説明

配線瓦の構造

【課題】 従来、屋根上に設けた縦横棧でなる架台に、太陽光発電パネルを設置し、太陽光発電パネルに接続した配線を、建屋内に引込んで、建屋内の配線接続箱に繋ぐ、太陽光発電パネルの配線構造とか、配線瓦の構造とかが知られている。しかし、陶器瓦を利用した配線瓦に関しては、好ましい製品が販売されていないのが、現況である。
【解決手段】 本発明は、陶器瓦の谷部・平坦部に配線挿入用の孔を開設し、孔の周辺に間隔を置いて、倒U字形の壁片を構成し、壁片に係止部を設け、係止部に係止される被掛止部を内面に備えた開口部を有するカバー体を設け、カバー体で、孔を囲繞するとともに、カバー体の開口部と、壁片の倒U字形の開口部位に設けた止水壁片との間で、軒側を開放する隙間を利用して、配線を孔に導く配線瓦の構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーシステム、融雪瓦等における配線を束ねて(単独で)屋根裏(建屋内)、棟に引込む配線瓦の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根上に設けた縦横棧でなる架台(基板、ベース板)に、太陽光発電パネルを設置し、この太陽光発電パネルに接続した配線を、建屋内に引込んで、建屋内の配線接続箱に繋ぐ、太陽光発電パネルの配線構造とか、配線瓦の構造(配線瓦を主体に説明する)とかが知られている。
【0003】
この太陽光発電パネルの配線構造は、例えば、屋根材(陶器瓦、セメント瓦、その他の瓦)に設けた配線用の孔と、この孔を覆い、かつこの孔を風雨から守る、前記屋根材に葺設される、その頭側に開口部を有し、かつその尻側と天井部、並びに両側面を覆うトンネル形の本体部を有するカバー体と、このカバー体の開口部と前記孔との間に配線挿入空間を形成し、そして、少なくとも、この屋根材とカバー体を現場において組付け一体化する構造である。この太陽光発電パネルの配線を、開口部から、配線挿入空間を経由して、前記孔より、屋内に導くことを特徴とする。これに関連する文献として、特開2005−281980の「太陽光発電パネルの配線屋内引込み構造」(文献1とする)と、特開2008−266977の「線材引き込み器具」(文献2とする)とが挙げられる。
【0004】
また、配線瓦の構造は、例えば、瓦本体に窪みとケーブル配線挿入孔とを設け、この瓦本体の窪み太陽電池モジュール(太陽電池小型パネル)を設けるとともに、端子ボックスを配備する構成である。この太陽電池モジュールからの配線を、端子ボックスを経由して、前記ケーブル配線挿入孔に導くことを特徴とする。これに関連する文献として、特開2001−90263の「太陽電池モジュール瓦」(文献3とする)と、特開2001−173162の「太陽電池モジュールかわら及び屋根」(文献4とする)とが挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開2005−281980
【特許文献2】特開2008−266977
【特許文献3】特開2001−90263
【特許文献4】特開2001−173162
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記文献(1)、文献(2)は、屋根材とカバー体を、それぞれ個別に形成し、この両者を現場において組付け一体化する構造である。また、この組付け一体化の作業において、この両者に限らず、さらに他の部材(ベース板、基板等)も同時に行なう構造である。従って、作業が大変であることと、手間を要すること、そして、また、多数の部材を用意し、かつ管理することが必要となり、一層、作業が大変であることと、手間を要すること、等の問題点を抱えている。そして、前記作業を、屋根で行うことから、屋根葺き職人であっても、大変であり、また危険を伴うこと、等の改良点を抱えている。
【0007】
また、前記文献(3)、文献(4)は、屋根材に太陽電池モジュールと、端子ボックス
を、それぞれ個別に形成し、この両者を現場において組付け一体化する構造である。前述の文献(1)、文献(2)と同じ問題点と改良点を抱えている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、原則として、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であって、しかも釉薬を接着材として活用するために、カバー体と陶器瓦表面に設けた壁片との添接時に発生する微細隙間を、充填、かつ修復でき、品質の良い配線瓦を製造すること、また、この微細隙間は、陶器瓦の成形時に形成されるガタ、又は凹凸等の隙間を利用することで、有効かつ利便性の確保を図ること、このガタ、又は凹凸等の隙間を修復等できることで重宝すること、欠陥配線瓦の減収化を図ること、等を意図する。また、請求項1の発明は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、葺設作業の容易化と、屋根葺き職人の技術の踏襲と、作業の容易化、効率化と、危険性の減少化等を図ることを意図する。さらに、この請求項1の発明は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、保守管理と、発注、搬送等の商売の容易化とを図ることを意図する。
【0009】
請求項1は、配線瓦の構造であって、
この配線瓦は、その谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、この孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、その外面に係止部を有する壁片と、この壁片の開放端部に設けた止水壁片と、でなる陶器瓦と、
