説明

配信サーバ、及びシステム並びに方法

【課題】所定のエリアでよく利用されているアプリケーションを勧めること。
【解決手段】配信サーバは、エリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部と、該履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用された履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用された履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出部と、対象エリアと、対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出部と、利用比率と、乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出部と、スコアに基づいて、携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択部と、携帯端末装置に、選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションを推薦するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置の使用される地域に関係なくよく利用されるアプリケーションと、端末装置の使用される地域によって利用傾向が異なるアプリケーションとがある。地域に関係なくよく利用されるアプリケーションには、電子メールソフトなどが含まれる。地域によって利用傾向が異なるアプリケーションには、ローカルエリアの地下鉄、バスの案内、観光案内などが含まれる。
【0003】
また、サービスを提供する対象となるエリアが限定されているアプリケーションがある。該サービスを提供する対象となるエリアが限定されているアプリケーションには、IPラジオなどが含まれる。
【0004】
一方、アプリケーションをランキング付けすることが行われている。ユーザは、該ランキングを参照し、アプリケーションをダウンロードするかどうか判断する際の参考にできる。例えば、ダウンロードされた回数により、アプリケーションをランキング付けすることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−129057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、ダウンロードされた回数や、アプリケーションが起動された回数により、アプリケーションをランキング付けした場合、地域によって利用傾向が異なるアプリケーションは上位にくる可能性は低い。利用するユーザの母集団が小さいためである。上位にくる可能性が低いため、地域によって利用傾向が異なるアプリケーションは、ある特定の地域ではよく利用されているにも関わらず、発見されにくい。
【0007】
地域によって利用傾向が異なるアプリケーションを利用したい場合には、検索に頼ることになる。該アプリケーションをキーワード検索により探す場合には、該アプリケーションの使用される地域の広さも異なるため、異なるキーワードによる検索を繰り返す必要がある。
【0008】
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定のエリアでよく利用されているアプリケーションを勧めることができる配信サーバ、及びシステム並びに方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本配信サーバは、
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部と、
前記利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出部と、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出部と、
前記利用比率算出部により算出された利用比率と、前記乖離度算出部により算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出部と、
該スコア算出部により算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択部と、
前記携帯端末装置に、前記選択部により選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信部と
を有する。
【0010】
本システムは、
携帯端末装置と、該携帯端末装置にアプリケーションを推薦する配信サーバとを有するシステムであって、
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部と、
前記利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出部と、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出部と、
前記利用比率算出部により算出された利用比率と、前記乖離度算出部により算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出部と、
該スコア算出部により算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択部と、
前記携帯端末装置に、前記選択部により選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信部と
を有する配信サーバと、
アプリケーションが利用される度に、該アプリケーションの利用情報を収集するアプリケーション利用情報収集部と、
前記配信サーバに、前記アプリケーション利用情報収集部により収集されたアプリケーション利用情報を通知するアプリケーション利用情報通知部と
を有する携帯端末装置と、
を有し、
前記配信サーバは、前記利用履歴格納部に、前記携帯端末装置からのアプリケーション利用情報を格納する。
【0011】
本方法は、
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出ステップと、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出ステップと、
