説明

配管接続構造

【課題】曲管部等の清掃を容易にすることを可能とする。
【解決手段】接続される各管3,5の端部に該各管3,5の交角に応じて各管3,5に対し傾斜形成したフランジ部3a,5aをそれぞれ設け、各フランジ部3a,5aを突き合わせて各フランジ部3a,5aを継ぎ手19により締結結合して分離可能な曲管継部11を形成する。継ぎ手19を外してフランジ部フランジ部3a,5aを分離すると、各管3,5の曲管継部11を分離させることができ、曲管継部11の清掃を容易に行わせることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、管を接続するための配管接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、管の接続は、直管部で行われる。このため、管の途中に曲管部等の交差部があると、直管部を接続する継ぎ手を外しても交差部はそのままの形態を維持するため、交差部の清掃に困難を伴う。
【0003】
特に、加工食材等を搬送するための配管では、曲管部等に食材が残り、衛生上好ましくない状況となるため、曲管部等の清掃に長時間をかける必要があり、作業性に問題があった。
【特許文献1】特開2006−234048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、曲管部等の清掃に困難を伴う点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、曲管部等の清掃を容易とするために、接続される各管の端部に該各管の交角に応じて各管に対し傾斜形成したフランジ部をそれぞれ設け、前記各フランジ部を突き合わせて該各フランジ部を継ぎ手により締結結合して分離可能な交継部を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の配管接続構造は、接続される各管の端部に該各管の交角に応じて各管に対し傾斜形成したフランジ部をそれぞれ設け、前記各フランジ部を突き合わせて該各フランジ部を継ぎ手により締結結合して分離可能な交継部を形成する。
【0007】
このため、継ぎ手を外してフランジ部を分離すると、各管の交継部を分離させることができ、交継部の清掃を容易に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】配管を示す全体図である。(実施例1)
【図2】曲管継部を示す要部拡大図である。(実施例1)
【図3】折管継部を示す要部拡大図である。(実施例1)
【図4】継ぎ手を示す斜視図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0009】
交継部の清掃を容易にするという目的を、フランジ部の傾斜により実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は、配管を示す全体図、図2は、曲管継部を示す要部拡大図、図3は、折管継部を示す要部拡大図、図4は、継ぎ手を示す斜視図である。
【0011】
図1に示す接続された配管1は、食材、例えば完成後の餡の圧送などに用いられるものであり、例えばステンレスなどにより形成されている。
【0012】
配管1は、管3,5,7,9を備え、管3,5間に交継部として湾曲した曲管継部11が形成され、管5,7間に交継部として折れた折管継部13が形成され、管7,9間に直管継部15が形成されている。
【0013】
図2のように、前記曲管継部11には、例えば接続される各管3,5の端部において、フランジ部3a,5aがそれぞれ設けられている。各フランジ部3a,5aは、各管3,5の交角に応じて各管3,5に対し傾斜形成されている。すなわち、管3,5は、例えば90°交差するように配管されているものであり、直管部3b,5bと曲管端部3c,5cとを備えている。フランジ部3aは、曲管端部3cに一体に形成され、フランジ部5aは、曲管端部5cに一体に形成されている。フランジ部3a,5aは、直管部3b,5bに対し45°傾斜して形成されている。
【0014】
前記各フランジ部3a,5a間にパッキン17を介設して両者を突き合わせ、該各フランジ部3a,5aを継ぎ手19により締結結合して分離可能な曲管継部11が形成される。
【0015】
図3のように、前記折管継部13には、例えば接続される各管5,7の端部において、フランジ部5d,7aがそれぞれ設けられている。各フランジ部5d,7aは、各管5,7の交角に応じて各管5,7に対し傾斜形成されている。すなわち、管5,7は、例えば15°交差するように配管されているものであり、直管部5b,7bと折管端部5e,7cとを備えている。フランジ部5dは、折管端部5eに一体に形成され、フランジ部7aは、折管端部7cに一体に形成されている。フランジ部5d,7aは、直管部5b,7bに対し7.5°傾斜して形成されている。