この陶器瓦の孔をカバーし、かつ前記壁片の外面に設けられる、その内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
このカバー体の被掛止部を、前記壁片の係止部に係止するとともに、このカバー体の開口部と、前記止水壁片との間で、その軒側を開放する隙間を形成し、この隙間を利用して、配線を前記孔に導く構造とした配線瓦の構造である。
【0010】
請求項2の発明は、原則として、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であって、しかも釉薬を接着材として活用するために、カバー体と陶器瓦表面に設けた溝部との添接時に発生する微細隙間を、充填、かつ修復でき、品質の良い配線瓦を製造すること、また、この微細隙間は、陶器瓦の成形時に形成されるガタ、又は凹凸等の隙間を利用することで、有効かつ利便性の確保を図ること、このガタ、又は凹凸等の隙間を修復等できることで重宝すること、欠陥配線瓦の減収化を図ること、等を意図する。また、請求項2の発明は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、葺設作業の容易化と、屋根葺き職人の技術の踏襲と、作業の容易化、効率化と、危険性の減少化等を図ることを意図する。さらに、この請求項2の発明は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、保守管理と、発注、搬送等の商売の容易化とを図ることを意図する。
【0011】
請求項2は、配線瓦の構造であって、
この配線瓦は、その谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、この孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、その外面に係止部を有する壁片と、この壁片の外側に設けたられ、かつ前記孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、しかもその一面に係止部を有する溝部と、前記壁片の開放端部に設けた止水壁片と、でなる陶器瓦と、
この陶器瓦の孔をカバーし、かつ前記溝部の一面に設けられる、その内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
このカバー体の被掛止部を、前記溝部の係止部に係止するとともに、このカバー体の開口部と、前記止水壁片との間で、その軒側を開放する隙間を形成し、この隙間を利用して、配線を前記孔に導く構造とした配線瓦の構造である。
【0012】
請求項3の発明は、原則として、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であって、しかも釉薬を接着材として活用するために、カバー体と陶器瓦表面に設けた壁片、及び、溝部との添接時に発生する微細隙間を、充填、かつ修復でき、品質の良い配線瓦を製造すること、また、この微細隙間は、陶器瓦の成形時に形成されるガタ、又は凹凸等の隙間を利用することで、有効かつ利便性の確保を図ること、このガタ、又は凹凸等の隙間を修復等できることで重宝すること、欠陥配線瓦の減収化を図ること、等を意図する。また、請求項3の発明は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、葺設作業の容易化と、屋根葺き職人の技術の踏襲と、作業の容易化、効率化と、危険性の減少化等を図ることを意図する。さらに、この請求項3の発明は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、保守管理と、発注、搬送等の商売の容易化とを図ることを意図する。
【0013】
請求項3は、配線瓦の構造であって、
この配線瓦は、その谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、この孔の流れ方向の頭側に設けた止水壁片と、前記孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、その外面に係止部を有する壁片と、この壁片の外側に設けたられ、かつ前記孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、しかもその一面に係止部を有する溝部と、でなる陶器瓦と、
この陶器瓦の孔をカバーし、かつ前記壁片の外面に設けられる、その内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
このカバー体の被掛止部を、前記壁片と溝部の係止部の何れか一方の係止部に係止するとともに、このカバー体の開口部と、前記止水壁片との間で、その軒側を開放する隙間を形成し、この隙間を利用して、配線を前記孔に導く構造とした配線瓦の構造である。
【0014】
請求項4の発明は、前記請求項1〜3の釉薬による接着剤としての効果を有効に達成することを意図する。
【0015】
請求項4は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の配線瓦の構造であって、
前記壁片、又は溝部と、カバー体の内面、又は下面との隙間に、釉薬を充填し、この壁片、又は溝部と、カバー体の内面、又は下面とを接着し、この釉薬を接着剤とする構成とした配線瓦の構造である。
【0016】
請求項5の発明は、前記請求項1〜3の構造において、カバー体と陶器瓦との嵌合一体化を、確実に達成することを意図する。
【0017】
請求項5は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の配線瓦の構造であって、