前記利用比率算出ステップにより算出された利用比率と、前記乖離度算出ステップにより算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出ステップと、
該スコア算出ステップにより算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択ステップと、
前記携帯端末装置に、前記選択ステップにより選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信ステップと
を有する。
【発明の効果】
【0012】
開示の配信サーバ、及びシステム並びに方法によれば、所定のエリアでよく利用されているアプリケーションを勧めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施例に従った配信サーバが適用される環境の一例を示す説明図である。
【図2】本実施例に従った携帯端末装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施例に従った携帯端末装置に格納される情報の一例を示す説明図である。
【図4】本実施例に従った配信サーバの一例を示す機能ブロック図である。
【図5】本実施例に従った配信サーバに格納される情報の一例を示す説明図である。
【図6】本実施例に従ったシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0015】
<実施例>
<システム>
本実施例に従った配信サーバ100が適用されるシステムについて説明する。
【0016】
図1は、本配信サーバ100が適用されるシステムの一例を示す。
【0017】
本システムには、携帯端末装置300(nは、n>0の整数)が含まれる。該携帯端末装置300は、通信網50を介して、配信サーバ100にアクセスする。例えば、該携帯端末装置300は、アクセスポイントに接続し、該アクセスポイントが接続された通信網50に接続された配信サーバ100にアクセスしてもよい。該通信網50は、インターネットであってもよい。また、例えば、該携帯端末装置300は基地局に接続し、該基地局が接続された通信網50に接続された配信サーバ100にアクセスしてもよい。該通信網は、移動体通信ネットワークであってもよい。
【0018】
図1には、一例として、n=3の場合について示される。例えば、携帯端末装置300及び300はある所定のエリア150に位置し、携帯端末装置300はある所定のエリア150に位置する。該所定のエリア150(mは、m>0の整数)は、アプリケーションを推薦すべき対象となる地図上の範囲を示す。該所定のエリアを単位として、アプリケーションのランキングが求められる。例えば、該所定のエリアは、市、町、村であってもよいし、温泉街などの複数の市に跨った地域であってもよい。また、該所定のエリアは、基地局又はアクセスポイントによりカバーされる領域であってもよい。
【0019】
本システムには、アプリケーション管理サーバ200が含まれる。該アプリケーション管理サーバ200は配信サーバ100に接続される。
【0020】
<携帯端末装置>
本携帯端末装置300は、アプリケーションが利用された際に、該アプリケーション利用情報を取得する。例えば、アプリケーションが起動された際に、該アプリケーション利用情報を取得するようにしてもよい。該アプリケーション利用情報には、該利用されたアプリケーションのIDが含まれてもよい。該アプリケーション利用情報には、本携帯端末装置300の位置情報が含まれてもよい。該位置情報は、概略位置であってもよい。さらに、該アプリケーション利用情報には、アプリケーションの利用された日時情報が含まれてもよい。本携帯端末装置300は、アプリケーション利用情報を記憶する。
【0021】
本携帯端末装置300は、配信サーバ100に、アプリケーション利用履歴情報を通知する。該アプリケーション利用履歴情報には、アプリケーション利用情報が含まれる。該アプリケーション利用履歴情報は、本携帯端末装置300が、配信サーバ100にアプリケーションの配信を要求する際に送信すべきアプリケーション配信要求信号に含まれてもよい。また、アプリケーション利用履歴情報を含むアプリケーション利用履歴通知信号を送信するようにしてもよい。
【0022】
本携帯端末装置300は、アプリケーション選択モードを通知する。該アプリケーション選択モードは、配信サーバ100により送信されるべきアプリケーションリストに含まれるアプリケーションを選択する際のエリアの範囲を示す。該アプリケーション選択モードは、アプリケーション配信要求信号に含まれてもよい。また、アプリケーション選択モードを含む通知信号を送信するようにしてもよい。該アプリケーション選択モードには、「移動履歴反映モード」が含まれる。該「移動履歴反映モード」では、配信サーバ100は、携帯端末装置300が現在位置するエリアだけでなく、これまで通過したエリアを含むエリアに基づいて、推薦すべきアプリケーションを選択する。例えば、直近に通過したエリアを含むエリアに基づいて、推薦すべきアプリケーションが選択されてもよい。
【0023】
一方、「移動履歴反映モード」に設定されていない場合には、配信サーバ100は、携帯端末装置300が現在位置するエリアに基づいて、推薦すべきアプリケーションを選択する。
【0024】
また、本携帯端末装置300は、配信サーバ100により配信されるべきアプリケーションリストを表示する。
【0025】
図2は、本携帯端末装置300の機能を示す機能ブロック図である。
【0026】
本携帯端末装置300は、送受信部302を有する。該送受信部302は、配信サーバ100に、アプリケーション利用履歴情報を無線送信する。また、送受信部302は、配信サーバ100に、アプリケーション配信要求信号を無線送信する。該アプリケーション配信要求信号にアプリケーション利用履歴情報が含まれてもよい。また、アプリケーション利用履歴情報を含む通知信号を無線送信するようにしてもよい。また、送受信部302は、配信サーバ100に、アプリケーション選択モードを示す情報を無線送信する。該アプリケーション選択モードを示す情報は、アプリケーション配信要求信号に含まれてもよい。
【0027】
また、送受信部302は、配信サーバ100により送信されたアプリケーションリストを受信する。
【0028】
