説明

部品の待機個数維持装置

【課題】部品供給通路がどのような向きに傾斜しても部品の待機個数を維持することができる部品の待機個数維持装置。
【解決手段】進退式供給ロッド1に対して、部品送出装置56から部品5を供給するものであって、部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも低くなっているときに供給ロッド1に対する部品の待機個数を所定個数に維持するセンサー31が配置され、部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも高くなったときに部品の逆移動を防止する部品移動防止手段63がセンサー31から供給ロッド1とは反対側に離隔した箇所の部品供給通路23に配置され、部品移動防止手段63は、部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも低くなっているときは部品移動を許容し、部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも高くなったときに部品移動を禁止するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、柔軟性のある部品供給管の配管姿勢を設定するとともに、そこに整列している部品の待機個数を維持する装置に関している。
【背景技術】
【0002】
特許第3944778号公報には、目的箇所へ部品を到達させる進退式の供給ロッドに対して、部品送出装置から部品供給通路を経て部品を供給することが記載され、さらに、供給ロッドに部品を保持して目的箇所へ供給するものにおいては、部品供給通路に所定個数の部品を待機させておくことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3944778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1においては、部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも低くなっているときには、前記供給ロッドに対する部品の待機個数を所定個数に維持できる。しかし、部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも高くなったときには、部品が逆方向に滑降し所定の部品待機個数が維持できなくなる。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、部品供給通路がどのような向きに傾斜しても部品の待機個数を維持することができる部品の待機個数維持装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、目的箇所へ部品を到達させる進退式の供給ロッドに対して、部品送出装置から部品供給通路を経て部品を供給するものであって、前記部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも低くなっているときに前記供給ロッドに対する部品の待機個数を所定個数に維持するセンサーが部品供給通路に配置され、前記部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも高くなったときに部品の逆移動を防止する部品移動防止手段が前記センサーから供給ロッドとは反対側に離隔した箇所の部品供給通路に配置され、前記部品移動防止手段は、部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも低くなっているときは部品移動を許容し、部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも高くなったときに部品移動を禁止することを特徴とする部品の待機個数維持装置である。
【発明の効果】
【0007】
前記部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも低くなっているときに前記供給ロッドに対する部品の待機個数を所定個数に維持するセンサーが部品供給通路に配置され、前記部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも高くなったときに部品の逆移動を防止する部品移動防止手段が前記センサーから供給ロッドとは反対側に離隔した箇所の部品供給通路に配置され、前記部品移動防止手段は、部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも低くなっているときは部品移動を許容し、部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも高くなったときに部品移動を禁止するものである。
【0008】
したがって、部品供給通路がどのような方向に傾斜しても、供給ロッドに対する部品の待機個数を正常に維持することができる。部品が正規の搬送方向とは逆方向に滑降するような傾斜が部品供給通路に付与されても、部品の逆移動を禁止する部品移動防止手段が作用して、部品の前記待機個数に不足を来すことがない。そして、このような逆傾斜となってもセンサーの感知範囲に部品を存在させることができるので、部品送出装置の動作を停止した状態とすることができ、部品送出装置が誤作動をして部品供給通路の途中に異常な部品が滞留することを防止できる。このようにして部品供給通路の部品搬送機能を、部品供給通路の傾斜方向に係わらず正常に確保することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記センサーは、部品を感知して待機個数が所定個数に達しているときには前記部品送出装置に対する送出信号の発信は行わず、部品を感知しないで待機個数が所定個数に達していないときには部品送出装置に対する送出信号の発信を行うものである請求項1記載の部品の待機個数維持装置である。
【0010】