前記孔の外側に壁片を設ける構成とした配線瓦の構造である。
【0018】
請求項6の発明は、前記請求項2、3の構造において、溝部と、カバー体の下面との接合面の拡充を介して、陶器瓦との嵌合一体化を、確実に達成すること、又はカバー体にかかる荷重を有効に回避すること、等を意図する。
【0019】
請求項6は、請求項2、又は請求項3に記載の配線瓦の構造であって、
前記溝部と、カバー体の下面は傾斜形状とする構成とした配線瓦の構造である。
【0020】
請求項7の発明は、前記請求項2、3の構造において、陶器瓦の表面を流れる雨水、雪を、カバー体の頂面の傾斜を確保し(陶器瓦の屋根勾配より、頭側が下がる)て、確実かつ迅速に、頭側に流すことを意図する。
【0021】
請求項7は、請求項2、又は請求項3に記載の配線瓦の構造であって、
前記溝部の陥没深さ寸法は、その尻側が浅く、頭側が深い構成とした配線瓦の構造である。
【0022】
請求項8の発明は、前記請求項2、3の構造において、陶器瓦の表面を流れる雨水、雪のカバー体内への浸入を回避するために、尻側を高く、頭側を低くする構成で、回避することを意図する。
【0023】
請求項8は、請求項1に記載の配線瓦の構造であって、
前記壁片の高さ寸法は、その尻側が高く、頭側が低い構成とした配線瓦の構造である。
【0024】
請求項9の発明は、原則として、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であって、しかも釉薬を接着材として活用するために、カバー体と陶器瓦にそれぞれのスリットを形成することを意図する。この両スリットは、陶器瓦の成形時に形成されるガタ、又は凹凸、或いはケガキ等で形成される隙間を利用することで、有効かつ利便性がある。また、請求項9の発明は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、葺設作業の容易化と、屋根葺き職人の技術の踏襲と、作業の容易化、効率化と、危険性の減少化等を図ることを意図する。さらに、この請求項9の発明は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、保守管理と、発注、搬送等の商売の容易化とを図ることを意図する。
【0025】
請求項9は、配線用の陶器瓦であって、
この陶器瓦の谷部か、平坦部に配線挿入用の孔を開設し、この孔の周辺に間隔を置いて、開口部を有するカバー体を設け、この陶器瓦にはカバー体の外面に沿ったスリットを形成し、また、前記カバー体の外面の下端にスリットを形成し、この両スリットを釉薬の溜まり部とし、前記カバー体で、前記孔を囲繞する構造とするとともに、このカバー体の開口部と、前記壁片の倒U字形の開口部位に設けた止水壁片との間で、その軒側を開放する隙間を形成し、この隙間を利用して、配線を前記孔に導く構造とした配線瓦の構造である。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明は、配線瓦の構造であって、
配線瓦は、その谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、その外面に係止部を有する壁片と、壁片の開放端部に設けた止水壁片と、でなる陶器瓦と、
陶器瓦の孔をカバーし、かつ壁片の外面に設けられる、内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
カバー体の被掛止部を、壁片の係止部に係止するとともに、カバー体の開口部と、止水壁片との間で、軒側を開放する隙間を形成し、隙間を利用して、配線を孔に導く構造とした配線瓦の構造である。
【0027】
従って、請求項1は、原則として、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であって、しかも釉薬を接着材として活用するために、カバー体と陶器瓦表面に設けた壁片との添接時に発生する微細隙間を、充填、かつ修復でき、品質の良い配線瓦を製造できること、また、この微細隙間は、陶器瓦の成形時に形成されるガタ、又は凹凸等の隙間を利用することで、有効かつ利便性が確保できること、このガタ、又は凹凸等の隙間を修復等できることで重宝すること、欠陥配線瓦の減収化に有益であること、等の特徴がある。また、請求項1は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、葺設作業の容易化と、屋根葺き職人の技術の踏襲と、作業の容易化、効率化と、危険性の減少化等が図れる実益がある。さらに、この請求項1は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、保守管理と、発注、搬送等の商売の容易化とが図れる利点がある。
【0028】
請求項2の発明は、配線瓦の構造であって、
配線瓦は、谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、外面に係止部を有する壁片と、壁片の外側に設けたられ、かつ孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、しかも一面に係止部を有する溝部と、壁片の開放端部に設けた止水壁片と、でなる陶器瓦と、
陶器瓦の孔をカバーし、かつ溝部の一面に設けられる、内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
カバー体の被掛止部を、溝部の係止部に係止するとともに、カバー体の開口部と、止水壁片との間で、軒側を開放する隙間を形成し、隙間を利用して、配線を孔に導く構造とした配線瓦の構造である。
【0029】
