配線ボックス
【課題】ボックス本体の側方から電線管を接続することができるとともに、電線管をボックス本体に接続する際に固定ビスに発生する不具合を無くすことができる配線ボックスを提供する。
【解決手段】配線ボックス11は、四角箱状をなすボックス本体13を備え、そのボックス本体13の上側壁12a及び下側壁12bには、接続孔20が形成されている。また、ボックス本体13の右側面には挿入開口21が開口するように形成され、その挿入開口21が接続孔20と連通している。そのため、配線ボックス11の右側から接続孔20に電線管10が接続可能となる。従って、配線ボックス11の前後に空間が形成されていなくても、配線ボックス11の側方に、電線管10を配設可能な空間が形成されていれば、同配線ボックス11に電線管10を接続することが可能となる。
【解決手段】配線ボックス11は、四角箱状をなすボックス本体13を備え、そのボックス本体13の上側壁12a及び下側壁12bには、接続孔20が形成されている。また、ボックス本体13の右側面には挿入開口21が開口するように形成され、その挿入開口21が接続孔20と連通している。そのため、配線ボックス11の右側から接続孔20に電線管10が接続可能となる。従って、配線ボックス11の前後に空間が形成されていなくても、配線ボックス11の側方に、電線管10を配設可能な空間が形成されていれば、同配線ボックス11に電線管10を接続することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線器具等を収容し、その配線器具に接続されたケーブルを保護するために電線管が接続される配線ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば建物内の壁面に配線器具等を設置するため、その壁内には配線ボックスが設置されている。その配線ボックスにはケーブルが引込まれ、そのケーブルは、配線ボックスに接続された電線管により保護されている(例えば、特許文献1参照。)。前記電線管としての保護管は、同一径のリング状山部と同一径のリング状谷部とが繰り返し連続して形成された可撓管であり、前記リング状山部の間に環状溝が形成されている。配線ボックスとしての電設用ボックスは、中空をなす四角箱状のボックス本体を備え、そのボックス本体の外壁には保護管保持用口部が設けられている。
【0003】
電設用ボックスの底壁には、保護管保持用口部と連通する位置が切り欠かれて切欠口部が形成され、その切欠口部から前記保護管を保護管保持用口部に抜き差し可能に形成されている。また、保護管保持用口部の内周面には突片が形成されている。そして、底壁の背面側から切欠口部に向かって電線管を移動させ、同電線管を切欠口部を通過させ、保護管保持用口部内に挿入すると、前記環状溝に保護管保持用口部の内縁が嵌合するとともに、前記突片が保護管の環状溝に係合する。上記電設用ボックスはその外壁を貫通した固定ビスを柱等に固定することにより、当該柱に取付け固定され、その固定状態で、底壁側から保護管保持用口部に保護管が接続され、その接続状態で保護管の上下方向及び径方向への移動が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2524247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の電設用ボックスにおいて、切欠口部は底壁側に開口しているため、保護管保持用口部に電線管を接続するには、電線管を電設用ボックスの背面側に配設し、その状態で電設用ボックス側へ移動させなくてはならない。そのため、例えば、電設用ボックスが柱に固定され、その電設用ボックスの後面に建物壁を構成する壁材が立設されていると、電設用ボックスの後面と、壁材の内面との間には、電線管を配設するための空間が形成されていないことがあった。その結果、電設用ボックスに電線管を接続することが不可能になってしまうという問題があった。
【0006】
また、電線管を保護管保持用口部に接続するためには、電設用ボックスの底壁側から同電設用ボックスに向かって電線管を押し込み、切欠口部を強制的に通過させてさらに保護管保持用口部内に挿入しなければならない。このとき、その電線管を押し込むための力が、電設用ボックスを前方へ押圧するように作用するため、その電設用ボックスの外壁を貫通した前記固定ビスにも、前記と同方向への力が作用してしまう。その結果、柱に固定された固定ビスが緩んだり、変形したりする不具合が発生する虞があるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ボックス本体の側方から電線管を接続することができるとともに、電線管をボックス本体に接続する際に固定ビスに発生する不具合を無くすことができる配線ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、底壁と、その底壁から立設された側壁とより一面に開口を有する四角箱状に形成されたボックス本体を備え、同ボックス本体の左側壁及び右側壁の少なくとも一方には、建物内の構造物にボックス本体を固定するための固定ビスを挿通可能な固定部が設けられているとともに、ボックス本体の上側壁及び下側壁には、合成樹脂製の可撓性を有する電線管を接続するための接続孔が形成され、前記固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上端部及び下端部には、ボックス本体の側方に開口するとともに、前記接続孔に連通する挿入開口がそれぞれ形成されることにより、上下両挿入開口は互いに連通することなく離れて形成され、当該挿入開口に挿入された電線管を、前記固定ビスにより固定部が構造物に押し付けられた方向に沿って移動させることにより、当該電線管を接続孔に挿入可能に形成したことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配線ボックスにおいて、前記固定部は左側壁及び右側壁の少なくとも一方に形成された固定孔の周縁部により構成され、前記固定孔はボックス本体の奥行き方向へ長孔状に延びるように形成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の配線ボックスにおいて、前記電線管はその周方向に突出する凸条部が複数箇所に形成されているとともに、隣接する凸条部間に凹条部が形成されることにより凹凸状に形成され、前記接続孔の内周には前記電線管の凹条部に係合可能な係合部が設けられていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の配線ボックスにおいて、前記接続孔に設けた前記係合部の挿入開口側には、電線管の凸条部の外面に係合可能な抜け止め部が設けられていることを要旨とする。
【0012】
(作用)
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明によれば、ボックス本体の左側壁及び右側壁の少なくともいずれか一方に固定ビスを挿通可能な固定部を形成するとともに、その固定部が形成された側壁に相対向する側壁に、同ボックス本体の側方へ開口する挿入開口を形成し、その挿入開口を接続孔と連通させた。そのため、挿入開口が形成された側壁の側方に、空間が確保されていれば、その空間を利用し、固定部が構造物に押し付け固定された方向に沿って電線管を移動させることにより、挿入開口から接続孔内に電線管が挿入される。したがって、例えば、配線ボックスの後面に建物壁を構成する壁材が立設され、配線ボックスの後面と、壁材の内面との間に電線管を配設するための空間が形成されていなくても、電線管を接続孔に挿入し、接続することが可能となる。また、固定部が形成された側壁に相対向する側壁に挿入開口が形成され、その挿入開口から接続孔に向かって延びる方向は、固定ビスを固定部に挿通し、該固定ビスを構造物に固定して同固定部を構造物に押し付ける方向と同じであり、ボックス本体を構造物に固定する方向と同じになっている。そのため、電線管を挿入開口から接続孔に押し込むとき、その押し込む方向が、ボックス本体から構造物に向かう方向となり、電線管を押し込む力がボックス本体の前後方向へ作用することがない。加えて、接続孔の内周に係合部を形成し、その係合部と電線管の凹条部とを係合可能に形成した。そのため、接続孔に接続された電線管に対し、その軸線方向へ移動させる力が作用しても、電線管の凸条部と係合部とが当接して、電線管の軸線方向への接続孔からの抜け出しが防止される。また、係合部に抜け止め部を形成した。そのため、接続孔に接続された電線管に対し、その径方向へ移動させる力が作用しても、係合部と係合した凹条部に隣接する凸条部の外面と抜け止め部とが当接して、電線管の径方向への接続孔からの抜け出しが防止される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ボックス本体の側方から電線管を接続することができるとともに、電線管をボックス本体に接続する際に固定ビスに発生する不具合を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の配線ボックスを示す斜視図。
【図2】第1実施形態の配線ボックスを示す平面図。
【図3】第1実施形態の配線ボックスの係合突条を示す図1の3−3線部分断面図。
【図4】配線ボックスに電線管が接続された状態を示す部分側面図。
【図5】配線ボックスに電線管が接続された状態を示す平面図。
【図6】第2実施形態の配線ボックスを示す斜視図。
【図7】第2実施形態の配線ボックスを示す平面図。
【図8】第2実施形態の配線ボックスの係合突条を示す部分断面図。
【図9】配線ボックスに二本の電線管が接続された状態を示す平面図。
【図10】配線ボックスと電線管の接続方法の別例を示す平面図。
【図11】別例の接続孔を示す平面図。
【図12】別例の接続孔を示す平面図。
【図13】別例の接続孔を示す平面図。
【図14】別例の接続孔を示す平面図。
【図15】別例の接続孔を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明を配線ボックスに具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1に示すように、合成樹脂製の配線ボックス11に接続される電線管10について説明する。電線管10は合成樹脂材料により可撓性を有するパイプ状に形成され、その周方向に突出する同一径のリング状をなす凸条部10aと、同一径のリング状をなす凹条部10bとが繰り返し連続形成されて凹凸状に形成されている。
【0016】
次に、前記配線ボックス11について説明する。配線ボックス11は、長方形状をなす底壁12と、その底壁12から立設された上側壁12a、下側壁12b、左側壁12c及び右側壁12dとより、一面に開口を有する四角箱状に形成されたボックス本体13を備えている。なお、前記開口側をボックス本体13の前面(正面)とし、底壁12側を後面(背面)とする。前記上側壁12aと下側壁12bとは上下に相対向し、左側壁12cと右側壁12dとは左右に相対向している。前記左側壁12cの外面には、一定の厚みを有する当接座部14が外方へ突出形成され、右側壁12dの外面には当接座部14が形成されず平面状に形成されている。また、左側壁12c及び右側壁12dには、それぞれ各側壁12c,12dを貫通する固定孔15が、ボックス本体13の前後方向へ長孔状に延びるように3箇所に形成され、各固定孔15は、それぞれ固定ビス17を挿通可能に形成されている。そして、左側壁12c及び右側壁12dにおいて、前記固定孔15の周縁部は、前記固定ビス17によりボックス本体13を、建物内の構造物に固定するための固定部としてボックス本体13に設けられている。前記固定孔15に挿通された固定ビス17が、構造物に固定されると、その固定ビス17により左側壁12c又は右側壁12dにおける固定孔15の周縁部は構造物に押し付けられる。
【0017】
前記上側壁12a及び下側壁12bの左側部には、それぞれ円孔18が各側壁12a,12bを貫通して形成されている。図2に示すように、各円孔18の内周面における左右に相対向する位置には、それぞれ係合突起18aが円孔18の内方へ向かって突設されている。また、各円孔18内の右側には、細長板状をなす小径係合部19がボックス本体13の前後方向へ延びるように架設され、この小径係合部19の軸線に対して直交する方向となる位置に前記係合突起18aが形成されている。そして、前記電線管10より外径がワンサイズ小径となる小径電線管(図示せず)を、配線ボックス11の上側から円孔18内に挿入すると、小径係合部19と、円孔の左部内周面に設けられた係合突起18aとが小径電線管に設けられた凹条部に係合する。その結果、係合突起18a及び小径係合部19が、小径電線管の凸条部に当接可能となり、円孔18に小径電線管の端部が上下方向に抜け止めした状態で接続されるようになっている。また、小径係合部19を円孔18内から除去し、その円孔18内に電線管10を挿入すると一対の係合突起18aがそれぞれ凹条部10bに係合する。その結果、一対の係合突起18aが、電線管10の凸条部10aに当接可能となり、円孔18に電線管10が抜け止めした状態で接続されるようになっている。
