説明

郵便葉書の活用方法

【課題】この発明の課題は、郵便葉書の活用方法として、広告面を広く形成したものを開発・提供することにある。
【解決手段】郵便葉書(1)と、情報記載シート(2)とを設け、該情報記載シート(2)の折り畳まれた内面(2a)(2a′)を、広告頁として利用し、折り畳まれた情報記載シート(2)の外面(2b)には、暑中見舞いあるいは年賀などの挨拶文(X)を記載し、一方、折り畳まれた情報記載シート(2)の他の外面(2c)には、前記郵便葉書(1)の裏面(A)と接着すると共に、折り畳まれた情報記載シート(2)の内面(2a)(2a′)を接着することにより、折り畳んだ内側両面(2a)(2b)を広告頁として使用することを特徴とする郵便葉書の活用方法から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、郵便葉書の活用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
郵便葉書とは、郵便事業株式会社が第二種郵便物として発行する葉書のことで、通常郵便葉書、往復郵便葉書、年賀葉書(通称)、かもめーる(通称)、広告付郵便葉書、寄付金付葉書、絵入り葉書など、目的や利用方法に応じた様々なものが存在する。なお、第二郵便物としてはこれらの郵便葉書のほか、郵便法に則った規格や様式で作成された私製葉書もこれに該当する。
【0003】
この郵便葉書の中には、それを利用することで、利用者のみならず、受取人や一般社会などに一定の利益還元を行うものが存在する。例えば、特別の時季の通信に併せて、お年玉と称してくじ引きにより金品を贈るくじ引き番号付き郵便葉書として、年賀葉書やかもめーるが存在する。また、あらかじめ募集した広告を郵便葉書に掲載することで通常の郵便料金よりも安価に販売できる広告付郵便葉書として、エコーはがきが存在する。更に、郵便葉書料金に寄付金に相当する金額を上乗せし、これを一つの葉書として販売することで、購入者が寄付金を負担しやすく、小額から社会貢献できる仕組みが実現するばかりでなく、この寄付金を受ける組織や機関がこれを利用して住みよい社会にしていくための枠組みまで考慮されている寄付金郵便葉書が存在する。
【0004】
いわば、こうした利益還元型の郵便葉書には通常の郵便送達以外の価値が存在し、また、郵便事業株式会社以外の事業者で同等の価値を提供するのみならず、国民に広く認知させている事業者が存在しないことから、一定の社会的価値がある商品である。また、同商品は長く役割を果していることから、その利用価値は恒久的な面を持つ。
【0005】
また、年始その他特別の時季の通信として、郵便事業株式会社発行の年賀葉書やかもめーるは、挨拶状として広く国民の利用習慣となり、普及している。例えば、平成20年(2008年)用年賀葉書の最終発行枚数は40億2105万枚に上がったことから、国民一人当たり平均で約40枚程度の利用があったこととなり、その高い普及度、浸透度が窺い知れる。この浸透の背景には昭和24年(1949年)から年賀葉書にくじ引き番号が付与されていることが大きく、未だなお、くじ引き番号による抽選会がテレビ放映されるなど、国民行事としての性質も兼ね備えているものであり、年賀葉書に拠らない私製の年賀状に対して、大きな優位性を確保している。
【0006】
また、郵便葉書は50円という金額で差し出すことができるため、信書の最も安価な差出方法として広く普及していることは言うまでもない。
【0007】
このように、郵便葉書は、高い浸透性や付加価値を有する一方で、情報掲載量に限りがあるのも特徴である。一般的に、葉書裏面でいわゆる情報面の全面と葉書表面(即ち,宛名を書く面)の下部2分の1までが情報記載が可能なスペースである。
【0008】
そこで、この郵便葉書の安価性、利便性を利用しつつ、情報記載量を増やし、費用対効果を高めるべく、郵便法などに則った形で工夫されたものが存在し、その中でも特に広く普及しているのが圧着ハガキ(通称)と呼ばれるものである。これは、郵便葉書の2枚あるいは3枚分の紙面を郵便葉書程度の大きさに折り畳み、これを圧着したもの(以下、情報記載シートという)である。ただし、これらは郵便事業株式会社が発行するものではなく、完全に私製であり、主に企業のダイレクトメールや各種通知などで利用され、第二郵便物の料金で配達さている。
【0009】
仮に、〔0003〕のような多様な郵便葉書の付加価値のいずれかを選択・利用でき、なおかつ、〔0008〕のような手法で情報記載量を増すことができれば、例えば、年賀葉書のような浸透度が高く、広く国民に馴染まれているものを選択して、郵便葉書以上の情報量を掲載することが可能となり、新たな可能性が見出せる。
【0010】
例えば、企業のダイレクトメールにおいてこのような年賀葉書を利用することで、読み手にとっては私製のダイレクトメールよりも違和感を与えにくく、くじ引きなどのメリットも提供できるため、一般的なダイレクトメールを受け取る場合よりも、心理的な抵抗感を低くすることが可能である。また、ダイレクトメールの送達で言えば、年賀特別郵便は最先便として取り扱われるため、元旦はこれ以外の郵便物は配達されないほか、一般の運送会社は、慣行的に年末年始の運送量を著しく抑制している実態があり、元旦のみならず、いわゆる正月三ケ日の運送を期待することは一般的でないため、年賀特別郵便の優位性を利用することで、このような年賀葉書は一定期間において、企業のプロモーション活動の有力な選択肢としうる。
【0011】
近年、私製の年賀状として、情報記載シート中面にスポンサー企業広告を掲載し、独自のデザインを施した切手を貼り付けたものを希望者に無料で配布し、この希望者が差出人となって年賀状を送ることのできるサービスが存在している。
【0012】