従って、請求項2は、原則として、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であって、しかも釉薬を接着材として活用するために、カバー体と陶器瓦表面に設けた溝部との添接時に発生する微細隙間を、充填、かつ修復でき、品質の良い配線瓦を製造できること、また、この微細隙間は、陶器瓦の成形時に形成されるガタ、又は凹凸等の隙間を利用することで、有効かつ利便性が確保できること、このガタ、又は凹凸等の隙間を修復等できることで重宝すること、欠陥配線瓦の減収化に有益であること、等の特徴がある。また、請求項2は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、葺設作業の容易化と、屋根葺き職人の技術の踏襲と、作業の容易化、効率化と、危険性の減少化等が図れる実益がある。さらに、この請求項2は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、保守管理と、発注、搬送等の商売の容易化とが図れる利点がある。
【0030】
請求項3は、配線瓦の構造であって、
配線瓦は、谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、孔の流れ方向の頭側に設けた止水壁片と、孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、外面に係止部を有する壁片と、壁片の外側に設けたられ、かつ孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、しかも一面に係止部を有する溝部と、でなる陶器瓦と、
陶器瓦の孔をカバーし、かつ壁片の外面に設けられる、内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
カバー体の被掛止部を、壁片と溝部の係止部の何れか一方の係止部に係止するとともに、カバー体の開口部と、止水壁片との間で、軒側を開放する隙間を形成し、隙間を利用して、配線を孔に導く構造とした配線瓦の構造である。
【0031】
従って、請求項3は、原則として、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であって、しかも釉薬を接着材として活用するために、カバー体と陶器瓦表面に設けた壁片、及び、溝部との添接時に発生す微細隙間を、充填、かつ修復でき、品質の良い配線瓦を製造できること、また、この微細隙間は、陶器瓦の成形時に形成されるガタ、又は凹凸等の隙間を利用することで、有効かつ利便性が確保できること、このガタ、又は凹凸等の隙間を修復等できることで重宝すること、欠陥配線瓦の減収化に有益であること、等の特徴がある。また、請求項3は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、葺設作業の容易化と、屋根葺き職人の技術の踏襲と、作業の容易化、効率化と、危険性の減少化等が図れる実益がある。さらに、この請求項3は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、保守管理と、発注、搬送等の商売の容易化とが図れる利点がある。
【0032】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の配線瓦の構造であって、
壁片、又は溝部と、カバー体の内面、又は下面との隙間に、釉薬を充填し、壁片、又は溝部と、カバー体の内面、又は下面とを接着し、釉薬を接着剤とする構成とした配線瓦の構造である。
【0033】
従って、請求項4は、前記請求項1〜3の釉薬による接着剤としての効果を有効に達成できる特徴がある。
【0034】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の配線瓦の構造であって、
孔の外側に壁片を設ける構成とした配線瓦の構造である。
【0035】
従って、請求項5は、前記請求項1〜3の構造において、カバー体と陶器瓦との嵌合一体化を、確実に達成できる特徴がある。
【0036】
請求項6の発明は、請求項2、又は請求項3に記載の配線瓦の構造であって、
溝部と、カバー体の下面は傾斜形状とする構成とした配線瓦の構造である。
【0037】
従って、請求項6は、前記請求項2、3の構造において、溝部と、カバー体の下面との接合面の拡充を介して、陶器瓦との嵌合一体化を、確実に達成できること、又はカバー体にかかる荷重を有効に回避できること、等の特徴を有する。
【0038】
請求項7の発明は、請求項2、又は請求項3に記載の配線瓦の構造であって、
溝部の陥没深さ寸法は、その尻側が浅く、頭側が深い構成とした配線瓦の構造である。
【0039】
従って、請求項7は、前記請求項2、3の構造において、陶器瓦の表面を流れる雨水、雪を、カバー体の頂面の傾斜を確保し(陶器瓦の屋根勾配より、頭側が下がる)て、確実かつ迅速に、頭側に流すことできること、等の特徴を有する。
【0040】
請求項8は、請求項1に記載の配線瓦の構造であって、
壁片の高さ寸法は、その尻側が高く、頭側が低い構成とした配線瓦の構造である。
【0041】
従って、請求項8は、前記請求項2、3の構造において、陶器瓦の表面を流れる雨水、雪のカバー体内への浸入を回避するために、尻側を高く、頭側を低くする構成で、回避できること、等の特徴を有する。
【0042】
請求項9の発明は、配線用の陶器瓦であって、
陶器瓦の谷部か、平坦部に配線挿入用の孔を開設し、孔の周辺に間隔を置いて、開口部を有するカバー体を設け、陶器瓦にはカバー体の外面に沿ったスリットを形成し、また、カバー体の外面の下端にスリットを形成し、両スリットを釉薬の溜まり部とし、カバー体で、孔を囲繞する構造とするとともに、カバー体の開口部と、壁片の倒U字形の開口部位に設けた止水壁片との間で、軒側を開放する隙間を形成し、隙間を利用して、配線を孔に導く構造とした配線瓦の構造である。