本携帯端末装置300は、制御部304を有する。該制御部304は、送受信部302と接続される。該制御部304は、送受信部302に、アプリケーション利用履歴情報を無線送信させる。該制御部304は、送受信部302に、アプリケーション配信要求信号を無線送信させる。該制御部304は、送受信部302に、アプリケーション選択モードを示す情報を無線送信させる。該制御部304は、アプリケーションを起動し、動作させる。該制御部302は、配信サーバ100により配信されたアプリケーションリストを表示部314に表示する。
【0029】
本携帯端末装置300は、アプリケーション利用情報収集部306を有する。該アプリケーション利用情報収集部306は、制御部304と接続される。該アプリケーション利用情報収集部306は、アプリケーションが利用された際に、アプリケーション利用情報を取得する。該アプリケーション利用情報には、該利用されたアプリケーションのIDが含まれてもよい。該アプリケーション利用情報には、本携帯端末装置300の位置情報が含まれてもよい。該位置情報は、該アプリケーション利用された際の位置情報であってもよい。該位置情報は、概略位置であってもよい。該概略位置は、本携帯端末装置300が位置情報を取得する際にアクセスしたアクセスポイントの位置情報、基地局の位置情報であってもよい。さらに、該アプリケーション利用情報には、アプリケーションの利用された日時情報が含まれてもよい。該アプリケーションが起動された日時情報であってもよい。アプリケーション利用情報収集部306は、アプリケーション利用履歴格納部308に、該アプリケーション利用情報を入力する。
【0030】
本携帯端末装置300は、アプリケーション利用履歴格納部308を有する。該アプリケーション利用履歴格納部308は、アプリケーション利用情報収集部306と接続される。該アプリケーション利用履歴格納部308には、アプリケーション利用情報が格納される。例えば、アプリケーションのIDと、該アプリケーションが利用された際の携帯端末装置300の位置情報と、該アプリケーションが利用された日時情報とを対応付けて記憶する。
【0031】
図3は、本携帯端末装置300のアプリケーション利用履歴格納部308に格納されるべき情報の一例を示す。図2に示される例では、アプリケーションIDと、該アプリケーションが利用された日時と、該アプリケーションが利用された際の位置とが格納される。該位置は、緯度、経度により表されてもよい。さらに、高度により表されてもよい。該位置は概略位置でもよい。
【0032】
例えば、アプリケーションIDが「AAA」であるアプリケーションは、日時「XX/YY/XX X:Y」、位置「XX,YY」において利用される。また、アプリケーションIDが「BBB」であるアプリケーションは、日時「XY/YZ/ZX Y:Z」、位置「ZZ,WW」において利用される。図3に示されるアプリケーション起動履歴格納部308に格納されるデータは一例であり、適宜変更可能である。
【0033】
本携帯端末装置300は、測位部310を有する。該測位部310は、制御部304と、アプリケーション利用情報収集部306と接続される。該測位部310は、当該携帯端末装置300の位置を測位する。例えば、該測位部310は、全地球測位システム(GPS: Global Positioning System)により、GPS衛星からの電波に基づいて測位を行ってもよい。さらに、アシスト情報を利用して測位してもよい。また、該測位部310は、無線LANを利用して測位してもよい。該測位部310は、アプリケーション利用情報収集部306に、測位結果を入力する。
【0034】
本携帯端末装置300は、アプリケーション配信要求信号生成部312を有する。該アプリケーション配信要求信号生成部312は、制御部304と、アプリケーション利用履歴格納部308と接続される。該アプリケーション配信要求信号生成部312は、配信サーバ100にアプリケーションの配信を要求するためのアプリケーション配信要求信号を生成する。該アプリケーション配信要求信号に、アプリケーション利用履歴情報が含まれてもよい。また、該アプリケーション配信要求信号に、アプリケーション選択モードを示す情報が含まれてもよい。例えば、アプリケーション配信要求信号生成部312に、モード設定情報が入力される。該モード設定情報は、ユーザが当該携帯端末装置300を操作することにより入力されてもよい。アプリケーション配信要求生成部312は、該モード設定情報に従って、ユーザにより設定されたアプリケーション選択モードを示す情報を生成する。該アプリケーション配信信号生成部312は、制御部304に、アプリケーション配信要求信号を入力する。
【0035】
本携帯端末装置300は、表示部314を有する。該表示部314は、制御部304と接続される。該表示部314は、配信サーバ100により送信されたアプリケーションリストを表示する。
【0036】
<配信サーバ>
本配信サーバ100は、携帯端末装置300から、アプリケーション利用履歴情報を受信する。該アプリケーション利用履歴情報には、アプリケーションのIDと、該アプリケーションが利用された際の携帯端末装置300の位置情報と、アプリケーションが利用された日時情報とが含まれる。該アプリケーション利用履歴情報は、アプリケーション配信要求信号に含まれてもよい。本配信サーバ100は、携帯端末装置300から、アプリケーション選択モードを示す情報を受信する。該アプリケーション選択モードを示す情報は、アプリケーション配信要求信号に含まれてもよい。
【0037】
本配信サーバ100は、エリアを設定する。該エリアは、アプリケーションを推薦すべき対象となるエリア(以下、「対象エリア」と呼ぶ)である。該対象エリアは、アプリケーションのランキングを求める場合の地図上の算出単位を示す。
【0038】
本配信サーバ100は、アプリケーションの利用履歴情報を集計する。例えば、本配信サーバ100は、エリア毎に、アプリケーションの利用履歴情報を集計してもよい。例えば、エリア毎に、各アプリケーションについて利用回数が集計される。予め設定される所定の期間における利用回数が集計されてもよい。
【0039】
本配信サーバ100は、推薦すべきアプリケーションを選択する際に使用されるスコアを算出する。例えば、該スコアは、あるエリアにおける利用傾向値と、該あるエリア及び該あるエリア以外の他のエリアにおける利用傾向値との間の乖離の度合いにより表される。以下、該あるエリア及び該あるエリア以外の他のエリアを、「全エリア」と呼ぶ。該全エリアは、配信サーバ100によりアプリケーションの配信が可能であるエリアであってもよい。該全エリアは、配信サーバ100によりアプリケーションの配信が可能であるエリアの一部であってもよい。以下、全エリアが適用される場合について示す。利用傾向値は、利用回数に応じて変化する。