したがって、前記部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも低くなっているときには、センサーの感知範囲に達するまで部品送出装置から部品送給が正常になされて待機個数が所定個数に達する。このときには部品列の後部がセンサーの感知範囲に存在するので、部品送出装置への送出信号は発信されなくなる。また、前記部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも高くなったときには、逆方向に滑降する部品列の最先の部品が部品移動防止手段によって通過が禁止されるので、センサーの感知範囲に部品を存在させることができ、これによってセンサーから部品送出装置に送出信号が送信されず、部品送出装置から異常な部品補充がなされることが防止できる。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記センサーと前記部品移動防止手段との間に並ぶ部品個数は、供給ロッドからセンサーまでに並ぶ待機個数よりも少なく設定されている請求項1または請求項2記載の部品の待機個数維持装置である。
【0012】
このような個数関係が設定されているので、部品供給通路の傾斜が逆搬送をする方向になっても、逆移動した部品の先端が部品移動防止手段によって拘束されるので、センサーの感知範囲に部品が存在し、部品送出装置を無駄に動作させるような送出信号が送信されることがない。もし、上述の個数関係の多寡が逆になった場合には、逆傾斜になったときにセンサーの感知範囲に部品が存在しないこととなる。そのために、部品送出装置に送出信号が送信されて、部品送出装置が誤作動をして部品供給通路の途中に異常な部品が滞留することとなる。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記部品供給通路は所要の配管姿勢に形成できる柔軟性のある合成樹脂製の部品供給管と金属製のガイド管によって形成され、前記ガイド管に結合した長尺な支持部材を部品供給管に沿わせて配置し、この支持部材の端部に部品供給管の保持部を設けて部品供給管の配管姿勢を定めるものであって、前記部品移動防止手段は前記保持部に配置してある請求項1〜請求項3のいずれかに記載の部品の待機個数維持装置である。
【0014】
長尺な支持部材が部品供給管に沿わせて配置され、この支持部材の端部に部品供給管の保持部が設けられているので、支持部材を細身の長尺な部材にしておくことにより、作業者が支持部材を適当に変形させて、部品供給管の配管姿勢を自由に選定することができるのである。例えば、プロジェクション溶接機にナットを供給するような場合には、部品供給管の周辺に種々な部材が存在しているので、それらを首尾よく避けながら配管姿勢を設定することが重要である。このような場合において、本発明であれば何等不自由をすることなく配管姿勢が選定できる。
【0015】
さらに、前記部品移動防止手段は前記保持部に配置してあるから、保持部における部品供給管の支持機能と、部品移動防止手段の設置機能を同時に果たすことができて、構造簡素化にとって効果的である。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記センサーは部品供給管に対して取り付けられ、前記支持部材にセンサーの取付け位置を設定する位置決め構造部が設けられている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の部品の待機個数維持装置である。
【0017】
センサーの位置は、位置決め構造部を介して設定されるので、位置決め構造部の配置箇所をあらかじめ支持部材に設定しておくことにより、センサーの配置箇所が常に最適の箇所に設定できる。したがって、センサーを保持部と供給ロッドとの間に正しく配置でき、センサー機能を正常に発揮させることができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、前記ガイド管を供給ロッドが貫通しているガイド筒に結合し、この結合箇所に部品の仮止室を形成し、前記ガイド筒に供給ロッドを進退させる進退駆動手段を結合することによって部品供給ユニットが構成され、この部品供給ユニットが電気抵抗溶接の電極を備えたロボット装置に装着されている請求項4または請求項5記載の部品の待機個数維持装置である。
【0019】
上述のようにして構成された部品供給ユニットが電気抵抗溶接の電極を備えたロボット装置に装着されているものであるから、ロボット装置の動作で部品供給通路の傾斜方向がどのように変化しても、部品の待機個数を正常に維持することができ、しかも部品の逆向き滑降を阻止して部品送出装置の異常作動を防止することができる。
【0020】
請求項7記載の発明は、部品供給管に結合部を介して結合した長尺な支持部材を部品供給管に沿わせて配置し、この支持部材の端部に部品供給管の保持部を設けて部品供給管の配管姿勢を定めるものであって、部品移動防止手段が前記保持部に配置してあり、前記部品移動防止手段は、部品供給管の一方がその反対側よりも低くなるように傾斜しているときは部品移動を許容し、部品供給管が前記傾斜とは逆側に傾斜しているときに部品移動を禁止することを特徴とする部品の待機個数維持装置である。
【0021】
長尺な支持部材が部品供給管に沿わせて配置され、この支持部材の端部に部品供給管の保持部が設けられているので、支持部材を細身の長尺な部材にしておくことにより、作業者が支持部材を適当に変形させて、部品供給管の配管姿勢を自由に選定することができるのである。例えば、プロジェクション溶接機にナットを供給するような場合には、部品供給管の周辺に種々な部材が存在しているので、それらを首尾よく避けながら配管姿勢を設定することが重要である。このような場合において、本発明であれば何等不自由をすることなく配管姿勢が選定できる。
【0022】