【0043】
従って、請求項9は、原則として、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であって、しかも釉薬を接着材として活用できるために、カバー体と陶器瓦にそれぞれのスリットを形成する。そして、この両スリットは、陶器瓦の成形時に形成されるガタ、又は凹凸、或いはケガキ等で形成される隙間を利用することで、有効かつ利便性を確保できる特徴がある。また、請求項9は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、葺設作業の容易化と、屋根葺き職人の技術の踏襲と、作業の容易化、効率化と、危険性の減少化等が図れる実益がある。さらに、この請求項9は、工場サイドで組付け一体化した配線瓦であることを利用し、保守管理と、発注、搬送等の商売の容易化とが図れる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体を分解した俯瞰図
【図2】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体を一体化した俯瞰図
【図3】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体を一体化し、頭側より視た斜視図
【図4】第一実施例に示した、図3のA−Aの要部断面図
【図5−1】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係の一例を示した頭側より視た端面図
【図5−2】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係の他の一例を示した頭側より視た端面図
【図5−3】図5−2における実施例の特徴を示した模式図
【図5−4】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係のさらに他の一例を示した頭側より視た端面図
【図5−5】第一実施例において、第一実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係の好ましくない一例を示した頭側より視た端面図
【図6】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係の別の一例を示した頭側より視た端面図
【図7−1】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係のさらに別の一例を示した頭側より視た端面図
【図7−2】第一実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係のさらに別の一例を示した断面図
【図8】第二実施例を示した陶器瓦とカバー体を分解した俯瞰図
【図9−1】第二実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係の一例を示した頭側より視た端面図
【図9−2】第二実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係の他の一例を示した頭側より視た端面図
【図9−3】図9−2における実施例の特徴を示した模式図
【図10】第三実施例を示した陶器瓦とカバー体を分解した俯瞰図
【図11−1】第三実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係の一例を示した頭側より視た端面図
【図11−2】第三実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係の他の一例を示した頭側より視た端面図
【図11−3】図9−2における実施例の特徴を示した模式図
【図11−4】第三実施例を示した陶器瓦とカバー体の嵌合関係のさらに他の一例を示した頭側より視た端面図
【図12−1】各実施例におけるカバー体と、このカバー体の開口部を塞ぐ蓋体との一例を示した斜視図
【図12−2】各実施例におけるカバー体と、このカバー体の開口部を塞ぐ蓋体との他の一例を示した斜視図
【図12−3】カバー体と、このカバー体の開口部を塞ぐ蓋体とのさらに他の一例を示した斜視図
【図13】第四実施例を示した陶器瓦とカバー体を一体化した断面図
【図14】第五実施例を示した陶器瓦とカバー体を一体化した俯瞰図
【図15】第五実施例を示した陶器瓦とカバー体を分解した俯瞰図
【図16】第六実施例を示した陶器瓦とカバー体を一体化した俯瞰図
【図17】第六実施例を示した陶器瓦とカバー体を分解した俯瞰図
【図18】各実施例を示した陶器瓦に溝部を設けた一例の焼成時の特徴を説明する俯瞰図
【図19】焼成台車に載せた陶器瓦とカバー体の一体化を説明する側面模式図
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、好ましい、各実施例を説明する。
【0046】
図1〜図10に示した、1は配線用の和形の陶器瓦で、この陶器瓦1の谷部100に配線挿入用の孔2を開設する。この陶器瓦1には、尻側101と、頭側102、また、棧側103と、差込み側104を有しており、前記谷部100に隣接して棧山105が設けられる。そして、図中1aは陶器瓦1の表面を示す。
【0047】
以下、この和形の陶器瓦1の各実施例を説明する。
【0048】