【0018】
図1及び図2に示すように、前記上側壁12a及び下側壁12bの右側部には、それぞれ長孔状をなす接続孔20が各側壁12a,12bを貫通して形成されている。前記各接続孔20は、それぞれ上側壁12a及び下側壁12bの右端縁から中央部に向かって直線状に延びるように形成され、上下各側壁12a,12bの中央部に位置する端縁が円弧状に形成されている。図1及び図3に示すように、右側壁12dの上下両端部には挿入開口21が、当該右側壁12dを貫通して形成され、各挿入開口21は、それぞれボックス本体13の側方となる右方へ開口するように形成されている。また、各挿入開口21は、左側壁12cの固定孔15の周縁部と相対向する右側壁12dに形成されている。そして、前記各接続孔20はそれぞれ挿入開口21と連通するように形成され、各挿入開口21から各接続孔20内に電線管10を挿入可能に形成されている。図4及び図5に示すように、挿入開口21の開口幅は前記電線管10の凸条部10aにおける外径と同じ又はわずかに大きく形成されている。
【0019】
図2及び図3に示すように、各接続孔20の内周に沿って係合部としての係合突条22が形成されている。各係合突条22はそれぞれ接続孔20の挿入開口21側から同接続孔20の奥方に向かって直線状に延び、さらに接続孔20の円弧に沿って延びるように形成されている。そして、接続孔20の開口幅、すなわち、接続孔20の幅方向に相対向する内面間の長さは、接続孔20の長さ方向に沿って一定となっている。また、接続孔20の開口幅は、前記電線管10の凸条部10aにおける外径よりわずかに短く形成されている。電線管10が挿入開口21から接続孔20内に挿入されると、電線管10の凹条部10bに係合突条22を係合させることが可能となっている。
【0020】
各係合突条22において、挿入開口21側の端縁には、係合突条22より厚み寸法が大きい抜け止め部23が形成されている。各抜け止め部23は、ボックス本体13の外面となる一面側から外方へ突出形成されている。各抜け止め部23において、挿入開口21側に位置する先端部には傾斜部23aが形成され、各傾斜部23aは、それぞれ挿入開口21側から接続孔20の奥方に向かって斜め上方へ傾斜するように形成されている。各抜け止め部23において、前記傾斜部23a以外の部位はその厚みが一定となるように形成され、その厚み寸法は、前記凹条部10bの幅、即ち隣接する凸条部10a間の間隔より大きくなるように設定されている。
【0021】
図2に示すように、各接続孔20内には、それら接続孔20を塞ぐための蓋板24が設けられ、それら蓋板24はその外周縁の2箇所に設けられた連結片25が係合突条22の内周縁に連結されることにより接続孔20内に設けられている。また、各接続孔20の挿入開口21側には、各挿入開口21を横断する補強片26が設けられ、各補強片26はその長さ方向の両端に設けられた架設片27が係合突条22の内周縁に連結されることにより設けられている。
【0022】
次に、上記構成の配線ボックス11の使用方法及び作用について説明する。
まず、配線ボックス11の施工現場について説明する。図1に示すように、建物内には構造物としての柱16が立設され、その柱16の前後両面に一対の壁材28が立設されることによって建物壁Wが構成されるようになっている。前記建物壁W内に配線ボックス11を設置するには、主に2種類の方法が採用される。第1の方法は、一対の壁材28のうち一方の壁材28を、柱16に固定される配線ボックス11の前面側となる位置に立設し、柱16に配線ボックス11を固定した後、他方の壁材28を配線ボックス11の後面側に立設するものである。第2の方法は、一対の壁材28のうち一方の壁材28を、柱16に固定される配線ボックス11の後面側となる位置に立設し、柱16に配線ボックス11を固定した後、他方の壁材28を配線ボックス11の前面側に立設するものである。
【0023】
次に、配線ボックス11の使用方法を具体的に説明する。まず、上側壁12aの接続孔20において、連結片25及び架設片27をそれぞれ係合突条22から分断して、蓋板24及び補強片26を接続孔20内から取り除き、接続孔20を開放させる。次いで、一方の壁材28を配線ボックス11の前面側となる位置に立設した場合は、ボックス本体13の開口端が、その立設された一方の壁材28の裏面に当接するように配置し、柱16の側面に当接座部14の外面を当接させる。また、一方の壁材28を配線ボックス11の後面側となる位置に立設した場合は、ボックス本体13の開口端が柱16の前面と面一となるように配置し、柱16の側面に当接座部14の外面を当接させる。そして、左側壁12cに形成された3箇所の固定孔15のうち、中央に位置する固定孔15から固定ビス17を挿通し、その固定ビス17を柱16に固定して配線ボックス11を柱16に固定する。
【0024】
このとき、固定ビス17は、柱16の側面に対してほぼ直交するように固定孔15から柱16に固定される。そして、固定ビス17により、左側壁12cの固定孔15の周縁部は当接座部14を介して柱16の側面に押し付けられる。また、その固定孔15が形成された左側壁12cと相対向する右側壁12dの側方には、柱16は存在せず空間が形成されている。また、配線ボックス11の前面又は後面に前記一方の壁材28が立設されているため、配線ボックス11において、ボックス本体13の前面又は後面には空間が形成されていない。
【0025】
続いて、柱16に固定された配線ボックス11の右側方から、固定孔15に対する固定ビス17の挿通方向、即ち左側壁12cにおける固定孔15の周縁部を柱16に押し付ける方向に沿って、電線管10を配線ボックス11に向かってその径方向へ移動させる。そして、その電線管10の端部を、ボックス本体13の右方に開口した挿入開口21内に挿入するとともに、係合突条22の先端となる抜け止め部23を凹条部10b内に差し込む。さらに、電線管10を接続孔20の奥方へ押し込むと、傾斜部23aにより抜け止め部23が凹条部10b内へ円滑に差し込まれる。電線管10が接続孔20の奥方へ押し込まれると、抜け止め部23の厚み寸法が、凹条部10bの幅より厚くなるため、抜け止め部23により一対の凸条部10aが外方へ押圧され、弾性変形して押し広げられる。そして、一対の凸条部10aが押し広げられたまま電線管10が接続孔20の奥方へ押し込まれると、抜け止め部23は凹条部10b内を通過して電線管10の外側に位置し、凹条部10bより上側に位置する凸条部10aの外面に係合可能な位置に配設される。それと同時に、抜け止め部23よりも接続孔20の奥方に位置する係合突条22が、凹条部10bの周方向に亘って係合する。
【0026】
電線管10を、挿入開口21から接続孔20内を移動させるため、その電線管10は接続孔20の奥方に向かって押圧される。このとき、接続孔20が挿入開口21側から奥方へ延びる方向は、左側壁12cにおける固定孔15の周縁部が固定ビス17により柱16に押し付けられた方向と同じになっている。そのため、電線管10は、固定ビス17が固定された柱16の側面に向かって押圧され、配線ボックス11も固定ビス17が固定された柱16の側面に向かって押圧される。従って、電線管10の接続作業時に、配線ボックス11に対し、その前後方向へ力が作用することがなく、配線ボックス11が押圧される方向に沿って固定された固定ビス17に対しても、その軸線と交差する方向への力が作用することがない。そのため、固定孔15が左側壁12cの前後方向へ延びるように形成されていても、固定ビス17が固定孔15の延びる方向に沿って位置ずれしたりする虞が無くなる。
【0027】
図4及び図5に示すように、最後に、一方の壁材28を配線ボックス11の前面側となる位置に立設した場合は、ボックス本体13の後面側に他方の壁材28を立設して建物壁Wを構築する。また、一方の壁材28を配線ボックス11の後面側となる位置に立設した場合は、他方の壁材28を、その裏面にボックス本体13の開口端が当接するように立設して建物壁Wを構築する。その結果、建物壁W内に配線ボックス11が設置される。
【0028】
凹条部10bに隣接する上下一対の凸条部10aと係合突条22とが当接可能な位置に配設され、電線管10に対し、その軸線方向へ移動させる力が作用しても、上下一対の凸条部10aと係合突条22との当接によりその移動が防止される。また、電線管10に対して挿入開口21方向へ移動させる力が作用しても、一対の抜け止め部23が電線管10(凸条部10a)の外面に当接するため、電線管10が挿入開口21側へ容易に移動することが防止される。即ち、配線ボックス11に電線管10が抜け止めした状態で接続される。
【0029】
上記実施形態の配線ボックス11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ボックス本体13の右側壁12dに挿入開口21を形成し、その挿入開口21と接続孔20とを連通させた。そのため、配線ボックス11の前面又は後面側に、空間が形成されていなくても、挿入開口21を利用することにより、電線管10を配線ボックス11に接続することができる。特に、予め一方の壁材28が立設された場合や、柱16の近傍に障害物が存在する場所に配線ボックス11を設置する場合においても、その配線ボックス11の側方に、電線管10を配設可能な空間が形成されていれば配線ボックス11に対しても電線管10を接続することができる。従って、配線ボックス11に電線管10を予め接続した状態で配線ボックス11を柱16に固定する作業を行う必要がなくなる。
【0030】
(2)挿入開口21と接続孔20が連通して延びる方向は、固定ビス17を固定孔15に挿通し、その固定ビス17により左側壁12cにおける固定孔15の周縁部を柱16に押し付けてボックス本体13を固定する方向と同じである。そのため、電線管10が底壁12側から接続される場合と異なり、電線管10の接続の際に、配線ボックス11に前後方向への力が作用し、その配線ボックス11により固定ビス17が前後方向へ押圧されることが防止される。その結果、電線管10の接続作業時に、固定ビス17が緩んだり、変形したりする不具合の発生を無くすことができる。特に、固定孔15は長孔状に形成されているが、固定ビス17が固定孔15の延びる方向へ移動したり、位置ずれしたりする虞がない。その結果、配線ボックス11を、一本の固定ビス17により柱16に固定した状態を維持することができ、後の配線ボックス11への配線器具等の設置やその設置状態に歪みが発生する不具合を防止することができる。
【0031】
(3)接続孔20に係合突条22及び抜け止め部23を形成した。そのため、接続孔20に電線管10が挿入されると、係合突条22及び抜け止め部23により電線管10の軸線方向及び径方向への移動を規制することができ、接続孔20に電線管10を抜け止めした状態で接続することができる。従って、接続孔20にアダプタ等の別部材を別途接続し、その別部材を用いて配線ボックス11に電線管10を接続する場合と異なり、配線ボックス11に対する電線管10の接続作業をワンタッチで容易に行うことができる。
【0032】
(4)接続孔20の内周には、係合突条22が連続して延びるように形成され、電線管10の凹条部10bに連続して係合する。そのため、接続孔20に接続された電線管10に、その軸線方向への力が作用しても、凸条部10aと係合突条22とが当接する面積が広くなり、電線管10の接続孔20からの抜け出しを防止することができる。
【0033】
(5)抜け止め部23には傾斜部23aが設けられているため、電線管10を接続孔20内へ差し込むとき、凹条部10b内に傾斜部23aを速やかに挿入し、さらに、凸条部10aを傾斜部23aにより徐々に押し広げることができる。従って、傾斜部23aにより、電線管10を抜け止め部23を超えて接続孔20の奥方へ差し込む作業を補助することができる。
【0034】
(6)抜け止め部23の厚み寸法は、凹条部10bの幅よりも厚く形成され、抜け止め部23が凸条部10aの外面に当接するため、電線管10が接続孔20内から挿入開口21を通過して抜け出る不具合を防止することができる。特に、電線管10が抜け止め部23を超えるには、凹条部10bに隣接する凸条部10aの両方を外方へ押し出さなければならない。従って、例えば、抜け止め部23を、係合突条22の内周に相対向するように形成された突部とし、電線管10を径方向へ弾性変形させて突部を通過させる場合と比較して、抜け止め部23を電線管10が超える場合の方が大きな力を要する。従って、抜け止め部として前記突部が設けられている場合と比較して、電線管10が接続孔20内から挿入開口21を通過して抜け出る不具合を確実に防止することができる。
【0035】
(第2実施形態)