さらに、支持部材の端部の保持部に部品移動防止手段が配置されているので、保持部における部品供給管の支持機能と、部品移動防止手段の設置機能を同時に果たすことができて、構造簡素化にとって効果的である。そして、支持部材と保持部を一体にした状態で部品供給通路に沿って移動させることができるので、部品移動防止手段の配置箇所を任意に選定することができて、部品の逆移動を阻止する箇所が自由に選定すること可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】部品供給ユニット全体を示す断面図である。
【図2】支持部材の側を示した正面図である。
【図3】他の実施例を示す側面図である。
【図4】調整構造部や結合部を示す各部の断面図である。
【図5】図1の(5)−(5)断面図である。
【図6】他の部品移動防止手段を示す断面図である。
【図7】ロボット装置の側面図である。
【図8】他の実施例を示す側面図、平面図、断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
つぎに、本発明の部品の待機個数維持装置を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0025】
図1〜図7は、本発明の実施例1を示す。
【0026】
最初に、部品について説明する。
【0027】
供給の対象になる部品の種類は、いろいろなものが挙げられるが、この実施例における部品は、電気抵抗溶接における鉄製のプロジェクションナットである。プロジェクションナット5の寸法は、縦横がそれぞれ約10mm、高さが約5mmの四角い形状である。そして、図示のようにナット5の片側の四隅に溶着用突起が形成されている。以下の説明において、プロジェクションナットを単にナットと表現する場合もある。
【0028】
つぎに、装置の全体構造を説明する。
【0029】
進退動作をする供給ロッド1がガイド筒2内を貫通し、ガイド筒2の先端部に金属製のガイド管3が溶接等により一体化され、この結合箇所に仮止室4が形成されている。供給ロッド1は、プロジェクションナット5のねじ孔6に串刺し状に挿入されるガイドロッド7と、ガイドロッド7よりも大径の摺動ロッド8と、ガイドロッド7と摺動ロッド8との境界部に配置された押出し面9によって構成されている。また、ガイド管3は、ステンレス鋼製でその断面が矩形とされた管部材を円弧型にしたもので、図示のように比較的短い長さとされ、端部には断面が矩形とされたステンレス鋼製の接手管10が溶接され、ガイド管3と接手管10とは部品供給通路の形態で連通している。
【0030】
ガイド筒2の端部にはガイド管3の延長方向にガイド板11が固定され、仮止室4の1内壁を構成しており、内部には磁石(永久磁石)12が埋設してある。ガイド筒2の外側面に突起部材13が溶接され、それを貫通しているボルト14によってガイド板11が固定されている。ガイド筒2にはエアシリンダ15が結合され、エアシリンダ15のピストンロッドが供給ロッドに接続されていることにより、供給ロッド1の進退動作が行なわれる。
【0031】
上述のようにして、主として供給ロッド1、ガイド筒2、ガイド管3、仮止室4、ガイド板11等からなる供給ヘッド16が構成されている。そして、供給ロッド1が進出するとガイドロッド7がねじ孔6に挿入され押出し面9でナット5を押し出して行き、目的箇所である固定電極の電極ピン(図示していない)にナット5を供給する。
【0032】
前記ガイド管3を供給ロッド1が貫通しているガイド筒2に結合し、この結合箇所に部品の仮止室4を形成し、前記ガイド筒2に供給ロッド1を進退させる進退駆動手段を結合することによって部品供給ユニット38が構成され、この部品供給ユニット38が電気抵抗溶接の電極を備えたロボット装置に装着されている。上記進退駆動手段としては前記エアシリンダ15や進退出力をする電動モータ(図示していない)が採用できる。ここでは上述のように、前者のエアシリンダ15が採用されている。
【0033】
上記供給ロッド1はナット5のねじ孔6を貫通する形式のものであるが、これに換えて供給ロッドの先端部にナット保持用の凹部を設け、そこに永久磁石などでナット吸引を行って目的箇所へ供給することも可能である。
【0034】
つぎに、部品供給通路と支持部材について説明する。
【0035】
部品供給管22の先端が接手管10に挿入されていて、部品供給管22からガイド管3にいたる部品供給通路23が構成されている。部品供給管22は合成樹脂材料、例えば、ウレタン樹脂を用いてつくられ、所要の配管姿勢を形成できる柔軟性を有し、その断面は矩形である。支持部材17の断面形状は円形であり、その直径は約5mmである。そして、支持部材17は作業者が手で所要の形状に湾曲させたりすることができるように、例えば、軟鉄の棒材でつくられている。
【0036】
支持部材17は、部品供給管22に沿わせて配置され、その先端部には部品供給管22を保持する保持部24が設けられている。この保持部24は、支持部材17が溶接された基板25にハット型断面の固定金具26を固定ボルト27で結合して、部品供給管22を基板25に対して押し付け付け保持を行っている。換言すると、支持部材17の先端部が、保持部24を介して部品供給管22に固定されているのである。また、結合部18においても同様な構造で部品供給管22の固定がなされている。すなわち、接手管10に溶接された基板28にハット型断面の固定金具29を固定ボルト30で結合して、部品供給管22を基板28に対して押し付け付け保持を行っている。
【0037】
つぎに、調整構造部について説明する。
【0038】
接手管10には、長尺な支持部材17を供給ヘッド16に結合する結合部18が溶接等により一体的に設けられている。結合部18は、細長いブロック型の本体19に支持部材17が摺動自在に貫通する支持孔20があけられ、この支持孔20内の支持部材17を固定する固定ボルト21が2本本体19にねじ込まれ、図4に示すように、固定ボルト21の先端で支持部材17を強く押さえるようになっている。このようにして構成された調整構造部は符号35で示されている。なお、図1の(4C)−(4C)断面図が図4(C)図であり、図1の(4B)−(4B)断面図が図4(B)図である。