図1〜図4に示した第一実施例において、この陶器瓦1の谷部100の表面1a(陶器瓦1の表面1aを兼ねる)には、前記孔2を取囲むように、かつ間隔Sをおいて倒U字形の溝部3を形成する。この溝部3は、尻側101が閉塞した形態で、自由端となる頭側102が開かれた形態である。この頭側102が開かれた部位(開口部位)に、止水壁片5(山形突起、一文字突起、切欠付き突起等)を形成し、止風水と、配線Aを孔2の周辺に設けた環状壁200に誘導するとともに、この配線Aに伝わった雨水を孔2内に導かない構造とする。そして、この溝部3を利用して、略爪形のカバー体6の倒U字形の下面600を、陶器瓦1に取付け一体化する。このカバー体6の頭側102方向(取付け時に於いて)には、開口部601を有する。このカバー体6の頂面602で、前記孔2とその周辺、並びに止水壁片5を隠蔽する構造とする。前記開口部601と止水壁片5の上面との間には、配線Aを挿入できる隙間7を形成する。前記カバー体6は、屋根形、ドーム形等も有る。
【0049】
また、図5−1〜図5−4(図5−5は除く)において、この溝部3とカバー体6との構造には、各実施例が可能であり、その好ましい、各実施例を順に説明する。先ず、第一実施例において、図5−1〜図5−3に示した各例がある。この図5−1は、溝部3とカバー体6の下面600との関係の一例であって、この溝部3の下面300と、下面600をそれぞれフラットとした構造であり、製造、嵌合、又は葺設の容易化が図れる。また、図5−2は、下面300、600を内方から外方に向かって傾斜し、内側の下面300が浅く、外側の下面300が深くなった構造(内側の下面600が短く、外側の下面300が長くなった構造)であり、荷重の分散化と、この下面300と、下面600との接合面積の拡大と、このカバー体6の焼結時において、このカバー体6の外面603の広がりを規制できること(他の例も同じである。図5−4において想像線で示す)、等を意図する。さらに、図5−4は、この下面300と、下面600(一面である)に凹凸、噛合等の嵌合関係を図る係止手段8を設けた構造であり、嵌合一体化の確実性と、葺設精度の向上と、又はズレ防止と、並びに葺設(嵌合一体化)の簡便化、迅速化等を図る。また、図5−3は、この下面300と、下面600とで形成される自然の空間、誤差による空間、破壊による空間、或いは設計に基づく空間、等の隙間10(隙間10とする)が形成された場合において、この隙間10に釉薬11が存在する構造では、焼結時において、この釉薬11が接着剤として機能し、この陶器瓦1とカバー体6との間の接着強化が図れること、又はこの溝部3とカバー体6との繋ぎ目(目地、境目「切れ目」)を隠すために有効であること、等の実益が享受できる。尚、前記表面1a(図示しない溝部3)とカバー体6との繋ぎ目が目立つ不都合な一例を示した、図5−5において、釉薬11が接着剤として機能しても、この繋ぎ目を十分に隠すことは、困難性がある。この図5−5は、この事実を説明するための一図である。前述の溝部3の下面300と、カバー体6の下面600に係止手段8を設けた構造は一例であり、例えば、中子とか、その工夫で、溝部3の何れかの壁面301か、カバー体6の内外面605、603に係止手段8を設ける構造も可能である(一部を後述する)。
【0050】
そして、前述した如く、溝部3とカバー体6との構造には、各実施例があるが、その他の例を、図6、図7の一例を基にして説明する。図6・7の例では、溝部3の壁面301と、カバー体6の外面603との間に、係止手段8を設けた各例を示している。そして、図6において、溝部3の壁面301と、カバー体6の外面603との間に、係止手段8を設けた一例を示している。この図6の構造では、前述の図5−4と同効が期待できる。また、図7において、溝部3の倒U字形繋ぎ部303の深さに対して、その開放端部302、302(溝部3の倒U字形の倒U字形繋ぎ部303の反対側で、陶器瓦1の頭側102に当たる)の深さを浅くするとともに、カバー体6の下面600の開口部601の高さを、その繋ぎ部604の高さに対して短くした構造の係止手段8を設けた一例を示している。この図7においては、雨水の流れの効率化を図る。尚、図示しないが、溝部3とカバー体6において、その流れ方向(葺設時の棟側から軒側に向かって、所謂、屋根の流れ方向)で、馬蹄形の形状(カバー体6の外面603を、平面視した状態で、このカバー体6の繋ぎ部604の幅に対して、開口部601の幅を狭くする形状)とすることで、雨水の流れを確保する構造とか、カバー体6の高さを、流れ方向において、低くすることで、雨水の流れの確保と、風への抵抗回避等を図ることも可能である。
【0051】
図4は、前記の操作で、陶器瓦1の溝部3にカバー体6を、嵌合一体化しで配線瓦B(入線瓦)を構成し、この配線瓦Bを屋根地Cに葺設した後に、配線Aをセットした状態を示しているが、配線Aは、止水壁片5から、略水平状態で孔2の環状壁200(止水壁片5と環状壁200との高さが、略同じとして)に到り、その後、孔2の入口から、その底部に向かって入線される構造である。この入線状態で、止水壁片5と環状壁200との間が宙吊状態Dとなり、雨水の導きをシャットし、雨水を孔2に導く頻度を大幅に押え得る特徴がある。そして、この配線Aは、宙吊状態Dから、軒側から棟側に向かって迫り上がり傾斜であることと相俟って、この雨水の孔2への侵入を略皆無とできる特徴がある。また、この図4を利用して説明すると、隙間7と孔2との間の空間と、この孔2と配線Aとの隙間7a(以下同じ)は、換気通路として役立ち、屋根地に設けた配線用の孔(図示せず)を介して、屋根裏への空気の流れ(換気)を確保できる。
【0052】