【0040】
<スコアの算出方法の一例>
本配信サーバ100は、エリア毎に集計されたアプリケーションの利用回数と、各携帯端末装置300から取得したアプリケーション利用履歴情報とに基づいて、レーティング(rating)を算出する。該レーティングは、アプリケーションの利用傾向を表す関数である。該レーティングは、アプリケーションのランキングを求める際に使用されるスコアを算出するために利用される。例えば、該レーティングは、式(1)により算出されてもよい。
【0041】
r(i,u)=1+a×exp(-t/b/n) (1)
式(1)において、rは、アプリケーションiのユーザuに対するレーティングを示し、a,bは定数を示し、nは利用回数を示し、tはユーザuがアプリケーションiを最後に利用してからの経過時間を示す。
【0042】
式(1)によれば、アプリケーションiが利用されてから時間が経過する程、レーティングr(i,u)は減衰する。さらに、アプリケーションiの利用回数が多くなる程、レーティングr(i,u)の減衰は小さくなる。
【0043】
本配信サーバ100は、対象エリアにおける携帯端末装置及びアプリケーションの組み合わせについて、レーティングの総和を求める。例えば、対象エリアには、携帯端末装置300の現在位置が含まれるエリアであってもよいし、該携帯端末装置300の現在位置を含む過去に通過したエリアであってもよい。本配信サーバ100は、該総和に対して、各アプリケーションのレーティングの和の割合(比率)を求める。例えば、式(2)により算出されてもよい。
【0044】
【数1】

式(2)において、Dは対象エリアにアプリケーション利用履歴情報を有するユーザ(携帯端末装置)を示す。
【0045】
式(2)によれば、対象エリアにおけるスコアの対象となるアプリケーションのレーティングの比率が求められる。式(2)の分母のkについては、全てのアプリケーションについて、つまり全てのkについてレーティングの合計が算出されてもよいし、ある条件でフィルタリングされたアプリケーションに対応するkについてのみ、レーティングの合計が算出されてもよい。ある特性でフィルタリングされたアプリケーションについてレーティングの合計が算出されることにより、演算量を低減できる。
【0046】
本配信サーバ100は、各アプリケーションについて、全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率を算出する。例えば、式(3)により算出されてもよい。
【0047】
【数2】

式(3)において、Dは対象エリアにアプリケーション利用履歴情報を有するユーザ(携帯端末装置)を示す。μはアプリケーションiの全エリアにおけるレーティングの平均値である。
【0048】
本配信サーバ100は、各アプリケーションについて、スコアを算出する。例えば、本配信サーバ100は、「対象エリア内におけるレーティングの比率」と、「全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率」とを乗算することにより、アプリケーション毎にスコアを算出する。
【0049】
「対象エリア内におけるレーティングの比率」に基づいてスコアを算出することにより、アプリケーションiの利用回数が多いアプリケーションのレーティングの減衰が小さくなるため、利用回数の多いアプリケーションのスコアを大きくできる。
【0050】
全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率が小さいアプリケーションは、携帯端末装置300の使用される地域に関係なくよく利用されるアプリケーションであると想定される。また、全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率が大きいアプリケーションは、地域によって利用傾向が異なるアプリケーションであると想定される。「全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率」に基づいてスコアを算出することにより、全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率が大きいアプリケーションのスコアを大きくできる。
【0051】
本配信サーバ100は、携帯端末装置300からのアプリケーション選択モードを示す情報に基づいて、該携帯端末装置300に、「移動履歴反映モード」が設定されているかどうかを判定する。該「移動履歴反映モード」では、過去に通過したエリアを含むエリアにおいて、アプリケーションのランキングが求められる。換言すれば、対象エリアとして、現在位置するエリアと、過去に通過したエリアとを含むエリアが設定される。
【0052】
一方、「移動履歴反映モード」が設定されていない場合には、現在位置するエリアにおいて、アプリケーションのランキングが求められる。換言すれば、対象エリアとして、現在位置するエリアが設定される。
【0053】
本配信サーバ100は、スコアに基づいて、アプリケーションを選択する。スコアが大きい順にランキング付けがされてもよい。
【0054】
本配信サーバ100は、選択したアプリケーションをリスト化し、アプリケーションリストとして、携帯端末装置300に送信する。
【0055】
図4は、本配信サーバ100の機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0056】
本配信サーバ100は、送受信部102を有する。該送受信部102は、携帯端末装置300からのアプリケーション利用履歴情報を受信する。該アプリケーション利用履歴情報は、利用履歴集計部104に入力される。また、該送受信部102は、携帯端末装置300からのアプリケーション配信要求信号を受信する。該アプリケーション配信要求信号は、配信情報選択部112に入力される。また、該送受信部102は、携帯端末装置300からのアプリケーション選択モードを示す情報を受信する。該アプリケーション選択モードを示す情報は、スコア算出部110に入力される。また、該送受信部102は、携帯端末装置300に、アプリケーションリストを送信する。
【0057】