【0039】
つぎに、ロボット装置について説明する。
【0040】
ロボット装置は図7に示すように、符号39で示されている。ロボット装置39は、C型あるいはコ字型をしたフレーム40に上アーム41と下アーム42が形成され、フレーム40に各種アーム43や駆動関節機構44からなる駆動機構45が結合してあり、一般的な6軸タイプのロボット装置39である。
【0041】
上アーム41の先端部にエアシリンダ46が固定され、この進退出力によって電気抵抗溶接用の可動電極47が進退するようになっている。また、下アーム42の先端部に固定電極48が固定されている。可動電極47と固定電極48は同軸上に配置してある。
【0042】
鋼板部品50が固定治具51に支持され、ロボット装置39の動作によって固定電極48の上面に鋼板部品50が密着した状態になる。このときに固定電極48のガイドピン51が鋼板部品50に開けた下孔を貫通して鋼板部品50の位置決めを行っている。供給ロッド1が進出すると、供給ロッド1に串刺し状態で保持されていたナット5がガイドロッド7を滑降して鋼板部品50上に載置され、ガイドピン51が相対的にねじ孔6を貫通する(図7(A)参照)。
【0043】
部品供給ユニット38をフレーム40に固定する方法は、ブラケットを介して固定したり取り付け孔に挿入して固定したりするなど種々なものが採用できる。ここでは後者の構造である。フレーム40の角部に取り付け孔53が開けられ、そこにガイド筒2を挿入して固定したものである。この固定には種々な構造が採用できるが、ここでは外側からねじ込んだ固定ボルト(図示していない)をガイド筒2の外周面に押し付けたものである。
【0044】
供給ロッド1の軸線は、ガイドピン51の先端近傍を通過するように設定してあり、供給ロッド1に保持されたナット5がガイドピン51に供給されるようになっている。
【0045】
図7(A)は、ロボット装置39の動作によって、前記部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも低くなっている状態を示している。この状態が「正常傾斜」である。換言すると、符号54で示された仮想水平面よりも部品供給通路23の供給ロッド1側が低くなっている状態を示している。つまり、仮止室4側が低くなるように、部品供給管22が傾斜している。この状態では、部品供給管22内を通過するナット5は部品供給管22を滑降することになるとともに、固定治具に支持されたほぼ水平方向の鋼板部品50にナット5を溶接する場合である。
【0046】
また、図7(B)は、ロボット装置39の動作によって、前記部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも高くなっている状態を示している。この状態が「逆傾斜」である。換言すると、符号54で示された仮想水平面よりも部品供給通路23の供給ロッド1側が高くなっている状態を示している。つまり、仮止室4側が高くなるように、部品供給管22が傾斜している。この状態では、部品供給管22内に待機しているナット5は部品供給管22を逆方向に滑降することになるとともに、供給ロッド1が斜め上方に進出し、固定治具51に支持されたほぼ鉛直方向の鋼板部品50にナット5を溶接する場合である。
【0047】
このように供給ロッド1が斜め上方に進出する場合に備え、図示していないが、仮止室4の近傍から空気を供給ロッド1の進出方向に噴射して、ナット5をガイドピン52に到達させる。
【0048】
つぎに、部品送出装置について説明する。
【0049】
部品供給管22へナット5を送給するために、部品送出装置56が設けてある。これは、図1や図7(A)に示すように、パーツフィーダ57と送出ユニット58から構成されている。パーツフィーダ57は円形のボウルに送出振動を付与する形式のものである。また、送出ユニット58は、最先のナット5を停止させるエアシリンダ59と後続のナット5を停止させるエアシリンダ60を備えたもので、最先のナット5の停止が解除されるのと同時に噴射管61から搬送空気を噴射して1つのナット5が部品供給管22に高速で送られるようになっている。
【0050】
後述のセンサー31がナット5の存在を感知しているときには、噴射管61から搬送空気の噴射は行われない。そして、センサー31がナット5の存在を感知していないときには、噴射管61から搬送空気の噴射が行われてナット送出がなされる。
【0051】
つぎに、センサーについて説明する。
【0052】
部品供給管22内のナット5を感知するセンサー31が部品供給管22の外側面に固定してある。このセンサー31にはいろいろなものが採用できるが、ここでは直方体の形をした近接スイッチであり、固定バンド32で部品供給管22に一体化してある。この固定バンド32を緩めると、センサー31の位置を部品供給管22の長手方向に移動できるようになっている。
【0053】
前記センサー31は、部品供給通路23内に並んでいるナット5の待機個数が所定個数に達しているときにはナット5の存在を感知し、前記部品送出装置56に対する送出信号の発信は行わず、部品供給通路23内に並んでいるナット5の待機個数が所定個数に満たないときにはナット5の不存在を感知し、前記部品送出装置56に対する送出信号の発信を行う。
【0054】
仮止室4からセンサー31までの長さが、ナット5の待機個数を所定個数に設定する長さとなるように定められている。したがって、待機個数が所定個数に達しているときには、センサー31の感知範囲内にナット5が存在するので、部品送出装置56に対する送出信号の発信が停止されている。逆に、待機個数が所定個数に達していないときには、センサー31の感知範囲内にナット5が存在しないので、部品送出装置56に対する送出信号の発信がなされて、ナット補充がなされる。補充が完了するとセンサー31がナット5の存在を感知して、部品送出装置56に対する送出信号の発信が停止される。センサー31から送出信号が発信されているときには、前述のようにパーツフィーダ57、送出ユニット58が動作し、噴射管61から搬送空気が噴射される。このようにして待機個数が所定個数に維持されていることにより、供給ロッド1による連続的なナット供給が途絶えることなく円滑になされる。