次に、図8と図9−1〜図9−4は、第二実施例を示しており、図8と図9−1においては、前記陶器瓦1の表面1aより突出した倒U字形の壁片15を、設ける構造である。この壁片15の外面1500には、カバー体6の内面605が添接される構造である。この壁片15の外面1500には、カバー体6の内面605との間には、前述した係止手段8が同様に設けられる。尚、この壁片15には開放端部1501が設けられるが、この開放端部1501は、この壁片15の倒U字形の倒U字形繋ぎ部1502の反対側に設けられ(陶器瓦1の頭側102に当たる)。また、図9−2に示した構造は、壁片15の外面1500を曲面傾斜面構造とし、カバー体6の内面605の曲面傾斜面との嵌合の容易化、簡便化と、密着した一体化を図り、風、雨仕舞いの有効性等を図る。さらに、図9−3に示した係止手段8は、凹凸、噛合等の嵌合関係が考えられる。この実施例における係合手段8は、金型か、製造工程において製造するか、又は他の構造を採用する。そして、この実施例は、壁片15の外面1500と、カバー体6の内面605に設けた一例を示すが、前述の図5−3の例も採用できる。また、釉薬11が接着剤として機能し、この陶器瓦1とカバー体6との間の接着強化が図れる等の例では、下面300と、下面600の間に、釉薬11を充填する。また、図示しないが、壁片15の外面1500と、カバー体6の内面605・下面600の間に、釉薬11を充填する構造もできる。これらの釉薬11を充填する構造は、それぞれ単独の構造と、総合的にする構造とが考えられる。尚、その他は、前述の図5−1〜図5−4に準ずる。
【0053】
更に、図10と図11−1〜図11−4は、第三実施例を示しており、図10と図11−1においては、前記壁片15と同様に、陶器瓦1の表面1aに設けるが、この実施例では、この壁片15を、溝部3の内面304に添った形態で、かつ前記表面1aより突出形成する。この壁片15には、カバー体6の内面605が添接される構造である。この壁片15の外面1500には、カバー体6の内面605との間には、前述した係止手段8が同様に設けられる。また、図11−2に示した構造は、壁片15の外面1500を傾斜構造とし、カバー体6の内面605との嵌合の容易化、簡便化と、密着した一体化を図り、風、雨仕舞いの有効性等を図る。さらに、図9−3に示した係止手段8は、凹凸、噛合等の嵌合関係が考えられる。この実施例における係合手段8は、金型か、製造工程において、他の構造を採用する。その他は、前述の図5−1〜図5−4に準ずる。
【0054】
図12−1〜図12−3は、カバー体6の開口部601を遮蔽する蓋体16の各実施例を示しており、図12−1、図12−2は、配線A挿入用の窓1600を有する蓋体16を示している。また、図12−3は、防鳥ネットの蓋体16を示している。この蓋体16は、カバー体6の頂面602と、止め具等を利用して、着脱自在に取付ける。この防鳥ネットの蓋体16は、鳥の侵入と、巣掛け防止を意図する。
【0055】
図13は、第四実施例を示しており、この陶器瓦1の表面1aに、カバー体6を設けた場合に、例えば、ケガキ等の手法で、この表面1aに、カバー体6の外面603に添って、スリット17を形成するか、及び/又は、カバー体6の外面603の下端にスリット17aを形成し、このスリット17、17aを釉薬11の溜まりとすることで、このカバー体6を陶器瓦1の表面1aに密着一体化する構造も可能である。
【0056】
また、図14と、図15は、第五実施例を示しており、二山瓦(洋風瓦)の陶器瓦1に、前記の各実施例を設けた構造であり、前述の各例に準ずる。
【0057】
また、図16と、図17は、第六実施例を示しており、平板瓦(F形平板瓦)の陶器瓦1に、前記の各実施例を設けた構造であり、前述の各例に準ずる。
【0058】
尚、前記溝部3を設ける他の特徴としては、図18と、図19に示したことが可能である。即ち、白地の陶器瓦1(フラット形平板瓦)に釉薬11を塗布する際に、この溝部3の深さを利用する。例えば、斜め焼成時において、この溝部3の両開放端部302、302にカバー体6の開口部601側の下面600にある端部600a、600aを、それぞれ衝止することで、位置決めと、ズレ防止に役立つことと、カバー体6の取付けに、熟練を要さないこと、等の利点がある。
【0059】
以上で説明した陶器瓦1にカバー体6を一体化する(取付ける)時は、通常、以下の三通りが考えられる。その一は、成形後の生の段階で、カバー体6の下面600を、溝部3に嵌合し、その嵌合でできるカバー体6の外面603全体と溝部3の壁面301全体との隙間か、カバー体6の両自由端と、溝部3の開放端部302との隙間等に、図示しない粘土を充填し、かつこの充填した粘土を滑らかにする方法であり、職人の技術を活用する方法である。その後は、従来と同様な製法となる。尚、壁片15の場合も、略これに準ずる。この一の実施例では、能率はすこし劣るが、技術が発揮できること、独自性が確保できること、等の特徴がある。その二は、成形後に乾燥して白地の段階で、カバー体6と、陶器瓦1とに釉薬11を塗着した後、この陶器瓦1の溝部3に、カバー体6の下面600を嵌合し、前記隙間7等に釉薬溜りを形成した後、図19の手法を利用して焼成することで、この釉薬11が接着材(接着)として役立ち、かつ前述した各種の特徴がある。尚、壁片15の場合も、略これに準ずる。この二の実施例では、能率の向上と、品質の一定性が確保できること、境目の隠蔽に有効であること、等の特徴がある。また、その三は、成形後、陶器瓦1とカバー体6に釉薬11を塗着する。そして、カバー体6の下面600を、接着材(番号付さず)で、この溝部3とカバー体6の外面603全体を接着し、陶器瓦1とカバー体6を一体化する方法であり、職人の技術を、幾分、活用する方法である。その後は、従来と同様な製法となる。尚、壁片15の場合も、略これに準ずる。この三の実施例では、工場を始めとして、現場での一体化もできること、品質の一定性が確保できること、境目に独自性を発揮できること、等の特徴がある。
【0060】