以下、本発明を配線ボックスに具体化した第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図6に示すように、第2実施形態の配線ボックス30は、第1実施形態の配線ボックス11と同様に、四角形状をなす底壁31と、その底壁31の周縁から立設された上側壁32a、下側壁32b、左側壁32c及び右側壁32dとより、一面に開口を有する四角箱状に形成されたボックス本体33を備えている。なお、前記底壁31は第1実施形態のボックス本体13の底壁12より外郭が大きく形成され、上下左右各側壁32a〜32dは、第1実施形態のボックス本体13の上下左右各側壁12a〜12dより長さ方向への長さが長く形成されている。
【0036】
また、前記左側壁32cの外面には、第1実施形態と同様に当接座部29が形成され、左側壁32cには固定孔34が3箇所に形成されているとともに、外面が平面状をなす右側壁32dには固定孔34が2箇所に形成されている。左側壁32c及び右側壁32dは固定孔34を備え、その固定孔34の周縁部が固定部としてボックス本体33に設けられている。図7に示すように、前記上側壁32a及び下側壁32bの左側部には、それぞれ円孔35が各側壁32a,32bを貫通して一対ずつ形成されている。各円孔35の内周面の相対向する位置には、それぞれ第1実施形態の係合突起18aと同様の係合突起35aが突設されている。また、一方(図7では左方)の円孔35には第1実施形態の小径係合部19と同様の小径係合部36が設けられ、他方(図7では右方)の円孔35には蓋板37が設けられている。そして、一方の円孔35は、電線管10又は小径電線管の端部が接続可能に形成され、他方の円孔35は、電線管10の端部が接続可能に形成されている。
【0037】
前記上側壁32a及び下側壁32bの右側部には、それぞれ平面視横U字状及び長孔状をなす接続孔38が各側壁32a,32bを貫通して形成されている。前記各接続孔38は、それぞれ第1実施形態の接続孔20より長さ方向への長さが延長されている。また、右側壁32dの上下両端部には挿入開口39が形成され、各挿入開口39は、それぞれボックス本体33の側方となる右方へ開口するように形成されている。また、各挿入開口39は、左側壁32cの固定孔34の周縁部と相対向する右側壁32dに形成されている。各接続孔38はそれぞれ挿入開口39と連通するように形成され、各挿入開口39から各接続孔38内に電線管10を挿入可能に形成されている。各接続孔38の幅方向への開口幅及び挿入開口39の開口幅は前記電線管10の凸条部10aにおける外径と同じ又はわずかに大きく形成されている。
【0038】
図7及び図8に示すように、各接続孔38の内周に沿って係合部としての係合突条40が形成され、この係合突条40は第1実施形態の係合突条22より長く形成されているとともに、相対向する内縁間の長さは第1実施形態の係合突条22と同様に設定されている。各係合突条40において、挿入開口39側の端縁及び接続孔38の長さ方向のほぼ中央となる位置には、第1実施形態の抜け止め部23と同様の抜け止め部41が形成され、各抜け止め部41には傾斜部41aが形成されている。図7に示すように、各接続孔38内の奥方には、第1実施形態の蓋板24と同様の構成の蓋板42が連結片43により係合突条40の内周縁に連結されている。各接続孔38の中央及び挿入開口39側には補強片44が係合突条40の相対向する位置に架設され、それら補強片44により接続孔38が内側から補強されている。
【0039】
さて、第2実施形態の配線ボックス30を使用するには、まず、蓋板42及び補強片44を接続孔38内から除去する。次に、図6に示すように、柱16の側面に当接座部29の外面を当接させ、左側壁32cの固定孔34から柱16に固定ビス17を固定して配線ボックス30を柱16に固定する。このとき、固定ビス17により、左側壁32cにおける固定孔15の周縁部は柱16に向かって押し付けられ、柱16に固定された配線ボックス30の右側には、空間が形成されている。そして、第1実施形態と同様に、配線ボックス30の右側方の空間を利用し、挿入開口39から接続孔38に二本の電線管10をそれぞれ挿入、接続する。すると、図9に示すように、各電線管10の外面にそれぞれ抜け止め部41が当接し、各電線管10が接続孔38から挿入開口39を通過して抜け出ることが防止される。従って、第2実施形態においては、第1実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果を発揮させることができる。即ち、一つの接続孔38に二本の電線管10を接続することができる。
【0040】
なお、各施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 各実施形態において、抜け止め部23,41の傾斜部23a,41aを省略してもよい。
【0041】
・ 各実施形態において、抜け止め部23,41を係合突条22,40の外方へ向かって突出するように形成したが、抜け止め部23,41を係合突条22,40の外方及び内方へ向かって突出するように形成してもよい。
【0042】
・ 各実施形態において、係合突条22,40を接続孔20,38の内周に沿って連続して延びるように形成したが、電線管10の軸線方向への抜け出しを防止できる範囲内であれば、係合突条22,40を、接続孔20,38の内周に沿って断続的に形成してもよい。また、係合部として、係合突条22,40の代わりに凹条部10bに係合可能な係合突部を接続孔20,38の内周に突設してもよい。
【0043】
・ 各実施形態において、当接座部14,29を省略してもよい。また、当接座部14,29を省略したとき、右側壁12d,32dの挿入開口21,39及び接続孔20,38を削除し、左側壁12c,32cの上部及び下部の少なくとも一方に挿入開口21,39を形成するとともに、その挿入開口21,39に接続孔20,38を連通するように形成してもよい。又は当接座部14,29を左側壁12c,32cと右側壁12d,32dの両側壁に形成してもよい。
【0044】
・ 各実施形態では、左側壁12c,32cのみに当接座部14,29を形成したが、左側壁12c,32cの当接座部14,29を省略するとともに、右側壁12d,32dに当接座部14,29を形成してもよい。このとき、左側壁12c,32cの上部及び下部の少なくとも一方に挿入開口21,39を形成し、その挿入開口21,39に接続孔20,38を連通するように形成してもよい。
【0045】
・ 各実施形態において、抜け止め部23,41を省略してもよい。
・ 各実施形態において、係合突条22,40を省略してもよい。
・ 各実施形態において、円孔18,35を省略してもよい。
【0046】
・ 各実施形態において、図10に示すように、電線管10を固定部材Kを用いて予め柱16の側面に固定しておく。そして、ボックス本体13,33を周方向へ180度回転させ、右側壁12d,32dが柱16に向かうように、配線ボックス11,30を柱16に向かって移動させる。このとき、ボックス本体13,33は、配線ボックス11,30を柱16に固定するとき、固定孔15,34に固定ビス17を挿通する方向に沿って移動される。右側壁12d,32dに形成された挿入開口21,39から接続孔20,38に電線管10が挿入され、さらに接続される。
【0047】
・ 図11に示すように、第1実施形態の配線ボックス11における接続孔20を変更してもよい。すなわち、ボックス本体13の上側壁12a及び下側壁12bにおいて、円孔18が削除され長孔状をなす接続孔50が形成されている。各接続孔50は、それぞれその長さ方向が、ボックス本体13の深さ方向に対して直交する方向へ延びるように形成されている。各接続孔50は上側壁12a及び下側壁12bの左側壁12c側から隣接する右側壁12dに達するまで延びるように形成され、各接続孔50はそれぞれ右側壁12dの上下両端部に挿入開口51が形成されている。また、各接続孔50は、その挿入開口51側がボックス本体13の開口側に向かって幅広に形成されている。接続孔50の内面に沿って係合突条22が形成され、この係合突条22には抜け止め部23が形成されている。
【0048】
接続孔50における挿入開口51側において、ボックス本体13の開口側に位置する係合突条22の内縁から接続部材52が延設されている。この接続部材52は細長板状に形成され、係合突条22の内縁から延びる連結片53を介して係合突条22と一体形成されている。係合突条22に接続部材52が一体化された状態において、接続部材52の接続孔50の内側に臨む端縁と、接続孔50の奥側におけるボックス本体13の開口側に位置する係合突条22の端縁とは、同一直線上に位置するようになっている。
【0049】
各接続孔50における挿入開口51側の開口幅(接続孔50の幅方向に相対向する内面間の長さ)は、接続孔50における奥側の開口幅(接続孔50の幅方向に相対向する内面間の長さ)より広く形成されている。そして、各接続孔50における挿入開口51側に第1接続部50aが形成され、接続孔50における第1接続部50aよりも奥側に第2接続部50bが形成されている。すなわち、第1接続部50aにおける開口幅が、第2接続部50bにおける開口幅より幅広に形成されている。
【0050】
第1接続部50a及び第2接続部50bを備えた接続孔50において、第2接続部50bには、係合突条22によって第1実施形態と同様に電線管10を接続することができるようになっている。また、第1接続部50aにおいて、ボックス本体13の底壁12側の係合突条22と接続部材52とにより第1接続部50aに電線管10を接続することができるようになっている。さらに、接続部材52を係合突条22から折り取り除去することによって、第1接続部50aには、電線管10よりも大径をなす大径電線管60を接続することができるようになっている。この大径電線管60は、電線管10の凸条部10aより大径をなす凸条部と、電線管10の凹条部10bより大径をなす凹条部とを備える。
【0051】
そして、接続孔50において、接続部材52が係合突条22に連設されている状態で、配線ボックス11の側方となる挿入開口51から接続孔50に電線管10を挿入する。すると、電線管10の凹条部10bに係合突条22及び接続部材52が挿入され、電線管10の凸条部10aが係合突条22及び接続部材52に係合する。さらに、電線管10を接続孔50の奥方へ押し込むと、電線管10が接続孔50の挿入開口51側から奥側へ接続孔50の長さ方向に沿ってスライド移動される。そして、最後に、電線管10が第2接続部50bに接続される。
【0052】
なお、第2接続部50bに電線管10を接続した後、接続部材52を除去し、挿入開口51から第1接続部50aに大径電線管60を挿入する。すると、大径電線管60の凹条部に係合突条22が挿入され、大径電線管60の凸条部に係合突条22が係合して第1接続部50aに大径電線管60を接続することができる。すなわち、接続孔50に電線管10と大径電線管60とを接続することが可能となり、しかも、その接続された電線管を、電線管10と大径電線管60の径の異なるものとすることができる。
【0053】
ここで、接続孔50に電線管10及び大径電線管60が接続された状態で、接続孔50の長さ方向へ延びる直線を軸線Lとし、電線管10の径方向への中心線を中心線N、大径電線管60の径方向への中心線を中心線Mとする。このとき、電線管10の中心線Nは軸線L上に位置するが、大径電線管60の中心線Mは軸線L上に位置していない。
【0054】
また、接続孔50を備えた配線ボックス11において、第2接続部50bに電線管10を接続した後、接続部材52を接続孔50から除去せず、係合突条22と接続部材52とを使用して第1接続部50aにも電線管10を接続してもよい。さらには、第2接続部50bに電線管10を接続せず、接続部材52を除去した第1接続部50aに大径電線管60のみを接続してもよい。
【0055】
・ なお、上記図11に示す、第1接続部50a及び第2接続部50bを備えた接続孔50を図12に示すように変更してもよい。すなわち、第1接続部50aは、挿入開口51側に位置する接続孔50及び係合突条22が、それぞれボックス本体13の開口及び底壁12に向かって広がった幅広に形成されている。また、第1接続部50aにおいて、接続部材52が逆コ字状をなし係合突条22の内縁から延設され、接続部材52にも抜け止め部23が形成されている。そして、接続部材52を除去して挿入開口51から接続孔50内に電線管10を挿入することによって第2接続部50bに電線管10を接続することができ、さらに、第1接続部50aに大径電線管60を接続することができる。接続孔50に電線管10と大径電線管60が接続された状態では、電線管10の中心線N及び大径電線管60の中心線Mはそれぞれ軸線L上に位置して接続される。なお、接続部材52を接続孔50から除去せず、第1接続部50aに電線管10を接続してもよい。
【0056】