本配信サーバ100は、利用履歴集計部104を有する。該利用履歴集計部104は、送受信部102と接続される。該利用履歴集計部104には、エリア情報が入力される。該エリア情報は、予め設定されてもよい。また、携帯端末装置300が操作されることによりエリア情報が設定され、該設定されたエリア情報が当該配信サーバ100に通知されてもよい。該利用履歴集計部104は、送受信部102により入力されるべきアプリケーション利用履歴に基づいて、エリア毎に、各アプリケーションの利用回数を集計する。さらに、携帯端末装置300毎に集計してもよい。利用履歴集計部104は、利用履歴格納部106に、エリア毎に、各アプリケーションの利用回数を集計した結果を格納する。さらに、携帯端末装置300毎に格納してもよい。
【0058】
本配信サーバ100は、利用履歴格納部106を有する。該利用履歴格納部106は、携帯端末装置300からのアプリケーション利用履歴を収集した結果を格納する。例えば、エリア毎に、各アプリケーションの利用回数が格納される。さらに、携帯端末装置300毎に、エリア毎の各アプリケーションの利用回数が格納されてもよい。
【0059】
図5は、利用履歴格納部106に格納されるべきデータの一例を示す。図5に示される例では、アプリケーションIDにより示されるアプリケーションの利用回数が、エリアIDにより示されるエリア毎に格納される。図5に示されるデータが携帯端末装置300毎に格納されてもよい。
【0060】
例えば、アプリケーションIDが「AAA」であるアプリケーションは、エリアIDが「αα」では「XXX」[回]利用され、エリアIDが「ββ」では「YYY」[回]利用され、エリアIDが「γγ」では「ZZZ」[回]利用される。また、アプリケーションIDが「BBB」であるアプリケーションは、エリアIDが「αα」では「XYZ」[回]利用され、エリアIDが「ββ」では「YZX」[回]利用され、エリアIDが「γγ」では「ZXY」[回]利用される。図5に示される利用履歴格納部106に格納されるデータは一例であり、適宜変更可能である。
【0061】
本配信サーバ100は、レーティング算出部108を有する。該レーティング算出部108は、利用履歴集計部104と、利用履歴格納部106と接続される。該レーティング算出部108は、利用履歴格納部106に格納されたエリア毎に集計されたアプリケーションの利用回数と、各携帯端末装置300から取得したアプリケーション利用履歴情報とに基づいて、レーティング(rating)を設定する。該アプリケーション利用履歴情報から最終利用日時からの経過時間が求められる。該レーティングは、アプリケーションの利用傾向を表す関数である。該レーティングは、アプリケーションのランキングを求める際に使用されるスコアを算出するために利用される。例えば、該レーティングは、式(1)により算出されてもよい。レーティング算出部108は、スコア算出部110に、レーティングを入力する。
【0062】
本配信サーバ100は、スコア算出部110を有する。該スコア算出部110は、送受信部102と、レーティング算出部108と、利用履歴格納部106と接続される。該スコア算出部110には、送受信部102からアプリケーション選択モードを示す情報が入力され、レーティング算出部108からレーティングが入力される。
【0063】
該スコア算出部110は、アプリケーション選択モードを示す情報に基づいて、該アプリケーション選択モードが「移動履歴反映モード」を示すものであるかどうかを判定する。該スコア算出部110は、該アプリケーション選択モードが「移動履歴反映モード」を示すものであると判定した場合、携帯端末装置が現在位置するエリアだけでなく、これまで通過したエリアを含むエリアを対象エリアとする。例えば、携帯端末装置が現在位置するエリアと、直前に位置していたエリアとを含むエリアが対象エリアに設定される。
【0064】
一方、該スコア算出部110は、該アプリケーション選択モードが「移動履歴反映モード」を示すものでないと判定した場合、携帯端末装置が現在位置するエリアを対象エリアとする。
【0065】
該スコア算出部110は、対象エリアにおける携帯端末装置及びアプリケーションの組み合わせについて、レーティングの総和を求める。該スコア算出部110は、該総和に対して、各アプリケーションのレーティングの和の割合を求める。例えば、式(2)により算出されてもよい。
【0066】
該スコア算出部110は、各アプリケーションについて、全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率を算出する。例えば、式(3)により算出されてもよい。
【0067】
該スコア算出部110は、スコアを算出する。該スコア算出部110は、「対象エリア内におけるレーティングの比率」と、「全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率」とを乗算することにより、アプリケーション毎にスコアを算出する。該スコア算出部110は、配信情報選択部112に、アプリケーション毎のスコアを入力する。
【0068】
本配信サーバ100は、配信情報選択部112を有する。該配信情報選択部112は、送受信部102と、スコア算出部110と接続される。該配信情報選択部112は、送受信部102により入力されるべきアプリケーション配信要求信号に応じて、スコア算出部110により入力されるべきアプリケーション、及び該アプリケーションのスコアに基づいて、推薦すべきアプリケーションを選択する。例えば、配信情報選択部112は、スコア算出部110により入力されるべきアプリケーション、及び該アプリケーションのスコアに基づいて、スコア値の高いアプリケーションから選択する。該配信情報選択部112は、アプリケーションリスト生成部114に、該アプリケーションを示す情報を入力する。
【0069】
本配信サーバ100は、アプリケーションリスト生成部114を有する。該アプリケーションリスト生成部114は、送受信部102と、配信情報選択部112と接続される。該アプリケーションリスト生成部114には、配信情報選択部112からレコメンドすべきアプリケーション情報が入力される。該アプリケーションリスト生成部114は、レコメンドすべきアプリケーション情報をリスト化する。スコアが高い順にランキング付けしてもよい。該アプリケーションリスト生成部114は、送受信部102に、アプリケーションリストを入力する。送受信部102は、携帯端末装置300に、アプリケーションリスト生成部114により入力されたアプリケーションリストを送信する。
【0070】
<システムの動作>