【0055】
つぎに、配管姿勢の設定とセンサーの位置調整を説明する。
【0056】
後述のようにして支持部材17の有効長さを変えるときに、センサー31と支持部材17との相対位置を所定どおりに維持するために、支持部材17に位置決め構造部33が設けてある。ここでは、図2に示すように支持部材17の途中にコ字型の屈曲部34を設けて位置決め構造部33が形成されている。
【0057】
図1、図2は、支持部材17が結合部18にしっかりと結合されて、部品供給管22を支持している状態である。このときには、支持部材17の先端部が保持部24を介して部品供給管22に結合されているので、支持部材17の剛性により部品供給管22の配管姿勢が所定どおりに維持されている。部品供給管22の配管姿勢を変更するときには、結合部18の固定ボルト21を緩めて支持部材17を湾曲させて部品供給管22の湾曲形状を所定通りにしてから、再び固定ボルト21を締める。支持部材17を部品供給管22とともに湾曲させると、支持部材17が支持孔20に対してずれるので、固定ボルト21を緩めたり締めたりするのである。よって、上記の支持部材のずれを保持部24側で吸収することもできる。あるいは、保持部24と支持孔20の両方で支持部材17のずれを吸収するようにしてもよい。
【0058】
また、支持部材17の有効長さを変えるときには、保持部24の固定ボルト27を緩め、同時に固定ボルト21も緩めて支持孔20内の支持部材17を進退させて所定の有効長さにしてから、再び保持部24の固定ボルト27と結合部18の固定ボルト21を締め付ける。このように調整構造部35によりセンサー31と仮止室4までの通路長さが選定できるので、正しい配管姿勢によって円滑に移動してくるナット5の待機個数を、供給ロッド1による部品の供給消費の速さにあわせて最適の待機個数とすることができ、部品不足等のない部品供給が実現する。部品不足を回避するために、ナット5の待機列の長さが短くなると、それをセンサー31で検出してパーツフィーダ57や送出ユニット58にナット補充動作の指令信号が発せられるようになっている。
【0059】
つぎに、部品移動防止手段について説明する。
【0060】
図7(A)に示すように、ロボット装置39の動作によって、前記部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも低くなっている状態のとき、すなわち前記「正常傾斜」のときには、部品供給管22内を通過するナット5は部品供給管22を滑降することになり、順次送られてくるナット5の並びがセンサー31に達すると、センサー31からの送出信号の発信が停止される。
【0061】
一方、図7(B)に示すように、ロボット装置39の動作によって、前記部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも高くなっている状態のとき、すなわち前記「逆傾斜」のときには、部品供給管22内に待機していたナット5が逆方向に滑降し、ナット5はセンサー31の感知範囲に存在しないこととなる。これによってセンサー31からの送出信号が部品送出装置56に対して発信される。センサー31の感知範囲内にナット5が存在していないので、送出信号の発信が継続しナット5がセンサー31よりも低い箇所の部品供給通路23の途中に溜まり続けることとなる。このようなナット溜まりが発生すると、噴射管61からの空気噴射では複数個のナット溜まりを送出することができず、供給ロッド1によるナット供給が停止してしまうことになる。
【0062】
このような現象は、前記部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも高くなっているときに、待機中のナット5が逆方向に滑降するからであり、これを防止するために、部品移動防止手段63が採用されている。部品移動防止手段63の機能は、部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも低くなっているときはナット移動を許容し、部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも高くなったときにナット移動を禁止するようになっている。そして、この部品移動防止手段63がセンサー31から供給ロッド1とは反対側に離隔した箇所の部品供給通路22に配置されている。
【0063】
前記部品移動防止手段63の実現方法としては、ストッパ部材の採用、永久磁石の採用など種々なものがあるが、ここでの例は永久磁石の場合である。永久磁石64の配置方法としても色々な構造が採用できる。ここでは、図1の(5)−(5)断面図である図5のような構造が採用されている。厚板状で非磁性体であるステンレス鋼製とされた基板25に永久磁石64を埋め込んだものである。
【0064】
そして、永久磁石64のナット5に対する吸引力は、部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも低くなっているときはナット5を部品供給管22の内面に吸着して停止させることがなく、部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも高くなったときにナット5を部品供給管22の内面に吸着して停止させるように設定してある。これは、ナット5が空気搬送による高速で送られてくるときには、ナット5の運動エネルギーが大きいので、ナット5は部品供給管22の内面に吸着されることがなく、待機個数の蓄積が進行する。一方、ナット5が逆流するときには、移動速度が低くナット5の運動エネルギーが小さいので、ナット5は部品供給管22の内面に吸着されて、待機ナット5の逆移動が防止される。
【0065】