・ 図11及び図12に示す配線ボックス11において、左側壁12c及び右側壁12dに形成された固定孔15の周縁部に固定部を形成したが、左側壁12c及び右側壁12dのいずれか一方のみに固定孔15を形成し、その周縁部を固定部としてもよい。このとき、その固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上部及び下部のいずれか一方に、挿入開口51を形成し、その挿入開口51に連通する接続孔50を上側壁12a又は下側壁12bに形成してもよい。又は、固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上下両部に挿入開口51を形成し、その挿入開口51に連通する接続孔50を上側壁12a及び下側壁12bに形成してもよい。さらに、抜け止め部23を省略してもよく、係合突条22を省略してもよい。係合突条22を省略した場合には、第1接続部50aに大径電線管60が直接嵌合され、第2接続部50bに電線管10が直接嵌合されるように接続孔50の開口幅を若干小さく形成する。
【0057】
・ 図13に示すように、第1実施形態の配線ボックス11において接続孔20を変更してもよい。すなわち、ボックス本体13の上側壁12a及び下側壁12bにおいて、円孔18が削除され長孔状をなす接続孔70が形成されている。各接続孔70は、それぞれその長さ方向が、ボックス本体13の深さ方向に対して直交する方向へ延びるように形成されている。各接続孔70は上側壁12a及び下側壁12bの左側壁12c側から隣接する右側壁12dに達するまで延びるように形成され、各接続孔70においてそれぞれ右側壁12dの上下両端部となる位置が挿入開口71として形成されている。
【0058】
各接続孔70の周面に沿って係合突条22が形成され、接続孔70の幅方向へ相対向する内面間の長さである開口幅は一定に形成されている。また、接続孔70における挿入開口71よりも奥側となる位置において、ボックス本体13の開口側に位置する係合突条22に沿って直線状に延びる接続部材73が係合突条22から延設されている。接続部材73が接続孔70に設けられることにより、接続孔70の挿入開口71側の開口幅(接続孔70の幅方向に対向する係合突条22間の長さ)は、接続孔70の奥側の開口幅(接続孔70の幅方向に対向する係合突条22と接続部材73間の長さ)より幅広に形成されている。そして、各接続孔70における挿入開口51側に第1接続部70aが形成され、接続孔70における第1接続部70aよりも奥側に第2接続部70bが形成されている。
【0059】
第1接続部70a及び第2接続部70bを備えた接続孔70において、第2接続部70bには、第1実施形態と同様に電線管10を接続することができるようになっている。また、第1接続部70aにおいて、係合突条22により大径電線管60を接続することができるようになっている。そして、接続部材73を係合突条22から折り取り除去することによって、第1接続部70aに接続された大径電線管60を第2接続部70bに向かってスライド移動させ、該第2接続部70bに大径電線管60を接続することができるようになっている。また、接続孔70を備えた配線ボックス11において、第2接続部70bにおける接続部材73を除去して第2接続部70bに大径電線管60を接続した後、第1接続部70aにも大径電線管60を接続してもよい。
【0060】
・ なお、接続孔70を以下のように変更してもよい。すなわち、図14に示すように、接続孔70における第2接続部70bにおいて、接続部材73を逆コ字状をなす形状にして係合突条22の内縁から延設してもよい。
【0061】
・ さらに、第2実施形態の配線ボックス30における接続孔38を以下のように変更してもよい。すなわち、図15に示すように、上側壁32a及び下側壁32bにそれらの長さ方向に延びる接続孔38を形成し、この接続孔38は第2実施形態の接続孔38よりも長くなっている。接続孔38の内面に沿って係合突条40が形成されている。そして、接続孔38の挿入開口39側のほぼ半分に第1接続部38aを形成し、接続孔38における第1接続部38aの奥側のほぼ半分に第2接続部38bを形成する。第2接続部38bには逆コ字状をなす接続部材45が係合突条40に一体形成されている。また、第1接続部38aは第2接続部38bよりも幅広に形成されている。
【0062】
そして、第1接続部38aには1本の大径電線管60を接続することができ、接続部材45が形成された第2接続部38bには2本の電線管10を接続することができる。さらに、接続部材45を除去すれば第2接続部38bに2本の大径電線管60を接続することができる。
【0063】
・ 配線ボックス11において、左側壁12c及び右側壁12dに形成された固定孔15の周縁部に固定部を形成したが、左側壁12c及び右側壁12dのいずれか一方のみに固定孔15を形成し、その周縁部を固定部としてもよい。このとき、その固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上部及び下部のいずれか一方に、挿入開口71を形成し、その挿入開口71に連通する接続孔70を上側壁12a又は下側壁12bに形成してもよい。又は、固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上下両部に挿入開口71を形成し、その挿入開口71に連通する接続孔70を上側壁12a及び下側壁12bに形成してもよい。さらに、抜け止め部23を省略してもよく、係合突条22を省略してもよい。係合突条22を省略した場合には、第1接続部70aに大径電線管60が直接嵌合され、第2接続部70bに電線管10が直接嵌合されるように接続孔70の開口幅を若干小さく形成する。
【0064】
・ 各実施形態のボックス本体13,33において、左側壁12c,32cの上下両部に挿入開口21,39を形成し、その挿入開口21,39に連通するように接続孔20,38を形成してもよい。このとき、右側壁12d,32dの挿入開口21,39を省略してもよい。
【0065】
・ 配線ボックス11,30において、上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bのいずれか一方のみに接続孔20,38,50,70を形成し、その接続孔20,38,50,70に連通する挿入開口21,39,51,71を左側壁12c,32c又は右側壁12d,32dに形成してもよい。
【0066】
・ 配線ボックス11,30において、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dに形成された固定孔15,34の周縁部に固定部を形成したが、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dのいずれか一方のみに固定孔15,34を形成し、その周縁部を固定部としてもよい。このとき、その固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上部及び下部のいずれか一方に、挿入開口を形成し、その挿入開口に連通する接続孔を形成してもよい。又は、固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上下両部に、挿入開口を形成し、その挿入開口に連通する接続孔を形成してもよい。さらに、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dの上部及び下部にそれぞれ挿入開口を形成し、その挿入開口に連通する接続孔を上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bに2箇所に形成してもよい。さらには、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dの上部又は下部に挿入開口を形成し、その挿入開口に連通する接続孔を上側壁12a,32a又は下側壁12b,32bに2箇所に形成してもよい。なお、上記変更例において円孔18,35等は場合によっては削除される。
【0067】
・ 各実施形態では、上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bの右側部に接続孔20,38を形成し、右側壁12d,32dのみに挿入開口21,39を形成したが以下のように変更してもよい。例えば、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dの固定孔15,34の周縁部に固定部が形成されたボックス本体13,33において、上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bの両側部に接続孔20,38を形成し、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dにそれぞれ挿入開口21,39を形成してもよい。又は上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bの左側部のみに接続孔20,38を形成し、左側壁12c,32cのみに挿入開口21,39を形成してもよい。なお、円孔18,35等は場合によっては削除される。
【0068】
・ 第2実施形態に示す配線ボックス30において、左側壁32c及び右側壁32dのいずれか一方のみに固定孔34を形成し、その周縁部を固定部とする。そして、左側壁32c及び右側壁32dの上部及び下部の両部にそれぞれ挿入開口39を形成し、その挿入開口39に連通する接続孔38を上側壁32a及び下側壁32bに2箇所に形成してもよい。さらには、左側壁32c及び右側壁32dの上部又は下部に挿入開口39を形成し、その挿入開口39に連通する接続孔38を上側壁32a又は下側壁32bに2箇所に形成してもよい。なお、円孔18,35等は場合によっては削除される。
【0069】
・ 各実施形態では、電線管10を凹凸状に形成したが、円筒状をなし、外面が平滑に形成された電線管を用いてもよい。
・ 各実施形態では、構造物としての柱16に配線ボックス11,30を固定したが、構造物としてのH型鋼、鉄骨、壁材等に配線ボックス11,30を固定してもよい。
【0070】
・ 左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dの少なくとも一方に、ボックス本体13,33の上下方向へ突出する固定部を形成し、その固定部に固定孔15,34を形成してもよい。
【0071】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記係合部は接続孔の内周に沿って連s続して延びるように形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の配線ボックス。
【0072】
(2)前記抜け止め部には、電線管を接続孔に接続する方向に向かって傾斜する傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の配線ボックス。
(3)前記固定部は左側壁及び右側壁の少なくとも一方に形成された固定孔の周縁部により構成され、前記固定孔はボックス本体の奥行き方向(前後方向)へ延びるように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の配線ボックス。
【符号の説明】
【0073】
10…電線管、10a…凸条部、10b…凹条部、11,30…配線ボックス、12,31…底壁、12a,32a…上側壁、12b,32b…下側壁、12c,32c…左側壁、12d,32d…右側壁、13,33…ボックス本体、14,29…当接座部、16…構造物としての柱、17…固定ビス、20,38,50,70…接続孔、21,39,51,71…挿入開口、22,40…係合部としての係合突条、23,41…抜け止め部、38a,50a,70a…第1接続部、38b,50b,70b…第2接続部、60…大径電線管。
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線器具等を収容し、その配線器具に接続されたケーブルを保護するために電線管が接続される配線ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば建物内の壁面に配線器具等を設置するため、その壁内には配線ボックスが設置されている。その配線ボックスにはケーブルが引込まれ、そのケーブルは、配線ボックスに接続された電線管により保護されている(例えば、特許文献1参照。)。前記電線管としての保護管は、同一径のリング状山部と同一径のリング状谷部とが繰り返し連続して形成された可撓管であり、前記リング状山部の間に環状溝が形成されている。配線ボックスとしての電設用ボックスは、中空をなす四角箱状のボックス本体を備え、そのボックス本体の外壁には保護管保持用口部が設けられている。
【0003】