図6は、本実施例に従った携帯端末装置300と、配信サーバ100とを含むシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0071】
本携帯端末装置300は、アプリケーション利用情報を収集する(ステップS602)。例えば、アプリケーション利用情報収集部306は、当該携帯端末装置300によりアプリケーションが利用される度に、アプリケーション利用情報を取得する。該アプリケーション利用情報には、アプリケーションID(識別子)と、位置情報と、日時情報とが含まれる。
【0072】
本携帯端末装置300は、配信サーバ100に、アプリケーション配信要求信号を無線送信する(ステップS604)。例えば、アプリケーション配信要求信号生成部312は、アプリケーション配信要求信号を生成し、制御部304に入力する。制御部304は、アプリケーション配信要求信号生成部312により入力されたアプリケーション配信要求信号を、送受信部302から送信する。該アプリケーション配信要求信号には、アプリケーション利用履歴情報が含まれてもよい。該アプリケーション利用履歴には、アプリケーション利用情報が含まれる。また、アプリケーション配信要求信号には、アプリケーション選択モードを示す情報が含まれてもよい。
【0073】
本配信サーバ100は、エリアを設定する(ステップS606)。例えば、アプリケーションを推薦すべき対象となる地図上の範囲により表される単位が設定される。該エリアは、オペレータにより設定されてもよい。該エリアを示す情報は、利用履歴集計部104に入力される。
【0074】
本配信サーバ100は、エリア内のアプリケーション利用履歴を集計する(ステップS608)。例えば、該利用履歴集計部104は、送受信部102により入力されるべきアプリケーション利用履歴情報に基づいて、エリア毎に、各アプリケーションの利用回数を集計する。さらに、携帯端末装置300毎に集計してもよい。
【0075】
本配信サーバ100は、レーティングを設定する(ステップS610)。例えば、レーティング算出部108は、携帯端末装置300と、アプリケーションとの組み合わせに対して、利用履歴格納部106に格納されたエリア毎に集計されたアプリケーションの利用回数と、各携帯端末装置300から取得したアプリケーション利用履歴情報とに基づいて、レーティング(rating)を算出する。該アプリケーション利用履歴情報から最終利用日時からの経過時間が求められる。
【0076】
本配信サーバ100は、携帯端末装置300のアプリケーション選択モードが移動履歴反映モードであるかどうかを判定する(ステップS612)。例えば、スコア算出部110は、アプリケーション選択モードを示す情報に基づいて、該アプリケーション選択モードを示す情報により示されるモードが、「移動履歴反映モード」であるかどうかを判定する。
【0077】
移動履歴反映モードに設定されていると判定された場合(ステップS612:YES)、本配信サーバ100は、直近に通過したエリアを含むエリアを対象エリアとする(ステップS614)。例えば、スコア算出部110は、該アプリケーション選択モードが「移動履歴反映モード」を示すものであると判定した場合、携帯端末装置が現在位置するエリアだけでなく、これまで通過したエリアを含むエリアを対象エリアとする。
【0078】
一方、移動履歴反映モードに設定されていないと判定された場合(ステップS612:NO)、本配信サーバ100は、現在位置するエリアを対象エリアとする(ステップS616)。例えば、スコア算出部110は、該アプリケーション選択モードが「移動履歴反映モード」を示すものでないと判定した場合、携帯端末装置が現在位置するエリアを対象エリアとする。
【0079】
本配信サーバ100は、ステップS614又はS616により設定された対象エリアにおける携帯端末装置及びアプリケーションの組み合わせについて、レーティングの総和を求める。本配信サーバ100は、該エリア内のレーティングの総和に対して、アプリケーションのレーティングの和の割合を求める(ステップS618)。例えば、スコア算出部110は、対象エリアにおける携帯端末装置及びアプリケーションの組み合わせについて、レーティングの総和を求め、該総和に対して、各アプリケーションのレーティングの和の割合を求める。例えば、式(2)により算出されてもよい。
【0080】
本配信サーバ100は、各アプリケーションについて、各アプリケーションについてエリアのレーティングの平均値と、全エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率を算出する(ステップS620)。例えば、スコア算出部110は、各アプリケーションについて、全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率を算出する。例えば、式(3)により算出されてもよい。
【0081】
本配信サーバ100は、スコアを算出する(ステップS622)。例えば、スコア算出部110は、ステップS618により算出された「対象エリア内におけるレーティングの比率」と、ステップS620により算出された「全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率」とを乗算することにより、アプリケーション毎にスコアを算出する。
【0082】
本配信サーバ100は、アプリケーションを選択する(ステップS624)。例えば、配信情報選択部112は、ステップS622により算出されたスコアに基づいて、推薦すべきアプリケーションを選択する。
【0083】
配信サーバ100は、アプリケーションリストを生成する(ステップS626)。例えば、アプリケーションリスト生成部114は、推薦すべきアプリケーション情報をリスト化する。スコアが高い順にランキング付けしてもよい。
【0084】
配信サーバ100は、該携帯端末装置300に、アプリケーションリストを送信する(ステップS628)。例えば、アプリケーションリスト生成部114は、送受信部102に、アプリケーションリストを入力する。送受信部102は、携帯端末装置300に、アプリケーションリスト生成部114により入力されたアプリケーションリストを送信する。
【0085】
本実施例によれば、「対象エリア内におけるレーティングの比率」に基づいて、推薦すべきアプリケーションが選択される。エリア毎に利用されたアプリケーションのランキングを求める際に、起動回数を利用しただけでは、アプリケーションを利用する母集団の多いアプリケーションが上位になる。「対象エリア内におけるレーティングの比率」を利用することにより、対象エリア内におけるアプリケーションの利用傾向を反映することができる。