センサー31と部品移動防止手段63である永久磁石64の間に並ぶナット個数は、供給ロッド1(仮止室4)からセンサー31までに並ぶ待機個数よりも少なく設定されている。このようにすることにより、待機しているナット5が「逆傾斜」によって逆方向に移動しても、永久磁石64によって制止されたナット5に続くナット列が必ずセンサー31の感知範囲内に存在するので、センサー31から部品送出装置56への送出信号の発信が停止したままとなる。
【0066】
つぎに、他の部品移動防止手段について説明する。
【0067】
図6は他の部品移動防止手段63を示す。同図(A)は、板ばね65を利用した場合である。短冊状の板ばね65を屈曲させて部品供給管22内に突出している制御片66と固定部67が形成され、部品供給管22に開けた細長い通孔72に取り付けてある。この取り付けは、符号68で示す接着部においてなされている。制御片66の先端が制止端69とされ、その手前に傾斜面70が設けてある。
【0068】
空気搬送されてきたナット5は傾斜面70にさしかかると、板ばね65を下方へ撓ませながら通過する。しかし、ナット5が逆方向に移動しようとするときには、ナット5の側面が制止端69に当たって逆移動が防止される。
【0069】
図6(B)は、ストッパ部材71が電磁ソレノイド73によって部品供給管22内に進出するものである。電磁ソレノイド73への通電は、ロボット装置39の動作姿勢によって得られる信号をトリガーにして行われる。
【0070】
部品供給通路23が図7(B)に示すような傾斜姿勢になっても、ガイド板11の磁石12の吸引力によって、3〜4個のナット5がガイド管3内に残留しているので、供給ロッド1に保持されるナット5が欠乏することはない。
【0071】
上述の各種動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行わせることが可能である。センサー31からの送出信号が入力される制御装置またはシーケンス回路が設けられ、これらからの出力信号で空気切換弁を動作させて送出ユニット58を動作させたり、パーツフィーダ57を駆動したりする。また、ロボット装置39の駆動関節機構44が所定量の運動をすると、動作信号が電磁ソレノイド73に送信されて、ストッパ部材71が進出するようにしてある。
【0072】
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
【0073】
部品供給通路23がどのような方向に傾斜しても、供給ロッド1に対するナット5の待機個数を正常に維持することができる。ナット5が正規の搬送方向とは逆方向に滑降するような傾斜が部品供給通路23に付与されても、ナット5の逆移動を禁止する部品移動防止手段63が作用して、ナット5の前記待機個数に不足を来すことがない。そして、このような「逆傾斜」となってもセンサー31の感知範囲にナット5を存在させることができるので、部品送出装置56の動作を停止した状態とすることができ、部品送出装置56が誤作動をして部品供給通路23の途中に異常なナット5が滞留することを防止できる。このようにして部品供給通路23の部品搬送機能を、部品供給通路23の傾斜方向に係わらず正常に確保することができる。
【0074】
前記センサー31は、ナット31を感知して待機個数が所定個数に達しているときには前記部品送出装置56に対する送出信号の発信は行わず、ナット5を感知しないで待機個数が所定個数に達していないときには部品送出装置56に対する送出信号の発信を行うものである。
【0075】
したがって、前記部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも低くなっているときには、センサー31の感知範囲に達するまで部品送出装置56からナット送給が正常になされて待機個数が所定個数に達する。このときにはナット列の後部がセンサー31の感知範囲に存在するので、部品送出装置56への送出信号は発信されなくなる。また、前記部品供給通路23の供給ロッド1側がその反対側よりも高くなったときには、逆方向に滑降するナット列の最先のナット5が部品移動防止手段63によって通過が禁止されるので、センサー31の感知範囲にナット5を存在させることができ、これによってセンサー31から部品送出装置56に送出信号が送信されず、部品送出装置56から異常な部品補充がなされることが防止できる。
【0076】
前記センサー31と前記部品移動防止手段63との間に並ぶナット個数は、供給ロッド1からセンサー31までに並ぶ待機個数よりも少なく設定されている。
【0077】
このような個数関係が設定されているので、部品供給通路23の傾斜が逆搬送をする方向になっても、逆移動したナット5の先端が部品移動防止手段63によって拘束されるので、センサー31の感知範囲にナット5が存在し、部品送出装置56を無駄に動作させるような送出信号が送信されることがない。もし、上述の個数関係の多寡が逆になった場合には、「逆傾斜」になったときにセンサー31の感知範囲にナット5が存在しないこととなる。そのために、部品送出装置56に送出信号が送信されて、部品送出装置56が誤作動をして部品供給通路23の途中に異常なナット5が滞留することとなる。
【0078】
前記部品供給通路23は所要の配管姿勢に形成できる柔軟性のある合成樹脂製の部品供給管22と金属製のガイド管3によって形成され、前記ガイド管3に結合した長尺な支持部材17を部品供給管22に沿わせて配置し、この支持部材17の端部に部品供給管22の保持部24を設けて部品供給管22の配管姿勢を定めるものであって、前記部品移動防止手段63は前記保持部24に配置してある。
【0079】
長尺な支持部材17が部品供給管22に沿わせて配置され、この支持部材17の端部に部品供給管22の保持部24が設けられているので、支持部材17を細身の長尺な部材にしておくことにより、作業者が支持部材17を適当に変形させて、部品供給管22の配管姿勢を自由に選定することができるのである。例えば、プロジェクション溶接機にナット5を供給するような場合には、部品供給管22の周辺に種々な部材が存在しているので、それらを首尾よく避けながら配管姿勢を設定することが重要である。このような場合において、本実施例であれば何等不自由をすることなく配管姿勢が選定できる。