しかし、このサービスの難点は、年賀状のやり取りを行う当事者として、差出人と受取人に何ら関連性のない企業広告が、いわば信書の中に介在することとなり、これを挨拶状として使用することへの心理的抵抗感がある。
【0013】
また、スポンサーである企業広告主としても、作成した葉書は希望者に対してほぼ無差別に配布されることから、広告主として狙ったターゲットへPRすることが期待し辛いデメリットがある。例えば、非特許文献1のように。
【非特許文献1】メディアインデックス(株)のホームページ〔 http://tipoca.jp/〕
【0014】
さらに、非特許文献1は、葉書に該当する部分も郵便事業株式会社が発行する郵便葉書ではなく、私製葉書であることから、別に貼り付けなければならない独自デザインの切手は、実のところ、それだけを単体で引き離して別のはがきに貼り付けるなどして利用が可能となり、これにより、メディアインデックス(株)や企業広告主のあずかり知らぬところで、商品の意図と異なる結果を招く恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこでこの発明の課題は、郵便葉書の活用方法として、広告面を広く形成したものを開発・提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は、前記の長所を持つ郵便葉書の情報面に、紙面を折り畳み、当該葉書の大きさに加工した情報記載シートの裏面と前記郵便葉書の裏面を接着することで、郵便葉書の紙面拡充を特徴とする郵便葉書の活用方法である。
【発明の効果】
【0017】
この発明の一実施例によると、
1)情報記載シートに文書等で広告を記載し、該情報記載シートを、既成年賀葉書に接着し、年賀はがきとして利用することにより、元旦に届けられ、一般のダイレクトメールに比べて早く届き、他の同業者よりも早く、顧客の目に触れアピールすることができ。 2)広告文となる頁が増えることにより、より多くの情報を顧客に提供することができる。
3)既成年賀葉書のコストで配達され、お年玉のくじ等の恩恵に浴することができる。等極めて有益なる効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明による一実施例として、元日に配達されるお年玉くじ付年賀葉書に情報記載シートを圧着することにより広告ページを多く有するダイレクトメールを実現した。
【実施例】
【0019】
以下、図面と共に、本発明の一実施例を図面に従って説明すると、お年玉くじ付年賀葉書(1)と、該葉書(1)の二倍の大きさの紙面を二つ折りした情報記載シート(2)とを設け、該情報記載シート(2)の折り畳まれた内面(2a)(2a′)を、広告頁として利用し、折り畳まれた情報記載シート(2)の外面(2b)には、年賀の挨拶文(X)を記載し、一方、折り畳まれた情報記載シート(2)の他の外面(2c)には、前記郵便葉書(1)の裏面(A)と圧着すると共に、折り畳まれた情報記載シート(2)の内面(2a)(2a′)も圧着することにより、折り畳んだ内側両面(2a)(2b)を広告頁として使用することを特徴とするくじ付き郵便葉書の活用方法から構成される。
【0020】
尚、情報記載シート(2)の内面(2a)(2a′)には、新春のご挨拶だけでなく、広告スペースとして、初売り、新春イベント等の自社あるいは個人のピーアールに使用し、文字、図形、記号、写真等であらゆる情報を表示するものである。
【0021】
また、情報記載シート(2)の内面(2a)(2a′)を、開き易いようにし、内面(2a)に比べて、内面(2a′)を短く形成しておいてもよいし、情報記載シート(2)は、二つ折りでなくても、また該葉書(1)の二倍の大きさでなくてもよい。
【0022】
さらに、情報記載シート(2)は開くことによって、夏の歌やお正月の歌に関する曲の音楽が鳴るよう電子オルゴールを設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
この発明の製造技術を確立することにより、製造・販売を通じて、産業上の利用可能性が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の一実施例を示す圧着前の説明図である。
【図2】この発明に使用する情報記載シートであって、(a)は、開いた状態の正面図であり、(b)は、綴じた状態の正面図である。
【図3】この発明の一実施例を示す一部欠截正面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 郵便葉書
2 情報記載シート
2a 情報記載シートの内面
2a′情報記載シートの内面
2b 情報記載シートの外面
2c 情報記載シートの外面
A 郵便葉書の裏面
X 年賀の挨拶文

【特許請求の範囲】
【請求項1】
郵便葉書(1)と、情報記載シート(2)からなり、該情報記載シート(2)の折り畳まれた内面(2a)(2a′)を、広告頁として利用し、折り畳まれた情報記載シート(2)の外面(2b)には、暑中見舞いあるいは年賀などの挨拶文(X)を記載し、一方、折り畳まれた情報記載シート(2)の他の外面(2c)には、前記郵便葉書(1)の裏面(A)と接着すると共に、折り畳まれた情報記載シート(2)の内面(2a)(2a′)を圧着することにより、折り畳んだ内側両面(2a)(2b)を広告頁として使用することを特徴とする郵便葉書の活用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−125846(P2010−125846A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306681(P2008−306681)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(508355507)新生印刷株式会社 (1)
【Fターム(参考)】