尚、図示しないが、他の陶器瓦で、例えば、別の平板瓦、本葺き瓦等においても、前述の各実施例を採用できること、又は他の陶器瓦は、前述の各実施例と、その一体化とか、効果、手法も同様である。
【符号の説明】
【0061】
1 陶器瓦
1a 表面
100 谷部
101 尻側
102 頭側
103 棧側
104 差込み側
105 棧山
2 孔
200 環状壁
3 溝部
300 下面
301 壁面
302 開放端部
303 倒U字形繋ぎ部
304 内面
5 止水壁
6 カバー体
600 下面
600a 端部
601 開口部
602 頂面
603 外面
604 繋ぎ部
605 内面
7 隙間
7a 隙間
8 係止手段
10 隙間
11 釉薬
15 壁片
1500 外面
1501 開放端部
1502 U形繋ぎ部
16 蓋体
1600 窓
17 スリット
17a スリット
A 配線
B 配線瓦
C 屋根地
D 宙吊状態
S 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線瓦の構造であって、
この配線瓦は、その谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、この孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、その外面に係止部を有する壁片と、この壁片の開放端部に設けた止水壁片と、でなる陶器瓦と、
この陶器瓦の孔をカバーし、かつ前記壁片の外面に設けられる、その内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
このカバー体の被掛止部を、前記壁片の係止部に係止するとともに、このカバー体の開口部と、前記止水壁片との間で、その軒側を開放する隙間を形成し、この隙間を利用して、配線を前記孔に導く構造とした配線瓦の構造。
【請求項2】
配線瓦の構造であって、
この配線瓦は、その谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、この孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、その外面に係止部を有する溝部と、この溝部の開放端部に設けた止水壁片と、でなる陶器瓦と、
この陶器瓦の孔をカバーし、かつ前記溝部の一面に設けられる、その内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
このカバー体の被掛止部を、前記溝部の係止部に係止するとともに、このカバー体の開口部と、前記止水壁片との間で、その軒側を開放する隙間を形成し、この隙間を利用して、配線を前記孔に導く構造とした配線瓦の構造。
【請求項3】
配線瓦の構造であって、
この配線瓦は、その谷部か、平坦部に開設した配線挿入用の孔と、この孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、その外面に係止部を有する壁片と、この壁片の外側に設けたられ、かつ前記孔の周辺から頭側に延びる倒U字形で、しかもその一面に係止部を有する溝部と、前記壁片の開放端部に設けた止水壁片と、でなる陶器瓦と、
この陶器瓦の孔をカバーし、かつ前記壁片の外面に設けられる、その内面に被掛止部を備えた開口部を有するカバー体と、で構成し、
このカバー体の被掛止部を、前記壁片と溝部の係止部の何れか一方の係止部に係止するとともに、このカバー体の開口部と、前記止水壁片との間で、その軒側を開放する隙間を形成し、この隙間を利用して、配線を前記孔に導く構造とした配線瓦の構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の配線瓦の構造であって、
前記壁片、又は溝部と、カバー体の内面、又は下面との隙間に、釉薬を充填し、この壁片、又は溝部と、カバー体の内面、又は下面とを接着し、この釉薬を接着剤とする構成とした配線瓦の構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の配線瓦の構造であって、
前記孔の外側に壁片を設ける構成とした配線瓦の構造。
【請求項6】
請求項2、又は請求項3に記載の配線瓦の構造であって、
前記溝部と、カバー体の下面は傾斜形状とする構成とした配線瓦の構造。
【請求項7】
請求項2、又は請求項3に記載の配線瓦の構造であって、
前記溝部の陥没深さ寸法は、その尻側が浅く、頭側が深い構成とした配線瓦の構造。
【請求項8】
請求項1に記載の配線瓦の構造であって、
前記壁片の高さ寸法は、その尻側が高く、頭側が低い構成とした配線瓦の構造。
【請求項9】
配線用の陶器瓦であって、
この陶器瓦の谷部か、平坦部に配線挿入用の孔を開設し、この孔の周辺に間隔を置いて、開口部を有するカバー体を設け、この陶器瓦にはカバー体の外面に沿ったスリットを形成し、また、前記カバー体の外面の下端にスリットを形成し、この両スリットを釉薬の溜まり部とし、前記カバー体で、前記孔を囲繞する構造とするとともに、このカバー体の開口部と、前記壁片の倒U字形の開口部位に設けた止水壁片との間で、その軒側を開放する隙間を形成し、この隙間を利用して、配線を前記孔に導く構造とした配線瓦の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【図11−4】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−208446(P2011−208446A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78133(P2010−78133)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(391042391)株式会社神仲 (4)