【0080】
さらに、前記部品移動防止手段63は前記保持部24に配置してあるから、保持部24における部品供給管22の支持機能と、部品移動防止手段63の設置機能を同時に果たすことができて、構造簡素化にとって効果的である。
【0081】
前記センサー31は部品供給管22に対して取り付けられ、前記支持部材17にセンサー31の取付け位置を設定する位置決め構造部33が設けられている。
【0082】
センサー31の位置は、位置決め構造部33を介して設定されるので、位置決め構造部33の配置箇所をあらかじめ支持部材17に設定しておくことにより、センサー31の配置箇所が常に最適の箇所に設定できる。したがって、センサー31を保持部24と供給ロッド1との間に正しく配置でき、センサー機能を正常に発揮させることができる。
【0083】
前記ガイド管3を供給ロッド1が貫通しているガイド筒2に結合し、この結合箇所にナット5の仮止室4を形成し、前記ガイド筒2に供給ロッド1を進退させるエアシリンダ15を結合することによって部品供給ユニット38が構成され、この部品供給ユニット38が電気抵抗溶接の電極47、48を備えたロボット装置39に装着されている。
【0084】
上述のようにして構成された部品供給ユニット38が電気抵抗溶接の電極47、48を備えたロボット装置39に装着されているものであるから、ロボット装置39の動作で部品供給通路23の傾斜方向がどのように変化しても、ナット5の待機個数を正常に維持することができ、しかもナット5の逆向き滑降を阻止して部品送出装置56の異常作動を防止することができる。
【0085】
部品供給管22に結合部18を介して結合した長尺な支持部材17を部品供給管22に沿わせて配置し、この支持部材17の端部に部品供給管22の保持部24を設けて部品供給管22の配管姿勢を定めるものであって、部品移動防止手段63が前記保持部24に配置してあり、前記部品移動防止手段63は、部品供給管22の一方がその反対側よりも低くなるように傾斜しているときはナット移動を許容し、部品供給管22が前記傾斜とは逆側に傾斜しているときにナット移動を禁止する部品の待機個数維持装置である。
【0086】
長尺な支持部材17が部品供給管22に沿わせて配置され、この支持部材17の端部に部品供給管22の保持部24が設けられているので、支持部材17を細身の長尺な部材にしておくことにより、作業者が支持部材17を適当に変形させて、部品供給管22の配管姿勢を自由に選定することができるのである。例えば、プロジェクション溶接機にナットを供給するような場合には、部品供給管22の周辺に種々な部材が存在しているので、それらを首尾よく避けながら配管姿勢を設定することが重要である。このような場合において、本実施例であれば何等不自由をすることなく配管姿勢が選定できる。
【0087】
さらに、支持部材17の端部の保持部24に部品移動防止手段63が配置されているので、保持部24における部品供給管22の支持機能と、部品移動防止手段63の設置機能を同時に果たすことができて、構造簡素化にとって効果的である。そして、支持部材17と保持部24を一体にした状態で部品供給通路23に沿って移動させることができるので、部品移動防止手段63の配置箇所を任意に選定することができて、ナット5の逆移動を阻止する箇所が自由に選定すること可能となる。
【0088】
結合部18に配置した本体19、支持孔20、固定ボルト21等からなる調整構造部35によって、支持部材17の有効長さが調整されるので、部品供給管22の配管姿勢に適した保持部24の位置が選定できる。したがって、部品供給管22の配管姿勢は、最適の支持部材17の有効長さでなされることとなり、部品供給管22は安定した支持がえられる。
【0089】
センサー31の位置は、上記調整構造部35を調整し位置決め構造部33を介して設定されるので、位置決め構造部33の配置箇所をあらかじめ支持部材17に設定しておくことにより、センサー31の配置箇所が常に最適の箇所に設定できる。したがって、センサー31を保持部24と調整構造部35との間に正しく配置でき、センサー機能を正常に発揮させることができる。
【0090】
金属製のガイド管3に接手管10を介して部品供給管22が接合されているとともに、接手管10に結合部18が取付けられているので、部品供給管22とガイド管3の接合が確実になされ、しかも、金属製のガイド管3の側に固定された結合部18により、支持部材17が安定した状態で確実に固定される。
【0091】
調整構造部35によりセンサー31と供給ヘッド16までの部品供給通路23の長さが選定できるので、正しい配管姿勢によって円滑に移動してくるナット5の待機個数を、供給ロッド1によるナット5の供給消費の速さにあわせて最適の待機個数とすることができ、ナット不足等のない部品供給が実現する。
【0092】
センサー31が供給ロッド1の進退軸線の方へ突出させてあるので、いわゆる突起物が部品供給装置の内側に突出していることとなり、装置全体をコンパクトにまとめるのに有効である。
【0093】
図3に示す実施例は、調整構造部35、センサー31、固定ボルト27等が図1の場合とは逆向きになっている。また、ここでは符号36で示すように支持部材17を湾曲させて部品供給管22も湾曲させた状態が図示されている。それ以外の構成は、先の実施形態と同じであり、同じ機能の部材には同じ符号が記載されている。
【0094】
上記の実施例1では、保持部24が支持部材17の先端部に配置されているものであるが、この保持部24をセンサー31と調整構造部35とのあいだに追加して複数個とすることにより、支持部材17と部品供給管22との一体性をより確実なものとし、部品供給管22の配管姿勢をより一層正確に設定することができる。
【実施例2】
【0095】
図8は、本発明の実施例2を示す。
【0096】