電設用ボックスの底壁には、保護管保持用口部と連通する位置が切り欠かれて切欠口部が形成され、その切欠口部から前記保護管を保護管保持用口部に抜き差し可能に形成されている。また、保護管保持用口部の内周面には突片が形成されている。そして、底壁の背面側から切欠口部に向かって電線管を移動させ、同電線管を切欠口部を通過させ、保護管保持用口部内に挿入すると、前記環状溝に保護管保持用口部の内縁が嵌合するとともに、前記突片が保護管の環状溝に係合する。上記電設用ボックスはその外壁を貫通した固定ビスを柱等に固定することにより、当該柱に取付け固定され、その固定状態で、底壁側から保護管保持用口部に保護管が接続され、その接続状態で保護管の上下方向及び径方向への移動が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2524247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の電設用ボックスにおいて、切欠口部は底壁側に開口しているため、保護管保持用口部に電線管を接続するには、電線管を電設用ボックスの背面側に配設し、その状態で電設用ボックス側へ移動させなくてはならない。そのため、例えば、電設用ボックスが柱に固定され、その電設用ボックスの後面に建物壁を構成する壁材が立設されていると、電設用ボックスの後面と、壁材の内面との間には、電線管を配設するための空間が形成されていないことがあった。その結果、電設用ボックスに電線管を接続することが不可能になってしまうという問題があった。
【0006】
また、電線管を保護管保持用口部に接続するためには、電設用ボックスの底壁側から同電設用ボックスに向かって電線管を押し込み、切欠口部を強制的に通過させてさらに保護管保持用口部内に挿入しなければならない。このとき、その電線管を押し込むための力が、電設用ボックスを前方へ押圧するように作用するため、その電設用ボックスの外壁を貫通した前記固定ビスにも、前記と同方向への力が作用してしまう。その結果、柱に固定された固定ビスが緩んだり、変形したりする不具合が発生する虞があるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ボックス本体の側方から電線管を接続することができるとともに、電線管をボックス本体に接続する際に固定ビスに発生する不具合を無くすことができる配線ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、底壁と、その底壁から立設された側壁とより一面に開口を有する四角箱状に形成されたボックス本体を備え、同ボックス本体の左側壁及び右側壁の少なくとも一方には、建物内の構造物にボックス本体を固定するための固定ビスを挿通可能な固定部が設けられているとともに、ボックス本体の上側壁及び下側壁には、合成樹脂製の可撓性を有する電線管を接続するための接続孔が形成され、前記固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上端部及び下端部には、ボックス本体の側方に開口するとともに、前記接続孔に連通する挿入開口がそれぞれ形成されることにより、上下両挿入開口は互いに連通することなく離れて形成され、当該挿入開口に挿入された電線管を、前記固定ビスにより固定部が構造物に押し付けられた方向に沿って移動させることにより、当該電線管を接続孔に挿入可能に形成したことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配線ボックスにおいて、前記固定部は左側壁及び右側壁の少なくとも一方に形成された固定孔の周縁部により構成され、前記固定孔はボックス本体の奥行き方向へ長孔状に延びるように形成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の配線ボックスにおいて、前記電線管はその周方向に突出する凸条部が複数箇所に形成されているとともに、隣接する凸条部間に凹条部が形成されることにより凹凸状に形成され、前記接続孔の内周には前記電線管の凹条部に係合可能な係合部が設けられていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の配線ボックスにおいて、前記接続孔に設けた前記係合部の挿入開口側には、電線管の凸条部の外面に係合可能な抜け止め部が設けられていることを要旨とする。
【0012】
(作用)
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明によれば、ボックス本体の左側壁及び右側壁の少なくともいずれか一方に固定ビスを挿通可能な固定部を形成するとともに、その固定部が形成された側壁に相対向する側壁に、同ボックス本体の側方へ開口する挿入開口を形成し、その挿入開口を接続孔と連通させた。そのため、挿入開口が形成された側壁の側方に、空間が確保されていれば、その空間を利用し、固定部が構造物に押し付け固定された方向に沿って電線管を移動させることにより、挿入開口から接続孔内に電線管が挿入される。したがって、例えば、配線ボックスの後面に建物壁を構成する壁材が立設され、配線ボックスの後面と、壁材の内面との間に電線管を配設するための空間が形成されていなくても、電線管を接続孔に挿入し、接続することが可能となる。また、固定部が形成された側壁に相対向する側壁に挿入開口が形成され、その挿入開口から接続孔に向かって延びる方向は、固定ビスを固定部に挿通し、該固定ビスを構造物に固定して同固定部を構造物に押し付ける方向と同じであり、ボックス本体を構造物に固定する方向と同じになっている。そのため、電線管を挿入開口から接続孔に押し込むとき、その押し込む方向が、ボックス本体から構造物に向かう方向となり、電線管を押し込む力がボックス本体の前後方向へ作用することがない。加えて、接続孔の内周に係合部を形成し、その係合部と電線管の凹条部とを係合可能に形成した。そのため、接続孔に接続された電線管に対し、その軸線方向へ移動させる力が作用しても、電線管の凸条部と係合部とが当接して、電線管の軸線方向への接続孔からの抜け出しが防止される。また、係合部に抜け止め部を形成した。そのため、接続孔に接続された電線管に対し、その径方向へ移動させる力が作用しても、係合部と係合した凹条部に隣接する凸条部の外面と抜け止め部とが当接して、電線管の径方向への接続孔からの抜け出しが防止される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ボックス本体の側方から電線管を接続することができるとともに、電線管をボックス本体に接続する際に固定ビスに発生する不具合を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の配線ボックスを示す斜視図。
【図2】第1実施形態の配線ボックスを示す平面図。
【図3】第1実施形態の配線ボックスの係合突条を示す図1の3−3線部分断面図。
【図4】配線ボックスに電線管が接続された状態を示す部分側面図。
【図5】配線ボックスに電線管が接続された状態を示す平面図。
【図6】第2実施形態の配線ボックスを示す斜視図。
【図7】第2実施形態の配線ボックスを示す平面図。
【図8】第2実施形態の配線ボックスの係合突条を示す部分断面図。
【図9】配線ボックスに二本の電線管が接続された状態を示す平面図。
【図10】配線ボックスと電線管の接続方法の別例を示す平面図。
【図11】別例の接続孔を示す平面図。
【図12】別例の接続孔を示す平面図。
【図13】別例の接続孔を示す平面図。
【図14】別例の接続孔を示す平面図。
【図15】別例の接続孔を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明を配線ボックスに具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1に示すように、合成樹脂製の配線ボックス11に接続される電線管10について説明する。電線管10は合成樹脂材料により可撓性を有するパイプ状に形成され、その周方向に突出する同一径のリング状をなす凸条部10aと、同一径のリング状をなす凹条部10bとが繰り返し連続形成されて凹凸状に形成されている。
【0016】
次に、前記配線ボックス11について説明する。配線ボックス11は、長方形状をなす底壁12と、その底壁12から立設された上側壁12a、下側壁12b、左側壁12c及び右側壁12dとより、一面に開口を有する四角箱状に形成されたボックス本体13を備えている。なお、前記開口側をボックス本体13の前面(正面)とし、底壁12側を後面(背面)とする。前記上側壁12aと下側壁12bとは上下に相対向し、左側壁12cと右側壁12dとは左右に相対向している。前記左側壁12cの外面には、一定の厚みを有する当接座部14が外方へ突出形成され、右側壁12dの外面には当接座部14が形成されず平面状に形成されている。また、左側壁12c及び右側壁12dには、それぞれ各側壁12c,12dを貫通する固定孔15が、ボックス本体13の前後方向へ長孔状に延びるように3箇所に形成され、各固定孔15は、それぞれ固定ビス17を挿通可能に形成されている。そして、左側壁12c及び右側壁12dにおいて、前記固定孔15の周縁部は、前記固定ビス17によりボックス本体13を、建物内の構造物に固定するための固定部としてボックス本体13に設けられている。前記固定孔15に挿通された固定ビス17が、構造物に固定されると、その固定ビス17により左側壁12c又は右側壁12dにおける固定孔15の周縁部は構造物に押し付けられる。
【0017】
前記上側壁12a及び下側壁12bの左側部には、それぞれ円孔18が各側壁12a,12bを貫通して形成されている。図2に示すように、各円孔18の内周面における左右に相対向する位置には、それぞれ係合突起18aが円孔18の内方へ向かって突設されている。また、各円孔18内の右側には、細長板状をなす小径係合部19がボックス本体13の前後方向へ延びるように架設され、この小径係合部19の軸線に対して直交する方向となる位置に前記係合突起18aが形成されている。そして、前記電線管10より外径がワンサイズ小径となる小径電線管(図示せず)を、配線ボックス11の上側から円孔18内に挿入すると、小径係合部19と、円孔の左部内周面に設けられた係合突起18aとが小径電線管に設けられた凹条部に係合する。その結果、係合突起18a及び小径係合部19が、小径電線管の凸条部に当接可能となり、円孔18に小径電線管の端部が上下方向に抜け止めした状態で接続されるようになっている。また、小径係合部19を円孔18内から除去し、その円孔18内に電線管10を挿入すると一対の係合突起18aがそれぞれ凹条部10bに係合する。その結果、一対の係合突起18aが、電線管10の凸条部10aに当接可能となり、円孔18に電線管10が抜け止めした状態で接続されるようになっている。
【0018】
図1及び図2に示すように、前記上側壁12a及び下側壁12bの右側部には、それぞれ長孔状をなす接続孔20が各側壁12a,12bを貫通して形成されている。前記各接続孔20は、それぞれ上側壁12a及び下側壁12bの右端縁から中央部に向かって直線状に延びるように形成され、上下各側壁12a,12bの中央部に位置する端縁が円弧状に形成されている。図1及び図3に示すように、右側壁12dの上下両端部には挿入開口21が、当該右側壁12dを貫通して形成され、各挿入開口21は、それぞれボックス本体13の側方となる右方へ開口するように形成されている。また、各挿入開口21は、左側壁12cの固定孔15の周縁部と相対向する右側壁12dに形成されている。そして、前記各接続孔20はそれぞれ挿入開口21と連通するように形成され、各挿入開口21から各接続孔20内に電線管10を挿入可能に形成されている。図4及び図5に示すように、挿入開口21の開口幅は前記電線管10の凸条部10aにおける外径と同じ又はわずかに大きく形成されている。
【0019】
図2及び図3に示すように、各接続孔20の内周に沿って係合部としての係合突条22が形成されている。各係合突条22はそれぞれ接続孔20の挿入開口21側から同接続孔20の奥方に向かって直線状に延び、さらに接続孔20の円弧に沿って延びるように形成されている。そして、接続孔20の開口幅、すなわち、接続孔20の幅方向に相対向する内面間の長さは、接続孔20の長さ方向に沿って一定となっている。また、接続孔20の開口幅は、前記電線管10の凸条部10aにおける外径よりわずかに短く形成されている。電線管10が挿入開口21から接続孔20内に挿入されると、電線管10の凹条部10bに係合突条22を係合させることが可能となっている。
【0020】
各係合突条22において、挿入開口21側の端縁には、係合突条22より厚み寸法が大きい抜け止め部23が形成されている。各抜け止め部23は、ボックス本体13の外面となる一面側から外方へ突出形成されている。各抜け止め部23において、挿入開口21側に位置する先端部には傾斜部23aが形成され、各傾斜部23aは、それぞれ挿入開口21側から接続孔20の奥方に向かって斜め上方へ傾斜するように形成されている。各抜け止め部23において、前記傾斜部23a以外の部位はその厚みが一定となるように形成され、その厚み寸法は、前記凹条部10bの幅、即ち隣接する凸条部10a間の間隔より大きくなるように設定されている。
【0021】
図2に示すように、各接続孔20内には、それら接続孔20を塞ぐための蓋板24が設けられ、それら蓋板24はその外周縁の2箇所に設けられた連結片25が係合突条22の内周縁に連結されることにより接続孔20内に設けられている。また、各接続孔20の挿入開口21側には、各挿入開口21を横断する補強片26が設けられ、各補強片26はその長さ方向の両端に設けられた架設片27が係合突条22の内周縁に連結されることにより設けられている。