【0086】
また、アプリケーション毎に、「全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率」を求め、該乖離率の高いアプリケーションから選択する。アプリケーションとエリアとの関連性を求める場合、該エリアにおける起動回数を利用しただけでは、アプリケーションを利用する母集団の多いアプリケーションが上位になる。アプリケーション毎に、「全エリアのレーティングの平均値と、対象エリア内のレーティングの平均値との間の乖離率」の高いアプリケーションから選択することにより、利用回数の比較的少ないものでも、該エリアで特に利用されているアプリケーションを抽出することができる。
【0087】
本システムを利用することにより、例えば、外出先において、効果的なアプリケーションの推薦を受けることができる。
【0088】
本配信サーバは、
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部と、
前記利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出するスコア算出部としての、利用比率算出部と、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出するスコア算出部としての、乖離度算出部と、
前記利用比率算出部により算出された利用比率と、前記乖離度算出部により算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出部と、
該スコア算出部により算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する配信情報選択部としての、選択部と、
前記携帯端末装置に、前記選択部により選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送受信部としての、送信部と
を有する。
【0089】
さらに、
アプリケーションと、携帯端末装置とを引数とし、アプリケーションの利用傾向を表す関数を設定するレーティング算出部としての、関数設定部
を有し、
前記利用比率算出部は、該関数設定部により設定された関数を利用して、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を求め、
前記乖離度算出部は、前記関数設定部により設定された関数を利用して、前記対象エリア及び他のエリアにおけるアプリケーションの利用傾向と、前記対象エリアにおけるアプリケーションの利用傾向との間の乖離率を算出し、
前記スコア算出部は、前記利用比率算出部により算出された利用比率と、前記乖離度算出部により算出された乖離率とを乗算することにより、各アプリケーションにおけるスコアを算出する。
【0090】
さらに、
前記関数設定部は、アプリケーションが利用されてからの経過時間と、該アプリケーションの利用回数とに基づいて、前記関数を設定する。
【0091】
さらに、
前記利用履歴格納部は、前記アプリケーションの履歴情報として、アプリケーションの識別子と、該アプリケーションが利用されたときの概略位置と、該アプリケーションが利用された日時情報を格納する。
【0092】
さらに、
前記携帯端末装置により過去に位置したエリアを含むエリアにおけるアプリケーションが要求された場合に、前記利用比率算出部、及び乖離度算出部は、前記対象エリアとして、前記携帯端末装置が現在在圏するエリアと、過去に在圏したエリアとを対象エリアに設定する。
【0093】
本システムは、
携帯端末装置と、該携帯端末装置にアプリケーションを推薦する配信サーバとを有するシステムであって、
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部と、
前記利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出部と、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出部と、
前記利用比率算出部により算出された利用比率と、前記乖離度算出部により算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出部と、
該スコア算出部により算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択部と、
前記携帯端末装置に、前記選択部により選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信部と
を有する配信サーバと、
アプリケーションが利用される度に、該アプリケーションの利用情報を収集するアプリケーション利用情報収集部と、
前記配信サーバに、前記アプリケーション利用情報収集部により収集されたアプリケーション利用情報を通知するアプリケーション配信要求生成部及び送受信部としての、アプリケーション利用情報通知部と
を有する携帯端末装置と、
を有し、
前記配信サーバは、前記利用履歴格納部に、前記携帯端末装置からのアプリケーション利用情報を格納する。
【0094】
本方法は、
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出ステップと、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出ステップと、
前記利用比率算出ステップにより算出された利用比率と、前記乖離度算出ステップにより算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出ステップと、
該スコア算出ステップにより算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択ステップと、
前記携帯端末装置に、前記選択ステップにより選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信ステップと
を有する。
【0095】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0096】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0097】