【0016】
前記各フランジ部5d,7a間にパッキン21を介設して両者を突き合わせ、該各フランジ部5d,7aを継ぎ手19により締結結合して分離可能な折管継部13が形成される。
【0017】
図1のように、前記直管継部15には、例えば接続される各管7,9の端部において、フランジ部7d,9aがそれぞれ設けられている。各フランジ部7d,9aは、各管7,9に対し直交して形成されている。管7,9は、直管部7b,9bと直管端部7e,9cとを備えている。フランジ部7dは、直管端部7eに一体に形成され、フランジ部9aは、直管端部9cに一体に形成されている。
【0018】
前記各フランジ部7d,9a間にパッキンを介設して両者を突き合わせ、該各フランジ部7d,9aを継ぎ手19により締結結合して分離可能な直管継部15が形成される。
【0019】
図4のように、継ぎ手19は、通常のものを用いることができ、本実施例では、径方向へ展開してフランジ部3a,5a、5d,7a、7d,9aに着脱できる本体部19aと本体部19aをフランジ部3a,5a、5d,7a、7d,9aに対して締め込む締結ハンドル19bとを備えている。本体部19aは、ヒンジ部19aa,19abと締結部19ac,19adとを備えている。
【0020】
各継ぎ手19を各フランジ部3a,5a、5d,7a、7d,9aに取り付け、各締結部19ac,19adを、各締結ハンドル19bによって締め込むことで、各本体部19aにより各フランジ部3a,5a、5d,7a、7d,9aを締結し、各フランジ部3a,5a、5d,7a、7d,9a相互の結合を維持させることができる。
【0021】
各締結ハンドル19bの締結を解除し、各本体部19aを各ヒンジ部19aa,19abでの回動により径方向へ開くと、各本体部19aを各フランジ部3a,5a、5d,7a、7d,9aから取り外すことができる。
【0022】
この各継ぎ手19の取り外しにより各フランジ部3a,5a、5d,7a、7d,9a相互を引き離すことができる。このため、曲管継部11、折管継部13では、食材f等が詰まり易い中間部で引き離し、配管の曲がり部や折れ部において配管内部を容易に洗浄することができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例1の配管接続構造は、接続される各管3,5,7の端部に該各管3,5,7の交角に応じて各管3,5,7に対し傾斜形成したフランジ部3a,5a、5d,7aをそれぞれ設け、前記各フランジ部3a,5a、5d,7aを突き合わせて該各フランジ部3a,5a、5d,7aを継ぎ手19により締結結合して分離可能な曲管継部11、折管継部13を形成する。
【0023】
このため、継ぎ手19を外してフランジ部3a,5a、5d,7aを分離すると、各管3,5,7の曲管継部11、折管継部13を分離させることができ、曲管継部11、折管継部13の清掃を容易に行わせることができる。
[その他]
継ぎ手19は、フランジ部3a,5a、5d,7aを締結して結合できれば良く、他の形態の継ぎ手を使用することもできる。
【0024】
曲管継部11、折管継部13は、配管方向の前後で、直管部3b、5b、7bに溶接結合させる形態にすることもできる。
【0025】
フランジ部3a,5a、5d,7aの傾斜角は、曲管継部11、折管継部13前後の配管の交角に応じて任意であり、突き合わせるフランジ部3a,5a、5d,7a相互間でも異ならせることができる。
【符号の説明】
【0026】
3,5,7 管
3a,5a、5d,7a フランジ部
11 曲管継部(交継部)
13 折管継部(交継部)
19 継ぎ手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続される各管の端部に該各管の交角に応じて各管に対し傾斜形成したフランジ部をそれぞれ設け、
前記各フランジ部を突き合わせて該各フランジ部を継ぎ手により締結結合して分離可能な交継部を形成する、
ことを特徴とする配管接続構造。
【請求項2】
請求項1記載の配管接続構造であって、
前記交継部は、湾曲した曲管継部である、
ことを特徴とする配管接続構造。
【請求項3】
請求項1記載の配管接続構造であって、
前記交継部は、折れた折管継部である、
ことを特徴とする配管接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−21691(P2011−21691A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167214(P2009−167214)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000125587)梶原工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】