【0022】
次に、上記構成の配線ボックス11の使用方法及び作用について説明する。
まず、配線ボックス11の施工現場について説明する。図1に示すように、建物内には構造物としての柱16が立設され、その柱16の前後両面に一対の壁材28が立設されることによって建物壁Wが構成されるようになっている。前記建物壁W内に配線ボックス11を設置するには、主に2種類の方法が採用される。第1の方法は、一対の壁材28のうち一方の壁材28を、柱16に固定される配線ボックス11の前面側となる位置に立設し、柱16に配線ボックス11を固定した後、他方の壁材28を配線ボックス11の後面側に立設するものである。第2の方法は、一対の壁材28のうち一方の壁材28を、柱16に固定される配線ボックス11の後面側となる位置に立設し、柱16に配線ボックス11を固定した後、他方の壁材28を配線ボックス11の前面側に立設するものである。
【0023】
次に、配線ボックス11の使用方法を具体的に説明する。まず、上側壁12aの接続孔20において、連結片25及び架設片27をそれぞれ係合突条22から分断して、蓋板24及び補強片26を接続孔20内から取り除き、接続孔20を開放させる。次いで、一方の壁材28を配線ボックス11の前面側となる位置に立設した場合は、ボックス本体13の開口端が、その立設された一方の壁材28の裏面に当接するように配置し、柱16の側面に当接座部14の外面を当接させる。また、一方の壁材28を配線ボックス11の後面側となる位置に立設した場合は、ボックス本体13の開口端が柱16の前面と面一となるように配置し、柱16の側面に当接座部14の外面を当接させる。そして、左側壁12cに形成された3箇所の固定孔15のうち、中央に位置する固定孔15から固定ビス17を挿通し、その固定ビス17を柱16に固定して配線ボックス11を柱16に固定する。
【0024】
このとき、固定ビス17は、柱16の側面に対してほぼ直交するように固定孔15から柱16に固定される。そして、固定ビス17により、左側壁12cの固定孔15の周縁部は当接座部14を介して柱16の側面に押し付けられる。また、その固定孔15が形成された左側壁12cと相対向する右側壁12dの側方には、柱16は存在せず空間が形成されている。また、配線ボックス11の前面又は後面に前記一方の壁材28が立設されているため、配線ボックス11において、ボックス本体13の前面又は後面には空間が形成されていない。
【0025】
続いて、柱16に固定された配線ボックス11の右側方から、固定孔15に対する固定ビス17の挿通方向、即ち左側壁12cにおける固定孔15の周縁部を柱16に押し付ける方向に沿って、電線管10を配線ボックス11に向かってその径方向へ移動させる。そして、その電線管10の端部を、ボックス本体13の右方に開口した挿入開口21内に挿入するとともに、係合突条22の先端となる抜け止め部23を凹条部10b内に差し込む。さらに、電線管10を接続孔20の奥方へ押し込むと、傾斜部23aにより抜け止め部23が凹条部10b内へ円滑に差し込まれる。電線管10が接続孔20の奥方へ押し込まれると、抜け止め部23の厚み寸法が、凹条部10bの幅より厚くなるため、抜け止め部23により一対の凸条部10aが外方へ押圧され、弾性変形して押し広げられる。そして、一対の凸条部10aが押し広げられたまま電線管10が接続孔20の奥方へ押し込まれると、抜け止め部23は凹条部10b内を通過して電線管10の外側に位置し、凹条部10bより上側に位置する凸条部10aの外面に係合可能な位置に配設される。それと同時に、抜け止め部23よりも接続孔20の奥方に位置する係合突条22が、凹条部10bの周方向に亘って係合する。
【0026】
電線管10を、挿入開口21から接続孔20内を移動させるため、その電線管10は接続孔20の奥方に向かって押圧される。このとき、接続孔20が挿入開口21側から奥方へ延びる方向は、左側壁12cにおける固定孔15の周縁部が固定ビス17により柱16に押し付けられた方向と同じになっている。そのため、電線管10は、固定ビス17が固定された柱16の側面に向かって押圧され、配線ボックス11も固定ビス17が固定された柱16の側面に向かって押圧される。従って、電線管10の接続作業時に、配線ボックス11に対し、その前後方向へ力が作用することがなく、配線ボックス11が押圧される方向に沿って固定された固定ビス17に対しても、その軸線と交差する方向への力が作用することがない。そのため、固定孔15が左側壁12cの前後方向へ延びるように形成されていても、固定ビス17が固定孔15の延びる方向に沿って位置ずれしたりする虞が無くなる。
【0027】
図4及び図5に示すように、最後に、一方の壁材28を配線ボックス11の前面側となる位置に立設した場合は、ボックス本体13の後面側に他方の壁材28を立設して建物壁Wを構築する。また、一方の壁材28を配線ボックス11の後面側となる位置に立設した場合は、他方の壁材28を、その裏面にボックス本体13の開口端が当接するように立設して建物壁Wを構築する。その結果、建物壁W内に配線ボックス11が設置される。
【0028】
凹条部10bに隣接する上下一対の凸条部10aと係合突条22とが当接可能な位置に配設され、電線管10に対し、その軸線方向へ移動させる力が作用しても、上下一対の凸条部10aと係合突条22との当接によりその移動が防止される。また、電線管10に対して挿入開口21方向へ移動させる力が作用しても、一対の抜け止め部23が電線管10(凸条部10a)の外面に当接するため、電線管10が挿入開口21側へ容易に移動することが防止される。即ち、配線ボックス11に電線管10が抜け止めした状態で接続される。
【0029】
上記実施形態の配線ボックス11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ボックス本体13の右側壁12dに挿入開口21を形成し、その挿入開口21と接続孔20とを連通させた。そのため、配線ボックス11の前面又は後面側に、空間が形成されていなくても、挿入開口21を利用することにより、電線管10を配線ボックス11に接続することができる。特に、予め一方の壁材28が立設された場合や、柱16の近傍に障害物が存在する場所に配線ボックス11を設置する場合においても、その配線ボックス11の側方に、電線管10を配設可能な空間が形成されていれば配線ボックス11に対しても電線管10を接続することができる。従って、配線ボックス11に電線管10を予め接続した状態で配線ボックス11を柱16に固定する作業を行う必要がなくなる。
【0030】
(2)挿入開口21と接続孔20が連通して延びる方向は、固定ビス17を固定孔15に挿通し、その固定ビス17により左側壁12cにおける固定孔15の周縁部を柱16に押し付けてボックス本体13を固定する方向と同じである。そのため、電線管10が底壁12側から接続される場合と異なり、電線管10の接続の際に、配線ボックス11に前後方向への力が作用し、その配線ボックス11により固定ビス17が前後方向へ押圧されることが防止される。その結果、電線管10の接続作業時に、固定ビス17が緩んだり、変形したりする不具合の発生を無くすことができる。特に、固定孔15は長孔状に形成されているが、固定ビス17が固定孔15の延びる方向へ移動したり、位置ずれしたりする虞がない。その結果、配線ボックス11を、一本の固定ビス17により柱16に固定した状態を維持することができ、後の配線ボックス11への配線器具等の設置やその設置状態に歪みが発生する不具合を防止することができる。
【0031】
(3)接続孔20に係合突条22及び抜け止め部23を形成した。そのため、接続孔20に電線管10が挿入されると、係合突条22及び抜け止め部23により電線管10の軸線方向及び径方向への移動を規制することができ、接続孔20に電線管10を抜け止めした状態で接続することができる。従って、接続孔20にアダプタ等の別部材を別途接続し、その別部材を用いて配線ボックス11に電線管10を接続する場合と異なり、配線ボックス11に対する電線管10の接続作業をワンタッチで容易に行うことができる。
【0032】
(4)接続孔20の内周には、係合突条22が連続して延びるように形成され、電線管10の凹条部10bに連続して係合する。そのため、接続孔20に接続された電線管10に、その軸線方向への力が作用しても、凸条部10aと係合突条22とが当接する面積が広くなり、電線管10の接続孔20からの抜け出しを防止することができる。
【0033】
(5)抜け止め部23には傾斜部23aが設けられているため、電線管10を接続孔20内へ差し込むとき、凹条部10b内に傾斜部23aを速やかに挿入し、さらに、凸条部10aを傾斜部23aにより徐々に押し広げることができる。従って、傾斜部23aにより、電線管10を抜け止め部23を超えて接続孔20の奥方へ差し込む作業を補助することができる。
【0034】
(6)抜け止め部23の厚み寸法は、凹条部10bの幅よりも厚く形成され、抜け止め部23が凸条部10aの外面に当接するため、電線管10が接続孔20内から挿入開口21を通過して抜け出る不具合を防止することができる。特に、電線管10が抜け止め部23を超えるには、凹条部10bに隣接する凸条部10aの両方を外方へ押し出さなければならない。従って、例えば、抜け止め部23を、係合突条22の内周に相対向するように形成された突部とし、電線管10を径方向へ弾性変形させて突部を通過させる場合と比較して、抜け止め部23を電線管10が超える場合の方が大きな力を要する。従って、抜け止め部として前記突部が設けられている場合と比較して、電線管10が接続孔20内から挿入開口21を通過して抜け出る不具合を確実に防止することができる。
【0035】
(第2実施形態)
以下、本発明を配線ボックスに具体化した第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図6に示すように、第2実施形態の配線ボックス30は、第1実施形態の配線ボックス11と同様に、四角形状をなす底壁31と、その底壁31の周縁から立設された上側壁32a、下側壁32b、左側壁32c及び右側壁32dとより、一面に開口を有する四角箱状に形成されたボックス本体33を備えている。なお、前記底壁31は第1実施形態のボックス本体13の底壁12より外郭が大きく形成され、上下左右各側壁32a〜32dは、第1実施形態のボックス本体13の上下左右各側壁12a〜12dより長さ方向への長さが長く形成されている。
【0036】
また、前記左側壁32cの外面には、第1実施形態と同様に当接座部29が形成され、左側壁32cには固定孔34が3箇所に形成されているとともに、外面が平面状をなす右側壁32dには固定孔34が2箇所に形成されている。左側壁32c及び右側壁32dは固定孔34を備え、その固定孔34の周縁部が固定部としてボックス本体33に設けられている。図7に示すように、前記上側壁32a及び下側壁32bの左側部には、それぞれ円孔35が各側壁32a,32bを貫通して一対ずつ形成されている。各円孔35の内周面の相対向する位置には、それぞれ第1実施形態の係合突起18aと同様の係合突起35aが突設されている。また、一方(図7では左方)の円孔35には第1実施形態の小径係合部19と同様の小径係合部36が設けられ、他方(図7では右方)の円孔35には蓋板37が設けられている。そして、一方の円孔35は、電線管10又は小径電線管の端部が接続可能に形成され、他方の円孔35は、電線管10の端部が接続可能に形成されている。
【0037】
前記上側壁32a及び下側壁32bの右側部には、それぞれ平面視横U字状及び長孔状をなす接続孔38が各側壁32a,32bを貫通して形成されている。前記各接続孔38は、それぞれ第1実施形態の接続孔20より長さ方向への長さが延長されている。また、右側壁32dの上下両端部には挿入開口39が形成され、各挿入開口39は、それぞれボックス本体33の側方となる右方へ開口するように形成されている。また、各挿入開口39は、左側壁32cの固定孔34の周縁部と相対向する右側壁32dに形成されている。各接続孔38はそれぞれ挿入開口39と連通するように形成され、各挿入開口39から各接続孔38内に電線管10を挿入可能に形成されている。各接続孔38の幅方向への開口幅及び挿入開口39の開口幅は前記電線管10の凸条部10aにおける外径と同じ又はわずかに大きく形成されている。
【0038】
図7及び図8に示すように、各接続孔38の内周に沿って係合部としての係合突条40が形成され、この係合突条40は第1実施形態の係合突条22より長く形成されているとともに、相対向する内縁間の長さは第1実施形態の係合突条22と同様に設定されている。各係合突条40において、挿入開口39側の端縁及び接続孔38の長さ方向のほぼ中央となる位置には、第1実施形態の抜け止め部23と同様の抜け止め部41が形成され、各抜け止め部41には傾斜部41aが形成されている。図7に示すように、各接続孔38内の奥方には、第1実施形態の蓋板24と同様の構成の蓋板42が連結片43により係合突条40の内周縁に連結されている。各接続孔38の中央及び挿入開口39側には補強片44が係合突条40の相対向する位置に架設され、それら補強片44により接続孔38が内側から補強されている。