この実施例2は、前述のような調整構造部35が含まれておらず、支持部材17の一端に部品移動防止手段63を備えた前記保持部24が配置されている。他端に図4(C)に示す基板28、固定金具29、固定ボルト30などからなる固定構造部が配置されている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0097】
実施例2のものは、部品供給管22に結合部18を介して結合した長尺な支持部材17を部品供給管22に沿わせて配置し、この支持部材17の端部に部品供給管22の保持部24を設けて部品供給管22の配管姿勢を定めるものであって、部品移動防止手段63が前記保持部24に配置してあり、前記部品移動防止手段63は、部品供給管22の一方がその反対側よりも低くなるように傾斜しているときはナット移動を許容し、部品供給管22が前記傾斜とは逆側に傾斜しているときにナット移動を禁止する部品の待機個数維持装置である。
【0098】
したがって、部品移動防止手段63と位置決め構造部33を対にして部品供給管22の所要の箇所に自由に移動させることができる。すなわち、図8(A)に示すように、実線図示の状態から2点鎖線図示の状態に移行することが簡単に実施できる。それ以外の作用効果は、先の実施例1と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0099】
上述のように、本発明の装置によれば、 部品供給通路がどのような向きに傾斜しても部品の待機個数を維持することができるものである。したがって、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
【符号の説明】
1 供給ロッド
2 ガイド筒
3 ガイド管
5 部品、ナット
10 接手管
15 エアシリンダ
16 供給ヘッド
17 支持部材
18 結合部
19 本体
20 支持孔
21 固定ボルト
22 部品供給管
23 部品供給通路
24 保持部
31 センサー
33 位置決め構造部
35 調整構造部
38 部品供給ユニット
39 ロボット装置
50 鋼板部品
56 部品送出装置
57 パーツフィーダ
58 送出ユニット
63 部品移動防止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的箇所へ部品を到達させる進退式の供給ロッドに対して、部品送出装置から部品供給通路を経て部品を供給するものであって、前記部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも低くなっているときに前記供給ロッドに対する部品の待機個数を所定個数に維持するセンサーが部品供給通路に配置され、前記部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも高くなったときに部品の逆移動を防止する部品移動防止手段が前記センサーから供給ロッドとは反対側に離隔した箇所の部品供給通路に配置され、前記部品移動防止手段は、部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも低くなっているときは部品移動を許容し、部品供給通路の供給ロッド側がその反対側よりも高くなったときに部品移動を禁止することを特徴とする部品の待機個数維持装置。
【請求項2】
前記センサーは、部品を感知して待機個数が所定個数に達しているときには前記部品送出装置に対する送出信号の発信は行わず、部品を感知しないで待機個数が所定個数に達していないときには部品送出装置に対する送出信号の発信を行うものである請求項1記載の部品の待機個数維持装置。
【請求項3】
前記センサーと前記部品移動防止手段との間に並ぶ部品個数は、供給ロッドからセンサーまでに並ぶ待機個数よりも少なく設定されている請求項1または請求項2記載の部品の待機個数維持装置。
【請求項4】
前記部品供給通路は所要の配管姿勢に形成できる柔軟性のある合成樹脂製の部品供給管と金属製のガイド管によって形成され、前記ガイド管に結合した長尺な支持部材を部品供給管に沿わせて配置し、この支持部材の端部に部品供給管の保持部を設けて部品供給管の配管姿勢を定めるものであって、前記部品移動防止手段は前記保持部に配置してある請求項1〜請求項3のいずれかに記載の部品の待機個数維持装置。
【請求項5】
前記センサーは部品供給管に対して取り付けられ、前記支持部材にセンサーの取付け位置を設定する位置決め構造部が設けられている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の部品の待機個数維持装置。
【請求項6】
前記ガイド管を供給ロッドが貫通しているガイド筒に結合し、この結合箇所に部品の仮止室を形成し、前記ガイド筒に供給ロッドを進退させる進退駆動手段を結合することによって部品供給ユニットが構成され、この部品供給ユニットが電気抵抗溶接の電極を備えたロボット装置に装着されている請求項4または請求項5記載の部品の待機個数維持装置。
【請求項7】
部品供給管に結合部を介して結合した長尺な支持部材を部品供給管に沿わせて配置し、この支持部材の端部に部品供給管の保持部を設けて部品供給管の配管姿勢を定めるものであって、部品移動防止手段が前記保持部に配置してあり、前記部品移動防止手段は、部品供給管の一方がその反対側よりも低くなるように傾斜しているときは部品移動を許容し、部品供給管が前記傾斜とは逆側に傾斜しているときに部品移動を禁止することを特徴とする部品の待機個数維持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−116559(P2011−116559A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293320(P2009−293320)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000196886)
【Fターム(参考)】