50 通信網
100 配信サーバ
102 送受信部
104 利用履歴集計部
106 起動履歴格納部
108 レーティング算出部
110 スコア算出部
112 配信情報選択部
114 アプリケーションリスト生成部
150(mは、m>0の整数) エリア
200 アプリケーション管理サーバ
300(nは、n>0の整数) 携帯端末装置
302 送受信部
304 制御部
306 アプリケーション利用情報収集部
308 アプリケーション利用履歴格納部
310 測位部
312 アプリケーション配信要求信号生成部
314 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部と、
前記利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出部と、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出部と、
前記利用比率算出部により算出された利用比率と、前記乖離度算出部により算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出部と、
該スコア算出部により算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択部と、
前記携帯端末装置に、前記選択部により選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信部と
を有する配信サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の配信サーバにおいて、
アプリケーションと、携帯端末装置とを引数とし、アプリケーションの利用傾向を表す関数を設定する関数設定部
を有し、
前記利用比率算出部は、該関数設定部により設定された関数を利用して、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を求め、
前記乖離度算出部は、前記関数設定部により設定された関数を利用して、前記対象エリア及び他のエリアにおけるアプリケーションの利用傾向と、前記対象エリアにおけるアプリケーションの利用傾向との間の乖離率を算出し、
前記スコア算出部は、前記利用比率算出部により算出された利用比率と、前記乖離度算出部により算出された乖離率とを乗算することにより、各アプリケーションにおけるスコアを算出する配信サーバ。
【請求項3】
請求項2に記載の配信サーバにおいて、
前記関数設定部は、アプリケーションが利用されてからの経過時間と、該アプリケーションの利用回数とに基づいて、前記関数を設定する配信サーバ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の配信サーバにおいて、
前記利用履歴格納部は、前記アプリケーションの履歴情報として、アプリケーションの識別子と、該アプリケーションが利用されたときの概略位置と、該アプリケーションが利用された日時情報を格納する配信サーバ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配信サーバにおいて、
前記携帯端末装置により過去に位置したエリアを含むエリアにおけるアプリケーションが要求された場合に、前記利用比率算出部、及び乖離度算出部は、前記対象エリアとして、前記携帯端末装置が現在在圏するエリアと、過去に在圏したエリアとを対象エリアに設定する配信サーバ。
【請求項6】
携帯端末装置と、該携帯端末装置にアプリケーションを推薦する配信サーバとを有するシステムであって、
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部と、
前記利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出部と、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出部と、
前記利用比率算出部により算出された利用比率と、前記乖離度算出部により算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出部と、
該スコア算出部により算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択部と、
前記携帯端末装置に、前記選択部により選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信部と
を有する配信サーバと、
アプリケーションが利用される度に、該アプリケーションの利用情報を収集するアプリケーション利用情報収集部と、
前記配信サーバに、前記アプリケーション利用情報収集部により収集されたアプリケーション利用情報を通知するアプリケーション利用情報通知部と
を有する携帯端末装置と、
を有し、
前記配信サーバは、前記利用履歴格納部に、前記携帯端末装置からのアプリケーション利用情報を格納するシステム。
【請求項7】
所定のエリア毎に、携帯端末装置により利用されたアプリケーションの履歴情報を格納する利用履歴格納部に格納されたアプリケーションの履歴情報に基づいて、アプリケーションを推薦すべき対象エリアで利用されたアプリケーションの履歴情報と、該対象エリア及び該対象エリア以外の他のエリアで利用されたアプリケーションの履歴情報とに基づいて、アプリケーション毎に、前記対象エリアにおける利用比率を算出する利用比率算出ステップと、
前記対象エリアと、前記対象エリア及び他のエリアとにおけるアプリケーションの利用傾向の乖離の度合いを算出する乖離度算出ステップと、
前記利用比率算出ステップにより算出された利用比率と、前記乖離度算出ステップにより算出された乖離度に基づいて、アプリケーションを算出する際に使用するスコアを算出するスコア算出ステップと、
該スコア算出ステップにより算出されたスコアに基づいて、前記携帯端末装置に勧めるべきアプリケーションを選択する選択ステップと、
前記携帯端末装置に、前記選択ステップにより選択されたアプリケーションを示す情報を送信する送信ステップと
を有する配信サーバにおける方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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