【0039】
さて、第2実施形態の配線ボックス30を使用するには、まず、蓋板42及び補強片44を接続孔38内から除去する。次に、図6に示すように、柱16の側面に当接座部29の外面を当接させ、左側壁32cの固定孔34から柱16に固定ビス17を固定して配線ボックス30を柱16に固定する。このとき、固定ビス17により、左側壁32cにおける固定孔15の周縁部は柱16に向かって押し付けられ、柱16に固定された配線ボックス30の右側には、空間が形成されている。そして、第1実施形態と同様に、配線ボックス30の右側方の空間を利用し、挿入開口39から接続孔38に二本の電線管10をそれぞれ挿入、接続する。すると、図9に示すように、各電線管10の外面にそれぞれ抜け止め部41が当接し、各電線管10が接続孔38から挿入開口39を通過して抜け出ることが防止される。従って、第2実施形態においては、第1実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果を発揮させることができる。即ち、一つの接続孔38に二本の電線管10を接続することができる。
【0040】
なお、各施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 各実施形態において、抜け止め部23,41の傾斜部23a,41aを省略してもよい。
【0041】
・ 各実施形態において、抜け止め部23,41を係合突条22,40の外方へ向かって突出するように形成したが、抜け止め部23,41を係合突条22,40の外方及び内方へ向かって突出するように形成してもよい。
【0042】
・ 各実施形態において、係合突条22,40を接続孔20,38の内周に沿って連続して延びるように形成したが、電線管10の軸線方向への抜け出しを防止できる範囲内であれば、係合突条22,40を、接続孔20,38の内周に沿って断続的に形成してもよい。また、係合部として、係合突条22,40の代わりに凹条部10bに係合可能な係合突部を接続孔20,38の内周に突設してもよい。
【0043】
・ 各実施形態において、当接座部14,29を省略してもよい。また、当接座部14,29を省略したとき、右側壁12d,32dの挿入開口21,39及び接続孔20,38を削除し、左側壁12c,32cの上部及び下部の少なくとも一方に挿入開口21,39を形成するとともに、その挿入開口21,39に接続孔20,38を連通するように形成してもよい。又は当接座部14,29を左側壁12c,32cと右側壁12d,32dの両側壁に形成してもよい。
【0044】
・ 各実施形態では、左側壁12c,32cのみに当接座部14,29を形成したが、左側壁12c,32cの当接座部14,29を省略するとともに、右側壁12d,32dに当接座部14,29を形成してもよい。このとき、左側壁12c,32cの上部及び下部の少なくとも一方に挿入開口21,39を形成し、その挿入開口21,39に接続孔20,38を連通するように形成してもよい。
【0045】
・ 各実施形態において、抜け止め部23,41を省略してもよい。
・ 各実施形態において、係合突条22,40を省略してもよい。
・ 各実施形態において、円孔18,35を省略してもよい。
【0046】
・ 各実施形態において、図10に示すように、電線管10を固定部材Kを用いて予め柱16の側面に固定しておく。そして、ボックス本体13,33を周方向へ180度回転させ、右側壁12d,32dが柱16に向かうように、配線ボックス11,30を柱16に向かって移動させる。このとき、ボックス本体13,33は、配線ボックス11,30を柱16に固定するとき、固定孔15,34に固定ビス17を挿通する方向に沿って移動される。右側壁12d,32dに形成された挿入開口21,39から接続孔20,38に電線管10が挿入され、さらに接続される。
【0047】
・ 図11に示すように、第1実施形態の配線ボックス11における接続孔20を変更してもよい。すなわち、ボックス本体13の上側壁12a及び下側壁12bにおいて、円孔18が削除され長孔状をなす接続孔50が形成されている。各接続孔50は、それぞれその長さ方向が、ボックス本体13の深さ方向に対して直交する方向へ延びるように形成されている。各接続孔50は上側壁12a及び下側壁12bの左側壁12c側から隣接する右側壁12dに達するまで延びるように形成され、各接続孔50はそれぞれ右側壁12dの上下両端部に挿入開口51が形成されている。また、各接続孔50は、その挿入開口51側がボックス本体13の開口側に向かって幅広に形成されている。接続孔50の内面に沿って係合突条22が形成され、この係合突条22には抜け止め部23が形成されている。
【0048】
接続孔50における挿入開口51側において、ボックス本体13の開口側に位置する係合突条22の内縁から接続部材52が延設されている。この接続部材52は細長板状に形成され、係合突条22の内縁から延びる連結片53を介して係合突条22と一体形成されている。係合突条22に接続部材52が一体化された状態において、接続部材52の接続孔50の内側に臨む端縁と、接続孔50の奥側におけるボックス本体13の開口側に位置する係合突条22の端縁とは、同一直線上に位置するようになっている。
【0049】
各接続孔50における挿入開口51側の開口幅(接続孔50の幅方向に相対向する内面間の長さ)は、接続孔50における奥側の開口幅(接続孔50の幅方向に相対向する内面間の長さ)より広く形成されている。そして、各接続孔50における挿入開口51側に第1接続部50aが形成され、接続孔50における第1接続部50aよりも奥側に第2接続部50bが形成されている。すなわち、第1接続部50aにおける開口幅が、第2接続部50bにおける開口幅より幅広に形成されている。
【0050】
第1接続部50a及び第2接続部50bを備えた接続孔50において、第2接続部50bには、係合突条22によって第1実施形態と同様に電線管10を接続することができるようになっている。また、第1接続部50aにおいて、ボックス本体13の底壁12側の係合突条22と接続部材52とにより第1接続部50aに電線管10を接続することができるようになっている。さらに、接続部材52を係合突条22から折り取り除去することによって、第1接続部50aには、電線管10よりも大径をなす大径電線管60を接続することができるようになっている。この大径電線管60は、電線管10の凸条部10aより大径をなす凸条部と、電線管10の凹条部10bより大径をなす凹条部とを備える。
【0051】
そして、接続孔50において、接続部材52が係合突条22に連設されている状態で、配線ボックス11の側方となる挿入開口51から接続孔50に電線管10を挿入する。すると、電線管10の凹条部10bに係合突条22及び接続部材52が挿入され、電線管10の凸条部10aが係合突条22及び接続部材52に係合する。さらに、電線管10を接続孔50の奥方へ押し込むと、電線管10が接続孔50の挿入開口51側から奥側へ接続孔50の長さ方向に沿ってスライド移動される。そして、最後に、電線管10が第2接続部50bに接続される。
【0052】
なお、第2接続部50bに電線管10を接続した後、接続部材52を除去し、挿入開口51から第1接続部50aに大径電線管60を挿入する。すると、大径電線管60の凹条部に係合突条22が挿入され、大径電線管60の凸条部に係合突条22が係合して第1接続部50aに大径電線管60を接続することができる。すなわち、接続孔50に電線管10と大径電線管60とを接続することが可能となり、しかも、その接続された電線管を、電線管10と大径電線管60の径の異なるものとすることができる。
【0053】
ここで、接続孔50に電線管10及び大径電線管60が接続された状態で、接続孔50の長さ方向へ延びる直線を軸線Lとし、電線管10の径方向への中心線を中心線N、大径電線管60の径方向への中心線を中心線Mとする。このとき、電線管10の中心線Nは軸線L上に位置するが、大径電線管60の中心線Mは軸線L上に位置していない。
【0054】
また、接続孔50を備えた配線ボックス11において、第2接続部50bに電線管10を接続した後、接続部材52を接続孔50から除去せず、係合突条22と接続部材52とを使用して第1接続部50aにも電線管10を接続してもよい。さらには、第2接続部50bに電線管10を接続せず、接続部材52を除去した第1接続部50aに大径電線管60のみを接続してもよい。
【0055】
・ なお、上記図11に示す、第1接続部50a及び第2接続部50bを備えた接続孔50を図12に示すように変更してもよい。すなわち、第1接続部50aは、挿入開口51側に位置する接続孔50及び係合突条22が、それぞれボックス本体13の開口及び底壁12に向かって広がった幅広に形成されている。また、第1接続部50aにおいて、接続部材52が逆コ字状をなし係合突条22の内縁から延設され、接続部材52にも抜け止め部23が形成されている。そして、接続部材52を除去して挿入開口51から接続孔50内に電線管10を挿入することによって第2接続部50bに電線管10を接続することができ、さらに、第1接続部50aに大径電線管60を接続することができる。接続孔50に電線管10と大径電線管60が接続された状態では、電線管10の中心線N及び大径電線管60の中心線Mはそれぞれ軸線L上に位置して接続される。なお、接続部材52を接続孔50から除去せず、第1接続部50aに電線管10を接続してもよい。
【0056】
・ 図11及び図12に示す配線ボックス11において、左側壁12c及び右側壁12dに形成された固定孔15の周縁部に固定部を形成したが、左側壁12c及び右側壁12dのいずれか一方のみに固定孔15を形成し、その周縁部を固定部としてもよい。このとき、その固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上部及び下部のいずれか一方に、挿入開口51を形成し、その挿入開口51に連通する接続孔50を上側壁12a又は下側壁12bに形成してもよい。又は、固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上下両部に挿入開口51を形成し、その挿入開口51に連通する接続孔50を上側壁12a及び下側壁12bに形成してもよい。さらに、抜け止め部23を省略してもよく、係合突条22を省略してもよい。係合突条22を省略した場合には、第1接続部50aに大径電線管60が直接嵌合され、第2接続部50bに電線管10が直接嵌合されるように接続孔50の開口幅を若干小さく形成する。
【0057】
・ 図13に示すように、第1実施形態の配線ボックス11において接続孔20を変更してもよい。すなわち、ボックス本体13の上側壁12a及び下側壁12bにおいて、円孔18が削除され長孔状をなす接続孔70が形成されている。各接続孔70は、それぞれその長さ方向が、ボックス本体13の深さ方向に対して直交する方向へ延びるように形成されている。各接続孔70は上側壁12a及び下側壁12bの左側壁12c側から隣接する右側壁12dに達するまで延びるように形成され、各接続孔70においてそれぞれ右側壁12dの上下両端部となる位置が挿入開口71として形成されている。
【0058】
各接続孔70の周面に沿って係合突条22が形成され、接続孔70の幅方向へ相対向する内面間の長さである開口幅は一定に形成されている。また、接続孔70における挿入開口71よりも奥側となる位置において、ボックス本体13の開口側に位置する係合突条22に沿って直線状に延びる接続部材73が係合突条22から延設されている。接続部材73が接続孔70に設けられることにより、接続孔70の挿入開口71側の開口幅(接続孔70の幅方向に対向する係合突条22間の長さ)は、接続孔70の奥側の開口幅(接続孔70の幅方向に対向する係合突条22と接続部材73間の長さ)より幅広に形成されている。そして、各接続孔70における挿入開口51側に第1接続部70aが形成され、接続孔70における第1接続部70aよりも奥側に第2接続部70bが形成されている。
【0059】
第1接続部70a及び第2接続部70bを備えた接続孔70において、第2接続部70bには、第1実施形態と同様に電線管10を接続することができるようになっている。また、第1接続部70aにおいて、係合突条22により大径電線管60を接続することができるようになっている。そして、接続部材73を係合突条22から折り取り除去することによって、第1接続部70aに接続された大径電線管60を第2接続部70bに向かってスライド移動させ、該第2接続部70bに大径電線管60を接続することができるようになっている。また、接続孔70を備えた配線ボックス11において、第2接続部70bにおける接続部材73を除去して第2接続部70bに大径電線管60を接続した後、第1接続部70aにも大径電線管60を接続してもよい。
【0060】
・ なお、接続孔70を以下のように変更してもよい。すなわち、図14に示すように、接続孔70における第2接続部70bにおいて、接続部材73を逆コ字状をなす形状にして係合突条22の内縁から延設してもよい。
