる避雷針を建物から取外すための避雷針取外方法であって、
所定の鞘管に一端側が取付けられた第1ロープの他端側を所定の吊上げ手段に対し取付ける第1ロープ取付工程と、
第2ロープの一端側を前記吊上げ手段に対し取付ける第2ロープ取付工程と、
前記吊上げ手段により前記鞘管を吊上げ、前記避雷針に差し込む鞘管差込工程と、
前記避雷針の所定の接続部を含む高さ範囲に前記鞘管を配置した状態で、当該鞘管よりも下方に位置する前記避雷針の所定部位に対し前記第2ロープの他端側を取付ける避雷針締結工程と、
前記避雷針を前記建物に固定した固定具を取外す固定具取外工程と、
前記吊上げ手段により前記避雷針及び前記鞘管を吊上げ運搬する撤去工程とを備え、
前記鞘管として、その内径寸法が、前記避雷針の所定の接続部よりも上側部分の最大外径寸法及び下側部分の最小外径寸法を加えた大きさよりも小さいものを用いることを特徴とする避雷針取外方法。
【請求項2】
前記吊上げ手段に対し安全ブロックを取付ける安全ブロック取付工程と、
前記安全ブロックに対し作業者の装着した安全帯を繋ぐ安全帯接続工程とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の避雷針取外方法。
【請求項3】
前記鞘管に取付けた誘導用ロープを介して、前記吊上げ手段により吊上げられた前記鞘管を誘導する誘導工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の避雷針取外方法。
【請求項4】
複数部材が接続されてなる避雷針を建物から取外すための避雷針取外用治具であって、
前記避雷針の所定の接続部よりも上側部分の最大外径寸法及び下側部分の最小外径寸法を加えた大きさよりも小さな内径寸法を有し、前記避雷針に差し込まれる鞘管と、
一端側が前記鞘管に取付けられ、他端側が所定の吊上げ手段に取付けられる鞘管吊上げ用の第1ロープと、
一端側が前記吊上げ手段に取付けられ、他端側が前記避雷針に取付けられる避雷針吊上げ用の第2ロープとを備えたことを特徴とする避雷針取外用治具。
【請求項5】
前記鞘管を誘導するための誘導ロープを備えたことを特徴とする請求項4に記載の避雷針取外用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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