【0061】
・ さらに、第2実施形態の配線ボックス30における接続孔38を以下のように変更してもよい。すなわち、図15に示すように、上側壁32a及び下側壁32bにそれらの長さ方向に延びる接続孔38を形成し、この接続孔38は第2実施形態の接続孔38よりも長くなっている。接続孔38の内面に沿って係合突条40が形成されている。そして、接続孔38の挿入開口39側のほぼ半分に第1接続部38aを形成し、接続孔38における第1接続部38aの奥側のほぼ半分に第2接続部38bを形成する。第2接続部38bには逆コ字状をなす接続部材45が係合突条40に一体形成されている。また、第1接続部38aは第2接続部38bよりも幅広に形成されている。
【0062】
そして、第1接続部38aには1本の大径電線管60を接続することができ、接続部材45が形成された第2接続部38bには2本の電線管10を接続することができる。さらに、接続部材45を除去すれば第2接続部38bに2本の大径電線管60を接続することができる。
【0063】
・ 配線ボックス11において、左側壁12c及び右側壁12dに形成された固定孔15の周縁部に固定部を形成したが、左側壁12c及び右側壁12dのいずれか一方のみに固定孔15を形成し、その周縁部を固定部としてもよい。このとき、その固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上部及び下部のいずれか一方に、挿入開口71を形成し、その挿入開口71に連通する接続孔70を上側壁12a又は下側壁12bに形成してもよい。又は、固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上下両部に挿入開口71を形成し、その挿入開口71に連通する接続孔70を上側壁12a及び下側壁12bに形成してもよい。さらに、抜け止め部23を省略してもよく、係合突条22を省略してもよい。係合突条22を省略した場合には、第1接続部70aに大径電線管60が直接嵌合され、第2接続部70bに電線管10が直接嵌合されるように接続孔70の開口幅を若干小さく形成する。
【0064】
・ 各実施形態のボックス本体13,33において、左側壁12c,32cの上下両部に挿入開口21,39を形成し、その挿入開口21,39に連通するように接続孔20,38を形成してもよい。このとき、右側壁12d,32dの挿入開口21,39を省略してもよい。
【0065】
・ 配線ボックス11,30において、上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bのいずれか一方のみに接続孔20,38,50,70を形成し、その接続孔20,38,50,70に連通する挿入開口21,39,51,71を左側壁12c,32c又は右側壁12d,32dに形成してもよい。
【0066】
・ 配線ボックス11,30において、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dに形成された固定孔15,34の周縁部に固定部を形成したが、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dのいずれか一方のみに固定孔15,34を形成し、その周縁部を固定部としてもよい。このとき、その固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上部及び下部のいずれか一方に、挿入開口を形成し、その挿入開口に連通する接続孔を形成してもよい。又は、固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上下両部に、挿入開口を形成し、その挿入開口に連通する接続孔を形成してもよい。さらに、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dの上部及び下部にそれぞれ挿入開口を形成し、その挿入開口に連通する接続孔を上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bに2箇所に形成してもよい。さらには、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dの上部又は下部に挿入開口を形成し、その挿入開口に連通する接続孔を上側壁12a,32a又は下側壁12b,32bに2箇所に形成してもよい。なお、上記変更例において円孔18,35等は場合によっては削除される。
【0067】
・ 各実施形態では、上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bの右側部に接続孔20,38を形成し、右側壁12d,32dのみに挿入開口21,39を形成したが以下のように変更してもよい。例えば、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dの固定孔15,34の周縁部に固定部が形成されたボックス本体13,33において、上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bの両側部に接続孔20,38を形成し、左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dにそれぞれ挿入開口21,39を形成してもよい。又は上側壁12a,32a及び下側壁12b,32bの左側部のみに接続孔20,38を形成し、左側壁12c,32cのみに挿入開口21,39を形成してもよい。なお、円孔18,35等は場合によっては削除される。
【0068】
・ 第2実施形態に示す配線ボックス30において、左側壁32c及び右側壁32dのいずれか一方のみに固定孔34を形成し、その周縁部を固定部とする。そして、左側壁32c及び右側壁32dの上部及び下部の両部にそれぞれ挿入開口39を形成し、その挿入開口39に連通する接続孔38を上側壁32a及び下側壁32bに2箇所に形成してもよい。さらには、左側壁32c及び右側壁32dの上部又は下部に挿入開口39を形成し、その挿入開口39に連通する接続孔38を上側壁32a又は下側壁32bに2箇所に形成してもよい。なお、円孔18,35等は場合によっては削除される。
【0069】
・ 各実施形態では、電線管10を凹凸状に形成したが、円筒状をなし、外面が平滑に形成された電線管を用いてもよい。
・ 各実施形態では、構造物としての柱16に配線ボックス11,30を固定したが、構造物としてのH型鋼、鉄骨、壁材等に配線ボックス11,30を固定してもよい。
【0070】
・ 左側壁12c,32c及び右側壁12d,32dの少なくとも一方に、ボックス本体13,33の上下方向へ突出する固定部を形成し、その固定部に固定孔15,34を形成してもよい。
【0071】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記係合部は接続孔の内周に沿って連s続して延びるように形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の配線ボックス。
【0072】
(2)前記抜け止め部には、電線管を接続孔に接続する方向に向かって傾斜する傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の配線ボックス。
(3)前記固定部は左側壁及び右側壁の少なくとも一方に形成された固定孔の周縁部により構成され、前記固定孔はボックス本体の奥行き方向(前後方向)へ延びるように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の配線ボックス。
【符号の説明】
【0073】
10…電線管、10a…凸条部、10b…凹条部、11,30…配線ボックス、12,31…底壁、12a,32a…上側壁、12b,32b…下側壁、12c,32c…左側壁、12d,32d…右側壁、13,33…ボックス本体、14,29…当接座部、16…構造物としての柱、17…固定ビス、20,38,50,70…接続孔、21,39,51,71…挿入開口、22,40…係合部としての係合突条、23,41…抜け止め部、38a,50a,70a…第1接続部、38b,50b,70b…第2接続部、60…大径電線管。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、その底壁から立設された側壁とより一面に開口を有する四角箱状に形成されたボックス本体を備え、同ボックス本体の左側壁及び右側壁の少なくとも一方には、建物内の構造物にボックス本体を固定するための固定ビスを挿通可能な固定部が設けられているとともに、ボックス本体の上側壁及び下側壁には、合成樹脂製の可撓性を有する電線管を接続するための接続孔が形成され、
前記固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上端部及び下端部には、ボックス本体の側方に開口するとともに、前記接続孔に連通する挿入開口がそれぞれ形成されることにより、上下両挿入開口は互いに連通することなく離れて形成され、当該挿入開口に挿入された電線管を、前記固定ビスにより固定部が構造物に押し付けられた方向に沿って移動させることにより、当該電線管を接続孔に挿入可能に形成したことを特徴とする配線ボックス。
【請求項2】
前記固定部は左側壁及び右側壁の少なくとも一方に形成された固定孔の周縁部により構成され、前記固定孔はボックス本体の奥行き方向へ長孔状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線ボックス。
【請求項3】
前記電線管はその周方向に突出する凸条部が複数箇所に形成されているとともに、隣接する凸条部間に凹条部が形成されることにより凹凸状に形成され、前記接続孔の内周には前記電線管の凹条部に係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線ボックス。
【請求項4】
前記接続孔に設けた前記係合部の挿入開口側には、電線管の凸条部の外面に係合可能な抜け止め部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の配線ボックス。
【請求項1】
底壁と、その底壁から立設された側壁とより一面に開口を有する四角箱状に形成されたボックス本体を備え、同ボックス本体の左側壁及び右側壁の少なくとも一方には、建物内の構造物にボックス本体を固定するための固定ビスを挿通可能な固定部が設けられているとともに、ボックス本体の上側壁及び下側壁には、合成樹脂製の可撓性を有する電線管を接続するための接続孔が形成され、
前記固定部が形成された側壁に相対向する側壁の上端部及び下端部には、ボックス本体の側方に開口するとともに、前記接続孔に連通する挿入開口がそれぞれ形成されることにより、上下両挿入開口は互いに連通することなく離れて形成され、当該挿入開口に挿入された電線管を、前記固定ビスにより固定部が構造物に押し付けられた方向に沿って移動させることにより、当該電線管を接続孔に挿入可能に形成したことを特徴とする配線ボックス。
【請求項2】
前記固定部は左側壁及び右側壁の少なくとも一方に形成された固定孔の周縁部により構成され、前記固定孔はボックス本体の奥行き方向へ長孔状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線ボックス。
【請求項3】
前記電線管はその周方向に突出する凸条部が複数箇所に形成されているとともに、隣接する凸条部間に凹条部が形成されることにより凹凸状に形成され、前記接続孔の内周には前記電線管の凹条部に係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線ボックス。
【請求項4】
前記接続孔に設けた前記係合部の挿入開口側には、電線管の凸条部の外面に係合可能な抜け止め部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の配線ボックス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−143153(P2012−143153A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−88589(P2012−88589)
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【分割の表示】特願2010−99903(P2010−99903)の分割
【原出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【分割の表示】特願2010−99903(P2010−99903)の分割
【原出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
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